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技術 表面修飾パーライトの製造方法、ろ過助剤、ろ過方法、及び表面修飾パーライト

出願人 三井金属鉱業株式会社株式会社マキノ公立大学法人大阪府立大学
発明者 小林与生笠井誠神谷昌岳近藤充記中平敦
出願日 2015年6月29日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2015-130441
公開日 2017年1月19日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2017-014038
状態 特許登録済
技術分野 珪酸塩及びセ゛オライト、モレキュラーシーブ 固体収着剤及びろ過助剤 収着による水処理 濾過工程・プレコート
主要キーワード 平均比抵抗 セラミックス容器 二方コック Cdイオン Pbイオン 鉱山排水 ゼオラム 半定量分析
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

表面修飾パーライト低温で製造することができ、製造コストを抑制可能な表面修飾パーライトの製造方法を提供する。また、この表面修飾パーライトの製造方法を用いたろ過助剤、このろ過助剤を用いたろ過方法、及び低温で製造することができる表面修飾パーライトを提供する。

解決手段

パーライトとアルミニウム塩とを、アルカリ金属水酸化物水溶液に加える調製工程と、該調製工程で得られた溶液を加熱する加熱工程と、を備えることを特徴とする。

概要

背景

パーライトは、真珠岩原料として、粉砕加熱処理により発泡させることで得られる粉体である。このパーライトはケイ酸アルミニウムを主成分としており、例えばろ過助剤として使用されている。例えば特許文献1には、パーライトをろ過助剤として用いて、ろ過する方法が開示されている。この特許文献1には、パーライトの他に、活性炭ゼオライトカルシウム塩などの粉体を混合してろ過助剤として使用することも開示されている。

また、特許文献2には、パーライトの一部をゼオライト化した人工ゼオライト表面修飾パーライト)が開示されている。この人工ゼオライトは、パーライトとアルカリ金属水酸化物とを含む混合物を、水の共存下に加熱することによって製造することが開示されている。

概要

表面修飾パーライトを低温で製造することができ、製造コストを抑制可能な表面修飾パーライトの製造方法を提供する。また、この表面修飾パーライトの製造方法を用いたろ過助剤、このろ過助剤を用いたろ過方法、及び低温で製造することができる表面修飾パーライトを提供する。パーライトとアルミニウム塩とを、アルカリ金属水酸化物の水溶液に加える調製工程と、該調製工程で得られた溶液を加熱する加熱工程と、を備えることを特徴とする。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、表面修飾パーライトを低温で製造することができ、製造コストを抑制可能な表面修飾パーライトの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

パーライトアルミニウム塩とを、アルカリ金属水酸化物水溶液に加える調製工程と、該調製工程で得られた溶液を加熱する加熱工程と、を備えることを特徴とする表面修飾パーライトの製造方法。

請求項2

前記アルミニウム塩はアルミン酸ナトリウムであり、前記アルカリ金属水酸化物は水酸化ナトリウムであることを特徴とする表面修飾パーライトの製造方法。

請求項3

前記加熱工程において、前記溶液の温度を100℃以下に加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の表面修飾パーライトの製造方法。

請求項4

前記加熱工程において、前記溶液の温度を80℃未満に加熱することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表面修飾パーライトの製造方法。

請求項5

前記調製工程及び前記加熱工程を常圧で行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の表面修飾パーライトの製造方法。

請求項6

前記調製工程において、SiとAlのモル比Si/Alが、2.5未満となるように前記パーライトと前記アルミニウム塩との量を設定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表面修飾パーライトの製造方法。

請求項7

請求項1から6のいずれか一項に記載の表面修飾パーライトの製造方法により製造された表面修飾パーライトからなることを特徴とするろ過助剤

請求項8

請求項7に記載のろ過助剤を被ろ過水に混合し、ろ材を通じて該被ろ過水をろ過することを特徴とするろ過方法。

請求項9

パーライトの表面にゼオライトが形成された構造を有し、SiとAlのモル比Si/Alが4.3以下であることを特徴とする表面修飾パーライト。

技術分野

0001

本発明は、表面修飾パーライトの製造方法、ろ過助剤、ろ過方法、及び表面修飾パーライトに関する。

背景技術

0002

パーライトは、真珠岩原料として、粉砕加熱処理により発泡させることで得られる粉体である。このパーライトはケイ酸アルミニウムを主成分としており、例えばろ過助剤として使用されている。例えば特許文献1には、パーライトをろ過助剤として用いて、ろ過する方法が開示されている。この特許文献1には、パーライトの他に、活性炭ゼオライトカルシウム塩などの粉体を混合してろ過助剤として使用することも開示されている。

0003

また、特許文献2には、パーライトの一部をゼオライト化した人工ゼオライト(表面修飾パーライト)が開示されている。この人工ゼオライトは、パーライトとアルカリ金属水酸化物とを含む混合物を、水の共存下に加熱することによって製造することが開示されている。

先行技術

0004

特開昭61−38611号公報
特開2001−278620号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、ゼオライトは、イオン交換特性吸着特性をはじめとする化学特性を有しており、パーライトのろ過機能とゼオライトの化学特性とを両立したものが求められている。しかしながら、特許文献1に記載のように、パーライトの他にゼオライトを混ぜて、ろ過助剤として使用した場合、ゼオライトが含まれることによりパーライトのろ過機能が大きく低下してしまうことがあった。

0006

一方、特許文献2に記載の人工ゼオライト(表面修飾パーライト)は、パーライトの一部をゼオライト化したときに十分なろ過機能が得られる場合があるが、製造時においてパーライトとアルカリ金属水酸化物とを含む混合物を高温に加熱する必要があり、製造コストが増加する問題があった。

0007

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、表面修飾パーライトを低温で製造することができ、製造コストを抑制可能な表面修飾パーライトの製造方法を提供することを目的とする。また、この表面修飾パーライトの製造方法を用いたろ過助剤、このろ過助剤を用いたろ過方法、及び低温で製造することができる表面修飾パーライトを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る表面修飾パーライトの製造方法は、パーライトとアルミニウム塩とを、アルカリ金属水酸化物の水溶液に加える調製工程と、該調製工程で得られた溶液を加熱する加熱工程と、を備えることを特徴とする。

0009

また、本発明の一態様に係る表面修飾パーライトの製造方法において、前記アルミニウム塩はアルミン酸ナトリウムであり、前記アルカリ金属水酸化物は水酸化ナトリウムであることを特徴とする。

0010

また、本発明の一態様に係る表面修飾パーライトの製造方法は、前記加熱工程において、前記溶液の温度を100℃以下に加熱することを特徴とする。

0011

また、本発明の一態様に係る表面修飾パーライトの製造方法は、前記加熱工程において、前記溶液の温度を80℃未満に加熱することを特徴とする。

0012

また、本発明の一態様に係る表面修飾パーライトの製造方法は、前記調製工程及び前記加熱工程を常圧で行うことを特徴とする。

0013

また、本発明の一態様に係る表面修飾パーライトの製造方法は、前記調製工程において、SiとAlのモル比Si/Alが、2.5未満となるように前記パーライトと前記アルミニウム塩との量を設定することを特徴とする。

0014

また、本発明の一態様に係るろ過助剤は、前述の表面修飾パーライトの製造方法により製造された表面修飾パーライトからなることを特徴とする。

0015

また、本発明の一態様に係るろ過方法は、前述のろ過助剤を被ろ過水に混合し、ろ材を通じて該被ろ過水をろ過することを特徴とする。

0016

また、本発明の一態様に係る表面修飾パーライトは、パーライトの表面にゼオライトが形成された構造を有し、SiとAlのモル比Si/Alが4.3以下であることを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明によれば、表面修飾パーライトを低温で製造することができ、製造コストを抑制可能である。

図面の簡単な説明

0018

図1は、本発明の実施形態に係る表面修飾パーライトの製造方法のフロー図である。
図2は、実施例1のXRD測定実験結果を示す図である。
図3は、実施例1の供試体SEM画像の例を示す図である。
図4は、実施例2のXRD測定の実験結果を示す図である。
図5は、実施例3のXRD測定の実験結果を示す図である。
図6は、実施例4のXRD測定の実験結果を示す図である。
図7は、実施例5のXRD測定の実験結果を示す図である。
図8は、実施例6で用いた表面修飾パーライトにおいて実験前の状態を示すSEM画像である。
図9は、実施例6において、実験後の表面修飾パーライトの状態を示すSEM画像である。
図10は、実施例6の実験結果を示す図である。
図11は、実施例6の実験結果を示す図である。
図12は、実施例7の実験結果を示す図である。

実施例

0019

以下に、本発明に係る表面修飾パーライトの製造方法、ろ過助剤、ろ過方法、及び表面修飾パーライトの実施形態について説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付し、重複した説明を適宜省略する。

0020

本発明の実施形態に係る表面修飾パーライトは、パーライトの表面にゼオライトが形成された構造を有している。この表面修飾パーライトは、例えば、構成元素の成分として、Si,Al,K,Na,Fe,Ca,Oなどを含んでいる。ここで、本実施形態に係る表面修飾パーライトにおいて、SiとAlのモル比Si/Alが4.3以下とされている。SiとAlのモル比Si/Alは、好ましくは、1.79以上3.75以下である。このモル比Si/Alは、蛍光X線分析装置を用いて表面修飾パーライトに対して半定量分析を行い、測定された重量からAlとSiとのモル比を算出することによって求めることができる。

0021

パーライトは、真珠岩を原料として、粉砕,加熱処理によって発泡させた粉体であり、その化学組成はケイ酸アルミニウムが主成分の非晶質な構造を有する。このパーライトは、多孔質で軽量であり、断熱性耐火性耐薬品性に優れている。例えば、表面修飾パーライトにおいて、パーライトの粒径は、例えば5μm以上5000μm以下とされている。表面修飾パーライトをろ過助剤として用いる場合は、パーライトの平均粒径が、100μm以下であることが好ましい。

0022

ゼオライトは、アルミノケイ酸塩であり、イオン交換特性や吸着特性などを有する。このゼオライトは、例えば、LTA型のゼオライトやFAU型のゼオライトがある。

0023

次に、本実施形態に係る表面修飾パーライトの製造方法について図1を参照して説明する。この表面修飾パーライトの製造方法は、例えば、調製工程S1と、撹拌工程S2と、熟成工程S3と、加熱工程S4と、吸引ろ過工程S5と、乾燥・粉砕工程S6と、を備えている。

0024

まず、調製工程S1が行われる。調製工程S1では、パーライトと、アルミニウム塩とを準備し、これらをアルカリ金属水酸化物の水溶液に加える。パーライトは例えば、質量%で、SiO2:75.0%、Al2O3:14.0%、Fe2O3:0.9%、CaO:0.1%、K2O:4.2%、Na2O:3.5%、及び残部からなる成分組成を有するものを使用する。

0025

アルミニウム塩は、例えば、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム硫酸アルミニウムなどであり、本実施形態ではアルミニウム塩として、アルミン酸ナトリウムを用いる。アルカリ金属水酸化物は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどである。本実施形態では、アルカリ金属水酸化物として、水酸化ナトリウムを用いる。

0026

本実施形態では、調製工程S1において、1M(mol/L)の水酸化ナトリウム水溶液に、パーライト及びアルミン酸ナトリウムを加える。ここで、パーライトと、アルミン酸ナトリウムとを、例えばSiとAlとのモル比Si/Alが2.5未満となるように設定する。好ましいSi/Alの範囲は、0.5以上2.0以下であり、より好ましくは、0.5以上1.5以下である。なお、Si/Alは、パーライト中のSiのモル量と、パーライト中のAlのモル量及びアルミン酸ナトリウム中のAlのモル量を足し合わせたものと、の比を算出したものである。

0027

次いで、撹拌工程S2において、アルカリ金属水酸化物水溶液にパーライトとアルミニウム塩とを加えた溶液を撹拌する。
次いで、熟成工程S3において、撹拌後の溶液を24時間保持する。

0028

次いで、加熱工程S4において、加熱する。ここで、必要に応じて加圧しても良い。本実施形態では、加圧せずに、常圧において100℃以下に加熱している。すなわち、本実施形態では、オートクレーブを使用せずに表面修飾パーライトの製造を行う。この加熱工程S4において、パーライトの表面にゼオライトが形成される。加熱温度について好ましくは、80℃以下である。加熱温度の下限は特にないが、例えば30℃以上である。より好ましい加熱温度の範囲は、45℃以上75℃以下である。

0029

次いで、吸引ろ過工程S5において、加熱工程S4を行った後の溶液に対して、吸引ろ過を行う。これにより溶液をろ過し、溶液中の固体液体とを分離する。
次いで、乾燥・粉砕工程S6において、吸引ろ過工程S5で分離された固体を乾燥させた後に、粉砕を行う。このようにして、本実施形態に係る表面修飾パーライトが製造される。

0030

以上のような構成とされた本実施形態に係る表面修飾パーライトの製造方法においては、パーライトとアルミニウム塩とを、アルカリ金属水酸化物の水溶液に加える調製工程と、調製工程で得られた溶液を加熱する加熱工程とを備えており、この加熱工程においてパーライトの表面にゼオライトを形成し、パーライトの表面を修飾することができる。この表面修飾パーライトは、パーライトの表面がゼオライトに置換されることにより形成されており、ろ過機能としてのパーライトの特性と、吸着陽イオン交換特性としてのゼオライトの特性とを併せ持つ。また、この特性は、パーライトの粒径及びゼオライトの形成量を調整することで、制御することができる。

0031

また、パーライトとアルミニウム塩とをアルカリ金属水酸化物の水溶液に加える構成とされているので、加熱工程においてより低温でゼオライトを合成することができる。すなわち、本実施形態に係る表面修飾パーライトの製造方法においては、アルミニウム塩を加えずに、パーライトをアルカリ金属水酸化物の水溶液に加え、水熱合成する場合と比較して、より低温の加熱によってゼオライトを合成することができる。したがって、製造時の加熱を低温化することによって製造コストを低減することが可能となる。

0032

また、本実施形態では、アルミニウム塩としてアルミン酸ナトリウムを用い、アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウムを用いているので、ゼオライトを効率良く合成できるとともに、加熱工程における加熱温度もより低温化することが可能である。

0033

例えば、本実施形態に係る表面修飾パーライトの製造方法においては、上述のような構成とされているため、加熱工程において溶液の温度を100℃以下に加熱することでパーライトの表面にゼオライトを合成できる。また、本実施形態に係る表面修飾パーライトの製造方法においては、オートクレーブのような装置を必要とせず、常圧でパーライトの表面にゼオライトを合成できる。また、本実施形態の表面修飾パーライトの製造方法においては、80℃未満のような低温の加熱でも上述の表面修飾パーライトを製造可能である。

0034

ここで、本実施形態に係る表面修飾パーライトの製造方法により製造される表面修飾パーライトは、例えばろ過助剤として好適に使用することができる。このろ過助剤は、ろ過機能と、吸着や陽イオン交換特性の機能とを併せ持っており、例えば、被ろ過水の陽イオンを吸着しながらろ過することが可能である。ろ過方法は、例えば前述のろ過助剤を被ろ過水に混合し、ろ材を通じて該被ろ過水をろ過するものである。

0035

なお、上記の実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。

0036

(実施例1)
次に、本発明の実施例について説明する。まず、実施例1について説明する。表1に示す質量のパーライト(ロカヘルプ439:三井金属鉱業(株)社製)及びアルミン酸ナトリウムを、1Mの水酸化ナトリウム水溶液15mlに加え、撹拌した。なお、表中のSi/Alは、実施形態で説明したSi/Alと同じ意味を有する。次いで、撹拌後の溶液を24時間熟成させた後に、55℃に加熱して72時間保持した。次に、この溶液を吸引ろ過により、液体と固体とを分離する。そして、得られた固体を乾燥、粉砕し、発明例1〜4の供試体を作製した。

0037

0038

上述のようにして得た発明例1〜4の供試体に対して、XRD(X−ray Diffraction)による結晶構造解析と、SEM(Scanning Electron Microscope)を用いて組織観察を行った。XRDによる結晶構造解析の結果を図2に示す。また、SEMによる組織観察の結果の例を図3に示す。

0039

図2に示すように、発明例1〜4の供試体では、LTA型のゼオライトが形成されていることが確認された。また、発明例1(Si/Alが2.0のLTA型ゼオライト)では、X線回折強度が低く、発明例2〜4に比べてゼオライトの合成量が低いことが確認された。なお、発明例1のX線回折結果では、非晶質によるブロードピークの影響が大きくなっている。

0040

また、SEM観察の結果から、発明例1〜4の供試体では、パーライトの表面に微細なゼオライトが形成されていることが確認された。図3(a)は、発明例2の供試体の2000倍のSEM画像、図3(b)は、発明例3の供試体の2000倍のSEM画像、図3(c)は、発明例3の供試体の15000倍のSEM画像である。また、SEM観察結果からも、発明例1の供試体は、発明例2〜4の供試体と比較して、ゼオライトの合成量が少ないことも確認された。以上のことから、Si/Alが2.0以下ではゼオライトを確実に合成することができ、Si/Alが1.5以下では、よりゼオライトを効率的に合成することができることが確認された。なお、SEMによる組織観察において、EDX(Enerfy Dispersive X−ray spectrometry)装置を用いて組成分析を行うことで、パーライトとゼオライトとを見分けることもできる。

0041

(実施例2)
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2では、Si/Al及び加熱温度の条件を表2に示す条件に変えたこと以外は、実施例1で説明した方法と同様にして、発明例5〜8の供試体を作製した(表2参照)。具体的には、加熱温度を75℃に設定した。このようにして作製した発明例5〜8の供試体に対して、実施例1と同様に、XRDによる結晶構造解析と、SEMによる組織観察を行った。XRDによる結晶構造解析の結果を図4に示す。なお、図4では、発明例7の実験結果の記載を省略している。

0042

0043

XRDによる結晶構造解析の結果から発明例5〜8の供試体は、ゼオライトが形成されていることが確認された。また、55℃で合成した場合よりもX線の回折強度が高く、ゼオライトの結晶性が高くなることも確認された。また、発明例5の供試体では、LTA型及びFAU型のゼオライトが確認された。一方、発明例6〜8の供試体では、LTA型のゼオライトが確認された。また、SEM観察の結果から、55℃で作製した場合と比較して、パーライトが少なくなり、ゼオライトが増加することが確認された。Si/Alが2.5の条件で作製された発明例5の供試体では、パーライトの量が特に少ないことが確認された。

0044

(実施例3)
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例3では、加熱温度の条件を45℃に変えたこと以外は、実施例1で説明した方法と同様にして、発明例9〜12の供試体を作製した(表3参照)。これら発明例9〜12の供試体に対して、実施例1と同様に、XRDによる結晶構造解析と、SEMによる組織観察を行った。XRDによる結晶構造解析の結果を図5に示す。

0045

0046

図5に示すように、XRDによる結晶構造解析の結果から、発明例9〜12の供試体では、LTA型のゼオライトが形成されていることが確認された。なお、45℃の合成条件では、FAU型のゼオライトは確認されなかった。また、SEM観察の結果からも、パーライトの表面に微細なゼオライトが合成されていることが確認された。

0047

以上の実施例1〜3の結果から、加熱温度45℃〜75℃の範囲では、ゼオライトの生成量及び、パーライトとゼオライトの割合のバランスから、Si/Alが0.5以上1.5以下の範囲に設定することが好ましい。

0048

(実施例4)
次に、本発明の実施例4について説明する。実施例4では、表面修飾パーライトを作製する際においてオートクレーブが必要か否かについて調べた。発明例13は、オートクレーブ容器を用いて、表4に示すSi/Alとなるようにし、その他は実施例1で説明した方法と同様にして表面修飾パーライトの供試体を作製した。発明例14は、オートクレープ容器を使用せず、セラミックス容器に溶液を入れて、表4に示すSi/Alとなるようにし、その他は実施例1で説明した方法と同様にして表面修飾パーライトの供試体を作製した。発明例15は、1Lの樹脂容器に700mlの溶液となるように、表4に示すロカヘルプ439とアルミン酸ナトリウムとを水酸化ナトリウムに加え、その他は実施例1で説明した方法と同様にして表面修飾パーライトの供試体を作製した。

0049

0050

これら発明例13〜15の供試体に対して、実施例1と同様に、XRDによる結晶構造解析と、SEMによる組織観察を行った。XRDによる結晶構造解析の結果を図6に示す。図6に示すように、発明例13〜15の供試体において、LTA型のゼオライトが形成されていることが確認された。また、SEM観察結果からも、パーライトの表面にゼオライトが形成されていることを確認した。この結果から、オートクレーブを使用しなくても、本発明例の表面修飾パーライトを製造できることが確認された。

0051

(実施例5)
次に、本発明の実施例5について説明する。実施例5で、パーライトからゼオライトへの転化率と時間との関係を調べた。表5に示す条件で、発明例16〜20の供試体を作製した。加熱時間は、24h〜120hの範囲に設定した。

0052

0053

作製した供試体について、結晶構造解析と、SEMによる組織観察を行った。また、蛍光X線分析により、表面修飾パーライト中におけるSiO2とAl2O3のmass%の割合を求め、さらにSiとAlのモル比Si/Alを算出した。この評価結果を、表6に示す。

0054

図7に示すように、加熱時間の増加とともに、LTA型のゼオライトのピークが高くなることが確認された。また、蛍光X線分析により得られたSi/Alの結果より、Si/Alが4.45以下1.79以上の範囲で組成が変化することを確認できた。

0055

(実施例6)
次に、本発明の実施例6について説明する。実施例6では、表面修飾パーライトのイオン吸着試験を行った。イオン吸着試験は、Cd、Cu、Pb、Znの標準溶液(20ml、10ppm)の溶液を用意し、吸着剤として表7〜10に示すものを溶液に対して1wt%加え、1〜12時間浸漬させた。その後、ろ過を行い、ろ液回収し、ICP(Inductively Coupled Plasma)測定を行った。

0056

なお、吸着剤として、具体的には以下のものを使用した。
試薬LTA型ゼオライト:ゼオラムA−4、粉末(東ソー株式会社製、市販品)
試薬FAU型ゼオライト:HSZ−300(320NAA)(東ソー株式会社製、市販品)
表面修飾パーライト(LTA型)として、実施例6では、発明例4で作製したものを使用した。また、図8に吸着試験前の表面修飾パーライトのSEM画像を示す。

0057

測定結果を表7〜10に示す。なお、表7はCdイオンの測定結果、表8はCuイオンの測定結果、表9はPbイオンの測定結果、表10はZnイオンの測定結果を示している。また、図9に吸着試験後の表面修飾パーライトのSEM観察結果を示す。

0058

0059

0060

0061

0062

表7〜10に示すように、Cd、Cu、Pb、Znのイオンに対して、吸着特性が良好であることが確認された。また、本発明の表面修飾パーライトは、市販品のものと同様に吸着特性を有することが確認された。また、図8及び図9に示す吸着試験前後のSEM画像から、吸着前後で表面修飾パーライトに変化がないことが確認された。

0063

実施例6では、さらに、各種イオン(Al、Cr、Cu、Cd、Pb)を含有した鉱山排水を使用して、吸着試験を行った。吸着時間を10分と30分の2条件で行い、吸着剤と鉱山排水との割合が、10mg:10mlとなるようにして実験を行った。図10に、吸着時間10分の時の実験結果、図11に、吸着時間30分の時の実験結果を示す。

0064

図10及び図11に示す鉱山排水を使用した実験結果より、本発明に係る表面修飾パーライトが、各種元素を吸着できることを確認した。また、処理時間10分と30分では大きな差がなく、10分でも十分に吸着できることを確認した。

0065

(実施例7)
次に、本発明の実施例7について説明する。実施例7では、表面修飾パーライトのケーキ比抵抗を測定した。まずケーキ比抵抗の測定方法について以下に説明する。
まず、洗ビン蒸留水を採り、温水器で予め30℃に加温しておく。次に、ビーカーろ過器内にセットする。次いで、ろ紙(No.2)をろ過器にクリップで固定する。二方コックを閉じて真空ポンプ起動し、負圧を200mmHgに調整する。次いで、サンプル2gを300mlビーカーに量る。30℃に加温した蒸留水100mlを加え撹拌し、ろ過器内に流し込む。このとき、ビーカー内に付着したサンプルは洗ビンで流し込む。次に、二方コックを不落、この時負圧を200mmHgになるようにする。ろ過器内の液面と形成されたケーキ面の差が5mm程度になったらろ過器内側に付着したサンプルを洗ビンにて洗い落とす。この操作を2回行った後、再び液面とケーキ面の差が5mm程度になったら、静かにケーキ面を荒らさないように蒸留水(30℃に加温)250mlをろ過器内に流し込む。ろ過器内にセットした300mlビーカーに溜まったろ過液が200mlより300ml間を通過する100mlのろ過時間θを測定する。ろ過終了後、二方コックを閉じ、ろ過器からケーキを取り出し、ケーキの厚さhcmを測定する。そして、以下の式により、ケーキ比抵抗aを算出する。
k(ろ過速度)=(√(100/θ/1.56))2×1.128
a(ケーキ比抵抗)=1/(k×γ)
ここで、γ(ケーキ嵩密度)は、ろ過前の助剤(表面修飾パーライト)の嵩密度である。

0066

実施例7では、表面修飾パーライトとして、実施例5で作製した供試体を使用して、上記した方法によりケーキ比抵抗(平均比抵抗)aを測定する実験を行った。なお、ここでは、負圧(圧力)を変動させて実験データを取得した。また、比較のため、表面修飾をしていないロカヘルプ439のケーキ比抵抗を測定する実験も行った。この実験の結果を図12に示す。

0067

図12に示すように、本実施例で作製した表面修飾パーライトは、ろ過機能を有していることが確認された。また、加熱時間によってゼオライトの形成量は増加しているが、ろ過機能には大きな差は見られないことが分かった。初期のパーライトの粒径を制御することでろ過特性を制御し、ゼオライトの合成量を制御することで吸着特性を制御することができる。

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