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技術 電力設備変数計算装置および方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 佐藤綱規古川健太
出願日 2015年6月24日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-126198
公開日 2017年1月12日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-010343
状態 特許登録済
技術分野 特定用途計算機 交流の給配電
主要キーワード 電力方程式 各発電機出力 フラグ変数 各電力設備 接続構成情報 状態推定計算 相差角 ヤコビアン行列
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

電力系統における電力設備離散的状態変数と連続的な状態変数とを最適化する電力設備変数計算装置および方法を提供する。

解決手段

連続的状態変数と離散的状態変数を定める状態変数設定部11と、連続的状態変数と、離散的状態変数が取り得る値ごとに設定した複数のみなし連続的状態変数とを含み、複数のみなし連続的状態変数の値が所定の組み合わせになる複数の場合を統合した最適化問題を設定する最適化問題設定部12と、複数のみなし連続的状態変数の値が組み合わせになるという制約条件の下で最適化問題を解決する最適化問題解決部13と、を有す。

概要

背景

電力系統による需要家への電力供給では様々なパラメータを制御することにより電圧調整がされる。電力設備において制御可能なパラメータの中には、連続的な値を取るパラメータと、離散的な値を取るパラメータがある。離散的なパラメータとして、例えば、線路電気的な接続構成、LRTLoad Ratio Transformer)やSVR(Step Voltage Regulator)など電圧調整器タップ位置発電機の運転停止状態などがある。それらパラメータの制御においてはコストあるいは損失を最小化するために最適化問題解く演算が利用される。

現在の電力系統における状態の推定あるいは決定においては、線路の電気的な接続構成、変圧器の一次側と二次側の巻線比、発電機の運転/停止状態など、電力設備の離散的な状態を変数として扱いたい場合がある。

一例として、電力系統における潮流状態を推定するための最適化手法である状態推定計算を例にあげる。状態推定計算では、開閉器開閉状態などの接続構成情報離散値潮流計測情報は連続値として扱われている。このように離散値と連続値の両方が変数として定義される最適化計算は解を求めることが困難である。そのため、変化する頻度の少ない離散値は定数とみなし、連続値である潮流状態のみを変数として最適化計算を行う状態推定手法が多数開発されている。

これらの状態推定手法には次のような課題がある。すなわち、定数とみなした開閉器の開閉状態が計算実行時には変化してしまっていることがある。そのため推定誤差が過大となる場合や解が得られない場合がある。

このような問題に対して、線路の通電遮断状態の複数の組合せについて、あるいはその一部の組合せについて状態推定計算を行うという手法がある。それぞれの計算においては、線路の通電/遮断状態を定数とみなして計算を行うことができ、かつ、様々な組み合わせの状態を考慮した最適化を行うことができる。しかし、この手法では、線路の通電/遮断状態の組合せ数だけ繰り返し最適化計算を実行する必要があり、計算量が膨大となる。

概要

電力系統における電力設備の離散的な状態変数と連続的な状態変数とを最適化する電力設備変数計算装置および方法を提供する。連続的状態変数と離散的状態変数を定める状態変数設定部11と、連続的状態変数と、離散的状態変数が取り得る値ごとに設定した複数のみなし連続的状態変数とを含み、複数のみなし連続的状態変数の値が所定の組み合わせになる複数の場合を統合した最適化問題を設定する最適化問題設定部12と、複数のみなし連続的状態変数の値が組み合わせになるという制約条件の下で最適化問題を解決する最適化問題解決部13と、を有す。

目的

本発明の目的は、電力系統における電力設備の離散的な状態変数と連続的な状態変数とを最適化する好適な技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

電力設備状態変数最適化計算を行う電力設備変数計算装置であって、連続的状態変数と離散的状態変数を定める状態変数設定部と、前記連続的状態変数と、前記離散的状態変数が取り得る値ごとに設定した複数のみなし連続的状態変数とを含み、前記複数のみなし連続的状態変数の値が所定の組み合わせとなる複数の場合を統合した最適化問題を設定する最適化問題設定部と、前記複数のみなし連続的状態変数の値が前記組み合わせになるという制約条件の下で前記最適化問題を解決する最適化問題解決部と、を有する電力設備変数計算装置。

請求項2

前記組み合わせは、前記複数のみなし連続的状態変数のうちいずれか1つ以外が全てゼロという組合せである、請求項1に記載の電力設備変数計算装置。

請求項3

前記最適化問題設定部は、前記離散的状態変数を前記取り得る値に固定した目的関数を、前記複数のみなし連続的状態変数がいずれか1つ以外が全てゼロの各場合を全て統合するように改良する、請求項2に記載の電力設備変数計算装置。

請求項4

前記最適化問題設定部は、複数N個の状態を取りうる離散的状態変数に対して、前記複数N個の状態の各々に対応する複数N個のフラグ変数F1〜FNを前記みなし連続的状態変数として定め、前記フラグ変数F1〜FNの中のいずれか1つ以外が全てゼロとなる各場合を含むように前記最適化問題を設定する、請求項2に記載の電力設備変数計算装置。

請求項5

前記フラグ変数F1〜FNについての前記制約条件が式(A)と式(B)で表わされる、請求項4に記載の電力設備変数計算装置。

請求項6

前記最適化問題設定部は、前記電力設備に含まれる線路についての通電遮断の各状態を示す離散的状態変数に対するみなし連続的状態変数として、取り得る値が(F1,F2)=(0,1)または(1,0)である、遮断状態に対応するフラグ変数F1と通電状態に対応するフラグ変数F2に基づいて、前記最適化問題を設定する、請求項4に記載の電力設備変数計算装置。

請求項7

前記最適化問題設定部は、前記線路の前記通電状態における電力方程式と前記遮断状態における電力方程式を統合し、前記電力方程式を含む目的関数を設定する、請求項6に記載の電力設備変数計算装置。

請求項8

前記目的関数は、前記線路の通電状態と遮断状態で変化する電力方程式の変化で要素が離散的に変化するヤコビアン行列により最小化問題表現される関数である、請求項7に記載の電力設備変数計算装置。

請求項9

前記最適化問題設定部は、前記電力設備に含まれる、巻線比タップ位置により変更可能な変圧器についての各タップ位置を示す離散的状態変数に対するみなし連続的状態変数として、取り得る値が(F1,F2,F3)=(0,0,1)、(0,1,0)、または(1,0,0)である、現在のタップ位置に対応するF2と前記現在のタップ位置の両側のタップ位置にそれぞれ対応するF1およびF3とに基づいて、前記最適化問題を設定する、請求項4に記載の電力設備変数計算装置。

請求項10

前記最適化問題設定部は、前記電力設備に含まれる開閉器についての閉状態開状態を示す離散的状態変数に対するみなし連続的状態変数として、取り得る値が(F1,F2)=(0,1)または(1,0)である、開状態に対応するフラグ変数F1と閉状態に対応するフラグ変数F2に基づいて、前記最適化問題を設定する、請求項4に記載の電力設備変数計算装置。

請求項11

前記最適化問題設定部は、前記電力設備から取得された連続的な状態の計測値と離散的な状態の設定値の一方または両方を定数として統合するように前記最適化問題に適用する、請求項1に記載の電力設備変数計算装置。

請求項12

前記電力設備から取得された連続的な状態の計測値を収集し、それらが取得された時刻の情報と共に記憶する記憶部を更に有し、前記最適化問題設定部は、同一の時刻断面における前記計測値を前記最適化問題に適用する、請求項11に記載の電力設備変数計算装置。

請求項13

前記最適化問題設定部は、前記電力設備の状態値について過去に取得されたデータの変化の頻度に基づいて、どの状態値を定数としどの状態値を変数とするかを決定する、請求項11に記載の電力設備変数計算装置。

請求項14

電力設備の状態変数の最適化計算を行うための電力設備変数計算方法であって、状態変数設定手段が、連続的状態変数と離散的状態変数を定め、最適化問題設定手段が、前記連続的状態変数と、前記離散的状態変数が取り得る値ごとに設定した複数のみなし連続的状態変数とを含み、前記複数のみなし連続的状態変数の値が所定の組み合わせになる複数の場合を統合した最適化問題を設定し、最適化問題解決手段が、前記複数のみなし連続的状態変数の値が前記組み合わせになるという制約条件の下で前記最適化問題を解決する、電力設備変数計算方法。

請求項15

前記組み合わせは、前記複数のみなし連続的状態変数のうちいずれか1つ以外が全てゼロという組み合わせである、請求項14に記載の電力設備変数計算方法。

技術分野

0001

離散的状態変数と連続的な状態変数を含む電力系統電力設備が示す変数を最適化する技術に関する。

背景技術

0002

電力系統による需要家への電力供給では様々なパラメータを制御することにより電圧調整がされる。電力設備において制御可能なパラメータの中には、連続的な値を取るパラメータと、離散的な値を取るパラメータがある。離散的なパラメータとして、例えば、線路電気的な接続構成、LRTLoad Ratio Transformer)やSVR(Step Voltage Regulator)など電圧調整器タップ位置発電機の運転停止状態などがある。それらパラメータの制御においてはコストあるいは損失を最小化するために最適化問題解く演算が利用される。

0003

現在の電力系統における状態の推定あるいは決定においては、線路の電気的な接続構成、変圧器の一次側と二次側の巻線比、発電機の運転/停止状態など、電力設備の離散的な状態を変数として扱いたい場合がある。

0004

一例として、電力系統における潮流状態を推定するための最適化手法である状態推定計算を例にあげる。状態推定計算では、開閉器開閉状態などの接続構成情報離散値潮流計測情報は連続値として扱われている。このように離散値と連続値の両方が変数として定義される最適化計算は解を求めることが困難である。そのため、変化する頻度の少ない離散値は定数とみなし、連続値である潮流状態のみを変数として最適化計算を行う状態推定手法が多数開発されている。

0005

これらの状態推定手法には次のような課題がある。すなわち、定数とみなした開閉器の開閉状態が計算実行時には変化してしまっていることがある。そのため推定誤差が過大となる場合や解が得られない場合がある。

0006

このような問題に対して、線路の通電遮断状態の複数の組合せについて、あるいはその一部の組合せについて状態推定計算を行うという手法がある。それぞれの計算においては、線路の通電/遮断状態を定数とみなして計算を行うことができ、かつ、様々な組み合わせの状態を考慮した最適化を行うことができる。しかし、この手法では、線路の通電/遮断状態の組合せ数だけ繰り返し最適化計算を実行する必要があり、計算量が膨大となる。

先行技術

0007

特開2008−253076号公報
特開2003−235180号公報

発明が解決しようとする課題

0008

上記に例示した状態推定計算方法を含め、電力系統の最適化問題において離散的な状態変数と連続的な状態変数を同時に最適化する様々な手法が提案されている。それらの手法は大別すると、離散的な状態変数を定数とみなして解く手法と、離散的な状態変数が取り得る値の組合せあるいはその一部の組合せについて演算を行なう手法の2種類に分類される。それら2種類は一長一短がありそれぞれに問題がある。

0009

離散的な状態変数を定数とみなして計算を行う手法の問題として、離散的な状態変数を定数とみなしたことによって真の最適解を求めることが出来ない場合があるという問題がある。

0010

また、離散的な状態変数が取り得る値の組合せについて演算を行なう手法は、計算量が膨大となり計算に要する時間が長時間になってしまうという問題や、演算した全ての組合せの中から最適解が得られない場合があるという問題がある。

0011

このように、電力設備の離散的な状態変数と、計測誤差発電機出力などの電力設備の連続的な状態変数とを同時に最適化することは容易なことではない。

0012

本発明の目的は、電力系統における電力設備の離散的な状態変数と連続的な状態変数とを最適化する好適な技術を提供することである。

課題を解決するための手段

0013

本発明の一つの実施態様に従う電力設備変数計算装置は、電力設備の状態変数の最適化計算を行う電力設備変数計算装置であって、連続的状態変数と離散的状態変数を定める状態変数設定部と、前記連続的状態変数と、前記離散的状態変数が取り得る値ごとに設定した複数のみなし連続的状態変数とを含み、前記複数のみなし連続的状態変数の値が所定の組み合わせとなる複数の場合を統合した最適化問題を設定する最適化問題設定部と、前記複数のみなし連続的状態変数の値が前記組み合わせになるという制約条件の下で前記最適化問題を解決する最適化問題解決部と、を有している。

発明の効果

0014

本発明によれば、離散的状態変数と連続的状態変数とを有する電力設備について、連続的状態変数を離散的状態変数と仮想的にみなすことで、連続的状態変数のみの最適化問題と同様に計算することが可能となる。

図面の簡単な説明

0015

電力系統の状態を管理する計算装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
本実施形態による計算装置の機能的構成を示すブロック図である。
本実施形態における電力系統の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の計算装置による処理の流れを示すフローチャートである。
通電状態の線路の等価回路モデルを示す図である。
通電状態と遮断状態の切り替えが行われる線路の等価回路モデルを示す図である。
タップ位置の切り替えが可能な変圧器が存在する線路の等価回路モデルを示す図である。

実施例

0016

本発明の実施形態について図面を参照して説明する。

0017

図1は、電力系統の状態を管理する計算装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1を参照すると、計算装置10は、発電、送電変電、需要家などの各電力設備を含む電力系統20に接続されている。

0018

計算装置10は、通信部102、記憶部103、計算部104、および出力部105を有している。本実施形態では電力系統20の状態を推定する装置である計算装置10が例示される。

0019

電力系統20には様々な設備(不図示)が含まれ、それら設備には状態を計測する計測器(不図示)が設置されている。それら計測器は、例えば一定時間間隔など任意の時刻断面における計測情報を取得し、計算装置10の通信部102に通知する。計測情報は例えば各部の電圧値電流値位相等である。計測情報は通信部102から記憶部103に送られ、そこで記憶される。

0020

記憶部103には、取得された計測情報の他に、予め記憶されている電力系統20の設備の設定情報なども記憶されている。電力系統20の設備の設定情報は例えば、線路のインピーダンス、変圧器のタップ位置などである。記憶部103に記憶されている計測情報および設定情報は共に計算部104に送られる。

0021

計算部104は、設備の離散的状態変数と連続的状態変数を最適化する最適化計算を実施し、計算結果を記憶部103に記録するとともに、出力部105に送る。離散的状態変数は、例えば上述した設定情報である。連続的状態変数は、例えば電力潮流の電圧値、電流値、および位相などである。

0022

計算部104は、設備の離散的状態変数と電力潮流状態の連続的状態変数を最適化する最適化計算を実施し、計算結果を記憶部103に記録するとともに、出力部105に送る。出力部105は、その後、例えば設定情報の最適値を電力系統20の設備に反映させる。

0023

上述したような、計算部104による最適化計算は式(1)のように定式化される。

0024

0025

関数fは状態推定計算の目的関数であり、関数Kは制約条件を表わしている。計算部104は、式(1)により、一部の変数の値を推定するとともに目的関数fで表わされた所望の指標を最小化するように他の変数の最適な値を算出する。その計算には制約条件Kが課される。目的関数は電力系統20の最適化計算において連続的状態変数となりうる、電圧V、電流I、有効電力P、無効電力Qの一部または全てのベクトルと、連続的な変数ベクトルF0,F1,…,FNとを含む関数である。以降では、F0,F1,…,FNをフラグ変数と呼ぶ。本実施形態では、離散的状態変数を連続的状態変数と仮定してその解を求めるという手法が用いられる。

0026

以下では、仮定した連続的状態変数を、みなし連続的状態変数と言う場合がある。

0027

フラグ変数F0,F1,…,FNは、離散的状態変数の取り得る値の各々をフラグで表わしている。そのため、フラグ変数F0,F1,…,FNの数Nは、その離散的変数が取り得る状態の最大の個数である。フラグ変数F0,F1,…,FNのいずれか1つ(例えばk番目の要素)のみが、ある取り得る状態に収束し、その他残りのフラグ変数が0に収束する。このフラグ変数に関する制約条件の例を式(2)と式(3)に示す。この制約条件では、F0,F1、F2,…,FNのいずれか1つのみが1に収束し、残りが0に収束する。

0028

0029

図2は、本実施形態による計算装置の機能的構成を示すブロック図である。計算装置10は、状態変数設定部11、最適化問題設定部12、および最適化問題解決部13を有している。状態変数設定部11、最適化問題設定部12、および最適化問題解決部13の主要部分は記憶部103に格納されているソフトウェアプログラムを計算部104が実行することにより実現される。

0030

状態変数設定部11は、電力系統20の状態変数の中から計算対象とする連続的状態変数と離散的状態変数を定める。

0031

最適化問題設定部12は、連続的状態変数と、離散的状態変数が取り得る値ごとに設定した複数のみなし連続的状態変数とを含み、複数のみなし連続的状態変数の値が所定の組わせになる複数の場合を統合した最適化問題を設定する。一例として、所定の組み合わせは、複数のみなし連続的状態変数のうちいずれか1つ以外が全てゼロである。

0032

最適化問題解決部13は、その複数のみなし連続的状態変数の値がその組み合わせになるという制約条件の下で最適化問題を解決する。

0033

これによれば、離散的状態変数と連続的状態変数とを有する電力設備について、連続的状態変数を離散的状態変数と仮想的にみなすことで、連続的状態変数のみの最適化問題と同様に計算することが可能となる。

0034

その際、最適化問題設定部12は、離散的状態変数を取り得る値に固定した目的関数を、複数のみなし連続的状態変数がいずれか1つ以外が全てゼロの各場合を全て統合するように改良する。これによれば、まず離散的状態変数を各取りうる値に固定した目的関数を定め、それらの目的関数を統合するので、容易に最低化問題を設定することができる。

0035

また、最適化問題設定部12は、複数N個の状態を取りうる離散的状態変数に対して、複数N個の状態の各々に対応する複数N個のフラグ変数F1〜FNをみなし連続的状態変数として定め、フラグ変数F1〜FNの中のいずれか1つ以外が全てゼロとなる各場合を含むように最適化問題を設定する。フラグ変数を導入することにより、複数N個の状態を取りうる離散的状態変数をみなし連続的状態変数として最適化問題を設定し、その最適化問題を離散値に収束するような制約条件を課すことが可能となっている。

0036

フラグ変数F1〜FNについての制約条件が上述した式(2)および式(3)で表わされる。これによれば、簡潔な式で表現された制約条件を用いるので、みなし連続的状態変数を簡潔な式の適用で最適化問題を計算することができる。

0037

図3は、本実施形態における電力系統の概略構成を示すブロック図である。電力系統20には、開閉器21、変圧器22、発電機23、および線路24が含まれている。開閉器21は不図示の線路に設置されており、外部からの操作により開閉する。開閉器21が開状態では線路は遮断される。開閉器21が閉状態では線路は通電される。変圧器22は、一次側と二次側の巻線比が異なる複数のタップ位置が選択可能である。発電機23は、水力火力原子力などで発電する。発電機23が起動および停止が可能であり、また起動状態における発電量を制御することができる。線路24は通電および遮断が可能な例えば配電用の線路である。

0038

最適化問題設定部12は、線路24についての通電と遮断の各状態を示す離散的状態変数に対するみなし連続的状態変数として、取り得る値が(F1,F2)=(0,1)または(1,0)である遮断状態に対応するフラグ変数F1と通電状態に対応するフラグ変数F2を設定し、それらフラグ変数F1、F2を用いて最適化問題を設定する。最適化問題の設定においては例えば目的関数および制約条件が定められる。これによれば、通電と遮断の2つの状態を取りうる線路24の各状態をフラグ変数F1、F2で表わして最適化問題を設定するので、線路24を含む電力設備の状態の最適化を容易に行うことができる。

0039

また、最適化問題設定部12は、線路24の通電状態における電力方程式と遮断状態における電力方程式を統合し、それら電力方程式を含む目的関数を設定する。これによれば、線路24の各状態にける電力方程式を用い、それらを統合することで最適化問題を容易に設定することができる。

0040

また、線路24の通電状態における電力方程式と遮断状態における電力方程式は線路24を含む電力設備の目的関数に含まれる方程式である。目的関数は、線路24の通電状態と遮断状態で変化する電力方程式の変化で要素が離散的に変化するヤコビアン行列により最小化問題が表現される関数である。

0041

また、最適化問題設定部12は、一次側と二次側の巻線比をタップ位置により変更可能な変圧器22についての各タップ位置を示す離散的状態変数に対するみなし連続的状態変数として、取り得る値が(F1,F2,F3)=(0,0,1)、(0,1,0)、または(1,0,0)である、現在のタップ位置に対応するF2と前記現在のタップ位置の両側のタップ位置にそれぞれ対応するF1およびF3を設定し、それらフラグ変数F1、F2、F3に基づいて最適化問題を設定することにしてもよい。これによれば、3つ以上の状態を取りうる変圧器22の次に取りうる状態を3つのフラグ変数F1、F2、F3で表わして最適化問題を設定するので、変圧器を含む電力設備の状態を容易に最適化することができる。

0042

なお、ここでは現在のタップ位置の次に取り得る3つのタップ位置に対してフラグ変数を設定したが、他の例として、変圧器22が有する全てのタップ位置に対してフラグ変数を設定してもよい。例えば、タップ位置が6個であれば、6個のフラグ変数F0,F1,・・・,F5を設定してもよい。

0043

また、最適化問題設定部12は、開閉器21についての閉状態と開状態を示す離散的状態変数に対するみなし連続的状態変数として、取り得る値が(F1,F2)=(0,1)または(1,0)である、開状態に対応するフラグ変数F1と閉状態に対応するフラグ変数F2を設定し、それらフラグ変数F1、F2を用いて最適化問題を設定してもよい。これによれば、閉状態と開状態の2つの状態を取りうる開閉器21の各状態をフラグ変数F1、F2で表わして最適化問題を設定するので、開閉器21を含む電力設備の状態を容易に最適化することができる。

0044

また、最適化問題設定部12は、電力設備から取得された連続的な状態の計測値と離散的な状態の設定値の一方または両方を定数として統合するように最適化問題に適用する。これによれば、離散的状態変数と一部の連続的状態変数について電力設備から得られる値を最適化問題に適用することにより、得られていない状態変数の値だけを推定の対象とすることができる。

0045

また、記憶部103は、電力設備から取得された連続的な状態の計測値を収集し、それらが取得された時刻の情報と共に記憶する。最適化問題設定部12は、同一の時刻断面における計測値を最適化問題に適用する。計測値を時刻の情報と共に蓄積し、同一の時刻断面の情報を最適化問題に適用するので、取得されるタイミングが異なる変数が存在しても時刻がそろった情報により良好な計算を行うことが可能である。

0046

また、最適化問題設定部12は、電力設備の状態値について過去に取得されたデータの変化の頻度に基づいて、どの状態値を定数としどの状態値を変数とするかを決定することしてもよい。状態変化の少ない状態値を定数とすることにより変数を削減し、計算を容易化することができる。

0047

図4は、本実施形態の計算装置による処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す各処理は主に計算部104により実行される。

0048

まず、計算装置10は、電力系統20電力設備の情報を基に離散的状態変数を抽出する(ステップS101)。次に、計算装置10は、同様に電力系統20の電力設備の情報を基に連続的状態変数を抽出する(ステップS102)。ここで、離散的状態変数および連続的状態変数を含む電力系統20の電力設備の情報に基づいて目的関数を決定することができる。

0049

続いて、計算装置10は、離散的状態変数を仮想的に連続的状態変数とし、離散的状態変数が取り得る値に対応する複数のフラグ変数を設定し、その複数のフラグ変数が取り得る値の組み合わせに基づく制約条件を設定する(ステップS103)。更に、計算装置10は、改良した目的関数を設定する(ステップS104)。この改良した目的関数は、制約条件を含むように改良されたものである。そして、最後に、計算装置10は、改良した目的関数の計算を行う(ステップS105)。

0050

ここまで本発明の実施形態について概略説明したが、以下、幾つかの実施例を取り上げて目的関数等について具体的に説明する。
(第1の実施例)

0051

第1の実施例におけるシステムおよび装置の構成は上述した実施形態のものと同様である。

0052

本実施例の計算装置10は計測誤差の最小化問題を解決する計算を行う。また、本実施例の計算装置10は、電圧V、電流I、有効電力P、および無効電力Qという連続的状態変数と、線路の通電/遮断状態という離散的状態変数との最適化を解決して状態推定を行う。線路の通電/遮断状態という離散的状態変数は、通電状態と遮断状態という2つの状態を持つので、それを連続的状態変数とみなすためにフラグ変数F0、F1を定義する。このフラグ変数F0、F1は、式(2)によって、一方が1に他方が0に収束する。

0053

ここでは(F0,F1)=(1,0)であれば遮断状態であり、(F0,F1)=(0,1)であれば通電状態となるとし、連続的状態変数P、Q、V、I、F0、F1を最適化する計算を行う。

0054

最適化問題設定部12は、状態推定計算の目的関数としては既存の目的関数を用い、上述したフラグ変数F0、F1を用いてその目的関数を改良する。既存の目的関数の例としては、Ali Abur,Antonio Gomez Exposito,”Power System Estimation”,CRCPress, 2004, pp9−29に記載されている状態推定計算の目的関数がある。

0055

本実施例における改良前の目的関数は式(4)のものを用いる。

0056

0057

ここでHはヤコビアン行列である。また、Rは電圧V、有効電力P、無効電力Qという連続的状態変数のそれぞれの誤差を要素とするベクトルである。

0058

式(4)の目的関数においては、離散的状態変数である電力系統20の任意の2点間にある線路の通電/遮断状態が変化すると、式(4)のヤコビアン行列の各要素が離散的に変化する。それは任意の2点間にある線路(電力回路)の方程式、すなわち電力方程式が変化するためである。そのため、本実施例では、既存の目的関数における電力方程式の部分をフラグ変数F0、F1を用いて改良する。以下にその詳細を説明する。

0059

線路の電力方程式を通電状態のときと遮断状態のときに分けて考える。

0060

まず、線路が通電状態であるときの電力方程式について説明する。図5は、通電状態の線路の等価回路モデルを示す図である。図5におけるノード#i 202とノード#j 205の間の電力回路は、一般的な線路の電力方程式である。伝送線路分布定数モデルにより、この線路の等価回路抵抗成分203(gij)と、インダクタンス成分204(jbij)と、容量成分207(gsi+jbsi)、208(gsj+jbsj)とを含んでいる。この等価回路は、有効電力を示す式(5)の電力方程式と、無効電力を示す式(6)の電力方程式によって表される。

0061

0062

式(5)、(6)における各パラメータは次の通りである。
Pij :ノード#iからノード#jに向かって流れる有効電力
Qij :ノード#iからノード#jに向かって流れる無効電力
Vi :ノード#iの電圧
Vj :ノード#jの電圧
θij :ノード#iとノード#jの間の相差角
gij :ノード#iとノード#jの間のコンダクタンス
bij :ノード#iとノード#jの間のサセプタンス
gsi :ノード#iと大地の間のコンダクタンス
bsi :ノード#iと大地の間のサセプタンス

0063

一方で、線路が遮断状態であるときは、式(7)に示すように、2ノード間の有効電力および無効電力は0となる。そのため、遮断状態では、式(5)と式(6)の電力方程式における全てのコンダクタンスとサセプタンスは0として扱われる。線路が遮断状態におけるコンダクタンスとサセプタンスが0である状態は式(8)のように表わされる。

0064

0065

線路の通電/遮断状態という離散的状態変数を目的関数の変数とするためには,通電状態における有効電力の電力方程式である式(5)と無効電力の電力方程式である式(6)に、遮断状態を表わす式(7)および式(8)を含ませる定式化が必要である。本実施例では、通電状態と遮断状態を含んだ有効電力の電力方程式として式(9)を定義し、同じく通電状態と遮断状態を含んだ無効電力の電力方程式として式(10)を定義する。

0066

0067

ここで、(F0,F1)は式(2)の制約条件によって(1,0)または(0,1)に収束する連続的な変数である。

0068

図6は、通電状態と遮断状態の切り替えが行われる線路の等価回路モデルを示す図である。フラグ変数F0、F1を含む線路の等価回路は、図6に示すとおり、通電状態と遮断状態の2つの等価回路301、302を並列接続した回路となる。そして、フラグ変数F0、F1は線路の通電状態と遮断状態をそれぞれ表わしているので、(F0,F1)は(0,1)または(1,0)のいずれかに収束する。

0069

(F0,F1)が(0,1)になれば、図6におけるF1側の等価回路が無くなり、通電状態の式(5)と式(6)が線路の電力方程式となる。一方、(F0,F1)が(1,0)になればF1側の等価回路がなくなり、遮断状態の式(7)と式(8)が線路の電力方程式となる。式(9)と式(10)は、このように通電状態と遮断状態で図6のF1側の等価回路とF2側の等価回路が切り替わるという線路の状態の変化を表現するように改良されている。

0070

最適化問題解決部13は、式(9)および式(10)に示された改良後の電力方程式を含む目的関数の最適化問題を解決することにより、線路の通電/遮断状態を推定すると同時に計測誤差の最小化を実現する。

0071

以上説明したように、本実施例によれば、通電状態と遮断状態という離散的な状態を取り得る線路を含む電力系統20の最適化問題の計算において、計測誤差を最小化する目的関数における線路の電力方程式の部分をフラグ変数を用いて仮想的に連続的状態変数とみなして目的関数を改良し、改良した目的関数を用いて最適化問題の計算を行うので、離散的状態変数の推定と、計測誤差の最小化を同時に行うことができる。
(第2の実施例)

0072

第2の実施例におけるシステムおよび装置の構成は上述した実施形態と同様である。

0073

本実施例の計算装置10は、第1の実施例と同様に計測誤差を目的関数としてその最小化問題を解決する計算を行う。目的関数には、第1の実施例と同様に、電圧V、有効電力P、無効電力Qという連続的状態変数のそれぞれの誤差を要素とするベクトルである。また、本実施例の計算装置10は、第1の実施例と同様に連続的状態変数と離散的状態変数の最適化を行うが、離散的状態変数として変圧器のタップ位置が含まれている。

0074

本実施例における変圧器のタップ位置は、通常、第1の実施例に示した線路の通電/遮断状態と異なり、取り得る状態が3個以上存在する。図7は、タップ位置の切り替えが可能な変圧器が存在する線路の等価回路モデルを示す図である。離散的状態変数である変圧器のタップ位置を連続的状態変数とみなすために。例えば変圧器の3つのタップ位置に対応するF0、F1、およびF2という3個のフラグ変数を定義する。

0075

フラグ変数F0、F1、F2を含む変圧器の等価回路は、図7に示すとおり、各タップ位置に相当擦る3つの等価回路401、402、403を並列接続した回路となる。変圧器のタップ位置は択一的に選択されるので、フラグ変数F0、F1、F2は、式(2)により、いずれか1つが1に収束し、他の2つのが0に収束する。

0076

このフラグ変数F0、F1、F2を用いて、上述した計測誤差を示す目的関数を改良する。その際、目的関数における電力方程式の部分にフラグ変数F0、F1.F2を導入し、そのフラグ変数が(F0,F1,F2)=(1,0,0)または(0,1,0)または(0,0,1)に収束するという制約条件を満たすように改良する。

0077

さらに、改良した目的関数を用いて連続的状態変数P、Q、V、I、F0、F1,F2を最適化する計算を行う。この計算により、計測誤差を最小化するとともに、離散的状態変数を推定することができる。

0078

以上説明したように、本実施例によれば、変圧器のタップ位置という離散的な状態を取り得る設備を含む電力系統20の最適化問題の計算において、計測誤差を最小化する目的関数における線路の電力方程式の部分をフラグ変数を用いて仮想的に連続的状態変数とみなして目的関数を改良し、改良した目的関数を用いて最適化問題の計算を行うので、変数の推定と、計測誤差の最小化を同時に行うことができる。
(第3の実施例)

0079

第3の実施例におけるシステムおよび装置の構成は上述した実施形態と同様である。第3の実施例では,フラグ変数をベクトルとして扱うことで複数設備の推定を実施する。本実施例の電力系統20は、第1の実施例に示した通電/遮断状態をとる線路と、第2の実施例に示したタップ位置が変更可能な変圧器のどちらも含む構成である。

0080

また、本実施例の電力系統20には、設定された状態が計測によって取得できる設備が含まれているものとする。例えば、複数の線路に開閉器が設置されており、その一部の開閉器は開閉状態が計測されているとする。その場合、開閉状態が計測により取得できる線路については取得された状態を用い、状態を取得できない線路の状態をフラグ変数を用いた推定の対象とすればよい。例えば,開閉器#Aに対応するフラグ変数をF0(A),F1(A)とする。開閉器#Aの状態が取得される線路については、開閉器が開状態であれば第1の実施例に示した遮断状態であるとみなし、(F0(A),F1(A))=(0,1)を変数ではなく定数として計算を行えばよい。また、開閉器が閉状態であれば第1の実施例に示した通電状態であるとみなし、(F0(A),F1(A))=(1,0)を変数ではなく定数として計算を行えばよい。

0081

また、本実施例の電力系統20には、設定されたタップ位置が計測により取得できる変圧器が含まれているものとする。例えば、複数の線路に変圧器が設置されており、その一部の変圧器はタップ位置が計測されているとする。その場合、タップ位置の状態が計測により取得できる変圧器については取得された状態を用い、状態を取得できない変圧器の状態をフラグ変数を用いた推定の対象とすればよい。タップ位置の状態が取得される線路については、例えば、変圧器#Bにおいて選択されたタップ位置が1であれば(F0(B)、F1(B),F2(B))=(1,0,0)に収束するとることができる。同様に、選択されたタップ位置が2であれば(F0(B)、F1(B),F2(B))=(0,1,0)に収束するとすることができる。選択されたタップ位置が3であれば(F0(B)、F1(B),F2(B))=(0,0,1)に収束するとることができる。

0082

また、どの線路の状態およびどの変圧器のタップ状態を推定の対象とし、どの線路の状態およびどの変圧器のタップ状態を定数とするかは、ビッグデータ活用により決定することができる。例えば、過去の所定期間に計測され蓄積された開閉器の開閉状態あるいは変圧器のタップ位置の設定状態のデータから、電力系統20における線路や変圧器といった設と類似した状態の設備を抽出し、過去のデータにおいて頻繁に状態が変化している設備の状態を変数とし、変化の少ない設備の状態を定数として扱うことにしてもよい。そうすることにより、状態の変化の仕方が異なる様々な設備を含む電力系統20の状態推定計算を効率よく良好に実施することができる。
(第4の実施例)

0083

第4の実施例では、複数の発電機によって電力を供給するシステムにおいて、各発電機の起動、停止、および出力といった状態を決定する起動停止問題について例示する。

0084

起動停止問題では、需給バランス、発電機出力の上限および下限、発電機の停止に要する時間、予備力、などが制約条件となる。そして、起動停止問題では発電コストが最小となるように各発電機の状態を決定する。

0085

起動停止問題を解く一般的な方法として等λ法がある。本実施例における発電機の状態を決定する方法は、発電機の起動および停止という離散的状態変数を連続的状態変数と仮定することにより、この等λ法の解法を改良する。

0086

全発電機が常に起動状態であると仮定すれば、発電機の起動および停止という離散的状態変数を考えなくてよい。まずは、本実施例の前にその場合について説明する。

0087

(N+1)台の発電機の起動停止問題について最も一般的な目的関数として式(11)がある。

0088

0089

式(11)に含まれる各パラメータは次の通りである。
Fi(Pi):発電機#iにおける燃料費
λ:系統増分費
Pi:発電機#iにおける有効電力出力
P:負荷電力の総和

0090

一般に、等λ法では、各発電機の増分費が等しくなるように各発電機出力を決定すると、発電コストが最小となるので、式(11)に示す目的関数の最適な解は式(12)を満たすこととなる。すなわち、式(12)によって、各発電機の増分燃料費dFi/dPiが等しくなるように各発電機を出力を決定すればよい。

0091

0092

以上が全ての発電機を起動状態と仮定した場合の等λ法による解法である。

0093

一方、本実施例では、発電機の起動および停止を考慮して各発電機の最適な出力を決定する。本実施例は、発電機出力という連続的状態変数と、発電機の起動および停止、すなわち発電機出力の有無という離散的状態変数とを同時に決定するものである。

0094

その際、離散的状態変数を連続的状態変数と仮定することにより、上述した等λ法の解法を改良する。式(11)に発電機の出力の有無という離散的状態変数を追加し、フラグ変数を用いることで、その離散的状態変数を連続的状態変数と仮定する。そうすると、起動停止問題に式(13)の目的関数を定義することができる。

0095

0096

なお、本実施例では、発電機の燃料費を表わす関数Fとの混同を避けるため、式(13)においてフラグ変数を小文字のfiで記載している。fi1は起動状態で真となるフラグ変数であり、fi2は停止状態で真となるフラグ変数である。

0097

フラグ変数の偏微分は0であることから、等λ法の条件を用いると、式(13)の目的関数は式(14)を満たすことになる。

0098

0099

ここで、起動する必要のある発電機の台数をKとすると、式(13)に示した目的関数は式(15)に置き換えることができる。

0100

0101

この式(15)の目的関数を制約条件と合わせて解くことによって、各発電機の出力の有無と有効電力出力とを同時に決定することができる。

0102

本実施例によれば、発電機の起動および停止の状態という離散的状態変数を連続的状態変数と仮定して制約条件を課して解決することにより、複数の発電機の起動停止問題における発電機の起動および停止と出力とを同時に最適化することができる。
(第5の実施例)

0103

第5の実施例では、ノード間に開閉器が設けられた配電系統における各開閉器の開閉状態を最適化する問題を例示する。この種の配電系統における開閉器の開閉状態を最適化する問題は、配電線ロスを最小化する目的関数を解けばよい。

0104

以下、配電系統の配電線ロスは式(16)により示すことができる。

0105

0106

式(16)において、Pijはノード#iとノード#j間の配電線ロスを示している。Pijはノード#iとノード#j間の開閉器が閉状態の場合は式(5)で示され、開状態の場合には式(7)で示される。

0107

したがって、第1の実施例と同様の考え方で、フラグ変数を用いて離散的状態変数である開閉器の開閉状態を連続的変数と仮定すれば、式(5)と式(7)の代わりに、フラグ変数Fで表現した式(9)を用いることができる。

0108

式(9)を用いれば、式(16)の目的関数は式(17)という配電線ロスの最小化問題を定義することができる。

0109

0110

式(17)の最小化問題を制約条件と合わせて解くことによって、配電線ロスが最小化となる開閉器の開閉状態を求めることができる。

0111

以上、説明したように各実施形態および実施例によれば、状態推定計算、発電機出力の最適化計算、損失最小化計算等の最適化計算において、線路の通電/遮断状態、変圧器のタップ位置、開閉器の開閉状態などの離散的状態変数を連続的状態変数と扱うことによって、定義した目的関数が取り得る解の全組合せの中で最適な解を得ることが可能になる。また、第3の実施例に示したように使用するフラグ変数の数は任意に決めることが可能であるため、どのような離散的状態変数の取り得る値の個数が限定されることはなく、一部の組合せ数だけ最適化計算を試行するよりも高速な計算が可能である。よって、電力系統における最適化計算の計算速度向上に貢献できる。

0112

なお、上述した本発明の実施形態および実施例は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態や実施例のみに限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。

0113

10…計算装置、102…通信部、103…記憶部、104…計算部、105…出力部、11…状態変数設定部、12…最適化問題設定部、13…最適化問題解決部、20…電力系統、21…開閉器、22…変圧器、23…発電機、24…線路、202、205…ノード、203…抵抗成分、204…インダクタンス成分、207、208…容量成分、301、302…等価回路、401、402、403…等価回路

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