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技術 制振装置

出願人 大成建設株式会社
発明者 青野英志木村雄一欄木龍大
出願日 2015年7月8日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2015-136601
公開日 2017年1月26日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-020531
状態 特許登録済
技術分野 防振装置 流体減衰装置 異常な外部の影響に耐えるための建築物
主要キーワード リニアスライダー 減衰係数比 最上層階 チューンド 振り子型 シャットオフ弁 地震用 振り子式
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年1月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

TMDにおける浮き上がりを効果的に抑制することができる制振装置を提供する。

解決手段

TMDの錘1に、一端部が錘1に固定され、他端部が構造物に固定されて上下方向に変形するとともに、上記変形が大きくなるに従って減衰係数が大きくなるダンパー3が設けられている。

概要

背景

近年、長周期・長時間地震動に対する超高層建物振動制御技術として、これまで強風等に起因する建物微小振動に対する制振技術として用いられてきた風揺用TMD(チューンドマスダンパー)を大型化・大ストローク化して、地震の大振幅揺れの制御にまで適用範囲を広げた各種の地震用TMDが開発されている(例えば、特許文献1)。

上記地震用TMDによれば、設置場所が建物の屋上あるいは最上層階になるために、建物の計画自由度を高めることが可能になるとともに、既存の超高層建物を制振補強する際にも、当該建物を使用したままで工事を行うことができるという利点がある。

概要

TMDにおける浮き上がりを効果的に抑制することができる制振装置を提供する。TMDの錘1に、一端部が錘1に固定され、他端部が構造物に固定されて上下方向に変形するとともに、上記変形が大きくなるに従って減衰係数が大きくなるダンパー3が設けられている。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、振り子式のTMDにおける錘の浮き上がりを効果的に抑制することができる制振装置を提供する

効果

実績

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請求項1

TMDのに、一端部が上記錘に連結され、他端部が構造物に連結されて上記錘の揺動により上下方向に変形するとともに、上記変形が大きくなるに従って減衰係数が大きくなるダンパーが設けられていることを特徴とする制振装置

請求項2

上記ダンパーはオイルダンパーであり、かつ作動流体充填されたシリンダー内のピストンの前後を連通させるバイパス管に、上記錘との間の変形が大きくなるに従って上記バイパス管の流路を狭めるシャットオフ弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。

請求項3

上記TMDは振り子式であり、かつ上記錘の底部に内壁円錐面状の凹部が形成されるとともに、当該凹部の頂部に上記ダンパーの端部が連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載の制振装置。

技術分野

0001

本発明は、振り子式チューンドマスダンパ(TMD)を利用した制振装置に関するものである。

背景技術

0002

近年、長周期・長時間地震動に対する超高層建物振動制御技術として、これまで強風等に起因する建物微小振動に対する制振技術として用いられてきた風揺用TMD(チューンド・マス・ダンパー)を大型化・大ストローク化して、地震の大振幅揺れの制御にまで適用範囲を広げた各種の地震用TMDが開発されている(例えば、特許文献1)。

0003

上記地震用TMDによれば、設置場所が建物の屋上あるいは最上層階になるために、建物の計画自由度を高めることが可能になるとともに、既存の超高層建物を制振補強する際にも、当該建物を使用したままで工事を行うことができるという利点がある。

先行技術

0004

特開2011−27136号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、従来の地震用TMDは、図7に示すように、大きな50をワイヤー鋼棒51で懸垂した振り子型の装置が一般的である。
上記構成からなる振り子式の地震用TMDによれば、錘50の吊り長さを調整してTMDの周期を建物52の水平方向の固有周期同調させることにより、TMDを共振させて建物の振動エネルギーを効率的にTMDに集め、当該TMDに設置したオイルダンパーなどのエネルギー吸収装置53で吸収して上記建物52の揺れを抑制することができる。

0006

この際に、上記地震用TMDにおいては、上下地震動によって、錘50が上下方向に振動して浮き上がりを生じ、これによりTMDの性能劣化や破損が生じるおそれがある。
そこで、上記錘50の上下方向の振動を抑制するために、建物52とTMDの錘50とを上下方向にオイルダンパー54で接続することにより、上記錘50の上下方向の振動を低減させている。

0007

しかしながら、上記地震用TMDにあっては、錘50が揺動する際に、図8に示すように、錘50が原点から離れるに連れて、上下方向のオイルダンパー54が鉛直方向に対して角度θ傾斜し、この結果オイルダンパー54の減衰力Fの上下方向の成分Fvが、Fv=Fcos2θに低下してしまうという問題点もあった。

0008

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、振り子式のTMDにおける錘の浮き上がりを効果的に抑制することができる制振装置を提供することを課題とするものである。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明に係る制振装置は、TMDの錘に、一端部が上記錘に連結され、他端部が構造物に連結されて上記錘の揺動により上下方向に変形するとともに、上記変形が大きくなるに従って減衰係数が大きくなるダンパーが設けられていることを特徴とするものである。

0010

また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記ダンパーがオイルダンパーであり、かつ作動流体充填されたシリンダー内のピストンの前後を連通させるバイパス管に、上記錘との間の変形が大きくなるに従って上記バイパス管の流路を狭めるシャットオフ弁が設けられていることを特徴とするものである。

0011

さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記TMDは振り子式であり、かつ上記錘の底部に内壁円錐面状の凹部が形成されるとともに、当該凹部の頂部に上記ダンパーの端部が連結されていることを特徴とするものである。

発明の効果

0012

請求項1〜3のいずれかに記載の制振装置においては、地震時に、TMDの錘が水平方向に移動して原点位置(鉛直位置)から離れるに連れて、上記ダンパーが次第に水平方向に傾斜することにより減衰力における上下方向の成分が小さくなるものの、上記ダンパーの変形も大きくなって減衰係数が次第に大きくなるために、上記減衰力における上下方向の分力を増大させて相殺することができる。

0013

この結果、上記制振装置によれば、大地震時にTMDの錘の水平方向の変位が大きくなっても、当該錘の浮き上がりを効果的に抑制することができる。

0014

また、請求項3に記載の発明においては、地震時に上記錘が水平方向に揺動した際に、ダンパーの傾斜角度が錘の底部にピン結合した場合と比較して小さくなるために、ダンパーにおける減衰力の上下方向の成分を大きくすることができ、よって変形が大きくなるに従って減衰係数が大きくなることと相まって、錘の浮き上がりを一層効果的に抑制することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の一実施形態を説明するための概略図である。
(a)は上記一実施形態におけるオイルダンパーの錘の変形と減衰係数比αとの関係を示すグラフ、(b)は上記一実施形態における錘の水平変形と減衰係数比αv、αhの関係を示すグラフである。
(a)は図2の錘の原点位置の近傍において水平変形した状態を示す縦断面図、(b)はその際の錘の変形と減衰係数比αとの関係を示すグラフである。
(a)は図3の錘の位置からさらに水平変形した状態を示す縦断面図、(b)はその際の錘の変形と減衰係数比αとの関係を示すグラフである。
(a)は図4の錘の位置からさらに水平変形した状態を示す縦断面図、(b)はその際の錘の変形と減衰係数比αとの関係を示すグラフである。
本発明の他の実施形態を示す概略図である。
従来の振り子式のTMDの概略構成を示す正面図である。
図7のTMDの錘が水平方向に揺動する状態を示す模式図である。

実施例

0016

図1図5は、本発明に係る制振装置の一実施形態を示すもので、図7に示したものと共通する部分については、以下同一符号を用いてその図示および説明を省略する。
図1に示すように、この制振装置1は、図7に示したものと同様に錘1がワイヤーや鋼棒2で懸垂された振り子式TMDを有しており、従来のTMDと相違する点は、錘1に上下方向の振動を抑制するオイルダンパー3が設けられていることにある。

0017

このオイルダンパー3は、一端部4が錘1の下面にピン結合されるとともに、他端部5が上述した建物52にピン結合されることにより、錘1の揺動に対応して上記他端部5を支点傾倒しつつ伸縮変形するようになっている。

0018

そして、このオイルダンパー3は、上記伸縮による変形が大きくなるに従って、減衰係数が大きくなるように、好ましくは平常時(錘1の水平変形が無い時)のオイルダンパー3の減衰係数をC0とすると、図1において、地震時に錘1が揺動してオイルダンパー3の鉛直線に対する傾斜角度がθであるときに、その減衰係数Cが(C0/cos2θ)になるように設定されている。

0019

すなわち、図1において、錘1の吊り長さをL1、オイルダンパー3の設置時の長さをL2、錘1の水平方向の変形をδhとすると、
錘の鉛直方向の変形 :δv=L1−(L12−δh2)1/2
オイルダンパーの変形 :δoil={δh2+(L2+δv)2}1/2−L2
オイルダンパーの角度 :cosθ=(L2+δv)/{δh2+(L2+δv)2}1/2
オイルダンパーの減衰係数:C=α・C0=C0/cos2θ
オイルダンパーの鉛直方向の減衰係数:Cv=αv・C0=C0・cos2θ=C0 (一定)
オイルダンパーの水平方向の減衰係数:Ch=αh・C0=C・sin2θ=C0・tan2θ

0020

図2(a)は、錘1の吊り長さをL1およびオイルダンパー3の設置時の長さをL2について、L1=4m、L2=1mの場合およびL1=6m、L2=1mの場合におけるオイルダンパーの変形δoilと減衰係数比αとの関係を示すものである。同図から、オイルダンパー3の変形が大きくなるにつれて、オイルダンパー3の減衰係数Cが大きくなっている。

0021

また、図2(b)は、L1=4m、L2=1mの場合の錘1の水平方向の変形δhと、オイルダンパー3の鉛直方向の減衰係数Cvを減衰係数C0で除した減衰係数比αvおよび水平方向の減衰係数Chを減衰係数C0で除した減衰係数比αhの関係を示すものである。

0022

図2(b)に見られるように、鉛直方向の減衰係数比αvは、錘1の水平方向の変形によらず1.0であるのに対して、水平方向の減衰係数Chは、錘1の水平方向の変形が大きくなるに従って、その値が大きくなっている。

0023

図3図5は、このような変形が大きくなるに従って減衰係数が大きくなるオイルダンパー3の具体的な構成を示すものである。
これらの図において、上記オイルダンパー3は、オイル(作動流体)が充填されたシリンダー10内にピストン11が移動自在に設けられ、ピストン11に一体化されたロッド12が建物52側に連結されるとともに、シリンダー10がTMDの錘1に連結されるものである。

0024

ここで、シリンダー10には、ピストン11の前後のシリンダー10内を連通させるバイパス管13が設けられ、このバイパス管13には、シャットオフ弁14が介装されている。このシャットオフ弁14は、上部にバイパス管13を連通させる小径部14aが形成されるとともに、他の部分にバイパス管13の内径と略等しい大径部14bが形成されている。

0025

そして、このシャットオフ弁14は、シリンダー10の外面との間に介装されたスプリング15によって、平常時に小径部13aがバイパス管13内に位置するように付勢されている。他方、ピストン11のロッド12には、上記シャットオフ弁14を開閉制御するためのアーム16が一体に形成されている。

0026

このアーム16は、シリンダー10の軸線と平行に形成されており、このアーム16のシリンダー10と対向する表面16aに、シャットオフ弁14の先端部が当接する変位検出溝17が形成されている。この変位検出溝17は、上記軸線方向の中央部17aが最も深さ寸法が大きく、かつ上記中央部17aから上記軸線方向の前方側および後方側に向けて、漸次深さ寸法が小さくなる傾斜面17bによって形成されている。

0027

そして、この変位検出溝17は、平常時にシャットオフ弁14の先端部が中央部17aに当接する位置に形成されている。

0028

上記オイルダンパー3においては、図3に示すように、平常時や風等による僅かな揺れが生じている場合には、錘1の揺れが僅かであるためにシリンダー10に対するピストン11の動きが小さい。この結果、シャットオフ弁14が変位検出溝17の中央部17aに位置して小径部14aがバイパス管13に配置されているために、ピストン11が小さく往復動した際に、シリンダー10内のオイルがピストン11に形成された孔部およびバイパス管13を流れることにより、小さな減衰力が発生する。

0029

そして、図4に示すように、地震時に錘1が揺動してオイルダンパー3に中程度の変形が生じると、シリンダー10とアーム16との相対変位によってシャットオフ弁14が変位検出溝17の傾斜面17b上まで移動する。すると、バイパス管13の一部がシャットオフ弁14の大径部14bによって塞がれてオイルの流量が減少するために、図3に示した状態よりも大きな減衰力が発生する。

0030

そして、図5に示すように、さらに錘1が大きく揺動すると、シリンダー10とアーム16との間に生じる大きな相対変位によってシャットオフ弁14がアーム16の表面16aに乗り上げ、この結果バイパス管13がシャットオフ弁14の大径部14bによって完全に塞がれることにより、図4に示した状態よりも一段と大きな減衰力が発生する。

0031

以上説明したように、上記構成からなる制振装置によれば、地震時に、TMDの錘1の揺動が大きくなってオイルダンパー3の変形が大きくなると、当該オイルダンパー3の減衰係数が次第に大きくなるために、上記錘1が原点位置(鉛直位置)から離れるにしたがって水平方向に傾斜することによるオイルダンパー3の減衰力の鉛直成分の減少を相殺することができる。

0032

この結果、上記制振装置によれば、大地震時に振り子式のTMDの錘1の揺動が大きくなっても、当該錘1の浮き上がりを効果的に抑制することができる。

0033

また、図6は、本発明の他の実施形態を示すもので、図1に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してある。
この制振装置においては、錘1の底部に内壁が円錐面状の凹部20が形成されている。そして、この凹部20の頂部に、オイルダンパー3の上記一端部4がピン結合されている。

0034

上記構成を有する制振装置によれば、図1図5に示したものと同様の作用効果を得ることができることに加えて、錘1の底部に円錐面状の凹部20を形成し、この凹部20の頂部にオイルダンパー3の一端部4をピン結合しているために、地震時に錘1が水平方向にδh揺動した際に、オイルダンパー3の傾斜角度θ1を錘1の底部にピン結合した場合の傾斜角度θよりも小さくすることができる。

0035

この結果、オイルダンパー3を錘1の底部にピン結合した場合と比較して、オイルダンパー3における減衰力の上下方向の成分を大きくすることができ、よって変形が大きくなるに従って減衰係数が大きくなることと相まって、錘1の浮き上がりを一層効果的に抑制することができる。

0036

なお、上記実施形態においては、TMDとして振り子式にものを用いた場合についてのみ説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、直動式リニアスライダー)式のTMDや積層ゴムの上に錘を載置した積層ゴム形式のTMDにおいても、錘が上下方向に拘束されていない場合には、地震時に水平方向に移動するとともに、上下方向の固有振動数に共振して浮き上がる可能性がある。このため、これら直動式や積層ゴム形式のTMDに適用した場合にも、同様の作用効果を得ることができる。

0037

1錘
2ワイヤーまたは鋼棒
3オイルダンパー(ダンパー)
4 一端部
5 他端部
20 凹部

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