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技術 甘味料組成物

出願人 株式会社和冠
発明者 植村彰文
出願日 2016年3月23日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-058675
公開日 2017年2月2日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-023128
状態 特許登録済
技術分野 調味料
主要キーワード マテリア 二糖アルコール 熟成促進 基準型 関与成分 渋み成分 単糖アルコール シクロデキストリン合成酵素
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月2日)のものです。
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図面 (17)

課題

高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物であって、高甘味度甘味料が有する苦みマスキングされ、違和感のない甘味質を呈する甘味料組成物を提供する。

解決手段

本発明に係る、甘味料組成物は、羅漢果抽出物ステビア抽出物ソーマチン甘草抽出物グリチルリチンフィロズルチンモネリンアスパルテームスクラロースサッカリンネオテームアセスルファムカリウムチクロからなる群より選ばれる何れか1種類以上の高甘味度甘味料と、イノシトールとを含有する。

概要

背景

近年、糖尿病メタボリックシンドロームといった生活習慣病の増加が社会問題となっている。生活習慣病の改善には、摂取カロリーの低減が必要となることが多く、そのために、ショ糖の代わりに、より低カロリー代替甘味料が用いられる場合がある。

低カロリー甘味料として、ショ糖と比べて甘味度が極めて高い高甘味度甘味料がある。高甘味度甘味料には、ステビア抽出物甘草抽出物羅漢果抽出物等の天然由来甘味料と、アスパルテームアセスルファムカリウム等の化学的に合成された人口甘味料とがある。

天然由来の高甘味度甘味料の中でも、羅漢果抽出物及びステビア抽出物には、甘味度が極めて高いが、後味として残る苦み渋みが強いという特徴がある。この独特の苦みや渋みがあるために、羅漢果抽出物及びステビア抽出物は、単独では、ショ糖の代替調味料としては不十分である。特許文献1には、羅漢果抽出物にエリスリトール等の低カロリー甘味料を添加することによって、羅漢果抽出物の味質を改善することが記載されている。また、人工甘味料の中にも、アセスルファムカリウムのように苦味のあるものがあり、エリスリトール等の他の甘味料と併用される場合がある。

概要

高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物であって、高甘味度甘味料が有する苦みがマスキングされ、違和感のない甘味質を呈する甘味料組成物を提供する。本発明に係る、甘味料組成物は、羅漢果抽出物、ステビア抽出物、ソーマチン、甘草抽出物、グリチルリチンフィロズルチンモネリン、アスパルテーム、スクラロースサッカリンネオテーム、アセスルファムカリウム、チクロからなる群より選ばれる何れか1種類以上の高甘味度甘味料と、イノシトールとを含有する。

目的

本発明は、高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物であって、高甘味度甘味料が有する苦みがマスキングされ、違和感のない甘味質を呈する甘味料組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

請求項2

分岐シクロデキストリンを更に含有する、請求項1に記載の甘味料組成物。

請求項3

前記高甘味度甘味料1質量部に対して、イノシトール0.3〜60質量部を含有する、請求項1または2に記載の甘味料組成物。

請求項4

前記高甘味度甘味料1質量部に対して、イノシトール0.3〜60質量部と、分岐シクロデキストリン0.5〜230質量部とを含有する、請求項2に記載の甘味料組成物。

請求項5

前記高甘味度甘味料1質量部に対して、フラクトオリゴ糖またはイソマルトオリゴ糖10〜200質量部を更に含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の甘味料組成物。

請求項6

前記高甘味度甘味料1質量部に対して、ポリデキストロース5〜200質量部を更に含有する、請求項5に記載の甘味料組成物。

請求項7

前記高甘味度甘味料1質量部に対して、ラクチトールキシリトール、または、エリスリトール30〜300質量部を更に含有する、請求項5または6に記載の甘味料組成物。

請求項8

前記高甘味度甘味料1質量部に対して、コラーゲン5〜250質量部と、蜂蜜香料とを更に含有する、請求項5〜7のいずれかに記載の甘味料組成物。

技術分野

0001

本発明は、高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物に関する。

背景技術

0002

近年、糖尿病メタボリックシンドロームといった生活習慣病の増加が社会問題となっている。生活習慣病の改善には、摂取カロリーの低減が必要となることが多く、そのために、ショ糖の代わりに、より低カロリー代替甘味料が用いられる場合がある。

0003

低カロリー甘味料として、ショ糖と比べて甘味度が極めて高い高甘味度甘味料がある。高甘味度甘味料には、ステビア抽出物甘草抽出物羅漢果抽出物等の天然由来甘味料と、アスパルテームアセスルファムカリウム等の化学的に合成された人口甘味料とがある。

0004

天然由来の高甘味度甘味料の中でも、羅漢果抽出物及びステビア抽出物には、甘味度が極めて高いが、後味として残る苦み渋みが強いという特徴がある。この独特の苦みや渋みがあるために、羅漢果抽出物及びステビア抽出物は、単独では、ショ糖の代替調味料としては不十分である。特許文献1には、羅漢果抽出物にエリスリトール等の低カロリー甘味料を添加することによって、羅漢果抽出物の味質を改善することが記載されている。また、人工甘味料の中にも、アセスルファムカリウムのように苦味のあるものがあり、エリスリトール等の他の甘味料と併用される場合がある。

先行技術

0005

特開平11−46701号公報

発明が解決しようとする課題

0006

羅漢果抽出物、ステビア抽出物、アセスルファムカリウムといった苦みを有する高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物では、高甘味度甘味料の苦みを完全にマスキングすることは困難であった。また、高甘味度甘味料は、ショ糖と比べて高い甘味度を有するものの、ショ糖とは甘味の質が異なり、単独で使用した場合に不自然な味に感じさせてしまう。

0007

それ故に、本発明は、高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物であって、高甘味度甘味料が有する苦みがマスキングされ、違和感のない甘味質を呈する甘味料組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明に係る甘味料組成物は、羅漢果抽出物、ステビア抽出物、ソーマチン、甘草抽出物、グリチルリチンフィロズルチンモネリン、アスパルテーム、スクラロースサッカリンネオテーム、アセスルファムカリウム、チクロからなる群より選ばれる何れか1種類以上の高甘味度甘味料と、イノシトールとを含有する。

発明の効果

0009

本発明によれば、高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物であって、高甘味度甘味料が有する苦みがマスキングされ、違和感のない甘味質を呈する甘味料組成物を提供できる。

図面の簡単な説明

0010

羅漢果抽出物からなる高甘味度甘味料のショ糖等価甘味度を示すグラフ
羅漢果抽出物からなる高甘味度甘味料が有する味質の濃度依存特性を示すグラフ
ステビア抽出物からなる高甘味度甘味料のショ糖等価甘味度を示すグラフ
ステビア抽出物からなる高甘味度甘味料が有する味質の濃度依存特性を示すグラフ
イノシトールの味質改善効果を示すレーダーチャート
分岐シクロデキストリンの味質改善効果を示すレーダーチャート
アラニンの味質改善効果を示すレーダーチャート
グリシンの味質改善効果を示すレーダーチャート
実施例B6に係る甘味料組成物の味質の官能試験結果を示すレーダーチャート
実施例B7に係る甘味料組成物の味質の官能試験結果を示すレーダーチャート
実施例B8に係る甘味料組成物の味質の官能試験結果を示すレーダーチャート
実施例B9に係る甘味料組成物の味質の官能試験結果を示すレーダーチャート
実施例B17に係る甘味料組成物の味質の官能試験結果を示すレーダーチャート
実施例B18に係る甘味料組成物の味質の官能試験結果を示すレーダーチャート
実施例B19に係る甘味料組成物の味質の官能試験結果を示すレーダーチャート
実施例B20に係る甘味料組成物の味質の官能試験結果を示すレーダーチャート

0011

(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る甘味料組成物は、羅漢果抽出物またはステビア抽出物からなる高甘味度甘味料とイノシトールとを含有する。

0012

<羅漢果抽出物>
羅漢果は、中国広西林の山岳地帯の一部で栽培されているウリ科植物果実である。羅漢果抽出物は、果実から、水や、含水メタノールエタノール等で抽出することにより得られる。羅漢果の主甘味成分は、モグロシド類と呼ばれるトリテルペン配糖体である。羅漢果に含まれるモグロシド類のうち、モグロシドVは、ショ糖の約300倍の甘味度を有し、ショ糖に近い味質を有するが、若干の後味がある。羅漢果抽出物は、水に容易に溶解するが、僅かに混濁する。羅漢果抽出物は、甘味強化の他に、風味改善や着色・熟成促進の目的で使用される場合もある。羅漢果抽出物には、苦みや渋み、黒糖のような焦げ味等の羅漢果特有風味があるため、単独では食品に利用しにくいという問題がある。尚、羅漢果抽出物は、経口投与により、活性酸素に対する抗酸化作用や、コレステロールステロール低下作用血糖値上昇抑制作用等を発揮することが研究により報告されている。

0013

羅漢果抽出物は、食品添加物(甘味料)として市販されているものであれば特に限定されず、例えば、モグロシドVの含有量が20%〜98%のものを使用できる。

0014

<ステビア抽出物>
ステビアは、米原産のキク科植物である。ステビアから抽出されるステビア抽出物は、ステビオサイドレバウディオサイドズルコサイド等のステビオール配糖体ステビオールを含有する。ステビオサイドは、ショ糖の約300倍の甘味度を有するが、苦み及び渋みを呈する。レバウディオサイドAは、ショ糖の約450倍の甘味度があり、苦み及び渋みが少なく、ショ糖に近い甘味質を呈する。レバウディオサイドC及びズルコサイドAは、ショ糖の約50倍の甘味度を有するが、強い苦み及び渋みを呈する。

0015

ステビア抽出物は、食品添加物(甘味料)として市販されているものであれば特に限定されず、例えば、総ステビア含量(ステビオール配糖体含量)が80%以上の高純度ステビアや、レバウディオサイドA含量が95%以上のステビア甘味料、ステビア抽出物をα−グルコシルトランスフェラーゼ酵素処理した酵素処理ステビア(α−グルコシルステビオサイドを主成分とし、ステビオール配糖体含量が80%以上)等を使用できる。

0016

<イノシトール>
イノシトールは、グルコース原料として生合成され、植物や動物体内に含まれる環状ポリオールである。イノシトールは、白色の結晶性粉末であって、無臭で、後味がなく、すっきりとした、ショ糖に比べて違和感のない甘味を呈する。イノシトールの甘味度は、3%ショ糖溶液の甘味度の約50%であるが、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と併用すると、羅漢果抽出物が有する苦み及び渋みをマスキングし、コクとまろやかさを付与する効果を発揮する。また、イノシトールは、水溶性であり(20℃での溶解度、約15%(W/W))で、酸、アルカリの条件下で安定である。イノシトールは、吸湿性が無く、耐光性に優れている。更に、イノシトールは、糖アルコールと同様に、熱に安定でありタンパク質などのアミノ化合物と共に加熱してもメイラード反応褐変反応)を起こさない。

0017

イノシトールは、細胞成長促進に不可欠なビタミンB様物質であり、生体内でも生合成され、腎臓性腺肝臓心臓、血液、眼球甲状腺などに広く分布する。イノシトールは、主にイノシトールリン脂質の構成成分として細胞膜を構成する重要な成分である。イノシトールリン脂質は、特に神経細胞膜に多く含まれ、神経を正常に保つために必須な物質である。また、人乳中には大部分がフリーの形でイノシトールが存在する。イノシトールは、乳児には欠かせない成長物質であり、乳児の必須ビタミンとして粉ミルクに添加されている。通常欠乏症は見られないが、体内での合成量には限界があるため、食事からの十分な摂取が必要である。動物において欠乏すると脱毛発育不全脂肪肝になるとされている。

0018

また、イノシトールは、抗脂肪肝因子として脂肪肝、肝硬変、過コレステロール血症に有効とされ、医薬品分野で用いられている。イノシトールは、LDLコレステロールの減少、精神性疾患の改善、血糖値の調整等に効果があることが研究により示唆されている。

0019

イノシトールの配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、0.3〜60質量部であることが好ましい。イノシトールの配合量を高甘味度甘味料1質量部に対して0.3質量部以上とすると、高甘味度甘味料の苦みをマスキングする効果や、甘味料組成物にまろやかさを付与する効果を十分に得ることができる。また、イノシトールの配合量が、高甘味度甘味料1質量部に対して60質量部より多くなると、イノシトールのまろやかさが強くなり、甘味料組成物の甘味質がショ糖の甘味質とはやや異なってしまう。イノシトールの配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、0.3〜40質量部であることがより好ましく、1〜30質量部であることが更に好ましい。イノシトールとしては、例えば、myo−イノシトールを好適に利用できる。

0020

本実施形態に係る甘味料組成物によれば、イノシトールを配合することによって、羅漢果抽出物やステビア抽出物等の高甘味度甘味料が有する苦みをマスキングし、甘味料組成物にまろやかさを付与できるので、高甘味度甘味料を用いて自然な甘味質を有する甘味料組成物を実現できる。

0021

(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る甘味料組成物は、羅漢果抽出物またはステビア抽出物からなる高甘味度甘味料と、イノシトールとに加えて、イソマルトオリゴ糖と、ポリデキストロースと、エリスリトールまたはキシリトールとを更に含有する。

0022

高甘味度甘味料を含有する甘味料組成物を砂糖代替品とするためには、高甘味度甘味料の苦みがマスキングされているだけでなく、甘味度やその持続性といった種々の要素で決まる味質が砂糖に近いことが求められる。そこで、本実施形態では、高甘味度甘味料を用いて、砂糖により近似した味質を有する甘味料組成物を提供する。

0023

<イソマルトオリゴ糖>
イソマルトオリゴ糖は、グルコースを構成糖としたα−1,6結合を有する糖質であり、デンプン麦芽糖を原料とし転移酵素を用いて製造される。イソマルトオリゴ糖には、イソマルトースイソマルトトリオースがある。ショ糖の甘味度に対するイソマルトオリゴ糖の相対甘味度は、25〜50%程度であるが、高甘味度甘味料と併用すると、高甘味度甘味料が有する苦みをマスキングし、味をまろやかに調整する効果を発揮する。イソマルトオリゴ糖は、ショ糖と比較して耐熱性耐酸性に優れている。また、イソマルトオリゴ糖は、酵母による醗酵を受けにくく、非発酵性糖と呼ばれる。イソマルトオリゴ糖は、タンパク質やアミノ酸と共に加熱するとメイラード反応により褐色に着色しやすいため、食品に好ましい焼き色を付ける役割も果たす。

0024

インビトロ消化性試験同位体元素ベル標品を用いたヒトでの経口摂取試験などから、イソマルトオリゴ糖は部分消化性の糖質として位置付けられている。イソマルトオリゴ糖には、ビフィズス菌を選択的に増殖させる働きがあり、継続摂取により腸内環境を改善し、お腹の調子を整える効果を有する。イソマルトオリゴ糖は、厚生労働省が定める特定保健用食品規格基準型)の関与成分として認められている。

0025

<ポリデキストロース>
ポリデキストロースは、水溶性食物繊維であり、グルコースとソルビトールクエン酸とを重合させることによって製造される。ポリデキストロースは、白色もしくは淡黄色の非結晶性粉末であり、水に容易に溶解してショ糖と同程度の粘性を示す。ショ糖の甘味度に対するエリスリトールの相対甘味度は、10%程度であり、甘味度はほとんどないが、僅かな酸味がある。ただし、食品に添加した場合に、酸味は略消失するため、味に影響を与えない。尚、ポリデキストロースは、口内細菌に資化されないため、う蝕を誘発しない。

0026

ポリデキストロースは、砂糖に近いボディ感光沢感ソースシロップ)に用いた時の砂糖独特のテリを甘味料組成物に付与する。

0027

ポリデキストロースは、通常の糖分解酵素によってほとんど加水分解されない構造を有しているため、消化管において分解されずに大腸に届く。ポリデキストロースの一部は、大腸内に存在する腸内細菌醗酵分解されるものの、醗酵分解率が25%未満であることから、算出されるエネルギーはほぼ0キロカロリーである。ポリデキストロースは、現存する水溶性食物繊維の中では最もカロリーの少ない素材のひとつであると言える。

0028

また、ポリデキストロースは「お腹の調子を整える」食物繊維素材として規格基準型特定保健用食品の関与成分として厚生労働省に認可されている。また多くの臨床試験によりポリデキストロースの整腸効果が実証されている。その他には、経口摂取により、脂肪吸収を抑制する効果、血糖値の上昇を緩やかにし、グリセミックインデックスを低下させる効果、カルシウム吸収を促進する効果等が研究により示唆されている。

0029

<エリスリトール>
エリスリトールは、糖アルコールの1種であり、ブドウ糖発酵させることに製造される。ショ糖の甘味度に対するエリスリトールの相対甘味度は、60〜80%程度であり、清涼感のあるすっきりした後味が特徴である。エリスリトールは、酸味・塩味を増強し、苦味・渋味青臭みビタミン臭をマスキング(低減)する。これは、エリスリトールの甘味質によるもので、甘味の立ち上がりの早さが酸味・塩味などを強く感じさせ、甘味のキレの良さが苦味・渋味等を弱く感じさせる。また、エリスリトールは、切れ味の良い甘味を有しており、高甘味度甘味料と併用した場合、甘味料組成物の甘味持続性を砂糖に近く感じさせることができる。

0030

また、エリスリトールは、吸湿性が低く、取り扱いが容易である。したがって、甘味料組成物に配合することにより、ポリデキストロースの吸湿性を相殺し、甘味料組成物全体の取り扱いやすさを向上させることができる。

0031

経口摂取されたエリスリトールの大部分は、小腸で吸収された後、代謝されることなく速やかに尿中に排泄されるため、エリスリトールの摂取は、血糖値及びインスリン分泌に影響しない。したがって、エリスリトールのカロリーはほぼゼロであり、エリスリトールは、糖尿病患者の砂糖代替甘味料としても有用である。また、エリスリトールは、キシリトール等と同様に非う蝕性の糖質であり、ミュータンス菌などの口内細菌に利用されず、酸う蝕の原因となる有機酸を産生せず、菌体凝集作用不溶性グルカンの生成も認められないことも知られている。糖アルコールは一度に多量摂取すると、一時的緩化作用を起こすことがあるが、エリスリトールは比較的緩化作用が弱い糖アルコールである。これは、エリスリトールの90%以上が小腸で吸収され消化管下部への到達量が少ないためである。

0032

イノシトールの配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、0.3〜60質量部であることが好ましい。イノシトールの配合量を高甘味度甘味料1質量部に対して0.3質量部以上とすると、高甘味度甘味料の苦みをマスキングする効果や、甘味料組成物にまろやかさを付与する効果を十分に得ることができる。また、イノシトールの配合量が、高甘味度甘味料1質量部に対して60質量部より多くなると、イノシトールのまろやかさが強くなり、甘味料組成物の甘味質がショ糖の甘味質とはやや異なってしまう。イノシトールの配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、0.3〜40質量部であることがより好ましく、1〜30質量部であることが更に好ましい。

0033

イソマルトオリゴ糖の配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、10〜200質量部であることが好ましい。イソマルトオリゴ糖の配合量をこの範囲内とすることによって、甘味料組成物にショ糖に似たまろやかさを付与することができる。

0034

ポリデキストロースの配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、5〜200質量部であることが好ましい。ポリデキストロースの配合量をこの範囲内とすることによって、甘味料組成物にショ糖に似たボディ感や光沢感を付与することができる。また、ポリデキストロースは、吸湿性を有するが、配合量がこの範囲内であれば、ショ糖に似たしっとりした質感を付与することができ、甘味料組成物のベタつきも抑制できる。

0035

エリスリトールまたの配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して30〜300質量部とすることが好ましい。エリスリトールの配合量をこの範囲内とすることによって、ポリデキストロースの吸湿性を相殺して甘味料組成物の質感を適度に調整することができ、切れの良い甘味により甘味料組成物の甘味持続性をショ糖に近似させることができる。

0036

一例として、甘味料組成物を、羅漢果抽出物からなる高甘味度甘味料、イノシトール、イソマルトオリゴ糖、ポリデキストロース及びイノシトールの5成分で構成する場合、甘味料組成物の全質量を100%としたときに、高甘味度甘味料を0.15〜1.0%、イノシトールを0.15〜5.0%、イソマルトオリゴ糖を8.0〜14.0%、ポリデキストロースを8〜20%、エリスリトールを60.0〜83.7%の割合で配合することによって、ショ糖に近い甘味質と質感を得ることができる。

0037

この配合例において、イノシトールの配合量が0.15%を下回ると、羅漢果抽出物の苦みのマスキング効果が十分に得られず、甘味料組成物にコクやまろやかさを付与することもできない。イノシトールの配合量が5.0%を超えると、甘味料組成物の溶解性が低下するため好ましくない。イノシトールの配合量は、羅漢果抽出物の配合量の1.5〜4倍、すなわち、甘味料組成物の全質量の0.225〜4.0%であることがより好ましい。この場合、羅漢果抽出物の苦みのマスキング、コクとまろやかさの付与、製造コストの全てのバランスに優れる。

0038

また、上記の配合例において、イソマルトオリゴ糖の配合量が8.0%を下回ると、甘味料組成物のまろやかさが低下する。イソマルトオリゴ糖の配合量が14.0%を超えると、甘味料組成物の味質が砂糖からずれるので好ましくない。

0039

また、上記の配合例において、ポリデキストロースの配合量が8.0%を下回ると、砂糖に近似するボディ感や光沢感を付与できなくなる。ポリデキストロースの配合量が20.0%を超えると、ポリデキストロースの有する吸湿性により、甘味料組成物がベタつき、砂糖に似た質感を付与することが困難となるので、甘味料組成物の取り扱いやすさが低下する。

0040

また、上記の配合例において、エリスリトールの配合量が60.0%を下回ると、ポリデキストロースの有する吸湿性を相殺することが困難となり、甘味料組成物がベタつき、砂糖に似た質感を付与することが困難となるので、甘味料組成物の取り扱いやすさが低下する。エリスリトールの配合量が83.7%を超えると、清涼感が増すが、味質がタンパクとなるため、甘味料組成物の味質が砂糖からずれるので好ましくない。

0041

本実施形態に係る甘味料組成物は、羅漢果抽出物またはステビア抽出物からなる高甘味度甘味料と、イノシトールと、イソマルトオリゴ糖とを上述した配合比で含有することによって、羅漢果に特有の苦み等の後味をマスキングすることができると共に、甘味質を砂糖に近似させることができる。

0042

また、本実施形態に係る甘味料組成物は、ポリデキストロースとエリスリトールとを上述した配合比で含有することによって、粒子の大きさや吸湿性を砂糖と近似させることができるので、砂糖と似た質感を付与することができ、砂糖と同様の取り扱いやすさを実現できる。

0043

更に、本実施形態に係る甘味料組成物を構成する各成分は、いずれも天然物または天然物由来の材料であり、化学合成された従来の高甘味度甘味料と比べて、違和感なく受け入れられやすい。

0044

更に、本実施形態に係る甘味料組成物は、機能性食品から構成されているため、砂糖の代替品として使用しつつ、各成分が有する健康改善効果を得ることができる。

0045

尚、イソマルトオリゴ糖に代えて、フラクトオリゴ糖を使用しても良い。フラクトオリゴ糖の配合量は、イソマルトオリゴ糖の配合量と同じで良い。

0046

また、エリスリトールに代えて、キシリトールまたはラクチトールを使用しても良い。キシリトールまたはラクチトールの配合量は、エリスリトールの配合量と同じで良い。

0047

(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る甘味料組成物は、羅漢果抽出物またはステビア抽出物よりなる高甘味度甘味料と、イノシトールと、分岐シクロデキストリンとを含有する。

0048

<分岐シクロデキストリン>
分岐シクロデキストリンは、数分子のD−グルコースが環状に結合した環状オリゴ糖である。分岐シクロデキストリンは、次のように合成される。まず、デンプンにシクロデキストリン合成酵素を作用させてシクロデキストリンを生成する。シクロデキストリンとしては、6個のグルコースが結合したα−シクロデキストリン、7個のグルコースが結合したβ−シクロデキストリン、8個のグルコースが結合したγ−シクロデキストリンがある。次に、残ったデキストリンβ−アミラーゼイソアミラーゼを作用させて、マルトースを合成する。シクロデキストリンに対してマルトースが3〜5当量となるように反応液を調整した後、反応液を70〜80%に濃縮する。その後、耐熱性プルラナーゼを作用させることにより、マルトースをシクロデキストリンに結合させ、分岐シクロデキストリンを得る。本実施形態に係る甘味料組成物には、α型、β型及びγ型のいずれの分岐シクロデキストリンも使用できる。

0049

分岐シクロデキストリンは、分子の中心に空洞を有しており、この空洞の内側は親油性で、外側は親水性である。分岐シクロデキストリン(ホスト)は、空洞の内部に疎水性有機化合物ゲスト)を分子間力によって取り込み、包接錯体を形成する包接作用と、取り込んだゲスト分子を条件に応じて放出する除放作用とを有する。分岐シクロデキストリンは、ゲスト分子として羅漢果抽出物に含まれる苦み成分や臭い成分を包摂することによって、羅漢果抽出物のみ質を改善する。また、分岐シクロデキストリンは、ゲスト分子としてイノシトールを包接することにより、イノシトールの溶解性を向上させる。

0050

分岐シクロデキストリンの配合量は、羅漢果抽出物またはステビア抽出物1質量部に対して、0.5〜230質量部である。分岐シクロデキストリンの配合量がこの範囲を下回ると、羅漢果抽出物またはステビア抽出物の苦みや渋みのマスキング効果と、イノシトールの溶解性向上効果が得られなくなる。また、分岐シクロデキストリンの配合量がこの範囲を超えると、分岐シクロデキストリンの配合量が多くなり過ぎ、甘味料組成物の甘味度が低下するため、好ましくない。分岐シクロデキストリンの配合量は、配合するイノシトール1質量部に対して、0.2〜3質量部であることがより好ましく、1〜2質量部であることが更に好ましい。イノシトールの配合量をより好ましい範囲とすることによって、羅漢果抽出物またはステビア抽出物が有する苦み及び渋みのマスキング、イノシトールの溶解性の全てのバランスが向上する。

0051

また、分岐シクロデキストリンには、難消化性デキストリンやシクロデキストリン、クラスターデキストリンといった他のデキストリン類と比べて次のような利点がある。分岐シクロデキストリンは、上述したように、親油性及び親水性の両方の性質を持つため、油性の材料にも水性の材料にも容易に混ざってゲスト分子を分散させる性質がある。したがって、分岐シクロデキストリン甘味料組成物に用いた場合、甘味料組成物の用途に制限がなくなる。また、シクロデキストリン及びクラスターデキストリンは、ダマになりやすく、使用時に他の材料に添加すると、若干白味を呈するという欠点がある。また、難消化性デキストリンは、原料の段階で黄色味を帯びており、使用時に褐変化しやすいという欠点がある。これに加え、分岐シクロデキストリンには、他の材料と粉体のまま混合するだけで、甘味料組成物の十分な溶解性及び分散性が得られるという利点がある。

0052

本実施形態に係る甘味料組成物は、羅漢果抽出物またはステビア抽出物に対して、イノシトールと分岐シクロデキストリンとを上述した割合で配合し、粉砕しながら混合することによって製造できる。本実施形態に係る甘味料組成物では、羅漢果抽出物またはステビア抽出物に特有の苦みや渋みをマスキングすることができる。また、分岐シクロデキストリンによって甘味料組成物の溶解度が向上しているので、甘味料組成物の使い勝手が向上する。

0053

(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る甘味料組成物は、第3の実施形態に係る甘味料組成物の甘味質及び質感をショ糖により近似させるために、第3の実施形態に係る甘味料組成物に加えて、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ポリデキストロース、キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの少なくとも1種類を更に添加したものである。

0054

<フラクトオリゴ糖>
フラクトオリゴ糖は、ショ糖にフラクトースが1〜3個結合した難消化性オリゴ糖であり、1−ケストースニストースフラクトシルニストース等の混合物である。フラクトオリゴ糖の甘味度はショ糖の約30〜60%である。また、フラクトオリゴ糖の溶解度は、ショ糖とほぼ同等である。フラクトオリゴ糖は、ショ糖を原料として、糖加水分解酵素であるフラクトシルトランスフェラーゼを用いて合成される。フラクトオリゴ糖には、おなかの調子を整えたり、ミネラルの吸収を助けたりする機能が認められている。

0055

フラクトオリゴ糖を使用するか、イソマルトオリゴ糖を使用するかは、甘味料組成物の用途に応じて決定すれば良い。例えば、フラクトオリゴ糖は、焼き菓子等の色づきを抑えたい場合や、甘味料組成物に溶解度の高さが求められる場合、甘味料組成物の甘味度を向上させたい場合、析出を防ぎたい場合に適している。一方、イソマルトオリゴ糖は、メイラード反応を促進させて焼き菓子等の色づきを良くしたい場合に適している。

0056

また、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖は、粉末や顆粒だけでなく、液体液糖)のものを使用しても良い。

0057

フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖の配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、10〜200質量部とすることが好ましい。フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖の配合量がこの範囲を下回ると、味質をショ糖に近似させる効果が低下し、ショ糖に特有のコクやまろやかさが失われる。一方、フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖の配合量がこの範囲を超えると、甘味度が高くなりすぎると共に、フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖のキレの良さが際立ちすぎて、ショ糖の味質に近似させることができなくなる。

0058

ポリデキストロースの配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、5〜200質量部とすることが好ましい。ポリデキストロースの配合量がこの範囲を下回ると、ボディ感をショ糖に近似させることができなくなる。一方、ポリデキストロースの配合量がこの範囲を超えると、吸湿性が高くなり過ぎて取り扱いがしにくくなったり、甘味料組成物の質感をショ糖に近似させることができなくなったり、甘味料組成物が黄色みを帯びたりする。るという。

0059

<キシリトール>
キシリトールは、5個の炭素を有する糖アルコールであり、野菜や植物に含まれるほか、人体内でも生合成される。キシリトールは、工業的には、キシロースから合成される。キシリトールは、ショ糖と同程度の甘味を呈するが、エネルギーはショ糖の75%である。また、キシリトールは、冷涼感があり、切れの良い後味を有する。キシリトールは、口内最近に資化されず、ミュータンス菌の一部の代謝を阻害するため、う蝕を発生しない。

0060

<ラクチトール>
ラクチトールは、ソルビトールとガラクトースからなる糖アルコールの1種であり、還元乳糖とも呼ばれる。ラクチトールの融点は、142℃であり、キシリトール(92℃)やエリスリトール(119℃)より高い。焼き菓子の材料として焼成温度より融点の低い糖を使用した場合、焼き菓子が上手焼けない場合がある。例えば、マカロン生地を120℃で焼成する場合、生地にキシリトールやエリスリトールを含有する甘味料組成物を使用すると、キシリトールやエリスリトールが焼成過程溶融して、溶融物がマカロン生地の気泡を潰してしまうため、マカロンを上手く焼くことができない。これに対して、ラクチトールを含有する甘味料組成物を使用すれば、マカロンの焼成温度で溶融しないため、生地の気泡が潰れず、マカロンが上手く焼き上がる。

0061

また、ラクチトールの25℃での溶解度は、ショ糖の58%程度であるが、生地を攪拌する際に生じる摩擦熱等の熱が加わって混合物の温度が上がると、溶解度が急上昇し、ショ糖以上の溶解度を示す。例えば、マカロン生地には、卵白の重量の2〜3倍程度の糖を加えるが、ラクチトールは混合時の摩擦熱で容易に溶解するため、材料として用いる糖の結晶自体で気泡を潰すことが抑制される。

0062

キシリトール、ラクチトール、エリスリトールのいずれを使用するかは、甘味料組成物の用途に応じて決定すれば良い。これらのうちの2種類以上を併用しても良い。キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、30〜300質量部とすることが好ましい。キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの配合量がこの範囲を下回ると、切れ味と質感をショ糖に近似させることができなくなる。一方、キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの配合量がこの範囲を超えると、冷涼感が強くなり過ぎ、味質をショ糖に近似させることができなくなる。

0063

更に、本実施形態に係る甘味料組成物は、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ポリデキストロース、キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの配合割合を変えることによって、味質及び質感(しっとり感、ボディ感、焼き菓子等に使用した場合の焼き色等)をグラニュー糖上白糖粉糖に近似させる。具体的な組成例は次の通りである。

0064

<組成例1:上白糖に近い質感を付与した甘味料組成物>
組成例1では、第3の実施形態に係る甘味料組成物に加えて、(1)フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖と、(2)ポリデキストロースと、(3)キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの1種類以上とを配合する。

0065

ポリデキストロースの配合量を、羅漢果抽出物またはステビア抽出物1質量部に対して、ポリデキストロースを5〜200質量部とすることで、ショ糖に似たしっとりした質感を付与することができる。

0066

組成例1に係る甘味料組成物は、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、イノシトールと、分岐シクロデキストリンとを粉砕混合した後、残りの材料を加えて混合することによって得ることができる。

0067

<組成例2:グラニュー糖に近い質感を付与した甘味料組成物>
組成例2では、第3の実施形態に係る甘味料組成物に加えて、(1)フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖と、(2)キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの1種類以上とを配合する。つまり、組成例2は、組成例1からポリデキストロースを除いたものである。ポリデキストロースを添加しない場合、キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの粒子により、グラニュー糖のさらさらとした質感を付与することができる。

0068

組成例2に係る甘味料組成物は、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、イノシトールと、分岐シクロデキストリンとを粉砕混合した後、残りの材料を粉体で加えて混合することによって得ることができる。

0069

<組成例3:粉糖に近い質感を付与した甘味料組成物>
組成例3では、組成例2と同様に、第3の実施形態に係る甘味料組成物に加えて、(1)フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖と、(2)キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの1種類以上とを配合する。ただし、粉糖の質感を付与するため、組成例3に係る甘味料組成物の製造は次の通りに行う。まず、100メッシュパスのサイズに粉砕したイノシトールと、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、分岐シクロデキストリンとを粉体混合する。次に、フラクトオリゴ糖及びキシリトールを更に加えて混合した後、100メッシュパスのサイズに粉砕することによって、粉糖と質感が近似した組成例3に係る甘味料組成物が得られる。

0070

上記の組成例1〜3では、キシリトール、ラクチトール、エリスリトールのいずれか(以下、「キシリトール等の糖アルコール」という)を用いているが、キシリトール等の糖アルコールは配合しなくても良い。この場合でも、他の配合成分によって、味質をショ糖に近似させることは可能である。また、キシリトール糖の糖アルコールを配合しない場合、キシリトール等の糖アルコールに代えて、フラクトオリゴ糖を用いても良い。ただし、ショ糖にも吸熱性があり、この吸熱性に起因するショ糖の冷涼感を再現するために、キシリトール糖の糖アルコールを配合することが好ましい。

0071

甘味料組成物を食品の調理時に混合するのではなく、食品に直接かけて食べる場合(経口摂取する場合)、キシリトール糖の糖アルコールの冷涼感を強く感じさせてしまうので、甘味料組成物の味質がショ糖から離れてしまう。そこで、経口摂取の用途では、キシリトール糖の糖アルコールの配合量は、調理用途の甘味料組成物に配合する場合の約半量(すなわち、高甘味度甘味料1質量部に対して15〜150質量部)とする。

0072

上記の組成例1〜3においてキシリトールを配合することによって、調理に適した3態様(上白糖、グラニュー糖、粉糖)の甘味料組成物を得ることができ、上記の組成例1〜3においてキシリトールを省略することによって、直接経口摂取するのに適した3態様の甘味料組成物を得ることができる。すなわち、ポリデキストロースの有無、キシリトール糖の糖アルコールの配合量、イノシトールの粉砕の有無に応じて、甘味質及び質感がショ糖に近似した6種類の甘味料組成物を得ることができる。

0073

<組成例4:液糖>
次に、上述した甘味質をショ糖に近似させた甘味料組成物の応用例として、液糖とする例を説明する。

0074

組成例4に係る甘味料組成物は、第3の実施形態に係る甘味料組成物に加えて、(1)フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖と、(2)ポリデキストロースと、(3)キシリトール、ラクチトール、エリスリトールのいずれか1種類以上とを配合する。

0075

組成例4に係る液糖タイプの甘味料組成物の製造方法は次の通りである。まず、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、イノシトールと、分岐シクロデキストリンとを粉砕混合した後、混合物を適量の水に溶解させる。次に、溶解液に残りの材料を混合し、混合液を80℃以下で30分間殺菌し、濾過及び精製を行う。精製後、混合液を冷却することによって、組成例4に係る甘味料組成物が得られる。80℃を超える温度で加熱すると、メイラード反応が起きて、甘味料組成物が着色するため好ましくない。

0076

この製造例では、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、イノシトールと、分岐シクロデキストリンとの粉体混合物を水に溶解させているが、フラクトオリゴ糖またはイソマルトオリゴ糖の液糖を使用する場合は、これらの液糖に、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、イノシトールと、分岐シクロデキストリンとの粉体混合物を溶解させた後、他の材料を混合して、液糖タイプの甘味料組成物を調製することができる。

0077

以上説明したように、本実施形態に係る甘味料組成物は、第3の実施形態と同様に、羅漢果抽出物またはステビア抽出物の苦み及び渋みがマスキングされ、甘味料組成物の溶解度が向上していることに加え、味質及び質感をショ糖に近づけることができる。したがって、羅漢果抽出物またはステビア抽出物を用いつつ、ショ糖の代替品として使いやすい甘味料組成物を実現できる。

0078

また、本発明に係る甘味料組成物を構成する成分は、いずれも天然物または天然物由来の材料であり、化学合成された従来の高甘味度甘味料と比べて、違和感なく受け入れられやすい。

0079

更に、本発明に係る甘味料組成物は、機能性食品から構成されているため、ショ糖の代替品として使用しつつ、各成分が有する健康改善効果を得ることができる。

0080

(第5の実施形態)
第5の実施形態に係る甘味料組成物は、第3の実施形態に係る甘味料組成物を用い、蜂蜜に近似した味質及び質感(粘性)を付与したものである。

0081

第5の実施形態に係る甘味料組成物は、第3の実施形態に係る甘味料組成物に加えて、(1)フラクトオリゴ糖及び/またはイソマルトオリゴ糖と、(2)ポリデキストロースと、(3)キシリトール、ラクチトール、エリスリトールのいずれか1種類以上と、(4)コラーゲンと、(5)蜂蜜香料とを配合する。

0082

本実施形態に係る甘味料組成物の製造方法は次の通りである。まず、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、イノシトールと、分岐シクロデキストリンとを粉砕混合した後、混合物を3倍量(質量基準)の水に溶解させる。次に、溶解液にフラクトオリゴ糖と、ポリデキストロースとを混合し、混合液を85℃以上で30分間殺菌し、濾過及び精製を行う。混合液の加熱殺菌の際に、糖とコラーゲンとがメイラード反応し、蜂蜜に似た色を呈する。精製後、混合液を冷却することによって、本実施形態に係る甘味料組成物が得られる。

0083

コラーゲンとしては、低分子コラーゲンを好適に使用できる。コラーゲンの配合量は、高甘味度甘味料1質量部に対して、5〜250質量部とすることが好ましい。コラーゲンの配合量がこの範囲を下回ると、メイラード反応が起きにくくなるため、甘味料組成物の色を蜂蜜に近似させることができなくなると共に、蜂蜜のような粘性を再現することができなくなる。一方、コラーゲンの配合量がこの範囲を超えると、コラーゲンに特有の臭いが強くなるため、甘味料組成物として好ましくない。コラーゲンとしては、液体を用いても良いし、粉末を用いても良い。

0084

甘味料組成物の色を濃くしたい場合には、メイラード反応がより起きやすくなるように、イソマルトオリゴ糖を単独で使用するか、フラクトオリゴ糖と併用すれば良い。

0085

本実施形態に係る甘味料組成物は、コラーゲンを用いて、蜂蜜の粘性及び色を再現している。蜂蜜は、乳児ボツリヌス症の虞があるため、1未満の乳児には与えることができないが、本実施形態に係る甘味料は、人工的に蜂蜜の甘味質及び質感を再現したものであるため、蜂蜜の代替品として使用でき、乳児に与えることも可能である。

0086

尚、本実施形態では、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、イノシトールと、分岐シクロデキストリンと、フラクトオリゴ糖またはイソマルトオリゴ糖と、ポリデキストロースとを用いて蜂蜜に近似した甘味料組成物を作製する例を説明したが、ショ糖、ブドウ糖果糖液糖果糖ブドウ糖液糖異性化糖液糖の少なくとも1種類と、コラーゲンと、蜂蜜香料との混合物を加熱してメイラード反応により着色させることによって、蜂蜜の甘味質と質感とを有する甘味料組成物を得ることもできる。ショ糖またはブドウ糖果糖液糖を用いた場合でも同様に、乳児ボツリヌス症の虞がないため、蜂蜜の代替品として、乳児に与えることができる。この場合も、コラーゲンの配合量は、糖類(ショ糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、異性化糖液糖)1質量部に対して、5〜250質量部とすれば良い。

0087

(その他の変形例)
尚、上記の各実施形態において、キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの代わりに、他の糖アルコールを使用しても良い。使用可能な糖アルコールとしては、マンニトール、ソルビトール糖の単糖アルコールや、マルチトール還元パラチノース糖の二糖アルコール還元水あめ等のオリゴ糖アルコールが挙げられる。

0089

また、上記の各実施形態において、ポリデキストロースの代わりに、他の食物繊維または多糖類を使用しても良い。使用可能な食物繊維または多糖類としては、マルトデキストリン分岐デキストリン、難消化性デキストリン、高度分岐環状デキストリン、難消化性でん粉、イヌリン還元難消化性デキストリン大豆多糖類が挙げられる。

0090

また、上記の第3の実施形態では、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、イノシトールと、分岐シクロデキストリンの3成分で苦み及び渋みがマスキングされた甘味料組成物を構成する例を説明したが、イノシトール及び分岐シクロデキストリンのそれぞれにも苦みのマスキング効果はあるので、第1の実施形態のように、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、イノシトールとの2成分で甘味料組成物を構成しても良いし、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、分岐シクロデキストリンの2成分で甘味料組成物を構成しても良い。

0091

また、上記の第4の実施形態の組成例4及び第5の実施形態では、尚、イノシトール及び分岐シクロデキストリンの一方または両方を使用せず、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、フラクトオリゴ糖及びイソマルトオリゴ糖と、キシリトール、ラクチトール、エリスリトールの少なくとも1種類とを用いて甘味料組成物を構成してもよい。液糖の場合、液糖が有する粘性のために、人間のでは高甘味度甘味料の苦みを感じにくくなるため、イノシトール及び分岐シクロデキストリンの一方または両方を配合しなくても、羅漢果抽出物またはステビア抽出物の苦みは軽減される。

0092

更に、上記の各実施形態では、羅漢果抽出物及びステビア抽出物からなる高甘味度甘味料の苦み及び渋みをマスキングした甘味料組成物を説明したが、イノシトール及び分岐シクロデキストリンは、他の天然の高甘味度甘味料や人工の高甘味度甘味料と組み合わせて、味質及び溶解性を改善することも可能である。例えば、イノシトール及び/または分岐シクロデキストリンは、ソーマチン、肝臓抽出物、グリチルリチン、フィロズルチン、モネリン等の天然の高甘味度甘味料や、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、チクロ等の人工の高甘味度甘味料の味質及び溶解性を向上させることができる。

0093

更に、マカロン等のメレンゲを用いた菓子類を作製する場合には、卵白に含まれるタンパク成分自体が苦みのマスキング効果を有するため羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、ラクチトールのみで甘味料組成物を構成しても良い。

0094

更に、上記の各実施形態では、高甘味度甘味料1質量部に対するイノシトールの配合量を60質量部以下としているが、ショ糖の甘味質に近似させる必要がなく、まろやかさを増強したい場合には、高甘味度甘味料1質量部に対してイノシトールを60質量部より多く配合しても良い。この場合、甘味質がショ糖とは異なってくるが、イノシトールによって高甘味度甘味料の苦み等をマスキングすることは可能である。例えば、高甘味度甘味料1質量部に対するイノシトールの配合量を60〜7500質量部としても良い。イノシトールの配合量をこの範囲とすることによって、甘味料組成物のまろやかさを強くすることができる。まろやかさを強調するためには、高甘味度甘味料1質量部に対するイノシトールの配合量を、100質量部以上とすることが好ましく、500質量部以上とすることがより好ましく、2500質量部以上とすることが更に好ましい。更に、高甘味度甘味料1質量部に対するイノシトールの配合量を、5000質量部以上とすると、まろやかさを強く発揮させることができる。ただし、イノシトールの配合量が増えるにつれて甘味料組成物の溶解性が低下する。上述したように、イノシトールの配合量を増やす場合は、分岐シクロデキストリンを併用することが好ましい。

0095

以下、本発明を具体的に実施した実施例を説明する。

0096

実施例及び比較例では、以下の材料を使用した。
・ステビア抽出物:ツル化成工業株式会社ベルトロン90(ステビオール配糖体含量85%以上)
・酵素処理ステビア抽出物:東洋精糖株式会社 αGスイートPX−G(α−グルコシルステビオール配糖体及び未反応のステビオール配糖体の合計含量85%以上、α−グルコシルステビオール配糖体含量80%以上)
・羅漢果抽出物:DAMIN FOOD(ZHAGZHOU)CO.,LTFD羅漢果濃縮パウダー(モグロシドV含有量45%±5%)
・myo−イノシトール:築野食品工業株式会社
・分岐シクロデキストリン:塩水精糖株式会社イソエリートP(全シクロデキストリン量80%以上、マルトシルシクロデキストリン50%以上)
・アラニン:星和株式会社
・グリシン:星和株式会社
・ポリデキストロース:TATE&LYLEAPAN(ポリマー含有率90%以上)・フラクトオリゴ糖:株式会社明治フードマテリアメイオリゴP(液)
・イソマルトオリゴ糖:昭和産業株式会社(固形分中の分岐オリゴ糖含有率80%以上)・キシリトール:物産フードサイエンス株式会社
・ラクチトール:物産フードサイエンス株式会社
・低分子コラーゲン:株式会社ラビジェフィッシュコラーゲンリッチ(液)
・蜂蜜香料:株式会社ナリヅカコーポレーション

0097

(羅漢果抽出物、ステビア抽出物の味質)
図1は、羅漢果抽出物からなる高甘味度甘味料のショ糖等価甘味度(PSE:Point of Subjective Equality(主観的等価値))を示すグラフである。図1横軸は、羅漢果抽出物からなる高甘味度甘味料の濃度(mg/100ml)を示し、縦軸は、対応するショ糖水溶液の濃度を示す。実施例及び比較例で用いた羅漢果抽出物のショ糖等価甘味度は、羅漢果抽出物の濃度が160mg/100mlのときに最大に達し、その最大値は13%(対応するショ糖濃度)であった。これは、羅漢果抽出物の濃度を160mg/100mlより大きくしても、知覚される甘味が向上しないことを意味する。

0098

図2は、羅漢果抽出物からなる高甘味度甘味料が有する味質の濃度依存特性を示すグラフである。図2は、羅漢果抽出物が有する甘み、苦み、酸味、雑味が、羅漢果抽出物の濃度が30、60、120、160mg/mlのときに、どの程度であったかをプロファイル法で評価し、その評価点グラフ化したものである。

0099

図2に示すように、羅漢果抽出物が有する甘み、苦み、酸味、雑味のいずれも、濃度に比例して増加している。ただし、苦みは、濃度が120mg/mlから160mg/mlに増加すると、評価点が急激に悪化している(つまり、苦みが強く感じられる)ことが分かる。

0100

図3は、ステビア抽出物からなる高甘味度甘味料のショ糖等価甘味度を示すグラフであり、図4は、ステビア抽出物からなる高甘味度甘味料が有する味質の濃度依存特性を示すグラフである。

0101

図3に示すように、ステビア抽出物のショ糖等価甘味度は、ステビア抽出物の濃度が120mg/100mlのときに最大に達し、その最大値は8%(対応するショ糖濃度)であった。これは、ステビア抽出物の濃度を120mg/100mlより大きくしても、知覚される甘味が向上しないことを意味する。また、図4に示すように、ステビア抽出物が有する甘み、苦み、酸味、雑味のいずれも、濃度に比例して増加している。図2に示した羅漢果抽出物の評価結果と比べると、ステビア抽出物の濃度が120mg/mlのときの甘みは羅漢果抽出物より低いが、苦み、酸味、雑味のいずれも羅漢果抽出物より強いことが分かる。

0102

図1〜4で説明したように、羅漢果抽出物及びステビア抽出物の甘み、苦み、酸味、雑味のいずれも濃度に比例して増加するが、ある濃度を超えると甘み(ショ糖等価甘味度)はほぼ一定となる。言い換えれば、ショ糖等価甘味度が最大に達する濃度の水溶液の苦み等と比べて、より低濃度の水溶液の苦み等は少なくなる。また、ショ糖等価甘味度が最大に達する濃度の水溶液で苦み等がマスキングされていれば、当該濃度より低い濃度の水溶液でも苦み等はマスキングされる。したがって、苦み等のマスキング効果の評価にあたっては、ショ糖等価甘味度が最大に達する濃度の水溶液で評価すれば良い。以下では、官能試験により味質や苦み等のマスキング効果を評価する場合、羅漢果抽出物を用いた甘味料組成物は、羅漢果抽出物濃度が160mg/100mlとなる水溶液で評価し、ステビア抽出物を用いた甘味料組成物では、ステビア抽出物濃度が120mg/100mlとなる水溶液で評価した。

0103

(ステビア抽出物の味質改善効果を有する物質)
図4に示したように、ステビア抽出物は、ショ糖等価甘味度が最大に達する濃度において、羅漢果抽出物よりも強い苦みを有する。そこで、ステビア抽出物の苦みや渋みをマスキングする効果のある材料を探索した。ステビア抽出物の苦みや渋みをマスキングできる材料は、羅漢果抽出物の苦みや渋みのマスキングにも有効であると考えられる。

0104

図5〜8は、それぞれ、イノシトール、分岐シクロデキストリン、アラニン、グリシンの味質改善効果を示すレーダーチャートである。イノシトール、分岐シクロデキストリン、アラニン及びグリシンの配合量(質量)は、いずれもステビア抽出物と等量である(つまり、濃度で120mg/100m)。図5〜8は、各甘味料組成物の8要素の味質について、識別力のある3人の試験者が官能試験を行い、ショ糖を基準とした評価をプロットしたものである。評価は、各要素の味質の強さを「+3:大変強い、+2:強い、+1:やや強い、0:ショ糖と同程度、−1:やや弱い、−2:弱い、−3:大変弱い」で評価した。

0105

図5に示すように、イノシトールには、ステビア抽出物が有する苦み及び渋みをマスキングする効果が認められた。また、図6及び7に示すように、分岐シクロデキストリンとアラニンにも、ステビア抽出物が有する苦みをマスキングする効果が認められたが、図8に示すように、グリシンには苦み及び渋みのマスキング効果は認められなかった。

0106

(実施例A1〜A36:イノシトールの配合割合)
羅漢果抽出物、ステビア抽出物及びイノシトールを、表1〜6に示す割合で粉体混合して、実施例A1〜A21及び比較例A1〜A6に係る甘味料組成物を調整した。

0107

0108

0109

0110

0111

0112

0113

実施例A1〜A21及び比較例A1〜A6に係る甘味料組成物の苦みのマスキング効果、溶解性、ショ糖の味質との近似性を評価した。マスキング効果は、識別力のある3人の試験者による官能試験により評価した。各試験者は、「+2:苦み及び渋みを感じない、+1:苦み及び渋みを僅かに感じるが、明らかに改善されている、0:苦み及び渋みを感じるが、十分に改善されている、−1:苦み及び渋みがやや強く感じられる、−2:苦み及び渋みが強く感じられる」の5段階で評価し、3人の試験者の平均点四捨五入した値を各サンプルの評価値とした。また、溶解性は、粉体混合した甘味料組成物に水を質量比1:1で加えてから、粒子が目視見えなくなるまでの時間に基づき、「+2:極めて溶けやすい、+1:溶けやすい、0:やや溶けやすい、−1:やや溶けにくい、−2:溶けにくい」の5段階で評価した。また、ショ糖の味質との近似性も識別力のある3人の試験者による官能試験により評価した。各試験者は、「+2:ショ糖に近い、+1:ショ糖にやや近い、0:”+1”及び”−1”のどちらでもない、−1:ショ糖とやや異なる、−2:ショ糖とは異なる」の5段階で評価し、3人の試験者の平均点を四捨五入した値を各サンプルの評価値とした。

0114

表1〜4に示すように、羅漢果抽出物及び酵素処理ステビア抽出物を用いた場合、高甘味度甘味料1質量部に対して、イノシトールを0.3質量部以上配合することにより、高甘味度甘味料が有する苦みがマスキングされた。また、表5及び6に示すように、ステビオール配糖体が主成分のステビア抽出物を用いた場合は、酵素処理ステビア抽出物と比べて苦みが強いため、高甘味度甘味料1質量部に対して、イノシトールを0.5質量部以上配合することにより、高甘味度甘味料が有する苦みがマスキングされた。また、高甘味度甘味料1質量部に対して、イノシトールを70質量部配合した場合、苦みのマスキング効果は得られたが、甘味料組成物全体の溶解性が低下すると共に、ショ糖とは異なる味質を呈した。

0115

次に、アセスルファムカリウム及びイノシトールを、表7〜11に示す割合で粉体混合して、実施例A22〜A36及び比較例A7〜A10に係る甘味料組成物を調整した。実施例A1〜A21と同様の評価方法により、マスキング効果と、ショ糖の味質との近似性を評価した。

0116

0117

0118

0119

0120

0121

表7〜11に示すように、高甘味度甘味料として苦みを有する人工甘味料を用いた場合でも、高甘味度甘味料1質量部に対して、イノシトールを0.5質量部以上配合することにより、高甘味度甘味料が有する苦みがマスキングされた。また、高甘味度甘味料1質量部に対して、イノシトールを55質量部配合した場合、苦みのマスキング効果は得られたが、甘味料組成物全体の溶解性が低下すると共に、ショ糖とは異なる味質を呈した。

0122

(分岐シクロデキストリンの配合割合)
次に、分岐シクロデキストリンの配合割合と甘味料組成物の溶解性との関係を調べるために、羅漢果抽出物、ステビア抽出物、イノシトール及び分岐シクロデキストリンを、表12〜15に示す割合で粉体混合し、参考例としてサンプル1a〜1i及びサンプル2a〜2iを調整した。高甘味度甘味料及びイノシトールの配合割合は、イノシトールの配合によって溶解性が低下した比較例A2及びA4と同じとした。

0123

0124

0125

0126

0127

得られたサンプル1a〜1i及びサンプル2a〜2iについて、実施例A1〜A14と同様の方法により水への溶解性を評価したところ、分岐シクロデキストリンを高甘味度甘味料1質量部に対して0.5質量部以上配合したことにより、甘味料組成物の溶解性が向上した。

0128

(実施例B1〜B21)
ステビア抽出物、羅漢果抽出物、イノシトール、分岐シクロデキストリン、アラニン及びグリシンを、表16〜20に示す割合で粉体混合して、実施例B1〜B21及び比較例B1〜B4に係る甘味料組成物を調製した。

0129

0130

0131

0132

0133

0134

実施例B1〜B21及び比較例B1〜B2に係る甘味料組成物の苦み・渋みのマスキング効果、溶解時間、ショ糖の味質との近似性を評価した。マスキング効果は、識別力のある3人の試験者による官能試験により評価した。各試験者は、「+2:苦み及び渋みを感じない、+1:苦み及び渋みを僅かに感じるが、明らかに改善されている、0:苦み及び渋みを感じるが、十分に改善されている、−1:苦み及び渋みがやや強く感じられる、−2:苦み及び渋みが強く感じられる」の5段階で評価し、3人の試験者の平均点を四捨五入した値を各サンプルの評価値とした。また、溶解時間は、粉体混合した甘味料組成物に水を質量比1:1で加えてから、粒子が目視で見えなくなるまでの時間とした。また、ショ糖の味質との近似性も識別力のある3人の試験者による官能試験により評価した。各試験者は、「+2:ショ糖に近い、+1:ショ糖にやや近い、0:どちらでもない、−1:ショ糖とやや異なる、−2:ショ糖とは異なる」の5段階で評価し、3人の試験者の平均点を四捨五入した値を各サンプルの評価値とした。

0135

表16及び17に示す実施例B1〜B9は、甘味料組成物を、ステビア抽出物と、イノシトールと、分岐シクロデキストリンのみで組成したものである。実施例B1〜B9のいずれにおいても、ステビア抽出物に特有の苦み及び渋みが改善されており、溶解時間もショ糖(同じ試験法で30〜40秒程度)とほぼ同程度であった。特に、ステビア抽出物1質量部に対して、イノシトール14〜27質量部を配合した実施例B6〜B9では、ステビア抽出物の苦み及び渋みがほぼマスキングされ、かつ、ショ糖に近い味質を呈した。

0136

また、表18に示す実施例B10〜B14は、ステビア抽出物の味質改善のために、更にアラニンまたはグリシンを配合したものである。実施例B10、B11、B13及びB14では、ステビア抽出物1質量部に対して、イノシトール及びアラニンを合計で14質量部以上配合したことによって、ステビア抽出物の苦み及び渋みを改善することができた。また、実施例B12では、ステビア抽出物1質量部に対してイノシトール1質量部を配合したものであるが、更にアラニン1質量部を配合したことによって、ステビア抽出物の苦み及び渋みは改善された。

0137

図9〜12は、実施例B6〜B9に係る甘味料組成物の味質の官能試験結果を示すレーダーチャートであって、各甘味料組成物の8要素の味質について、ショ糖を基準とした評価をプロットしたものである。評価方法は、図5〜8で説明したものと同じである。図9〜12に示すように、実施例B6〜B9に係る甘味料組成物は、ショ糖に近い味質を有していることが確認された。

0138

表19及び20に示す実施例B15〜B21、比較例B3及びB4は、羅漢果抽出物を用いて甘味料組成物を組成したものである。実施例B15〜B21のいずれにおいて、羅漢果抽出物に特有の苦み及び渋みが改善されており、溶解時間もショ糖とほぼ同程度であった。これに対して比較例B1及びB2では、羅漢果抽出物の苦み及び渋みが改善されず、味質もショ糖に近似していなかった。

0139

図13〜16は、実施例B17〜B20に係る甘味料組成物の味質の官能試験結果を示すレーダーチャートであって、各甘味料組成物の8要素の味質について、ショ糖を基準とした評価をプロットしたものである。評価方法は、図5〜8で説明したものと同じである。図13〜16に示すように、実施例B17〜B20に係る甘味料組成物もまた、ショ糖に近い味質を有していることが確認された。ここで、図13〜16に示した実施例B17〜B20の甘味料組成物は、図9〜12に示した実施例B6〜B9の甘味料組成物と比べて、よりショ糖に近い味質を示している。これは、羅漢果抽出物に含まれる苦み成分及び渋み成分が、ステビア抽出物と比べて少ないためである。

0140

上より、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、イノシトールと、分岐シクロデキストリンとを上述した配合比で配合することにより、羅漢果抽出物またはステビア抽出物に特有の苦み及び渋みをマスキングでき、溶解度も向上できることが確認された。

0141

(実施例B22〜B25)
表21に、実施例B22〜B25に係る甘味料組成物の各材料の配合比(質量比)を示す。実施例B22、B23及びB25に係る甘味料組成物は、ステビア抽出物、イノシトール、分岐シクロデキストリンを粉砕混合した後、その他の材料を更に加えて粉体のまま混合することによって得た。実施例B24に係る甘味料組成物は、予め100メッシュパスのサイズに粉砕したイノシトールと、羅漢果抽出物またはステビア抽出物と、分岐シクロデキストリンとを粉体混合した後、キシリトールを更に加えて混合した後、100メッシュパスのサイズに粉砕することによって得た。

0142

0143

実施例B22〜B25に係る甘味料組成物の味質を官能試験により評価したところ、ショ糖に近い味質であった。また、実施例B22、B23及びB24に係る甘味料組成物は、それぞれ、上白糖、グラニュー糖及び粉糖の質感を有していることが確認された。また、実施例B25に係る甘味料組成物を用いてマカロンを作製した。具体的には、泡立てた卵白に実施例B25に係る甘味料組成物と、アーモンドパウダーを加えて作製した生地を天板絞り出し、表面を乾燥させた後、160℃で3分間、その後、120℃で15分間焼成した。実施例B25に係る甘味料組成物は、生地作製時の攪拌により容易に溶解した。また、得られたマカロンは、気泡が潰れておらず、ショ糖を用いた場合と同様の膨らみ具合であった。

0144

(実施例B26及びB27)
表22に、実施例B26及びB27に係る甘味料組成物の各材料の配合比(質量比)を示す。羅漢果抽出物またはステビア抽出物、イノシトール、分岐シクロデキストリンを粉砕混合した混合物を3倍量(質量)の水に溶解させた後、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖を更に加えて混合した。混合液を75℃で30分間加熱殺菌した後、濾過及び冷却することによって、実施例B26及びB27に係る甘味料組成物(液糖)を調製した。

0145

0146

実施例B26及びB27に係る甘味料組成物の味質を官能試験により評価したところ、羅漢果抽出物またはステビア抽出物の苦み及び渋みを感じず、液糖として広く使用されている果糖ブドウ糖液糖に近い味質であった。

0147

(実施例B28及びB29)
表23に、実施例B28及びB29に係る甘味料組成物の各材料の配合比(質量比)を示す。羅漢果抽出物またはステビア抽出物、イノシトール、分岐シクロデキストリンを粉砕混合した混合物を3倍量(質量)の水に溶解させた後、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、コラーゲン、蜂蜜香料を更に加えて混合した。混合液を85℃で30分間加熱殺菌した後、濾過及び冷却することによって、実施例B28及びB29に係る甘味料組成物を得た。

0148

0149

実施例B28及び29に係る甘味料組成物の味質を官能試験により評価したところ、羅漢果抽出物またはステビア抽出物の苦み及び渋みを感じず、蜂蜜に似た味質であった。また、得られた甘味料組成物は、蜂蜜に似た粘性及び色を有していた。

0150

羅漢果抽出物からなる高甘味度甘味料(横油脂工業株式会社)、myo−イノシトール(築野食品工業株式会社)、イソマルトオリゴ糖(昭和産業株式会社、固形分中の分岐オリゴ糖含有率80%以上)、ポリデキストロース(TATE&LYLEJAPAN、ポリマー含有率90%以上)、エリスリトール(三菱化学フーズ株式会社)を以下の表24に示す組成比で混合し、実施例C1〜C4及び比較例C1に係る甘味料組成物を調製した。

0151

0152

実施例C1〜C4及び比較例C1に係る甘味料組成物の味質及び質感を官能試験により、「○:砂糖に近い、×:砂糖とは異なる」の2段階で評価した。味質及び質感の評価結果に基づき、甘味料組成物の総合評価を「○:味質及び質感とも砂糖に近い、△:味質が砂糖に近い、×:味質及び質感のいずれも砂糖とは異なる」の3段階で評価した。

0153

実施例C1〜C3に係る甘味料組成物はいずれも、砂糖に極めて近い味質及び質感を有していた。実施例C4に係る甘味料組成物は、砂糖に極めて近い味質を有していたが、吸湿性が高く、砂糖とは質感が異なるため、取り扱い安さの面でやや劣った。これは、エリスリトールが配合されていないためである。

0154

これに対して、比較例C1に係る甘味料組成物は、羅漢果抽出物に特有の苦みが際立ち、まろやかさがほとんど感じられなかった。また、比較例C1に係る甘味料組成物は、黄色味を帯びており、砂糖に比べて粒径が細かく、吸湿性も高く、砂糖とは質感が異なっていた。

実施例

0155

以上より、羅漢果抽出物よりなる高甘味度甘味料と、イノシトールと、イソマルトオリゴ糖とを上述した配合比で配合することにより、砂糖の味質に近似させられることが確認された。また、ポリデキストロースとエリスリトールとを上述した配合比で配合することにより、甘味料組成物の質感も砂糖に近似させることができ、砂糖と同様に取り扱うことができる甘味料組成物を得られることが確認された。

0156

本発明は、羅漢果抽出物やステビア抽出物等の天然の高甘味度甘味料またはアセスルファムカリウム等の人工甘味料を含有する甘味料組成物に利用できる。

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