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図面 (2)

課題

安全性が高く、β‐セクレターゼ活性に対する優れた阻害作用を有するβ‐セクレターゼ阻害剤を含む医薬製剤及び飲食品を提供すること。

解決手段

セサモリンエチル4−メトキシシンナメートピパタリンからなる群から選択される1以上の化合物を有効成分として含有するβ‐セクレターゼ阻害剤とする。

概要

背景

近年の急速な高齢化社会到来に伴い、老人性痴呆症は、医学的、社会的にも重大な問題となっており、それにより有効な抗認知症薬の開発が強く望まれている。老人性痴呆症の代表的な疾患であるアルツハイマー型痴呆症アルツハイマー病)は、脳の萎縮老人班の沈着及び神経原繊維の形成を特徴とする変性疾患で、神経細胞脱落によって痴呆症状が引き起こされると考えられている(非特許文献1)。

アルツハイマー型痴呆症の原因について未だ定説はないが、病理組織学的研究により、老人班が沈着しそれにより神経細胞が脱落し脳の萎縮が生じると考えられている。老人班の主成分であるβ‐アミロイド細胞毒性作用を有しており、アルツハイマー型痴呆症における神経細胞死を引き起こしていると考えられている(非特許文献2〜5)。β‐アミロイドは、アミロイド前駆体タンパク質APP)からβ‐セクレターゼという酵素の作用によって生成される。従って、このβ‐セクレターゼに対し阻害作用を有する化合物は、アルツハイマー型痴呆症の治療に有用であると考えられる。β‐セクレターゼに対し阻害作用を有する化合物に関する研究が、近年活発に行われている(特許文献1)。

このようなβ‐セクレターゼに対して阻害活性を持つ化合物は、β‐アミロイドの生成のみならず、他の生体内での反応をも阻害する可能性がある。他の生体内での反応を阻害するような物質は、β‐アミロイドの生成を阻害したとしても、患者に深刻な副作用をもたらす虞があるため、アルツハイマー型痴呆症等の治療に利用することは困難である。よって、アルツハイマー型痴呆症の治療に使用することができる、安全性の高いβ‐セクレターゼ阻害剤が求められている。

安全性の高いβ−セクレターゼ阻害剤を探索した例として、本発明者らによる特許文献2記載の発明が挙げられる。
特許文献2では、安全性の高いβ−セクレターゼ阻害剤を得るために、例えばコショウゴマターメリック等のスパイスとして一般的に用いられる天然物からβ−セクレターゼ阻害剤が抽出されている。特許文献2ではさらに抽出物に含まれる化合物の内β−セクレターゼ阻害活性を示す化合物が特定されている。

概要

安全性が高く、β‐セクレターゼ活性に対する優れた阻害作用を有するβ‐セクレターゼ阻害剤を含む医薬製剤及び飲食品を提供すること。セサモリンエチル4−メトキシシンナメートピパタリンからなる群から選択される1以上の化合物を有効成分として含有するβ‐セクレターゼ阻害剤とする。なし

目的

本発明は、安全性が高く、β‐セクレターゼ活性に対する優れた阻害作用を有するβ‐セクレターゼ阻害剤、並びに該阻害剤を含む医薬製剤及び飲食品を提供する

効果

実績

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請求項1

セサモリンエチル4−メトキシシンナメートピパタリンからなる群から選択される1以上の化合物を有効成分として含有するβ‐セクレターゼ阻害剤

請求項2

セサモリンが、ゴマ抽出物から得られるものであることを特徴とする請求項1記載のβ‐セクレターゼ阻害剤。

請求項3

エチル4−メトキシシンナメートが、ガランガルの抽出物から得られるものであることを特徴とする請求項1記載のβ‐セクレターゼ阻害剤。

請求項4

ピパタリンが、ヒハツの抽出物から得られるものであることを特徴とする請求項1記載のβ‐セクレターゼ阻害剤。

請求項5

請求項1乃至4のいずれかに記載のβ‐セクレターゼ阻害剤を含む医薬製剤

請求項6

請求項1乃至4のいずれかに記載のβ−セクレターゼ阻害剤を含む飲食品

技術分野

0001

本発明は、カレースパイス等の天然植物由来化合物を有効成分として含有するβ‐セクレターゼ阻害剤、並びに該阻害剤を含む医薬製剤及び飲食品に関する。

背景技術

0002

近年の急速な高齢化社会到来に伴い、老人性痴呆症は、医学的、社会的にも重大な問題となっており、それにより有効な抗認知症薬の開発が強く望まれている。老人性痴呆症の代表的な疾患であるアルツハイマー型痴呆症アルツハイマー病)は、脳の萎縮老人班の沈着及び神経原繊維の形成を特徴とする変性疾患で、神経細胞脱落によって痴呆症状が引き起こされると考えられている(非特許文献1)。

0003

アルツハイマー型痴呆症の原因について未だ定説はないが、病理組織学的研究により、老人班が沈着しそれにより神経細胞が脱落し脳の萎縮が生じると考えられている。老人班の主成分であるβ‐アミロイド細胞毒性作用を有しており、アルツハイマー型痴呆症における神経細胞死を引き起こしていると考えられている(非特許文献2〜5)。β‐アミロイドは、アミロイド前駆体タンパク質APP)からβ‐セクレターゼという酵素の作用によって生成される。従って、このβ‐セクレターゼに対し阻害作用を有する化合物は、アルツハイマー型痴呆症の治療に有用であると考えられる。β‐セクレターゼに対し阻害作用を有する化合物に関する研究が、近年活発に行われている(特許文献1)。

0004

このようなβ‐セクレターゼに対して阻害活性を持つ化合物は、β‐アミロイドの生成のみならず、他の生体内での反応をも阻害する可能性がある。他の生体内での反応を阻害するような物質は、β‐アミロイドの生成を阻害したとしても、患者に深刻な副作用をもたらす虞があるため、アルツハイマー型痴呆症等の治療に利用することは困難である。よって、アルツハイマー型痴呆症の治療に使用することができる、安全性の高いβ‐セクレターゼ阻害剤が求められている。

0005

安全性の高いβ−セクレターゼ阻害剤を探索した例として、本発明者らによる特許文献2記載の発明が挙げられる。
特許文献2では、安全性の高いβ−セクレターゼ阻害剤を得るために、例えばコショウゴマターメリック等のスパイスとして一般的に用いられる天然物からβ−セクレターゼ阻害剤が抽出されている。特許文献2ではさらに抽出物に含まれる化合物の内β−セクレターゼ阻害活性を示す化合物が特定されている。

0006

特開2008−137914号公報
特開2013−189385号公報

先行技術

0007

Alzheimer, A (1907) Central Bl. Nervenheilk. Phychiatr. 30, 177-179
Yankner,B. et al. Science, 245, 417-429 (1989)
Cai,X., Gold, T. & Younkin,S. Science, 259, 514-516 (1993)
Rose, A. Nature Med. 2, 267-269 (1996)
Scheuner,D. et al. Nature Med. 2, 864-869 (1996)

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、安全性が高く、β‐セクレターゼ活性に対する優れた阻害作用を有するβ‐セクレターゼ阻害剤、並びに該阻害剤を含む医薬製剤及び飲食品を提供するものである。

課題を解決するための手段

0009

請求項1に係る発明は、セサモリンエチル4−メトキシシンナメートピパタリンからなる群から選択される1以上の化合物を有効成分として含有するβ‐セクレターゼ阻害剤に関する。

0010

請求項2に係る発明は、セサモリンが、ゴマの抽出物から得られるものであることを特徴とする請求項1記載のβ‐セクレターゼ阻害剤に関する。

0011

請求項3に係る発明は、エチル4−メトキシシンナメートが、ガランガルの抽出物から得られるものであることを特徴とする請求項1記載のβ‐セクレターゼ阻害剤に関する。

0012

請求項4に係る発明は、ピパタリンが、ヒハツの抽出物から得られるものであることを特徴とする請求項1記載のβ‐セクレターゼ阻害剤に関する。

0013

請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のβ‐セクレターゼ阻害剤を含む医薬製剤に関する。

0014

請求項6に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のβ−セクレターゼ阻害剤を含む飲食品に関する。

発明の効果

0015

請求項1に係る発明によれば、β‐セクレターゼ活性に対する優れた阻害作用を有するので、アルツハイマー型痴呆症等の老人性痴呆症を予防又は進行を停止することができる。

0016

請求項2乃至4に係る発明によれば、カレースパイス等の天然植物の抽出物から得られた化合物を有効成分とするため、人体に対する安全性が高く、アルツハイマー型痴呆症等の老人性痴呆症を予防又は進行を停止することができるβ‐セクレターゼ阻害剤を提供することができる。

0017

請求項5に係る発明によれば、β‐セクレターゼ活性に対する優れた阻害作用を有するβ‐セクレターゼ阻害剤を含む医薬製剤であるため、使用者の症状や状態に合わせてβ‐セクレターゼ阻害剤を摂取することができ、アルツハイマー型痴呆症等の老人性痴呆症を予防又は進行を停止することができる。

0018

請求項6に係る発明によれば、β‐セクレターゼ活性に対する優れた阻害作用を有するβ‐セクレターゼ阻害剤を含む飲食品であるため、β‐セクレターゼ阻害剤を日常的に容易に摂取することができ、アルツハイマー型痴呆症等の老人性痴呆症を予防又は進行を停止することができる。

図面の簡単な説明

0019

エチル4−メトキシシンナメートをガランガルのヘキサン抽出物から単離する工程を示す図である。
ピパタリンをヒハツのヘキサン抽出物から単離する工程を示す図である。

0020

以下、本発明に係るβ−セクレターゼ阻害剤、並びに該阻害剤を含む医薬製剤及び飲食品について説明する。

0021

本発明のβ‐セクレターゼ阻害剤は、セサモリン、エチル4−メトキシシンナメート、ピパタリンからなる群から選択される1以上の化合物を有効成分として含有する。

0022

セサモリンは、CAS番号526−07−8であって、下式(化1)に示す構造を有している。

0023

0024

エチル4−メトキシシンナメートは、CAS番号24393−56−4であって、下式(化2)に示す構造を有している。

0025

0026

ピパタリンは、CAS番号18634‐87‐2であって、下式(化3)に示す構造を有している。

0027

0028

本発明において、セサモリンは標準品を用いることができる。また、カレースパイス等の抽出物から得たものを用いることができ、特にゴマの抽出物から得たものを用いることができる。

0029

ゴマ(英名:Sesame、学名:Sesamum indicum)は、ゴマ科ゴマ属の一年草である。草丈は約1mになり、葉腋に薄紫色の花をつけ、実の中に多数の種子を含む双子葉植物である。野生種はアフリカで多く自生しているが、世界中で栽培されている。主に種子が食材食用油など油製品の材料とされる。種子の色により、黒色黒ゴマ、白色の白ゴマ、黄色の黄ゴマや金ゴマのように区別される。

0030

本発明のβ‐セクレターゼ阻害剤には、セサモリンを有効成分とするもの、及びゴマの抽出物を有効成分とするものを用いることができる。
セサモリンはゴマの種子からヘキサン及び酢酸エチルによって好適に抽出される。その理由は、ゴマの種子をヘキサン及び酢酸エチルで抽出することにより、セサモリンを多く溶出させることができるからである。

0031

本発明において、エチル4−メトキシシンナメートは標準品を用いることができる。また、カレースパイス等の抽出物から得たものを用いることができ、特にガランガルの抽出物から得たものを用いることができる。

0032

ガランガル(英名:Galangal、学名:Alpinia officinarum L.)は、ショウガ科多年生草本である。原産地は中国部であり、インドをはじめ東南アジア一帯に自生し、ジャワ、マライなどで栽培されている。ジンジャーに似た香味をもつが、ガランガルの方が土臭くなく、ややコショウに似たさわやかな辛味感がある。一般的には、根茎部をカレーの風味づけなどに利用する。花は、サラダとして生で食されることもある。

0033

本発明のβ‐セクレターゼ阻害剤には、エチル4−メトキシシンナメートを有効成分とするもの、及びガランガルの抽出物を有効成分とするものを用いることができる。
エチル4−メトキシシンナメートはガランガルの根茎からヘキサンによって好適に抽出される。その理由は、ガランガルの根茎をヘキサンで抽出することにより、エチル4−メトキシシンナメートを多く溶出させることができるからである。

0034

本発明において、ピパタリンは標準品を用いることができる。また、カレースパイス等の抽出物から得たものを用いることができ、特にヒハツの抽出物から得たものを用いることができる。

0035

ヒハツ(英名:Long Pepper、学名:Piper longum L.)は、コショウ科コショウ属の双子葉植物である。果実はコショウに似た風味を持っており、コショウと同様にスパイスとして利用される。原産地はインドである。

0036

本発明のβ‐セクレターゼ阻害剤には、ピパタリンを有効成分とするもの、及びヒハツの抽出物を有効成分とするものを用いることができる。
ピパタリンはヒハツの果実からヘキサン及び酢酸エチルによって好適に抽出される。その理由は、ヒハツの果実をヘキサン及び酢酸エチルで抽出することにより、エチル4−メトキシシンナメートを多く溶出させることができるからである。

0037

上記化合物は、1種単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。下記実施例で詳述するように、上記化合物は強いβ‐セクレターゼ阻害活性を有しているので、これらを有効成分として含有する本発明のβ‐セクレターゼ阻害剤は、各種用途に使用することができる。

0038

例えば、本発明のβ‐セクレターゼ阻害剤を医薬製剤として用いる場合、哺乳動物(特にヒト)における老人性痴呆症の予防薬、特にアルツハイマー型痴呆症の予防薬として用いられる。

0039

本発明のβ‐セクレターゼ阻害剤は、慣用されている方法により錠剤散剤細粒剤顆粒剤被覆錠剤カプセル剤シロップ剤トローチ剤吸入剤坐剤注射剤軟膏剤眼軟膏剤点眼剤点鼻剤点耳剤、バップ剤、ローション剤等の医薬製剤に製剤化することができる。

0040

製剤化に通常使用される賦形剤結合剤滑沢剤着色剤矯味矯臭剤、および必要により安定化剤乳化剤吸収促進剤界面活性剤pH調整剤防腐剤抗酸化剤などを使用することができ、一般に医薬製剤の原料として使用される成分及び配合量を適宜選択して定法により製剤化される。

0041

本発明の医薬製剤を投与する場合、その形態は特に限定されず、通常使用される方法であればよく、経口投与でも非経口投与でもよい。本発明に係る医薬製剤の投与量は、症状の程度、年齢性別、体重、投与形態、疾患の具体的な種類等に応じて、製剤学的な有効量を適宜選択することができる。投与量の一例を挙げると、経口投与の場合、通常、成人において、有効成分量として0.001〜1000mg/kg程度が適当であり、これを1日1回〜数回に分けて投与すればよい。

0042

本発明のβ‐セクレターゼ阻害剤は、食品添加剤として、例えば清涼飲料水乳製品加工乳ヨーグルト)、菓子類ゼリーチョコレートビスケットガム錠菓)又はサプリメント等の各種飲食品に配合することもできる。

0043

食品添加剤として使用する場合、その添加量については、特に限定されず、食品の種類に応じて適宜決定すればよい。一例としては、上記した抽出物の乾燥重量として、含有量が0.0005〜50重量%程度の範囲となるように添加すればよい。

0044

上記飲食品は、本発明のβ‐セクレターゼ阻害剤の他に、賦形剤、呈味剤、着色剤、保存剤増粘剤、安定剤、ゲル化剤酸化防止剤等を含有してもよい。
このうち、賦形剤としては、これらに限定されないが例えば、微粒子二酸化ケイ素のような粉末類ショ糖脂肪酸エステル結晶セルロースカルボキシメチルセルロースナトリウムリン酸水素カルシウム小麦デンプン米デンプントウモロコシデンプンバレイショデンプンデキストリンシクロデキストリン等のでんぷん類、結晶セルロース類、乳糖ブドウ糖砂糖還元麦芽糖水飴フラクトオリゴ糖ガラクトオリゴ糖大豆オリゴ糖イソマルトオリゴ糖キシロオリゴ糖マルトオリゴ糖乳果オリゴ糖などの糖類、ソルビトール,エリストール,キシリトールラクチトールマンニトール等の糖アルコール類が挙げられる。これらの賦形剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。

0045

呈味剤としては、これらに限定されないが例えば、果汁エキスであるボンタンエキスライチエキス、リンゴ果汁オレンジ果汁、ゆずエキス、ピーチフレーバーウメフレーバー、甘味剤であるアセスルファムK、エリストール、オリゴ糖類マンノース、キシリトール、異性化糖類、茶成分である緑茶ウーロン茶バナバ茶杜仲、鉄観音茶、ハトムギ茶、アマチャヅル茶、マコモ茶、昆布茶、及びヨーグルトフレーバー等が挙げられる。

0046

以下、本発明の実施例を説明することにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明は以下の実施例には限定されない。

0047

(ヘキサン抽出物の調製)
ゴマの種子1kgを粉砕し、40℃のヘキサン5000mlで1時間の攪拌抽出を行い、上澄み液4200mlをろ紙でろ過した。
次いで、その残渣に40℃のヘキサン2500mlで0.5時間の攪拌抽出を行い、ろ紙でろ過した。得られた抽出液に含まれる溶媒エバポレーター(40℃)で留去し、ゴマのヘキサン抽出物を得た。
ヒハツの果実及びガランガルの根茎からも、同様の方法でヘキサン抽出物を得た。

0048

酢酸エチル抽出物の調製)
ゴマのヘキサン抽出後の残渣を乾燥させ、40℃の酢酸エチル5000mlで1時間撹拌抽出し、上澄み液4800mlをろ紙でろ過した。次いで、残渣に40℃の酢酸エチル2500mlを加えて0.5時間撹拌抽出し、ろ紙でろ過した。得られた抽出液に含まれる溶媒をエバポレーター(40℃)で留去し、ゴマの酢酸エチル抽出物を得た。
ヒハツの果実からも、同様の方法で酢酸エチル抽出物を得た。
それぞれのヘキサン抽出物及び酢酸エチル抽出物の収率を以下の表1に示す。

0049

0050

(β‐セクレターゼ阻害率の測定)
上記のように抽出したヘキサン抽出物及び酢酸エチル抽出物の酵素阻害活性を、以下の方法により検討した。また、Lys-Thr-Glu-Glu-Ile-Ser-Glu-Val-Asn-Sta-Val-Ala-Glu-Pheを陽性対照として用いた。
具体的には、まず各抽出物及び陽性対照について、それぞれを含むDMSO溶液2μlを、0.02M酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5、0.1%Triton X−100)78μlとともに0.6mlサンプルチューブに入れた。コントロールとして2μlのDMSOを上記の78μlの0.02M酢酸ナトリウム緩衝液とともに0.6mlサンプルチューブに入れた。
その後、酵素溶液(β−セクレターゼ、17.4 μg protein/ml)10 μlを入れて混合し、37℃で10分間前培養した。
基質としてMOCAc-Ser-Glu-Val-Asn-Leu-Asp-Ala-Glu-Phe-Arg-Lys(Dnp)-Arg-Arg-NH2 0.1 mmol/l溶液を10 μl加えて混合し、37℃で1時間培養した。反応後,2.5 M 酢酸ナトリウム溶液50 μlを加え、反応を停止させた。

0051

反応液100 μlを、水900 μlが入ったバイアル瓶に添加し、以下の条件の蛍光HPLC分析に供した。
カラム;L-columnODS (4.6 id × 250 mm)
移動相;water / 0.1% formic acid : acetonitrile(9:1 v/v)→17.50 min(11:9,v/v)→17.51 min(1:19,v/v)→22.50 min(1:19,v/v)→22.51(9:1,v/v)→27.50 min(STOP)
カラム温度;40℃
・検出;Ex. 325 nm / Em. 395 nm
注入量;20 μl
生成した蛍光ペプチド断片のピーク面積値から,下記の式より阻害率(%)を算出した。
β−セクレターゼ阻害率(%)= 100−〔(各抽出物由来ピーク面積値/コントロール由来のピーク面積値)×100〕

0052

上記計算より各ヘキサン抽出物及び酢酸エチル抽出物のβ−セクレターゼ阻害率を算出した結果、以下の通りであった。

0053

0054

0055

上記阻害率により、ゴマ、ガランガル及びヒハツの抽出物が、非常に高いβ‐セクレターゼ阻害活性を有することがわかった。

0056

(セサモリンの単離)
ゴマの酢酸エチル抽出物から、以下のHPLC条件でセサモリンを単離した;L-columnODS(4.6 i.d. × 20 mm),カラム温度:40℃,移動相水:メタノール(30:70,v/v),流速:18.9 ml/分,検出:286 nm。セサモリンの保持時間(tR)は16.15分であり、収率は0.23%であった。

0057

(エチル4−メトキシシンナメートの単離)
図1は、エチル4−メトキシシンナメートをガランガルのヘキサン抽出物から単離する工程を示す図である。
図1に示す如く、エチル4−メトキシシンナメートの単離を行った。
具体的には、ガランガルのヘキサン抽出物(5.0g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(No. 107734 silica gel 60,Merck,5.0 i.d. × 50 cm)に付した。以下のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒系で溶出し、各画分を得た。
・画分1(ヘキサン:酢酸エチル(1:0,v/v))
・画分2(ヘキサン:酢酸エチル(20:1,v/v))
・画分3(ヘキサン:酢酸エチル(10:1,v/v))
・画分4(ヘキサン:酢酸エチル(5:1,v/v))
・画分5(ヘキサン:酢酸エチル(2:1,v/v))
・画分6(ヘキサン:酢酸エチル(0:1,v/v))

0058

得られた画分の内、画分5(1.86g)を以下の条件でのGCMSを用いて分析した。
・カラム;Intertcap Pure Wax (0.25 i.d. × 0.25 μm × 60 m)
・注入量;1.0 μl
昇温;50℃で2分保持、2.5℃昇温/分→240℃まで
気化室温;250℃
キャリーガス流量ヘリウム1.2 ml/分
スプリット比;1/80
GCMS分析の結果から付属ライブラリー検索(wiley7nおよびNIST08)で化合物をエチル4−メトキシシンナメートと同定した。
画分5は、エチル4−メトキシシンナメートを90%含有していた。

0059

(ピパタリンの単離)
図2は、ピパタリンをヒハツのヘキサン抽出物から単離する工程を示す図である。
図2に示す如く、ピパタリンの単離を行った。
具体的には、まずヒハツのヘキサン抽出物(5.0g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(No. 107734 silica gel 60,Merck,5.0 i.d. × 50 cm)に付した。以下のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒系で流出し、各画分を得た。
・画分1(ヘキサン:酢酸エチル(1:0,v/v))
・画分2(ヘキサン:酢酸エチル(20:1,v/v))
・画分3(ヘキサン:酢酸エチル(10:1,v/v))
・画分4(ヘキサン:酢酸エチル(5:1,v/v))
・画分5(ヘキサン:酢酸エチル(2:1,v/v))
・画分6(ヘキサン:酢酸エチル(0:1,v/v))

0060

得られた画分の内、画分2(0.29 g)を以下のHPLC条件で精製した。
カラム:YMC-PackODS-AM323(10 i.d. × 250 mm),カラム温度:40℃,移動相水:アセトニトリル(1:1,v/v),→15.00分(0:1,v/v)→20.00分(0:1,v/v)→25.00分(1:1,v/v)→30.00分(1:1,v/v)→30.01(停止),流速:1.0 ml/分,検出;260 nm。
画分2の有効成分として無色結晶を単離した。

0061

上記無色結晶について800MHz NMR解析を用いて化合物の同定を行った。
1H-NMRより、δ =5.84 (2H,s) にジオキソ−ル、6.81 (1H,d,J =1.6 Hz)、6.72 (2H,m,J =1.6 Hz) にベンゼン環プロトン、δ = 6.21 (1H,t,J =1.2 Hz)、5.97 (1H,m,J =3 Hz) に二重結合、δ =0.79 (3H,t,7.6 Hz) にメチルを示したため、文献値(Chibuike C他、Glutathion S-Transferase Inhibitiong Chemical Constituents of Caesalpinia bonduc ,Chem.Pharm.Bull.55(3)442-445(2007))との比較からピパタリンと同定した。

実施例

0062

上記で同定した化合物(セサモリン、ピパタリン及びエチル4−メトキシシンナメート)の標準品の酵素阻害活性を、上記の(β‐セクレターゼ阻害率の測定)と同様の方法で検討し、各標準品についてIC50値を算出した結果、以下の通りであった。
セサモリン:0.14mM
エチル4−メトキシシンナメート:0.676mM
ピパタリン:0.304mM
上記IC50値により、セサモリン、ピパタリン及びエチル4−メトキシシンナメートが、非常に高いβ‐セクレターゼ阻害活性を有することがわかった。

0063

本発明は、アルツハイマー型痴呆症を予防するための医薬製剤に好適に使用することができ、清涼飲料水、乳製品、菓子類又はサプリメント等の各種飲食品の添加剤に好適に使用することができる。

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