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技術 工作機械

出願人 株式会社ジェイテクト
発明者 佐々木雄二岩井英樹桜井康匡廣田育子若杉直矢
出願日 2015年7月10日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-138468
公開日 2017年1月26日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2017-019048
状態 特許登録済
技術分野 工作機械の補助装置 工作機械の検出装置 研削盤の構成部分、駆動、検出、制御 研削機械のドレッシング及び付属装置
主要キーワード 所定圧力値 プーリ機構 トラバース方向 研削部位 切込み方向 回転軸部材 流量調整装置 平面矩形状
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

軸受に供給される液体の温度が上昇する場合においても、軸受を支持する支持台温度分布を均一化して、支持台の熱変形を抑制することができる工作機械を提供することを目的とする。

解決手段

研削盤1は、砥石車43を保持し、回転駆動される回転軸部材72と、回転軸部材72を軸受73により回転可能に支持する砥石台本体71と、砥石台本体71に配設され、油を貯留するタンク74と、タンク74と軸受73とを接続して油を流通させる流通路75と、流通路75に配設され、タンク74に貯留された油を軸受73に供給するポンプ76と、軸受73から排出された油をタンク74に還流させる還流路78と、を備えている。研削盤1は、タンク74に貯留された油を循環可能な循環路81をさらに備え、循環路81は、砥石台本体71において、タンク74に貯留された油の温度により生じる砥石台本体71の温度勾配を抑制する部位に形成されている。

概要

背景

工作機械である研削盤の一形態として、特許文献1に示されているものが知られている。研削盤1は、特許文献1の図1に示されるように、砥石車43、砥石台42の上面に配設され、砥石車43を回転可能に支持する静圧軸受47、静圧軸受47に供給する油を貯留するタンク81、砥石車43における工作物Wとの接触部位に向けてクーラントを供給するクーラント供給装置50および砥石車43を覆う砥石覆い48を備えている。

静圧軸受47に供給された油は、砥石車43が回転することにより、繰り返しせん断されるため、油の温度が上昇する。そして、油は、油を排出する経路を通り、タンク81に還流され、タンク81から静圧軸受47に再び供給される。これによって、油の熱が、油を排出する経路等から研削に関わる部位に伝達し、これらの部位が熱変形することにより、加工精度が低下する場合がある。そこで、砥石覆い48には、静圧軸受47から排出された油をタンク81に還流するための流路84が内部に設けられている。砥石覆い48は、クーラント供給装置50により供給されるクーラントとおよそ同一温度になっているため、流路84を通る油を冷却する。これにより、研削に関わる部位の熱変形が抑制されている。

概要

軸受に供給される液体の温度が上昇する場合においても、軸受を支持する支持台温度分布を均一化して、支持台の熱変形を抑制することができる工作機械を提供することを目的とする。研削盤1は、砥石車43を保持し、回転駆動される回転軸部材72と、回転軸部材72を軸受73により回転可能に支持する砥石台本体71と、砥石台本体71に配設され、油を貯留するタンク74と、タンク74と軸受73とを接続して油を流通させる流通路75と、流通路75に配設され、タンク74に貯留された油を軸受73に供給するポンプ76と、軸受73から排出された油をタンク74に還流させる還流路78と、を備えている。研削盤1は、タンク74に貯留された油を循環可能な循環路81をさらに備え、循環路81は、砥石台本体71において、タンク74に貯留された油の温度により生じる砥石台本体71の温度勾配を抑制する部位に形成されている。

目的

本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであって、支持台に配設されたタンクに貯留された液体の温度が上昇する場合においても、支持台の温度分布を均一化して、支持台の熱変形を抑制することができる工作機械を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

工具を保持し、回転駆動される回転軸部材と、前記回転軸部材を軸受により回転可能に支持する支持台と、前記支持台に配設され、液体貯留するタンクと、前記タンクと前記軸受とを接続して前記液体を流通させる流通路と、前記流通路に配設され、前記タンクに貯留された前記液体を前記軸受に供給する液体供給装置と、前記軸受から排出された前記液体を前記タンクに還流させる還流路と、を備えた工作機械であって、前記工作機械は、前記タンクに貯留された前記液体を循環可能な循環路をさらに備え、前記循環路は、前記支持台において、前記タンクに貯留された前記液体の温度により生じる前記支持台の温度勾配を抑制する部位に形成されている工作機械。

請求項2

前記軸受は、静圧軸受である請求項1の工作機械。

請求項3

前記タンクは、前記支持台の上部に配設され、前記循環路は、前記タンクより下方の部位を通るように形成されている請求項1または請求項2の工作機械。

請求項4

前記循環路は、一端が前記流通路における前記液体供給装置と前記軸受との間にて分岐された分岐点に接続され、他端が前記タンクに接続されている請求項1〜請求項3の何れか一項の工作機械。

請求項5

前記工作機械は、前記分岐点と前記軸受との間に配設され、前記軸受に供給される前記液体の圧力値所定圧力値に調整する圧力調整装置をさらに備えている請求項4の工作機械。

請求項6

前記工作機械は、前記支持台の温度勾配を検出する温度勾配検出装置と、前記温度勾配検出装置によって検出された温度勾配の大きさに基づいて、前記液体供給装置を制御して、前記循環路に循環させる前記液体の流量を調整する制御装置と、をさらに備えている請求項4または請求項5の工作機械。

請求項7

前記工具は、砥石車である請求項1〜請求項6の何れか一項の工作機械。

技術分野

0001

本発明は、工作機械に関する。

背景技術

0002

工作機械である研削盤の一形態として、特許文献1に示されているものが知られている。研削盤1は、特許文献1の図1に示されるように、砥石車43、砥石台42の上面に配設され、砥石車43を回転可能に支持する静圧軸受47、静圧軸受47に供給する油を貯留するタンク81、砥石車43における工作物Wとの接触部位に向けてクーラントを供給するクーラント供給装置50および砥石車43を覆う砥石覆い48を備えている。

0003

静圧軸受47に供給された油は、砥石車43が回転することにより、繰り返しせん断されるため、油の温度が上昇する。そして、油は、油を排出する経路を通り、タンク81に還流され、タンク81から静圧軸受47に再び供給される。これによって、油の熱が、油を排出する経路等から研削に関わる部位に伝達し、これらの部位が熱変形することにより、加工精度が低下する場合がある。そこで、砥石覆い48には、静圧軸受47から排出された油をタンク81に還流するための流路84が内部に設けられている。砥石覆い48は、クーラント供給装置50により供給されるクーラントとおよそ同一温度になっているため、流路84を通る油を冷却する。これにより、研削に関わる部位の熱変形が抑制されている。

先行技術

0004

特開2014−213390号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述した特許文献1の研削盤1に対し、研削盤のコスト削減や配置スペースを小さくすることを目的として、軸受に供給される油を貯留するタンクが、軸受を支持する砥石台(支持台)に配設される場合がある。このような研削盤について、本発明者が鋭意研究した結果、油がタンクと軸受との間を循環する場合、タンクに貯留された油の温度が上昇することにより、支持台の温度分布が不均一となるため、支持台に熱変形が生じて、加工精度が低下するおそれがあることを見出した。

0006

そこで、本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであって、支持台に配設されたタンクに貯留された液体の温度が上昇する場合においても、支持台の温度分布を均一化して、支持台の熱変形を抑制することができる工作機械を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上述の課題を解決するため、請求項1の工作機械は、工具を保持し、回転駆動される回転軸部材と、回転軸部材を軸受により回転可能に支持する支持台と、支持台に配設され、液体を貯留するタンクと、タンクと軸受とを接続して液体を流通させる流通路と、流通路に配設され、タンクに貯留された液体を軸受に供給する液体供給装置と、軸受から排出された液体をタンクに還流させる還流路と、を備えた工作機械であって、工作機械は、タンクに貯留された液体を循環可能な循環路をさらに備え、循環路は、支持台において、タンクに貯留された液体の温度により生じる支持台の温度勾配を抑制する部位に形成されている。

発明の効果

0008

これによれば、液体を貯留するタンクが支持台に配設されるとともに、タンクに貯留された液体を支持台に循環させる循環路が、タンクに貯留された液体の温度により生じる支持台の温度勾配を抑制する部位に形成される。タンクに貯留されている温度が上昇した液体が、循環路によって循環することにより、支持台の温度勾配が抑制される。よって、支持台の温度分布が均一化して、支持台の熱変形が抑制される。

図面の簡単な説明

0009

本発明による工作機械の一実施形態の研削盤の平面図である。
図1に示すII−II線に沿った砥石台の断面図である。
図2に示す砥石台本体の正面図である。
図2に示す砥石台本体が熱変形した状態を示す側面図である。
図2に示す制御装置に記憶されている第一温度センサ検出温度と第二温度センサとの温度差と、油の流量との相関関係を示す図である。
図2に示す制御装置にて実行されるプログラムフローチャートである。
図6に示すフローチャートにおける工作機械の動作を示すタイムチャートである。
本発明による工作機械の変形例の砥石台の断面図である。
図8に示す砥石台本体の正面図である。

0010

(1.工作機械の概要
本発明の工作機械の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態における工作機械は、図1に示す研削盤1である。研削盤1は、具体的には、軸状の工作物の研削が可能な砥石台トラバース円筒研削盤である。なお、図1において、Z軸方向は、トラバース方向であり、X軸方向は、トラバース方向と直角な水平方向であり、Y軸方向は、トラバース方向と直角な鉛直方向である。
図1に示すように、研削盤1は、主として、ベッド10、主軸台20、心押台30、砥石支持装置40、定寸装置50および制御装置60を備える。

0011

ベッド10は、平面矩形状に形成され、設置面(床)上に固定される。このベッド10の上面には、砥石支持装置40を構成する砥石台トラバースベース41を摺動可能とする一対のZ軸ガイドレール11a,11bが、Z軸方向に延びるように、且つ、相互に平行に配置固定されている。一対のZ軸ガイドレール11a,11bの間には、砥石台トラバースベース41をZ軸方向に駆動するためのZ軸ボールねじ11cが配置され、このZ軸ボールねじ11cを回転駆動するZ軸モータ11dが配置固定されている。

0012

主軸台20は、主軸台本体21、主軸22、主軸モータ23および主軸センタ24を備えている。主軸台本体21には、主軸22が回転可能に挿通支持されている。主軸台本体21は、主軸22の軸方向がZ軸方向を向き、且つ一対のZ軸ガイドレール11a,11bと平行になるようにベッド10の上面に固定されている。

0013

主軸22の左端には、主軸モータ23が設けられ、主軸22は、主軸モータ23により主軸台本体21に対してZ軸回りに回転駆動される。この主軸モータ23には、主軸モータ23の回転角を検出可能なエンコーダが備えられている。また、主軸22の右端には、軸状の工作物Wの軸方向一端を支持する主軸センタ24が取り付けられている。

0014

心押台30は、心押台本体31および心押センタ32を備えている。心押台本体31には、心押センタ32が回転可能に挿通支持されている。心押台本体31は、心押センタ32の軸方向がZ軸方向を向くように、且つ心押センタ32の回転軸が主軸22の回転軸と同軸となるようにベッド10の上面に固定されている。
すなわち、心押センタ32は、主軸センタ24と工作物Wの軸方向両端を支持してZ軸回りに回転可能なように配置されている。心押センタ32は、工作物Wの長さに応じて心押台本体31の右端面からの突出量の変更が可能に構成されている。

0015

砥石支持装置40は、砥石台トラバースベース41、砥石台42(70)および円盤状の砥石車43(本発明の工具に相当)を備えている。砥石台トラバースベース41は、矩形平板状に形成されており、ベッド10の上面において一対のZ軸ガイドレール11a,11b上を摺動可能に配置されている。

0016

砥石台トラバースベース41は、Z軸ボールねじ11cのナット部材に連結されており、Z軸モータ11dの駆動により一対のZ軸ガイドレール11a,11bに沿って移動される。このZ軸モータ11dには、Z軸モータ11dの回転角を検出可能なエンコーダが備えられている。

0017

砥石台トラバースベース41の上面には、砥石台42を摺動可能とする一対のX軸ガイドレール41a,41bが、X軸方向に延びるように、且つ、相互に平行に配置固定されている。砥石台トラバースベース41の上面の一対のX軸ガイドレール41a,41bの間には、砥石台42をX軸方向に駆動するためのX軸ボールねじ41cが配置され、このX軸ボールねじ41cを回転駆動するX軸モータ41dが配置されている。このX軸モータ41dには、X軸モータ41dの回転角を検出可能なエンコーダが備えられている。

0018

砥石台42は、砥石台トラバースベース41の上面の一対のX軸ガイドレール41a,41b上を摺動可能に配置されている。砥石台42は、X軸ボールねじ41cのナット部材に連結されており、X軸モータ41dの駆動により一対のX軸ガイドレール41a,41bに沿って移動される。
つまり、砥石台42は、ベッド10、主軸台20および心押台30に対して、X軸方向およびZ軸方向(トラバース送り方向)に相対移動可能に構成されている。
砥石台42(70)の詳細は、後述する。

0019

定寸装置50は、研削部位における工作物Wの外径計測して計測信号を制御装置60へ出力するための装置である。
制御装置60は、各モータを制御して、工作物Wおよび砥石車43をZ軸回りに回転させ、且つ、工作物Wに対する砥石車43のZ軸方向およびX軸方向の相対的な位置を変更することにより、工作物Wの外周面の研削を行う装置である。制御装置60の詳細は後述する。

0020

(2.砥石台70の詳細)
砥石台70は、図2に示すように、砥石台本体71(本発明の支持台に相当)、回転軸部材72、軸受73、タンク74、流通路75、ポンプ76(本発明の液体供給装置に相当)、圧力調整弁77(本発明の圧力調整装置に相当)および還流路78を備えている。
砥石台本体71は、回転軸部材72を軸受73により回転可能に支持するものである。砥石台本体71の下端部には、X軸方向に延びるように形成され、一対のX軸ガイドレール41a,41bに沿って案内される脚部71a,71bが設けられている(図2および図3参照)。

0021

回転軸部材72は、砥石車43を保持し、回転駆動されるものである。回転軸部材72は、砥石台本体71の上面にて、Z軸周りに回転可能に支持されている。回転軸部材72の一端には、円盤状の砥石車43が同軸で取り付けられている。また、砥石台本体71の上面には、ベルトプーリ機構79(図1参照)を介して回転軸部材72を砥石車43とともに回転駆動するための砥石回転用モータ80が固定されている。

0022

軸受73は、回転軸部材72を回転可能に支持するものである。軸受73は、静圧軸受である。軸受73には、タンク74に貯留されている油(本発明の液体に相当)が供給される。
タンク74は、砥石台本体71に配設され、油を貯留するものである。タンク74は、砥石台本体71の上部に配設されている。タンク74は、具体的には、砥石台本体71の上方(図2の上側)の面(上面)から下方に向かって凹むように、かつ、上方を開放するように形成されている。また、タンク74は、軸受73の下方に位置する部位を有するように形成されている。

0023

流通路75は、タンク74と軸受73とを接続して油を流通させる流路である。流通路75は、砥石台本体71外部に配設された管である。
ポンプ76は、流通路75に配設され、タンク74に貯留された油を軸受73に供給するものである。ポンプ76は、具体的には、砥石台本体71に固定され、吸込口76aをタンク74に貯留された油に浸漬させている。ポンプ76は、吸込口76aからタンク74に貯留された油を吸い込んで、流通路75を介して、図2に矢印にて示すように、軸受73に油を供給する。ポンプ76は、制御装置60と電気的に接続されている。ポンプ76は、制御装置60によって回転数を制御されることによって、流通路75を流通する油の流量(単位時間当たりの流量)を調整する。

0024

圧力調整弁77は、流通路75における分岐点75a(後述する)と軸受73との間に配設され、軸受73に供給される油の圧力値所定圧力値に調整するものである。圧力調整弁77は、例えば、直動式減圧弁である。
還流路78は、軸受73から排出された油をタンク74に還流させる流路である。還流路78は、軸受73の下端部を、タンク74に向けて開放することにより形成されている。これにより、軸受73を通過した油が、還流路78を介してタンク74に自重にて排出される。

0025

ここで、砥石台本体71の熱変形について説明する。制御装置60は、各モータを制御して、上述したように、工作物Wの外周面の研削を行う場合、ポンプ76を制御して、タンク74から軸受73に油を供給する。軸受73が静圧軸受であるため、回転軸部材72の回転によって油が繰り返しせん断されることにより、油の温度が上昇する。この油が軸受73からタンク74に排出され、さらに軸受73とタンク74との間を循環することにより、タンク74に貯留している油の温度が上昇する。この油の熱がタンク74から砥石台本体71に伝達するため、砥石台本体71に温度勾配が生じる。砥石台本体71の温度勾配は、具体的には、タンク74から脚部71a,71bに向かうに従って、砥石台本体71の温度が低くなる。これにより、図4に示すように、砥石台本体71の側面視において、上方を凸状とする熱変形(反り)が生じる。

0026

図2に戻って、砥石台70の構成について説明を続ける。
また、砥石台70は、循環路81、第一温度センサ82aおよび第二温度センサ82bをさらに備えている。
循環路81は、タンク74に貯留された油を循環可能とするものである。循環路81は、一端が流通路75におけるポンプ76と軸受73との間にて分岐された分岐点75aに接続され、他端がタンク74に接続されている。これにより、ポンプ76が回転駆動することによって、タンク74に貯留されている油が、軸受73に供給されるとともに、矢印にて示すように、分岐点75aから循環路81に供給される。そして、循環路81に供給された油は、タンク74に還流される。

0027

循環路81は、砥石台本体71外部に配設された配管81a,81bおよび砥石台本体71内部に形成された砥石台流路81c,81dを備えている。砥石台流路81c,81dは、砥石台本体71の脚部71a,71bにX軸方向に沿って延びて貫通するように形成されている(図2および図3参照)。循環路81においては、配管81a、砥石台流路81c,81d、配管81bの順に油が流通する。また、配管81a,81bの一端がそれぞれ分岐することにより、砥石台流路81c,81dが配管81a,81bの間にて、並列に接続されている。このように、砥石台流路81c,81dがタンク74より下方に位置するため、循環路81は、タンク74より下方の部位を通るように形成されている。

0028

第一温度センサ82aは、砥石台本体71におけるタンク74の周縁の下側壁71cの中央部に配設されている。第二温度センサ82bは、砥石台本体71の脚部71a,71bの一方(本実施形態においては、脚部71b)に配設されている。温度センサ82a,82bの検出温度は、制御装置60に送信される。

0029

(3.制御装置60の詳細)
また、制御装置60は、温度勾配算出部61および流量調整部62を備えている。
温度勾配算出部61は、砥石台本体71の温度勾配の大きさを算出するものである。砥石台本体71の温度勾配の大きさは、具体的には、第一温度センサ82aの検出温度と第二温度センサ82bの検出温度との温度差Thdである。温度差Thdが大きい場合、砥石台本体71の温度勾配が大きくなっている。このように、温度センサ82a,82bおよび温度勾配算出部61によって、砥石台本体71の温度勾配の大きさが検出される。温度センサ82a,82bおよび温度勾配算出部61は、本発明の温度勾配検出装置に相当する。

0030

流量調整部62は、温度勾配算出部61によって算出された温度勾配の大きさに基づいて、ポンプ76を制御して、循環路81に循環させる油の流量Qを調整するものである。流量調整部62は、具体的には、温度差Thd(温度勾配の大きさ)と油の流量Qとの相関関係Cに基づいて、温度勾配算出部61によって算出された温度差Thdから油の流量Qを導出し、その油の流量Qに相当するポンプ76の回転数を制御指令値としてポンプ76に出力する。相関関係Cは、温度勾配の大きさが大きくなるに従って、油の流量Qを段階的に多くする関係である。

0031

相関関係Cは、本実施形態においては、図5に示すように、三段階に設定され、温度差Thdが第一温度差Thd1より小さい場合、油の流量Qを最小流量Qminとする。最小流量Qminは、流通路75を流れる油の圧力値を圧力調整弁77の作動圧力値以上とする油の流量Qに設定されている。第一温度差Thd1は、比較的小さい温度差(例えば1℃)に設定されている。また、相関関係Cは、温度差Thdが第一温度差Thd1より高い第二温度差Thd2と、第一温度差Thd1との間である場合、油の流量Qを最小流量Qminより多い第一流量Q1とする。さらに、相関関係Cは、温度差Thdが第二温度差Thd2より大きい場合、油の流量Qを第一流量Q1より多い第二流量Q2とする。相関関係Cは、実験等により実測されて導出されている。

0032

次に、上述した研削盤1の制御装置60が、砥石台本体71の熱変形を抑制する熱変形抑制制御について、図6に示すフローチャートに沿って説明する。制御装置60は、工作物Wの外周面の研削を行う場合、熱変形抑制制御を行う。

0033

制御装置60は、工作物Wの研削を開始した場合、ステップS102にて、循環路81に循環させる油の流量Qを最大流量である第二流量Q2に設定する。制御装置60は、ステップS104にて、工作物Wの研削を開始してから、所定時間Tiが経過したか否かを判定する。所定時間Tiは、工作物Wの研削が開始された時点から、タンク74内の油の温度である油温Thyが上昇して、およそ一定の温度となるまでの時間に設定されている(図6参照)。所定時間Tiが経過していない場合、制御装置60は、ステップS104を繰り返し実行する。一方、所定時間Tiが経過した場合、制御装置60は、プログラムをステップS106に進める。

0034

制御装置60は、ステップS106にて第一温度センサ82aの検出温度である第一温度Thaおよび第二温度センサ82bの検出温度である第二温度Thbを取得し、ステップS108にて温度差Thdを算出する(温度勾配算出部61)。制御装置60は、ステップS110にて、その温度差Thdから油の流量Qを導出する(流量調整部62)。そして、制御装置60は、ステップS112にて、その油の流量Qに相当するポンプ76の回転数を制御指令値としてポンプ76に出力して、油の流量Qを調整する(流量調整部62)。そして、制御装置60は、プログラムをステップS106に戻し、上述したステップS106〜112を繰り返し実行する。

0035

(4.動作)
次に、研削盤1が上述したフローチャートに沿って動作した場合について、図7に示すタイムチャートに沿って説明する。工作物Wの研削を開始した時点(時刻t0)においては、油温Thy、第一温度Thaおよび第二温度Thbは、およそ同一の温度である。工作物Wの研削の開始時点(時刻t0)からポンプ76が起動されて、軸受73および循環路81にタンク74に貯留されている油が供給される。循環路81に循環させる油の流量Qが第二流量Q2となるように(ステップS102)、ポンプ76が駆動される。循環路81に循環させる油の流量Qにかかわらず、軸受73に供給される油の圧力値は、圧力調整弁77によって所定圧力値に調整される。

0036

上述したように、軸受73にて油温Thyが上昇する。一方、油が循環路81を循環することにより、油の熱がタンク74の周囲および砥石台流路81c,81dの周囲に伝達するため、温度Tha,Thbが上昇する。このとき、第二温度Thbの温度上昇が第一温度Thaの温度上昇より遅くなる。これは、タンク74に貯留されている油が軸受73および循環路81に供給されるため、タンク74に貯留されている油の量より、循環路81(砥石台流路81c,81d)を流れる油の量(流量)が少ないこと、および、脚部71a,71bに配設された第二温度センサ82bが、第一温度センサ82aよりタンク74から離れた部位に配設されていることによる。そして、所定時間Tiが経過した時点(時刻t1;ステップS104)においては、温度差Thdが第二温度差Thd2より大きいため、油の流量Qは、第二流量Q2に維持される(ステップS106〜112)。

0037

その後、油温Thyがおよそ一定の温度にて安定し、タンク74内の油が循環路81を継続して循環することにより、温度差Thdが徐々に小さくなり、温度差Thdが第二温度差Thd2より小さくなったとき(時刻t2)、油の流量Qが第一流量Q1に調整される。さらに、温度差Thdが小さくなり、温度差Thdが第一温度差Thd1より小さくなったとき(時刻t3)、油の流量Qが最小流量Qminに調整される。そして、このとき、温度差Thdが比較的小さいため、砥石台本体71の温度勾配の大きさが小さくなっている。よって、すなわち、砥石台本体71の温度勾配が抑制されたことにより、砥石台本体71の温度分布が均一化されたため、上述した砥石台本体71の熱変形(反り;図4参照)が抑制される。このように、循環路81(砥石台流路81c,81d)は、砥石台本体71において、タンク74に貯留された油の温度により生じる砥石台本体71の温度勾配を抑制する部位に形成されている。

0038

(5.まとめ)
本実施形態によれば、研削盤1は、砥石車43を保持し、回転駆動される回転軸部材72と、回転軸部材72を軸受73により回転可能に支持する砥石台本体71と、砥石台本体71に配設され、油を貯留するタンク74と、タンク74と軸受73とを接続して油を流通させる流通路75と、流通路75に配設され、タンク74に貯留された油を軸受73に供給するポンプ76と、軸受73から排出された油をタンク74に還流させる還流路78と、を備えている。研削盤1は、タンク74に貯留された油を循環可能な循環路81をさらに備え、循環路81は、砥石台本体71において、タンク74に貯留された油の温度により生じる砥石台本体71の温度勾配を抑制する部位に形成されている。
これによれば、油を貯留するタンク74が砥石台本体71に配設されるとともに、タンク74に貯留された油を砥石台本体71に循環させる循環路81が、タンク74に貯留された油の温度により生じる砥石台本体71の温度勾配を抑制する部位に形成される。タンク74に貯留されている温度が上昇した油が、循環路81によって循環することにより、砥石台本体71の温度勾配が抑制される。よって、砥石台本体71の温度分布が均一化して、砥石台本体71の熱変形が抑制される。また、研削盤1は、タンク74を砥石台本体71外部に配設する場合と比べて、設置スペースを小さくすることができる。

0039

また、軸受73は、静圧軸受である。
軸受73が静圧軸受である場合、軸受73にて油の温度が上昇し易いため、軸受73が例えば玉軸受である場合に比べて、タンク74に貯留されている油の温度が高くなり、砥石台本体71の温度勾配が大きくなる。このような場合においても、循環路81に油を循環させることにより、砥石台本体71の温度分布を均一化して、砥石台本体71の温度勾配を抑制することができる。

0040

また、タンク74は、砥石台本体71の上部に配設され、循環路81は、タンク74より下方の部位を通るように形成されている。
これによれば、タンク74を比較的簡便に形成することができる。さらに、回転軸部材72をタンク74の上方に配設することにより、還流路78を比較的簡便に形成することができる。よって、砥石台本体71ひいては砥石台70の低コスト化を図ることができる。
また、タンク74を上部に既に配設されている既存の砥石台70に対しては、タンク74より下方に位置する脚部71a,71bに砥石台流路81c,81dを比較的簡便に形成することができる。

0041

また、循環路81は、一端が流通路75におけるポンプ76と軸受73との間にて分岐された分岐点75aに接続され、他端がタンク74に接続されている。
これによれば、軸受73に油を供給するポンプ76を利用して、循環路81に油を流通させることができる。よって、タンク74に貯留している油の循環を比較的低コストにて行うことができる。

0042

また、研削盤1は、分岐点75aと軸受73との間に配設され、軸受73に供給される油の圧力値を所定圧力値に調整する圧力調整弁77をさらに備えている。
これによれば、制御装置60が循環路81に流通させる油の流量Qを調整する場合においても、軸受73に供給される油の圧力値を所定圧力値に調整することができるため、回転軸部材72の回転を安定させることができる。

0043

また、研削盤1は、砥石台本体71の温度勾配を検出する温度勾配検出装置と、温度勾配検出装置によって検出された温度勾配の大きさに基づいて、ポンプ76を制御して、循環路81に循環させる油の流量Qを調整する制御装置60と、をさらに備えている。
これによれば、砥石台本体71の温度勾配の大きさに関わらず、循環路81に流通させる油の流量Qを一定とする場合に比べて、ポンプ76の回転数を抑制することができる。よって、タンク74に貯留している油の循環を比較的省電力ひいては比較的低コストにて行うことができる。

0044

また、工具は、砥石車43である。
これによれば、工具が砥石車43である場合、砥石車43を支持する砥石台本体71の温度勾配が抑制されることにより、砥石台本体71の熱変形が抑制されるため、研削の精度の低下を抑制することができる。

0045

(6.変形例)
なお、上述した実施形態において、研削盤1の一例を示したが、本発明はこれに限定されず、他の構成を採用することもできる。例えば、制御装置60は、温度差Thdに基づいて循環路81に流通させる油の流量Qを調整しているが、これに代えて、油の流量Qを例えば第二流量Q2一定に維持して、流量Qを調整しないようにしても良い。さらにこの場合、流通路75の流路抵抗を、例えばオリフィスによって調整することにより、軸受73に供給される油の圧力値をおよそ一定にすることができるため、圧力調整弁77を構成しないようにしても良い。

0046

また、上述した実施形態において、循環路81に流通させる油の流量Qは、ポンプ76の回転数によって調整されているが、これに代えて、流量調整装置(図示なし)によって油の流量Qを変更するようにしても良い。流量調整装置は、例えば、配管81aに配設され、制御装置60の制御によって、バルブ軸線方向に進退し、開口部の開口面積を変化させて油の流量Qを調整するものである。これによれば、ポンプ76の回転数によって油の流量Qを調整する場合に比べて、より精度よく油の流量Qを調整することができる。

0047

また、上述した実施形態において、循環路81は、流通路75から分岐して、砥石台本体71外部および砥石台本体71内部を通るように形成されているが、これに代えて、図8および図9に示すように、流通路75から分岐せずに、循環路181c,181dを砥石台本体71内部のみに形成するようにしても良い。循環路181c,181dは、具体的には、両端をタンク74の底部に接続する側面視U字状(図8参照)に形成されるとともに、脚部71a,71bを通るように形成されている(図8および図9参照)。さらにこの場合、循環路181c,181dにタンク74に貯留された油を循環させるために、ポンプ76を利用しないようにしても良い。この場合、タンク74内の油の熱が、油を介して循環路181c,181dに伝達して、循環路181c,181d内の油の温度が上昇する。これにより、砥石台本体71の温度勾配が抑制される。

0048

また、上述した実施形態において、制御装置60は、補正部をさらに備えるようにしても良い。補正部は、工作物Wの研削を行っている場合、温度センサ82a,82bの検出温度に基づいて、砥石車43のX軸方向(切込み方向)の移動量を補正するものである。補正部は、具体的には、温度センサ82a,82bの検出温度から、砥石台本体71のX軸方向の熱変位を算出し、砥石車43のX軸方向の移動量を熱変位分だけ補正する。熱変位は、温度センサ82a,82bの検出温度との相関関係を実験等により予め実測することによって導出することができる。この場合、上述した砥石台本体71の熱変形(反り;図4参照)が抑制されているため、熱変位を比較的容易に算出することができる。

0049

また、上述した実施形態においては、研削盤1を工作機械の例として挙げて説明しているが、これに代えて、工作機械を旋盤マシニングセンタとしても良い。旋盤やマシニングセンタにおいて、例えばベッドに上述したタンク74を形成するような場合、ベッドに循環路を形成するようにすると良い。
また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、タンク74の形状、温度センサ82a,82bの配設位置や個数、循環路81を形成する部位等を変更しても良い。

0050

1…研削盤(工作機械)、40…砥石支持装置、42(70)…砥石台、43…砥石車、60…制御装置、61…温度勾配算出部(温度勾配検出装置)、62…流量制御部、71…砥石台本体(支持台)、71a…脚部、71b…脚部、72…回転軸部材、73…軸受、74…タンク、75…流通路、75a…分岐点、76…ポンプ(液体供給装置)、77…圧力調整弁(圧力調整装置)、78…還流路、81…循環路、82a…温度センサ(温度勾配検出装置)、82b…温度センサ(温度勾配検出装置)。

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