図面 (/)

技術 電気めっき方法

出願人 臼井博明宮田清蔵有限会社アイネットコンサルティング
発明者 中村和樹臼井博明宮田清蔵
出願日 2015年6月26日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-129133
公開日 2017年1月19日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-014539
状態 拒絶査定
技術分野 電気メッキ方法,物品 電気分解または電気泳動による被覆
主要キーワード 気泡発生管 気体ボンベ シラス多孔質ガラス マイクロバブル発生器 被めっき部材 水素気泡 表面あらさ ニッケル材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年1月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

従来の電気めっき技術に比べて、被めっき材の表面上に付着する水素気泡を効果的に抑制することができ、めっき層ピンホールピットの発生を抑止できる電気めっき方法の提供。

解決手段

めっき浴2に、1〜50μmの平均直径を有するマイクロバブル6を発生させて、被めっき材4の表面近傍水酸基ラジカル・OHを形成する電気めっき方法。マイクロバブル消滅時に水酸基ラジカル・OHが発生し、水酸基ラジカル・OHが表面に吸着した水素と反応し、水素気泡を押えるので、表面が平滑になり、ピットやピンホールを発生を抑える電気めっき方法。

概要

背景

種々の産業分野においてめっきの手法の一つとして、電気めっきは一般的に利用されている。
なお、電気めっきにおける問題の一つとして、被めっき材表面近傍において、めっき浴内の水が電気分解水素気泡が発生することが挙げられる。この水素気泡は、被めっき材上に付着し、めっき層形成時にピンホール素地まで達する微小な穴)やピット(素地まで達しない凹み)を引き起こす。ピンホールやピットが生じた場合、めっき層の耐久性防食性劣化し、また、めっき層がはがれ外観見栄えも悪くなるおそれがある。

そのため、陰極において発生する水素気泡を、効果的に取り除くことを目的として、種々の技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、一端に開放口を有する容器内に界面活性剤を含む電解質溶液を供給し、前記容器内にフィルタを通して気体を供給し、前記電解質溶液の連続的な気泡層を調製し、前記容器の前記開放口から前記電解質溶液の前記気泡層を流下させつつ、当該容器の外部に設ける被めっき部材に供給し、前記被めっき部材に所定の電圧印加し、前記電解質溶液の前記気泡層内で電気めっきを行う技術が開示されている。
この技術によれば、電気めっきの過程で発生する水素気泡を低減することができるので、ピンホールやピットの少ないめっき被膜を形成できる。

また、特許文献2には、多数の微細孔を有する気泡発生管をめっき浴の底部に設け、該気泡発生管より発生する微細気泡によりめっき浴を攪拌しながらめっきを行うめっき方法において、前記めっき浴の表面張力が界面活性剤の添加により45 dyn/cm以下に調整されており、且つ、前記気泡発生管より発生する微細気泡の直径を10〜1000μm にすると共に該微細気泡の発生量被めっき体単位表面積:1m2 に対して0.2 〜1.0 m3/min にする技術が開示されている。
この技術によれば、発生する微細気泡によってめっき浴を撹拌するため、被めっき体に付着した水素ガス(水素気泡)を離脱させることによって、めっき被膜のピットの発生を防止することができる。

概要

従来の電気めっき技術に比べて、被めっき材の表面上に付着する水素気泡を効果的に抑制することができ、めっき層のピンホールやピットの発生を抑止できる電気めっき方法の提供。めっき浴2に、1〜50μmの平均直径を有するマイクロバブル6を発生させて、被めっき材4の表面近傍に水酸基ラジカル・OHを形成する電気めっき方法。マイクロバブル消滅時に水酸基ラジカル・OHが発生し、水酸基ラジカル・OHが表面に吸着した水素と反応し、水素気泡を押えるので、表面が平滑になり、ピットやピンホールを発生を抑える電気めっき方法。

目的

本発明の目的は、従来の電気めっき技術に比べて、被めっき材の表面上に付着する水素気泡を効果的に抑制することができ、めっき層のピンホールやピットの発生を抑制できる電気めっき方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

めっき浴中に浸漬した被めっき材上に、めっき層を形成する電気めっき方法であって、前記めっき層の形成時、前記めっき浴中に、1μm〜50μmの平均直径を有するマイクロバブルを発生させて、前記被めっき材の表面近傍水酸基ラジカルを形成することを特徴とする電気めっき方法。

請求項2

前記マイクロバブルは、酸素又はオゾンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の電気めっき方法。

請求項3

前記マイクロバブルは、前記めっき浴からめっき液の一部を取り込み、該取り込んだめっき液中に、加圧した気体微細孔を通して押し出すことよって、マイクロバブルを生成させ、その後、該マイクロバブルが充填されためっき液を、前記めっき浴中にもどすことによって、発生させることを特徴とする、請求項1に記載の電気めっき方法。

請求項4

前記マイクロバブルは、前記めっき浴からめっき液の一部を取り込み、該取り込んだめっき液と気体とを混合した後、該めっき液と該気体の混合物旋回をかけ、その後、前記旋回をかけた該混合物を前記めっき浴へ放出することによって、発生させることを特徴とする、請求項1に記載の電気めっき方法。

請求項5

前記めっき液中の前記マイクロバブルの発生量は、前記被めっき材の表面近傍において、少なくとも平均2×109個/m3とすることを特徴とする、請求項1に記載の電気めっき方法。

請求項6

前記電気めっき方法におけるめっき浴の表面張力を、58.8×10−3N/m以下にすることを特徴とする、請求項1に記載の電気めっき方法。

技術分野

0001

本発明は、電気めっき方法、特に、ピンホールピットの発生を効果的に抑制できる電気めっき方法に関する。

背景技術

0002

種々の産業分野においてめっきの手法の一つとして、電気めっきは一般的に利用されている。
なお、電気めっきにおける問題の一つとして、被めっき材表面近傍において、めっき浴内の水が電気分解水素気泡が発生することが挙げられる。この水素気泡は、被めっき材上に付着し、めっき層形成時にピンホール(素地まで達する微小な穴)やピット(素地まで達しない凹み)を引き起こす。ピンホールやピットが生じた場合、めっき層の耐久性防食性劣化し、また、めっき層がはがれ外観見栄えも悪くなるおそれがある。

0003

そのため、陰極において発生する水素気泡を、効果的に取り除くことを目的として、種々の技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、一端に開放口を有する容器内に界面活性剤を含む電解質溶液を供給し、前記容器内にフィルタを通して気体を供給し、前記電解質溶液の連続的な気泡層を調製し、前記容器の前記開放口から前記電解質溶液の前記気泡層を流下させつつ、当該容器の外部に設ける被めっき部材に供給し、前記被めっき部材に所定の電圧印加し、前記電解質溶液の前記気泡層内で電気めっきを行う技術が開示されている。
この技術によれば、電気めっきの過程で発生する水素気泡を低減することができるので、ピンホールやピットの少ないめっき被膜を形成できる。

0004

また、特許文献2には、多数の微細孔を有する気泡発生管をめっき浴の底部に設け、該気泡発生管より発生する微細気泡によりめっき浴を攪拌しながらめっきを行うめっき方法において、前記めっき浴の表面張力が界面活性剤の添加により45 dyn/cm以下に調整されており、且つ、前記気泡発生管より発生する微細気泡の直径を10〜1000μm にすると共に該微細気泡の発生量被めっき体単位表面積:1m2 に対して0.2 〜1.0 m3/min にする技術が開示されている。
この技術によれば、発生する微細気泡によってめっき浴を撹拌するため、被めっき体に付着した水素ガス(水素気泡)を離脱させることによって、めっき被膜のピットの発生を防止することができる。

先行技術

0005

特開2008−223059号公報
特開平5−112898号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1の技術では、被めっき材の表面に付着した水素気泡を気泡中に取り込むことによって水素気泡を取り除くことから、取り込み損ねた水素気泡が存在し、この気泡が被めっき材上に付着し、めっき層のピンホールやピットを十分に抑制できないという問題があった。また、容器の開放口から電解質溶液の気泡層を流下させつつ、容器の外部に設ける被めっき部材に供給する必要があるため、電気めっき装置の構成が複雑になるという問題があった。

0007

また、特許文献2の技術では、発生する微細気泡によりめっき浴を攪拌することによって、微細気泡を水素ガスに衝突させ、被めっき材に付着した水素ガス(水素気泡)を離脱させるものであるため、それだけでは、水素ガスの付着を十分に取り除くことができない問題があった。

0008

上記課題を鑑みて、本発明の目的は、従来の電気めっき技術に比べて、被めっき材の表面上に付着する水素気泡を効果的に抑制することができ、めっき層のピンホールやピットの発生を抑制できる電気めっき方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、電気めっき層の形成時、少なくとも被めっき材の表面近傍に、特定の平均直径を有するマイクロバブルを発生させて、該被めっき材の表面近傍に水酸基ラジカルを形成することによって、該水酸基ラジカルが該被めっき材近傍に存在する水素原子水素ラジカル)と結合するため、該被めっき材の表面上に付着する水素気泡の発生を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

本発明は、このような知見に基づきされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)めっき浴中に浸漬した被めっき材上に、めっき層を形成する電気めっき方法であって、前記めっき層の形成時、前記めっき浴中に、1μm〜50μmの平均直径を有するマイクロバブルを発生させて、前記被めっき材の表面近傍に水酸基ラジカルを形成することを特徴とする電気めっき方法。

0011

(2)前記マイクロバブルは、酸素又はオゾンを含むことを特徴とする、上記(1)に記載の電気めっき方法。

0012

(3)前記マイクロバブルは、前記めっき浴からめっき液の一部を取り込み、該取り込んだめっき液中に、加圧した気体を微細孔を通して押し出すことよって、マイクロバブルを生成させ、その後、該マイクロバブルが充填されためっき液を、前記めっき浴中にもどすことによって、発生させることを特徴とする、上記(1)に記載の電気めっき方法。

0013

(4)前記マイクロバブルは、前記めっき浴からめっき液の一部を取り込み、該取り込んだめっき液と気体とを混合した後、該めっき液と該気体の混合物旋回をかけ、その後、前記旋回をかけた該混合物を前記めっき浴へ放出することによって、発生させることを特徴とする、上記(1)に記載の電気めっき方法。

0014

(5)前記めっき液中の前記マイクロバブルの発生量は、前記被めっき材の表面近傍において、少なくとも平均2×109個/m3とすることを特徴とする、上記(1)に記載の電気めっき方法。

0015

(6)前記電気めっき方法におけるめっき浴の表面張力を、58.8×10−3N/以下にすることを特徴とする、上記(1)に記載の電気めっき方法。

発明の効果

0016

本発明によれば、従来の電気めっき技術に比べて、被めっき材の表面上に付着する水素気泡を効果的に抑制することができる。その結果、ピンホールやピットのない均一なめっき層が形成できる。

図面の簡単な説明

0017

本発明に従う電気めっき方法の一実施形態について模式的に示した図である。
本発明に従う水酸基ラジカルの形成の流れの一例を示した模式図である。
本発明に従うマイクロバブルの発生方法の一実施形態について模式的に示した図である。
本発明に従う微細孔を用いたマイクロバブル発生のしくみの一例を示した図である。
本発明に従うマイクロバブルの発生方法の別の一実施形態について模式的に示した図である。
本発明に従う旋回を用いたマイクロバブル発生のしくみの一例を示した図である。
本発明に従う電気めっき方法の実施例の結果の一例を説明するためのAF観察写真である。
本発明に従う電気めっき方法の実施例の結果の一例を説明するためのSEM観察写真である。

0018

本発明に従う電気めっき方法について、必要に応じて図面を用いて説明する。
本発明による電気めっき方法は、図1に示すように、めっき浴2中に浸漬した被めっき材4上に、めっき層を形成する電気めっき方法であって、前記めっき層の形成時、前記めっき浴2中に、1μm〜50μmの平均直径を有するマイクロバブル6を発生させて、前記被めっき材4の表面近傍に水酸基ラジカルを形成することを特徴とする。

0019

(被めっき材)
ここで、本発明による電気めっき方法の対象となる被めっき材は、電導性を有する物質であれば特に限定されない。例えば、銅、亜鉛ニッケルアルミニウム等の金属や、鉛と鉄の合金、亜鉛とニッケルの合金、各種鋼材等の合金からなる被めっき材が挙げられる。
また、被めっき材の形状も、特に限定されない。例えば、棒、板や球等の形状があるが、複雑な形状の方が、付着する水素気泡が取り除き難く悪影響が大きいため、本発明の効果が顕著に現れる。

0020

(めっき層の形成)
本発明のめっき層は、図1に示すように、めっきしたい金属を陽極5(アノード)に用い、電気を使って、陽極5を形成している金属を酸化しめっき浴2中に溶出させ、めっき浴2に溶解した金属イオン還元し、被めっき材4(カソード)の表面に積層する電気めっきによって、形成される。
ここで、めっき層の材料の種類は、特に限定されない。例えば、ニッケル、亜鉛、白金、金、銀、銅、カドミウム、スズ、クロム、亜鉛と鉄の合金、亜鉛とニッケルの合金、スズと亜鉛の合金、スズと銀の合金、スズとコバルトの合金、はんだ黄銅又は青銅がある。

0021

また、めっき浴2とは、図1図3及び図5に示すように、めっき液をめっき槽内に入れた状態のことをいう。また、めっき液とは、めっき層の材料を含む電解質水溶液のことをいい、例えば、銅めっきでは、硫酸銅硫酸を含む溶液添加物を加えためっき液を、めっき槽に入れてめっき浴とする。
ここで、めっき浴の組成は、特に限定されない。例えば、めっき層に応じて適宜調整できる。
さらに、その他の電気めっきの条件は、特に限定されない。例えば、めっき浴の温度、被めっき材の表面での電流密度又は前処理の洗浄等は、公知の条件や方法を採用することができる。

0022

(水酸基ラジカルの形成)
本発明の電気めっき方法では、図1に示すように、前記めっき浴2の中に、特定の平均直径を有するマイクロバブル6を発生させることによって、前記被めっき材4の表面近傍に水酸基ラジカルを形成する。
該水酸基ラジカルは、水素原子(水素ラジカル)と反応することによって、前記被めっき材4の表面近傍の水素気泡の発生を抑え、被めっき材の表面上に付着する水素気泡の発生を、効果的に抑制することができる。その結果、水素気泡に起因したピンホールやピットがなく、耐久性や防食性に優れ、表面の外観の良好な均一なめっき層を形成できる。
なお、図1図2図3及び図5では、水酸基ラジカル(・OH)及び水素原子(水素ラジカル)(H)の大きさは、便宜のため、大きく記してあるが、実際は、マイクロバブル6に比べ十分小さな大きさである。

0023

ここで、前記マイクロバブルとは、発生時の気泡の直径が70μm以下(なお、本発明の電気めっき方法で発生させるマイクロバブルの平均直径は、1μm〜50μmである)の微細な気泡のことをいい、例えば、酸素、オゾン、空気、二酸化炭素一酸化炭素水素窒素ヘリウムネオンアルゴンクリプトンキセノン又はラドンを含む微細な気泡である。

0024

また、前記マイクロバブルは、酸素又はオゾンを含むことが好ましい。後述するように、マイクロバブルの消滅時にはフリーラジカルが発生する。マイクロバブルが酸素又はオゾンを含む場合、マイクロバブルの消滅時に、酸素又はオゾンが分解されて水酸基ラジカルがより発生し易いからである。そのため、前記被めっき材の表面近傍における水素気泡H2の発生を、より効果的に抑制できる。
さらに、前記酸素又はオゾンのうち、オゾンは水酸基ラジカルの発生量がより大きいので、前記マイクロバブルがオゾンを含むことがより好ましい。
なお、マイクロバブル中の酸素又はオゾンの含有量については、前記マイクロバブルに含まれる気体の50%以上の体積含有率であることが好ましい。

0025

表面近傍に発生させた前記マイクロバブルは、図2に示すように、液体中で縮小し、ついにはめっき液中で消滅する。このように、マイクロバブルがめっき液中で消滅すると、該消滅に伴い、マイクロバブル内の気体が分解し、水酸基ラジカル(・OH)等のフリーラジカルが発生する。
なお、表面近傍とは、表面を覆っている付近の空間のことをいう。

0026

ここで、水酸基ラジカル(・OH)とは、水酸基に対応するラジカルのことをいう。不対電子を持つため、反応性が極めて高く酸化力が強く、物質と容易に反応する。その性質により、水酸基ラジカルは、前記被めっき材の表面近傍で、水素原子(水素ラジカル)(H)と反応して水H2Oとなるため、前記被めっき材の表面近傍に水素気泡H2が発生し前記被めっき材の表面上に付着するのを、効果的に抑制できる。

0027

なお、前記マイクロバブル6の発生する場所は、少なくとも被めっき材4の表面近傍に発生すれば、特に限定されない。例えば、めっき浴2の中の全体に発生しても良いし、被めっき材の表面近傍にのみ発生させることもできる。
また、水酸基ラジカルを形成する場所について、被めっき材の表面近傍とは、被めっき材の表面近くにおいて、めっき層のピンホールやピットの発生の原因となり得る水素原子(水素ラジカル)と、水酸基ラジカルが反応することができる程度に、被めっき材の表面の付近であることをいう。

0028

さらに、本発明の電気めっき方法で発生させるマイクロバブルの平均直径は、1μm〜50μmである。マイクロバブルの発生時の平均直径が50μmより大きい場合は、マイクロバブルが浮力のためにめっき液中を上昇し易くなるため、めっき液中で消滅することなくめっき液表面に到達し水酸基ラジカルの形成が難しい。また、マイクロバブルの平均直径が、1μmより小さい場合は、マイクロバブルの消滅までの時間が長くなるか、又は消滅することなく残存するため、水酸基ラジカルが形成できない。

0029

ここで、マイクロバブルの直径については、例えば、CCDカメラで気泡の写真撮影し、実際の気泡の直径を測定することで得ることができる。
なお、マイクロバブルの動き激しくCCDカメラ撮影のピントが合わせられない場合は、撮影の瞬間だけ、ポンプを止めることでマイクロバブルの発生を止めて、CCDカメラの撮影を行うことができる。

0030

また、前記めっき液中の前記マイクロバブルの発生量は、前記被めっき材の表面近傍において、少なくとも平均2×109個/m3とすることが好ましい。前記マイクロバブルの発生量が、少なくとも平均2×109個/m3あれば、必要な量の水酸基ラジカルが、前記被めっき材の表面近傍で、水素気泡H2の発生を抑制することができるからである。
さらに、前記めっき液中の前記マイクロバブルの発生量は、前記被めっき材の表面近傍において、少なくとも平均3×109個/m3とすることがより好ましい。より十分な量の水酸基ラジカルが、水素気泡の発生を抑制することができるからである。

0031

ここで、前記マイクロバブルの発生量の測定は、例えば、CCDカメラで撮影した写真のマイクロバブルの個数を数えることで得ることができる。例えば、CCDカメラで撮影した写真の0.5mmの正方形視野の中のピントの合ったマイクロバブルの個数を数え、10の視野で数えたマイクロバブルの個数の平均を算出する。CCDカメラのピントが合う範囲が、例えば、1cmの場合は、前記平均を算出したマイクロバブルの個数は、縦0.5mm、横0.5mm及び奥行1.0cmのめっき液の直方体に発生しているマイクロバブルの個数と考えられる。そのため、前記平均を算出したマイクロバブルの個数に、400倍することで、1cm3当たりのマイクロバブルの個数が得られるので、さらに106倍することで、1m3当たりのマイクロバブルの個数を求めることができる。

0032

また、本発明の電気めっき方法では、前記めっき浴の表面張力を、58.8×10−3N/m以下にすることが好ましい。めっき浴の表面張力が58.8×10−3N/m以下の場合、マイクロバブルが発生するからである。
ここで、58.8×10−3N/m以下の表面張力を得るためには、例えば、所定量(2.3mol/m3程度)のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)をめっき液に添加する方法が挙げられる。

0033

なお、前記マイクロバブルの発生方法については、特に限定されず、公知の方法によって発生させることができる。例えば、マイクロバブルの直径のばらつきが少ないという観点から、前記マイクロバブルは、図3に示すように、前記めっき浴2からめっき液の一部を取り込み、該取り込んだめっき液中に、加圧した気体を微細孔を通して押し出すことよって、マイクロバブルを生成させ、その後、該マイクロバブルが充填されためっき液を、前記めっき浴中にもどすことによって、発生させることが好ましい。前記微細孔を用いたマイクロバブル6の発生方法は、発生するマイクロバブルの直径が前記微細孔の径によって決まるため、発生するマイクロバブルの直径のばらつきが少なくなるからである。

0034

図3に示すように、前記めっき浴2からめっき液の一部を、ポンプ7によって取込口10aから取り込み、該取り込んだめっき液を管を通してマイクロバブル発生器8に入れ、同時に、流量計11bによって流量を計測しながら気体ボンベ9から加圧した気体を、前記マイクロバブル発生器8に供給し、該マイクロバブル発生器8の中は図4に示すように、該マイクロバブル発生器8に入れためっき液を流しながら、前記加圧した気体82を、壁が有する複数の微細孔81を通して押し出すことによって、マイクロバブル64を生成させ、その後、該マイクロバブル64が充填されためっき液を、図3に示すように、流量計11aによって流量を計測しながら、管を通して戻し口10bから前記めっき浴2中に排出しもどすことによって発生させることもできる。

0035

ここで、微細孔81とは、多孔質材料が有する微細な空孔のことをいい、例えば、シラス多孔質ガラス(SPG)が有している。該SPGは、マイクロサイズナノサイズの均一な微細孔を極めて多数有し、その微細孔の大きさを自由に変えることができる。該SPGの均一な微細孔を通して、気体82又は油液を一定の圧力で押し出すことにより、押し出される側に流れている水溶液(例えば、めっき液)中に、均一な気泡64又は油滴を分散できることが知られている。(光輝、NEW GLASS、2008、Vol.23、No.1、pp28−33)

0036

また、前記マイクロバブルは、例えば、図5に示すように、前記めっき浴2からめっき液の一部を取り込み、該取り込んだめっき液と気体とを混合した後、該めっき液と該気体の混合物に旋回をかけ、その後、前記旋回をかけた該混合物を前記めっき浴へ放出することによっても、発生させることができる。前記旋回による方法を用いたマイクロバブル6の発生方法は、発生するマイクロバブルの直径のばらつきを少なくできるからである。

0037

図5に示すように、前記めっき浴2からめっき液の一部を、ポンプ7によって取込口10から取り込み、該取り込んだめっき液を流量計11aによって流量を計測しながら、管を通してマイクロバブル発生器80に入れ、同時に、流量計11bによって流量を計測しながら、気体ボンベ9から気体を前記マイクロバブル発生器80に供給し、該マイクロバブル発生器80の中は図6に示すように、該取り込んだめっき液20と気体12とを混合した後、該めっき液20と該気体12の混合物に、回転している羽根13によって旋回をかけ旋回流14を発生し、その後、該旋回流14となった該混合物を、前記めっき浴2へ放出することによって、該旋回流14の渦が瞬間的に崩壊し、渦中の気体12が細分化されマイクロバブル6を発生させることもできる。ここで、旋回とは、円を描くように回ることをいう。

0038

なお、マイクロバブルの発生方法としては、上述の発生方法以外にも、例えば、加圧溶解による方法、圧壊による方法、固体包理による方法又は化学反応による方法も挙げられる。加圧溶解による方法は、高圧で気体を液体に溶解させた後、その圧力を解放することによって気体の過飽和状態をつくり、過飽和の気体を液体から飛び出させマイクロバブルを発生させる。圧壊による方法は、超音波衝撃波による急激な圧力変化を利用し、マイクロバブルを発生する。また、固体包理による方法は、半固体中に封入された微細な気泡が液体に溶けることによってマイクロバブルを発生させる。さらに、化学反応による方法は、例えば、炭酸塩に酸を混合し難溶性の二酸化炭素を発生させるように、化学反応によってガスを発生させることによってマイクロバブルを発生させる。

0039

(電気めっき材)
本発明の電気めっき方法によって得られた電気めっき材は、上述したように、ピンホールやピットのない均一なめっき層が形成されており、優れた耐久性や防食性、優れた外観性を有する。

0040

以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。

0041

(実施例)
図3及び図4に示す電気めっき方法を用いて、真鍮を被めっき材(陰極)4としニッケル材を陽極5として、ニッケルめっきを行った。
前処理として、真鍮の被めっき材4を、50度C5分間アルカリ液に浸漬し脱脂した後、被めっき材の表面での電流密度が5.0×104A/m2となるようにニッケル板と真鍮とに電圧を加え、50度C5分間アルカリ液を用いた電気分解により脱脂し、5%濃度の硫酸で1分間浸漬した後、純粋で3回すすいだ。
また、めっき浴の組成は、280〜340Kg/m3の濃度の硫酸ニッケル、50〜70Kg/m3の塩化ニッケル及び40〜60Kg/m3のほう酸添加剤を加えたもので、約4×10−3m3の容量があり、めっき浴の温度は60°Cであった。
また、めっき浴には、2.3mol/m3のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を添加した。該めっき液の表面張力を測定したところ、58.8×10−3N/mであった。
なお、ニッケルめっきは、マイクロバブル6を発生しながら、被めっき材4の表面での電流密度が6.0×104A/m2となるようにニッケル板と真鍮とに電圧を加え、8.5分間行った。

0042

ここで、マイクロバブルの発生の方法は、図4に示すように、微細孔81を通して加圧した気体82を押し出すことによって、マイクロバブルを発生させた後、該マイクロバブルが充填されためっき液を、めっき液の流れに沿って、前記めっき浴中に戻すことで行った。
また、前記マイクロバブルが充填されためっき液の流量は、図3に示すように、流量計11aで測定し、毎分5.5×10−3m3であった。なお、マイクロバブルは、それぞれ窒素、空気と酸素が入った3本の気体ボンベ9を使用して発生し、気体の流量は、流量計11bで測定し、毎分1.0×10−3m3であり、気体の圧力は0.2N/m2であった。
上述のような工程に従って、実施例のサンプルを作製した。そして、マイクロバブルとして窒素、空気及び酸素のガス(気体)を用いて3種のサンプルを作製した。

0043

発生しているマイクロバブルをCCDカメラで撮影し、マイクロバブルの直径を測定したところ、マイクロバブルの平均直径は、窒素、空気と酸素のいずれの場合も、30μmであった。
また、マイクロバブルの発生量は、CCDカメラで撮影した画像から、マイクロバブルの個数を数え算出したところ、窒素、空気と酸素のいずれの場合も、平均3×109個/m3〜平均4×109個/m3であった。
また、マイクロバブルを発生した状態で、被めっき材の近傍のマイクロバブルを含むめっき液をビーカに取り出し、該取り出しためっき液にDMPO(5,5−dimethyl−1−pyrroline−N−oxide)を添加し、ESRスペクトルを観察した。その結果、空気と酸素を用いてマイクロバブルを発生させてめっきをした場合、水酸基ラジカルが形成されることが確認できた。また、酸素を用いたマイクロバブルの場合は、空気を用いたマイクロバブルの場合に比べ、形成される水酸基ラジカルの量が多いことが確認できた。
さらにまた、後処理として、水洗いをした後、めっきされた真鍮を、5%の濃度の硫酸に約5秒間浸漬し、さらに水洗いしメタノール置換をした後、ドライヤーで乾燥させた。

0044

(比較例)
なお、比較のため、前記マイクロバブルを発生させなかったこと以外は、上述した同じめっき条件で、真鍮の被めっき材に電気めっきをし、比較例のサンプルを1つ作製した。
これにより、3種の実施例のサンプルと比較例のサンプルの合計4種のサンプルについて評価を行った。

0045

評価方法
(1)表面粗さ
各サンプルについて、形成しためっき層の表面粗さの程度を、AFMで測定及び観察することによって評価を行った。表面粗さが大きい程、被めっき材の表面上に付着する水素気泡によるニッケルの結晶成長への悪影響が大きいと考えられる。

0046

AFMによる表面粗さの測定及び観察結果図7に示す。マイクロバブルを発生させないサンプルの表面粗さは7.5nmであり、窒素を用いたマイクロバブルのサンプルの表面粗さは、6.3nmであり、一方、空気及び酸素を用いたマイクロバブルのサンプルの表面あらさは、それぞれ、5.1nm及び4.5nmであった。マイクロバブルの発生によって、被めっき材の表面上に付着する水素気泡を効果的に抑制することができるため、ニッケルの結晶成長の配向が良くなり、めっき層の表面がより平滑な表面になったと考えられる。また、酸素を含む空気及び酸素を用いたマイクロバブルの場合が、めっき表面が平滑になる効果がより大きいことがわかった。

実施例

0047

(2)外観性
図7の写真から、形成しためっき層の表面のピンホールに関し、マイクロバブルを発生させないサンプルでは、いくつかのピンホールが観察され、窒素を用いたマイクロバブルのサンプルは、ピンホールの大きさと数が減り、空気を用いたマイクロバブルのサンプルは、ピンホールの大きさと数がさらに減り、ピンホールがほとんど見られず、酸素を用いたマイクロバブルのサンプルには、ピンホールが見られないことがわかった。
マイクロバブルの発生によって、めっき層の表面のピンホールの数と大きさが減少することがわかった。特に、酸素を含む空気及び酸素を用いたマイクロバブルのサンプルでは、ピンホールがほとんど見られないか、無くなることがわかった。マイクロバブルの発生によって、被めっき材の表面上に付着する水素気泡を効果的に抑制できているといえる。
なお、各サンプルについて、めっき層の表面の状態をSEMで観察した。図8(a)に示すように、マイクロバブルを発生させない場合と窒素を用いたマイクロバブルの場合は、表面に縞模様が見られたが、一方、空気及び酸素を用いたマイクロバブルの場合の表面には、縞模様は見られなかった。酸素を含む空気及び酸素を用いたマイクロバブルの場合、マイクロバブルの発生によって、被めっき材の表面上に付着する水素気泡をより効果的に抑制することができるため、めっき層の表面がより平滑な表面になったといえる。
なお、図8(b)は、縞模様を説明するために、模式的に示した図である。

0048

本発明によれば、従来の電気めっき技術に比べて、被めっき材の表面上に付着する水素気泡を効果的に抑制することができる。その結果、ピンホールやピットのない均一なめっき層を形成することが可能となり、産業上有用である。

0049

1めっき槽
2めっき浴
20めっき液
電源
4被めっき材(陰極)
5陽極
6、61、64マイクロバブル
62縮小するマイクロバブル
63消滅するマイクロバブル
7ポンプ
8、80マイクロバブル発生器
81微細孔
82気体
9気体ボンベ
10、10a 取込口
10b 戻し口
11a、11b流量計
12 気体
13 回転する羽根
14旋回流
15 めっき液の流れ
16 縞模様

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 住友金属鉱山株式会社の「 金属膜付き樹脂フィルムの製造装置と製造方法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】湿式メッキ法で金属シード層上に形成される金属膜にピンホールが生じ難い金属膜付き樹脂フィルムの製造装置と製造方法を提供する。【解決手段】真空成膜法で金属シード層を成膜した長尺樹脂フィルム601が... 詳細

  • 矢崎総業株式会社の「 端子嵌合構造」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】端子同士が嵌合するにあたり銀系めっきが施された端子にインデントが摺動する構成において、嵌合時の挿入力の低減を図ることが可能な端子嵌合構造を提供する。【解決手段】端子嵌合構造1は、突起状のインデ... 詳細

  • 株式会社三井ハイテックの「 リードフレーム、及びリードフレームパッケージ」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】樹脂との密着性に優れるリードフレームを提供すること。【解決手段】リードフレーム100は、基材10と、基材10を覆う表面層12と、を備える。表面層12は、主成分としてCuOを含有する針状酸化物1... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ