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図面 (12)

課題

屈折率が1.45を下回るシリコーン樹脂構成材料として使用して、入射光を臨界反射により90度折り返すことを可能とするマイクロチップ導光部材等を提供する。

解決手段

光を外部に導出する光導出部11を備え、主にシリコーン樹脂からなる板状体の導光部材であって、光路気体充填されている第1気体光路部13と、第1気体光路部の光軸19である第1光軸に対して第1角度だけ傾いて第1気体光路部の端を形成する第1斜面と、第1光軸に対して第2角度だけ傾いた第2斜面とを備え、第1角度は、第1光軸を進行して前記第1斜面で屈折した第1屈折光のうち第2斜面に到達する光が存在する角度であり、第2角度は、第2斜面に到達する第1屈折光のうち第2斜面で臨界反射される光が存在する角度である、導光部材である。

概要

背景

近年、例えばシリコンシリコーンガラスなどよりなる小さな基板上に、半導体微細加工の技術によってマイクロスケール分析用チャネルなどを形成したマイクロチップよりなるマイクロリアクタを用いて微量の試薬の分離、合成、抽出、分析などを行う手法が注目されている。このようなマイクロリアクタを用いた反応分析システムは、マイクロトータル・アナリシス・システム(以下、「μTAS」という。)と称されている。μTASによれば、試薬の体積に対する表面積の比が大きくなることなどから高速かつ高精度の反応分析を行うことが可能となり、また、コンパクトで自動化されたシステムを実現することが可能となる。

マイクロチップは、当該マイクロチップに設けられるマイクロチャンネルとも呼ばれる流路10に試薬が配置された反応領域、流体制御素子マイクロポンプマイクロバルブマイクロミキサフィルタセンサ)など各種機能を有する領域を設けて集積化することにより、様々な用途に適応させることが可能となる。

上記したマイクロチップは、典型的には一対のマイクロチップ基板が対向して接着された構造を有し、少なくとも1つの上記マイクロチップ基板の表面に微細な流路10(例えば、幅10〜数100μm、深さ10〜数100μm程度)が形成されている。

マイクロチップの用途としては、遺伝子解析臨床診断、薬物スクリーニングなどの化学生化学薬学医学獣医学の分野における分析、あるいは、化合物の合成、環境計測などが代表的である。

このようなマイクロチップにおいては、溶液の混合、反応、分離、精製、検出など様々な化学操作を実施することが可能である。そして、マイクロチップを分析機器に組み込むことにより、マイクロチップにおいて行われる反応等が分析機器により検出する。例えばマイクロチップが蛍光センサとして使用される場合、分析機器としては例えば単色光を放出するレーザ等からなる光源、光源からの光が照射されるマイクロチップ流路内の試料から放出される蛍光受光する受光素子等を備える。すなわち、分析内容に応じた分析専用機にマイクロチップを組み込むことにより、様々な分析が実施される。上記した分析機器としては、例えば、発明者らが提案した光分析装置がある(特許文献1)。

図1に上記の光分析装置101の構成例を示す。この光分析装置101は、ディスプレイ103とディスプレイ103に表示される画像や演算機能を制御する制御部を有する、所謂、タブレット端末105と、光導入部107と光導出部109を有するマイクロチップ111とからなる。光分析装置101では、ディスプレイ103上の所定の位置にマイクロチップ111の光導入部107を配置する。制御部は、光導入部107に対応するディスプレイ103上の部位を発光させる。光導入部107よりマイクロチップ111内に導光される上記発光は、マイクロチップ111の流路113内に導入された検体を含む流体に照射される。そして光照射された検体を含む流体から放出される光(例えば、蛍光)がマイクロチップの光導出部109から外部に導出される。外部に導出される光は、例えば、タブレット端末105のカメラにより受光され、受光された光情報に基づき、タブレット端末105は所定の分析プログラムに則り、演算処理を実施する。以下、このような光分析装置をLOT(Labo on Tablet)とも呼称することにする。

マイクロチップからの光導出
内部に光が導入されるマイクロチップ111は、通常、PDMS等の光透過性が良好なシリコーン樹脂から構成される。LOTの場合、マイクロチップ111はタブレット端末105の表面に設置されることが前提となる。よって、LOTにおける分析用のマイクロチップ111の形状は、板状となり、少なくともLOT表面と密接するマイクロチップ111表面の下面側は、水平面となる。以下、上記したマイクロチップ111表面の下面側を「下側表面112」と称する。

マイクロチップ111の形状が板状である場合、流路113や流路113内の試料(検体)に照射される光を導光する導光路115は、流路113に連通する試料注入部117、試料排出部118や、導光路115に光を導入する光導入部107、導光路115からの光を外部に放出する光導出部109を除き、マイクロチップ111の下側表面に平行な方向に伸びるように構成される。

上記したマイクロチップ111の光導入部107に導入される光は、マイクロチップ111の下側表面に対して所定の入射角方向から導入される。例えば、図1の場合のように、ディスプレイ103から放出される光をマイクロチップ111の光導入部107に導入する場合、上記導入光は、上記下側表面112に対して垂直な方向から導入される(図2(a)参照)。なお、図2における矢印は、光の進行方向を示す。

一方、マイクロチップ111の光導出部1091から導出される光もマイクロチップ111の下側表面に対して所定の出射角方向から導出される。例えば、光導出部1091から導出される光をタブレット端末105に設けられたカメラ119に導光する場合、上記導出光は、下側表面112に対して垂直な方向へ導出される(図2(a)参照)。

なお、マイクロチップ111よりマイクロチップ111の下側表面112に対して平行な方向(すなわち、マイクロチップ111内部の導光路115が伸びる方向)から光を導出することも可能である。しかしこの場合、光は板状のマイクロチップ111の側面に設けた光導出部1092から導出される。そのためタブレット端末105のカメラ119にこの導出光を導光するには光ファイバ等の導光機器121が必要となり、構成が大がかりになってしまう(図2(b)参照)。なお、図2(b)の構造は、本願出願時点において非公知である。

図2(a)に示すように、マイクロチップ111の光導出部109の位置をタブレット端末105のカメラ119の光入射部の位置と対応させると、マイクロチップ111の下側表面112から光を導出するように構成することにより、光ファイバ等の導光機器121を用いることなく、光導出部109から導出される光をカメラ119の光入射部に導光することが可能となる。その際は、導光路115が伸びる方向に導光路115を進む光を光導出部109側に垂直(90度)に折り返して当該光を外部に導出することが好ましい。このような構成により、光路最短距離にすることができる。

概要

屈折率が1.45を下回るシリコーン樹脂を構成材料として使用して、入射光を臨界反射により90度折り返すことを可能とするマイクロチップ用導光部材等を提供する。光を外部に導出する光導出部11を備え、主にシリコーン樹脂からなる板状体の導光部材であって、光路が気体充填されている第1気体光路部13と、第1気体光路部の光軸19である第1光軸に対して第1角度だけ傾いて第1気体光路部の端を形成する第1斜面と、第1光軸に対して第2角度だけ傾いた第2斜面とを備え、第1角度は、第1光軸を進行して前記第1斜面で屈折した第1屈折光のうち第2斜面に到達する光が存在する角度であり、第2角度は、第2斜面に到達する第1屈折光のうち第2斜面で臨界反射される光が存在する角度である、導光部材である。

目的

本発明は、主にPDMS等の高価でなく屈折率が1.45を下回るシリコーン樹脂を構成材料として使用して、入射光を臨界反射により90度折り返すことを可能とする導光部材等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

光を外部に導出する光導出部を備え、主にシリコーン樹脂からなる板状体導光部材であって、光路気体充填されている第1気体光路部と、前記第1気体光路部の光軸である第1光軸に対して第1角度だけ傾いて前記第1気体光路部の端を形成する第1斜面と、前記第1光軸に対して第2角度だけ傾いた第2斜面とを備え、前記第1角度は、前記第1光軸を進行して前記第1斜面で屈折した第1屈折光のうち前記第2斜面に到達する光が存在する角度であり、前記第2角度は、前記第2斜面に到達する前記第1屈折光のうち前記第2斜面で臨界反射される光が存在する角度である、導光部材。

請求項2

前記第1気体光路部とは別に、光路が気体で充填されている第2気体光路部をさらに備え、前記第2斜面は、前記第2気体光路部の端を形成し、前記第2角度は、前記第2気体光路部の光軸である第2光軸を進行して前記第2斜面で屈折した第2屈折光のうち前記第1斜面に到達する光が存在する角度であり、前記第1角度は、前記第1斜面に到達する前記第2屈折光のうち前記第1斜面で臨界反射される光が存在する角度である、請求項1記載の導光部材。

請求項3

前記第1斜面及び前記第2斜面の間の光路にPDMSが充填されており、前記第1光軸に対して前記第1斜面がなす角度α(0°≦α≦90°)、及び、前記第2光軸に対して前記第2斜面がなす角度β(0°≦β≦90°)について、51.0°≦α≦55.55°であり、かつ、51.0°≦β≦55.55°である、請求項2記載の導光部材。

請求項4

51.17°≦α≦52.5°であり、かつ、51.17°≦β≦52.5°である、請求項3記載の導光部材。

請求項5

前記第1光軸と前記第2光軸とが平行であり又は一致しており、αの値とβの値とが等しい、請求項3又は4記載の導光部材。

請求項6

前記第1気体光路部、前記第1斜面、前記第2気体光路部及び前記第2斜面に対応する組み合わせとして、2以上の自然数nに対して、第(2n—1)気体光路部、第(2n—1)斜面、第2n気体光路部及び第2n斜面の組み合わせをさらに1つ以上備える、請求項2から5のいずれかに記載の導光部材。

請求項7

入射した光を外部に導出する光導出部材であって、錐体の形状又は錐体の一部を切り取った立体形状を備え、前記立体形状は、側面及び底面を有し、前記立体形状は、PDMSが充填されており、前記底面に対する前記側面の仰角は、51.0°以上であり、かつ、55.55°以下である、光導出部材。

請求項8

主にシリコーン樹脂からなる板状体の導光部材を用いた光導出方法であって、前記導光部材は、光路が気体で充填されている第1気体光路部と、前記第1気体光路部の光軸である第1光軸に対して第1角度だけ傾いて前記第1気体光路部の端を形成する第1斜面と、前記第1光軸に対して第2角度だけ傾いた第2斜面とを備え、前記第1角度は、前記第1光軸を進行して前記第1斜面で屈折した第1屈折光のうち前記第2斜面に到達する光が存在する角度であり、前記第2角度は、前記第2斜面に到達する前記第1屈折光のうち前記第2斜面で臨界反射される光が存在する角度であり、前記第1斜面に対して前記第1光軸に沿って光を入射させる入射ステップを含む、光導出方法。

技術分野

0001

本発明は、導光部材光導出部材及び光導出方法に関し、特に、光を外部に導出する光導出部を備え、主にシリコーン樹脂からなる板状体の導光部材等に関する。

背景技術

0002

近年、例えばシリコンシリコーンガラスなどよりなる小さな基板上に、半導体微細加工の技術によってマイクロスケール分析用チャネルなどを形成したマイクロチップよりなるマイクロリアクタを用いて微量の試薬の分離、合成、抽出、分析などを行う手法が注目されている。このようなマイクロリアクタを用いた反応分析システムは、マイクロトータル・アナリシス・システム(以下、「μTAS」という。)と称されている。μTASによれば、試薬の体積に対する表面積の比が大きくなることなどから高速かつ高精度の反応分析を行うことが可能となり、また、コンパクトで自動化されたシステムを実現することが可能となる。

0003

マイクロチップは、当該マイクロチップに設けられるマイクロチャンネルとも呼ばれる流路10に試薬が配置された反応領域、流体制御素子マイクロポンプマイクロバルブマイクロミキサフィルタセンサ)など各種機能を有する領域を設けて集積化することにより、様々な用途に適応させることが可能となる。

0004

上記したマイクロチップは、典型的には一対のマイクロチップ基板が対向して接着された構造を有し、少なくとも1つの上記マイクロチップ基板の表面に微細な流路10(例えば、幅10〜数100μm、深さ10〜数100μm程度)が形成されている。

0005

マイクロチップの用途としては、遺伝子解析臨床診断、薬物スクリーニングなどの化学生化学薬学医学獣医学の分野における分析、あるいは、化合物の合成、環境計測などが代表的である。

0006

このようなマイクロチップにおいては、溶液の混合、反応、分離、精製、検出など様々な化学操作を実施することが可能である。そして、マイクロチップを分析機器に組み込むことにより、マイクロチップにおいて行われる反応等が分析機器により検出する。例えばマイクロチップが蛍光センサとして使用される場合、分析機器としては例えば単色光を放出するレーザ等からなる光源、光源からの光が照射されるマイクロチップ流路内の試料から放出される蛍光受光する受光素子等を備える。すなわち、分析内容に応じた分析専用機にマイクロチップを組み込むことにより、様々な分析が実施される。上記した分析機器としては、例えば、発明者らが提案した光分析装置がある(特許文献1)。

0007

図1に上記の光分析装置101の構成例を示す。この光分析装置101は、ディスプレイ103とディスプレイ103に表示される画像や演算機能を制御する制御部を有する、所謂、タブレット端末105と、光導入部107と光導出部109を有するマイクロチップ111とからなる。光分析装置101では、ディスプレイ103上の所定の位置にマイクロチップ111の光導入部107を配置する。制御部は、光導入部107に対応するディスプレイ103上の部位を発光させる。光導入部107よりマイクロチップ111内に導光される上記発光は、マイクロチップ111の流路113内に導入された検体を含む流体に照射される。そして光照射された検体を含む流体から放出される光(例えば、蛍光)がマイクロチップの光導出部109から外部に導出される。外部に導出される光は、例えば、タブレット端末105のカメラにより受光され、受光された光情報に基づき、タブレット端末105は所定の分析プログラムに則り、演算処理を実施する。以下、このような光分析装置をLOT(Labo on Tablet)とも呼称することにする。

0008

マイクロチップからの光導出
内部に光が導入されるマイクロチップ111は、通常、PDMS等の光透過性が良好なシリコーン樹脂から構成される。LOTの場合、マイクロチップ111はタブレット端末105の表面に設置されることが前提となる。よって、LOTにおける分析用のマイクロチップ111の形状は、板状となり、少なくともLOT表面と密接するマイクロチップ111表面の下面側は、水平面となる。以下、上記したマイクロチップ111表面の下面側を「下側表面112」と称する。

0009

マイクロチップ111の形状が板状である場合、流路113や流路113内の試料(検体)に照射される光を導光する導光路115は、流路113に連通する試料注入部117、試料排出部118や、導光路115に光を導入する光導入部107、導光路115からの光を外部に放出する光導出部109を除き、マイクロチップ111の下側表面に平行な方向に伸びるように構成される。

0010

上記したマイクロチップ111の光導入部107に導入される光は、マイクロチップ111の下側表面に対して所定の入射角方向から導入される。例えば、図1の場合のように、ディスプレイ103から放出される光をマイクロチップ111の光導入部107に導入する場合、上記導入光は、上記下側表面112に対して垂直な方向から導入される(図2(a)参照)。なお、図2における矢印は、光の進行方向を示す。

0011

一方、マイクロチップ111の光導出部1091から導出される光もマイクロチップ111の下側表面に対して所定の出射角方向から導出される。例えば、光導出部1091から導出される光をタブレット端末105に設けられたカメラ119に導光する場合、上記導出光は、下側表面112に対して垂直な方向へ導出される(図2(a)参照)。

0012

なお、マイクロチップ111よりマイクロチップ111の下側表面112に対して平行な方向(すなわち、マイクロチップ111内部の導光路115が伸びる方向)から光を導出することも可能である。しかしこの場合、光は板状のマイクロチップ111の側面に設けた光導出部1092から導出される。そのためタブレット端末105のカメラ119にこの導出光を導光するには光ファイバ等の導光機器121が必要となり、構成が大がかりになってしまう(図2(b)参照)。なお、図2(b)の構造は、本願出願時点において非公知である。

0013

図2(a)に示すように、マイクロチップ111の光導出部109の位置をタブレット端末105のカメラ119の光入射部の位置と対応させると、マイクロチップ111の下側表面112から光を導出するように構成することにより、光ファイバ等の導光機器121を用いることなく、光導出部109から導出される光をカメラ119の光入射部に導光することが可能となる。その際は、導光路115が伸びる方向に導光路115を進む光を光導出部109側に垂直(90度)に折り返して当該光を外部に導出することが好ましい。このような構成により、光路最短距離にすることができる。

先行技術

0014

特開2014−163818号公報
特許第5152901号公報

発明が解決しようとする課題

0015

しかしながら、シリコーン樹脂等の合成樹脂から構成されるマイクロチップ111において、当該マイクロチップ内部の導光路を水平方向(マイクロチップの下側表面に対して平行な方向、すなわち、導光路が伸びる方向)に進行する光を90度折り返すには、マイクロチップ111に以下のような構造を設ける必要がある。
(1)マイクロチップ111内部を上記水平方向に進行する光が45度の角度で全反射する全反射面を、マイクロチップ111に設ける(以下、〔構造1〕と称する)。
(2)上記進行光を45度の角度で臨界反射をさせるための穴を、マイクロチップ111に設ける(以下、〔構造2〕と称する)。
以下、上記〔構造1〕〔構造2〕の構成例について、具体的に説明する。なお、図3及び図4を用いて以下に例示する構造1、構造2などの構造は、本願出願時点で非公知の構造である。

0016

〔構造1〕
構造1の構成例を図3に示す。同図に示す構造1は、マイクロチップ121内部の導光路122を上記水平方向に進行する光の光軸123に対し45度傾斜した金属等の材料からなる反射板125をマイクロチップ121の光導出部127に埋設して、45度全反射面を構築した構造である。なお、図示は省略するが、導光路122を進行する光の光軸123に対し45度傾斜した傾斜面をマイクロチップの光導出部127に設け、この傾斜面に金属材料蒸着して構成してもよい。
図3に示す構造1の構造によれば、上記のように傾斜した反射板125に入射した、マイクロチップ121内部の導光路122を上記水平方向に進行する光を90度折り返すことが可能となる。

0017

しかしながら、構造1の上記構成例においては、金属等の材料からなる反射板125をマイクロチップ121に埋設する必要があり、マイクロチップ121の製作工程が複雑になる。また、金属材料を蒸着する場合も、マイクロチップ121の製造にあたって、マイクロチップ121に傾斜面を構成する工程、当該傾斜面に金属材料を蒸着する工程が必要となり、同様にマイクロチップ121の製作工程が複雑になる。

0018

〔構造2〕
構造2の構成例を図4に示す。同図に示すように、構造2は、マイクロチップ129内部の導光路130を上記水平方向に進行する光が入射した際、この光が45度の臨界反射を行うための斜面を有する導光孔131を、マイクロチップ129の光導出部133に設けたものである。
一般に、マイクロチップ129を構成するシリコーン樹脂の屈折率は、大気の屈折率より大きい。この特性を利用して、構造2においては、シリコーン樹脂からなるマイクロチップ129の導光孔131に大気との界面を有する斜面135が設けられる。大気に対するマイクロチップ129(シリコーン樹脂)の臨界角以上の入射角で斜面135を形成する導光孔131の底面に入射すると、当該光は斜面135により全反射される。

0019

ここで、上記水平方向に進行する光が斜面135へ入射するときの入射角が斜面135で光軸136に対し45度の臨界反射を行うような臨界角となるように、斜面135の角度を設定しておくと、マイクロチップ129内部の導光路130を上記水平方向に進行する光は、この斜面によって90度折り返される。

0020

臨界反射条件を用いて、導光路130を上記水平方向に進行する光を90度折り返すには、シリコーン樹脂の屈折率が1.45以上必要となる。
例えば、シリコーン樹脂の屈折率が1.45、大気の屈折率を1.0としたとき、臨界反射を起こす臨界角θcは、θc=arcsin(1.45/1)=約0.761(rad)となり、約43.6度となる。すなわち、画像面137(例えば、流路の試料から放出される蛍光の発光面)から上記水平方向に進行して斜面に入射する光の広がりが±1.4度であれば、この光は臨界反射する。

0021

しかしながら、このような構成では、シリコーン樹脂としてポリジメチルシロキサン(PDMS)を使用できない。PDMSは、インプリント法によりマイクロ構造を構成することが可能な材料であり、サブミクロンの構造まで転写可能である。また、無色透明であり、可視光領域による吸収が小さく、自家蛍光もほとんどみられない。更には、生体適合性材料細胞組織に悪影響を及ぼさないので、例えば、バイオ分野で用いられる光検出用のマイクロチップにも使用される。
このPDMSの屈折率は、約1.41であり、臨界角は約0.788(rad)=約45.2度となり、45度を超えてしまう。そのため、臨界反射条件を用いて、導光路130を上記水平方向に進行する光を90度折り返すことはできない。

0022

一方、屈折率が1.45以上のシリコーン樹脂材料で、PDMSと同等の特徴を持つものは少なく、また高価である。例えば、LE封止材であるフェニルゴム信越シリコーン社製KER−6000)は、シリコーン樹脂のメチル基フェニル基置換をしたものであり、屈折率は1.50前後である。しかしながら、フェニル基を添加した分高価となる。

0023

そこで、本発明は、主にPDMS等の高価でなく屈折率が1.45を下回るシリコーン樹脂を構成材料として使用して、入射光を臨界反射により90度折り返すことを可能とする導光部材等を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0024

本発明の第1の観点は、光を外部に導出する光導出部を備え、主にシリコーン樹脂からなる板状体の導光部材であって、光路が気体充填されている第1気体光路部と、前記第1気体光路部の光軸である第1光軸に対して第1角度だけ傾いて前記第1気体光路部の端を形成する第1斜面と、前記第1光軸に対して第2角度だけ傾いた第2斜面とを備え、前記第1角度は、前記第1光軸を進行して前記第1斜面で屈折した第1屈折光のうち前記第2斜面に到達する光が存在する角度であり、前記第2角度は、前記第2斜面に到達する前記第1屈折光のうち前記第2斜面で臨界反射される光が存在する角度である、導光部材である。

0025

本発明の第2の観点は、第1の観点の導光部材であって、前記第1気体光路部とは別に、光路が気体で充填されている第2気体光路部をさらに備え、前記第2斜面は、前記第2気体光路部の端を形成し、前記第2角度は、前記第2気体光路部の光軸である第2光軸を進行して前記第2斜面で屈折した第2屈折光のうち前記第1斜面に到達する光が存在する角度であり、前記第1角度は、前記第1斜面に到達する前記第2屈折光のうち前記第1斜面で臨界反射される光が存在する角度である。

0026

本発明の第3の観点は、第2の観点の導光部材であって、前記第1斜面及び前記第2斜面の間の光路にPDMSが充填されており、前記第1光軸に対して前記第1斜面がなす角度α(0°≦α≦90°)、及び、前記第2光軸に対して前記第2斜面がなす角度β(0°≦β≦90°)について、51.0°≦α≦55.55°であり、かつ、51.0°≦β≦55.55°である。

0027

本発明の第4の観点は、第3の観点の導光部材であって、51.17°≦α≦52.5°であり、かつ、51.17°≦β≦52.5°である。

0028

本発明の第5の観点は、第3又は第4の観点の導光部材であって、前記第1光軸と前記第2光軸とが平行であり又は一致しており、αの値とβの値とが等しい。

0029

本発明の第6の観点は、第2から第5のいずれかの観点の導光部材であって、前記第1気体光路部、前記第1斜面、前記第2気体光路部及び前記第2斜面に対応する組み合わせとして、2以上の自然数nに対して、第(2n—1)気体光路部、第(2n—1)斜面、第2n気体光路部及び第2n斜面の組み合わせをさらに1つ以上備える。

0030

本発明の第7の観点は、入射した光を外部に導出する光導出部材であって、錐体の形状又は錐体の一部を切り取った立体形状を備え、前記立体形状は、側面及び底面を有し、前記立体形状は、PDMSが充填されており、前記底面に対する前記側面の仰角は、51.0°以上であり、かつ、55.55°以下である

0031

本発明の第8の観点は、主にシリコーン樹脂からなる板状体の導光部材を用いた光導出方法であって、前記導光部材は、光路が気体で充填されている第1気体光路部と、前記第1気体光路部の光軸である第1光軸に対して第1角度だけ傾いて前記第1気体光路部の端を形成する第1斜面と、前記第1光軸に対して第2角度だけ傾いた第2斜面とを備え、前記第1角度は、前記第1光軸を進行して前記第1斜面で屈折した第1屈折光のうち前記第2斜面に到達する光が存在する角度であり、前記第2角度は、前記第2斜面に到達する前記第1屈折光のうち前記第2斜面で臨界反射される光が存在する角度であり、前記第1斜面に対して前記第1光軸に沿って光を入射させる入射ステップを含む、光導出方法である。

発明の効果

0032

本発明の各観点によれば、第1斜面で入射光を屈折させた後に第2斜面で反射させるため、臨界反射の条件が緩和される。このため、板状体の導光部材の内部を光軸方向に進行する光を外部に導出することが容易となる。

0033

本発明の第2の観点によれば、第1の観点と比べて部材の数を増やすことなく、板状体の導光部材の内部を2つの方向に進行する光の進行方向を変えて外部に導出することが可能となる。

0034

本発明の第3又は第7の観点によれば、導光部材の構成材料として高価でないPDMSを用いて、屈折面及び臨界反射面を有効に機能させ、又は、反射光の進行方向が光軸に対して90°に近い方向とすることが容易となる。

0035

ここで、高価なフェニルゴムを用いた場合のように、シリコーン樹脂の屈折率が1.45以上であったとしても、以下のような問題がある。

0036

図5は、図4においてマイクロチップ129の材料であるシリコーン樹脂の屈折率が1.45であるときに、画像面137から発せられる光の進行方向と光軸136がなす角度(以下、「視野角」という)と、斜面135における臨界反射の可否との関係を示す図である。計算の結果、図5(a)に示すように、視野角±2度の場合は臨界反射により光を90度折り返される。一方、視野角±3度の場合は、図5(b)に示すように、光の一部は臨界反射されず、シリコーン樹脂から外部へ離脱する。

0037

このように、臨界反射作用を用いて導光路130を進行する光を90度折り返すには、屈折率が1.45以上のシリコーン樹脂を採用することが必要であるが、その場合、視野角が充分に取れない。仮に、シリコーン樹脂の屈折率が1.5の場合であっても、許容される視野角は±4度である。すなわち、上記のように臨界反射作用を用いて光を90度折り返す場合、視野角を十分に大きく取れないので、マイクロチップ129内の試料から放出される光を必ずしも十分に検出できない場合も生じてしまう。

0038

そこで、本発明の第4の観点によれば、例えば±9度と視野角が大きな導光部材を提供することが可能となる。そのため、視野角が狭い導光部材を用いる場合と比べて導出する光量を増加させ、例えば外部のカメラが明るく鮮明な画像を撮影することが容易となる。しかも、光軸に沿って入射した光をほぼ直角に反射することが可能となる。さらに、屈折面及び臨界反射面を有効に機能させることと、反射光の進行方向が光軸に対して90°に近い方向とすることの両立が容易となる。

0039

さらに、本発明の第5の観点によれば、光導出部の構造がシンプル対称性が高いものとなり、光導出部の生産が容易となる。

図面の簡単な説明

0040

本発明の発明者らが開発した従来の光分析装置の一例を示す図である。
図1の光分析装置において光をタブレット端末に導出する際の構造例を示す図である。
金属反射板を用いて光を全反射させる場合の構造例を示す図である。
シリコーン樹脂と導光孔の構造により光を反射させる場合の構造例を示す図である。
フェニルゴムを用いた場合に視野角と臨界反射の可否との関係を示す図である。
実施例1に係る光導出部の構成例を示す図である。
実施例1において視野角と臨界反射の可否との関係を示す図である。
仰角と反射光の進行方向との関係を示す図である。
実施例2に係る光導出部を用いて2方向からの光を導出する概念を示す図である。
4方向からの光を導出可能な光導出部を例示する図である。
8方向からの光を導出可能な光導出部を例示する図である。

0041

以下、図面を参照して、本発明の実施例について述べる。なお、本発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。

0042

本実施例に係る光導出部(本願請求項における「光導出部」の一例)の構成例を図6に示す。図6において、タブレット端末1上に主にシリコーン樹脂からなる板状体のマイクロチップ3(本願請求項における「導光部材」の一例)が設置されている。

0043

タブレット端末1は、カメラ5を有する。マイクロチップ3は、導光路7と、画像面9と、光導出部11(本願請求項における「光導出部」の一例)とを備える。光導出部11は、気体光路部13(本願請求項における「第1気体光路部」の一例)と、導光孔15と、光導出部材17(本願請求項における「光導出部材」の一例)とを備える。光導出部材17は、面A(本願請求項における「第1斜面」の一例)と面B(本願請求項における「第2斜面」の一例)とを備える。導光路7の光軸と気体光路部13の光軸19(本願請求項における「第1光軸」の一例)は、一致している。面Aが光軸19に対してなす角度を角α(本願請求項における「第1角度」の一例)、面Bが光軸19に対してなす角度を角β(本願請求項における「第2角度」の一例)とする(0°≦α≦90°、0°≦β≦90°)。

0044

本構成は、光導出部11において、大気との界面を有する屈折面(図6の面A)と大気との界面を有する臨界反射面(面B)を設けたものである。
すなわち、大気とシリコーン樹脂との屈折率差を利用し、シリコーン樹脂の導光路を上記水平方向進行する光(光軸19の方向は、水平方向とする)を、一旦、大気中(気体光路部13)に導出し、導出した光を面Aから再びシリコーン樹脂(光導出部材17)内に導入する。ここで、面Aのシリコーン樹脂の導光路を進行する光の光軸に対する角度を調整することにより、屈折面Aにおける入射光の屈折方向を鉛直下向き方向に屈折させる。

0045

この屈折光(本願請求項における「第1屈折光」の一例)を得ることにより、臨界反射面(面B)へ入射する光の進行方向が上記水平方向ではなくなり、臨界反射面(面B)における臨界反射条件が緩和される。そのため、この構成によれば、屈折率が1.45を下回るシリコーン樹脂を用いることが可能となる。例えば、マイクロチップを構成するシリコーン樹脂として、屈折率が約1.41であるPDMS樹脂を用いても、マイクロチップの導光路を上記水平方向に進行する光を90度折り返すことが可能となる。

0046

また、本構造によれば、上記した〔構造2〕と比較すると、許容される視野角を大きくすることが可能となる。

0047

図7は、マイクロチップ3を構成するシリコーン樹脂がPDMS(屈折率=1.408とした)材料である場合において、屈折面(図6の面A)と臨界反射面(面B)の仰角を51.5度としたときの視野角と、面A,面Bとの関係を示す図である。

0048

光路計算によれば、図7(a)に示すように、上記の条件において視野角が±9度の場合、図6に示す本発明の光導出部11における屈折面、臨界反射面を用いて、マイクロチップ3内部の導光路を水平方向(マイクロチップの下側表面に対して平行な方向、すなわち、光軸19の方向)に進行し、大気を経由して面Aに上記水平方向から入射する光を90度折り返すことが可能であることが分かった。一方、上記の条件において視野角が±10度の場合は、図7(b)に示すように、屈折面(面A)において屈折された光の一部は臨界面(面B)において臨界反射されず、シリコーン樹脂から外部へ離脱することが判明した。

0049

すなわち、上記のような条件下の本構造においては、従来の構造〔構造2〕と比較して、視野角を±9度まで広げることが可能である。

0050

ここで、屈折の法則及び反射の法則に基づいて、屈折面(面A)及び臨界反射面(面B)の仰角の好ましい範囲について述べる。

0051

PDMSの屈折率を公称の1.41とすると、光軸に沿って面Aに入射した光が面Bにおいて臨界反射する角度の最大値は、55.55°となる。また、面Bにおいて光軸に対して直角に臨界反射する光が存在する角度の最小値は、51.20°となる。

0052

PDMSの屈折率をより正確に1.408とすると、屈折の法則及び反射の法則に基づいて、光軸に沿って面Aに入射した光が面Bにおいて臨界反射する角度の最大値は、55.46°となる。また、面Bにおいて光軸に対して直角に臨界反射する光が存在する角度の最小値は、51.17°となる。

0053

したがって、少なくとも屈折面(面A)及び臨界反射面(面B)が有効に機能するためには、仰角が51.17°以上、かつ、55.55°以下であることが好ましいといえる。

0054

さらに、反射光の進行方向の観点から、屈折面(面A)及び臨界反射面(面B)の仰角の好ましい範囲について述べる。図8は、仰角と反射光の進行方向との関係を示す図であり、仰角が(a)50.5°、(b)51.0°、(c)51.5°、(d)52.0°、(e)52.5°、(f)53.0°のときの反射光の進行方向を示す図である。図8において、仰角を50.5°から53°の範囲で0.5°刻みで変更した。また、入射光の屈折面に入射する前の角度を光軸方向に対して±13°の範囲で1°刻みで変更した。

0055

図8(a)を参照して、仰角が50.5°の場合、反射光の進行方向が光軸に対してなす角が明らかに90°よりも小さかった。また、入射光が+13°及び+12°の角度の場合、臨界反射しなかった。図8(b)を参照して、仰角が51.0°の場合、反射光の進行方向が光軸に対してなす角が90°よりも小さかった。また、入射光が+13°、+12°及び+11°の角度の場合、臨界反射しなかった。図8(c)を参照して、仰角が51.5°の場合、反射光の進行方向が光軸に対してなす角が90°に近い角度であった。また、入射光が+13°〜+10°の角度の場合、臨界反射しなかった。図8(d)を参照して、仰角が52.0°の場合、反射光の進行方向が光軸に対してなす角がほぼ90°であった。また、入射光が+13°〜+9°の角度の場合、臨界反射しなかった。図8(e)を参照して、仰角が52.5°の場合、反射光の進行方向が光軸に対してなす角が90°よりも大きくなった。また、入射光が+13°〜+7°の角度の場合、臨界反射しなかった。最後に、図8(f)を参照して、仰角が53.0°の場合、反射光の進行方向が光軸に対してなす角が明らかに90°よりも大きかった。また、入射光が+13°〜+7°の角度の場合、臨界反射しなかった。

0056

したがって、反射光の進行方向が光軸に対して90°に近い方向である観点からは、仰角が51.0°以上、かつ、52.5°以下であることが好ましいといえる。

0057

上より、屈折面(面A)及び臨界反射面(面B)が有効に機能し、又は、反射光の進行方向が光軸に対して90°に近い方向であるためには、仰角が、51.0°以上、かつ、55.55°以下であることがさらに好ましいといえる。さらに、屈折面(面A)及び臨界反射面(面B)が有効に機能し、かつ、反射光の進行方向が光軸に対して90°に近い方向であるためには、仰角が、51.17°以上、かつ、52.5°以下であることがさらに好ましいといえる。

0058

本実施例では、実施例1に係る光導出部材17の構造を改良し、複数方向からの光を導出することを可能とする光導出部材について述べる。

0059

上記したように、シリコーン樹脂としてPDMS樹脂(屈折率1.408)を使用すると、屈折面(図6の面A)と臨界反射面(面B)の仰角をいずれも51.5度とすると、マイクロチップ内部の導光路を上記水平方向に進行してきた光(光軸は水平方向)を90度折り返すことが可能となる。また、上記したように、PDMS樹脂(屈折率1.408)を使用すると、本発明における屈折面(図6の面A)の仰角と臨界反射面(面B)の仰角とを等しくできることがわかった。

0060

すなわち、図6において屈折面(面A)と臨界反射面(面B)の仰角が等しいので、マイクロチップ3内部の気体光路部13を上記水平方向に進行してきた光(光軸は水平方向)を面B側から入射させた場合、図6の面Bが屈折面、面Aが臨界反射面として機能することになる。よって、上記水平方向であって面B側から入射する光をも90度折り返すことが可能となる。

0061

すなわち、図9(a)に示すように、PDMS樹脂からなるマイクロチップであって、光導出部に、大気との界面を有する2つの斜面として第1斜面21(本願請求項における「第1斜面」の一例)及び第2斜面23(本願請求項における「第2斜面」の一例)を設け、第1斜面21の仰角γ(本願請求項における「第1角度」の一例)及び第2斜面の仰角δ(本願請求項における「第2角度」の一例)をどちらも51.5°とし、第1斜面21と第2斜面23とが交差するように構成する。

0062

また、第1画像面91から第1斜面21に入射する光の導光路である第1気体光路部(本願請求項における「第1気体光路部」の一例)における光軸である第1光軸(本願請求項における「第1光軸」の一例)と、第2画像面92から第2斜面に入射する光の導光路である第2気体光路部(本願請求項における「第2気体光路部」の一例)における光軸である第2光軸(本願請求項における「第2光軸」の一例)とは、一致している。

0063

さらに、仰角γは、画像面91から第1光軸を進行して第1斜面21で屈折した第1屈折光27(本願請求項における「第1屈折光」の一例)のうち第2斜面23に到達する光が存在する角度である。仰角δは、第2斜面23に到達する第1屈折光27のうち第2斜面23で臨界反射される光が存在する角度である。

0064

同様に、仰角δは、画像面92から第2光軸を進行して第2斜面23で屈折した第2屈折光33(本願請求項における「第2屈折光」の一例)のうち第1斜面21に到達する光が存在する角度である。仰角γは、第1斜面21に到達する第2屈折光33のうち第1斜面21で臨界反射される光が存在する角度である。

0065

このとき、大気を介して第1斜面21に上記水平方向から入射する第1入射光25(第1光軸191:水平方向)の第1屈折光27が第2斜面23により臨界反射して90度折り返された第1反射光29となる。一方、大気を介して上記水平方向に進行してきた光が第2斜面23に入射する第2入射光31(第2光軸192:水平方向)の第2屈折光33が第1斜面21により臨界反射して90度折り返された第1反射光35となる。

0066

実施例2によれば、例えば、マイクロチップにおいて2つの試料に対する光測定を実施し、それぞれの検出光(例えば、蛍光)が、図9(a)に示す第1斜面21、第2斜面23に上記水平方向から入射するように上記マイクロチップの光導出部に導光すると、図9(b)に示すように、両方向からの光をカメラに投影し、画像37として、第1画像面91からの画像391及び第2画像面92からの画像392をいずれも得る光導出方法(本願請求項における「光導出方法」の一例)を実施することが可能となる。

0067

また、同じ仰角(51.5度)を有し、一方の面に入射した上記水平方向からの光の屈折光が他方の面により臨界反射されるような一対の気体光路部と斜面を2組設けて、光導出部の構造を四面の斜面を有する構造にすれば、図10に示すように、4つの方向からの光をカメラに投影できる。

0068

このように、同じ仰角(51.5度)を有する気体光路部と斜面のペア(本願請求項における「第(2n—1)気体光路部、第(2n—1)斜面、第2n気体光路部及び第2n斜面の組み合わせ」の一例)をn組設けて光導出部材の構造を2n個の側面を有する立体形状にすれば、2nの方向からの光をカメラに投影することが可能となる(図10は、n=2、図11はn=4のときの構造を示す)。図10の光導出部材41の構造とすれば、斜面431〜434に対面する方向からの画像451〜454を得ることが可能となる。また、図11の光導出部材47の構造とすれば、斜面491〜498に対面する方向からの画像511〜518を得ることが可能となる。

0069

ここで、2n個の側面を有する立体形状は、図10に例示するように錐体(本願請求項における「錐体の形状」の一例)であってもいし、図11に例示するように錐体から頂点を含む一部を切り取った立体(本願請求項における「錐体の一部を切り取った立体形状」の一例)であってもよい。

0070

実施例3によれば、例えば、特許文献2に記載のパノラマ撮像装置に使用される複雑な光学系を採用することなく、簡便な構造で複数の測定光を一つのカメラに対して導光する光導出方法(本願請求項における「光導出方法」の一例)を実施することが可能となる。

実施例

0071

なお、実施例2において、第1光軸及び第2光軸は、一致せずに平行であってもよい。

0072

1・・・タブレット端末、3・・・マイクロチップ、5・・・カメラ、7・・・導光路、9・・・画像面、11・・・光導出部、13・・・気体光路部、15・・・導光孔、17・・・光導出部材、19・・・光軸、21・・・第1斜面、23・・・第2斜面、27・・・第1屈折光、29・・・第1反射光、33・・・第2屈折光、35・・・第2反射光、37・・・画像、391・・・第1画像面91からの画像、392・・・第2画像面92からの画像

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