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技術 セメント用粉末収縮低減剤及びその利用

出願人 松本油脂製薬株式会社
発明者 雑賀正隆青木貴之北野健一
出願日 2015年7月16日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2015-141751
公開日 2017年2月2日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-024919
状態 特許登録済
技術分野 セメント、コンクリート、人造石、その養生
主要キーワード 粉体材料中 比重変化 垂直スクリュー 本願効果 揺動攪拌 固め見掛け比重 サイクロンミル ジャイレトリークラッシャー
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課題

水硬性化合物骨材等の粉末材料への分散性に優れ、少ない添加量でも十分な収縮低減効果を発揮し、硬化後のセメント組成物物性変化が小さいセメント用粉末収縮低減剤を提供する。

解決手段

ノニオン性界面活性剤(A)及び吸油性粉体(B)を含むセメント用粉末収縮低減剤であって、前記ノニオン性界面活性剤(A)が式(1)で示される化合物を含み、式(2)で定義される圧縮率が25〜55%である、セメント用粉末収縮低減剤。R−(EO)p−[(PO)q/(EO)r]−(PO)s−H(1)(Rはアルキル又はアルケニル;POはオキシプロピレン;EOはオキシエチレン;p,q,rは1〜20;sは0〜10)圧縮率、C=100(P−S)/P(2)

概要

背景

水硬性組成物乾燥収縮ひび割れを防止する目的で使用される添加剤として、乾燥収縮を大幅に低減させることができる有機系の乾燥収縮低減剤が知られている。しかしながら、これらの収縮低減剤はほとんどが液体状であり、水硬性化合物骨材等の粉末材料と予め混合(プレミックス)する製品は、塊状物ができやすく、均一分散が困難であった。また、これらの問題を解決する案として、アルコールアルキレンオキサイド付加物吸油性を有する無機系の粉状体に予め吸収させた粉状収縮低減剤が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、特許文献1に開示される粉状収縮低減剤をセメント組成物に添加した場合でも、分散性が不十分であるために、必要な収縮低減効果を得る為に添加する収縮低減剤の量を増やさなければならず、結果として、得られる硬化体の強度等の物性及び表面美観が低下する等の問題があった。

概要

水硬性化合物や骨材等の粉末材料への分散性に優れ、少ない添加量でも十分な収縮低減効果を発揮し、硬化後のセメント組成物の物性変化が小さいセメント用粉末収縮低減剤を提供する。ノニオン性界面活性剤(A)及び吸油性粉体(B)を含むセメント用粉末収縮低減剤であって、前記ノニオン性界面活性剤(A)が式(1)で示される化合物を含み、式(2)で定義される圧縮率が25〜55%である、セメント用粉末収縮低減剤。R−(EO)p−[(PO)q/(EO)r]−(PO)s−H(1)(Rはアルキル又はアルケニル;POはオキシプロピレン;EOはオキシエチレン;p,q,rは1〜20;sは0〜10)圧縮率、C=100(P−S)/P(2)なし

目的

本発明の課題は、水硬性化合物や骨材等の粉末材料への分散性に優れ、少ない添加量でも十分な収縮低減効果を発揮し、硬化後のセメント組成物の物性変化が小さいセメント用粉末収縮低減剤、及び、これを用いて得られるセメント組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ノニオン性界面活性剤(A)及び吸油性粉体(B)を含むセメント用粉末収縮低減剤であって、前記ノニオン性界面活性剤(A)が下記一般式(1)で示される化合物を含み、下記式(2)で定義される圧縮率が25〜55%である、セメント用粉末収縮低減剤。R−(EO)p−[(PO)q/(EO)r]−(PO)s−H(1)(但し、Rは炭素数1〜14のアルキル基またはアルケニル基を示し、直鎖または分枝鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。p、q、r及びsは、各々の平均付加モル数を示し、p=0〜20、q=1〜20、r=1〜20、q+r=2〜30、s=0〜10である。[(PO)q/(EO)r]はqモルのPOとrモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)圧縮率C=100(P−S)/P(%)(2)P:固め見掛け比重S:ゆるみ見掛け比重

請求項2

安息角が30〜55度である、請求項1に記載のセメント用粉末収縮低減剤。

請求項3

下記条件1の篩通過性を有する、請求項1又は2に記載のセメント用粉末収縮低減剤。条件120メッシュパス95%以上(上5%以下)

請求項4

前記ノニオン性界面活性剤(A)の0.1重量%水溶液表面張力が、25℃において30〜60mN/mである、請求項1〜3のいずれかに記載のセメント用粉末収縮低減剤。

請求項5

前記ノニオン性界面活性剤(A)の13C−NMRスペクトルおよび1H−NMRスペクトルを測定したチャートに基づいて、下記で各々定義されるNEO−OH、NPO−OH、N1OHおよびN2OHを読み取り、NEO−OH:末端水酸基直接結合しているEOの炭素帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和NPO−OH:末端水酸基に直接結合しているPOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和N1OH:1級水酸基の結合したメチレン基プロトンに帰属される1H−NMRスペクトルの積分値の和N2OH:2級水酸基の結合したメチン基のプロトンに帰属される1H−NMRスペクトルの積分値の和そして、得られた読み取り値を各々下記計算式(I)および(II):EEO−OH(%)=100×NEO−OH/(NEO−OH+NPO−OH)(I)EOH(%)=100×N2OH/(N1OH+N2OH)(II)に代入して得られる末端水酸基が直結しているオキシエチレン基の百分率EEO−OH、および末端水酸基の2級化率EOHのパラメーターが、下記数式(I−A)および(II−A)を満たす、請求項1〜4のいずれかに記載のセメント用粉末収縮低減剤。0≦EEO−OH≦20(I−A)80≦EOH≦100(II−A)

請求項6

前記吸油性粉体(B)の吸油量が200g以上/100gである、請求項1〜5のいずれかに記載のセメント用粉末収縮低減剤。

請求項7

請求項1〜6のいずれかに記載のセメント用粉末収縮低減剤、セメント、水及び骨材を含有する、セメント組成物

技術分野

0001

本発明はセメント用粉末収縮低減剤及びその利用に関するものである。

背景技術

0002

水硬性組成物乾燥収縮ひび割れを防止する目的で使用される添加剤として、乾燥収縮を大幅に低減させることができる有機系の乾燥収縮低減剤が知られている。しかしながら、これらの収縮低減剤はほとんどが液体状であり、水硬性化合物骨材等の粉末材料と予め混合(プレミックス)する製品は、塊状物ができやすく、均一分散が困難であった。また、これらの問題を解決する案として、アルコールアルキレンオキサイド付加物吸油性を有する無機系の粉状体に予め吸収させた粉状収縮低減剤が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、特許文献1に開示される粉状収縮低減剤をセメント組成物に添加した場合でも、分散性が不十分であるために、必要な収縮低減効果を得る為に添加する収縮低減剤の量を増やさなければならず、結果として、得られる硬化体の強度等の物性及び表面美観が低下する等の問題があった。

先行技術

0003

特開平2−164754号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の課題は、水硬性化合物や骨材等の粉末材料への分散性に優れ、少ない添加量でも十分な収縮低減効果を発揮し、硬化後のセメント組成物の物性変化が小さいセメント用粉末収縮低減剤、及び、これを用いて得られるセメント組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のノニオン性界面活性剤(A)と、吸油性粉体(B)とを含み、特定の圧縮率を示すセメント用粉末収縮低減剤であれば、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ノニオン性界面活性剤(A)及び吸油性粉体(B)を含むセメント用粉末収縮低減剤であって、
前記ノニオン性界面活性剤(A)が下記一般式(1)で示される化合物を含み、
下記式(2)で定義される圧縮率が25〜55%である、セメント用粉末収縮低減剤である。
R−(EO)p−[(PO)q/(EO)r]−(PO)s−H (1)
(但し、Rは炭素数1〜14のアルキル基またはアルケニル基を示し、直鎖または分枝鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。p、q、r及びsは、各々の平均付加モル数を示し、p=0〜20、q=1〜20、r=1〜20、q+r=2〜30、s=0〜10である。[(PO)q/(EO)r]はqモルのPOとrモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
圧縮率 C=100(P−S)/P(%) (2)
P:固め見掛け比重S:ゆるみ見掛け比重

0006

安息角が30〜55度であると好ましい。
下記条件1の篩通過性を有すると好ましい。
条件1 20メッシュパス95%以上 (上5%以下)
前記ノニオン性界面活性剤(A)の0.1重量%水溶液表面張力が、25℃において30〜60mN/mであると好ましい。
前記ノニオン性界面活性剤(A)の13C−NMRスペクトルおよび1H−NMRスペクトルを測定したチャートに基づいて、下記で各々定義されるNEO−OH、NPO−OH、N1OHおよびN2OHを読み取り
NEO−OH:末端水酸基直接結合しているEOの炭素帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
NPO−OH:末端水酸基に直接結合しているPOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
N1OH:1級水酸基の結合したメチレン基プロトンに帰属される1H−NMRスペクトルの積分値の和
N2OH:2級水酸基の結合したメチン基のプロトンに帰属される1H−NMRスペクトルの積分値の和
そして、得られた読み取り値を各々下記計算式(I)および(II):
EEO−OH(%)=100×NEO−OH/(NEO−OH+NPO−OH) (I)
EOH(%)=100×N2OH/(N1OH+N2OH) (II)
代入して得られる末端水酸基が直結しているオキシエチレン基の百分率EEO−OH、および末端水酸基の2級化率EOHのパラメーターが、下記数式(I−A)および(II−A)を満たすと好ましい。
0≦EEO−OH≦20 (I−A)
80≦EOH≦100 (II−A)
前記吸油性粉体(B)の吸油量が200g以上/100gであると好ましい。

0007

本発明のセメント組成物は、上記セメント用粉末収縮低減剤、セメント、水及び骨材を含有する。

発明の効果

0008

本発明のセメント用粉末収縮低減剤は、水硬性化合物や骨材等の粉末材料への分散性に優れ、少ない添加量でも十分な収縮低減効果を発揮し、硬化後のセメント組成物の物性変化が小さい。本発明のセメント組成物は、本発明のセメント用収縮低減剤を含有するため、収縮低減効果に優れ、硬化後のセメント組成物の物性変化が小さい。

0009

本発明のセメント用粉末収縮低減剤は、ノニオン性界面活性剤(A)及び吸油性粉体(B)を含み、特定の圧縮率を示すことを特徴とする。以下、説明する。

0010

〔セメント用粉末収縮低減剤〕
本発明のセメント用粉末収縮低減剤は、ノニオン性界面活性剤(A)及び吸油性粉体(B)を含むが、吸油性粉体(B)の中に液状のノニオン性界面活性剤(A)が保持されることで、粉体としての形態をなしている。
本発明の収縮低減剤の圧縮率は25〜55%であり、30〜52%が好ましく、35〜50%がより好ましく、40〜50%がさらに好ましく、43〜49%が特に好ましい。25%未満では、流動性が高すぎるために、ノニオン性界面活性剤による収縮低減効果を発揮することができず、本願効果が得られない。一方、55%超では、流動性が低下するため、セメント用組成物に均一に分散しないので本願効果が得られない。
このように、適度な流動性を有することで、セメント用組成物に均一に分散し、少量の収縮低減剤の添加でも、本願の効果を発揮することに特徴がある。
なお、圧縮率(C)とは、ゆるみ見掛け比重S、固め見掛け比重Pから、下記式(2)で示される値であり、粒状物の流動性を示す尺度である。
圧縮率 C=100(P−S)/P (%) (2)
ゆるみ見掛け比重: 圧縮率測定用の定容セル(容量v)に粉末収縮低減剤充填し、余分な粉末摺り切った後、重量gAを測定した。粉体のゆるみ見掛け比重Sを以下の計算式を用いて求めた。 ゆるみ見掛け比重S=gA/v
測定条件
機器名:多機能型粉体物性測定器MT−1001k(セイシン企業製)
周囲温度:23℃
固め見掛け比重: 圧縮率測定用の定容セル(容量v)に粉末収縮低減剤を充填し、180回タッピングを行い、余分な粉末を摺り切って重量gPを測定し、粉体の固め見掛け比重Pを求めた。 固め見掛け比重 P=gP/v

0011

本発明のセメント用収縮低減剤の安息角は30〜55度であると好ましく、33〜52度が好ましく、36〜50度がより好ましく、40〜49度がさらに好ましく、42〜47度が特に好ましい。
30度未満では流動性が高すぎるために、ノニオン性界面活性剤による収縮低減効果を発揮することができず、本願効果が発揮されない。一方、55度超では、流動性が低下するため、セメント用組成物に均一に分散しないので本願効果が発揮されない。
なお、安息角の測定方法については後述する。

0012

本発明のセメント用収縮低減剤の篩通過性は、20メッシュパスで95%以上が好ましく、96%以上がより好ましく、97以上がさらに好ましい。好ましい上限は100%である。
95%未満では、粗大粒子が多いことにより、セメント用組成物に均一に分散しないので本願効果が発揮されないばかりか、セメント組成物内で凝集が発生し、セメント表面美観が損なわれることがある。

0013

本発明のセメント用収縮低減剤の水分率は、流動性の観点から、5重量%以下が好ましい。好ましい下限値は0重量%である。

0014

後述するノニオン性界面活性剤(A)と後述する吸油性粉体(B)との重量比率(A/B)は、40/60〜80/20が好ましく、50/50〜75/25がより好ましく、55/45〜70/30がさらに好ましく、55/45〜65/35が特に好ましい。40/60未満では、流動性が高すぎるために、ノニオン性界面活性剤による収縮低減効果を発揮することができず、本願効果が得られない。一方、80/20超では、流動性が低下するため、セメント用組成物に均一に分散しないので本願効果が得られない。

0015

(ノニオン性界面活性剤(A))
ノニオン性界面活性剤(A)は、本発明のセメント用収縮低減剤の必須成分であり、後述する吸油性粉体(B)と併用することにより、セメント組成物中に均一に分散し、内部に生成する細孔内において水の表面張力を低下することで、セメント組成物の収縮低減効果を発揮する成分である。

0016

上記ノニオン性界面活性剤(A)は、上記一般式(1)で示される化合物であり、セメント組成物の収縮低減効果を発揮する。
一般式(1)中、Rは炭素数1〜14のアルキル基またはアルケニル基を示し、直鎖または分枝鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。Rの炭素数は、1〜14であり、2〜12が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜10がさらに好ましい。炭素数が15を超えると、セメント組成物の比重変化が大きくなるために、硬化体の強度低下やセメント表面の美観が損なわれる。

0017

一般式(1)中、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。一般式(1)中、p、q、r及びsは、各々の平均付加モル数を示す。
pは0〜20が好ましく、0〜18がより好ましく、2〜15がさらに好ましく、2〜12が特に好ましい。20を超えると、セメント組成物の比重変化が大きくなるために、硬化体の強度低下やセメント表面の美観が損なわれる。
qは1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜12がさらに好ましく、1〜10が特に好ましい。1未満では、セメント組成物の比重変化が大きくなることがある。また、20を超えると、十分な収縮低減効果が発揮されない。
rは1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜12がさらに好ましく、1〜10が特に好ましい。1未満では、セメント組成物の比重変化が大きくなることがある。また、20を超えると、十分な収縮低減効果が発揮されない。
sは0〜10が好ましく、0〜8がより好ましく、0〜6がさらに好ましく、0〜4が特に好ましい。10を超えると、十分な収縮低減効果が発揮されない。

0018

前記ノニオン性界面活性剤(A)の0.1重量%水溶液の25℃における表面張力は、30〜60mN/mが好ましく、32〜58mN/mがより好ましく、35〜55mN/mがさらに好ましく、38〜53mN/mが特に好ましい。30mN/m未満では、セメント組成物の乾燥性が悪化することがある。また、60mN/mを超えると、十分な収縮低減効果が発揮されないことがある。

0019

前記ノニオン性界面活性剤(A)の13C−NMRスペクトルおよび1H−NMRスペクトルを測定したチャートに基づいて、下記で各々定義されるNEO−OH、NPO−OH、N1OHおよびN2OHを読み取り、
NEO−OH:末端水酸基に直接結合しているEOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
NPO−OH:末端水酸基に直接結合しているPOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
N1OH:1級水酸基の結合したメチレン基のプロトンに帰属される1H−NMRスペクトルの積分値の和
N2OH:2級水酸基の結合したメチン基のプロトンに帰属される1H−NMRスペクトルの積分値の和
そして、得られた読み取り値を各々下記計算式(I)および(II):
EEO−OH(%)=100×NEO−OH/(NEO−OH+NPO−OH) (I)
EOH(%)=100×N2OH/(N1OH+N2OH) (II)
に代入して得られる末端水酸基が直結しているオキシエチレン基の百分率EEO−OH、および末端水酸基の2級化率EOHのパラメーターが、下記数式(I−A)および(II−A)を満たすと好ましい。
0≦EEO−OH≦20 (I−A)
80≦EOH≦100 (II−A)

0020

末端水酸基に直接結合しているEOの百分率EEO−OH(%)は、通常0≦EEO−OH≦20、好ましくは0≦EEO−OH≦15、さらに好ましくは0≦EEO−OH≦10、特に好ましくは0≦EEO−OH≦5、最も好ましくはEEO−OH=0である。EEO−OHが、20%超であると、セメント組成物の比重変化が大きくなることがある。

0021

NEO−OHは、13C−NMRスペクトルにおいて末端水酸基に直接結合しているEOの炭素に帰属される全ての積分値の和であり、61.0〜63.0ppmの範囲に確認される全ての積分値の和である。
NPO−OHは、13C−NMRスペクトルにおいて末端水酸基に直接結合しているPOの炭素に帰属される全ての積分値の和であり、64.5〜67.5ppmの範囲に確認される全ての積分値の和である。

0022

末端水酸基の2級化率EOH(%)は、通常80≦EOH≦100、好ましくは85≦EOH≦100、さらに好ましくは90≦EOH≦100、特に好ましくは95≦EOH≦100、最も好ましくはEOH=100である。EOHが80%未満であると、セメント組成物の比重変化が大きくなることがある。なお、EOHを求めるための1H−NMRスペクトル測定では、アルキレンオキサイド付加物を無水トリフルオロ酢酸トリフルオロアセチル化した試料を用いる。

0023

N2OHは、1H−NMRスペクトルにおいて2級水酸基の結合したメチン基のプロトンに帰属される全ての積分値の和であり、通常4.9〜5.5ppmの範囲に確認される全ての積分値の和である。
N1OHは、1H−NMRスペクトルにおいて1級水酸基の結合したメチレン基のプロトンに帰属される全ての積分値の和であり、通常4.1〜4.7ppmの範囲に確認される全ての積分値の和である。

0024

前記ノニオン性界面活性剤(A)の10重量%水溶液の曇点は、以下の実施例で詳しく説明するブチルジグリコール法(BDG法)により測定した値とする。BDG法により測定したノニオン性界面活性剤(A)水溶液の曇点は、好ましくは0℃以上、より好ましくは20℃、さらに好ましくは30℃以上、特に好ましくは40℃以上、最も好ましくは50℃以上である。BDG法により測定した曇点が0℃未満であると、収縮低減効果が十分ではないことがある。

0025

(吸油性粉体(B))
本発明のセメント用粉末収縮低減剤に使用する吸油性粉体(B)は、上記ノニオン性界面活性剤と併用することにより、水硬性化合物や骨材等の粉末材料と混合する際の作業性を向上するとともに、ノニオン性界面活性剤を粉体材料中に均一に分散することで、セメント組成物の収縮低減効果を発揮する成分である。

0026

吸油性粉体(B)の吸油量は、以下の実施例で詳しく説明するJIS−K5101−13記載の方法に準拠した精製アマニ油法により測定した値とする。精製アマニ油法により測定した吸油性粉体(B)の吸油量は、200g以上/100gが好ましく、200〜500g/100gがより好ましく、200〜400g/100gがさらに好ましく、200〜300g/100gが特に好ましい。吸油量が200g未満/100gであると、流動性が低下するため、セメント用組成物に均一に分散しないので本願効果が得られないことがある。500g超/100gの吸油性粉体は、高価であり、入手困難な場合がある。

0027

吸油性粉体(B)としては、吸油性有機粉体及び/又は吸油性無機粉体が挙げられる。

0030

〔その他の成分〕
本発明のセメント用収縮低減剤は、その他の成分としてpH調整剤水溶性高分子物質高分子エマルジョン遅延剤、早強剤・促進剤、防水剤防錆剤ひび割れ低減剤膨張材、セメント湿潤剤増粘剤分離低減剤凝集剤強度増進剤セルフレベリング剤、着色剤防カビ剤等を含んでいてもよい。
本発明のpH調整剤は主にセメント用収縮低減剤のpHを中性付近に調整するための成分であり、セメント用収縮低減剤の変色および変性を抑制する効果が得られ保存安定性が向上する場合がある。

0031

本発明のpH調整剤としては、特に限定はないが、たとえば、塩酸硫酸亜硫酸過硫酸、亜硫酸、リン酸亜リン酸硝酸亜硝酸、炭酸等の無機酸;ギ酸酢酸プロピオン酸酪酸イソ酪酸吉草酸カプロン酸エナント酸カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、ラウリン酸ステアリン酸オレイン酸エライジン酸エルシン酸、マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸乳酸酒石酸クエン酸リンゴ酸グルコン酸アクリル酸メタクリル酸およびマレイン酸等の有機酸;塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、グルタル酸、クエン酸、リンゴ酸およびグルコン酸からなる群より選ばれる酸のナトリウムカリウムマグネシウムおよびカルシウム塩等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。

0032

pH調整剤の配合量としては、特に限定はないが、セメント用収縮低減剤100重量部に対して、好ましくは0.0001〜5重量部、より好ましくは0.001〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜5重量部、特に好ましくは0.01〜2重量部、最も好ましくは0.01〜1重量部である。pH調整剤の配合量がセメント用収縮低減剤100重量部に対して5重量部超であると、セメント用収縮低減剤に特異臭が発生する場合がある。一方、pH調整剤の配合量が0.0001重量部未満であると、セメント用収縮低減剤の変色および変性を抑制する効果が少ない。

0033

本発明のセメント用収縮低減剤に占めるその他の成分の重量割合については、特に限定はないが、好ましくはセメント用収縮低減剤の0.01〜50重量%、より好ましくは0.01〜20重量%、さらに好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.01〜5重量%、最も好ましくは0.1〜1重量%である。その他の成分の重量割合がセメント用収縮低減剤の0.01重量%未満であると、セメント用収縮低減剤の品質が低下する場合がある。一方、その他の成分の重量割合が50重量%超であると、収縮低減効果が十分でないことがある。

0034

〔セメント組成物〕
本発明のセメント組成物は、本発明のセメント用収縮低減剤、セメント、水および骨材を含有する。本発明のセメント組成物は、具体的には、これらの構成成分を含有するモルタル組成物およびコンクリート組成物等が挙げられる。
本発明のセメント組成物に占めるセメント用収縮低減剤の重量割合としては、特に限定はないが、好ましくは0.001〜20重量%、より好ましくは0.001〜10重量%、さらに好ましくは0.001〜5重量%、特に好ましくは0.01〜5重量%、最も好ましくは0.01〜3重量%である。セメント用収縮低減剤の重量割合が0.001重量%未満であると、収縮低減効果が十分でない場合がある。一方、セメント用収縮低減剤の重量割合が20重量%超であると、セメント組成物の比重変化が大きくなることがある。

0035

セメントとしては、特に限定はないが、ポルトランドセメント普通ポルトランドセメント早強ポルトランドセメント超早強ポルトランドセメント中庸熱ポルトランドセメント低熱ポルトランドセメントおよび耐硫酸塩ポルトラントセメント)および混合セメント高炉セメントフライアッシュセメント、フライアッシュセメント等)等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。骨材としては、細骨材粗骨材とがある。細骨材としては、「JIS A5308:2003の付属書1(規定)レディミクストコンクリート用骨材」に準拠する骨材等が使用でき、川砂砂、山砂海砂および砕砂等が挙げられる。粗骨材としては、「JIS A5308:2003の付属書1(規定)レディーミクストコンクリート用骨材」に準拠する骨材等が使用でき、川砂利、陸砂利山砂利および砕石等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。

0037

フライアッシュとしては「JIS A6201:2008コンクリート用フライアッシュ」に準拠するもの等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
高炉スラグとしては「JIS A6206:2008コンクリート高炉スラグ微粉末」に準拠するもの等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。

0038

シリカフュームとしては「JIS A6207:2006コンクリート用シリカフューム」に準拠するもの等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
減水剤および高性能減水剤としては、セメント組成物を得るのに必要な水量を減少させるものであればよく、特に限定はないが、たとえば、リグニンスルホン酸塩ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物塩縮合度:5〜20)、メラミンホルマリン酸ホルマリン縮合物塩(縮合度:5〜20)、ポリカルボン酸塩(数平均分子量:5000〜6万)、アミノスルホン酸ホルマリン縮合物塩(縮合度:2〜20)、ポリオキシアルキレン基含有ポリカルボン酸塩(数平均分子量:1万〜60万)等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。

0039

AE剤としては、コンクリートの中に多数の微細な独立した空気泡を一様に分布させワーカビリティーおよび耐凍害性を向上させるものであればよく、特に限定はないが、たとえば、オレイン酸ナトリウムパルミチン酸カリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸塩ラウリル硫酸ナトリウムラウリル硫酸アンモニウムステアリル硫酸ナトリウムセチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩ステアロイルメチルタウリンナトリウムラウロイルメチルタウリンナトリウムミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムモノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩ポリアクリル酸ポリメタアクリル酸ポリマレイン酸ポリ無水マレイン酸、マレイン酸とイソブチレンとの共重合物無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合物、マレイン酸とジイソブチレンとの共重合物、無水マレイン酸とジイソブチレンとの共重合物、アクリル酸とイタコン酸との共重合物、メタアクリル酸とイタコン酸との共重合物、マレイン酸とスチレンとの共重合物、無水マレイン酸とスチレンとの共重合物、アクリル酸とメタアクリル酸との共重合物、アクリル酸とアクリル酸メチルエステルとの共重合物、アクリル酸と酢酸ビニルとの共重合物、アクリル酸とマレイン酸との共重合物、アクリル酸と無水マレイン酸との共重合物のアルカリ金属塩リチウム塩ナトリウム塩カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩マグネシウム塩、カルシウム塩等)、アンモニウム塩およびアミン塩等のポリカルボン酸塩;ナフタレンスルホン酸アルキルナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、および、これらのアルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)、アンモニウム塩およびアミン塩等のナフタレンスルホン酸塩;メラミンスルホン酸アルキルメラミンスルホン酸、メラミンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルメラミンスルホン酸のホルマリン縮合物、および、これらのアルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)、アンモニウム塩およびアミン塩等のメラミンスルホン酸塩等;リグニンスルホン酸、および、これらのアルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)、アンモニウム塩およびアミン塩等のリグニンスルホン酸塩等の陰イオン性界面活性剤等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
消泡剤としては、特に限定はないが、たとえば、エステル系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤鉱物油系消泡剤、シリコーン系消泡剤粉末消泡剤等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。

0040

AE減水剤および高性能AE減水剤としては、空気連行性能とセメント組成物を得るのに必要な水量を減少させる性能との両方を有するものであればよく、特に限定はないが、リグニンスルホン酸系化合物ポリカルボン酸系化合物ナフタリン系化合物、アミノスルホン酸系化合物等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
流動化剤としては、あらかじめ練り混ぜられたコンクリートに添加し攪拌することによって流動性を増大させられるものであればよく、特に限定はないが、ナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物塩、スチレンスルホン酸共重合物塩等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。

0041

硬化促進剤としては、特に限定はないが、たとえば、多価アルコールペンタエリスリトール等)の分子内縮合物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよび塩化カルシウム等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
硬化遅延剤としては、特に限定はないが、たとえば、糖類およびオキシカルボン酸塩等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。

0042

防錆剤としては、特に限定はないが、たとえば、亜硝酸塩等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
増粘剤としては、特に限定はないが、たとえば、ポリアクリルアミドセルロースエーテル等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。

0043

ポリマーセメントコンクリートおよびポリマーモルタル用ポリマーディスパージョンとしては、特に限定はないが、たとえば、スチレンブタジエンゴムラテックスエチレン酢酸ビニルエマルション、ポリアクリル酸エステルエマルション等が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
セメント組成物の製造方法については、特に限定はない。上記で説明したセメント組成物を構成する各成分を同時に混合してもよく、成分ごとに順番に混合してもよく、予めいくつかの成分を混合しておいて残りの成分を後で添加混合等してもよい。

0044

上記混合については、特に限定はなく、容器攪拌羽根といった極めて簡単な機構を備えた装置を用いて行うことができる。また、一般的な揺動または攪拌を行える粉体混合機を用いてもよい。粉体混合機としては、たとえば、リボン型混合機垂直スクリュー型混合機等の揺動攪拌または攪拌を行える粉体混合機を挙げることができる。また、近年、攪拌装置を組み合わせたことにより効率のよい多機能な粉体混合機であるスーパーミキサー(株式会社カワタ製)およびハイスピードミキサー(株式会社深江製)、ニューグラムマシン(株式会社セイシン企業製)、SVミキサー(株式会社神鋼環境ソリューション社製)等を用いてもよい。他には、たとえば、ジョークラッシャージャイレトリークラッシャーコーンクラッシャーロールクラッシャーインパクトクラッシャーハンマークラッシャーロッドミルボールミル振動ロッドミル振動ボールミル円盤ミルジェットミルサイクロンミル等の乾式粉砕機を用いてもよい。
本発明のセメント用収縮低減剤を添加混練したモルタル又はコンクリートの施工方法としては、特に限定はないが、たとえば、湿空養生水中養生散水養生および加熱促進養生蒸気養生およびオートクレーブ養生)等水分が十分供給される養生方法が好ましい。

0045

以下に、本発明の実施例をその比較例とともに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0046

〔13C−NMR法〕
ノニオン性界面活性剤(A)約30mgを直径5mmのNMR用試料管量し、重水素化溶媒として約0.5mlの重水素化クロロホルムを加え溶解させて、13C−NMR測定装置(BRUKER社製AVANCE400,400MHz)で測定した。

0047

〔1H−NMR法および2級化率算出方法
ノニオン性界面活性剤(A)約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、重水素化溶媒として約0.5mlの重水素化クロロホルムを加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とし、1H−NMR測定装置(BRUKER社製AVANCE400,400MHz)で測定した。

0048

重量平均分子量
ノニオン性界面活性剤(A)を不揮発分濃度が約0.2質量%濃度となるようにテトラヒドロフランに溶かした後、以下の測定条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を測定した。次いで、分子量既知ポリエチレングリコールのGPC測定結果から、検量線を作成し、重量平均分子量を算出した。
(測定条件)
機器名:HLC−8220(東ソー社製)
カラム:KF−G、KF−402HQ、KF−403HQ各1本ずつを直列に連結(いずれもShodex社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
注入量:10μl
溶離液の流量:0.3ml/分
温度:40℃

0049

〔曇点の測定〕
n−ブチルジグリコール(別名:2−(2−ブトキシエトキシエタノールジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル)の25重量%水溶液にノニオン性界面活性剤(A)を添加して曇点試験液を調製した。その際、曇点試験液中のノニオン性界面活性剤(A)の濃度が10重量%となるように調整した。次いで、加温して一旦曇点試験液を濁らせ、徐々に冷却して濁りが無くなる温度を曇点とした。

0050

〔表面張力〕
ノニオン性界面活性剤(A)の0.1重量%水溶液を試験液とし、以下の測定条件で表面張力を測定した。
(測定条件)
機器名:自動表面張力計K100(KRUSS社製)
測定法ウィルルミー法
温度:25℃

0051

〔吸油量〕
JIS−K5101−13記載の方法に準拠し、吸油性粉体(B)に精製アマニ油を滴下し、吸油量を測定した。

0052

〔セメント用粉末収縮低減剤の調整〕
表3及び4に示す質量比となる様、(B)成分をミキサーに仕込み、攪拌しながら少量ずつ(A)成分を添加して目的とするセメント用粉末収縮低減剤を得た。

0053

〔ゆるみ見掛け比重〕
圧縮率測定用の定容セル(容量v)にセメント用粉末収縮低減剤を充填し、余分な粉末を摺り切った後、重量gAを測定した。粉体のゆるみ見掛け比重Sを以下計算式から用いて求めた。
ゆるみ見掛け比重 S=gA/v
(測定条件)
機器名:多機能型粉体物性測定器MT−1001k(セイシン企業製)
周囲温度:23℃

0054

〔固め見掛け比重〕
圧縮率測定用の定容セル(容量v)にセメント用粉末収縮低減剤を充填し、180回タッピングを行い、余分な粉末を摺り切って重量gPを測定し、粉体の固め見掛け比重Pを求めた。
固め見掛け比重 P=gP/v

0055

〔圧縮率〕
ゆるみ見掛け比重S、固め見掛け比重Pから、以下の式にて圧縮率Cを求めた。
圧縮率 C=100(P−S)/P (%)

0056

〔安息角〕
セメント用粉末収縮低減剤の安息角は下記条件にて測定した。
(測定条件)
機器名:多機能型粉体物性測定器MT−1001k(セイシン企業製)
周囲温度:23℃

0057

〔20メッシュパス〕
20メッシュ(目開き800μm)の篩にセメント用粉末収縮低減剤サンプルを入れ、篩を通過した質量を計量した。投入量との比率を計算し、20メッシュパスとした。
20メッシュパスの評価基準は以下のとおり。(◎及び○を合格とした。)
◎:20メッシュパスが98%以上である
○:20メッシュパスが95%〜98%未満である
×:20メッシュパスが95%未満である

0058

〔長さ変化率
「JIS A 1129−3:2001」に準拠。
下記条件1及び2にて、セメント組成物を、4cm×4cm×10cmの型枠に充填し、2日間養生した後、モルタルの型枠から取り外しモルタル試験体を温度20℃、60%R.H.の雰囲気下で静置した。28日後に同環境下でモルタル試験体の長さを測定し、長さ変化率を計算した。
長さ変化率の評価基準は以下のとおり。(◎及び○を合格とした。)
◎:長さ変化率が0.05%未満である
○:長さ変化率が0.05%〜0.10%未満である
×:長さ変化率が0.10%以上である
(条件1)
セメント: 400g
標準砂: 800g
粉末収縮低減剤: 6g
メチルセルロース: 1g
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム: 0.1g
水道水: 200g
(条件2)
セメント : 400g
標準砂 : 800g
粉末収縮低減剤 : 3g
メチルセルロース: 1g
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム : 0.1g
水道水 : 200g

0059

〔流動性〕
「JIS R 5201」に準拠し、セメント組成物のフロー値を測定した。収縮低減剤未添加のフロー値を100%としたときの値を計算し、流動性とした。
流動性の評価基準は以下のとおり。(◎及び○を合格とした。)
◎:流動性が95%以上である
○:流動性が90%〜95%未満である
×:流動性が90%未満である

0060

曲げ強度
「JIS A 1106」に準拠し、セメント組成物の曲げ強度を測定した。収縮低減剤未添加の曲げ強度を100%としたときの値を計算し、曲げ強度とした。
曲げ強度の評価基準は以下のとおり。
◎:曲げ強度が95%以上である
○:曲げ強度が90%〜95%未満である
×:曲げ強度が90%未満である

0061

実施例および比較例で用いたノニオン性界面活性剤(A)のa1〜a5を表1に示し、吸油性粉体(B)のb1〜b5を表2に示す。

0062

0063

0064

〔実施例1〜11及び比較例1〜5〕
表3に、所定量のノニオン性界面活性剤(A)及び吸油性粉体(B)を含むセメント用収縮低減剤についての各評価結果を示す。
比較例1及び4は、吸油性粉体(B)からノニオン性界面活性剤(A)が多く浸み出し、表面がべたついてゆるみ見掛け比重、固め見掛け比重、安息角が測定できなかった。

0065

0066

0067

実施例

0068

表3及び表4から分かるように、本発明のセメント用収縮低減剤は、一般式(1)で示されるノニオン性界面活性剤(A)及び吸油性粉体(B)を含み、圧縮率(C)が25〜55(%)であるために、少ない添加量でも十分な収縮低減効果を発揮し、硬化後のセメント組成物の物性変化が小さい。
一方、表5から分かるように、比較例の収縮低減剤は圧縮率(C)が25〜55(%)の範囲から外れるために、十分な収縮低減効果が得られないばかりか、流動性や曲げ強度の物性変化も大きい。

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