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図面 (2)

課題

施工簡易且つ簡便に行うことができると共に、成形物が十分な強度を発揮でき、各種建造物補強に用いた場合には優れた補強効果が得られる建築用材料の提供。

解決手段

セメントセルロースナノファイバー水分散体とを含む建築用材料20であって、上記セルロースナノファイバー水分散体が、セルロースナノファイバーを水中に分散させてなるセルロースナノファイバーの分散液であり、上記セルロースナノファイバー水分散体は、セメントと水とを含有する建築用材料20において、上記水に代えて用いられ、上記ナノファイバーが、セルロース系原料酸化剤を作用させて酸化された酸化セルロース系原料解繊物である建築用材料20。

概要

背景

近年、文化財や伝統的な建造物補修補強が行われる機会が増加し、その際には外観の変更がない補強法を適用することが好ましいため、種々の補強法が試みられている。たとえば、煉瓦壁体内に補強する方法としては、ステンレスピン挿入補強(煉瓦壁目地部から斜め下向き45度方向にステンレスピンを挿入する方法)や、アラミドロッド挿入目地置換補強工法既存目地を5cm程度切削し、アラミドロッドを配した後目地を充填し直す公報)などが挙げられる。
しかしながら、これらの方法では未だ十分な補強効果が得られておらず、さらに補強効果の優れた補強方法の開発が進められている。中でも煉瓦壁の目地を構成するモルタルを高強度のものとする研究開発が、その施工簡易性からすすめられている。

たとえば、特許文献1には、セメントまたはコンクリート構造体の内部収縮又は自己収縮を低減するために、セメント質材料に0.01〜0.45の置換度を有するフィブリル化カルボキシアルキルセルロースアルキルスルホン酸セルロースリン酸化セルロースまたは硫酸化セルロースを添加することが開示されている。
また特許文献2には、適度な保水性と強度とを併せ持つとともに、石炭灰を有効活用できるモルタルとして、セメントと、10質量%以上の配合割合フライアッシュと、植物繊維とを含み、圧縮強度が10N/mm2以上、曲げ強度が4.0N/mm2以上、かつ保水量が0.16g/cm3以上であるモルタルまたはコンクリート組成物が提案されている。また特許文献3には、適度な保水性と強度とを併せ持つナノ繊維含有モルタルまたはコンクリート組成物として、セメントと、セルロースナノファイバー(以下、「CNF」と称する場合がある)とを含み、CNFの保水性によって、モルタルまたはコンクリート組成物の保水性が高まるとともにCNFによって組成物熱伝導率が低くなるため断熱性が高まるコンクリート組成物が提案されている。

概要

施工を簡易且つ簡便に行うことができると共に、成形物が十分な強度を発揮でき、各種建造物の補強に用いた場合には優れた補強効果が得られる建築用材料の提供。セメントとセルロースナノファイバー水分散体とを含む建築用材料20であって、上記セルロースナノファイバー水分散体が、セルロースナノファイバーを水中に分散させてなるセルロースナノファイバーの分散液であり、上記セルロースナノファイバー水分散体は、セメントと水とを含有する建築用材料20において、上記水に代えて用いられ、上記ナノファイバーが、セルロース系原料酸化剤を作用させて酸化された酸化セルロース系原料解繊物である建築用材料20。

目的

本発明の目的は、施工を簡易且つ簡便に行うことができると共に、成形物が十分な強度を発揮でき、各種建造物の補強に用いた場合には優れた補強効果が得られる建築用材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

セメントセルロースナノファイバー水分散体とを含む建築用材料であって、上記セルロースナノファイバー水分散体が、セルロースナノファイバーを水中に分散させてなるセルロースナノファイバーの分散液である建築用材料。

請求項2

上記セルロースナノファイバー水分散体は、セメントと水とを含有する建築用材料において、上記水に代えて用いられる、請求項1記載の建築用材料。

請求項3

上記セルロースナノファイバー水分散体の配合量が、セメント100重量部に対して30〜300重量部である請求項1記載の建築用材料。

請求項4

セルロースナノファイバーの含有量が、建築用材料全体中0.05〜10重量%である請求項1記載の建築用材料。

請求項5

上記セルロースナノファイバー水分散体に含有される上記ナノファイバーが、セルロース系原料酸化剤を作用させて酸化された酸化セルロース系原料解繊物である請求項1記載の建築用材料。

請求項6

更に、砂を含有する請求項1記載の建築用材料。

請求項7

上記セルロースナノファイバーの繊維幅が1〜100nmであり、繊維長が0.2〜4μmである請求項1記載の建築用材料。

請求項8

上記酸化セルロース系原料が、上記セルロースナノファイバーとした際の絶乾質量に対して、0.6mmol/g〜2.0mmol/gのカルボキシル基量カルボキシル基を含有する酸化セルロース系原料であることを特徴とする、請求項5に記載の建築用材料。

請求項9

上記建築用材料がモルタルである請求項1記載の建築用材料。

請求項10

補修用材料であることを特徴とする請求項1記載の建築用材料。

請求項11

レンガ造り建造物の補修用材料であることを特徴とする請求項1記載の建築用材料。

技術分野

0001

本発明は、施工簡易且つ簡便に行うことができると共に、成形物が十分な強度を発揮でき、各種建造物補強に用いた場合には優れた補強効果が得られる建築用材料に関する。

背景技術

0002

近年、文化財や伝統的な建造物の補修や補強が行われる機会が増加し、その際には外観の変更がない補強法を適用することが好ましいため、種々の補強法が試みられている。たとえば、煉瓦壁体内に補強する方法としては、ステンレスピン挿入補強(煉瓦壁目地部から斜め下向き45度方向にステンレスピンを挿入する方法)や、アラミドロッド挿入目地置換補強工法既存目地を5cm程度切削し、アラミドロッドを配した後目地を充填し直す公報)などが挙げられる。
しかしながら、これらの方法では未だ十分な補強効果が得られておらず、さらに補強効果の優れた補強方法の開発が進められている。中でも煉瓦壁の目地を構成するモルタルを高強度のものとする研究開発が、その施工の簡易性からすすめられている。

0003

たとえば、特許文献1には、セメントまたはコンクリート構造体の内部収縮又は自己収縮を低減するために、セメント質材料に0.01〜0.45の置換度を有するフィブリル化カルボキシアルキルセルロースアルキルスルホン酸セルロースリン酸化セルロースまたは硫酸化セルロースを添加することが開示されている。
また特許文献2には、適度な保水性と強度とを併せ持つとともに、石炭灰を有効活用できるモルタルとして、セメントと、10質量%以上の配合割合フライアッシュと、植物繊維とを含み、圧縮強度が10N/mm2以上、曲げ強度が4.0N/mm2以上、かつ保水量が0.16g/cm3以上であるモルタルまたはコンクリート組成物が提案されている。また特許文献3には、適度な保水性と強度とを併せ持つナノ繊維含有モルタルまたはコンクリート組成物として、セメントと、セルロースナノファイバー(以下、「CNF」と称する場合がある)とを含み、CNFの保水性によって、モルタルまたはコンクリート組成物の保水性が高まるとともにCNFによって組成物熱伝導率が低くなるため断熱性が高まるコンクリート組成物が提案されている。

先行技術

0004

特開2013—14503号公報
特開2014—125420号公報
特開2015—48276号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上述の提案に係る建築用材料は、簡易な施工を実現できるものではあるものの未だに十分な強度を発揮するほどの補強効果を得られていない。
したがって本発明の目的は、施工を簡易且つ簡便に行うことができると共に、成形物が十分な強度を発揮でき、各種建造物の補強に用いた場合には優れた補強効果が得られる建築用材料を提供するものである。

課題を解決するための手段

0006

上記の目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討を行った結果、セメントとセルロース系のナノファイバーとを単に混合しても十分な強度の向上が見られないが、前もってセルロース系のナノファイバーを水に分散した水分散体とし、これをセメントと混合すれば十分な強度の向上が見られることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.セメントとセルロースナノファイバー水分散体とを含む建築用材料であって、
上記セルロースナノファイバー水分散体が、セルロースナノファイバーを水中に分散させてなるセルロースナノファイバーの分散液である建築用材料。
2.上記セルロースナノファイバー水分散体は、セメントと水とを含有する建築用材料において、上記水に代えて用いられる、1記載の建築用材料。
3.上記セルロースナノファイバー水分散体の配合量が、セメント100重量部に対して30〜300重量部である1記載の建築用材料。
4.セルロースナノファイバーの含有量が、建築用材料全体中0.05〜10重量%である
1記載の建築用材料。
5.上記セルロースナノファイバー水分散体に含有される上記ナノファイバーが、セルロース系原料酸化剤を作用させて酸化された酸化セルロース系原料解繊物である1記載の建築用材料。
6.更に、砂を含有する1記載の建築用材料。
7.上記セルロースナノファイバーの繊維幅が1〜100nmであり、繊維長が0.2〜4μmである1記載の建築用材料。
8.上記酸化セルロース系原料が、上記セルロースナノファイバーとした際の絶乾質量に対して、0.6mmol/g〜2.0mmol/gのカルボキシル基量カルボキシル基を含有する酸化セルロース系原料であることを特徴とする、5に記載の建築用材料。
9.上記建築用材料がモルタルである1記載の建築用材料。
10.補修用材料であることを特徴とする1記載の建築用材料。
11.レンガ造りの建造物の補修用材料であることを特徴とする1記載の建築用材料。

発明の効果

0007

本発明の建築用材料は、施工を簡易且つ簡便に行うことができると共に、成形物が十分な強度を発揮でき、各種建造物の補強に用いた場合には優れた補強効果が得られるものである。

図面の簡単な説明

0008

図1は、本発明の建築用材料の1使用例を示す概略図であり、(a)は正面図及び側面図、(b)はその一部(II部)拡大図である。

0009

以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の建築用材料は、セメントとセルロースナノファイバー水分散体とを含み、上記セルロースナノファイバー水分散体が、セルロースナノファイバーを水中にあらかじめ分散させてなるセルロースナノファイバー分散液であることを特徴とする。
以下さらに詳細に説明する。

0010

<セメント>
本発明において用いることができる上記セメントとしては、一般に建築分野において建築材料として用いられているセメント質材料を特に制限なく用いることができる。具体的には、アルミナセメント高炉セメントアルミン酸カルシウムセメントポルトランドセメント水硬性セメント、例えば白色セメントグレイセメント、混合水硬性セメントポルトランド高炉スラグセメントポゾラン改質ポルトランドセメント、スラグ改質ポルトランドセメント、混合水硬性セメント、耐硫酸塩セメント熱水和セメント、膨張セメント等が挙げられ、使用に際してはそれぞれ単独または混合物として用いることができる。

0011

(セルロースナノファイバー)
本発明において、セルロースナノファイバーは、繊維幅が好ましくは1〜100nm、繊維長が好ましくは0.2〜4μmの微細繊維である。また、本発明において好適に持ちられるセルロースナノファイバーは、好ましくはセルロース系原料をカルボキシル化してなるセルロース(以下、「酸化セルロース系原料」と称する)を解繊してなる解繊物である。

0012

(セルロース系原料)
セルロースナノファイバーの原料である上記セルロース系原料としては、例えば、植物性材料(例えば、木材、ジュートケナフ農地廃物、布、パルプ針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙等)、動物性材料(例えばホヤ類)、藻類微生物(例えば酢酸菌アセトバクター))、微生物産生物等を起源とする(由来とする)ものを挙げることができ、それらのいずれも使用できる。好ましくは植物性材料又は微生物由来セルロース繊維であり、より好ましくは植物性材料由来のセルロース繊維である。

0013

(酸化セルロース系原料)
上記酸化セルロースとしては、上記のセルロース系原料を公知の方法でカルボキシル化(酸化)してなるものを好ましく用いることができる。
本発明において上記酸化セルロース系原料は、カルボキシル基が導入されたものであり、このカルボキシル基の量は、得られるセルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.6〜2.0mmol/gとなるように調整することが好ましく、1.0mmol/g〜2.0mmol/gになるように調整することがさらに好ましい。換言すると、上記酸化セルロース系原料は、セルロースナノファイバーとした際の絶乾質量に対して、好ましくは0.6〜2.0mmol/gのカルボキシル基の量で、さらに好ましくはが1.0mmol/g〜2.0mmol/gのカルボキシル基の量で、カルボキシル基を含有するものが望ましい。
カルボキシル化(酸化)方法の一例として、セルロース系原料を、N−オキシル化合物と、臭化物ヨウ化物若しくはこれらの混合物からなる群から選択される化合物との存在下で酸化剤を用いて水中で酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、表面にアルデヒド基と、カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート基(−COO−)とを有するセルロース繊維を得ることができる。反応時のセルロース系原料の濃度は特に限定されないが、5質量%以下が好ましい。
N−オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物をいう。N−オキシ
ル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であれば、いずれの化合物も使用で
きる。例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシラジカルTEM
PO)及びその誘導体(例えば4−ヒドロキシTEMPO)が挙げられる。
N−オキシル化合物の使用量は、原料となるセルロースを酸化できる触媒量であればよく、特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロース系原料に対して、0.01〜10mmolが好ましく、0.01〜1mmolがより好ましく、0.05〜0.5mmolがさらに好ましい。また、反応系全体に対しては0.1〜4mmol/L程度とするのが好ましい。
臭化物とは臭素を含む化合物であり、その例には、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属が含まれる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、その例には、ヨウ化アルカリ金属が含まれる。臭化物またはヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。臭化物およびヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロース系原料に対して、0.1〜100mmolが好ましく、0.1〜10mmolがより好ましく、0.5〜5mmolがさらに好ましい。
酸化剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ハロゲン次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物などを使用できる。中でも、安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムは好ましい。酸化剤の適切な使用量は、例えば、絶乾1gのセルロース系原料に対して、0.5〜500mmolが好ましく、0.5〜50mmolがより好ましく、1〜25mmolがさらに好ましく、3〜10mmolが最も好ましい。また、例えば、N−オキシル化合物1molに対して1〜40molとするのが好ましい。

0014

セルロースの酸化工程は、比較的温和な条件であっても酸化反応を効率よく進行させられる。よって、反応温度は4〜40℃が好ましく、また15〜30℃程度の室温であってもよい。反応の進行に伴ってセルロース中にカルボキシル基が生成するため、反応液のpHの低下が認められる。酸化反応を効率よく進行させるためには、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を添加して、反応液のpHを8〜12、好ましくは10〜11程度に維持することが好ましい。反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じにくいこと等から、水が好ましい。
酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常は0.5〜6時間、例えば、0.5〜4時間程度である。
また、酸化反応は、2段階に分けて実施してもよい。例えば、1段目反応終了後濾別して得られた酸化セルロースを、再度、同一または異なる反応条件で酸化させることにより、1段目の反応で副生する食塩による反応阻害を受けることなく、効率よく酸化させることができる。

0015

カルボキシル化(酸化)方法の別の例として、オゾンを含む気体とセルロース系原料とを接触させることにより酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、グルコピラノース環の少なくとも2位及び6位の水酸基が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。オゾンを含む気体中のオゾン濃度は、50〜250g/m3であることが好ましく、50〜220g/m3であることがより好ましい。セルロース系原料に対するオゾン添加量は、セルロース原料固形分を100質量部とした際に、0.1〜30質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。オゾン処理温度は、0〜50℃であることが好ましく、20〜50℃であることがより好ましい。オゾン処理時間は、特に限定されないが、1〜360分程度であり、30〜360分程度が好ましい。オゾン処理の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度に酸化及び分解されることを防ぐことができ、酸化セルロースの収率が良好となる。 オゾン処理を施した後に、酸化剤を用いて、追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理に用いる酸化剤は、特に限定されないが、二酸化塩素亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物や、酸素過酸化水素過硫酸過酢酸などが挙げられる。例えば、これらの酸化剤を水またはアルコール等の極性有機溶媒中に溶解して酸化剤溶液を作成し、溶液中にセルロース原料を浸漬させることにより追酸化処理を行うことができる。
酸化セルロース系原料におけるカルボキシル基の量は、上記した酸化剤の添加量、反応時間等の反応条件をコントロールすることで調整することができる。

0016

(解繊)
セルロース(この項において上記酸化セルロース系原料を含む)の解繊の方法は特に限定されないが、高速回転式コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの装置を用いることができる。
解繊の際にはセルロースを水分散体として用いるのが好ましく、上述の酸化反応終了後のものをそのまま用いてもよい。また、解繊に際してはこの水分散体に強力なせん断力を印加することが好ましい。特に、効率よく解繊するには、上記水分散体に50MPa以上の圧力を印加し、かつ強力なせん断力を印加できる湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。上記圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。また、高圧ホモジナイザーでの解繊及び分散処理に先立って、必要に応じて、高速せん断ミキサーなどの公知の混合、攪拌乳化分散装置を用いて、上記水分散体に予備処理を施してもよい。

0017

(物性、他の成分)
上記水分散体は、吸水性が低く膨潤しにくいものである。
また、上記水分散体は、上述のごとく水にセルロースナノファイバーのゲル状物質を分散させてなるものであり、溶媒として用いられるのは水であるが、水以外に本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々溶剤添加物を添加することができる。

0018

量比関係)
本発明において、上記水分散体の配合量は、セメント100重量部に対して30〜300重量部とするのが好ましく、50〜200重量部とするのがさらに好ましい。この範囲内とすることにより、十分な補強効果を得ることができる。
また、本発明の建築材料中上記水分散体に含まれる上記セルロースナノファイバーの含有量は、建築用材料全体中0.05〜10重量%であるのが好ましく、0.1〜5重量%であるのがさらに好ましい。

0019

<他の成分>
また、本発明においては上記セメント及び上記水分散体以外に、通常セメントを用いたモルタルなどの建築材料に用いられる他の成分を適宜用いることができる。
上記セルロースナノファイバー水分散体は、セメントと水とを含有する建築用材料において、上記水に代えて用いられるのが好ましい。
この際用いることができる他の成分としては、砂、石灰細骨材などを挙げることができる。他の成分の使用量は本発明の所望の効果を損なわない範囲で任意であるが、例えば砂を用いる場合には、セメント100重量部に対して10〜1000重量部と、また石灰を用いる場合には、セメント100重量部に対して、10〜300重量部とするのが好ましい。

0020

<使用例>
本発明の建築材料は、通常のモルタル等と同様にセメントと水分散体と他の成分とを混合すれば得ることができる。
そして、例えば図1に示すような煉瓦壁体1の目地の充填材として用いることができる。
図1に示す煉瓦壁体1は、長方体形状を有し、多数積み上げられて種々構造体を形成するレンガ10と、積み上げられた各レンガ10の間隙にモルタル等を充填して形成される目地20とからなる。そして、この目地20を形成する建築材料として本発明の建築材料からなるモルタルを用いている。すなわち、本発明の建築用材料はモルタルであるのが好ましい。
この他、壁形成用のモルタル代替品やコンクリート代替品として用いることができる。
本発明の建築用材料は、これらの構造物形成材として用いた場合に優れた強度を発揮する。特に図1に示すような煉瓦壁体の目地を形成する材料として用いた場合には、降下した本発明の建築材料の強度も高いものがあるが、周囲のレンガとの接着性に優れ、容易に剥離を生じないため、結果構造物強度を従来の建築工法に比してより向上させることが可能である。このような性質を有する本発明の建築用材料は、現存建築物の補修用材料として好適であり、特に敵視的建造物、レンガ造りの建造物の補修用材料として好適である。

0021

以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが本発明はこれらに制限されるものではない。
〔実施例1〕
セメントとセルロースナノファイバー水分散体と石灰と砂とを重量比1:1:1:4.5で混合して本発明の建築材料を得た。これは目地が通常より弱くなるように砂の重量比を大きくしたものである。
なお、セルロースナノファイバー水分散体としては以下のセルロースナノファイバー水分散体を用いた。
<セルロースナノファイバー水分散体>
(カルボキシル化(TEMPO酸化)セルロースナノファイバーの製造)
針葉樹由来漂白済み叩解クラフトパルプ白色度85%、セルロース系原料)500g(絶乾)をTEMPO(商品名、SigmaAldrich社製)780mgと臭化ナトリウム75.5gとを溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌して反応系とした。次いで、この反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を6.0mmol/gになるように添加し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルター濾過してパルプ分離し、パルプを十分に水洗することで酸化されたパルプ(カルボキシル化セルロース、酸化セルロース系原料)を得た。この時の酸化セルロース系原料収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシル基量は1.6mmol/gであった。
上記の工程で得られた酸化セルロース系原料を水で1.0%(wt/vol)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150Mpa)で3回処理して、酸化セルロース系原料を解繊してなるセルロースナノファイバーの水分散体を得た。得られた水分散体に分散されているセルロースナノファイバーは、平均繊維径が4nm、平均繊維長0.6μmであった。
カルボキシル基量、平均繊維径、平均繊維長は以下のようにして測定した。
(カルボキシル基量の測定方法
酸化セルロース系原料(カルボキシル化セルロース)の0.5質量%スラリー水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出した:カルボキシル基量〔mmol/gカルボキシル化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/カルボキシル化セルロース質量〔g〕。
(平均繊維径、および繊維長の測定方法)
セルロースナノファイバーの平均繊維径および平均繊維長は、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、ランダムに選んだ200本の繊維について解析した。

0022

別に通常のモルタルを用いて図1に示す構造と同じレンガの柱状の構造物を製造した。その際レンガとしては、普通煉瓦JIS R 1250を用い、イギリス積で幅440mm、壁厚430mm、高さ1,400mmとした。
ついで、モルタルを切削し、得られた建築材料を切削した部分に再充填した。
また、比較として、無補強(W−N)、ステンレスピン挿入補強試験体(W−ST1、W−ST2、試験体としては同じものを2つ作成し、曲げ試験の際に向きを変えて2つ試験を行った)、アラミドロッド目地置換工法試験体(W−AR1)及び変更アラミドロッド目地置換工法試験体(W−AR2)により補強を行った対象物を作製した。
W−ST1及びW−ST2は、目地部から斜め下向きにステンレスピンを挿入する補強方法であり、本対象物においては、ピンの挿入角度を45度とし,煉瓦小口の上から壁の片面のみ補強した。W−AR1は、既存目地モルタルを約50mm 切削し,縦目地用コの字ロッド横目地直線状ロッドを配し,モルタルを再充填することにより行った。W−AR2は、直線状ロッドを折り曲げ,目地に沿わせて配した。
得られた各構造物について以下の手法により常時微動計測と曲げ試験を行った。その結果を表1及び表2に示す。
(常時微動計測)
補強前後での固有振動数の変化を測定すると共に、鉄骨フレーム(柱・梁ともにH—150X150X7X10)も増設した場合の固有振動数の変化を測定した。測定は、水平2成分,鉛直1成分の速度計を用い、壁上と地盤計測点同時計測を行うことで実施した。(3点曲げ試験)
上記の構造物を離隔した2点で支えると共に当該2点の中心で荷重を加え、破断又は破壊が生じるときの荷重を測定した。

0023

曲げ試験結果

0024

常時微動計測結果及び曲げ試験結果

0025

(考察)
無補強試験体W−Nでは中央より1つ隣で目地の煉瓦と目地モルタルの界面の剥離による破壊が生じた。ステンレスピン挿入補強試験体W−ST1、 W−ST2は加力方向依存性を考慮するため、W−ST1は挿入面、W−ST2は裏面を上面にするよう横伏させて加力した。W−ST1は中央より1つ隣の目地、W−ST2は中央目地で破壊が生じた。
またW−ST1は加力位置において煉瓦の圧壊が生じた。アラミドロッド目地置換工法試験体W−AR1、W−AR2は両試験体とも中央目地で破壊した。従来型W−AR1では縦目地用と横目地用ロッドのどちらも破壊面を通過していなかった。変更型W−AR2では,折り曲げたロッド端部が徐々に抜け出る破壊が生じた。
本発明の建築材料を用いた構造物W−CNFでは、破壊目地の両界面で煉瓦と剥離したが、表1及び2に示すように著しく高い曲げ強度を示した。
常時微動計測については、W−Nは鉄骨付加前後で固有振動数が若干上昇した。ステンレスピン挿入補強試験体(W−ST1、 W−ST2)は設置方向に依存しないが、両試験体で1次固有振動数が大きく異なったものの補強に依る固有振動数の増加率には大きな差は見られなかった。アラミドロッド目地置換工法(W−AR1、 W−AR2)ではW−AR1に比べてW−AR2の固有振動数の増加率は高く、特に鉄骨付加後の増加率が概ね2倍であった。これに対して、セルロースナノファイバー目地置換工法試験体(W−CNF)はW−AR2よりも鉄骨付加後の固有振動数の増加率が高い。

0026

〔実施例2〕
本発明の建築材料の圧縮強度を確認するために、JIS R 5201に基づきモルタルバーを作成した。
比較用モルタルバー試験片:比較用に通常のモルタルで作成したモルタルバー、歴史的煉瓦壁を模擬するため,目地が通常よりも弱くなるように砂の重量比を大きくした(重量比、水:セメント:石灰:砂=1:1:1:4.5)。
本発明の建築材料のモルタルバー試験片:水の代わりに本発明の建築材料を用いた。なお、水分散体としては、実施例1で用いたものと同じものを用いたほか、実施例1で用いた水分散体にさらに水を加えてセルロースナノファイバーの含有量を0.5%(wt/vol)〔以下、単に「%」と表示した場合にはwt/vol%を意味する〕に変えたものも用いた。また、試験片はそれぞれ3点ずつ作成した。
その際の施工性について、非常にいいものを◎、いいものを○、なんとか施工できるものを△、施工できないものを×として評価した。
その結果、実施例1で用いた水分散体0.5%は、◎であり、実施例1で用いた水分散体1%は○であった。また、別に酸化セルロース原料をそのまま水分散体としたものを用いてモルタルを作成したが、これも施工性が×であった。
得られたモルタルバーを用いて、JIS R 5201に基づき曲げ強さ試験及び圧縮強さ試験を実施した。
それぞれ3つの試験片について測定し、それらの平均をもって評価した。
試験結果一覧を表3に示す。表3において実施例1で用いた水分散体は「酸化セルロース」と、酸化セルロース原料をそのまま用いた例は「酸化パルプ」と記載した。表3に示す結果から明らかなように、本発明の建築材料を用いたモルタルバーは曲げ強度及び圧縮強度に優れることが判る。

実施例

0027

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