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技術 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

出願人 TOYOTIRE株式会社
発明者 枡本雄貴
出願日 2016年5月16日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-098081
公開日 2017年2月2日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2017-025293
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 タイヤ一般
主要キーワード 反応熱分解 半径方向外周側 天然系ワックス パラフィン系石油 加硫ゴム片 リムストリップ 劣化抑制効果 精製ミツロウ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月2日)のものです。
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図面 (1)

課題

耐オゾン性を維持しつつ、ゴム表面の白色化を抑制する。

解決手段

ジエン系ゴムと、石油由来ワックスと、脂肪酸金属塩とを含有し、前記石油由来ワックスに最も多く含まれる炭化水素炭素数(Cmw)から前記脂肪酸金属塩に最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数(Cmf)を引いた差(Δ=Cmw−Cmf)が−10以上8以下である、タイヤ用ゴム組成物である。また、このゴム組成物からなるゴム部分を備え、該ゴム部分がトレッドゴムサイドウォールゴム及びリムストリップからなる群から選択された少なくとも1つである、空気入りタイヤである。

概要

背景

空気入りタイヤトレッドゴムサイドウォールゴムリムストリップを形成するゴム組成物には、空気中のオゾンや紫外線による劣化を抑制するために、ワックスが配合されている。ワックスは、耐オゾン性などの劣化抑制効果を有する反面、ゴム表面へのブルームにより当該ゴム表面を白色化することで、タイヤ外観不良の要因となる。そのため、耐オゾン性を維持しつつ、白色化を抑制することが求められる。

ワックスによる白色化を抑制するため、特許文献1には、極性ゴムシリカカーボンブラックを含むゴム組成物に、低軟化点成分を有する天然系ワックス高軟化点成分を有する極性天然系ワックスとを配合することが開示されている。また、極性ゴムであるエポキシ化天然ゴムに含まれる酸を中和するために、ステアリン酸カルシウムなどのアルカリ性脂肪酸金属塩を配合することも開示されている。しかし、この文献では、石油由来ワックスを使用することは否定されており、石油由来ワックスの炭素数脂肪酸金属塩の炭素数を調整することは開示されていない。

特許文献2には、ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数よりも16〜20小さい炭素数を持つ脂肪酸金属塩を、パラフィン系ワックスなどの石油由来ワックスとともに配合することが開示されている。しかし、本発明者の検討によれば、このように脂肪酸金属塩とワックスの炭素数の差が大きいと、白色化を抑制する効果が十分に得られないことが判明した。

なお、特許文献3には、タイヤトレッド用ゴム組成物において、脂肪酸金属塩と脂肪酸エステルの混合物と、ワックスを配合することが開示されている。特許文献4には、サイドウォール用ゴム組成物において、離型剤としてのステアリン酸亜鉛とともに、ワックスを配合することが開示されている。また、特許文献5には、トレッドサイドウォールなどに用いられるタイヤ用ゴム組成物において、脂肪酸金属塩とワックスを配合することが開示されている。しかしながら、これらいずれの文献にも、ワックスの炭素数と脂肪酸金属塩の炭素数を調整することで、白色化を抑制できることは示唆されていない。

概要

耐オゾン性を維持しつつ、ゴム表面の白色化を抑制する。ジエン系ゴムと、石油由来ワックスと、脂肪酸金属塩とを含有し、前記石油由来ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数(Cmw)から前記脂肪酸金属塩に最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数(Cmf)を引いた差(Δ=Cmw−Cmf)が−10以上8以下である、タイヤ用ゴム組成物である。また、このゴム組成物からなるゴム部分を備え、該ゴム部分がトレッドゴム、サイドウォールゴム及びリムストリップからなる群から選択された少なくとも1つである、空気入りタイヤである。なし

目的

本発明は、耐オゾン性を維持しつつ、ゴム表面の白色化を抑制することができるゴム組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ジエン系ゴムと、石油由来ワックスと、脂肪酸金属塩とを含有し、前記石油由来ワックスに最も多く含まれる炭化水素炭素数(Cmw)から前記脂肪酸金属塩に最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数(Cmf)を引いた差(Δ=Cmw−Cmf)が−10以上8以下である、タイヤ用ゴム組成物

請求項2

前記脂肪酸金属塩に最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数(Cmf)が18よりも大きい、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。

請求項3

前記差(Δ=Cmw−Cmf)が−5以上6以下である、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。

請求項4

前記脂肪酸金属塩が、脂肪酸アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。

請求項5

前記石油由来ワックスがパラフィン系石油ワックスである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。

請求項6

前記石油由来ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数(Cmw)が20〜35である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。

請求項7

前記ジエン系ゴム100質量部に対して、前記石油由来ワックスを0.1〜10質量部と、前記脂肪酸金属塩を0.5〜10質量部含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴム組成物からなるゴム部分を備え、前記ゴム部分がトレッドゴムサイドウォールゴム及びリムストリップからなる群から選択された少なくとも1つである、空気入りタイヤ

技術分野

0001

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。

背景技術

0002

空気入りタイヤのトレッドゴムサイドウォールゴムリムストリップを形成するゴム組成物には、空気中のオゾンや紫外線による劣化を抑制するために、ワックスが配合されている。ワックスは、耐オゾン性などの劣化抑制効果を有する反面、ゴム表面へのブルームにより当該ゴム表面を白色化することで、タイヤ外観不良の要因となる。そのため、耐オゾン性を維持しつつ、白色化を抑制することが求められる。

0003

ワックスによる白色化を抑制するため、特許文献1には、極性ゴムシリカカーボンブラックを含むゴム組成物に、低軟化点成分を有する天然系ワックス高軟化点成分を有する極性天然系ワックスとを配合することが開示されている。また、極性ゴムであるエポキシ化天然ゴムに含まれる酸を中和するために、ステアリン酸カルシウムなどのアルカリ性脂肪酸金属塩を配合することも開示されている。しかし、この文献では、石油由来ワックスを使用することは否定されており、石油由来ワックスの炭素数脂肪酸金属塩の炭素数を調整することは開示されていない。

0004

特許文献2には、ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数よりも16〜20小さい炭素数を持つ脂肪酸金属塩を、パラフィン系ワックスなどの石油由来ワックスとともに配合することが開示されている。しかし、本発明者の検討によれば、このように脂肪酸金属塩とワックスの炭素数の差が大きいと、白色化を抑制する効果が十分に得られないことが判明した。

0005

なお、特許文献3には、タイヤトレッド用ゴム組成物において、脂肪酸金属塩と脂肪酸エステルの混合物と、ワックスを配合することが開示されている。特許文献4には、サイドウォール用ゴム組成物において、離型剤としてのステアリン酸亜鉛とともに、ワックスを配合することが開示されている。また、特許文献5には、トレッドサイドウォールなどに用いられるタイヤ用ゴム組成物において、脂肪酸金属塩とワックスを配合することが開示されている。しかしながら、これらいずれの文献にも、ワックスの炭素数と脂肪酸金属塩の炭素数を調整することで、白色化を抑制できることは示唆されていない。

先行技術

0006

特開2015−017273号公報
特開2014−210830号公報
特開2011−246640号公報
特開2013−018868号公報
特開2011−140612号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、耐オゾン性を維持しつつ、ゴム表面の白色化を抑制することができるゴム組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムと、石油由来ワックスと、脂肪酸金属塩とを含有し、前記石油由来ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数(Cmw)から前記脂肪酸金属塩に最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数(Cmf)を引いた差(Δ=Cmw−Cmf)が−10以上8以下である、ゴム組成物である。

0009

本実施形態に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物からなるゴム部分を備え、該ゴム部分がトレッドゴム、サイドウォールゴム及びリムストリップからなる群から選択された少なくとも1つである、空気入りタイヤである。

発明の効果

0010

このように、石油由来ワックスに加えて、これと特定の炭素数の関係を持つ脂肪酸金属塩を配合することにより、耐オゾン性を維持しつつ、ゴム表面の白色化を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0011

空気入りタイヤの一例を示す半断面図である。

0012

以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。

0013

本実施形態に係るゴム組成物は、(A)ジエン系ゴム、(B)石油由来ワックス、及び、(C)脂肪酸金属塩を含有する。

0014

(A)ジエン系ゴム
ゴム成分としてのジエン系ゴムについては、特に限定されない。使用可能なジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴムSBR)、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴム、及び、ニトリルゴム(NBR)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。より好ましくは、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムよりなる群から選択される少なくとも一種である。

0015

一実施形態として、トレッド用ゴム組成物のジエン系ゴムとしては、SBR単独、SBRとBRのブレンド、NR単独、又は、NRとBRのブレンドでもよい。また、一実施形態として、サイドウォール用及びリムストリップ用ゴム組成物としては、NR単独、又は、NRとBRのブレンドでもよい。

0016

(B)石油由来ワックス
石油由来ワックスは、石油ワックスとも称され、石油から得られる炭化水素系ワックスである。石油由来ワックスを配合することにより、当該ワックスがゴム表面にブルームすることで耐オゾン性が付与される。その一方で、ワックスは白色化の要因にもなるが、石油由来ワックスであれば、後述する特定の脂肪酸金属塩と併用することにより、白色化を抑制することができる。石油由来以外のワックスでは、耐オゾン性が不十分であり、また、該特定の脂肪酸金属塩と併用したときの白色化抑制効果が不十分である。

0017

石油由来ワックスとしては、パラフィンワックス及び/又はマイクロクリスタリンワックスが挙げられる。パラフィンワックスは、原油減圧蒸留留出油部分から分離抽出される常温固形のワックスであり、直鎖状飽和炭化水素ノルマルパラフィン)を主体とする飽和炭化水素である。マイクロクリスタリンワックスは、主として原油の減圧蒸留残査油部分または重質留出油部分から分離抽出される常温で固形のワックスであり、分岐飽和炭化水素(イソパラフィン)や飽和環状炭化水素(シクロパラフィン)を多く含む炭化水素である。一実施形態において、石油由来ワックスは、パラフィン系石油ワックスであることが好ましい。ここで、パラフィン系石油ワックスとは、パラフィンワックスを含むワックスであり、好ましくは、パラフィンワックス、又は、パラフィンワックスとマイクロクリスタリンワックスとの混合物である。

0018

石油由来ワックスは、一般に、炭素数20〜60の範囲内の炭化水素を含む混合物であり、炭化水素の炭素数分布ピークを持つものが用いられる。石油由来ワックスに含まれる炭化水素の炭素数は特に限定されない。例えば、石油由来ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数(Cmw)は、20〜50でもよく、20〜40でもよく、20〜35でもよく、20〜30でもよく、22〜28でもよい。ここで、「石油由来ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数」とは、石油由来ワックスに含まれる炭化水素のうち、質量比率が最も多い炭化水素の炭素数である。Cmwは、例えば、ガスクロマトグラフィーを用いて測定した炭素数分布のピークトップから求めることができる。

0019

石油由来ワックスの配合量は、特に限定されない。例えば、耐オゾン性などの観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部でもよく、0.5〜5質量部でもよく、1〜3質量部でもよい。

0020

(C)脂肪酸金属塩
本実施形態に係るゴム組成物には、石油由来ワックスとともに、脂肪酸金属塩が配合される。ここで、脂肪酸金属塩は、複数の脂肪酸金属塩の混合物であっても良い。脂肪酸金属塩を配合することにより、ゴム表面にブルームしてきた石油由来ワックスの結晶化を阻害し、当該ワックスが平滑な膜を形成するため、白色化しにくくなると考えられる。

0021

本実施形態では、脂肪酸金属塩として、以下の条件を満足するものが用いられる。すなわち、石油由来ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数をCmwとし、脂肪酸金属塩に最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数をCmfとして、CmwからCmfを引いた差Δ(=Cmw−Cmf)が−10以上8以下である(−10≦Δ≦8)。このように石油由来ワックスの炭素数と同程度の炭素数を主成分とする脂肪酸金属塩を用いることにより、ゴム表面に形成される石油由来ワックスのブルーム膜をより均一に薄くできると考えられる。そのため、白色化しにくく、外観性を良好にすることができる。Δ>8では、脂肪酸金属塩と石由来ワックスの炭素数の差が大きく、白色化を抑制する効果が十分に得られない。また、Δ<−10では、石油由来ワックスの炭素数に対して脂肪酸金属塩の炭素数が大きくなりすぎ、白色化を抑制する効果が不十分となる。差Δは、−5〜6であることが好ましく、より好ましくは−3〜6であり、−1〜5でもよい。

0022

ここで、「構成脂肪酸」とは、脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸である。また、「脂肪酸金属塩に最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数(Cmf)」とは、脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸のうち、最もモル比率の多い脂肪酸の炭素数のことである。一般に、脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸は、単一の脂肪酸または炭素数が異なる複数の脂肪酸からなる。なお、構成脂肪酸が1種のみからなる脂肪酸金属塩の場合、上記の脂肪酸金属塩に最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数(Cmf)は、当該1種の構成脂肪酸の炭素数である。また、脂肪酸金属塩が複数の脂肪酸金属塩の混合物の場合、Cmfは、当該複数の脂肪酸金属塩を構成する全ての脂肪酸のうち、最もモル比率が多い脂肪酸の炭素数である。Cmfは、例えば水酸化テトラメチルアンモニウムによる反応熱分解により、脂肪酸金属塩を脂肪酸エステルにした後、ガスクロマトグラフ質量分析計GC/MS)で分析して得られた各脂肪酸含有比率から最もモル比率の多い脂肪酸を求めることで得られる。

0023

脂肪酸金属塩に最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数(Cmf)は18よりも大きいことが好ましく、これにより白色化抑制効果を高めることができる。該Cmfは20よりも大きいことが好ましく、より好ましくは22以上である。該Cmfの上限は特に限定しないが、30以下でもよい。

0024

脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸(構成脂肪酸)としては、石油由来ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数との差Δが−10〜8である炭素数を持つ各種の飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸が挙げられる。具体的には、ミリスチン酸(炭素数14)、ペンタデカン酸(炭素数15)、パルミチン酸(炭素数16)、ヘプタデカン酸(炭素数17)、ステアリン酸(炭素数18)、アラキジン酸(炭素数20)、ベヘン酸(炭素数22)、リグノセリン酸(炭素数24)、セロチン酸(炭素数26)、モンタン酸(炭素数28)、メリシン酸(炭素数30)などが挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記の差Δの条件を満たす限り、これら脂肪酸よりも炭素数の小さい脂肪酸及び/又は炭素数の大きい脂肪酸を、構成脂肪酸として含んでもよい。

0025

脂肪酸金属塩における金属としては、例えば、ナトリウム塩(Na)、カリウム塩(K)などのアルカリ金属塩マグネシウム塩(Mg)、カルシウム塩(Ca)などのアルカリ土類金属塩亜鉛塩(Zn)、コバルト塩(Co)、銅塩(Cu)などの遷移金属塩などが挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩及び/又はカルシウム塩である。

0026

脂肪酸金属塩の配合量は、特に限定されないが、石油由来ワックスによる白色化を抑制する効果を高めるという観点から、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜8質量部であり、2〜5質量部でもよい。

0027

(D)その他の成分
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の成分の他に、充填剤老化防止剤亜鉛華、ステアリン酸、プロセスオイル加硫剤加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。

0028

充填剤としては、カーボンブラック及び/又はシリカを配合することができる。カーボンブラックとしては、特に限定されず、ゴム用補強剤として用いられているSAF級(N100番台)、ISAF級(N200番台)、HAF級(N300番台)、FEF級(N500番台)(ともにASTMグレード)などの各種グレードのファーネスカーボンブラックを用いることができる。シリカとしては、特に限定されないが、湿式シリカ含水ケイ酸)が好ましい。充填剤の配合量は、特に限定されないが、ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜120質量部であり、更に好ましくは30〜100質量部である。一実施形態として、カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して10〜120質量部でもよく、20〜100質量部でもよい。また、シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して10〜120質量部でもよく、20〜100質量部でもよい。

0029

なお、充填剤としてシリカを配合する場合、シリカの分散性を更に向上するために、スルフィドシランメルカプトシランなどのシランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、シリカ配合量に対して2〜20質量%であることが好ましい。

0030

加硫剤としては、粉末硫黄沈降硫黄コロイド硫黄不溶性硫黄高分散性硫黄などの硫黄が挙げられる。加硫剤の配合量は、特に限定されず、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部でもよく、0.5〜5質量部でもよい。

0031

実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーニーダーロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し、石油由来ワックス及び脂肪酸金属塩とともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。

0032

このようにして得られたゴム組成物は、乗用車用トラックバス重荷重用など各種用途、サイズの空気入りタイヤに用いることができる。好ましくは、空気入りタイヤのトレッドゴム、サイドウォールゴム、及びリムストリップからなる群より選択される少なくとも1つに用いることである。

0033

図1は、空気入りタイヤの一例を示したものである。空気入りタイヤは、トレッド部1と、その両端から半径方向内側に延びる左右一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2の半径方向内側に設けられた左右一対のビード部3とからなる。空気入りタイヤには、一対のビード部3に埋設された一対のビードコア4間にトロイダル状に延在するカーカスプライ5が埋設されている。トレッド部1におけるカーカスプライ5の半径方向外周側にはベルト6が配されている。

0034

空気入りタイヤは、トレッド部1においてベルト6の半径方向外周側に配置されて接地面を形成するトレッドゴム7と、サイドウォール部2においてカーカスプライ5のタイヤ外面側に配置されサイドウォール部2のタイヤ外表面を形成するサイドウォールゴム8と、ビード部3においてリムフランジとの接触領域を覆うように配置されビード部3のタイヤ外表面を形成するリムストリップ9とを備える。リムストリップ9は、サイドウォールゴム8の下端部に連続してビード部3の外側に配されたゴム層である。

0035

これらのトレッドゴム7、サイドウォールゴム8及びリムストリップ9は、空気入りタイヤの外表面を形成するため、ゴム表面の変色を抑制することが求められ、そのため、上記実施形態に係るゴム組成物が好適に用いられる。

0036

上記実施形態に係るゴム組成物を用いて、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形することにより、未加硫トレッドゴム部材サイドウォールゴム部材、及び/又はリムストリップゴム部材を得る。そして、これらを他の部品と組み合わせてグリーンタイヤを作製した後、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤを製造することができる。本実施形態に係る空気入りタイヤは、トレッドゴムとサイドウォールゴムとリムストリップのいずれか1つ又は2つ以上が上記実施形態に係るゴム組成物により形成される。

0037

以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0038

[第1実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。

0039

・SBR:スチレンブタジエンゴム、JSR(株)製「SBR1723」
・BR:ブタジエンゴム、宇部興産(株)製「BR150」
・カーボンブラック1:HAF、東海カーボン(株)製「シースト3」
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」
オイル:JX日鉱日石エネルギー(株)製「JOMOプロセスNC140」
・シランカップリング剤:エボニック社製「Si75」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「1号亜鉛華」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・老化防止剤1:住友化学工業株式会社製「アンチゲン6C」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「5%油処理粉末硫黄」
・加硫促進剤CZ:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
・加硫促進剤D:三新化学工業(株)製「サンセラーDM−G」

0040

ラウリン酸Ca:日東化成工業(株)製「CS−3」(Cmf:12)
・ラウリン酸Zn:日東化成工業(株)製「ZS−3」(Cmf:12)
・ステアリン酸Ca:日油(株)製「カルシウムステアレートG」(Cmf:18)
・ベヘン酸Ca:日東化成工業(株)製「CS−7」(Cmf:22)
・ベヘン酸Na:日東化成工業(株)製「NS−7」(Cmf:22)
・モンタン酸Ca:日東化成工業(株)製「CS−8」(Cmf:28)

0041

・ワックス1:石油ワックス(パラフィン系石油ワックス)、日本精(株)製「OZOACE0355」(Cmw:27)
・ワックス2:石油ワックス(パラフィン系石油ワックス)。ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、種々の市販ワックスについてカラムによる分離を行い、特定の炭素数のワックス成分分離採取し、これらのワックス成分を組合せ、ブレンドすることにより、炭素数分布を調整した試作ワックス(Cmw:32)
・ワックス3:石油ワックス(パラフィン系石油ワックス)。ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、種々の市販ワックスについてカラムによる分離を行い、特定の炭素数のワックス成分を分離採取し、これらのワックス成分を組合せ、ブレンドすることにより、炭素数分布を調整した試作ワックス(Cmw:23)
・ワックス4:動物系ワックス、横関油脂工業(株)製「精製ミツロウBEESWAXCO−100」(Cmw:26)

0042

Cmw(ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数)は、測定装置としてキャピラリーガスクロマトグラフ(GC)を用い、ポリイミドコーティングされたキャピラリーカラムを用いて、キャリアガスヘリウム、流量:4mL/分、昇温速度:15℃/分で、180℃〜390℃まで測定することにより、ワックスの炭素数分布を得て、該炭素数分布からピークトップの炭素数を求めた。

0043

Cmf(脂肪酸金属塩に最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数)は、反応熱分解GCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)法を用いて求めることができる。ここでは、フロンティアラボ株式会社製の熱分解装置(3030D)を用い350℃にて加熱分解を行い、日本電子株式会社製のGC/MS装置(Automass SUN)を用いて熱分解GC/MSの測定を行った(使用カラム:フロンティア・ラボ株式会社製VA−DX30、キャリアガス:ヘリウム、流量:1mL/分、昇温速度:10℃/分)。この際、試料約200μgに25質量%水酸化テトラメチルアンモニウム/メタノール溶液を2μL添加したものを測定試料とした。

0044

各ゴム組成物について、160℃×20分で加硫して試験片を作製して、外観性(白色化)と耐オゾン性を評価した。各評価方法は、以下の通りである。

0045

・外観性(白色化):加硫ゴム片を40℃に温度調節したオーブン中に入れて3週間放置した。その後、加硫ゴム片の表面を目視により観察して、下記基準で外観性(白色化)を評価した。点数が大きいほど、外観性が良好である。
点数5:表面が黒く、ほとんど変色なし
点数4:わずかに白色に変色している
点数3:全体の半分未満が白色に変色している
点数2:全体の半分以上が白色に変色している
点数1:全体的に白色に変色している

0046

・耐オゾン性:加硫ゴム片を25%伸張した条件下でオゾンウェザーメーター装置中に設置し、オゾン濃度100pphm、温度50℃の環境下で24時間放置した。その後、クラック発生状態を目視により観察して、下記基準で耐オゾン性を評価した。点数が大きいほど、耐オゾン性が良好である。
点数4:クラック発生なし
点数3:肉眼では確認できないが10倍の拡大鏡では確認できるクラックが発生
点数2:1mm以下のクラックが発生
点数1:1mmを超えるクラックが発生

0047

0048

[第2実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合(質量部)に従って、第1実施例と同様の方法で、ゴム組成物を調製した。表2中の各成分の詳細は、以下の通りである(表1に記載のものと同じものは上述した通り)。

0049

・NR:天然ゴム、RSS#3
・カーボンブラック2:FEF、東海カーボン(株)製「シーストSO」
・老化防止剤2:住友化学工業株式会社製「アンチゲンRD-G」
・加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーNS−P」

0050

各ゴム組成物について、160℃×20分で加硫して試験片を作製して、外観性(白色化)と耐オゾン性を評価した。各評価方法は、上述した通りである。

0051

0052

表1に示すように、コントロールである比較例1に対し、ワックスを配合した比較例2では、耐オゾン性は改善されたものの、ゴム表面が白色化し、外観性に劣っていた。比較例3及び4では、ワックスとともに脂肪酸金属塩を配合したものの、脂肪酸金属塩とワックスの炭素数の差Δが大きく、白色化の抑制効果は得られなかった。比較例5では、比較例3及び4に比べて、炭素数のより高い脂肪酸金属塩を配合したことにより、外観性に若干の改善効果が認められたが、脂肪酸金属塩とワックスの炭素数の差Δが依然として大きく、改善効果は不十分であった。比較例6では、脂肪酸金属塩とワックスの炭素数の差Δは小さいものであったが、石油由来ワックスではなく動物系ワックスであったため、白色化抑制効果は不十分であり、また耐オゾン性にも劣っていた。

0053

これに対し、石油由来ワックスとともに脂肪酸金属塩を配合し、かつ両者の炭素数の差Δを規定範囲内とした実施例1〜6であると、耐オゾン性を維持しつつ、白色化を抑制して外観性を向上することができた。

0054

また、表1のSBR/BR系と同様、表2のNR/BR系においても、石油由来ワックスと脂肪酸金属塩を配合し、かつ両者の炭素数の差Δを規定範囲内とすることにより、耐オゾン性を維持しつつ、白色化を抑制して外観性を向上することができた。

実施例

0055

なお、表1はトレッド用配合であり、表2はサイドウォール用配合である。リムストリップ用配合は、サイドウォール用配合に対して、ベースとなるゴム成分の組成等が共通しているため、リムストリップ用配合でも同様の効果が得られることは当業者であれば容易に理解できるであろう。

0056

7…トレッドゴム、8…サイドウォールゴム、9…リムストリップ

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