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技術 テルネサイト−ベライト−スルホアルミン酸カルシウムクリンカーの製造方法

出願人 ハイデルベルクセメント・アクチエンゲゼルシャフト
発明者 ブラーヤーン・フランクシュミット・ディルクベン・ハーハ・モーゼン
出願日 2016年6月30日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-130282
公開日 2017年1月26日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-019712
状態 特許登録済
技術分野 セメント、コンクリート、人造石、その養生
主要キーワード 二次元素 冷却パラメータ 鉱物学的組成 オケルマナイト 廃棄ゴミ アルカリ硫酸塩 冷却プログラム 廃棄製品
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

原料粉末混合物の大部分を、産業副生成物で構成するのを可能にすることにより、及び/又はより少ないCO2放出量の製造方法によって、環境に対する悪影響がより少ない水和活性クリンカーの製造方法を提供することである。

解決手段

テルネサイトベライトスルホアルミン酸カルシウムフェライト)クリンカー(TBC$A(F))の製造方法である。本発明はまた、クリンカー製造のための化学的組成匹敵する、代替原材料、例えば、低品質な、ランプスラグ及びアッシュのような、低いガラス含有量及び/又は高い遊離石灰含有量及び高い結晶性高温相含有量を有する材料、並びに自然に産する岩石及び岩石ガラスのような、産業副生成物をベースとする原材料の使用にも関する。

概要

背景

セメント産業界では、世界規模のCO2の産出が憂慮されている。何年にもわたり、世界中で、特に、国々の発展においてセメントの需要が増大し、さらには、原材及びエネルギー費用が上昇し、そしてCO2の承認によって、クリンカー要素の減少、例えば、石灰石粉末フライアッシュ及び粉砕高炉スラグが、クリンカー置換材料として添加されている。他の産業由来副生成物及び廃棄製品のこの使用並びに代替バインダーの開発は、政治、科学及び経済において益々注目を集めるようになっている。

世界中で、膨大な量の材料が、熱廃棄物処理エネルギー生成、鋼精査貴金属抽出等に消費されており、以下で産業副生成物と呼ぶ。用途の品質組成/分野に依存して、これらの幾分か又は全てを、様々なプロセス及び製品、例えば、ポルトランドセメントのクリンカー製品のための回収剤コンクリート添加剤及びアスファルト及びコンクリートの粗骨材等において再利用することができる。

しかしながら、様々な要因、例えば、均質性欠如化学的及び鉱物学的)及び有害物質有機物化学物質重金属等)の含有量に起因して、産業副生成物の使用はいくつかの問題を必然的に含んでいる。これらのうち、OPCクリンカーの反応性/品質の低下又は不十分な体積のセメント安定性により、多量のそのような材料を、毎年、多大な費用で廃棄しなければならないか、又は廃棄ゴミ物質及び埋め立て材料として使用しなければならない。そのような材料の廃棄には、例えば、浸出プロセスによって周囲領域及び水系/地下水汚染し得るという問題も招き得る。

それ故、産業副生成物の使用/処理は、大きな課題及び未だ解決すべき問題となっている。将来、最大効率で環境を壊さずに利用可能な源の使用が必要不可欠となり、これは世界中に関連している。

セメント中のクリンカー、及び原料粉末混合物中の原材料の置き換え以外に、その他の水硬性バインダーを見い出す試みもまたなされている。これらには、主成分として、スルホアルミン酸系セメント及びベライト含有セメントが含まれる。

以下での説明を簡単にするために、セメント産業界で共通の次の略語が使用される: H−H2O、C−CaO、A−Al2O3、F−Fe2O3、M−MgO、S−SiO2及び$−SO3。

さらに説明を簡単にするために、技術材料及び産業材料において慣用的であるように、化合物は、一般に、固溶体外来イオンによる置換のような系を明示することなく、それらの純粋形態で示される。当業者であれば理解するように、本発明いおいて名称で示す相の組成は、原料粉末化学特性及び製造法の種類に依存して、様々な外来イオンに起因して可変であり、そのような化合物もまた同僚に、本発明の範囲内である。

産業規模において、スルホアルミン酸カルシウムセメントは、通常、均質化した、微細粒子天然原材料、例えば、石灰石ボーキサイト石こう/半無水石こう/無水石こう、アルミニウムに富んだ粘土及びSiO2源を、回転キルン中で1,100℃〜1,350℃で焼結することによって製造されるため、ポルトランドセメントと比較して、大きく異なる化学特性及び相含有量を有する。表1は、ポルトランドセメント(OPC)と、スルホアルミン酸系セメント(BC$AF)中に存在する相を比較している。別の産業副生成物、例えば、粉砕した高炉スラグ及びフライアッシュもまた、スルホアルミン酸系セメントの原料粉末に添加することもできる。

スルホアルミン酸カルシウムセメントの水和活性成分の要とは、以下の組成の化合物の(固溶体)結晶: ・3CaO・3Al2O3・CaSO4−3CaO・3Fe2O3・CaSO4(C4A3$−C4F3$;スルホアルミン酸−スルホフェライト、イーリマイト)であり、これは、一旦水と混合されると、水溶性サルフェートの存在下及びカルシウム担体の添加で反応してエトリンガイト、3CaO・(Al2O3/Fe2O3)・3CaSO4・32H2O及び異なる単相を形成する。形成した(水和)相(例えば、エトリンガイト[AFt]、単相[AFm]等)は、多数の他の(有害)物質と、例えば、水和相の結晶構造中への導入、粒子表面における凝集セメント石灰中での固着、例えば、水酸化物炭酸塩としての析出などによって結合して永続的に定着する場合がある。スルホアルミン酸カルシウムセメントの二つの異なる水硬性活性相は、ケイ酸二カルシウム(C2S)及びアルミン酸フェライトテトラカルシウム(C4AF)でありが、これらは主として最終強度に寄与する。

欧州特許出願公開第0838443A1号(特許文献1)は、アルミニウム含有残滓材料をベースとする、スルホアルミカルシウム製麺との製造を開示している。

ドイツ国特許出願第19644654A1号(特許文献2)は、処理された塩スラグからスルホアルミン酸カルシウムセメントの製造を開示している。

仏国特許第2928643号(特許文献3)は、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、鉄及び硫黄を、好ましくは硫酸塩の形態で含む鉱物を含む混合物から、ベライト−スルホアルミン酸カルシウム(フェライト)クリンカーの製造及びその組成物を開示している。原料粉末混合物は、少なくとも15分間の通過時間でキルンを通過させることによって焼結される。

仏国特許第2946978号(特許文献4)は、様々な原材料の混合物からのベライト−スルホアルミン酸カルシウム(フェライト)クリンカーの製造及びその組成物を開示している。

欧州特許第1171398B1号(ドイツ国特許第60029779T2号(特許文献5))は、特定のクリンカーをキルン中で製造するための原材料の特定の混合物の低温焼結を開示しており、該クリンカーは、高濃度の結晶X={(C,K,N,M)4(A,F,Mn,P,T,S)3(Cl,$)}及び結晶Y=C9S3$Ca(f,cl)2及び/又は結晶Z={C5S2$}を有する。これらのクリンカーは、水硬性セメント又はポルトランド系のセメントと混合されて、完成したセメント組成物が製造される。

概要

原料粉末混合物の大部分を、産業副生成物で構成するのを可能にすることにより、及び/又はより少ないCO2放出量の製造方法によって、環境に対する悪影響がより少ない水和活性クリンカーの製造方法を提供することである。テルネサイト−ベライト−スルホアルミン酸カルシウム(フェライト)クリンカー(TBC$A(F))の製造方法である。本発明はまた、クリンカー製造のための化学的組成匹敵する、代替的原材料、例えば、低品質な、ランプスラグ及びアッシュのような、低いガラス含有量及び/又は高い遊離石灰含有量及び高い結晶性高温相含有量を有する材料、並びに自然に産する岩石及び岩石ガラスのような、産業副生成物をベースとする原材料の使用にも関する。なし

目的

本発明の課題は、原料粉末混合物の大部分を、産業副生成物で構成するのを可能にすることにより、及び/又はより少ないCO2放出量の製造方法によって、環境に対する悪影響がより少ない水和活性クリンカーの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

CaO、Al2O3(Fe2O3)、SiO2及びSO3の源を含有する原料粉末混合物焼結することによって水和反応性クリンカーを製造する方法であって、前記原料粉末混合物を、>1,200℃〜1,350℃の温度範囲で、該原料粉末混合物がクリンカー中間体生成物に変換するのに十分な時間にわたって焼結し、前記クリンカー中間体生成物を、所望量のC5S2$を得るのに、そして所定量のアルミン酸塩相及び鉄酸塩相、及びC$が存在する該原材料結晶性高温相残滓がC4(AxF1−x)3$及びC5S2$に変換するのに十分な時間にわたって、1,200℃〜750℃までの温度範囲で焼き戻し、そして主成分C4(AxF1−x)3$、(α;β)C2S及びC5S2$を次の割合、・C5S2$5〜75重量%・C2S1〜80重量%・C4(AxF1−x)3$5〜70重量%・副相0〜30重量%(式中、xは、0.1〜1の数である。)で有する前記クリンカーが冷却されることを特徴とする、上記の方法。

請求項2

前記原料粉末混合物、例えば、石灰岩ボーキサイト粘土/粘土岩、玄武岩キンバーライト、イグニンブライトカーボナタイト無水石こう石こうなど、及び/又は廃棄物質及び埋め立て材料のような産業副生成物、灰及び高品質及び低品質のスラグセラミック残滓、脱硫ヘドロ及び/又はリン酸石こうが、CaO、Al2O3(Fe2O3)、SiO2及びSO3の源として選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

請求項3

Al2O3(Fe2O3)の源として、少なくとも5重量%、好ましくは、≧10重量%、より好ましくは、≧15重量%のAl2O3(Fe2O3)含有量を有する、ボーキサイト、粘土及び/又は産業副生成物及び残滓が選択されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。

請求項4

一種又は多種の副相の種類及び量が、前記原料粉末混合物中のCaO/Al2O3(Fe2O3)、CaO/SiO2の重量比、及びサルフェート担体によって制御され、その際、該副相、例えば、ケイ酸カルシウム、サルフェート、アルミン酸カルシウムスピネル、黄長石グループ代表物質ペリクレース遊離石灰石英及び/又はガラス相が、0.1〜30重量%、好ましくは、5〜20重量%、より好ましくは、10〜15重量%の割合で存在することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。

請求項5

前記水硬性クリンカーが、アルカリ金属アルカリ土類金属、及び/又は遷移金属、及び/又は金属、及び/又は半金属、及び/又は非金属の群からの一種又は多種の第二の元素及び/又はそれらの化合物を、20重量%まで、好ましくは≦15重量%、より好ましくは、≦10重量%の割合で含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。

請求項6

前記原料粉末混合物を調整するために、産業副生成物及びプロセスダストが調整剤として使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。

請求項7

前記原料粉末混合物が、1,500〜10,000cm2/g、好ましくは、2,000〜4,000cm2/gの粉末度ブレーンによる)に粉砕されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。

請求項8

前記原料粉末組成、前記調整剤の量、燃焼条件及び焼き戻しの規制が、C5S2$及び、β−C2Sの代わりに、例えば、α変性のようなC2Sの反応性変性が増大して起こるように選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。

請求項9

アルカリ硫酸塩及び/又はアルカリ土類硫酸塩の形態、好ましくは、石こう及び/又は半水化物及び/又は無水物の形態のサルフェート担体を有するか又は有さない前記クリンカーが、2,000〜10,000cm2/g、好ましくは、3,000〜6,000cm2/g、より好ましくは、4,000〜5,000cm2/gの粉末度(ブレーンによる)に粉砕されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、テルネサイトベライトスルホアルミン酸カルシウムフェライトクリンカーTBC$A(F))の製造方法に関する。本発明はさらに、クリンカーの製造のための代替原材料、例えば、低品質の場合も含む産業副生成物、例えば、低含有量ガラス及び/又は高含有量遊離石こう及び/又は高含有量の結晶性高温相、並びに、自然に生じる岩石及び比較的化学的組成の岩石ガラスのような、塊スラグ及びアッシュベースとする原材料の使用にも関する。

背景技術

0002

セメント産業界では、世界規模のCO2の産出が憂慮されている。何年にもわたり、世界中で、特に、国々の発展においてセメントの需要が増大し、さらには、原材及びエネルギー費用が上昇し、そしてCO2の承認によって、クリンカー要素の減少、例えば、石灰石粉末フライアッシュ及び粉砕高炉スラグが、クリンカー置換材料として添加されている。他の産業由来副生成物及び廃棄製品のこの使用並びに代替バインダーの開発は、政治、科学及び経済において益々注目を集めるようになっている。

0003

世界中で、膨大な量の材料が、熱廃棄物処理エネルギー生成、鋼精査貴金属抽出等に消費されており、以下で産業副生成物と呼ぶ。用途の品質/組成/分野に依存して、これらの幾分か又は全てを、様々なプロセス及び製品、例えば、ポルトランドセメントのクリンカー製品のための回収剤コンクリート添加剤及びアスファルト及びコンクリートの粗骨材等において再利用することができる。

0004

しかしながら、様々な要因、例えば、均質性欠如化学的及び鉱物学的)及び有害物質有機物化学物質重金属等)の含有量に起因して、産業副生成物の使用はいくつかの問題を必然的に含んでいる。これらのうち、OPCクリンカーの反応性/品質の低下又は不十分な体積のセメント安定性により、多量のそのような材料を、毎年、多大な費用で廃棄しなければならないか、又は廃棄ゴミ物質及び埋め立て材料として使用しなければならない。そのような材料の廃棄には、例えば、浸出プロセスによって周囲領域及び水系/地下水汚染し得るという問題も招き得る。

0005

それ故、産業副生成物の使用/処理は、大きな課題及び未だ解決すべき問題となっている。将来、最大効率で環境を壊さずに利用可能な源の使用が必要不可欠となり、これは世界中に関連している。

0006

セメント中のクリンカー、及び原料粉末混合物中の原材料の置き換え以外に、その他の水硬性バインダーを見い出す試みもまたなされている。これらには、主成分として、スルホアルミン酸系セメント及びベライト含有セメントが含まれる。

0007

以下での説明を簡単にするために、セメント産業界で共通の次の略語が使用される: H−H2O、C−CaO、A−Al2O3、F−Fe2O3、M−MgO、S−SiO2及び$−SO3。

0008

さらに説明を簡単にするために、技術材料及び産業材料において慣用的であるように、化合物は、一般に、固溶体外来イオンによる置換のような系を明示することなく、それらの純粋形態で示される。当業者であれば理解するように、本発明いおいて名称で示す相の組成は、原料粉末化学特性及び製造法の種類に依存して、様々な外来イオンに起因して可変であり、そのような化合物もまた同僚に、本発明の範囲内である。

0009

産業規模において、スルホアルミン酸カルシウムセメントは、通常、均質化した、微細粒子天然原材料、例えば、石灰石ボーキサイト、石こう/半無水石こう/無水石こう、アルミニウムに富んだ粘土及びSiO2源を、回転キルン中で1,100℃〜1,350℃で焼結することによって製造されるため、ポルトランドセメントと比較して、大きく異なる化学特性及び相含有量を有する。表1は、ポルトランドセメント(OPC)と、スルホアルミン酸系セメント(BC$AF)中に存在する相を比較している。別の産業副生成物、例えば、粉砕した高炉スラグ及びフライアッシュもまた、スルホアルミン酸系セメントの原料粉末に添加することもできる。

0010

スルホアルミン酸カルシウムセメントの水和活性成分の要とは、以下の組成の化合物の(固溶体)結晶: ・3CaO・3Al2O3・CaSO4−3CaO・3Fe2O3・CaSO4(C4A3$−C4F3$;スルホアルミン酸−スルホフェライト、イーリマイト)であり、これは、一旦水と混合されると、水溶性サルフェートの存在下及びカルシウム担体の添加で反応してエトリンガイト、3CaO・(Al2O3/Fe2O3)・3CaSO4・32H2O及び異なる単相を形成する。形成した(水和)相(例えば、エトリンガイト[AFt]、単相[AFm]等)は、多数の他の(有害)物質と、例えば、水和相の結晶構造中への導入、粒子表面における凝集セメント石灰中での固着、例えば、水酸化物炭酸塩としての析出などによって結合して永続的に定着する場合がある。スルホアルミン酸カルシウムセメントの二つの異なる水硬性活性相は、ケイ酸二カルシウム(C2S)及びアルミン酸フェライトテトラカルシウム(C4AF)でありが、これらは主として最終強度に寄与する。

0011

0012

欧州特許出願公開第0838443A1号(特許文献1)は、アルミニウム含有残滓材料をベースとする、スルホアルミカルシウム製麺との製造を開示している。

0013

ドイツ国特許出願第19644654A1号(特許文献2)は、処理された塩スラグからスルホアルミン酸カルシウムセメントの製造を開示している。

0014

仏国特許第2928643号(特許文献3)は、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、鉄及び硫黄を、好ましくは硫酸塩の形態で含む鉱物を含む混合物から、ベライト−スルホアルミン酸カルシウム(フェライト)クリンカーの製造及びその組成物を開示している。原料粉末混合物は、少なくとも15分間の通過時間でキルンを通過させることによって焼結される。

0015

仏国特許第2946978号(特許文献4)は、様々な原材料の混合物からのベライト−スルホアルミン酸カルシウム(フェライト)クリンカーの製造及びその組成物を開示している。

0016

欧州特許第1171398B1号(ドイツ国特許第60029779T2号(特許文献5))は、特定のクリンカーをキルン中で製造するための原材料の特定の混合物の低温焼結を開示しており、該クリンカーは、高濃度の結晶X={(C,K,N,M)4(A,F,Mn,P,T,S)3(Cl,$)}及び結晶Y=C9S3$Ca(f,cl)2及び/又は結晶Z={C5S2$}を有する。これらのクリンカーは、水硬性セメント又はポルトランド系のセメントと混合されて、完成したセメント組成物が製造される。

0017

欧州特許出願公開第0838443A1号
ドイツ国特許出願第19644654A1号
仏国特許第2928643号
仏国特許第2946978号
欧州特許第1171398B1号(ドイツ国特許第60029779T2号)

先行技術

0018

“Synthesis of Calcium Sulfo-aluminate Cements From Al2O3−Rich By−products from Aluminium Manufacture”,Milena Marroccoli等
The second international conference on sustainable construction materials and technologies 2010
“Synthesis of Special Cements from Mixtures Containing Fluidized Bed Combustion Waste, Calcium Carbonate and Various Sources of Alumina”,Belz等,28th Meeting of the Italian Section of The Combustion Institute 2005
“Fluidized Bed Combustion Waste as a Raw Mix Component for the Manufacture of Calcium Sulphoaluminate Cements”,Belz G et al,29th Meeting of the Italian Section of The Combustion Institute,2006
“TheFabrication of Value Added Cement Products fromCirculating Fluidized Bed Combustion Ash”,Jewell R.B et al,World of Coal Ash(WOCA)Covington,Kentucky,USA,2007
Calos,N.J.,Kennard,C.H.L.,Whittaker,A.K.,Davis,R.L.,J.Solid State Chem.,119,1,(1995)
Schmidt,R.,Poellmann,H.,Martin−Luther−Univ.,Halle,Germany.,ICDD Grant−in−Aid,(1999)

発明が解決しようとする課題

0019

本発明の課題は、原料粉末混合物の大部分を、産業副生成物で構成するのを可能にすることにより、及び/又はより少ないCO2放出量の製造方法によって、環境に対する悪影響がより少ない水和活性クリンカーの製造方法を提供することである。

0020

驚くことに、C5S2$相(テルネサイト、スルホスパー石とも呼ばれる)が、特定のスルホアルミン酸セメント中で著しい反応性成分を形成することが見出された。文献(例えば、“Synthesis of Calcium Sulfoaluminate Cements From Al2O3−Rich By−products from Aluminium Manufacture”,Milena Marroccoli等(非特許文献1)、The second international conference on sustainable construction materials and technologies 2010(非特許文献2)、“Synthesis of Special Cements from Mixtures Containing Fluidized Bed Combustion Waste,Calcium Carbonate and Various Sources of Alumina”,Belz等,28th Meeting of the Italian Section of The Combustion Institute 2005(非特許文献3)、“Fluidized Bed Combustion Waste as a Raw Mix Component for the Manufacture of Calcium Sulphoaluminate Cements”,Belz G et al,29th Meeting of the Italian Section of The Combustion Institute,2006(非特許文献4)及び“TheFabrication of Value Added Cement Products fromCirculating Fluidized Bed Combustion Ash”,Jewell R.B et al,World of Coal Ash(WOCA) Covington,Kentucky,USA,2007(非特許文献5)を参照)は、C5S2$相は反応性が低いか又は不活性であり望ましくないと説明している。さらに、この“望ましくない相”を回避するための方法が、定期的に注目を集めている。驚くことに、多量のこのC5S2$相が、水和の最初の数日間内ですでに反応し、水和した試料の相組成に著しい影響をおよぼしていることが、本発明者等の実験で見出された。

0021

上述の課題は、主成分として反応性C5S2$相を有するスルホアルミン酸カルシウムクリンカーの製造であって、その際、選択された原材料に従って原料粉末組成物の焼結を最適化することによって、この相が多量に形成される該製造、及び該原料粉末混合物の組成物によって解決される。原料粉末混合物を、少なくとも1,200℃、好ましくは1,200℃〜1,350℃、より好ましくは1,250℃〜1,300℃で燃焼することにより、存在する/形成する望ましくない相、例えば、黄長石グループなどをさらに分解する、かつ/又は様々な原材料、例えば、黄長石、ムライト輝石単斜輝石、スピネル等の結晶性高温相を所望されるクリンカーの反応性相に変換する。従来技術とは著しく異なる特別な工程は、選択的焼結に続く、キルンチャンバーにおける冷却段階の間、並びにそれぞれの冷却装置システムにおける温度を制御することである。冷却プロセス時の選択的な温度制御により、燃焼された特定のクリンカーを、冷却時に本発明のクリンカーが形成されるのに十分な時間の間、1,200℃〜より低い下限値750℃、好ましくは、1,150〜850℃の温度範囲を経させ、その後、急速に冷却させる。また、異なるアルミン酸塩及び鉄酸塩の相、並びに、原材料の結晶性高温相の残留物、例えば、それらに限定されないが、C4AF、C2F、CF、C3A、CA、CA2、C12A7、A3S2、C2AS等を、焼結の際に、制御された冷却プロセス時にC$と反応させることにより、所望の反応性C5S2$及びC4A3$/C4(AxF1−x)3$相(式中、xは0.1〜1、好ましくは0.95〜0.8)における増加がもたらされる。

0022

さらに、産業副生成物の使用可能性が注目を集め、これは次の利点を有している。
(1)埋め立て材料/廃棄材料の回避;
(2) これらの材料の経済的/環境保護上の使用;
(3) 可能性のある有害物質の定着/破壊

0023

欧州特許第1171398B1号(特許文献5)は、900℃〜最大1,200℃の温度範囲での、所望のC5S2$(結晶Z)含有量5%〜75%を有する特定のクリンカーの製造を開示している。しかしながら、この文献によれば、製造された特定のクリンカーは、セメント状挙動を示さず、また、所望の物理特性、例えば、初期水和性及び高い初期強度などの反応性水和セメント又はポルトランド型セメントと混合しなければならない。製造プロセスには、所望の反応性結晶Y相を得るために、制限された温度範囲、900℃〜最大1,200℃、並びに選択された原材料、すなわち、石灰石、ボーキサイト、アルミニウムに富んだ粘土、サルフェート担体(無視石灰、石こう及びリン酸石こう)及びフッ化カルシウム及び/又は高含有量のフッ素を有する原材料が必要とされる。当該分野における当業者には、ホタル石、ボーキサイト及びアルミニウムに富んだ粘土が非常に高価な原材料であるため限られた場所でしか入手できないことが知られている。

0024

あるいはまた、本発明の水和活性クリンカーの原料粉末混合物の成分として使用される産業副生成物のような原材料は、欧州特許第1171398B1(特許文献5)には開示されていない。例えば、それらに限定されないが、アッシュ及びスラグ、例えば、それらに限定されないが、代表例として、黄長石系及び/又はムライト系などの産業副生成物中に通常生じ得る結晶性高温相が、900℃〜1,200℃の温度範囲で形成し、そして、この範囲内では通常、目標とするクリンカーの所望する相へは変換しないか、又は非常にゆっくりとしか変換しない及び/又は一部しか変換しない。

0025

欧州特許第1171398B1号(特許文献5)に記載されている場合とは対照的に、少量のイーリマイトが1,200℃までの温度で、かつ、特定の原材料(石灰石、ボーキサイト及びサルフェート含有源)を使用するだけで形成できる。本発明のクリンカーの反応性には、十分量のテルネサイト及びイーリマイトの存在が必要であることから、欧州特許第1171398B1号(特許文献5)によってクリンカーが反応性を欠くものであることが説明される。それ故、必要な/所望量のこの相を得るためには、1,200℃の高温領域における滞留時間を相当引き延ばさなければならない。しかしながら、C4A3$の形成に最適な温度は、〜1,250℃である。

0026

欧州特許第171398B1号(特許文献5)に記載されている燃焼温度範囲のさらなる欠点には、結晶性の高温相、例えば、C2ASの存在/形成が含まれる。この相は、比較的長時間、1,200℃の最大温度で事実上不変/安定であり、それにより、相当な割合のアルミニウムが定着されて望ましくない。1,250℃超の温度では、そのような望ましくない相は、一般に、非常に速く反応/転化する。そのために、様々な原材料の経済的かつ環境的価値/使用がますます増大している。

0027

それとは対照的に、本発明は、様々な原材料、特定の製造方法及び従来技術とは大きく異なる、代替的な、水和反応性のクリンカーの組成物を開示する。

0028

多数の、天然ではあるが、産業用材料でもある、例えば、それらに限定されないが、石灰石、ボーキサイト、粘土/粘土岩、玄武岩かんらん石、ダナイト、イグニンブライトカーボナタイト、低品質及び高品質(鉱物学的/ガラス含有量、反応性等)アッシュ/スラグ/粉砕高炉スラグ、様々な廃棄物質、赤色、褐色泥、天然サルフェート担体、サルフェートプラント泥、リン酸石こう等を、原材料として使用することができる。可能な原材料に必要な最小限の化学特性を満たす物質/物質群は、明確に表示しないが、本発明の範囲内である。

0029

欧州特許第171398B1号(特許文献5)に記載の特定のクリンカーとは対照的に、本発明によって製造されたクリンカーは、通常のセメント粉末度に粉砕されると、非常に水和反応性が高く(例えば、高い熱流量、AFt、AFm、C2ASH8、C−(A)−S−Hの形成に伴う固溶体等)、そして、多の水和反応成分を添加しなくとも、明らかに、セメント様挙動を示す。

0030

クリンカー製造方法の方法論はまた、本発明のバインダーを製造するのにフッ素源を添加する必要はない点で大きく相違しているが、そのようなフッ素源の使用を除外する必要もない。それ故、本発明は、有用な産業副生成物及び廃棄材料の範囲を著しく拡張する。

0031

初期の実験において、様々な品質の、石灰石、粘土、粉砕スラグ/ランプスラグ(Stueckschlacken)及び(W&V)フライアッシュから、様々な量でC5S2$相を含有する、様々なクリンカーを製造することが可能である。石灰石中の結晶性相(例えば、透輝石等)並びにスラグ及びアッシュ(例えば、ムライト、ゲーレナイトオケルマナイトオージャイト等)は、1,200℃超〜1,350℃の温度での燃焼プロセスの際に、新たな相(例えば、C4(AxF1−x)3$、C2S、C4AFで覆われ、そして、原料粉末混合物の化学的組成及び鉱物学的組成、並びに、燃料及び冷却パラメーターが、クリンカーの組成及びクリンカーの反応性に大きく影響することも見出された。

0032

したがって、上述の課題は、本発明のテルネサイト−ベライト−スルホアルミン酸カルシウム(フェライト)クリンカー(TBC$A(F))を製造するための原材料として、様々な品質の材料を使用し、かつ、特定の燃焼及び冷却パラメーターを有するそれらの製造方法によってもまた解決される。

0033

本発明の、水和反応性成分としてC5S2$を含有するスルホアルミン酸カルシウムクリンカーの選択的製造、並びに特定の相の形成及び/又は安定化のための選択的な冷却手順は、従来技術には開示されていない。

0034

主成分としてCaO、Al2O3(±Fe2O3)、SiO2及びSO3を含有する原材料を、本発明のクリンカーに使用することができる。利点の一つは、原料粉末混合物の少なくとも一つの主成分として産業副生成物の使用可能性である。以下が特に好ましい。1) 特に低品質の産業副生成物(アッシュ、スラグ等);
2) 主たるCaO源として、少なくとも部分的に石灰石と置き換えることのできる材料;
3) Al2O3(Fe2O3)源として、少なくとも部分的にボーキサイトと置き換えることのできる材料;
4)産業プロセス由来のSO3;
5)天然岩石/岩石ガラス

0035

主たるAl2O3源として使用される産業副生成物のような材料は、少なくとも5重量%、好ましくは≧10重量%、より好ましくは≧15重量%のAl2O3含有量を有するべきである。以下では低品質の材料は、そのAl2O3含有量の観点で要求を満たすいずれの源の材料も含むものと説明される。ランプスラグ及び(W)アッシュは、それらの入手可能性のために現在、特に好ましい。

0036

本発明のテルネサイト−ベライト−スルホアルミン酸カルシウム(フェライト)クリンカー(TBC$A(F))を製造するための原材料は、それ自体が公知の方法で、慣用的な粉末度に粉砕される。粉末度は、ブレーンによる、1,5000〜10,000cm2/g、好ましくは、2,000〜4,000cm2/gであるのが特に適している。粉砕する粉末度は、使用される原材料の種類及び組成、燃焼プロセス(温度、燃焼領域における滞留時間等)、並びに、所望のバインダー特性及び利用可能な技術的可能性に主に依存する。

0037

使用される材料は、天然生成物及び/又は産業副生成物であることができる。

0038

これらは予備処理することができるが、そのことは必須ではない。

0039

本発明によって製造されるクリンカーの特性及び組成は、原料粉末の組成、修正剤の含有量、燃焼条件及び焼き戻し/予備冷却プロセスの制御によって、β−C2Sの代わりにC5S2$及びC2Sの反応性変性、例えば、α−変性が、増大して生成されるように調節することができ、原料粉末混合物は、望ましくない結晶性の高温相(例えば、C2AS)が、目標とするクリンカーに望ましい相に変換して、十分量のC4(AxFe1−x)3$が形成されるよう、1,200℃超の温度を通過させなければならない。しかしながら、これは憂慮すべき欠点を伴う。望ましいC5S2$相は、±1,180℃超の温度以上では不安定であり、C2S及びC$へ分解する。それ故、本発明によれば、1,200℃超でのクリンカーの焼結プロセスは、選択的冷却と組み合わされ、この選択的冷却は、1,200℃〜750℃、好ましくは、1,150℃〜850℃、より好ましくは1,150℃〜1,080℃にかけて通常の時間と比較してゆっくりでるため、C4(AxFe1−x)3$相に加えて選択的にC5S2$が形成される。驚くことに、この温度制御法がさらなる利点を有することがわかった。C4(AxFe1−x)3$相(少なくとも、1,200℃以上で形成)が、1,150℃〜1,050℃を選択的に通過させる場合、例えば、C4AF、C2F、CFの消費/転化に起因して、かなり鉄に富んだものとなり、量の観点においては増大はわずかである。これは、鉄に富んだ相(例えば、Fe3O4、C2F及びC4AF)の量的減少、C4A3$相又はC4(AxFe(1−x))3$相における増加、及びピーク強度における増大によって証明され、そして格子定数c(Å)[結晶系:斜方]9.1610[PDF数: 01−085−2210、テトラカルシウムヘキサアルミネートサルフェート(VI)−Ca4(Al6O12)(SO4)、ICSD Collection Code: 080361、ICSD、POWD−12++使用により計算(1997)、構造: Calos,N.J.,Kennard,C.H.L.,Whittaker,A.K.,Davis,R.L.,J.Solid State Chem.,119,1,(1995)(非特許文献6)]から9.1784[PDF数: 00−051−0162、硫酸カルシウムアルミニウム酸化鉄−Ca4((Al0.95Fe0.05))6O12(SO4)、ICSD Collection Code:主要な参照文献: Schmidt,R.,Poellmann,H.,Martin−Luther−Univ.,Halle,Germany.,ICDD Grant−in−Aid,(1999)(非特許文献7)]から9.2000超の値。潜在的な固溶体結晶の形成に関する実験は、同様に、個々の原子配置の下方占有率又は混合占有率に対するリートベルト解析時に占有係数を測定することによって行うことができる。その他の完全に量的な指標とはクリンカーの色の変化であり、この変化はしばしば顕著である。クリンカーの色は、例えば、毛色/その他の系色から緑−茶色、明るい灰色の色調までずっと変化する。

0040

本発明による、CaO、Al2O3(Fe2O3)、SiO2及びSO3の源を含有する原料粉末混合物を焼結することによる水和反応性クリンカーの製造方法は、最初に、第一の工程として、>1,200℃〜1,350℃、好ましくは1,250〜1,300℃の温度範囲内で、クリンカー中間体生成物が得られる十分な期間にわたって原料粉末混合物を変換又は焼結することを含む。この期間は典型的に、10分〜240分、好ましくは30分〜90分である。クリンカー中間体生成物は、それから、1,200℃乃至下限値の750℃の温度範囲、好ましくは1,150〜850℃の温度範囲内で、所望量のC5S2$が得られ、かつ、特定量のアルミン酸塩相及び鉄酸塩相及びC$が残存する原材料の結晶性高温相の残滓が、さらなるC4(AxF1−x)3$(式中、xは0.1〜1、好ましくは0.95〜0.8)及びC5S2$へ変換するのに十分な時間にわたって焼き戻される。クリンカーは、1,200℃〜1,050℃の温度範囲を、10分〜180分、好ましくは25分〜120分、より好ましくは30分〜60分の期間通過させるべきである。冷却プロセスの際、クリンカーは、1,050℃〜750℃、好ましくは1,050℃〜850℃の温度範囲を、5分〜120分、好ましくは10分〜60分の期間通過させることができる。その後、クリンカーは、それ自体公知の方法で急速に冷却されて、さらなる相変換を防止する。

0041

本発明によれば、以下の割合で主成分、C4(AxF1−x)3$、(α; β)C2S及びC5S2$を含有するクリンカーが得られる。
・C5S2$: 5〜75重量%、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜40重量%;
・C2S: 1〜80重量%、好ましくは5〜70、より好ましくは10〜65重量%、特に好ましくは20〜50重量%:
・C4(AxF1−x)3$: 5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜45重量%;
・副相: 0〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%

0042

表示名(α,β)C2Sは、C2S及びその混合物の多形体を意味し、その際、反応性のα多形体(例えば、α、α’L、α’H)が好ましい。相8の範囲内であC4(AxF1−x)3$の場合、xは0.1〜1の範囲内、好ましくは0.95〜0.る。

0043

本発明のクリンカーの主たる重要な相(C4(AxF1−x)3$、(α;β)C2S、C5S2$)は、以下の重量比の範囲内にあることが好ましい。
・C4(AxF1−x)3$:(α;β)C2S=1:16〜70:1、好ましくは1:8〜8:1、より好ましくは1:5〜5:1;
・C4(AxF1−x)3$:C5S2$=1:15〜14:1、好ましくは1:8〜8:1、より好ましくは1:5〜5:1;
・C5S2$:(α;β)C2S=1:15〜70:1、好ましくは1:8〜10:1、より好ましくは1:4〜5:1;
・C4(AxF1−x)3$:((α;β)C2S+C5S2$)=1:16〜10:1、好ましくは1:8〜8:1、より好ましくは1:4〜4:1。

0044

本発明によって得られるクリンカーは、その後、公知のクリンカーと同様にさらに処理されて、セメント又はバインダー混合物が形成される。

0045

天然の原材料、石灰石、ボーキサイト、粘土/粘土、玄武岩、キンバーライト、イグニンブライト、カーボナタイト、無水石こう、石こうなど、及び/又は廃棄物質及び埋め立て材料のような産業副生成物、灰及び高品質及び低品質のスラグ、セラミック残滓、脱硫ヘドロ及び/又はリン酸石こうが、CaO、Al2O3(Fe2O3)、SiO2及びSO3の源として選択される。クリンカー相について、Al2O3(Fe2O3)という表示は、C4(AxF1−x)3$(式中、xは、0.1〜1、好ましくは0.95〜0.8である。)という表示と同様に、アルミニウムが部分的に鉄と置き換えられることを意味している。主として、アルミニウムは、典型的に、少量の鉄と共に存在するが、占有量の鉄までの相当量の鉄は本発明の範囲内で使用できる。

0046

少なくとも5重量%、好ましくは≧10重量%、より好ましくは≧15重量%のAl2O3含有量を有するボーキサイト、粘土及び/又は産業副生成物及び残滓材料は、有用なAl2O3(Fe2O3)源として証明されている。

0047

驚くことに、選択された原材料、例えば、それらに限定されないが、アッシュは、特に適していることが証明された。それらは、概して、増大したホスフェート含有量である、>1.0重量%を示し、そして、比較的短い滞留時間でさえ、1,200℃〜850℃の温度範囲において十分量の、非常に反応性のC5S2$の形成をもたらした。

0048

副相、例えば、ケイ酸カルシウム、サルフェート、アルミン酸カルシウム、スピネル、代表的な黄長石系、ペリクレース遊離石灰石英及び/又はガラス相は、0.01重量%〜30重量%、好ましくは5重量%〜20重量%、より好ましくは10重量%〜15重量%の割合で好ましく存在する。一種又は多種の副相の種類及び量は、主成分に関連して、CaO/Al2O3(±Fe2O3)、CaO/SiO2の重量比、及び原料粉末混合物中のサルフェート担体の割合によって制御することができる。好ましい副相はC2AyF1−y(式中、yは0.2〜0.8、好ましくは0.4〜0.6である。)であり、特に、C4AFの形態であり、好ましくは、3〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%の量で存在する。

0049

クリンカーの主たる酸化物の含有量は、好ましくは次の範囲内である。
・CaO: 35〜65重量%
・Al2O3(Fe2O3): 7〜45重量%
・SiO2: 5〜28重量%
・SO3: 5〜20重量%

0050

本発明のクリンカーは、>2重量%のペリクレース含有量を有することが有利である。さらに、クリンカーは、アルカリ金属アルカリ土類金属及び/又は遷移金属及び/又は金属及び/又は半金属及び/又は非金属の群からの一種又は多種の二次元素及び/又はそれらの化合物を、20重量%まで、好ましくは≦15重量%、より好ましくは≦10重量%の割合で含有することができる。

0051

産業副生成物及びプロセスダストは、原料粉末混合物を調節するための修正剤として良好に適していることが判明している。

0052

クリンカーは、セメント又はバインダー混合物を製造するために、サルフェート担体を用いるか又は用いずに、慣用的なセメント粉末度(ブレーンによる)である2,000〜10,000cm2/g、好ましくは、3,000〜6,000cm2/g、より好ましくは4,000〜5,000cm2/gに本質的に公知の方法で粉砕される。好ましくは石こう及び/又は半水化石こう及び/又は無水石こうの形態の、アルカリ硫酸塩及び/又はアルカリ土類硫酸塩は特に適したサルフェート担体である。

0053

粉砕されたクリンカーは、一つの別の物質又は別の物質の混合物、例えば、それらに限定されないが、ポルトランドセメント、ジオポリマーバインダー、アルミン酸カルシウムセメント、人工ポゾラン天然ポゾラン潜在的水硬性材料、石灰石粉末等、又はそれらの複数と組み合わせてバインダー混合物を形成することができる。しかしながら、欧州特許第1171398B1号(特許文献5)とは対照的に、有用なレベルの水和反応性を達成することは必要ではなく、代わりに、セメントに粉砕されたクリンカー自体が、所望レベルの水和反応性を示す。

0054

水の存在下で、セメントは、AFt相及びAFm相並びにAl(OH)3を形成する。一方で、C5S2$相の連続的な溶解によってさらなるサルフェートが得られ、これは、AFtを安定させて、可能正のあるAFmの変形を防止/低減し、そして、その一方で、水だけでなく利用可能なAl(OH)3と反応してC2AS・8H2O(ストラトリガイト(Straelingit)並びに(N,C)−(A)−S−Hを形成し得る、反応性形態のC2Sを放出する。本発明のセメントのC2AS・8H2O(ストラトリンガイト及び(N,C)−(A)−S−Hの形成による、AFtの安定化及びAl(OH)3の消費、並びに、多孔度の減少によって、例えば、それらに限定されないが、多孔質全体における低減及び/又は連結孔隙の連結及び可能性のあるサルフェート攻撃への耐性によって、耐久性が著しく向上される。

0055

本発明のセメント又はセメント含有バインダーの製造する際、0.2〜2の水/バインダー値が適しており、このましくは、0.4〜0.8、より好ましくは、0.5〜0.72である。

0056

セメント又はそれから製造されるバインダー混合物は、一種又は多種の混合剤を含み得る。これは、好ましくは、一種又は多種の凝結促進剤及び/又は硬化促進剤、好ましくは、リチウム塩及び水酸化リチウム、その他のアルカリ塩及び水酸化物、アルカリシリケート、ポルトランドセメント及びアルミン酸カルシウムセメントを含有する。さらに好ましくは、これは、コンクリート可塑剤及び/又は可塑性混合剤が含まれている場合には、好ましくは、リグニンスルホン酸塩スルホン化ナフタレンホルムアルデヒド縮合物メラミンホルムアルデヒド縮合物又はフェノールホルムアルデヒド縮合物をベースとするか、又はアクリル酸アクリルアミド混合物又はポリカルボキシレートエーテルをベースとするか、又はホスホン化重縮合物をベースとするものが好ましい。

0057

セメント又はそれから製造されるバインダー混合物は、有害廃棄物凝固させるのに非常に適している。これに関連して、吸着効果を有する添加剤、例えば、ゼオライト及び/又はイオン交換樹脂を含有するのが好ましい。溶解性の乏しい水酸化物の形成を促進する高いpH値は、無機バインダー中で重金属を固定させるのに有利である。これは、例えば、それに限定されないが、本発明のクリンカーをポルトランドセメントとバインダー中で混合することによって実現することができる。

0058

本発明によって製造されたテルネサイト(クリンカー)から得られるセメント、又はそれから製造されるバインダー混合物のその他の利点は、水和時に異なる相(エトリンガイト[AFt]、単相[AFm]、金属−金属ヒドロキシ塩LDH]等)が形成されることであり、それらの相は、様々な重金属並びに有害物質(例えば、塩化物等)をそれらの構造中に取り込んで、それにより永続的に結合させることができる。

0059

本発明を、以下の実施例に基づいて説明されるが、本発明は開示の特定の実施形態に限定されない。別途説明するか、又は文脈中で自動的に反対に規定しない限り、パーセンテージに関する情報は、混合物の重量に疑義がある場合には量に関連する。

0060

本発明はまた、相互に排他的でない好ましい実施形態の全ての組み合わせにも関する。数値と関連する“約”又は“おおよそ”という表現は、数値が、少なくとも10%だけ高いか又は低い数値であるか、数値が5%だけ高いか又は低い数値であり、数値が1%だけ高いか又は低い数値である場合も含まれる。

図面の簡単な説明

0061

図1aは、硬化セメントペーストM1及びM1aの熱流量を示す図である。
図1bは、硬化セメントペーストM1及びM1aの累積熱流量を示す図である。
図2aは、硬化セメントペーストM2の熱流量を示す図である。
図2bは、硬化セメントペーストM2の累積熱流量を示す図である。
図3aは、硬化セメントペーストL1、L1a、L1bの熱流量を示す図である。
図3bは、硬化セメントペーストL1、L1a、L1bの累積熱流量を示す図である。
図4aは、硬化セメントペーストL2及びL2aの熱流量を示す図である。
図4bは、硬化セメントペーストL2及びL2aの累積熱流量を示す図である。
図5aは、硬化セメントペーストL3及びL3aの熱流量を示す図である。
図5bは、硬化セメントペーストL3及びL3aの累積熱流量を示す図である。
図6は、合成温度及び/又は特定の冷却プログラム並びにSO3含有量に依存したピークシフトを示す図である。
図7は、例6によるクリンカーの混合物からなる硬化セメントペーストの熱流量を示す図である。

0062

実施例
表3に、酸性の主成分及び粉末度に基づいて特徴付けて実施した、ここで説明する実施例で使用した原材料を示す。この表では1,050℃で焼き戻した後の重量損失もまた示されている。表4は、使用した産業副生成物の鉱物学的な相組成を示している。

0063

全てのクリンカーは、1,250℃で1時間焼結し、比較として、その後、室温まで直接冷却するか、又は本発明の焼き戻しに従う、キルン中での所定の冷却プログラムを経させた後に室温まで冷却するかいずれかを行った。

0064

0065

0066

例1
原料混合物は、44重量%K1+25重量%FA1+サルフェート担体Al(OH)3を含有していた。焼結後、試料(M1)を直接冷却し、第二の資料(M1a)を、1,200℃から850℃へ、〜45分かけて温度を低下させ、そして、その後クリンカーを空気に曝して急速に冷却する、焼結後の焼き戻しのための冷却プログラムに供した。

0067

例2
原料混合物は、65重量%(80%K1/20%MK)+5重量%FA3+サルフェート担体及びAl(OH)3を含有していた。焼結後、試料(M2)を、M1と同じ冷却プログラムに供し、そしてその後冷却した。

0068

例3
原料混合物は、45重量%K1+35重量%S2+サルフェート担体及びAl(OH)3を含有していた。焼結後、試料(L1)は直接冷却し、第二の試料(L1a)は、焼結後にM1と同じ冷却プログラムに供し、そしてそれから冷却し、第三の試料(L1b)は、焼結後、温度を1,150℃から1,100℃へ、〜60分かけて冷却し、そしてそれからクリンカーを空気に曝して急速に冷却した。

0069

例4
原料混合物は、37重量%K1+54重量%FA2+サルフェート担体及びAl(OH)3を含有していた。焼結後、試料(L2)は直接冷却し、第二の試料(L2a)は、焼結後にL1bと同じ冷却プログラムに供し、それから冷却した。

0070

例5
原料混合物は、41重量%K1+41重量%S1+サルフェート担体及びAl(OH)3を含有していた。焼結後、試料(L3)は直接冷却し、第二の試料は(L3a)は、焼結後、M1と同じ冷却プログラムに供し、それから冷却した。

0071

クリンカー、及び85重量%のクリンカー、及び15重量%の無水石こうを、水/0.7の値のセメントと共に製造した、硬化セメントペーストに関する分析結果を表5にまとめて示す。図1〜5に、セメントの熱流量測定値を示す。

0072

0073

原料混合物は、53.5重量%CaCO3(Merck、分析グレード)+32.6重量%FA2+MicroA及びAl(OH)3を含有していた。1,250℃で焼結後、二つの試料(CSAB1250_a及びb)を、急速に冷却し、そして、空気に曝して直接冷却し、他の二つの試料(CSAB1100_a及びb)は、1,250℃で焼結後、キルン中で1,100℃に冷却し、そして1時間この温度を維持し、それから空気に曝して急速に直接冷却した。原料粉末のサルフェート含有量は、他の二つの試料(CSAB1100−SO3_a及びb)中で増加し、それから、試料を、CSAB1100_a及びbの場合と同じ焼結及び冷却プログラムに供した。表6に、得られたクリンカーの格子定数及び測定した組成を示す。図6は、合成温度及び特定の冷却プログラム並びにSO3含有量に対する格子定数の依存性を示している。

0074

クリンカー組成は、SO3/(Al2O3+Fe2O3)比を最適化し、そして特定の製造法を用いることによって最適化することができる(表6参照)。イーリマイトの表面中への鉄導入量の増加は、格子定数の増加に関連する。同様に、鉄の導入時に、斜方晶系型変形ではなく、立方晶系型変性が生じる。

0075

図7は、90%のクリンカーと10%のMicroAとの混合物、及び純粋なクリンカーCSAB1100−SO3_bとw/0.6の値のcとの混合物から形成された硬化セメントペーストの熱流量を示している。本発明の二段階の方法によって製造され、かつ最適化された鉱物学的組成を有するクリンカーは、明らかに速く反応/水和する。このことが初期強度における顕著な増加を伴うことが実験で示された。

0076

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