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技術 ガス供給系、ガス供給制御方法、及びガス置換方法

出願人 東京エレクトロン株式会社
発明者 澤地淳網倉紀彦佐藤好保
出願日 2015年6月19日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2015-123703
公開日 2017年1月12日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2017-011055
状態 特許登録済
技術分野 半導体のドライエッチング CVD 流量の制御
主要キーワード 次側バルブ 下流バルブ 上流バルブ 流量制御ユニット メタルダイヤフラム デポジションプロセス 要素機器 ガス供給系内
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図面 (20)

課題

プロセスのスループットを向上させる。

解決手段

一実施例におけるガス供給系は、ガス供給系を構成する複数の要素機器と、複数の要素機器が配置される基台212とを備える。複数の要素機器のうち、一部の要素機器は、基台212の一方の面212aに配置され、他の一部の要素機器は、基台212の一方の面212aの裏面である他方の面212bに配置される。一実施例において、複数の要素機器は、例えば、流量制御器FD及び二次側バルブFV2であり、二次側バルブFV2は、流量制御器FDが配置された基台212の面212aの裏側の面212bに配置される。

概要

背景

半導体ウエハ等の被処理体を、処理ガスプラズマ等により処理する処理装置において、処理装置への処理ガスの供給を制御するガス供給装置が知られている。このようなガス供給装置には、ガスの流量を制御する流量制御装置や、ガスの供給及び供給停止を制御する複数のバルブ等の要素機器が含まれる。これらの要素機器は、ガスを流通させる配管で接続され、基台の同一の面上に配置される。

また、流量制御装置やバルブ等の要素機器間を基台の同一の面上に配置し、隣り合う要素機器間を、基台の内部を通る配管で接続する場合がある。これにより、ガス供給装置に含まれる要素機器を基台の同一の面上に密に配置することができ、ガス供給装置の小型化が可能となる。

概要

プロセスのスループットを向上させる。一実施例におけるガス供給系は、ガス供給系を構成する複数の要素機器と、複数の要素機器が配置される基台212とを備える。複数の要素機器のうち、一部の要素機器は、基台212の一方の面212aに配置され、他の一部の要素機器は、基台212の一方の面212aの裏面である他方の面212bに配置される。一実施例において、複数の要素機器は、例えば、流量制御器FD及び二次側バルブFV2であり、二次側バルブFV2は、流量制御器FDが配置された基台212の面212aの裏側の面212bに配置される。

目的

効果

実績

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請求項1

処理装置ガスを供給するガス供給系であって、前記ガス供給系を構成する複数の要素機器と、前記複数の要素機器が配置される基台とを備え、前記複数の要素機器のうち、一部の要素機器は、前記基台の一方の面に配置され、他の一部の要素機器は、前記基台の前記一方の面の裏面である他方の面に配置されることを特徴とするガス供給系。

請求項2

前記複数の要素機器には、前記ガスの流量を制御する流量制御器と、前記ガスが流れる方向において上流側が前記ガスの供給源に接続され、下流側が前記流量制御器に接続される上流バルブと、前記ガスが流れる方向において上流側が前記流量制御器に接続され、下流側が前記処理装置に接続される下流バルブとが含まれ、前記流量制御器は、前記基台の一方の面に配置され、前記上流バルブ及び前記下流バルブは、前記基台の他方の面に配置されることを特徴とする請求項1に記載のガス供給系。

請求項3

前記上流バルブと前記流量制御器とを接続し、前記ガスが流れる第1の配管と、前記流量制御器と前記下流バルブとを接続し、前記ガスが流れる第2の配管とを備え、前記第1の配管及び前記第2の配管は、前記基台を貫通して前記基台の内部に直線状に形成されることを特徴とする請求項2に記載のガス供給系。

請求項4

前記流量制御器は、制御バルブオリフィスとを有する圧力制御式流量計であり、前記制御バルブと前記オリフィスとの間の前記ガスの流路容積V1と、前記オリフィスと前記下流バルブとの間の前記ガスの流路の容積V2とは、V1/V2≧9の関係を有することを特徴とする請求項3に記載のガス供給系。

請求項5

前記制御バルブと前記オリフィスとの間の前記ガスの流路の容積V1と、前記オリフィスと前記下流バルブとの間の前記ガスの流路の容積V2とは、V1/V2≦200の関係を有することを特徴とする請求項4に記載のガス供給系。

請求項6

前記上流バルブは、排気バルブを介して排気装置に接続されることを特徴とする請求項3に記載のガス供給系。

請求項7

処理装置にガスを供給するガス供給系において、前記処理装置への前記ガスの供給を制御するガス供給制御方法であって、前記ガス供給系は、前記ガスの流量を制御する流量制御器と、前記ガスが流れる方向において上流側が前記ガスの供給源に接続され、下流側が前記流量制御器に接続される上流バルブと、前記ガスが流れる方向において上流側が前記流量制御器に接続され、下流側が前記処理装置に接続される下流バルブと、前記流量制御器、前記上流バルブ、及び前記下流バルブが配置される基台と、前記上流バルブと前記流量制御器とを接続し、前記ガスが流れる第1の配管と、前記流量制御器と前記下流バルブとを接続し、前記ガスが流れる第2の配管とを備え、前記流量制御器は、前記基台の一方の面に配置され、前記上流バルブ及び前記下流バルブは、前記基台の前記一方の面の裏面である他方の面に配置され、前記第1の配管及び前記第2の配管は、前記基台を貫通して前記基台の内部に直線状に形成され、前記流量制御器は、制御バルブとオリフィスとを有する圧力制御式の流量制御器であり、前記制御バルブと前記オリフィスとの間の前記ガスの流路の容積V1と、前記オリフィスと前記下流バルブとの間の前記ガスの流路の容積V2とは、V1/V2≧9の関係を有し、前記ガス供給制御方法は前記上流バルブを開く工程と、前記制御バルブと前記オリフィスとの間の前記ガスの流路の圧力P1と、前記オリフィスと前記下流バルブとの間の前記ガスの流路の圧力P2とを、P1>2×P2に維持しながら、前記下流バルブの開閉により、前記処理装置への前記ガスの供給を制御する工程とを含むことを特徴とするガス供給制御方法。

請求項8

処理装置にガスを供給するガス供給系内の前記ガスを置換するガス置換方法であって、前記ガス供給系は、前記ガスの流量を制御する流量制御器と、前記ガスが流れる方向において上流側が前記ガスの供給源に接続され、下流側が前記流量制御器に接続される上流バルブと、前記ガスが流れる方向において上流側が前記流量制御器に接続され、下流側が前記処理装置に接続される下流バルブと、前記流量制御器、前記上流バルブ、及び前記下流バルブが配置される基台と、前記上流バルブと前記流量制御器とを接続し、前記ガスが流れる第1の配管と、前記流量制御器と前記下流バルブとを接続し、前記ガスが流れる第2の配管とを備え、前記流量制御器は、前記基台の一方の面に配置され、前記上流バルブ及び前記下流バルブは、前記基台の前記一方の面の裏面である他方の面に配置され、前記第1の配管及び前記第2の配管は、前記基台を貫通して前記基台の内部に直線状に形成され、前記上流バルブは、排気バルブを介して排気装置に接続され、前記ガス置換方法は、前記上流バルブ及び前記排気バルブを開く工程と、前記排気装置によって前記流量制御器の上流側の前記ガスの流路内の前記ガスを排気する工程とを含むことを特徴とするガス置換方法。

技術分野

0001

本発明の種々の側面及び実施形態は、ガス供給系、ガス供給制御方法、及びガス置換方法に関する。

背景技術

0002

半導体ウエハ等の被処理体を、処理ガスプラズマ等により処理する処理装置において、処理装置への処理ガスの供給を制御するガス供給装置が知られている。このようなガス供給装置には、ガスの流量を制御する流量制御装置や、ガスの供給及び供給停止を制御する複数のバルブ等の要素機器が含まれる。これらの要素機器は、ガスを流通させる配管で接続され、基台の同一の面上に配置される。

0003

また、流量制御装置やバルブ等の要素機器間を基台の同一の面上に配置し、隣り合う要素機器間を、基台の内部を通る配管で接続する場合がある。これにより、ガス供給装置に含まれる要素機器を基台の同一の面上に密に配置することができ、ガス供給装置の小型化が可能となる。

先行技術

0004

特許第5020758号

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、処理装置への処理ガスの供給を制御するガス供給系において、ガス供給系に含まれる各要素機器を接続する配管の容積が大きいと、配管内を流れる処理ガスを入れ換える場合に、配管内に残留する処理ガスの排気に時間がかかる。これにより、処理ガスを入れ換えながら複数のプロセスを実行する処理装置において、スループットを高めることが困難となる。

0006

また、バルブの開閉により、高速に処理ガスを切り換える場合、ガス供給系に含まれる各要素機器を接続する配管の容積が大きいと、配管内の圧力が所望の圧力に達する前にバルブが開いてしまい、処理ガスを所望の圧力に制御することが困難となる。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一側面は、例えば被処理体を処理する処理装置にガスを供給するガス供給系であって、ガス供給系を構成する複数の要素機器と、複数の要素機器が配置される基台とを備える。複数の要素機器のうち、一部の要素機器は、基台の一方の面に配置され、他の一部の要素機器は、基台の一方の面の裏面である他方の面に配置される。

発明の効果

0008

本発明の種々の側面及び実施形態によれば、プロセスのスループットを高めることができると共に、処理ガスの圧力制御の精度を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0009

図1は、実施例1における処理システムの一例を示す図である。
図2は、実施例1における流量制御器及び二次側バルブの配置の一例を示す図である。
図3は、従来の流量制御器及び二次側バルブの配置を示す図である。
図4は、比較例におけるガス流量制御方法の一例を示す図である。
図5は、実施例1におけるガス流量の制御方法の一例を示す図である。
図6は、実施例1及び比較例におけるガスの発光強度の一例を示す図である。
図7は、比較例におけるオリフィス周辺の配管の圧力変化の一例を示す図である。
図8は、実施例1におけるオリフィス周辺の配管の圧力変化の一例を示す図である。
図9は、実施例1におけるオリフィス周辺の配管の容積比平衡圧力との関係の一例を示す図である。
図10は、実施例1におけるオリフィス周辺の配管の容積比の適正範囲の一例を示す図である。
図11は、実施例1における所定時間Tとエッチングレートとの関係の一例を示す図である。
図12は、実施例1のガス供給制御方法を用いた急速交互プロセスの一例を示すフローチャートである。
図13は、実施例2におけるガス供給系の一例を示す図である。
図14は、実施例2における処理システムの一例を示す図である。
図15は、実施例2における処理システムの運用方法の一例を示すフローチャートである。
図16は、実験系の一例を示す図である。
図17は、実験結果の一例を示す図である。
図18は、配管の長さ毎の処理容器内の圧力変化の一例を示す図である。
図19は、実施例3における処理システムの運用方法の一例を示すフローチャートである。
図20は、実施例4における処理システムの一例を示す図である。
図21は、バルブV11の配置に関する変形例を説明する図である。
図22は、実施例4における処理システムの運用方法の一例を示すフローチャートである。
図23は、図22に示す運用方法におけるガスの流量の変化の一例を示すタイミングチャートである。
図24は、図22のフローチャートに示された工程ST35で用いられるガスAと工程ST37で用いられるガスBを例示する表である。
図25は、実施例5における処理システムの運用方法の一例を示すフローチャートである。
図26は、図25に示す運用方法におけるガスの流量の変化の一例を示すタイミングチャートである。
図27は、実施例6における処理システムの一例を示す図である。

0010

以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。

0011

[処理システムの全体構成]
まず、実施例1における処理システム10aの全体構成の一例について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施例1における処理システム10aの一例を示す図である。処理システム10aは、ガス供給系100及び処理装置101aを有する。ガス供給系100は、流量制御器FD、一次側バルブFV1、及び二次側バルブFV2を有し、ガス供給源GSから処理装置101aへのガスの供給を制御する。流量制御器FD、一次側バルブFV1、及び二次側バルブFV2は、ガス供給系100を構成する複数の要素機器の一例である。本実施例において、処理装置101aは、例えば容量結合型プラズマエッチング装置である。以下では、処理装置101aをリアクタ部と呼ぶ場合がある。

0012

[処理装置101aの構成例]
処理装置101aは、例えば、表面がアルマイト処理陽極酸化処理)されたアルミニウムからなる略円筒形チャンバCを有している。チャンバCは、接地されている。チャンバCの内部には載置台120が設けられている。載置台120は、被処理体の一例である半導体ウエハWを載置する。

0013

載置台120には、整合器130aを介してプラズマを励起するための高周波電源130が接続されている。高周波電源130は、チャンバC内にてプラズマを生成するために適した周波数、例えば60MHzの高周波電力を載置台120に印加する。また、載置台120は、半導体ウエハWを載置するとともに、下部電極としても機能する。整合器130aは、高周波電源130の内部(または出力)インピーダンス負荷インピーダンス整合させる。整合器130aは、チャンバC内にプラズマが生成されているときに高周波電源130の内部インピーダンスと負荷インピーダンスとが見かけ上一致するように機能する。

0014

チャンバCの天井部分には、シャワーヘッド110が設けられている。シャワーヘッド110は、上部電極としても機能する。高周波電源130からの高周波電力は載置台120とシャワーヘッド110との間に印加される。ガスは、シャワーヘッド110のガス導入口140から、シャワーヘッド110の内部に設けられたバッファ空間110bに導入され、シャワーヘッド110の下面に形成された多数のガス通気孔110aを通ってチャンバC内に吐出される。

0015

処理装置101aは、チャンバC内へ供給された所望のガスのプラズマにより半導体ウエハWに微細加工を施す。チャンバC内に供給されるガスは、流量制御器FDによって制御される。本実施例において、流量制御器FDは、例えば圧力式の流量制御装置(FCS)である。

0016

[流量制御器FDの構成例]
流量制御器FDは、ガス供給源GSから処理装置101aにガスを供給するためのガス供給管150に接続されている。ガス供給管150は、処理装置101aのガス導入口140に接続されている。流量制御器FDの上流側(ガス供給源GS側)には一次側バルブFV1が配置され、流量制御器FDの下流側(半導体製造装置側)には二次側バルブFV2が配置されている。一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2は、全開又は全閉に制御可能である。

0017

流量制御器FDは、制御バルブ201、制御バルブ201の開度を制御する制御回路202、圧力計203、圧力計204、オリフィス205、配管206、配管207、及び配管208を有する。流量制御器FDは、制御バルブ201の開度を制御することでガス供給管150を流れ、チャンバC内に供給されるガスの流量を制御する。制御バルブ201の一例としては、電磁弁駆動型メタルダイヤフラムバルブが挙げられる。

0018

一次側バルブFV1の上流側は、配管を介してガス供給源GSに接続されている。一次側バルブFV1の下流側は、流量制御器FDと一次側バルブFV1とを接続する配管GL1を介して配管206に接続されている。配管GL1の長さをLa1と定義する。配管206の下流側は、制御バルブ201の上流側に接続されている。制御バルブ201の下流側は、配管207の上流側に接続されている。配管207の下流側は、オリフィス205を介して配管208の上流側に接続されている。配管208の下流側は、流量制御器FDと二次側バルブFV2とを接続する配管GL2を介して二次側バルブFV2の上流側に接続されている。配管GL2の長さをLa2と定義する。二次側バルブFV2の下流側は、ガス供給管150に接続されている。

0019

ここで、配管207の流路内の圧力をP1、配管207の流路内の容積をV1と定義する。また、配管208及び配管GL2の流路内の圧力をP2、配管208及び配管GL2の流路内の容積の合計をV2と定義する。流量制御器FDにおいて、配管207内の圧力P1と、配管208及び配管GL2内の圧力P2とが、臨界膨張圧力条件P1>2×P2を概ね満足するように制御されているとき、オリフィス205を流れるガス流量Qは、以下の関係式(1)で表されるように、オリフィス205の上流側の圧力P1のみによって決まる。
Q=CP1 ・・・(1)

0020

流量制御器FDは、上記式(1)に基づいて制御バルブ201を制御して圧力P1を調整することにより、オリフィス205の下流側のガス流量Qをプロセス条件合致した所望の値となるように制御する。なお、上記式(1)のCはオリフィス205の口径やガス温度等により決まる定数である。また、圧力P1及び圧力P2は、圧力計203及び圧力計204によりそれぞれ計測される。

0021

かかる構成の処理装置101aにおいてエッチング等の処理を行う際には、まず、半導体ウエハWがチャンバC内に搬入され、載置台120上に載置される。そして、チャンバC内の圧力が真空状態減圧される。そして、ガス供給源GSから出力されたガスがシャワーヘッド110からシャワー状にチャンバC内に導入される。そして、高周波電源130から出力された所定の高周波電力が載置台120に印加される。

0022

チャンバC内に導入されたガスを高周波電力により電離及び解離させることにより生成されたプラズマの作用により、載置台120上に載置された半導体ウエハWにプラズマエッチング等の処理が行われる。プラズマエッチング等の処理の終了後、半導体ウエハWはチャンバCの外部に搬出される。なお、処理装置101aは、必ずしもプラズマを用いて処理する場合に限らず、熱処理等により半導体ウエハWに微細加工を施すようにしてもよい。

0023

[流量制御器FD及び二次側バルブFV2の配置]
本実施例におけるガス供給系100では、ガス供給系100を構成する複数の要素機器のうち、一部の要素機器が基台212の一方の面に配置され、他の一部の要素機器が基台212の裏面である他方の面に配置される。以下では、ガス供給系100を構成する複数の要素機器として、流量制御器FD及び二次側バルブFV2を例に、ガス供給系100を構成する複数の要素機器の配置の一例を説明する。

0024

図2は、実施例1における流量制御器FD及び二次側バルブFV2の配置の一例を示す図である。本実施例では、流量制御器FD及び二次側バルブFV2は、基台212上の異なる面に配置される。例えば図2に示すように、流量制御器FDは、基台212の一方の面212aに配置され、二次側バルブFV2は、流量制御器FDが配置された基台212の面212aの裏面である他方の面212bに配置される。

0025

また、流量制御器FDと二次側バルブFV2との間を接続し、内部にガスが流れる配管GL2は、例えば図2に示すように、基台212を基台212の厚み方向に貫通して基台212内部に直線状に形成されている。

0026

ここで、図2に示した配管GL2の流路の容積Vaは、例えば下記の式(2)のように表すことができる。
Va=πr2La2=πr2(2A+t1) ・・・(2)
なお、上記(2)において、rは配管GL2の流路の半径、Aは流量制御器FD及び二次側バルブFV2を基台212にネジ止めするためのネジ孔210の深さ、t1はネジ孔210の間隔を表す。

0027

例えば、配管GL2の流路の半径rを1.5mm、ネジ孔210の深さAを5mm、ネジ孔210の間隔t1を1mmと仮定すると、図2に示した配管GL2の流路の容積Vaは、およそ0.077ccとなる。

0028

ここで、従来のガス供給系では、ガス供給系を構成する複数の要素機器は、基台の同一の面に配置される。図3は、従来の流量制御器FD及び二次側バルブFV2の配置を示す図である。ガス供給系を構成する複数の要素機器が、例えば流量制御器FD及び二次側バルブFV2である場合、従来のガス供給系では、流量制御器FD及び二次側バルブFV2は、例えば図3に示すように、基台212の同一の面212aに配置される。

0029

図3に示すように、従来のガス供給系では、流量制御器FD及び二次側バルブFV2が基台212の同一の面212aに密に配置されているため、流量制御器FDと二次側バルブFV2との間を接続する配管GL2’は、流量制御器FD及び二次側バルブFV2が配置された基台212の面212aから基台212の内部へ延伸してから、再び基台212の面212aに延伸するように屈曲した形状となる。

0030

ここで、図3に示した配管GL2’の流路の容積Va’は、例えば下記の式(3)のように表すことができる。
Va’=πr2(2α1+α2)=πr2{2(A+t2+2r)+α2} ・・・(3)
なお、上記(3)において、α1は基台212の厚み方向における配管GL2’の流路の長さ、α2は基台212の面方向における配管GL2’の流路の長さ、t2はネジ孔210と配管GL2’との間隔を表す。

0031

例えば、配管GL2’の流路の半径rを1.5mm、ネジ孔210の深さAを5mm、ネジ孔210と配管GL2’との間隔t2を1mm、基台212の面方向における配管GL2’の流路の長さα2を24mmと仮定すると、図3に示した配管GL2’の流路の容積Va’は、およそ0.296ccとなる。

0032

このように、流量制御器FDが配置された基台212の面の裏面に二次側バルブFV2を配置し、流量制御器FDと二次側バルブFV2とを基台212を貫通する直線状の配管GL2で接続することにより、本実施例のガス供給系100は、流量制御器FD及び二次側バルブFV2が基台212の同一の面に配置された従来のガス供給系よりも、流量制御器FDと二次側バルブFV2とを接続する配管GL2を短くすることができる。これにより、本実施例のガス供給系100は、従来のガス供給系よりも、流量制御器FDと二次側バルブFV2とを接続する配管GL2の容積を小さくすることができる。

0033

なお、図2では、流量制御器FD及び二次側バルブFV2の配置が例示されているが、流量制御器FD及び一次側バルブFV1の配置についても同様に、流量制御器FDが配置された基台212の面の裏面に一次側バルブFV1が配置され、流量制御器FDと一次側バルブFV1とが基台212を貫通する直線状の配管GL1で接続される。

0034

[ガス供給制御方法]
次に、比較例におけるガス供給制御方法について図4を参照しながら説明した後、本実施例におけるガス供給制御方法について図5を参照しながら説明する。図4は、比較例におけるガス流量の制御方法の一例を示す図である。図5は、実施例1におけるガス流量の制御方法の一例を示す図である。

0035

図4(a)において、横軸は時間を示し、縦軸は一次側バルブFV1、二次側バルブFV2、及び制御バルブ201のそれぞれの制御状態を示す。図4(b)において、横軸は時間を示し、縦軸は流量制御器FD内の圧力P1及びP2を示す。図4(c)において、横軸は時間を示し、縦軸は二次側バルブFV2に流れるガスの流量を示す。

0036

比較例では、図4(a)に示す各バルブの開閉制御によりガス供給が制御される。各バルブは、ステップ1→ステップ2→ステップ3→ステップ2→ステップ3→・・・の順番で制御される。ステップ2及びステップ3は所定回繰り返される。

0037

なお、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2は、全開又は全閉の制御が可能である。一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2が「OPEN」のとき、そのバルブは全開であることを示す。また、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2が「CLOSE」のとき、そのバルブは全閉であることを示す。制御バルブ201は、全開、全閉、及びその中間となる開度の制御が可能である。制御バルブ201が「制御中」のとき、制御回路202の制御により制御バルブ201の開度が制御され、開度に応じた流量のガスが処理装置101aに供給される。制御バルブ201が「制御停止」のとき、制御バルブ201は全閉の状態となり、処理装置101aへのガス供給は停止する。

0038

図4(a)に示した各ステップにおける各バルブの状態を以下に示す。
(ステップ1)
ステップ1では、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2は全閉に制御され、制御バルブ201の制御は停止され、処理装置101aへのガス供給は停止している。
(ステップ2)
ステップ2では、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2は全開に制御され、その後制御バルブ201が制御中になり、処理装置101aへガスが供給される。
(ステップ3)
ステップ3では、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2は全閉に制御され、その後制御バルブ201の制御が再び停止され、処理装置101aへのガス供給が停止する。

0039

なお、一次側バルブFV1と二次側バルブFV2の開閉動作順序は、同時でもよいし、二次側バルブFV2が開動作を行ってから所定の時間経過後に、一次側バルブFV1が開動作を行ってもよい。また、ステップ2では、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2の開動作完了後に制御バルブ201の制御が行われる。従って、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2の開動作が完了した後、所定時間Tの経過後に制御バルブ201の制御動作が開始する。本実施例において、所定時間Tは例えば200ミリ秒であるが、これに限らない。

0040

次に、上記各ステップにおける各バルブの制御に対して、図4(b)に示す流量制御器FD内の圧力P1及びP2、ならびに、図4(c)に示す二次側バルブFV2に流れるガスの流量について説明する。

0041

処理装置101aへのガス供給の停止前には臨界膨張圧力条件P1>2×P2が満たされていたので、ステップ1において処理装置101aへのガス供給が停止した後、配管207と配管208との間では、平衡状態になろうとオリフィス205を介してガスの移動が起きる。そのため、図4(b)に示すように配管207内の圧力P1は徐々に低下し、配管208内の圧力P2は徐々に上昇する。また、ステップ1では二次側バルブFV2が全閉に制御されているため、図4(c)に示すように二次側バルブFV2にガスは流れない。

0042

ステップ2では、まず、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2が全開に制御される。これにより、図4(b)に示すように流量制御器FDの圧力P1及びP2は一旦低下し、図4(c)に示すように二次側バルブFV2には、配管207、配管208、及び配管GL2内に残留したガスが流れる。そして、所定時間Tが経過した後、図4(a)に示すように、流量制御器FD内の制御バルブ201が制御を開始するため、図4(b)に示す流量制御器FDの圧力P1は上昇し、二次側バルブFV2には、所望の流量のガスが流れるようになる。

0043

そして、制御バルブ201により、図4(b)に示すように配管207内の圧力P1と、配管208内の圧力P2が一定に制御され、図4(c)に示すように二次側バルブFV2を通過するガス流量は一定に制御される。つまり、制御バルブ201が制御中になると、チャンバCへ供給されるガスの流量が所定の量に制御される。

0044

ステップ3では、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2が全閉に制御された後、制御バルブ201は全閉の状態となり、処理装置101aへのガス供給が停止する。これにより、配管207と配管208との間では、平衡状態になろうとオリフィス205を介してガスの移動が起きる。この結果、図4(b)に示すように、配管207の圧力P1は低下し、配管208の圧力P2は上昇する。また、ステップ3では、二次側バルブFV2が全閉に制御されているため、図4(c)に示すように二次側バルブFV2にガスは流れない。

0045

図6は、実施例1及び比較例におけるガスの発光強度の一例を示す図である。チャンバC内に供給されるガスの流量の時間的変化は、チャンバC内のガスの発光強度により観測することができる。チャンバC内のガスの発光強度が高くなるとガスの流量が増加しており、チャンバC内のガスの発光強度が低くなるとガスの流量が低下している。

0046

比較例では、図4(a)のステップ2に示すように、(1)一次側バルブFV1と二次側バルブFV2とが全開の状態になり、(2)その後制御バルブ201が制御中になる。比較例では、二次側バルブFV2が開いた時点で処理装置101aへのガス供給が開始される。よって、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2が全開に制御されてから制御バルブ201が制御中になるまでの所定時間Tにおいて、図4(a)に示す一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2の間の配管内に残留したガスが二次側バルブFV2を流れ、チャンバC内に供給される。制御バルブ201が制御を開始すると、所定流量に制御されたガスが二次側バルブFV2を流れ、チャンバCに供給される。このようにして比較例では、ステップ2において上記(1)及び(2)の2段階の制御により、チャンバC内に供給されるガス流量は、図6の2段階I1及びI2の立ち上がりが生じた後、所定の流量に制御される。

0047

図6に示した、制御バルブ201が制御を開始する前の1段目I1のガスの流量の立ち上がりの高さ及び傾きは、流量制御器FD内に残留しているガスにより決定される。この残留ガスの状態は、今回のガスの供給が開始される直前の流量制御器FDの使用状態や流量制御器FDの個体差によって異なる。このため、1段目I1のガスの流量の立ち上がりを完全に管理することは困難である。よって、特に1段目I1の発光強度の波形、すなわち1段目I1のガスの流量の制御を完全に管理することは二段目I2のガス流量の制御よりも難しい。

0048

ガスの流量の1段目I1の立ち上がりを解消するための方法の一つとして、処理装置101aへのガス供給を停止している間の配管207内の圧力P1の変動を小さくする方法がある。その方法を実現する手段の一つが、本実施例におけるガス供給制御方法である。

0049

本実施例におけるガス供給制御方法では、一次側バルブFV1を全開に制御し、二次側バルブFV2に開閉動作によりガスの流量の制御を行う。これにより、チャンバC内に供給されるガスの流量に前述の2段階I1及びI2の立ち上がりが生じるような、チャンバC内におけるガス供給時の急峻な変化を抑制することができる。

0050

具体的には、本実施例におけるガス供給制御方法では、図5(a)に示すように各バルブを制御する。各ステップにおける各バルブの状態を以下に示す。
(ステップ1)
ステップ1では、一次側バルブFV1は全開に制御され、制御バルブ201は制御中である。二次側バルブFV2は全閉に制御され、処理装置101aへのガス供給は停止している。
(ステップ2)
ステップ2では、一次側バルブFV1は継続して全開に制御され、制御バルブ201は制御中のまま維持される。二次側バルブFV2は全開に制御され、処理装置101aへガスが供給される。
(ステップ3)
ステップ3では、一次側バルブFV1は継続して全開に制御され、制御バルブ201は制御中のまま維持される。二次側バルブFV2は全閉に制御され、処理装置101aへのガス供給は停止する。

0051

上記各ステップにおける各バルブの制御に対して、図5(b)に示す流量制御器FD内の圧力P1及びP2、ならびに、図5(c)の二次側バルブFV2に流れるガスの流量について説明する。本実施例では、全てのステップにおいて一次側バルブFV1は継続して全開に制御され、制御バルブ201は制御中に維持される。このため、配管207内の圧力P1はほぼ一定になる。

0052

また、本実施例では、配管208及び配管GL2内の圧力P2及び二次側バルブFV2に流れるガスの流量は、二次側バルブFV2の開閉に応じて変動する。すなわち、図5(a)に示す本実施例のステップ1では二次側バルブFV2が閉状態にあるため、図5(b)に示すように配管208及び配管GL2内の圧力P2は高くなり、配管207内の圧力P1と同じ圧力に到達すると、その圧力に維持される。また、ステップ1では二次側バルブFV2が全閉に制御されているため、図5(c)に示すように二次側バルブFV2にガスは流れない。

0053

ステップ2では二次側バルブFV2が全開に制御され、これに応じて図5(b)に示すように配管208及び配管GL2内の圧力P2は低くなり、所定の圧力に維持される。また、図5(c)に示すように二次側バルブFV2に所定の流量のガスが流れる。ステップ3では、再び二次側バルブFV2が全閉に制御され、図5(b)に示すように配管208及び配管GL2内の圧力P2は高くなり、配管207内の圧力P1と同じ圧力に到達するとその圧力に維持される。ステップ3では二次側バルブFV2が全閉に制御されているため、図5(c)に示すように二次側バルブFV2にガスは流れない。

0054

このように、本実施例では、一次側バルブFV1が継続して全開に制御され、かつ、制御バルブ201が継続して制御中とされる。そのため、流量制御器FD内に制御できないガスが残らず、二次側バルブFV2の開閉に追従したガス流量の制御が可能となる。これにより、二次側バルブFV2の開閉に応じて二次側バルブFV2を流れるガス流量はほぼ一定になり、制御された流量のガスがチャンバCへ供給される。

0055

以上に説明したように、本実施例におけるガス供給制御方法は、一次側バルブFV1を常に全開に制御し、かつ、制御バルブ201を常に制御中とする。これにより、二次側バルブFV2を全開に制御し、処理装置101aへのガス供給を開始したときにコンダクタンスを絞っているオリフィス205の下流側に存在する一部のガスは、オリフィス205を介さずにスムーズにチャンバC内に供給される。これにより、処理装置101aへのガス供給が開始されると直ぐにガスがチャンバC内に供給され、この結果、比較例において発生していたようなガスの流量の2段階の立ち上がりを解消することができる。

0056

しかしながら、上記のガス供給制御方法では、配管207内の圧力P1並びに配管208及び配管GL2内の圧力P2の変動が起こらなくなる訳ではない。例えば、非常に短い周期で二次側バルブFV2の開閉を繰り返した場合には、配管207内の圧力P1並びに配管208及び配管GL2内の圧力P2が平衡状態に達しないため、2段階での立ち上がりが発生する場合がある。

0057

そこで、本実施例では、上記のガス供給制御方法を実行する流量制御器FDにおいて、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2を適正化する。このようにして容積V1及びV2の容積比V1/V2が適正化された流量制御器FDを用いて、本実施例のガス供給制御方法を実行することで、残留ガスに起因するガス流量の2段階での立ち上がりを完全に回避することができる。以下、容積V1及びV2の容積比V1/V2の適正化について説明する。

0058

[ガス供給管の容積比の適正化]
本実施例では、流量制御器FD内の制御バルブ201、オリフィス205、及び二次側バルブFV2の配置を変えて、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2を適正化する。具体的には、配管207の容積V1が、配管208及び配管GL2の合計の容積V2の9倍以上となるように、制御バルブ201及び二次側バルブFV2の配置を変更する。なお、以下の説明では、容積比V1/V2が3/2となる構成の流量制御器FDを比較例として用いる。

0059

例えば、配管207内の圧力P1と、配管208及び配管GL2内の圧力P2とが、臨界膨張圧力条件P1>2×P2を概ね満足することを条件として、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2を3/2に設定する場合を考える。この場合、処理装置101aへのガス供給を停止した後、つまり、制御バルブ201及び二次側バルブFV2を全閉に制御した後の配管207内の圧力P1、及び配管208内の圧力P2の変化は、例えば図7のようになる。図7は、比較例におけるオリフィス205周辺の配管の圧力変化の一例を示す図である。図7では、配管207内の圧力P1の変動は大きく、安定するまでに時間がかかっている。この結果、処理装置101aへのガス供給の開始及び停止の制御中に変動後の圧力P1に相当するガスのピークが発生し、ガスの流量制御が困難になる。また、ガスの流量を変更する場合、圧力P1が安定するまでに時間がかかる。

0060

一方、配管207内の圧力P1と、配管208及び配管GL2内の圧力P2とが、臨界膨張圧力条件P1>2×P2を概ね満足することを条件として、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2を90/1に設定する場合を考える。この場合、処理装置101aへのガス供給を停止した後、つまり、制御バルブ201及び二次側バルブFV2を全閉に制御した後の配管207内の圧力P1並びに配管208及び配管GL2内の圧力P2の変化は、例えば図8のようになる。図8は、実施例1におけるオリフィス205周辺の配管の圧力変化の一例を示す図である。図8では、配管207内の圧力P1はほぼ変動せず、直ちに安定することがわかる。また、これは処理装置101aへのガス流量を変更する場合、圧力P1が安定するまでの時間を短くできることを示している。

0061

図6に示した本実施例の発光強度の曲線I3は、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2が90/1に設定された流量制御器FDを用いて測定したものである。これによれば、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2を90/1に設定することで圧力P1が安定するまでの時間を短くできるために、処理装置101aへのガス供給が開始された後、ガスはチャンバC内にスムーズに供給される。これにより、図6に示した比較例のようなガス流量の2段階の立ち上がりは発生しない。

0062

[平衡状態の圧力P1]
図9は、実施例1におけるオリフィス205周辺の配管の容積比と平衡圧力との関係の一例を示す図である。図9では、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2を変化させた場合の、配管207内の圧力P1の初期圧力に対する平衡状態の圧力の比率プロットされている。上記に説明したように、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2が90/1に設定されている場合の圧力P1の平衡圧力/初期圧力は、図9のReに示されるようにほぼ100%に近い値を示す。図9に示すグラフにプロットされた具体的な値を例示すると、圧力P1の平衡圧力/初期圧力は、容積比V1/V2が1.5のとき62%、容積比V1/V2が3.0のとき75%、容積比V1/V2が9.0のとき90%、容積比V1/V2が18.0のとき95%、容積比V1/V2が30.0のとき97%、容積比V1/V2が90.0のとき99%である。

0063

容積比V1/V2が90/1に設定されている場合にチャンバC内でエッチング処理が行われたときのエッチングレートE/Rと、容積比V1/V2が3/2に設定されている場合にチャンバC内でエッチング処理が行われたときのエッチングレートE/Rとの変動は20%であった。

0064

容積比V1/V2が90/1に設定されており、かつ、図6の比較例に示す2段階I1及びI2の立ち上がりの波形が観測されないことが理想である。そのため、容積比V1/V2が90/1に設定された場合からのエッチングレートE/Rの変動を5%以内に抑えるためには、初期圧力に対する平衡状態の圧力P1の割合を90%〜100%にすることが好ましい。すなわち、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2を9/1以上に設定すればよい。

0065

つまり、図10に示す容積比V1:V2が9:1以上の部分(図10ドット及び斜線部分)になるように容積V1及びV2を設定すればよい。ここで、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2を9/1以上にするためには、配管207の容積V1を大きくするか、あるいは、配管208及び配管GL2の合計の容積V2を小さくすることが考えられる。配管207の容積V1を大きくする場合、流量制御器FDの小型化が困難になる場合がある。また、配管207の容積V1が大きくなると、処理装置101aに供給するガスを切り換えて処理を行うために配管207内に残留するガスを捨てる場合に、無駄に消費されるガスが増えることになる。

0066

そのため、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2を9/1以上にするためには、配管208及び配管GL2の合計の容積V2を小さくすることが、小型化及びガス消費の観点で好ましい。しかし、図3に示した従来のガス供給系のように、流量制御器FDと二次側バルブFV2とを基台212の同一の面上に配置すると、流量制御器FDと二次側バルブFV2と間を接続する配管GL2’が長くなる。配管GL2’を細くすれば、配管208及び配管GL2の合計の容積V2を小さくすることができるが、加工が難しい。そのため、流量制御器FDと二次側バルブFV2とを基台212の同一の面上に配置する従来のガス供給系では、配管208及び配管GL2’の合計の容積V2を小さくすることが難しい。

0067

これに対して、本実施例のガス供給系100では、例えば図2に示したように、流量制御器FDが配置された基台212の面の裏面に二次側バルブFV2を配置し、流量制御器FDと二次側バルブFV2とを基台212を貫通する直線状の配管GL2で接続する。これにより、従来のガス供給系よりも、流量制御器FDと二次側バルブFV2とを接続する配管GL2を短くすることができ、流量制御器FDと二次側バルブFV2とを接続する配管GL2の容積を小さくすることができる。従って、本実施例のガス供給系100は、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2との容積比V1/V2を、容易に9/1以上にすることができる。さらに、配管207の容積V1、及び、配管208及び配管GL2の合計の容積V2を小さくすることができるので、ガスを切り換えて処理を行う場合に、無駄に捨てられるガスを減らすことができる。

0068

なお、流量制御器FDや二次側バルブFV2が取り付けられる基台212の厚さや、流量制御器FD内の配管208の物理的な加工の制限等により、容積比V1:V2は200:1以下になるように、配管207の容積V1と、配管208及び配管GL2の合計の容積V2が設定されることが好ましい。実際には、容積比V1:V2が9:1以上、200:1以下であって、容積V1が0.09〜2.0(cc)の範囲のときに容積V2が0.01〜0.2(cc)の範囲になるように、つまり図10に示す領域Ar内が容積V1及びV2の比率を設定する際の範囲としては好ましい。

0069

以上に説明したように、本実施例では、流量制御器FD内のオリフィス205の下流側に設けられた二次側バルブFV2の開閉動作で、チャンバCへのガス供給及びガス供給停止の制御を行う。その際、流量制御器FDに特有な構造によるガス停止時の圧力変化を緩和するために、オリフィス205から二次側バルブFV2までの配管の容積V2を、制御バルブ201からオリフィス205までの配管207の容積V1よりも一桁以上小さくする。

0070

これにより、流量制御器FDを用いてチャンバC内に供給するガスを所定の流量まで速やかに立ち上げることができる。本実施例によれば、このようにガスの応答性を良くすることで、ガスの切換を高速に行うことが可能となる。つまり、本実施例における流量制御器FDを用いたガス供給制御方法は、ガス供給及びガス供給停止を高速で繰り返すようなプロセス(Gas Pulse)に有効である。

0071

また、本実施例では、ガスの応答性が向上するため、チャンバC内でガスの流量が安定するまでの時間を短縮でき、プロセスのスループットを向上させることができる。

0072

ここで、図4(a)に示した所定時間Tが長くなると、チャンバCへ供給されるガスの流量を安定させることができる。しかし、所定時間Tが長すぎると、ガス供給のバルブ開時間Sにおいて実際にガスが供給される時間が短くなる。その結果、所定時間Tが長くなるとエッチングレートが下がる。図11は、実施例1における所定時間Tとエッチングレートとの関係の一例を示す図である。図11の横軸は、ステップ2においてバルブが全開に制御されている時間Sに対する所定時間Tの比T/Sを示す。図11の縦軸は、T/Sに対するエッチングレート(E/R)を示す。

0073

図11を参照すると、所定時間Tが長くなるほどエッチングレートが低くなることが分かる。(S−T)/Sが90%よりも小さくなると、つまり、T/Sが0.1よりも大きくなると、エッチングレートの低下が無視できなくなる。よって、所定時間Tはステップ2においてバルブが全開に制御されている時間Sの1/10以下であることが好ましい。

0074

また、本実施例では、二次側バルブFV2の制御によりガスの供給を開始した後、チャンバCに供給されるガスの流量を素早く所望の流量に安定させることができる。このため、整合器130aを事前に流量安定後のマッチングポジションに設定しておくことで、高周波電源130から出力される高周波電力の反射波を抑えることができ、処理装置101aにおける処理の安定性を改善できる。

0075

さらに、本実施例では、比較例のように制御困難なガスの流量変化は生じない。このため、流量制御器FDの個体差や処理装置101aの個体差によるチャンバC内へのガス供給のバラツキを吸収し、処理装置101aにおいて処理を安定的に行うことができる。

0076

[急速交互プロセス]
また、ガス供給及びガス供給の停止を高速で繰り返すようなプロセスの一例として、急速交互プロセスについて、図12を参照しながら簡単に説明する。図12は、実施例1のガス供給制御方法を用いた急速交互プロセスの一例を示すフローチャートである。図12に示す本実施例のガス供給制御方法を用いた急速交互プロセスでは、エッチングプロセスとデポジションプロセスとが交互に、かつ急速に実行される。ただし、これは急速交互プロセスの一例であり、プロセスの種類はこれに限らない。なお、急速交互プロセスが実行されている間、一次側バルブFV1は常に全開に制御され、かつ、制御バルブ201は常に制御中にされている。

0077

図12に示す処理が開始されると、まず、二次側バルブFV2が全開に制御され、第1のガスが投入される(ステップS10)。次に、高周波電力が印加され、第1のガスによりエッチングプロセスが実行される(ステップS12)。次に、二次側バルブFV2が全閉に制御される(ステップS14)。

0078

次に、二次側バルブFV2が全開に制御され、第2のガスが投入される(ステップS16)。次に、高周波電力が印加され、第2のガスによりデポジションプロセスが実行される(ステップS18)。次に、二次側バルブFV2が全閉に制御される(ステップS20)。

0079

次に、更なる急速交互プロセスのサイクルが必要か否かが判定され(ステップS22)、更なる急速交互プロセスのサイクルが必要と判定された場合(ステップS22:Yes)、ステップS10に戻りステップS10〜S22の処理が繰り返される。更なる急速交互プロセスのサイクルは不要であると判定された場合(ステップS22:No)、本処理は終了する。

0080

本実施例における急速交互プロセスによれば、二次側バルブFV2の開閉の制御に追従して、所定流量のガスが速やかにチャンバC内に供給されるため、良好なプロセスを実現できる。また、ガスがチャンバCに到達するまでの時間を考慮した制御を不要とすることができる。このように、特にガス供給及びガス供給の停止を高速で繰り返す急速交互プロセスにおいて、ガスの応答性が向上する本実施例のガス供給制御方法を有効に使用することができる。

0081

ただし、図4(a)のステップ2においてバルブが全開に制御されている時間Sに対する所定時間Tの許容範囲については、図11に示すように所定時間Tが長くなるほど(T/Sが大きくなるほど)エッチングレート(E/R)は低くなる。(S−T)/Sが90%よりも小さくなると、つまり、T/Sが0.1よりも大きくなると、エッチングレートの低下が無視できなくなる。よって、所定時間Tはステップ2においてバルブが全開に制御されている時間Sの1/10以下であることが好ましい。

0082

[ガス供給系GP1の構成]
次に、実施例2について説明する。図13は、実施例2におけるガス供給系GP1の一例を示す図である。図13に示すガス供給系GP1は、第1機構GM1、第2機構GM2、及び第3機構GM3を備える。

0083

第1機構GM1は、複数の統合GIを有する。本実施例では、第1機構GM1は、五つの統合部GIを有する。ただし、統合部GIの個数は任意である。第1機構GM1は、複数の統合部GIの各々において選択されたガスを個別の配管から出力するように構成されている。

0084

第1機構GM1は、複数の配管L1(第1の配管L1)、複数のバルブV1(第1のバルブV1)、及び複数の配管L2(第2の配管L2)を有する。複数の配管L1には、各々、複数のバルブV1が設けられている。複数の配管L1は、各々、複数のガス供給源GSに接続されている。

0085

本実施例では、複数のガス供給源GSは、14個のガス供給源GS、即ち、ガス供給源GS(1)〜GS(14)を含む。ただし、ガス供給源GSの個数は任意である。一例では、ガス供給源GS(1)〜GS(14)は、それぞれ、C2F8ガスのソース、C4F6ガスのソース、Heガスのソース、CF4ガスのソース、CH4ガスのソース、COガスのソース、COSガスのソース、N2ガスのソース、NF3ガスのソース、CHF3ガスのソース、Arガスのソース、CH2F2ガスのソース、CO2ガスのソースである。

0086

複数の統合部GIの各々は、複数の配管L2のうち一つの配管L2と、当該一つの配管L2から分岐して一以上のガス供給源GSに接続する一以上の配管L1と、当該一以上の配管L1に設けられた一以上のバルブV1とを含む。各統合部GIには、同時に用いられることのない一以上のガス供給源GSが接続されている。各統合部GIは、当該統合部GIに接続されたガス供給源GSのうち選択されたガス供給源GSからのガスを供給することが可能である。

0087

図13に示す例では、ガスソースGS(1)〜GS(3)に接続する三つの配管L1、これら配管L1に設けられた三つのバルブV1、及び、当該三つの配管L1が接続している一つの配管L2が一つの統合部GIを構成している。また、ガス供給源GS(4)〜GS(6)に接続する三つの配管L1、これら配管L1に設けられた三つのバルブV1、及び、当該三つの配管L1が接続している一つの配管L2が一つの統合部GIを構成している。また、ガス供給源GS(7)〜GS(8)に接続する二つの配管L1、これら配管L1に設けられた二つのバルブV1、及び、当該二つの配管L1が接続している一つの配管L2が一つの統合部GIを構成している。また、ガス供給源GS(9)〜GS(11)に接続する三つの配管L1、これら配管L1に設けられた三つのバルブV1、及び、当該三つの配管L1が接続している一つの配管L2が別の一つの統合部GIを構成している。さらに、ガス供給源GS(12)〜GS(14)に接続する三つの配管L1、これら配管L1に設けられた三つのバルブV1、及び、当該三つの配管L1が接続している一つの配管L2が別の一つの統合部GIを構成している。

0088

第2機構GM2は、第1機構GM1の下流に設けられている。第2機構GM2は、複数の統合部GIからの複数のガスを分配し、分配されたガスの流量を調整して出力するよう構成されている。

0089

第2機構GM2は、複数の流量制御ユニット群FUG、及び、複数の配管L3(第3の配管L3)を有する。複数の流量制御ユニット群FUGの個数は、後述する処理装置のガス吐出部と同数である。図13に示す例では、複数の流量制御ユニット群FUGの個数は、三つである。ただし、流量制御ユニット群FUGの個数及びガス吐出部の個数は、複数であれば、任意の個数であってよい。

0090

各流量制御ユニット群FUGは、複数の流量制御ユニットFUを含む。複数の流量制御ユニットFUの個数は配管L2の個数と同数である。各流量制御ユニットFUは、入力されたガスの流量を調整する。各流量制御ユニットFUは、一次側バルブFV1、流量制御器FD、及び二次側バルブFV2を有する。流量制御器FDは、一次側バルブFV1と二次側バルブFV2との間に設けられる。

0091

ここで、本実施例における流量制御器FDは、例えば図1を用いて説明した圧力式流量制御装置(FCS)である。また、各流量制御ユニットFUにおいて、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2は、例えば図2を用いて説明したように、基台212上に配置される。また、各流量制御ユニットFUにおいて、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2は、流量制御器FDが配置された基台212の面212aの裏側の面212bに配置される。また、流量制御器FDと一次側バルブFV1との間は、基台212を貫通する直線状の配管GL1で接続され、流量制御器FDと二次側バルブFV2との間は、基台212を貫通する直線状の配管GL2で接続される。

0092

これにより、本実施例における各流量制御ユニットFUは、一次側バルブFV1、二次側バルブFV2、及び流量制御器FDが基台212の同一の面に配置された場合に比べて、流量制御器FDと一次側バルブFV1との間の配管GL1、及び、流量制御器FDと二次側バルブFV2との間の配管GL2を短くすることができる。これにより、本実施例における各流量制御ユニットFUは、流量制御器FDと一次側バルブFV1との間の配管GL1、及び、流量制御器FDと二次側バルブFV2との間の配管GL2の容積を小さくすることが容易になる。なお、流量制御器FDには、圧力式流量制御装置以外の他、流体質量流量に基づいて流量の制御を行うマスフローコントローラMFC)等が用いられてもよい。

0093

複数の配管L3の各々は、対応する一つの配管L2からのガスを複数の流量制御ユニット群FUGに分配し、複数の流量制御ユニット群FUGの各々に含まれる1つの流量制御ユニットFUに供給するように構成されている。そのため、複数の配管L3の各々は、一つの配管から複数の配管に分岐している。一つの配管L3の分岐数は、流量制御ユニット群FUGの個数と同数となっている。

0094

本実施例では、第2機構GM2は、複数の合流管MLを更に有している。複数の合流管MLは、流量制御ユニット群FUG毎に、当該流量制御ユニット群FUGに含まれる複数の流量制御ユニットFUからのガスを合流させるように構成されている。そのため、各合流管MLは、複数の配管から一つの配管に合流するように構成されている。各合流管ML内において合流する配管の個数は、配管L2の個数及び各流量制御ユニット群FUG内の流量制御ユニットFUの個数と同数である。

0095

第3機構GM3は、ガス供給系GP1の排気機構である。第3機構GM3は、排気管EL、複数の配管L4(第4の配管L4)、及び、複数のバルブV4(第4のバルブV4)を有している。

0096

排気管ELには、バルブV2(第2のバルブV2)及びバルブV3(第3のバルブV3)が設けられている。バルブV2は、排気管ELの上流側に設けられており、バルブV3は排気管ELの下流側に設けられている。排気管ELは、その上流側において、バルブV2を介してパージガスのガス供給源GSPに接続されている。パージガスは、例えばN2ガス等の不活性ガスである。また、排気管ELは、その下流側においてバルブV3を介して、ターボ分子ポンプドライポンプ等の排気装置に接続されている。本実施例において、排気管ELは、ターボ分子ポンプとドライポンプとの間の配管に接続される。なお、後述するように、本実施例の処理システムでは、処理容器にターボ分子ポンプが接続され、当該ターボ分子ポンプの下流にドライポンプが設けられ得る。

0097

配管L4は各々、排気管ELと複数の配管L2とを接続している。各配管L4には、バルブV4が設けられている。

0098

本実施例において、排気管ELには圧力計PMが接続されている。圧力計PMは排気管EL内の流路の圧力を計測する。本実施例において、圧力計PMは、バルブV3の上流側、即ち、バルブV3よりもバルブV2側において排気管ELに接続されている。また、圧力計PMは、バルブV3よりも上流、且つ、複数の配管L4と排気管ELとの接続箇所よりも下流に設けられ得る。

0099

本実施例のガス供給系GP1によれば、バルブV2、バルブV3、及び全てのバルブV4を閉じ、各統合部GIのバルブV1のうち所望のガスのガス供給源GSに接続された一つのバルブV1を開き、複数の流量制御ユニット群FUGの複数の流量制御ユニットFUにより流量を調整することにより、所望のガスを所望の流量で各合流管MLから後述する処理装置へ供給することができる。

0100

また、ガス供給系GP1から処理装置へ供給されるガスを変更する場合には、複数の流量制御ユニット群FUGの複数の流量制御ユニットFUを停止させ、全てのバルブV1を閉じ、バルブV2、バルブV3、及び全てのバルブV4を開くことにより、バルブV1から各流量制御ユニットFUまでの流路内に残留するガスを、排気管ELを介して高速に排気することができる。なお、本実施例において、各流量制御ユニットFU内の流量制御器FDは、圧力制御式の流量制御器であるため、全てのバルブV1を閉じ、バルブV2、バルブV3、及び全てのバルブV4を開くときに、各流量制御ユニットFU内の一次側バルブFV1を開くことにより、流量制御ユニットFUの内部においてオリフィスの上流側のガスライン内に残留するガスも高速に排気することができる。

0101

次いで、バルブV2、バルブV3、及び全てのバルブV4を閉じ、各統合部GIのバルブV1のうち所望のガスのガス供給源GSに接続された一つのバルブV1を開き、複数の流量制御ユニット群FUGの複数の流量制御ユニットFUにより流量を調整することにより、変更されたガスを処理装置へ供給することが可能となる。このように、ガス供給系GP1は、ガス供給系GP1の流路内のガスを高速に、即ち、短時間で置換することが可能である。

0102

[処理システム10bの全体構成]
次に、本実施例の処理システムの一例について説明する。図14は、実施例2における処理システム10bの一例を示す図である。図14に示す処理システム10bは、処理装置101bと、図13を用いて説明したガス供給系GP1とを備える。本実施例において、処理装置101bは、例えば容量結合型プラズマエッチング装置である。以下では、処理装置101bをリアクタ部と呼ぶ場合がある。

0103

処理装置101bは、略円筒形状の処理容器12を備える。処理容器12は、例えば、アルミニウムから構成されており、その内壁面には陽極酸化処理が施されている。また、処理容器12は、保安接地されている。また、処理容器12の側壁には半導体ウエハWの搬入出口12gが設けられている。搬入出口12gは、ゲートバルブ54により開閉可能となっている。

0104

処理容器12の底部上には、略円筒状の支持部14が設けられている。支持部14は、例えば絶縁材料で構成されている。支持部14は、処理容器12内において、処理容器12の底部から鉛直方向に延在している。また、処理容器12内には、載置台PDが設けられている。載置台PDは、支持部14によって支持されている。

0105

載置台PDは、その上面において半導体ウエハWを保持する。載置台PDは、下部電極LE及び静電チャックESCを有する。下部電極LEは、略円盤形状の第1プレート18a及び第2プレート18bを含む。第1プレート18a及び第2プレート18bは、例えばアルミニウム等の金属で構成されている。第2プレート18bは、第1プレート18a上に設けられており、第1プレート18aに電気的に接続されている。

0106

第2プレート18b上には、静電チャックESCが設けられている。静電チャックESCは、導電膜である電極を一対の絶縁層又は絶縁シート間に配置した構造である。静電チャックESCの電極には、直流電源22がスイッチ23を介して電気的に接続されている。静電チャックESCは、直流電源22からの直流電圧により生じたクーロン力等の静電力により半導体ウエハWを吸着する。これにより、静電チャックESCは、半導体ウエハWを保持することができる。

0107

第2プレート18bの周縁部上には、半導体ウエハWのエッジ及び静電チャックESCを囲むようにフォーカスリングFRが配置されている。フォーカスリングFRは、エッチングの均一性を向上させるために設けられている。フォーカスリングFRは、エッチング対象の膜の材料によって適宜選択される材料で構成されており、例えば、石英で構成され得る。

0108

第2プレート18bの内部には、冷媒流路24が設けられている。冷媒流路24は、温調機構を構成している。冷媒流路24には、処理容器12の外部に設けられたチラーユニットから配管26aを介して冷媒が供給される。冷媒流路24に供給された冷媒は、配管26bを介してチラーユニットに戻される。このように、冷媒流路24には、チラーユニットから供給された冷媒が循環する。チラーユニットにより冷媒流路24内を循環する冷媒の温度を制御することで、静電チャックESCによって保持された半導体ウエハWの温度が所定の温度に制御される。

0109

また、処理装置101bには、ガス供給ライン28が設けられている。ガス供給ライン28は、伝熱ガス供給機構から供給されたHeガス等の伝熱ガスを、静電チャックESCの上面と半導体ウエハWの裏面との間に供給する。

0110

また、処理装置101bには、加熱素子であるヒータHTが設けられている。ヒータHTは、例えば第2プレート18b内に埋め込まれている。ヒータHTには、ヒータ電源HPが接続されている。ヒータ電源HPからヒータHTに電力が供給されることにより、載置台PDの温度が調整され、当該載置台PD上に載置された半導体ウエハWの温度が所定の温度に制御される。なお、ヒータHTは、静電チャックESC内に設けられてもよい。

0111

また、処理装置101bは、上部電極30を備える。上部電極30は、載置台PDの上方において、当該載置台PDと対向するように配置されている。下部電極LEと上部電極30とは、互いに略平行に設けられている。上部電極30と下部電極LEとの間の空間は、半導体ウエハWにプラズマ処理を行うための処理空間Sである。

0112

上部電極30は、絶縁性遮蔽部材32を介して、処理容器12の上部に支持されている。本実施例において上部電極30は、鉛直方向において、載置台PDの上面、即ち、半導体ウエハWが載置される載置面からの距離が変更できるように構成され得る。上部電極30は、電極板34及び電極支持体36を含み得る。電極板34は処理空間Sに面している。電極板34には複数のガス吐出孔34aが設けられている。本実施例において、電極板34は、例えばシリコンで構成されている。

0113

電極支持体36は、電極板34を着脱自在に支持するものであり、例えばアルミニウム等の導電性材料で構成され得る。電極支持体36は、水冷構造を有し得る。電極支持体36の内部には、複数のガス拡散室36aが設けられている。複数のガス拡散室36aは、載置台PD上に載置された半導体ウエハWの中心、即ち、載置台PDの中心を通って鉛直方向に延びる軸線を中心として、略同心状に設けられている。図14に示すように、複数のガス拡散室36aには、それぞれ、ガス供給系GP1が有する複数の合流管MLのいずれかが接続されている。

0114

図14に示す例では、複数のガス拡散室36aは、三つのガス拡散室、即ち、ガス拡散室36a(1)、ガス拡散室36a(2)、及びガス拡散室36a(3)を含む。ガス拡散室36a(1)は、上述した軸線上に設けられており、鉛直方向から視たときに略円形の平面形状を有し得る。ガス拡散室36a(2)は、ガス拡散室36a(1)の外側に環状に延在している。また、ガス拡散室36a(3)は、ガス拡散室36a(2)の外側に環状に延在している。

0115

図14に示すように、電極支持体36には、各ガス拡散室36aと当該ガス拡散室36aの下方に延在する複数のガス吐出孔34aとを接続する複数の連通孔36bが形成されている。本実施例における上部電極30は、ガス供給系GP1から供給されたガスを、処理装置101bの処理空間S内に供給するシャワーヘッドSHとして機能する。

0116

シャワーヘッドSHでは、一つのガス拡散室36aと当該ガス拡散室36aに接続された複数のガス吐出孔34aが一つのガス吐出部を構成している。従って、シャワーヘッドSHは複数のガス吐出部を提供している。これら複数のガス吐出部からは、処理容器12内の異なる複数のゾーンに向けて、即ち、半導体ウエハWの径方向の異なる領域に向けて、ガスを供給することができる。

0117

また、本実施例の処理装置101bでは、処理容器12の内壁に沿ってデポシールド46が着脱自在に設けられている。デポシールド46は、支持部14の外周にも設けられている。デポシールド46は、処理容器12にエッチング副生物デポ)が付着することを防止するものであり、アルミニウム材にY2O3等のセラミックス被覆することにより構成され得る。

0118

処理容器12の底部側、且つ、支持部14と処理容器12の側壁との間には排気プレート48が設けられている。排気プレート48は、例えば、アルミニウム材にY2O3等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。排気プレート48の下方の処理容器12の底部には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50及び排気装置51が接続されている。本実施例において、排気装置50は、例えばターボ分子ポンプであり、排気装置51は、例えばドライポンプである。排気装置50は、排気経路に対して、排気装置51よりも上流側に設けられている。排気装置50と排気装置51との間の配管には、ガス供給系GP1の排気管ELが接続されている。排気装置50と排気装置51との間に排気管ELが接続されることにより、排気管ELから処理容器12内へのガスの逆流が抑制される。

0119

また、処理装置101bは、第1の高周波電源62及び第2の高周波電源64を更に備える。第1の高周波電源62は、プラズマ生成用の第1の高周波電力を発生させる電源である。第1の高周波電源62は、27〜100MHzの周波数、一例においては40MHzの高周波電力を発生させる。第1の高周波電源62は、整合器66を介して下部電極LEに接続されている。整合器66は、第1の高周波電源62の出力インピーダンス負荷側(下部電極LE側)の入力インピーダンスを整合させるための回路である。

0120

第2の高周波電源64は、半導体ウエハWにイオン引き込むための第2の高周波電力、即ち高周波バイアス電力を発生させる電源であり、400kHz〜13.56MHzの範囲内の周波数、一例においては3.2MHzの高周波バイアス電力を発生させる。第2の高周波電源64は、整合器68を介して下部電極LEに接続されている。整合器68は、第2の高周波電源64の出力インピーダンスと負荷側(下部電極LE側)の入力インピーダンスを整合させるための回路である。

0121

また、処理装置101bは、制御部Cntを更に備え得る。制御部Cntは、プロセッサ、記憶部、入力装置表示装置等を備えるコンピュータであり、処理装置101bの各部を制御する。具体的には、制御部Cntは、後述する運用方法で処理装置101bを動作させるよう、処理装置101bの各部を制御する。

0122

処理装置101bは、ガス供給系GP1から処理容器12内に供給されたガスを励起させて、プラズマを発生させることができる。そして、処理装置101bは、プラズマにより発生した活性種によって半導体ウエハWを処理することができる。また、半導体ウエハWの処理に用いられるガスは、ガス供給系GP1によって高速に切り換えて処理容器12内に供給される。従って、異なるプラズマ処理を半導体ウエハWに対して交互に行うプロセス等において、プロセスのスループットを高めることが可能である。

0123

以下、本実施例における処理システム10bの運用方法について説明する。図15は、実施例2における処理システム10bの運用方法の一例を示すフローチャートである。図15に示す運用方法MT1は、ガス供給系GP1内のガスを排気するための幾つかの工程を含む。また、運用方法MT1は、ガス供給系GP1内のガスを置換して処理装置101bの処理容器12内に順次異なるガスを供給することにより、半導体ウエハWに対して異なるプラズマ処理を行うことが可能である。図15には、ガス供給系GP1内のガスを排気して、その後にガスを処理容器12内に供給する運用方法の手順が示されている。

0124

運用方法MT1は、例えば図15に示すように、工程ST1〜工程ST4において、ガス供給系GP1内のガスを排気する。工程ST1では、複数の流量制御ユニット群FUGの全ての流量制御ユニットFUが停止される。続く工程ST2では、全てのバルブV1が閉じられる。これにより、全てのガス供給源GSからのガス供給系GP1内へのガス供給が停止する。続く工程ST3においてバルブV2、バルブV3、及び全てのバルブV4が開かれ、更に、各流量制御ユニットFUの一次側バルブFV1が開かれる。これにより、全てのバルブV1から全ての流量制御ユニットFUまでの間の配管に残留するガスが排気管ELを介して排気される。

0125

続く工程ST4では、圧力計PMにより排気管EL内の流路の圧力が計測される。工程ST4では、排気管EL内の流路の圧力が閾値以下であるか否かが判定される。閾値は、例えば500mTorr(66.66Pa)である。排気管EL内の流路の圧力が閾値より大きい場合には、排気が継続される。一方、排気管EL内の流路の圧力が閾値以下である場合には、ガス供給系GP1の排気が完了したものと判定され、続く工程ST5が実行される。

0126

続く工程ST5では、バルブV2、バルブV3、及び全てのバルブV4が閉じられる。続く工程ST6では、複数のバルブV1のうち所望のガスのガス供給源GSに接続された一つのバルブV1が開かれる。続く工程ST7では、複数の流量制御ユニットFUによってガスの流量が調整される。これにより、処理装置101bの処理容器12内に所望のガスが供給される。そして、処理装置101bの処理容器12内において、ガス供給系GP1から供給されたガスのプラズマが生成され、プラズマに含まれる活性種によって半導体ウエハWに所定の処理Wが施される。

0127

続く工程ST8では、半導体ウエハWに対する処理が終了したか否かが判定される。半導体ウエハWに対する処理が終了していない場合、即ち、異なるガスによる更なる処理が行われる場合には、工程ST1から工程ST7の処理が繰り返される。一方、工程ST8において処理が終了していると判定された場合には、運用方法MT1が終了する。なお、工程ST1から工程ST8の処理は、処理装置101bの各部が制御部Cntからの制御に基づいて動作することにより実現される。

0128

図15に示した運用方法MT1によれば、処理装置101bに供給されるガスを変更する際に、ガス供給系GP1内の配管に残留するガスを高速に排気することができる。これにより、ガス供給系GP1から供給されるガスを変更する際に、ガス供給系GP1内のガスの置換に要する時間を低減させることが可能となる。その結果、異なるガスを順次用いるプロセスを高いスループットで実現することが可能となる。

0129

ここで、本実施例における流量制御器FDは、例えば図1に示したような構成の圧力制御式の流量制御器FDである。圧力制御式の流量制御器FDでは、例えば、流量の制御対象となるガスを切り換える場合には、流量制御器FD内のガスライン(図1に示した配管GL1、配管206、配管207、配管208、及び配管GL2)内のガスが排気されるまで待機する必要がある。ガスの流量を大流量から小流量に切り換える場合にも、流量制御器FDのガスライン内が所定の圧力以下となるまでガスの排気を待機する必要がある。

0130

一次側バルブFV1が閉じられている場合には、オリフィス205の上流側のガスライン(図1に示した配管GL1、配管206、及び配管207)内のガスは、オリフィス205を介して、処理装置101b内に流れ、処理容器12に接続された排気装置50及び排気装置51から排気されることになる。オリフィス205からのガスの流出には時間がかかるため、オリフィス205の上流側のガスラインに残留するガスが排気されるまでには非常に長い時間(以下、「待機時間」という)が必要となる。

0131

この待機時間を削減するために、オリフィス205の上流側のガスラインの容積を小さくすることが考えられるが、加工が難しい場合がある。また、実施例1で説明したように、ガス流量の制御性向上の観点からは、オリフィス205の上流側のガスラインの容積V1を、オリフィス205の下流側のガスラインの容積V2に比べて1桁以上大きくすることが好ましい。そのため、オリフィス205の上流側のガスラインの容積V1を小さくした場合には、オリフィス205の下流側のガスラインの容積V2をさらに小さくする必要があり、オリフィス205の下流側のガスラインの加工が困難になる。

0132

そこで、本実施例では、流量の制御対象となるガスを切り換える場合、図15の工程ST3に示したように、一次側バルブFV1を開くことにより、オリフィス205の上流側のガスラインに残留するガスを、排気管ELを介して排気する。これにより、流量の制御対象となるガスを切り換える場合の待機時間を削減することができる。従って、ガスを切り換えながら異なるプラズマ処理を半導体ウエハWに対して交互に行うプロセス等において、プロセスのスループットを高めることが可能となる。

0133

[配管の容積と排気に要する時間との関係]
ここで、図13に示したガス供給系GP1において、各配管L2及び各配管L3の容積と、各配管L2及び各配管L3に残留するガスの排気に要する時間との関係を調べるための実験を行った。図16は、実験系の一例を示す図である。実験に用いた実験系は、例えば図16に示すように、複数のガス供給源(ガスIn(Gr1)〜ガスIn(Gr5))のそれぞれが、バルブV1を介して流量制御ユニットFUに接続されている。また、バルブV1と流量制御ユニットFUの一次側バルブFV1との間の配管は、バルブV4を介して排気管ELに接続されている。排気管ELには、バルブを介して圧力計PMが接続される。また、排気管ELには、ガス供給系GP1の排気管ELの容積を模擬するためのTankを介してドライポンプ及びターボ分子ポンプ(TMP)に接続されている。バルブV1と一次側バルブFV1との間の配管は、図14に示したガス供給系GP1における配管L2及び配管L3に相当する。実験では、図16に示した実験系を用いて、バルブV4を開いた場合の排気管ELの圧力及びTMPの背圧を測定した。なお、実験では、各流量制御ユニットFUの一次側バルブFV1及び流量制御器FD内の制御バルブ201は開かれており、二次側バルブFV2は閉じられている。

0134

[実験結果]
図17は、実験結果の一例を示す図である。図17において、横軸は時間を示し、縦軸は排気管EL内の圧力またはTMPの背圧を示す。図17において、Pe5は、ガスIn(Gr1)〜ガスIn(Gr5)の配管に接続された全てのバルブV4を開いた場合の排気管EL内の圧力の時間変化を示している。Pe3は、ガスIn(Gr1)〜ガスIn(Gr3)の配管に接続された3つのバルブV4を開いた場合の排気管EL内の圧力の時間変化を示している。Pe1は、ガスIn(Gr1)の配管に接続された1つのバルブV4を開いた場合の排気管EL内の圧力の時間変化を示している。

0135

また、図17において、Pb5は、ガスIn(Gr1)〜ガスIn(Gr5)の配管に接続された全てのバルブV4を開いた場合のTMPの背圧の時間変化を示している。Pb3は、ガスIn(Gr1)〜ガスIn(Gr3)の配管に接続された3つのバルブV4を開いた場合のTMPの背圧の時間変化を示している。Pb1は、ガスIn(Gr1)の配管に接続された1つのバルブV4を開いた場合のTMPの背圧の時間変化を示している。

0136

図17に示した実験結果において、バルブV4を開くと、排気管EL内の圧力は一時的に4500Torrまで上昇し、その後10Torr以下にまで下降する。バルブV4を開いてから排気管EL内の圧力が10Torrまで下がるのに要する時間は、Pe1では約0.5秒、Pe3では約0.8秒、Pe5では約0.9秒であった。図17の実験結果によれば、排気対象の配管の数が多くなると、即ち、排気対象の配管の合計の容積が大きくなると、排気管EL内の圧力が所定の圧力以下になるまでに要する時間が長くなる傾向にあることが分かる。

0137

また、図17に示した実験結果において、TMPの背圧のピークは、Pb1では約3.0Torr、Pb3では約2.5Torr、Pb5では約1.1Torrであった。図17の実験結果によれば、排気対象の配管の合計の容積が大きくなると、TMPの背圧のピークが上昇する傾向にあることが分かる。

0138

図17に示した実験結果によれば、排気対象となる配管の容積を小さくすることにより、排気時間を短縮することができると共に、TMPの背圧のピークを抑えることができることが分かる。

0139

そこで、本実施例のガス供給系GP1内の各流量制御ユニットFUでは、例えば図2を用いて説明したように、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2を、流量制御器FDが配置された基台212の面212aの裏側の面212bに配置し、流量制御器FDと一次側バルブFV1とを、基台212を貫通する直線状の配管GL1で接続し、流量制御器FDと二次側バルブFV2とを、基台212を貫通する直線状の配管GL2で接続する。これにより、残留ガスの排気対象となる配管の一部を構成する配管GL1及び配管GL2の容積を小さくすることができる。従って、残留ガスの排気対象となる配管の容積を小さくすることが可能となり、排気時間の短縮及びTMPの背圧のピークの抑制が可能となる。さらに、配管の容積を小さくすることができるため、ガスを切り換えて処理を行う場合に、無駄に捨てられるガスを減らすことができる。

0140

なお、本実施例では、ガス供給系GP1を構成する複数の要素機器の一例である一次側バルブFV1、流量制御器FD、及び二次側バルブFV2について、一部の要素機器を、基台212の一方の面212aに配置し、他の一部の要素機器を、一部の要素機器が配置された面212aの裏面である他方の面212bに配置し、一部の要素機器と、他の一部の要素機器とを、基台212を貫通する直線状の配管で接続した。しかし、基台212のそれぞれの面に別々に配置される要素機器は、一次側バルブFV1、流量制御器FD、及び二次側バルブFV2に限られず、図13に示したガス供給系GP1を構成する他の要素機器についても、基台212のそれぞれの面に別々に配置し、それぞれの面に配置された要素機器を、基台212を貫通する直線状の配管で接続するようにすることが好ましい。これにより、排気時間のさらなる短縮及びTMPの背圧のピークのさらなる抑制が可能となる。また、ガスを切り換えて処理を行う場合に、無駄に捨てられるガスをさらに減らすことができる。

0141

[配管の長さと処理装置101b内の圧力との関係]
図18は、配管の長さ毎の処理容器12内の圧力変化の一例を示す図である。図18(a)は、ガス供給系GP1から処理装置101bの処理容器12内へガスの供給が開始されてからの処理容器12内の圧力変化の実験結果を示す。図18(b)は、ガス供給系GP1から処理装置101bの処理容器12内へのガス供給が停止して処理容器12内が排気される場合の処理容器12内の圧力変化の実験結果を示す。また、図18において、P11は、ガス供給系GP1内の流量制御器FDから処理装置101bまでの配管長が0.5mの場合の処理容器12内の圧力変化を示し、P22は、ガス供給系GP1内の流量制御器FDから処理装置101bまでの配管長が3.0mの場合の処理容器12内の圧力変化を示す。

0142

図18(a)を参照すると、0.5mの配管を用いた場合の圧力P11は、3.0mの配管を用いた場合の圧力P22よりも、約0.1〜0.2秒早く上昇していることが分かる。また、18(b)を参照すると、0.5mの配管を用いた場合の圧力P11は、3.0mの配管を用いた場合の圧力P22よりも、約1秒早く下降していることが分かる。このように、ガス供給系GP1内の流量制御器FDから処理装置101bまでの配管を短くすることにより、処理容器12内の圧力の応答特性を向上させることができる。

0143

ここで、本実施例のガス供給系GP1内の各流量制御ユニットFUでは、例えば図2を用いて説明したように、二次側バルブFV2は、流量制御器FDが配置された基台212の面212aの裏側の面212bに配置され、流量制御器FDと一次側バルブFV1とは、基台212を貫通する直線状の配管GL1で接続される。これにより、流量制御器FDから処理装置101bまでの配管に含まれる配管GL2を短くすることができる。従って、本実施例のガス供給系GP1は、処理容器12内の圧力の応答特性を向上させることができる。

0144

次に、実施例3について説明する。図19は、実施例3における処理システム10bの運用方法の一例を示すフローチャートである。図19に示す処理システム10bの運用方法MT2は、複数のバルブV1のリークを検出するための方法である。なお、本実施例の運用方法MT2は、後述する実施例4及び実施例5における処理システム10c、実施例6における処理システム10dにおいても適用可能である。

0145

本実施例における運用方法MT2では、リークの検出のために、まず、工程ST21において、全ての流量制御ユニットFUが停止される。続く工程ST22では、全てのバルブV1、バルブV2、及びバルブV3が閉じられる。続く工程ST23では、全てのバルブV4が開かれる。そして、工程ST24において圧力計PMによって排気管EL内の流路の圧力が計測される。

0146

工程ST24の圧力計測時には、ガス供給源GSに接続される全てのバルブV1、バルブV2、及びバルブV3が閉じられており、全ての流量制御ユニットFUが停止しているので、バルブV1がリークしていなければ、排気管EL内の圧力はほとんど変動しない。従って、工程ST24において圧力計PMの計測値に変動が生じているか否かを判定することにより、何れかのバルブV1にリークが生じていることを検出することができる。

0147

次に、実施例4について説明する。図20は、実施例4における処理システム10cの一例を示す図である。本実施例の処理システム10cは、ガス供給系GP2および処理装置101bを備える。処理装置101bは、実施例2において説明した処理装置101bと同様であるため、説明を省略する。

0148

ガス供給系GP2は、第1機構GM21、第2機構GM22、及び第3機構GM23を含む。第1機構GM21は、第1機構GM21内の統合部GIの個数がガス供給系GP1の第1機構GM1内の統合部GIの個数より多い点で第1機構GM1とは異なるが、それ以外の点は、第1機構GM1と同様である。このため、図20に示すように、第1機構GM21からは、第1機構GM1よりも多い数の配管L2が延びている。

0149

第3機構GM23は、第1機構GM21内の配管L2の個数と同数の配管L4及びバルブV4を有する点でガス供給系GP1の第3機構GM3とは異なる。第3機構GM23内の排気管ELは、ガス供給系GP1の第3機構GM3内の排気管ELと同様に、排気装置50と排気装置51との間の配管に接続されている。

0150

第2機構GM22は、複数の流量制御ユニット群FUGを有する。図20に示す例では、第2機構GM22内の複数の流量制御ユニット群FUGの個数は3個であるが、流量制御ユニット群FUGの個数はこれに限られない。複数の流量制御ユニット群FUGの各々は、複数の流量制御ユニットFUを有する。複数の流量制御ユニットFUの各々は、一次側バルブFV1、流量制御器FD、及び二次側バルブFV2を有する。なお、本実施例の各流量制御ユニットFUにおいても、実施例1〜3と同様に、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2は、例えば図2を用いて説明したように、流量制御器FDが配置された基台212の面212aの裏側の面212bに配置され、流量制御器FDと一次側バルブFV1との間は、基台212を貫通する直線状の配管GL1で接続され、流量制御器FDと二次側バルブFV2との間は、基台212を貫通する直線状の配管GL2で接続される。また、一次側バルブFV1、流量制御器FD、及び二次側バルブFV2の他、図20に例示したガス供給系GP2を構成する他の要素機器についても、同様に、基台212のそれぞれの面に別々に配置され、それぞれの面に配置された要素機器同士が、基台212を貫通する直線状の配管で接続される。

0151

第2機構GM22において、各流量制御ユニット群FUG内の流量制御ユニットFUの個数は、ガス供給系GP1の各流量制御ユニット群FUG内の流量制御ユニットFUの個数よりも多い。第2機構GM22は、複数の分岐管BL1(第1の分岐管BL1)、複数の分岐管BL2(第2の分岐管BL2)、複数のバルブV5(第5のバルブV5)、複数のバルブV6(第6のバルブV6)、複数の合流管ML1(第1の合流管ML1)、及び、複数の合流管ML2(第2の合流管ML2)を有する。

0152

複数の分岐管BL1はそれぞれ、複数の流量制御ユニットFUに接続されている。複数の分岐管BL2もそれぞれ、複数の流量制御ユニットFUに接続されている。即ち、一対の分岐管BL1及び分岐管BL2が、各流量制御ユニットFUの出力から分岐している。各分岐管BL1にはバルブV5が設けられており、各分岐管BL2にはバルブV6が設けられている。

0153

複数の合流管ML1は、流量制御ユニット群FUG毎に、複数の分岐管BL1からのガスを合流させるように構成されている。即ち、一つの合流管ML1には、対応する一つの流量制御ユニット群FUG内の複数の流量制御ユニットFUに接続される複数の分岐管BL1が接続されている。また、複数の合流管ML2は、流量制御ユニット群FUG毎に、複数の分岐管BL2からのガスを合流させるように構成されている。即ち、一つの合流管ML2には、対応する一つの流量制御ユニット群FUGの複数の流量制御ユニットFUに接続する複数の分岐管BL2が接続されている。

0154

また、図20に示すガス供給系GP2の第2機構GM22は、複数のバルブV7(第7のバルブV7)、複数のバルブV8(第8のバルブV8)、複数のバルブV9(第9のバルブV9)、及び複数のバルブV10(第10のバルブV10)を更に備える。

0155

各合流管ML1は、シャワーヘッドSH内の複数のガス吐出部のうち対応するガス吐出部にバルブV7を介して接続されている。また、各合流管ML1は、バルブV8を介して、排気装置50と排気装置51との間の配管に接続されている。即ち、各合流管ML1は、バルブV7を有する配管LA及びバルブV8を有する配管LBに分岐している。配管LAは配管LMに合流し、当該配管LMはシャワーヘッドSH内の複数のガス吐出部のうち対応するガス吐出部に接続されている。また、配管LBは、排気装置50と排気装置51との間の配管に接続されている。

0156

各合流管ML2は、シャワーヘッドSH内の複数のガス吐出部のうち対応するガス吐出部にバルブV9を介して接続している。また、各合流管ML2は、バルブV10を介して、排気装置50と排気装置51との間の配管に接続している。即ち、各合流管ML2は、バルブV9を有する配管LC及びバルブV10を有する配管LDに分岐している。配管LCは、同一の流量制御ユニット群FUGからのガスを導く配管LAと共に配管LMに合流し、当該配管LMはシャワーヘッドSH内の複数のガス吐出部のうち対応するガス吐出部に接続されている。また、配管LDは、排気装置50と排気装置51との間の配管に接続されている。

0157

また、本実施例における処理システム10cは、バルブV11(第11のバルブV11)を更に備える。バルブV11は、シャワーヘッドSHと、処理容器12の下部に設けられた排気管52(図2参照)とを接続する配管に設けられている。バルブV11は、ガス供給系GP2内のガスを排気するときに開かれる。バルブV11が開かれることにより、シャワーヘッドSH内のガスは、排気装置50へ排気される。従って、シャワーヘッドSH内のガスを高速に排気することが可能となる。

0158

図21は、バルブV11の配置に関する変形例を説明する図である。図21に示すように、シャワーヘッドSHは、複数のガス吐出部、例えば、ガス吐出部D1、ガス吐出部D2、及びガス吐出部D3を有する。ガス吐出部D1はガス拡散室36a(1)を含み、ガス吐出部D2はガス拡散室36a(2)を含み、ガス吐出部D3はガス拡散室36a(3)を含む。図21に示した変形例において、ガス拡散室36a(1)に接続されるガス吐出孔34aの個数は、ガス拡散室36a(3)に接続されるガス吐出孔34aの個数よりも少ない。従って、ガス吐出部D3のコンダクタンスは、ガス吐出部D1のコンダクタンスよりも高い。そのため、シャワーヘッドSH内のガスを高速に排気するために、ガス吐出部D1とガス吐出部D3とがバルブV11を有する配管によって接続される。バルブV11は、ガス供給系GP2内のガスを排気するときに開かれる。これにより、ガス供給系GP2内のガスの排気時に、ガス吐出部D1からのガスはガス吐出部D3へ流れ、処理容器12内の空間を介して高速に排気される。

0159

以上説明したガス供給系GP2においても、ガス供給系GP1と同様に、当該ガス供給系GP2内の流路内に残留するガスを高速に、即ち、短時間で置換することが可能である。また、ガス供給系GP2内に残留するガスの排気が完了したか否かを圧力計PMの計測結果から判定することができる。また、ガス供給系GP2内のバルブV1のリークを圧力計PMの計測結果から検出することができる。

0160

また、ガス供給系GP2では、各流量制御ユニットFUに接続される一対の分岐管BL1及び分岐管BL2にそれぞれ設けられたバルブV5及びバルブV6のうち一方を開くことにより、各流量制御ユニット群FUGの複数の流量制御ユニットFUのうち一部の流量制御ユニットFUからのガスAを合流管ML1に供給し、別の一部からのガスBを合流管ML2に供給することができる。

0161

本実施例のガス供給系GP2を有する処理システム10cによれば、複数の合流管ML1からのガスA及び複数の合流管ML2からのガスBを、交互に処理容器12内に供給することができる。ガスAとガスBの種類が異なるガスである場合には、異なるプラズマ処理を半導体ウエハWに対して交互に行うプロセスのスループットを高めることができる。

0162

また、本実施例の処理システム10cによれば、合流管ML1から処理容器12内に連続的にガスAを供給し、合流管ML2からのガスBを断続的に、即ちパルス状に処理容器12内に供給することもできる。この場合、合流管ML2を介して処理容器12内に供給されるガスは、合流管ML1を介して処理容器12内に供給されるガスと異なる種類のガスであってもよく、同じ種類のガスであってもよい。

0163

以下、実施例4における処理システム10cの運用方法について説明する。図22は、実施例4における処理システム10cの運用方法の一例を示すフローチャートである。図22に示す運用方法MT3は、処理容器12内に異なるガスを交互に供給することにより、処理容器12内で異なるプラズマ処理を交互に行う方法である。図23は、図22に示す運用方法におけるガスの流量の変化の一例を示すタイミングチャートである。図23上段は、運用方法MT3の工程ST33以後に合流管ML1を流れるガスAの流量、及び、合流管ML2を流れるガスBの流量のタイミングチャートである。また、図23中段は、工程ST35及び工程ST37において処理容器12内に流れるガスAの流量のタイミングチャートである。また、図23下段は、工程ST35及び工程ST37において処理容器12内に流れるガスBの流量のタイミングチャートである。以下、図22及び図23を参照しながら説明する。

0164

本実施例の運用方法MT3では、まず、工程ST31において、バルブV2、バルブV3、及び全てのバルブV4が閉じられる。続く工程ST32において、複数のバルブV1のうち所定のバルブV1が開かれる。続く工程ST33では、複数の流量制御ユニット群FUG内の複数の流量制御ユニットFUにより、ガスの流量が調整される。続く工程ST34では、各流量制御ユニットFUに接続している一対の分岐管BL1及び分岐管BL2にそれぞれ設けられたバルブV5及びバルブV6のうち一方が開かれる。即ち、各流量制御ユニット群FUG内の複数の流量制御ユニットFUのうち一部の流量制御ユニットFUからは合流管ML1にガスAが供給され、別の一部の流量制御ユニットFUからは合流管ML2にガスBが供給される。例えば、図23の上段のタイミングチャートに示す流量のガスAが合流管ML1に流れ、当該タイミングチャートに示す流量のガスBが合流管ML2に流れる。

0165

続く工程ST35では、複数のバルブV7が開かれ、複数のバルブV8が閉じられる。また、複数のバルブV9が閉じられ、複数のバルブV10が開かれる。これにより、複数の合流管ML1からのガスAが、配管LMを介してシャワーヘッドSHに供給される。また、複数の合流管ML2からのガスBは、配管LDを介して排気される。これにより、図23の中段及び下段のタイミングチャートに示すように、工程ST35では、処理容器12内にガスAのみが供給される。そして、シャワーヘッドSHから供給されたガスAが励起され、半導体ウエハWに対するプラズマ処理が行われる。

0166

続く工程ST36では、複数のバルブV7、複数のバルブV8、及び複数のバルブV9が閉じられ、複数のバルブV10が開かれる。これにより、複数の合流管ML1からシャワーヘッドSHへのガスAの供給が停止される。また、複数の合流管ML2からのガスBは、配管LDを介して排気される。さらに、バルブV11が開かれる。これにより、シャワーヘッドSH内のガスが排気される。そして、バルブV11が閉じられる。

0167

続く工程ST37では、複数のバルブV9が開かれ、複数のバルブV10が閉じられる。また、複数のバルブV7が閉じられ、複数のバルブV8が開かれる。これにより、複数の合流管ML2からのガスBが、配管LMを介してシャワーヘッドSHに供給される。また、複数の合流管ML1からのガスAは、配管LBを介して排気される。これにより、図23の中段及び下段のタイミングチャートに示すように、工程ST37では、処理容器12内にはガスBのみが供給される。そして、シャワーヘッドSHから供給されたガスBが励起され、半導体ウエハWに対して工程ST35とは異なるプラズマ処理が行われる。

0168

続く工程ST38では、工程ST35と工程ST37との交互の繰り返しを終了するか否かが判定される。工程ST38では、例えば、工程ST35と工程ST37とが交互に所定回数繰り返されたか否かが判定される。工程ST38において、工程ST35と工程ST37との交互の繰り返しを終了しないと判定された場合には、工程ST39が実行される。

0169

工程ST39では、複数のバルブV7、複数のバルブV9、及び複数のバルブV10が閉じられ、複数のバルブV8が開かれる。これにより、複数の合流管ML2からシャワーヘッドSHへのガスBの供給が停止される。また、複数の合流管ML1からのガスAは、配管LBを介して排気される。さらに、バルブV11が開かれる。これにより、シャワーヘッドSH内のガスが排気される。そして、バルブV11が閉じられ、工程ST35からの処理が再び実行される。

0170

一方、工程ST38において、工程ST35と工程ST37との交互の繰り返しを終了すると判定された場合には、運用方法MT3は終了する。なお、工程ST31から工程ST39の処理は、処理装置101bの各部が制御部Cntからの制御に基づいて動作することにより実現される。本実施例の運用方法MT3によれば、複数の合流管ML1からのガスA及び複数の合流管ML2からのガスBを交互に処理容器12内に供給し、処理容器12内に供給されないガスを排気側に流すことができる。これにより、処理容器12内に供給するガスの変更を高速に行うことができる。従って、異なるプラズマ処理を半導体ウエハWに対して交互に行うプロセスのスループットを高めることが可能である。

0171

ここで、運用方法MT3に用いられるガスAとガスBを例示する。図24は、図22のフローチャートに示された工程ST35で用いられるガスAと工程ST37で用いられるガスBを例示する表である。図24に示す表において、ドットパターンが付されている欄のガスA及びガスBは、その工程中に排気されるガスであり、ドットパターンが付されていない欄のガスA及びガスBは、その工程中に処理容器12内に供給されるガスである。

0172

図24に示すように、例えば、初回の工程ST35で処理容器12内に供給されるガスAには、O2ガス、Arガス、及びCF4ガスを含む混合ガスを用いることができる。また、初回の工程ST35に排気されるガスBには、O2ガス、Arガス、及びSiCl4ガスを含む混合ガスを用いることができる。なお、初回の工程ST35のガスAはシリコン酸化膜等の被エッチング層をエッチングするためのガスであり、ガスBは堆積性を有するガスである。即ち、初回の工程ST35では、被エッチング層をエッチングし、且つ、後続の工程ST37のために堆積性のガスBを準備しておくことができる。

0173

続く工程ST37で排気されるガスAは、O2ガスとArガスを含む混合ガスであり、当該工程ST37で処理容器12内に供給されるガスBは、O2ガス、Arガス、及びSiCl4ガスを含む混合ガスである。即ち、当該工程ST37では、被エッチング層を含む被処理体上に堆積物を形成し、且つ、後続の工程ST35用に別のガスAを準備しておくことができる。

0174

続く工程ST35で処理容器12内に供給されるガスAは、O2ガスとArガスを含む堆積性の混合ガスであり、当該工程ST35において排気されるガスBは、O2ガス、Arガス、及びCF4ガスを含む混合ガスである。即ち、当該工程ST35では、被処理体上に堆積物を形成し、且つ、被エッチング層のエッチング用のガスBを準備しておくことができる。

0175

続く工程ST37で処理容器12内に供給されるガスBは、O2ガス、Arガス、及びCF4ガスを含むエッチング用の混合ガスであり、当該工程ST37において排気されるガスAは、O2ガス、Arガス、及びSiCl4ガスを含む堆積性の混合ガスである。即ち、当該工程ST37では、被エッチング層をエッチングし、且つ、後続の工程ST35のために堆積性のガスAを準備しておくことができる。そして、後続の工程ST35及び工程ST37でも適宜のガスA及び適宜のガスBのうち一方が処理容器12内に供給され、他方が排気される。

0176

このように、本実施例の処理システム10cによれば、ガス供給系GP2を構成する要素機器が、例えば図2に示したように、基台212のそれぞれの面に別々に配置され、それぞれの面に配置された要素機器同士が、基台212を貫通する直線状の配管で接続される。これにより、ガス供給系GP2を構成する各要素機器間を接続する配管の容量を小さくすることができ、配管内に残留するガスの排気時間を短くすることができる。そのため、エッチング用のガスAと堆積性のガスBのように異なる種類のガスを断続的にパルス状に切り換えて処理容器12内に供給する本実施例のプロセスにおいて、それぞれのパルス幅を短くすることができる。従って、異なる種類のガスを切り換えながら半導体ウエハWに対して異なるプラズマ処理を交互に行うプロセスにおいて、プロセスのスループットを向上させることが可能となる。

0177

また、ガス供給系GP2を構成する各要素機器間を接続する配管の容量を小さくすることができるため、ガスの流量の応答性が向上し、処理容器12内でガスの流量が安定するまでの待ち時間を短縮することができる。これにより、異なる種類のガスを断続的にパルス状に切り換えて処理容器12内に供給する本実施例のプロセスにおいて、それぞれのパルス幅を短くすることができる。従って、異なる種類のガスを切り換えながら半導体ウエハWに対して異なるプラズマ処理を交互に行うプロセスにおいて、プロセスのスループットを向上させることが可能となる。

0178

また、ガス供給系GP2を構成する各要素機器間を接続する配管の容量を小さくすることができるため、ガスを置換する際に排気されるガスの量を少なくすることができる。これにより、無駄に消費されるガスを減らすことができる。

0179

次に、実施例5について説明する。図25は、実施例5における処理システム10cの運用方法の一例を示すフローチャートである。図25に示す運用方法MT4は、処理容器12内にガスAを連続的に供給し、ガスBを断続的に、即ちパルス状に供給することによりプラズマ処理を行う方法である。なお、本実施例における処理システム10cは、実施例4において説明した処理システム10cと同様であるため、説明を省略する。

0180

図26は、図25に示す運用方法MT4におけるガスの流量の変化の一例を示すタイミングチャートである。図26の上段は、運用方法MT4の工程ST46以後に合流管ML1を流れるガスAの流量、及び、合流管ML2を流れるガスBの流量のタイミングチャートである。また、図26の中段は、工程ST46及び工程ST47において処理容器12内を流れるガスAの流量のタイミングチャートである。また、図26の下段は、工程ST46及び工程ST47において処理容器12内を流れるガスBの流量のタイミングチャートである。以下、図25及び図26を参照しながら説明する。

0181

本実施例の運用方法MT4では、まず、運用方法MT3の工程ST31〜工程ST34と同様の工程が行われる。続く工程ST45において、複数のバルブV7が開かれ、複数のバルブV8が閉じられる。これにより、合流管ML1からのガスAがシャワーヘッドSHに供給される。これとほぼ同時に、工程ST46において、複数のバルブV9及び複数のバルブV10が閉じられる。これにより、バルブV9及びバルブV10の上流の流路にガスBが溜められる。このとき、当該上流の流路、即ち、合流管ML2を含む流路内の圧力は、ガスAが流れる合流管ML1内の流路内の圧力よりも高い圧力となる。工程ST46の実行中に、処理容器12内においてガスAが励起され、半導体ウエハWに対してガスAのプラズマによる処理が行われる。

0182

続く工程ST47では、複数のバルブV9が開かれる。これにより、バルブV9及びバルブV10の上流の流路に溜められていたガスBがシャワーヘッドSHに供給され、ガスBがシャワーヘッドSHから処理容器12内に供給される。そして、処理容器12内においてガスAとガスBの混合ガスが励起され、半導体ウエハWに対して当該混合ガスのプラズマによる処理が行われる。なお、工程ST46において、ガスBが流れる合流管ML2を含む流路内の圧力が高い圧力に設定されているので、ガスAの流量よりも少ない流量のガスBを、配管LMにて混合しつつシャワーヘッドSHに供給することが可能である。

0183

続く工程ST48では、工程ST46と工程ST47との交互の繰り返しを終了するか否かが判定される。工程ST48では、例えば、工程ST46と工程ST47とが交互に所定回数繰り返されたか否かが判定される。工程ST48において、工程ST46と工程ST47との交互の繰り返しを終了しないと判定された場合には、工程ST46からの処理が再び実行される。一方、工程ST48において、工程ST46と工程ST47との交互の繰り返しを終了すると判定された場合には、運用方法MT4は終了する。

0184

本実施例の運用方法MT4によれば、処理容器12内に連続的に供給されるガスAに、断続的にガスBを高速に添加することができる。なお、ガスAとガスBとは、異種のガスであってもよく同種のガスであってもよい。従って、ガスAを用いたプラズマ処理と、ガスAに異種のガスBを添加したプラズマ処理とを交互に実行することができる。また、ガスAを用いたプラズマ処理と、ガスAに同種のガスBを添加した、即ち、ガスAの流量を増加させたプラズマ処理とを交互に実行することができる。

0185

ここで、本実施例の処理システム10cにおいても、ガス供給系GP2を構成する要素機器が、例えば図2に示したように、基台212のそれぞれの面に別々に配置され、それぞれの面に配置された要素機器同士が、基台212を貫通する直線状の配管で接続される。これにより、ガス供給系GP2を構成する各要素機器間を接続する配管の容量を小さくすることができ、配管内に残留するガスの排気時間を短くすることができる。そのため、ガスAを連続的に処理容器12内に供給すると共に、ガスBをパルス状に断続的に処理容器12内に供給する本実施例のプロセスにおいて、ガスBのそれぞれのパルス幅を短くすることができる。従って、ガスAを用いて半導体ウエハWに対して行われる所定のプラズマ処理と、ガスA及びガスBを用いて半導体ウエハWに対して行われる別なプラズマ処理とを交互に行うプロセスにおいて、プロセスのスループットを向上させることが可能となる。

0186

また、ガス供給系GP2を構成する各要素機器間を接続する配管の容量を小さくすることができるため、ガスの流量の応答性が向上し、処理容器12内でガスの流量が安定するまでの待ち時間を短縮することができる。これにより、ガスBをパルス状に断続的に処理容器12内に供給する本実施例のプロセスにおいて、ガスBのそれぞれのパルス幅を短くすることができる。従って、ガスAを用いて半導体ウエハWに対して行われる所定のプラズマ処理と、ガスA及びガスBを用いて半導体ウエハWに対して行われる別なプラズマ処理とを交互に行うプロセスにおいて、プロセスのスループットを向上させることが可能となる。

0187

次に、実施例6について説明する。図27は、実施例6における処理システム10dの一例を示す図である。図27に示す処理システム10dは、ガス供給系GP3、リアクタ部RA、及びリアクタ部RBを備える。リアクタ部RA及びリアクタ部RBは、実施例1または実施例2において説明したリアクタ部(処理装置101aまたは処理装置101b)と同様である。

0188

ガス供給系GP3は、図20を用いて説明した実施例4のガス供給系GP2と同様に、第1機構GM21及び第3機構GM23を有する。本実施例におけるガス供給系GP3は、第2機構GM32を更に有する。また、実施例4おける処理システム10cでは、第2機構GM22の合流管ML1及び合流管ML2が単一のリアクタ部のシャワーヘッドSHに接続されていたが、本実施例の処理システム10dでは、第2機構GM32の複数の合流管ML1はそれぞれ、リアクタ部RAのシャワーヘッドSHの複数のガス吐出部に接続されており、複数の合流管ML2はそれぞれ、リアクタ部RBのシャワーヘッドSHの複数のガス吐出部に接続されている。

0189

また、本実施例の処理システム10dでは、第3機構GM23の排気管ELは、リアクタ部RAの排気装置50と排気装置51との間の配管、又は、リアクタ部RBの排気装置50と排気装置51との間の配管に接続され得る。なお、本実施例の各流量制御ユニットFUにおいても、実施例1〜5と同様に、一次側バルブFV1及び二次側バルブFV2は、例えば図2を用いて説明したように、流量制御器FDが配置された基台212の面212aの裏側の面212bに配置され、流量制御器FDと一次側バルブFV1との間は、基台212を貫通する直線状の配管GL1で接続され、流量制御器FDと二次側バルブFV2との間は、基台212を貫通する直線状の配管GL2で接続される。

0190

本実施例の処理システム10dによれば、単一のガス供給系GP3から、リアクタ部RAの処理容器12内にガスAを供給し、リアクタ部RBの処理容器12内にガスBを供給することができる。ガスA及びガスBは、異種のガスであってもよく同種のガスであってもよい。ガスA及びガスBが異種のガスである場合には、リアクタ部RAとリアクタ部RBとで異なるプラズマ処理を行うことができる。一方、ガスA及びガスBが同種のガスである場合には、リアクタ部RAとリアクタ部RBとで同様のプラズマ処理を行うことができる。

0191

ここで、本実施例の処理システム10dにおいても、ガス供給系GP3を構成する要素機器が、例えば図2に示したように、基台212のそれぞれの面に別々に配置され、それぞれの面に配置された要素機器同士が、基台212を貫通する直線状の配管で接続される。これにより、ガス供給系GP3を構成する各要素機器間を接続する配管の容量を小さくすることができ、配管内に残留するガスの排気時間を短くすることができる。そのため、異なる種類のガスを切り換えてそれぞれのリアクタ部の処理容器12内に供給するプロセスにおいて、ガスが置換されるまでの待ち時間を短くすることができる。従って、複数のリアクタ部を用いて、異なる種類のガスを切り換えながら半導体ウエハWに対して異なるプラズマ処理を交互に行うプロセスにおいて、それぞれのリアクタ部で実行されるプロセスのスループットを向上させることが可能となる。

0192

また、ガス供給系GP3を構成する各要素機器間を接続する配管の容量を小さくすることができるため、ガスの流量の応答性が向上し、それぞれのリアクタ部の処理容器12内においてガスの流量が安定するまでの待ち時間を短縮することができる。これにより、異なる種類のガスを切り換えてそれぞれのリアクタ部の処理容器12内に供給するプロセスにおいて、それぞれの種類のガスの供給時間を短くすることができる。従って、複数のリアクタ部を用いて、異なる種類のガスを切り換えながら半導体ウエハWに対して異なるプラズマ処理を交互に行うプロセスにおいて、それぞれのリアクタ部で実行されるプロセスのスループットを向上させることが可能となる。

0193

また、ガス供給系GP3を構成する各要素機器間を接続する配管の容量を小さくすることができるため、ガスを置換する際に排気されるガスの量を少なくすることができる。これにより、複数のリアクタ部を用いるプロセスにおいて、無駄に消費されるガスを減らすことができる。

0194

以上、ガス供給系及びガス供給制御方法について各実施例を用いて説明したが、ガス供給系及びガス供給制御方法は上記した各実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。また、上記複数の実施例に記載された事項は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせることができる。

0195

例えば、上記した各実施例では、処理装置として容量結合型プラズマ処理装置を例に説明したが、本発明の思想は、誘導結合型のプラズマ処理装置、マイクロ波プラズマ源として用いるプラズマ処理装置等の任意のタイプのプラズマ処理装置に適用することが可能である。また、上述した各実施例の処理システムに含まれる処理装置では、シャワーヘッドによって複数のガス吐出部が提供されるが、処理容器内の異なる複数のゾーン、即ち、被処理体の複数の領域に向けてガスを供給することができる限り、複数のガス吐出部は任意の形態で提供され得る。

実施例

0196

また、上記した各実施例において、処理装置によって処理される被処理体は、半導体ウエハWに限られず、例えば、フラットパネルディスプレイ用の大型基板、EL(EctroLuminescence)素子、又は太陽電池用基板等であってもよい。

0197

EL排気管
FD流量制御器
FU流量制御ユニット
FUG 流量制御ユニット群
FV1 一次側バルブ
FV2 二次側バルブ
GL1配管
GL2 配管
GP1ガス供給系
GP2 ガス供給系
GP3 ガス供給系
GSガス供給源
W半導体ウエハ
10a 処理システム
10b 処理システム
10c 処理システム
10d 処理システム
12処理容器
50排気装置
51 排気装置
52 排気管
100 ガス供給系
101a処理装置
101b 処理装置
150ガス供給管
201制御バルブ
202制御回路
203圧力計
204 圧力計
205オリフィス
206 配管
207 配管
208 配管
210ネジ孔
212基台
212a 面
212b 面

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