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技術 オリゴマー析出防止ポリエステルフィルム

出願人 東洋紡株式会社
発明者 西尾明子森憲一
出願日 2015年7月1日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2015-132518
公開日 2017年1月19日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-014392
状態 特許登録済
技術分野 高分子成形体の被覆 積層体(2)
主要キーワード 加熱加工後 ブロッキング問題 静摩擦係数μ 乾燥後塗膜 金属製コア 巻ずれ 環状オリゴマー量 対樹脂
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

加熱加工後の透明性に優れ、オリゴマー析出が極めて少ないポリエステルフィルムの提供。

解決手段

ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に、20nm以上の厚みの塗布層が設けられてなる積層ポリエステルフィルムであって、フィルムの片面とその反対面とが接するように重ねられたときの接触面の静摩擦係数μsが0.1〜0.6であり、且つ150℃で60分加熱処理する前後のヘイズの増加量であるΔヘイズが0.3%以下であり、前記加熱処理前のヘイズが1.5%以下であるオリゴマー析出防止ポリエステルフィルム。塗布層が粒子を含有し、粒子の平均粒径が50〜200nmであり塗布層より大きいオリゴマー析出防止用ポリエステルフィルム。

概要

背景

ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性平坦性耐熱性耐薬品性光学特性等の優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種用途において使用されている。

ポリエステルは、通常、ジカルボン酸成分とグリコール成分とから重縮合反応により製造される線状ポリマーである。しかし、従来から公知のポリエステルは、数%の環状三量体等のオリゴマーを含有している。このような環状三量体等のオリゴマーは、ポリエステルフィルムを加熱処理すると、フィルム表面にオリゴマーが析出し、フィルムが白化するという問題がある。特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、その用途が多様化するにつれ、フィルムの加工条件使用条件も多様化し、例えば、フィルム表面へのオリゴマー析出は、光学用途等の高度に透明性が要求される場合等に大きな問題となっている。生産性の点から後加工に施される熱処理温度高温化するにつれ、加熱処理によるオリゴマーの析出はより深刻となりつつある。

そこで加熱によるオリゴマーの析出を抑制する方法として、ポリエステルフィルム中オリゴマーを低減させるため、固相重合法によりポリエステル原料環状オリゴマー量を低減することが提案されている(特許文献1及び2参照)。この方法では環状オリゴマーの低減は図れるものの、同時にポリエステルの重縮合反応も進行し、得られたポリエステルの重合度が高くなり、押し出し成型を行う際、負荷が大きくなるという問題がある。

また、一般的なポリエステルフィルムに特定の塗布層を付与し表面改質することにより、加熱後のオリゴマー析出を抑制する提案がされている。(特許文献3参照)

概要

加熱加工後の透明性に優れ、オリゴマーの析出が極めて少ないポリエステルフィルムの提供。ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に、20nm以上の厚みの塗布層が設けられてなる積層ポリエステルフィルムであって、フィルムの片面とその反対面とが接するように重ねられたときの接触面の静摩擦係数μsが0.1〜0.6であり、且つ150℃で60分加熱処理する前後のヘイズの増加量であるΔヘイズが0.3%以下であり、前記加熱処理前のヘイズが1.5%以下であるオリゴマー析出防止ポリエステルフィルム。塗布層が粒子を含有し、粒子の平均粒径が50〜200nmであり塗布層より大きいオリゴマー析出防止用ポリエステルフィルム。なし

目的

本発明は、上記の従来技術が有する問題点を解決し、加熱加工後の透明性に優れ、オリゴマーの析出が極めて少ないポリエステルフィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に、20nm以上の厚みの塗布層が設けられてなる積層ポリエステルフィルムであって、フィルムの片面とその反対面とが接するように重ねられたときの接触面の静摩擦係数μsが0.1以上0.6以下であり、且つ150℃で60分加熱処理する前後のヘイズの増加量であるΔヘイズが0.3%以下であり、前記加熱処理前のヘイズが1.5%以下であることを特徴とするオリゴマー析出防止ポリエステルフィルム

請求項2

塗布層が粒子を含有し、粒子の平均粒径が50nm以上200nm以下であり、塗布層の厚みより大きいことを特徴とする請求項1に記載のオリゴマー析出防止ポリエステルフィルム。

技術分野

0001

本発明は、工業用包装用に用いられるポリエステルフィルムに関するものである。更に詳しくは、優れた加熱後オリゴマー析出防止性を有するポリエステルフィルムに関するものである。

背景技術

0002

ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性平坦性耐熱性耐薬品性光学特性等の優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種用途において使用されている。

0003

ポリエステルは、通常、ジカルボン酸成分とグリコール成分とから重縮合反応により製造される線状ポリマーである。しかし、従来から公知のポリエステルは、数%の環状三量体等のオリゴマーを含有している。このような環状三量体等のオリゴマーは、ポリエステルフィルムを加熱処理すると、フィルム表面にオリゴマーが析出し、フィルムが白化するという問題がある。特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、その用途が多様化するにつれ、フィルムの加工条件使用条件も多様化し、例えば、フィルム表面へのオリゴマー析出は、光学用途等の高度に透明性が要求される場合等に大きな問題となっている。生産性の点から後加工に施される熱処理温度高温化するにつれ、加熱処理によるオリゴマーの析出はより深刻となりつつある。

0004

そこで加熱によるオリゴマーの析出を抑制する方法として、ポリエステルフィルム中オリゴマーを低減させるため、固相重合法によりポリエステル原料環状オリゴマー量を低減することが提案されている(特許文献1及び2参照)。この方法では環状オリゴマーの低減は図れるものの、同時にポリエステルの重縮合反応も進行し、得られたポリエステルの重合度が高くなり、押し出し成型を行う際、負荷が大きくなるという問題がある。

0005

また、一般的なポリエステルフィルムに特定の塗布層を付与し表面改質することにより、加熱後のオリゴマー析出を抑制する提案がされている。(特許文献3参照)

先行技術

0006

特開平9−99530号公報
特開2000−141570号公報
特開2005−336394号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながらポリエステルフィルムの加熱の条件がより高温となる場合で、透明度に対する要求が高い場合には、公知の塗布層による表面改質のみでは、オリゴマーの析出を防止する効果が不十分な場合がある。具体的にはポリエステルフィルムをロール状に巻取り保管運搬する場合、オリゴマー析出防止機能が巻取り前のポリエステルフィルムと比較して悪化することがあった。

0008

本発明は、上記の従来技術が有する問題点を解決し、加熱加工後の透明性に優れ、オリゴマーの析出が極めて少ないポリエステルフィルムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記ポリエステルフィルムが著しくオリゴマー析出防止効果発現することを見出した。即ち、本発明は以下の構成よりなる。

0010

1.ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に、20nm以上の厚みの塗布層が設けられてなる積層ポリエステルフィルムであって、フィルムの片面とその反対面とが接するように重ねられたときの接触面の静摩擦係数μsが0.1以上0.6以下であり、且つ150℃で60分加熱処理する前後のヘイズの増加量であるΔヘイズが0.3%以下であり、前記加熱処理前のヘイズが1.5%以下であることを特徴とするオリゴマー析出防止ポリエステルフィルム
2. 塗布層が粒子を含有し、粒子の平均粒径が50nm以上200nm以下であり、塗布層の厚みより大きいことを特徴とする上記第1に記載のオリゴマー析出防止ポリエステルフィルム。

発明の効果

0011

本発明のオリゴマー析出防止ポリエステルフィルムは、加熱加工後の透明性に優れ、オリゴマーの析出がほとんどない。そのため高温での後加工処理が可能であることから、高品位が必要とされる光学用途をはじめとした工業用途において好適に使用されるフィルムである。

0012

本発明のポリエステルフィルムがオリゴマー析出防止効果を発現する理由について以下の様に考えている。即ち、従来のフィルム塗布層による表面改質では防ぎきれないオリゴマーの析出は、極微小な塗布層の欠陥を介して表面に析出するものであり、そのような欠陥を発生させる原因はフィルムの表面にかかる局所的な摩擦力によると考えられる。

0013

本発明においてはフィルムの片面とその反対面との静摩擦係数一定値以下にすることにより、塗布層への摩擦力を軽減し、また一定値以上に保つことにより、フィルムをロール状に巻き取ったときの巻きずれによる局所的な圧力負荷緩和し、好適に加熱加工後の透明性に優れ、環状オリゴマーの析出を防止するに至ったものと考えられる。

0014

以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のオリゴマー析出防止ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に塗布層を有する積層ポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム基材は、公知の方法を用いてポリエステル樹脂溶融押出延伸されてなるフィルムであって、その厚みが10〜250μmのものが好適に用いられる。また、ポリエステルフィルム基材は、各種安定剤、紫外線防止剤帯電防止剤滑剤顔料酸化防止剤、及び可塑剤などを含有していてもよい。

0015

ポリエステル樹脂はホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸脂肪族ジオールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なホモポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレートPTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等が例示され、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン酸オキシカルボン酸( 例えば、P−オキシ安息香酸など) 等から選ばれる一種または二種以上が挙げられ、ジオール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等から選ばれる一種または二種以上が挙げられる。何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常60モル% 以上、好ましくは80 モル%以上がエチレンテレフタレート繰り返し単位とするポリエステルであることが好ましい。

0016

ポリエステルフィルム基材中に含まれるオリゴマー量の下限は好ましくは0.25質量%であり、より好ましくは0.3質量%であり、さらに好ましくは0.35質量%である。ポリエステルフィルム基材中に含まれるオリゴマー量が0.25質量%以上であれば、オリゴマー量を減らすための処理に特別に長い時間を必要とせず、生産性の点で好ましい。

0017

ポリエステルフィルム基材中に含まれるオリゴマー量の上限は、好ましくは1質量%であり、より好ましくは0.95質量%であり、さらに好ましくは0.9質量%である。ポリエステルフィルム基材中に含まれるオリゴマー量が1質量%以下であると、塗布層によるオリゴマー析出抑制効果が特に発揮され易く好ましい。

0018

本発明のオリゴマー析出防止ポリエステルフィルムは、ロール状に巻き上げられた場合に、そのオリゴマー析出防止効果が顕著に現れるものである。本発明のオリゴマー析出防止ポリエステルフィルムによるフィルムロールにおいて、フィルムロールの幅は、特に制限されるものではないが、取扱い易さの点から、フィルムロールの幅の下限は、0.7m以上であると好ましく、1.0m以上であるとより好ましい。一方、フィルムロールの幅の上限は、後加工する客先の装置の大きさによって定まるが、現状では2.2mが最大幅と考えられており、2.0m以下であるとより好ましく、1.5m以下であるとさらに好ましい。加えて、フィルムロールの巻長も、特に制限されないが、巻き易さや取扱い易さの点から、フィルムが10μm程度の厚みである場合には、10000m以下であると好ましく、8000m以下であるとより好ましい。また、フィルムが250μm程度の厚みである場合には、2000m以下であると好ましく、1800m以下であるとより好ましい。したがって、フィルムの厚みが10〜250μmの中間である場合には、500m以上10000m以下の巻長となるように設定するのが好ましい。巻長の下限としては100mが好ましい。巻長が100m以上の場合に、本発明における表裏滑り性の最適化の効果が、より鮮明に発揮されるものである。

0019

なお、巻取りコアとしては、通常、3インチ、6インチ、8インチ等の紙、プラスチックコア金属製コアを使用することができる。

0020

本発明のポリエステルフィルムの塗布層に使用される樹脂の種類としては特に限定はなく、好ましくはPMMA樹脂アミノアクリル樹脂シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。

0021

塗布層に用いられる樹脂のTgは好ましくは90℃以上200℃以下であり、より好ましくは95℃以上170℃以下であり、さらに好ましくは100℃以上150℃以下である。Tgが90℃以上であると、オリゴブロック性が低下がなく好ましい。Tgが200℃を超える樹脂は、具体的に透明樹脂として好適に使用できそう樹脂があまりない。

0022

フィルム自体の透明性を維持しつつ、フィルム表裏の滑り性を発現させる手段としては、オリゴマーを析出防止する塗布層中に粒子を添加する方法や、オリゴマーを析出防止する塗布層とは反対の面に易滑層をコートする方法、基材となるフィルムの表層のみに粒子を分散した層を設ける方法等が挙げられる。

0023

塗布層中に粒子を添加する場合は、塗布層中に含まれる粒子の平均粒径の下限は好ましくは50nmであり、より好ましくは60nmであり、さらに好ましくは70nmである。平均粒径が50nm以上であると、滑り性が不十分になることがなく、キズが付きにくいので、オリゴマーが析出しにくく好ましい。

0024

塗布層中に含まれる粒子の平均粒径の上限は好ましくは200nmであり、より好ましくは180nmであり、さらに好ましくは160nmである。粒子の平均粒径が200nm以下であると、ヘイズが低く、透明性が保たれて好ましい。そして、粒子の平均粒径は、塗布層の厚みより大きいことが好ましい。粒子の平均粒径が、塗布層の厚みより大きいことにより、効果的に適度な滑り性が得られ、結果としてオリゴマー析出抑制効果が得られるものである。より好ましくは、粒子の平均粒径は、塗布層の厚みより15nm以上大きいことが更に好ましく、特に好ましくは20nm以上である。但し、あまりにも塗布層の厚みに対して粒子の平均粒径が大き過ぎると、擦過により粒子が脱落し易くなるので、粒子の平均粒径は塗布層の厚みより100nm以下の範囲で大きいことが好ましい。

0025

粒子の平均粒径の測定方法は、加工後の積層フィルムの断面の粒子を走査型電子顕微鏡で観察を行い、粒子100個を観察し、その平均値をもって平均粒径とする方法で行った。

0026

本発明の目的を満たすものであれば、粒子の形状は特に限定されるものでなく、球状粒子不定形の球状でない粒子を使用できる。不定形の粒子の粒径円相当径として計算することができる。円相当径は、観察された粒子の面積をπで除し、平方根を算出し2倍した値である。

0028

塗布層中に含まれる粒子含有量の下限は好ましくは4質量(%、対樹脂)であり、より好ましくは5質量(%、対樹脂)である。4質量%以上であると、滑り性が保持され、キズが付きにくいので、オリゴマーが析出しにくく好ましい。

0029

塗布層中に含まれる粒子含有量の上限は好ましくは20質量(%、対樹脂)であり、より好ましくは17質量(%、対樹脂)であり、さらに好ましくは15質量(%、対樹脂)である。20質量%以下であると、ヘイズが高過ぎることなく、透明性が保たれて好ましい。上記粒子含有量は塗布層の樹脂固形分に対する粒子含有量の質量%で表したものである。

0030

塗布層の厚みの下限は好ましくは20nmであり、より好ましくは30nmであり、さらに好ましくは40nmである。塗布層の厚みが20nm以上であると、オリゴマー析出抑制効果が明瞭となり好ましい。

0031

塗布層の厚みの上限は好ましくは150nmであり、より好ましくは130nmであり、さらに好ましくは120nmである。塗布層の厚みが150nm以下であると、ブロッキング問題を起こしづらく好ましい。

0032

塗布層の厚み/塗布層中の粒子の平均粒径の比の下限は、好ましくは0.1であり、より好ましくは0.2であり、さらに好ましくは0.3である。塗布層の厚み/塗布層中の粒子の平均粒径の比が0.1以上であると、粒子が脱落することがなく、フィルム表面に傷が付くおそれがなく、オリゴマーが析出しにくいので好ましい。

0033

塗布層の厚み/塗布層中の粒子の平均粒径の比の上限は、好ましくは0.9であり、より好ましくは0.85であり、さらに好ましくは0.83である。塗布層の厚み/塗布層中の粒子の平均粒径の比が0.9以下であると、滑り性が不十分になることがなく、フィルム表面に傷が付きにくいので、オリゴマーが析出しにくく好ましい。

0034

ポリエステルフィルム基材表面上に下塗り層を設けても良いが、下塗り層の樹脂はポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂の酸成分として、ナフタレンジカルボン酸を含有させることが好ましく、ナフタレジカルボン酸を含有させることで、屈折率が増加し、蛍光灯下での虹彩状色彩を抑制しやすくなり好ましい。これらによりオリゴブロック層との接着性向上、屈折率を調整して光線透過率向上効果も期待できる。また、下塗り層中には架橋剤を含有させても良い。架橋剤を含有させることにより、オリゴマー析出抑制のための塗布層を塗布する際の耐溶剤性を高めることができる。架橋剤としては、尿素系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系、オキサゾリン系等が挙げられる。これらの中で、塗液の経時安定性、高温高湿処理下の密着性向上効果からメラミン系、イソシアネート系、オキサゾリン系がより好ましい。また、架橋反応を促進させるため、触媒等を必要に応じて適宜使用することも好ましい。

0035

下塗り層の厚みの下限は好ましくは5nmであり、より好ましくは10nmである。下塗り層の厚みが5nm以上であるとオリゴブロック層との密着性が高まり好ましい。

0036

下塗り層の厚みの上限は好ましくは100nmであり、より好ましくは80nmである。下塗り層の厚みが100nm以下であると、ヘイズが大きくなり過ぎず、高透明性が損なわれるおそれがなく好ましい。

0037

下塗り層の屈折率の下限は好ましくは1.5であり、より好ましくは1.53であり、さらに好ましくは1.55である。下塗り層の屈折率が1.5以上であると、光線透過率向上効果が明瞭となり、好ましい。

0038

下塗り層の屈折率の上限は好ましくは1.7であり、より好ましくは1.67であり、さらに好ましくは1.65である。下塗り層の屈折率が1.7以下であると、ヘイズ高くなる過ぎることがなく、高透明性が保持されて好ましい。

0039

下塗り層の屈折率を高く調節するためには、下塗り層に高屈折率粒子を含有させることが好ましい。下塗り層中の高屈折率粒子としては特に限定はないが、具体的には屈折率1.7以上3.0以下の金属酸化物粒子が挙げられる。このような金属酸化物としては、TiO2(屈折率2.7)、ZnO(屈折率2.0)、Sb2O3(屈折率1.9)、SnO2(屈折率2.1)、ZrO2(屈折率2.4)、Nb2O5(屈折率2.3)、CeO2(屈折率2.2)、Ta2O5(屈折率2.1)、Y2O3(屈折率1.8)、La2O3(屈折率1.9)、In2O3(屈折率2.0)、Cr2O3(屈折率2.5)等、及びこれらの金属原子を含む複合酸化物等が挙げられる。
が挙げられる。

0040

本発明において、ポリエステルフィルム基材にオリゴマー析出抑制効果を有する塗布層を設ける方法としては、リバースロールコーターグラビヤコーターロッドコーター、エアドクターコーター、あるいはこれら以外の塗布装置を用いて、ポリエステルフィルム製造工程外で塗布する方法が好ましい。フィルム製造工程中に塗布してもよいが、塗布後の延伸で塗布層に微小な欠陥が生じないよう注意しなければならない点で、前者のポリエステルフィルム製造工程外で塗布する方法がより好適である。

0041

塗布層を形成する塗布液固形分濃度の下限は好ましくは0.1質量%であり、より好ましくは0.2質量%である。塗布液の固形分が0.1質量%以上であると、塗膜の耐溶剤性を満足し、ロール状にした場合に塗布層の一部が背面側に転移する問題を起こさないので好ましい。

0042

塗布層の固形分濃度の上限は好ましくは10質量%であり、より好ましくは5質量%である。塗布層の固形分濃度が10質量%以下であると、粘度が高くなり過ぎず、塗工性が良好で、塗布層が均一になり易く好ましい。

0043

塗布後の乾燥温度の下限は好ましくは70℃であり、より好ましくは80℃であり、さらに好ましくは90℃である。乾燥温度が70℃以上であると、樹脂が硬化が不十分になりにくく、オリゴマー析出抑制効果が効果的に発揮される。

0044

塗布後の乾燥温度の上限は180℃であり、好ましくは170℃であり、より好ましくは160℃である。乾燥温度が180℃以下であると、熱による基材の変形のおそれがなく、平面性が保たれ好ましい。

0045

塗布後の乾燥時間の下限は10秒であり、好ましくは15秒以上であり、より好ましくは20秒以上である。乾燥時間が10秒以上であると、硬化不良を起こさず、オリゴマー析出抑制効果が確実に得られる。

0046

塗布後の乾燥時間の上限は120秒であり、好ましくは90秒以下であり、より好ましくは60秒以下である。塗布後の乾燥時間が120秒以下であると、熱による基材の変形の問題がなく、平面性が保たれて好ましい。

0047

フィルムの片面と、その反対面とが接するように重ねたときの、接触面の静摩擦係数の下限は好ましくは0.1である。実際に工業的に量産できる範囲として前記静摩擦係数は0.1程度である。

0048

フィルムの片面と、その反対面とが接するように重ねたときの、接触面の静摩擦係数の上限は好ましくは0.6であり、より好ましくは0.5である。静摩擦係数が0.6以下であると、傷が付くおそれがなく、オリゴマー析出抑制効果が顕著に得られ好ましい。

0049

最終的に塗布層を設けたポリエステルフィルム基材の片面と、その反対面が接するように重ねたときの接触面同士の静摩擦係数は0.2以上0.5以下がより好ましい。特に好ましくは0.3以上0.4以下である。静摩擦係数が0.6以下の場合には、塗布層にかかる摩擦力が大きくなり過ぎず、塗布層に傷やひび割れが起こることがないので、オリゴマー析出防止性が損なわれるおそれがない。一方で、静摩擦係数が0.1以上の場合には巻取り後滑り過ぎる問題がなく、巻ずれ送りにくいので、局所的な圧力が加わる問題がなく、塗布層に傷やひび割れが生じるおそれがない。

0050

製造後、特に熱処理していない初期ヘイズの上限は好ましくは1.5%であり、より好ましくは1.3%であり、さらに好ましくは1.2%であり、特に好ましくは1.0%である。初期ヘイズが1.5%以下であると、透明性の点で好ましい。

0051

150℃で60分加熱処理する前後のヘイズの増加量であるΔヘイズの上限は好ましくは0.3%であり、より好ましくは0.2%であり、さらに好ましくは0.1%である。Δヘイズが0.3%以下であると、加熱後のフィルムの透明性も保持され、光学特性が保たれる。また、Δヘイズが0.3%以下であると、ロール状に巻き取ったフィルムを長期保存後に巻きだした際にオリゴマー析出が抑制され、透明性が保持され好ましい。

0052

本発明におけるΔヘイズは加熱による白化しやすさの指標であり、Δヘイズ=(加熱後ヘイズ)−(加熱前ヘイズ)で表される。Δヘイズ0.3以下という範囲は、暗室でフィルムに強力ライトを当て目視で白化を確認し、加熱による白化がないと判断される場合のヘイズの加熱前後の増加量に相当する。

0053

以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「部」とあるのは「重量部」を示す。

0054

評価方法
(1)ヘイズ
JIS K 7105「プラスチック光学的特性試験方法」ヘイズ(曇価)に準拠して測定した。測定器には、日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いた。

0055

(2)熱処理する前後のヘイズの増加量(△ヘイズ)評価
フィルムを50mm×75mm角切り出し、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」ヘーズ(曇価)に準拠して熱処理する前の初期のヘイズを測定した。測定器には、日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いた。加熱後ヘイズを測定するために、試料フィルム片の加熱処理前にヘイズ評価しなかった方の面に保護フィルム森工業製PC−T073)を気泡が入らないようにローラーを用いて密着させる。保護フィルムを貼り付けた状態でフィルムを150℃に加熱したオーブン内にセットし、60分間経過後フィルムを取り出す。その後保護フィルムを剥離し、フィルムを上記と同様の方法でヘイズを測定し、加熱後ヘイズを得る。この加熱前後ヘイズ差を△ヘイズとする。
Δヘイズ(%)=(加熱後ヘイズ)−(加熱前ヘイズ)

0056

(3)静摩擦係数の測定
万能試験機島津製作所(株)製、AGS−1kNG)を用いて、フィルムの片面と、それの反対面とが接するように重ねたときの、接触面の静摩擦係数(μs)をJIS K−7125に順じて下記条件で測定した。
試験片:幅50mm×長さ60mm
荷重:4.4kg
試験速度:200mm/min

0057

(実施例1)
メラミン架橋アルキル変性アルキド樹脂日立化成ポリマー社製:テスフイン322:固形分40%)2.5部、酸触媒としてP-トルエンスルホン酸(日立化成ポリマー社製:ドライヤー900)0.025部、滑剤としてシリカゾルメチルエチルケトン分散液(日産化学工業社製:MEK−ST−L:固形分30%)0.3部、をトルエン50部、メチルエチルケトン47.2部混合溶液に溶解させて調整した固形分1重量%の塗布液を、厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム東洋紡社製:A4100)の無滑面に塗布し、150℃で1分間乾燥し、塗布層の厚みを75nmとした。

0058

(実施例2)
実施例1の塗布液を、乾燥後塗膜厚みが25nmとなるようにコートする以外は実施例1と同様にフィルムを作成した。

0059

(実施例3)
ポリエステル樹脂(東洋紡社製:バイロン20SS:固形分30%)3.0部、硬化剤としてイソシアネート(日本ポリウレタン社製:コロネートL:固形分75%)0.13部、滑剤としてシリカゾルメチルエチルケトン分散液(日産化学工業社製:MEK−ST−L:固形分30%)0.3部、をトルエン50部、メチルエチルケトン46.8部混合溶液に溶解させて調整した固形分1重量%の塗布液を、厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製:A4100)の無滑面に塗布し、150℃で1分間乾燥し、塗布層の厚みを75nmとした。

0060

(実施例4)
ポリメタクリル酸メチル(三菱レイヨン社製:BR−80:固形分100%)1.0部、滑剤としてシリカゾルメチルエチルケトン分散液(日産化学工業社製:MEK−ST−L:固形分30%)0.3部、をトルエン50部、メチルエチルケトン48.7部混合溶液に溶解させて調整した固形分1重量%の塗布液を、厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製:A4100)の無滑面に塗布し、150℃で1分間乾燥し、塗布層の厚みを75nmとした。

0061

(実施例5)
メラミン架橋アルキル変性アルキド樹脂(日立化成ポリマー社製:テスファイン322:固形分40%)2.5部、酸触媒としてP-トルエンスルホン酸(日立化成ポリマー社製:ドライヤー900)0.025部、滑剤としてシリカゾルメチルエチルケトン分散液(日産化学工業社製:MEK−ST−L:固形分30%)0.18部、をトルエン50部、メチルエチルケトン47.3部混合溶液に溶解させて調整した固形分1重量%の塗布液を、厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製:A4100)の無滑面に塗布し、150℃で1分間乾燥し、塗布層の厚みを25nmとした。

0062

(比較例1)
エチルシリケートコルコート社製コルコートN−103X)50部、水25部、イソプロピルアルコール25部混合した溶液ワイヤーバー#5で(東洋紡社製:A4100)の無滑面に塗布し、150℃で1分間乾燥した。塗布層の厚みは75nmであった。

0063

(比較例2)
メラミン架橋アルキル変性アルキド樹脂(日立化成ポリマー社製:テスファイン322:固形分40%)2.5部、酸触媒としてP-トルエンスルホン酸(日立化成ポリマー社製:ドライヤー900)0.025部、滑剤としてシリカゾルメチルエチルケトン分散液(日産化学工業社製:MEK−ST−L:固形分30%)0.1部、をトルエン50部、メチルエチルケトン47.4部混合溶液に溶解させて調整した固形分1重量%の塗布液を、厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製:A4100)の無滑面に塗布し、150℃で1分間乾燥し、塗布層の厚みを7.5nmとした。

0064

(比較例3)
メラミン架橋アルキル変性アルキド樹脂(日立化成ポリマー社製:テスファイン322:固形分40%)2.5部、酸触媒としてP-トルエンスルホン酸(日立化成ポリマー社製:ドライヤー900)0.025部をトルエン50部、メチルエチルケトン47.5部混合溶液に溶解させて調整した固形分1重量%の塗布液を、厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製:A4100)の無滑面に塗布し、150℃で1分間乾燥し、塗布層の厚みを75nmとした。

実施例

0065

0066

本発明のオリゴマー析出防止ポリエステルフィルムは、加熱加工後の透明性に優れ、オリゴマーの析出がほとんどないため、高温での後加工処理が可能であり、高品位が必要とされる光学用途をはじめとした工業用途や包装一般用途においても好適に使用されるフィルムである。

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