図面 (/)

技術 場所打ち杭工法

出願人 中野隆夫
発明者 中野隆夫
出願日 2016年5月10日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2016-094455
公開日 2017年1月26日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-020327
状態 特許登録済
技術分野 杭・地中アンカー
主要キーワード 膨張硬化 単体ブロック 鋼製補強材 引き抜き処理 強度関係 ビニオン 初期収縮 ボイルの法則
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年1月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

掘削深度の深い掘削孔において膨張作用を有する発泡剤を添加した膨張するセメント流動物打設することで、このセメント流動物が掘削孔内で充分に膨張して周面の隙間を埋め、先端支持力周面摩擦力及び引抜抵抗力の増大を図る場所打ち杭工法を提供すること。

解決手段

地中内に形成した掘削孔にセメント流動物を打設または注入する基礎工法であって、掘削孔には予め膨張作用を有する発泡剤を添加したセメント流動物を打設または注入し、セメント流動物を逆テーパー形状発泡膨張させて、膨張して硬化するセメント流動物が逆テーパー形状の膨張圧力生起する工法である。

概要

背景

従来より、建造物等の基礎杭築造する基礎工法として場所打ち杭工法が知られている。
場所打ち杭工法には、掘削機により地中内掘削孔を形成し、掘削した掘削孔にコンクリート流し込む場所打ちコンクリート杭工法がある。

このような工法により杭支持力を向上させて場所打ちコンクリート杭を築造する必要があり、場所打ちコンクリート杭先端側の単位面積当り耐力指標として先端支持力係数が用いられている。
場所打ちコンクリート杭では、先端支持力係数をα=150kN/m2に設定している。

近年になって、杭先端側地盤の緩みを圧密にすることでコンクリート杭の先端支持力を30から40%向上することができる先端プレロード場所打ち杭工法が用いられている(例えば特許文献1に記載)。
この工法は、場所打ちコンクリート杭の杭体コンクリート硬化後、鉄筋カゴ先端にあらかじめ取り付けた注入バックに地上からセメントミルク加圧注入し、杭先端スライム除去及び地盤の強化を行い、沈下量の減少と支持力の向上を図る工法であり、従来の工法に比べて先端支持力を向上させる工法である。

また、前記先端支持力に加え、場所打ちコンクリート杭の周面支持力の向上や周面摩擦力の向上を図る施工方法が提案されている。
例えば、特許文献2には、場所打ちコンクリート杭のコンクリートの打ち込みにおいて、杭コンクリート本体よりも硬化を遅延させた膨張性材料を杭の周面に配設し、その膨張性材料が膨張することで杭の周面に膨らみを形成することにより、周面支持力の向上や周面摩擦力の増大を図る工法が開示されている。
また、特許文献3には、セメント等の固化剤硬化遅延材を混ぜ、杭の周面摩擦を増加させる膨張部材を場所打ちコンクリート杭のかぶり部(外周部)に取り付けて場所打ちコンクリート杭を生成し、杭のかぶり部で膨張部材が膨張することにより、周面摩擦力の増大を図る工法が開示されている。

概要

掘削深度の深い掘削孔において膨張作用を有する発泡剤を添加した膨張するセメント流動物打設することで、このセメント流動物が掘削孔内で充分に膨張して杭周面の隙間を埋め、先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力の増大をる場所打ち杭工法を提供すること。地中内に形成した掘削孔にセメント流動物を打設または注入する基礎工法であって、掘削孔には予め膨張作用を有する発泡剤を添加したセメント流動物を打設または注入し、セメント流動物を逆テーパー形状発泡膨張させて、膨張して硬化するセメント流動物が逆テーパー形状の膨張圧力生起する工法である。

目的

本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、掘削深度の深い掘削孔においても膨張作用を有する発泡剤を添加した膨張するセメント流動物を打設することで、このセメント流動物が掘削孔内で充分に膨張して杭周面の緩みや隙間を埋め、先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力の増大を図る場所打ち杭工法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

地中内に形成した掘削孔セメント流動物打設または注入する基礎工法であって、掘削孔には予め膨張作用を有する発泡剤を添加したセメント流動物を打設または注入し、セメント流動物を逆テーパー形状発泡膨張させて、膨張して硬化するセメント流動物が逆テーパー形状の膨張圧力生起することを特徴とする場所打ち杭工法

請求項2

膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガス発泡する少なくとも、アルミニウム粉末亜鉛等の両性金属粉末炭素物質過酸化物質スルホニルヒドラジド化合物アゾ化合物ニトロソ化合物ヒドラジン誘導体から選択した1種または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の場所打ち杭工法。

請求項3

セメント流動物としては、セメントで構成する少なくとも、セメントミルクモルタルコンクリートの何れかであり、セメントミルク、モルタル、コンクリートの膨張率が1%から16%となるように前記発泡剤を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の場所打ち杭工法。

請求項4

セメントミルクの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.001%から0.8%とする、モルタルの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.003%から1.5%とする、コンクリートの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.004%から5.2%とする、ことを特徴とする請求項3に記載の場所打ち杭工法。

請求項5

アルミニウム粉末の添加量は、掘削孔中の所定の深度での水深圧と比重に応じて算出することを特徴とする請求項4に記載の場所打ち杭工法。

技術分野

0001

本発明は、建造物等の基礎杭築造する場所打ち杭工法に関するものである。

背景技術

0002

従来より、建造物等の基礎杭を築造する基礎工法として場所打ち杭工法が知られている。
場所打ち杭工法には、掘削機により地中内掘削孔を形成し、掘削した掘削孔にコンクリート流し込む場所打ちコンクリート杭工法がある。

0003

このような工法により杭支持力を向上させて場所打ちコンクリート杭を築造する必要があり、場所打ちコンクリート杭先端側の単位面積当り耐力指標として先端支持力係数が用いられている。
場所打ちコンクリート杭では、先端支持力係数をα=150kN/m2に設定している。

0004

近年になって、杭先端側地盤の緩みを圧密にすることでコンクリート杭の先端支持力を30から40%向上することができる先端プレロード場所打ち杭工法が用いられている(例えば特許文献1に記載)。
この工法は、場所打ちコンクリート杭の杭体コンクリート硬化後、鉄筋カゴ先端にあらかじめ取り付けた注入バックに地上からセメントミルク加圧注入し、杭先端スライム除去及び地盤の強化を行い、沈下量の減少と支持力の向上を図る工法であり、従来の工法に比べて先端支持力を向上させる工法である。

0005

また、前記先端支持力に加え、場所打ちコンクリート杭の周面支持力の向上や周面摩擦力の向上を図る施工方法が提案されている。
例えば、特許文献2には、場所打ちコンクリート杭のコンクリートの打ち込みにおいて、杭コンクリート本体よりも硬化を遅延させた膨張性材料を杭の周面に配設し、その膨張性材料が膨張することで杭の周面に膨らみを形成することにより、周面支持力の向上や周面摩擦力の増大を図る工法が開示されている。
また、特許文献3には、セメント等の固化剤硬化遅延材を混ぜ、杭の周面摩擦を増加させる膨張部材を場所打ちコンクリート杭のかぶり部(外周部)に取り付けて場所打ちコンクリート杭を生成し、杭のかぶり部で膨張部材が膨張することにより、周面摩擦力の増大を図る工法が開示されている。

先行技術

0006

特許第3926364号公報
特許第4111432号公報
特許第4155843号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところが、通常のコンクリートを掘削孔内打設した場合に、そのコンクリートが硬化するとコンクリート杭全体が収縮し、或いは、掘削中に地盤が緩み、その関係でコンクリート杭と掘削孔地盤の密着力が弱くなり、コンクリート杭の外周面と掘削孔の内壁面との間に緩みや隙間が生じていた。
この緩みや隙間は、コンクリート杭の先端側での先端支持力の低下、コンクリート杭の外壁面での周面摩擦力の低下及び引抜抵抗力の低下にも繋がっていた。
従って、コンクリート杭全体の機能低下を招いていた。

0008

また、特許文献1に記載の前記先端プレロード場所打ち杭工法では、コンクリート杭本体を打設する工程と、コンクリート杭本体の硬化後にセメントミルクを加圧注入する工程との2回施工の工程が必要であり、コンクリートが硬化するまでの時間とセメントミルクが硬化するまでの時間も多く必要とするため、杭の性能発揮まで時間を多く要する問題を有していた。

0009

また、前記特許文献2に記載のコンクリート杭工法では、いずれもコンクリート杭が硬化した後、膨張性材料が膨張するような施工方法であるので、コンクリート杭の性能発揮までに相当の時間を要していた。
しかも、コンクリート杭の基礎となる杭本体の周囲に膨張性材料を配設するような構造を有するため、そのままでは中途部に膨張性材料を位置させるのが困難であり、しかも、コンクリート杭本体と膨張性材料を2回施工する必要があった。

0010

さらに、前記特許文献3に記載のコンクリート杭工法では、杭本体のコンクリートの硬化よりも遅れて膨張部材が膨張しながら硬化する工法であるため、コンクリート杭としての性能発揮までに相当の時間を要していた。

0011

また、前記特許文献3に記載のコンクリート工法では、杭コンクリートの硬化より遅れて膨張部材が膨張しながら硬化する工法であるので、特に、掘削深度が深い場合においては、削孔地盤の杭先端部や先端近くでは地下水下の高水圧下になるので、杭コンクリートの外周部の発泡剤を添加した膨張部材には高水圧がかかり、膨張部材の膨張が抑制され、杭周面摩擦力及び杭先端支持力を向上させる効果が小さくなる可能性が考えられた。

0012

本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、掘削深度の深い掘削孔においても膨張作用を有する発泡剤を添加した膨張するセメント流動物を打設することで、このセメント流動物が掘削孔内で充分に膨張して杭周面の緩みや隙間を埋め、先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力の増大を図る場所打ち杭工法を提供する。

課題を解決するための手段

0013

前記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明では、地中内に形成した掘削孔にセメント流動物を打設または注入する基礎工法であって、掘削孔には予め膨張作用を有する発泡剤を添加したセメント流動物を打設または注入し、セメント流動物を逆テーパー形状発泡膨張させて、膨張して硬化するセメント流動物が逆テーパー形状の膨張圧力生起する。

0014

請求項2に記載の本発明は、膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガス発泡する少なくとも、アルミニウム粉末亜鉛等の両性金属粉末炭素物質過酸化物質スルホニルヒドラジド化合物アゾ化合物ニトロソ化合物ヒドラジン誘導体から選択した1種または2種以上である。

0015

請求項3に記載の本発明は、セメント流動物としては、セメントで構成する少なくとも、セメントミルク、モルタル、コンクリートの何れかであり、セメントミルク、モルタル、コンクリートの膨張率が1%から16%となるように前記発泡剤を添加する。

0016

請求項4に記載の本発明は、セメントミルクの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.001%から0.8%とする、
モルタルの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.003%から1.5%とする、
コンクリートの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.004%から5.2%とする。

0017

請求項5に記載の本発明は、アルミニウム粉末の添加量は、掘削孔中の所定の深度での水深圧と比重に応じて算出する。

発明の効果

0018

請求項1に係る本発明では、地中内に形成した掘削孔にセメント流動物を打設または注入する基礎工法であって、掘削孔には予め膨張作用を有する発泡剤を添加したセメント流動物を打設または注入し、セメント流動物を逆テーパー形状に発泡膨張させて、膨張して硬化するセメント流動物が逆テーパー形状の膨張圧力を生起する場所打ち杭であるので、大きな膨張作用を有する発泡剤を添加する簡単な方法によって、先端支持力や周面摩擦力および引抜抵抗力を高めた場所打ち杭を築造することができる。

0019

本発明は、発泡剤を用いることで、圧力下でボイルの法則を構成することで、掘削孔に打設または注入したセメント流動物が逆テーパー形状の膨張圧力を生起する。
すなわち、本発明では、掘削孔の拘束下の圧力下(水圧下)において、発泡剤を添加したセメント流動物を打設または注入し、セメント流動物を逆テーパー形状に発泡膨張させて、膨張して硬化するセメント流動物が掘削深度に応じて逆テーパー形状の膨張率の膨張圧力を生起しながら体積が増大するので、逆テーパー形状の膨張を形成する場所打ち杭を築造することができる。
発泡剤を添加したセメント流動物は、打設高さの範囲において、逆テーパー形状の膨張圧力を生起して逆テーパー形状の膨張を形成する。
この逆テーパー形状の膨張は、膨張圧力で掘削の孔壁を逆テーパー形状に押圧しながら孔壁の地盤の緩みを圧密し強化する。
また、逆テーパー形状に膨張した基礎杭は載荷重の杭の沈下に対して、圧密し強化した孔壁地盤を押し広げようとするので、孔壁地盤は載荷重の杭の沈下による押し広げに対抗する抵抗力発現し、杭の沈下を抑制する効果がある。
また、打設高さの範囲において、膨張して硬化するセメント流動物は膨張したくさび型を形成するので引抜きに対して抵抗力を大きく向上させる効果がある。
また、既製杭鋼杭既製コンクリート杭)または鉄筋鋼管などの鋼製補強材が建て込まれていると、膨張して硬化するセメント流動物は、掘削孔の孔壁地盤と既製杭または鉄筋や鋼管などの鋼製補強材に膨張圧力を同時にかけるので、膨張して硬化するセメント流動物の膨張圧力は、孔壁地盤と既製杭または鉄筋や鋼管などの鋼製補強材に拘束されて、同時に反作用反力を受けるので、膨張して硬化するセメント流動物と孔壁地盤と既製杭または鉄筋や鋼管などの鋼製補強材とは強固な圧密力の密着力で一体化する効果がある。
このように、膨張作用を有する発泡剤を添加したセメント流動物を打設または注入する簡単な方法で、打設または注入するセメント流動物が逆テーパー形状の膨張圧力を生起するので、本発明の場所打ち杭工法は先端支持力や周面摩擦力および引抜抵抗力が向上する効果がある。

0020

また、請求項1に記載の本発明は、前記特許文献1に記載のような先端プレロード場所打ち杭工法のように、コンクリートを打設して硬化後にセメントミルクを注入する工程を設ける必要がない。
すなわち、本発明は、セメント流動物に膨張作用を有する発泡剤を添加して一体で場所打ち杭を築造するようにしているので、前記特許文献に記載のような複数施工する必要がなく一回の施工のみで済む。
従って、本発明の場所打ち杭工法は性能発揮までの時間を短縮できる効果がある。

0021

さらに、請求項1に記載の本発明は、セメント流動物に膨張作用を有する発泡剤を同時に添加してセメント流動物を発泡膨張させて硬化させるので、前記特許文献2、及び前記特許文献3に記載のように、基礎杭の部分を硬化させた後に膨張材を硬化させる手間が生じない。
従って、本発明の場所打ち杭工法は性能発揮までの時間を短縮できる効果がある。

0022

請求項2に係る本発明では、膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する少なくとも、アルミニウム粉末、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種または2種以上を添加しているので、発泡剤は、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する際にガスの浮遊力を利用してセメントの拡散を促し、セメント流動物の発泡膨張の機能を充分に生起させて、膨張するセメント流動物の全般にわたるち密で均一な膨張を生起させる。
発泡剤は、性質に応じて最適な種類を選択して添加することで、確実にガスを発泡させて必要な膨張率を得ることができる。
例えば、発泡剤を2種類選択することにより、セメント流動物中において、気泡の大きさが異なる2種類のガスを発生して、大小の気泡による膨張するセメント流動物を生成することができる。
発泡剤を添加したセメント流動物の膨張は、緩い地盤や掘削による掘削孔の周面地盤の緩みを大きな膨張圧力で押圧し地盤を圧密し強化する効果を有する。
且つ、セメント流動物の発泡膨張の圧力により、作用・反作用の膨張の圧力は膨張して硬化するセメント流動物と孔壁地盤を強固な圧密力の密着力で周面摩擦力が向上する。
また、発泡剤はセメントをセメント流動物の全般にわたるち密で均一に拡散させるので、セメント流動物の膨張圧力を均一に生起させ既製杭または鉄筋や鋼管などの鋼製補強材とセメント流動物とは膨張圧力で付着力が向上する。
このように、発泡剤を添加したセメント流動物は、大きく発泡膨張するため従来技術に比べて膨張圧力の圧密力で付着力を大きく増大させる効果を有する。

0023

請求項3に係る本発明では、セメント流動物としては、セメントで構成する少なくとも、セメントミルク、モルタル、コンクリートの何れかであり、セメントミルク、モルタル、コンクリートの膨張率が1%から16%となるように前記発泡剤を添加するので、膨張して硬化するセメント流動物のセメントミルク、モルタル、コンクリート等の膨張率が1%から16%に生起することができる。
本発明の膨張率1%から16%のセメント流動物は、膨張率1%から16%の膨張率の膨張圧力を生起することで、膨張して硬化するセメント流動物体は、掘削孔の孔壁地盤を膨張圧力で押圧し圧密強化して孔壁地盤と強固に一体化する効果を有する。
また、この膨張率1%から16%の膨張率の膨張圧力が大きくなるほど、作用・反作用の圧力による膨張して硬化するセメント流動物体は孔壁地盤とより強固に一体化する。
発泡剤を添加したセメント流動物の膨張率が1%未満の場合は、膨張圧力が小さくなり、セメント流動物体と掘削孔の孔壁地盤との圧密力の密着力が弱くなる。
発泡剤を添加したセメント流動物の膨張率が16%より大きい場合は、膨張圧力が大きくなり、セメント流動物体と掘削孔の孔壁地盤は密着力が良いもののセメント流動物体の強度が大きく低下してしまう。

0024

請求項4、5に係る本発明では、セメントミルクの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.001%から0.8%とする、モルタルの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.003%から1.5%とする、コンクリートの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.004%から5.2%とすることで、これらのセメントミルク、モルタル、コンクリートの膨張率を1%から16%に生起することができる。
セメントミルク、モルタル、コンクリートのそれぞれの膨張率は、セメント質量に対してアルミニウム粉末の添加量に応じて、略直線的の増加する相関関係があるので、セメントミルク、モルタル、コンクリートの膨張率はアルミニウム粉末の添加量で適宜調整することできる。セメントミルク、モルタル、コンクリートに大きな膨張率が必要とあれば、セメント質量に対して、アルミニウム粉末の添加量を予測的に多くすることで所定の大きさの膨張率を生起することができる。
また、上記のアルミニウム粉末の添加量は、掘削孔中の所定の深度での水深圧と比重に応じて算出することができる。
よって、掘削孔の拘束下における高い水圧力下(加圧下)において、掘削深度に対するアルミニウム粉末の添加量を設定することで、セメントミルク、モルタル、コンクリートが常圧(大気圧)の膨張率を生起することができるので、掘削深度を150mまでとするアルミニウム粉末の添加量で、適宜、セメントミルク、モルタル、コンクリートの膨張率の生起を調整する。
アルミニウム粉末を添加したセメントミルクの膨張率が、セメント質量に対してアルミニウム粉末の添加量が0.001%未満、モルタルの膨張率がセメント質量に対して0.003%未満、コンクリートの膨張率がセメント質量に対して0.004%未満の場合では、掘削孔内で膨張して硬化するセメントミルク、モルタル、コンクリートの膨張率が1%未満と小さくなり、膨張して硬化するセメントミルク、モルタル、コンクリートの強度の低下は抑えられる反面、掘削孔の孔壁地盤に充分な膨張圧力を与えることができない。
また、セメントミルクの膨張率がセメント質量に対してアルミニウム粉末の添加量が0.8%を越える、モルタルの膨張率がセメント質量に対して1.5%を越える、コンクリートの膨張率がセメント質量に対して5.2%を越える場合では、掘削孔内で膨張して硬化するセメントミルク、モルタル、コンクリートの膨張率が16%より大きくなるので、孔壁地盤とは圧密力の密着力が高まるものの強度の低下が大きくなる。強度を上げるにはセメント量を多くする必要があり材料コストが上昇し経済性が悪くなる。
このようにして、セメントミルク、モルタル、コンクリートの膨張率1%から16%に生起できるアルミニウム粉末添加量を設定することで、所定の大きさの膨張率の膨張圧力を生起させることができ、掘削孔の孔壁地盤とは強固な圧密力の密着力で一体化する効果がある。

図面の簡単な説明

0025

本実施例に係る標準的な場所打ちコンクリート杭の工法を説明する説明する説明図である。
図1とは異なる場所打ちコンクリート杭の工法を説明する説明する説明図である。
図1及び図2とは異なる場所打ちコンクリート杭の工法を説明する説明する説明図である。
コンクリート硬化時の発泡剤等の効果を説明する説明図である。
場所打ちコンクリート杭の工法の変形例1を説明する説明図である。
場所打ちコンクリート杭の工法の変形例2を説明する説明図である。
場所打ちコンクリート杭の工法の変形例3を説明する説明図である。
場所打ちコンクリート杭の工法の変形例4を説明する説明図である。
場所打ちコンクリート杭の工法の変形例5を説明する説明図である。
発泡剤とセメントミルクとの関係を表わすグラフである。
発泡剤とモルタルとの関係を表わすグラフである。
膨張量の推移を示すグラフである。
拘束なしの場合と拘束下の場合におけるアルミニウム添加量と強度との関係を示すグラフである。
配合例1に使用する材料を表わした一覧である。
配合例1の使用材料の配合量を表わす表である。
配合例1におけるAL(アルミニウム粉末)添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧である。
配合例1の膨張率と経過時間との関係を示すグラフである。
配合例1におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである
配合例2に使用する材料を表わした一覧である。
配合例2の使用材料の配合量を表わす表である。
配合例2におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧である。
配合例2におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである
配合例3に使用する材料を表わした一覧である。
配合例3の使用材料の配合量を表わす表である。
コンクリートのフレッシュ試験の結果を表わした一覧である。
配合例3におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧である。
AL添加量と膨張率測定結果を表わした一覧である。
配合例3の膨張率と経過時間との関係を示すグラフである。
配合例3におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである
配合例4および5に使用する材料を表わした一覧である。
(a)配合条件・試験、(b)使用ミキサ練り混ぜ方法を表わした一覧である。
配合例4の使用材料の配合量を表わす表である。
配合例4におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧である。
配合例4の膨張率と経過時間との関係を示すグラフである。
配合例4におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである
配合例5の使用材料の配合量を表わした一覧である。
配合例5におけるAL添加量を変化させた時のコンクリート試験結果を表わした一覧である。
配合例5の膨張率と経過時間との関係を示すグラフである。
配合例5におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。
配合例4および配合例5の使用材料の配合量(ALなし)を表わした一覧である。
配合例4および配合例5においてのコンクリート試験結果を表わした一覧である。
配合例4および配合例5においての経過時間あたりのブリーディング量(cm3)を表わすグラフである。
配合例A,B,C,1から5におけるアルミニウム粉末の添加率と膨張率との関係を表わしたグラフである。
配合例C,3,4,5におけるアルミニウム粉末の添加率とコンクリート圧縮強度との関係を表わしたグラフである。
配合例C,1から5におけるアルミニウム粉末の添加率0%の初期膨張率水セメント比との関係を表わしたグラフである。

実施例

0026

本発明では、地中内に形成した掘削孔にセメント流動物を打設または注入する基礎工法であって、掘削孔には予め膨張作用を有する発泡剤を添加したセメント流動物を打設または注入し、セメント流動物を逆テーパー形状に発泡膨張させて、膨張して硬化するセメント流動物が逆テーパー形状の膨張圧力を生起する。

0027

膨張作用を有する発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する少なくとも、アルミニウム粉末、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種または2種以上である。

0028

セメント流動物としては、セメントで構成する少なくとも、セメントミルク、モルタル、コンクリートの何れかであり、セメントミルク、モルタル、コンクリートの膨張率が1%から16%となるように前記発泡剤を添加する。

0029

セメントミルクの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.001%から0.8%とする、
またはモルタルの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.003%から1.5%とする、
またはコンクリートの膨張率が1%から16%となるように、掘削孔の掘削深度を150mまでとする前記発泡剤としてのアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して0.004%から5.2%とする。

0030

アルミニウム粉末の添加量は、掘削孔中の所定の深度での水深圧と比重に応じて算出する。

0031

本発明は、本発明者の先の特許出願(特願2015−002905号)の場所打ちコンクリート杭工法に基づいたものである。
先願の発明では、地中内に形成した掘削孔にコンクリートを打設してコンクリート杭を築造する場所打ちコンクリート杭工法であって、膨張作用を有する発泡剤を添加した膨張するコンクリートを掘削孔に打設しコンクリートを膨張させ硬化させるもので、添加する発泡剤のアルミニウム粉末の添加量をセメント質量に対して質量パーセントで0.004%から0.025%とすることで、膨張するコンクリートが掘削孔で膨張を生起して孔壁地盤に膨張圧力をかけて孔壁地盤からは反作用の反力を受けることで、膨張して硬化する基礎杭と周辺地盤とは強固に一体化するとしている。

0032

しかしながら、先願の発明の発泡剤のアルミニウム粉末を添加したコンクリートでは、常圧(大気圧)のアルミニウム粉末の添加量でのコンクリートの膨張率が、掘削の深度の深い高水圧下においては常圧でのコンクリートの膨張率を生起することができない。

0033

通常、場所打ち杭工法では、掘削の深度が深い掘削孔には安定液(水や泥水を含む)が孔壁保護のために施工地盤近くまで張られている。
例えば、アースドリル工法オールケーシング工法リバース工法、BH工法、地中連続壁工法等での掘削深度が深くなると、次のように水や泥水を用いる。
オールケーシング工法では、ボイリングの発生が起こりうる地盤の地層においては、掘削時に水や泥水を掘削孔内に満たしつつ、予定の深度まで掘削したのちにコンクリートを打設する。
また、アースドリル工法、リバース工法、BH工法、地中連続壁工法等においては、掘削孔壁崩壊防止として自然泥水や人口泥水(安定液)を使用し、掘削孔内の自然泥水や人口泥水は通常施工地盤まで張られ、掘削は泥水が張られたまま掘進し、予定の深度まで掘削したのちにコンクリートを打設する。
このように、掘削孔の掘削深度が深い場合には、掘削孔内に泥水が満たされた状態であることから掘削孔の底部分、すなわち、コンクリート杭の先端部分には相当な水圧がかかる。

0034

掘削深度が深い掘削孔の拘束下の高水圧下では、掘削孔に打設または注入した発泡剤のアルミニウム粉末を添加したセメント流動物(セメントミルク、モルタル、コンクリート)は、アルミニウム粉末がセメントと化学反応して微細水素ガス気体)を発泡するが、掘削深度が深くなるほど比例して水素ガスの気体の体積が小さくなる(ボイルの法則)ので水素ガスの膨張率は掘削深度に比例して小さくなる。

0035

このことは、掘削孔の拘束下の加圧下において、発泡剤のアルミニウム粉末を添加したセメント流動物の膨張率が掘削深度に比例して小さくなるので、セメント流動物の膨張率は掘削深度に比例した逆テーパー形状の膨張率を生起し逆テーパー形状の膨張圧力を生起する。

0036

掘削深度が深い場所打ち杭工法では、高層建物において国内では掘削深さGL−86mの施工があり、国外ではGL−105mの施工がされており、将来的には建物高層化で掘削深度はGL−150m程度と推測される。
よって、最大掘削深度がGL−150mの高水圧下においても常圧と同じ膨張率を生起するように発泡剤のアルミニウム粉末の添加量を定める。

0037

掘削の深度の水圧は、水深10mでの水圧は水の圧力1気圧+水面を押す大気圧1気圧=2気圧であり、水深20m下では3気圧、水深50m下では6気圧、水深100m下では11気圧、水深150m下では16気圧である。

0038

高水圧下で常圧(大気圧)の膨張率を生起させるには、水深10mでは水圧が2気圧で常圧の2倍であることから、常圧におけるアルミニウム粉末の添加量を2倍にすることで、高水圧下で常圧の膨張率を生起させることができる。

0039

よって、水深20m下では3倍(3気圧)、水深50m下では6倍(6気圧)、水深100m下では11倍(11気圧)、水深150m下では16倍(16気圧)にする。

0040

また、場所打ち杭工法は、通常は掘削の深度が深くても、打設または注入するセメント流動物の天端は施工地盤近くであるので、掘削孔内はセメント流動物(セメントミルク、モルタル、コンクリート等)を形成している。

0041

水深における圧力の大きさは、水の密度を1.0としているのでセメント流動物の最大密度のコンクリートの密度(比重)を2.3とすると水の圧力の2.3倍である。

0042

よって、掘削の深度におけるアルミニウム粉末の添加量は、常圧(大気圧)の添加量に対して水深10m下では2(水深10mの気圧)×2.3(コンクリート比重)=4.6倍、水深20m下で3×2.3=6.9倍、水深50m下で6×2.3=13.8倍、水深100m下で11×2.3=25.3倍、水深150m下で16×2.3=36.8倍の添加量になる。

0043

例えば、掘削深度(杭先端)がGL−50mで、杭天端がGL±0m(杭長50m)の場合では、アルミニウム粉末の添加量は、掘削深度がGL−50mであるから、掘削深度50m下では6気圧で6倍になり、セメント流動物の密度を2.3(コンクリートの比重)とした場合には2.3倍にする。
よって、アルミニウム粉末の添加量は常圧の添加量の6×2.3=13.8倍となる。

0044

また、最大掘削深度をGL−150mとした場合のアルミニウム粉末の添加量は、16(16気圧)×2.3(コンクリート比重)=36.8で常圧の添加量の36.8倍となる。

0045

本発明は、セメント流動物の膨張率が1%から16%になるように発泡剤を添加するようにしているので添加するアルミニウム粉末の添加量を定める。

0046

セメント流動物(セメントミルク、モルタル、コンクリート)に発泡剤のアルミニウム粉末を添加した膨張性の実証試験によると、セメント流動物の膨張率が1%から16%を生起するにはアルミニウム粉末の添加量が、セメント質量に対して、セメントミルクでは0.001%から0.02%であり、モルタルでは0.003%から0.04%であり、コンクリートでは0.004%から0.14%である。

0047

よって、最大掘削深度を150mまでとする場合のアルミニウム粉末の最大添加量は、セメントミルクでは、0.02%×36.8倍=0.736%となるので、最大添加量を0.8%とし、添加量の範囲を0.001%から0.8%とする。

0048

モルタルでは、0.04%×36.8倍=1.472%となるので、最大添加量を1.5%とし、添加量の範囲を0.003%から1.5%とする。

0049

コンクリートでは、0.14%×36.8倍=5.152%となるので、最大添加量を5.2%とし、添加量の範囲を0.004%から5.2%とする。

0050

従って、場所打ち杭工法の最大掘削深度をGL−150mまでとする加圧下においては、アルミニウム粉末の添加量を、セメントミルク場合はセメント質量に対して0.001%から0.8%とする、モルタルの場合はセメント質量に対して0.003%から1.5%とする、コンクリートの場合はセメント質量に対して0.004%から5.2%とする、ことで、セメント流動物の膨張率が1%から16%を生起することができる。

0051

すなわち、掘削深度の深い場合において、掘削孔に打設または注入するセメント流動物が設定の膨張率1%から16%を生起するには、掘削孔の所定の掘削深度に応じた水深圧と安定液の比重とセメントミルク、モルタル、コンクリートの比重を加味して算出したアルミニウム粉末添加量を添加する。

0052

セメント流動物を膨張させるには発泡剤を使用する。
発泡剤としては、化学反応によりガスを発泡させるものであればよく、特に限定されない。

0053

上述した本工法において、発泡剤としてのアルミニウム粉末を一例として説明したが、その他の発泡剤としては、セメント組成物中における化学反応によりガスを発泡する物質として、亜鉛等の両性金属の粉末、炭素物質、過酸化物質、スルホニルドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体から選択した1種または2種以上である。

0054

ガス発泡物質の具体例としては、例えば、過炭酸塩過硫酸塩、過ホウ酸塩、過マンガン酸塩過酸化水素等の過酸化物質である。
窒素ガス発泡物質としては、スルホニルヒドラジド化合物、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体等であり、具体的に、p−トルエンスルホニルヒドラジドベンゼンスルホニルヒドラジドアゾジカルボンアミドアゾビスイソブチルニトリル、N,N‘−ジニトロペンタメチレンテトラミン、4,4‘−オキシビスヒドラジンカルボンアミド等が挙げられる。また、これら各種の発泡剤を混合して添加してもよい。

0055

これらの発泡剤を用いることで、セメント組成物中における化学反応により、ガスを発泡する際に浮遊力を利用してセメントの拡散を促し、セメント流動物に充分な発泡機能を生起させる。且つ、セメントと骨材の付着力を高めセメント流動物体の全般にわたるち密な膨張硬化を発揮することができる。
また、発泡剤は単独の材料で十分な発泡・膨張させる効果を有するが、複数の発泡剤を併用して使用してもよい。

0056

発泡剤は、そのガスの発泡量を調整できるので、ガスの発泡量でセメント流動物の膨張量の調整ができる。
発泡剤は、通常、コンクリートの軽量化のために使用されているが本発明では膨張作用を有するものとして使用する。

0057

発泡剤のアルミニウム粉末は、うろこ状で純度99%以上、粉末度180メッシュ以上でステアリン酸により被覆されたものが好ましく、通常JISK5906(塗料用アルミニウム粉末)第2種標準ふるい88μ残分2%以下に適合するもので、セメントとの化学反応開始時間を適宜調整したものが好ましい。

0058

膨張するセメント流動物は、セメントで構成するセメント流動物と発泡剤から構成され、セメントは、普通ポルトランドセメント高炉セメント等であり、特に限定されるものではない。

0059

セメント流動物は、セメントで構成するセメント流動物のセメントミルク、モルタル、コンクリート、泥土モルタルソイルセメント等であり、セメントと水、またはセメントと水と骨材または泥土土砂から構成される。

0060

骨材として砂やを用いるが、例えば砂の代わりにアルミニウムを含有する溶融スラグや金属製造起源スラグ鉄鋼スラグ非鉄金属スラグ)等を使用してよい。

0061

また、セメント流動物は、セメントと水ガラス混和材混和剤で構成されるセメント系水ガラス系懸濁液型溶液グラウトやセメント系可塑性グラウト等であってもよい。

0062

また、セメント流動物の代わりに合成樹脂を使用することができ特に限定されない。

0063

また、セメント流動物にはフライアッシュ高炉スラグ微粉末シリカ微粉末ベントナイト、膨張材、混和剤、起泡剤繊維物質、金属製の針金等を混入してもよい。

0064

なお、繊維物質としては、例えば、スチールファイバービニオンファイバー炭素繊維ワラストナイト繊維等であり、繊維物質を使用するとセメント流動物の硬化体ひび割れ抵抗性靱性及び強度を向上させることができる。

0065

フライアッシュは、シリカアルミナを主成分で構成され火力発電所石炭燃焼する際に生成される副産物の灰である。
また、フライアッシュは混和材やフライアシュセメントとして用いられる。
良質なフライアッシュを使用した場合には、単位水量の低減、ワーカビリティーの改善、水和発熱量の低下、長期強度及び耐久性増進水密性の改善、化学抵抗性の改善、化学抵抗性の向上などの効果が得られる。

0066

混和剤は、減水剤高性能減水剤凝結遅延剤、膨張材、保水剤増粘剤等である。
混和剤はセメント流動物に添加することで次のような効果を得ることができる。
(1)流動性が良好となり、経時に伴う流動性の低下が少ない。
(2)材料分離が少ない。
(3)適度の凝結遅延性を得ることができる。
(4)適度の膨張性をもち、粗骨材との良好な付着性を得ることができる。
(5)拘束内(掘削孔内)での硬化後、所要の強度、耐久性、水密性を得ることができる。

0067

発泡剤は膨張材とともに使用することができる。
膨張材は、セメント流動物の硬化後に水和や乾燥による収縮を補償する(収縮をゼロとする)作用を有するため、発泡剤によってセメント流動物が硬化するまでの初期収縮以上の体積増大を図り、膨張材によって硬化後のセメント流動物の収縮を補償することにより、セメント流動物の収縮を使用期間全体にわたって保障することが可能となる。

0068

膨張材としては、特に限定されないが、セメント、水とともに水和し、エトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)を生成して膨張するカルシウムサルフォアルミネート鉱物を含むもの、及び水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を生成して膨張する石灰を含むものを使用する。

0069

以下、場所打ち杭の標準的な場所打ちコンクリート杭工法、拡幅部を備えた場所打ちコンクリート杭工法、混在の場所打ちコンクリート杭工法、場所打ちコンクリート杭工法の変形例1から5、および場所打ち杭工法の変形例を説明する。
続いて、膨張するセメント流動物(セメントミルク、モルタル、コンクリート)実証試験を詳説し、場所打ちコンクリート杭とマイクロパイルグランドアンカー、PCウェルで実施の形態を説明する。

0070

(標準的な場所打ちコンクリート杭工法)
最初に、本発明の標準的な場所打ちコンクリート杭10の工法について説明する。
図1は、標準的な場所打ちコンクリート杭の工法を説明する説明図である。

0071

まず、図1(a)に示すように、地中A内には掘削機により掘削することで深い掘削深度を有する掘削孔11が形成される。
掘削はアースドリル工法、オールケーシング工法、又はリバース工法、地中連続壁基礎工法(壁杭壁体基礎を含む)、BH工法等により行われ、円筒形状又は角筒形状の掘削孔11が地中A内に形成される。
なお、アースドリル工法等によって、後述する先端拡幅部14や中途拡幅部15以外での掘削孔11の内壁面Nは同径状に形成される。

0072

図1(b)に示すように、掘削孔11内に掘削液の安定液(ベントナイト系安定液、ポリマー系安定液等を含む)16を注入して掘削孔11の内壁面Nの保護を行う。

0073

次に、図1(c)に示すように、網目構造を有する鉄筋カゴ13が掘削孔11中に建て込まれる。
鉄筋カゴ13は、コンクリート杭10の長さ及び径によって所定間隔を有して網目状に配筋されている。

0074

また、その掘削孔11に打設する膨張するコンクリート12を準備する。
コンクリートは、セメント(例えばポルトランドセメント)、水、及び骨材(細骨材及び/又は粗骨材)等で構成している。
なお、本発明では、生コンプラント工場又は現場において膨張するコンクリート12を生成してこれを打ち込むことを特徴とするものである。

0075

その膨張するコンクリ−ト12は、セメント、水、及び骨材に加え反応開始時間を適宜調整した膨張作用を有する発泡剤他等の混和材料を添加したものである。
また、所定の深度で予定の膨張率を生起できるアルミニウム粉末の添加量は掘削深度に応じた水深圧と安定液の比重とコンクリートの比重とを加味する前述した方法で算出する。

0076

なお、場所打ちコンクリート杭10は膨張率を大きくするとコンクリート強度が低下してしまうので、強度低下を可及的に抑制するようにその膨張率をコントロールする必要があるが、その低下率は簡単に配合試験確認等により予測できるので許容範囲内で制御できる。

0077

次に、図1(d)に示すように、鉄筋カゴ13が掘削孔11中に建て込まれた掘削孔11にトレミー管17を吊り込む
次いで、トレミー管17の頭部にポンプを接続し、掘削孔11の先端部Sのスライム(図示せず)を除去する。
この後、ミキサー車(図示せず)からそのトレミー管17を通して掘削孔11中にコンクリート12を打設する。

0078

そして、図1(e)に示すように、検尺テープ(図示せず)によって打設高さを確認し、トレミー管17を上方に引き抜いていく。
この時、安定液16と膨張するコンクリート12が混ざらないようにする為、トレミー管17底部は常に膨張するコンクリート12の中に埋まっている状態にする。
また、膨張するコンクリート12を打設しながら安定液16の引き抜き処理をする。

0079

打設した膨張するコンクリート12は必要に応じて養生して硬化させることでコンクリート杭10を築造することができる。
このように、発泡剤等が添加された膨張するコンクリート12を打設し、これを硬化することで本発明のコンクリート杭10本体を築造できる。

0080

図4に示すように、発泡剤等の添加により膨張するコンクリート12中に気泡19が拡散することによりコンクリート躯体が膨張する。
このように、発泡剤によって膨張するコンクリート12を膨張させ、掘削孔11の内壁面Nとコンクリート杭10の外壁面Gとの間に形成される隙間を埋め且つ膨張圧力をかける。

0081

また、膨張するコンクリート12によりコンクリート杭10の体積が増大することで、掘削孔11の内壁面Nにはコンクリート杭10の外壁面Gによる圧力が加わり、その反力として掘削孔11の内壁面Nからコンクリート杭10の外壁面Gに対して圧力が加わることになる。

0082

また、コンクリート杭10本体を形成する膨張するコンクリート12は型枠代用する掘削孔11の内壁面Nに打設されることにより、型枠を代用する掘削孔11の内壁面N(孔壁地盤)が膨張するコンクリート12の膨張を拘束する。
これにより、コンクリート杭10の外壁面Gと掘削孔11の内壁面Nとの隙間が埋められ、膨張圧力と反力がかけあったまま、これらが一体化する。
したがって、コンクリート杭10が大きな先端支持力、周面摩擦力及び引抜抵抗力を有することになる。

0083

しかも、膨張するコンクリート12自体に圧縮応力が生じることになり、これに加えて鉄筋カゴ13が建て込まれていればコンクリート杭10本体が予め応力を備えた状態、すなわちケミカルプレストレスも存在した状態となり、杭耐力向上を図ることができる。

0084

さらに、生コンプラント工場又は現場において、セメント、水、骨材に加え、膨張作用を有する発泡剤等の混和材料を添加して膨張するコンクリート12を生成し、これを掘削孔11に打設するようにしているので、一回の施工のみで場所打ちコンクリート杭10を築造できる。
従って、先行特許文献に開示の従来技術に比べてコンクリート杭10の性能発揮までの時間を短縮することができる。

0085

このように、本発明の場所打ちコンクリート杭10の工法は、比較的な簡単な工法であり、強固な基礎杭を築造することができる。

0086

最後に、図1(f)に示すように、掘削孔11からケーシングを取外し、空堀部の埋戻しを行い場所打ち杭の工事完了となるが、打設コンクリート養生後に杭頭処理工程を持って標準的な場所打ちコンクリート杭10を完成させる。

0087

(拡幅部を備えた場所打ちコンクリート杭工法)
次に、掘削孔11の先端部S又は掘削孔11の中途部Tに形成した拡幅部に、前記発泡剤を添加した膨張するコンクリート12を打設する工法を説明する。

0088

図2は、掘削孔11の先端部S又は中途部Tに形成した拡幅部に膨張作用を有する膨張するコンクリート12を打設する工法を説明する説明図である。

0089

掘削孔11の先端部S又は中途部Tが拡幅した拡幅部(先端拡幅部14又は中途拡幅部15)を形成する掘削方法として、拡幅掘削装置(図示せず)を使用する。

0090

すなわち、アースドリル工法における拡幅掘削装置(図示せず)として、地中A内を掘削して掘削孔11を形成するバケット(図示せず)が裾広がり形状を有するものを使用して、掘削孔11の先端部Sが裾広がりの形状にするものが挙げられる。

0091

または、バケットの上方に先端拡幅部14の上部斜面部Bを掘削する斜面部拡幅ブレード(図示せず)を設け、このブレードをバケットの掘削範囲から外側に突出させることにより、掘削孔11の先端部Sが裾広がりの形状の先端拡幅部14を形成するものでもよい。
この拡幅掘削装置は、掘削孔11を所定の深さまで掘削した後、前記バケットを掘削孔11に挿入し、斜面部拡幅ブレードを開いて掘削孔11拡幅部の上部斜面部Bを掘削するとともに、立ち上り部拡幅ブレードを開いて掘削孔11の下部立ち上り部Cを拡幅させて掘削するものである。

0092

前記拡幅掘削装置により、図2(a)に示すように、掘削孔11の先端部Sに軸部よりも拡大させた先端拡幅部14が形成される。
そして、掘削孔11の先端拡幅部14に膨張作用を有する膨張するコンクリート12を打設する。
すると、気泡19を発生させて膨張しながら掘削孔11の先端拡幅部14に膨張するコンクリート12が充填されるのである。

0093

このように、先端拡幅部14に膨張作用を有する膨張するコンクリート12を打設し、これが硬化することにより、図2(a)に示すように、掘削孔11の先端部Sは下方への膨張する力が作用する。
また、掘削孔11の先端部Sの内壁面Nからの反力が作用する。
これにより、先端部Sでコンクリート杭10と内壁面Nとが一体になって、先端支持力が増大することになる。

0094

また、掘削孔11の上部斜面部Bでは、コンクリート杭10から掘削孔11への斜め上方への力が作用する。
従って、通常のコンクリート18では作用しない前記斜め上方への力が発生することにより、より周面摩擦力が増大することになる。しかも、引抜抵抗力を増大することになる。

0095

次に、掘削孔11の中途部Tにおいては、円筒形状のバケットの上方にそのバケットより外方に突出させたブレード等(図示せず)により掘削することで、掘削孔11径より径の大きい中途拡幅部15を形成する。
中途拡幅部15は、掘削孔11内に複数設けることができる。

0096

そして、図2(b)に示すように、この中途部Tに膨張作用を有する膨張するコンクリート12を打設する。
すると、気泡19を発生させて膨張しながら中途拡幅部15に膨張するコンクリート12が充填されるのである。しかも、この膨張作用により、中途拡幅部15の最外周の角部の狭い部分まで膨張するコンクリート12が充填される。

0097

これにより、図2(b)に示すように、掘削孔11の中途拡幅部15では、斜め上方及び斜め下方への力がコンクリート杭10外方に向かって作用することになる。
また、これに対する反力が掘削孔11の内壁面Nから作用することになる。
従って、中途拡幅部15において、通常のコンクリート18では作用しない力が発生することにより、より周面摩擦力や引抜抵抗力が増大することになる。

0098

以上のように、本実施例では掘削孔11の先端部Sでの先端拡幅部14又は中途部Tでの中途拡幅部15に膨張するコンクリート12を打設することにより、膨張するコンクリート12が中途拡幅部15で膨張するため、周面摩擦力や先端支持力が増す。
すなわち、拡幅部分での膨張するコンクリート12の体積を拡大させ、そこに生じる周面摩擦力の増大を図ると共に、周面支持力の増加及び引抜抵抗力の増大を図ることができる。

0099

(混在の場所打ちコンクリート杭工法)
本実施例では、膨張するコンクリート12と、膨張しない通常のコンクリート18とを混在させてコンクリート杭10を形成するものである。
図3は、膨張するコンクリート12と通常のコンクリート18とを混在させた場所打ちコンクリート杭10を説明する説明図である。

0100

まず、トレミー管17を通して先端側に発泡剤が添加された膨張するコンクリート12を所定量打設して、この後に通常のコンクリート18をコンクリート杭10の杭頭まで打設する。

0101

これにより、図3(a)に示すように、下部に膨張するコンクリート12層が形成され、上部に通常のコンクリート18層が形成されたコンクリート杭10を築造できる。

0102

このように、下部には膨張するコンクリート12層が形成されることにより先端支持力が増大されたコンクリート杭10を施工することができる。
特に、下部に膨張するコンクリート12層を形成することにより、先端支持力を増大させたコンクリート杭10を築造することができる。

0103

なお、図3(b)に示すように、膨張するコンクリート12と通常のコンクリート18とを混在させて複数層に形成したコンクリート杭10を形成することができる。その層の数は限定されない。

0104

また、膨張するコンクリート12の各層で発泡剤の添加量を異ならせて、膨張率を調整しながらコンクリート杭10を構築できる効果を有する。
例えば、下部のコンクリート層では膨張率を高め、上部ではその膨張率を低くしたコンクリート杭10を築造できる。

0105

このように、通常のコンクリート18に膨張するコンクリート12を複数層混在させて打設することにより、複数層に応じて掘削孔11内での先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力を増大できる効果を有する。

0106

以上、本発明の場所打ちコンクリート杭工法の実施形態を図面に基づいて説明したが、膨張するコンクリートを用いた場所打ちコンクリート杭工法に基づいて、種々の変形、改良を施した他の実施形態を実施することも可能である。
以下の変形例では、膨張するコンクリートを用いた場所打ちコンクリート杭と既製杭との合成杭の工法である。すなわち、場所打ちコンクリート杭の直杭や先端拡幅杭及び中途部拡幅杭に膨張するコンクリートを打設する場所打ちコンクリート杭工法で、掘削はアースドリル工法、オールケーシング工法、リバース工法、BH工法、深礎工法や地中連続壁工法(壁杭・壁体基礎を含む)等の場所打ちコンクリート杭の上部(杭頭部)に既製杭を建込み、その既製杭の先端部(根入れ部)と膨張するコンクリートとを一体化させて、上部は既製杭で構成され、下部は膨張するコンクリート杭とした場所打ちコンクリート合成杭の工法に実施することも可能である。

0107

(場所打ちコンクリート杭の変形例1)
変形例1では、図5に示すように、掘削孔中の鉄筋カゴに膨張するコンクリート12を打ち込み、さらに膨張するコンクリート12に既製杭20を挿入してコンクリート杭10と既製杭20とからなる合成杭21を形成するものである。なお、図5中の既製杭20としては、一例として鋼製の構真柱を用いる。

0108

掘削孔11内に安定液16を充填して掘削孔11の内壁面Nの保護を行う。次に、網目構造を有する鉄筋カゴ13が掘削孔11中に建て込まれる。

0109

鉄筋カゴ13が掘削孔11中に建て込まれた掘削孔11にトレミー管17を吊り込む。
次いで、トレミー管17の頭部にポンプを接続し、掘削孔11の先端部Sのスライム(図示せず)を除去する。この後、ミキサー車(図示せず)からそのトレミー管17を通して先端側に発泡剤が添加された膨張するコンクリート12を所定量打設する。

0110

その後、硬化前の膨張するコンクリート12に既製杭20を挿入して、コンクリート杭10と既製杭20とからなる合成杭21を築造する。

0111

このように、下部に膨張するコンクリート12が硬化したコンクリート杭10と既製杭20とを一体化した合成杭21が形成されることにより先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大された合成杭21を施工することができる。

0112

(場所打ちコンクリート杭の変形例2)
変形例2では、図6に示すように、掘削孔11中に膨張するコンクリート12を打ち込み、さらに膨張するコンクリート12に既製杭20を挿入してコンクリート杭10と既製杭20とからなる合成杭21を形成するものである。なお、図6中の既製杭20としては、一例として鋼製の構真柱を用いる。

0113

掘削孔11内に安定液16を充填して掘削孔11の内壁面Nの保護を行う。

0114

掘削孔11にトレミー管17を吊り込む。次いで、トレミー管17の頭部にポンプを接続し、掘削孔11の先端部Sのスライム(図示せず)を除去する。この後、ミキサー車(図示せず)からそのトレミー管17を通して先端側に発泡剤が添加された膨張するコンクリート12を所定量打設する。

0115

その後、硬化前の膨張するコンクリート12に既製杭20を挿入して、コンクリート杭10と既製杭20とからなる合成杭21を築造する。

0116

このように、下部に膨張するコンクリート12が硬化したコンクリート杭10と既製杭20とを一体化した合成杭21が形成されることにより先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大された合成杭21を施工することができる。

0117

(場所打ちコンクリート杭の工法の変形例3)
変形例3では、図7に示すように、掘削孔11中に鉄筋カゴ13と既製杭20を一体化して建て込んだ後、膨張する膨張コンクリート12を打ち込み、コンクリート杭10と既製杭20とからなる合成杭21を形成するものである。なお、図7中の既製杭20としては、一例として鋼製の鋼管を用いる。

0118

掘削孔11内に安定液16を充填して掘削孔11の内壁面Nの保護を行う。次に、網目構造を有する鉄筋カゴ13上部が既製杭20の中空間に挿入固定して一体化される。

0119

鉄筋カゴ13と一体化した既製杭20を掘削孔11中に建て込み、既製杭20の内孔を介して掘削孔11にトレミー管17を吊り込む。
次いで、トレミー管17の頭部にポンプを接続し、掘削孔11の先端部Sのスライム(図示せず)を除去する。この後、ミキサー車(図示せず)からそのトレミー管17を通して先端側に発泡剤が添加された膨張するコンクリート12を所定量打設する。

0120

コンクリート杭10と既製杭20とからなる合成杭21を築造する。すなわち、既製杭20と鉄筋カゴ13は一体化され、既製杭20の中空内に鉄筋カゴ13上部が挿入された形態のまま膨張するコンクリート12が硬化して合成杭21を築造する。

0121

このように、下部に膨張コンクリート12が硬化したコンクリート杭10と既製杭20と鉄筋カゴ13を一体化した合成杭21が築造されることにより先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大された合成杭21を施工することができる。このように杭頭部に鋼管の既製杭20を用いることにより水平方向の力が印加した場合に充分に杭頭部が耐えうる合成杭21を築造することができる。

0122

(場所打ちコンクリート杭の変形例4)
変形例4では、上述した図7の合成杭工法3と図8の合成杭工法4との違いは、掘削孔内に建て込む鉄筋カゴ13と既製杭20の一体化方法が異なるのみで図8においては既製杭20の先端部(根入れ部)の外周に鉄筋カゴ13上部を重ねて固定して一体化する形態であり、その他の構成は同様であり、同一符号を付して重複説明を省略する。

0123

図8に示すように、鉄筋カゴ13と既製杭20とコンクリート杭10とからなる合成杭21を築造する。

0124

このように、下部に膨張するコンクリート12が硬化したコンクリート杭10と既製杭20と鉄筋カゴ13を一体化した合成杭21が築造されることにより先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大された合成杭21を施工することができる。

0125

なお、図5から図8中の場所打ちコンクリート杭の変形例において、各変形例を既製杭の先端根固めとしての膨張するコンクリートを用いる既製杭根固め工法で実施することも可能である。

0126

(場所打ちコンクリート杭の変形例5)
変形例5では、図9に示すように、掘削孔11中の鉄筋カゴ13上部(杭頭部)に既製杭20をラップさせ一体化して建て込み膨張するコンクリート12を打ち込み、コンクリート杭10と既製杭20付きの鉄筋カゴ13からなる合成杭21を形成するものである。
この合成杭21は杭の曲げ耐力を向上するために、膨張するコンクリートを用いた場所打ちコンクリート杭の杭頭部を突起付き鋼管鋼管、又は素鋼管等により補強した場所打ち鋼管コンクリート杭炭素繊維管で補強した場所打ちコンクリート杭である。

0127

掘削孔11内に安定液16を充填して掘削孔11の内壁面Nの保護を行う。次に、網目構造を有する鉄筋カゴ13に鋼管や炭素繊維管等の既製杭20で補強し掘削孔11中に建て込まれる。

0128

鉄筋カゴ13の上部に既製杭20を一体化して掘削孔11中に建て込まれ、掘削孔11にトレミー管17を吊り込む。
次いで、トレミー管17の頭部にポンプを接続し、掘削孔11の先端部Sのスライム(図示せず)を除去する。この後、ミキサー車(図示せず)からそのトレミー管17を通して先端側に発泡剤が添加された膨張するコンクリート12を所定量打設する。

0129

コンクリート杭10と既製杭20付き鉄筋カゴ13とからなる合成杭21を築造する。すなわち、既製杭20の直径は鉄筋カゴ13の直径より大きいため、既製杭20の中空内に鉄筋カゴ13上部が挿入された形態のまま膨張するコンクリート12が硬化して合成杭21を築造する。

0130

このように、膨張するコンクリート12が硬化したコンクリート杭10と既製杭20付きの鉄筋カゴ13を一体化した合成杭21が築造されることにより先端支持力や周面摩擦力及び引抜抵抗力が増大された合成杭21を施工することができる。このように杭頭部に既製杭20を用いることにより水平方向の力が印加した場合に充分に杭頭部が耐えうる合成杭を築造することができる。

0131

また、既製杭の外周又は内周には、突起又は凹凸を設けることでコンクリート杭との結合を増すように構成してもよい。

0132

なお、上述した既製杭20としては、鋼杭や既製コンクリート杭であり、鋼杭は鋼管杭H型鋼杭、構真柱杭等であり、或いは、既製コンクリ—ト杭PHC杭(Pretensioned Spun High Strength concrete Piles)、ST杭(Step Tapered Piles)、節杭(Nodular Piles)、SC杭(Steel Composite Concrete Piles)、PRC杭(Pretensioned & Reniforced Spun High Strength Concrete Piles)、SL杭(Slip Layer Compund Piles)等である。

0133

なお、膨張するコンクリートには繊維物質を含有するようにしてもよい。繊維物質としては、例えばスチールファイバー、ビニロンファイバー、炭素繊維、ワラストナイト繊維等である。繊維物質を含有した膨張するコンクリートはひび割れ抵抗性や靱性及び強度が向上する効果がある。

0134

上述した図5から図9中の杭の形状は、膨張するコンクリートを用いた場所打ちコンクリート杭のストレート杭(直杭)であるが、図3に示すように掘削孔の先端を膨張するコンクリートを打設し、その上部に通常のコンクリートを打設した形態であってもよい。その他、膨張するコンクリートを用いた場所打ちコンクリート杭の先端拡幅杭や中途部拡幅杭、及び先端拡幅や中途部拡幅を含む地中連続壁杭(壁杭・壁体基礎を含む)に応用することも可能である。

0135

(場所打ち杭工法の変形例)
本発明の場所打ち杭工法は、地中内に形成した掘削孔にセメント流動物を打設または注入する基礎工法であって、掘削孔には予め膨張作用を有する発泡剤を添加したセメント流動物を打設または注入し、セメント流動物を逆テーパー形状に発泡膨張させて、膨張して硬化するセメント流動物が逆テーパー形状の膨張圧力を生起する基礎杭を築造する工法であるが、変形例の工法としては、基礎杭および基礎体を築造する工法である。

0136

図示はしないが、基礎杭を築造するマイクロパイル、アンカー体の基礎体を築造するグラウンドアンカー、壁杭の基礎杭や壁体の基礎体を築造する地中壁基礎・地中連続壁基礎、底盤の基礎体を築造するケーソン基礎鋼管矢板基礎補強体の基礎体を築造する地山補強土工やグラウト工等の基礎工法である。

0137

これらの基礎工法は、地中内に形成した掘削孔中にセメント流動物を打設または注入し、基礎杭や基礎体を築造する工法であるので、予め発泡剤を添加したセメント流動物を打設または注入して、セメント流動物を逆テーパー形状に発泡膨張させることができるので、掘削孔の水圧等の加圧下において、膨張して硬化するセメント流動物が逆テーパー形状の膨張圧力を生起する基礎杭や基礎体を築造することができる。

0138

[膨張するコンクリートの実証試験]
以下、発泡剤のアルミニウム粉末を添加した膨張するセメント流動物の実証試験について詳説する。実証試験を行うにあたり、8種類の配合例を作製し各配合例を順次説明したのち考察している。
[配合例A]
配合例Aは、発泡剤のアルミニウム粉末とセメントペースト(水、普通ポルトランドセメント、高性能AE減水剤標準形)と配合したセメントミルクである。
図10は、セメントミルクとしてのセメントペースト(水、普通ポルトランドセメント、高性能AE減水剤標準形)にアルミニウム粉末の量を変えて添加した場合の膨張率を示すグラフである。セメントペーストとアルミニウム粉末の配合例は表1の通りとなる。

0139

J14ロート流下時間 25秒
・アルミニウム粉末(セルメックP)の添加量は表2に示す。

0140

膨張率試験は、土木学会規準(JSCE−F 522)プレバックドコンクリート注入モルタルの膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)によって測定した。

0141

すなわち、図10に示すグラフは発泡剤のアルミニウム粉末の添加量とセメントミルクの膨張率との関係を示すものである。
発泡剤のアルミニウム粉末の添加量0g/m3、50g/m3、100g/m3、150g/m3、200g/m3によるセメントミルクの膨張率を示した。
アルミニウム粉末の添加量100g/m3から200g/m3の範囲における膨張率は、点線で示す予測的な近似直線から得ることができる。

0142

セメントミルクの膨張率は、セメント質量に対してアルミニウム粉末の添加量の増加に応じて略直線的に増加する相関関係があることから、表2のアルミニウム粉末の添加量が0g/m3、50g/m3、100g/m3の場合のそれぞれの膨張率は、0%、5%、8%であるので、アルミニウム粉末の添加量が10g/m3、150g/m3、200g/m3の膨張率は予測的な近似直線から1%、12%、16%と推定でき、アルミニウム粉末の添加量で膨張率を適宜調整することができる。

0143

また、アルミニウム粉末の添加量50g/m3、100g/m3は、セメント質量に対して、それぞれ0.8g、1.5gであって(表2参照)、セメント質量25kgに対して、0.0032%、0.006%の添加率で、10g/m3、150g/m3、200g/m3は表2及び図10から10g/m3は0.155g、150g/m3は2.32g、200g/m3は3.1gと推定でき、約0.00062%、約0.0092%、約0.0124%の添加率である。

0144

よって、発泡剤を添加したセメントミルクの膨張率が1%から16%を生起するアルミニウム粉末の添加量は、セメント質量に対して約0.00062%から約0.0124%である。

0145

[配合例B]
配合例Bは、発泡剤のアルミニウム粉末とモルタル(セメント+水+細骨材:砂等)を配合したモルタルである。表3は配合材料を示すものである。表4は配合材料の配合量を示したものである。表5は表4のとおり発泡剤のアルミニウム粉末入りモルタルを配合してその膨張率を示すものである。

0146

0147

0148

膨張率試験は、土木学会規準(JSCE−F 522)プレバックドコンクリートの注入モルタルブリーディング率および膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)によって測定した。

0149

すなわち、図11に示すグラフは、発泡剤のアルミニウム粉末の添加率によるモルタルの膨張率との関係を示すものである。

0150

モルタルの膨張率は、セメント質量に対してアルミニウム粉末の添加量の増加に応じて略直線的に増加する相関関係があることから、表4のアルミニウム粉末添加量が0g/m3、20g/m3、40g/m3の場合のそれぞれの膨張率は、0%、1.09%、2.53%であり、予測的な近似直線を描くことで、アルミニウム粉末添加量が230g/m3の場合は膨張率16.3%と推定でき、アルミニウム粉末の添加量で膨張率を適宜調整することができる。

0151

このアルミニウム粉末の添加量20g/m3、40g/m3、230/m3はセメント質量681kg/m3に対して、それぞれ0.003%、0.006%、0.0337%となり、膨張率が1%と16%は図11より、それぞれ18g/m3、226g/m3と推定され、アルミニウム粉末の添加率はそれぞれ約0.0026%、約0.0332%である。

0152

よって、発泡剤を添加したモルタルの膨張率が1%から16%を生起するアルミニウム粉末の添加量は、セメント質量に対して約0.0026%から約0.0332%である。

0153

[配合例C]
ここで、普通ポルトランドセメントを用いた膨張性コンクリートスランプ配合)において、表6(使用材料表)、表7(コンクリート配合表)、表8(コンクリート試験結果)の基づき、コンクリートの膨張性と拘束なしの場合と拘束下の場合において圧縮強度の実証試験を行った。図12は、アルミニウム粉末添加率と膨張量の推移を示すグラフであり、図13は、拘束なしの場合と拘束下の場合における横軸にアルミニウム添加量と縦軸に強度との関係を示すグラフである。
セメント質量344kgに対して、アルミニウム粉末の添加量0g、20g、40gの場合のセメント比は0%、0.0058%、0.0116%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた各膨張率は、−0.38%、0.26%、1.58%となる。なお、水セメント比は45%である。
図43中の配合例Cに示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率はアルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合には、予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。
従って、アルミニウム粉末を添加率0.025%で添加した場合には、コンクリートの膨張率が予測的な近似直線から約4.5%と予測できる。添加率0.030%で膨張率5.6%である。よって、コンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量で適宜調整することができる。
図13のグラフについて考察すると、拘束なしにおいては、アルミニウム粉末の添加率が多くなると強度低下は略直線的に低下し、発泡剤のアルミニウム粉末の添加率が0.0058%の場合は低減強度率89.76%となり、アルミニウム粉末の添加率が0.0116%の場合は低減強度率74.9%となり、予測的に添加率0.025%の場合は低減強度率45.36%と添加率0.030%で低減強度率33.78%と予測することができる。
拘束下においては、アルミニウム粉末の添加率が0.0058%の場合は低減強度率94%となり、アルミニウム粉末の添加率が0.0116%の場合は低減強度率94.98%となり、予測的に添加率0.025%の場合は低減強度率89.18%と添加率0.030%で低減強度率86.87%と予測することができる。
このグラフから拘束下においては圧縮強度が大きく低下しないことが明らかである。

0154

0155

0156

・膨張は2時間程度で開始し、4から5時間程度で終了した(図12参照)。
供試体の拘束がない場合の強度低下は、膨張率1.5%程度で25%低下した。
・供試体を拘束することで強度低下を抑えることが出来る。

0157

[膨張するコンクリートの実証試験]
以下において膨張性コンクリートの各種実証試験を行い、発泡剤のアルミニウム粉末を添加した膨張性コンクリートの実証試験について詳説する。実証試験を行うにあたり、5種類の配合例を作製し、各配合例を順次説明したのち考察している。

0158

[配合例1]
図14は配合例1に使用する材料を表わした一覧であり、図15は配合例1の使用材料の配合量を表わし、図16は配合例1におけるAL(アルミニウム粉末)添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧であり、図17は配合例1の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図18は配合例1におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。

0159

配合例1では、普通ポルトランドセメントを用いた膨張性高流動コンクリートである。図16に示すように発泡剤のアルミニウム粉末の添加率(セメント質量比)セメント量500kgに対してアルミニウム粉末を15g、30g、45gはセメント比、それぞれ0.003%、0.006%、0.009%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた膨張率は、0.2%、1.0%、2.5%となる。なお、水セメント比は35%である。

0160

図18に示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合にはアルミニウム粉末添加量と膨張率との回帰式y=0.078X−1.0733又は予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。

0161

従って、図43の配合例1に示すように、回帰式により、アルミニウム粉末の添加率が0.012%でコンクリートの膨張率は約3.6%、添加率が0.015%で膨張率は約4.77%、添加率が0.020で膨張率は約6.72%、添加率が0.025%で膨張率は約8.67%、添加率が0.030%で膨張率は約10.62%と算出でき、コンクリートの膨張率1%のアルミニウム粉末の添加率は約0.0053%で、膨張率16%のアルミニウム粉末の添加率は約0.0437%と算出でき、コンクリートの膨張率が1%から16%を生起するアルミニウム粉末の添加量はセメント質量に対して約0.0053%から約0.0437%である。

0162

よって、コンクリートの膨張率はアルミニウム粉末の添加量から算出することができるので、アルミニウム粉末の添加量を適宜調整することでコンクリートの膨張率を設定することができる。

0163

[配合例2]
図19は配合例2に使用する材料を表わした一覧であり、図20は配合例2の使用材料の配合量を表わし、図21は配合例2におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧であり、図22は配合例2におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。

0164

配合例2では、高炉セメントB種を用いた膨張性高流動コンクリートである。図21に示すように発泡剤のアルミニウム粉末の添加率(セメント質量比)セメント量407kgに対してアルミニウム粉末を0g、25g、37.5g、50gはセメント比、それぞれ0%、0.006%、0.009%、0.012%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた膨張率は、−0.3%、0.5%、1.35%、1.98%となる。なお、水セメント比は43%である。

0165

図22に示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合にはアルミニウム粉末添加量と膨張率との回帰式y=0.0592X−0.9433又は予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。

0166

従って、図43の配合例2に示すように、回帰式により、アルミニウム粉末の添加率が0.015%でコンクリートの膨張率は約2.67%で、添加率が0.020%で膨張率は約3.87%、添加率が0.025%で膨張率は約5.08%、添加率が0.03%で膨張率は約6.28%と算出でき、コンクリートの膨張率1%のアルミニウム粉末の添加率は約0.008%で、膨張率16%のアルミニウム粉末の添加率は約0.0703%と算出でき、コンクリートの膨張率が1%から16%を生起する発泡剤のアルミニウム粉末の添加量は、セメント質量に対して0.008%から0.0703%である。

0167

よって、コンクリートの膨張率はアルミニウム粉末の添加量から算出することができるので、アルミニウム粉末の添加量を適宜調整することでコンクリートの膨張率を設定することができる。

0168

また、配合例2の実質膨張率は、アルミニウム粉末の添加率0%でコンクリートの膨張率−0.3%であるのでアルミニウム粉末の添加率0.030%においては0.3%+6.28%=6.58%である。

0169

[配合例3]
図23は配合例3に使用する材料を表わした一覧であり、図24は配合例3の使用材料の配合量を表わし、図25はコンクリートのフレッシュ試験の結果を表わした一覧であり、図26は配合例3におけるAL添加量を変化させた時のフレッシュ試験と膨張率を表わした一覧であり、図27はAL添加量と膨張率測定結果を表わした一覧であり、図28は配合例3の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図29は配合例3におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。

0170

配合例3では、低熱ポルトランドセメントを用いた膨張性高流動コンクリートである。図26に示すように発泡剤のアルミニウム粉末の添加率(セメント質量比)セメント量500kgに対してアルミニウム粉末を20g、40g、60gはセメント比、それぞれ0.004%、0.008%、0.012%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた膨張率は、0.94%、3.28%、4.67%となる。なお、水セメント比は34%である。

0171

図29に示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合にはアルミニウム粉末添加量と膨張率との回帰式y=0.0935X−0.78又は予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。

0172

従って、図43の配合例3に示すように、回帰式により、アルミニウム粉末の添加率が0.015%でコンクリートの膨張率は約6.23%で、添加率が0.020%で膨張率は約8.57%、添加率が0.025%で膨張率は約10.9%と算出でき、コンクリートの膨張率が1%のアルミニウム粉末の添加率は約0.0038%で、膨張率が16%のアルミニウム粉末の添加率は約0.0358%と算出でき、コンクリートの膨張率が1%から16%を生起する発泡剤のアルミニウム粉末の添加量は、セメント質量に対して約0.0038%から約0.0358%である。

0173

よって、コンクリートの膨張率はアルミニウム粉末の添加量から算出することができるので、アルミニウム粉末の添加量を適宜調整することでコンクリートの膨張率を設定することができる。

0174

[配合例4]
図30は配合例4および5に使用する材料を表わした一覧であり、図31は(a)配合条件・試験、(b)使用ミキサ・練り混ぜ方法を表わした一覧であり、図32は配合例4の使用材料の配合量を表わした一覧であり、図33は配合例4におけるAL添加量を変化させた時のコンクリート試験結果を表わした一覧であり、図34は配合例4の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図35は配合例4におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。

0175

配合例4では、普通ポルトランドセメントを用いた膨張性コンクリート(スランプ配合18cm)である。図33に示すように発泡剤のアルミニウム粉末の添加率(セメント質量比)セメント量370kgに対してアルミニウム粉末を0g、30g、37g、44gはセメント比、それぞれ0%、0.008%、0.010%、0.012%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた膨張率は、−0.89%、−0.52%、−0.26%、−0.02%となる。なお、水セメント比は50%である。

0176

図35に示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合にはアルミニウム粉末添加量と膨張率との回帰式y=0.0357X−1.5881又は予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。

0177

従って、図43の配合例4に示すように、回帰式より、アルミニウム粉末の添加率が0.015%でコンクリートの膨張率は約0.39%で、添加率が0.020%で膨張率は約1.05%、添加率が0.025%で膨張率は約1.71%、添加率が0.03%で膨張率は約2.37%と算出でき、コンクリートの膨張率が1%のアルミニウム粉末の添加率は約0.0195%で、膨張率が16%のアルミニウム粉末の添加率は約0.1331%と算出でき、コンクリートの膨張率が1%から16%を生起する発泡剤のアルミニウム粉末添加量は、セメント質量に対して約0.0195%から約0.1331%である。

0178

よって、コンクリートの膨張率はアルミニウム粉末の添加量から算出することができるので、アルミニウム粉末の添加量を適宜調整することでコンクリートの膨張率を設定することができる。

0179

また、配合例4の実質膨張率は、アルミニウム粉末の添加率0%でコンクリートの膨張率−0.89%であるのでアルミニウム粉末添加率0.030%においては0.89%+2.37%=3.26%である。

0180

[配合例5]
図36は配合例5の使用材料の配合量を表わした一覧であり、図37は配合例5におけるAL添加量を変化させた時のコンクリート試験結果を表わした一覧であり、図38は配合例5の膨張率と経過時間との関係を示すグラフであり、図39は配合例5におけるAL添加量と膨張率の回帰式を示すグラフである。

0181

配合例5では、普通ポルトランドセメントを用いた膨張性コンクリート(スランプ配合18cm)である。図37に示すように発泡剤のアルミニウム粉末の添加率(セメント質量比)セメント量370kgに対してアルミニウム粉末を0g、30g、37g、44gはセメント比、それぞれ0%、0.008%、0.010%、0.012%と算出される。また、アルミニウム粉末の添加量に応じた膨張率は、−0.55%、0.47%、0.90%、1.25%となる。なお、水セメント比は45.9%である。

0182

図39に示すように、アルミニウム粉末を添加したコンクリートの膨張率は、アルミニウム粉末の添加量に応じて略直線的に増加するため、所定の膨張率を得たい場合にはアルミニウム粉末添加量と膨張率との回帰式y=0.0557X−1.1881又は予測的に近似直線を描いてアルミニウム粉末の添加量を算出することができる。

0183

従って、図43の配合例5に示すように、回帰式より、アルミニウム粉末の添加率が0.015%でコンクリートの膨張率は約1.9%で、添加率が0.020%で膨張率は約2.93%、添加率が0.025%で膨張率は約3.96%、添加率が0.030%で膨張率は約4.99%と算出でき、コンクリートの膨張率が1%のアルミニウム粉末の添加率は約0.0106%で、膨張率が16%のアルミニウム粉末の添加率は約0.0834%と算出でき、コンクリートの膨張率が1%から16%を生起する発泡剤のアルミニウム粉末添加量は、セメント質量に対して約0.0106%から約0.0834%である。
よって、コンクリートの膨張率はアルミニウム粉末の添加量から算出することができるので、アルミニウム粉末の添加量を適宜調整することでコンクリートの膨張率を設定することができる。

0184

また、配合例5の実質膨張率は、アルミニウム粉末の添加率0%でコンクリートの膨張率−0.55%であるのでアルミニウム粉末の添加率0.030%においては0.55%+4.99%=5.54%である。

0185

[配合例C、1から5のまとめ]
上述した配合例1から5の実証試験から、発泡剤のアルミニウム粉末の添加率に基づいた膨張するコンクリートの膨張率は事前に予測することが可能となり、当然にコンクリートの膨張率はアルミニウム粉末の添加量で適宜調整することができる。

0186

また、配合例1および配合例3においては発泡剤のアルミニウム粉末の添加率0%の場合に図17および図28に示すように初期膨張率0%である。図15に示すように配合例1の水セメント比は35%であり、図24に示すように配合例3の水セメント比は34%である。
従って、配合例1から5より、初期膨張率0%にする水セメント比は、コンクリート初期膨張率(アルミニウム粉末の添加率0%のとき)と水セメント比との関係から推測することができる。

0187

ここで、アルミニウム粉末添加率0%の初期膨張率と水セメント比との関係を図45のグラフとして示した。図45中のNO1は配合例1の膨張率0%と水セメント比35%との関係を示しており、NO2は配合例2の膨張率−0.3%と水セメント比43%との関係を示しており、NO3は配合例3の膨張率0%と水セメント比34%との関係を示しており、NO4は配合例4の膨張率−0.89%と水セメント比50%との関係を示しており、NO5は配合例5の膨張率−0.55%と水セメント比45.9%との関係を示している。

0188

図45に示すように、配合例C,2,4,5の水セメント比の初期膨張率の各プロットを直線で結び、さらに点線で描いた近似直線を膨張率0%まで結ぶことで、コンクリート初期膨張率(アルミニウム粉末の添加率0%のとき)が水セメント比39.5%程度であると予測的に読み取ることができる。
これにより、配合例C、1から5については水セメント比を39.5%以下となる配合としたのちに、発泡剤のアルミニウム粉末を添加することにより、初期膨張率0%を基準としたコンクリートの設定膨張率を確実に生成することができる。

0189

また、配合例4および5についてブリーディング試験を実施した。
図40は配合例4および配合例5の使用材料の配合量(ALなし)を表わした一覧であり、図41は、配合例4および配合例5においてのコンクリート試験結果を表わした一覧であり、図42は配合例4および配合例5においての経過時間あたりのブリーディング量(cm3)を表わすグラフである。

0190

図40中のNO1は混和剤SV10Lを用いた配合例4であり、NO2は混和剤SF500Sを用いた配合例5である。すなわち、図41に示すように、NO1の配合例4は、混和剤SV10L(AE減水剤標準形)C×1.0%のときブリーディング率3.57%となり、NO2の配合例5は、混和剤SF500S(高性能AE減水剤)C×0.8%のときブリーディング率1.24%となる。

0191

一方、混和剤のAE減水剤を用いたコンクリート配合に発泡剤のアルミニウム粉末(セルメックP)を添加した場合には元の沈降量が大きいために膨張によってその沈降量をキャンセルするが、最終的にコンクリートが膨張した量は小さくなる。

0192

他方、混和剤の高性能AE減水剤を用いたコンクリート配合に発泡剤のアルミニウム粉末(セルメックP)を添加した場合には単位水量を低減することができるので、沈降量が小さくなり、最終的にコンクリートを所定の量だけ膨張させることができる。

0193

図41および図42に示すように、コンクリートのブリーディング量が多くなるとコンクリートの沈降量が大きくなる。したがって、コンクリートの沈降量が大きくなると発泡剤のアルミニウム粉末(セルメックP)による膨張量は小さくなる。

0194

かかることからコンクリートのブリーディング率が0%になるように、混和剤の高性能AE減水剤等の添加量を適宜決定して使用することで初期膨張率0からの膨張率を生成することが可能となる。

0195

従って、発泡剤のアルミニウム粉末の添加量によるコンクリートの膨張は、コンクリート配合を水セメント比からとブリーディングを抑える初期膨張率を0%配合して、設定膨張率に必要なアルミニウム粉末の量を適宜決定することが好ましい。

0196

また、コンクリートの膨張率を上げるには、単位セメント量を多くして、かつ、発泡剤のアルミニウム粉末の添加量を多くすることで、大きな膨張率を得ることが出来る。

0197

[ALの添加量に応じたコンクリート圧縮強度実証試験]
図44は、配合例C、3,4,5におけるアルミニウム粉末の添加率とコンクリート圧縮強度との関係を表わしたグラフである。
図44に示すように、配合例3,5,4は発泡剤のアルミニウム粉末の添加率が増加するにつれて、圧縮強度の低減が略直線的に推移する。アルミニウム粉末添加率が0.008%の場合において、配合例3の低減強度率は92.02%となり、配合例5の低減強度率は93.29%となり、配合例4の低減強度率は93.60%となる。よって、アルミニウム粉末添加率が0.008%の場合では、低減強度率を最大約92%程度と予測することができる。

0198

また、アルミニウム粉末添加率が0.012%の場合において、配合例3の低減強度率は80.67%となり、配合例5の低減強度率は84.91%となり、配合例4の低減強度率は88.24%となる。よって、アルミニウム粉末添加率が0.012%の場合では、低減強度率を最大約80%程度と予測して、発泡剤のアルミニウム粉末の添加量の配合計画を事前に行うことができる。

0199

また、圧縮強度の低減が略直線的に推移することから予測的にアルミニウム粉末添加率が0.015%の場合において、配合例3の低減強度率は79.36%と、配合例5の低減強度率は81.19%と、配合例4の低減強度率は85.15%と推定できる。よって、アルミニウム粉末添加率が0.015%の場合では、低減強度率を最大約79%程度と予測することができる。

0200

また、予測的にアルミニウム粉末添加率が0.020%の場合において、配合例3の低減強度率は68.40%と、配合例5の低減強度率は75.04%と、配合例4の低減強度率は80.41%と推定できる。よって、アルミニウム粉末添加率が0.020%の場合では、低減強度率を最大約68%程度と予測することができる。

0201

また、図44の配合例3,4,5に示すように、アルミニウム粉末の添加率が0.025%の場合においては、配合例3の低減強度率は60.58%と、配合例5の低減強度率は68.9%と、配合例4の低減強度率は75.25%と推定できる。

0202

また、予測的にアルミニウム粉末添加量が0.030%の場合において、配合例3,5,4のコンクリート圧縮強度と低減強度率は、次のように推定できる。

0203

すなわち、配合例3の強度は、34.8N/mm2となり、配合例3の低減強度率は、53.37%となる。また、配合例5の強度は、34.0N/mm2となり、配合例5の低減強度率は、63.31%となる。配合例4の強度は、33.8N/mm2となり、配合例4の低減強度率は、69.69%となる。

0204

従って、アルミニウム粉末の添加率が0.025%の場合では、低減強度率を最大約60%程度と近似直線から予測できる。

0205

また、アルミニウム粉末の添加率が0.030%の場合では、低減強度率を最大約53%程度と近似直線から予測できる。

0206

このことから、アルミニウム粉末添加率が0.008%の場合で低減強度率が最大92%程度、0.012%の場合で低減強度率が最大80%程度、0.015%の場合で低減強度率が最大79%程度、0.020%の場合で低減強度率が最大68%程度、0.025%の場合で低減強度率が最大60%程度、0.030%の場合で低減強度率が最大値53%程度となり、アルミニウム粉末の添加率が0.005%ずつ増加すると、コンクリート強度は逆に約7%から11%の範囲で略直線的に低下することが推定できる。

0207

よって、アルミニウム粉末添加量とセメント量とは、相関関係にあることから、アルミニウム粉末添加量によるコンクリート圧縮強度は、予測できる。

0208

配合例Cの拘束ありと拘束なし(自由膨張)の実証試験について説明する。
先ず、配合例Cの拘束ありの場合において、アルミニウム粉末添加率が0%の場合では、コンクリート強度51.8N/mm2となる。アルミニウム粉末添加率が0.0058%の場合では、コンクリート強度48.7N/mm2で強度低減率94.01%となる。アルミニウム粉末添加率が0.0116%の場合では、コンクリート強度49.2N/mm2で強度低減率94.98%となる。
予測的にアルミニウム粉末の添加率が、0.025%の場合では、コンクリート強度46.2N/mm2で強度低減率89.18%と推定でき、予測的にアルミニウム粉末の添加率が、0.030%の場合では、コンクリート強度45.0N/mm2で強度低減率86.87%と推定できる。

0209

この強度関係から、アルミニウム粉末添加率が0.0058%より、添加量の多い0.0116%のコンクリート強度が僅かであるが増加していることから、ガス発生によるコンクリートの膨張が型枠の存在によって抑制される結果、骨材とセメントとの付着が改善されて、それに伴って強度も僅かながら増加するものと考えられる。

0210

しかし、予測的にアルミニウム粉末添加率0.025%の場合では強度低減率89.18%と推定でき、アルミニウム粉末添加率0.030%で強度低減率86.87%と推定できる。この強度の低減が、横ばいとなっている結果からも他の配合例3、4、5より拘束ありの状態が非常によく拘束状態を形成できているものと考えられる。

0211

このことは、本発明の場所打ちコンクリート杭工法では、膨張するコンクリートを拘束下の状態(掘削孔内)におくことで、コンクリートの強度低下は少なくとも横ばい状態とすることができ、すなわち、膨張するコンクリートは、膨張による強度低下を少なくすることができる。

0212

逆に、配合例Cの拘束なしの場合においては、アルミニウム粉末の添加量が増加するとコンクリート強度は大きく低下してしまう。

0213

配合例Cの拘束なしの強度低下は略直線的な関係を示しており、アルミニウム粉末の添加率が0.0058%の場合では強度低減率が89.76%となる。アルミニウム粉末の添加率が0.0116%の場合では強度低減率が74.9%となる。予測的にアルミニウム粉末の添加率が0.025%の場合では強度低減率が45.36%と推定できる。予測的にアルミニウム粉末の添加率が0.030%の場合では強度低減率が33.78%と推定でき、強度は17.5N/mm2と大きく低下すると推定できる。

0214

さらに、アルミニウム粉末の添加率が0.030%の場合において、配合例Cの拘束なしを配合例Cの拘束ありと比較する。この配合例Cの拘束なしの強度低減率33.78%は配合例Cの拘束ありの強度低減率86.87%の(33.78÷86.87×100=)約1/2.5であり、配合例4の強度低減率69.69%の(33.78÷69.69×100=)約1/2となる。よって、拘束なしと拘束ありとは大きな圧縮強度差が出るが、膨張するコンクリートは掘削孔壁面により確実に拘束されるため、配合例Cの拘束ありと同じように良好な拘束状態を形成できるので、膨張による強度低下が少なく膨張するコンクリートを生成することができる。

0215

結果的に、発泡剤のアルミニウム粉末を添加したセメント流動物の実証試験において、セメントミルク、モルタル、コンクリートのセメント流動物の膨張率が1%から16%を生起する発泡剤のアルミニウム粉末の添加量は、セメントミルクの場合はセメント質量に対して約0.00062%から0.0124%であり、モルタルの場合はセメント質量に対して約0.0026%から0.0332%である。

0216

コンクリートの場合は、配合例1から5において、添加率が小さく膨張率が大きい配合例3ではセメント質量に対して約0.0038%から約0.0358%であって、添加率が大きく膨張率が小さい配合例4ではセメント質量に対して約0.0195%から約0.1331%である。
よって、コンクリートの場合はセメント質量に対して約0.0038%から約0.1331%である。

0217

また、アルミニウム粉末の添加率のよる膨張率は、同じ添加率でも温度が低くなるほど反応速度が遅くなり膨張率が小さくなる特性があるので、アルミニウム粉末の添加量を、セメントミルクの場合は0.001%から0.02%とする、モルタルの場合は0.003%から0.04%とする、コンクリートの場合は0.004%から0.14%とするのが好ましい。

0218

また、図43に示すように、アルミニウム粉末の添加率によるセメントミルク、モルタル、コンクリートのセメント流動物の膨張率は、アルミニウム粉末の添加率が大きくなるほど略直線的に大きくなる相関関係があることから、アルミニウム粉末の添加率からセメント流動物の膨張率を予測することができる。

0219

また、図44に示すように、アルミニウム粉末の添加率によるセメント流動物の強度は、アルミニウム粉末の添加率が大きくなるほど略直線的に低下する相関関係があることから、アルミニウム粉末の添加率からセメント流動物の圧縮強度を予測することができる。

0220

従って、必要な膨張率と必要な強度を加味しながら、アルミニウム粉末の添加量を適宜調整することで、セメント流動物が所定の膨張率及び強度を予測することができ、また、セメント流動物の膨張率及び強度を配合試験や試験練りで確認することができる。

0221

以下、場所打ちコンクリート杭、マイクロパイル、グラウンドアンカー、PCウェルで実施の形態を説明する。

0222

場所打ちコンクリート杭で実施の形態を予測する。
(場所打ちコンクリート杭の例1)
例えば、杭径φ2000mm(掘削孔)、掘削深さGL−25m、杭長L=25m(杭先端GL−25mからGL−15m間はアルミニウム粉末の添加したコンクリートで、GL−15mからGL±0m(施工地盤)間は通常のコンクリートを打設する合成杭)の大径の基礎杭で実施する。

0223

先ず、杭長25mの杭の先端部分10m(GL−25mからGL−15m間10m)は、膨張するコンクリートを打設する。続いて、膨張するコンクリートの上端から杭頭天端迄15m(GL−15mからGL±0m間15m)は通常のコンクリートを打設する。

0224

先に打設する膨張するコンクリートは、セメントとの反応開始時間を適宜調整したアルミニウム粉末を添加したコンクリートで、配合例3の膨張率4.67%(アルミニウム粉の添加率0.012%)を使用する。

0225

この膨張率4.67%をGL−15mで生起させるアルミニウム粉末の添加率は、掘削深さGL−15mの気圧は2.5気圧であるから2.5倍し、また、コンクリートの比重2.3を乗じて求める。

0226

すなわち、0.012%×2.5×2.3=0.069%の添加率であって、セメント質量が500kg/m3であるから、アルミニウム粉末の添加量は500kg/m3×0.069%=0.345kg/m3=345g/m3である。
よって、この膨張するコンクリートは、GL−15mで膨張率が4.67%であるから、杭先端のGL−25mでの膨張率は、ボイルの法則から4.67%×2.5(GL−15mの気圧)=11.675%となり、11.675%÷3.5(GL−25mの気圧)≒3.33%である。

0227

この膨張率は、掘削深さGL−15mの膨張率4.67%は杭径φ2000mmをφ2046mmの大きさに、また、GL−25mの膨張率3.33%は杭径φ2000mmをφ2033mmの大きさに膨らます膨張圧力の大きさである。

0228

掘削孔の地盤が普通または緩い場合では、杭径φ2000mmで杭長25mを形成する基礎杭は、杭長25mの内、杭頭部側(通常のコンクリート)の15mの杭径はφ2000mmの大きさで、杭下端側(膨張性コンクリート)の10mにおいては、上部の掘削深さGL−15mの部分の杭径はφ2000mmをφ2046mmの大きさに、下部(杭先端部)の掘削深さGL−25mの部分の杭径はφ2000mmをφ2033mmの大きさに膨らます逆テーパー13mmの膨張圧力を生起して逆テーパー形状の膨張を形成する。

0229

この逆テーパー形状に膨張を形成する基礎杭は、載荷重による基礎杭の沈下で逆テーパー形状に側壁地盤を押し広げようとするので、側壁地盤は沈下に対する抵抗力を発現して沈下を抑制し支持力が向上する。

0230

また、掘削による地盤の緩みを膨張するコンクリートの膨張圧力で緩んだ地盤を押圧して締め固めるので、基礎杭と周面地盤とは強固に一体化し周面摩擦力が向上する。
また、高さ10mで13mmの逆テーパー形状の膨張したくさび型であるので、周面地盤と強固に一体化したくさび型は引抜抵抗力が大きく向上する。
よって、逆テーパー形状の膨張を形成した基礎杭は先端支持力や周面摩擦力および引抜抵抗力が向上する。

0231

掘削孔の孔壁地盤が硬い場合では、基礎杭の膨張性コンクリート杭部分の10mの杭径φ2000mmは掘削孔内で膨張するが、地盤が硬いために掘削孔壁に拘束されて膨張は十分に膨らまず、膨張して硬化した基礎杭は逆テーパー形状の膨張圧力を生起したままの不十分な膨張を形成するので、膨張が拘束された余力の膨張圧力は掘削孔壁を押圧して反作用の反力を受けることで、基礎杭の膨張圧力と掘削地盤からの反作用の反力は膨張して硬化する基礎杭と孔壁地盤とを強固に一体化させる効果がある。
よって、逆テーパー形状の膨張圧力を生起して、不十分な逆テーパー形状の膨張を形成した基礎杭は先端支持力や周面摩擦力および引抜抵抗力が向上する。

0232

掘削孔の孔壁地盤が非常に硬い(例えば、岩の地層)場合では、基礎杭の径φ2000mmは掘削孔内で膨張しようとするが、地盤が非常に硬いために膨張は掘削孔壁に拘束されて膨らまないが、膨張するコンクリートは逆テーパー形状の全膨張圧力を生起しているので、掘削孔壁で拘束された全膨張圧力の反作用の反力を受けて孔壁地盤とはより強固に一体化する。
よって、膨張が拘束され全膨張圧力を生起した基礎杭は先端支持力や周面摩擦力および引抜抵抗力が向上する。

0233

また、圧縮強度においては、図44の配合例3のアルミニウム粉末の添加率0.012%から52.6N/mm2であるから、良好なコンクリート杭の強度である。

0234

(場所打ちコンクリート杭の例2)
例えば、杭径φ800mm、掘削深さGL−20m、杭長20m(杭先端10mが膨張性コンクリート杭+杭上端10mが通常コンクリート杭=合成杭20m)の小径の基礎杭で実施する。
コンクリート配合は、現状の場所打ちコンクリート杭に近い配合例5のセメント量370kg/m3、スランプ18cmで膨張率は4.99%(図43の配合例5のアルミニウム粉末の添加率0.030%)のコンクリートを使用する。

0235

先ず、アルミニウム粉末の添加量は、掘削深さGL−10mで打設したコンクリートの膨張率が4.99%となるようにするには、常圧(大気圧)でのアルミニウム粉末添加率は0.030%であるので、掘削深さGL−10mのアルミニウム粉末添加量はセメント質量に対して0.030%×2(GL−10mの気圧)×2.3(コンクリート比重)=0.138%であるから、アルミニウム粉末の添加量はセメント質量370kg/m3×0.138%=.0.5106kg/m3≒510g/m3である。

0236

また、ボイルの法則から、深さ20mの膨張率は、4.99%×2(深さGL−10mの気圧)÷3(深さGL−20mの気圧)=3.32%である。

0237

この膨張率は、掘削深さGL−10mのコンクリートの膨張率4.99%は杭径φ800mmをφ819mmに、深さGL−20mの膨張率3.32%は杭径φ800mmをφ813mmに膨らます膨張圧力の大きさである。

0238

よって、杭径φ800mmで杭長20mを形成する基礎杭は、杭先端から高さ10mにおいて、上端部の掘削深さGL−10mの部分の杭径はφ800mmをφ819mmの大きさに、下端部(杭先端部)の掘削深さGL−20mの部分の杭径はφ800mmをφ813mmの大きさに膨らます逆テーパー6mmの逆テーパー形状の膨張圧力を生起して、逆テーパー形状の膨張を形成した、または不十分な逆テーパー形状の膨張を形成した、或は逆テーパー形状の膨張圧力を生起した基礎杭である。

0239

また、コンクリート強度においては、図44の配合例5から34N/mm2であり、良好なコンクリート杭強度である。

0240

次に、マイクロパイルで実施の形態を予測する。
(マイクロパイル)
マイクロパイルとは、杭径φ100mmからφ300mm程度の小口径の場所打ち杭・埋込み杭の総称である。
地山を削孔(掘削)して鉄筋、鋼管などの鋼製補強材を挿入し、セメント流動物を注入して基礎杭を築造する。

0241

例えば、杭径φ200mm、掘削深さ15m、杭長15m(杭先端側10mに膨張性セメントミルク+杭天端側5mに通常セメントミルク=合成杭15m)の基礎杭で実施する。

0242

先ず、掘削深さ5mの位置でセメントミルクを12%に膨張させるには、注入するセメントミルクの膨張率が常圧と同じように生起するアルミニウム粉末の添加量を求める。

0243

膨張するセメントミルクが12%を生起するには、図11よりアルミニウム粉末の添加率は0.0092%であるから、掘削深さGL−5mで膨張率12%を生起するには0.0092%(常圧の添加率)×1.5(深さ5mで1.5気圧)×1.92(水セメント比30%のセメントミルク比重)≒0.0264%のアルミニウム粉末の添加量である。

0244

また、ボイルの法則から、掘削深さ15m部分の膨張率は12%×1.5(深さ5mの気圧)÷2.5(深さ15mの気圧)=7.2%である。
この膨張率は、掘削深さGL−5mで杭径φ200mmをφ211mmに膨らます、深さGL−15m(杭先端)の杭径φ200mmをφ207mmに膨らます膨張圧力の大きさである。

0245

よって、杭径φ200mmで杭長15mを形成する基礎杭は、杭先端から高さ10mにおいて、杭長15mの杭頭側5mは杭径φ200mmを形成し、杭先端側(下部側)の10mの上端部(掘削深さGL−5m)は杭径φ200mmがφ211mmの大きさに、下端部(杭先端)は杭径φ200mmがφ207mmの大きさに膨らます逆テーパー4mmの逆テーパー形状の膨張率を生起し、逆テーパー形状の膨張を形成した、または不十分な逆テーパー形状の膨張を形成した、或いは逆テーパー形状の膨張圧力を生起した基礎杭である。

0246

続いて、グラウンドアンカーで実施の形態を予測する。
(グラウンドアンカー)
地中内に掘削した掘削孔にセメント流動物を注入する基礎工法であって、基礎体(アンカー体)を築造するグラウンドアンカーで実施の形態を予測する。

0247

グラウンドアンカーは、削孔径φ50mmからφ165mmのケーシングで水を用いて削孔する削孔内に、PC鋼材を挿入しセメント流動物(セメントミルクやモルタル等)を注入して、アンカー体(基礎体)を強固な安定地盤に築造し抵抗体とすることで斜面や土留め壁及び構造物の安定を図る基礎工法である。
この安定地盤は岩の地層や岩に近い地層等の強固な地盤であるので、安定地盤内に築造されたアンカー体は小さな膨張率の膨張圧力で周面摩擦力が期待できる。
水がになる膨張率は約9%でありこの膨張率は水道管などの筒状管の拘束下において筒状管を破裂させる膨張圧力である。アンカー体においても強固な安定地盤内の拘束下であるので注入するセメント流動物の膨張率を5%で実施する。

0248

例えば、削孔径φ90mm、削孔深さGL−25m、定着長7mのアンカー体(強固な安定地盤内に先端側5mにアルミニウム粉末を添加したセメントミルクを注入+その上部2mに通常のセメントミルクを注入=7mの合成アンカー体)の基礎体で実施する。

0249

先ず、削孔深さGL−20mの高水圧下でセメントミルクの膨張率5%のアンカー体を築造するアルミニウム粉末の添加量を求める。
セメントミルクが5%を生起するには、図10より、アルミニウム粉末の添加率はセメント質量に対して0.0032%/m3であるから、深さGL−20mで膨張率5%を生起するには、0.0032%×3(深さGL−20mの気圧)×1.92(水セメント比30%のセメントミルク比重)=0.0096%/m3のアルミニウム粉末の添加率の添加量である。

0250

また、削孔深さGL−25mの膨張率は、ボイルの法則より、5%×3(深さGL−20mの気圧)÷3.5(深さGL−25mの気圧)≒4.285%である。
よって、アンカー体は、深さGL−20mで膨張率5%はφ90mmがφ92.2mmに、深さGL−25mで膨張率4.285%はφ90mmがφ91.9mmに膨らます逆テーパー形状の膨張圧力を生起する。

0251

アンカー体の定着長7mは、アンカー体の削孔径φ90mmが、削孔深さGL−18mからGL−25mの内、削孔深さGL−18mからGL−20mの2m間においては、アンカー体の径はφ90mmであり、削孔深さGL−20mからGL−25mの5m間においては、膨張するセメントミルクのアンカー体はGL−20mでφ90mmがφ92.2mm、GL−25mでφ90mmがφ91.9mmの逆テーパー0.3mmの大きさの形状に膨らます膨張圧力を生起する。
この膨張するアンカー体は強固な安定地盤内(岩の地層や岩に近い地層等)に築造されるので、安定地盤内の削孔内で逆テーパー形状の膨張圧力を生起するが、膨張は削孔壁地盤に拘束され膨らまず、逆テーパー形状の膨張圧力を生起したままで反作用により全膨張圧力の反力を受けた状態となり、互いに逆テーパー形状の膨張圧力をかけあってアンカー体と削孔地盤とは強固な圧密力の密着力で一体化したアンカー体となる。

0252

続いて、PCウェルで実施の形態を予測する。
(PCウェル工法)
PCウェル工法はケーソン基礎の一つでオープンケーソン圧入方式の一つである。
本工法は、円筒形の単体ブロックポストテンション方式プレストレスを導入させながら積み重ね内部をハンマーグラブなどで掘削し、グラウンドアンカーなどを反力として所定深度まで圧入沈設する工法で、ブロックを沈設後底盤に水中不分離性コンクリートトレミー方式で打設し底盤コンクリートの基礎体を築造する工法である。

0253

例えば、PCウェル外径φ3000mm、内径φ2400mmで掘削深さGL−20mの水圧下において、掘削深さGL−17mまで水中コンクリートを打設し厚さ3mの底盤コンクリートの基礎体を築造する。

0254

打設する水中コンクリートは、水中不分離性混和剤を添加した水中不分離性コンクリートで配合例3の膨張率3.28%(アルミニウム粉末の添加率0.008%)を使用する。

0255

掘削深さGL−20mの水圧下で、この膨張率3.28%を生起するアルミニウム粉末の添加率は、0.008%×3(GL−20mの気圧)×2.3(コンクリート比重)=0.0552%であり、添加量はセメント質量500kg/m3×0.0552%=0.276=276g/m3である。

0256

また、ボイルの法則から、掘削深さGL−20mの膨張率は3.28%であるので掘削深さGL−17mの膨張率は、3.28%×3(GL−20mの気圧)÷2.7(GL−17mの気圧)≒3.64%である。

0257

掘削深さGL−17mの底盤コンクリートの天端の膨張率は3.64%であるので、φ2400mmをφ2443mmに膨らます膨張圧力の大きさであり、掘削深さGL−20mの底盤コンクリートの下端の膨張率は3.28%でφ2400mmをφ2439mmに膨らます膨張圧力の大きさである。

0258

よって、底盤コンクリートの基礎体は、高さ(厚さ)3mにおいて、φ2400mmの底盤コンクリートは上部がφ2443mmで下部がφ2439mmの逆テーパー4mmの大きさに膨らます逆テーパー形状の膨張圧力の大きさである。

0259

また、この底盤コンクリートの強度は図44の配合例3から60N/mm2で良好である。

0260

本工法は、掘削孔の加圧下の底盤に打設する水中コンクリートに発泡剤を添加したセメント流動物のコンクリートを打設することで、打設したコンクリートがPCウェル内壁面に逆テーパー形状の膨張圧力をかけるので、PCウェル内壁面の膨張は拘束され膨張圧力の反力を生起し互いに圧力をかけあいPCウェルと底盤コンクリートとは強固に一体化する。

0261

また、底盤に打設した発泡剤を添加したコンクリートはPCウェル先端部の地山地盤に膨張圧力をかけ、先端地盤の掘削による地盤の緩みを膨張圧力で押圧し圧密して先端地盤を強化することで、PCウェルの初期沈下を抑え先端支持力を向上する、また、PCウェル内壁面は底盤コンクリートが逆テーパー形状の膨張圧力で強固に一体化して止水効果が大きい。

0262

このように、ケーソン内を水中掘削するケーソン基礎には、PCウェル工法やハイアック圧入ケーソン工法、自動化オープンケーソン工法(SOCS)、アーバリング工法等がある。また、鋼管矢板内を水中掘削し底盤コンクリートの基礎体を築造する鋼管矢板基礎も同様な工法である。

0263

以上、場所打ちコンクリート杭、マイクロパイル、グラウンドアンカー、PCウェルで実施の形態を説明したが、掘削孔の地盤が普通または緩い場合では、掘削による地盤の緩みが大きくなるので、打設または注入するセメント流動物の膨張率を大きくし、緩んだ掘削孔壁を膨張圧力で押圧し圧密強化するとともに、作用・反作用の圧力をかけあうことで、膨張して硬化した基礎杭や基礎体と周面地盤とは強固に一体化することができる。
また、掘削孔の孔壁地盤が硬い場合、又は非常に硬い場合では、掘削による地盤の緩みが小さい又は緩みがないので、打設または注入するセメント流動物の膨張率を小さくしても、緩みが小さい又は緩みがない地盤を逆テーパー形状の膨張圧力で押圧する作用・反作用の圧密力の密着力で基礎杭や基礎体と周面地盤とはより強固に一体化する。

0264

大口径のケーソン基礎のPCウェルにおいては、PCウェル内径φ2400mm(外径φ3000mm)を径φ2400mmからφ2410mmに膨らます膨張率は0.84%であり、φ2400mmからφ2420mmに膨らます膨張率は1.67%であり、φ2400mmからφ2430mmに膨らます膨張率は2.51%である。

0265

また、大口径の場所打ちコンクリート杭は、杭径φ2000mmからφ2010mmに膨らます膨張率は1%であり、φ2000mmからφ2020mmに膨らます膨張率は2%であり、φ2000mmからφ2030mmに膨らます膨張率は3%である。
このように、大口径の掘削孔においては、小さな膨張率1%から3%で10mmから30mm程度に膨らます逆テーパー形状の膨張圧力を生起することができる。

0266

また、小口径の場所打ちコンクリート杭は、杭径φ800mmからφ810mmに膨らます膨張率は2.51%であり、φ800mmからφ820mmの20mm膨らます膨張率は5.06%であり、φ800mmからφ830mmの30mm膨らます膨張率は8.65%である。
このように、小口径の掘削孔においては2%から9%の膨張率で10mmから30mm程度に膨らます逆テーパー形状の膨張圧力を生起することができる。

0267

さらに小口径のマイクロパイルは、杭径φ200mmをφ205mmに膨らます膨張率は5.06%であり、φ200mmをφ210mmに膨らます膨張率は10.2%で、φ200mmをφ215mmに膨らます膨張率は15.56%である。
このように、さらに小口径の掘削孔においては5%から16%の膨張率で5mmから15mm程度に膨らます逆テーパー形状の膨張圧力を生起することができる。

0268

また、より小口径のグラウンドアンカーは、アンカー体が安定地盤(岩の地層や岩に近い地層等)内に築造されるので、膨張するセメント流動物は膨張の拘束力が大きい安定地盤内において、小さな膨張量1mmから4mm程度の膨張圧力で周面摩擦力が期待できる。
削孔径φ90mmをφ94mmに膨らます膨張率は約9%であり、φ90mmをφ93mmに膨らます膨張率は約6.8%であり、φ90mmをφ92mmに膨らます膨張率は約4.5%であり、φ90mmをφ91mmに膨らます膨張率は約2.2%である。
このように、グラウンドアンカーではセメント流動物の膨張率が小さくても周面摩擦の抵抗力を期待できる。

0269

以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは、地中内に形成した掘削孔に、予め発泡剤を添加したセメント流動物を打設または注入する基礎工法であるので、地中内に形成した掘削孔に予め発泡剤を添加したセメント流動物を注入し、掘削土壌攪拌混合してソイルセメントを造成する基礎工法で実施可能である。
例えば、既製杭埋込み工法鋼管ソイルセメント杭工法、回転杭根固め工法および地盤改良固化工法(浅層混合工法、中層混合工法、深層混合工法)、地山補強土工法等である。
これらは、地中内に掘削した掘削孔に予め発泡剤を添加したセメント流動物を注入し、掘削土壌と攪拌混合してソイルセメントを造成する工法であり、造成したソイルセメントを逆テーパー形状に発泡膨張させて、膨張して硬化するソイルセメントが逆テーパー形状の膨張圧力を生起する基礎杭、基礎体、改良体、補強体等を造成することができる。
また、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。

0270

10場所打ちコンクリート杭
11掘削孔
12膨張するコンクリート
13鉄筋カゴ
14 先端拡幅部
15中途拡幅部
16安定液
17トレミー管
18 通常のコンクリート
19気泡
20既製杭
21合成杭
A地中
B 上部斜面部
C 下部立ち上り部
G外壁面
N内壁面
S 先端部
T 中途部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ