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技術 クロストリジウム・ディフィシル関連感染症および疾患を治療するための抗体

出願人 プロゲニクスファーマシューティカルズインコーポレーテッド
発明者 マア,ダンシエナガシマ,カーステンケネディー,ブライアンドノバン,ジェラルド,ピー.カン,ユンオルソン,ウィリアム,シー.クマール,サンカー鶴下直也マロジャン,アンドレ,ジェイ.キュポ,アルバート
出願日 2016年7月1日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-131227
公開日 2017年1月19日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-012166
状態 特許登録済
技術分野 微生物による化合物の製造 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 微生物、その培養処理 化合物または医薬の治療活性 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 突然変異または遺伝子工学 ペプチド又は蛋白質 動物,微生物物質含有医薬
主要キーワード 想定レベル 実験因子 連続浴 看護要員 新生児室 データプロット 中和曲線 化学発光材料
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年1月19日)のものです。
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図面 (20)

課題

クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)細菌への感染と、これらの細菌が産生するエンテロトキシンとに起因する、クロストリジウム・ディフィシル関連下痢症など、クロストリジウム・ディフィシル感染症および関連疾患の症状および病理治療する、試薬組成物治療法の提供。

解決手段

クロストリジウム・ディフィシルのトキシンAおよび/またはトキシンBに特異的に結合し、これらのトキシンの活性中和する抗体またはその抗原結合性断片、このような抗体を含む組成物。

概要

背景

クロストリジウムディフィシル(C.difficile)(またはC.diff.)は、院内(病院で獲得される)抗生剤関連下痢症および偽膜性大腸炎の主な原因となっているグラム陽性胞子形成性の嫌気性細菌である。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症は、米国内で年間の合計で750,000を超える症例があると推定され、他の腸感染の合計よりも死因として多くなっている(1)。多くの病院で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)は、患者にとってはメチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)または他のどの細菌よりも大きなリスクとなっている(2)。Clostridium difficile関連疾患(CDAD)を管理するための年間のコストは、米国内で推定32億ドルを超える(3)。病原性または抗生剤耐性が高まったクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株が最近流行したことで、治療の失敗、再発の頻発、死亡率の増加などにつながっている(4)。

CDADは一般に、クリンダマイシンセファロスポリンフルオロキノロンなどの抗生剤を用いることで結腸細菌叢破壊されて誘発される。(3,8)このような結腸微小環境混乱が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)胞子への曝露とあいまって、コロニー形成につながる。コロニー形成が起こった全患者の約3分の1でCDADが発症し(9)、これが重症の下痢症、結腸穿孔結腸切除、死を引き起こし得る(10)。CDADは、腸がクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に感染してこれが増殖した後に生じるが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)細菌は腸で、CDADの2つの重要な病原因子であるトキシンAおよびトキシンBを産生する。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAとBは、配列および構造の点でかなりの相同性を示す。どちらも複数の繰り返し配列を含むC末端受容体結合ドメイン、中央の疎水性ドメインN末端グルコシルトランスフェラーゼドメインを有する。受容体結合ドメインは、ヒトではあまり規定されていないままの宿主受容体を介した腸上皮細胞へのトキシンの結合を媒介する。エンドソーム経路による内部移行後、中央の疎水性ドメインがエンドソームの膜に入り込む。エンドソームの酸性のpHがポア形成の引き金となり、トキシンのアミノ末端ドメインがサイトゾルに移動する。細胞質標的RhoGTPasesのグルコシル化によって、細胞骨格の破壊と細胞死が引き起こされる。トキシンAおよびBは、疾患を引き起こす可能性のある相乗効果を持つ異なる病理学プロファイルを示す。

最近、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株が流行したことで、重症の疾患の率が上がり、再発頻度増し、死亡率も高まっている。高病原性株のひとつであるBI/NAP1/027 toxintoype IIIは、歴史的に珍しいが現在は流行している。B1/NAP1/027などの高病原性株は、非クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株よりも数倍多くのトキシンAおよびトキシンBを産生し、このような株による疾患を感染後に治療しにくいものとしている。高病原性株が、一般に用いられている抗菌剤や抗生剤に対して耐性を持つことが、これらの株による疾患を治療・阻止しにくくする大きな問題となっているため、高病原性に対処し、高病原性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)分離株に関連した疾患の再発をなくすための別の治療手法とさらに強力な治療法が必要である。

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症に対する現行の抗生剤治療には、バンコマイシンおよび/またはメトロニダゾールを用いることを含む。しかしながら、反応率不完全再感染や再発率が高まることから、これらの抗生剤には制約がある。2000年以降、メトロニダゾール療法の失敗率が実質的に高くなっていることが報告されている(23〜25)。抗生剤治療後の再発率の高さは、正常な結腸細菌叢が破壊されつづけ、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に、ほとんど競争なく回復する機会を与えていることによる可能性がある(26〜28)。一度再発の経験がある患者で再発のリスクが増し、最初の発症後の約20%から2回以上の再発後の60%を超える比率に増している。(29、30)この再発リスクの増加は、適切な抗トキシン抗体反応を開始できなかったことと関連している。(31)特に、抗菌療法の最後に血清IgG抗トキシンの力価が最も高い患者では、再発率が下がっていた。(32)別の研究では、血清抗トキシンB抗体レベルが、再発性CDADからの保護と相関していた。(33)

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の罹患率着実に増えており、特に虚弱であることの多い高齢者で増えている。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症患者の約3分の1で、通常は最初の疾病から2か月以内に感染が再発する。感染を繰り返すと、もとの疾患よりも重症になりやすく、死に至ることも多くなる。高齢成人や免疫系の弱い人々が特に再発感染にかかりやすい。適時に適切な治療をしないと、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の合併症には、結腸の破裂と死にいたりかねない脱水症腎不全腸穿孔中毒性巨大結腸を含む。

米国で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症は、入院患者がかかる最も一般的な感染症であるが、地域社会における院外でかかることもある。毎年、米国の地域社会で20,000例のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染が起こると推定されている。国際的には、出現率には極めてばらつきがあり、診断確定するのに内視鏡検査を用いる頻度、抗菌剤の使用パターン疫学的なパターンをはじめとする、複数の要因に左右される。

概要

クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)細菌への感染と、これらの細菌が産生するエンテロトキシンとに起因する、クロストリジウム・ディフィシル関連下痢症など、クロストリジウム・ディフィシル感染症および関連疾患の症状および病理を治療する、試薬組成物、治療法の提供。クロストリジウム・ディフィシルのトキシンAおよび/またはトキシンBに特異的に結合し、これらのトキシンの活性中和する抗体またはその抗原結合性断片、このような抗体を含む組成物。なし

目的

本発明は、少なくとも部分的に、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体および/またはトキシンB抗体を含む新規抗体試薬および組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

(a)クロストリジウムディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する結合と交差競合するおよび/または(b)前記ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、モノクローナル抗体によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのエピトープに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片

請求項2

前記モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項3

(a)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9693で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対する結合と交差競合するおよび/または(b)前記ATCC受託番号PTA−9693で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、モノクローナル抗体によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのエピトープに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項4

前記モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である、請求項3に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項5

モノクローナル抗体PA−39(ATCC受託番号PTA−9692)またはその抗原結合性断片。

請求項6

モノクローナル抗体PA−50(ATCC受託番号PTA−9694)またはその抗原結合性断片。

請求項7

モノクローナル抗体PA−38(ATCC受託番号PTA−9888)またはその抗原結合性断片。

請求項8

モノクローナル抗体PA−41(ATCC受託番号PTA−9693)またはその抗原結合性断片。

請求項9

前記モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である、請求項5に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片。

請求項10

前記モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である、請求項6に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片。

請求項11

前記モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である、請求項7に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片。

請求項12

前記モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である、請求項8に記載のモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片。

請求項13

請求項1〜12のいずれか1項に記載の前記抗体または抗原結合性断片をコードする少なくとも1つの核酸分子を含む、発現ベクター

請求項14

請求項1〜12のいずれか1項に記載の前記抗体または抗原結合性断片の重鎖またはその一部をコードする核酸分子を含む、発現ベクター。

請求項15

請求項1〜12のいずれか1項に記載の前記抗体または抗原結合性断片の軽鎖またはその一部をコードする核酸分子を含む、発現ベクター。

請求項16

請求項1〜12のいずれか1項に記載の前記抗体または抗原結合断片の前記重鎖またはその一部および軽鎖またはその一部をコードする少なくとも1つの核酸分子を含む、発現ベクター。

請求項17

請求項13に記載の前記発現ベクターによって形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞

請求項18

請求項14に記載の前記発現ベクターによって形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞。

請求項19

請求項15に記載の前記発現ベクターによって形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞。

請求項20

請求項16に記載の前記発現ベクターによって形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞。

請求項21

前記抗体または抗原結合性断片が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのinvivo毒性を中和する、請求項1、2、5〜7または9〜11のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項22

前記抗体または抗原結合性断片が、1μg〜1000μgの範囲または1mg/kg〜50mg/kgの範囲の量でクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのinvivo毒性を中和する、請求項21に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項23

前記抗体または抗原結合性断片が、(i)2、5、10、50または100μgまたは(ii)40または50mg/kgから選択される用量で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのinvivo毒性を中和する、請求項22に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項24

前記抗体または抗原結合性断片が、前記クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのinvivo毒性を中和する、請求項3、4、8または12のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項25

前記抗体または抗原結合性断片が、1μg〜1000μgの範囲または1mg/kg〜50mg/kgの範囲の量で前記クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのinvivo毒性を中和する、請求項24に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項26

前記抗体または抗原結合性断片が、(i)2、5、10、50または100μgまたは(ii)1mg/kg〜50mg/kgから選択される用量で、前記クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのinvivo毒性を中和する、請求項25に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項27

前記抗体または抗原結合性断片が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合性断片との組み合わせで、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症検体投与されると、前記被検体の生存性を高める、請求項1、2、5〜7または9〜11のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項28

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合する前記抗体または抗原結合性断片が、ATCC受託番号PTA−9693で寄託された前記ハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片またはそのヒト化形態である、請求項27に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項29

前記抗体または抗原結合性断片が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合性断片との組み合わせで、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症被検体に投与されると、前記被検体の生存性を高める、請求項3、4、8または12のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項30

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合する前記抗体または抗原結合性断片が、前記ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片またはそのヒト化形態である、請求項29に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項31

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症被検体に投与されると、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合性断片との組み合わせで、治癒率50%、60%、70%、80%、90%または100%を達成する、請求項1、2、5〜7または9〜11のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項32

前記抗体またはその抗原結合性断片が、(i)2、5、10、50または100μgまたは(ii)40または50mg/kgから選択される用量で、前記クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのinvivo毒性を中和する、請求項31に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項33

前記抗体またはその抗原結合性断片が(i)モノクローナル抗体であるかモノクローナル抗体由来であるか、(ii)ヒト化形態であるか、(iii)ヒトであるか、(iv)キメラ形態であるか、(v)二重特異性抗体であるか二重特異性抗体に含まれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項34

前記抗原結合性断片が、Fab断片、F(ab’)2断片またはFv断片から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項35

前記抗体またはその抗原結合性断片が、単鎖抗体であるか単鎖抗体を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項36

(i)ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体、その抗原結合性断片、前記抗体またはその抗原結合性断片のヒト化バージョン、前記抗体またはその抗原結合性断片の重鎖可変ドメインおよび/または前記抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖可変ドメインのうちの1つ以上と、(ii)ATCC受託番号PTA−9693で寄託された前記ハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体、その抗原結合性断片、前記抗体またはその抗原結合性断片のヒト化バージョン、前記抗体またはその抗原結合性断片の重鎖可変ドメインおよび/または前記抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖可変ドメインを含む、二重特異性抗体またはその抗原結合性断片。

請求項37

前記抗体が、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888、その抗原結合性断片、前記抗体またはその抗原結合性断片のヒト化バージョン、前記抗体またはその抗原結合性断片の重鎖可変ドメインおよび/または前記抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖可変ドメインのうちの1つ以上と、(ii)ATCC受託番号PTA−9693で寄託された単離されたモノクローナル抗体、その抗原結合性断片、前記抗体またはその抗原結合性断片のヒト化バージョン、前記抗体またはその抗原結合性断片の重鎖可変ドメインおよび/または前記抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖可変ドメインを含む、請求項36に記載の二重特異性抗体またはその抗原結合性断片。

請求項38

請求項1〜12のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片と、薬学的に許容されるキャリア賦形剤または希釈剤とを含む、組成物

請求項39

前記組成物が追加の治療剤をさらに含む、請求項38に記載の組成物。

請求項40

前記追加の治療剤が、抗生剤抗菌剤殺菌剤または静菌剤である、請求項39に記載の組成物。

請求項41

前記追加の治療剤が、メトロニダゾールバンコマイシンフィダキソマイシンニタゾキサニドリファキシミンラモプラニンまたはこれらの組み合わせである、請求項39に記載の組成物。

請求項42

請求項13に記載の前記発現ベクターと、薬学的に許容されるキャリア、賦形剤、溶媒または希釈剤とを含む、組成物。

請求項43

請求項17に記載の前記宿主細胞と、薬学的に許容されるキャリア、賦形剤、溶媒または希釈剤とを含む、組成物。

請求項44

(i)請求項1、2、5〜7または9〜11のいずれか1項に記載の前記抗体またはその抗原結合性断片と、(ii)請求項3、4、8または12のいずれか1項に記載の前記抗体またはその抗原結合性断片と、薬学的に許容されるキャリア、賦形剤、溶媒または希釈剤と、を含む、組成物。

請求項45

(i)および(ii)の前記抗体またはその抗原結合性断片がヒト化形態である、請求項44に記載の組成物。

請求項46

前記組成物が少なくとも1種類の追加の治療剤をさらに含む、請求項45に記載の組成物。

請求項47

前記少なくとも1つの追加の治療剤が、メトロニダゾール、バンコマイシン、フィダキソマイシン、ニタゾキサニド、リファキシミン、ラモプラニンまたはこれらの組み合わせである、請求項46に記載の組成物。

請求項48

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンBを結合するための結合部位を含む少なくとも2つのポリペプチド鎖を含む結合タンパク質であって、少なくとも1つのポリペプチド鎖が、第1の重鎖可変ドメイン、第2の重鎖可変ドメイン、重鎖定常ドメインまたはその一部を含み、少なくとも1つのポリペプチド鎖が、第1の軽鎖可変ドメイン、第2の軽鎖可変ドメイン、軽鎖定常ドメインまたはその一部を含み、前記ポリペプチド鎖を含む前記可変ドメインが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンBに対する機能的結合部位を形成する、結合タンパク質。

請求項49

前記第1の重鎖可変ドメインおよび前記第1の軽鎖可変ドメインが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する機能的結合部位を形成し、前記第2の重鎖可変ドメインおよび前記第2の軽鎖可変ドメインが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対する機能的結合部位を形成する、請求項48に記載の結合タンパク質。

請求項50

前記第1の重鎖可変ドメインおよび前記第1の軽鎖可変ドメインが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対する機能的結合部位を形成し、前記第2の重鎖可変ドメインおよび前記第2の軽鎖可変ドメインが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する機能的結合部位を形成する、請求項48に記載の結合タンパク質。

請求項51

前記結合タンパク質がFc領域を含む、請求項48〜50のいずれか1項に記載の結合タンパク質。

請求項52

前記結合タンパク質が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンBの毒性を中和する、請求項48〜50のいずれか1項に記載の結合タンパク質。

請求項53

前記結合タンパク質が、(a)表面プラズモン共鳴で測定した場合の少なくとも102M−1s−1;少なくとも103M−1s−1;少なくとも104M−1s−1;少なくとも105M−1s−1;少なくとも106M−1s−1;または少なくとも107M−1s−1から選択される、トキシンAまたはトキシンBに対する結合速度定数(Kon)および/または(b)表面プラズモン共鳴で測定した場合の最大で10−3s−1;最大で10−4s−1;最大で10−5s−1;または最大で10−6s−1から選択される、トキシンAまたはトキシンBに対する解離速度定数(Koff)を有する、請求項48〜50のいずれか1項に記載の結合タンパク質。

請求項54

前記結合タンパク質が、最大で10−7M;最大で10−8M;最大で10−9M;最大で10−10M;最大で10−11M;最大で10−12M;または最大で10−13Mから選択される、トキシンAまたはトキシンBに対する解離定数(KD)を有する、請求項48〜50のいずれか1項に記載の結合タンパク質。

請求項55

請求項48〜50のいずれか1項に記載の前記結合タンパク質と、薬学的に許容されるキャリア、賦形剤、溶媒または希釈剤と、を含む組成物。

請求項56

追加の治療剤をさらに含む、請求項55に記載の組成物。

請求項57

前記追加の治療剤が、抗生剤、抗菌剤、殺菌剤または静菌剤である、請求項56に記載の組成物。

請求項58

前記追加の治療剤が、メトロニダゾール、バンコマイシン、フィダキソマイシン、ニタゾキサニド、リファキシミン、ラモプラニンまたはこれらの組み合わせである、請求項56に記載の組成物。

請求項59

ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9693、PTA−9494またはPTA−9888で寄託された、ハイブリドーマ細胞株。

請求項60

被検体におけるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連下痢症(CDAD)を治療する方法であって、前記被検体に、(i)請求項1、2、5〜7または9〜11のいずれか1項に記載の少なくとも1つの抗体またはその断片、(ii)請求項3、4、8または12のいずれか1項に記載の前記抗体を、前記クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患を治療するのに有効な量で投与することを含む、方法。

請求項61

(i)および(ii)の前記抗体またはその断片を、同時に投与する、請求項60に記載の方法。

請求項62

(i)および(ii)の前記抗体またはその断片を、異なる時点で投与する、請求項60に記載の方法。

請求項63

被検体におけるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連下痢症(CDAD)を治療する方法であって、前記被検体に、請求項44に記載の前記組成物を、前記クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患を治療するのに有効な量で投与することを含む、方法。

請求項64

被検体におけるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連下痢症(CDAD)を治療する方法であって、前記被検体に、請求項45に記載の前記組成物を、前記クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患を治療するのに有効な量で投与することを含む、方法。

請求項65

被検体におけるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連下痢症(CDAD)を治療する方法であって、前記被検体に、請求項46に記載の前記組成物を、前記クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患を治療するのに有効な量で投与することを含む、方法。

請求項66

被検体におけるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連下痢症(CDAD)を治療する方法であって、前記被検体に、少なくとも請求項5〜7に記載のモノクローナル抗体および請求項8に記載のモノクローナル抗体と、薬学的に許容されるキャリア、希釈剤、溶媒または賦形剤とを、前記クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患を治療するのに有効な量で投与することを含み、前記モノクローナル抗体がヒト化形態である、方法。

請求項67

前記モノクローナル抗体を同時に投与する、請求項66に記載の方法。

請求項68

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンBによる、細胞に対する毒性を阻害または中和する方法であって、前記細胞を、有効クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA阻害用量または中和用量の請求項1、2、5〜7または9〜11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片および有効クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB阻害用量または中和用量の請求項3、4、8または12のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片に曝露することを含む、方法。

請求項69

前記抗トキシンA抗体またはその抗原結合性断片および前記抗トキシンB抗体またはその抗原結合性断片を同時に投与する、請求項68に記載の方法。

請求項70

前記抗トキシンA抗体またはその抗原結合性断片および前記抗トキシンB抗体またはその抗原結合性断片を、異なる時点で投与する、請求項68に記載の方法。

請求項71

前記細胞が被検体に存在し、前記抗体またはその抗原結合性断片を、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAおよびトキシンBの毒性を阻害または中和するのに有効な量で前記被検体に投与する、請求項68に記載の方法。

請求項72

前記抗トキシンA抗体またはその抗原結合性断片および/または前記抗トキシンB抗体またはその抗原結合性断片が、ヒトであるか、ヒト化形態またはキメラ形態である、請求項68に記載の方法。

請求項73

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンによる細胞に対する毒性を阻害または中和する方法であって、前記細胞を、有効クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシン阻害用量または中和用量の請求項38に記載の前記組成物に曝露することを含む、方法。

請求項74

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンによる細胞に対する毒性を阻害または中和する方法であって、前記細胞を、有効クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシン阻害用量または中和用量の請求項44に記載の前記組成物に曝露することを含む、方法。

請求項75

前記細胞が被検体に存在し、前記組成物を、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンBを阻害または中和するのに有効な量で前記被検体に投与する、請求項73に記載の方法。

請求項76

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株によって産生されるトキシンを中和する方法であって、(i)請求項1、2、5〜7または9〜11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片と、(ii)請求項3、4、8または12のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片とを、前記高病原性株によって産生される前記トキシンを中和するのに有効な量で、その投与が必要な被検体に投与することを含む、方法。

請求項77

(i)および(ii)の前記抗体またはその抗原結合性断片を同時に投与する、請求項76に記載の方法。

請求項78

(i)および(ii)の前記抗体またはその抗原結合性断片を異なる時点で投与する、請求項76に記載の方法。

請求項79

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の前記高病原性株の前記トキシンが、トキシンAおよびトキシンBである、請求項76に記載の方法。

請求項80

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の前記高病原性株が、BI/NAP1/027、tcdA−/tcdB+、外来患者分離株臨床分離株、臨床上、頻繁に分離される菌株のうちの1つ以上から選択される、請求項79に記載の方法。

請求項81

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の前記高病原性株が、CCL678、HMC553、Pitt45、CD196、montreal5、montreal7.1、MH5、Pitt2、CCL14137、UVA17、UVA30/TL42、Pitt7のうちの1つ以上から選択される、請求項80に記載の方法。

請求項82

前記抗体またはその抗原結合性断片が、ヒトであるか、ヒト化形態またはキメラ形態である、請求項76に記載の方法。

請求項83

請求項1、2、5〜7または9〜11のいずれか1項に記載の前記抗体またはその抗原結合性断片および/または請求項3、4、8または12のいずれか1項に記載の前記抗体またはその抗原結合性断片と、取扱説明書とを含む、キット

請求項84

前記抗体または抗原結合性断片が、前記キットの同一の容器に収容されるか、前記キットの別の容器に収容される、請求項83に記載のキット。

請求項85

前記抗体またはその抗原結合性断片をコンジュゲートするためのリンカーをさらに含む、請求項83に記載のキット。

請求項86

追加の治療剤をさらに含む、請求項83に記載のキット。

請求項87

前記追加の治療剤が、抗生剤、抗菌剤、殺菌剤または静菌剤である、請求項86に記載のキット。

請求項88

EC50値が7.7−12M〜4.8−8Mの範囲にあることを理由に判断して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株のトキシンAを中和するおよび/またはEC50値が1.1−11M〜6.5−10Mの範囲にあることを理由に判断して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株のトキシンBを中和する、モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片。

請求項89

前記抗体が、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694、PTA−9888、PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、請求項88に記載のモノクローナル抗体。

請求項90

ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694、PTA−9888、PTA−9693またはPTA−9692で寄託された前記ハイブリドーマ細胞株によって産生される前記抗体が、ヒト化されている、請求項89に記載のモノクローナル抗体。

請求項91

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の前記高病原性株が、BI/NAP1/027、CCL678、HMC553、Pitt45、CD196、montreal5、montreal7.1、MH5、Pitt2、CCL14137、UVA17、UVA30/TL42、Pitt7のうちの1つ以上から選択される、請求項88に記載のモノクローナル抗体。

請求項92

前記抗体またはその抗原結合性断片が、ヒトであるか、ヒト化形態またはキメラ形態である、請求項88に記載のモノクローナル抗体。

請求項93

無症状ではあるが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連下痢症(CDAD)に感染しやすいか罹患するリスクがある被検体を治療する方法であって、前記被検体に、(i)請求項1、2、5〜7または9〜11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片および(ii)請求項3、4、8または12のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片を、前記被検体を治療するのに有効な量で投与することを含む、方法。

請求項94

前記被検体が入院している、請求項93に記載の方法。

請求項95

2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなる、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体であって、重鎖が各々、配列番号1に記載の連続したアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号3に記載の連続したアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する、モノクローナル抗体。

請求項96

2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなる、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体であって、重鎖が各々、配列番号2に記載の連続したアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号3に記載の連続したアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する、モノクローナル抗体。

請求項97

2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなる、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体であって、重鎖が各々、配列番号1に記載の連続したアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号4に記載の連続したアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する、モノクローナル抗体。

請求項98

2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなる、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体であって、重鎖が各々、配列番号2に記載の連続したアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号4に記載の連続したアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する、モノクローナル抗体。

請求項99

2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなる、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体であって、重鎖が各々、配列番号5に記載の連続したアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号7に記載の連続したアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する、モノクローナル抗体。

請求項100

2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなる、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体であって、重鎖が各々、配列番号6に記載の連続したアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号7に記載の連続したアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する、モノクローナル抗体。

請求項101

2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなる、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対して生成されるモノクローナル抗体であって、重鎖が各々、配列番号8に記載の連続したアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号10に記載の連続したアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する、モノクローナル抗体。

請求項102

2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなる、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対して生成されるモノクローナル抗体であって、重鎖が各々、配列番号9に記載の連続したアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号10に記載の連続したアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する、モノクローナル抗体。

請求項103

前記CH領域が、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4、IgAIgEまたはIgMから選択される、請求項95〜102のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体。

請求項104

前記CH領域がIgG1である、請求項103に記載のモノクローナル抗体。

請求項105

前記CL領域が、κアイソタイプまたはλアイソタイプから選択される、請求項95〜102のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体。

請求項106

前記CL領域がκアイソタイプのものである、請求項105に記載のモノクローナル抗体。

請求項107

L鎖のV領域が、配列番号3、配列番号4または配列番号7のうちの1つ以上から選択されるアミノ酸配列を含む、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体またはその断片。

請求項108

L鎖のV領域が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含む、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB抗体またはその断片。

請求項109

H鎖のV領域が、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号6のうちの1つ以上から選択されるアミノ酸配列を含む、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体またはその断片。

請求項110

H鎖のV領域が、配列番号8または配列番号9うちの1つ以上から選択されるアミノ酸配列を含む、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB抗体またはその断片。

請求項111

ATCC受託番号PTA−9692で寄託された前記ハイブリドーマ細胞株によって産生される、前記モノクローナル抗体によって認識される前記エピトープが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAのトランスロケーションドメインを含む、請求項1に記載の抗体またはその断片。

請求項112

ATCC受託番号PTA−9694で寄託された前記ハイブリドーマ細胞株によって産生される、前記モノクローナル抗体によって認識される前記エピトープが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAのC末端受容体結合エピトープを含む、請求項1に記載の抗体またはその断片。

請求項113

ATCC受託番号PTA−9693で寄託された前記ハイブリドーマ細胞株によって産生される、前記モノクローナル抗体によって認識される前記エピトープが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンBのN末端酵素ドメインを含む、請求項3に記載の抗体またはその断片。

請求項114

ATCC受託番号PTA−9693で寄託された前記ハイブリドーマ細胞株によって産生される、前記モノクローナル抗体によって認識される前記エピトープが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのN末端酵素ドメインを含む103kDaの断片と63kDaの断片とを含む、請求項113に記載の抗体またはその断片。

請求項115

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体またはその断片であって、前記抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々VH領域とヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々VL領域とヒトCL領域とを含有し、前記重鎖ポリペプチドが、配列番号14で示される連続したアミノ酸配列を含み、前記軽鎖ポリペプチドが、配列番号16で示される連続したアミノ酸配列を含む、モノクローナル抗体またはその断片。

請求項116

配列番号14で示すアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチドをコードする、配列番号15に記載の配列を有する単離された核酸

請求項117

配列番号16で示すアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチドをコードする、配列番号17に記載の配列を有する単離された核酸。

請求項118

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体またはその断片であって、前記抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々VH領域とヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々VL領域とヒトCL領域とを含有し、前記重鎖ポリペプチドが、配列番号18で示される連続したアミノ酸配列を含み、前記軽鎖ポリペプチドが、配列番号20で示される連続したアミノ酸配列を含む、モノクローナル抗体またはその断片。

請求項119

配列番号18で示すアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチドをコードする、配列番号19に記載の配列を有する単離された核酸。

請求項120

配列番号20で示すアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチドをコードする、配列番号21に記載の配列を有する単離された核酸。

請求項121

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対して生成されるモノクローナル抗体またはその断片であって、前記抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々VH領域とヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々VL領域とヒトCL領域とを含有し、前記重鎖ポリペプチドが、配列番号22で示される連続したアミノ酸配列を含み、前記軽鎖ポリペプチドが、配列番号24で示される連続したアミノ酸配列を含む、モノクローナル抗体またはその断片。

請求項122

配列番号22で示すアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチドをコードする、配列番号23に記載の配列を有する単離された核酸。

請求項123

配列番号24で示すアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチドをコードする、配列番号25に記載の配列を有する単離された核酸。

請求項124

前記抗体の前記重鎖がIgGクラスのものである、請求項115、116、118、119、121または122のいずれか1項に記載の抗体。

請求項125

前記抗体の前記重鎖がIgG1クラスのものである、請求項124に記載の抗体。

請求項126

前記抗体の前記軽鎖がκアイソタイプのものである、請求項115、117、118、120、121または123のいずれか1項に記載の抗体。

請求項127

トキシンAをinvitroで中和するためのEC50中和値が93pM〜30nMの範囲であるか、EC50が46pMである、請求項1または請求項2に記載の抗体またはその断片。

請求項128

トキシンBをinvitroアッセイで中和するためのEC50値が6pM〜9.5pMの範囲であるか、EC50が5pMである、請求項3または請求項4に記載の抗体またはその断片。

請求項129

EC50値が2.6−12M〜7.7−11Mまたは7.7−12M〜4.8−8Mであることを理由に判断して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株によって産生されるトキシンAに対する中和活性を有する、請求項1または請求項2に記載の抗体またはその断片。

請求項130

EC50値が1.1−11M〜6.5−10Mであることを理由に判断して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株によって産生されるトキシンBに対する中和活性を有する、請求項3または請求項4に記載の抗体またはその断片。

請求項131

PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888から選択される少なくとも1つの抗トキシンA抗体、その抗原結合性断片またはそのヒト化形態と、PTA−9692またはPTA−9693から選択される少なくとも1つの抗トキシンB抗体、その抗原結合性断片またはそのヒト化形態とを含む、組成物。

請求項132

薬学的に許容されるキャリア、希釈剤、賦形剤または溶媒をさらに含む、請求項131に記載の組成物。

請求項133

少なくとも1つの追加の治療剤をさらに含む、請求項131または請求項132に記載の組成物。

請求項134

前記少なくとも1つの追加の治療剤が、メトロニダゾール、バンコマイシン、フィダキソマイシン、ニタゾキサニド、リファキシミン、ラモプラニンまたはこれらの組み合わせである、請求項133に記載の組成物。

請求項135

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンA向けの抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA中和モノクローナル抗体またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンB向けの抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB中和モノクローナル抗体を作製する方法であって、(a)1匹以上のレシピエント動物を、不活性トキソイドAで一定間隔で免疫し、(b)前記動物を、活性トキシンAまたは活性トキシンBの量を増して一定間隔でブーストし、(c)好適な不死化細胞株に融合させた前記免疫してブーストした動物の免疫細胞からハイブリドーマ細胞を得ることを含み、前記ハイブリドーマ細胞が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAを中和する抗トキシンA抗体またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBを中和する抗トキシンB抗体を産生して分泌する、方法。

請求項136

(d)前記抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA中和モノクローナル抗体または前記抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB中和モノクローナル抗体をさらに含む、請求項135に記載の方法。

請求項137

前記免疫するステップ(a)およびブーストするステップ(b)が、アジュバントを投与することを含む、請求項135または136に記載の方法。

請求項138

前記免疫するステップ(a)および前記ブーストするステップ(b)を、3週間ごとの一定間隔で実施する、請求項135または136に記載の方法。

請求項139

ステップ(a)において、前記レシピエント動物を2用量または3用量のトキソイドAで免疫する、請求項135または136に記載の方法。

請求項140

ステップ(b)において、前記レシピエント動物を、用量を増やしてトキシンAまたはトキシンBで3〜5回ブーストする、請求項135または136に記載の方法。

請求項141

トキシンAの内部移行細胞毒性(cytocellulartoxicity)を阻害、ブロックまたは防止することによって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAの毒性を阻害、ブロックまたは防止する、単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項142

前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項141に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項143

前記抗体がヒト化抗体またはキメラ抗体である、請求項142に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項144

前記抗体がPA−39(ATCC受託番号PTA−9692)またはヒト化PA−39である、請求項141に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項145

前記抗体がPA−50(ATCC受託番号PTA−964)またはヒト化PA−50である、請求項141に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項146

前記抗体が、PA−39(ATCC受託番号PTA−9692)、ヒト化PA−39、PA−50(ATCC受託番号PTA−9694)またはヒト化PA−50のトキシンAへの結合と競合する、請求項141に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項147

前記抗体が、トキシンAの前記受容体結合ドメイン外のトキシンAの領域における単一部位に結合することによって、PA−39(ATCC受託番号PTA−9692)またはそのヒト化形態と競合する、請求項146に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項148

前記抗体が、トキシンAの前記受容体結合ドメインの少なくとも2つの部位に結合することによって、PA−50(ATCC受託番号PTA−9694)またはそのヒト化形態と競合する、請求項146に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項149

前記抗体が、混合−競合的作用機序によってトキシンAの毒性を阻害する、請求項147に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項150

前記抗体が、競合的作用機序によってトキシンAの毒性を阻害する、請求項147に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項151

トキシンBのN末端酵素領域エピトープ部位に結合することによって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBの毒性を阻害、ブロックまたは防止する、単離された抗体またはその抗原結合性断片。

請求項152

前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項151に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項153

前記抗体がヒト化抗体またはキメラ抗体である、請求項152に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項154

前記抗体がPA−41(ATCC受託番号PTA−9693)またはヒト化PA−41である、請求項151に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項155

前記抗体が、PA−41(ATCC受託番号PTA−9693)またはヒト化PA−41の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBの前記N末端酵素領域に対する結合と競合する、請求項151に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項156

前記抗体が、混合−競合的作用機序によってトキシンBの毒性を阻害する、請求項155に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項157

モノクローナル抗体PA−39(ATCC受託番号PTA−9692)、PA−39のヒト化形態、モノクローナル抗体PA−50(ATCC受託番号PTA−9694)、PA−50のヒト化形態、モノクローナル抗体PA−41(ATCC受託番号PTA−9693)、PA−41のヒト化形態、モノクローナル抗体PA−39またはそのヒト化形態の、トキシンAに対する結合と競合する抗体、モノクローナル抗体PA−50またはそのヒト化形態の、トキシンAに対する結合と競合する抗体またはモノクローナル抗体PA−41またはそのヒト化形態の、トキシンBに対する結合と競合する抗体のうちの1つ以上によって認識および/または結合されるエピトープ領域を含有するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよび/またはトキシンBの一部、断片またはペプチドを含むワクチンまたは免疫原

請求項158

トキシンAおよび/またはトキシンBのエピトープ含有部分、断片またはペプチドが、タンパク質分解的な切断によって、トキシンAまたはトキシンBのタンパク質から得られる、請求項157に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項159

前記トキシンAタンパク質が、エンテロキナーゼによってタンパク質分解的に切断される、請求項158に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項160

前記トキシンBタンパク質が、カスパーゼによってタンパク質分解的に切断される、請求項158に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項161

エピトープ含有部分または断片が、トキシンAまたはトキシンBのタンパク質の化学的または組換え的に合成されたペプチドである、請求項157に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項162

前記抗体によって認識および結合される1つ以上のエピトープ領域または部位を含む前記断片が、トキシンAのアミノ末端、トキシンBのアミノ末端、トキシンAのカルボキシ末端、トキシンBのカルボキシ末端、トキシンAの受容体結合ドメイン、トキシンAの前記受容体結合ドメイン外の領域、トキシンBの受容体結合ドメイン、トキシンBの前記受容体結合ドメイン外の領域、トキシンBのN末端酵素領域、トキシンAのグルコシルトランスフェラーゼドメイン、トキシンBのグルコシルトランスフェラーゼドメイン、トキシンAのタンパク質分解ドメイン、トキシンBのタンパク質分解ドメイン、トキシンAの疎水性ポア形成ドメインまたはトキシンBの疎水性のポア形成ドメインのうちの1つ以上に由来する、請求項157に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項163

前記抗体によって認識および結合される1つ以上のエピトープ領域または部位を含む前記断片が、トキシンAの前記受容体結合ドメイン外の領域に由来する、請求項162に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項164

前記抗体によって認識および結合される1つ以上のエピトープ領域または部位を含む前記断片が、トキシンAの前記受容体結合ドメイン内の領域に由来する、請求項162に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項165

前記抗体によって認識および結合される1つ以上のエピトープ領域または部位を含む前記断片が、トキシンBの前記N末端酵素領域に由来する、請求項162に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項166

トキシンAおよび/またはトキシンBの前記エピトープ含有断片または部分の大きさが<300kDaである、請求項157に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項167

トキシンAおよび/またはトキシンBの前記エピトープ含有断片または部分の大きさが、約158〜160kDa、約100〜105kDa、103kDa、約90〜95kDa、91kDa、約63〜68kDa、63kDaおよび/または68kDaである、請求項166に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項168

トキシンAの前記エピトープ含有断片または部分の大きさが、約158〜160kDa、約90〜95kDa、91kDa、約63〜68kDaおよび/または68kDaである、請求項167に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項169

トキシンBの前記エピトープ含有断片または部分の大きさが、約100〜105kDa、103kDa、約63〜68kDaおよび/または63kDaである、請求項167に記載のワクチンまたは免疫原。

請求項170

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患の中和、阻害、ブロック、低減、緩和、治療(cure)または治療(treat)を必要とする被検体において、これをする方法であって、請求項157〜169のいずれか1項に記載の前記ワクチンまたは免疫原を有効量で前記被検体に投与することを含み、前記被検体が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよび/またはトキシンBに対する液性反応を誘発することで、前記被検体においてクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患またはCDADを中和、阻害、ブロック、低減、緩和、治療(cure)または治療(treat)する、方法。

請求項171

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症にかかりやすい細胞においてまたは前記細胞に対してトキシンAおよび/またはトキシンBの活性を中和、阻害またはブロックする方法であって、前記細胞を、請求項1〜12のいずれか1項に記載の前記抗体またはその抗原結合性断片と接触させることを含み、前記抗体またはその抗原結合性断片が、トキシン阻害の競合的または混合競合的作用機序によって、前記細胞においてまたは前記細胞に対して前記トキシンAおよび/またはトキシンBの活性を中和、阻害またはブロックする、方法。

請求項172

前記細胞が被検体にあり、前記抗体またはその抗原結合性断片を前記被検体に有効量で投与する、請求項171に記載の方法。

請求項173

前記トキシンがトキシンAである、請求項171または172に記載の方法。

請求項174

前記トキシンがトキシンBである、請求項171または172に記載の方法。

請求項175

前記作用機序が競合的阻害作用機序である、請求項173に記載の方法。

請求項176

前記抗体またはその抗原結合断片が、PA−50(ATCC受託番号PTA−9694)、そのヒト化形態であるか、PA−50のトキシンA活性の中和と競合する抗体またはその断片である、請求項175に記載の方法。

請求項177

前記作用機序が混合−競合的阻害作用機序である、請求項173に記載の方法。

請求項178

前記抗体またはその抗原結合断片が、PA−39(ATCC受託番号PTA−9692)、そのヒト化形態であるか、PA−39のトキシンA活性の中和と競合する抗体またはその断片である、請求項177に記載の方法。

請求項179

前記作用機序が混合競合的阻害作用機序である、請求項174に記載の方法。

請求項180

前記抗体またはその抗原結合断片が、PA−41(ATCC受託番号PTA−9693)、そのヒト化形態であるか、PA−41のトキシンB活性の中和と競合する抗体またはその断片である、請求項179に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願
本出願は、米国特許法第119条に基づき、2010年4月15日にファイルされた米国仮特許出願第61/324503号および2010年9月10日にファイルされた同第61/381669号の優先権の利益を主張するものであり、それぞれの内容全体を本明細書に援用する。

0002

本発明は、広義には、クロストリジウムディフィシル(C.difficile)細菌への感染が原因となり得る、C.diff.関連下痢症(CDAD)などのクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)(C.difficile)感染症およびクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患の症状および病理治療に用いることが可能な組成物および治療法に関する。本発明はさらに、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよび/またはトキシンBのエピトープに特異的に結合する抗体またはその抗原結合性断片、このような抗体を含む組成物ならびに、この抗体または組成物の使用方法に関する。

背景技術

0003

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)(またはC.diff.)は、院内(病院で獲得される)抗生剤関連下痢症および偽膜性大腸炎の主な原因となっているグラム陽性胞子形成性の嫌気性細菌である。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症は、米国内で年間の合計で750,000を超える症例があると推定され、他の腸感染の合計よりも死因として多くなっている(1)。多くの病院で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)は、患者にとってはメチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)または他のどの細菌よりも大きなリスクとなっている(2)。Clostridium difficile関連疾患(CDAD)を管理するための年間のコストは、米国内で推定32億ドルを超える(3)。病原性または抗生剤耐性が高まったクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株が最近流行したことで、治療の失敗、再発の頻発、死亡率の増加などにつながっている(4)。

0004

CDADは一般に、クリンダマイシンセファロスポリンフルオロキノロンなどの抗生剤を用いることで結腸細菌叢破壊されて誘発される。(3,8)このような結腸微小環境混乱が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)胞子への曝露とあいまって、コロニー形成につながる。コロニー形成が起こった全患者の約3分の1でCDADが発症し(9)、これが重症の下痢症、結腸穿孔結腸切除、死を引き起こし得る(10)。CDADは、腸がクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に感染してこれが増殖した後に生じるが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)細菌は腸で、CDADの2つの重要な病原因子であるトキシンAおよびトキシンBを産生する。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAとBは、配列および構造の点でかなりの相同性を示す。どちらも複数の繰り返し配列を含むC末端受容体結合ドメイン、中央の疎水性ドメインN末端グルコシルトランスフェラーゼドメインを有する。受容体結合ドメインは、ヒトではあまり規定されていないままの宿主受容体を介した腸上皮細胞へのトキシンの結合を媒介する。エンドソーム経路による内部移行後、中央の疎水性ドメインがエンドソームの膜に入り込む。エンドソームの酸性のpHがポア形成の引き金となり、トキシンのアミノ末端ドメインがサイトゾルに移動する。細胞質標的RhoGTPasesのグルコシル化によって、細胞骨格の破壊と細胞死が引き起こされる。トキシンAおよびBは、疾患を引き起こす可能性のある相乗効果を持つ異なる病理学プロファイルを示す。

0005

最近、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株が流行したことで、重症の疾患の率が上がり、再発頻度増し、死亡率も高まっている。高病原性株のひとつであるBI/NAP1/027 toxintoype IIIは、歴史的に珍しいが現在は流行している。B1/NAP1/027などの高病原性株は、非クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株よりも数倍多くのトキシンAおよびトキシンBを産生し、このような株による疾患を感染後に治療しにくいものとしている。高病原性株が、一般に用いられている抗菌剤や抗生剤に対して耐性を持つことが、これらの株による疾患を治療・阻止しにくくする大きな問題となっているため、高病原性に対処し、高病原性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)分離株に関連した疾患の再発をなくすための別の治療手法とさらに強力な治療法が必要である。

0006

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症に対する現行の抗生剤治療には、バンコマイシンおよび/またはメトロニダゾールを用いることを含む。しかしながら、反応率不完全再感染や再発率が高まることから、これらの抗生剤には制約がある。2000年以降、メトロニダゾール療法の失敗率が実質的に高くなっていることが報告されている(23〜25)。抗生剤治療後の再発率の高さは、正常な結腸細菌叢が破壊されつづけ、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に、ほとんど競争なく回復する機会を与えていることによる可能性がある(26〜28)。一度再発の経験がある患者で再発のリスクが増し、最初の発症後の約20%から2回以上の再発後の60%を超える比率に増している。(29、30)この再発リスクの増加は、適切な抗トキシン抗体反応を開始できなかったことと関連している。(31)特に、抗菌療法の最後に血清IgG抗トキシンの力価が最も高い患者では、再発率が下がっていた。(32)別の研究では、血清抗トキシンB抗体レベルが、再発性CDADからの保護と相関していた。(33)

0007

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の罹患率着実に増えており、特に虚弱であることの多い高齢者で増えている。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症患者の約3分の1で、通常は最初の疾病から2か月以内に感染が再発する。感染を繰り返すと、もとの疾患よりも重症になりやすく、死に至ることも多くなる。高齢成人や免疫系の弱い人々が特に再発感染にかかりやすい。適時に適切な治療をしないと、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の合併症には、結腸の破裂と死にいたりかねない脱水症腎不全腸穿孔中毒性巨大結腸を含む。

0008

米国で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症は、入院患者がかかる最も一般的な感染症であるが、地域社会における院外でかかることもある。毎年、米国の地域社会で20,000例のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染が起こると推定されている。国際的には、出現率には極めてばらつきがあり、診断確定するのに内視鏡検査を用いる頻度、抗菌剤の使用パターン疫学的なパターンをはじめとする、複数の要因に左右される。

発明が解決しようとする課題

0009

よって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症によって引き起こされる疾患が、院内環境と地域社会全体の両方で、あらゆる年齢の人々の生活を危険にさらしていることは明らかである。昨今の世界には、入院する患者や病院で長期間にわたって手当を受ける患者に、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症のリスクが絶えず存在する。病院外の環境でクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症にかかることもあるため、幼い子どもや赤ちゃんが疾患にかかる可能性が大きい。また、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に用いられている現在の抗生剤治療計画が、最適に効果的とはいえない可能性もある。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患のある患者には、広範囲におよぶ入院患者のケアが必要で、長期間病院に入院しなければならない。クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患患者に求められる、病院で高度な支援的ケアと治療を受けることに伴うコストは大きく、医師看護要員の人数が多くなる、研究室での試験監視、併用医薬剤、追加の支援的測定などのために、高価な資源を必要とする。

0010

結果として、予防および治療上の利点を得るために、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)によって引き起こされる生命おびやかす疾患、特に、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)によって産生される強力なトキシンを標的とした一層効果的な医薬剤、医薬品、治療薬需要がある。耐性が生じる可能性を抑え、患者の反応と疾患からの回復が成功する可能性を高め、疾患の根絶につながる、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患に対する成功して長続きする治療に対する、いまだ対処されていない医療上の需要がある。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、少なくとも部分的に、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体および/またはトキシンB抗体を含む新規抗体試薬および組成物を提供するものである。この試薬および組成物には、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連感染および疾患で悩んでいる、数が増え続ける被検体を治療し、生活の質を改善し、CDADおよびクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症から回復させ、これらの感染個体の生存を助ける上で利点があり得る。

0012

一態様では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する結合と交差競合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、ハイブリドーマ細胞株が、ATCC受託番号PTA−9692で寄託される。一実施形態では、ハイブリドーマ細胞株が、ATCC受託番号PTA−9694で寄託される。一実施形態では、ハイブリドーマ細胞株が、ATCC受託番号PTA−9888で寄託される。一実施形態では、モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である。

0013

もうひとつの態様では、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、モノクローナル抗体によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのエピトープに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、ハイブリドーマ細胞株が、ATCC受託番号PTA−9692で寄託される。一実施形態では、ハイブリドーマ細胞株が、ATCC受託番号PTA−9694で寄託される。一実施形態では、ハイブリドーマ細胞株が、ATCC受託番号PTA−9888で寄託される。一実施形態では、モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である。

0014

もうひとつの態様では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対する結合と交差競合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、ハイブリドーマ細胞株が、ATCC受託番号PTA−9693で寄託される。一実施形態では、ハイブリドーマ細胞株が、ATCC受託番号PTA−9692で寄託される。一実施形態では、モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である。

0015

もうひとつの態様では、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、モノクローナル抗体によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのエピトープに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、ハイブリドーマ細胞株が、ATCC受託番号PTA−9693で寄託される。一実施形態では、ハイブリドーマ細胞株が、ATCC受託番号PTA−9692で寄託される。一実施形態では、モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である。一実施形態では、単離された抗体またはその抗原結合性断片が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのin vivo毒性を中和する。一実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片が、0.1〜1000μgの量で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのin vivo毒性を中和する。

0016

もうひとつの態様では、モノクローナル抗体PA−39(ATCC受託番号9692)またはその抗原結合性断片が得られる。もうひとつの態様では、モノクローナル抗体PA−50(ATCC受託番号PTA−9694)またはその抗原結合性断片が得られる。もうひとつの態様では、モノクローナル抗体PA−38(ATCC受託番号PTA−9888)またはその抗原結合性断片が得られる。もうひとつの態様では、モノクローナル抗体PA−41(ATCC受託番号PTA−9693)またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である。

0017

さらに別の態様では、上述し、かつ本明細書にて説明するような抗体またはその抗原結合性断片をコードする少なくとも1つの核酸分子を含む発現ベクターが得られる。さらに別の態様では、上述した、あるいは本明細書にて説明するような抗体またはその抗原結合性断片の重鎖またはその一部をコードする核酸分子を含む発現ベクターが得られる。さらに別の態様では、上述した、あるいは本明細書にて説明するような抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖またはその一部をコードする核酸分子を含む発現ベクターが得られる。さらに別の態様では、上述した、あるいは本明細書にて説明するような抗体またはその抗原結合断片の重鎖またはその一部と、軽鎖またはその一部とをコードする少なくとも1つの核酸分子を含む発現ベクターが得られる。

0018

もうひとつの態様では、上述し、かつ本明細書にて説明するいずれかの発現ベクターによって形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞が得られる。もうひとつの態様では、上述し、かつ本明細書にて説明するような抗体またはその抗原結合断片のいずれかをコードするプラスミドが得られる。

0019

もうひとつの態様では、上述し、かつ本明細書にて説明するような単離された抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体または抗原結合性断片であって、抗体または抗原結合性断片が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのin vivo毒性を中和する、抗体または抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、抗体または抗原結合性断片が、0.1μg〜1000μgまたは1μg/kg〜100,000μg/kgの量で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのin vivo毒性を中和する。もうひとつの実施形態では、単離された抗体または抗原結合性断片が、0.5μg〜1000μgまたは5μg〜250μgまたは10mg/kg〜50mg/kgから選択される量で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのin vivo毒性を中和する。一実施形態では、抗体が、モノクローナル抗体PA−39(ATCC受託番号9692)またはその抗原結合性断片である。一実施形態では、抗体が、モノクローナル抗体PA−50(ATCC受託番号PTA−9694)またはその抗原結合性断片である。一実施形態では、抗体が、モノクローナル抗体PA−38(ATCC受託番号PTA−9888)またはその抗原結合性断片である。一実施形態では、モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である。

0020

もうひとつの態様では、上述し、かつ本明細書にて説明するような単離された抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB抗体または抗原結合性断片であって、抗体または抗原結合性断片が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのin vivo毒性を中和する、抗体または抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、単離された抗体またはその抗原結合性断片が、0.5μg〜1000μg、0.5μg、5μg、40μg、50μg、100μg、200μg、1000μgまたは10mg/kg〜50mg/kgから選択される量で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのin vivo毒性を中和する。一実施形態では、抗体が、モノクローナル抗体PA−39(ATCC受託番号9692)またはその抗原結合性断片である。一実施形態では、抗体が、モノクローナル抗体PA−41(ATCC受託番号PTA−9693)またはその抗原結合性断片である。一実施形態では、モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、キメラ形態またはヒト化形態である。

0021

もうひとつの態様は、上述し、かつ本明細書にて説明するような単離された抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体または抗原結合性断片であって、抗体または抗原結合性断片が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合するおよび/またはこれを中和する単離された抗体またはその抗原結合性断片との組み合わせで、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症被検体に投与されると、CDADを処理および/または被検体の生存性を高める、抗体または抗原結合性断片を提供するものである。一実施形態では、抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体またはその断片を同時に投与する。一実施形態では、抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体またはその断片を異なる時点で投与する。一実施形態では、抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体またはその断片を逐次投与する。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性断片が、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片、そのヒト化形態あるいは、これらのトキシンAに対する結合と交差反応するモノクローナル抗体である。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性断片が、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片、そのヒト化形態あるいは、これらのトキシンBに対する結合と交差反応するモノクローナル抗体である。

0022

もうひとつの態様は、上述し、かつ本明細書にて説明するような単離された抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB抗体または抗原結合性断片であって、抗体または抗原結合性断片が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合するおよび/またはこれを中和する単離された抗体またはその抗原結合性断片との組み合わせで、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症被検体に投与されると、CDADを処理および/または被検体の生存性を高める、抗体または抗原結合性断片を提供するものである。一実施形態では、抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体またはその断片を同時に投与する。一実施形態では、抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体またはその断片を異なる時点で投与する。一実施形態では、抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体またはその断片を逐次投与する。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性断片が、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片、そのヒト化形態あるいは、これらのトキシンAに対する結合と交差反応するモノクローナル抗体である。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性断片が、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片、そのヒト化形態あるいは、これらのトキシンBに対する結合と交差反応するモノクローナル抗体である。

0023

もうひとつの態様は、上述し、かつ本明細書にて説明するような単離された抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体または抗原結合性断片であって、抗体または抗原結合性断片が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合性断片との組み合わせで、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症被検体に投与されると、CDADを処理および/または被検体の生存性を改善する、抗体または抗原結合性断片を提供するものである。一実施形態では、抗トキシンA抗体またはその抗原結合性断片を、1μg〜1000μgまたは1μg〜250μgまたは5μg〜100μgの量で投与し、抗トキシンB抗体またはその抗原結合性断片の用量を、0.1μg〜1000μg.または1μg〜250μgまたは5μg〜100μgの量で投与する。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性断片が、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片、そのヒト化形態あるいは、これらのトキシンAに対する結合と交差反応するモノクローナル抗体である。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性断片が、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片、そのヒト化形態あるいは、これらのトキシンBに対する結合と交差反応するモノクローナル抗体である。

0024

もうひとつの態様は、上述し、かつ本明細書にて説明するような単離された抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体または抗原結合性断片であって、抗体または抗原結合性断片が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合性断片との組み合わせで、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症被検体に投与されると、CDADを処理および/または被検体の生存性を改善する、抗体または抗原結合性断片を提供するものである。一実施形態では、抗トキシンA抗体またはその抗原結合性断片を、50mg/kgの量で投与し、抗トキシンB抗体またはその抗原結合性断片を、50mg/kgの量で投与する。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性断片が、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片、そのヒト化形態あるいは、これらのトキシンAに対する結合と交差反応するモノクローナル抗体である。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性断片が、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片、そのヒト化形態あるいは、これらのトキシンBに対する結合と交差反応するモノクローナル抗体である。

0025

もうひとつの態様は、上述し、かつ本明細書にて説明するような単離された抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体または抗原結合性断片であって、抗体または抗原結合性断片が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合性断片との組み合わせで、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症被検体に投与されると、治癒するまたは生存率を50%、60%、70%、80%、90%または100%にする、抗体または抗原結合性断片を提供するものである。一実施形態では、抗体または抗原結合性断片を、40〜50mg/kgの用量で、2日ごとに4回投与する。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性断片が、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片、そのヒト化形態あるいは、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたモノクローナル抗体のうちの1つ以上の、トキシンAに対する結合と交差競合するモノクローナル抗体である。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性断片が、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体、その抗原結合性断片、そのヒト化形態あるいは、ATCC受託番号PTA−9692またはPTA−9693で寄託されたモノクローナル抗体のうちの1つ以上の、トキシンBに対する結合と交差競合するモノクローナル抗体である。

0026

もうひとつの態様では、本明細書で説明するような単離された抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体または抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB抗体またはその抗原結合性断片であって、抗体または抗原結合性断片が、モノクローナル抗体、ヒト化抗体ヒト抗体またはキメラ抗体のうちの1つ以上の形態をとるか、あるいはその1つ以上から選択される、抗体またはその抗原結合性断片が得られる。

0027

もうひとつの態様では、本明細書で説明するような単離された抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体または抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB抗体またはその抗原結合性断片であって、抗体またはその抗原結合性断片が、二重特異性抗体または二官能性抗体の形態をとるか、あるいは.二重特異性抗体または二官能性抗体からなるものである。

0028

(i)ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体、その抗原結合性断片、前述の抗体またはその抗原結合性断片のヒト化バージョン、前述の抗体またはその抗原結合性断片の重鎖可変ドメインおよび/または前述の抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖可変ドメインと、(ii)ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体、その抗原結合性断片、前述の抗体またはその抗原結合性断片のヒト化バージョン、前述の抗体またはその抗原結合性断片の重鎖可変ドメインおよび/または前述の抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖可変ドメインを含む、二重特異性抗体またはその抗原結合性断片が得られる。

0029

もうひとつの態様は、抗体が、(i)ATCC受託番号PTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、モノクローナル抗体、その抗原結合性断片、前述の抗体またはその抗原結合性断片のヒト化バージョン、前述の抗体またはその抗原結合性断片の重鎖可変ドメインおよび/または前述の抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖可変ドメインと、(ii)ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、単離されたモノクローナル抗体、その抗原結合性断片、前述の抗体またはその抗原結合性断片のヒト化バージョン、前述の抗体またはその抗原結合性断片の重鎖可変ドメインおよび/または前述の抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖可変ドメインを含む、二重特異性抗体またはその抗原結合性断片を提供するものである。

0030

さまざまな実施形態では、上述し、かつ本明細書にて説明するような抗体またはその抗原結合性断片であって、抗原結合性断片が、Fab断片、F(ab’)2断片、Fv断片から選択される抗体またはその抗原結合性断片が得られる。もうひとつの態様では、上述し、かつ本明細書にて説明するような単離された抗体またはその抗原結合性断片であって、抗体またはその抗原結合性断片が単鎖抗体であるか単鎖抗体を含む、抗体またはその抗原結合性断片が得られる。

0031

もうひとつの態様では、上述し、かつ本明細書にて説明するような本発明の抗体またはその抗原結合性断片の1つ以上と、薬学的に許容されるキャリア賦形剤溶媒または希釈剤とを含む、組成物が得られる。一実施形態では、組成物が、少なくとも1種類の本発明の抗トキシンA抗体、たとえば、mAbPTA−9692、mAb PTA−9694、mAb PTA−9888、その抗原結合性断片またはそのヒト化形態と、少なくとも1種類の本発明の抗トキシンB抗体、たとえば、mAb PTA−9692、mAb PTA−9693、その抗原結合性断片またはそのヒト化形態とを含む。一実施形態では、組成物が、本発明の1種類の抗トキシンA抗体、たとえば、mAb PTA−9888、その抗原結合性断片またはそのヒト化形態と、本発明の1種類の抗トキシンB抗体、たとえば、mAb 9693、その抗原結合性断片またはそのヒト化形態とを含む。一実施形態では、組成物が、本発明の1種類の抗トキシンA抗体、たとえば、mAb PTA−9694、その抗原結合性断片またはそのヒト化形態と、本発明の1種類の抗トキシンB抗体、たとえば、mAb 9693、その抗原結合性断片またはそのヒト化形態とを含む。一実施形態では、各mAbが、組成物中に同一の量で存在する。一実施形態では、各mAbが、互いに重量で1:1の比で組成物中に存在する。一実施形態では、各mAbが、組成物中に異なる量で存在する。一実施形態では、各mAbが、互いに重量で1:1以外の比で組成物中に存在し、その比については本明細書に記載してある。一実施形態では、組成物が、追加の治療剤をさらに含む。一実施形態では、追加の治療剤が、抗生剤、抗菌、殺菌、静菌剤またはこれらの組み合わせを含む。一実施形態では、追加の治療剤が、メトロニダゾール、バンコマイシン、フィダキソマイシンまたはこれらの組み合わせである。

0032

もうひとつの態様では、上述し、かつ本明細書にて説明するような本発明の発現ベクターと、薬学的に許容されるキャリア、賦形剤、溶媒または希釈剤とを含む、組成物が得られる。もうひとつの態様では、上述し、かつ本明細書にて説明するような本発明の発現ベクターを持つ宿主細胞と、薬学的に許容されるキャリア、賦形剤、溶媒または希釈剤とを含む、組成物が得られる。もうひとつの態様では、上述し、かつ本明細書にて説明するような本発明のプラスミドと、薬学的に許容されるキャリア、賦形剤、溶媒または希釈剤とを含む組成物が得られる。

0033

もうひとつの態様は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンBを結合するための結合部位を含む少なくとも2つのポリペプチド鎖を含む結合タンパク質であって、少なくとも1つのポリペプチド鎖が、第1の重鎖可変ドメイン、第2の重鎖可変ドメイン、重鎖定常ドメインまたはその一部を含み、少なくとも1つのポリペプチド鎖が、第1の軽鎖可変ドメイン、第2の軽鎖可変ドメイン、軽鎖定常ドメインまたはその一部を含み、ポリペプチド鎖を含む可変ドメインが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンBに対する機能的結合部位を形成する、結合タンパク質が得られる。一実施形態では、結合タンパク質の第1の重鎖可変ドメインおよび第1の軽鎖可変ドメインが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する機能的結合部位を形成し、結合タンパク質の第2の重鎖可変ドメインおよび第2の軽鎖可変ドメインが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対する機能的結合部位を形成する。一実施形態では、結合タンパク質の第1の重鎖可変ドメインおよび第1の軽鎖可変ドメインが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対する機能的結合部位を形成し、結合タンパク質の第2の重鎖可変ドメインおよび第2の軽鎖可変ドメインが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する機能的結合部位を形成する。一実施形態では、結合タンパク質がFc領域を含む。一実施形態では、結合タンパク質が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンBの毒性を中和する。さまざまな実施形態では、結合タンパク質が、表面プラズモン共鳴で測定した場合の少なくとも102M−1s−1;少なくとも103M−1s−1;少なくとも104M−1s−1;少なくとも105M−1s−1;少なくとも106M−1s−1;または少なくとも107M−1s−1から選択される、トキシンAまたはトキシンBに対する結合速度定数(Kon)を有する。さまざまな実施形態では、結合タンパク質が、表面プラズモン共鳴で測定した場合の最大で10−3s−1;最大で10−4s−1;最大で10−5s−1;または最大で10−6s−1から選択される、トキシンAまたはトキシンBに対する解離速度定数(Koff)を有する。さまざまな実施形態では、結合タンパク質が、最大で10−7M;最大で10−8M;最大で10−9M;最大で10−10M;最大で10−11M;最大で10−12M;または最大で10−13Mから選択される、トキシンAまたはトキシンBに対する解離定数(KD)を有する。

0034

もうひとつの態様では、上述し、かつ本明細書にて説明するような結合タンパク質と、薬学的に許容されるキャリア、賦形剤、溶媒または希釈剤とを含む、組成物が得られる。一実施形態では、組成物が、追加の治療剤をさらに含む。一実施形態では、組成物の追加の治療剤が、抗生剤、抗菌、殺菌、静菌剤またはこれらの組み合わせである。一実施形態では、組成物の追加の治療剤が、メトロニダゾール、バンコマイシン、フィダキソマイシン、ニタゾキサニドリファキシミンラモプラニンまたはこれらの組み合わせである。

0035

もうひとつの態様では、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9693、PTA−9494またはPTA−9888で寄託された、ハイブリドーマ細胞株が得られる。

0036

もうひとつの態様は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患のある被検体を治療する方法であって、本明細書に記載の少なくとも1種類の組成物を被検体に投与することを含む、方法を提供するものである。一実施形態では、組成物が、本発明の抗体、好ましくはヒト化形態の抗体を1種類以上含む。一実施形態では、組成物が、ヒト化形態での本明細書に記載の少なくとも1種類の抗トキシンA抗体またはその抗原結合性断片と、ヒト化形態での本明細書に記載の少なくとも1種類の抗トキシンB抗体とを含む。さまざまな実施形態では、1つ以上の追加の治療用試薬、医薬品、化合物または成分を組成物中に含有させてもよい。一実施形態では、組成物が、薬学的に許容されるキャリア、希釈剤、溶媒または賦形剤をさらに含む。一実施形態では、組成物を、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患、たとえば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連下痢症(CDAD)を治療するのに有効な量で投与する。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患を治療するのに有効な量で、2種類の組成物を被検体に投与する。一実施形態では、2種類の組成物を同時に投与する。一実施形態では、2種類の組成物を異なる時点で投与する。

0037

もうひとつの態様は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンBによる、細胞に対する毒性を阻害または中和する方法であって、細胞を、有効クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA阻害用量または中和用量の本発明による抗トキシンAモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片および有効クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB阻害用量または中和用量の本発明による抗トキシンBモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片に曝露することを含む、方法を提供するものである。一実施形態では、抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体は、ヒト化形態のものである。一実施形態では、抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体が、キメラ形態のものである。一実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片を、同時に投与する。一実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片を、異なる時点で投与する。この方法の一実施形態では、細胞が被検体に存在し、抗体またはその抗原結合性断片を、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAおよびトキシンBを阻害または中和するのに有効な量で被検体に投与する。

0038

もうひとつの態様は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンによる細胞の毒性を阻害または中和する方法であって、細胞を、有効クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシン阻害用量または中和用量の本明細書で説明するような本発明の組成物少なくとも1種類に曝露することを含む、方法を提供するものである。この方法の一実施形態では、細胞を、有効クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシン阻害用量または中和用量の2種類の組成物に曝露し、一方が抗トキシンA抗体またはその抗原結合性断片を含み、他方が抗トキシンB抗体またはその抗原結合性断片を含む。一実施形態では、抗体がヒト化されている。一実施形態では、抗体がキメラである。実施形態では、2種類の組成物を同時に投与するか、異なる時点で投与する。一実施形態では、細胞が被検体に存在し、少なくとも1つの組成物を、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンを阻害または中和するのに有効な量で被検体に投与する。

0039

もうひとつの態様は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株によって産生されるトキシンを中和する方法であって、(i)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに結合してこれを中和する本発明の抗体またはその抗原結合性断片と、(ii)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに結合してこれを中和する本発明の抗体またはその抗原結合性断片とを、高病原性株によって産生されるトキシンを中和するのに有効な量で、それが必要な被検体に投与することを含む、方法を提供するものである。一実施形態では、(i)および(ii)の抗体がヒト化抗体である。一実施形態では、(i)および(ii)の抗体がキメラ抗体である。実施形態では、抗体またはその抗原結合性断片を、同時に投与するか、異なる時点で投与する。一実施形態では、高病原性株のトキシンが、トキシンAおよびトキシンBである。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株が、BI/NAP1/027、CCL676、HMC553、Pitt45、CD196、montreal 5またはmontreal 7.1のうちの1つ以上である。一実施形態では、抗トキシンA抗体またはその抗原結合性断片が、EC50値が2.6−12M〜7.7−11Mまたは7.7−12M〜4.8−8Mであることを理由に判断して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株によって産生されるトキシンAに対する中和活性を有する。一実施形態では、抗トキシンB抗体またはその抗原結合性断片が、EC50値が1.1−11M〜6.5−10Mであることを理由に判断して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株によって産生されるトキシンBに対する中和活性を有する。

0040

もうひとつの態様では、本発明による、本明細書で説明するような抗体、特にヒト化形態の抗体またはその抗原結合性断片と、取扱説明書とを含む、キットが得られる。一実施形態では、抗体または抗原結合性断片が、キットの同一の容器に収容される。一実施形態では、抗体または抗原結合性断片キットの別の容器に収容される。一実施形態では、キットが、抗体またはその抗原結合性断片をコンジュゲートするためのリンカーをさらに含む。一実施形態では、キットが、抗生剤、抗菌剤、殺菌剤または静菌剤であってもよい追加の治療剤を含む。一実施形態では、追加の治療剤が、メトロニダゾール、バンコマイシン、フィダキソマイシン、ニタゾキサニド、リファキシミン、ラモプラニンまたはこれらの組み合わせである。

0041

もうひとつの態様では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株のトキシンAまたはトキシンBを中和するモノクローナル抗体、特にヒト化形態のモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、モノクローナル抗体が、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694、PTA−9888、またはPTA−9693で示され、それぞれATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694、PTA−9888またはPTA−9693で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される。一実施形態では、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694、PTA−9888、PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体が、ヒト化されているか、キメラ形態である。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株が、BI/NAP1/027、CCL676、HMC553、Pitt45、CD196、montreal 5、montreal 7.1のうちの1つ以上である。

0042

もうひとつの態様では、無症状であるが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症にかかりやすいか罹患するリスクがある被検体を治療する方法であって、(i)本明細書で提供し、説明する抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体またはその抗原結合性断片と、(ii)本明細書で提供し、説明するような抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB抗体またはその抗原結合性断片とを、被検体を治療するのに有効な量で被検体に投与することを含む、方法が得られる。この方法の一実施形態では、被検体が入院している。

0043

もうひとつの態様では、ヒト化クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体が得られる。一実施形態では、このような抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する。一実施形態では、このような抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する。一実施形態では、このような抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する。一実施形態では、このような抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する。一実施形態では、このような抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、配列番号5に記載のアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する。一実施形態では、このような抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する。

0044

もうひとつの態様では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対して作製されたヒト化モノクローナル抗体が得られる。一実施形態では、このような抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号10に記載のアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する。一実施形態では、このような抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むVH領域と、ヒトCH領域とを含有し、軽鎖が各々、配列番号10に記載のアミノ酸配列を含むVL領域と、ヒトCL領域とを含有する。

0045

もうひとつの態様では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体またはその断片であって、抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、VH領域とヒトCH領域とを含み、軽鎖が各々、VL領域とヒトCL領域とを含む、モノクローナル抗体またはその断片が得られる。配列番号14で示される抗体の重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号15に示す(図38B)。配列番号16で示される抗体の軽鎖ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号17に示す(図38A)。

0046

もうひとつの態様では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体またはその断片であって、抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、VH領域とヒトCH領域とを含み、軽鎖が各々、VL領域とヒトCL領域とを含む、モノクローナル抗体またはその断片が得られる。配列番号18で示される抗体の重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号19に示す(図39B)。配列番号20で示される抗体の軽鎖ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号21に示す(図39A)。

0047

もうひとつの態様では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対して生成されるモノクローナル抗体またはその断片であって、抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、VH領域とヒトCH領域とを含み、軽鎖が各々、VL領域とヒトCL領域とを含む、モノクローナル抗体またはその断片が得られる。配列番号22で示される抗体の重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号23に示す(図40B)。配列番号24で示される抗体の軽鎖ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号25に示す(図40A)。

0048

上述した本発明のヒト化モノクローナル抗体のいずれかを対象とするさまざまな実施形態において、モノクローナル抗体のCH領域が、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4、IgAIgEまたはIgMから選択される。一実施形態では、CH領域がIgG1である。一実施形態では、CL領域が、κアイソタイプまたはλアイソタイプから選択される。一実施形態では、CL領域がκアイソタイプのものである。他の実施形態では、本明細書で説明するような、ヒト化抗体のCDR、すなわち、CDR1、CDR2および/またはCDR3、あるいはその抗原結合性断片が、本発明による生成物および方法でクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよび/またはトキシンBに結合および/またはこれを中和することを包含する。

0049

もうひとつの態様では、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体またはその断片であって、L鎖のV領域が、配列番号3、配列番号4、配列番号7のうちの1つ以上から選択される配列を含む、抗体またはその断片が得られる。また、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB抗体またはその断片であって、L鎖のV領域が配列番号10に記載の配列を含む、抗体またはその断片も得られる。また、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体またはその断片であって、H鎖のV領域が、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号6のうちの1つ以上から選択される配列を含む、抗体またはその断片も得られる。また、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB抗体またはその断片であって、H鎖のV領域が、配列番号8または配列番号9のうちの1つ以上から選択される配列を含む、抗体またはその断片も得られる。

0050

もうひとつの態様では、(i)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する結合と交差競合するか、(ii)ATCC受託番号PTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのエピトープと特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片であって、ATCC受託番号PTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体によって認識されるエピトープが、トランスロケーションドメインなど、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAの受容体結合ドメイン外の領域を含む、単離された抗体またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、抗体がヒト化形態である。一実施形態では、抗体がキメラ形態である。

0051

もうひとつの態様では、(i)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9694で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する結合と交差競合するか、(ii)ATCC受託番号PTA−9694で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのエピトープと特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片であって、ATCC受託番号PTA−9694で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体によって認識されるエピトープが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのC末端受容体結合エピトープなどの受容体結合ドメインに少なくとも2つの部位を含む、単離された抗体またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、抗体がヒト化形態である。一実施形態では、抗体がキメラ形態である。

0052

もうひとつの態様では、(i)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する結合と交差競合するか、(ii)ATCC受託番号PTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのエピトープと特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片であって、ATCC受託番号PTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体によって認識されるエピトープが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのC末端受容体結合エピトープを含む、単離された抗体またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、抗体がヒト化形態である。一実施形態では、抗体がキメラ形態である。

0053

もうひとつの態様では、(i)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9693で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対する結合と交差競合するか、(ii)ATCC受託番号PTA−9693で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンBエピトープと特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合性断片であって、ATCC受託番号PTA−9693で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体によって認識されるエピトープが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのN末端酵素ドメインを含む、単離された抗体またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、ATCC受託番号PTA−9693で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体によって認識されるエピトープが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのN末端酵素ドメインを含むトキシンBのカスパーゼ1処理によって生成される63kDaの断片を含む。一実施形態では、ATCC受託番号PTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体によって認識されるエピトープが、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのトランスロケーションドメインを含む。

0054

一実施形態では、ATCC受託番号PTA−9692ので寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体によって認識されるエピトープが、トキシンBのカスパーゼ1処理によって生成された167kDaの断片と、未処理のトキシンBを含む63kDaのタンパク質と、を含む。一実施形態では、抗体がヒト化形態である。一実施形態では、抗体がキメラ形態である。

0055

もうひとつの態様では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAまたはトキシンBに結合してこれを中和するモノクローナル抗体を作製する方法であって、1匹以上のレシピエント動物を、不活性トキソイドAで一定間隔で免疫し、この動物を、活性トキシンAまたは活性トキシンBの量を増して一定間隔でブーストし、好適な不死化細胞株に融合させた、免疫してブーストした動物の免疫細胞からハイブリドーマ細胞を得ることを含み、ハイブリドーマ細胞が、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに結合してこれを中和する抗トキシンA抗体またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに結合してこれを中和する抗トキシンB抗体を産生して分泌する、方法が得られる。一実施形態では、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA中和モノクローナル抗体および/または抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB中和モノクローナル抗体が単離されている。この方法の実施形態では、免疫するステップとブーストするステップが、アジュバントを含む。一実施形態では、アジュバントがQuil Aである。この方法の他の実施形態では、免疫するステップとブーストするステップを、3週間ごとの一定間隔で実施する。他の実施形態では、レシピエント動物を2用量または3用量のトキソイドAで免疫した後、活性トキシンAまたは活性トキシンBのいずれかの用量を増量して3〜5回ブーストする。

0056

もうひとつの態様では、トキシンAの内部移行と細胞毒性(cytocellular toxicity)を阻害、ブロックまたは防止することによって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAの毒性を阻害、ブロックまたは防止する、単離された抗体またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、抗体がモノクローナル抗体である。一実施形態では、抗体がヒト化抗体またはキメラ抗体である。一実施形態では、抗体が、PA−39(ATCC受託番号PTA−9692)またはヒト化PA−39である。一実施形態では、抗体が、PA−50(ATCC受託番号PTA−964)またはヒト化PA−50である。他の実施形態では、抗体が、PA−39、ヒト化PA−39、PA−50またはヒト化PA−50の、トキシンAに対する結合と競合する。一実施形態では、抗体が、トキシンAの受容体結合ドメイン外のトキシンAの領域における単一部位に結合する。一実施形態では、抗体が、トキシンAの受容体結合ドメイン外のトキシンAの領域における単一部位に結合することによって、PA−39またはそのヒト化形態と競合する。一実施形態では、抗体が、トキシンAの受容体結合ドメインの少なくとも2つの部位に結合する。一実施形態では、抗体が、トキシンAの受容体結合ドメインの少なくとも2つの部位に結合することによって、PA−50またはそのヒト化形態と競合する。一実施形態では、抗体が、混合−競合的作用機序によってトキシンAの毒性を阻害する。一実施形態では、抗体が、競合的作用機序によってトキシンAの毒性を阻害する。上記の実施形態はいずれも、抗体の抗原結合性断片を包含するものとする。

0057

もうひとつの態様では、トキシンBのN末端酵素領域エピトープ部位に結合することによって、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBの毒性を阻害、ブロックまたは防止する、単離された抗体またはその抗原結合性断片が得られる。一実施形態では、抗体がモノクローナル抗体である。一実施形態では、抗体がヒト化抗体またはキメラ抗体である。一実施形態では、抗体がPA−41(ATCC受託番号PTA−9693)またはPA−41のヒト化形態である。一実施形態では、抗体が、PA−41またはヒト化PA−41の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのN末端酵素領域に対する結合と競合する。一実施形態では、抗体が、PA−41またはヒト化PA−41の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのN末端酵素領域における単一部位に対する結合と競合する。一実施形態では、抗体が、混合−競合的作用機序によってトキシンBの毒性を阻害する。

0058

もうひとつの態様は、モノクローナル抗体PA−39(ATCC受託番号PTA−9692)、PA−39のヒト化形態、モノクローナル抗体PA−50(ATCC受託番号PTA−9694)、PA−51のヒト化形態、モノクローナル抗体PA−41(ATCC受託番号PTA−9693)、PA−41のヒト化形態、モノクローナル抗体PA−39またはそのヒト化形態の、トキシンAに対する結合と競合する抗体、モノクローナル抗体PA−50またはそのヒト化形態の、トキシンAに対する結合と競合する抗体またはモノクローナル抗体PA−41またはそのヒト化形態の、トキシンBに対する結合と競合する抗体のうちの1つ以上によって認識および/または結合されるエピトープ領域を含有するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよび/またはトキシンBの一部、断片またはペプチドを含むワクチンまたは免疫原を提供するものである。一実施形態では、ワクチンまたは免疫原が、モノクローナル抗体PA−39(ATCC受託番号PTA−9692)、PA−39のヒト化形態またはモノクローナル抗体PA−39のトキシンAおよびトキシンBへの結合と競合する抗体またはそのヒト化形態のうちの1つ以上によって認識および/または結合されるエピトープ領域を含有するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンBの一部、断片またはペプチドを含む。一実施形態では、ワクチンまたは免疫原のトキシンAおよび/またはトキシンBのエピトープ含有部分、断片またはペプチドが、タンパク質分解性の切断によって、トキシンAまたはトキシンBのタンパク質から得られる。一実施形態では、ワクチンまたは免疫原のトキシンAの断片、一部またはペプチドが、エンテロキナーゼによるタンパク質分解的な切断によって産生される。一実施形態では、ワクチンまたは免疫原のトキシンBの断片、一部またはペプチドが、カスパーゼ(カスパーゼ1)によるタンパク質分解的な切断によって産生される。一実施形態では、ワクチンまたは免疫原のエピトープ含有部分または断片が、トキシンAまたはトキシンBのタンパク質の化学的または組換え的に合成されたペプチドである。一実施形態では、抗体によって認識および結合される、トキシンAおよび/またはトキシンBの1つ以上のエピトープ領域を含有するワクチンまたは免疫原の断片、一部またはペプチドが、トキシンAのアミノ末端、トキシンBのアミノ末端、トキシンAのカルボキシ末端、トキシンBのカルボキシ末端、トキシンAの受容体結合ドメイン、トキシンAの受容体結合ドメイン外の領域、トキシンBの受容体結合ドメイン、トキシンBのN末端酵素領域、トキシンAのグルコシルトランスフェラーゼドメイン、トキシンBのグルコシルトランスフェラーゼドメイン、トキシンAのタンパク質分解ドメイン、トキシンBのタンパク質分解ドメイン、トキシンAの疎水性のポア形成ドメインまたはトキシンBの疎水性のポア形成ドメインのうちの1つ以上に由来する。一実施形態では、トキシンAまたはトキシンBのエピトープ含有断片または部分の大きさが、<300kDa、約158〜160kDa、約100〜105kDa、たとえば、103kDa、約90〜95kDa、たとえば、91kDaおよび/または約63〜68kDa、たとえば、63kDaまたは68kDaである。一実施形態では、トキシンAのエピトープ含有断片または部分の大きさが、約158〜160kDa、約90〜95kDa、たとえば、91kDaおよび/または約63〜68kDa、たとえば、68kDaである。一実施形態では、トキシンBのエピトープ含有断片または部分の大きさが、約100〜105kDa、たとえば、103kDaおよび/または約63〜68kDa、たとえば、63kDaである。ワクチンまたは免疫原のいずれの実施形態でも、トキシンAまたはトキシンB、またはその断片一部またはペプチドは、本明細書に記載のいずれかの株のものである。

0059

もうひとつの態様は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患の中和、阻害、ブロック、低減、緩和、治療(cure)または治療(treat)を必要とする被検体において、これをする方法であって、上述したワクチンまたは免疫原を有効量で被検体に投与することを含む。この方法の一実施形態では、ワクチンまたは免疫原の投与後のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよび/またはトキシンBに対する液性反応が被検体で誘発されることで、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患またはCDADを特異的に中和、阻害、ブロック、低減、緩和、治療(cure)または治療(treat)可能な抗トキシンA抗体および/または抗トキシンB抗体が産生される。これらの疾患としては、被検体における、偽膜性大腸炎、中毒性巨大結腸、腸穿孔、敗血症および死亡など、場合によっては重度で生命をおびやかす合併症とも関連している、軽度から重度の下痢症があげられる。この方法の一実施形態では、被検体の液性反応によって誘発される抗体が、本発明のmAbと同様または同一の特異性および作用機序を有する抗体あるいは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよび/またはトキシンBの中和で本発明のmAbと競合するか、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよび/またはトキシンBの中和に必要な作用機序の点で本発明のmAbと競合する抗体を含む。

0060

もうひとつの態様では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症にかかりやすい細胞においてまたは細胞に対してトキシンAおよび/またはトキシンBの活性を中和、阻害またはブロックする方法であって、細胞を、本発明による抗体またはその抗原結合性断片と接触させることを含み、抗体またはその抗原結合性断片が、トキシン阻害の競合的または混合競合的作用機序によって、細胞においてまたは細胞に対してトキシンAおよび/またはトキシンBの活性を中和、阻害またはブロックする、方法が得られる。この方法の一実施形態では、抗体が、モノクローナル抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体のうちの1つ以上である。この方法の一実施形態では、腸上皮細胞などの細胞が、被検体にあり、抗体またはその抗原結合性断片を、被検体に有効量で投与する。この方法の一実施形態では、トキシンがトキシンAである。この方法の一実施形態では、トキシンがトキシンBである。この方法の一実施形態では、トキシンがトキシンAであり、作用機序が競合的阻害作用機序である。この方法の一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片が、PA−50(ATCC受託番号PTA−9694)、そのヒト化形態であるか、PA−50のトキシンA活性の中和と競合する抗体またはその断片である。この方法の一実施形態では、トキシンがトキシンAであり、作用機序が混合−競合的阻害作用機序である。この方法の一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片が、PA−39(ATCC受託番号PTA−9692)、そのヒト化形態であるか、PA−39のトキシンA活性の中和と競合する抗体またはその断片である。この方法の一実施形態では、トキシンがトキシンBであり、作用機序が混合競合的阻害作用機序である。一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片が、PA−41(ATCC受託番号PTA−9693)、そのヒト化形態であるか、PA−41のトキシンB活性の中和と競合する抗体またはその断片である。

0061

本発明の上述した態様および他の態様について、本発明の詳細な説明に鑑みてさらに詳細に説明する。

図面の簡単な説明

0062

ELISAで測定した場合のトキシンAおよび/またはトキシンBに対する本発明の抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンmAbの特異性を示す。ELISAプレートを、トキシンA(黒い丸)またはトキシンB(白い正方形)で4℃にて一晩、コートした。プレート洗浄してブロックし、マウスmAb PA−38を滴定してプレートに加えた。HRP結合ヤギ抗マウスIgG−Fcでモノクローナル抗体の結合を検出した。SpectraMax M5 Plate Reader(Molecular Devices)でODを測定した。
ELISAで測定した場合のトキシンAおよび/またはトキシンBに対する本発明の抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンmAbの特異性を示す。ELISAプレートを、トキシンA(黒い丸)またはトキシンB(白い正方形)で4℃にて一晩、コートした。プレートを洗浄してブロックし、マウスmAb PA−39を滴定してプレートに加えた。HRP結合ヤギ抗マウスIgG−Fcでモノクローナル抗体の結合を検出した。SpectraMax M5 Plate Reader(Molecular Devices)でODを測定した。
ELISAで測定した場合のトキシンAおよび/またはトキシンBに対する本発明の抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンmAbの特異性を示す。ELISAプレートを、トキシンA(黒い丸)またはトキシンB(白い正方形)で4℃にて一晩、コートした。プレートを洗浄してブロックし、マウスmAb PA−41を滴定してプレートに加えた。HRP結合ヤギ抗マウスIgG−Fcでモノクローナル抗体の結合を検出した。SpectraMax M5 Plate Reader(Molecular Devices)でODを測定した。
マウスmAb PA−38を用いたBiacore結合性試験の結果を示す。Biacore 3000装置(GE Healthcare)を用いて結合特異性を判断した。アミンカップリングに対する製造業者の指示に従って、mAb(PA−38または対照としての非特異的mAb)を、CM5センサーチップ(GE Healthcare)表面に約10,000レゾナンスユニット(RU)で共有結合的に固定化した。PBSを用いて25℃で結合実験を実施した。精製したトキシンAまたはトキシンB(List Biological Laboratories)30nMを、結合相(600秒)と解離相(300秒)の間、流速5μL/分で対照のフローセル(非特異的mAb)と試験用フローセルに通した。グラフはRUを時間の関数で示したものである。
マウスmAb PA−39を用いたBiacore結合性試験の結果を示す。Biacore 3000装置(GE Healthcare)を用いて結合特異性を判断した。アミンカップリングに対する製造業者の指示に従って、mAb(PA−39または対照としての非特異的mAb)を、CM5センサーチップ(GE Healthcare)表面に約10,000レゾナンスユニット(RU)で共有結合的に固定化した。PBSを用いて25℃で結合実験を実施した。精製したトキシンAまたはトキシンB(List Biological Laboratories)30nMを、結合相(600秒)と解離相(300秒)の間、流速5μL/分で対照のフローセル(非特異的mAb)と試験用フローセルに通した。グラフはRUを時間の関数で示したものである。
マウスmAb PA−50を用いたBiacore結合性試験の結果を示す。Biacore 3000装置(GE Healthcare)を用いて結合特異性を判断した。アミンカップリングに対する製造業者の指示に従って、mAb(PA−50または対照としての非特異的mAb)を、CM5センサーチップ(GE Healthcare)表面に約10,000レゾナンスユニット(RU)で共有結合的に固定化した。PBSを用いて25℃で結合実験を実施した。精製したトキシンAまたはトキシンB(List Biological Laboratories)30nMを、結合相(300秒)と解離相(600秒)の間、流速5μL/分で対照のフローセル(非特異的mAb)と試験用フローセルに通した。グラフはRUを時間の関数で示したものである。
マウスmAb PA−41を用いたBiacore結合性試験の結果を示す。Biacore 3000装置(GE Healthcare)を用いて結合特異性を判断した。アミンカップリングに対する製造業者の指示に従って、mAb(PA−41または対照としての非特異的mAb)を、CM5センサーチップ(GE Healthcare)表面に約10,000レゾナンスユニット(RU)で共有結合的に固定化した。PBSを用いて25℃で結合実験を実施した。精製したトキシンAまたはトキシンB(List Biological Laboratories)30nMを、結合相(600秒)と解離相(300秒)の間、流速5μL/分で対照のフローセル(非特異的mAb)と試験用フローセルに通した。グラフはRUを時間の関数で示したものである。
Biacoreで求めた抗体トキシン結合カイネティクスの結果を示す。図3Aでは、Biacoreのマウス抗体キャプチャーキットで用意したCM5センサーチップを用いて、マウスmAbをキャプチャーした。次に、さまざまな濃度(0.4〜100nM、2倍増大)のトキシンを流速30μL/分でフローセルに通した。すべてのmAb濃度を二重に試験し、測定実施後に毎回、キットに指定された条件でチップ表面を再生した。トキシンに対するmAbのKDを算出するBia Evaluation Software 1:1(Langmuir)結合モデルを用いて、RUの変化を記録し、分析した。図3A:トキシンAに対するPA−38の結合。
Biacoreで求めた抗体トキシン結合カイネティクスの結果を示す。図3Bでは、Biacoreのマウス抗体キャプチャーキットで用意したCM5センサーチップを用いて、マウスmAbをキャプチャーした。次に、さまざまな濃度(0.4〜100nM、2倍増大)のトキシンを流速30μL/分でフローセルに通した。すべてのmAb濃度を二重に試験し、測定実施後に毎回、キットに指定された条件でチップ表面を再生した。トキシンに対するmAbのKDを算出するBia Evaluation Software 1:1(Langmuir)結合モデルを用いて、RUの変化を記録し、分析した。図3B:トキシンAに対するPA−50の結合。
Biacoreで求めた抗体トキシン結合カイネティクスの結果を示す。図3Cでは、Biacoreのマウス抗体キャプチャーキットで用意したCM5センサーチップを用いて、マウスmAbをキャプチャーした。次に、さまざまな濃度(0.4〜100nM、2倍増大)のトキシンを流速30μL/分でフローセルに通した。すべてのmAb濃度を二重に試験し、測定実施後に毎回、キットに指定された条件でチップ表面を再生した。トキシンに対するmAbのKDを算出するBia Evaluation Software 1:1(Langmuir)結合モデルを用いて、RUの変化を記録し、分析した。図3C:トキシンAに対するPA−39の結合。
Biacoreで求めた抗体トキシン結合カイネティクスの結果を示す。図3Dでは、Biacoreのマウス抗体キャプチャーキットで用意したCM5センサーチップを用いて、マウスmAbをキャプチャーした。次に、さまざまな濃度(0.4〜100nM、2倍増大)のトキシンを流速30μL/分でフローセルに通した。すべてのmAb濃度を二重に試験し、測定実施後に毎回、キットに指定された条件でチップ表面を再生した。トキシンに対するmAbのKDを算出するBia Evaluation Software 1:1(Langmuir)結合モデルを用いて、RUの変化を記録し、分析した。図3D:トキシンBに対するPA−39の結合。
Biacoreで求めた抗体トキシン結合カイネティクスの結果を示す。図3Eでは、Biacoreのマウス抗体キャプチャーキットで用意したCM5センサーチップを用いて、マウスmAbをキャプチャーした。次に、さまざまな濃度(0.4〜100nM、2倍増大)のトキシンを流速30μL/分でフローセルに通した。すべてのmAb濃度を二重に試験し、測定実施後に毎回、キットに指定された条件でチップ表面を再生した。トキシンに対するmAbのKDを算出するBia Evaluation Software 1:1(Langmuir)結合モデルを用いて、RUの変化を記録し、分析した。図3E:トキシンBに対するPA−41の結合。
図3Fでは、上記同様に、マウスmAbすなわちmPA−50をアミンカップリング法によって共有結合的にCM5センサーチップに固定化した。30nMのトキシンA(「(赤)」で示したライン)またはトキシンB(「(青)」で示したライン)を、流速5μL/分で試験用フローセル(mPA−50)に通した。この結果から、mPA−50がトキシンAと選択的に結合することがわかる(図3F)。
図3Gでは、上記同様に、マウスmAbすなわちmPA−41をアミンカップリング法によって共有結合的にCM5センサーチップに固定化した。30nMのトキシンA(「(赤)」で示したライン)またはトキシンB(「(青)」で示したライン)を、流速5μL/分で試験用フローセル(mPA−41)に通した。この結果から、mPA−41がトキシンBと選択的に結合することがわかる(図3G)。
図3Hでは、上記同様に、マウスmAbすなわちmPA−39をアミンカップリング法によって共有結合的にCM5センサーチップに固定化した。30nMのトキシンA(「(赤)」で示したライン)またはトキシンB(「(青)」で示したライン)を、流速5μL/分で試験用フローセル(mPA−39)に通した。mPA−39は、トキシンAと優先的に結合するが、トキシンBに対する交差反応性も示す(図3H)。
CHO−K1細胞上の精製マウスmAb PA−39を用いたトキシンB活性のin vitroでの中和活性を示す。細胞毒性を測定するために、さまざまな濃度のPA−39を用いて、37℃で1時間トキシンBをインキュベートした(実施例3B)。次に、96ウェルのプレートに2,000個/ウェルで蒔いたCHO−K1細胞に、mAbトキシン混合物を加え、72時間インキュベートした。処理培養と未処理培養とで細胞生存率を比較し、細胞毒性の50%中和に必要なmAb濃度(EC50)を算出した。CellTiter−Blueで細胞生存度を求めた;生データを未処理の対照ウェルに対して正規化した。Prismを用いて値をプロットし、シグモイド用量反応曲線可変勾配モデルを用いて曲線を算出した。次に、この曲線を用いてmAb EC50を求めた。データ点は、同一プレートでの3つのウェルの平均を表している。
CHO−K1細胞上の精製マウスmAb PA−41を用いたトキシンA活性のin vitroでの中和活性を示す。細胞毒性を測定するために、さまざまな濃度のPA−41を用いて、37℃で1時間トキシンAをインキュベートした(実施例3B)。次に、96ウェルのプレートに2,000個/ウェルで蒔いたCHO−K1細胞に、mAbトキシン混合物を加え、72時間インキュベートした。処理培養と未処理培養とで細胞生存率を比較し、細胞毒性の50%中和に必要なmAb濃度(EC50)を算出した。CellTiter−Blueで細胞生存度を求めた;生データを未処理の対照ウェルに対して正規化した。Prismを用いて値をプロットし、シグモイド用量反応曲線(可変勾配)モデルを用いて曲線を算出した。次に、この曲線を用いてmAB EC50を求めた。データ点は、同一プレートでの3つのウェルの平均を表している。
T−84細胞上の精製マウスmAb PA−38およびPA−50を用いたトキシンA活性のin vitroでの中和活性を示す。(実施例3C)。96ウェルのプレートでT−84細胞を播種し(15,000個/ウェル)、滴定後のmAb(PA−38(■)またはPA−50(▲))とトキシンA(60ng/ml)との組み合わせで処理した。インキュベーション(72時間)後、処理培養と未処理培養とで細胞生存率を比較し、細胞毒性の50%中和に必要なmAb濃度(EC50)を算出した。CellTiter−Blueで細胞生存度を求めた;生データを未処理の対照ウェルに対して正規化した。Prismを用いて値をプロットし、シグモイド用量反応曲線(可変勾配)モデルを用いて曲線を算出した。次に、この曲線を用いてmAb EC50を求めた。データ点は、同一プレートでの3つのウェルの平均を表している。
ウサギ赤血球RBC)のトキシンA誘導血球凝集をブロックまたは防止する機能についてマウスmAb PA−38(■)またはPA−50(▲)を試験した結果を示す。トキシンA(2μg/ml)を、さまざまに希釈したPA−38またはPA−50と組み合わせ、この混合物を、50μLのウサギ赤血球を入れたプレートに加えた。プレートを4℃で4時間インキュベートした。ImageQuant 400(GE Healthcare)ドットアレイ解析を利用して、血球凝集を色の濃淡として定量化した。データを対照に対する割合(%)で示し、血球凝集のない状態を100%とする。データ点は、同一プレートでアッセイした3つのウェルの平均を表している。
トキシンAによってCaco−2細胞単層が破壊されるのを防ぐ上での本発明の抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンmAbの活性を示す。Caco−2細胞を、96ウェルのMultiscreen Caco−2アッセイプレート(Millipore)の上部チャンバーに播種した(25,000個/ウェル)。10〜14日間のインキュベーション後、上皮細胞抵抗測定器(World Precision Instruments)を用いて経上皮電気抵抗(TEER)を測定することで、「隙間なく形成された単層の形成を確認した。完全な単層を形成し、計測した後、トキシンA(25ng/mL)と段階希釈したマウスmAb(PA−38(■)またはPA−50(▲))とをアッセイプレートの上部チャンバーに加えた。プレートを18〜24時間インキュベートし、抵抗測定器を用いてTEER値を測定した。未処理のウェルとトキシン処理したウェルで、単層の完全性を比較した。50%トキシン阻害(EC50)に必要なmAbの濃度を判断するために、GraphPad Prismソフトウェアを用いて阻害データを非線形回帰のシグモイド用量反応曲線にフィッティングした。
抗トキシンA mAb PA−38(図9A)およびPA−50(図9B)がトキシンA活性をin vivoで中和する機能を示す。0日目に、メスのSwiss Websterマウス(6〜8週齢、5匹/群)に、標記の量でのマウスmAb PA−38またはマウスmAb PA−50あるいは、PBS(200μl)を注射した(腹腔内)。本明細書ではCDA−1と呼ぶ、対照の抗トキシンAモノクローナル抗体の中和活性を、標記の抗体量で評価した(図9C)。3D8(国際公開第2006/121422号パンフレットおよび米国特許出願公開第2005/0287150号明細書)の重鎖および軽鎖の可変領域をコードする(DNA2.0)核酸を合成して、抗トキシンA対照のmAb CDA−1を作製し、これを全長ヒトIgG1発現ベクター(pCON−γ1およびpCON−κ)にクローニングした。本明細書の実施例部分で説明するように、CDA−1対照のmAbを発現させ、CHO−KSV1細胞で作製および精製した。次に、1日目にマウスに100ngのトキシンA(200μl)を注射して、最初の72時間は毎日、その後は毎週監視した。その結果から、単一用量2μgのmAb/匹を注射後はPA−38 mAbとPA−50 mAbはともにトキシンA関連毒性を完全に阻害できるのに対し、対照のCDA−1 mAb(5μg/動物)ではクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA関連毒性を完全に阻害できなかったことがわかる。
抗トキシンA mAb PA−38(図9A)およびPA−50(図9B)がトキシンA活性をin vivoで中和する機能を示す。0日目に、メスのSwiss Websterマウス(6〜8週齢、5匹/群)に、標記の量でのマウスmAb PA−38またはマウスmAb PA−50あるいは、PBS(200μl)を注射した(腹腔内)。本明細書ではCDA−1と呼ぶ、対照の抗トキシンAモノクローナル抗体の中和活性を、標記の抗体量で評価した(図9C)。3D8(国際公開第2006/121422号パンフレットおよび米国特許出願公開第2005/0287150号明細書)の重鎖および軽鎖の可変領域をコードする(DNA2.0)核酸を合成して、抗トキシンA対照のmAb CDA−1を作製し、これを全長ヒトIgG1発現ベクター(pCON−γ1およびpCON−κ)にクローニングした。本明細書の実施例部分で説明するように、CDA−1対照のmAbを発現させ、CHO−KSV1細胞で作製および精製した。次に、1日目にマウスに100ngのトキシンA(200μl)を注射して、最初の72時間は毎日、その後は毎週監視した。その結果から、単一用量2μgのmAb/匹を注射後はPA−38 mAbとPA−50 mAbはともにトキシンA関連毒性を完全に阻害できるのに対し、対照のCDA−1 mAb(5μg/動物)ではクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA関連毒性を完全に阻害できなかったことがわかる。
抗トキシンA mAb PA−38(図9A)およびPA−50(図9B)がトキシンA活性をin vivoで中和する機能を示す。0日目に、メスのSwiss Websterマウス(6〜8週齢、5匹/群)に、標記の量でのマウスmAb PA−38またはマウスmAb PA−50あるいは、PBS(200μl)を注射した(腹腔内)。本明細書ではCDA−1と呼ぶ、対照の抗トキシンAモノクローナル抗体の中和活性を、標記の抗体量で評価した(図9C)。3D8(国際公開第2006/121422号パンフレットおよび米国特許出願公開第2005/0287150号明細書)の重鎖および軽鎖の可変領域をコードする(DNA2.0)核酸を合成して、抗トキシンA対照のmAb CDA−1を作製し、これを全長ヒトIgG1発現ベクター(pCON−γ1およびpCON−κ)にクローニングした。本明細書の実施例部分で説明するように、CDA−1対照のmAbを発現させ、CHO−KSV1細胞で作製および精製した。次に、1日目にマウスに100ngのトキシンA(200μl)を注射して、最初の72時間は毎日、その後は毎週監視した。その結果から、単一用量2μgのmAb/匹を注射後、PA−38 mAbとPA−50 mAbはともにトキシンA関連毒性を完全に阻害できるのに対し、対照のCDA−1 mAb(5μg/動物)ではクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA関連毒性を完全に阻害できなかったことがわかる。
mAb PA−41がトキシンB活性をin vivoで中和する機能を示す。0日目に、メスのSwiss Websterマウス(6〜8週齢、5匹/群)に、標記の量でのマウスmAb PA−41またはPBS(200μl)を注射した(腹腔内)。次に、1日目にマウスに100ngのトキシンB(200μl)を注射して、最初の72時間は毎日、その後は毎週監視した。この実験の結果から、単一用量5μgのmAb/匹を注射後、PA−41 mAbがクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB関連毒性を完全に阻害することがわかる。本明細書ではCDB−1対照のmAbと呼ぶ、対照の抗トキシンBモノクローナル抗体を用いて、同様の実験を実施した。124(国際公開第2006/121422号パンフレットおよび米国特許出願公開第2005/0287150号明細書)の重鎖および軽鎖の可変領域をコードする(DNA2.0)核酸を合成して、抗トキシンB対照のmAb CDB−1を作製し、これを全長ヒトIgG1発現ベクター(pCON−γ1およびpCON−κ)にクローニングした。本明細書の実施例部分で説明するように、CDB−1対照のmAbを発現させ、CHO−KSV1細胞で作製および精製した。これらの実験の結果から、250μgという量ですら、対照のCDB−1 mAbによるトキシンB中和活性がないことがわかる。
本発明のマウスmAb PA−38とPA−41の組み合わせ(PA−38+PA−41)がトキシンA活性およびトキシンB活性をin vivoで中和する機能を示す。0日目に、メスのSwiss Websterマウス(6〜8週齢、5匹/群)に、PA−38+PA−41 mAbの組み合わせまたはPBS(200μl)を注射した(腹腔内)。次に、1日目にマウスに100ngのトキシンAおよびトキシンBの組み合わせ(200μl)を注射して、最初の72時間は毎日、その後は毎週監視した。PA−38単独(白い丸)とPA−41単独(黒い菱形)のトキシンのプロットがグラフで重なっている。これらの結果から、PA−38 mAb(白い丸)とPA−41 mAb(黒い菱形)単独のどちらも、両方のトキシンの作用を阻害するには十分ではなく、動物をクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症から保護しないことがわかる。対照的に、PA−38とPA−41の組み合わせ(PA−38+PA−41)を各50μgで用いると(白い逆三角形)、被験動物5匹のうち4匹で感染動物を保護し、トキシン関連死を防止できた。各5μgのPA−38とPA−41(PA−38+PA−41)の組み合わせ(黒い丸)では、感染した被験動物で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficle)のトキシンAおよびトキシンBの毒性に対していくらか保護することができた。
マウスmAb PA−38に対するハムスターでの薬物動態PK)結果を示す。ハムスターに2mg/kg(○)または10mg/kg(■)のmAb PA−38を腹腔内投与した。規定の間隔で動物から採血し、トキシン結合プレートおよびヤギ抗マウスIgG、検出用のHRP結合を用いるELISAで、血清を分析した。得られる曲線は、2mg/kgおよび10/mg/kgのコホートでの各抗体に対する用量依存反応を示す。それぞれの曲線についてWinNonLin解析を実施した。どちらのモノクローナル抗体も終末半減期が6日間を超えている。
マウスmAb PA−41に対するハムスターでの薬物動態(PK)結果を示す。ハムスターに2mg/kg(○)または10mg/kg(■)のmAb PA41を腹腔内投与した。規定の間隔で動物から採血し、トキシン結合プレートおよびヤギ抗マウスIgG、検出用のHRP結合を用いるELISAで、血清を分析した。得られる曲線は、2mg/kgおよび10/mg/kgのコホートでの各抗体に対する用量依存反応を示す。それぞれの曲線についてWinNonLin解析を実施した。どちらのモノクローナル抗体も終末半減期が6日間を超えている。
は、実施例5Bで説明するハムスターでの研究における生存結果を示す。この研究では、ハムスターをクリンダマイシンで処理し、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)を接種した(■感染対照、群3)後、バンコマイシン(◆20mg/kg、群4)、マウスmAb PA−38+PA−41の組み合わせ(△50、50mg/kg、群6)またはmAb PA−39+PA−41の組み合わせ(○50、40mg/kg、群7)で処理した。未感染の対照(群1)およびヤギポリクローナルAbで処理した対照(群5)の動物はいずれも生存した。本発明による抗トキシンA mAbと抗トキシンB mAbの組み合わせで処理した動物は、研究期間のあいだ生存し、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の毒性から保護された。
実施例5Bで説明する研究におけるハムスターの平均体重グラム)を示す。動物の処理群は以下のとおりである。未感染の対照(◆、群1)、バンコマイシン処理対照(■、群4)、PA−38+PA−41マウスmAb組み合わせ処理群(x、群6)またはPA−39+PA−41マウスmAb組み合わせ処理群(●、群7)。感染対照群(群3)の動物は5日間生存しなかった。よって、群3では感染後の体重測定を実施できなかった。
実施例5Bで説明するハムスターでの研究における死後剖検の結果を示す。研究の関連群各々での代表的な動物を評価した。(図15A)群1、未感染の対照。(図15B)群3、感染対照。矢印は、各ハムスターの盲腸を示す。感染対照群3の盲腸は顕著に赤く、炎症を起こしていた。(図15C)群6、PA−38+PA−41マウスmAb組み合わせ処理群。矢印は、各ハムスターの盲腸を示す。感染対照群3の盲腸は顕著に赤く、炎症を起こしていた(図15B)。対照的に、群6(図15C)のハムスターの盲腸は、群1(図15A)の健康な未感染の対照動物の盲腸と同様であった。(図15D)群7、PA−39+PA−41マウスmAb組み合わせ処理群。矢印は、各ハムスターの盲腸を示す。感染対照群3の盲腸は顕著に赤く、炎症を起こしていた(図15B)。対照的に、群7(図15D)のハムスターの盲腸は、群1(図15A)の健康な未感染の対照動物の盲腸と同様であった。
実施例5Cで説明するハムスターでの研究における生存結果を示す。この研究では、ハムスターをクリンダマイシンで処理し、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)を接種した(■感染対照、群1)後、異なる群の動物を、バンコマイシン(◆20mg/kg、群2)、マウスmAb PA−39+PA−41の組み合わせ(▲50+50mg/kg、群3)、マウスmAb PA−41単独(○50mg/kg、群4)、マウスmAb PA−38単独(▽50mg/kg、群5)、マウスmAb PA−39単独(□50mg/kg、群6)またはマウスmAb PA−50単独(◇50mg/kg、群7)で処理した。研究の過程で、未感染の対照(群1)の動物はいずれも生存した。
図16B−1は、実施例5Eで説明するハムスターでの研究における動物の生存結果を示す。クリンダマイシンで処理した後、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)を接種した動物(■、感染対照、群2)、バンコマイシンで処理した動物(◇、20mg/kg、群3)、ヒト化PA−50+PA−41 mAbの1:1の組み合わせで処理した動物((hPA−50+hPA−41)、△、50+50mg/kg、群4)、ヒト化PA−50+PA−41 mAbの1:1の組み合わせで処理した動物((hPA−50+hPA−41)、○、20+20mg/kg、群5)、対照のmAb CDA−1+CDB−1の1:1の組み合わせで処理した動物((CDA−1+CDB−1)、▽、50+50mg/kg、群6)または対照のmAb CDA−1+CDB−11:1の組み合わせで処理した動物((CDA−1+CDB−1)、□20+20mg/kg、群7)のカプラン・マイヤー生存曲線を示す。図16B−2は、実施例5Eで説明するハムスターでの研究における体重変化の結果を示す。図16B−1で説明した異なる処理群での動物の経時的な平均(±SD)体重を未感染の対照動物と比較した。
クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンBのカスパーゼ1処理を示す。(図17A):全長クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンBおよびそのドメイン。(図17B):トキシンB(TcdB)とカスパーゼ1処理トキシンBの3〜8%トリ酢酸SDS−PAGE(還元)分析。193kDa、167kDa、103kDa、63kDaの4つのトキシン断片を観察した。(図17C):トキシンBのカスパーゼ1処理後に生成される、考えられる断片。
抗トキシンB mAbを用いたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB断片のSDS−PAGE検出を示す。(図18A):カスパーゼ1処理(図17Bと同一)によって生成されるトキシンB断片のSDS−PAGE分析。(図18B):mAb PA−41を用いるトキシンB断片のウェスタンブロット検出。(図18C):マウスmAb PA−39を用いるトキシンB断片のウェスタンブロット検出。
Biacore結合による抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンマウスmAbのキャラクタリゼーションを示す。抗トキシンmAbの競合的結合を評価した。(図19A):mAb PA−41がトキシンBの単一のエピトープに結合する。
Biacore結合による抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンマウスmAbのキャラクタリゼーションを示す。抗トキシンmAbの競合的結合を評価した。(図19B):mAb PA−39がトキシンAの単一のエピトープに結合する。
Biacore結合による抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンマウスmAbのキャラクタリゼーションを示す。抗トキシンmAbの競合的結合を評価した。(図19C):mAb PA−39およびPA−41がトキシンBの異なるエピトープに結合する。トキシンBに対するmAb PA−41の結合は、トキシンBに対する対照のCDB−1抗トキシンB抗体の結合とはエピトープ的に異なる。
Biacore結合による抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンマウスmAbのキャラクタリゼーションを示す。抗トキシンmAbの競合的結合を評価した。(図19D):CM5チップに固定化したmPA−41は、トキシンBをキャプチャーするが、他のmA−41には結合できないため、mPA−41の結合エピトープが1つしかないことがわかる。対照のmAb CDB−1を加えると、シグナルが増したことから、mPA−41および対照のmAb CDB−1がトキシンBの異なるエピトープに結合することがわかる。
Biacore結合による抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンマウスmAbのキャラクタリゼーションを示す。抗トキシンmAbの競合的結合を評価した。(図19E):未処理の場合とカスパーゼ1で処理した場合におけるトキシンBを用いたウェスタンブロット分析から、mPA−41および対照のmAb CDB−1が異なる結合パターンを有し、トキシンBの異なるエピトープに結合することがわかる。
エンテロキナーゼ(EK)を用いるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAの切断を示す。(図20A):全長クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAおよびそのドメイン。
エンテロキナーゼ(EK)を用いるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAの切断を示す。(図20B):トキシンA(TcdA)とEK処理トキシンAの3〜8%トリス酢酸SDS−PAGE(還元)分析。
エンテロキナーゼ(EK)を用いるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAの切断を示す。(図20C):トキシンAを25℃で48時間EK処理した後に生成される、考えられる断片。
抗トキシンAマウスmAbを用いたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA断片のクーマシーブルー染色(SDS−PAGE)を示す。(図21A):EK処理(図20Bと同一)によって生成されるトキシンA断片のSDS−PAGE分析。(図21B):mAb PA−50を用いるトキシンA断片のウェスタンブロット検出。図21Bおよび図21Cでは、kDaバンドが約158kDaであり、約158〜160kDaであるとみなせる。(図21C):mAb PA−39を用いるトキシンA断片のウェスタンブロット検出。図21Bおよび図21Cでは、kDaバンドが約158kDaであり、約158〜160kDaであるとみなせる。
Biacore結合アッセイを用いたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対するマウス抗トキシンA mAb結合のキャラクタリゼーションを示す。(図22A−1):トキシンAの複数の部位に結合するPA−50 mAbが観察された。(図22A−2):PA−50 mAbをセンサーチップに固定化した後、精製トキシンA、別のPA−50、対照のmAb CDA−1(国際公開第2006/121422号パンフレット;米国特許出願公開第2005/0287150号明細書)と順次接触させた。
Biacore結合アッセイを用いたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対するマウス抗トキシンA mAb結合のキャラクタリゼーションを示す。(図22B):Biacoreチップ上の対照のmAb CDA−1によってキャプチャーされたトキシンAは、さらに別のCDA−1およびPA−50 mAbに結合することから、抗体に結合されるトキシンAエピトープの差が示される。
Biacore結合アッセイを用いたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対するマウス抗トキシンA mAb結合のキャラクタリゼーションを示す。(図22C):トキシンAのPA−39 mAb結合エピトープは、トキシンAの対照のmAb CDA−1結合エピトープとは異なる。
Biacore結合アッセイを用いたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対するマウス抗トキシンA mAb結合のキャラクタリゼーションを示す。(図22D):Biacoreを用いて、トキシンAに対するマウスmAb PA−50およびPA−39の競合的結合を実施した。CM5チップに固定化したMAb PA−50はトキシンAをキャプチャーし、これが別のmPA−50およびmPA−39も結合できることから、mPA−50エピトープの複数のコピーがトキシンAにあり、mPA−50およびmPA−39がトキシンAの異なるエピトープに結合することがわかる。
Biacore結合アッセイを用いたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対するマウス抗トキシンA mAb結合のキャラクタリゼーションを示す。Biacoreでの結果を、未処理または酵素エンテロキナーゼ(EK)で処理したトキシンAを用いるウェスタンブロット分析で確認した。(図22E):mPA−39および対照のmAb CDA−1は、EK処理したトキシンA(レーン:TcdA/EK)に対して異なる結合パターンを示すことから、トキシンAに異なる結合ドメインおよびエピトープがあることがわかる。(図22F):mPA−50および対照のmAb CDA−1は、トキシンAの同一のドメインであるが異なるエピトープに結合する。
6種類のBI/NAP1/027分離株、3種類の参考株VPI10463、ATCC43596および630)、2種類のトキシンA陰性/トキシンB陽性(toxA−/toxB+)分離株、3種類の外来患者分離株、6種類の他の共通臨床分離株を含む、20種類のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素産生性臨床分離株の多種多様パネルに対するPA−41のin vitroでの中和活性を示す。図23Aは、実施例8の表6に示すように、CHO−K1細胞において、異なるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)臨床分離株培養から生成した上清の作用を中和するマウスmAb PA−41の中和活性を示す。精製mAb PA−41を段階希釈した後、>90%細胞死を引き起こし得る予め規定した希釈係数の上清と混合した。混合物を37℃で1時間インキュベートした後、CHO−K1細胞に加えた。細胞を72時間インキュベートし、Cell−Titer Blueを用いて細胞生存度を測定した。
6種類のBI/NAP1/027分離株、3種類の参考株(VPI 10463、ATCC 43596および630)、2種類のトキシンA陰性/トキシンB陽性(toxA−/toxB+)分離株、3種類の外来患者分離株、6つの他の共通臨床分離株を含む、20種類のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素産生性臨床分離株の多種多様なパネルに対するPA−41のin vitroでの中和活性を示す。図23Bは、2種類のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)参考株(VPI 10463、ATCC 43596)と6種類のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)BI/027/027株(CCL678、HMC553、Pitt 45、CD196、Montreal 5.1、Montreal 7.1)に対するヒト化mAb hPA−41の中和活性ならびに対照のmAb CDB−1の中和活性を示す。参考株(VPI 10483、ATCC 43596)およびBI/NAP1/027株(CCL678、HMC553、Pitt 45、CD196、Montreal 5.1、Montreal 7.1)由来の上清に対するCHO−K1細胞でのhPA−41 mAb(黒い正方形)の中和活性および対照のmAb CDB−1(黒い三角形)の中和活性を示す。
図23Aおよび図23Bで説明したクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素産生性臨床分離株に対するmAb PA−50のin vitroにおける中和活性を示す。図24Aは、実施例8の表6に示すように、T−84細胞において、異なるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)臨床分離株培養から生成した上清の作用を中和するマウスmAb PA−50の中和活性を示す。精製mAb PA−50を段階希釈した後、>90%細胞死を引き起こし得る予め規定した希釈係数の上清と混合した。混合物を37℃で1時間インキュベートした後、T−84細胞に加えた。細胞を72時間インキュベートし、Cell−Titer Blueを用いて細胞生存度を測定した。図24A中の記号の意味は以下のとおりである。*:N/A:該当なし;トキシンA−/トキシンB+株F1470、8864、CCL13820、CCL14402からトキシンAは産生されなかった;”:トキシンAの力価が極めて低かった;上清を用いた場合にT−84で測定可能な細胞毒性なし;^:該当なし;トキシンA−/トキシンB+株からトキシンAが産生されなかったか、濃度が低すぎた。
図23Aおよび図23Bで説明したクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素産生性臨床分離株に対するmAb PA−50のin vitroにおける中和活性を示す。図24Bは、T−84細胞でヒト化mAb hPA−50および対照のmAb CDA−1を用いて実施した同様の実験の結果を示す。6種類のBI/NAP1/027株(CCL678、HMC553、Pitt 45、CD196、Montreal 5.1およびMontreal 7.1)から生成した上清に対するT−84細胞でのhPA−50(黒い正方形)およびCDA−1対照の(黒い三角形)の中和活性を示す。
クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の多種多様な株によって産生されたトキシンの中和について示す。図25Aおよび図25Bは、実施例8の表6に示すように、T−84細胞において、異なるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)臨床分離株培養から生成した上清の作用を中和するマウスmAb PA−39の中和活性を示す。mAb PA−39(ハイブリドーマ上清)を段階希釈し、各上清の希釈係数を示す。図25A中の記号の意味は以下のとおりである。*:N/A:該当なし;トキシンA−/トキシンB+株F1470、8864、CCL13820、CCL14402からトキシンAは産生されなかった;”:トキシンAの力価が極めて低かった;上清を用いた場合にT−84で測定可能な細胞毒性なし;^:該当なし;トキシンA−/トキシンB+株からトキシンAが産生されなかったか、濃度が低すぎた。
クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の多種多様な株によって産生されたトキシンの中和について示す。図25Aおよび図25Bは、実施例8の表6に示すように、T−84細胞において、異なるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)臨床分離株培養から生成した上清の作用を中和するマウスmAb PA−39の中和活性を示す。mAb PA−39(ハイブリドーマ上清)を段階希釈し、各上清の希釈係数を示す。mAb PA−39(ハイブリドーマ上清)を段階希釈し、各上清の希釈係数を示す。また、図25Bは、T−84細胞上のマウスmAb PA−39および対照のCDA−1 mAbを用いて実施した同様の実験の結果を示す。6種類のBI/NAP1/027株(CCL678、HMC553、Pitt 45、CD196、Montreal 5.1、Montreal 7.1)から生成した上清に対するT−84細胞でのPA−39(黒い正方形)および対照のCDA−1 mAb(黒い三角形)の中和活性を示す。
クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の多種多様な株によって産生されたトキシンの中和について示す。図25Cでは、T−84細胞に対するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)培養上清の細胞毒性の中和について、ヒト化抗トキシンA mAb PA−50および対照の抗トキシンA mAb CDA−1を試験した(実施例8、表7)。
クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の多種多様な株によって産生されたトキシンの中和について示す。図25Dでは、T−84細胞に対するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)培養上清の細胞毒性の中和について、ヒト化抗トキシンB mAb PA−41および対照の抗トキシンA mAb CDB−1を試験した(実施例8、表7)。
キメラmAb PA−41(cPA−41 mAb)が、対応のマウスmAb PA−41と比較して、CHO−K1でクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンBの毒性を効果的に中和することを示す。2つのキメラPA−41 mAbを生成した。一方は、VL領域で糖鎖付加部位を除去してcPA−41(NG)と表示し、他方は糖鎖付加部位を除去せずに図中でcPA−41(G)と表示した。cPA−41(NG)およびcPA−41(G)はいずれも、CHO−K1細胞上でトキシンB(2pg/mL、TechLab)に対して同様の中和レベルを示し、どちらのキメラmAbもトキシンBを親マウスmAb(mPA−41)と同様のレベルで中和した。
キメラPA−39(cPA−39) mAbが、親マウスPA−39(mPA−39) mAbと比較して、CHO−K1細胞でクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA(1μg/mL、Listlab)の毒性を効果的に中和することを示す。
キメラPA−50(cPA−50) mAbが、親マウスPA−50(mPA−50) mAbと比較して、T−84細胞でクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA(60ng/mL、TechLab)の毒性を効果的に中和することを示す。
クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンBに対するマウスPA−41(mPA−41)およびヒト化PA−41(hPA−41)mAbのin vitro中和活性を示す。CellTiter Blueを使用して、対照と比較した場合の細胞生存率のパーセンテージを測定した。hPA−41 mAbは、CHO−K1細胞でトキシンB(2pg/mL、Techlab)の毒性を効果的に中和し、EC50が6pMで、親のマウスモノクローナル抗体(mPA−41)と実質的に等力であった。
クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAに対するマウスPA−39(mPA−39)およびヒト化PA−39(hPA−39)mAbのin vitroでの中和活性を示す。hPA−39 mAbは、CHO−K1細胞でトキシンA(20ng/mL、TechLab)の毒素を効果的に中和し、EC50が50pMで、親のマウスモノクローナル抗体(mPA−39)と実質的に等力であった。
標記のmAbを用いたin vitroでの中和活性および作用機序(MOA)研究の結果を示す。実施例1、3、7で説明するようにして、CHO−K1細胞およびT−84細胞を用いる細胞ベースのアッセイを実施した。図31Aは、ヒト化PA−50(hPA−50) mAbが、親のマウスPA−50 mAb(mPA−50)と比較してT−84細胞でトキシンA(60ng/mL、TechLab)の毒性を効果的に中和することを示す。
標記のmAbを用いたin vitroでの中和活性および作用機序(MOA)研究の結果を示す。実施例1、3、7で説明するようにして、CHO−K1細胞およびT−84細胞を用いる細胞ベースのアッセイを実施した。対照の抗トキシンA mAb CDA−1の中和活性と比較した抗トキシンA mAb PA−39およびPA−50の中和活性を示す。EC50および最大阻害率値は、実施例7Cの表Aに示すとおりである。
標記のmAbを用いたin vitroでの中和活性および作用機序(MOA)研究の結果を示す。実施例1、3、7で説明するようにして、CHO−K1細胞およびT−84細胞を用いる細胞ベースのアッセイを実施した。対照の抗トキシンB mAb CDB−1の中和活性と比較した抗トキシンB mAb PA−41の中和活性を示す。EC50および最大阻害率値は、実施例7Cの表Bに示すとおりである。
標記のmAbを用いたin vitroでの中和活性および作用機序(MOA)研究の結果を示す。実施例1、3、7で説明するようにして、CHO−K1細胞およびT−84細胞を用いる細胞ベースのアッセイを実施した。細胞へのトキシンAの内部移行をブロックする抗トキシンA mAbの機能を評価し、ポリクローナルヤギ抗トキシンA抗体対照および抗体対照なしの場合に対するトキシンAの内部移行を防止する上でのこれらのmAbの活性を見極めるためのELISA法とその結果を示す。
ヒト化PA−39(hPA−39)VH領域のアミノ酸配列(配列番号1)を示す。アミノ酸残基一文字コードで示してある。配列の上にある数字は、Kabatらによる位置を示す。CDRの位置に下線を付しておく。
ヒト化PA−39(hPA−39)VL領域のアミノ酸配列(配列番号3)を示す。アミノ酸残基を一文字コードで示してある。配列の上にある数字は、Kabatらによる位置を示す。CDRの位置に下線を付しておく。
ヒト化PA−50(hPA−50)VH領域のアミノ酸配列(配列番号5)を示す。アミノ酸残基を一文字コードで示してある。配列の上にある数字は、Kabatらによる位置を示す。CDRの位置に下線を付しておく。
ヒト化PA−50のVL領域(配列番号7)のアミノ酸配列を示す。アミノ酸残基を一文字コードで示してある。配列の上にある数字は、Kabatらによる位置を示す。CDRの位置に下線を付しておく。
ヒト化PA−41(hPA−41)のVH領域のアミノ酸配列(配列番号8)を示す。アミノ酸残基を一文字コードで示してある。配列の上にある数字は、Kabatらによる位置を示す。CDRの位置に下線を付しておく。
ヒト化PA−41のVL領域のアミノ酸配列(配列番号10)を示す。アミノ酸残基を一文字コードで示してある。配列の上にある数字は、Kabatらによる位置を示す。CDRの位置に下線を付しておく。
ヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAモノクローナル抗体の核酸配列およびコードされるアミノ酸配列を示す。図38Aは、配列番号17に記載の核酸配列によってコードされる、配列番号16で示すヒト化抗トキシンAモノクローナル抗体の軽鎖のアミノ酸配列である。
ヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAモノクローナル抗体の核酸配列およびコードされるアミノ酸配列を示す。図38Bは、配列番号15に記載の核酸配列によってコードされる、配列番号14で示すヒト化モノクローナル抗体の重鎖のアミノ酸配列である。
ヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAモノクローナル抗体の核酸配列およびコードされるアミノ酸配列を示す。図38Bは、配列番号15に記載の核酸配列によってコードされる、配列番号14で示すヒト化モノクローナル抗体の重鎖のアミノ酸配列である。
ヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAモノクローナル抗体の核酸配列およびコードされるアミノ酸配列を示す。図39Aは、配列番号21に記載の核酸配列によってコードされる、配列番号20で示すヒト化抗トキシンAモノクローナル抗体の軽鎖のアミノ酸配列である。
ヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAモノクローナル抗体の核酸配列およびコードされるアミノ酸配列を示す。図39Bは、配列番号19に記載の核酸配列によってコードされる、配列番号18で示すヒト化抗トキシンAモノクローナル抗体の重鎖のアミノ酸配列である。
ヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAモノクローナル抗体の核酸配列およびコードされるアミノ酸配列を示す。図39Bは、配列番号19に記載の核酸配列によってコードされる、配列番号18で示すヒト化抗トキシンAモノクローナル抗体の重鎖のアミノ酸配列である。
ヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンBモノクローナル抗体の核酸配列およびコードされるアミノ酸配列を示す。図40Aは、配列番号25に記載の核酸配列によってコードされる、配列番号24で示すヒト化抗トキシンBモノクローナル抗体の軽鎖のアミノ酸配列である。
ヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンBモノクローナル抗体の核酸配列およびコードされるアミノ酸配列を示す。図40Bは、配列番号23に記載の核酸配列によってコードされる、配列番号22で示すヒト化抗トキシンBモノクローナル抗体の重鎖のアミノ酸配列である。
ヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンBモノクローナル抗体の核酸配列およびコードされるアミノ酸配列を示す。図40Bは、配列番号23に記載の核酸配列によってコードされる、配列番号22で示すヒト化抗トキシンBモノクローナル抗体の重鎖のアミノ酸配列である。
対応する完全抗体効力と比較した、マウスmAbのFab断片のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAまたはトキシンBに対するin vitroでの中和活性を示す。(図41A):CHO−K1細胞でのマウスmAb PA−39およびPA−39Fab中和活性;トキシンA(Techlab、60ng/ml)。(図41B):CHO−K1細胞でのマウスmAb PA−41およびPA−41Fab中和活性;トキシンB(Techlab、2pg/ml)。(図41C):T−84細胞でのマウスmAb PA−50およびPA−50Fab中和活性;トキシンA(Techlab、60ng/ml)。
本明細書の実施例13で説明する薬物動態(PK)の研究で得られた抗体濃度プロファイルを示す。図42Aは、単一用量の精製ヒト化抗トキシンA mAb PA−50を0日目に1mg/kg(▲)または5mg/kg(■)の濃度で与えた動物での29日間におけるPKについての結果(μg/mL単位での血清抗体濃度)を示す。
本明細書の実施例13で説明する薬物動態(PK)の研究で得られた抗体濃度プロファイルを示す。図42Bは、単一用量の精製ヒト化抗トキシンB mAb PA−41を0日目に1mg/kg(▲)または5mg/kg(■)の濃度で与えた動物での29日間におけるPKについての結果(μg/mL単位での血清抗体濃度)を示す。

0063

本発明は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の病原作用をブロックする抗生物質によらない療法・治療を提供し、好ましくは、結腸が治癒するおよび/または結腸、腸、腸管などの消化管の正常な細菌叢が再建されるだけの時間を提供する、抗体およびその抗原結合性断片を包含する。本明細書で説明するようなモノクローナル抗体、その抗原結合性断片(そのヒト化抗体またはキメラ抗体など)は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症およびCDADに罹患した患者が、別の疾患または一層重度の疾患または症候の再発なく疾患から回復できるよう、活動性疾患を治療し、再発性の疾患を予防する両方の目的で、抗生物質によらない治療剤および医薬剤を提供するものである。一実施形態では、本発明の抗体は、被検体がクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に感染することで引き起こされる、あるいはこれに関連している、活動性疾患に対する治療活性を有する。一実施形態では、本発明の抗体は、被検体がクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に感染することで引き起こされる、あるいはこれに関連している、活動性疾患から回復させる。一実施形態では、本発明の抗体は、被検体がクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に感染することで引き起こされる、あるいはこれに関連している、活動性疾患の期間を短縮および/または重症度を低減する治療効果を有する。一実施形態では、本発明の抗体またはその一部またはその断片を、抗生剤の治療剤と併用して提供することが可能である。

0064

クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびBに対するモノクローナル抗体(mAb)を、本明細書で説明するようにして作製した。抗トキシンmAbは、in vitroアッセイと、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症のin vivoでの前臨床動物モデルの両方で強力な活性を呈する。特に本発明のmAbは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の関連のストリンジェントなハムスターモデルで死亡率からハムスターを強力かつ永続的に保護する。

0065

抗体は、CDADを治療するための抗生物質によらない手法を提供するものであり、抗生剤の中断を可能にし、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンの病原作用をブロックすることで、結腸が治癒するおよび/または正常な腸内細菌叢が再建されるだけの時間を提供できるものである。本明細書で説明するようなmAbは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンを中和する機能がゆえに、治療上の利点を提供可能であり、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の多発性再発のある患者を治療する受動的または能動的な戦略で利用できる。特に、感染の再発防止、疾患の重度かつ活動性の形態の治療、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患の多発性再発のある患者の治療にmAbを利用してもよい。本明細書で説明するようなmAbは、感染の再発および/または疾患の重度かつ活動性の形態および多発性再発を防止、ブロックまたは阻害するためのクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびBを中和する効果的な手段となり得る。

0066

本明細書で使用する場合、「トキシンA」および「トキシンB」とは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)微生物によって産生される細胞傷害性エンテロトキシンを示す。トキシンAおよびBは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の主な病原性決定基であり、トキシン陰性株は非病原性である。トキシンAおよびBは、トキシン遺伝子tcdA(トキシンA)およびtcdB(トキシンB)と、3つの調節遺伝子とを含む病原性遺伝子座から転写され、この3つの調節遺伝子のうちの1つ(tcdC)がトキシン転写の推定上の陰性調節因子をコードする。TcdCタンパク質は、細菌のライフサイクルにおける初期対数期にトキシンの転写を阻害するように見える。トキシンBでは、ロイシン543とグリシン544との間の自己触媒的切断部位が説明されている。切断は、宿主の細胞質イノシトールリン酸によってアスパルチルプロテアーゼドメインが活性化され、活性なグルコシルトランスフェラーゼドメインが放出された結果として起こるものである。

0067

本明細書で提供されるのは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよび/またはトキシンBに特異的に結合する抗体およびその抗原結合性断片、このような抗体またはその抗原結合性断片のうちの1種類以上を含有する組成物、抗体またはその抗原結合性断片をコードする核酸配列を含有するベクター、抗体を産生するハイブリドーマ細胞株、抗体またはその抗原結合性断片を、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患の治療または予防に使用する方法である。

0068

本発明およびそのさまざまな態様および実施形態を説明するにあたって「抗体」または「免疫グロブリン」という用語を本明細書で使用する場合、「抗体」または「免疫グロブリン」という用語を使うたびに関連する言い回しである「抗原結合性断片」を必要以上に繰り返すのを避けるために、この用語は通常、そのような抗体または免疫グロブリンの抗原結合性断片も包含することを想定していることを理解されたい。よって、本発明は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンB向けの抗体すなわち、トキシンAおよびトキシンB抗原だけでなく、本明細書でさらに説明するようなクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよびトキシンB抗原に結合するこのような抗体の断片も包含する。実施形態では、このような抗原結合性断片は、トキシンAおよび/またはトキシンBの毒性を、元のままの抗体と同様に中和できる。

0069

本発明に包含される抗体は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAを特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される単離されたモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する特異的な結合を競合的に阻害または交差競合する、単離された抗体を含む。この抗体は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAを特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される単離されたモノクローナル抗体によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのエピトープを特異的に結合する単離された抗体も含む。いくつかの実施形態では、エピトープがtcdAのC末端受容体結合ドメインにある。これらの実施形態のうちのいくつかでは、抗体が、tcdAに対するPA−50の結合を競合的に阻害または交差競合する。他の実施形態では、エピトープがtcdAのトランスロケーションドメインにある。これらの実施形態のうちのいくつかでは、抗体が、tcdAに対するPA−39の結合を競合的に阻害または交差競合する。このような単離された抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、その抗原結合断片または一部を含むものであってもよい。

0070

本発明の抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンBモノクローナル抗体の特異性を評価するためのトキシンBの酵素的(カスパーゼ1)タンパク質分解を用いる実験を、実施例6で説明するようにして実施した。mAb PA−39が認識して結合するトキシンAのエピトープは、トキシンAの受容体結合ドメインとは区別される領域内すなわち、トキシンA受容体結合ドメインの外にあり、C末端トキシンAの受容体結合ドメインに結合することが報告されているヒト抗トキシンA抗体が結合するエピトープとも区別される(7)。本明細書の実施例6および7で説明し、図22および図31に示すように、Biacoreアッセイは、PA−39に対するトキシンAの単一の結合部位をサポートする。酵素消化したトキシンAのウェスタンブロット検出によって、PA−39が、PA−50およびCDA−1対照mAbが結合する領域とは別のトキシンAの領域に結合することがわかる。トキシン効力アッセイにおけるPA−39のin vitroでの活性は、培養に対するトキシンAの添加量が増えるにつれて、EC50および最大阻害率の両方がシフトすることを示しており、PA−39阻害の混合−競合的機序が認められる。100倍過剰なPA−39で保護した後のトキシンAのELISA検出によって、PA−39によるトキシンの阻害が、トキシンの内部移行と有害な細胞毒(cytocellular toxin)作用、たとえば、細胞毒性(cytoxicity)を防いで起こることが確認された。

0071

また、本明細書の実施例6および7で説明し、図22および図31に示すように、Biacoreアッセイは、PA−50に対するトキシンAの少なくとも2つの結合部位をサポートする。酵素消化したトキシンAのウェスタンブロット検出によって、PA−50が、トキシンAの対照のmAb CDA−1が結合する領域と同様の領域に結合することがわかる。トキシン効力アッセイにおけるPA−50のin vitroでの活性は、培養に対するトキシンAの添加量が増えるにつれてEC50がシフトすることを示しており、PA−50阻害の競合的機序が認められる。100倍過剰なPA−50で保護した後のトキシンAのELISA検出によって、PA−50によるトキシンの阻害が、トキシンの内部移行と以後の細胞毒性を防いで起こることが確認された。

0072

また、本発明の抗体は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される単離されたモノクローナル抗体のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対する特異的な結合を競合的に阻害または交差競合する、単離された抗体も含む。この抗体は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBを特異的に結合し、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される単離されたモノクローナル抗体の結合によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのエピトープを特異的に結合する、単離された抗体も含む。いくつかの実施形態では、エピトープが、tcdBのN末端酵素ドメインにある。これらの実施形態のうちのいくつかでは、抗体が、tcdBに対するPA−41の結合を競合的に阻害または交差競合する。他の実施形態では、エピトープが、tcdBのトランスロケーションドメイン、たとえば、アミノ酸850〜1330にある。これらの実施形態のうちのいくつかでは、抗体が、tcdBに対するPA−39の結合を競合的に阻害または交差競合する。

0073

本発明の抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAモノクローナル抗体の特異性を評価するためのトキシンAの酵素的(エンテロキナーゼ)タンパク質分解を用いる実験を、実施例6で説明するようにして実施した。mAb PA−41(PTA−9693)は、トキシンBのN末端酵素ドメインに由来する約103kDaと63kDaの断片を認識することが明らかになった。主要な消化断片のN末端配列分析によって、この分析結果を確認した。mAb PA−41は、ヒト抗トキシンB抗体が結合するトキシンBのC末端受容体結合ドメインとは区別されるトキシンBのN末端酵素ドメイン内のユニークなエピトープに結合することが明らかになった(7)。本明細書の実施例6および7で説明し、図19および図31Eおよび図31Fに示すように、Biacoreアッセイは、PA−41に対するトキシンBの単一の結合部位をサポートする。酵素消化したトキシンBのウェスタンブロット検出によって、PA−41が、対照のmAb CDB−1が結合する領域とは異なる別のトキシンBの領域に結合することがわかる。トキシン効力アッセイにおけるPA−41のin vitroでの活性は、培養に対するトキシンBの添加量が増えるにつれて、EC50および最大阻害率の両方がシフトすることを示しており、PA−41阻害の混合−競合的機序が認められる。

0074

本明細書で得られる抗体は、寄託され、以下の特許寄託の表示がなされたハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗体を含む。PTA−9692(PA−39)、PTA−9693(PA−41)、PTA−9694(PA−50)、PTA−9888(PA−38)。これらのハイブリドーマは、2009年1月6日(PTA−9692、PTA−9693、PTA−9694)および2009年3月24日(PTA−9888)に、国際寄託機関としてのBudapest Treaty on the International Recognition of the Deposit of Microorganisms for the Purposes of Patent Procedure with the American Type Culture Collection(「ATCC」)、P.O. Box 1549, Manassas, VA 20108 USAに従って、その要件を満たす形で寄託され、上述した特許寄託の表示がなされた。本明細書で使用する場合、寄託されたハイブリドーマと、このハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗体の両方を、同一のATCC寄託の表示またはATCC寄託の表示に含まれる数字で示すこともある。たとえば、PTA−9888または9888を、寄託されたハイブリドーマまたはこのハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗体を示すのに、使用することがある。したがって、本明細書に記載のモノクローナル抗体の名称は、それを産生するハイブリドーマの名称と同義に用いられる。ある名称が、どの部分で抗体またはその抗体を産生するハイブリドーマを示すことを意図しているかは、当業者には明らかであろう。本明細書に記載の抗原結合性断片は、上述した寄託抗体の抗原結合性断片を含む。

0075

本発明の抗体は、多数の有益な特徴を呈する。たとえば、抗トキシンA抗体は、トキシンAの毒性をin vitroとin vivoの両方で中和または阻害する。IMR−90細胞、ヒト化PA−39およびヒト化PA−41を用いるin vitroでの中和研究では、細胞のトキシンAに対する46pMの中和力(すなわちEC50値)と、これらの細胞のトキシンBに対する5pMを示した。ヒト抗トキシンAモノクローナル抗体および抗トキシンBモノクローナル抗体による中和について文献に報告されている値(国際公開第2006/121422号パンフレット;米国特許出願公開第2005/0287150号明細書;Babcock et al., Infect. Immun., 2006)(7)と比較すると、hPA−39の46pMのEC50中和値のほうが、ヒト抗トキシンA mAbで報告されている値よりも高いように見え、hPA−41の5pMのEC50中和値もヒト抗トキシンB mAbで報告されている値よりも高いように見えた。したがって、本明細書に記載した研究では、本発明のヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAモノクローナル抗体および抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンBモノクローナル抗体、特に、これらのモノクローナル抗体のヒト化形態は、すでに報告のある他の抗トキシン抗体の場合と比較して、抗トキシン中和特性が高かったことがわかる。

0076

一実施形態では、本発明の抗トキシンA抗体は、有効用量で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAの毒性をin vivoにて中和または阻害する。もうひとつの実施形態では、抗トキシンB抗体が、トキシンBの毒性をin vivoで中和または阻害する。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症被検体に有効用量の1種類以上の本発明の抗トキシンA抗体を提供する。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症被検体に、有効用量の1種類以上の本発明の抗トキシンB抗体との組み合わせで、有効用量の1種類以上の本発明の抗トキシンA抗体を提供する。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症被検体に、有効用量として、本発明の抗トキシンB抗体との1:1の組み合わせでの本発明の抗トキシンA抗体を提供する。一実施形態では、有効用量の本発明の抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体が、たとえば、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症被検体に提供される複数の抗体の1/2:1、1:1、2:1、3:1、4:1などの組み合わせであってもよい。一実施形態では、抗体がヒト化されている。一実施形態では、抗体が組成物に含まれる。実例として、有効用量の抗トキシンA抗体および/または抗トキシンB抗体は、0.1μg〜1000ミリグラム(mg)の範囲であってもよい。抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体またはその抗原結合性断片を、たとえば、0.1mg/kg〜150mg/kgの量、0.5mg/kg〜75mg/kgの量、1mg/kg〜100mg/kgの量、1mg/kg〜50mg/kgの量、2mg/kg〜40mg/kgの量、2mg/kg〜50mg/kgの量、5mg/kg〜50mg/kgの量、5mg/kg〜25mg/kgの量、10mg/kg〜40mg/kgの量、10mg/kg〜50mg/kgの量、10mg/kg〜25mg/kgの量または15mg/kg〜50mg/kgの量で被検体に投与すればよい。一実施形態では、上述した量が、組み合わせで提供されるさまざまな比の抗トキシンA抗体と抗トキシンB抗体を含むものであってもよい。

0077

本明細書で使用する場合、「中和する」とは、抗体が特異的に結合するトキシンの有害作用の低減、阻害、ブロック、緩和または排除を示す。トキシンの有害作用の中和としては、1)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連下痢症または疾患の発症または進行を遅延、低減、阻害または防止すること、2)抗体での治療をしておらず、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患のある被検体の生存中央値と比較して被検体の生存期間延ばすこと、3)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連下痢症または疾患に関連する1つ以上の症候または有害作用を排除または1つ以上の症候または有害作用の重症度を低減すること、4)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に感染するまたは感染している被検体の正常な消化管の再増殖を可能にすること、5)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患に悩んでいる被検体でクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患の再発を防止すること、6)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患のある被検体での治癒率を少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%にすることおよび/または7)クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症に関連したCDADまたは他の有害イベントによる死を防ぐことがあげられる。

0078

本発明の抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンAおよびトキシンB抗体を使用して、人間(ヒト)および他の非ヒト哺乳類)動物を含む多数の種の被検体を治療できる。本発明によって治療可能な被検体としては、人間、非ヒト霊長類イヌネコ、マウス、ラット、ハムスター、モルモットウシ、ヤギ、ヒツジブタウマなどがあげられる。ヒト被検体については、本明細書では患者または個体とも呼ぶ。特に、被検体は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患のあるヒトの患者を含む。このようなヒト患者には、高齢者や免疫無防備状態の人を含む。

0079

本発明によれば、抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA抗体およびトキシンB抗体は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)疾患を回復させ、被検体の生存期間を延ばすことができる。一実施形態では、1種類以上の抗トキシンA抗体および/または1種類以上の抗トキシンB抗体を、被検体に投与すると、抗体で治療しておらず、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患のある被検体の生存中央値と比較して、被検体の生存が改善される。

0080

いくつかの実施形態では、1種類以上の抗トキシンA抗体または抗トキシンB抗体の用量または量が、たとえば、in vivoでのマウスの研究などに基づいて、0.2μg〜250μgの範囲または2μg〜50μgの範囲または5μg〜50μgの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、1種類以上の抗トキシンA抗体または抗トキシンB抗体、特に抗トキシンA抗体と抗トキシンB抗体との組み合わせの用量または量が、たとえば、in vivoでのハムスターの研究などに基づいて、2mg/kg〜40mg/kg、2mg/kg〜50mg/kg、5mg/kg〜40mg/kg、5mg/kg〜50mg/kg、10mg/kg〜40mg/kgまたは10mg/kg〜50mg/kgの範囲であってもよい。

0081

もうひとつの例として、本発明の抗体は、治癒率または生存率を、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%または99%にすることが可能なものである。もうひとつの例として、この抗体は、治癒率または生存率を100%にすることが可能なものである。一実施形態では、1種類以上の抗トキシンA抗体は、被検体に投与すると、1種類以上の抗トキシンB抗体との組み合わせで、治癒率または生存率を50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%または100%にすることができる。本明細書で使用する場合、「治癒率」とは、本発明の1種類以上の抗体またはその1種類以上の組成物を投与した、感染または疾患のあった被検体集団のうち、感染または疾患がなくなったと臨床医が判断した被検体の割合を示す。「生存率」とは、本明細書で使用する場合、本発明の1種類以上の抗体またはその1種類以上の組成物を投与した被検体集団のうち、所望の期間にわたって生存する被検体の割合を示す。このような所望の期間の例については、本明細書の別の部分であげておく。

0082

本発明によって得られる抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に感染した被検体で、正常な腸細菌叢の回復を可能にするものである。このようにして、このような抗体は、治療中の患者を疾患から回復させることができる。また、本発明の抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体は、有益なin vivoでの薬物動態も呈する。本発明の抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)に感染した被検体に、長期にわたってまたは持続する療法を提供できるものでもある。本明細書で使用する場合、「持続性」とは、治療中断後に、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患のない状態を1か月以上保てる療法を示す。好ましくは、この療法は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患のない状態を2か月以上保つ。いくつかの実施形態では、本発明のmAbを用いる療法で、活性なクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症が治療または抑制され、感染の頑健性が低減または減少される。他の実施形態では、本発明によって得られる療法は、被検体で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患のない状態を、1、2、3、4、5または6か月保つ。他の実施形態では、本発明によって得られる療法が、被検体で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患のない状態を、6か月よりも長い期間保つ。本発明の抗トキシンA抗体および抗トキシンB抗体は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症および/またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)関連疾患の再発を予防することが可能である。

0083

CDADの再発性は、新たな抗生剤であるレボフロキサシンおよびモキシフロキサシンという2種類に対して耐性であることが明らかになった高病原性BI/NAP1/027株の出現によって、結局は悪くなっている。このような株は、米国、カナダ西ヨーロッパ中で頻度が増す流行のきっかけとなった。高病原性株には、North American Pulsed Fieldタイプ1(NAP1)、制限酵素分析タイプ「BI」、PCRリボタイプ027(総称としてBI/NAP1/027で知られる)としてキャラクタライズされた、密接に関連した分離株の群を含む(5)。BI/NAP1/027株の高病原性は、少なくとも一部は、CDADの2つの病原因子であるトキシンAおよびBの産生量が増えることによるものである(6)。BI/NAP1/027分離株は、他の株よりも16〜23倍高いレベルのトキシンAおよびBを産生する(6)。これらの株が明らかに適合していくと、他の疾患に対する抗生剤での治療の可能性を危うくする世界的な広まりをみせるおそれがあり、CDADの再発率と重症度が高まるおそれもある。ニタゾキサニド、リファキシミン、ラモプラニン、フィダキソマイシンなど、CDADの治療用に開発中の抗生剤もあるが、リファキシミンに耐性のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の臨床分離株が報告されている。最近では、完全なフェーズ3の臨床試験(91)で、フィダキソマイシンがバンコマイシンよりも全体としてのCDAD再発率を有意に低減させたが、BI/NAP1/027株には効かなかった。高病原性BI/NAP1/027株が広まったことで、入院期間が長くなり、治療が失敗し、再発頻度が上がり、死亡率も上がっている(3)。新規に開発され、本明細書にて説明するmAbは、CDADの出現率と重症度の上昇にはどめをかけるための新たな治療法となるものである。

0084

一実施形態では、本発明のmAbを、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のさまざまな株によって生じる感染の治療に用いる。一実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株は、極めて感染性が高く、そのトキシンを本発明のmAbで中和する。一実施形態では、BI/NAP1/027をはじめとする、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株のトキシンを、本発明のmAbで中和する。一実施形態では、本発明のmAbは、外来患者分離株由来の株を含む、広範囲にわたる毒素産生性臨床分離株からのトキシンを中和するにあたって治療効果を提供するものである。好ましくは、mAbは、BI/NAP1/027などの高病原性分離株のトキシンを中和し、少なくとも90%以上のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の他の臨床的に関連する分離株のトキシンを中和する。特に、本明細書の実施例8で示すように、本発明のmAbは、BI/NAP1/027および他の高病原性クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株、たとえば、CCL676、HMC553、Pitt45、CD196、montreal 5、montreal 7.1をはじめとして、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の19種類の臨床分離株の毒性/活性を有意に中和することが明らかになっている。本発明によれば、たとえば限定なく、抗トキシンA mAbの場合でEC50値が7.7−12M〜4.8−8Mの範囲、抗トキシンB mAbの場合でEC50値が1.1−11M〜6.5−10Mの範囲になることから判断すると、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株のトキシンAおよびトキシンBを中和する抗体が得られる。また、本発明のmAbは、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症およびこれに関連する疾患の治療の際に、病院由来の分離株および病院以外のところに由来する分離株を含む、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の高病原性株の中和に用いるよう提供される。

0085

他の実施形態において、かつ、非限定的な例によって、本発明のmAbは、in vitroで利用する細胞ベースのアッセイに応じて、トキシンAを中和する場合のEC50中和値が93pM〜30nMの範囲またはEC5046pMであり、トキシンBを中和する場合のEC50値が4pM〜9.5pMの範囲またはEC55pMである。本明細書の実施例3で説明するように、8μg/mlのトキシンAを用いる、CHO−K1細胞を含むアッセイでは、本発明の抗トキシンA mAbのEC50値が93pMであった。8pg/mlのトキシンBを用いるCHO−K1細胞を含むアッセイでは、本発明の抗トキシンB mAbは、EC50値が9.2pMであった。240ng/mlのトキシンAを用いるT−84細胞を含むアッセイでは、本発明の抗トキシンA mAbのEC50値は、146pMおよび175pMであった。Caco−2細胞ベースのアッセイでは、本発明の抗トキシンA mAbが、EC50レベル196pMおよび485pMでトキシンAの毒性を中和した。8μg/mlのトキシンAを用いる赤血球の血球凝集アッセイでは、RBC血球凝集を防止するための本発明の抗トキシンA mAbのEC50中和値が、1.8nMおよび30nMであった。

0086

本発明の抗体は、上述した特徴のうち任意の1つ、これらの組み合わせまたはそのすべてを含み得るものである。

0087

本明細書の実施例で説明するように、本発明のmAbは、CDADの最も入手可能な前臨床モデルで、in vitroとin vivoの両方で優れたトキシン中和効力を示す。また、本発明のmAbは、多数のBI/NAP1/027株から得られるトキシンに対して独特の広くて強力な中和を示す。さらに、このようなmAbは、CDADの高度にストリンジェントなハムスターモデルで死亡率からの完全かつ持続性の保護を示した。これらの結果は、本発明のmAbが、結腸が治癒し、正常な腸内細菌叢が再建され、CDAD疾患および/またはクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症から回復させられるような方法で、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンの病原作用を効率的かつ効果的にブロックする能力裏付ける。

0088

一実施形態では、トキシンAに対する抗体が、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、単離されたモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する特異的な結合を競合的に阻害またはこれと交差競合する抗体を含む。好ましいトキシンBに対する抗体は、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される単離されたモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対する特異的な結合を競合的に阻害またはこれと交差競合する抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体が、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、単離されたモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対する特異的な結合を競合的に阻害またはこれと交差競合する抗体を含み、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される単離されたモノクローナル抗体の、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対する特異的な結合を競合的に阻害またはこれと交差競合する。すべての実施形態が、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694、PTA−9888またはPTA−9693で、上述した抗体のヒト化形態をさらに含む。

0089

結合の競合的阻害または交差競合を判断するには、当業者に知られた多岐にわたるアッセイを用いることが可能である。たとえば、交差競合アッセイを使用して、抗体が、もうひとつの抗体によってトキシンAおよび/またはトキシンBへの結合を競合的に阻害するか否かを判断することが可能である。このような方法は、フローサイトメトリーまたは固相結合分析を用いる細胞ベースの方法であってもよい。抗体が固相または溶液相においてトキシンAおよび/またはトキシンBに対する結合と交差競合する機能を評価する他のアッセイも使用可能である。本発明に包含される抗体またはその抗原結合性断片の例としては、特異的な結合を、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%競合的に阻害するものがあげられる。さまざまなモル比または質量比で、阻害を評価することが可能である。たとえば、2倍、3倍、4倍、5倍、7倍、10倍またはそれを超えるモル過剰の第1の抗体と第2の抗体で、競合的結合実験を実施することが可能である。

0090

本発明に包含される他の抗体としては、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、単離されたモノクローナル抗体による結合によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのエピトープに特異的に結合するものがあげられる。本発明に包含されるさらに他の抗体または抗原結合性断片としては、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される単離されたモノクローナル抗体の結合によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのエピトープに特異的に結合するものがあげられる。本発明に包含されるさらに他の抗体または抗原結合性断片としては、ATCC受託番号PTA−9692、PTA−9694またはPTA−9888で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、単離されたモノクローナル抗体の結合によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAのエピトープに特異的に結合し、かつ、ATCC受託番号PTA−9693またはPTA−9692で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生される、単離されたモノクローナル抗体の結合によって認識されるクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBのエピトープに特異的に結合するものがあげられる。

0091

エピトープを判断するには、従来技術において知られた標準的なエピトープマッピング法を用いることが可能である。たとえば、抗体に結合するトキシン(好ましくは合成ペプチド)の断片(ペプチド)を使用して、候補抗体またはその抗原結合性断片が同一のエピトープに結合するか否かを判断することが可能である。線形エピトープの場合、規定の長さ(たとえば、8アミノ酸以上など)のオーバーラップするペプチドを合成する。トキシン配列の8アミノ酸断片ずつカバーする一連のペプチドがが調製されるように、このペプチドは、好ましくは1アミノ酸分だけずれている。たとえば、2または3アミノ酸などのもっと大きなオフセットを使って、これよりも少ないペプチドを調製することも可能である。また、これよりも長いペプチド(たとえば、9マー、10マーまたは11マー)を合成することも可能である。表面プラズモン共鳴(たとえば、Biacore)およびELISAアッセイをはじめとする標準的な方法を用いて、抗体に対するペプチドの結合を求めることが可能である。本明細書で得られる抗体が、いくつかの実施形態で結合できる立体エピトープを調べるために、さらに大きなペプチド断片を使用することが可能である。質量分析を使って立体エピトープを規定する他の方法が文献に記載され、これを利用することが可能である(たとえば、Baerga−Ortiz et al., Protein Science 11:1300〜1308, 2002およびそこに引用された参考文献を参照のこと)。Current Protocols in Immunology, Coligan et al., eds., John Wiley & Sonsのユニット6.8(「Phage Display Selection and Analysis of B−cell Epitopes」)およびユニット9.8(「Identification of Antigenic Determinants Using Synthetic Peptide Combinatorial Libraries」)など、エピトープを判断するためのさらに他の方法が、標準的な実験室でのリファレンスワークに提供されている。1つ以上の点変異または欠失既知のエピトープに導入した後、1種類以上の抗体との結合を試験して、どの変異が抗体との結合を減らすか判断すれば、エピトープを確認することが可能である。

0092

本発明によって得られる抗体または抗原結合性断片は、ナノモル以下の親和性でトキシンAおよび/またはトキシンBに特異的に結合するものであってもよい。抗体または抗原結合性断片は、結合親和性が約1×10−9M以下、約1×10−10M以下または約1×10−11M以下のものであってもよい。特定の実施形態では、結合親和性が約5×10−10M未満である。

0093

抗体または抗原結合性断片のトキシンAまたはトキシンBに対する結合速度定数(Kon)が、表面プラズモン共鳴で測定した場合の少なくとも102M−1s−1;少なくとも103M−1s−1;少なくとも104M−1s−1;少なくとも105M−1s−1;少なくとも106M−1s−1;または少なくとも107M−1s−1であってもよい。抗体または抗原結合性断片のトキシンAまたはトキシンBに対する解離速度定数(Koff)が、表面プラズモン共鳴で測定した場合の最大で10−3s−1;最大で10−4s−1;最大で10−5s−1;または最大で10−6s−1であってもよい。抗体または抗原結合性断片のトキシンAまたはトキシンBに対する解離定数(KD)が、最大で10−7M;最大で10−8M;最大で10−9M;最大で10−10M;最大で10−11M;最大で10−12M;または最大で10−13Mであってもよい。

0094

本明細書で使用する場合、「抗体」または「免疫グロブリン」という用語は、ジスルフィド結合で相互に連結された少なくとも2つの重(H)鎖ポリペプチドと2つの軽(L)鎖ポリペプチドとを含む、糖タンパク質を含む。重鎖は各々、重鎖可変領域(本明細書ではHCVRまたはVHと略す)および重鎖定常領域(CH)からなる。重鎖定常領域は、3つのドメインすなわちCH1、CH2、CH3からなる。軽鎖は各々、軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVLと略す)および軽鎖定常領域(CL)からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメインCLからなる。VHおよびVL領域はさらに、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる高頻度可変性の領域と、そのあいだのところどころに介在する一層保存されたフレームワーク領域(FR)と呼ばれる領域とにわけることができる。VHおよびVLは各々、3つのCDRと4つのFRで構成され、アミノ末端からカルボキシ末端へ次の順序で配列される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの可変領域は、抗原相互作用する/抗原に結合する結合ドメインを含むまたは形成する。抗体の定常領域は、免疫系のさまざまな細胞(たとえば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第一成分(C1q)を含む宿主組織または宿主因子への、免疫グロブリンの結合を媒介できる。

0095

本発明は、本明細書でさらに説明するような、単鎖抗体、組換え的に作製された抗体、二重特異性異種特異的または多量体抗体、二特異性抗体など、他の形態の抗体をさらに提供するものである。

0096

抗体の「抗原結合性断片」という用語は、本明細書で使用する場合、抗原(トキシンA、トキシンB、トキシンAおよびトキシンB、など)または抗原のエピトープ領域に特異的に結合する能力を持つ、抗体の1つ以上の部分を意味する。抗体の抗原結合作用は、全長抗体の断片により実現できることが示されている。一実施形態では、モノクローナル抗体の断片が、元のままの対応するモノクローナル抗体と同様に機能する。一実施形態では、モノクローナル抗体の断片が、元のままの対応するモノクローナル抗体と交差反応する。一実施形態では、モノクローナル抗体の断片を、元のままの対応するモノクローナル抗体と同義に用いることが可能である。抗体の「抗原結合性断片」という用語に含まれる結合断片の例は、(i)Fab断片(VLドメイン、VHドメイン、CLドメイン、CH1ドメインからなる一価の断片);(ii)F(ab’)2断片(ヒンジ領域においてジスルフィド結合で結合される2つのFab断片を含む二価の断片);(iii)VHドメインとCH1ドメインとからなるFd断片;(iv)抗体の単一の腕のVLドメインとVHドメインとからなるFv断片;(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544〜546);(vi)単離された相補性決定領域(CDR)を含む。さらに、Fv断片の2つのドメインVLおよびVHは、離れた遺伝子でコードされるが、組換え方法を利用して、これらをVL領域およびVH領域の組が一価の分子を形成する1本のタンパク質鎖単鎖Fv(scFv)として知られている;たとえば、Bird et al. (1988) Science 242:423〜426; and Huston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879〜5883を参照のこと)にさせることのできる合成リンカーによって、これらのドメインを連結することが可能である。このような単鎖抗体も、抗体の「抗原結合性断片」という用語に含むことを想定している。これらの抗体断片は、本明細書に援用するJ. Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, pp 98〜118 (N.Y. Academic Press 1983に記載されているようなタンパク分解断片化手順ならびに当業者らに知られた他の技術などの従来の手順を用いて得られるものである。これらの断片を、元のままの抗体と同じようにして活性または有用性についてスクリーニングする。

0097

一実施形態では、本明細書の実施例10で説明するようにして、本発明のmAbのFab断片を生成し、細胞ベースのアッセイで中和活性を試験した。よって、本発明のmAbのFab断片などの抗体断片を利用して、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAおよび/またはトキシンBを結合および中和してもよい。

0098

本明細書で使用する場合、「単離された抗体」、異なる抗原特性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を示すことを想定している(トキシンAに特異的に結合する単離された抗体は、トキシンA以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まないなど)。しかしながら、トキシンAまたはトキシンBのエピトープ、アイソフォームまたはバリアントに特異的に結合する単離された抗体は通常、他のクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)株などに由来する他の関連抗原に対する交差反応性を有する。また、トキシンAのエピトープ、アイソフォームまたはバリアントに特異的に結合する単離された抗体は、トキシンBにも特異的に結合でき、トキシンBのエピトープ、アイソフォームまたはバリアントに特異的に結合する単離された抗体は、トキシンAにも特異的に結合できる。しかしながら、いくつかの実施形態では、トキシンAのエピトープ、アイソフォームまたはバリアントを特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合性断片は、トキシンBに特異的に結合しない。さらに他の実施形態では、トキシンBのエピトープ、アイソフォームまたはバリアントに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合性断片は、トキシンAにも特異的に結合しない。さらに、単離された抗体は、他の細胞物質および/または化学物質を実質的に含まないものであってもよい。異なる抗原特性を有する他の抗体または他の材料および/または化学物質および/またはタンパク質を実質的に含まない抗体が、単離および/または精製された抗体であってもよい。抗体については、親和性クロマトグラフィ、タンパク質Aクロマトグラフィなどの当業者らが一般に実施している方法で精製すればよい。本明細書で使用する場合、「特異的な結合」とは、あらかじめ定められた抗原または同族抗原に対する抗体結合を示す。一般に、抗体は、あらかじめ定められた抗原または近縁抗原以外の非特異抗原BSA、カゼインなど)への結合親和性より、少なくとも2倍強い親和性をもって結合する。一実施形態では、本発明の抗体は、トキシンAおよび/またはトキシンBなどの標的抗原リニアエピトープに結合するものであってもよい。一実施形態では、本発明の抗体は、トキシンAおよび/またはトキシンBなどの標的抗原の立体エピトープに結合するものであってもよい。

0099

本発明の単離された抗体は、重鎖クラスまたはアイソタイプIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgAsec、IgD、IgEおよびそのサブタイプ、たとえば、IgG2a、IgG2b;軽鎖アイソタイプκおよびλおよびそのサブタイプなどのさまざまな抗体(免疫グロブリン)重鎖および軽鎖アイソタイプを含む。一実施形態では、単離された抗体は、IgG2aまたはIgG1κのアイソタイプである。本明細書で使用する場合、「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子および軽鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(IgMまたはIgG1またはλ1など)を示す。抗体またはその抗原結合性断片は、全長であってもよいし、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgAsec、IgD、またはIgEの抗体定常ドメインおよび/または可変ドメインなどの抗原結合性断片のみを含み得るか、あるいはFabフラグメント、F(ab’)2断片、Fv断片で構成可能なものである。

0100

本発明の抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体とモノクローナル抗体との混合物であり得る。抗体は、当該技術分野で周知の多岐にわたる技術で作製可能なものである。ポリクローナル抗体を作製する手順は周知である。非限定的な例としてポリクローナル抗体は、まずは免疫前血清を得るために採血したニュージーランド白ウサギに、トキシンAおよび/またはトキシンBタンパク質を皮下的に投与することによって作製される。トキシンAおよび/またはトキシンBを、一般には1種類以上のアジュバントsを、異なる6ヶ所へ1ヶ所あたり総量100μl、典型的には1つ以上の調整剤と共に投与し得る。それからウサギを、最初の注射から2週間後に採血し、6週間ごとに3回、同じ抗原を定期的に追加投与する。血清のサンプルは、それぞれの追加投与から10日後に採取する。好ましくはトキシンAおよび/またはトキシンBを使用したアフィニティクロマトグラフィで抗体を捕捉して、ポリクローナル抗体を、血清から回収する。このポリクローナル抗体を作製する手順と他の手順は、E. and Lane, D., Eds., Antibodies: A Laboratory Manual (1988), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY(本明細書中に援用する)に開示される。

0101

モノクローナル抗体の作製を、この分野で周知の技術によって実施してもよい。「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書で使用する場合、単一の分子組成抗体分子調製物を示す。モノクローナル抗体は、ある抗原または免疫原の特定のエピトープに対し、単一の結合特異性および親和性を示す。モノクローナル抗体を作製する過程は、抗体産生の可能性のある免疫体細胞(特にBリンパ球)を得る工程を伴う。この細胞は、かつてin vivoまたはin vitroの一方または利用法で目的の抗原で免疫されており、B細胞骨髄腫株との融合に適している。後述するように、モノクローナル抗体は、ヒトの免疫系を持つよう遺伝子的に操作したマウス株で、マウス、ヒトの細胞および細胞系統などの異なる種から、あるいは例えば免疫細胞および骨髄腫細胞を使用して、同じようにさらに生産することができる。

0102

トキシンAおよびトキシンB用のモノクローナル抗体は一般に、トキソイド(トキシンAおよびトキシンBの不活性な形態)および/またはこれらのトキシンの不活性な断片で動物を免疫することにより作製されたが、本発明のmAbは、新しい免疫化戦略を、使用することによって作製されている。本発明によれば、本明細書で説明して寄託するmAbは、動物をトキソイドで免疫した後、トキシンAおよび/またはトキシンB(実施例1参照)の活性(非トキソイド)形態でブーストすることで作製されている。トキシンAまたはトキシンBの活性形態でブーストすると、新規な免疫化スキームによるユニークに保護された抗体を開発した、免疫になった動物を同定するよう機能している。理論に拘されるわけではないが、活性トキシンAおよび/またはトキシンBブースト計画は、レシピエント動物で一層高度に免疫原性であった。これらの活性トキシンAまたはトキシンBのブースト用量を増やしたこと(一般には未感作の動物には致死的である)に対して耐性となった動物は、非常に効果的な中和抗体を産生し、活性トキシンが入ってきたにもかかわらず、これがゆえに動物を保護して生存に寄与した。トキシンAまたはトキシンBに対する効果的な免疫応答を持つ動物からのハイブリドーマの作製によって、非常に強力な抗トキシンAおよび抗トキシンBモノクローナル抗体が得られ、in vitroおよびin vivoで、ハイレベルの保護が得られる。ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体を含む抗体を作製する際に、アジュバントを使用してもよい。使用するのに好適なアジュバントの非限定的な例として、不完全フロインドアジュバントリン酸アルミニウム水酸化アルミニウム、Ribi(すなわちモノホスホリルリピドA、トレハロースミコール酸ミコバクテリウム細胞壁骨格、Tween(登録商標) 80、2%のスクアレンと)、サポニン、Quil Aまたはミョウバンがあげられる。トリパルミトイル−S−グリセリルシステイニルセリルセリンなど、脂質にトキシン(あるいはその断片、不活性な誘導体あるいは類似物)をコンジュゲートすることにより、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の応答プライムすることができる。

0103

他の実施形態では、トキシンAおよび/またはトキシンB向けのモノクローナル抗体の作製に別の免疫化方法を利用することができる。たとえば、動物(マウスなど)のin vivoでの免疫化を、所望のタイプと量のタンパク質またはポリペプチド(トキソイド、トキシンなど)で実行することができる。そのような免疫化は、抗体の十分な力価を得られる数週間までの間隔で必要に応じて繰り返される。いちど免疫化すれば、その動物を、抗体を産生するリンパ球起源として使用することができる。最後の抗原ブースト後、動物を屠殺し、脾臓細胞を除去する。マウスのリンパ球は、本明細書に記載のマウス骨髄腫系統と高い割合で安定した融合をする。これらのうち、BALB/cマウス株が適している。しかしながら、他のマウス株、ウサギ、ハムスター、ヒツジ、ヤギ、カエルを、抗体産生細胞作製用の宿主として使用してもよい。Goding(Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, 2d ed., pp.60〜61, Orlando, Fla., Academic Press, 1986)を参照のこと。特に、ヒト免疫グロブリン遺伝子がゲノムに挿入され(マウスの免疫グロブリンを産生できない)マウス株を使用できる。一例として、Medarex(現Bristol Myers Squibb)/GenPharm Internationalによって作製されたHumAbマウス株や、Abgenixによって作製されたXenoマウス株があげられる。このようなマウスは、免疫に応答して完全にヒトの免疫グロブリン分子を産生する。

0104

分割する形質芽細胞にある抗体産生細胞は優先的に融合する。抗原でプライムした動物のリンパ節脾臓末梢血から体細胞を得てもよく、選択するリンパ細胞は、特定の融合系での経験的な有用性に大きく左右される。その後、抗体を分泌するリンパ球を(マウス)B細胞骨髄腫細胞またはトランスフォームされた細胞(細胞培養中で無制限に複製できる)と融合して、免疫グロブリン分泌細胞株を作製する。得られる融合細胞またはハイブリドーマを培養し、こうして得られるコロニーを、所望のモノクローナル抗体の産生についてスクリーニングする。このような抗体を産生するコロニーを、in vivo(腹水として)またはin vitroのいずれかでクローニング、サブクローニング、増殖させ、大量の抗体を得る。ハイブリドーマ法と技術の説明は、Kohler and Milstein, Nature 256:495 (1975)またはHarlow, E. and Lane, D., Eds., Antibodies: A Laboratory Manual (1988), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY(本明細書に援用する)に見られる。

0105

あるいは、抗体を産生し得るヒト体細胞、特にBリンパ球は、骨髄腫細胞株との融合に適している。個体から生検で得た脾臓材料、扁桃材料またはリンパ節材料由来のBリンパ球を使用してもよいが、一層容易に入手可能な末梢血Bリンパ球(PBL)が好ましい。また、ヒトB細胞は、エプスタイン・バーウイルス(Cole et al., 1995, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77〜96)によって直接に不死化されたものであってもよい。体細胞ハイブリダイゼーションの手順が好ましいが、原則的には、Bリンパ球のウイルス形質転換または癌化などのモノクローナル抗体を作製するための他の技術を利用できる。

0106

ハイブリドーマ産生融合手順で使用するのに適した骨髄腫細胞株は、好ましくは、非抗体産生性であり、融合効率が高く、所望のハイブリドーマの増殖を支える特定の選択培地における増殖を不能にする酵素欠損を有する。融合細胞株の作製に使用できる、このような骨髄腫細胞株の例としては、P3−X63/Ag8、X63−Ag8.653、NS1/1.Ag 4.1、Sp2/0−Ag14、FO、NSO/U、MPC−11、MPC11−X45−GTG 1.7、S194/5XX0 Bul(マウス由来);R210.RCY3、Y3−Ag 1.2.3、IR983Fおよび4B210(ラット由来);U−266、GM1500−GRG2、LICR−LON−HMy2、UC729−6(ヒト由来)(Goding, in Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, 2d ed., pp. 65〜66, Orlando, Fla., Academic Press, 1986; Campbell, in Monoclonal Antibody Technology, Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology Vol. 13, Burden and Von Knippenberg, eds. pp. 75〜83, Amsterdam, Elseview, 1984)があげられる。

0107

細胞培養で無限複製可能な哺乳類骨髄腫細胞または他の融合相手との融合は、たとえばポリエチレングリコール(「PEG」)または他の融合剤を使用するなど、標準的かつ周知の技術によってなされるものである(Milstein and Kohler, Eur. J. Immunol. 6:511 (1976)を参照のこと。これを本明細書に援用する)。

0108

他の実施形態では、抗体は、組換え抗体であっても構わない。「組換え抗体」という用語は、本明細書で使用する場合、別の種の免疫グロブリン遺伝子トランスジェニックである動物(マウスなど)から単離された抗体、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現された抗体、組換えコンビナトリアル抗体ライブラリーから単離された抗体または免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む任意の他の手段によって調製、発現、作製または単離された抗体など、組換え手段によって調製、発現、作製または単離された抗体を含むことを意図する。

0109

さらに他の実施形態では、抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体であり得る。本明細書で使用する場合、「キメラ抗体」という用語は、マウス免疫グロブリン(Ig)の可変領域または超可変領域と、ヒトIgの定常領域または定常および可変フレームワーク領域とを結合する抗体を示す。いくつかの実施形態では、キメラ抗体が、本明細書に示すいずれかの寄託抗体の可変領域と、ヒト定常領域とを含む。いくつかの実施形態では、ヒト定常領域が、ヒトIgG1定常領域などのヒトIgG定常領域である。キメラ抗体は、実施例で後述する方法または当業者間で周知の任意の方法で作製可能なものである。本明細書で使用する場合、「ヒト化抗体」という用語は、実質的にマウスモノクローナル抗体などの親抗体由来の抗原結合CDRだけをヒトフレームワーク領域とともに保有する抗体を示す(Waldmann, 1991, Science 252:1657を参照のこと)。マウス抗体の結合特異性を持つが、ヒトIg定常/フレームワーク領域を有するこのようなキメラ抗体またはヒト化抗体は、in vivoで投与すると、免疫原性が低減されることが期待される。したがって、キメラおよびヒト化抗体は、好ましくは、提供されるモノクローナル抗体のトキシン中和活性を保持し、繰り返し投与に適している(たとえば、ヒトでなど)。当業者であれば、周知の方法(たとえば、in vitro細胞ベースのアッセイ)を使用して、ヒト化抗体の活性を本明細書にて提供する寄託されたモノクローナル抗体と比較したり、ヒト化抗体が確立されたクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症の再発を治療および/または予防するかどうか判断したりすることが可能である。また、当業者であれば、後述するクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)感染症のハムスターモデルを含む本明細書に記載の方法を使用することが可能である。

0110

ヒト化mAbの配列を、以下の一例としての非限定的な方法で設計することが可能である。まず、CDR構造にとって重要なフレームワークのアミノ酸残基を同定する。平行して、マウスのVHおよびVLに対して高い相同性を持つヒトVHおよびVL配列を、既知のヒト免疫グロブリン(生殖細胞系)配列から選択する。マウスmAb由来のCDR配列を、CDRの構造を維持する上で重要なフレームワークのアミノ酸残基と一緒に、選択されたヒトフレームワーク配列グラフトする。また、得られるヒト化mAbの潜在的な免疫原性を低減するために、対応するV領域サブグループ異型であることがわかるヒトのヒトフレームワークアミノ酸残基残基を一般的な残基と置換する。これらのヒト化VHおよびVL領域を発現ベクター、たとえば、pCONγ1およびpCONκ(Lonza Biologics, Berkshire, UK)にそれぞれクローニングする。これらのベクターは、ヒト免疫グロブリン重鎖および軽鎖遺伝子の定常領域をコードする。Effectene系(Qiagen, Valencia, CA)を使用して、293T細胞を一過的にこれらの発現ベクターでトランスフェクトする。分泌されたキメラmAbを含有する細胞上清を、たとえば3日後などトランスフェクション後に回収可能であり、プロテインAクロマトグラフィで精製可能である。当業者らが理解するように、他の発現ベクターおよび宿主細胞を使用して、標記の抗体を組換え的に作製してもよい。

0111

抗体または抗原結合性断片をヒト化する他の方法が従来技術において周知であり、たとえば、米国特許第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、同第6,180,370号に記載されている方法を含む。これらの特許に記載のヒト化のための方法を、全体として本明細書に援用する。これらの特許に記載の方法によってヒト化した抗体または抗原結合性断片も、本明細書に提供される。

0112

一実施形態では、本発明のヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA mAb(hmAb)は、免疫グロブリンタンパク質またはその断片を包含し、これは、(i)2つの重(H)鎖ポリペプチド(各H鎖が配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むVH領域とヒトCH領域、たとえば、IgG1C領域を含む)および(ii)2つの軽(L)鎖ポリペプチド(各L鎖が配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むVL領域とヒトCL領域、たとえば、κ鎖C領域を含む)からなる。一実施形態では、本発明のヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA mAbは、免疫グロブリンタンパク質またはその断片を包含し、これは、(i)2つの重(H)鎖ポリペプチド(各H鎖が配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むVH領域とヒトCH領域、たとえば、IgG1 C領域を含む)および(ii)2つの軽(L)鎖ポリペプチド(各L鎖が配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むVL領域とヒトCL領域、たとえば、κ鎖C領域を含む)からなる。一実施形態では、本発明のヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA mAbは、免疫グロブリンタンパク質を包含し、これは、(i)2つの重(H)鎖ポリペプチド(各H鎖が配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むVH領域とヒトCH領域、たとえば、IgG1 C領域を含む)および(ii)2つの軽(L)鎖ポリペプチド(各L鎖が配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むVL領域とヒトCL領域、たとえば、κ鎖C領域を含む)からなる。一実施形態では、本発明のヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA mAbは、免疫グロブリンタンパク質を包含し、これは、(i)2つの重(H)鎖ポリペプチド(各H鎖が配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むVH領域とヒトCH領域、たとえば、IgG1 C領域を含む)および(ii)2つの軽(L)鎖ポリペプチド(各L鎖が配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むVL領域とヒトCL領域、たとえば、κ鎖C領域を含む)からなる。このようなヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA mAbは、本発明のhPA−39 mAbを包含する。

0113

一実施形態では、本発明のヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA mAbは、免疫グロブリンタンパク質を包含し、これは、(i)2つの重(H)鎖ポリペプチド(各H鎖が配列番号5に記載のアミノ酸配列を含むVH領域とヒトCH領域、たとえば、IgG1C領域を含む)および(ii)2つの軽(L)鎖ポリペプチド(各L鎖が配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むVL領域とヒトCL領域、たとえば、κ鎖C領域を含む)からなる。一実施形態では、本発明のヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA mAbは、免疫グロブリンタンパク質またはその断片を包含し、これは、(i)2つの重(H)鎖ポリペプチド(各H鎖が配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むVH領域とヒトCH領域、たとえば、IgG1 C領域を含む)および(ii)2つの軽(L)鎖ポリペプチド(各L鎖が配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むVL領域とヒトCL領域、たとえば、κ鎖C領域を含む)からなる。このようなヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンA mAbは、本発明のhPA−50 mAbを包含する。

0114

一実施形態では、本発明のヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB mAbは、免疫グロブリンタンパク質を包含し、これは、(i)2つの重(H)鎖ポリペプチド(各H鎖が配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むVH領域とヒトCH領域、たとえば、IgG1C領域を含む)および(ii)2つの軽(L)鎖ポリペプチド(各L鎖が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含むVL領域とヒトCL領域、たとえば、κ鎖C領域を含む)からなる。一実施形態では、本発明のヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB mAbは、免疫グロブリンタンパク質またはその断片を包含し、これは、(i)2つの重(H)鎖ポリペプチド(各H鎖が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むVH領域とヒトCH領域、たとえば、IgG1 C領域を含む)および(ii)2つの軽(L)鎖ポリペプチド(各L鎖が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含むVL領域とヒトCL領域、たとえば、κ鎖C領域を含む)からなる。このようなヒト化抗クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)トキシンB mAbは、本発明のhPA−41 mAbを包含する。

0115

上述したヒト化本発明の抗体のL鎖およびH鎖のC領域は、それぞれGenBank受託番号NW_001838785およびGenBank受託番号MW_001838121に含まれる配列を有する、ヒトκのL鎖のC領域(CL)およびヒトIgG1のH鎖のC領域(CH)を含むものであってもよい。他の実施形態では、ヒト化抗体が、IgG2a、IgG2b、IgG3、またはIgG4アイソタイプから選択されるヒトH鎖のC領域を含む。

0116

一例としての実施形態では、本発明は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体またはその断片であって、抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、VH領域とヒトCH領域とを含み、軽鎖が各々、VL領域とヒトCL領域とを含む、モノクローナル抗体またはその断片を包含する。配列番号14で示される重鎖ポリペプチドの連続したアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号15に示す(図38B)。配列番号16で示される軽鎖ポリペプチドの連続したアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号17に示す(図38A)。

0117

一例としての実施形態では、本発明は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンAに対して生成されるモノクローナル抗体またはその断片であって、抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、VH領域とヒトCH領域とを含み、軽鎖が各々、VL領域とヒトCL領域とを含む、モノクローナル抗体またはその断片を包含する。配列番号18で示される重鎖ポリペプチドの連続したアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号19に示す(図39B)。配列番号20で示される軽鎖ポリペプチドの連続したアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号21に示す(図39A)。

0118

一例としての実施形態では、本発明は、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)のトキシンBに対して生成されるモノクローナル抗体またはその断片であって、抗体が、2つの重鎖ポリペプチドと2つの軽鎖ポリペプチドとからなり、重鎖が各々、VH領域とヒトCH領域とを含み、軽鎖が各々、VL領域とヒトCL領域とを含む、モノクローナル抗体またはその断片を包含する。配列番号22で示される重鎖ポリペプチドの連続したアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号23に示す(図40B)。配列番号24で示される軽鎖ポリペプチドの連続したアミノ酸配列をコードする核酸配列(またはcDNA)を、配列番号25に示す(図40A)。

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