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技術 凍結保存装置

出願人 マイクロニクス株式会社
発明者 八木良樹佐藤保彰前宏和岡悦男植田潤
出願日 2015年7月1日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2015-132267
公開日 2017年1月19日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-013957
状態 未査定
技術分野 倉庫・貯蔵装置 冷凍機械と関連しない装置
主要キーワード 検出ドグ 先端フランジ 保証範囲外 旋回アクチュエータ 水平移動装置 部分縦断正面図 収容箇所 保管プレート
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年1月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (18)

課題

生体試料凍結保存するために必要な断熱性を確保しやすく、凍結保存容器単体で市販されている大型液窒素タンクである場合にも採用することができる、凍結保存容器に対する試料容器入出庫作業を自動で行う凍結保存装置を提供する。

解決手段

開閉蓋3を開閉する蓋開閉装置A、ターンテーブルTの回転軸Rを駆動する回転駆動装置B、開閉蓋3を開けた状態で、マガジンMの上昇及び上昇させたマガジンMの下降を行うマガジン昇降装置C、昇降装置Cにより上昇したマガジンMへの試料容器の入庫又はマガジンMからの試料容器Sの出庫を行う入出庫装置を備えた。回転駆動装置Bが、回転軸Rに装着された被駆動部材E及び開閉蓋3を閉じた状態で容器本体2の外部に配置された駆動部材F、並びに開閉蓋3を開けた状態で開口部2Aを通して駆動部材Fを被駆動部材Eに連結する駆動連結手段Gにより構成される。

概要

背景

医療バイオ関連の研究、及びその成果事業化は目覚ましく進展しており、生体試料組織細胞・血液等)の正確で再現可能な分析を容易にするために、生体試料を極低温凍結保存するバイオバンク重要性が高まっている。
現在、世界には5000以上の手動式バイオバンク(例えば、非特許文献1及び2のような単体で市販されている大型液窒素タンクを用いて生体試料を凍結保存するもの)が存在し、約5億のヒト生体試料が保存されていると推定されている。
手動式バイオバンクを構成する液体窒素タンク気相式凍結保存容器)は、タンク内の底部へ液体窒素を供給してその量を調節し、液体から気体蒸発する雰囲気気相)の温度を、例えば−150℃(±3℃)に保つ構造になっている。
また、液体窒素は、生体組織に付着すると凍傷を引き起こすとともに、密閉空間で急激に気化させると酸素欠乏症に陥る(労働災害を防ぐため作業場所酸素濃度は18%以上に保つ必要がある)ので、非常に慎重な取り扱いが必要になる。

ここで、手動式バイオバンクを構成する大型液体窒素タンクに対する生体試料が入った試料容器入出庫作業は、
(1)タンク上面の蓋を開けること、
(2)試料容器を上下多段に収容したマガジン回転軸まわりに回転可能に支持するターンテーブルを所要角度回転すること、
(3)ターンテーブル上のマガジンを持ち上げてマガジンの所要箇所へ試料容器を収容すること、又はターンテーブル上のマガジンを持ち上げてマガジンから所要の試料容器を取り出すこと、
(4)マガジンを降ろしてターンテーブル上の元の位置に戻すこと、
(5)タンク上面の扉を閉じること、
であり、安全教育を受けた作業者により行われる。

記入出庫作業を行う作業者は、凍傷等を防ぐために製の長手袋やゴーグル等の保護具を装着した状態で作業を行う必要があるとともに、前記(2)ないし(4)の作業を行う場合、結露等により視認性が悪い場合がある。
よって、手動式バイオバンクでは、前記入出庫作業が人手により作業であること、及び作業性が悪く作業者への負担が非常に大きいことから、
(A)前記(2)ないし(4)の作業時間が掛かるため蓋を開けている時間が長くなるので大型液体窒素タンク内の生体試料の品質が低下するおそれがある、
(B)マガジンの所要箇所へ試料容器を収容する際に収容箇所を間違えることや、マガジンから所要の試料容器を取り出す際に取り出す試料容器を間違えることが起こり得る、
という問題点がある。

このような状況に鑑み、生体試料の品質低下を抑制するとともに信頼性を向上するために、気相式凍結保存容器に対する生体試料が入った試料容器の入出庫作業を自動化する提案もされている。
すなわち、上下に作業室及び気相式凍結保存容器に相当する低温格納室を配置し、下側の低温格納室に、試料容器を複数保持する保管プレート縦方向に複数収容する保管ラックを平面視で格子状に配置した状態で格納し、低温格納室に隣接する上側の作業室に、保管プレートを搬送するとともに保管ラックに出し入れするプレート搬送機構を設けたものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。

また、気相式凍結保存容器である大型液体窒素タンクの内部に、垂直軸を中心として回転可能な状態で前記タンク内に上下に配置された複数の回転ステージを設け、前記複数の回転ステージのうち少なくとも一部の回転ステージには、保管対象保管する保管領域を設け、前記複数の回転ステージのうち最下段の回転ステージ以外の回転ステージには、上下方向に貫通する移送用スリットを設けるとともに、前記複数の回転ステージを互いに独立して回転させるために前記液体窒素タンクの上壁を貫通して外部から内部に延びるポール及びポールに取り付けられたギヤ、並びに前記ポールを回転させる駆動源からなるステージ駆動機構、並びに保管対象をハンドリングするハンドリング機構を備えたものがある(例えば、特許文献3参照)。
さらに、気相式凍結保存容器である大型液体窒素タンクの内部に、前記液体窒素タンクの軸線を中心として回転可能な回転部材と、前記回転部材に支持された複数のケーン支持枠と、前記ケーン支持枠にそれぞれ設けられた複数のケーン支持部材鞘管)とを設けるとともに、前記液体窒素タンクの外部に、前記回転部材の回転軸出力軸直結させて前記回転部材を回転させる駆動手段と、前記液体窒素タンクの天板部に設けられた開口部から前記ケーン支持部材に支持されたケーンの一つを出し入れするケーン入出庫手段とを備えたものがある(例えば、特許文献4参照)。

概要

生体試料を凍結保存するために必要な断熱性を確保しやすく、凍結保存容器が単体で市販されている大型液体窒素タンクである場合にも採用することができる、凍結保存容器に対する試料容器の入出庫作業を自動で行う凍結保存装置を提供する。開閉蓋3を開閉する蓋開閉装置A、ターンテーブルTの回転軸Rを駆動する回転駆動装置B、開閉蓋3を開けた状態で、マガジンMの上昇及び上昇させたマガジンMの下降を行うマガジン昇降装置C、昇降装置Cにより上昇したマガジンMへの試料容器の入庫又はマガジンMからの試料容器Sの出庫を行う入出庫装置を備えた。回転駆動装置Bが、回転軸Rに装着された被駆動部材E及び開閉蓋3を閉じた状態で容器本体2の外部に配置された駆動部材F、並びに開閉蓋3を開けた状態で開口部2Aを通して駆動部材Fを被駆動部材Eに連結する駆動連結手段Gにより構成される。

目的

本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、気相式凍結保存容器に対する生体試料が入った試料容器の入出庫作業を自動で行う凍結保存装置において、生体試料を極低温で凍結保存するために必要な断熱性を確保しやすく、気相式凍結保存容器が前記単体で市販されている大型液体窒素タンクである場合にも採用できる凍結保存装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

鉛直方向に長いマガジンを複数並設し、前記マガジン内上下多段に保持された試料容器内生物学的試料を、液化された気体冷却材及び冷媒として、その気相雰囲気内で凍結させた状態で保存する気相式凍結保存容器を備え、前記凍結保存容器に対する前記試料容器入出庫作業を自動で行う凍結保存装置であって、前記凍結保存容器が、真空断熱二重構造であり、上面に開口部が形成されるとともに、前記開口部を開閉する開閉蓋が設けられ、底部に前記液化された気体が貯留された円筒状容器本体、及び前記マガジンを鉛直の回転軸まわりに回転可能に支持するターンテーブルを有するものであり、前記開閉蓋を前記容器本体の外部から開閉する蓋開閉装置と、前記ターンテーブルの回転軸を駆動する回転駆動装置と、前記開閉蓋を開けた状態で、前記マガジンの上昇、及び上昇させた前記マガジンの下降を前記容器本体の外部から行うマガジン昇降装置と、前記マガジン昇降装置により上昇した前記マガジンへの前記試料容器の入庫、又は前記マガジンからの前記試料容器の出庫を前記容器本体の外部から行う入出庫装置とを備え、前記回転駆動装置が、前記ターンテーブルの回転軸に装着された被駆動部材、及び前記開閉蓋を閉じた状態で前記容器本体の外部に配置された駆動部材、並びに、前記開閉蓋を開けた状態で前記開口部を通して前記駆動部材を前記被駆動部材に連結する駆動連結手段により構成されることを特徴とする凍結保存装置。

請求項2

前記被駆動部材が、前記回転軸の上端部に取り付けた、前記回転軸と同軸被駆動歯車であり、前記駆動部材が、前記被駆動歯車に噛合する駆動歯車、及び下端に前記駆動歯車が取り付けられた鉛直方向に長い鉛直ロッド、及び前記鉛直ロッドを回転させる回転アクチュエータであり、前記駆動連結手段が、前記駆動部材を昇降させる昇降装置、及び前記駆動部材を水平方向に移動させる水平移動装置、並びに、前記回転軸と同軸の円筒面、及び前記円筒面に繋がる底面を有するガイド部材であり、前記駆動歯車が、前記ガイド部材の円筒面により前記回転軸の径方向外方逃げないようにガイドされた状態で前記被駆動歯車に噛合する請求項1記載の凍結保存装置。

請求項3

前記被駆動歯車が小径側を上にしたテーパ平歯車であり、前記駆動歯車が小径側を下にしたテーパ平歯車である請求項2記載の凍結保存装置。

請求項4

前記回転駆動装置により前記ターンテーブルの前記回転軸まわりの原点合わせを行う請求項1記載の凍結保存装置。

請求項5

前記蓋開閉装置及び前記マガジン昇降装置が、垂直多関節型ロボット、及び前記垂直多関節型ロボットを昇降させる昇降駆動機構である請求項1記載の凍結保存装置。

請求項6

前記蓋開閉装置が垂直多関節型ロボットであり、前記マガジン昇降装置が、前記垂直多関節型ロボット、及び前記垂直多関節型ロボットを昇降させる昇降駆動機構である請求項1記載の凍結保存装置。

請求項7

前記マガジンが、前記ターンテーブルに下端部が固定された、上下方向に伸縮可能な複数段からなる伸縮支柱により、昇降可能に且つ垂直軸まわりに回転可能に支持されてなる請求項1記載の凍結保存装置。

技術分野

0001

本発明は、試料容器に収容した生物学的試料液化された気体気相雰囲気内で凍結させた状態で保存する、上面に開閉蓋が設けられた気相式凍結保存容器を備えた、前記凍結保存容器に対する前記試料容器の入出庫作業を自動で行う凍結保存装置に関する。

背景技術

0002

医療バイオ関連の研究、及びその成果事業化は目覚ましく進展しており、生体試料組織細胞・血液等)の正確で再現可能な分析を容易にするために、生体試料を極低温凍結保存するバイオバンク重要性が高まっている。
現在、世界には5000以上の手動式バイオバンク(例えば、非特許文献1及び2のような単体で市販されている大型液窒素タンクを用いて生体試料を凍結保存するもの)が存在し、約5億のヒト生体試料が保存されていると推定されている。
手動式バイオバンクを構成する液体窒素タンク(気相式凍結保存容器)は、タンク内の底部へ液体窒素を供給してその量を調節し、液体から気体へ蒸発する雰囲気気相)の温度を、例えば−150℃(±3℃)に保つ構造になっている。
また、液体窒素は、生体組織に付着すると凍傷を引き起こすとともに、密閉空間で急激に気化させると酸素欠乏症に陥る(労働災害を防ぐため作業場所酸素濃度は18%以上に保つ必要がある)ので、非常に慎重な取り扱いが必要になる。

0003

ここで、手動式バイオバンクを構成する大型液体窒素タンクに対する生体試料が入った試料容器の入出庫作業は、
(1)タンク上面の蓋を開けること、
(2)試料容器を上下多段に収容したマガジン回転軸まわりに回転可能に支持するターンテーブルを所要角度回転すること、
(3)ターンテーブル上のマガジンを持ち上げてマガジンの所要箇所へ試料容器を収容すること、又はターンテーブル上のマガジンを持ち上げてマガジンから所要の試料容器を取り出すこと、
(4)マガジンを降ろしてターンテーブル上の元の位置に戻すこと、
(5)タンク上面の扉を閉じること、
であり、安全教育を受けた作業者により行われる。

0004

記入出庫作業を行う作業者は、凍傷等を防ぐために製の長手袋やゴーグル等の保護具を装着した状態で作業を行う必要があるとともに、前記(2)ないし(4)の作業を行う場合、結露等により視認性が悪い場合がある。
よって、手動式バイオバンクでは、前記入出庫作業が人手により作業であること、及び作業性が悪く作業者への負担が非常に大きいことから、
(A)前記(2)ないし(4)の作業時間が掛かるため蓋を開けている時間が長くなるので大型液体窒素タンク内の生体試料の品質が低下するおそれがある、
(B)マガジンの所要箇所へ試料容器を収容する際に収容箇所を間違えることや、マガジンから所要の試料容器を取り出す際に取り出す試料容器を間違えることが起こり得る、
という問題点がある。

0005

このような状況に鑑み、生体試料の品質低下を抑制するとともに信頼性を向上するために、気相式凍結保存容器に対する生体試料が入った試料容器の入出庫作業を自動化する提案もされている。
すなわち、上下に作業室及び気相式凍結保存容器に相当する低温格納室を配置し、下側の低温格納室に、試料容器を複数保持する保管プレート縦方向に複数収容する保管ラックを平面視で格子状に配置した状態で格納し、低温格納室に隣接する上側の作業室に、保管プレートを搬送するとともに保管ラックに出し入れするプレート搬送機構を設けたものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。

0006

また、気相式凍結保存容器である大型液体窒素タンクの内部に、垂直軸を中心として回転可能な状態で前記タンク内に上下に配置された複数の回転ステージを設け、前記複数の回転ステージのうち少なくとも一部の回転ステージには、保管対象保管する保管領域を設け、前記複数の回転ステージのうち最下段の回転ステージ以外の回転ステージには、上下方向に貫通する移送用スリットを設けるとともに、前記複数の回転ステージを互いに独立して回転させるために前記液体窒素タンクの上壁を貫通して外部から内部に延びるポール及びポールに取り付けられたギヤ、並びに前記ポールを回転させる駆動源からなるステージ駆動機構、並びに保管対象をハンドリングするハンドリング機構を備えたものがある(例えば、特許文献3参照)。
さらに、気相式凍結保存容器である大型液体窒素タンクの内部に、前記液体窒素タンクの軸線を中心として回転可能な回転部材と、前記回転部材に支持された複数のケーン支持枠と、前記ケーン支持枠にそれぞれ設けられた複数のケーン支持部材鞘管)とを設けるとともに、前記液体窒素タンクの外部に、前記回転部材の回転軸出力軸直結させて前記回転部材を回転させる駆動手段と、前記液体窒素タンクの天板部に設けられた開口部から前記ケーン支持部材に支持されたケーンの一つを出し入れするケーン入出庫手段とを備えたものがある(例えば、特許文献4参照)。

0007

米国特許第6694767号明細書
特許第5450326号公報
特開2015−000797号公報
特開2015−089396号公報

先行技術

0008

「MVE1800 Series」のカタログ,チャートジャパン株式会社,インターネット<URL:http://www.ekitaichisso.com/mve1800>
「LABSシリーズ」のマニュアル, Taylor-Wharton CryogenicsLLC, インターネット<URL:http://www.taylorwharton.com/assets/base/doc/products/refrigerators/TW-LABS-Manual-Digital-TOC-BlackandWhite.pdf>

発明が解決しようとする課題

0009

以上のような従来の気相式凍結保存容器に対する試料容器の入出庫作業を自動化する凍結保存装置において、特許文献1及び2のような保管プレートを縦方向に複数収容する保管ラックを平面視で格子状に配置して、前記保管ラックをその配置位置で昇降させて作業室に個別に出し入れする構成は、気相式凍結保存容器が前記単体で市販されている大型液体窒素タンクである場合には採用できない。

0010

また、特許文献3のような大型液体窒素タンクの内部に上下に配置された複数の回転ステージを設けて独立して回転させるステージ駆動機構を備える構成は、大型液体窒素タンクの内部に複数の回転ステージがあるとともに、前記回転ステージを駆動するステージ駆動機構のポール(駆動機構連結部)が大型液体窒素タンクの上壁を貫通することから、大型液体窒素タンクが専用の特殊なものになるので、前記単体で市販されている大型液体窒素タンクを使用できない。
さらに、特許文献4のような大型液体窒素タンクの内部の回転部材の回転軸に前記タンクの外部の駆動手段の出力軸を直結する構成は、前記回転軸と前記出力軸を連結する部分(駆動機構連結部)が大型液体窒素タンクの上壁を貫通することから、大型液体窒素タンクが専用の特殊なものになるので、前記単体で市販されている大型液体窒素タンクを使用できない。

0011

ここで、特許文献3及び4のような凍結保存装置では、大型液体窒素タンクの内部に設けた回転ステージ又は回転部材を駆動するステージ回転用駆動源又は駆動手段を前記タンクの外部に設置している。
しかしながら、ステージ回転用駆動源又は駆動手段が前記駆動機構連結部を介して回転ステージ又は回転部材に常時繋がっているので、ステージ回転用駆動源や駆動手段で発生する熱や、前記タンクの外部の熱が前記駆動機構連結部を介して熱伝導により前記タンクの内部に伝わる構造となっている。
よって、前記タンクの上壁を貫通する孔があることとも相俟って、生体試料を極低温で凍結保存するために必要な断熱性を確保しにくいという問題点がある。
その上、特許文献3及び4のような凍結保存装置のような構成にするために、前記単体で市販されている大型液体窒素タンクの改造を行う場合、真空断熱二重構造であるタンクの上壁への孔あけ等の大幅な改造が必要になるので、前記大型液体窒素タンクを製造するメーカー保証範囲外になるとともに、メンテナンス対象外になってしまう。

0012

そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、気相式凍結保存容器に対する生体試料が入った試料容器の入出庫作業を自動で行う凍結保存装置において、生体試料を極低温で凍結保存するために必要な断熱性を確保しやすく、気相式凍結保存容器が前記単体で市販されている大型液体窒素タンクである場合にも採用できる凍結保存装置を提供する点にある。

課題を解決するための手段

0013

本発明に係る凍結保存装置は、前記課題解決のために、鉛直方向に長いマガジンを複数並設し、前記マガジン内に上下多段に保持された試料容器内の生物学的試料を、液化された気体を冷却材及び冷媒として、その気相雰囲気内で凍結させた状態で保存する気相式凍結保存容器を備え、前記凍結保存容器に対する前記試料容器の入出庫作業を自動で行う凍結保存装置であって、前記凍結保存容器が、真空断熱二重構造であり、上面に開口部が形成されるとともに、前記開口部を開閉する開閉蓋が設けられ、底部に前記液化された気体が貯留された円筒状容器本体、及び前記マガジンを鉛直の回転軸まわりに回転可能に支持するターンテーブルを有するものであり、前記開閉蓋を前記容器本体の外部から開閉する蓋開閉装置と、前記ターンテーブルの回転軸を駆動する回転駆動装置と、前記開閉蓋を開けた状態で、前記マガジンの上昇、及び上昇させた前記マガジンの下降を前記容器本体の外部から行うマガジン昇降装置と、前記マガジン昇降装置により上昇した前記マガジンへの前記試料容器の入庫、又は前記マガジンからの前記試料容器の出庫を前記容器本体の外部から行う入出庫装置とを備え、前記回転駆動装置が、前記ターンテーブルの回転軸に装着された被駆動部材、及び前記開閉蓋を閉じた状態で前記容器本体の外部に配置された駆動部材、並びに、前記開閉蓋を開けた状態で前記開口部を通して前記駆動部材を前記被駆動部材に連結する駆動連結手段により構成されることを特徴とする(請求項1)。

0014

このような構成によれば、前記駆動部材は前記開閉蓋を閉じた状態では前記容器本体の外部に配置されており、前記ターンテーブルの回転軸に装着された被駆動部材から離間している。そして、前記被駆動部材を駆動する場合、前記開閉蓋を開けることにより内外を連通する前記開口部を通して、前記駆動連結手段により前記駆動部材が前記被駆動部材に連結する。
したがって、特許文献3及び4のような駆動機構連結部を通すための、前記凍結保存容器の上壁を貫通する孔を形成する必要がない。
よって、前記上壁を貫通する孔がなく、前記容器本体の外部に配置した駆動源が前記回転軸に常時繋がっていないので、真空断熱二重構造の容器本体において、生体試料を極低温で凍結保存するために必要な断熱性を確保しやすい。
その上、前記上壁を貫通する孔がない前記容器本体の構造により、気相式凍結保存容器が前記単体で市販されている大型液体窒素タンクである場合にも採用できる。
その上さらに、既設の手動式バイオバンクに用いられている前記単体で市販されている大型液体窒素タンクに対しても、その試料容器の入出庫作業の自動化を行う凍結保存装置を構成できる。

0015

ここで、前記被駆動部材が、前記回転軸の上端部に取り付けた、前記回転軸と同軸被駆動歯車であり、前記駆動部材が、前記被駆動歯車に噛合する駆動歯車、及び下端に前記駆動歯車が取り付けられた鉛直方向に長い鉛直ロッド、及び前記鉛直ロッドを回転させる回転アクチュエータであり、前記駆動連結手段が、前記駆動部材を昇降させる昇降装置、及び前記駆動部材を水平方向に移動させる水平移動装置、並びに、前記回転軸と同軸の円筒面、及び前記円筒面に繋がる底面を有するガイド部材であり、前記駆動歯車が、前記ガイド部材の円筒面により前記回転軸の径方向外方逃げないようにガイドされた状態で前記被駆動歯車に噛合するのが好ましい(請求項2)。
このような構成によれば、鉛直ロッド下端に取り付けた駆動歯車を、水平移動装置及び昇降装置により、ターンテーブルの回転軸の上端部に取り付けた被駆動歯車に噛合させる際に、駆動歯車が径方向外方へ逃げないようにガイド部材の円筒面によりガイドされるので、ターンテーブルの回転軸を駆動する動作が安定する。

0016

また、前記被駆動歯車が小径側を上にしたテーパ平歯車であり、前記駆動歯車が小径側を下にしたテーパ平歯車であるのがより好ましい(請求項3)。
このような構成によれば、停止している回転軸上端部の被駆動歯車に対して、駆動歯車を下降させながら上方から近づけて噛合させる動作がより円滑になる。
その上、組み付け調整の際に、テーパ歯車同士を軸方向へ相対的に動かすことにより、バックラッシを調整できる。

0017

さらに、前記回転駆動装置により前記ターンテーブルの前記回転軸まわりの原点合わせを行うのが好ましい(請求項4)。
このような構成によれば、駆動連結手段により駆動部材を被駆動部材に連結した状態で、ターンテーブルの回転軸を駆動する回転駆動装置を用いてターンテーブルの回転軸まわりの原点合わせを行うことにより、原点合わせを容易に行うことができる。

0018

さらにまた、前記蓋開閉装置及び前記マガジン昇降装置が、垂直多関節型ロボット、及び前記垂直多関節型ロボットを昇降させる昇降駆動機構であるのが好ましく(請求項5)、前記蓋開閉装置が垂直多関節型ロボットであり、前記マガジン昇降装置が、前記垂直多関節型ロボット、及び前記垂直多関節型ロボットを昇降させる昇降駆動機構であるのがより好ましい(請求項6)。
これらのような構成によれば、自由度の高い垂直多関節型ロボットにより、開閉蓋の被把持部把持して開閉する動作、及び所望位置のマガジンの上端部を把持する動作を行うことができる。また、垂直多関節型ロボットによりマガジンを把持して前記ロボット姿勢を保持した状態で、昇降駆動機構のみを駆動制御することにより、マガジンの昇降を行うことができる。よって、蓋開閉装置及びマガジン昇降装置が行う動作の教示作業や前記装置の駆動制御が容易になる。

0019

また、前記マガジンが、前記ターンテーブルに下端部が固定された、上下方向に伸縮可能な複数段からなる伸縮支柱により、昇降可能に且つ垂直軸まわりに回転可能に支持されてなるのが好ましい(請求項7)。
このような構成によれば、マガジン昇降装置によりマガジンを上昇させた後にマガジンを下降させ、マガジン昇降装置をマガジンから離反させた際に、伸縮支柱により支持されたマガジンがターンテーブル上の所定位置に確実に復帰するので、ターンテーブル上のマガジンの位置がずれることがない。

発明の効果

0020

以上のように、本発明に係る凍結保存装置によれば、
(1)駆動機構連結部を通すために凍結保存容器の上壁を貫通する孔がなく、容器本体の外部に配置した駆動源がターンテーブルの回転軸に常時繋がっていないので、真空断熱二重構造の容器本体において、生体試料を極低温で凍結保存するために必要な断熱性を確保しやすいこと、
(2)前記上壁を貫通する孔がない前記容器本体の構造により、気相式凍結保存容器が非特許文献1及び2のような単体で市販されている大型液体窒素タンクである場合にも採用できること、
(3)既設の手動式バイオバンクに用いられている前記単体で市販されている大型液体窒素タンクに対しても、その試料容器の入出庫作業の自動化を行う凍結保存装置を構成できること、
等の顕著な効果を奏する。

図面の簡単な説明

0021

本発明の実施の形態に係る凍結保存装置の正面図である。
同じく部分縦断正面図であり、蓋開閉装置の垂直多関節型ロボットで開閉蓋を開けた状態を示している。
同じく要部拡大部分縦断正面図であり、垂直多関節型ロボットの把持ハンドを開閉蓋の被把持具から離した状態を示している。
同じく要部拡大部分縦断正面図であり、駆動連結手段により駆動部材を被駆動部材に連結した状態を示している。
同じく要部拡大部分縦断正面図であり、マガジン昇降装置の垂直多関節型ロボットでマガジンの上端部を把持した状態を示している。
同じく要部拡大部分縦断正面図であり、マガジン昇降装置の昇降駆動機構でマガジンを上昇させた状態を示している。
駆動連結手段の動作説明用正面図であり、(a)は駆動連結手段により駆動部材を気相式凍結保存容器の外部に保持した状態を、(b)は駆動連結手段により駆動部材を被駆動部材に連結させた状態を示している。
回転軸まわりを示す要部拡大横断平面図であり駆動連結手段により駆動部材を被駆動部材に連結させた状態を示している。
マガジンを示す斜視図である。
同じく縦断正面図である。
マガジン昇降装置によりマガジンを上昇させた状態を示す縦断正面図である。
垂直多関節型ロボットの先端フランジに取り付けた把持ハンドの動作説明用正面図であり、(a)は把持ハンドを開いた状態を、(b)は把持ハンドを閉じてマガジンの上端部を把持した状態を示している。
入出庫装置の動作説明用平面図であり、(a)は取り出す試料容器に向けてアーム旋回させた状態を、(b)はマガジンから取り出した試料容器を仮置台に置くまでの動作を示している、
入出庫装置、及びマガジン昇降装置により上昇したマガジンを示す要部拡大右側面図である。
同じく要部拡大右側面図であり、(a)はマガジンの垂直軸まわりの原点合わせ作業を、(b)は把持ハンドが試料容器を把持できる位置までアームを進出させた状態を示している。
把持ハンドで把持した試料容器を、マガジン昇降装置によりマガジンを下降させることにより支持板支持孔から出した状態を示す要部拡大右側面図である。
入出庫装置のアームの先端に取り付けた把持ハンドの動作説明用要部拡大平面図であり、(a)は把持ハンドを開いた状態を、(b)は把持ハンドを閉じて試料容器を把持した状態を示している。

実施例

0022

次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。

0023

図1の正面図、及び図2の部分縦断正面図に示すように、本発明の実施の形態に係る凍結保存装置1は、気相式凍結保存容器Vに対する試料容器Sの入出庫作業を自動で行うものである。
気相式凍結保存容器Vは、真空断熱二重構造であり、上面に開口部2Aが形成されるとともに、開口部2Aを開閉する開閉蓋3が設けられ、底部に液化された気体である液体窒素Lが貯留された円筒状容器本体2、及びターンテーブルTを有する。
ターンテーブルTは、鉛直方向に長いマガジンM,M,…を鉛直の回転軸Rまわりに回転可能に支持する。
マガジンMは、上下多段に試料容器S,S,…を保持しており、試料容器Sには生物学的試料が収容される。
試料容器S内の生物学的試料は、円筒状容器本体2内で、液体窒素Lを冷却材及び冷媒として、その気相雰囲気内で凍結させた状態で保存される。
ここで、生物学的試料としては、動物(ヒトを含む)、植物、原生動物真菌、細菌、ウイルス、または他の生物学的起源である、あらゆる試料が挙げられる。

0024

凍結保存装置1は、開閉蓋3を容器本体2の外部から開閉する蓋開閉装置A、ターンテーブルTの回転軸Rを駆動する回転駆動装置B、開閉蓋3を開けた状態で、マガジンMの上昇、及び上昇させたマガジンMの下降を容器本体2の外部から行うマガジン昇降装置C、並びに、マガジン昇降装置Cにより上昇したマガジンMへの試料容器Sの入庫、又はマガジン昇降装置Cにより上昇したマガジンMからの試料容器Sの出庫を容器本体2の外部から行う入出庫装置Dを備える。
また、回転駆動装置Bは、ターンテーブルTの回転軸Rに装着された被駆動部材E、及び開閉蓋3を閉じた状態で容器本体2の外部に配置された駆動部材F、並びに、開閉蓋3を開けた状態で開口部2Aを通して駆動部材Fを被駆動部材Eに連結する駆動連結手段Gにより構成される。

0025

枠体Wは、蓋開閉装置A、回転駆動装置B、マガジン昇降装置C、及び入出庫装置D等を支持するように適宜形態に形成され、図示しない位置決め固定手段により凍結保存容器Vの円筒状容器本体2に対して位置決めされた状態で固定される。
よって、凍結保存容器V、並びに蓋開閉装置A、回転駆動装置B、マガジン昇降装置C、及び入出庫装置D等からなる凍結保存装置1は、キャスターO1,O1,…、及びキャスターO2,O2,…により移設が容易であり、アジャスターボルトP,Pにより床面上の所定位置に固定される。

0026

蓋開閉装置A及びマガジン昇降装置Cは、動作範囲が広く自由度が大きい例えば6軸の垂直多関節型ロボット4、及び、垂直多関節型ロボット4を昇降させる、昇降ストロークが大きい昇降駆動機構5により構成される。
なお、蓋開閉装置Aを垂直多関節型ロボット4のみから構成してもよい。
垂直多関節型ロボット4は、その先端のフランジに把持ハンドH1が取り付けられているので、開閉蓋3の被把持部である被把持具3Aを把持できるとともに、マガジンMの上端部の首部Nも把持できる。
昇降駆動機構5は、図3の要部拡大部分縦断正面図に示すように、垂直多関節型ロボット4の基体が固定されたロボットベース17を鉛直方向のガイドに沿って昇降させるものであり、ロボットベース17に固定されたナット18に螺合するネジ軸19を回転することによりロボットベース17及び垂直多関節型ロボット4が昇降する。

0027

ネジ軸19は、その上下端部が回転可能に支持されており、下端部の上側にはウォームホイール24が同軸に取り付けられるとともに、ウォームホイール24には円筒ウォーム23が噛合する。
よって、回転アクチュエータ20の回転は、プーリ21A及び21B並びにタイミングベルト22を介して、プーリ21Bと同軸の円筒ウォーム23に伝達され、ウォームホイール24により回転方向が変換されてネジ軸19が回転する。
このような円筒ウォーム23及びウォームホイール24からなるウォームギヤ非可逆性、すなわち円筒ウォーム23からウォームホイール24を回すことができるが、ウォームホイール24から円筒ウォーム23を回すことができないことにより、仮に停電等があったとしても垂直多関節型ロボット4が落下することがない。

0028

次に、回転駆動装置Bの構成例、及びその動作について説明する。
回転駆動装置Bは、前記のとおり、図3及び図4の要部拡大部分縦断正面図に示す被駆動部材E、駆動部材F、及び駆動連結手段Gにより構成される。
図7の正面図に示すように、被駆動部材Eは、回転軸Rの上端部に取り付けた、回転軸Rと同軸の被駆動歯車6であり、例えば回転軸Rの上端面の螺孔を利用して取り付けられる。
駆動部材Fは、図7(b)のように被駆動歯車6に噛合する駆動歯車7、及び下端に駆動歯車7が取り付けられた鉛直方向に長い鉛直ロッド8、及び鉛直ロッド8を回転させる回転アクチュエータ9により構成される。
駆動連結手段Gは、駆動部材Fを昇降させる昇降装置10、及び駆動部材Fを水平方向に移動させる水平移動装置11、並びに、回転軸Rと同軸の円筒面12A、及び円筒面12Aに繋がる底面12Bを有するガイド部材12により構成される。

0029

ここで、図3及び図7(a)のように駆動連結手段Gにより駆動部材Fを気相式凍結保存容器Vの外部に保持した状態から、図4及び図7(b)のように駆動連結手段Gの水平移動装置11及び昇降装置10を駆動して駆動部材Fの駆動歯車7を被駆動部材Eである被駆動歯車6に連結させた状態では、ガイド部材12の円筒面12Aにより、駆動歯車7が回転軸Rの径方向外方へ逃げないようにガイドされた状態で被駆動歯車6に噛合する。
よって、駆動連結手段Gにより駆動部材Fを被駆動部材Eに連結してターンテーブルTの回転軸Rを駆動する動作が安定する。
また、図7に示すように、被駆動歯車6は小径側を上にしたテーパ平歯車であり、駆動歯車7は小径側を下にしたテーパ平歯車であるので、停止している回転軸Rの上端部の被駆動歯車6に対して、駆動歯車7を下降させながら上方から近づけて噛合させる動作がより円滑になる。
その上、組み付け調整の際に、テーパ歯車同士を軸方向へ相対的に動かすことにより、バックラッシを調整できる。

0030

次に、ターンテーブルTの回転軸Rまわりの原点合わせについて説明する。
図7(b)の正面図、及び図8の要部拡大横断平面図に示すように、駆動連結手段Gにより駆動部材Fを被駆動部材Eに連結した状態で、回転アクチュエータ9を回転させると、駆動歯車7に噛合している被駆動歯車6が回転するので、被駆動歯車6とともに回転軸R及びターンテーブルTも回転する。
ガイド部材12の円筒面12Aに繋がる底面12B上には、回転軸Rまわりの周方向の一箇所に検出ドグ13が取り付けられている。
そして、駆動部材Fの固定側から垂下するロッド15の下端の当接体14はガイド部材12の底面12B上を転動する。

0031

ガイド部材12が被駆動歯車6とともに回転し、当接体14が検出ドグ13により押し上げられると、ロッド15も押し上げられるので、ロッド15の上端がリミットスイッチ16をオンにする。
よって、このリミットスイッチ16の信号を検出することにより、被駆動歯車6及びガイド部材12と一体に回転するターンテーブルTの原点合わせを行うことができる。
このように、回転駆動装置Bにより、その駆動連結手段Gにより駆動部材FをターンテーブルTの回転軸Rに装着された被駆動部材Eに連結した状態で、ターンテーブルTの回転軸Rまわりの原点合わせを行うことにより、原点合わせを容易に行うことができる。
また、ターンテーブルTの原点合わせが完了した状態で、回転駆動装置BによりターンテーブルTの回転軸Rを駆動して所望角度まで回転させることにより、入出庫を行う試料容器Sを保持したマガジンMを、マガジン昇降装置Cがアクセスできる開口2Aの下方位置まで移動させることができる。

0032

次に、マガジンMの構成例について説明する。
図9の斜視図、並びに図10及び図11の縦断正面図に示すように、マガジンMは、上下多段の棚板26,26,…を備えるとともに、各棚板26の上側に支持板27が取り付けられ、支持板27には、周方向に周方向に支持孔27A,27A,…が形成される。
本実施の形態ではバイアル瓶である試料容器S,S,…を支持板27の支持孔27A,27A,…に入れることにより、棚板26,26,…で支持される。
よって、マガジンMは、上下多段に多数の試料容器S,S,…を保持できる。
また、マガジンMは、図10の下降位置と、図11の上昇位置との間を上下方向に伸縮可能な伸縮支柱を構成する同軸の3段の支柱I,J,Kを備えており、下段の支柱Kは、ターンテーブルTに固定されベースUに固定される。
中段の筒状の支柱Jは、下段の支柱Kから離間しない範囲(図11の状態)まで、支柱Kに対して上昇でき、上段の筒状の支柱Iは、中段の支柱Jから離間しない範囲(図11の状態)まで、支柱Jに対して上昇できるとともに、中段の支柱Jに対して垂直軸まわりに回転できる。
ここで、棚板26,26,…及び支持板27,27,…は、上段の支柱Iに固定されているので、マガジンMは、ターンテーブルTに下端部が固定された、上下方向に伸縮可能な複数段からなる伸縮支柱(例えば支柱I,J,K)により、昇降可能に且つ垂直軸まわりに回転可能に支持される。
よって、マガジン昇降装置CによりマガジンMを上昇させた後にマガジンMを下降させ、マガジン昇降装置CをマガジンMから離反させた際に、前記伸縮支柱により支持されたマガジンMがターンテーブルT上の所定位置に確実に復帰するので、ターンテーブルT上のマガジンMの位置がずれることがない。

0033

次に、マガジンMを上昇させる動作について説明する。
図4の要部拡大部分縦断正面図は、前記のとおり、回転駆動装置BによりターンテーブルTの回転軸Rを駆動して、入出庫を行う試料容器Sを保持したマガジンMを、マガジン昇降装置Cがアクセスできる開口2Aの下方位置まで移動させた状態を示している。
この状態で、昇降駆動機構5を駆動して垂直多関節型ロボット4を下降させるとともに、垂直多関節型ロボット4を駆動して、図12(a)の正面図のように垂直多関節型ロボット4先端の把持ハンドH1を開いた状態で爪25,25をマガジンM上端の首部Nの近傍に位置させる。
その位置で把持ハンドH1を駆動することにより、図12(b)の正面図のように内方へ移動した爪25,25により首部Nが把持されるので、図5の要部拡大部分縦断正面図に示す位置から、昇降駆動機構5を駆動することにより、マガジンMは、例えば図6の要部拡大部分縦断正面図に示す位置まで上昇する。

0034

次に、凍結保存装置1が凍結保存容器Vから所望の試料容器Sを出庫する作業を行う場合について、その動作の流れの一例(概要のみ)を説明する。なお、以下の各動作において、同時に動作可能な作業はそれらを同時に(並行して)行うことにより、タクトタイムを短縮できる。

0035

<出庫作業の動作の流れ>
(1)図1に示す凍結保存容器Vの開閉蓋3が閉じた状態で、蓋開閉装置Aの昇降駆動機構5により蓋開閉装置Aの垂直多関節型ロボット4を所定高さまで移動させ、垂直多関節型ロボット4を、その把持ハンドH1が閉じている開閉蓋3の被把持具3Aを把持できる所定姿勢にする。
(2)把持ハンドH1をオンにして被把持具3Aを把持する。
(3)垂直多関節型ロボット4により、図2のように開閉蓋3を開ける。
(4)把持ハンドH1をオフにするとともに、把持ハンドH1を開閉蓋3の被把持具3A
から離した図3のような垂直多関節型ロボット4の待機姿勢にする。

0036

(5)図3及び図7(a)のように駆動部材Fが凍結保存容器Vの外部にある状態から、駆動連結手段Gにより、図4及び図7(b)のように駆動部材Fの駆動歯車7を被駆動部材Eである被駆動歯車6に連結させる。
(6)回転駆動装置Bの駆動連結手段Gにより駆動部材FをターンテーブルTの回転軸Rに装着された被駆動部材Eに連結した状態で、ターンテーブルTの回転軸Rまわりの原点合わせを行う。
(7)ターンテーブルTの回転軸Rまわりの原点合わせが完了した状態で、回転駆動装置BによりターンテーブルTを所望角度まで回転させることにより、出庫を行う所望の試料容器Sを保持したマガジンMを、マガジン昇降装置Cの垂直多関節型ロボット4がアクセスできる開口2Aの下方位置まで移動させる。

0037

(8)マガジン昇降装置Cの昇降駆動機構5により垂直多関節型ロボット4を下降させ、垂直多関節型ロボット4を、図5に示すような把持ハンドH1がマガジンMの首部Nを把持できる所定の姿勢にする。
(9)把持ハンドH1をオンにして首部Nを把持する。
(10)昇降駆動機構5により図6のようにマガジンMを上昇させて出庫を行う所望の試料容器Sがある段数まで引き上げる。

0038

(11)詳細は後述する入出庫装置Dにより、上昇したマガジンMから所望の試料容器Sを取り出して仮置台Q(図1参照)上に置く。
(12)昇降駆動機構5により垂直多関節型ロボット4を下降させ、マガジンMを下降させて容器本体2内に戻す。

0039

(13)把持ハンドH1をオフにするとともに、昇降駆動機構5により垂直多関節型ロボット4を下降させ、図3のような垂直多関節型ロボット4の待機姿勢にする。
(14)図4及び図7(b)のように駆動部材Fの駆動歯車7を被駆動部材Eである被駆動歯車6に連結した状態から、駆動連結手段Gにより、図3及び図7(a)のように駆動部材Fが凍結保存容器Vの外部にある状態に復帰させる。

0040

(15)垂直多関節型ロボット4を、その把持ハンドH1が図3のように開いている開閉蓋3の被把持具3Aを把持できる所定姿勢にする。
(16)把持ハンドH1をオンにして被把持具3Aを把持する。
(17)垂直多関節型ロボット4により、開閉蓋3を閉じる。
(18)把持ハンドH1をオフにするとともに、把持ハンドH1を開閉蓋3の被把持具3Aから離した図1のような垂直多関節型ロボット4の待機姿勢にする。

0041

なお、凍結保存装置1が凍結保存容器Vへ所望の試料容器Sを入庫する作業を行う場合の動作は、前記「出庫作業の動作の流れ」と逆の動作になる。
また、出庫の際における仮置台Qから入出庫口への試料容器Sの搬送、及び入庫の際における入出庫口から仮置台Qまでの試料容器Sの搬送は、図示しない適宜の搬送装置により行う。

0042

次に、入出庫装置Dについて、先ず、その構成例について説明する。
図13の平面図、及び図14の要部拡大右側面図に示すように、入出庫装置Dは、アームXの先端に把持ハンドH2を備えるとともに、アームXを試料容器Sに対して進退させる第1直動アクチュエータ31、アームXを仮置台Qに対して進退させる第2直動アクチュエータ32、アームXを垂直軸まわりに旋回させる旋回アクチュエータ33、並びに、仮置台Qに載置された試料容器を持ち上げる際、及び仮置台Qに試料容器Sを載置する際の短ストローク昇降動作を行う昇降アクチュエータ34を備える。
図14の要部拡大右側面図に示すように、アームXの先端部には、例えば透過型光電センサである原点出しセンサ30、及び原点出しセンサ30をアームXの先端部から水平方向へ進退させるセンサアクチュエータ29が取り付けられる。
また、図9の斜視図、及び図14の要部拡大右側面図に示すように、マガジンMの上端部には円板状の原点用板28が設けられ、原点用板28の径方向端縁の周方向の一部には切欠28Aが形成される。

0043

次に、入出庫装置Dが所望の試料容器Sを出庫する作業を行う際における動作について説明する。すなわち、前記「出庫作業の動作の流れ」の(11)の動作について説明する。

0044

<出庫作業における入出庫装置Dの動作の流れ>
(1)例えば図6の要部拡大部分縦断正面図のように容器本体2の外部に引き出されたマガジンMに対し、図13(a)の平面図のようにアームXをマガジンMの試料容器Sに対向させ、第1直動アクチュエータ31により、図15(a)の要部拡大右側面図のようにアームX先端の把持ハンドH2を試料容器Sに近づけた状態にする。
(2)図15(a)の実線の状態から、図15(a)の二点鎖線のようにセンサアクチュエータ29により原点出しセンサ30を進出させ、原点用板28の径方向端縁を原点出しセンサ30が上下に挟んだ検出位置にする。
(3)垂直多関節型ロボット4の下方へ向いた先端フランジを回動させることにより把持ハンドH1を回動させ、図9に示す原点用板28の切欠28Aが原点出しセンサ30の位置に来た角度位置をマガジンMの垂直軸まわりの原点として検出することにより、マガジンMの垂直軸まわりの原点合わせ作業を行う。
(4)センサアクチュエータ29により原点出しセンサ30を後退させ(図15(a)の実線の状態に戻す)、出庫を行う所望の試料容器SがアームAに対向する位置になるように、垂直多関節型ロボット4の下方へ向いた先端フランジの回動動作、及び昇降駆動機構5による昇降動作を行う。

0045

(5)第1直動アクチュエータ31により、図15(b)の要部拡大右側面図、及び図17(a)の要部拡大平面図に示すように把持ハンドH2が所望の試料容器Sを把持できる位置までアームXを進出させる。
(6)図17(b)の要部拡大平面図に示すように、把持ハンドH2をオンにして爪35,35を内方へ移動させることにより試料容器Sを把持する。
(7)図16の要部拡大右側面図に示すように、昇降駆動機構5によりマガジンMを下降させることにより、把持ハンドH2で把持した試料容器Sを支持板27の支持孔27Aから出す。

0046

(8)図16中の矢印に示すように、第1直動アクチュエータ31によりアームXを後退させる。
(9)図13(b)の平面図に示すように、第2直動アクチュエータ32によりアームXを仮置台Qに近づく方向へ移動させ、旋回アクチュエータ33によりアームXを旋回させることにより、試料容器Sを仮置台Qの真上に位置させ、昇降アクチュエータ34により試料容器Sを仮置台Qに載置する。
(10)把持ハンドH2をオフにするとともに、把持ハンドH2を仮置台Q上の試料容器Sから離した入出庫装置Dの待機姿勢にする。

0047

以上の説明においては、液化された気体が液体窒素である場合を示したが、本発明における液化された気体は、液体窒素に限定されるものではなく、液体空気液体酸素液体水素液体アルゴン又は液体へリウム等であってもよい。
また、以上の説明においては、試料容器がバイアル瓶である場合を示したが、本発明における試料容器は、バイアル瓶に限定されるものではなく、96チューブや384チューブを収容したチューブラック等であってもよい。

0048

以上のような凍結保存装置1の構成によれば、図1のように開閉蓋3を閉じた状態では駆動部材Fは容器本体2の外部に配置されており、ターンテーブルTの回転軸Rに装着された被駆動部材Eから離間している。そして、被駆動部材Eを駆動する場合、開閉蓋3を開けることにより内外を連通する開口部2Aを通して、図4のように駆動連結手段Gにより駆動部材Fが被駆動部材Eに連結する。
したがって、特許文献3及び4のような駆動機構連結部を通すための、凍結保存容器Vの上壁を貫通する孔を形成する必要がない。
よって、前記上壁を貫通する孔がなく、容器本体2の外部に配置した駆動源が回転軸Rに常時繋がっていないので、真空断熱二重構造の容器本体2において、生体試料を極低温で凍結保存するために必要な断熱性を確保しやすい。
また、前記上壁を貫通する孔がない容器本体2の構造により、凍結保存容器Vが非特許文献1及び2のような単体で市販されている大型液体窒素タンクである場合にも採用できる。
さらに、既設の手動式バイオバンクに用いられている前記単体で市販されている大型液体窒素タンクに対しても、その試料容器の入出庫作業の自動化を行う凍結保存装置を構成できる。

0049

さらにまた、蓋開閉装置A及びマガジン昇降装置Cを、垂直多関節型ロボット4、及び垂直多関節型ロボット4を昇降させる昇降駆動機構5により構成することにより、自由度の高い垂直多関節型ロボット4により、開閉蓋3の被把持部3Aを把持して開閉する動作、及び所望位置のマガジンMの上端部を把持する動作を行うことができる。その上、垂直多関節型ロボット4によりマガジンMを把持してロボット4の姿勢を保持した状態で、昇降駆動機構5のみを駆動制御することにより、マガジンMの昇降を行うことができる。よって、蓋開閉装置A及びマガジン昇降装置Cが行う動作の教示作業や前記装置の駆動制御が容易になる。

0050

1凍結保存装置2円筒状容器本体
2A 開口部 3開閉蓋
3A被把持具(被把持部) 4垂直多関節型ロボット
5昇降駆動機構6被駆動歯車
7駆動歯車8 鉛直ロッド
9回転アクチュエータ10昇降装置
11水平移動装置12ガイド部材
12A円筒面 12B 底面
13検出ドグ14 当接体
15 ロッド 16リミットスイッチ
17ロボットベース18ナット
19ネジ軸20 回転アクチュエータ
21A,21Bプーリ22タイミングベルト
23円筒ウォーム24ウォームホイール
25 爪 26棚板
27 支持板27A支持孔
28原点用板28A切欠
29センサアクチュエータ30原点出しセンサ
31 第1直動アクチュエータ32 第2直動アクチュエータ
33旋回アクチュエータ34昇降アクチュエータ
35 爪
A蓋開閉装置B回転駆動装置
Cマガジン昇降装置 D入出庫装置
E被駆動部材F駆動部材
G駆動連結手段 H1,H2把持ハンド
I,J,K支柱L液体窒素
M マガジン N 首部
O1,O2キャスターPアジャスターボルト
Q 仮置台R回転軸
S試料容器Tターンテーブル
UベースV気相式凍結保存容器
W枠体X アーム

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