図面 (/)

技術 画像形成装置の補正方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 古田泰友
出願日 2016年7月7日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-135117
公開日 2017年2月2日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2017-024403
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における制御・管理・保安 FAXの走査装置 レーザービームプリンタ
主要キーワード 温度検出ユニット 速度検出ユニット 位置補正係数 ビーム位置情報 理想距離 測定工具 信号生成ユニット 角度ばらつき
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (18)

課題

感光体の回転方向に対応する方向に生じる画像の濃度むら画像形成条件に応じて補正し、良好な画質を得ること。

解決手段

複数の発光点を有するレーザ光源201と、副走査方向に回転しレーザ光源201から出射された光ビームにより潜像が形成される感光ドラム102と、レーザ光源201から出射された光ビームを偏向し、感光ドラム102に照射された光ビームのスポットを副走査方向と直交する主走査方向に移動させ走査線を形成する回転多面鏡204と、を備え、副走査方向における走査線のずれに起因した副走査方向の濃度の疎密を、所定の画素を走査線のずれに応じて(S3602)副走査方向に移動させ(S3604)、移動に応じて所定の画素の画素値を出力させることにより補正する(S3606)補正工程を備え、補正工程は画像形成条件に応じて調整された副走査方向の移動量、及び所定の画素の画素値(S3605)に基づいて補正を行う。

概要

背景

レーザプリンタ複写機等の電子写真方式画像形成装置では、レーザ光走査する光走査装置を用いて、感光体上に潜像形成を行う方式が一般に知られている。レーザ走査方式の光走査装置では、コリメータレンズを用いて平行光にされたレーザ光を、回転多面鏡によって偏向し、偏向されたレーザ光を長尺fθレンズを用いて感光体上に結像させる。また、1つのパッケージ内に複数の発光点を有するレーザ光源を有し、複数のレーザ光を同時に走査するマルチビーム走査方式がある。

一方、濃度むらバンディング画像濃度濃淡による縞模様)のない良好な画像を形成するためには、感光体の回転方向において隣接する位置を走査するレーザ光の走査ライン間の距離が等しいことが望ましい。しかし、以下の複数の要因によって、走査ライン間の距離の変動が発生する。例えば、走査ライン間の距離の変動は、感光体の表面速度の変動や、回転多面鏡の回転速度変動等によって生じる。また、走査ライン間の距離の変動は、回転多面鏡の回転軸に対する回転多面鏡のミラー面の角度のばらつきや、レーザ光源に配列された発光点の間隔のばらつきによっても生じる。このような要因により発生する濃度むらやバンディングに対して、光走査装置の露光量を制御することでバンディングを補正する技術が提案されている。例えば特許文献1では、感光体近傍に副走査方向のビーム位置検出ユニットを設け、検出されたビーム位置から得られた走査距離情報に基づき、光走査装置の露光量を調整してバンディングを目立たなくする構成が記載されている。

概要

感光体の回転方向に対応する方向に生じる画像の濃度むらを画像形成条件に応じて補正し、良好な画質を得ること。複数の発光点を有するレーザ光源201と、副走査方向に回転しレーザ光源201から出射された光ビームにより潜像が形成される感光ドラム102と、レーザ光源201から出射された光ビームを偏向し、感光ドラム102に照射された光ビームのスポットを副走査方向と直交する主走査方向に移動させ走査線を形成する回転多面鏡204と、を備え、副走査方向における走査線のずれに起因した副走査方向の濃度の疎密を、所定の画素を走査線のずれに応じて(S3602)副走査方向に移動させ(S3604)、移動に応じて所定の画素の画素値を出力させることにより補正する(S3606)補正工程を備え、補正工程は画像形成条件に応じて調整された副走査方向の移動量、及び所定の画素の画素値(S3605)に基づいて補正を行う。

目的

本発明はこのような状況のもとでなされたもので、感光体の回転方向に対応する方向に生じる画像の濃度むらを画像形成条件に応じて補正し、良好な画質を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

複数の発光点を有する光源と、第1の方向に回転し、前記光源から出射された光ビームにより潜像が形成される感光体と、前記光源から出射された光ビームを偏向し、前記感光体に照射された光ビームのスポットを前記第1の方向と直交する第2の方向に移動させ走査線を形成する偏向ユニットと、を備える画像形成装置補正方法であって、前記第1の方向における前記走査線のずれに起因した前記第1の方向の濃度の疎密を、所定の画素を前記走査線のずれに応じて前記第1の方向に移動させ、移動に応じて前記所定の画素の画素値を出力させることにより補正する補正工程を備え、前記補正工程は、画像形成条件に応じて調整された前記走査線のずれ及び前記画素の画素値に基づいて前記濃度の前記疎密を補正することを特徴とする補正方法。

請求項2

前記画像形成装置は、前記感光体上の潜像を現像し、トナー像を形成する現像装置を備え、前記画像形成条件は、前記現像装置が前記感光体に印加する現像電圧であり、前記走査線のずれ及び前記画素の画素値は、前記現像電圧が所定の電圧よりも高い場合には前記現像電圧が前記所定の電圧のときよりも小さくなるように調整され、前記現像電圧が前記所定の電圧よりも低い場合には前記現像電圧が前記所定の電圧のときよりも大きくなるように調整されることを特徴とする請求項1に記載の補正方法。

請求項3

前記画像形成装置は、前記感光体を一様な電圧に帯電する帯電装置を備え、前記画像形成条件は、前記帯電装置が前記感光体を帯電する帯電電圧であり、前記走査線のずれ及び前記画素の画素値は、前記帯電電圧に応じて調整されることを特徴とする請求項1に記載の補正方法。

請求項4

前記画像形成条件は、前記光源から前記感光体に照射される光ビームの光量であり、前記走査線のずれ及び前記画素の画素値は、前記光量に応じて調整されることを特徴とする請求項1に記載の補正方法。

請求項5

前記画像形成装置は、前記画像形成装置の温度を検出する温度検出ユニットを備え、前記画像形成条件は、前記画像形成装置の温度であり、前記走査線のずれ及び前記画素の画素値は、前記温度検出ユニットにより検出された前記温度に応じて調整されることを特徴とする請求項1に記載の補正方法。

請求項6

前記画像形成条件は、画像濃度が所定の濃度のときに前記光源から前記感光体に照射される光ビームの光量であり、前記走査線のずれ及び前記画素の画素値は、前記光量が所定の光量よりも大きい場合には前記光量が前記所定の光量のときよりも小さくなるように調整され、前記光量が前記所定の光量よりも小さい場合には前記光量が前記所定の光量のときよりも大きくなるように調整されることを特徴とする請求項1に記載の補正方法。

請求項7

前記画像形成装置は、パッチ画像の濃度を検出する濃度検出ユニットを備え、前記濃度検出ユニットにより検出された、複数の異なる前記光ビームの光量で露光され、形成された前記パッチ画像の濃度の検出結果に基づいて、画像濃度が所定の濃度となるように照射される前記光ビームの光量を決定することを特徴とする請求項6に記載の補正方法。

請求項8

前記所定の濃度は、前記濃度検出ユニットにより検出されたベタ黒のパッチ画像の濃度を100%としたときに、50%に相当する濃度であることを特徴とする請求項7に記載の補正方法。

請求項9

前記所定の光量は、前記ベタ黒のパッチ画像を形成する際に前記光源から前記感光体に照射される光ビームの光量を100%としたときに、50%に相当する光量であることを特徴とする請求項8に記載の補正方法。

請求項10

前記補正工程は、前記走査線の前記第1の方向の位置ずれに関する情報を記憶ユニットに記憶する記憶工程と、前記記憶ユニットに記憶された前記情報に基づいて、前記感光体上の走査線の間隔が所定の間隔となるような座標変換を行うことにより、入力画像の画素の位置を変換する変換工程と、前記座標変換後の入力画像の画素の位置、及び入力画像の画素値を前記画像形成条件に応じて調整する調整工程と、前記調整後の入力画像の画素の位置に基づいて、入力画像の画素の前記調整後の画素値に畳み込み演算を行い、出力画像の画素の画素値を求めるフィルタ処理工程と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の補正方法。

請求項11

記入力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をfs(n)とし、前記出力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をft(n)とし、前記座標変換後の前記入力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をfs’(n)とし、前記座標変換後の前記出力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をft’(n)としたとき、前記変換工程では、前記座標変換後の前記入力画像の画素の位置を、関数ft(n)の逆関数ft−1(n)を用いて、fs’(n)=ft’(ft−1(fs(n)))から求めることを特徴とする請求項10に記載の補正方法。

請求項12

関数fs(n)がfs(n)=nを満たし、且つ、関数ft’(n)がft’(n)=nを満たすとき、前記変換工程では、前記座標変換後の前記入力画像の画素の位置を、fs’(n)=ft−1(n)から求めることを特徴とする請求項11に記載の補正方法。

請求項13

前記変換工程では、前記入力画像の画素の位置を示す関数fs(n)又は前記出力画像の画素の位置を示す関数ft(n)が離散的な値となる場合、離散的な値を補間することにより連続的な関数とすることを特徴とする請求項11又は請求項12の補正方法。

請求項14

前記フィルタ処理工程では、線形補間又はバイキュービック補間を用いて前記畳み込み演算を行うことを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の補正方法。

請求項15

前記画素値は濃度値であり、前記フィルタ処理工程では、前記畳み込み演算を行う前と行った後とで、所定面積あたりの濃度値が保存されることを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の補正方法。

請求項16

前記画像形成装置は、前記感光体の回転速度を検出する速度検出ユニットを備え、前記速度検出ユニットにより検出した前記感光体の回転速度に基づいて、前記第1の方向の位置ずれを補正することを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の補正方法。

請求項17

前記偏向ユニットは、所定の数の面を有する回転多面鏡であり、前記記憶ユニットに記憶される前記情報には、前記回転多面鏡の回転軸に対する前記面毎の角度のばらつきの情報が含まれていることを特徴とする請求項10から請求項16のいずれか1項に記載の補正方法。

請求項18

前記所定の間隔は、前記画像形成装置による画像形成解像度に応じて決定されることを特徴とする請求項10から請求項17のいずれか1項に記載の補正方法。

技術分野

0001

ディジタル複写機複合機レーザプリンタなどの画像形成装置による二次元画像画像形成における画像の歪みや濃度むら補正する画像形成装置の補正方法に関する。

背景技術

0002

レーザプリンタや複写機等の電子写真方式の画像形成装置では、レーザ光走査する光走査装置を用いて、感光体上に潜像形成を行う方式が一般に知られている。レーザ走査方式の光走査装置では、コリメータレンズを用いて平行光にされたレーザ光を、回転多面鏡によって偏向し、偏向されたレーザ光を長尺fθレンズを用いて感光体上に結像させる。また、1つのパッケージ内に複数の発光点を有するレーザ光源を有し、複数のレーザ光を同時に走査するマルチビーム走査方式がある。

0003

一方、濃度むらやバンディング画像濃度濃淡による縞模様)のない良好な画像を形成するためには、感光体の回転方向において隣接する位置を走査するレーザ光の走査ライン間の距離が等しいことが望ましい。しかし、以下の複数の要因によって、走査ライン間の距離の変動が発生する。例えば、走査ライン間の距離の変動は、感光体の表面速度の変動や、回転多面鏡の回転速度変動等によって生じる。また、走査ライン間の距離の変動は、回転多面鏡の回転軸に対する回転多面鏡のミラー面の角度のばらつきや、レーザ光源に配列された発光点の間隔のばらつきによっても生じる。このような要因により発生する濃度むらやバンディングに対して、光走査装置の露光量を制御することでバンディングを補正する技術が提案されている。例えば特許文献1では、感光体近傍に副走査方向のビーム位置検出ユニットを設け、検出されたビーム位置から得られた走査距離情報に基づき、光走査装置の露光量を調整してバンディングを目立たなくする構成が記載されている。

先行技術

0004

特開2012−98622号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述した特許文献1と同様に、露光量を制御してバンディングを目立たなくする方式として、走査ライン各々の副走査方向の位置情報に応じて、画像データを副走査方向にシフトし、走査ラインの位置を補正する方式がある。電子写真方式の画像形成装置においては、2〜5μm程度の画像位置ずれによっても、バンディングが発生する。例えば、1200dpiの解像度を有する画像形成装置においては、1画素の幅が21.16μmのため、2〜5μm程度の画像位置ずれを補正するには、10分の1画素以下の分解能で画像の重心を移動させる必要がある。一方、画像データをシフト(付加)して画像の重心を移動させる場合には、感光体や現像プロセス条件によって、付加する画像データに対する画像の重心の移動量が変化する場合がある。

0006

図15(a)では、2つの隣り合う走査ラインの露光分布露光エリア)がオーバーラップし、2つの走査ラインのスポット加算された合成スポットBが形成される。図15(b)では、走査ラインの1ライン目の露光量を下げ、新たに走査ラインの3ライン目の画素を微弱な露光量で露光を行っている。これにより、3つの走査ラインのスポットが合成された合成スポットAが形成され、図15(a)の合成スポットBと比べて、合成スポットの画像の重心が、図15(b)中右方向に移動していることがわかる。図15(c)、図15(d)は、合成スポットA、Bを現像閾値Th1、Th2でスライスしたときの露光幅、露光位置を比較した図である。図15(c)に示すように、現像閾値Th1でスライスした場合には、露光位置は若干ずれているが、合成スポットAも合成スポットBも露光幅は略同じである。一方、図15(d)に示すように、現像閾値Th2でスライスした場合には、合成スポットBに比べて、合成スポットAの方は露光幅が若干太く(広く)なっており、右方向への露光位置の移動量も大きくなっている。また、図16(b)に示すように、バンディング補正を行った際に現像閾値が大きく変化した場合には、画像重心を移動させていない画像領域Bに比べて、画像重心を移動させた画像領域Aでは画像濃度が低下し、濃度変動が発生していることがわかる。尚、図15(a)〜図15(d)、図16(a)〜図16(c)の詳細な説明は、後述する。

0007

このように、画像データを追加することにより画像データをシフトさせる処理を行う際には、現像閾値の変化によって移動量も変化してしまうことがあり、バンディング補正がうまく働かないという課題がある。このような現像閾値の変化は、画像形成条件、例えば感光体を帯電する帯電量、感光体と現像装置間で印加する現像電圧露光光量等が変化すると発生しやすい。

0008

本発明はこのような状況のもとでなされたもので、感光体の回転方向に対応する方向に生じる画像の濃度むらを画像形成条件に応じて補正し、良好な画質を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前述の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。

0010

(1)複数の発光点を有する光源と、第1の方向に回転し、前記光源から出射された光ビームにより潜像が形成される感光体と、前記光源から出射された光ビームを偏向し、前記感光体に照射された光ビームのスポットを前記第1の方向と直交する第2の方向に移動させ走査線を形成する偏向ユニットと、を備える画像形成装置の補正方法であって、前記第1の方向における前記走査線のずれに起因した前記第1の方向の濃度の疎密を、所定の画素を前記走査線のずれに応じて前記第1の方向に移動させ、移動に応じて前記所定の画素の画素値を出力させることにより補正する補正工程を備え、前記補正工程は、画像形成条件に応じて調整された前記走査線のずれ及び前記画素の画素値に基づいて前記濃度の前記疎密を補正することを特徴とする補正方法。

発明の効果

0011

本発明によれば、感光体の回転方向に対応する方向に生じる画像の濃度むらを画像形成条件に応じて補正し、良好な画質を得ることができる。

図面の簡単な説明

0012

実施例1、2の画像形成装置全体を示す図、感光ドラムと光走査装置周辺の構成を示す図
実施例1、2の画像形成装置のブロック図
実施例1、2の走査ラインの位置ずれを示す図
実施例1、2のメモリに情報を記憶する工程を説明するブロック図
実施例1、2の1走査期間のタイムチャート
実施例1、2の位置ずれ量の算出処理を示すフローチャート
実施例1、2の補正処理を示すフローチャート
実施例1、2の画素の位置ずれを分類毎に示す図
実施例1、2の副走査方向の画素位置の座標変換を示す図
実施例1、2の副走査方向の画素位置の座標変換を示す図
実施例1、2の副走査方向の画素位置の座標変換を示す図
実施例1、2のフィルタ処理に用いる畳み込み関数を示す図、補正値係数を説明する図
実施例1、2の位置ずれの分類毎のフィルタ処理を示す図
実施例1、2のパッチ濃度検出構成を示す図、実施例2のパッチ濃度検出結果を示す図
従来例の画像重心の移動を説明する図
従来例の画像重心の移動による濃度むらを説明する図
画像データ(濃度データ)をPWM信号を生成するため駆動データに変換する変換テーブルを示す図

0013

まず、後述する実施例の説明に先立ち、従来のバンディング補正における課題について、図15図16を参照して詳しく説明する。前述したように露光量を制御してバンディングを目立たなくする方式として、走査ライン各々の副走査方向の位置情報に応じて画像データを副走査方向にシフトし、走査ラインの位置を補正する方式がある。電子写真方式の画像形成装置においては、2〜5μm程度の画像位置ずれによっても、バンディングが発生する。例えば1200dpiの解像度を有する画像形成装置においては、1画素の幅が21.16μmのため、2〜5μm程度の画像位置ずれを補正するには、10分の1画素以下の分解能で画像の重心を移動させる必要がある。一方で、電子写真方式の画像形成装置において、前述したように画像データを付加して画像の重心を移動させる場合には、感光ドラムや現像プロセス条件によって、付加する画像データに対する画像の重心の移動量が変化する場合がある。

0014

図15(a)は、2つの隣り合う走査ラインの画素で光ビームを点灯(以下、単に画素をオンという)した状態での、副走査方向の露光分布断面を示す図である。図15(a)の縦軸は光量を、横軸は副走査方向の位置を示し、図15(b)についても同様である。図15(a)は、1200dpiの解像度で、光ビームのスポットが70μmの径(スポットサイズ)を有する光走査装置が形成する露光分布を示している。1200dpiの解像度の場合、1画素のサイズ(幅)が21.16μmのため、画素の間隔よりも、スポットサイズの70μmの方が大きい。そのため、2つの走査ラインをオンした場合には、それぞれの走査ラインの露光分布(露光エリア)がオーバーラップし、2つの走査ラインのスポットが加算された合成スポットBが形成される。図15(a)に示す合成スポットBに対して、図15(b)は、走査ラインの1ライン目の露光量を下げ、新たに走査ラインの3ライン目の画素を微弱な露光量で発光させた例を示している。図15(b)では、3ライン目の微弱露光を行うことにより、3つの走査ラインのスポットが合成された合成スポットAが形成され、図15(a)の合成スポットBと比べて、合成スポットの画像の重心が、図15(b)中右方向に移動していることがわかる。このように、微弱露光させた走査ラインを追加することにより、形成される画像スポットの画像重心を移動させることが可能となる。

0015

また、図15(c)、図15(d)は、上述した合成スポットA、Bを比較した図であり、それぞれ縦軸は光量を、横軸は副走査方向の位置を示す。図15(c)中のTh1、図15(d)中のTh2は、露光分布に対して、トナーが付着することにより現像される閾値を模式的に示したものであり、以下では、この閾値を現像閾値という。また、現像閾値Th1、Th2は、Th1>Th2の大小関係を有している。図15(c)、図15(d)に表す合成スポットA、Bにおいて、現像閾値Th1、Th2以上の光量で露光されている個所はトナーにより現像され、現像閾値未満の個所はトナーによる現像が行われない。図15(c)、図15(d)では、太い実線で示す合成スポットAは、細い実線で示す合成スポットBに対して、図15(d)中右方向に露光位置が移動している。更に、合成スポットAは、合成スポットBに比べて露光分布が若干変化しているため、合成スポットBに比べてピーク露光量が若干低下している。合成スポットA、Bを現像閾値Th1、Th2でスライスしたときの露光幅、露光位置を比較すると、現像閾値Th1でスライスした場合(図15(c))には、露光位置は若干ずれているが、合成スポットAも合成スポットBも露光幅は略同じである。一方、現像閾値Th2でスライスした場合(図15(d))には、合成スポットBに比べて、合成スポットAの方は露光幅が若干太く(広く)なっており、右方向への露光位置の移動量も大きくなっている。このように、画像データを追加することにより画像データをシフトさせる処理を行う場合には、現像閾値の変化によって移動量も変化してしまい、バンディング補正がうまく働かないという課題がある。このような現像閾値の変化は、画像形成条件、例えば感光ドラムを帯電する帯電量、感光ドラムと現像装置間で印加する現像電圧、露光光量等が変化すると発生しやすい。

0016

次に、画像シフトを行った例について説明する。図16(a)及び図16(b)は、記録材印刷される画像データを示す表である。それぞれの表において、縦方向は、記録材における上下方向(副走査方向)の印刷行を指し、横方向は、記録材の各印刷行における左右方向(主走査方向)の画素を指し、表中の数値は、各画素の画像データ(濃度値であり、0〜15の16レベルで表示)を示す。図16(a)の画像データに対して、図16(b)において表中の2行目、6行目の画像データ(濃度値)を2だけ減少させ、4行目、8行目に減少させた画像データ(濃度値)を2だけ付加することで、下方向に画像の重心を移動させる例を示している。これにより、1/8画素(=2/16)だけ3ライン目の方向に画像の重心が移動することになる。この方式では、付加する画像データのデータ値によって画像の重心の移動量を調整することができる。即ち、付加する画像データ値が小さい場合には、微弱露光する画素が付加されることとなり、画像の重心は微小に移動する。一方、付加する画像データ値が大きい場合には、強発光する画素が付加されることにより、画像の重心が大きく移動することになる。図16(c)は、上述した図16(a)及び図16(b)に示す画像データにより、バンディング補正を行う際に、現像閾値が大きく変化したときの濃度変動の様子を示す。画像領域Aにおいては、バンディング補正により下方向に画像重心を移動させている。一方、画像領域Bにおいては、画像位置が理想位置にあり画像重心を移動させていない。その結果、図16(c)に示すように、画像領域Aでは、画像領域Bと比べて画像濃度が低下し、濃度変動が発生していることがわかる。

0017

このように、画像データを追加することにより画像データをシフトさせる処理を行う際には、現像閾値の変化によって移動量も変化してしまうことがあり、バンディング補正がうまく働かないという課題がある。このような現像閾値の変化は、画像形成条件(例えば感光ドラムを帯電する帯電電圧、感光ドラムと現像装置間で印加される現像電圧、光走査装置からの露光光量等)が変化すると発生しやすい。以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。尚、レーザ光が走査される方向であって感光ドラムの回転軸方向を第2の方向である主走査方向、主走査方向に略直交する方向であって感光ドラムの回転方向を第1の方向である副走査方向とする。

0018

<画像形成装置全体の構成>
図1(a)は、複数色のトナーを用いて画像形成を行うデジタルフルカラープリンタカラー画像形成装置)の概略断面図である。図1(a)を用いて実施例1の画像形成装置100について説明する。画像形成装置100には色別に画像を形成する4つの画像形成部(画像形成ユニット)101Y、101M、101C、101Bk(破線部)が備えられている。画像形成部101Y、101M、101C、101Bkはそれぞれ、イエローマゼンタシアンブラックのトナーを用いて画像形成を行う。Y、M、C、Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表しており、以下、特定の色について説明する場合を除き、添え字Y、M、C、Bkを省略する。

0019

画像形成部101には感光体である感光ドラム102が備えられている。感光ドラム102の周りには、帯電装置103、光走査装置104、現像装置105がそれぞれ設けられている。また、感光ドラム102の周りには、クリーニング装置106が配置されている。感光ドラム102の下方には無端ベルト状の中間転写ベルト107が配置されている。中間転写ベルト107は、駆動ローラ108と従動ローラ109、110とに張架され、画像形成中図1(a)中の矢印B方向(時計回り方向)に回転する。また、中間転写ベルト107(中間転写体)を介して、感光ドラム102に対向する位置には、一次転写装置111が設けられている。また、本実施例の画像形成装置100は、中間転写ベルト107上のトナー像記録媒体である用紙Sに転写するための二次転写装置112、用紙S上のトナー像を定着するための定着装置113を備える。

0020

画像形成装置100の帯電工程から現像工程までの画像形成プロセスを説明する。各画像形成部101における画像形成プロセスは同一であるため、画像形成部101Yを例にして画像形成プロセスを説明し、画像形成部101M、101C、101Bkにおける画像形成プロセスについては説明を省略する。画像形成部101Yの帯電装置103Yは、一様な電圧を感光ドラム102Yに印加することにより、図1(a)中矢印方向(反時計回り方向)に回転駆動される感光ドラム102Yを帯電する。帯電された感光ドラム102Yは、光走査装置104Yから出射される一点鎖線で示すレーザ光によって露光される。これにより、回転する感光ドラム102Y上(感光体上)に静電潜像が形成される。感光ドラム102Y上に形成された静電潜像は、現像装置105Yによる現像電圧の印加によってトナーが付着し、イエローのトナー像として現像される。画像形成部101M、101C、101Bkでも、同様の工程が行われる。

0021

転写工程以降の画像形成プロセスについて説明する。転写電圧が印加された一次転写装置111は、画像形成部101の感光ドラム102上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を、中間転写ベルト107に転写する。これにより、中間転写ベルト107上で各色のトナー像が重ね合わされる。即ち、中間転写ベルト107に4色のトナー像が転写される(一次転写)。中間転写ベルト107上に転写された4色のトナー像は、二次転写装置112により、手差し給カセット114又は給紙カセット115から二次転写部に搬送されてきた用紙S上に転写される(二次転写)。そして、用紙S上の未定着のトナー像は定着装置113で加熱定着され、用紙S上にフルカラー画像が得られる。画像が形成された用紙Sは排紙部116に排紙される。濃度検出ユニットとしての濃度センサ602は、中間転写ベルト107に形成された濃度パッチの濃度を検出する。

0022

<感光ドラムと光走査装置>
図1(b)に、感光ドラム102、光走査装置104、及び、光走査装置104の制御部の構成を示す。光走査装置104は、レーザ光源(以下、レーザ光源という。)201と、コリメータレンズ202と、シリンドリカルレンズ203と、回転多面鏡204とを備える。レーザ光源201は、複数の発光点を備える。複数の発光点はそれぞれレーザ光(光ビーム)を出射する。コリメータレンズ202は、レーザ光を平行光に整形する。シリンドリカルレンズ203は、コリメータレンズ202を通過したレーザ光を副走査方向へ集光する。尚、本実施例ではレーザ光源201は複数の発光点を配列した光源を例にして記載するが、単一の光源を用いた場合も同様に動作させるものとする。レーザ光源201は、レーザ駆動回路304によって駆動される。回転多面鏡204は、回転動作するモータ部とモータ軸に取り付けられた反射ミラーからなる。以下、回転多面鏡204の反射ミラーの面を、ミラー面という。偏向ユニットである回転多面鏡204は、ミラー駆動部305によって駆動される。光走査装置104は、回転多面鏡204によって偏向されたレーザ光(走査光)が入射するfθレンズ205、206を備える。また、光走査装置104は、種々の情報が格納されたメモリ(記憶ユニット)302を有する。

0023

更に、光走査装置104は、回転多面鏡204によって偏向されたレーザ光を検出し、レーザ光を検出したことに応じて水平同期信号(以下、BD信号という。)を出力する信号生成ユニットであるBeam Detector207(以下、BD207という。)を備える。光走査装置104から出射したレーザ光は、感光ドラム102上を走査する。レーザ光は、感光ドラム102の回転軸に対して略平行に走査するように、光走査装置104と感光ドラム102の位置決めがなされている。光走査装置104は、回転多面鏡204のミラー面が感光ドラム102上を1回走査する度に、レーザ光源から出射されたレーザ光を主走査方向に走査させ、レーザ素子数分の走査ラインを同時に形成する。本実施例では、回転多面鏡204のミラー面数は5面であり、レーザ光源201は8つのレーザ素子を有する構成を例にして説明する。即ち、本実施例では、1回の走査で8ライン分の画像形成を行うため、回転多面鏡204は1回転あたり5回走査して、全部で40ライン分の画像形成を行う。

0024

感光ドラム102は、回転軸に速度検出ユニットであるロータリーエンコーダ301を備えており、ロータリーエンコーダ301を用いて感光ドラム102の回転速度の検出が行われる。ロータリーエンコーダ301は、感光ドラム102が1回転する度に1000発のパルスを発生し、内蔵のタイマを用いて発生したパルスの時間間隔を測定した結果に基づく感光ドラム102の回転速度の情報(回転速度データ)をCPU303に出力する。尚、感光ドラム102の回転速度が検出できる構成であれば、前述したロータリーエンコーダ以外の公知の速度検出技術を用いてもよい。エンコーダ以外の方法としては、例えば、レーザドップラー等で感光ドラム102の表面速度を検出する等の方式がある。

0025

更に、画像形成装置100は、画像形成装置の内部温度を検出する温度検出ユニットであるサーミスタ401を備えており、CPU303には、サーミスタ401からの温度検出信号が入力される。CPU303は、サーミスタ401により検出された装置内温度に応じて、予め画像濃度が所定濃度となるように、画像形成条件を制御する。本実施例では、画像形成条件とは、感光ドラム102を帯電する帯電装置103の帯電電圧、感光ドラム102上の静電潜像を現像するために現像装置105から印加される現像電圧を指すものとする。更に、本実施例では、画像形成条件とは、感光ドラム102上に静電潜像を形成する光走査装置104からの露光光量を指すものとする。尚、以下では、現像電圧を用いて画像形成条件を制御する例について説明する。CPU303は、濃度センサ602により検出された中間転写ベルト107上に形成されたパッチ濃度検出結果に基づいて、画像形成条件を微調整し、画像濃度を高精度に合わせる。また、CPU303は、濃度センサ602が検出したパッチの濃度検出値に基づいて、露光量の微調整も行う。

0026

帯電装置103は、帯電電圧駆動回路(不図示)からの出力電圧により、感光ドラム102に帯電電圧を印加する。CPU303は、帯電電圧駆動回路に対して、帯電装置103に出力する電圧値を設定する。同様に、現像装置105も、現像電圧駆動回路(不図示)からの出力電圧により、現像電圧を印加する。CPU303は、現像電圧駆動回路に対して、現像装置105に出力する電圧値を設定する。また、CPU303は、レーザ駆動回路304に、レーザ光源201の発光光量を指示することにより、感光ドラム102に対する露光量を調整する。

0027

<光走査装置の制御部の機能>
次に、図2を用いて、光走査装置104の制御部であるCPU303、およびクロック信号生成部308について説明する。CPU303およびクロック信号生成部308は、画像形成装置100に取り付けられている。図2は、後述する画像の歪みや濃度むらを補正する補正処理を実行するCPU303の機能をブロック図として示した図である。CPU303は、フィルタ処理部501と、誤差拡散処理部502と、PWM(Pulse Width Modulation)信号生成部503とを有する。フィルタ処理部501は、入力された画像データに畳み込み演算を行うことでフィルタ処理を行う。誤差拡散処理部502は、フィルタ処理後の画像データ(濃度データ)に誤差拡散処理を行う。PWM信号生成部503は、誤差拡散処理後の画像データにPWM変換を行い、光走査装置104のレーザ駆動回路304にPWM信号を出力する。クロック信号生成部308は、クロック信号CLK(1)とクロック信号CLK(2)をCPU303に出力する。クロック信号CLK(1)は後述する図5に示すクロック信号である。クロック信号CLK(1)はクロック信号CLK(2)を逓倍して生成された信号である。従って、クロック信号CLK(1)とクロック信号CLK(2)は同期関係にある。本実施例では、クロック信号生成部308は、クロック信号(2)を16逓倍したクロック信号CLK(1)をCPU303に出力する。クロック信号CLK(2)は1画素に対応する周期の信号である。クロック信号CLK(1)は1画素を16分割した分割画素に対応する周期の信号である。

0028

また、CPU303は、フィルタ係数設定部504と、フィルタ関数出力部505と、補正値設定部506とを有する。フィルタ関数出力部505は、畳み込み演算に用いられる関数のデータ(例えば、テーブルのデータ)をフィルタ係数設定部504に出力するもので、畳み込み演算に用いられる関数には、例えば線形補間バイキュービック補間がある。補正値設定部506は、面特定部507から入力された面同期信号に基づいて複数のミラー面の中からレーザ光を反射するミラー面を特定する。補正値設定部506は、後述する面特定部507が特定したミラー面によって偏向されたレーザ光によって形成される走査ラインの感光ドラム102の回転方向における位置ずれ量を求める。そして、補正値設定部506は、当該位置ずれ量に基づいて補正値を算出し、算出した補正値をフィルタ係数設定部504に出力する。フィルタ係数設定部504は、フィルタ関数出力部505から入力された畳み込み関数の情報と、補正値設定部506から入力された補正値とに基づいて、フィルタ処理部501によるフィルタ処理に用いられるフィルタ係数を算出する。フィルタ係数設定部504は、算出したフィルタ係数をフィルタ処理部501に設定する。補正値設定部506からフィルタ係数設定部504に入力される補正値は、複数のミラー面それぞれに対して個別に設定された補正値である。

0029

更に、CPU303は、面特定部507を有する。面特定部507は、光走査装置104のホームポジションセンサ(以下、HPセンサとする)307から入力されたHP信号と、BD207から入力されたBD信号とに基づいて、回転多面鏡204のミラー面を特定する。面特定部507は、特定したミラー面の情報を面同期信号として補正値設定部506に出力する。

0030

図1(b)に示すように、CPU303には、画像データを生成する画像コントローラ(不図示)から画像データが入力される。この画像データは濃度値を示す階調データである。この階調データは1画素毎の濃度値を示す複数ビットのデータである。例えば、4ビットの画像データであれば、1画素の濃度値は16階調で表現され、8ビットの画像データであれば1画素の濃度値は256階調で表現される。本実施例では、画像コントローラからCPU303に入力される画像データは1画素あたり4ビットであるものとする。フィルタ処理部501は、クロック信号CLK(2)に同期して1画素毎に画像データにフィルタ処理を加える。また、CPU303は、ロータリーエンコーダ301、BD207、メモリ302、レーザ駆動回路304、回転多面鏡駆動部(以下、ミラー駆動部という。)305と接続されている。CPU303は、BD207から入力されたBD信号に基づいて走査ラインの書き出し位置を検出し、BD信号の時間間隔をカウントすることで回転多面鏡204の回転速度を検出する。更に、CPU303は、回転多面鏡204が所定の速度となるように、ミラー駆動部305に加速減速を指示するための加速減速信号を出力する。ミラー駆動部305は、CPU303から入力された加速減速信号に応じて、回転多面鏡204のモータ部に駆動電流を供給し、モータ306を駆動する。

0031

図2に示すように、回転多面鏡204にはHPセンサ307が搭載されており、HPセンサ307は回転多面鏡204が回転動作中に所定角度になったタイミングで、CPU303に対してHP信号を出力する。例えば、HP信号が回転多面鏡204が一回転する間に一度生成される。面特定部507は、HP信号が生成されたことに応じて内部カウンタリセットする。そして、面特定部507は、BD信号が入力されるごとに内部カウンタのカウント値を「1」インクリメントさせる。つまり、内部カウンタのカウント値は回転多面鏡204の複数のミラー面を示す情報である。CPU303は、このカウント値を用いることによって入力された画像データが複数のミラー面のうちのどのミラー面に対応する画像データかを特定することができる。つまり、CPU303は、カウント値を用いることによって、入力される画像データを補正するためのフィルタ係数を切り換えることができる。

0032

メモリ302には、回転多面鏡204のミラー面によって反射された複数のレーザ光の副走査方向における理想走査位置からの位置ずれ量を示す位置情報(第1の走査位置情報)がミラー面毎に格納されている。また、メモリ302には、各発光点から出射されたレーザ光の副走査方向における理想走査位置からの位置ずれ量を示す位置情報(第2の走査位置情報)が記憶されているCPU303は、それぞれの位置情報を読み出す。CPU303のPWM信号生成部503は、メモリ302から読み出した位置情報に基づいて、各走査ラインの位置の算出を行い、算出された各走査ラインの位置と入力された画像データから、各走査ラインの位置を補正する情報を加味した画像データを算出する。CPU303は、各走査ラインの位置が補正された情報が加味された画像データを駆動データに変換する。メモリ302には、図17に示すような4ビットの画像データを16ビットの駆動データに変換する変換テーブルが記憶されている。図17に示す変換テーブルの縦軸は、4ビットの濃度値を示す画像データであり、1画素に対応する。図17に示す変換テーブルの横軸は、4ビットの濃度値それぞれに個別に対応させた16ビットの駆動データである。例えばPWM信号生成部503に入力された画像データが「0110」のビットパターンの場合、PWM信号生成部503は画像データ「0110」を変換テーブルを用いて「0000000001111111」のビットパターンである駆動データに変換する。PWM信号生成部503は、変換後の駆動データは後述するクロック信号(1)に応じて1ビットずつシリアルに「0000000001111111」の順に出力する。PWM信号生成部503が駆動データを出力することによってPWM信号が生成される。PWM信号生成部503が「1」を出力することによって発光点はレーザ光を出射する。PWM信号生成部503が「0」を出力することによって発光点はレーザ光を出力しない。

0033

<走査位置情報>
次に、図3、表1を用いて、メモリ302に格納された走査位置情報について説明する。図3は、各走査ラインの理想位置からの位置ずれの様子を示す。8つの発光点を有するレーザ光源の各レーザが走査する走査ラインを、LD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6、LD7、LD8とする。ここで、各走査ラインの理想的な間隔は、解像度によって決まる。例えば解像度1200dpiの画像形成装置の場合、各走査ラインの理想的な間隔は、21.16μmとなる。走査ラインLD1を基準位置とした場合、走査ラインLD1からの走査ラインLD2〜LD8の理想距離D2〜D8は式(1)で算出される。
Dn=(n−1)×21.16μm (n=2〜8)・・・式(1)
例えば、走査ラインLD1から走査ラインLD4までの理想距離D4は、63.48μm(=(4−1)×21.16μm)となる。

0034

ここで、複数の発光点の配置間隔誤差レンズの特性によって、感光ドラム102上における走査ラインの間隔には誤差が生じる。理想距離D2〜D8によって決まる理想位置に対する走査ラインLD2〜LD8の走査ライン位置の位置ずれ量を、X1〜X7とする。回転多面鏡204の1面目について、例えば、走査ラインLD2の位置ずれ量X1は、走査ラインLD2の理想位置(以下、ライン2、他の走査ラインについても同様とする)と実際の走査ラインとの差とする。また、例えば、走査ラインLD4の位置ずれ量X3は、ライン4と実際の走査ラインとの差とする。

0035

回転多面鏡204は、回転多面鏡204の各ミラー面の製造ばらつきにより、回転軸に対するミラー面の角度が完全に平行にはならず、ミラー面毎に角度ばらつきを有する。回転多面鏡204の各ミラー面における理想位置に対する位置ずれ量は、回転多面鏡204のミラー面数が5面の場合、Y1〜Y5で表される。図3では、回転多面鏡204の1面目の走査ラインLD1の理想位置(ライン1)からのずれ量をY1、2面目の走査ラインLD1の理想位置(ライン9)からのずれ量をY2とする。

0036

回転多面鏡204のミラー面をm面目、レーザ光源のn番目のレーザ光による走査ライン(LDn)の位置ずれ量をZmnとする。そうすると、位置ずれ量Zmnは、各走査ラインの位置ずれ量X1〜X7と、各ミラー面の位置ずれ量Y1〜Y5とを用いて式(2)で表わされる。
Zmn=Ym+X(n−1) (m=1〜5、n=1〜8)・・・式(2)
(ただし、X(0)=0とする)
例えば、回転多面鏡204の1面目の走査ラインLD4についての位置ずれ量Z14は、式(2)からZ14=Y1+X3と求められる。また、回転多面鏡204の2面目の走査ラインLD1についての位置ずれ量Z21は、式(2)からZ21=Y2と求められる。

0037

式(2)の演算で位置ずれ量Zmnを算出する場合、位置ずれ量Zmnの算出に用いられるデータは、回転多面鏡204のミラー面の数とレーザ光源の発光点の数に対応したデータ数を有していればよい。ここで、表1にメモリ302に格納される位置ずれデータアドレスマップを示す。

0038

0039

表1に示すように、メモリ302のアドレス0からアドレス6までには、走査ラインLD2から走査ラインLD8それぞれの位置ずれ量(位置情報と記す)X1〜X7の情報が格納されている。また、メモリ302のアドレス7からアドレス11までには、回転多面鏡204のミラー面の1面目から5面目それぞれの位置ずれ量Y1〜Y5の情報が格納されている。尚、本実施例では、回転多面鏡204の各ミラー面の位置ずれによって、各レーザ光の8つの走査ラインが一律にずれるものとして説明している。即ち、本実施例では、12個の位置情報をメモリ302に保持する。しかし、回転多面鏡204のミラー面毎にレーザ光の各走査ラインの位置ずれ量がばらつく場合、回転多面鏡204の各ミラー面とレーザ光の各走査ラインの組み合わせの分だけ、位置ずれ量の情報を保持してもよい。即ち、この場合は、回転多面鏡204のミラー面の数5面、レーザ光源の発光点の数8で、40個の位置情報をメモリ302に保持する。

0040

(メモリ格納動作
メモリ302に格納される位置ずれ量の情報は、例えば工場等での光走査装置104の調整時に測定されたデータを格納するものとする。また、画像形成装置内部にレーザ光源201から出射されたレーザ光により走査される走査ラインの位置を検出する位置検出ユニットを備え、メモリ302に格納されている情報をリアルタイム更新する構成としてもよい。走査光の副走査方向の位置検出ユニットとしては、公知の技術を用いてよい。例えば、光走査装置内部や感光ドラム近傍のレーザ光の走査経路上に配置したCMOSセンサPSD(Position Sensitive Detector)によって位置検出を行う方法でもよい。また、光走査装置内部や感光ドラム近傍に配置したPD(photo diode)面上に三角スリットを配置してPDの出力パルス幅から位置検出を行う方法でもよい。

0041

図4は、一例として、工場等で光走査装置104のメモリ302に情報を格納する際のブロック図を示す。尚、図2と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。光走査装置104の調整時において、光走査装置104が画像形成装置に搭載されたときの感光ドラム上の走査位置に相当する位置に、測定工具400を配置する。測定工具400は、測定部410と演算部402を備えており、演算部402は、図2のCPU303の面特定部507から面同期信号が入力されるように構成されている。尚、図4のCPU303には、面特定部507のみ描画している。まず、光走査装置104から測定部410にレーザ光を照射させる。測定部410は、三角スリット411とPD412を有しており、図中、一点鎖線矢印で示す光走査装置104から走査されたレーザ光が三角スリット411上を走査する。測定部410は、三角スリット411を介してPD412に入力されたレーザ光の情報に基づき、走査ラインの副走査方向の位置を測定する。測定部410は、測定した回転多面鏡204のミラー面毎の走査ラインの副走査方向の位置の情報(以下、面毎データという)を、演算部402に出力する。

0042

一方、面特定部507には、光走査装置104のHPセンサ307からHP信号が入力され、BD207からBD信号が入力されている。これにより、面特定部507は、回転多面鏡204のミラー面を特定し、特定したミラー面の情報を、面同期信号として演算部402に出力する。演算部402は、面特定部507から入力された回転多面鏡204のミラー面の情報に応じた光走査装置104のメモリ302上のアドレスに、測定部410により測定した走査ラインの副走査方向の位置の情報を書き込む。このように、レーザ光源201の8つの発光点間の間隔のばらつきにより生じる走査ラインの位置ずれ量の情報(X1〜X7)と、回転多面鏡204のミラー面の面倒れにより生じる走査ラインの位置ずれ量の情報(Y1〜Y5)とが、メモリ302に格納される。

0043

<位置ずれ量算出方法
図5は、本実施例のレーザ光の1走査期間内の制御タイミングを示す。(1)は1画素を16分割した分割画素(1/16画素) あたりの画素周期に対応したCLK信号を示しており、(2)はCPU303に対するBD207からのBD信号の入力タイミングを示している。(3)(4)はCPU303が駆動データ(DATA1、DATA2等)を出力するタイミングを示している。(4)は、フィルタ処理後の駆動データを示している。

0044

BD207から出力されるBD信号を基準に、BD信号がCPU303に入力されてから次のBD信号が入力されるまでの間において、CPU303にBD信号が入力されてからCPU303に入力された画像データの処理を開始するまでの時間をT1とする。また、BD信号がCPU303に入力されてから次のBD信号が入力されるまでの間において、CPU303にBD信号が入力されてからCPU303に入力された画像データの出力を完了するまでの時間をT2とする。CPU303は、BD信号が入力された後、所定時間T1が経過するまで待機した後、入力された画像データのフィルタ処理をクロック信号CLK(2)に同期して開始し、処理された画像データから順に駆動データを生成する。CPU303は、当該駆動データを1ビットずつ出力することによってPWM信号をレーザ駆動回路に出力する。そして、CPU303は、BD信号が入力されてから所定時間T2が経過した後に、1走査ラインの画像データの処理を終了する。CPU303は、走査毎に、BD信号を検出してから所定時間T1が経過するまでの間、即ち、レーザ光が非画像領域を走査している期間に当該走査周期における走査ラインの位置ずれ量を算出する。そして、CPU303は、算出した位置ずれ量に基づくフィルタ係数をフィルタ係数設定部594に設定させる。そして、CPU303は、走査毎に、所定時間T1が経過してから所定時間T2が経過するまでの間、フィルタ係数設定部504が設定したフィルタ係数を用いてフィルタ処理部501に画像データを補正させる。

0045

(感光ドラムの速度むらを加味した位置ずれ量の算出)
次に、走査ラインの位置ずれ量の算出処理について説明する。図6は、CPU303が画像形成時に位置ずれ量を算出する処理を示すフローチャートである。CPU303は、1走査に1回の頻度図6に示す制御を実行し、BD信号を検出してから所定時間T1が経過するまでの間に位置ずれ量の算出を行う。尚、CPU303は、時間測定用のタイマを有しているものとする。BでCPU303は、BD207からBD信号が入力されたか否かを判断する。S7002でCPU303は、BD信号が入力されたと判断した場合は、BD信号の時間間隔を計測しているタイマ(不図示)を停止し、タイマ値を読み出し、内部レジスタに保存する。そして、CPU303は、次のBD信号を受信するまでの時間間隔を計測するため、タイマ(不図示)をリセットしてスタートさせ、S7003の処理に進む。尚、CPU303がタイマ(不図示)を2つ以上有している場合には、BD信号を受信する度に異なるタイマを交互に使用して、時間測定を行うようにしてもよい。また、ここでは、計測されたBD信号の時間間隔をCPU303の内部レジスタに保存しているが、例えばCPU303の内部の記憶部としてのRAM(不図示)に保存するようにしてもよい。S7002でCPU303は、BD信号が入力されていないと判断した場合は、BD信号が入力されるのを待つために、S7002の制御を繰り返す。

0046

S7003でCPU303は、ロータリーエンコーダ301から感光ドラム102の回転速度データを読み出す。S7004でCPU303は、内部レジスタに保存されたBD信号の時間間隔に基づいて、印字速度Vprを算出する。尚、印字速度Vprは、レーザ光源201のビーム数と走査ラインの間隔とを乗じた値をΔT(BD信号の時間間隔)で除すことにより算出される。例えば、本実施例の場合、ビーム数は8、走査ラインの間隔は21.16μm(解像度1200dpi)であるため、Vpr=(8×21.16μm)/ΔTとなる。回転多面鏡204の回転速度Vpは、印字速度Vprと比例関係にあるため、算出した印字速度Vprに基づき求めることができる。S7005でCPU303は、S7003で読み出した感光ドラム102の回転速度と、S7004で算出した回転多面鏡204の回転速度から、位置ずれ量Aを算出する。位置ずれ量Aの算出方法は以降で詳しく説明する。

0047

S7006でCPU303は、メモリ302から回転多面鏡204の面情報(表1のY1〜Y5)とビーム位置情報(表1のX1〜X7)を読み出す。S7007でCPU303は、S7006で読み出した面情報とビーム位置情報より、式(2)を用いて位置ずれ量B(=Zmn)を算出する。S7008でCPU303は、S7005で算出した位置ずれ量AとS7007で算出した位置ずれ量Bを加算して、位置ずれ量の総和(合計値)を算出する。S7009でCPU303は、S7008で算出した合計の位置ずれ量をCPU303の内部レジスタに保持する。ここで、レジスタに保持された位置ずれ量は、上述したフィルタ処理時に読み出されて演算に用いられる。

0048

(位置ずれ量の算出)
S7005でCPU303が算出する位置ずれ量Aの計算式について詳しく説明する。感光ドラム102の回転速度をVd、回転多面鏡204の回転速度をVp、1走査時間をΔT(図5参照)とすると、感光ドラム102の回転速度Vdと回転多面鏡204の回転速度Vpの速度差から生じる位置ずれ量Aは以下の式(3)から算出される。
A=(Vd−Vp)×ΔT・・・式(3)

0049

ここで、ΔTはBD信号の出力タイミングの間隔に対応した時間であり、位置ずれ量Aは、感光ドラム102の回転速度Vdと回転多面鏡204の回転速度Vpとの差によって、1走査期間の間に移動する走査ラインの位置ずれ量を示す。ここで、上述したように、回転多面鏡204の回転速度Vpは、印字速度Vprに基づき求められる。そして、印字速度Vprは、1走査時間ΔTと、発光点の数(本実施例での発光点の数は8つ)の関係から、式(4)、式(5)によって決まる。
Vp=ビーム数×21.16÷ΔT・・・式(4)
ΔT=1÷(回転多面鏡204のミラー面数×回転多面鏡204の1秒間あたりの回転数)・・・式(5)

0050

副走査方向の基準位置からn番目の走査ラインの、感光ドラム102の速度むらに起因する位置ずれをAnとしたとき、副走査方向の位置ずれは各走査の位置ずれの累積で表される。また、副走査方向の基準位置からn番目の走査ラインの回転多面鏡204の面情報、ビーム情報に基づく位置ずれ量をBnとしたとき、n番目の走査ラインの副走査方向の位置yは、以下のように表される。

0051

式(6)の左辺のyは、nが整数のときだけ定義されている、即ち、離散的な関数である。しかし、本実施例では、後述するように、整数から求められる各yの間を線形補間により補間して連続的な関数y=ft(n)として扱う。本実施例では、ハードウェア簡易化のために線形補間を用いているが、ラグランジュ補間スプライン補間など、他の方法で関数の補間をしてもよい。

0052

本実施例における画素番号n0、n0+1に対して、副走査方向の画素位置をyn0、yn0+1としたとき、副走査方向の画素位置yn0〜yn0+1の範囲の連続関数への変換の式を以下に示す。
y=yn0×(1−n+n0)+yn0+1×(n−n0)・・・式(7)

0053

尚、図6の処理は、1走査、即ち8ビーム(8走査ライン)に1回行われる処理であるため、S7006〜S7008では8ビーム分の位置ずれ量をまとめて演算して、S7009では演算した8ビーム分の位置ずれ量を全て保持する。また、ここでは感光ドラム102の回転速度データをロータリーエンコーダ301によりリアルタイムに取得して位置ずれ補正フィードバックした。しかし、予め測定した速度変動データプロファイルをメモリ302に記憶し、記憶したプロファイルに従って位置ずれを補正してもよい。また、リアルタイムに位置ずれ情報を取得する場合、遅れ制御になるが、そのまま位置ずれの補正に用いてもよい。この場合、遅れ制御による影響を防ぐため、位置ずれの変動量に対して高域成分など特定の周波数成分をフィルタ処理して位置ずれの補正に用いてもよい。

0054

続いて、本実施例では、複数の走査ラインの画像データと位置ずれ量に基づいて、後述するフィルタ演算を行う。このため、前述した位置ずれ量算出動作においてCPU303は、BD207からBD信号が出力されてから時間T1が経過するまでの期間において、フィルタ演算に用いる複数の走査ラインの位置ずれ量を求めるものとする。例えば、フィルタ演算の範囲をL=3とした場合、注目ラインから上下3画素の画像データを参照し、同じく注目ラインと上下3画素の範囲における各走査ラインの位置ずれ量を算出し、フィルタ演算を行うものとする。

0055

ここで、注目ラインに対応した走査ラインの位置ずれ量は、画像形成直前の期間において算出される。また注目走査ライン以前に走査された走査ラインに対しては、以前に算出した位置ずれ量の算出結果を用いるものとする。注目走査ライン以降のタイミングで走査される走査ラインについては、次の走査ラインに対応する回転多面鏡204の面情報とビーム位置情報に基づいて位置ずれ量Bを求める。また、回転多面鏡204の回転速度Vp、感光ドラムの回転速度Vdについては、前の走査タイミングで検出した値と、現在の走査タイミングで検出した値に基づいて、次の走査ラインにおける速度を各々予測して求めるものとする。尚、位置ずれ量の算出方法の詳細については後述する。

0056

<画像データのフィルタ演算の方法>
本実施例では、CPU303は、レーザ光による走査ラインの副走査方向の位置ずれ量に基づいて、画像データに対してフィルタ演算による補正処理を行い、補正した画像データをレーザ駆動回路304に出力する。フィルタ演算は、具体的には畳み込み処理を行う演算であり、本実施例では画像データと位置ずれ量をもとに畳み込み処理を行う。以下、図7のフローチャートについて説明する。図7は、副走査方向の位置ずれに起因して発生する濃度むらやバンディングを補正するためのフィルタ演算を説明するフローチャートである。S3602でCPU303は、副走査方向の位置ずれ量を読み出す。具体的には、CPU303は、内部レジスタより図6のS7009で保持された位置ずれ量を読み出す。本実施例では、副走査方向の位置ずれ量に基づいて、入力された画像データの副走査方向の画素位置に対して補正を行った後、フィルタ処理を行うことによって画素データ、即ち濃度を出力する。本実施例の畳み込み処理は、副走査方向における走査線のずれに起因した副走査方向の濃度の疎密を、注目画素を走査線のずれに応じて副走査方向に移動させる処理である。そして、畳み込み処理は、副走査方向への移動に応じて注目画素の画素値を出力させる、又は出力させないことにより補正する処理である。

0057

(走査ラインの位置ずれの状態)
走査ラインの位置ずれの状態は略4つに分類できる。まず、位置ずれの状態には、(a)感光ドラム102上の走査ラインの位置(以下、走査位置)が理想の走査位置に対して進み方向にシフトする場合、(b)感光ドラム102上の走査位置が理想の走査位置に対して戻り方向にシフトする場合がある。また、位置ずれの状態には、(c)感光ドラム102上の走査位置の間隔が理想の走査位置の間隔に対して密になる場合、逆に、(d)感光ドラム102上の走査位置の間隔が理想の走査位置の間隔に対して疎になる場合がある。これらの副走査方向の位置ずれの状態の具体例を図8(a)、図8(b)、図8(c)及び図8(d)に示す。図8(a)〜図8(d)中、破線は走査位置を示し、図8(a)〜図8(d)中(1)〜(5)は走査の順番を示す。本実施例では8ビームを同時に走査するが、副走査方向に順に並ぶ1ビームずつに順番を振ったものとして説明する。図8(a)〜図8(d)の左側の列が理想の走査位置、右側の列が感光ドラム102上の走査位置を示す。走査番号(1)〜(5)に対して、S1〜S5は理想の走査位置からの位置ずれ量を示す。位置ずれ量の単位は、理想のビーム間隔(1200dpiで21.16μm)を1としたときを基準に表し、副走査方向における光ビームの進み方向(以下、単に進み方向という)を正の値としている。また、副走査方向における光ビームの戻り方向(以下、単に戻り方向という)を負の値としている。更に、画像の様子を説明するために副走査方向に並ぶ1画素を走査線上に丸で示す。丸の色は濃度を表す。

0058

図8(a)は、感光ドラム102上の走査位置が、理想の走査位置から進み方向に一律に0.2ずつシフトしている例を示している。以降、図8(a)のような位置ずれ量を、+0.2のシフト量という。図8(b)は、感光ドラム102上の走査位置が、理想の走査位置から戻り方向に一律に0.2ずつシフトしている例を示している。以降、図8(b)のような位置ずれ量を、−0.2のシフト量という。図8(a)、図8(b)は、走査位置が一律にシフトしているため、感光ドラム102上の走査位置の間隔はいずれも1となっている。

0059

図8(c)は、感光ドラム102上の所定の走査位置では、位置ずれ量が0である。しかし、位置ずれ量0の走査位置から走査位置が前に戻るほど進み方向への位置ずれ量が大きくなり、位置ずれ量0の走査位置から走査位置が後に進むほど戻り方向への位置ずれ量が大きくなる。例えば、走査番号(3)ではS3=+0であるが、走査番号(2)ではS2=+0.2、走査番号(1)ではS1=+0.4となり、走査番号(4)ではS4=−0.2、走査番号(5)ではS5=−0.4となる。図8(c)では、走査位置の間隔が1よりも小さい0.8となっている。以降、図8(c)のような位置ずれの状態を、(1−0.2)ラインの間隔で密、という。

0060

図8(d)は、感光ドラム102上の所定の走査位置では、位置ずれ量が0である。しかし、位置ずれ量0の走査位置から走査位置が前に戻るほど戻り方向への位置ずれ量が大きくなり、位置ずれ量0の走査位置から走査位置が後に進むほど進み方向への位置ずれ量が大きくなる。例えば、走査番号(3)ではS3=+0であるが、走査番号(2)ではS2=−0.2、走査番号(1)ではS1=−0.4となり、走査番号(4)ではS4=+0.2、走査番号(5)ではS5=+0.4となる。図8(d)では、走査位置の間隔が1よりも大きい1.2となっている。以降、図8(d)のような位置ずれの状態を、(1+0.2)ラインの間隔で疎、という。

0061

図8(c)のような密の状態では、位置ずれが生じているだけでなく、走査位置の間隔が密になることによって感光ドラム102上で画素が密集し、所定面積あたりの画素値が増えることで濃度が濃くなる。逆に図8(d)のような疎の状態では、位置ずれが生じているだけでなく、走査位置の間隔が疎になることによって感光ドラム102上で画素が疎となって、所定面積あたりの画素値が減って濃度が薄くなる。電子写真プロセスにおいては、潜像電位の深さと現像特性の関係により濃淡差が更に強調されることがある。また、図8(c)、図8(d)のような疎密が交互に発生すれば周期的な濃淡がモアレとなり、空間周波数によっては同じ量でも視覚的に検出されやすくなる。

0062

図7のフローチャートの説明に戻る。S3603で、CPU303は、現像電圧駆動回路に設定している、現像装置105が印加する現像電圧の設定値を読み出す。S3604でCPU303は、補正値設定部506により入力画像の各画素に対する補正用属性情報を生成する。本実施例では、入力画像の副走査方向の画素位置を予め座標変換してから、補間することにより、位置ずれの補正と共に、入力画像の濃度を保存しながら局所的な濃淡の補正も同時に行うことを可能にする。ここで、補正用属性情報とは、具体的には、後述する補正値Cのことである。

0063

(座標変換)
本実施例の座標変換の方法を、図9(a)、図9(b)、図10(a)、図10(b)、図10(c)、図10(d)、図11(a)及び図11(b)を用いて説明する。図9(a)〜図11(b)のグラフは、横軸を画素番号n、縦軸を副走査方向の画素位置(走査位置でもある)y(座標変換後はy’)としており、単位はラインとしている。また、図9(a)、図9(b)は図8(a)、図8(b)に、図11(a)、図11(b)は図8(c)、図8(d)に対応している。図9(a)、図9(b)、図11(a)及び図11(b)の左側のグラフは座標変換を行う前を、右側のグラフはy軸の座標変換を行った後を、それぞれ示している。グラフにプロットした四角ドットは感光ドラム102上の走査位置、丸のドットは理想の走査位置を表す。

0064

(進み方向及び戻り方向にシフトしている場合)
図9(a)左のグラフから順に説明する。座標変換を行う前のグラフでは、丸でプロットした理想の走査位置は、例えば画素番号2に対して副走査方向の画素位置yが2となっており、画素番号nとy座標が等しく、傾き1の直線(一点鎖線で示す)である。一点鎖線の直線は、以下の式(8)で表される。
y=n・・・式(8)

0065

丸でプロットした理想の走査位置に対して、四角でプロットした走査位置は、図8(a)で説明したように、進み方向(y軸+方向)にS(=0.2)ラインだけシフトしている。このため、四角でプロットした走査位置は、傾きは1のまま、オフセットした次の式(9)で表される直線(実線で示す)となる。
y=n+S・・・式(9)

0066

本実施例では、実際の走査位置が理想の走査位置に変換されるように座標変換を行うため、図9(a)に示す例の場合、以下の式を用いて座標変換を行えばよい。尚、式(10)のCが補正量となる。
y’=y+C・・・式(10)
従って、補正量Cはシフト量Sと以下の式(11)で表される。
C=−S・・・式(11)

0067

座標変換の式(10)と補正量Cを求める式(11)により、式(8)、式(9)はそれぞれ以下の式(12)、式(13)のように変換される。
y’=y+C=n+(−S)=n−S・・・式(12)
y’=y+C=(n+S)+C=(n+S)+(−S)=n・・・式(13)
図9(b)について、シフト量をS=−0.2とすれば、式(8)から式(13)が同様に成立して、図9(a)と同様に説明できる。尚、図9(a)、図9(b)に示すように、走査ライン間に疎密が発生しておらず進み方向又は戻り方向にシフトしている走査ラインの場合には、変換前後で直線が一定の傾きとなっている。

0068

(疎密が発生している場合)
ここで、走査位置の疎密が発生する図11(a)及び図11(b)のケース、及びシフトと疎密が発生する図9(a)、図9(b)、図11(a)及び図11(b)の組み合わせのケースにも適用できる座標変換について説明する。図10(a)は画素番号と走査位置の関係を示し、横軸は画素番号n、縦軸yは副走査方向の走査位置で、四角ドットは感光ドラム102上の走査位置をプロットしたものである。図10(a)では、画素番号n≦2の範囲では感光ドラム102上の走査ラインが密、画素番号n≧2の範囲では感光ドラム102上の走査ラインが疎の場合について説明する。

0069

図10(a)に示すように、画素番号n≦2では密、画素番号n≧2では疎、となっている場合、画素番号n≦2での直線の傾きと、画素番号n≧2での直線の傾きは異なり、画素番号n=2において屈曲した形状となっている。図10(a)では、四角ドットを通る走査位置の変化を表す関数をft(n)とし、実線で表す。走査位置を表す関数ft(n)は、次の式(14)で表される。
y=ft(n)・・・式(14)
次に、副走査方向の走査位置であるy軸の座標変換を行った後の関数をft’(n)で表すと、座標変換後の走査位置を表す関数ft’(n)は、次の式(15)で表される。
y’=ft’(n)・・・式(15)

0070

本実施例では、座標変換後の走査位置が均等になるように、y軸を伸縮したり、シフトしたりして、座標変換を行う。このため、座標変換後の走査位置を表す関数ft’(n)は、以下の式(16)で表される条件を満たす。
ft’(n)=n・・・式(16)
式(16)は、例えば、画素番号2に対して、座標変換後の副走査方向の画素位置y’(=ft’(2))が2となることを意味する。

0071

図10(a)、図10(b)間を結ぶ破線は左から右へ、y軸の元の座標位置から座標変換後のy’軸の座標位置との対応を示し、座標変換前後でy軸の下半分(n≦2に対応)が伸長、上半分(n≧2に対応)は縮小している様子を示す。図10(a)から図10(b)の座標変換によって、入力された画像データの各画素の座標変換後の座標を求める手順を図10(c)、図10(d)で説明する。図10(c)、図10(d)は、図10(a)、図10(b)と同様に、横軸は画素番号n、縦軸y(又はy’)は副走査方向の走査位置を示し、図10(c)は座標変換前、図10(d)は座標変換後を示す。入力された画像データの画素番号nと座標位置yの関係を以下に示す。まず、図10(c)に示す破線は、座標変換前の理想の走査位置を表す関数fs(n)であり、以下の式(17)で表される。
y=fs(n)・・・式(17)
また、本実施例において、入力された画像データの副走査方向の画素の間隔は均等なので、関数fs(n)は以下の式で表される。
fs(n)=n・・・式(18)
入力された画像データの注目する画素番号nsに座標変換を行った後のy’座標の走査位置を、次の3つのステップにより求める。まず、1つめのステップでは、入力された画像データの画素番号nsに対応する理想の走査位置のy座標をysとすると、ysは、以下の式(19)により求めることができる。
ys=fs(ns)・・・式(19)
感光ドラム102上(実線)で座標変換を行う前の走査位置が等しい画素番号ntを求める(図10(c)の(1))。ここで、感光ドラム102上の走査位置は関数y=ft(n)で表され、ys=ft(nt)という関係が成り立つ。関数ft(n)の逆関数をft−1(y)とすると、画素番号ntは、以下の式(20)で表される。
nt=ft−1(ys)・・・式(20)

0072

2つめのステップでは、感光ドラム102上の走査位置の画素番号ntに対応する座標変換後のy’座標(ytとする)を、座標変換後の関数ft’(n)を用いて次の式(21)により求める(図10(d)の(2))。
yt=ft’(nt)・・・式(21)
画素番号nsは任意に選んでも成立するので、画素番号nsから座標変換後のy’座標の位置ytを求める式が、入力された画像データの画素番号nから演算上のy’座標を求める関数fs’(n)に相当する。従って、式(19)〜式(21)から、以下のように式(22)で表される一般式が導かれる。尚、座標変換後の破線で示す理想の走査位置を示す関数は、y’=fs’(n)で表される(図10(d)の(3))。
yt=fs’(ns)=ft’(nt)=ft’(ft−1(ys))
=ft’(ft−1(fs(ns)))
nsをnに一般化して、
fs’(n)=ft’(ft−1(fs(n)))・・・式(22)

0073

また、入力された画像データの画素間隔、及び座標変換後の走査位置の間隔を均等で、距離1とした式(18)、式(16)を式(22)に代入する。そうすると、式(22)は、画素番号nから走査位置を導く関数ft(n)の逆関数ft−1(n)を用いて、式(23)のように表される。
fs’(n)=ft−1(n)・・・式(23)

0074

図9(a)、図9(b)に示した走査位置が進み方向、戻り方向に一律にシフトした式(9)と、入力された画像データの座標変換後の位置を求める式(12)も逆関数の関係にあり、式(23)の成立を確認できる。また、図11(a)、図11(b)に示すような走査位置に疎密が発生する場合に適用すると、座標変換前の走査位置を表す関数yは、(n0、y0)を通過する傾きkの直線とする場合、以下の式(24)で表せる。
fs(n)=y=k×(n−n0)+y0・・・式(24)
入力された画像データのy軸の座標変換後の画素位置を求めるために、式(22)、式(23)から、逆関数((1/k)×(y−y0)+n0)を求めて、逆関数に画素番号nを代入すればよいので、以下の式(25)が導かれる。
y’=(1/k)×(n−y0)+n0・・・式(25)
図11(a)に示す走査ラインの間隔が密な状態、図11(b)に示す走査ラインの間隔が疎な場合、いずれも座標変換後の感光ドラム102上の走査ラインの位置は、式(25)で表すことができる。また、画素番号nの補正値Cnは、Cn=fs’(n)−fs(n)から求められる。

0075

具体的には、図11(a)では、n0=y0=3、k=0.8であり、
fs’(n)=(1/0.8)×(n−3)+3・・・式(26)
となる。例えば、画素番号3では、fs’(3)=3.00となり、補正値C3は0.00(=3.00−3.00)となる。また、画素番号5では、fs’(5)=5.50となり、補正値C5は+0.50(=+5.50−5.00)となる。走査位置が密である場合の補正値C1〜C5の値を図13(c)に示す。

0076

また、図11(b)では、n0=y0=3、k=1.2であり、
fs’(n)=(1/1.2)×(n−3)+3・・・式(27)
となる。例えば、画素番号3では、fs’(3)=3.000となり、補正値C3は0.000(=3.000−3.000)となる。また、画素番号5では、fs’(5)=4.667となり、補正値C5は−0.333(=4.667−5.000)となる。走査位置が疎である場合の補正値C1〜C5の値を図13(d)に示す。

0077

また、走査ラインに疎密やシフトが混在していても、式(22)又は式(23)を用いることにより、座標変換後の理想の走査位置を求めることができる。補正値設定部506は、位置ずれ量に基づき理想の走査位置を座標変換して補正値Cnを求めて、補正値Cnの情報をフィルタ係数設定部504に出力する。

0078

(フィルタ処理)
本実施例では、補正データを生成するためにフィルタ処理を実行する。ただし、本実施例では、フィルタ処理部501は、次のようなフィルタ関数による畳み込み演算でフィルタ処理を行う。即ち、フィルタ処理部501は、入力された画像データの画素の副走査方向の走査位置の補正による画素の副走査方向の画素位置と、座標変換によって走査ラインの間隔が均等に変換された画素の副走査位置との位置関係に基づいて、フィルタ処理を行う。尚、フィルタ処理前の画素を入力画素、フィルタ処理後の画素を出力画素ともいう。また、フィルタ処理前の画素は、上述した座標変換が行われた画素である。

0079

本実施例の畳み込み関数は、図12(a)に示す線形補間、図12(b)、図12(c)に示すバイキュービック補間から選択できる。フィルタ関数出力部505は、フィルタ処理に用いられる畳み込み関数の情報を、例えばテーブルの情報としてフィルタ係数設定部504に出力する。図12(a)、図12(b)及び図12(c)は、縦軸yが副走査方向の位置を示し、単位を画素で示していて、横軸kは係数の大きさを示す。尚、縦軸yの単位を画素としているが、副走査方向を示しているため、ラインを単位としてもよい。

0080

図12(a)の式は以下で表される。

図12(b)、図12(c)の式は以下の2つの式で表される。

本実施例では、a=−1、図12(b)はw=1、図12(c)はw=1.5としているが、各画像形成装置電子写真的な特性に応じて、a、wを調整してもよい。フィルタ係数設定部504は、フィルタ関数出力部505から得たフィルタ関数の情報と、補正値設定部506から出力された補正値Cの情報と、に基づいて、フィルタ処理に用いられる係数(後述するk)をフィルタ処理部501に出力する。尚、本実施例では、補正値Cについては、後述するように現像電圧値に応じて、補正が行われる。

0081

ここで、図12(d)を用いて、フィルタ処理について説明する。図12(d)は横軸にフィルタ処理に用いられる係数k、縦軸に副走査方向の位置yを示す。フィルタ係数設定部504は、補正値設定部506から補正値Cnを入力されると、フィルタ関数出力部505から入力されたフィルタ関数を用いて、補正値Cnに対応する係数knを求める。尚、図12(d)中の白丸は座標変換前の係数を示す。また、図12(d)では、補正値C1に対して係数k1が、補正値C2に対して係数k2が、それぞれフィルタ処理に用いられる係数knとして設定されたことを示す(黒丸)。本実施例では、入力された画像データの粗密の状態によらず、同じ畳み込み関数を適用し、理想の走査位置によってサンプリングすることで、入力された画像データの所定面積あたりの濃度が保存されるようにしている。

0082

(フィルタ処理の具体例)
本実施例の座標変換を行った後の座標位置に基づいて、式(28)の線形補間によるフィルタ関数で畳み込み演算を用いたフィルタ処理を行う具体例を、図13(a)、図13(b)、図13(c)及び図13(d)を用いて説明する。尚、畳み込み演算を用いたフィルタ処理は、フィルタ処理部501により実行される。図13(a)〜図13(d)は、図8(a)〜図8(d)に対応している。図13(a)〜図13(d)の左側の列は、上述した座標変換後の入力画素を示している。また、図13(a)〜図13(d)の右側の列は、上述した座標変換後の感光ドラム102上の走査位置を示している。即ち、図13(a)〜図13(d)の右側の列の走査位置が、均等な間隔で、且つ、距離1となるように座標変換されている。

0083

より詳細には、座標変換後の入力画素の副走査方向の走査位置は、図9(a)、図9(b)、図11(a)及び図11(b)の右側に示す座標変換後のグラフの一点鎖線で示す直線(y’=fs’(n))で表される。座標変換後の感光ドラム102上の走査位置は、図9(a)、図9(b)、図11(a)及び図11(b)の右側に示す座標変換後のグラフの実線で示す直線(y’=ft’(n))で表される。例えば、図9(a)では、シフト量が+0.2(=S)であるため、座標変換後は、fs’(n)=y−0.2=n−0.2で表される。

0084

また、図13(a)、図13(b)、図13(c)及び図13(d)では、画素値、即ち濃度値の大きさを丸の濃淡で示している。また、括弧内の数字は走査ラインの番号であり、図8(a)〜図8(d)に記載した画素番号と同じである。図13(a)、図13(b)、図13(c)及び図13(d)の中央のグラフは、横軸に濃度、縦軸に副走査方向の位置を示している。畳み込み演算は、入力画素の各座標位置を中心としたフィルタ関数(図12(a))に画素値を乗算した波形W(画素(1)〜(5)に対するW1〜W5)を展開し、重ね合わせて加算したものである。

0085

図13(a)から順に説明する。白丸で示す画素(1)、(5)は濃度0、即ち画素値0である。このため、フィルタ関数に画素値を乗じたWは、それぞれW1=0、W5=0である。黒丸で示す画素(2)、(3)、(4)の濃度は等しく、W2、W3、W4の波形の最大値は等しくなり、入力画素の画素位置を中心にフィルタ関数を展開した波形となる。畳み込み演算の結果は、全ての波形の総和(ΣWn、n=1〜5)である。

0086

出力画素の画素値は、走査位置を座標変換した後の感光ドラム102上の走査位置でサンプルする。このため、例えば感光ドラム102上の走査位置に対応する画素値(1)は、波形W2と点P0で交わるので、濃度D1と演算される。また、画素値(2)は、波形W2と点P2で、波形W3と点P1でそれぞれ交わるので、濃度D1+D2と演算される。以下、同様に画素値(3)〜(5)を求める。尚、画素値(5)は、どの波形とも交わらないので、画素値を0とする。また、図13(b)〜図13(d)の(1)〜(5)の画素値を演算した結果を、各右側の列の画素の濃淡で示している。

0087

入力画素の位置ずれは、図13(a)〜図13(d)の縦軸の各画素に対応して示している。図13(a)〜図13(d)の縦軸に示す位置ずれ量は、上述した入力画像の画素の副走査方向の走査位置の座標変換に従い、逆関数で求めた位置ずれ量の情報である。例えば、図13(a)の場合、図9(a)で説明したように、走査ラインの位置ずれ量Sの補正量Cは、−0.2である。また、例えば、図13(c)は式(26)、図13(d)の場合は式(27)をそれぞれ用いて算出した補正量Cである。

0088

図13(a)は、副走査方向の進み方向に走査ラインの走査位置がずれているが、画素値は逆の遅れ方向に重心がずれることとなるので、画素値の重心の位置が補正されている様子を示している。図13(b)は、副走査方向の戻り方向に走査ラインの走査位置がずれているが、画素値は逆の進み方向に重心がずれることとなるので、画素値の重心の位置が補正されている様子を示している。図13(c)は、走査位置の間隔が密な場合で、座標変換後の畳み込み演算によって濃度の分布拡がり、濃度の局所的な集中をキャンセルして局所的な濃度変化を補正している様子を示している。また、図13(d)は、逆に走査位置の間隔が疎な場合で、座標変換後の畳み込み演算によって濃度の分布が縮まり、濃度の分散をキャンセルして局所的な濃度変化を補正している様子を示している。特に、図13(d)の(3)の画素値は、100%より濃い(100+α)%の濃度となっている。

0089

(フィルタ処理)
図7の説明に戻る。S3605では、CPU303は、表2に示す補正テーブルから、前述したS3603において読み出した現像電圧の設定値に対応する位置補正係数h1、光量補正係数h2を選択し、読み出す。尚、CPU303は、CPU303内部の記憶部(不図示)に表2に示す補正テーブルを記憶しているものとする。

0090

0091

表2は、現像電圧の設定値に対する補正テーブルの一例である。表2において、左側の欄は、現像装置105が印加する現像電圧値を示し、中央の欄は、現像電圧値に応じて位置補正量(走査線のずれ量)を補正するための位置補正係数h1を示す。また、表2の右の欄は、現像電圧値に応じて、画像濃度を示す画像データを補正するための光量補正係数h2を示す。現像電圧値は、50V(ボルト)単位で、−350V〜−500Vの場合が保持されているが、より小さな現像電圧の単位で、表2を構成してもよい。また、本実施例では、前述した現像閾値Thは、現像電圧が−450Vのときの光量(露光量)としている。そのため、表2では、現像電圧が−450Vの場合には、位置補正光量補正を行わない係数(h1=1、h2=1)が設定されている。一方、現像電圧が−450Vではない場合には、表2に示す位置補正係数h1、光量補正係数h2により補正が行われ、走査線のずれ量である位置補正量、及び画素の濃度値である画素値(画像データ)の調整が行われる。

0092

CPU303は、表2から現在の現像電圧値に対応する位置補正係数h1、光量補正係数h2を取得し、下記の式(31)、式(32)により、位置補正量、画像データの補正(調整)を行う。
位置補正量’=位置補正量×位置補正係数h1・・・式(31)
画像データ’=画像データ×光量補正係数h2・・・式(32)
尚、式(31)の位置補正量とは、前述した補正量Cを指し、式(32)の画像データは、画素の画像濃度を指す。

0093

S3606でCPU303は、S3605で生成した補正用属性情報(位置補正量、画像データを調整後の位置補正量’、画像データ’)に基づき、フィルタ処理部501によりフィルタ処理を行う。詳細には、CPU303は、上述した入力画像への畳み込み演算と再サンプリング出力画像の画像データの補正)を行う。前述したように、本実施例においては、現像電圧値に応じて、位置補正量と画像データを補正する。

0094

本実施例では、現像電圧の設定値が−450V(現像閾値THとなる電圧)を中心として、それよりも現像電圧(絶対値)が大きくなると(例えば−500V)、現像閾値Thは低くなる。逆に、−450Vよりも現像電圧(絶対値)が小さくなると(例えば−400V、−350V)、現像閾値Thは高くなる。現像閾値Thが低くなると、光量が小さくてもトナーが付着して現像されるので、画像濃度が濃くなり、その結果、画像シフトした場合の重心移動量が大きくなる。そのため、現像電圧が大きくなる場合(例えば−500V)には、画像濃度を薄くし、画像シフトした場合の重心移動量を小さくするように、位置補正係数h1、光量補正係数h2は、1よりも小さい値が設定されている。

0095

一方、現像閾値Thが高くなると、光量が大きくないとトナーが付着しないので、画像濃度が薄くなり、その結果、画像シフトした場合の重心移動量が小さくなる。そのため、現像電圧が小さくなるほど(例えば、−350V、−400V)、画像濃度を濃くし、画像シフトとした場合の重心移動量を大きくするように、位置補正係数h1、光量補正係数h2は、1よりも大きな値が設定されている。

0096

表2に示す位置補正係数h1、光量補正係数h2は、実験により取得された特性に基づいて設定された値の一例を示すものである。例えば、現像方式や感光ドラムの材質の違いにより感度特性が異なると、表2に示す各補正係数の値や大小関係も異なるものとなる。そのため、現像方式や感光ドラムの材質が異なる場合は、各画像形成条件(例えば、現像電圧、帯電電圧、露光光量)に対して、画像濃度、重心移動量の関係を予め求めておき、補正係数を定めればよい。

0097

以上説明したように、現像電圧の設定値に基づいて、バンディング補正する際の位置補正量と画像濃度を補正することにより、現像閾値が変化しても、濃度むら等を発生させることなくバンディング補正を行うことができる。上述した本実施例では、画像形成条件として、現像電圧値を用いて補正を行う例について説明した。例えば、画像濃度調整のために帯電電圧や露光量を調整する画像形成装置においては、上述した表2と同様に、帯電電圧や露光量に対応した補正テーブルを設け、帯電電圧や露光量に応じて位置補正量や画像濃度の補正を行うようにすればよい。このように、画像形成条件に応じてバンディング補正の補正係数を切り換えることで、画像形成条件の変化によって発生する、画像の重心移動量の誤差や濃度変化等の画像不良の発生を防ぐことができる。

0098

また、画像形成装置の中には、本体内にサーミスタ401を有し、サーミスタ401による温度検出結果に応じて、画像形成条件(現像電圧、帯電電圧、露光量)の制御を行う構成の画像形成装置がある。このような構成を有する画像形成装置においては、サーミスタ401による温度検出情報と、位置補正係数情報、光量補正係数情報とを対応づけて記憶しておき、サーミスタ401による温度検出結果に応じて、位置補正量や画像濃度の補正を行ってもよい。

0099

また、本実施例の補間方式として用いた線形補間、バイキュービック補間以外にも、Sinc関数に所望のサイズの窓関数をかけた補間や、目的のフィルタ特性に合わせた畳み込み関数を決定して補間処理を行ってもよい。また、出力の画素やラインの間隔が歪む画像出力方式画像出力装置であれば、LE露光方式、あるいは電子写真方式に限らず、本発明を適用することが可能である。また、本実施例において、式(22)や式(23)に従い入力画像の画素の位置を補正して補間処理を行ったが、目的の補正精度に応じて式(22)や式(23)を近似した関数を選択して補正に用いてもよい。更に、制御部としてCPU303を用いる構成を説明したが、例えば、ASIC(ApplicationSpecific IntegratedCircuit)等を用いる構成としてもよい。

0100

以上説明したように、本実施例によれば、感光体の回転方向に対応する方向に生じる画像の濃度むらを画像形成条件に応じて補正し、良好な画質を得ることができる。

0101

実施例1では、現像電圧に応じて、画像シフトした場合の重心移動量、画像濃度を補正する方法について説明した。実施例2では、画像形成装置100内に設けられた濃度センサ602によって現像閾値の変化を検出し、現像閾値に応じて、画像シフトした場合の重心移動量、画像濃度を補正する方法について説明する。尚、画像形成装置100、光走査装置104の構成は、実施例1と同様であり、同一符号を付して説明を省略する。

0102

<濃度センサ>
図14(a)は、濃度センサ602の位置関係を説明する模式図である。濃度センサ602は、中間転写ベルト107の回転方向に直交する方向の中央部に対向する位置の上部に設置されている。そして、濃度センサ602は、中間転写ベルト107の中央部に形成された濃度検出用パッチ603の濃度を検出し、検出したパッチの濃度値をCPU303に出力する。

0103

<露光光量と画像濃度の関係>
本実施例では、CPU303は、光走査装置104による露光量を変化させた複数のパッチ画像を中間転写ベルト107上に形成し、濃度センサ602によりパッチ画像の濃度値の検出を行う。図14(b)に、光走査装置104が感光ドラム102を露光する露光量と、中間転写ベルト107上に形成されたパッチ画像(パッチ1〜5)の画像濃度との関係を示す特性カーブを示す。図14(b)の縦軸は画像濃度を示し、横軸は光量(露光量)を示す。図14(b)は、光走査装置104により5段階の異なる露光量によるパッチ画像(パッチ1〜5)を中間転写ベルト107上に形成し、濃度センサ602により各パッチ画像の画像濃度の検出結果を示すグラフである。CPU303は、各パッチの濃度値と露光量の関係を補間し、画像濃度100%(最も濃い)のパッチ1に対して、形成されるパッチの画像濃度が50%となる露光量Phalfを求める。ここで、画像濃度が50%となる露光量Phalfは、トナーが最も濃い状態であるベタ黒(図中、パッチ1)とトナーがない状態(付着していない状態)であるベタ白との中間濃度を有する画像を形成するときの露光量である。本実施例では、この中間濃度となる露光量Phalfのうち、画像濃度が100%のパッチ1(ベタ黒パッチ)を形成するときの露光量の50%に相当する露光量Phalfを現像閾値Thと定義する。そして、各露光量Phalfに対し、位置補正係数h1、光量補正係数h2を対応付けた情報を含む補正テーブルが、CPU303内部の記憶部(不図示)に記憶されているものとする。表3は、このような補正テーブルの一例である。

0104

0105

表3において、左側の欄は、パッチ1(ベタ黒パッチ)を画像形成したときの露光量を露光量100%としたときの、画像濃度50%に相当する露光量Phalfの露光量をパーセントで表した数値である。また、表3の中央の欄は、各露光量に対する位置補正係数h1を示し、右の欄は、各露光量に対する光量補正係数h2を示す。露光量は、10%単位で、30%〜70%の場合が保持されているが、より小さな単位(例えば5%)で、表3を構成してもよい。また、表3では、露光量Phalfが50%の場合の光量を現像閾値Thと定義しているので、位置補正、光量補正を行わない係数(h1=1、h2=1)が設定されている。一方、露光量Phalfが50%ではない場合には、露光量に応じて、位置補正、濃度補正を行うための位置補正係数h1、光量補正係数h2が設定されている。

0106

本実施例においては、ベタ黒パッチを画像形成するときの露光量の50%である露光量を現像閾値Thと定義しているため、露光量Phalfが現像閾値Thよりも小さくなると(例えば、30%、40%)、現像閾値Thの方が高くなる。そのため、トナーが付着しにくくなり、画像濃度が薄くなる。そこで、画像濃度を濃くし、画像シフトとした場合の重心移動量を大きくするように、位置補正係数h1、光量補正係数h2は、1よりも大きな値が設定されている。一方、露光量Phalfが現像閾値Thよりも大きくなると(例えば、60%、70%)、現像閾値Thの方が低くなるため、より多くのトナーが付着しやすくなり、画像濃度が濃くなる。そのため、画像濃度を薄くし、画像シフトとした場合の重心移動量を小さくするように、位置補正係数h1、光量補正係数h2は、1よりも小さな値が設定されている。

0107

本実施例においても、CPU303は、実施例1において説明した図7のフローチャートの処理を次のように読み替えることにより、画像位置、画像データの補正を行う。即ち、本実施例では、S3603でCPU303は、現像電圧設定値を読み出す代わりに、濃度センサ602により検出したパッチ画像の濃度値から求めた、画像濃度が50%となる露光量Phalfを読み出す。また、S3605でCPU303は、上述した表3から露光量Phalfに対応する位置補正係数h1、光量補正係数h2を選択して取得し、前述した式(31)、(32)により位置補正量’、画像データ’を算出する。尚、一連パッチ形成、及び形成されたパッチの濃度検出動作は、CPU303によって実行タイミングが制御され、例えば、画像形成装置100の電源投入直後などの画像形成時以前のタイミングで実行される。そして、このとき求められた画像濃度が50%となる露光量Phalfは、CPU303内部の記憶部(不図示)に記憶される。

0108

本実施例においては、画像濃度が50%となる露光量Phalfを検出することにより現像閾値Thとの露光量の差を予測し、位置補正量と画像データの補正を行う方法について説明した。露光量を変化させた複数のパッチ画像の画像濃度を検出することにより、より精度よく現像閾値Thとの露光量の差を予測することが可能となり、その結果、画像位置、画像濃度を高精度に補正することが可能となる。本実施例においては、ベタ黒パッチを画像形成するときの露光量の50%である露光量Phalfが現像閾値Thに最も近いため、露光量Phalfに応じて位置補正係数h1、光量補正係数h2を決定した。例えば、画像形成装置の現像特性によって濃度50%と異なるレベルを現像閾値Thとして設定してもよい。

実施例

0109

以上説明したように、本実施例によれば、感光体の回転方向に対応する方向に生じる画像の濃度むらを画像形成条件に応じて補正し、良好な画質を得ることができる。

0110

102感光ドラム
201レーザ光源
204回転多面鏡
303 CPU

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • キヤノン株式会社の「 画像形成装置」が 公開されました。( 2021/03/18)

    【課題】省電力化を達成しつつ、高湿流れを抑制し、かつ感光体の感度ムラを低減させることができる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、円筒状の感光体201と、感光体201を加熱するヒータ20... 詳細

  • 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の「 画像形成装置」が 公開されました。( 2021/03/18)

    【課題】画像パターンと像担持体の状態とに応じて転写電流を制御し、転写メモリーの発生を抑制しつつ転写画像の画質を確保可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、像担持体と、帯電装置と、露光... 詳細

  • 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の「 画像形成装置」が 公開されました。( 2021/03/18)

    【課題】トナー帯電量と像担持体の状態とに応じて転写電流を制御し、転写メモリーの発生を抑制しつつ転写画像の画質を確保可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、像担持体と、帯電装置と、露光... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ