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技術 車両制御装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 高木亮
出願日 2015年6月26日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2015-128606
公開日 2017年1月12日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2017-010498
状態 特許登録済
技術分野 交通制御システム 乗員・歩行者の保護 ブレーキシステム(制動力調整)
主要キーワード 解消条件 非遮蔽状態 低下状況 撮影画角外 検出角 基準条件 被制御対象 衝突直前
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

物体に対する不要な車両制御を抑制できる車両制御装置を提供する。

解決手段

車両の周囲に存在する物体を各々異なる方式で検出する複数のセンサを備える車両に適用され、複数のセンサの各検出情報に基づいて、物体に対する衝突回避又は抑制のための車両制御を実施する車両制御装置は、複数のセンサのいずれかにおいて物体の検出能力が低下する検出能力低下状況が生じていることを、当該センサ又は他のセンサの検出情報により判定する。そして、検出能力低下状況が生じていると判定された後に、検出能力低下状況が解消されたことが判定された後の所定時間内に、当該状況にあったセンサにより物体が検出された場合には、検出能力低下状況が生じずにセンサにより物体が検出される場合に比べて、衝突回避又は抑制のための車両制御を実施するまでの作動時間を短くする。

概要

背景

車両制御装置においては、自車両と自車両周囲物体との衝突の可能性を早期に判定する必要がある。しかし、衝突の可能性が正しく判定されなければ不要な車両制御の増加につながる。そこで、物体の移動軌跡統計処理することで、物体の位置の検出精度を高めることにより不要な車両制御を抑制することが知られている。

しかし、物体が遮蔽物の陰から突然現れる等の場合には、物体の移動軌跡を統計処理していると、衝突可能性の判定が間に合わなくなるおそれがある。

そこで特許文献1では、物体が遮蔽物で遮蔽された状態(遮蔽状態)である場合には、物体が遮蔽状態ではない場合と比較して、物体との衝突判定に要する時間を短縮することで、遮蔽状態の物体に対して早期に衝突の有無が判定されるようにしている。

概要

物体に対する不要な車両制御を抑制できる車両制御装置を提供する。車両の周囲に存在する物体を各々異なる方式で検出する複数のセンサを備える車両に適用され、複数のセンサの各検出情報に基づいて、物体に対する衝突回避又は抑制のための車両制御を実施する車両制御装置は、複数のセンサのいずれかにおいて物体の検出能力が低下する検出能力低下状況が生じていることを、当該センサ又は他のセンサの検出情報により判定する。そして、検出能力低下状況が生じていると判定された後に、検出能力低下状況が解消されたことが判定された後の所定時間内に、当該状況にあったセンサにより物体が検出された場合には、検出能力低下状況が生じずにセンサにより物体が検出される場合に比べて、衝突回避又は抑制のための車両制御を実施するまでの作動時間を短くする。

目的

本発明は上記に鑑みてなされたものであり、物体に対する不要な車両制御を抑制できる車両制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

車両(50)の周囲に存在する物体を各々異なる方式で検出する複数の検出部(21,22)を備える車両に適用され、前記複数の検出部の各検出情報に基づいて、前記物体に対する衝突回避又は抑制のための車両制御を実施する車両制御装置であって、前記複数の検出部のうちいずれかの検出部において前記物体の検出能力が低下する検出能力低下状況が生じていることを、当該検出部又は他の検出部の検出情報により判定する第1判定部と、前記第1判定部により前記検出能力低下状況が生じていると判定された後に、当該状況が解消されたことを判定する第2判定部と、前記第2判定部により前記検出能力低下状況が解消されたと判定された後の所定時間以内に、当該状況にあった前記検出部により前記物体が検出された場合に、前記検出能力低下状況が生じずに前記検出部により前記物体が検出される場合に比べて、前記衝突回避又は抑制のための前記車両制御を実施するまでの作動時間を短くする作動制御部と、を備えることを特徴とする車両制御装置。

請求項2

前記複数の検出部により前記物体を検出している状態下において前記各検出部で生じうる前記検出能力低下状況を前記検出部ごとに定めておくとともに、その検出能力低下状況が解消される解消条件を定めておき、前記第1判定部は、前記検出部ごとの前記検出能力低下状況が生じていることを判定し、前記第2判定部は、前記解消条件が成立する場合に、前記検出能力低下状況が解消されたことを判定する請求項1に記載の車両制御装置。

請求項3

前記作動制御部は、前記第1判定部により、前記検出部ごとの前記検出能力低下状況が判定されてから、前記第2判定部により、前記解消条件が成立したと判定されるまでの時間に応じて、前記作動時間を短くする度合可変設定する請求項2に記載の車両制御装置。

請求項4

前記作動制御部は、前記第2判定部により、前記解消条件が成立したと判定されてから、前記検出能力低下状況にあった前記検出部により前記物体が検出されるまでの時間に応じて、前記作動時間を短くする度合を可変設定する請求項2又は3に記載の車両制御装置。

請求項5

前記作動制御部は、前記第2判定部により、前記解消条件が成立したと判定されてから、前記検出能力低下状況にあった前記検出部により前記物体が検出された際、当該物体の種類に応じて、前記作動時間を短くする度合を可変設定する請求項2乃至4のいずれか1項に記載の車両制御装置。

請求項6

前記複数の検出部として、搬送波反射波により自車両周囲の物体を検出する第1検出部(22)と、撮影画像画像処理で自車両周囲の物体を検出する第2検出部(21)と、を備えており、前記第1判定部は、前記第2検出部の画像処理で、互いに近接状態にある前記物体としての第1物体及び第2物体を検出した際に、前記第1検出部の検出能力低下状況であると判定し、前記第2判定部は、前記第2検出部の画像処理で前記第1物体と前記第2物体との近接状態が解消されたことが検出された際に、前記第1検出部の検出能力低下状況が解消されたと判定し、前記作動制御部は、前記第1検出部の検出能力低下状況が解消されたと判定された後の所定時間以内に、前記第1検出部により前記第2物体が検出されていれば、前記作動時間を短くし、前記第1検出部の検出能力低下状況が解消されたと判定された後の所定時間以内に、前記第1検出部により前記第2物体が検出されていなければ、前記作動時間を短くしない請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両制御装置。

請求項7

前記第1検出部が物体を検出可能な第1検出角と、前記第2検出部が物体を検出可能な第2検出角とが異なり、前記第1検出角が前記第2検出角に含まれる場合において、前記第1判定部は、前記第2検出部によって前記第1検出角外に前記物体としての第3物体が検出された場合に、前記第1検出部の検出能力低下状況であると判定し、前記第2判定部は、前記第2検出部が前記第1検出角内に前記第3物体が検出された場合に、前記第1検出部の検出能力低下状況が解消されたと判定し、前記作動制御部は、前記第1検出部の前記検出能力低下状況が解消されたと判定された後の所定時間以内に、前記第1検出部により前記第3物体が検出されていれば、前記衝突回避又は抑制のための前記車両制御を実施するまでの作動時間を短くし、前記第1検出部の前記検出能力低下状況が解消されたと判定された後の所定時間以内に、第1検出部により前記第3物体が検出されていなければ、前記車両制御を実施するまでの作動時間を短くしない請求項6に記載の車両制御装置。

請求項8

前記第1判定部は、前記第1検出部によって自車両から所定の近距離となる位置に前記物体としての第4物体が検出されている場合に、前記第2検出部の検出能力低下状況であると判定し、前記第2判定部は、前記第1検出部により前記自車両と前記第4物体とが所定距離以上離れたことが検出された際に、前記第2検出部の前記検出能力低下状況が解消されたと判定し、前記作動制御部は、前記第2検出部の前記検出能力低下状況が解消されたと判定された後の所定時間以内に、前記第2検出部により前記第4物体が検出されていれば、前記衝突回避又は抑制のための前記車両制御を実施するまでの作動時間を短くし、前記第2検出部の前記検出能力低下状況が解消されたと判定された後の所定時間以内に、前記第2検出部により前記第4物体が検出されていなければ、前記車両制御を実施するまでの作動時間を短くしない請求項6又は7に記載の車両制御装置。

請求項9

前記第1検出部と前記第2検出部で取得された自車両前方の物体の情報をフュージョンすることで、前記物体を検出する物体検出部を備える請求項6乃至8のいずれか1項に記載の車両制御装置。

請求項10

前記作動制御部は、前記第2判定部により前記検出能力低下状況が解消されたと判定され、かつその時点で、当該状況にあった前記検出部により前記物体の全体が検出されたことを条件として、前記作動時間を短く設定する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の車両制御装置。

請求項11

前記検出能力低下状況の種類、又は前記検出能力低下状況にあった前記検出部により検出された前記物体の種類に応じて前記所定時間を可変設定する設定部を備える請求項1乃至10のいずれか1項に記載の車両制御装置。

技術分野

0001

本発明は、複数のセンサを用いて自車両の周囲の物体を検出し、その検出された物体と自車両との衝突可能性に応じて車両制御を行う車両制御装置に関する。

背景技術

0002

車両制御装置においては、自車両と自車両周囲の物体との衝突の可能性を早期に判定する必要がある。しかし、衝突の可能性が正しく判定されなければ不要な車両制御の増加につながる。そこで、物体の移動軌跡統計処理することで、物体の位置の検出精度を高めることにより不要な車両制御を抑制することが知られている。

0003

しかし、物体が遮蔽物の陰から突然現れる等の場合には、物体の移動軌跡を統計処理していると、衝突可能性の判定が間に合わなくなるおそれがある。

0004

そこで特許文献1では、物体が遮蔽物で遮蔽された状態(遮蔽状態)である場合には、物体が遮蔽状態ではない場合と比較して、物体との衝突判定に要する時間を短縮することで、遮蔽状態の物体に対して早期に衝突の有無が判定されるようにしている。

先行技術

0005

特開2014−213776号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、複数のセンサを用いて物体を検出する場合、センサごとに物体の検出能力が低下する検出能力低下状況苦手シーン)が生じうる。なお従来技術に記載の遮蔽状態は、センサの苦手シーンに起因して生じる現象の一つであると言える。

0007

あるセンサの苦手シーンで検出されていなかった物体は、そのセンサの苦手シーンが解消されることで検出可能となる。しかし、苦手シーンにおいて検出されていなかった物体が、センサの苦手シーンの解消に伴って検出されるとは限らない。この場合、その物体に対する車両制御は不要となる。

0008

そのため特許文献1に記載のように、センサの苦手シーンが解消されたことのみを条件として、衝突判定に要する時間が短縮された場合には、物体に対する不要な車両制御が行われる可能性があった。

0009

本発明は上記に鑑みてなされたものであり、物体に対する不要な車両制御を抑制できる車両制御装置を提供することを主たる目的とするものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、車両(50)の周囲に存在する物体を各々異なる方式で検出する複数の検出部(21,22)を備える車両に適用され、前記複数の検出部の各検出情報に基づいて、前記物体に対する衝突回避又は抑制のための車両制御を実施する車両制御装置であって、前記複数の検出部のうちいずれかの検出部において前記物体の検出能力が低下する検出能力低下状況が生じていることを、当該検出部又は他の検出部の検出情報により判定する第1判定部と、前記第1判定部により前記検出能力低下状況が生じていると判定された後に、当該状況が解消されたことを判定する第2判定部と、前記第2判定部により前記検出能力低下状況が解消されたと判定された後の所定時間以内に、当該状況にあった前記検出部により前記物体が検出された場合に、前記検出能力低下状況が生じずに前記検出部により前記物体が検出される場合に比べて、前記衝突回避又は抑制のための前記車両制御を実施するまでの作動時間を短くする作動制御部と、を備えることを特徴とする。

0011

本発明によれば、検出部の検出能力低下状況が解消された後の所定時間以内に、当該状況にあった検出部によりその物体が検出されたことを条件として、検出能力低下状況が生じずに検出部により物体が検出される場合と比べて、衝突回避又は抑制のための車両制御を実施するまでの作動時間を短く設定するようにした。この場合、検出部の検出能力低下状況が解消された際に、物体に対する不要な車両制御が実施されることを抑制できる。

図面の簡単な説明

0012

車両制御装置のブロック図。
衝突判定処理に関するフローチャート
衝突判定処理の実行例を示す図。
衝突判定処理の実行例を示す図。
衝突判定処理の実行例を示す図。
衝突判定処理の実行例を示す図。
衝突判定処理の実行例を示す図。
作動時間設定の例を示す図。

実施例

0013

以下、各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。

0014

本実施形態に係る車両制御装置100は、車両(自車両)に搭載され、自車両の前方に存在する物体を検出し、その物体との衝突を回避又は軽減すべく各種制御を行うPCS(Pre-crash safety system)として機能する。

0015

図1において、車両制御装置100は、ECU10、各種センサ20、被制御対象30を備えて構成されている。

0016

各種センサ20としては、例えば、画像センサ21、レーダセンサ22、ヨーレートセンサ23、車速センサ24等を備えている。

0017

画像センサ21は、CCDカメラ単眼カメラステレオカメラ等を用いて構成され、自車両のフロントガラス上端付近等に設置される。画像センサ21は、所定時間毎に自車両の前方に向かって所定範囲で広がる領域を撮像して撮影画像を取得する。そして、撮影画像を画像処理することで、自車両前方の物体の形状(大きさ)や物体までの距離等を物標情報として取得する。画像センサ21が取得した物標情報は、ECU10に入力される。

0018

また、画像センサ21は、撮影画像に対して、テンプレートマッチング等の周知の画像処理を行うことにより、撮影画角内に存在する所定の物体の種類(他車両、歩行者路上障害物等)を検出する。本実施形態では、各物体の種類を特定するためのテンプレートとして、物体ごとの特徴を示す画像パターンである複数の辞書が記憶されている。辞書としては、物体全体の特徴をパターン化した全身辞書と、物体の部分的な特徴をパターン化した半身辞書とを記憶している。画像センサ21が認識した物体の種類の情報は、ECU10に入力される。

0019

レーダセンサ22は、ミリ波レーザ等の指向性のある電磁波を利用して自車両前方の物体を検出するものであり、自車両の前部においてその光軸車両前方を向くように取り付けられている。レーダセンサ22は、所定時間ごとに車両前方に向かって所定範囲で広がる領域をレーダ信号走査するとともに、車外の物体の表面で反射された電磁波を受信することで物体との距離、物体との相対速度等を物標情報として取得する。取得された物標情報は、ECU10に入力される。

0020

ヨーレートセンサ23は、車両の旋回角速度ヨーレート)を検出する。車速センサ24は、車輪の回転速度に基づき自車両の走行速度を検出する。これらの各種センサ20による検出結果は、ECU10に入力される。

0021

ECU10は、車両制御装置100全体の制御を行う電子制御ユニットであり、CPUを主体として構成され、ROM,RAM等を備えて構成されている。ECU10は、画像センサ21及びレーダセンサ22で取得した情報から、自車両前方の物体(車両、路上障害物や他車両)を検出する。詳しくは、ECU10は、同一物体について、画像センサ21が検出した物標情報と、レーダセンサ22が検出した物標情報とを融合(フュージョン)することで、物体を検出する。そして、自車両が各物体と衝突する可能性があるか否かを判定し、衝突する可能性が高いと判定した場合には、被制御対象30を作動させる。

0022

例えば、被制御対象30は、スピーカシートベルトブレーキ等である。ECU10は、自車両が物体に衝突する可能性が高いと判定した場合には、スピーカの作動で運転者に警報を発信したり、シートベルトを巻き上げたり、ブレーキによって衝突速度を低減する等の制御を行うことで、自車両と物体との衝突を回避又は緩和する。

0023

ところで、自車両と物体との衝突の回避又は緩和のためには、自車両と物体との衝突の可能性が早期に判定されることが求められる。一方、自車両と物体との衝突の可能性が正しく判定されなければ、不要な車両制御の増加につながる。そこで、物体の移動軌跡を統計処理で算出することで、物体の位置の検出精度を高め、自車両と物体との衝突可能性の判定精度を向上することができる。

0024

しかし、自車両の前方に2つの物体が存在しており、その一方が移動物であり、他方が移動物を遮蔽する遮蔽物であることが考えられる。この場合、移動物が遮蔽物の陰から突然現れる等の場合には、移動物の移動軌跡を統計処理していると、衝突可能性の判定が間に合わなくなるおそれがある。そこで、移動物が遮蔽物で遮蔽された状態(遮蔽状態)である場合等、物体が突然現れる危険性がある場合に、物体が遮蔽状態でない場合と比較して、物体の衝突判定に要する時間を短縮することが想定される。これにより、遮蔽状態の物体に対して早期に衝突の有無を判定することが可能となる。

0025

一方、センサはその特性に応じて物体の検出能力が低下する検出能力低下状況(苦手シーン)が生じうる。ここで物体の検出能力とは、センサが物体を検出する際の検出精度や、センサが物体を検出できるか否かの可能性等を意味する。そして、苦手シーンにおいては、複数のセンサを用いた物体の検出能力も低下する。

0026

例えば、移動物が遮蔽状態の場合には、レーダセンサ22は、遮蔽物と移動物とを区別して検出することができないため、レーダセンサ22の苦手シーンとなる。

0027

センサの苦手シーンが解消されれば、そのセンサが苦手シーンの際に検出できなかった物体を検出可能となる。しかしセンサの苦手シーンが解消された際に、そのセンサによって苦手シーンの際に検出されていなかった物体が検出されるとは限らない。そのため、センサの苦手シーンが解消されたことのみを条件として、車両制御の作動時間が短縮されると、自車両と物体との衝突可能性が低い状況下で不要な車両制御が行われる可能性がある。

0028

ところで、自車両と衝突する可能性がある物体は、自車両との衝突直前には苦手シーンが解消されたセンサによって検出される特徴を有する。そこで、本実施形態では、あるセンサの苦手シーンの際には検出されていなかった物体が、そのセンサの苦手シーンの解消に伴って検出されたことを条件として、当該物体との衝突判定に要する時間を短縮する。

0029

詳しくは、あるセンサの苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、苦手シーンの際には検出されていなかった物体が、苦手シーンが解消されたセンサによって検出されれば、衝突判定に要する時間短縮を行う。一方、センサの苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、苦手シーンが解消されたセンサによって、苦手シーンの際には検出されていなかった物体が検出されなければ、衝突判定に要する時間短縮を行わないようにする。以上により、衝突可能性が低い物体に対する不要な車両制御を抑制する。なお「所定時間」は実験等に基づき予め設定することができる。

0030

上記の例では、レーダセンサ22の苦手シーンにおいて、画像センサ21のみで検出されていた物体が、レーダセンサ22の苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、レーダセンサ22によって検出されれば衝突判定に要する時間を短縮する。一方、レーダセンサ22の苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、レーダセンサ22によってその物体が検出されなければ、衝突判定に要する時間を短縮しないこととなる。

0031

次に、本実施形態の衝突判定の演算時間判定処理について図2を用いて説明する。本処理は、ECU10が予め設定された所定周期(例えば約50ms)で繰り返し実施する。

0032

図2において、物体を検出する(S11)。本処理では、同一物体について、画像センサ21で検出した物標情報と、レーダセンサ22で検出した物標情報とをフュージョンして、物体を検出する。なお、画像センサ21及びレーダセンサ22の一方のみで物標情報が検出された場合は、その物標情報を用いて、物体を検出する。

0033

次に、物体の種類を特定する(S12)。本処理では、ECU10のROM等に予め記憶された上記の半身辞書、全身辞書を用いて、撮影画像に対して各物体を特定するためテンプレートマッチングを行うことで、物体の種類(他車両、歩行者、路上障害物等)を特定する。そして、前回以前にRAM13等に記録された物体と今回認識した物体とを対応付ける。

0034

次に、レーダセンサ22又は画像センサ21の苦手シーンであるか否かを判定する(S13)。なお、各センサの苦手シーンは、センサごとに予め定められる。例えば、所定の条件下で、画像センサ21のみで検出され、レーダセンサ22で検出されていない物体がある場合にはレーダセンサ22の苦手シーンであると判定する。所定の条件下で、レーダセンサ22のみで検出され、画像センサ21で検出されていない物体がある場合には、画像センサ21の苦手シーンであると判定する。これ以外にも、レーダセンサ22と画像センサ21の両方で検出されているが、一方の検出結果が非遮蔽状態であり、他方の検出結果が遮蔽状態となる等の場合にも、レーダセンサ22又は画像センサ21の苦手シーンであると判定できる。

0035

S13で、苦手シーンであると判定した場合には、苦手フラグをオンにする(S14)。S13で、苦手シーンでないと判定した場合には、苦手フラグをオフにする(S15)。

0036

続いて、苦手フラグがオンからオフに切り替わってからの経過時間が所定時間以内であるか否かを判定する(S16)。S16で経過時間が所定時間以内ではないと判定した場合には、物体との衝突判定に要する時間を短縮しない通常モードに設定する(S19)。

0037

S16で肯定した場合、すなわち経過時間が所定時間以内の場合には、苦手シーンが解消されたセンサ(レーダセンサ22又は画像センサ21)によって、苦手シーンの解消前に検出できていなかった物体を検出したか否かを判定する(S17)。なお苦手シーンの具体例については後述する。S17で肯定した場合には、物体との衝突判定に要する時間を短縮する短縮モードに設定する(S18)。短縮モードでは、衝突を判定する際に利用する基準条件を緩和することによって衝突に関する判定を終結するまでの時間を短く設定する。基準条件とは、物体の移動軌跡を求める際に利用する物標情報のサンプリング数、物体の横方向の移動距離等や、車両制御の対象物標として確定するかどうかを判定するための信頼度である。また、基準条件の緩和とは、基準条件がサンプリング数である場合には、サンプリング数を減らすことを表し、基準条件が移動距離である場合には、この距離の値を小さくすることを表す。基準条件が信頼度である場合には、信頼度判定用の閾値を低くすることを表す。このようにすることで、物体との衝突判定に要する時間を短縮できる。

0038

S17で否定した場合、すなわち苦手シーンが解消されたセンサによって、苦手シーンの解消前に検出できていなかった物体が検出されなかった場合には、通常モードに設定する(S19)。

0039

次の上記処理の実行例を説明する。

0040

図3図5は、複数の物体の相互の位置関係近接していることに起因する苦手シーンの例である。図6は、各センサの画角外に物体が存在することに起因する苦手シーンの例である。図7は、自車両と物体とが接近状態であることに起因して発生する苦手シーンの例である。

0041

<複数物体の位置関係に応じて発生する苦手シーン1>
図3(a)において、自車両50の進行方向(前方)に車両60が停車しており、車両60の後端位置と等距離の位置に歩行者61が存在している。この場合、画像センサ21で撮影された撮影画像から車両60及び歩行者61が個別に検出されるが、レーダセンサ22の検出結果からは、互いに等距離に存在する複数の物体(車両60及び歩行者61)を区別して検出することが困難となる。そこで、画像センサ21により車両60の後端と等距離の位置に物体(歩行者)がある場合を、レーダセンサ22による物体の検出能力が低下する苦手シーンに定める。

0042

そして、レーダセンサ22の苦手シーンが判定された状況下、図3(b)に示すように、車両60から歩行者61が離れたことが検出された際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消される。例えば、画像センサ21の撮影画像を用いて、自車両50の車軸Oに対する車両60の角度θ1と、自車両50の車軸Oに対する歩行者61の角度θ2との差が所定以上に拡大したことが検出された際や距離・横位置の差が所定以上に拡大したことが検出された際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されたと判定できる。

0043

そして、レーダセンサ22の苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、レーダセンサ22によって歩行者61からの反射波が検出されれば、歩行者61との衝突判定が短縮モードで行われる。一方、レーダセンサ22の苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、レーダセンサ22が歩行者61からの反射波を検出できなければ、歩行者61との衝突判定が通常モードで行われることとなる。

0044

<複数物体の位置関係に応じて発生する苦手シーン2>
図4(a)において、車両60の奥側(後方付近)に歩行者62が存在している場合には、画像センサ21で撮影された撮影画像から、車両60が全身辞書で検出され、歩行者62が半身辞書で個別に検出される。一方、レーダセンサ22の検出結果からは、車両60と歩行者62とを区別して検出することが困難となる。そこで、車両60によって遮蔽状態の物体(歩行者)が検出された場合を、レーダセンサ22による物体の検出能力が低下する苦手シーンに定める。

0045

そして、レーダセンサ22の苦手シーンであると判定された状況下、図4(b)に示すように、車両60の後方から歩行者62が現れたことが検出された際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消される。例えば、画像センサ21による撮影画像の画像処理で認識される歩行者61が半身辞書から全身辞書に切り替わった際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されたと判定できる。これ以外にも、歩行者62の位置が、物理的にレーダセンサ22で検出できる角度に移動したことが、画像センサ21で検出された際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されたと判定してもよい。

0046

そして、レーダセンサ22の苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、レーダセンサ22によって歩行者62からの反射波が検出されれば、歩行者62との衝突判定が短縮モードで行われる。一方、レーダセンサ22の苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、レーダセンサ22により歩行者62が検出されなければ、歩行者62との衝突判定が通常モードで行われることとなる。

0047

<複数物体の位置関係に応じて発生する苦手シーン3>
図5(a)では、所定エリアS内に複数の歩行者が存在する人ごみとなっている。この場合、画像センサ21の撮影画像を全身辞書又は半身辞書を用いて画像処理することで、複数の歩行者を認識できる。一方、レーダセンサ22は、個々の歩行者を分離して検出することが困難となる。そこで、撮像画像の画像処理によって人ごみが検出された場合をレーダセンサ22の苦手シーンに定める。

0048

そして、レーダセンサ22の苦手シーンであると判定された状況下、図5(b)に示すように、所定エリアS内の複数の歩行者のうちの一人の歩行者63が、所定エリアSから離れたことが検出された際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消される。例えば、所定エリアSの歩行者と、歩行者63との角度が一定角度以上離れたことや距離が一定距離以上離れたことが画像センサ21の画像処理で検出された際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されたと判定できる。

0049

そして、苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、レーダセンサ22で歩行者63が検出されれば、歩行者63との衝突判定が短縮モードで行われる。苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、レーダセンサ22で歩行者63が検出されなければ、歩行者63との衝突判定が通常モードで行われることとなる。

0050

<画角外に物体が存在することに起因する苦手シーン>
図6において、画像センサ21の画角θa、レーダセンサ22の検出範囲θb(θb<θa)とする。この場合に図6(a)に示すように、レーダセンサ22の検出範囲θbの外側に歩行者64が位置している場合には、画像センサ21は歩行者63を検出できるが、レーダセンサ22は歩行者64を検出できない。そこで、画像センサの画角θa>レーダセンサの検出範囲θbである場合に、レーダセンサ22の検出範囲θb外で物体が検出された場合をレーダセンサ22の苦手シーンに定める。

0051

そして、レーダセンサ22の苦手シーンであると判定された状況下、図6(b)に示すように、歩行者64がレーダセンサ22の検出範囲θb内に移動したことが検出された際に、苦手シーンが解消される。例えば、歩行者64がレーダセンサ22の検出範囲θb内に横移動したことが画像センサ21の画像処理から検出された際、またはレーダセンサ22自身が検出範囲θb内の歩行者64を検出した際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されたと判定できる。

0052

そして苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、レーダセンサ22によって歩行者64が検出されれば、歩行者63との衝突判定を短縮モードで行う。一方、苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、レーダセンサ22で歩行者64が検出されなければ、歩行者64との衝突判定が通常モードで行う。

0053

<自車両と物体とが接近状態となる際に発生する苦手シーン>
図7において、レーダセンサ22は電磁波の反射点として物体を検出するため、自車両50と先行車両70との距離に関わらず、先行車両70を検出できる。一方、画像センサ21は自車両50と先行車両70とが接近状態となると、画像センサ21の撮影画角から先行車両70(後端部の一部または全体)が外れ、全身辞書又は半身辞書を用いて先行車両70を検出することが困難となる可能性がある。そこで、自車両50に対して所定の接近状態の物体がある場合を、画像センサ21による物体の検出能力が低下する苦手シーンに定める。

0054

例えば図7において、先行車両70と自車両50との距離がd1に接近した際に画像センサ21の苦手シーンであると判定する。そして、画像センサ21の苦手シーンであると判定された状況下、レーダセンサ22によって、自車両50と先行車両70との車間距離が所定以上に拡大したことが検出された際に苦手シーンが解消したと判定する。例えば、自車両50と先行車両70との車間距離が拡大してd2となり、画像センサ21の全身辞書又は半身辞書で先行車両70を検出可能となった際に苦手シーンが解消したと判定する。

0055

そして、画像センサ21の苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、画像センサ21の画像処理で先行車両70が検出されれば、先行車両70に対する衝突判定を短縮モードで行う。一方、画像センサ21の苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、画像センサ21で先行車両70が検出されなければ、先行車両70に対する衝突判定を通常モードで行う。

0056

上記によれば以下の優れた効果を奏することができる。

0057

・センサの苦手シーン(検出能力低下状況)において、物体の検出能力を高めるために、物体との衝突回避又は抑制のための車両制御を実施するまでに時間をかけていると、警報出力が間に合わなくなるおそれがある。そこで、物体が遮蔽物の陰に隠れている等、センサの苦手シーンである場合には、物体との衝突判定又は抑制のための車両制御を実施するまでの時間を短縮することで、衝突可能性の判定が間に合わなくなる不都合を解消できる。しかしセンサの苦手シーンが解消された際に、当該物体が検出されるとは限らない。この場合、当該物体に対して不要な警報が出力されることとなり、自車両の運転者の不快感を招くことにつながる。

0058

そこで、センサの苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、当該状況にあったセンサによりその物体が検出されたことを条件として、センサの苦手シーンが生じずにセンサにより物体が検出される場合と比べて、衝突回避又は抑制のための車両制御を実施するまでの作動時間を短く設定するようにした。この場合、センサの苦手シーンの解消に伴って物体に対する不要な車両制御が実施されることを抑制できる。

0059

・個々のセンサにおける苦手シーンと、その苦手シーンが解消される解消条件を予め定めておくことによって、センサごとに、苦手シーンの解消を適切に判定することができる。

0060

・互いに近接している第1物体及び第2物体がある場合、画像センサ21は第1物体と第2物体とを区別して検出できるが、レーダセンサ22は、近接状態の第1物体と第2物体とを区別して検出することが困難であり、第1検出部による物体の検出能力が低下する。そこで、画像センサ21が第1物体に対して近接する第2物体を検出した際に、レーダセンサ22の苦手シーンであると判定する。その後、画像センサ21により第1物体に対する第2物体の近接状態が解消されたことが検出された場合に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されたと判定する。そして、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されたと判定した後の所定時間以内に、レーダセンサ22が第2物体を検出すれば、第2物体と自車両との衝突可能性があるとして、車両制御を実施するまでの作動時間を短くする。一方、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されたと判定した後の所定時間以内に、レーダセンサ22が第2物体を検出していなければ、自車両との衝突可能性が低いため、車両制御を実施するまでの作動時間を短縮しないこととした。この場合、レーダセンサ22の苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、画像センサ21及びレーダセンサ22の両方で第2物体が検出されていなければ、車両制御の作動時間は短縮されないこととなり、レーダセンサ22の苦手シーンの解消に伴って信頼度の低い物体に対する不要な車両制御が行われることを抑制できる。

0061

・レーダセンサ22と画像センサ21との検出角が異なり、レーダセンサ22の第1検出角が画像センサ21の第2検出角よりも小さく、第1検出角が第2検出角に含まれる場合において、第1検出角外であり且つ第2検出角内に存在する第3物体は、画像センサ21で検出されるが、レーダセンサ22では検出されない。そこで、画像センサ21によって第1検出角外の第3物体が検出された場合に、レーダセンサ22の苦手シーンであると判定する。その後、画像センサ21により第1検出角内で第3物体が検出された際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されたと判定する。そして、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されと判定した後の所定時間以内に、レーダセンサ22が第3物体を検出していれば、車両制御を実施するまでの作動時間を短縮する。一方、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されと判定した後の所定時間以内に、レーダセンサ22が第3物体を検出していなければ、車両制御を実施するまでの作動時間を短縮しないこととした。この場合、レーダセンサ22の苦手シーンの解消に伴ってレーダセンサ22及び画像センサ21の両方で第3物体が検出されていなければ、車両制御の作動時間は短縮されないこととなり、レーダセンサ22の苦手シーンが解消された際に、信頼度の低い物体に対する不要な車両制御が行われることを抑制できる。

0062

・自車両に対して物体が近距離の位置にある場合には、画像センサ21の撮影画角から物体の一部(上端下端)又は全体が外れることが生じ、画像センサ21による物体の検出能力が低下する。そこで、レーダセンサ22により自車両から所定の近距離となる位置に第4物体が検出されている場合に、画像センサ21の苦手シーンであると判定する。そして、レーダセンサ22により自車両に対する第4物体の距離が所定以上離れたことが検出された際に、苦手シーンが解消されたと判定する。そして苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、画像センサ21によって第4物体が検出されていれば、車両制御を実施するまでの作動時間を短縮し、苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、画像センサ21によって第4物体が検出されていなければ、車両制御を実施するまでの作動時間を短縮しないこととした。この場合、自車両と物体とが近距離であることに起因して苦手シーンが発生した場合において、苦手シーンの解消に伴ってレーダセンサ22及び画像センサ21の両方で物体が検出されていなければ、車両制御の作動時間は短縮されないこととなるため、信頼度の低い物体に対する不要な車両制御を抑制できる。

0063

なお本発明は上記に限定されず以下のように実施してもよい。なお以下の説明において上記と同様の構成には同じ図番号を付し詳細な説明は省略する。

0064

・上記において、自車両と衝突する可能性のある物体は、苦手シーンの解消に伴って、衝突直前には物体全体が検出可能な状態に遷移する特徴を有している。そこで、苦手シーンが解消された際、画像センサ21による画像処理によって、センサの苦手シーンにおいて検出されていなかった物体全体が検出されたことを条件として、衝突判定に要する時間を短縮するようにしてもよい。なお、物体全体が検出されたか否かは、全身辞書を用いた撮影画像のテンプレートマッチングにより判定できる。

0065

・上記において、センサの苦手シーンが判定されてから、センサの苦手シーンが解消されたと判定されるまでに要する時間に応じて、車両制御を実施するまでの作動時間を短くする度合可変設定してもよい。例えば、図8に示すように、センサの苦手シーンが判定されてから、苦手シーンが解消されるまでの時間T1が長くなるほど、車両制御を実施するまでの作動時間の短縮の度合いを高める。この場合、センサの苦手シーンが解消された際の状況(苦手シーンが解消された時点における物体との位置関係)を加味して、車両制御をより適切に実施できる。

0066

・上記において、センサの苦手シーンが解消されてから、当該センサにより物体が検出されるまでの時間に応じて、車両制御の作動時間を短くする度合を可変設定してもよい。例えば、センサの苦手シーンが解消されてから物体が検出されるまでの時間が短くなるほど、車両制御の作動時間を短めに設定する。一方、センサの苦手シーンが解消されてから物体が検出されるまでの時間が長くなるほど、車両制御の作動時間を長めに設定する。この際、センサの苦手シーンが解消されてから一定時間が経過した後は、車両制御の作動時間の短縮を実施しないようにしてもよい。以上のように、苦手シーンが解消されてから物体が検出されるまでの時間に応じて、車両制御の作動時間を短くする度合いを可変設定する場合、苦手シーンの解消後に物体が検出される状況を加味して、車両制御をより適切に実施できる。

0067

・レーダセンサ22は、コントラストに関わらず自車両50の前方に存在する物体までの距離を検出することが可能である。一方、画像センサ21は、夜間などの光量が少ない状況(コントラストが低い状況)では、物体の認識性能が低下する。そこで、コントラストが低い場合を、画像センサ21の苦手シーンとして定める。この場合には、レーダセンサ22のみによって検出されている物体の検出範囲が、自車両50におけるロービーム照射範囲外であり、且つハイビーム照射距離内であることを条件として、画像センサ21の苦手シーンが解消されたことを判定できる。そして、苦手シーンにおいて画像センサ21で検出されていなかった物体を、苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、画像センサ21で検出できれば、衝突判定に要する時間を短縮モードにする。

0068

・上記において、画像センサ21の撮影画角よりレーダセンサ22の検出範囲が大きい場合には、画像センサ21の撮影画角外の物体は、画像センサでは検出できない。そこで、画像センサ21の撮影画角外で、レーダセンサ22で検出された物体がある場合を、画像センサ21の苦手シーンに定める。この場合、自車両50の車速変化や歩行者の横速度の変化により、画像センサ21が原理上検知可能な角度内に物体(歩行者等)が移動してきたことを検出した際に、画像センサ21の苦手シーンが解消されたと判定できる。

0069

・上記において、例えば、片側複数車線道路において、自車両50の前方に複数台大型車両トラックなど)が横並びで走行している状態で、それらの大型車両間にそれよりも小型の車両(例えば、軽自動車二輪車両等)が存在しており、かつ、その小型車両が大型車両の後端と等距離の位置にある場合には、レーダセンサ22が大型車両と小型車両とを区別して認識することが困難となるため、レーダセンサ22の苦手シーンとして定める。この場合には、画像センサ21の画像処理で、大型車両と小型車両との距離・横位置等の差が所定以上に拡大したことが検出された際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されと判定できる。そして苦手シーンが解消されと判定された後の所定時間以内に、レーダセンサ22で小型車両が検出されれば、衝突判定を短縮モードで行い、物体全体を検出できなければ衝突判定を通常モードで行う。

0070

・上記において、ガードレール付近(奥側)に歩行者等の物体が存在しており、ガードレールと物体との間隔が狭い場合には、レーダセンサ22は、ガードレールと歩行者とを区別して認識することが困難となるため、このような状況を、レーダセンサ22の苦手シーンとして定める。この場合には、歩行者がガードレールを超えて自車線側に移動するとともに、ガードレールと歩行者との間隔が所定以上に離れたことが撮影画像の画像処理等で検出された際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されたと判定できる。そして苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、レーダセンサ22によって、ガードレールの内側の歩行者が検出されていれば、衝突判定を短縮モードで行う。一方、レーダセンサ22で、ガードレールの内側の歩行者が検出されていなければ、衝突判定を通常モードで行う。なお、レーダセンサ22の苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、ガードレール内の歩行者が検出されており、かつその歩行者が自車両50に接近する方向に横移動していることを条件として、衝突判定に要する時間が短縮されてもよい。

0071

・上記において、自車両50の前方の物体が自転車である場合にも、上記の各処理を適用可能である。なお、自車両50の前方の物体が自転車である場合には、自転車の横速度が速いことによるトラッキングミスに起因して、レーダセンサ22によって自転車の検出ができなくなるおそれがある。そこで、画像センサ21で自転車を検出し、且つ検出された自転車の横速度が所定以上に高速である場合に、レーダセンサ22の苦手シーンであると判定してもよい。この場合には、例えば、自転車の横速度が所定未満に低下した際に、レーダセンサ22の苦手シーンが解消されたと判定できる。

0072

・レーダセンサ22においても、物体との距離が至近距離(例えば2m未満)となると、当該物体を検出できない苦手シーンとなりうる。そこで、自車両50にソナーやレーザなど、レーダセンサ22よりも至近距離の物体を検出可能なセンサを搭載する。そして、レーダセンサ22では検出されていないが、ソナーやレーザ等の至近距離を計測可能なセンサによって、所定の至近距離の位置に物体が検出された場合に、レーダセンサ22の苦手シーンであると判定してもよい。

0073

・上記において、画像センサ21として、単眼カメラが搭載された場合において、例えばガードレール付近に歩行者が存在している場合には、単眼カメラでガードレール付近の歩行者を撮影できないことが生じうる。一方、レーダセンサ22は、所定の強反射物の並びからガードレールを検出できる。そこで、レーダセンサ22によってガードレールが検出された際に、単眼カメラの苦手シーンであると判定する。そして、単眼カメラの苦手シーンにおいて、単眼カメラによりガードレールの内側に歩行者が検出され、かつその歩行者が内側向きの横速度を有している場合に、単眼カメラの苦手シーンが解消されたと判定する。この場合には、単眼カメラの苦手シーンが解消された後の所定時間以内に、例えば全身辞書で歩行者を検出できた場合に、衝突判定に要する時間を短縮し、全身辞書で歩行者を検出できない場合には、衝突判定に要する時間を短縮しない。

0074

・上記において、センサの苦手シーンが解消された際に検出された物体の種類に応じて、車両制御の作動時間を短縮するか否かが設定されてもよい。例えば、センサの苦手シーンが解消された後の所定時間以内に検出された物体が歩行者や車両等の移動体の場合には、車両制御の作動時間を短縮する短縮モードにする。一方、センサの苦手シーンが解消された後の所定時間以内に検出された物体がマンホール等の静止物の場合には、車両制御の作動時間を短縮しない通常モードに設定する。

0075

・上記において、物体の種類に応じて、苦手シーンを解消する際の判定閾値を変更してもよい。例えば、物体が歩行者の場合に比べて、移動速度の速い二輪車においては、苦手シーンを解消する際の判定閾値を低めに設定する。例えば、歩行者の場合には全身辞書による検出が必要であるのに対して、二輪車の場合には半身辞書による検出が行われた際に、苦手シーンが解消されたと判定してもよい。このようにすると、物体の種類に応じて、より適切にセンサの苦手シーンの解除を判定することができる。

0076

・上記において、センサの苦手シーンが解消された際に検出された物体の種類に応じて、車両制御の作動時間が短縮される度合いを可変設定してもよい。例えば、物体が歩行者の場合に比べて、移動速度の速い二輪車の場合における作動時間がより短縮されるようにする。以上のように物体の種類に応じて車両制御の作動時間を可変設定することで、センサの苦手シーンの解消に伴い検出された物体の種類に応じて、より適切なタイミングで車両制御を実施することができる。

0077

・上記において、車両の周囲に存在する物体を各々異なる方式で検出する検出部は3つ以上設けられていてもよい。例えば、画像センサ21、レーダセンサ22に加えて、ソナーやレーダ等を設けた構成であってもよい。

0078

・上記では、苦手シーンが解消されたと判定された後の所定時間以内に、苦手シーンであったセンサにより物体が検出されていれば車両制御を実施するまでの作動時間を短くしているが、この際の「所定時間」は、苦手シーンの種類や物体の種類に応じて可変設定されてもよい。例えば上記の「複数物体の位置関係に応じて発生する苦手シーン1」と、「複数物体の位置関係に応じて発生する苦手シーン2」の各々において「所定時間」を異なる値に設定する。また、物体が自車両の場合と歩行者の場合とで「所定時間」を異なる値に設定する。

0079

・上記では、苦手シーンが解消されたと判定された後の「所定時間以内」に、苦手シーンであったセンサにより物体が検出されていれば車両制御を実施するまでの作動時間を短くしているが、苦手シーンが解消された「時点」で、苦手シーンであったセンサにより物体が検出されていることを条件に、車両制御を実施するまでの作動時間が短く設定されるようにしてもよい。

0080

10…ECU、21…画像センサ、22…レーダセンサ、50…自車両。

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