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技術 パワーステアリング装置の制御装置及びパワーステアリング装置

出願人 日立オートモティブシステムズ株式会社
発明者 伊藤貴廣前田健太山野和也中岫泰仁
出願日 2015年6月30日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2015-130565
公開日 2017年1月19日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2017-013579
状態 特許登録済
技術分野 走行状態に応じる操向制御 パワーステアリング機構
主要キーワード 周り回転角 制動区間 速度補正器 閾値角度 自動運転スイッチ 速く動く 閾値トルク 直動運動
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

本発明の課題は、運転者が意図しない自動操舵解除が起きないパワーステアリング装置制御装置を提供することである。

解決手段

本発明におけるパワーステアリング装置の動作を制御する制御装置は、ステアリングホイールの操作により入力される操舵トルクに基づいて操舵力補助するアシスト制御と、舵角指令値に基づいて転舵輪舵角を制御する自動操舵制御と、のいずれかの制御を選択し、前記自動操舵制御が選択されている状態において前記操舵トルクが所定の閾値を超えた場合には、当該自動操舵制御が解除されるとともに前記アシスト制御が選択され、前記自動操舵制御に基づく転舵に起因する前記操舵トルクの増加量に応じて舵角速度指令値を設定することで、前記自動操舵制御の解除を抑制する解除抑制制御を行うことを特徴とする。

概要

背景

パワーステアリング装置などの操舵装置制御装置は、車両の運転状態に基づき、モータなどを備えたアクチュエータを制御して運転者操舵力操舵補助力を付与するアシストモードと、上位コントローラ指令値に基づいて目標舵角を生成し、アクチュエータを制御して転舵輪舵角を自動で調整する自動操舵モードと、を有するものがある。このような操舵装置で、自動操舵中にトルクセンサによって検出される運転者の操舵トルクが所定の値(閾値)以上になったとき、自動操舵からアシスト切換えることを特徴とするものがある(例えば、下記特許文献1を参照)。

また、自動操舵中のハンドル振動を抑制するためにトーションバーに生じるねじれ角を検出し、ねじれ角とねじれ角微分値に基づいてモータの電流指令値を算出し、モータを制御する操舵装置がある(例えば、下記特許文献2を参照)。

また、自動操舵中の目標舵角の角加速度制限値以下になるように目標舵角を補正し、転舵角の情報に基づいて、転舵角が補正後の目標舵角に追従するようにモータを制御する舵角装置も提案されている(例えば、特許文献3を参照)

概要

本発明の課題は、運転者が意しない自動操舵解除が起きないパワーステアリング装置の制御装置を提供することである。 本発明におけるパワーステアリング装置の動作を制御する制御装置は、ステアリングホイールの操作により入力される操舵トルクに基づいて操舵力を補助するアシスト制御と、舵角指令値に基づいて転舵輪の舵角を制御する自動操舵制御と、のいずれかの制御を選択し、前記自動操舵制御が選択されている状態において前記操舵トルクが所定の閾値を超えた場合には、当該自動操舵制御が解除されるとともに前記アシスト制御が選択され、前記自動操舵制御に基づく転舵に起因する前記操舵トルクの増加量に応じて舵角速度指令値を設定することで、前記自動操舵制御の解除を抑制する解除抑制制御を行うことを特徴とする。

目的

本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動操舵中に大舵角の高速転舵を行う場合に、運転者が意図しない自動操舵解除の発生を抑制したパワーステアリング装置の制御装置及びパワーステアリング装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

ステアリングホイールの操作により入力される操舵トルクに基づいて操舵力補助するアシスト制御と、舵角指令値に基づいて転舵輪舵角を制御する自動操舵制御と、のいずれかの制御を選択してパワーステアリング装置の動作を制御する制御装置であって、前記自動操舵制御が選択されている状態において前記操舵トルクが所定の閾値を超えた場合には、当該自動操舵制御が解除されるとともに前記アシスト制御が選択され、前記自動操舵制御に基づく転舵に起因する前記操舵トルクの増加量に応じて舵角速度指令値を設定することで、前記自動操舵制御の解除を抑制する解除抑制制御を行うことを特徴とする制御装置。

請求項2

請求項1に記載の制御装置であって、前記舵角速度指令値は、前記自動操舵制御に基づく転舵に起因する前記操舵トルクが増加するに従って、前記転舵輪の実舵角と舵角指令値との差である舵角差より算出される目標舵角速度からの補正量が大きくなるように設定されることを特徴とする制御装置。

請求項3

請求項2に記載の制御装置であって、前記自動操舵制御に基づく転舵に起因する前記操舵トルクが減少するに従って、前記舵角速度指令値を、前記目標舵角速度に近づける制御を行うことを特徴とする制御装置。

請求項4

請求項3に記載の制御装置であって、前記操舵トルクが所定の閾値を超えないように、前記舵角速度指令値を前記目標舵角速度に近づける制御を行うことを特徴とする制御装置。

請求項5

請求項1に記載の制御装置であって、前記舵角速度指令値は、前記操舵トルクに基づくフィードバック制御により求められることを特徴とする制御装置。

請求項6

請求項1に記載の制御装置であって、前記舵角速度指令値に基づいて、前記転舵輪の舵角を制御するモータ出力トルク指令値演算する舵角速度制御部を有することを特徴とする制御装置。

請求項7

請求項1に記載の制御装置であって、前記操舵トルクは、前記ステアリングホイールと前記転舵輪の間に設けられるトルク検出手段によって検出されることを特徴とする制御装置。

請求項8

請求項7に記載の制御装置であって、前記解除抑制制御は、前記トルク検出手段よりも前記転舵輪側の舵角速度を制御するものであることを特徴とする制御装置。

請求項9

請求項8に記載の制御装置であって、前記制御装置は、前記転舵輪の舵角を制御するモータの出力トルクを演算し、前記転舵輪側の前記舵角速度は、前記モータの回転角を検知する回転角センサの出力に基づいて、制御されることを特徴とする制御装置。

請求項10

請求項1に記載の制御装置であって、前記転舵輪の目標舵角と実舵角の差が所定値以上の場合に、前記解除抑制制御を行うことを特徴とする制御装置。

請求項11

請求項1に記載の制御装置であって、前記転舵輪の舵角を制御するモータに流れる電流が所定値以上の場合に、前記解除抑制制御を行うことを特徴とする制御装置。

請求項12

請求項1に記載の制御装置であって、前記転舵輪の舵角速度が所定値以上の場合に、前記解除抑制制御を行うことを特徴とする制御装置。

請求項13

ステアリングホイールの操作により入力される操舵トルクに基づいて操舵力を補助するアシスト制御と、舵角指令値に基づいて転舵輪の舵角を制御する自動操舵制御と、のいずれかの制御により動作するパワーステアリング装置であって、前記自動操舵制御されている状態において前記操舵トルクが所定の閾値を超えた場合には、当該自動操舵制御が解除されるとともに前記アシスト制御により動作し、前記自動操舵制御に基づく転舵に起因する前記操舵トルクの増加量に応じて舵角速度指令値を設定することで、前記自動操舵制御の解除を抑制する解除抑制制御を行うパワーステアリング装置。

請求項14

請求項13に記載のパワーステアリング装置であって、前記舵角速度指令値は、前記自動操舵制御に基づく転舵に起因する前記操舵トルクが増加するに従って、前記転舵輪の実舵角と舵角指令値との差である舵角差より算出される目標舵角速度からの補正量が大きくなるように設定されることを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項15

請求項14に記載のパワーステアリング装置であって、前記自動操舵制御に基づく転舵に起因する前記操舵トルクが減少するに従って、前記舵角速度指令値を、前記目標舵角速度に近づける制御を行うことを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項16

請求項13に記載のパワーステアリング装置であって、前記舵角速度指令値は、前記操舵トルクに基づくフィードバック制御により求められることを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項17

請求項13に記載のパワーステアリング装置であって、前記舵角速度指令値に基づいて、前記転舵輪の舵角を制御するモータの出力トルク指令値を演算する舵角速度制御部を有することを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項18

請求項13に記載のパワーステアリング装置であって、前記操舵トルクは、前記ステアリングホイールと前記転舵輪の間に設けられるトルク検出手段によって検出されることを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項19

請求項18に記載のパワーステアリング装置であって、前記解除抑制制御は、前記トルク検出手段よりも前記転舵輪側の舵角速度を制御するものであることを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項20

請求項19に記載の制御装置であって、前記制御装置は、前記転舵輪の舵角を制御するモータの出力トルクを演算し、前記転舵輪側の前記舵角速度は、前記モータの回転角を検知する回転角センサの出力に基づいて、制御されることを特徴とするパワーステアリング装置。

技術分野

0001

本発明は自動操舵を行うパワーステアリング装置制御装置及びパワーステアリング装置に関する。

背景技術

0002

パワーステアリング装置などの操舵装置の制御装置は、車両の運転状態に基づき、モータなどを備えたアクチュエータを制御して運転者操舵力操舵補助力を付与するアシストモードと、上位コントローラ指令値に基づいて目標舵角を生成し、アクチュエータを制御して転舵輪舵角を自動で調整する自動操舵モードと、を有するものがある。このような操舵装置で、自動操舵中にトルクセンサによって検出される運転者の操舵トルクが所定の値(閾値)以上になったとき、自動操舵からアシスト切換えることを特徴とするものがある(例えば、下記特許文献1を参照)。

0003

また、自動操舵中のハンドル振動を抑制するためにトーションバーに生じるねじれ角を検出し、ねじれ角とねじれ角微分値に基づいてモータの電流指令値を算出し、モータを制御する操舵装置がある(例えば、下記特許文献2を参照)。

0004

また、自動操舵中の目標舵角の角加速度制限値以下になるように目標舵角を補正し、転舵角の情報に基づいて、転舵角が補正後の目標舵角に追従するようにモータを制御する舵角装置も提案されている(例えば、特許文献3を参照)

先行技術

0005

特開平4−55168号公報
特開2003−237607号公報
国際公開第2011/152214号

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、駐車を自動操舵で行う際にスムーズな駐車を実現するためには、比較的大きい舵角で高速転舵が要求されるが、特許文献1に記載されている操舵装置を用いた場合、モータによって駆動されるトーションバーよりもタイヤ側の高速な動作に対し、ステアリングホイール慣性力によりトーションバーよりもステアリングホイール側の動作が遅れる。そのため、ピニオン回転角度とステアリングホイールの回転角度の間に差が発生し(ねじれ角)、ねじれ角を基に算出される操舵トルクが運転者の操舵がなくても上昇する。自動操舵モードがアシストモードに移行する閾値トルクを超えると、運転者の意図に反して、自動運転解除されてアシストモードに移行する可能性がある。

0007

また、特許文献2に記載されている操舵装置では、低速または微小量の転舵の場合、ステアリングホイールの振動を抑制することができるが、駐車の際の自動操舵のように大舵角の高速の転舵を行う場合、モータ電流値の急劇な変化が起きる可能性がある。ステアリングホイール動作の滑らかさが損なわれることにより、運転者が不安感を感じたり、ねじれ角を十分に小さく抑えることが難しくなったりする可能性がある。

0008

また、特許文献3に記載されている操舵装置は、舵角加速度が制限値を超えないようにするため、目標舵角を生成するための制限値をパワーステアリング装置のダイナミクスに応じて設定しなければならないが、その際に部品個体ばらつきや温度による粘性抵抗の変化などを考慮しなければならない。そのため、最もトーションバーねじれが発生する条件を想定して舵角加速度制限値を設定した場合、トーションバーねじれが発生しない動作環境・状態下では、より高い加速度で動作させ、高速転舵することができるのにもかかわらず、それよりも低い速度で転舵されることになる。

0009

本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動操舵中に大舵角の高速転舵を行う場合に、運転者が意図しない自動操舵解除の発生を抑制したパワーステアリング装置の制御装置及びパワーステアリング装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

前記目的を達成すべく、本発明のパワーステアリング装置の制御装置及びパワーステアリング装置は、ステアリングホイールの操作により入力される操舵トルクに基づいて操舵力を補助するアシスト制御と、舵角指令値に基づいて転舵輪の舵角を制御する自動操舵制御と、のいずれかの制御を選択し、前記自動操舵制御が選択されている状態において前記操舵トルクが所定の閾値を超えた場合には、当該自動操舵制御が解除されるとともに前記アシスト制御が選択され、前記自動操舵制御に基づく転舵に起因する前記操舵トルクの増加量に応じて舵角速度指令値を設定することで、前記自動操舵制御の解除を抑制する解除抑制制御を行うことを特徴とする。

発明の効果

0011

本発明のパワーステアリング装置の制御装置は、自動操舵中にステアリングホイールが接続される入力軸操舵機構への出力軸との間に設置されたトーションバーのねじれ角(操舵トルク)が発生する場合に、目標舵角速度を補正する目標速度補正器により、目標舵角速度を補正し、運転者の意図に反して自動操舵が解除されないようにパワーステアリング装置を操作することができる。舵角速度や操舵トルクはパワーステアリング装置の動作状態やタイヤが設置する路面の状態などにより変化するため、これらをフィードバックし、補正した目標舵角速度に追従する制御を行うことで、パワーステアリング装置の動作環境や状態を考慮した、自動操舵中の操舵トルク発生抑制制御を行うことができる。したがって本発明によれば、自動操舵中に大舵角の高速転舵が必要とされる場面で、運転者の意図しない自動運転解除が発生しない。

図面の簡単な説明

0012

パワーステアリング装置1及び制御装置2の構成を示す概略図である。
実施形態1に係るパワーステアリング装置1の制御装置2の構成を示す概略図である。
実施形態1に係る制御選択器30の処理を示すフローチャートである。
実施形態1に係る自動操舵演算回路29の構成を示す概略図である。
実施形態1に係る自動操舵演算装置29の処理を示すフローチャートである。
実施形態1に係る目標速度補正器36の処理を示すフローチャート
実施形態1に係る自動操舵演算装置29の制御系の構成例を示すブロック図である。
制御装置2にステップ状の目標舵角を入力した場合の操舵トルクの出力例を示す図である。
実施形態1に係る制御装置2の効果を示す制御結果の一例である。
比較例に係るパワーステアリング装置1の動作の一例である。
実施形態1に係るパワーステアリング装置1の動作の一例である。
実施形態2に係るパワーステアリング装置1の制御装置2の構成を示す概略図である。
実施形態2に係る自動操舵演算回路29の構成を示す概略図である。
実施形態3に係る自動操舵演算回路29の構成を示す概略図である。
実施形態3に係る目標速度補正器34の処理を示すフローチャートである。
実施形態4に係る自動操舵演算回路29の構成を示す概略図である。
実施形態4に係る目標速度補正器34の処理を示すフローチャートである。
実施形態5に係る自動操舵演算回路29の構成を示す概略図である。
実施形態5に係る目標速度補正器34の処理を示すフローチャートである。
パワーステアリング装置1を備えた車両の構成を示す概略図である。

実施例

0013

図1は、パワーステアリング装置の制御装置2と、これを備えたパワーステアリング装置1を示す概略図である。パワーステアリング装置1は、大まかに、制御装置2および操舵機構3により構成される。

0014

操舵機構3は、ステアリングホイール4、ステアリングシャフト5、ピニオン軸6、ラック軸7を有する。ラック軸7には、減速機構8を介してモータ9が接続される。運転者によってステアリングホイール4が操作されると、ステアリングシャフト5を介してピニオン軸6に回転が伝達される。ピニオン軸6の回転運動は、ラック軸7の直動運動に変換される。これにより、ラック軸7の両端に連結される左右の転舵輪10、11が転舵される。ラック軸7には、ピニオン軸6とかみ合うラック歯が形成されている。ラック軸7は、ラックアンドピニオン機構により、回転を直動に変換する。

0015

ステアリングシャフト5とピニオン軸6の間には、トルクセンサ12が設けられる。トルクセンサ12は、不図示のトーションバーのねじれ角に基づいて操舵トルクを出力する。トーションバーは、ステアリングシャフト5とピニオン軸6の接続部に配置される。

0016

モータ9に接続される減速機構8は、例えば図1ではモータ9の出力軸に取り付けられたベルトプーリ13によって駆動されるボールねじ14が用いられる。この構成によって、モータ9のトルクをラック軸7の並進方向力に変換する。なお。減速機構8は、ステアリングホイール4入力と同様にラックアンドピニオンを用いる構成や、ボールねじのナット中空モータなどで直接駆動する構成などを用いてもよい。

0017

上位コントローラ15は、運転者が自動操舵による制御を選択する際に操作する自動運転スイッチ(SW)からの信号や、車両に設けられたカメラセンサ地図情報などから得られる車両状態信号などが入力される。運転者によって自動操舵スイッチが操作されて自動運転での車両制御が選択されると、車両状態信号に基づいて車両の経路を生成し、それを実現するためにパワーステアリング装置1の制御装置2に自動操舵制御を実行させる自動操舵フラグ19とパワーステアリング装置1に要求する目標舵角20を出力する。

0018

制御装置2は、入力端子16と出力端子17を備える。また、制御装置2は、電源18が接続される。制御装置2の入力端子16には、例えば、自動操舵フラグ19、目標舵角20、操舵トルク値21、モータ回転角・回転速度22、車速などの車両状態信号23が入力される。また、制御装置2の出力端子17からは、制御装置2で演算されたモータ制御電流24、上位コントローラ15へパワーステアリング装置1の操作状態を伝える信号25などが出力される。

0019

以下、図面を参照して、本発明に係るパワーステアリング装置1の制御装置2及びパワーステアリング装置1の実施の形態について説明する。なお、各図において同一要素については同一の符号を記し、重複する説明は省略する。

0020

(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態に係る制御装置2の構成の概略を示す。図2に示すように、制御装置2は要求トルク生成部26と、モータ制御回路モータ駆動回路を有するモータ駆動部27と、から構成される。制御装置2は、電源18からの電力供給で駆動する。

0021

図2において、要求トルク生成部26は、アシスト演算回路28と、自動操舵演算回路29と、制御選択器30と、から構成される。アシスト演算回路28は、運転者の操舵を補助するアシストモードにおけるモータ9への要求トルクを演算する。自動操舵演算回路29は、舵角を目標舵角20に自動的に一致させる自動操舵モードにおけるモータ9への要求トルクを演算する。制御選択器30は、上位コントローラ15の自動操舵フラグ19の値に基づいてアシストモード或いは自動操舵モードの要求トルクを選択する。

0022

本実施形態では、アシストモードと自動操舵モードの両方の要求トルクを常に計算し、制御選択器30でいずれかを選択する構成となっている。しかし、先に制御選択器30でモードを選択しておき、アシストモード或いは自動操舵モードのどちらか一方のみの演算を行う構成としてもよい。

0023

図3は、制御選択器30の動作を示すフローチャートである。制御選択器30は、上位コントローラ15から出力される自動操舵フラグ19を読み取り、自動操舵、アシストのどちらの制御を選択しているか判断する(ステップS1)。例えば、図3では自動操舵フラグ19の値が1の場合にステップS3に進み、それ以外の場合にはアシスト演算回路の演算結果を要求トルク31として選択する(ステップS6)。

0024

ステップS3に進んだ場合、操舵トルク21を読み込み、操舵トルク21と操舵トルク閾値の大小を判定する。なお、操舵トルク閾値は、通常時の運転者の操舵トルクなどを参考に決めるとよい。操舵トルク閾値よりも操舵トルク21が小さいと判断された場合は、運転者の意図による操舵トルク21が発生していないとして、自動操舵演算回路の演算結果を要求トルク31として選択する(ステップS5)。一方、操舵トルク21が閾値以上と判断された場合は、運転者の意図による操舵トルク21が発生しているとして、アシスト演算回路の演算結果を要求トルク31として選択する(ステップS6)。

0025

図3のフローチャートに示す本実施形態では、操舵トルク21が一瞬でも閾値を超えた場合にアシスト演算回路の演算結果を要求トルクとしている。しかし、トルクセンサのノイズの影響等を排除するため、例えば制御装置2の複数回のサンプリングで常に操舵トルク21が閾値を超えている場合や、操舵トルク21にフィルタをかけてフィルタ後の値が閾値を超えている場合に、アシスト演算回路の演算結果を要求トルク31とすることにしてもよい。

0026

図2に示すアシスト演算回路28の演算処理について説明する。アシスト演算回路28は、運転者がステアリングホイール4を転舵することで発生する操舵トルク21の大きさに応じて、モータ9に対する要求トルク31を決定する。この際に車速などの車両状態情報23を利用し、車速によってラック軸7に付与するアシスト力を変化させる構成としてもよい。

0027

モータ駆動部27は、モータ制御回路で要求トルク値31を実現するために必要なモータ目標電流値を演算する。モータ駆動部27は、当該演算結果に基づき、モータ駆動回路を操作してモータに流れるモータ電流24が目標電流値と一致するように、制御・出力する。アシストモード時には、要求トルク31を実現するモータトルクにより、減速機構8を介してラック軸7に並進方向力を付与し、運転者が小さな操舵トルクで操作できるようにアシストする。

0028

図4は、自動操舵演算回路29の構成を示す概略図である。自動操舵演算回路29は、舵角・舵角速度変換器32と、目標速度演算器34と、目標速度補正器36と、要求トルク演算器39と、を有する。舵角・舵角速度変換器32は、モータ回転角・角速度の信号を実舵角・実舵角速度に変換する。
目標速度演算器34は、目標舵角20と実舵角33に基づいてパワーステアリング装置1の目標舵角速度35を演算する。目標速度補正器36は、操舵トルク21に基づいて目標舵角速度35を補正し、補正目標舵角速度37を演算する。要求トルク演算器39は、補正目標舵角速度37と実舵角速度38に基づいてモータ9に対する要求トルク31を演算する。

0029

図5は、自動操舵演算器29の演算処理を示すフローチャートである。制御が開始されると、目標速度演算器34は、上位コントローラ15で計算された舵角目標値δr(目標舵角20)を読み込む(ステップS101)。次に、舵角・舵角速度変換器32で演算された、実舵角δ(実舵角33)を読み込み(S102)、舵角差Δδ(=目標舵角δr−実舵角δ)を算出する(S103)。次に、目標速度演算器34は、舵角差Δδを基に目標舵角速度ωr(目標舵角速度35)を演算する(ステップS104)。次に、目標速度補正器36は、操舵トルク21を読み取り(ステップS105)、目標舵角速度ωr(目標舵角速度35)を補正して自動操舵解除抑制制御を行う(ステップS106)。ステップS10では、補正目標舵角速度37が演算される。自動操舵解除抑制制御の詳細は、後述する。次に、要求トルク演算器39は、舵角・舵角速度変換器32で演算された実舵角速度ω(実舵角速度38)を読み込む(ステップS107)。ステップS108では、舵角速度差Δω(=目標舵角速度ωr−実舵角速度ω)を算出する。要求トルク演算器39は、この舵角速度差Δωを用いて、モータ9に対する要求トルクTr(要求トルク31)を演算する(ステップS109)。要求トルクTrは、制御選択器30を介して、モータ駆動部27に出力される。

0030

以降は、アシストモードの説明で述べたように、モータ制御回路で要求トルク値31を実現するために必要なモータ目標電流値を演算し、演算結果に基づいてモータ駆動回路を操作してモータに流れるモータ電流24が目標電流値と一致するように制御する。この操作より、モータ9は、減速機構8を介してラック軸7に並進方向力を付与し、パワーステアリング装置1を目標舵角に一致するように駆動する。

0031

図6は、目標速度補正器36の処理を示すフローチャートである。目標速度補正器36は、図5のステップS105において読み取った操舵トルク21に基づき、操舵トルク量の増加を判断する(ステップS201)。

0032

操舵トルク21が増加している場合には、目標舵角速度ωrの増加を判断する(ステップS202)。目標舵角速度ωrが増加している場合には、目標舵角速度を減少補正する(減少させる補正量を付加)(ステップS203)。目標舵角速度ωrが減少している場合には、目標舵角速度ωrを増加補正する(増加させる補正量を付加)(ステップS204)。補正量は、例えば操舵トルクの大きさに基づいて計算され、発生している操舵トルクが大きいほど大きくなる量とするとよい。

0033

また、ステップS201で操舵トルク21が減少していると判断された場合、目標舵角速度の補正量を低減する(補正量がない場合は目標舵角速度を変更しない)(ステップS205)。

0034

図7は、図5および図6においてフローチャート形式で示される自動操舵の演算を、ブロック図形式で示した図である。ここで、sはラプラス演算子を示す。また、KP1は比例ゲインを示す。また、実舵角δ及び実舵角速度ωは、モータ9に設置された回転角センサから出力されるモータ回転角及びモータ角速度に基づいて、舵角・舵角速度変換器32から出力される。図7の目標速度演算器34は、下記式(1)により目標舵角速度ωrを演算する。

0035

0036

また、目標速度補正器36は、式(2)により目標舵角速度ωrを補正し、補正目標舵角速度ωmとする。

0037

0038

ここで、KTBはゲイン、tは操舵トルクを示し、KTBtが補正量になる。ここで、式(2)は舵角速度の符号に対して逆符号の操舵トルクが発生するとしている。式(2)によって図6のフローチャートのように目標舵角速度の補正を行う。つまり、操舵トルク量tが大きくなると、式(2)の第二項のKTBtが大きくなるが、舵角速度と操舵トルクの符号が反対のため、目標舵角速度が増加している場合には(ωr>0)KTBtは負の値になり、目標舵角速度を減少させる補正をする。逆に目標舵角速度が減少している場合には(ωr<0)KTBtは正の値になり、目標舵角速度を減少させる補正をする。また、操舵トルク量tが減少する場合には、KTBt補正量が低減される。

0039

また、図7における目標速度補正器36は、ゲイン後に目標速度ωrに対して加算する表記になっているが、操舵トルクの検出する時の符号の向きを考慮して減算に設定することもある。

0040

要求トルク演算器39は、式(3)により要求トルクTrを演算する。ここで、KP2は比例ゲインを示し、KI2は積分ゲインを示す。

0041

0042

図8は、制御装置2にステップ状の目標舵角67を入力した場合に発生するパワーステアリング装置1の操舵トルク68の出力例を示す図である。ここで、ステップ状の目標舵角67のステップ前後の舵角差Δδsとし、その際に発生する操舵トルク最大値の大きさtmaxとする。

0043

図9は、ステップ前後の舵角差Δδsを横軸にそのときの操舵トルク最大値の大きさtmaxを縦軸にした場合のtmaxとΔδsの関係を示す。図9において、実線70は本実施形態の制御装置2を備えるパワーステアリング装置1の挙動を示す。点線69は、比較例として、本実施形態の制御装置2を備えていないパワーステアリング装置1の挙動を示す。

0044

点線69を参照すると、ステップ状入力前後の舵角差Δδsの増加に伴って、モータ9によってピニオン軸6よりも転舵輪10、11側が速く動く。そのため、ステアリングホイール4の慣性力により動作が遅れるステアリングシャフト5とピニオン軸6の角度差が大きくなり、発生する操舵トルク最大値の大きさtmaxが大きくなる。

0045

一方、実線70で示されるように、本実施形態の制御装置2を備えたパワーステアリング装置1はステップ状入力前後の舵角差Δδsが大きくなるにつれて、操舵トルク最大値の大きさtmaxの変化が小さくなる。tmaxの変化量はゲインKTBによって調整できるが、特にパワーステアリング装置1に要求される最大の舵角速度で転舵する場合に、図9グラフ座標71(Δδmax、tlim)を下回るようにKTBを設計するとよい。ここで、Δδmaxは制御装置2の1回分制御周期で変化する舵角差であり、tlimは自動操舵解除の操舵トルク閾値40である。

0046

このような構成を有するパワーステアリング装置1の制御装置2は、自動操舵中にパワーステアリング装置の操舵トルク21が自動操舵解除の操舵トルク閾値40を超えないように動作を制御することが可能である。

0047

図10は、比較例として、本実施形態の制御装置2を備えないパワーステアリング装置1の動作の一例を示したものである。図10には、上位コントローラ15が自動駐車などの自動操舵中に、ある舵角まで比較的大きな舵角速度で自動操舵する場合の舵角の時間変化41、目標舵角速度の時間変化42、操舵トルクの時間変化43を示している。なお、図10に示す動作中は操舵トルク閾値を超えても自動操舵が解除されないようにしているものとする。

0048

舵角の時間変化41の点線44は、上位コントローラ15で生成される目標舵角を示している。実線45は、点線44の目標舵角に対して制御された結果の、本実施形態の制御装置2を備えないパワーステアリング装置1の実舵角を示す。また、点線44の目標舵角に対する目標舵角速度の時間変化を実線46に示す。ピニオン軸6は、ほぼこの目標舵角速度の時間変化42の実線46どおりに動作するが、トーションバーやステアリングシャフト5を介して接続されるステアリングホイール4は慣性力によって動作が遅れる。そのため、トーションバーがねじられて操舵トルクの時間変化43の実線47で示すように、運転者の操作がなくても操舵トルクが発生する。この実線47に示すのは比較的大きな舵角速度で操舵した場合なので、動き出しと停止直後に大きな操舵トルクが発生し、それが点線で示す自動操舵解除の操舵トルク閾値40を超えることがわかる。そのため、実際の自動操舵で制御中は、動き出しで操舵トルクが自動操舵解除の操舵トルク閾値40を超えた時点で自動操舵からアシストに移行する。

0049

これに対し、図11は、本実施形態の制御装置2を備えたパワーステアリング装置1の動作の一例を示す。図11においても、それぞれ舵角の時間変化48、目標舵角速度の時間変化49、操舵トルクの時間変化50を示している。図11の上位コントローラ15は、図10と同じ舵角目標値を制御装置2に与えているものとする。

0050

舵角の時間変化48において、点線51は、上位コントローラ15から与えられる目標舵角を示し、実線52は、制御装置2の制御によるパワーステアリング装置1の実舵角を示す。目標舵角速度の時間変化49に示される点線54は、制御装置2の目標速度演算器34によって演算される目標舵角速度35を示し、実線53は目標速度補正器36によって演算される補正目標舵角速度37を示す。操舵トルクの時間変化50に示される実線55は、本実施形態の制御装置2により駆動されるパワーステアリング装置1のトルクセンサ12で検出される操舵トルクを示し、点線40は、図10と同じ自動操舵解除の操舵トルク閾値を示す。

0051

図11に示すように、時間56から時間60の目標舵角51が増加し始める区間は、実線52で示すように実舵角が変化する。このとき、ピニオン軸6の回転に対してトーションバーよりもステアリングホイール4側が遅れて動くため、トーションバーがねじられ、実線55に示すように操舵トルクが変動する。

0052

時間56から時間57までの区間は、実線55の操舵トルク量が増大している。この操舵トルク量をトルクセンサ12で検出し、目標速度補正器36による演算で実線53の同区間に示すように目標舵角速度を低減した値を補正目標舵角速度とする。この結果、動き出しの操舵トルクのピーク図10に比べて小さくなる。

0053

時間57から時間58までの区間は、実線55に示すように操舵トルク量が減少しているので、実線53に示すように目標舵角速度の補正量を低減して補正目標舵角速度を大きくする。

0054

時間58から時間59までの区間は、実線55に示すように操舵トルク量が再び増大する。この区間では、目標舵角速度が減少しているので、補正量を加えることで目標舵角速度を増加させた補正舵角速度とし、速度変化を低減する。

0055

時間59から時間60までの区間は、実線55の操舵トルクの大きさが小さくなるため、補正量を低減し、その後目標舵角速度と一致する補正目標舵角速度を生成する。これらの制御の結果、パワーステアリング装置1が動き出す際に発生するトーションバーがねじられることで発生する操舵トルクの振動をすばやく抑制することができる。

0056

また、時間60から時間61までは、操舵トルクが発生しないため、目標舵角速度が補正されない(目標舵角速度と補正目標舵角速度が一致する)ため、一定速度で転舵される。

0057

時間61から時間65までは、転舵状態から停止状態に移行する制動区間に相当する。

0058

時間61から時間62では目標舵角の増加がなくなり、パワーステアリング装置1の転舵が制動される。このときに、ピニオン軸6の回転速度の低下に対してステアリングシャフト5側の回転速度低下が追いつかず、トーションバーがねじれて時間61から時間62の区間では実線55に示すように操舵トルクが発生する。

0059

時間61から時間62までの区間は、実線55の操舵トルク量が増大しており、これをトルクセンサ12で検出する。この区間では舵角速度が減少するため、目標速度補正器36による演算で目標舵角速度に補正量を加算した補正目標舵角速度を生成し、舵角速度の変化を低減する。この結果、実線55で示される制動時に発生する操舵トルクのピークが小さく抑えられる。

0060

時間62から時間63までの区間は、実線55で示すように操舵トルク量が減少するため、実線53に示すように目標舵角速度の補正量を低減して補正目標舵角速度を大きくする。

0061

時間63から時間64までの区間では、操舵トルク量が再び増大する。この区間では目標舵角速度が増加しているため、目標舵角速度から補正量を減算した補正目標舵角を生成する。

0062

時間64から時間65までの区間は、実線55の操舵トルク量が小さくなるため補正量を低減し、その後目標舵角速度と一致する補正目標舵角速度を生成する。これらの制御によって操舵トルクの振動を始動時と同様にすばやく抑制することができる。

0063

本実施形態の制御装置2で駆動されるパワーステアリング装置1は、図9のように目標舵角速度を補正し、操舵トルク閾値40を超えないようにパワーステアリング装置1を駆動する。そのため、操舵トルクの発生量を抑制され、高い舵角速度で転舵しても運転者が意図しない自動運転の解除が発生しない。

0064

また、本実施形態の制御装置2は舵角の加速時、制動時の操舵トルクが発生すると操舵トルクの大きさに応じて補正量を決めて速度変化を抑制するが、逆に操舵トルクが減少すると補正量を小さくして速度変化を増加させる。そのため、操舵トルクが操舵トルク閾値を超えない最大の速度で自動操舵することが可能であり、スムーズな自動駐車を実現することが可能となる。

0065

また、本実施形態では、トルクセンサによって測定される操舵トルクをフィードバックして補正量を決定する構成としているため、使用環境などによって変化する実際のパワーステアリング装置1の動作状況に合わせた補正を行うことができる。そのため、部品の個体差や温度による粘性抵抗の変化を吸収して制御を実現できる。

0066

さらに、目標舵角速度を補正し、補正した目標舵角速度を実現するための要求トルク演算器を有する構成のため、モータ回転角速度から算出される舵角速度のフィードバック値にパワーステアリング装置1の状態や路面状態の情報も含まれるため実際の使用環境に合わせた制御とできる。

0067

また、舵角速度を補正し、その後に要求トルク演算器を有する構成のため、補正した舵角速度と実舵角速度を滑らかにつなぐように要求トルクを演算できるので比較的大きな舵角速度で転舵した場合にも、ステアリングホイールの振動を抑制できる。

0068

また、本実施形態を説明する図1では、要求トルクを演算するために入力する舵角速度をモータに取り付けられたセンサから得るものとしたが、ピニオン軸6回転センサやラック軸7ストロークセンサなどのトルクセンサ12を構成するトーションバーよりも転舵輪側に取り付けられ、モータ9と連結された部分の移動量、移動速度を検出できるセンサであればほぼ同様の効果が得られる。

0069

また、本実施形態の制御装置2は、目標舵角を上位コントローラ15から与えられるとして図1に示したが、上位コントローラ15を持たず、自動操舵スイッチや車両状態などの情報を基に、制御装置2内で目標舵角を生成する構成としても同等の効果が得られる。

0070

また、本実施形態では、トルクセンサ12で検出される操舵トルクを用いて目標舵角速度を修正する構成として説明したが、トーションバーよりもステアリングホイール4側に回転角センサを設け、この回転角センサを用いてトーションバーに発生するねじれ角を求め、ねじれ角を基に目標舵角速度を補正する構成としても同等の効果が得られる。

0071

(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態におけるパワーステアリング装置の制御装置及びパワーステアリングについて説明する。本実施形態におけるパワーステアリング装置1及び制御装置の基本構成図1と同様であり説明を省略する。

0072

図12は、本実施形態の制御装置2の構成概要を示す。第1の実施形態における構成を示す図2とは、操舵トルクを自動操舵演算回路29に入力しない点が異なる。それ以外の構成は、図2と同様のため説明を省略する。

0073

図13は、本実施形態の自動操舵演算回路29の概略を示す。図13は、第1の実施形態における自動操舵演算回路29を示す図4と比較して、ねじれ角推定器201を有し、推定ねじれ角202を目標速度補正器に入力する点が異なる。共通する構成については説明を省略する。

0074

ねじれ角推定器201は、以下の式(4)を用いてねじれ角を推定する。以下に示す式(4)は、ステアリングシャフトまわりの運動方程式を表している。なお、トーションバーよりもステアリングホイール4側のイナーシャをJ、ステアリングシャフト6周り減衰係数をCc、トーションバーの剛性をKT、トーションバーのねじり粘性をCTとする。

0075

0076

式(4)をラプラス変換すると、式(5)が得られる。

0077

0078

ここで、Xはδのラプラス変換を表し、Yはθのラプラス変換を表す。式(5)は、ピニオン軸側の舵角からステアリングシャフト周り回転角伝達関数に相当する。また、ねじれ角のラプラス変換をZとすると、ピニオン軸の舵角に対するねじれ角の伝達関数は式(6)となる。

0079

0080

式(6)で示される伝達関数を用いてモータ回転角から計算されるピニオン軸回転角からトーションバーの推定ねじれ角202を演算する。

0081

第1の実施形態で述べたように、ステアリングシャフトの回転角を検出するセンサによってねじれ角を測定し、操舵トルクの代わりに用いても目標速度補正器36によるほぼ同等の補正効果が得られる。そのため、本実施形態で示す推定ねじれ角202を用いて目標舵角速度を補正してもほぼ同等の自動操舵解除抑制制御を実施することができる。

0082

(第3の実施形態)
図14は、第3の実施形態における自動操舵演算回路29の構成を示す。第1の実施形態と異なる点は、目標速度補正器36に目標舵角20と実舵角33を入力する点である。それ以外の部分は、図4と同様のため説明を省略する。

0083

図15は、本実施形態の自動操舵演算回路29における目標速度補正器36の処理を示すフローチャートである。図15のフローチャートは、第1の実施形態である図6に示すフローチャートとほぼ同じであるが、ステップS301が異なる。ステップS301では、目標舵角と実舵角の差が閾値角度δthよりも大きい場合にのみステップS201移行し、目標舵角速度の補正を行う。目標舵角と実舵角の差が閾値角度δthよりも小さい場合には、目標舵角速度の補正は行わず、目標速度演算器34で演算された目標舵角速度を維持する。ここで、閾値角度θthを実験などで得た操舵トルクが閾値40を超えることが見込まれる値よりも小さい値に設定するとよい。

0084

本実施形態に示す制御装置2を用いたパワーステアリング装置1は、操舵トルクが小さい値になる目標舵角が与えられた場合には補正をかけないことで、より速い転舵が可能となる。一方、大きな操舵トルクになるような目標舵角が与えられた場合には、自動操舵解除抑制制御が実行され、運転者が意図しない自動操舵の解除が起きないようにパワーステアリング装置1が制御される。

0085

(第4の実施形態)
図16は、第4の実施形態における自動操舵演算回路29の構成を示す概略図である。第1の実施形態と異なる点は、目標速度補正器36にモータ電流値401を入力する点である。それ以外の部分は、第1の実施形態である図4と同様のため説明を省略する。

0086

図17は、本実施形態の自動操舵演算回路29における目標速度補正器36の処理を示すフローチャートである。図17のフローチャートは、第1の実施形態である図6に示すフローチャートとほぼ同じだが、ステップS401が異なる。ステップS401では、モータ電流値401の大きさが閾値電流値Ithよりも大きい場合にのみステップS201移行し、目標舵角速度の補正を行う。モータ電流値401がIthよりも小さい場合には、目標舵角速度の補正は行わず、目標速度演算器34で演算された目標舵角速度を維持する。ここで、閾値電流値Ithを実験などで得た操舵トルクが閾値40を超えることが見込まれる値よりも小さい値に設定するとよい。

0087

本実施形態に示す制御装置2を用いたパワーステアリング装置1は、操舵トルクが小さい値になる目標舵角が与えられた場合には補正をかけないことで、より速い転舵が可能となる。一方、大きな操舵トルクになるような目標舵角が与えられた場合には自動操舵解除抑制制御が実行され、運転者が意図しない自動操舵の解除が起きないようにパワーステアリング装置1が制御される。

0088

(第5の実施形態)
図18は、第5の実施形態における自動操舵演算回路29の構成を示す概略図である。第1の実施形態と異なる点は、目標速度補正器36に実舵角速度38を入力する点である。それ以外の部分は図4と同様のため、説明を省略する。

0089

図19は、本実施形態の自動操舵演算回路29における目標速度補正器36の処理を示すフローチャートである。図19のフローチャートは、第1の実施形態1である図6に示すフローチャートとほぼ同じだが、ステップS501が異なる。ステップS501では、実舵角速度38の大きさが閾値舵角速度ωthよりも大きい場合にのみステップS201移行し、目標舵角速度の補正を行う。実舵角速度38がωthよりも小さい場合には、目標舵角速度の補正は行わず、目標速度演算器34で演算された目標舵角速度を維持する。ここで、閾値舵角速度ωthを実験などで得た操舵トルクが閾値40を超えることが見込まれる値よりも小さい値に設定するとよい。

0090

本実施形態に示す制御装置2を用いたパワーステアリング装置1は、操舵トルクが小さい値になる目標舵角が与えられた場合には補正をかけないことで、より速い転舵が可能となる。一方、大きな操舵トルクになるような目標舵角が与えられた場合には、自動操舵解除抑制制御が実行され、運転者が意図しない自動操舵の解除が起きないようにパワーステアリング装置1が制御される。

0091

(第6の実施形態)
図20は、本発明の第6の実施形態として、本発明に係るパワーステアリング装置の制御装置及びパワーステアリング装置を備えた車両601を示す。車両601は、エンジン或いは走行モータ602、減速装置603及びエンジン制御装置604、パワーステアリング装置1及び制御装置2、ブレーキ装置605及びブレーキ装置の制御装置606、車載地図情報呈示装置607、GPS608、カメラ、ソナーレーザレーダなどのセンサ609、前後、横加速度センサ及びヨーレイトセンサ611、車速センサ612、車両の運動制御を行う上位コントローラ15、CANなどの車内LAN613を備える。

0092

本実施形態の車両601は、車載地図情報呈示装置607、GPS608により得られる車両601の位置情報、カメラ、ソナー、レーザレーダなどのセンサ609、前後、横加速度センサ及びヨーレイトセンサ611、車速センサ612から得られる、車両運動車両周囲の情報を基に上位コントローラ15で車両601の目標軌道を生成する。上位コントローラ15はこの目標軌道を達成するために制御装置604に目標速度を制御装置2に目標舵角を、制御装置606に目標制動力を出力する。

0093

本実施形態の車両601は、第1から第6の実施形態で説明した電動パワーステアリング装置1を備える。そのため、例えば狭い空間に自動駐車を行う際に必要とされる大舵角切り返しが必要な際には上位コントローラから大舵角の高速転舵の目標舵角を要求されるが、その際に運転者の意図しない自動操舵解除がされることがない。

0094

1パワーステアリング装置
2制御装置
3操舵機構
ギヤ
5ステアリングシャフト
6ピニオン軸
7ラック軸
8減速機構
9モータ
10、11転舵輪
12トルクセンサ
13ベルト・プーリ
14ボールねじ
15上位コントローラ
16入力端子
17出力端子
18電源
19自動操舵フラグ
20目標舵角
21操舵トルク値
22モータ回転角、角速度
23車両状態信号
24モータ制御電流値
25操作状態信号
26要求トルク生成部
27モータ駆動部
28アシスト演算回路
29 自動操舵演算回路
30 制御選択器
31 要求トルク
32舵角・舵角速度変換器
33 実舵角
34目標速度演算器
35目標舵角速度
36 目標速度補正器
37補正目標舵角速度
38 実舵角速度
39 要求トルク演算器
40操舵トルク閾値
41、48 舵角の時間変化
42、49 目標舵角速度の時間変化
43、50 操舵トルクの時間変化
44、51 上位コントローラ15で生成される目標舵角δr
45、52実舵角δ
46、54 目標舵角速度ωr
47、55 操舵トルク
53 補正目標舵角速度ωm

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