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技術 表面処理剤、表面処理方法及び表面処理済み金属材料

出願人 日本パーカライジング株式会社
発明者 我妻武尊森山敦志荒真康
出願日 2015年7月1日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-132484
公開日 2017年1月19日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-014574
状態 特許登録済
技術分野 金属の化成処理 電気分解または電気泳動による被覆
主要キーワード 指示液 特定金属化合物 コーティング塗装 対策案 二次結晶 遊離フッ素イオン 硝酸ハフニウム リン酸鉄皮膜
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

本発明の課題は、クロメートを使用せず、金属材料(特にリン酸塩処理を施した金属材料)上に、優れた塗装密着性及び耐食性を付与することができる表面処理剤、該表面処理剤を用いた表面処理方法、及び該表面処理方法によって表面処理が施された表面処理済み金属材料を提供することにある。

解決手段

本発明の表面処理剤は、金属材料の表面処理剤であって、水溶性エチレングリコールモノアルキルエーテルを含有する。さらに、本発明の表面処理剤は、水溶性バナジウム化合物水溶性チタン化合物水溶性ジルコニウム化合物および水溶性ハフニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の金属化合物を含有することが好ましい。

概要

背景

リン酸塩処理は、金属材料に対する塗装下地処理として一般的に使用されている。このようなリン酸塩処理としては、例えば、リン酸亜鉛処理リン酸鉄処理などが知られている。このリン酸塩処理の後には、耐食性塗装密着性を向上させる目的で、クロメート液による処理(クロメート処理)が施される場合がある。しかしながら、このクロメート液には、クロムを含んでいるため、環境上問題がある。

このような観点から、クロメート液に代わる表面処理剤に関する技術が検討されている。例えば特許文献1には、フッ素含有化合物と、カチオン性またはノニオン性を有する水溶性および/または水分散性樹脂化合物と、リン酸および/またはリン酸化合物と、水と、を含有し、pHが1〜6に調整された組成物が開示されている(請求項1参照)。

概要

本発明の課題は、クロメートを使用せず、金属材料(特にリン酸塩処理を施した金属材料)上に、優れた塗装密着性及び耐食性を付与することができる表面処理剤、該表面処理剤を用いた表面処理方法、及び該表面処理方法によって表面処理が施された表面処理済み金属材料を提供することにある。本発明の表面処理剤は、金属材料の表面処理剤であって、水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルを含有する。さらに、本発明の表面処理剤は、水溶性バナジウム化合物水溶性チタン化合物水溶性ジルコニウム化合物および水溶性ハフニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の金属化合物を含有することが好ましい。なし

目的

本発明は、クロメートを使用せず、金属材料(特にリン酸塩処理を施した金属材料)上に、優れた塗装密着性及び耐食性を付与することができる表面処理剤、該表面処理剤を用いた表面処理方法、及び該表面処理方法によって表面処理が施された表面処理済み金属材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

請求項2

水溶性バナジウム化合物水溶性チタン化合物水溶性ジルコニウム化合物および水溶性ハフニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の金属化合物をさらに含有する、請求項1に記載の表面処理剤。

請求項3

フッ素イオン捕捉剤をさらに含有する、請求項2に記載の表面処理剤。

請求項4

pHが3〜5の範囲内である、請求項2又は3に記載の表面処理剤。

請求項5

金属材料の表面処理方法であって、前記金属材料の表面に形成された化成処理皮膜と、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理剤と、を接触させる工程Xを含む、表面処理方法。

請求項6

前記化成処理皮膜が、リン酸塩を含む化成処理剤を前記金属材料の表面に接触させて形成されたものである、請求項5に記載の表面処理方法。

請求項7

前記工程X後、前記金属材料の表面上に電着塗装を実施する工程Yをさらに含む、請求項5又は6に記載の表面処理方法。

請求項8

請求項5〜7のいずれか1項に記載の表面処理方法によって表面処理が施された表面処理済み金属材料。

技術分野

0001

本発明は、鋼板(例えば、冷延鋼板熱延鋼板亜鉛めっき系鋼板、合金めっき系鋼板)等の鉄系材料アルミニウム板等のアルミニウム系材料亜鉛系材料等の種々の金属材料表面処理剤、該表面処理剤を用いた表面処理方法、及び該表面処理方法によって表面処理が施された表面処理済み金属材料に関する。

背景技術

0002

リン酸塩処理は、金属材料に対する塗装下地処理として一般的に使用されている。このようなリン酸塩処理としては、例えば、リン酸亜鉛処理リン酸鉄処理などが知られている。このリン酸塩処理の後には、耐食性塗装密着性を向上させる目的で、クロメート液による処理(クロメート処理)が施される場合がある。しかしながら、このクロメート液には、クロムを含んでいるため、環境上問題がある。

0003

このような観点から、クロメート液に代わる表面処理剤に関する技術が検討されている。例えば特許文献1には、フッ素含有化合物と、カチオン性またはノニオン性を有する水溶性および/または水分散性樹脂化合物と、リン酸および/またはリン酸化合物と、水と、を含有し、pHが1〜6に調整された組成物が開示されている(請求項1参照)。

先行技術

0004

特開2005−206888号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、クロメートを使用せず、金属材料(特にリン酸塩処理を施した金属材料)上に、優れた塗装密着性及び耐食性を付与することができる表面処理剤、該表面処理剤を用いた表面処理方法、及び該表面処理方法によって表面処理が施された表面処理済み金属材料を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、金属材料、特にリン酸塩処理等の化成処理を施した金属材料と、水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルを水に配合した表面処理剤と、を接触させた後、塗膜を形成させた場合に、金属材料上に優れた塗装密着性及び耐食性を有する複合層を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0007

即ち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1)金属材料の表面処理剤であって、水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルを含有する、表面処理剤。
(2)水溶性バナジウム化合物水溶性チタン化合物水溶性ジルコニウム化合物および水溶性ハフニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の金属化合物をさらに含有する、上記(1)に記載の表面処理剤。
(3)フッ素イオン捕捉剤をさらに含有する、上記(2)に記載の表面処理剤。
(4)pHが3〜5の範囲内である、上記(2)又は(3)に記載の表面処理剤。
(5)前記表面処理剤が、水および1又は2種以上の水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルのみからなる、上記(1)に記載の表面処理剤。
(6)前記表面処理剤が、水と、1又は2種以上の水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルと、水溶性バナジウム化合物、水溶性チタン化合物、水溶性ジルコニウム化合物および水溶性ハフニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の金属化合物と、任意に添加されるpH調整剤と、のみからなり、pHが3〜5の範囲内である、上記(4)に記載の表面処理剤。
(7)前記表面処理剤が、水と、1又は2種以上の水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルと、水溶性バナジウム化合物、水溶性チタン化合物、水溶性ジルコニウム化合物および水溶性ハフニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の金属化合物と、フッ素イオン捕捉剤と、任意に添加されるpH調整剤と、のみからなり、pHが3〜5の範囲内である、上記(4)に記載の表面処理剤。
(8)金属材料の表面処理方法であって、前記金属材料の表面に形成された化成処理皮膜及び/又は前記金属材料の表面と、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の表面処理剤と、を接触させる工程Xを含む、表面処理方法。
(9)前記化成処理皮膜が、前記金属材料の表面にリン酸塩を含む化成処理剤を前記金属材料の表面に接触させて形成されたものである、上記(8)に記載の表面処理方法。
(10)前記工程X後、前記金属材料の表面上に電着塗装を実施する工程Yをさらに含む、上記(8)又は(9)に記載の表面処理方法。
(11)上記(8)〜(10)のいずれか1つに記載の表面処理方法によって表面処理が施された、表面処理済み金属材料。

発明の効果

0008

以下に示すように、本発明によれば、金属材料(特にリン酸塩処理を施した金属材料)上に、優れた塗装密着性及び耐食性を付与することができる表面処理剤、該表面処理剤を用いた表面処理方法、及び該表面処理方法によって表面処理が施された表面処理済み金属材料を提供することができる。また、本発明の表面処理剤は、クロムを全く含まないため、環境保全リサイクル性等の社会問題に対する対策案として、極めて有効である。

0009

以下、本発明の表面処理剤、その表面処理剤を用いた表面処理方法および該表面処理方法により表面処理された表面処理済み金属材料について詳細に説明する。なお、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。

0010

[表面処理剤]
本発明の表面処理剤は、金属材料の表面処理剤であって、水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルを含有する。本発明の表面処理剤によれば、水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルを含有する表面処理剤を用いることで、金属材料(特にリン酸塩を含む処理剤によって化成処理が施された金属材料)上に、優れた塗膜密着性及び耐食性を付与することができる。

0011

この理由の詳細は未だ明らかになっていないが、以下の理由によるものと推測される。なお、以下では、一例として、リン酸塩を含む化成処理剤による化成処理(以下、「リン酸塩処理」と称する。)が施された金属材料を用いて説明する。本発明の表面処理剤と、リン酸塩処理が施された金属材料とを接触させる工程において、リン酸塩処理によって形成される皮膜リン酸塩皮膜)を有していない素材表面(例えば、リン酸塩系結晶の隙間、欠損部等)に、耐食性および塗装密着性の良好な表面処理皮膜(水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルを含む皮膜)を形成するものと考えられる。それゆえ、本発明の表面処理剤は、リン酸塩を含む化成処理剤だけでなく、他の化成処理剤で表面が化成処理された金属材料に対しても有用である。

0012

<水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテル>
本発明の表面処理剤は、水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルを含有する。上記エチレングリコールモノアルキルエーテルにおけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。該アルキル基としては、C1−8のアルキル基が好ましく、C1−6のアルキル基がより好ましく、C1−4のアルキル基が特に好ましい。具体的に、水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテルエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。好ましい水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルなどが挙げられる。水溶性のエチレングリコールモノアルキルエーテルは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。なお、「水に対する溶解性(水溶性)」とは、1気圧において、温度20℃でエチレングリコールモノアルキルエーテルと同容量の純水とを緩やかにかき混ぜた場合に、流動がおさまった後も混合液が均一な外観を維持するものであることを意味する。

0013

<金属化合物>
本発明の表面処理剤は、水溶性バナジウム化合物、水溶性チタン化合物、水溶性ジルコニウム化合物および水溶性ハフニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の金属化合物を含有してもよい。なお、本明細書において、これらの金属化合物を「特定金属化合物」という。特定金属化合物は、1種単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。

0014

特定金属化合物は、水溶性であって、上記の金属元素を含むのであれば、これの対イオン化学組成は特に限定されない。このような特定金属化合物としては、例えば、上記金属元素の炭酸塩酸化物水酸化物硝酸塩硫酸塩、リン酸塩、フッ素化合物塩酸塩有機酸塩錯化合物などが挙げられる。特定金属化合物の具体例としては、五酸化バナジウムメタバナジン酸メタバナジン酸アンモニウムメタバナジン酸ナトリウムオキシ三塩化バナジウム等、三酸化バナジウム二酸化バナジウムオキシ硫酸バナジウムバナジウムオキシアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、三塩化バナジウムリンバナドモリブデン酸等のバナジウム化合物硫酸チタン硝酸チタン酸化チタン、フッ化チタン、チタンフッ化水素酸チタン酸フッ化水素酸アンモニウム、チタンフッ化水素酸カリウム、チタンフッ化水素酸ナトリウムなどのチタン化合物硝酸ジルコニウム硫酸ジルコニウム酸化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム塩化ジルコニウムジルコンフッ化水素酸、ジルコンフッ化水素酸アンモニウム、ジルコン水素酸カリウム、ジルコン水素酸ナトリウム、ジルコンフッ化ナトリウム、ジルコンフッ化カリウムステアリン酸ジルコニウムなどのジルコニウム化合物;硫酸ハフニウム硝酸ハフニウム塩化ハフニウム、ハフニウムフッ化水素酸、酸化ハフニウム、フッ化ハフニウムなどのハフニウム化合物;等が挙げられる。なお、水溶性とは、水1000ml(20℃)に対する溶解性が0.1g以上(好ましくは0.5g以上)である化合物のことをいう。

0015

<フッ素イオン捕捉剤>
本発明の表面処理剤は、フッ素イオン捕捉剤を含有してもよい。フッ素イオン捕捉剤は、表面処理剤中に含まれる成分(例えば上述した特定金属化合物)に由来する余剰フッ素イオンフッ化物イオン)を捕捉する目的で使用される。このフッ素イオン(遊離フッ素イオン)の濃度が高すぎると金属材料に対するエッチング過多となり、耐食性や塗装密着性の向上効果が得られない場合がある。それゆえ、表面処理に使用される、特定金属化合物を含む表面処理剤におけるフッ素イオン濃度が高い場合には、該表面処理剤にフッ素イオン捕捉剤を予め添加してもよい。一方、該表面処理剤におけるフッ素イオン濃度が低い場合には、該表面処理剤にフッ素イオン捕捉剤を添加する必要はない。また、表面処理に使用されている表面処理剤におけるフッ素イオン濃度に応じて、フッ素イオン捕捉剤を適宜添加してもよい。

0016

フッ素イオン捕捉剤としては、上記機能をより良好に発揮できるという点から、亜鉛、アルミニウムマグネシウム、チタン、鉄、ニッケル、銅若しくはカルシウムなどの金属、その金属の水酸化物、塩化物フッ化物又は酸化物、その他、ケイ素若しくはホウ素、又はそれらのオキソ酸若しくは酸化物等のケイ素化合物又はホウ素化合物などが挙げられる。より具体的には、酸化アルミニウム水酸化アルミニウムフッ化アルミニウム塩化アルミニウム硫酸アルミニウム硝酸アルミニウム、酸化アルミニウム−酸化ホウ素水和物(2Al2O3・B2O3・3H2O)、オルトホウ酸メタホウ酸、塩化アルミニウム、ケイ素、酸化カルシウム、酸化ホウ素、二酸化ケイ素酸化マグネシウムなどが挙げられる。フッ素イオン捕捉剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0017

<水>
本発明の表面処理剤は、水を含有する。水は、上述した各成分を溶解させる及び/又は分散させるための溶媒である。水としては、例えば、イオン交換水限外濾過水、逆浸透水蒸留水等の純水または超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものを使用することができる。

0018

<その他の成分>
本発明の表面処理剤が特定金属化合物を含有する場合には、pHは3〜5の範囲内である。pHの調整が必要な場合には、pH調整剤を添加してもよい。pH調整剤としては、特に限定されず、酸性成分またはアルカリ成分等が挙げられる。酸性成分としては、例えば、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、ギ酸酢酸、フッ化水素酸等の無機酸;酢酸、タンニン酸シュウ酸等の有機酸;などが挙げられる。アルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウムアンモニア第一級第三級アミンなどが挙げられる。

0019

調製方法
本発明の表面処理剤の調製方法は、制限されず、公知の方法を採用でき、例えばエチレングリコールモノアルキルエーテル、および、必要に応じて、所定の任意成分(例えば、特定金属化合物、フッ素イオン捕捉剤、pH調整剤など)を、水に加えて表面処理剤を調製する方法が挙げられる。

0020

本発明の表面処理剤における水溶性エチレングリコールモノアルキルエーテルの含有量は、0.02〜6.00mmol/Lが好ましく、0.02〜4.00mmol/Lであるのがより好ましく、0.02〜1.50mmol/Lであるのが特に好ましい。上記範囲内であれば、金属材料の表面上に形成される上記複合層の塗装密着性や耐食性をさらに向上させることができる。

0021

表面処理剤が特定金属化合物を含有する場合において、表面処理剤中の特定金属化合物の含有量は、0.01〜4.00mmol/Lであるのが好ましく、0.01〜2.50mmol/Lであるのがより好ましく、0.01〜2.00mmol/Lであるのが特に好ましい。特定金属化合物の含有量が上記範囲内にあることで、金属材料の表面上に形成される上記複合層の塗装密着性及び耐食性をさらに向上させることができる。

0022

表面処理に使用する表面処理剤にフッ素イオン捕捉剤を予め添加する場合において、表面処理剤中のフッ素イオン捕捉剤の含有量は、0.01〜8.0mmol/Lであることが好ましく、0.01〜5.0mmol/Lであることがより好ましく、0.01〜4.0mmol/Lであることが特に好ましい。

0023

<物性>
本発明の表面処理剤が特定金属化合物を含有する場合には、pHが3〜5の範囲内であればよいが、好ましくは3.5〜4.5の範囲内である。表面処理剤のpHがこの範囲内にあることで、金属材料の表面上に形成される上記複合層の耐食性や塗装密着性をより向上させることができる。このような効果は、金属材料の表面にリン酸塩皮膜が形成されている場合に、より発揮される。すなわち、金属材料の表面にリン酸塩皮膜を形成した際に、ビルドアップ結晶や二次結晶と呼ばれる結晶が形成されることがあり、これらの結晶が耐食性や塗装密着性を低下させることがある。このような場合、表面処理剤のpHが3〜5の範囲内であると、これらの結晶をより効果的に溶解除去することができるので、上記耐食性および塗装密着性がより優れたものになる。

0024

上記pHの調整方法は特に限定されないが、その調整が容易になるという観点から、上述したpH調整剤を用いることが好ましい。pHの測定方法としては、既存のpHメーターを用いて室温(20℃)にて測定する方法が挙げられる。

0025

<用途>
本発明の表面処理剤は、金属材料の表面処理に用いられる。処理が施される金属材料としては、例えば、鋼板(電気亜鉛めっき鋼板溶融亜鉛めっき鋼板合金化溶融亜鉛めっき鋼板、冷延鋼板、熱延鋼板)、アルミニウム板等の金属板が挙げられる。特に、本発明の表面処理剤は、リン酸亜鉛リン酸鉄などのリン酸塩処理を施した金属材料(リン酸塩処理材)に好適に使用される。その他、リン酸塩処理以外の上記化成処理を施した金属材料であってもよい。なお、リン酸塩処理材は、リン酸塩処理により形成されるリン酸塩皮膜を金属材料の表面上に有する。

0026

リン酸塩処理のうちリン酸亜鉛処理を施して得られる金属材料(リン酸亜鉛処理材)は、その表面にリン酸亜鉛皮膜が形成されている。リン酸亜鉛皮膜の乾燥質量は、0.8〜5.0g/m2であるのが好ましく、1.2〜4.5g/m2であるのがより好ましく、1.5〜4.0g/m2であるのが更に好ましい。リン酸亜鉛皮膜の乾燥質量が0.8g/m2以上であると、金属材料の表面の露出が少なくなり、耐食性が優れたものとなり、リン酸塩皮膜の耐食性の効果がより発揮される。また、5.0g/m2以下であると、リン酸塩系皮膜の結晶が粗大化することを抑制できるので、塗装後加工された場合に塗膜密着性がより優れたものになる。リン酸亜鉛皮膜は、主に、リン酸亜鉛を主体とする結晶により構成されるが、例えば、Zn、Ni、Mn、Mg、Co、Ca等の1種以上の金属元素を含有してもよい。これらの金属元素を含有することにより、耐食性やリン酸亜鉛皮膜の密着性がより向上する。特に、Ni、Mn、Mgは、耐食性向上により効果的である。

0027

リン酸塩処理のうちリン酸鉄処理を施して得られる金属材料(リン酸鉄処理材)は、その表面にリン酸鉄皮膜が形成されている。リン酸鉄皮膜は、リン酸鉄及び酸化鉄から構成され、その乾燥質量は、0.1〜2.0g/m2であることが好ましく、0.5〜2.0g/m2であることがより好ましい。

0028

[表面処理方法、表面処理済み金属材料]
本発明の表面処理剤を用いる表面処理方法は、特に制限されないが、金属材料の表面及び/又は該表面に形成された化成処理皮膜と、上記表面処理剤と、を接触させる工程を含むことが好ましい。これにより、表面処理済み金属材料が得られる。特に、表面処理方法の好適態様の一つとしては、上記金属材料の表面に形成された化成処理皮膜と、上記表面処理剤と、を接触させる工程Xを含む表面処理方法が挙げられる。

0029

上記化成処理皮膜と表面処理剤とを接触させる方法としては、特に限定されず、例えば、浸漬法スプレー法、流しかけ法、電解処理法等が挙げられる。また、その際の処理温度は、10〜55℃であるのが好ましい。処理時間は、5〜300秒であるのが好ましい。

0030

ここで、化成処理皮膜は、例えば、上記金属材料の表面にリン酸塩を含む化成処理剤を接触させて形成することができる(当該接触させる工程を以下「化成処理皮膜形成工程」と称する。)。この場合、化成処理皮膜は、上述したリン酸塩処理により形成されるリン酸塩皮膜と言い換えることができる。化成処理剤は、各種溶媒など、従来の化成処理剤に含まれる公知の成分をさらに含有してもよく、その成分は特に限定されるものではない。また、化成処理皮膜の形成方法は、特に限定されず、従来公知の方法にしたがって行うことができる。

0031

なお、工程Xは、化成処理皮膜に対して行われることが好ましく、化成処理(特にリン酸塩処理)の後処理と呼ばれる場合がある。つまり、このとき使用される本発明の表面処理剤は、後処理剤と呼ばれる場合がある。なかでも、上記のように、リン酸塩皮膜に対する後処理剤(リン酸塩系処理材用後処理剤)として好適に用いられる。

0032

<その他の工程>
上記工程Xの後、塗装工程を実施してもよい。工程Xと塗装工程との間において、本発明の表面処理剤を接触させた、化成処理皮膜を有する金属材料の表面を乾燥させる工程(以下、「乾燥工程」と称する。)を行ってもよいし、該乾燥工程を行わなくてもよい。また、工程Xの後、水洗工程を行ってもよい。

0033

上記塗装工程における塗装は、例えばスプレー塗装静電塗装、電着塗装、ローラーコーティング塗装ハケ塗り塗装等の方法により行うことができる。上記工程X後に塗装を実施する工程としては、例えば、上記金属材料の表面上に電着塗装を実施する工程Yが挙げられる。

0034

本発明の表面処理方法は、上記化成皮膜形成工程前に、前処理工程を行ってもよい。前処理工程としては、酸脱脂処理工程、アルカリ脱脂処理工程、表面調整処理工程、酸洗工程、アルカリ洗工程、水洗工程、乾燥工程等が挙げられる。これらの前処理工程は複数組み合わせてもよい。なお、酸脱脂処理工程、アルカリ脱脂処理工程、表面調整処理工程、酸洗工程、アルカリ洗工程等は、既存の各処理剤を用いて行うことができる。

0035

上述のように本発明の表面処理方法によって表面処理が施された表面処理済み金属材料は、その表面に塗膜を形成させた場合、あるいは、塗膜を有する場合に、優れた耐食性および塗装密着性を発揮することができる。上述の表面処理方法から明らかなように、本発明の表面処理済み金属材料は、少なくとも、リン酸塩皮膜と、その皮膜上に本発明の表面処理剤によって形成された皮膜(表面処理皮膜)とを有する。本発明の表面処理済み金属材料は、表面処理皮膜上に、さらに塗膜を有していてもよい。

0036

以下に実施例を用いて、本発明の表面処理剤について具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。

0037

1.試験板の作製
(1)供試材(金属材料)
以下の市販の金属材料を供試材として使用した。なお、供試材のサイズは70mm×150mmである。
(i)冷延鋼板(SPC材):板厚0.8mm
(ii)合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA材):板厚0.8mm、亜鉛目付量40g/m2(両面とも
(iii)溶融亜鉛めっき鋼板(GI材):板厚0.8mm、亜鉛目付量70g/m2(両面とも)
(iv)アルミニウム板(アルミニウム材材質6000番):板厚0.4mm

0038

(2)リン酸塩処理材の作製
各供試材に対して以下のリン酸塩処理を行い、各リン酸塩処理材を作製した。

0039

(I)SPC材に対するリン酸亜鉛処理
SPC材をアルカリ脱脂液(日本パーカライジング(株)製FC−E2085を20g/Lで希釈し、45℃に加温したもの)に2分間浸漬させて表面を清浄し、続いて水洗した。

0040

ついで、表面調整液に室温で20秒間浸漬させた後、リン酸亜鉛処理液(42℃)に1分間浸漬し、その後、水洗することにより、乾燥質量が1.4g/m2のリン酸亜鉛皮膜を有するリン酸亜鉛処理材を作製した。なお、上記表面調整液は、PL−X(日本パーカライジング(株)製)及びAD−4977(日本パーカライジング(株)製の添加剤)をそれぞれ3g/L及び1g/Lの濃度になるように水道水に添加することにより調製した。また、上記リン酸亜鉛処理液は、PB−L3020(日本パーカライジング(株)製の塗装下地化成剤)、AD−4813(日本パーカライジング(株)製の添加剤)及びAD−4856(日本パーカライジング(株)製の添加剤)がそれぞれ48g/L、5g/L及び17g/Lの濃度になるように水道水に添加し、ついでNT−4055(日本パーカライジング(株)製の中和剤)で中和して遊離酸度1.0ポイントとした後、AC−131(日本パーカライジング(株)製の促進剤)を0.42g/Lの濃度になるようにさらに添加することにより調製した。上記遊離酸度とは、上記のリン酸亜鉛処理液を10mL採取し、ブロモフェノールブルー指示液を2〜3滴加え、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液滴定したときのmL数をポイントとして表したもの(1mL=1ポイント)を意味する。

0041

(II)GA材に対するリン酸亜鉛処理
SPC材の代わりにGA材を用いる他は、(I)と同じ条件でリン酸亜鉛処理を行い、乾燥質量が2.8g/m2のリン酸亜鉛皮膜を有するリン酸亜鉛処理材を作製した。

0042

(III)GI材に対するリン酸亜鉛処理
SPC材の代わりにGI材を用いる他は、(I)と同じ条件でリン酸亜鉛処理を行い、乾燥質量が2.5g/m2のリン酸亜鉛皮膜を有するリン酸亜鉛処理材を作製した。

0043

(IV)アルミニウム材に対するリン酸亜鉛処理
SPC材の代わりにアルミニウム材を用いる他は、(I)と同じ条件でリン酸亜鉛処理を行い、乾燥質量が2.5g/m2のリン酸亜鉛皮膜を有するリン酸亜鉛処理材を作製した。

0044

(3)表面処理材の作製
第1表に示すモル濃度となるように各成分を純水に配合した後、NaOH水溶液(pH調整剤)でpHを適宜調整し、実施例1〜13及び比較例1〜4の試験板を作製するために用いる表面処理剤を調製した。なお、実施例1では、pH調整を行わなかった。リン酸亜鉛処理液でリン酸塩処理を行った後、水洗した各リン酸塩処理材を乾燥することなく、上記各表面処理剤に室温で30秒間浸漬し、続いて水洗することにより、各表面処理材を作製した。また、表面処理剤として純水を用いて同様に処理し、比較例5の試験板作製用の表面処理材を作製した。
なお、第1表に記載の表面処理剤に含まれる成分の概要は、以下の通りである。
(エチレングリコールモノアルキルエーテル)
・エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ,東京化成工業株式会社製)
・エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ,東京化成工業株式会社製)
・エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル(日本乳化剤株式会社社製)
(特定金属化合物)
・チタンフッ化水素酸(森田化学工業株式会社製社製)
・ジルコンフッ化水素酸(森田化学工業株式会社製社製)

0045

(4)電着塗装
各表面処理剤又は純水で表面処理を行った後、水洗した各表面処理材を乾燥することなく、電着塗装を実施した。電着塗装は、電着塗料[関西ペイント(株)社製:GT−10HT]を用い、ステンレス鋼板(SUS304)を陽極として、180秒間、定電圧陰極電解して塗膜を上記各表面処理材の全表面に析出させた後、水洗し、170℃で20分間焼付けることにより行った。なお、電着塗装による塗膜厚は、電圧を制御することにより20μmに調整した。このようにして、以下の塗装後耐食性試験及び塗装密着性試験に供する各試験板を作製した。

0046

2.塗装後耐食性試験
実施例1〜13及び比較例1〜5の試験板にクロスカットを施し、塩水噴霧試験(JIS Z2371)を1000時間実施した。クロスカット部の片側膨れ幅を測定し、以下の評価基準に従い、耐食性を評価した。その結果を第1表に示す。
<評価基準>
◎:2mm未満
○:2mm以上4mm未満
△:4mm以上6mm未満
×:6mm以上

0047

3.塗装密着性試験
(1)一次塗装密着性試験
実施例1〜13及び比較例1〜5の試験板に1mm幅で100の碁盤目を施し、この中心部をエリクセン試験機で4mm押し出した。その後、押し出した部位に対して、セロハン粘着テープ[ニチバン株式会社製セロテープ登録商標)No.405−1P]を用いたテープ剥離試験を行い、剥離した面積率を測定した。測定結果を以下の評価基準に従い、一次塗装密着性を評価した。その結果を第1表に示す。
<評価基準>
○: 10%未満
△: 10%以上30%未満
×: 30%以上

0048

(2)二次塗装密着性試験
上記一次塗装密着性試験において、碁盤目を施す前に各試験板を沸騰水に1時間浸漬する他は、一次塗装密着性試験と同じ手法で二次塗装密着性を評価した。その結果を第1表に示す。

0049

実施例

0050

第1表の評価結果から明らかなように、本発明の表面処理剤を用いて表面処理を行った場合、優れた性能が得られることが示された。

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