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技術 内燃機関の制御装置

出願人 日立オートモティブシステムズ株式会社
発明者 押領司一浩赤城好彦
出願日 2015年7月7日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2015-135744
公開日 2017年1月19日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2017-015062
状態 特許登録済
技術分野 点火時期の電気的制御 機関出力の制御及び特殊形式機関の制御 内燃機関の複合的制御
主要キーワード 対応特性 吸気湿度 湿度変化率 過渡条件 湿度検出値 最大圧縮比 先行制御 制御設定値
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

湿度に応じて設定した目標圧縮比に至るまでの間において、適切に圧縮比及び点火時期を制御することができる内燃機関制御装置を提供することを目的とする。

解決手段

気筒と、前記気筒に供給される外気の湿度を検出する湿度検出手段と、前記気筒の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、前記気筒内の混合気点火する点火装置と、を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、前記可変圧縮比機構を制御する圧縮比制御部と、前記点火装置の点火時期を制御する点火制御部と、を備え、圧縮比と点火時期との対応特性が内燃機関の動作状態に関する所定の条件に従って湿度ごとに決定され、前記圧縮比制御部は、検出された湿度に応じて前記可変圧縮比機構の目標圧縮比を決定し、前記点火制御部は、前記可変圧縮比機構が圧縮比を前記目標圧縮比まで変化させる間、検出された湿度に応じて決定された対応特性に基づいて前記点火装置を制御する。

概要

背景

自動車燃費を低減するため、可変圧縮比機構を備えるエンジンがある。ここでは、圧縮比は特に指定の無い場合、ピストン下死点における筒内容積とピストン上死点における筒内容積の比、いわゆる機械圧縮比と、内燃機関が備える吸気弁の閉じ時期における筒内容積とピストンの上死点における筒内容積の比、いわゆる実圧縮比の両方を意味するとする。圧縮比が高いほど内燃機関の熱効率は高くなる。このため、自動車の燃費低減のため、内燃機関の圧縮比を高めることが有効である。しかし、内燃機関の高圧縮比化に伴い内燃機関内の圧力と温度の上昇するため、ノック等の異常燃焼が生じる。特に、エンジン回転数が小さい条件や、エンジン出力の大きい条件では異常燃焼が生じやすくなる。このため、適切な圧縮比の設定は、エンジンの出力や回転速度の条件により異なる。可変圧縮比機構は、高圧縮比化が可能な低負荷条件等で圧縮比を上げ、ノックが発生する可能性が高い高負荷条件等で圧縮比を下げることで、高圧縮比化による燃費低減を最大化することができる機構である。

さて、適切な圧縮比の設定は、エンジンの動作条件(回転速度、出力)以外にも外界の影響を受ける。外界の影響を考慮した可変圧縮比機構に関する公知例として、特許文献1や特許文献2に記載される内燃機関の制御装置がある。この公知例は、検出した湿度に応じて圧縮比を制御する内燃機関の制御装置や、圧縮比の変化に応じて点火時期を制御する内燃機関の制御装置を開示している。

概要

湿度に応じて設定した目標圧縮比に至るまでの間において、適切に圧縮比及び点火時期を制御することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。気筒と、前記気筒に供給される外気の湿度を検出する湿度検出手段と、前記気筒の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、前記気筒内の混合気点火する点火装置と、を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、前記可変圧縮比機構を制御する圧縮比制御部と、前記点火装置の点火時期を制御する点火制御部と、を備え、圧縮比と点火時期との対応特性が内燃機関の動作状態に関する所定の条件に従って湿度ごとに決定され、前記圧縮比制御部は、検出された湿度に応じて前記可変圧縮比機構の目標圧縮比を決定し、前記点火制御部は、前記可変圧縮比機構が圧縮比を前記目標圧縮比まで変化させる間、検出された湿度に応じて決定された対応特性に基づいて前記点火装置を制御する。

目的

本発明は、湿度に応じて設定した目標圧縮比に至るまでの間において、適切に圧縮比及び点火時期を制御することができる内燃機関の制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

気筒と、前記気筒に供給される外気湿度を検出する湿度検出手段と、前記気筒の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、前記気筒内の混合気点火する点火装置と、を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、前記可変圧縮比機構を制御する圧縮比制御部と、前記点火装置の点火時期を制御する点火制御部と、を備え、圧縮比と点火時期との対応特性が内燃機関の動作状態に関する所定の条件に従って湿度ごとに決定され、前記圧縮比制御部は、検出された湿度に応じて前記可変圧縮比機構の目標圧縮比を決定し、前記点火制御部は、前記可変圧縮比機構が圧縮比を前記目標圧縮比まで変化させる間、検出された湿度に応じて決定された対応特性に基づいて前記点火装置を制御する内燃機関の制御装置。

請求項2

気筒と、前記気筒に供給される外気の湿度を検出する湿度検出手段と、前記気筒の圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、前記気筒内の混合気に点火する点火装置と、を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、前記可変圧縮比機構を制御する圧縮比制御部と、前記点火装置の点火時期を制御する点火制御部と、を備え、前記圧縮比制御部は、検出された湿度に応じて前記可変圧縮比機構の目標圧縮比を決定し、前記点火制御部は、前記可変圧縮比機構が圧縮比を前記目標圧縮比まで変化させる間、湿度ごとに規定された点火の遅角量と圧縮比の増加量が正の相関を持つ圧縮比と点火時期との関係に基づき前記点火装置を制御する内燃機関の制御装置。

請求項3

前記内燃機関は、EGR機構をさらに備え、圧縮比と点火時期との対応特性が内燃機関の動作状態に関する所定の条件に従って湿度及びEGR率で定義する実効EGR率ごとに決定され、前記点火制御部は、前記可変圧縮比機構が圧縮比を前記目標圧縮比まで変化させる間、検出された前記実効EGR率に応じて決定された対応特性に基づいて前記点火装置を制御する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

請求項4

前記内燃機関は、外気の温度を検出する温度検出手段を備え、動作状態に関する所定の条件に従って湿度ごとに決定された前記圧縮比と点火時期との対応特性に基づいて設定された前記点火時期を前記検出手段にて検出した温度に応じて補正し前記点火装置を制御する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

請求項5

前記内燃機関は、筒内の圧力を検出する圧力検出手段を備え、前記圧力検出手段で検出した圧力の燃焼サイクルにおける最大値があらかじめ設定した基準値を超えた場合に、目標圧縮比を減少方向に補正し、前記点火制御部は、前記可変圧縮比機構が圧縮比を前記目標圧縮比まで変化させる間、検出された湿度に応じて決定された対応特性に基づいて前記点火装置を制御する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

請求項6

検出した湿度が高い状態から低い状態へ変化した際に、前記検出した湿度の変化率が基準値よりも小さい場合に、前記点火制御部が、点火時期を遅角化するように制御し、前記圧縮比制御部は、前記湿度に応じて設定した目標圧縮比まで圧縮比を制御し、圧縮比が目標圧縮比に達した後に、前記点火制御部が、圧縮比と検出した湿度に応じて決定された対応特性に基づいて前記点火装置を制御する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

請求項7

前記内燃機関は、筒内へ流入する空気量を制御する装置を備え、前記空気量を制御する装置を制御する空気量制御部を備える請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、圧縮比を増加させる制御を実施する際に、前記点火制御部が、前記圧縮比と検出した湿度に応じて決定された対応特性に基づく点火時期の設定よりも遅角化する制御を実施し、前記圧縮比が目標圧縮比に到達した後に、前記空気量制御部が筒内へ流入する空気量の減少量と前記点火制御部が点火時期の進角量を正の相関を持つように制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。

請求項8

前記内燃機関は、筒内へ流入する空気量を制御する装置を備え、前記空気量を制御する装置を制御する空気量制御部を備える請求項2に記載の内燃機関の制御装置であって、前記圧縮比が目標圧縮比に到達した後に、前記空気量制御部が筒内へ流入する空気量の減少量と前記点火制御部が点火時期の進角量を正の相関を持つように制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。

請求項9

前記内燃機関は、筒内へ流入する空気量を制御する装置を備え、前記空気量を制御する装置を制御する空気量制御部を備える請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置であって、内燃機関への要求トルクを検出する手段を備え、前記要求トルク検出手段にて検出した要求トルクに変更が所定の範囲に収まる変動である条件で、前記湿度検出手段で検出した湿度が変化した際に、前記圧縮比が目標圧縮比に到達した後に、前記空気量制御部が筒内へ流入する空気量の減少量と前記点火制御部が点火時期の進角量を正の相関をもつように制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、エンジン制御装置。特に、エンジンの燃費を低減するために用いられる可変圧縮比機構可変圧縮比装置可変バルブ)を備えるエンジンの制御技術に関する。

背景技術

0002

自動車の燃費を低減するため、可変圧縮比機構を備えるエンジンがある。ここでは、圧縮比は特に指定の無い場合、ピストン下死点における筒内容積とピストン上死点における筒内容積の比、いわゆる機械圧縮比と、内燃機関が備える吸気弁の閉じ時期における筒内容積とピストンの上死点における筒内容積の比、いわゆる実圧縮比の両方を意味するとする。圧縮比が高いほど内燃機関の熱効率は高くなる。このため、自動車の燃費低減のため、内燃機関の圧縮比を高めることが有効である。しかし、内燃機関の高圧縮比化に伴い内燃機関内の圧力と温度の上昇するため、ノック等の異常燃焼が生じる。特に、エンジン回転数が小さい条件や、エンジン出力の大きい条件では異常燃焼が生じやすくなる。このため、適切な圧縮比の設定は、エンジンの出力や回転速度の条件により異なる。可変圧縮比機構は、高圧縮比化が可能な低負荷条件等で圧縮比を上げ、ノックが発生する可能性が高い高負荷条件等で圧縮比を下げることで、高圧縮比化による燃費低減を最大化することができる機構である。

0003

さて、適切な圧縮比の設定は、エンジンの動作条件(回転速度、出力)以外にも外界の影響を受ける。外界の影響を考慮した可変圧縮比機構に関する公知例として、特許文献1や特許文献2に記載される内燃機関の制御装置がある。この公知例は、検出した湿度に応じて圧縮比を制御する内燃機関の制御装置や、圧縮比の変化に応じて点火時期を制御する内燃機関の制御装置を開示している。

先行技術

0004

特開昭62−60934号公報
特公平7−42915号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載の技術は、大気中の湿度を検出し、検出した湿度が高いほど、圧縮比を高くするように可変圧縮比を制御する技術である。また、特許文献2に記載の技術は、設定する圧縮比に応じて異なる点火時期を設定するように、可変圧縮比機構と点火時期を制御する技術である。これらを用いることで湿度に応じた適切な圧縮比と点火時期を設定できる。しかし、可変圧縮比機構の制御により目標圧縮比が実現できるまでは、制御遅れがあり、これらの公知例では、圧縮比の変更が完了するまでの間は、適切な点火時期の制御を行うことができなかった。

0006

そこで、本発明は、湿度に応じて設定した目標圧縮比に至るまでの間において、適切に圧縮比及び点火時期を制御することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、圧縮比と点火時期との対応特性が内燃機関の動作状態に関する所定の条件に従って湿度ごとに決定され、検出された湿度に応じて前記可変圧縮比機構の目標圧縮比を決定し、前記点火制御部は、前記可変圧縮比機構が圧縮比を前記目標圧縮比まで変化させる間、検出された湿度に応じて決定された対応特性に基づいて前記点火装置を制御すること、を特徴とする。

0008

上記構成によれば、可変圧縮比機構が目標値に向かって制御を実施する中、動作中の圧縮比に応じて適切な点火時期を設定することができ、可変圧縮比機構の動作中も効率を最大化できる。

0009

また、上記内燃機関の制御装置は、可変圧縮比機構の制御中、圧縮比の増加量と点火時期の遅角量が正の相関を持つことが好ましい。このようにすれば、可変圧縮比機構が目標に向かって制御する中、動作中の圧縮比に応じて効率を最大化する点火時期を設定することができ、可変圧縮比機構の動作中も含めて効率を最大化できる。

0010

また、上記内燃機関の制御装置は、外気の湿度に加え、還流する排気ガス量を考慮することで、圧縮比及び点火時期を制御することが好ましい。このようにすれば、EGR率及び湿度の影響度の違いを考慮した上で、排気ガスを還流するシステムを備える内燃機関の制御においても、可変圧縮比機構の動作中の効率を最大化できる。

0011

また、上記内燃機関の制御装置は、内燃機関が外気の温度を検出する温度検出手段を備える場合、動作状態に関する所定の条件に従って湿度ごとに決定された前記圧縮比と点火時期との対応特性に基づいて設定された前記点火時期を前記検出手段にて検出した温度に応じて補正し前記点火装置を制御することが好ましい。このようにすれば、外界の温度変化を考慮した圧縮比の設定、異常燃焼に影響を与える外界の温度の影響も考慮した点火時期の制御が可能になり、温度変化が生じた場合も、温度に応じた効率の最大化ができる。

0012

また、上記内燃機関の制御装置は、内燃機関が筒内の圧力を検出する圧力検出手段を備える場合、前記圧力検出手段で検出した圧力の燃焼サイクルにおける最大値があらかじめ設定した基準値を超えた場合に、目標圧縮比を減少方向に補正し、前記点火制御部は、前記可変圧縮比機構が圧縮比を前記目標圧縮比まで変化させる間、検出された湿度に応じて決定された対応特性に基づいて前記点火装置を制御することが好ましい。このようにすれば、エンジン筒内の異常燃焼を直接検知し、異常燃焼を回避しつつ圧縮比及び点火時期の制御が可能になる。

0013

また、上記内燃機関の制御装置は、検出した湿度が高い状態から低い状態へ変化した際に、前記検出した湿度の変化率が基準値よりも小さい場合に、前記点火制御部が、点火時期を遅角化するように制御し、前記圧縮比制御部は、前記湿度に応じて設定した目標圧縮比まで圧縮比を制御し、圧縮比が目標圧縮比に達した後に、前記点火制御部が、圧縮比と検出した湿度に応じて決定された対応特性に基づいて前記点火装置を制御することが好ましい。このようにすれば、検出した湿度の変化が高い状態から低い状態である場合に、通常実施する検出した圧縮比と湿度に応じて決定された対応特性に基づく点火時期制御を回避し、まず応答性の高い点火時期を遅角化することで、異常燃焼を回避し、その後に、適切な圧縮比を設定することが可能になる。

0014

また、前記内燃機関が筒内へ流入する空気量を制御する装置を備える場合、上記内燃機関の制御装置は、前記空気量を制御する装置を制御する空気量制御部を備える構成が考えられ、圧縮比を増加させる制御を実施する際に、前記点火制御部が、前記圧縮比と検出した湿度に応じて決定された対応特性に基づく点火時期の設定よりも遅角化する制御を実施し、前記圧縮比が目標圧縮比に到達した後に、前記空気量制御部が筒内へ流入する空気量の減少量と前記点火制御部が点火時期の進角量を正の相関をもつように制御することが好ましい。或いは、上記内燃機関の制御装置は、前記圧縮比が目標圧縮比に到達した後に、前記空気量制御部が筒内へ流入する空気量の減少量と前記点火制御部が点火時期の進角量を正の相関を持つように制御することが好ましい。

0015

このようにすれば、検出した湿度に応じて、圧縮比及び点火時期を制御する際に、圧縮比に応じた点火時期を圧縮比と湿度に応じて決定された対応特性に基づく点火時期よりも遅角化することが可能になり、圧縮比を制御した際の効率向上に伴う出力上昇を抑制しが可能になる。

0016

また、前記内燃機関が筒内へ流入する空気量を制御する装置を備える場合、上記内燃機関の制御装置は、前記空気量を制御する装置を制御する空気量制御部を備える構成が考えられ、内燃機関への要求トルクを検出する手段を備え、前記要求トルク検出手段にて検出した要求トルクに変更が所定の範囲に収まる変動である条件で、前記湿度検出手段で検出した湿度が変化した際に、前記圧縮比が目標圧縮比に到達した後に、前記空気量制御部が筒内へ流入する空気量の減少量と前記点火制御部が点火時期の進角量を正の相関をもつように制御することが好ましい。このようにすれば、検出した要求トルクの変動が所定の範囲内であれば、検出した湿度に応じた圧縮比の制御に対して、トルクが一定になるように圧縮比の制御が可能になり、圧縮比制御に伴うトルク変動を抑制できる。

発明の効果

0017

本発明によれば、湿度に応じて設定した目標圧縮比に至るまでの間において、適切に圧縮比及び点火時期を制御することができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の実施形態によるエンジンの制御装置のシステム構成図。
本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の構成を示すシステムブロック図。
本発明の実施形態による圧縮比のエンジンマップデータの概念図。
第1の実施例による圧縮比と点火時期の対応特性のエンジンマップデータの概念図。
第1の実施例によるエンジンの構成を示す構成図。
第1の実施例によるエンジンの制御装置の湿度に応じた圧縮比、点火時期の制御内容を示すフローチャート
可変圧縮比装置制御設定値と圧縮比の概念図。
圧縮比と点火時期の対応特性に基づく点火時期設定手順の概念図。
第1の実施例おける湿度に圧縮比、点火時期の制御時の各種動作及びエンジン性能の変化を示す概念図。
第2の実施例によるエンジンの制御装置の湿度に応じた実圧縮比、点火時期の制御内容を示すフローチャート。
第2の実施例による実圧縮比と点火時期の対応特性のエンジンマップデータの概念図。
可変圧縮比装置の制御設定吸気弁閉じ時期と実圧縮比の概念図。
第2の実施例おける湿度に圧縮比、点火時期の制御時の各種動作及びエンジン性能の変化を示す概念図。
第3の実施例によるエンジンの構成を示す構成図。
第3の実施例によるエンジンの制御装置の湿度に応じた実圧縮比、点火時期の制御内容を示すフローチャート。
第3の実施例による圧縮比と点火時期の対応特性のエンジンマップデータの概念図。
圧縮比と点火時期の対応特性に基づく点火時期設定手順の概念図。
第3の実施例おける湿度に圧縮比、点火時期の制御時の各種動作及びエンジン性能の変化を示す概念図。
第4の実施例によるエンジンの制御装置の湿度に応じた実圧縮比、点火時期の制御内容を示すフローチャート。
第4の実施例おける湿度に圧縮比、点火時期の制御時の各種動作及びエンジン性能の変化を示す概念図。
第5の実施例によるエンジンの制御装置の湿度に応じた実圧縮比、点火時期の制御内容を示すフローチャート。
第5の実施例おける湿度に圧縮比、点火時期の制御時の各種動作及びエンジン性能の変化を示す概念図。
第6の実施例によるエンジンの制御装置の湿度に応じた実圧縮比、点火時期の制御内容を示すフローチャート。
第6の実施例おける湿度に圧縮比、点火時期の制御時の各種動作及びエンジン性能の変化を示す概念図。
第7の実施例による圧縮比と点火時期の対応特性に基づく点火時期設定手順の概念図。
第7の実施例によるエンジンの制御装置の湿度に応じた実圧縮比、点火時期の制御内容を示すフローチャート。
第7の実施例における湿度に圧縮比、点火時期の制御時の各種動作及びエンジン性能の変化を示す概念図。

0019

以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。まず、以下に示す実施形態に共通の構成を図1図2図3を用いて説明する。

0020

図1は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の構成を示すシステムブロック図である。エアフローセンサ1、湿度センサ3、アクセル開度センサ12、クランク角センサ19の出力信号は、ECU20の入力回路20aに入力する。但し、入力信号はこれらだけに限られない。入力された各センサの入力信号は入出力ポート20b内の入力ポートに送られる。入力ポート20bに送られた値は、RAM20cに保管され、CPU20eで演算処理される。演算処理内容を記述した制御プログラムは、ROM20dに予め書き込まれている。

0021

制御プログラムに従って演算された各アクチュエータ作動量を示す値は、RAM20cに保管された後、入出力ポート20b内の出力ポートに送られ、各駆動回路を経て各アクチュエータに送られる。本実施形態の場合は、駆動回路として、圧縮比制御部20f、点火制御部20gがある。各回路は、それぞれ、可変圧縮比機構(可変圧縮比装置18、可変バルブ5)、点火コイル16への通電時期、を制御する。本実施形態においては、ECU20内に上記駆動回路を備えた装置であるが、これに限るものではなく、上記駆動回路のいずれかをECU20内に備えるものであってもよい。

0022

ECU20は、検出した湿度に応じて、目標圧縮比を決定し、目標圧縮比を実現するために、可変圧縮比装置18、可変バルブ5のいずれか又は両方制御する際に、圧縮比が目標値に向かい切り替わっている間に、圧縮比を検出し、この検出した圧縮比と湿度に基づき決定する対応特性に基づき点火時期を設定し、適切なタイミングに点火コイルへ入力電力通電する。

0023

図2は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置のECU20内で実施される圧縮比及び点火時期の制御ロジック概要を示す図である。アクセル開度センサ12の出力に基づき要求トルク及び要求空気量を算出する要求トルク算出部、湿度センサ3の出力に基づき算出した新気の湿度、クランク角センサ19の出力に基づき算出したエンジン回転数に基づき可変圧縮比機構の制御量及び点火時期を算出する圧縮比及び点火時期制御部から構成される。アクセル開度センサ12は要求トルク算出部、湿度センサ信号3は圧縮比及び点火時期制御部に入力され、可変圧縮比機構18、点火コイル16への通電時期、可変バルブ5の制御が実施される。

0024

図3は、エンジンマップ上での圧縮比の標準設定既定するマップである。エンジン出力が小さい条件らエンジン出力が大きい条件にかけて、圧縮比の設定は小さく設定されることが多い。ここで、圧縮比のマップは基準温度Tref、乾燥空気外気条件構築したとする。なお、構築した図3のマップは、ROM20dに保存される。

0025

次に、実施例1について説明する。図4は、エンジン運転条件(エンジン出力、エンジン回転数)を固定した条件において、湿度に応じた点火時期と圧縮比の目標値、検出された湿度に応じて決定された対応特性を既定する図である。中抜き円は、乾燥空気、湿り空気相対湿度100%における目標圧縮比及び点火時期を示している。破線は、湿度条件に応じた対応特性を示す。中抜き円は、各湿度条件で効率が最大化する圧縮比と点火時期を示す。一般的に湿度が高いほど高い目標圧縮比が設定されるようになっており、同圧縮比で比較すると、対応特性が示す点火時期は、湿度が高いほど早期化する傾向がある。図4は、特定の運転条件における図であり、ROM20dには、複数の運転条件において同様の関係を規定する対応特性のマップを備える。

0026

図5は、湿度センサ3を備える自動車用筒内噴射ガソリンエンジン構成図である。エンジン100は、火花点火式燃焼を実施する自動車用のガソリンエンジンである。吸入空気量及び吸気温度計測するエアフローセンサ1と、吸気湿度検出手段である湿度センサ3と、吸気過給するための過給機コンプレッサ4aと、吸気を冷却するためのインタークーラ7と、吸気管圧力を調整する電子制御スロットル2が吸気管の各々の適宜位置に備えられている。ここで、湿度センサ3は相対湿度及び絶対湿度が検出可能なセンサである。また、エンジン100には、各気筒シリンダ14の中に燃料噴射する燃料噴射装置(以下、インジェクタ)13と、点火エネルギを供給する点火装置(以下、点火コイル16、点火プラグ17)が気筒ごとに備えられている。また、筒内に流入、または筒内から排出するガスを調整する可変バルブ5が、シリンダヘッドに備えられている。可変バルブ5を調整することにより、全気筒の吸気量および内部EGR量を調整する。また、図示していないが燃料噴射装置13に高圧燃料を供給するための高圧燃料ポンプ燃料配管によって燃料噴射装置13と接続されており、燃料配管中には、燃料噴射圧力を計測するための燃料圧力センサが備えられている。

0027

また、エンジン100には、ピストンの移動量を制御する可変圧縮比装置18が備えられており、エンジンのピストン位置を検知するためのクランク角度センサ19が取り付けられている。クランク角度センサ19の出力値は、ECU20に送られる。ここで、可変圧縮比装置18及び可変バルブ5はその動作により圧縮比を制御できることから、以下では可変圧縮比機構とも称する。

0028

さらに、排気エネルギによって過給機のコンプレッサ4aに回転力を与えるためのタービン4bと、タービンに流れる排気流量を調整するための電子制御ウェイストゲート弁11と、排気浄化する三元触媒10と、空燃比検出器の一態様であって、三元触媒10の上流側にて排気の空燃比を検出する空燃比センサ9と、が排気管15の各々の適宜位置に備えられる。また、図示していないがエンジンを巡る冷却水の温度を計測する温度センサ45が備えられている。

0029

エアフローセンサ1と湿度センサ3と空燃比センサ9から得られる信号は、エンジンコントロールユニット(ECU)20に送られる。また、アクセル開度センサ12から得られる信号がECU20に送られる。アクセル開度センサ12は、アクセルペダル踏み込み量、すなわち、アクセル開度を検出する。ECU20は、アクセル開度センサ12の出力信号に基づいて、要求トルクを演算する。すなわち、アクセル開度センサ12は、エンジンへの要求トルクを検出する要求トルク検出センサとして用いられる。また、ECU20は、クランク角度センサの出力信号に基づいて、エンジンの回転速度を演算する。ECU20は、上記各種センサの出力から得られるエンジンの運転状態に基づき、空気流量、燃料噴射量、点火時期、燃料圧力等のエンジンの主要な作動量を最適に演算する。

0030

ECU20で演算された燃料噴射量は開弁パルス信号に変換され、インジェクタ13に送られる。また、ECU20で演算された点火時期で点火されるように、点火信号が点火プラグ16に送られる。また、ECU20で演算されたスロットル開度は、スロットル駆動信号として電子制御スロットル2に送られる。

0031

吸気管から吸気バルブを経てシリンダ14内に流入した空気に対し、燃料が噴射され、混合気を形成する。混合気は所定の点火時期で点火プラグ16から発生される火花により爆発し、その燃焼圧によりピストンを押し下げてエンジンの駆動力となる。更に、爆発後の排気ガスは排気管15を経て、三元触媒10に送りこまれ、排気成分は三元触媒10内で浄化され、外部へと排出される。

0032

図6には、図2の圧縮比及び点火時期制御部にて実施される演算処理が記載されている。まず、ステップS601にて、圧縮比が制御中か否かを示す圧縮比制御フラグがONかOFFかを確認する。ここで、ONは圧縮比制御中、OFFは圧縮比制御休止中を示す。ONの場合は、ステップS603に、OFFの場合は、ステップS602に進む。

0033

ステップS602では、検出した湿度に基づき圧縮比の設定値(目標圧縮比)を決める。ここでは、ROM20dに格納された図4に示すような湿度ごとに決定された実圧縮比と点火時期の対応特性のマップと検出した湿度に応じて決定した対応特性から、目標圧縮比を決めることができる。湿度は、ノックの要因となる自着火反応を緩慢にする効果があり、また、点火プラグで点火した後の火炎伝播速度を抑制する効果を有することから、湿度により効率を最大化する圧縮比は変化する。このような湿度ごとに決定された圧縮比と点火時期の対応特性から圧縮比を決めることで、最適な圧縮比を選択できる。

0034

ステップS603では、現圧縮比を検出する。現圧縮比は、ROM20dに図7に示すような可変圧縮比装置18のアクチュエータ動作量と圧縮比の関係マップを格納し、このマップに基づき検出ができる。ステップS604にて、検出した現圧縮比が目標圧縮比と同じであるかを検出する。同じである場合は、ステップS605に進み、異なる場合は、ステップS606に進む。ステップS605では、圧縮比制御フラグをOFFに設定し、ステップS607に進む。ステップS606では、圧縮比制御フラグをONに設定し、ステップS607に進む。

0035

ステップS607では、図4に与えられる湿度ごとに決定された圧縮比と点火時期の対応特性と検出した湿度及び検出した現圧縮比に基づき、点火時期を決める。ステップS607は、可変圧縮比機構が目標値まで変化するまで実行される。ここでは、図8を用いて示すように、検出した圧縮比と検出した湿度における圧縮比と点火時期の対応特性の関係から設定する点火時期を決める。このように検出した圧縮比に基づき最適な点火時期を決定することで、応答が遅い可変圧縮比機構の動作にあわせ適切な点火時期設定ができるようになるので、可変圧縮比機構の動作中の効率低下を防ぐことができる。

0036

また、図4に与えられるように、圧縮比と点火遅角量に正の相関を持たせている。このようにすることで、応答が遅い可変圧縮比機構の動作にあわせ最も効率の高い条件で火時期設定ができるようになり、可変圧縮比機構の動作中の効率低下が最小化できる。

0037

図6に示したフローチャートを用いた場合の圧縮比、点火時期等の動き図9に示す。湿度センサ3により検出した湿度が変化した時期をt1とする。この湿度変化に応じ、目標圧縮比の設定が高圧縮比側に変化する。この目標値に達するように可変圧縮比機構を制御し、圧縮比を高くする。圧縮比が目標圧縮比に達した時期をt2とする。点火時期は、時刻t1において新気湿度の検出値が変化したのとあわせて、点火時期を進角化する。その後は、可変圧縮比機構が目標圧縮比まで変化させる間、圧縮比の変化に連動し、点火時期を遅角化する。時刻t2以降では点火時期を一定化する。圧縮比に合わせた点火進角をする場合の点火時期の動きを破線、圧縮比に合わせた点火遅角をする場合の点火時期の動きを点線で示す。これらの場合、作用として、点火時期の動きに差が生じる。この結果、内燃機関の効率は、上記制御を適用しない場合に比べ、圧縮比が変化する間の燃費低減量及び圧縮比が目標値に至った際において高くなる。

0038

実施例1のような実施形態により、外乱要因として湿度が変化した際に圧縮比を高圧縮比化する場合に、湿度に応じて変化する最適な実圧縮比及び点火時期が設定可能になり、かつ、圧縮比が変化する間の燃費性能悪化を抑制しつつ、圧縮比の制御が可能になる。

0039

次に実施例2について説明する。図10には、図2の圧縮比及び点火時期制御部にて実施される演算処理が記載されている。まず、ステップS1001にて、圧縮比が制御中か否かを示す圧縮比制御フラグがONかOFFかを確認する。ここで、ONは制御中、OFFは制御休止中を示す。ONの場合は、ステップS1003に、OFFの場合は、ステップS1002に進む。

0040

ステップS1002では、検出した湿度に基づき圧縮比の設定値(目標実圧縮比)を決める。ここでは、ROM20dに格納された図11に示すような湿度ごとに決定された実圧縮比と点火時期の対応特性のマップと検出した湿度に応じて決定した対応特性から、目標実圧縮比を決めることができる。湿度により効率を最大化する実圧縮比は変化するが、このように対応特性から実圧縮比を決めることで、最適な実圧縮比を選択できる。ここでは、ROM20dに格納された図11に示すような湿度ごとに決定された実圧縮比と点火時期の対応特性のマップに基づき、検出した湿度に応じて決定した対応特性から決めることができる。なお、図11で中抜き円は各湿度条件における最適な実圧縮比と点火時期を示す。ステップS1003では、現実圧縮比を検出する。現実圧縮比は、可変圧縮比装置18の動作状況及び可変バルブ5の動作状況で決まる。定性的に、吸気弁の閉じ時期が下死点から離れる程、実圧縮比は小さくなる。実圧縮比は、エンジンの幾何学情報、吸気バルブの閉じ時期及び可変圧縮比装置18のアクチュエータ動作量から推定可能であり、他にも、吸気バルブの閉じ時期、可変圧縮比装置18のアクチュエータ動作量と圧縮比の関係を持つマップの情報に基づき検出可能である。ROM20dに図12に示すような、可変圧縮比装置の制御設定値ごとの吸気弁閉じ時期と実圧縮比の関係を格納し、これに基づき決めることができる。ステップS1004にて、検出した現実圧縮比が目標実圧縮比と同じであるかを検出する。同じである場合は、ステップS1005に進み、異なる場合は、ステップS1006に進む。ステップS1005では、圧縮比制御フラグをOFFに設定し、ステップS1007に進む。ステップS1006では、圧縮比制御フラグをONに設定し、ステップS1007に進む。

0041

ステップS1007では、検出した湿度及び検出した現実圧縮比と、図11に与えられる湿度ごとの実圧縮比と点火時期の対応特性に基づき、点火時期を決める。図8に示すように、検出した実圧縮比と検出した湿度における実圧縮比と点火時期の対応特性の関係から設定する点火時期を決める。ステップS1007は実圧縮比が目標値まで変化するまで実行される。このように検出した圧縮比に基づき最適な点火時期を決定することで、応答が遅い可変圧縮比機構の動作にあわせ適切な点火時期設定ができるようになるので、可変圧縮比機構の動作中の効率低下を防ぐことができる。

0042

また図11に与えられるように、圧縮比と点火遅角量に正の相関を持たせている。このようにすることで、応答が遅い可変バルブの動作にあわせ最も効率の高い条件で点火時期設定ができるようになり、可変バルブの動作中の効率低下が最小化できる。

0043

図10に示したフローチャートを用いた場合の圧縮比、点火時期の動きを図13に示す。湿度センサ3により検出した湿度が変化した時期をt1とする。この湿度変化に応じ、目標実圧縮比の設定が高圧縮比側に変化する。この実圧縮比を実現するように、目標吸気弁閉じ時期を決める。この目標吸気弁閉じ時期を実現するよう可変バルブ5を制御し、実圧縮比を高くする。実圧縮比が目標実圧縮比に達した時期をt2とする。点火時期は、時刻t1において新気湿度の検出値が変化したのとあわせて、点火時期を進角化する。その後は、実圧縮比の変化に連動し、点火時期を遅角化する。時刻t2以降では点火時期を一定化する。

0044

実施例2の制御により、外乱要因として湿度が変化した際に実圧縮比を高圧縮比化する場合に、湿度に応じて変化する最適な実圧縮比及び点火時期が設定可能になり、かつ、実圧縮比に応じて変化する最適な点火時期に合わせて点火制御が実現できるので、実圧縮比が変化する間の効率低下を抑制できる。

0045

次に、実施例3について説明する。図14は、EGR機構である低圧EGR流路等を備えた自動車用筒内噴射式ガソリンエンジン構成図である。大部分は、図5と共通である。以下で、これと異なる部分を説明する。

0046

排気管の触媒10の下流から、吸気管のコンプレッサ4aの上流に排気を還流させるためのEGR管40を備えている。また、EGRを冷却するためのEGRクーラ42、EGR流量を制御するためのEGRバルブ(EGR機構)41、EGRバルブ前後の差圧を検出する差圧センサ43、EGR温度を検出するEGR温度センサ44が、EGR管40の各々の適宜位置に、取りつけられている。差圧センサ43とEGR温度センサ44から得られる信号は、エンジンコントロールユニット(ECU)20に送られる。

0047

図15には、図2の圧縮比及び点火時期制御部にて実施される演算処理が記載されている。まず、ステップS1501にて、圧縮比が制御中か否かを示す圧縮比制御フラグがONかOFFかを確認する。ここで、ONは制御中、OFFは制御休止中を示す。ONの場合は、ステップS1503に、OFFの場合は、ステップS1502に進む。

0048

ステップS1502では、湿度センサ3で検出した湿度と差圧センサ43と温度センサ44に基づき検出したEGR率に基づき圧縮比の設定値(目標圧縮比)を決める。ここでは、実効EGR率毎に目標圧縮比と目標圧縮比における点火時期を示すマップに基づき決めることができる。ここでは、EGR率と空気中の水分量の質量分率をα(≧1)倍した数値の和を実効EGR率と定義し、マップ上には図16に示すような形で様々な実効EGR率条件における圧縮比と点火時期の対応特性をROM20dに格納しておき、これに基づき対応する実効EGR率における対応特性を決定しステップS1502で利用する。EGRガス及び空気中の水は、ノックの要因となる自着火反応を緩慢にする効果があり、また、点火プラグで点火した後の火炎伝播速度を抑制する効果を有することから、EGRガスの割合や空気中の水の割合(湿度)により効率を最大化する圧縮比は変化する。また、EGRガスと空気中の水は、圧縮比を制限するノックへの影響度が異なるため、このように実効EGR率毎に規定した圧縮比と点火時期の対応特性と、実効EGR率を用いて目標圧縮比を決めることで、EGRシステムを搭載するエンジンにおいて効率向上を最大化できる。なお、図16で中抜き円は各実効EGR率条件における最適な実圧縮比と点火時期を示す。ステップS1503では、現圧縮比を検出する。現圧縮比は、図7図12に示すような可変圧縮比装置18のアクチュエータ動作量と圧縮比の関係マップをROM20dに格納し、このマップに基づき検出できる。
ステップS1504にて、検出した現圧縮比が目標圧縮比と同じであるかを検出する。同じである場合は、ステップS1505に進み、異なる場合は、ステップS1506に進む。ステップS1505では、圧縮比制御フラグをOFFに設定し、ステップS1507に進む。ステップS1506では、圧縮比制御フラグをONに設定し、ステップS1507に進む。

0049

ステップS1507では、実効EGR率及び検出した現圧縮比と、図16に与えられる実効EGR率ごとの圧縮比と点火時期の対応特性に基づき、点火時期を決める。ステップS1507は、可変圧縮比機構が目標値まで変化するまで実行される。このように検出した圧縮比に基づき最適な点火時期を決定することで、応答が遅い可変圧縮比機構の動作やEGR率の変化にあわせ適切な点火時期設定ができるようになるので、可変圧縮比機構の動作中の効率低下を防ぐことができる。

0050

具体的には、図17に示すように、検出した圧縮比と検出した実効EGR率における圧縮比と点火時期の対応特性の関係から設定する点火時期を決める。

0051

また図16に与えられるように、圧縮比と点火遅角量に正の相関を持たせている。このようにすることで、応答が遅い可変圧縮比機構の動作にあわせ最も効率の高い条件で火時期設定ができるようになり、可変圧縮比機構の動作中の効率低下が最小化できる。

0052

図15に示したフローチャートを用いた場合の圧縮比、点火時期の動きを図18に示す。ここでは、αを1とした場合と1以上とした場合をそれぞれ、破線、実線で示した。実線のみ記載されている物理用は、破線も同じ位置にあることを示す。湿度センサ3により検出した湿度が変化した時期をt1とする。EGR率の変化が無い場合、この湿度変化に応じ、実効EGR率が変化する。これに合わせ、目標圧縮比の設定が高圧縮比側に変化する。ただし、αを1とした場合と、1以上とした場合で実効EGR率が異なるため、目標圧縮比も異なる。この目標値に達するように可変圧縮比装置18を制御し、圧縮比を高くする。圧縮比が目標圧縮比に達した時期をt2とする。点火時期は、時刻t1において新気湿度の検出値が変化したのとあわせて、点火時期を進角化する。その後は、機械圧縮比の変化に連動し、点火時期を遅角化する。時刻t2以降では点火時期を一定化する。αを1以上に設定した場合の目標圧縮比は、αを1と設定した場合に設定した圧縮比よりも大きくなる。この結果、圧縮比を上げた後に得られる効率も向上する。同じ質量分率であれば水のほうがよりノックを抑制する可能性がある。

0053

本実施例によりEGRと水で異なるノックへの影響度を考慮しながら、圧縮比及び点火時期を設定できるため、運転中の効率を最大化でき、かつ、圧縮比変化中の燃費悪化を低減できる。

0054

次に、実施例4について説明する。図19には、図2の圧縮比及び点火時期制御部にて実施される演算処理が記載されている。まず、ステップS1901にて、圧縮比が制御中か否かを示す圧縮比制御フラグがONかOFFかを確認する。ここで、ONは制御中、OFFは制御休止中を示す。ONの場合は、ステップS1903に、OFFの場合は、ステップS1902に進む。ステップS1902では、湿度センサ3で検出した湿度に基づき圧縮比の設定値(目標圧縮比)を決める。ここでは、ROM20dに格納された図4に示すような湿度ごとに決定された圧縮比と点火時期の対応特性のマップに基づき、検出した湿度に応じて決定した対応特性に基づき決めることができる。

0055

続いて、基準温度と検出温度から、目標圧縮比の補正を行う。基準温度における目標圧縮比をεT0とすると、補正後の目標圧縮比εTは以下のように決める。
εT=εT0−ΔεT0 式(1)
式(1)においてΔεT0は検出温度が基準温度より高い場合は0または正の値、検出温度が基準温度より低い場合は、0または負の値とする補正値である。具体的な値は、吸気温度を変更し、様々な条件における補正量をマップとして作成し、ROM20dに格納する。定性的には、検出温度と基準温度の差が大きい程、補正量ΔεT0を大きくし、前記差が小さいほど、ΔεT0を小さくすることができる。温度が上がるとノックが発生しやすくなるので、圧縮比の上限が小さくなる。このように補正することで、ノックの発生を抑制しつつ、効率を最大化できる圧縮比を選定可能になる。

0056

次に、ステップS1903では、現圧縮比を検出する。現圧縮比を検出する。現圧縮比は、図7図12に示すような可変圧縮比装置18のアクチュエータ動作量と圧縮比の関係マップをROM20dに格納し、このマップに基づき検出できる。ステップS1904にて、検出した現圧縮比が目標圧縮比と同じであるかを検出する。同じである場合は、ステップS1905に進み、異なる場合は、ステップS1906に進む。ステップS1905では、圧縮比制御フラグをOFFに設定し、ステップS1907に進む。ステップS1906では、圧縮比制御フラグをONに設定し、ステップS1907に進む。ステップS1907では、検出した湿度及び検出した現圧縮比と、ROM20dに格納された図4に示すような基準温度における湿度ごとの圧縮比と点火時期の対応特性に基づき、点火時期を決める。具体的には、図8に示すように、検出した圧縮比と検出した湿度における圧縮比と点火時期の対応特性の関係から設定する点火時期を決める。

0057

ここで点火時期を図4で与えられる基準温度における湿度ごとの圧縮比と点火時期の対応特性から決まる点火時期をADVT0[BTDC]とすると、補正後の点火時期ADVTは以下のように決める。
ADVT=ADVT0−ΔADV (2)
式(2)においてΔADVは検出温度が基準温度より大きい場合に0または正の値、つまり進角量を減らす方向、検出温度が基準温度より小さい場合に0または負の値、つまり進角量を増やす方向、に補正する。ΔADVは、事前実験によりマップを作成し、ROM20dに格納する。定性的には、検出温度と基準温度の差が大きい程、ΔADVを大きくし、検出温度と基準温度の差が小さい程、ΔADVを小さくすることができる。温度が上がるとノックが発生しやすくなるので、最適な点火時期は遅くなる。このように補正することで、圧縮比を変化している間においてもノックの発生を抑制することが可能になる。

0058

図19に示したフローチャートを用いた場合の圧縮比、点火時期の動きを図20に示す。ここでは、式(1)式(2)の補正が無い場合を破線、補正がある場合を実線で示した。湿度センサ3により検出した湿度が変化した時期をt1とする。この湿度変化と検出温度に基づき目標圧縮比の設定が高圧縮比側に変化する。この際、基準温度より検出温度が低い場合は、より高い圧縮比が目標値となる。この目標値に達するように可変圧縮比装置18を制御し、圧縮比を高くする。圧縮比が目標圧縮比に達した時期をt2とする。点火時期は、時刻t1において新気湿度の検出値が変化したのとあわせて、点火時期を進角化する。その後は、機械圧縮比の変化に連動し、点火時期を遅角化する。基準温度の条件と検出温度の条件で式(2)による補正の関係で点火時期の大きさに 違いが生じ、結果として、効率にも差が出る。

0059

上記制御により、定性的に新気温度が上昇するとノックが発生し易くなるという傾向を踏まえて、新気温度の差により変化する最も効率の高くなる圧縮比、点火時期の設定が可能になり、かつ、圧縮比制御中の過渡条件においての効率悪化を抑制可能になる。

0060

次に、実施例5について説明する。エンジンは、図5に示した構成に加え、図示しない筒内圧力センサが備えられている構成とする。

0061

図21には、図2の圧縮比及び点火時期制御部にて実施される演算処理が記載されている。まず、ステップS2101にて、圧縮比が制御中か否かを示す圧縮比制御フラグがONかOFFかを確認する。ここで、ONは制御中、OFFは制御休止中を示す。ONの場合は、ステップS2103に、OFFの場合は、ステップS2102に進む。ステップS2102では、湿度センサ3で検出した湿度に基づき圧縮比の設定値(目標圧縮比)を決める。ここでは、ROM20dに格納された図4に示すような湿度ごとに決定された圧縮比と点火時期の対応特性のマップと検出した湿度に応じて決定した対応特性から、目標圧縮比を決めることができる。湿度により効率を最大化する圧縮比は変化するが、このように対応特性から圧縮比を決めることで、最適な圧縮比を選択できる。現圧縮比は、図7図12に示すような可変圧縮比装置18のアクチュエータ動作量と圧縮比の関係マップをROM20dに格納し、このマップに基づき検出できる。ステップS2104にて、検出した現圧縮比が目標圧縮比と同じであるかを検出する。同じである場合は、ステップS2105に進み、異なる場合は、ステップS2106に進む。ステップS2105では、圧縮比制御フラグをOFFに設定し、ステップS2107に進む。ステップS2106では、圧縮比制御フラグをONに設定し、ステップS2107に進む。

0062

ステップS2107では、検出した湿度及び検出した現圧縮比に基づき、点火時期を決める。具体的には、図8を用いて示す。検出した圧縮比と検出した湿度における圧縮比と点火時期の対応特性の関係から設定する点火時期を決める。ステップS2107は、可変圧縮比機構が目標値まで変化するまで実行される。このように検出した圧縮比に基づき最適な点火時期を決定することで、応答が遅い可変圧縮比機構の動作にあわせ適切な点火時期設定ができるようになるので、可変圧縮比機構の動作中の効率低下を防ぐことができる。また、目標圧縮比の変更があった場合も、これに合わせた点火時期設定が可能であり、効率の低下を防ぐことができる。

0063

次にステップS2108にて検出圧力の最大値が基準値を超えている場合は、目標圧縮比の補正を行う。
ADVP=ADVP0−ΔADVP (3)
εP=εP0−ΔεP (4)
ADVP0,εP0は対応特性から設定した点火時期及び圧縮比である.ΔADVPは点火時期の補正値であり,検出圧力の最大値が基準値を超えている場合は,正の値と設定し,それ以外では0と設定する.εP0は対応特性から設定した点火時期及び圧縮比である。ΔεPは圧縮比の補正値であり、検出圧力の最大値が基準値を超えている場合は、正の値と設定し、それ以外では0と設定する。ΔεPは事前のエンジン試験でマップを作成し、これをROM20dに格納しておき、このマップに基づき決定できる。定性的には、検出圧力と基準圧力の差が大きい程、ΔεPを大きくすることができる。ステップS2018は圧縮比が目標値に達するまで実行される。圧力の最大値をノック発生手前であることの判定基準として用いると、圧力値が基準値を超えている時間帯は、ノックが発生直前であることを示す。リアルタイムでノック発生が近いか、を筒内圧から検出し、圧縮比の補正を行うことで、筒内の環境(水温壁温等)に応じノックを回避しつつ圧縮比を最大化できる。この結果、効率改善幅を最大化できる。

0064

図21に示したフローチャートを用いた場合の圧縮比、点火時期の動きを図22に示す。湿度センサ3により検出した湿度が変化した時期をt1、筒内圧の最大値が基準値を超えた時刻をt2とする。この湿度変化に基づき目標圧縮比の設定が高圧縮比側に変化する。この目標値に達するように可変圧縮比装置18を制御し、圧縮比を高くする。点火時期は、時刻t1において新気湿度の検出値が変化したのとあわせて、点火時期を進角化する。その後は、機械圧縮比の変化に連動し、点火時期を遅角化する。圧縮比を高圧縮比化する間に、筒内圧力最大値が基準値を超えると、式(3)及び式(4)に基づき目標圧縮比の補正及び目標点火時期の補正が実施される。この結果、点火時期がまず遅角化し、その後、変化した目標圧縮比を実現するように圧縮比を低減する。圧縮比の低減に合わせ、圧縮比と点火時期の対応特性の基づき点火時期を制御するため、圧縮比変化に合わせ点火時期が進角する。

0065

本実施例により、ノック発生を抑制しつつ、仮にノックが発生した場合にも、検出した圧力情報に基づきノック発生を避けることが出来る最大圧縮比を設定することができ、外部状況で変化するノック発生状況を踏まえて効率を最大化できる圧縮比に制御できるようになる。

0066

次に、実施例6について説明する。第6の実施例は、検出湿度が急激に減少した際に最適な構成である。検出湿度が急激に減少した際は、ノックを抑制する効果のある水が減るため、ノックが発生しやすくなる。この点の対処が必要である。

0067

図23には、図2の圧縮比及び点火時期制御部にて実施される演算処理が記載されている。まず、ステップS2301にて、湿度検出値の変化率が基準値より小さいかを判定する。湿度検出値の変化率は、単位時間足りの変化量であり、正の値で湿度増加方向、負の値で湿度減少方向に変化したことを示す。基準値βは実験的に決定しECU20に保存しておく。βは負の値である。基準値よりも変化率が小さい場合はステップS2302、変化率が基準値以上であれば、ステップS2303に進む。ステップS2302では、湿度急変制御フラグをONと設定し、圧縮比制御フラグをOFFと設定したのち、ステップS2303に進む。ここで、湿度急変フラグONは湿度の変化率が基準値βよりも小さいこと、OFFは変化率が基準値よりも大きいことを示すフラグである。圧縮比制御フラグONは制御中、OFFは制御休止中を示す。次に、ステップS2303にて、圧縮比が制御中か否かを示す圧縮比制御フラグがONかOFFかを確認する。ONの場合は、ステップS2305に、OFFの場合は、ステップS2304に進む。ステップS2304では、湿度センサ3で検出した湿度に基づき圧縮比の設定値(目標圧縮比)を決める。ここでは、ROM20dに格納された図4に示すような湿度ごとに決定された圧縮比と点火時期の対応特性のマップに基づき、検出した湿度に応じて決定した対応特性に基づき決めることができる。次に、ステップS2305では、現圧縮比を検出する。現圧縮比は、図7図12に示すような可変圧縮比装置18のアクチュエータ動作量と圧縮比の関係マップをROM20dに格納し、このマップに基づき検出できる。

0068

次にステップS2306で点火時期を現圧縮比、乾燥空気条件での最適点火時期に設定する。この場合、現圧縮比と検出した湿度及び圧縮比と点火時期の対応特性から設定した点火時期に比べて、設定される点火時期は遅角化される。ここで設定された点火時期は、現圧縮比が目標圧縮比に達するまで適用される。検出湿度が急激に減少した際は、ノックを抑制する効果のある水が減るため、ノックが発生しやすくなる、このため適切に点火時期を遅角化することでノックを避けることが可能となる。

0069

図4の関係から設定可能である。次にステップステップS2307にて、検出した現圧縮比が目標圧縮比と同じであるかを検出する。同じである場合は、ステップS2308に進み、異なる場合は、ステップS2309に進む。ステップS2308では、圧縮比制御フラグ及び湿度急変フラグをOFFに設定し、ステップS2311に進む。ステップS2309では、圧縮比制御フラグをONに設定し、ステップS2310に進む。ステップS2310では、湿度急変フラグがONどうかを判断する。湿度急変フラグがONであれば、設定点火時期を出力し完了。湿度急変フラグがOFFであれば、ステップS2311に進む。

0070

ステップS2311では、検出した湿度及び検出した現圧縮比に基づき、点火時期を決める。具体的には、図8を用いて示す。検出した圧縮比と検出した湿度における圧縮比と点火時期の対応特性の関係から設定する点火時期を決める。この処理は、湿度が急減していない条件または、圧縮比が目標圧縮比に達した後に実行される。ステップS2306で設定した点火時期は、ノックを避けるために充分に大きな点火遅角量を設定している。このため、現圧縮比において最適な点火時期ではなく、効率が低下している。圧縮比と点火時期の対応特性の関係から決まる点火時期に設定することで、点火時期の遅角化により低下していた効率を改善することができる。

0071

図23に示したフローチャートを用いた場合の圧縮比、点火時期の動きを図24に示す。湿度センサ3により検出した湿度が変化し始めた時期をt1、湿度の変化率が基準値を下回った時刻をt2、圧縮比が目標圧縮比に達した時刻をt3とする。この湿度変化に基づき目標圧縮比の設定が低圧縮比側に変化する。この変化に合わせ点火時期も変化する。時刻t2で湿度変化率が基準値を下回ると、ノック発生を避けるため、点火時期を検出圧縮比における乾燥空気条件での点火時期に設定する。その後、圧縮比が目標圧縮比に至るまで点火時期を固定して運転し、圧縮比が目標圧縮比に達した後に、点火時期を進角する。上記実施例1と同様の構成とした場合は、圧縮比と湿度に基づき点火時期が決定するため、点火時期が破線のように変化する。

0072

上記制御により、湿度が急減し(変化率が小さい場合)、圧縮比が高い条件でノックが発生しやすい条件に至った際に、点火時期の先行制御が実施可能になり、湿度急変時のノック抑制ならびに、効率悪化の最小化が実現できる。

0073

次に、実施例7について説明する。エンジンは、図5に示した構成とする。圧縮比が変化した際に、エンジンの効率が向上し、エンジントルクが増加する、このため、トルク変動が生じるため、トルクを一定にする場合、対処が必要である。

0074

図26には、図2の圧縮比及び点火時期制御部にて実施される演算処理が記載されている。まず、ステップS2601にて、圧縮比が制御中か否かを示す圧縮比制御フラグがONかOFFかを確認する。ここで、ONは制御中、OFFは制御休止中を示す。ONの場合は、ステップS2603に、OFFの場合は、ステップS2602に進む。

0075

ステップS2602では、検出した湿度に基づき圧縮比の設定値(目標圧縮比)を決める。ここでは、ROM20dに格納された図4に示すような湿度ごとに決定された実圧縮比と点火時期の対応特性のマップと検出した湿度に応じて決定した対応特性から、目標圧縮比を決めることができる。湿度により効率を最大化する圧縮比は変化するが、このように対応特性から圧縮比を決めることで、最適な圧縮比を選択できる。

0076

ステップS2603では、現圧縮比を検出する。現圧縮比は、図7図12に示すような可変圧縮比装置18のアクチュエータ動作量と圧縮比の関係マップをROM20dに格納し、このマップに基づき検出できる。ステップS2604にて、検出した湿度及び検出した現圧縮比での最適な点火時期を決定する。次に、ステップ2605に進み、検出した現圧縮比が目標圧縮比と同じであるかを検出する。異なる場合は、ステップS2606に進み、同じである場合は、ステップS2608に進む。ステップS2606では、圧縮比制御フラグをONに設定し、ステップS607に進む。ステップS2608では、圧縮比制御フラグをOFFに設定し、ステップS2609に進む。

0077

ステップS2607では、図25に与えられる湿度ごとに決定された圧縮比と点火時期の対応特性と検出した湿度及び検出した現圧縮比に基づき、点火時期を決める。ただし、この際、他の実施例のように、最大効率条件により決まる圧縮比と点火時期の対応特性を用いるのではなく、図25に示すようなトルクを維持するように決まる圧縮比と点火時期の対応特性を用いて点火時期を決める。ステップS2607は、可変圧縮比機構が目標値まで変化するまで実行される。このように検出した圧縮比に基づき最適な点火時期を決定することで、最大効率条件により決まる対応特性を用いた場合、圧縮比の変化に伴いエンジンの熱効率が向上し、エンジントルクが増減してしまうが、点火時期の制御によりトルクを制御中維持することが可能になるので、圧縮比制御中のトルク変動を抑制することができる。

0078

ステップS2609では、前サイクルの点火時期が最高効率条件で決定した圧縮比と点火時期の対応特性で決まる点火時期(最適点火時期)であるかを判定する。前サイクルの点火時期が最適点火時期であれば、点火時期を出力して終了。前サイクルの点火時期が最適点火時期でなければ、ステップS2610に進む。ステップS2610に進んだ条件は、点火時期が目標圧縮比において効率最適条件に無い事である。ここで、効率向上を図るために、点火時期を進角補正する。次に、ステップS2011に進み、ステップS2010で点火進角補正をする結果、効率が向上し、エンジントルクが上昇し、トルク変動が生じる。これを防ぐために、スロットル開度を減少補正する。これにより、点火時期の進角中のトルク変動を抑制することができる。

0079

以上のように、本実施例を用いることで、圧縮比の向上に伴う効率向上を、点火時期の遅角化であえて相殺し、効率を維持することで、結果的に出力を維持し、その結果、圧縮比の増減や、点火時期の変化によるエンジン熱効率の変化によるトルク変動を抑制し、湿度に応じた圧縮比の変更が可能になる。特に、要求トルクの変更が無い条件で有効である。圧縮比の向上に伴う効率向上とこれに伴うトルク増加により、ドライバが意図しない加速が生まれる可能性があるが、これを防止できる。

0080

図26に示したフローチャートを用いた場合の圧縮比、点火時期の動きを図27に示す。湿度センサ3により検出した湿度が変化した時期をt1とする。この湿度変化に応じ、目標圧縮比の設定が高圧縮比側に変化する。この目標値に達するように可変圧縮比機構を制御し、圧縮比を高くする。圧縮比が目標圧縮比に達した時期をt2とする。点火時期は、時刻t1において新気湿度の検出値が変化したのとあわせて、点火時期を進角化する。その後は、可変圧縮比機構が目標圧縮比まで変化させる間、圧縮比の変化に連動し、点火時期を遅角化する。この際の遅角量は、最高効率条件よりも大きく取る。時刻t2から時刻t3にかけては点火時期を進角化する。これに合わせて、トルクを下げるためにスロットル開度を絞り、エンジンへ導入する空気量を減らす。時刻t3で最高効率となる点火時期と設定するまで、出力を一定にして圧縮比の制御が可能になる。

実施例

0081

本実施例により、圧縮比を制御する際に、圧縮比の向上に伴うエンジン効率の向上により生じるエンジンのトルク変動を、点火時期を遅角化することで抑制することが可能になり、運転中のトルク変動が減らせる。

0082

1…エアフローセンサ、2…電子制御スロットル、3…湿度センサ、4…過給機、4a…コンプレッサ、4b…タービン、5…可変バルブ、6…吸気マニホールド、7…インタークーラ、8…インタークーラ温度センサ、9…空燃比センサ、10…三元触媒、11…ウェイストゲート弁、12…アクセル開度センサ、13…筒内直接噴射用インジェクタ、14…シリンダ、15…排気管、16…点火コイル、17…点火プラグ、18…可変圧縮比装置、19…クランク角センサ、20…ECU、20a…入力回路、20b…入出力ポート、20c…RAM、20d…ROM、20e…CPU、20f…電子制御スロットル駆動回路、20g…インジェクタ駆動回路、20h…ウェイストゲート弁駆動回路、20j…インタークーラ冷却水弁駆動回路、20k…変速機駆動回路、20m…EGRバルブ駆動回路、40…EGR管、41…EGRバルブ、42…EGRクーラ、43…差圧センサ、44…EGR温度センサ、100…エンジン

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