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技術 異方性導電フィルム及び接続構造体

出願人 デクセリアルズ株式会社
発明者 塚尾怜司三宅健
出願日 2015年7月13日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2015-139491
公開日 2017年1月26日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-022017
状態 特許登録済
技術分野 ボンディング 離間導体の接続器及び電線端子 電気接続器の製造又は接続方法(1) 非絶縁導体
主要キーワード 平行体 占有面積割合 絶縁性バインダ 絶縁ベース層 押し込み後 斜方格子 製品ライフ 圧縮弾性変形
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

方性導電接続の際、ショートの発生が抑制され、しかも導電粒子捕捉性を低下させず、導電粒子の良好な押し込みを可能として導通信頼性の低下を抑制し、しかも良好な粘着性を示す異方性導電フィルムを提供する。

解決手段

熱重合性の異方性導電フィルムは、絶縁ベース層粘着層との間に中間層が挟持され、これらの層のいずれかに導電粒子が保持された構造を有する。中間層及び粘着層のそれぞれの溶融粘度が、絶縁ベース層の溶融粘度よりも高い。導電粒子が、異方性導電フィルムを平面視したときに互いに独立的に存在している。熱重合後の異方性導電フィルム全体の100℃における弾性率が1800MPaより高い。

概要

背景

ICチップなどの電子部品表示素子用の透明基板への実装に異方性導電フィルムは広く使用されており、近年では、高実装密度への適用の観点から、導電粒子捕捉効率接続信頼性を向上させ、ショート発生率を低下させるために、図6に示すように、相対的に層厚が厚い絶縁性樹脂層61と、絶縁性バインダ62に導電粒子63を分散させた、相対的に層厚が薄い導電粒子含有層64とを積層した2層構造の異方性導電フィルム60が使用されている。このような異方性導電フィルム60においては、異方性導電接続の際の絶縁性樹脂層61側からの熱押圧時に、導電粒子の過度流動を抑制するために、導電粒子含有層64の絶縁性バインダ62として光硬化性樹脂組成物を使用することが提案されている(特許文献1)。この場合、導電粒子を良好に保持するために、導電粒子含有層64を予め光硬化させておくことがなされている。

概要

異方性導電接続の際、ショートの発生が抑制され、しかも導電粒子の捕捉性を低下させず、導電粒子の良好な押し込みを可能として導通信頼性の低下を抑制し、しかも良好な粘着性を示す異方性導電フィルムを提供する。熱重合性の異方性導電フィルムは、絶縁ベース層粘着層との間に中間層が挟持され、これらの層のいずれかに導電粒子が保持された構造を有する。中間層及び粘着層のそれぞれの溶融粘度が、絶縁ベース層の溶融粘度よりも高い。導電粒子が、異方性導電フィルムを平面視したときに互いに独立的に存在している。熱重合後の異方性導電フィルム全体の100℃における弾性率が1800MPaより高い。

目的

本発明の課題は、異方性導電接続の際、ショートの発生が抑制され、しかも導電粒子の捕捉性を低下させず、導電粒子の良好な押し込みを可能として導通信頼性の低下を抑制し、しかも良好な粘着性を示す異方性導電フィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

絶縁ベース層粘着層との間に中間層が挟持されており、少なくとも粘着層又は中間層に導電粒子が保持された熱重合性の異方性導電フィルムであって、中間層及び粘着層のそれぞれの溶融粘度が、絶縁ベース層の溶融粘度よりも高く、導電粒子が、異方性導電フィルムを平面視したときに互いに独立的に存在しており、熱重合後の異方性導電フィルム全体の100℃における弾性率が1800MPaより高い異方性導電フィルム。

請求項2

熱重合後の異方性導電フィルム全体の100℃における弾性率が2500MPa以下である請求項1記載の異方性導電フィルム。

請求項3

熱重合後の異方性導電フィルムのガラス転移温度が145℃より高い請求項1又は2記載の異方性導電フィルム。

請求項4

熱重合後の異方性導電フィルムのガラス転移温度が168℃以下である請求項3記載の異方性導電フィルム。

請求項5

導電粒子が中間層又は粘着層中に埋入している請求項1〜4のいずれかに記載の異方性導電フィルム。

請求項6

導電粒子が、中間層と粘着層との間に保持されている請求項1〜4のいずれかに記載の異方性導電フィルム。

請求項7

導電粒子が、絶縁ベース層と中間層との間に保持されている請求項1〜4のいずれかに記載の異方性導電フィルム。

請求項8

絶縁性ベース層の溶融粘度が、80℃で3000mPa・s以下であり、中間層の溶融粘度が、80℃で1000〜20000mPa・sであり、粘着層の溶融粘度が、80℃で1000〜20000mPa・sである請求項1〜7のいずれかに記載の異方性導電フィルム。

請求項9

導電粒子が格子状に規則配列している請求項1〜8のいずれかに記載の異方性導電フィルム。

請求項10

中間層が絶縁フィラを含有している請求項1〜9のいずれかに記載の異方性導電フィルム。

請求項11

請求項1〜10のいずれかに記載の異方性導電フィルムで第1電子部品を第2電子部品に異方性導電接続した接続構造体

技術分野

0001

本発明は、異方性導電フィルム及び接続構造体に関する。

背景技術

0002

ICチップなどの電子部品表示素子用の透明基板への実装に異方性導電フィルムは広く使用されており、近年では、高実装密度への適用の観点から、導電粒子捕捉効率接続信頼性を向上させ、ショート発生率を低下させるために、図6に示すように、相対的に層厚が厚い絶縁性樹脂層61と、絶縁性バインダ62に導電粒子63を分散させた、相対的に層厚が薄い導電粒子含有層64とを積層した2層構造の異方性導電フィルム60が使用されている。このような異方性導電フィルム60においては、異方性導電接続の際の絶縁性樹脂層61側からの熱押圧時に、導電粒子の過度流動を抑制するために、導電粒子含有層64の絶縁性バインダ62として光硬化性樹脂組成物を使用することが提案されている(特許文献1)。この場合、導電粒子を良好に保持するために、導電粒子含有層64を予め光硬化させておくことがなされている。

先行技術

0003

特開2003−64324号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、導電粒子が光硬化させた絶縁性バインダに分散されている導電粒子含有層を有する異方性導電フィルムを用いて、基板とICチップ等の電子部品とを異方性導電接続した場合には、導電粒子の凝集体が形成されるためにショート発生リスク払拭できないという問題や、電子部品のバンプ縁端部における導電粒子の捕捉性が低下し、また、導電粒子の配線やバンプへの押し込みが不十分になり、導通信頼性が低下するという問題もあった。更に、光硬化させた導電粒子含有層の粘着性が低下するため、異方性導電フィルムを接続対象物に仮貼りした場合に、位置ズレを生じることが懸念されている。

0005

本発明の課題は、異方性導電接続の際、ショートの発生が抑制され、しかも導電粒子の捕捉性を低下させず、導電粒子の良好な押し込みを可能として導通信頼性の低下を抑制し、しかも良好な粘着性を示す異方性導電フィルムを提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、異方性導電フィルムを、絶縁ベース層と中間層と粘着層とを積層して構成し、少なくとも粘着層又は中間層のいずれかに導電粒子を保持させ且つ熱重合性とした上で、絶縁ベース層の溶融粘度よりも、中間層及び粘着層のそれぞれの溶融粘度を高くし、しかも導電粒子を、異方性導電フィルムを平面視したときに互いに独立的に存在するようにするとともに、熱重合後の異方性導電フィルム全体の弾性率を所定の数値より高くすることにより本願発明の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0007

即ち、本発明は、絶縁ベース層と粘着層との間に中間層が挟持されており、少なくとも粘着層又は中間層のいずれかに導電粒子が保持された熱重合性の異方性導電フィルムであって、
中間層及び粘着層のそれぞれの溶融粘度が、絶縁ベース層の溶融粘度よりも高く、
導電粒子が、異方性導電フィルムを平面視したときに互いに独立的に存在しており、
熱重合後の異方性導電フィルム全体の100℃における弾性率が1800MPaより高い異方性導電フィルムを提供する。

0008

加えて本発明は、上述の異方性導電フィルムで第1電子部品を第2電子部品に異方性導電接続した接続構造体を提供する。

発明の効果

0009

本発明の熱重合性の異方性導電フィルムは、絶縁ベース層と中間層と粘着層とが積層された構造を有している。この粘着層のために、異方性接続すべき対象物への仮貼り性が安定する。また、少なくとも粘着層又は中間層のいずれかに導電粒子が保持され、更に、中間層と粘着層の溶融粘度が、絶縁ベース層よりも高く設定されている。このため、異方性導電接続の際に、導電粒子を過度に流動させることなく良好に押し込むことができ、良好な粒子捕捉性と導通信頼性とを確保することが可能となる。また、異方性導電フィルムを平面視したときに、導電粒子が互いに独立的に存在している。このため、異方性導電フィルム中で導電粒子の凝集が生ずることを防止でき、異方性導電接続の際のショートの発生を防止することが可能となる。また、導電粒子が独立的に存在しているため、ツールからの押圧力を均等にすることができ、導電粒子の押し込みを均一にすることができる。これは導電粒子を保持させる層を光硬化させていないため、光硬化された樹脂による押し込みの抵抗が低減されるからでもある。更に、熱重合後の異方性導電フィルム全体の100℃における弾性率が、1800MPaより高く設定されている。このため、熱重合後の導電粒子の押し込みの保持を一定以内にすることが可能となる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本願発明の異方性導電フィルムの断面図である。
図2は、本願発明の異方性導電フィルムの断面図である。
図3は、本願発明の異方性導電フィルムの断面図である。
図4は、本願発明の異方性導電フィルムの断面図である。
図5は、本願発明の異方性導電フィルムの断面図である。
図6は、従来(比較例1)の異方性導電フィルムの断面図である。
図7は、比較例2の異方性導電フィルムの断面図である。
図8は、比較例3の異方性導電フィルムの断面図である。
図9は、比較例4の異方性導電フィルムの断面図である。

0011

以下、本発明の異方性導電フィルムの一例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は、同一又は同等の構成要素を表している。

0012

<<異方性導電フィルムの全体構成>>
図1は、本発明の一実施例の異方性導電フィルム10の断面図である。この異方性導電フィルム10は、絶縁ベース層1と、中間層2と、粘着層3とが積層された構成を有する。これらの少なくとも1層は熱重合性である。好ましくは3層とも熱重合性である。

0013

図1の態様では、導電粒子4は、中間層2と粘着層3との間で保持されているが、導電粒子4は、絶縁ベース層1と、中間層2と、粘着層3とのいずれかの層で保持されていればよい。例えば、図2の態様では、導電粒子4は粘着層3に埋入しており、図3の態様では、導電粒子4は絶縁ベース層1と中間層2との間で保持されており、図4の態様では、導電粒子4は中間層2に埋入している。また、図5の態様では、図1の態様と同様に、導電粒子4は中間層2と粘着層3との間に保持され、更に、溶融粘度調整のために絶縁フィラ5が中間層2に含有されている。なお、絶縁フィラ5は、他の層に存在させてもよく、2以上の層又は3層すべてに含有させていてもよい。

0014

本発明においては、前述したように、絶縁ベース層1、中間層2及び粘着層3の少なくとも一層が熱重合性を示すが、この場合、導電粒子4を保持している層が熱重合性であることが好ましい。導電粒子4の意図しない流動を防止するためである。従って、これらの層は、熱重合性化合物熱重合開始剤とを含有する熱重合性組成物の層から構成されていることが好ましい。このような熱重合性組成物は、更に、溶融粘度調整のために、シリカ粉アルミナ粉などの絶縁フィラを含有してもよく、更に、充填剤軟化剤、促進剤、老化防止剤着色剤顔料染料)、有機溶剤イオンキャッチャー剤などを含有することができる。

0015

本発明の異方性導電フィルム10においては、中間層2及び粘着層3のそれぞれの溶融粘度が、絶縁ベース層1の溶融粘度よりも高くなっている。好ましくは粘着層3>中間層2>絶縁ベース層1の順である。これにより、異方性導電接続の際に導電粒子4を良好に押し込むことが可能となる。また、比較的高い溶融粘度の中間層2を設けることにより、導電粒子の加圧ツールからの押し込みと、樹脂流動の抑制を両立させやすくなる。具体的には、絶縁ベース層1の溶融粘度が、80℃で好ましくは3000mPa・s以下、より好ましくは1000mPa・s以下であり、中間層2の溶融粘度が、80℃で好ましくは1000〜20000mPa・s、より好ましくは3000〜15000mPa・sであり、粘着層の溶融粘度が、80℃で好ましくは1000〜20000mPa・s、より好ましくは3000〜15000mPa・sである。なお、溶融粘度は、例えば回転式レオメータ(TA Instruments社)を用い、昇温速度10℃/分;測定圧力5g一定;使用測定プレート直径8mmという条件で測定することができる。

0016

また、本発明の異方性導電フィルム10においては、導電粒子4が、異方性導電フィルム10を平面視したときに互いに独立的に存在している。ここで、“互いに独立的に存在”とは、導電粒子4が凝集せずに互いに非接触であり、しかもフィルム厚み方向にも重なり合いがない状態を意味する。“非接触”の程度は、互いに隣接する導電粒子4の中心間距離平均粒子径の好ましくは1.5〜50倍、より好ましくは、2〜30倍である。また、“フィルム厚み方向にも重なり合いがない状態”とは、異方性導電フィルムを平面視したときに、導電粒子が他の導電粒子と重なり合わないことを意味する。

0017

なお、全導電粒子に対する“独立的に存在している導電粒子”の割合は、95%以上が好ましくは96%以上がより好ましく、99%より大きいことが更により好ましい。この割合の測定は、金属顕微鏡電子顕微鏡の面視野画像から計測することにより行うことができる。また、公知の画像解析計測システム(例えば、三谷産業株式会社のWinROOF)を用いて行ってもよい。

0018

導電粒子4は、前述したように、異方性導電フィルム10を平面視したときに互いに独立的に存在しているが、異方性導電フィルム10全体における均一な光透過を実現するために、規則配列されていることが好ましい。規則配列としては、六角格子斜方格子正方格子矩形格子平行体格子等の格子状に配列されていることが好ましい。また、格子形状ではなく、直線上に配列した線状を並列に形成したものでもよい。この場合、フィルム幅方向斜行するように線が存在していることが好ましい。線間の距離は特に制限はされない、規則的であってもランダムであってもよいが、規則性があることが実用上好ましい。

0019

また、異方性導電フィルム10を平面視したときの導電粒子の面積占有率は、ショート発生リスクを抑制するため、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。また接続の際に端子における粒子捕捉数の減少を抑制し、導通抵抗値の増加を抑制するために、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。

0020

なお、導電粒子が端子のレイアウトを加味して規則配列している場合は、端子への捕捉数の減少は最小限に抑えることができるため、面積占有率は0.2%以上であれば実用上問題はなく、安定した接続を得るためには5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。ここで、端子のレイアウトを加味した規則配列とは、例えば矩形状端子の長辺方向(一般的なICによるCOG接続の場合は、フィルムの幅方向)において、導電粒子の外接線が直線上にならないようにして、且つ外接線が導電粒子を貫くように配置された格子状の配列を指す。蛇行している状態とも言い換えることができる。このようにすることで、比較的捕捉されにくい端子の縁端部に導電粒子が存在するような場合に、最低限の導電粒子は捕捉させることができるようになる。導電粒子の外接線が直線上になる、即ち一致している場合、端子の縁端部に存在する導電粒子は一様に捕捉されない状態になりかねない。上記はそれを回避するための配置の一例である。このように規則配列している導電粒子は、全導電粒子個数の99%より多いことが好ましい。

0021

本発明の異方性導電フィルム10は、熱重合後の100℃における弾性率が1800MPaより高く、好ましくは2100MPa以上である。弾性率が1800MPaより大きいと導電粒子の押し込みの保持が良好になるからである。なお、異方性導電フィルム10の靭性(柔軟性)の低下を抑制して、基材間での密着力の低下を抑制するために、弾性率を3000MPa以下とすることが好ましく、2500MPa以下にすることがより好ましい。ここで、“熱重合後”は、熱重合性化合物の反応率で定義することができる。具体的には、熱重合性化合物のエポキシ環又は不飽和基赤外吸収スペクトル赤外分光光度計(例えば、FT/IR−4100、日本分光株式会社製)を用いて測定し、反応(接続)前と反応(接続)後のエポキシ環の吸収波長減衰量(%)または不飽和基の吸収波長の減衰量(%)を求め、この減衰量(%)を反応率とし、この反応率が80%以上となった後を「熱重合後」とする。なお、弾性率は、JIS K7244−4に準拠して測定することができる。

0022

また、本発明の異方性導電フィルム10は、熱重合後のガラス転移温度が好ましくは145℃より高く、より好ましくは160℃よりも高い。ガラス転移温度が145℃より高いと粒子の押し込み後保持力が良好になり、且つ基材間での密着が保たれ易くなるからである。また、接続後の接着強度の著しい低下を招かなければ、ガラス転移温度に上限を設ける必要はないが、ハンドリング性の観点から、通常220℃以下、好ましくは168℃以下である。

0023

<絶縁ベース層1>
絶縁ベース層1は、熱重合性化合物と熱重合開始剤とを含有する熱重合性組成物の層である。必要に応じ、光重合開始剤を含有してもよい。熱重合性組成物の例としては、(メタアクリレート化合物熱ラジカル重合開始剤とを含む熱ラジカル重合性アクリレート組成物エポキシ化合物熱カチオン重合開始剤とを含む熱カチオン重合性エポキシ系組成物等が挙げられる。

0024

ここで、(メタ)アクリレート化合物としては、従来公知の熱重合型(メタ)アクリレートモノマーを使用することができる。例えば、単官能(メタ)アクリレート系モノマー、二官能以上の多官能(メタ)アクリレート系モノマーを使用することができる。本発明においては、異方性導電接続時に中間層等を熱硬化できるように、(メタ)アクリレート系モノマーの少なくとも一部に多官能(メタ)アクリレート系モノマーを使用することが好ましい。ここで、(メタ)アクリレートには、アクリレートとメタクリレートとが包含される。

0025

熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物アゾ系化合物等を挙げることができる。特に、気泡の原因となる窒素を発生しない有機過酸化物を好ましく使用することができる。

0026

熱ラジカル重合開始剤の使用量は、少なすぎると硬化不良となり、多すぎると製品ライフの低下となるので、(メタ)アクリレート化合物100質量部に対し、好ましくは2〜60質量部、より好ましくは5〜40質量部である。

0027

エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、それらの変性エポキシ樹脂脂環式エポキシ樹脂などを挙げることができ、これらの2種以上を併用することができる。また、エポキシ化合物に加えてオキセタン化合物を併用してもよい。

0028

熱カチオン重合開始剤としては、エポキシ化合物の熱カチオン重合開始剤として公知のものを採用することができ、例えば、熱により酸を発生するヨードニウム塩スルホニウム塩ホスホニウム塩フェロセン類等を用いることができ、特に、温度に対して良好な潜在性を示す芳香族スルホニウム塩を好ましく使用することができる。

0029

熱カチオン重合開始剤の配合量は、少なすぎても硬化不良となる傾向があり、多すぎても製品ライフが低下する傾向があるので、エポキシ化合物100質量部に対し、好ましくは2〜60質量部、より好ましくは5〜40質量部である。

0030

熱重合性組成物は、膜形成樹脂シランカップリング剤を含有することが好ましい。膜形成樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂飽和ポリエステル樹脂ウレタン樹脂ブタジエン樹脂ポリイミド樹脂ポリアミド樹脂ポリオレフィン樹脂等を挙げることができ、これらの2種以上を併用することができる。これらの中でも、製膜性、加工性、接続信頼性の観点から、フェノキシ樹脂を好ましく使用することができる。また、シランカップリング剤としては、エポキシ系シランカップリング剤アクリル系シランカップリング剤等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、主としてアルコキシシラン誘導体である。

0031

なお、熱重合性組成物には、必要に応じて充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤(顔料、染料)、有機溶剤、イオンキャッチャー剤などを配合することができる。

0032

以上のような熱重合性組成物からなる絶縁ベース層1の厚みは、好ましくは3〜50μm、より好ましくは5〜20μmである。

0033

<中間層2>
中間層2は、絶縁ベース層1で説明した熱重合性化合物と熱重合開始剤とを含有することができる。そのような場合、中間層2も熱重合性化合物と熱重合開始剤とを含有する熱重合性組成物の層であり、導電粒子4を保持することができる。この中間層2は、すでに説明したように、絶縁ベース層1よりも、溶融粘度が高くなっているため、導電粒子4の捕捉性を向上させることができる。

0034

中間層2の厚みは、好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜20μmであるが、絶縁ベース層1よりも厚くならないことが好ましい。

0035

<粘着層3>
粘着層3は、中間層2の粘着性が十分でない場合であっても、異方性導電フィルム10に良好な粘着性を付与するための層である。このような粘着層3は、絶縁ベース層1や中間層2を構成する熱重合性組成物と同様の組成物の層から構成することができる。

0036

このような粘着層3の厚みは、好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜20μmである。絶縁ベース層1よりも厚くならないことが好ましい。粘着層3と中間層2の厚みの合計が絶縁ベース層1の1〜10倍の関係になることが好ましい。

0037

<導電粒子4>
導電粒子4としては、従来公知の異方性導電フィルムに用いられているものの中から適宜選択して使用することができる。例えばニッケルコバルト、銀、銅、金、パラジウムなどの金属粒子ハンダなどの合金粒子金属被覆樹脂粒子などが挙げられる。2種以上を併用することもできる。

0038

導電粒子4の平均粒径としては、配線高さのばらつきに対応できるようにし、また、導通抵抗の上昇を抑制し、且つショートの発生を抑制するために、好ましくは1μm以上30μm以下、より好ましくは3μm以上9μm以下である。導電粒子4の粒径は、一般的な粒度分布測定装置により測定することができ、また、その平均粒径も粒度分布測定装置を用いて求めることができる。

0039

なお、導電粒子4が金属被覆樹脂粒子である場合、樹脂コア粒子粒子硬さ(20%K値圧縮弾性変形特性K20)は、良好な接続信頼性を得るために、好ましくは100〜10000kgf/mm2、より好ましくは1000〜7000kgf/mm2である。

0040

導電粒子4の異方性導電フィルム10中の存在量は、導電粒子捕捉効率の低下を抑制し、且つショートの発生を抑制するために、好ましくは1平方mm当たり50個以上100000個以下、より好ましくは200個以上70000個以下である。この存在量の測定はフィルム面を光学顕微鏡で観察することにより行うことができる。

0041

なお、導電粒子4の異方性導電フィルム10中の存在量は質量基準で表すこともができる。この場合、その存在量は、異方性導電フィルム10の全質量を100質量部としたときに、その100質量部中に好ましくは1質量部以上30質量部以下、より好ましくは3質量部以上10質量部以下となる量である。

0042

<<異方性導電フィルムの製造方法>>
本発明の図1の異方性導電フィルムは、例えば、表面に導電粒子を保持している熱重合性組成物からなる中間層の片面に別途作製した絶縁ベース層を配置し、中間層の他面に別途作製した粘着層を配置し、全体を貼り合わせることにより製造することができる。ここで、中間層に導電粒子を保持させる手法としては、従来公知の手法を利用することができる。例えば、中間層フィルムに導電粒子を直接散布することにより中間層に導電粒子を保持することができる。あるいは延伸用の粘着層に導電粒子を単層で付着させた後に二軸延伸させ、その延伸させたフィルムに中間層を押圧して導電粒子を中間層に転写することにより中間層に導電粒子を保持することができる。また、転写型を使用して中間層に導電粒子を保持させることもできる。本発明の異方性導電フィルムを転写型を使用して製造する例を以下に説明する。

0043

図1図5)に示した異方性導電フィルム10は、以下の工程A〜Eに従って製造することができる。

0044

まず、複数の凹部が形成された転写型の凹部に導電粒子を入れる(工程A)。続いて、転写型内の導電粒子に、熱重合性化合物と熱重合開始剤と必要に応じて絶縁フィラとを含有する熱重合性組成物を押圧することにより導電粒子が転写された中間層を形成する(工程B)。次に中間層とは別に、熱重合性化合物と熱重合開始剤とを含有する熱重合性組成物を成膜することにより絶縁ベース層を形成し(工程C)、同様に粘着層を形成する(工程D)。中間層の導電粒子転写面に粘着層を配置し、導電粒子非転写面に絶縁ベース層を配置し、全体を貼り合わすことにより図1図5)の異方性導電フィルム10を得ることができる。

0045

工程Bの押圧を調整することにより、導電粒子の中間層への埋入の程度を変化させることができる。押圧の程度を大きくすることにより導電粒子の中間層中への埋入の程度が大きくなり、最終的には完全に中間層中に完全に埋入させることができる。このようにすれば、図4の異方性導電フィルムも製造することができる。

0046

中間層の導電粒子転写面に絶縁べース層、導電粒子非転写面に粘着層を配置すれば図3の異方性導電フィルム10が得られる。また、導電粒子を埋入させる対象を中間層から粘着層に変更すれば、図2の異方性導電フィルムを製造することができる。

0047

(転写型)
本発明の製造方法で使用する転写型としては、例えば、シリコン、各種セラミックスガラスステンレススチールなどの金属等の無機材料や、各種樹脂等の有機材料などに対し、フォトリソグラフ法等の公知の開口形成方法によって開口を形成したものを使用することができる。また、転写型は、板状、ロール状等の形状をとることができる。

0048

転写型の凹部の形状としては、円柱状、四角柱等の柱形状、円錐台角錐台円錐形四角錐形等の錐体形状等を例示することができる。

0049

凹部の配列としては、導電粒子にとらせる配列に応じて格子状、千鳥状等に適宜設定することができる。

0050

凹部の深さに対する導電粒子の平均粒子径の比(=導電粒子の平均粒子径/開口の深さ)は、転写性向上と導電粒子保持性とのバランスから、好ましくは0.4〜3.0、より好ましくは0.5〜1.5である。なお、転写型の凹部の径と深さは、レーザー顕微鏡で測定することができる。

0051

凹部の開口径の導電粒子の平均粒子径に対する比(=凹部の開口径/導電粒子の平均粒子径)は、導電粒子の収容のしやすさ、絶縁性樹脂の押し込みやすさ等のバランスから、好ましくは1.1〜2.0、より好ましくは1.3〜1.8である。

0052

なお、凹部の開口径よりもその底径が小さい場合には、底径は導電粒子径の1.1倍以上2倍未満とし、開口径を導電粒子径の1.3倍以上3倍未満とすることが好ましい。

0053

<<接続構造体>>
本発明の異方性導電フィルムは、ICチップ、ICモジュールFPCなどの第1電子部品と、FPC、ガラス基板リジッド基板セラミック基板などの第2電子部品とを異方性導電接続する際に好ましく適用することができる。このようにして得られる接続構造体も本発明の一部である。

0054

異方性導電フィルムを用いた電子部品の接続方法としては、例えば、各種基板などの第2電子部品に対し、異方性導電フィルムを粘着層側から仮貼りし、仮貼りされた異方性導電フィルムに対し、ICチップ等の第1電子部品を搭載し、熱圧着することにより製造することができる。

0055

以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、弾性率は、動的粘弾性測定器DDV01FP−W、株式会社エー・アンド・デイ)を用い、引っ張りモード、周波数11Hz、昇温速度3℃/min、測定温度域0〜260℃という条件で、JIS K7244−4に準じて測定した。また、ガラス転移温度は、JISK7244−4に準じて測定した貯蔵弾性率E’と損失弾性率E’’からtanδを算出し、極大点をガラス転移温度とした。溶融粘度は、回転式レオメータ(TA Instruments社)を用い、昇温速度10℃/分、測定圧力5g一定、使用測定プレート直径8mm、測定温度80℃という条件で測定した。

0056

なお、以下の各実施例並びに比較例の異方性導電フィルムを構成する各層の配合組成を表1に示し、異方性導電フィルムの各層の構造(該当図)、寸法(厚み)、物性や、異方性導電フィルムの評価結果を、表2に示す。

0057

実施例1(図1の異方性導電フィルムの製造)
(絶縁ベース層の形成)
フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)、YP−50)40質量部、シリカフィラアエロジルR805、日本アエロジル(株))5質量部、液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)、jER828)55質量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学工業(株)、SI−60L)4質量部、及びシランカップリング剤(信越化学工業(株)、KBM−403)1質量部を含有する熱重合性組成物を調製し、これをフィルム厚さ50μmのPETフィルム上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブンにて5分間乾燥させ、PETフィルム上に表1の厚み(14μm)の粘着性の絶縁ベース層を形成した。この絶縁ベース層の溶融粘度を表2に示す。

0058

(中間層の形成)
一方、正方格子パターンに対応した凸部の配列パターンを有する金型を作成し、その金型に、公知の透明性樹脂ペレット溶融させたものを流し込み、冷やして固めることで、表1の密度(導電粒子の粒子密度に対応)の正方格子パターンの凹部を有する樹脂製の転写型を作製した。この転写型の凹部に導電粒子(積水化学工業(株)、AUL703、粒径3μm)を充填した。

0059

それとは別に、フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)、YP−50)40質量部、シリカフィラ(アエロジルR805、日本アエロジル(株))30質量部、液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)、jER828)30質量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学工業(株)、SI−60L)4質量部、及びシランカップリング剤(信越化学工業(株)、KBM−403)1質量部を含有する熱重合性組成物を調製し、この熱重合性組成物をフィルム厚さ50μmのPETフィルム上に塗布し、80℃のオーブンにて5分間乾燥させて得た表1の厚み(2μm)の粘着性の中間層を作成した。この中間層を弾性ローラーを用いて、押圧時温度50℃、押圧0.5MPaという条件で転写型の導電粒子収容面に押圧することにより、導電粒子が転写された中間層を形成し、転写型から剥離した。この中間層の溶融粘度、全導電粒子に対する独立的に存在している導電粒子の割合、導電粒子占有面積割合を表2に示す。

0060

(粘着層の形成)
フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)、YP−50)50質量部、シリカフィラ(アエロジルR805、日本アエロジル(株))20質量部、液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)、jER828)30質量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学工業(株)、SI−60L)4質量部、及びシランカップリング剤(信越化学工業(株)、KBM−403)1質量部を含有する熱重合性組成物を調製し、これをフィルム厚さ50μmのPETフィルム上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブンにて5分間乾燥させ、PETフィルム上に表1の厚み(2μm)の粘着層を形成した。この粘着層の溶融粘度を表2に示す。

0061

(絶縁ベース層と中間層と粘着層との積層)
中間層の導電粒子非転写面に、絶縁ベース層を対向させ、導電粒子転写面に粘着層を対向させ、これらを押圧時温度50℃、押圧0.2MPaという条件で貼り合わすことで図1の異方性導電フィルムを製造した。

0062

得られた異方性導電フィルムの弾性率及びガラス転移温度を表2に示す。

0063

実施例2(図1の異方性導電フィルムの製造)
粘着層で使用した熱重合性組成物において、フェノキシ樹脂を50質量部から40質量部に、シリカフィラを20質量部から30質量部に変更し、中間層で使用した熱重合性組成物において、フェノキシ樹脂を40質量部から50質量部に、シリカフィラを30質量部から20質量部にそれぞれ変更すること以外は、実施例1と同様にして異方性導電フィルムを作成した。得られた異方性導電フィルムの弾性率及びガラス転移温度を表2に示す。

0064

実施例3(図1の異方性導電フィルムの製造)
中間層で使用した熱重合性組成物において、フェノキシ樹脂を40質量部から50質量部に、シリカフィラを30質量部から20質量部に変更すること以外は、実施例1と同様にして異方性導電フィルムを作成した。得られた異方性導電フィルムの弾性率及びガラス転移温度を表2に示す。

0065

実施例4(図1の異方性導電フィルムの製造)
粘着層で使用した熱重合性組成物において、フェノキシ樹脂を50質量部から40質量部に、シリカフィラを20質量部から30質量部に変更すること以外は、実施例1と同様にして異方性導電フィルムを作成した。得られた異方性導電フィルムの弾性率及びガラス転移温度を表2に示す。

0066

実施例5(図1の異方性導電フィルムの製造)
粘着層で使用した熱重合性組成物において、フェノキシ樹脂を50質量部から30質量部に、シリカフィラを20質量部から40質量部に変更し、中間層で使用した熱重合性組成物において、フェノキシ樹脂を40質量部から30質量部に、シリカフィラを30質量部から40質量部にそれぞれ変更すること以外は、実施例1と同様にして異方性導電フィルムを作成した。得られた異方性導電フィルムの弾性率及びガラス転移温度を表2に示す。

0067

実施例6(図1の異方性導電フィルムの製造)
絶縁ベース層で使用した熱重合性組成物において、フェノキシ樹脂を40質量部から30質量部に、シリカフィラを5質量部から15質量部に変更し、中間層で使用した熱重合性組成物において、フェノキシ樹脂を40質量部から30質量部に、シリカフィラを30質量部から40質量部に変更し、粘着層で使用した熱重合性組成物において、フェノキシ樹脂を50質量部から30質量部に、シリカフィラを20質量部から40質量部に変更すること以外は、実施例1と同様にして異方性導電フィルムを作成した。

0068

実施例7(図2の異方性導電フィルムの製造)
中間層に代えて、粘着層を転写型の導電粒子収容面に押圧時温度6℃、押圧1.0MPaという条件に変更して押圧することにより、導電粒子が転写(ほぼ埋入)された粘着層を形成し、粘着層の導電粒子転写面に、中間層、更に絶縁ベース層を対向させ、これらを押圧時温度50℃、押圧0.2MPaという条件で貼り合わすこと以外、実施例1と同様にして図2の異方性導電フィルムを製造した。得られた異方性導電フィルムの弾性率及びガラス転移温度を表2に示す。

0069

実施例8(図3の異方性導電フィルムの製造)
中間層の導電粒子転写面に、絶縁ベース層を対向させ、導電粒子非転写面に粘着層を対向させ、これらを押圧時温度50℃、押圧0.2MPaという条件で貼り合わすことで図3の異方性導電フィルムを製造した。得られた異方性導電フィルムの弾性率及びガラス転移温度を表2に示す。

0070

実施例9(図4の異方性導電フィルムの製造)
中間層に導電粒子を転写させる際の条件を押圧時温度60℃、押圧1MPaに変更することにより、導電粒子を中間層に埋入させること以外は、実施例1と同様にして図4の異方性導電フィルムを製造した。得られた異方性導電フィルムの弾性率及びガラス転移温度を表2に示す。

0071

実施例10(図1の異方性導電フィルムの製造)
各層の熱カチオン重合開始剤(三新化学工業(株)、SI−60L)4質量部をカチオン系光重合開始剤(アデカオプトマー SP−171、株式会社ADEKA)4質量部に置き換える以外、実施例1と同様に製造した異方性導電フィルムを用意した。

0072

比較例1(図6の異方性導電フィルムの製造)
(粘着層の形成)
フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)、YP−50)40質量部、シリカフィラ(アエロジルR805、日本アエロジル(株))30質量部、液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)、jER828)30質量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学工業(株)、SI−60L)4質量部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)、KBM−403)1質量部、及び導電粒子(積水化学工業(株)、AUL703、粒径3μm)40質量部を混合することにより、導電粒子が分散している熱重合性組成物を調整した。この熱重合性組成物をフィルム厚さ50μmのPETフィルム上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブンにて5分間乾燥させ、PETフィルム上に表1の厚み(4μm)の粘着層を形成した。この粘着層の溶融粘度を表2に示す。

0073

(絶縁ベース層の形成)
実施例1と同様の絶縁ベース層を用意した。

0074

(絶縁ベース層と粘着層との積層)
粘着層と絶縁ベース層とを対向させ、これらを押圧時温度50℃、押圧0.2MPaという条件で貼り合わすことで図6の2層構造の異方性導電フィルムを製造した。

0075

得られた異方性導電フィルムの弾性率及びガラス転移温度を表2に示す。

0076

比較例2(図7の異方性導電フィルムの製造)
(粘着層の形成)
フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)、YP−50)30質量部、シリカフィラ(アエロジルR805、日本アエロジル(株))20質量部、液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)、jER828)30質量部、光ラジカル重合型樹脂EB600(ダイセルオルクス株式会社)20質量部、光ラジカル重合開始剤IRGACURE369(BASFジャパン(株))3質量部、及びシランカップリング剤(信越化学工業(株)、KBM−403)1質量部を混合することにより、導電粒子が分散している光重合性組成物を調整した。この光重合性組成物をフィルム厚さ50μmのPETフィルム上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブンにて5分間乾燥させ、PETフィルム上に表1の厚み(4μm)の粘着層を形成した。この粘着層の溶融粘度を表2に示す。

0077

この粘着層を、実施例1と同様に押圧時温度50℃、押圧0.5MPaという条件で転写型の導電粒子収容面に押圧することにより、導電粒子が転写された粘着層を形成し、転写型から剥離した。この粘着層の溶融粘度、全導電粒子に対する独立的に存在している導電粒子の割合、導電粒子占有面積割合を表2に示す。

0078

(絶縁ベース層の形成)
実施例1と同様の絶縁ベース層を用意した。

0079

(絶縁ベース層と粘着層との積層)
粘着層の導電粒子転着面に絶縁ベース層を対向させ、これを押圧時温度50℃、押圧0.2MPaという条件で貼り合わせ、波長365nm、積算光量4000mL/cm2の紫外線照射することで図7の2層構造の異方性導電フィルム70を製造した。この異方性導電フィルム70は、熱重合性の絶縁ベース層71と光重合した粘着層73と、それらの界面に導電粒子4が保持されている構造を有している。

0080

得られた異方性導電フィルムの弾性率及びガラス転移温度を表2に示す。

0081

比較例3(図8の異方性導電フィルムの製造)
(絶縁ベース層の形成)
実施例1と同様の絶縁ベース層を用意した。

0082

(中間層の形成)
フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)、YP−50)30質量部、シリカフィラ(アエロジルR805、日本アエロジル(株))20質量部、液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)、jER828)30質量部、光ラジカル重合型樹脂EB600(ダイセル・オルネクス株式会社)20質量部、光ラジカル重合開始剤IRGACURE369(BASFジャパン(株))3質量部、及びシランカップリング剤(信越化学工業(株)、KBM−403)1質量部を含有する熱重合性組成物を調製し、この熱重合性組成物をフィルム厚さ50μmのPETフィルム上に塗布し、80℃のオーブンにて5分間乾燥させて得た表1の厚み(4μm)の粘着性の中間層を作成した。この中間層を実施例1と同様に転写型の導電粒子収容面に押圧することにより、導電粒子が転写された中間層を形成し、転写型から剥離した。この中間層の溶融粘度、全導電粒子に対する独立的に存在している導電粒子の割合、導電粒子占有面積割合を表2に示す。

0083

(粘着層の形成)
フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)、YP−50)35質量部、シリカフィラ(アエロジルR805、日本アエロジル(株))10質量部、液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)、jER828)55質量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学工業(株)、SI−60L)4質量部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)、KBM−403)1質量部の粘着層を用意した。

0084

(絶縁ベース層と中間層と粘着層との積層)
中間層の導電粒子転写面に粘着層を、導電粒子非転写面に絶縁ベース層を対向させ、これらを押圧時温度50℃、押圧0.2MPaという条件で貼り合わせ波長365nm、積算光量4000mL/cm2の紫外線を照射することで図8の異方性導電フィルム80を製造した。この異方性導電フィルム80は、熱重合性の絶縁ベース層81と光重合した中間層82と熱重合性の粘着層83とが積層され、中間層82と粘着層83との界面に導電粒子4が保持されている構造を有している。

0085

比較例4(図9の異方性導電フィルムの製造)
(粘着層の形成)
フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)、YP−50)30質量部、シリカフィラ(アエロジルR805、日本アエロジル(株))20質量部、液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)、jER828)30質量部、光ラジカル重合型樹脂EB600(ダイセル・オルネクス株式会社)20質量部、光ラジカル重合開始剤IRGACURE369(BASFジャパン(株))3質量部、及びシランカップリング剤(信越化学工業(株)、KBM−403)1質量部を混合することにより、導電粒子が分散している光重合性組成物を調整した。この光重合性組成物をフィルム厚さ50μmのPETフィルム上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブンにて5分間乾燥させ、PETフィルム上に表1の厚み(2μm)の粘着層を形成した。この粘着層の溶融粘度を表2に示す。

0086

(中間層の形成)
フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)、YP−50)35質量部、シリカフィラ(アエロジルR805、日本アエロジル(株))10質量部、液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)、jER828)55質量部、熱カチオン重合開始剤(三新化学工業(株)、SI−60L)4質量部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)、KBM−403)1質量部で実施例1と同様の導電粒子が転写した中間層を用意した。

0087

(絶縁ベース層の形成)
実施例1と同様の絶縁ベース層を用意した。

0088

(絶縁ベース層と中間層と粘着層との積層)
中間層の導電粒子転写面に粘着層を、導電粒子非転写面に絶縁ベース層を対向させ、これらを押圧時温度50℃、押圧0.2MPaという条件で貼り合わせ、波長365nm、積算光量4000mL/cm2の紫外線を照射することで図9の異方性導電フィルム90を製造した。この異方性導電フィルム90は、熱重合性の絶縁ベース層91と熱重合性の中間層92と光重合した粘着層93とが積層され、中間層92と粘着層93との界面に導電粒子4が保持されている構造を有している。

0089

得られた異方性導電フィルムの弾性率及びガラス転移温度を表2に示す。

0090

<評価>
実施例1〜10及び比較例1〜4の異方性導電フィルムについて、以下の評価用ICとガラス基板とを以下の条件の熱圧着接続により(実施例10については、以下のUV照射併用)異方性導電接続して評価用接続構造体を作成した。

0091

評価用IC:外径=1.8mm×20mm×0.2mm、金バンプ仕様=15μm(高)×15μm(幅)×100μm(長)(バンプ間ギャップ15μm)

0092

ITOコーティング配線付ガラス基板:外径=30mm×50mm×0.5mm

0093

熱圧着接続:ICチップ側から、150℃で80MPa、5秒間の熱圧着。

0094

UV照射接続:100℃で80MPaの圧力で5秒間熱圧着する一方で、熱圧着開始後4秒後に1秒間、紫外線照射装置(オムロン(株)、ZUV−C30H)からi線を1秒間照射。

0095

作成したこれらの評価用接続構造体について、(a)初期導通抵抗、(b)導通信頼性、(c)ショート発生率、(d)仮貼り性、(e)粒子捕捉性を、それぞれ以下に説明するように評価した。得られた結果を表2に示す。

0096

(a)初期導通抵抗
得られた評価用接続構造体の導通抵抗を、デジタルマルチメータを用いて4端子法で2mAの電流通電したときの値を測定した。実用上、測定抵抗値が2Ω以下であることが望まれる。

0097

(b)導通信頼性
得られた評価用接続構造体を、温度85℃、湿度85%RHの恒温槽に500時間おいた後の導通抵抗を、初期導通信抵抗と同様に測定した。実用上、測定抵抗値が6Ω以下であることが望まれる。

0098

(c)ショート発生率
接続構造体を作成する際に、評価用ICを以下のIC(7.5μmスペース櫛歯TEG(test element group))に変更した。得られた接続構造体についてショート発生率をデジタルマルチメータを用いて測定し、以下の基準で評価した。
外径1.5×13mm
厚み 0.5mm
Bump仕様金メッキ、高さ15μm、サイズ25×140μm、Bump間Gap7.5μm

0099

評価基準
OK(良好):ショート発生率が、200ppm未満である場合
NG(不良): ショート発生率が、200ppm以上である場合

0100

(d)仮貼り性
市販のACF貼り付け装置型番TTO−1794M、メカトロニクス(株))を用いて異方性導電フィルムをサイズ2mm×5cmでガラス基板に貼り付け、1秒後の到達温度が40〜80℃になるよう、圧力1MPaで仮貼りし、ガラス基板を裏返した場合に、異方性導電フィルムがガラス基板から剥がれたり浮いたりしないかを目視し、以下の基準で評価した。

0101

(評価基準)
A(非常に良好):40℃でも良好に仮貼りできた場合
B(良好):40℃では仮貼りできないが、60℃で仮貼りできた場合
C(普通):60℃では仮貼りできないが、80℃で仮貼りできた場合
D(不良):80℃では仮貼りできない場合

0102

(e)粒子捕捉性
接続後の端子をガラス基板側から金属顕微鏡を用いて観察し、圧痕数カウントすることで粒子の捕捉性を判定した。判定基準は以下に示す。なお、表中、「e−1」は接続面積1500μm2のICチップ(チップサイズ15μm×100μm)における粒子捕捉性評価結果であり、「e−2」はそのアライメントを7μmずらして接続面積800μm2のICチップにおける粒子捕捉性評価結果である。

0103

(評価基準)
A(非常に良好):10個以上
B(良好):5個以上10個未満
C(普通):3個以上5個未満
D(不良):3個未満

0104

0105

0106

表2から分かるように、実施例1〜10の異方性導電フィルムは、いずれの評価項目について良好な結果を示した。特に、粒子を保持する層の溶融粘度が、絶縁ベース層の溶融粘度よりも著しく高い場合には、粒子の捕捉性が向上するという効果があった。この効果が発現する理由は、導電粒子を保持する層である中間層の溶融粘度が、絶縁ベース層の溶融粘度よりも高いため、絶縁ベース層によって中間層が押しのけられ難いためである。逆に、絶縁ベース層の溶融粘度が中間層の溶融粘度よりも高いと、絶縁ベース層により中間層が押しのけられ易くなり、溶融粘度が絶対的に高い中間層でも流されてしまうからである。

0107

それに対し、比較例1の異方性導電フィルムは、導電粒子が導電粒子含有層にランダムに分散していたため、ショート発生率の評価が「NG(不良)」であった。また、粘着層を有していないので、実施例に比べ仮貼り性が低下した。

実施例

0108

比較例2の場合、粘着層が光硬化したものであるので、仮貼り性に問題があった。また、100℃の弾性率が1800MPaを下回っていたので、導通信頼性の低下が顕著であった。比較例3の場合、粘着層があることで比較例2よりも仮貼り性が改善されたが、100℃の弾性率が1800MPaであったので、導通信頼性の低下が顕著であった。比較例4の場合、中間層が熱重合性であったが、粘着層が光重合したものであったので、仮貼り性に問題があった。100℃の弾性率が1800MPaであったので、(導通信頼性の低下が顕著)であった。

0109

本発明の異方性導電フィルムは、ICチップなどの電子部品の配線基板への異方性導電接続に有用である。電子部品の配線は狭小化が進んでおり、本発明は、狭小化した電子部品を異方性導電接続する場合に特に有用となる。

0110

1、71、81、91絶縁ベース層
2、82、92 中間層
3、73、83、93粘着層
4導電粒子
5絶縁フィラ
10、60、70、80、90 異方性導電フィルム
61絶縁性樹脂層
62絶縁性バインダ
63 導電粒子
64 導電粒子含有層

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