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技術 車両用空気調和装置

出願人 サンデン・オートモーティブクライメイトシステム株式会社
発明者 宮腰竜鈴木謙一山下耕平
出願日 2015年6月25日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-127497
公開日 2017年1月12日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-007593
状態 特許登録済
技術分野 車両用空気調和
主要キーワード 優先制御モード 簡易制御 リミット設定 内部サイクル 積分周期 制御上限 制御上限値 制御下限値
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図面 (11)

課題

除湿モードにおいて、制御性を確保しながら室外膨張弁温度上昇耐久性低下などの不都合を回避することができる車両用空気調和装置を提供する。

解決手段

圧縮機2から吐出された冷媒放熱器4にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器9及び室外熱交換器7にて吸熱させるか、若しくは、圧縮機2から吐出された冷媒を放熱器4及び室外熱交換器7にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器9にて吸熱させる除湿モードを実行する。コントローラは、除湿モードでは、室外膨張弁の制御の基礎とする指標目標値と実際の検出値とを比較し、それらの大小関係から室外膨張弁の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に一定の値変化させる簡易制御を実行する。

概要

背景

近年の環境問題顕在化から、ハイブリッド自動車電気自動車が普及するに至っている。そして、このような車両に適用することができる空気調和装置として、冷媒圧縮して吐出する圧縮機と、車室内側に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、車室内側に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、車室外側に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器を備え、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、この放熱器において放熱した冷媒を室外熱交換器において吸熱させる暖房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、放熱器において放熱した冷媒を吸熱器のみ、又は、この吸熱器と室外熱交換器において吸熱させる除湿暖房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器において放熱させ、吸熱器において吸熱させる冷房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外熱交換器において放熱させ、吸熱器において吸熱させる除湿冷房モードとを切り換え可能としたものが開発されている。

この場合、室外熱交換器の入口には室外膨張弁を設けられ、前述した暖房モードや除湿暖房モードでは、この室外膨張弁により室外熱交換器に流入する冷媒を減圧していた。そして、暖房モードでは放熱器の出口における冷媒の過冷却度目標値である目標過冷却度と実際の過冷却度に基づいて室外膨張弁の操作量を算出し、室外膨張弁の弁開度を細かく調整することで、過冷却度を目標過冷却度に制御(PI制御など)していた。

また、除湿暖房モードでは放熱器を出た冷媒を分流し、一方を減圧して吸熱器に流入させることで吸熱器にて冷媒を吸熱させ、他方は室外膨張弁で減圧して室外熱交換器に流入させることで冷媒を吸熱させるものであるが、この場合、吸熱器の温度の目標値である目標吸熱器温度と実際の吸熱器温度に基づいて室外膨張弁の操作量を算出することで、当該室外膨張弁の弁開度を細かく制御していた。

更に、除湿冷房モードでは放熱器の圧力(高圧側圧力)の目標値である目標放熱器圧力と実際の放熱器圧力に基づいて室外膨張弁の操作量を算出することで、当該室外膨張弁の弁開度を細かく制御していた(例えば、特許文献1参照)。

概要

除湿モードにおいて、制御性を確保しながら室外膨張弁の温度上昇耐久性低下などの不都合を回避することができる車両用空気調和装置を提供する。圧縮機2から吐出された冷媒を放熱器4にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器9及び室外熱交換器7にて吸熱させるか、若しくは、圧縮機2から吐出された冷媒を放熱器4及び室外熱交換器7にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器9にて吸熱させる除湿モードを実行する。コントローラは、除湿モードでは、室外膨張弁の制御の基礎とする指標の目標値と実際の検出値とを比較し、それらの大小関係から室外膨張弁の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に一定の値変化させる簡易制御を実行する。

目的

本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、除湿暖房や除湿冷房などの除湿モードにおいて、制御性を確保しながら室外膨張弁の温度上昇や耐久性低下などの不都合を回避することができる車両用空気調和装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

冷媒圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、該空気流通路に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、前記空気流通路に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、前記車室外に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器と、前記放熱器から流出した冷媒を減圧し、前記室外熱交換器に流入させる室外膨張弁と、制御手段とを備え、該制御手段により少なくとも、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、少なくとも前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる除湿モードとを切り換えて実行可能とされた車両用空気調和装置において、前記制御手段は、前記除湿モードでは、前記室外膨張弁の制御の基礎とする指標目標値と実際の検出値とを比較し、それらの大小関係から前記室外膨張弁の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に一定の値変化させる簡易制御を実行することを特徴とする車両用空気調和装置。

請求項2

前記制御手段は、前記暖房モードでは、前記放熱器の出口における冷媒の過冷却度の目標値である目標過冷却度と実際の過冷却度に基づいて前記室外膨張弁の操作量を算出し、前記過冷却度を前記目標過冷却度に制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。

請求項3

前記除湿モードは、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を分流し、一方を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させ、他方を前記室外膨張弁により減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させる除湿暖房モードを有し、前記制御手段は、前記除湿暖房モードでは前記指標として吸熱器温度を採用し、該吸熱器温度の目標値である目標吸熱器温度より、実際に検出された吸熱器温度が低い場合、前記室外膨張弁の弁開度を拡大する方向に一定の値変化させ、前記目標吸熱器温度より前記吸熱器温度が高い場合、前記室外膨張弁の弁開度を縮小する方向に一定の値変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空気調和装置。

請求項4

前記制御手段は、前記目標吸熱器温度より前記吸熱器温度が低い場合、前記室外膨張弁の弁開度を制御範囲の上限値とし、前記目標吸熱器温度より前記吸熱器温度が高い場合、前記室外膨張弁の弁開度を制御範囲の下限値とすることを特徴とする請求項3に記載の車両用空気調和装置。

請求項5

前記制御手段は、前記目標吸熱器温度と前記吸熱器温度とを比較し、それらの大小関係から前記室外膨張弁の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に制御範囲内で段階的に変化させることを特徴とする請求項3に記載の車両用空気調和装置。

請求項6

前記吸熱器の冷媒出口側に設けられ、当該吸熱器における冷媒の蒸発能力を調整するための蒸発能力制御弁を備え、前記制御手段は、前記室外膨張弁の弁開度が制御範囲の上限値となっていても前記吸熱器温度が前記目標吸熱器温度より低い状態が所定時間継続した場合、前記蒸発能力制御弁の弁開度の調整による吸熱器蒸発能力制御を実行することを特徴とする請求項3乃至請求項5のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。

請求項7

前記除湿モードは、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器及び室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる除湿冷房モードを有し、前記制御手段は、前記除湿冷房モードでは前記指標として放熱器圧力を採用し、該放熱器圧力の目標値である目標放熱器圧力より、実際に検出された放熱器圧力が低い場合、前記室外膨張弁の弁開度を縮小する方向に一定の値変化させ、前記目標放熱器圧力より前記放熱器圧力が高い場合、前記室外膨張弁の弁開度を拡大する方向に一定の値変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。

請求項8

前記制御手段は、前記目標放熱器圧力と前記放熱器圧力とを比較し、それらの大小関係から前記室外膨張弁の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に制御範囲内で段階的に変化させることを特徴とする請求項7に記載の車両用空気調和装置。

請求項9

前記制御手段は、前記除湿冷房モードでは吸熱器温度に基づいて前記圧縮機の能力を制御すると共に、前記室外膨張弁の弁開度が制御範囲の下限値となっていても前記放熱器圧力が前記目標放熱器圧力より低い状態が所定時間継続した場合、前記圧縮機の能力を増大させる放熱器温度優先制御を実行することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の車両用空気調和装置。

請求項10

前記制御手段は、前記室外膨張弁の制御ハンチングを抑制し、且つ、異常発熱を防止する範囲で当該室外膨張弁の動作幅及び動作待機時間を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項9のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。

技術分野

0001

本発明は、車両の車室内を空調するヒートポンプ方式空気調和装置、特にハイブリッド自動車電気自動車に適用可能な車両用空気調和装置に関するものである。

背景技術

0002

近年の環境問題顕在化から、ハイブリッド自動車や電気自動車が普及するに至っている。そして、このような車両に適用することができる空気調和装置として、冷媒圧縮して吐出する圧縮機と、車室内側に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、車室内側に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、車室外側に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器を備え、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、この放熱器において放熱した冷媒を室外熱交換器において吸熱させる暖房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、放熱器において放熱した冷媒を吸熱器のみ、又は、この吸熱器と室外熱交換器において吸熱させる除湿暖房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器において放熱させ、吸熱器において吸熱させる冷房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外熱交換器において放熱させ、吸熱器において吸熱させる除湿冷房モードとを切り換え可能としたものが開発されている。

0003

この場合、室外熱交換器の入口には室外膨張弁を設けられ、前述した暖房モードや除湿暖房モードでは、この室外膨張弁により室外熱交換器に流入する冷媒を減圧していた。そして、暖房モードでは放熱器の出口における冷媒の過冷却度目標値である目標過冷却度と実際の過冷却度に基づいて室外膨張弁の操作量を算出し、室外膨張弁の弁開度を細かく調整することで、過冷却度を目標過冷却度に制御(PI制御など)していた。

0004

また、除湿暖房モードでは放熱器を出た冷媒を分流し、一方を減圧して吸熱器に流入させることで吸熱器にて冷媒を吸熱させ、他方は室外膨張弁で減圧して室外熱交換器に流入させることで冷媒を吸熱させるものであるが、この場合、吸熱器の温度の目標値である目標吸熱器温度と実際の吸熱器温度に基づいて室外膨張弁の操作量を算出することで、当該室外膨張弁の弁開度を細かく制御していた。

0005

更に、除湿冷房モードでは放熱器の圧力(高圧側圧力)の目標値である目標放熱器圧力と実際の放熱器圧力に基づいて室外膨張弁の操作量を算出することで、当該室外膨張弁の弁開度を細かく制御していた(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0006

特開2014−94673号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ここで、前述した暖房モードでは室外膨張弁の弁開度により放熱器の冷媒流量を制限することで放熱器の出口の冷媒の過冷却度が付くため、室外膨張弁の弁開度の変更による過冷却度の変化は比較的大きい(感度が高い)。

0008

しかしながら、前述した除湿暖房モードでは室外膨張弁の弁開度により室外熱交換器と吸熱器に流入する冷媒流量比(冷媒の分流比)を変化させるものであるため、室外膨張弁の弁開度の変更による吸熱器温度の変化は比較的小さいものであった(感度が低い)。また、前述した除湿冷房モードでは室外膨張弁の弁開度はもともと大きめで制御されるため、室外膨張弁の弁開度の変更による放熱器圧力の変化は同様に比較的小さくなる(感度が低い)。

0009

一方で、室外膨張弁の操作量を算出して弁開度を細かく制御する方式では、室外膨張弁のコイルへの通電率が高くなることから室外膨張弁自体の温度上昇耐久性が問題となる。また、PI制御やPID制御のようなフィードバックロジックが必要となるため、制御ロジックが複雑化し、不具合を誘発する可能性も高くなる問題があった。

0010

本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、除湿暖房や除湿冷房などの除湿モードにおいて、制御性を確保しながら室外膨張弁の温度上昇や耐久性低下などの不都合を回避することができる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、この空気流通路に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、空気流通路に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、車室外に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器と、放熱器から流出した冷媒を減圧し、室外熱交換器に流入させる室外膨張弁と、制御手段とを備え、この制御手段により少なくとも、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、少なくとも圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させる除湿モードとを切り換えて実行可能とされたものであって、制御手段は、除湿モードでは、室外膨張弁の制御の基礎とする指標の目標値と実際の検出値とを比較し、それらの大小関係から室外膨張弁の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に一定の値変化させる簡易制御を実行することを特徴とする。

0012

請求項2の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御手段は、暖房モードでは、放熱器の出口における冷媒の過冷却度の目標値である目標過冷却度と実際の過冷却度に基づいて室外膨張弁の操作量を算出し、過冷却度を目標過冷却度に制御することを特徴とする。

0013

請求項3の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において除湿モードは、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を分流し、一方を減圧した後、吸熱器にて吸熱させ、他方を室外膨張弁により減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる除湿暖房モードを有し、制御手段は、この除湿暖房モードでは前記指標として吸熱器温度を採用し、この吸熱器温度の目標値である目標吸熱器温度より、実際に検出された吸熱器温度が低い場合、室外膨張弁の弁開度を拡大する方向に一定の値変化させ、目標吸熱器温度より吸熱器温度が高い場合、室外膨張弁の弁開度を縮小する方向に一定の値変化させることを特徴とする。

0014

請求項4の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御手段は、目標吸熱器温度より吸熱器温度が低い場合、室外膨張弁の弁開度を制御範囲の上限値とし、目標吸熱器温度より吸熱器温度が高い場合、室外膨張弁の弁開度を制御範囲の下限値とすることを特徴とする。

0015

請求項5の発明の車両用空気調和装置は、請求項3の発明において制御手段は、目標吸熱器温度と吸熱器温度とを比較し、それらの大小関係から室外膨張弁の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に制御範囲内で段階的に変化させることを特徴とする。

0016

請求項6の発明の車両用空気調和装置は、請求項3乃至請求項5の発明において、吸熱器の冷媒出口側に設けられ、当該吸熱器における冷媒の蒸発能力を調整するための蒸発能力制御弁を備え、制御手段は、室外膨張弁の弁開度が制御範囲の上限値となっていても吸熱器温度が目標吸熱器温度より低い状態が所定時間継続した場合、蒸発能力制御弁の弁開度の調整による吸熱器蒸発能力制御を実行することを特徴とする。

0017

請求項7の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において除湿モードは、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させる除湿冷房モードを有し、制御手段は、この除湿冷房モードでは前記指標として放熱器圧力を採用し、この放熱器圧力の目標値である目標放熱器圧力より、実際に検出された放熱器圧力が低い場合、室外膨張弁の弁開度を縮小する方向に一定の値変化させ、目標放熱器圧力より放熱器圧力が高い場合、室外膨張弁の弁開度を拡大する方向に一定の値変化させることを特徴とする。

0018

請求項8の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御手段は、目標放熱器圧力と放熱器圧力とを比較し、それらの大小関係から室外膨張弁の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に制御範囲内で段階的に変化させることを特徴とする。

0019

請求項9の発明の車両用空気調和装置は、請求項7又は請求項8の発明において制御手段は、除湿冷房モードでは吸熱器温度に基づいて圧縮機の能力を制御すると共に、室外膨張弁の弁開度が制御範囲の下限値となっていても放熱器圧力が目標放熱器圧力より低い状態が所定時間継続した場合、圧縮機の能力を増大させる放熱器温度優先制御を実行することを特徴とする。

0020

請求項10の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において制御手段は、室外膨張弁の制御ハンチングを抑制し、且つ、異常発熱を防止する範囲で当該室外膨張弁の動作幅及び動作待機時間を決定することを特徴とする。

発明の効果

0021

本発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、この空気流通路に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、空気流通路に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、車室外に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器と、放熱器から流出した冷媒を減圧し、室外熱交換器に流入させる室外膨張弁と、制御手段とを備え、この制御手段により少なくとも、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードと、少なくとも圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させる除湿モードとを切り換えて実行可能とされた車両用空気調和装置において、制御手段が、除湿モードでは、室外膨張弁の制御の基礎とする指標の目標値と実際の検出値とを比較し、それらの大小関係から室外膨張弁の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に一定の値変化させる簡易制御を実行するようにしたので、請求項2の発明の如く暖房モードでは、放熱器の出口における冷媒の過冷却度の目標値である目標過冷却度と実際の過冷却度に基づいて室外膨張弁の操作量を算出し、室外膨張弁の弁開度を細かく制御して過冷却度を目標過冷却度に制御する場合にも、除湿モードでは室外膨張弁の制御の基礎とする指標の目標値と実際の検出値とを比較して、それらの大小関係から弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に一定の値変化させる簡易制御を室外膨張弁に対して行うことになる。

0022

例えば、請求項3の発明の如く除湿モードの一つとして圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を分流し、一方を減圧した後、吸熱器にて吸熱させ、他方を室外膨張弁により減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる除湿暖房モードを実行する場合、制御手段が前記指標として吸熱器温度を採用し、この吸熱器温度の目標値である目標吸熱器温度より、実際に検出された吸熱器温度が低い場合、室外膨張弁の弁開度を拡大する方向に一定の値変化させ、目標吸熱器温度より吸熱器温度が高い場合、室外膨張弁の弁開度を縮小する方向に一定の値変化させるようにする。

0023

また、例えば請求項7の発明の如く除湿モードの一つとして圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させる除湿冷房モードを実行する場合、制御手段が前記指標として放熱器圧力を採用し、この放熱器圧力の目標値である目標放熱器圧力より、実際に検出された放熱器圧力が低い場合、室外膨張弁の弁開度を縮小する方向に一定の値変化させ、目標放熱器圧力より放熱器圧力が高い場合、室外膨張弁の弁開度を拡大する方向に一定の値変化させるようにすることにより、何れの除湿モードにおいても車両用空気調和装置の制御性を確保しながら、請求項2の発明の暖房モードのような細かい弁開度の制御を回避し、室外膨張弁の温度上昇や耐久性低下などの不都合を回避することができるようになる。また、制御ロジックも著しく簡素化可能となるため、不具合の発生も抑制されるものである。

0024

ここで、除湿暖房モードでは請求項4の発明の如く制御手段が、目標吸熱器温度より吸熱器温度が低い場合、室外膨張弁の弁開度を制御範囲の上限値とし、目標吸熱器温度より吸熱器温度が高い場合、室外膨張弁の弁開度を制御範囲の下限値とすることで、制御ロジックをより一層簡素化することができるようになる。

0025

一方、請求項5の発明の如く制御手段が、目標吸熱器温度と吸熱器温度とを比較し、それらの大小関係から室外膨張弁の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に制御範囲内で段階的に変化させるようにすれば、制御性の低下をできるだけ抑制することが可能となる。

0026

更に、請求項6の発明の如く吸熱器の冷媒出口側に、当該吸熱器における冷媒の蒸発能力を調整するための蒸発能力制御弁が設けられているとき、制御手段が、室外膨張弁の弁開度が制御範囲の上限値となっていても吸熱器温度が目標吸熱器温度より低い状態が所定時間継続した場合、蒸発能力制御弁の弁開度の調整による吸熱器蒸発能力制御を実行するようにすれば、室外膨張弁の弁開度制御では吸熱器温度を上げられない場合にも、蒸発能力制御弁によって吸熱器温度を目標吸熱器温度に近づけることができるようになる。

0027

また、請求項7の発明の除湿冷房モードでも、請求項8の発明の如く制御手段が目標放熱器圧力と放熱器圧力とを比較し、それらの大小関係から室外膨張弁の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に制御範囲内で段階的に変化させるようにすれば、制御性の低下をできるだけ抑制することが可能となる。

0028

また、請求項9の発明の如く制御手段が、除湿冷房モードでは吸熱器温度に基づいて圧縮機の能力を制御すると共に、室外膨張弁の弁開度が制御範囲の下限値となっていても放熱器圧力が目標放熱器圧力より低い状態が所定時間継続した場合、圧縮機の能力を増大させる放熱器温度優先制御を実行するようにすれば、室外膨張弁では放熱器圧力を上げられない場合にも、放熱器温度優先制御によって圧縮機の能力を増大させて放熱器圧力を上昇させ、目標放熱器圧力に近づけることができるようになる。

0029

そして、請求項10の発明の制御手段が、室外膨張弁の制御ハンチングを抑制し、且つ、異常発熱を防止する範囲で当該室外膨張弁の動作幅及び動作待機時間を決定するようにすることで、制御性を確保しながら室外膨張弁の異常発熱を確実に回避することができるようになるものである。

図面の簡単な説明

0030

本発明を適用した一実施形態の車両用空気調和装置の構成図である。
図1の車両用空気調和装置のコントローラ電気回路ブロック図である。
図2のコントローラの暖房モードにおける室外膨張弁制御に関する制御ブロック図である。
図2のコントローラの除湿暖房モードにおける室外膨張弁制御を説明する遷移図である。
図4の室外膨張弁制御の通常制御モードを説明するタイミングチャートである。
図4の室外膨張弁制御の吸熱器蒸発能力制御モードを説明するタイミングチャートである。
図2のコントローラの除湿冷房モードにおける圧縮機制御に関する制御ブロック図である。
図2のコントローラの除湿冷房モードにおける室外膨張弁制御を説明するタイミングチャートである。
図2のコントローラによる除湿冷房モードにおけるノーマルモードと放熱器温度優先モード(放熱器温度優先制御)の切換制御を説明する図である。
図9の放熱器温度優先モードにおけるコントローラの制御ブロック図である。

実施例

0031

以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。

0032

図1は本発明の冷凍装置の一実施例としての車両用空気調和装置1の構成図を示している。この場合、本発明を適用する実施例の車両は、エンジン内燃機関)を有さない電気自動車(EV)であって、バッテリ充電された電力走行用電動モータを駆動して走行するものであり(何れも図示せず)、本発明の車両用空気調和装置1も、バッテリの電力で駆動されるものとする。

0033

即ち、実施例の車両用空気調和装置1は、エンジン廃熱による暖房ができない電気自動車において、冷媒回路を用いたヒートポンプ運転により暖房を行い、更に、除湿暖房や除湿冷房(何れも除湿)、冷房等の各運転モードを選択的に実行するものである。尚、車両として電気自動車に限らず、エンジンと走行用の電動モータを供用する所謂ハイブリッド自動車にも本発明は有効である。更には、エンジンで走行する通常の自動車にも本発明は適用可能である。

0034

実施例の車両用空気調和装置1は、電気自動車の車室内の空調(暖房、冷房、除湿、及び、換気)を行うものであり、冷媒を圧縮して昇圧する電動式の圧縮機2と、車室内空気通気循環されるHVACユニット10の空気流通路3内に設けられて圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒を車室内に放熱させる放熱器4と、暖房時に冷媒を減圧膨張させる電子膨張弁から成る室外膨張弁(ECCV)6と、この室外膨張弁6から出た冷媒配管13Iにその入口が接続されると共に、冷房時には放熱器として機能し、暖房時には蒸発器として機能すべく冷媒と外気との間で熱交換を行わせる室外熱交換器7と、冷媒を減圧膨張させる電子膨張弁から成る室内膨張弁8と、空気流通路3内に設けられて冷房時及び除湿暖房時に車室内外から冷媒に吸熱させる吸熱器9と、吸熱器9における蒸発能力を調整する蒸発能力制御弁11と、アキュムレータ12等が冷媒配管13により順次接続され、冷媒回路Rが構成されている。

0035

前記蒸発能力制御弁11は、弁開度を開度大(OFF)と開度小(ON)に設定可能とされたものであり、吸熱器9に流通する冷媒の流量を二段階で調整することが可能である。また、室外熱交換器7には、車両の停止時に外気と冷媒とを熱交換させるための室外送風機15が設けられている。この室外熱交換器7は冷媒下流側ヘッダー部14と過冷却部16を順次有し、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは冷房時に開放される電磁弁開閉弁)17を介してヘッダー部14に接続され、過冷却部16の出口が逆止弁18を介して室内膨張弁8に接続されている。尚、ヘッダー部14及び過冷却部16は構造的に室外熱交換器7の一部を構成しており、逆止弁18は室内膨張弁8側が順方向とされている。

0036

また、逆止弁18と室内膨張弁8間の冷媒配管13Bは、吸熱器9の出口側に位置する蒸発能力制御弁11を出た冷媒配管13Cと熱交換関係に設けられ、両者で内部熱交換器19を構成している。これにより、冷媒配管13Bを経て室内膨張弁8に流入する冷媒は、吸熱器9を出て蒸発能力制御弁11を経た低温の冷媒により冷却(過冷却)される構成とされている。

0037

また、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは分岐しており、この分岐した冷媒配管13Dは、暖房時に開放される電磁弁(開閉弁)21を介して内部熱交換器19の下流側における冷媒配管13Cに連通接続されている。更に、放熱器4の出口側の冷媒配管13Eは室外膨張弁6の手前で分岐しており、この分岐した冷媒配管13Fは除湿時に開放される電磁弁(開閉弁)22を介して逆止弁18の下流側の冷媒配管13Bに連通接続されている。

0038

また、吸熱器9の空気上流側における空気流通路3には、内気吸込口と外気吸込口各吸込口図1では代表して吸込口25で示す)が形成されており、この吸込口25には空気流通路3内に導入する空気を車室内の空気である内気(内気循環モード)と、車室外の空気である外気(外気導入モード)とに切り換える吸込切換ダンパ26が設けられている。更に、この吸込切換ダンパ26の空気下流側には、導入した内気や外気を空気流通路3に送給するための室内送風機ブロワファン)27が設けられている。

0039

また、図1において23は実施例の車両用空気調和装置1に設けられた補助加熱手段としての熱媒体循環回路を示している。この熱媒体循環回路23は循環手段を構成する循環ポンプ30と、熱媒体加熱電気ヒータ35と、空気流通路3の空気の流れに対して、放熱器4の空気上流側となる空気流通路3内に設けられた熱媒体−空気熱交換器40とを備え、これらが熱媒体配管23Aにより順次環状に接続されている。尚、この熱媒体循環回路23内で循環される熱媒体としては、例えば水、HFO−1234yfのような冷媒、クーラント等が採用される。

0040

そして、循環ポンプ30が運転され、熱媒体加熱電気ヒータ35に通電されて発熱すると、この熱媒体加熱電気ヒータ35により加熱された熱媒体が熱媒体−空気熱交換器40に循環されるよう構成されている。即ち、この熱交換器循環回路23の熱媒体−空気熱交換器40が所謂ヒータコアとなり、車室内の暖房を補完する。係る熱媒体循環回路23を採用することで、搭乗者電気的な安全性を向上させている。

0041

また、熱媒体−空気熱交換器40及び放熱器4の空気上流側における空気流通路3内には、内気や外気の放熱器4への流通度合いを調整するエアミックスダンパ28が設けられている。更に、放熱器4の空気下流側における空気流通路3には、フットベントデフ各吹出口図1では代表して吹出口29で示す)が形成されており、この吹出口29には上記各吹出口から空気の吹き出しを切換制御する吹出口切換ダンパ31が設けられている。

0042

次に、図2において32はマイクロコンピュータから構成された制御手段としてのコントローラ(ECU)であり、このコントローラ32の入力には車両の外気温度Tamを検出する外気温度センサ33と、吸込口25から空気流通路3に吸い込まれる温度を検出するHVAC吸込温度センサ36と、車室内の空気(内気)の温度を検出する内気温度センサ37と、車室内の空気の湿度を検出する内気湿度センサ38と、車室内の二酸化炭素濃度を検出する室内CO2濃度センサ39と、吹出口29から車室内に吹き出される空気の温度を検出する吹出温度センサ41と、圧縮機2の吐出冷媒圧力を検出する吐出圧力センサ42と、圧縮機2の吐出冷媒温度を検出する吐出温度センサ43と、圧縮機2の吸込冷媒圧力を検出する吸込圧力センサ44と、放熱器4の温度Tci(放熱器4自体の温度、又は、放熱器4にて加熱された空気の温度)を検出する放熱器温度センサ46と、放熱器4の冷媒圧力(放熱器4内、又は、放熱器4を出た冷媒の圧力)を検出する放熱器圧力センサ47と、吸熱器9の温度Te(吸熱器9自体、又は、吸熱器9にて冷却された空気の温度)を検出する吸熱器温度センサ48と、吸熱器9の冷媒圧力(吸熱器9内、又は、吸熱器9を出た冷媒の圧力)を検出する吸熱器圧力センサ49と、車室内への日射量を検出するための例えばフォトセンサ式の日射センサ51と、車両の移動速度(車速)を検出するための車速センサ52と、温度や運転モードの切り換えを設定するための空調操作部53と、室外熱交換器7の温度を検出する室外熱交換器温度センサ54と、室外熱交換器7の冷媒圧力を検出する室外熱交換器圧力センサ56の各出力が接続されている。

0043

また、コントローラ32の入力には更に、熱媒体循環回路23の熱媒体加熱電気ヒータ35の温度を検出する熱媒体加熱電気ヒータ温度センサ50と、熱媒体−空気熱交換器40の温度を検出する熱媒体−空気熱交換器温度センサ55の各出力も接続されている。

0044

一方、コントローラ32の出力には、前記圧縮機2と、室外送風機15と、室内送風機(ブロワファン)27と、吸込切換ダンパ26と、エアミックスダンパ28と、吸込口切換ダンパ31と、室外膨張弁6、室内膨張弁8と、各電磁弁22、17、21と、循環ポンプ30と、熱媒体加熱電気ヒータ35と、蒸発能力制御弁11が接続されている。そして、コントローラ32は各センサの出力と空調操作部53にて入力された設定に基づいてこれらを制御する。

0045

以上の構成で、次に実施例の車両用空気調和装置1の動作を説明する。コントローラ32は実施例では大きく分けて暖房モードと、除湿暖房モード(少なくとも放熱器4で冷媒を放熱させ、吸熱器9で吸熱させる本発明における除湿モードの一つ)と、内部サイクルモード(これも除湿モードに含まれる)と、除湿冷房モード(本発明におけるもう一つの上記除湿モード)と、冷房モードの各運転モードを切り換えて実行する。先ず、各運転モードにおける冷媒の流れについて説明する。

0046

(1)暖房モード
コントローラ32により或いは空調操作部53へのマニュアル操作により暖房モードが選択されると、コントローラ32は電磁弁21を開放し、電磁弁17、電磁弁22を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が熱媒体−空気熱交換器40及び放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は熱媒体−空気熱交換器40により加熱された後(熱媒体循環回路23が作動している場合)、放熱器4内の高温冷媒により加熱される。一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。

0047

放熱器4内で液化した冷媒は放熱器4から流出し、冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至り、そこで減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は蒸発し、走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気中から熱を汲み上げる(ヒートポンプ)。そして、室外熱交換器7を出た低温の冷媒は冷媒配管13D及び電磁弁21を経て冷媒配管13Cからアキュムレータ12に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。熱媒体−空気熱交換器40や放熱器4にて加熱された空気は吹出口29から吹き出されるので、これにより車室内の暖房が行われることになる。

0048

コントローラ32は吐出圧力センサ42又は放熱器圧力センサ47が検出する冷媒回路Rの高圧圧力に基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、放熱器温度センサ46が検出する放熱器4の温度(放熱器温度TCI)に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の出口における冷媒の過冷却度SCを制御する。

0049

図3は暖房モードにおける室外膨張弁6の目標開度(室外膨張弁目標開度)TGECCVscを決定するコントローラ32の制御ブロック図である。コントローラ32のF/F操作量演算部61は、放熱器4の出口における過冷却度SCの目標値である目標過冷却度TGSCと、放熱器温度Tci及び飽和温度TsatuPciからSC演算部62が演算する放熱器4の出口における実際の過冷却度SCと、目標放熱器圧力PCOと、空気流通路3に流入した空気の質量風量Gaと、外気温度Tamに基づいて室外膨張弁目標開度のF/F操作量TGECCVscffを演算する。

0050

また、F/B操作量演算部63は目標過冷却度TGSCと過冷却度SCに基づき、実施例ではそれらの偏差eによるPI制御にって室外膨張弁目標開度のF/B操作量TGECCVscfbを演算する。このF/B操作量演算部63で算出されたF/B操作量TGECCVscfbとF/F操作量演算部61で算出されたF/F操作量TGECCVscffは加算器66で加算され、リミット設定部67で制御上限値制御下限値リミットが付けられた後、室外膨張弁目標開度TGECCVscとして決定される。暖房モードにおいては、コントローラ32はこの室外膨張弁目標開度TGECCVscに基づいて室外膨張弁6の弁開度を細かく制御することにより、放熱器4の出口における冷媒の過冷却度SCを目標過冷却度TGSCに制御する。尚、F/B操作量演算部63における演算はPI制御に限らず、PID制御であってもよい。

0051

(2)除湿暖房モード
次に、除湿暖房モードでは、コントローラ32は上記暖房モードの状態において電磁弁22を開放する。これにより、放熱器4を経て冷媒配管13Eを流れる凝縮冷媒の一部が分流され、電磁弁22を経て冷媒配管13F及び13Bより内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至るようになる。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。

0052

吸熱器9で蒸発した冷媒は蒸発能力制御弁11、内部熱交換器19を順次経て冷媒配管13Cにて冷媒配管13Dからの冷媒と合流した後、アキュムレータ12を経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて除湿された空気は放熱器4を通過する過程再加熱されるので、これにより車室内の除湿暖房が行われることになる。

0053

コントローラ32は吐出圧力センサ42又は放熱器圧力センサ47が検出する冷媒回路Rの高圧圧力に基づいて圧縮機2の回転数を制御する。尚、この除湿暖房モードでコントローラ32は、吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御するものであるが、この除湿暖房モードにおける室外膨張弁6の弁開度の制御、及び、蒸発能力制御弁11の制御については後に詳述する。

0054

(3)内部サイクルモード
次に、内部サイクルモードでは、コントローラ32は上記除湿暖房モードの状態において室外膨張弁6を閉じる(全閉)。即ち、この内部サイクルモードは除湿暖房モードにおける室外膨張弁6の制御で当該室外膨張弁6を全閉とした状態と云えるので、内部サイクルモードは除湿暖房モードの一部と捕らえることもできる。

0055

但し、室外膨張弁6が閉じられることにより、室外熱交換器7への冷媒の流入は阻止されるので、放熱器4を経て冷媒配管13Eを流れる凝縮冷媒は電磁弁22を経て冷媒配管13Fに全て流れるようになる。そして、冷媒配管13Fを流れる冷媒は冷媒配管13Bより内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。

0056

吸熱器9で蒸発した冷媒は蒸発能力制御弁11、内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを流れ、アキュムレータ12を経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱されるので、これにより車室内の除湿暖房が行われることになるが、この内部サイクルモードでは室内側の空気流通路3内にある放熱器4(放熱)と吸熱器9(吸熱)の間で冷媒が循環されることになるので、外気からの熱の汲み上げは行われず、圧縮機2の消費動力に吸熱器9での吸熱量が加算された分の暖房能力が発揮される。除湿作用を発揮する吸熱器9には冷媒の全量が流れるので、上記除湿暖房モードに比較すると除湿能力は高いが、暖房能力は低くなる。

0057

また、コントローラ32は吸熱器9の温度、又は、前述した冷媒回路Rの高圧圧力に基づいて圧縮機2の回転数を制御する。このとき、コントローラ32は吸熱器9の温度Teによるか高圧圧力Pciによるか、何れかの演算から得られる圧縮機目標回転数の低い方を選択して圧縮機2を制御する。

0058

(4)除湿冷房モード
次に、除湿冷房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21、電磁弁22を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が熱媒体−空気熱交換器40及び放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され(熱媒体循環回路40は停止)、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化していく。

0059

放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至り、開き気味で制御される室外膨張弁6を経て室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てヘッダー部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。

0060

室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は逆止弁18を経て冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。

0061

吸熱器9で蒸発した冷媒は蒸発能力制御弁11、内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて冷却され、除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱(暖房時よりも放熱能力は低い)されるので、これにより車室内の除湿冷房が行われることになる。

0062

コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度に基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、前述した冷媒回路Rの高圧圧力(放熱器圧力Pci)に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力Pci)を制御するものであるが、これらについては後に詳述する。

0063

(5)冷房モード
次に、冷房モードでは、コントローラ32は上記除湿冷房モードの状態において室外膨張弁6を全開(弁開度を制御上限)とし、エアミックスダンパ28は放熱器4に空気が通風されない状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気は通風されないので、ここは通過するのみとなり、放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。

0064

このとき室外膨張弁6は全開であるので冷媒はそのまま室外熱交換器7に流入し、そこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮液化する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てヘッダー部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。

0065

室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は逆止弁18を経て冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却される。

0066

吸熱器9で蒸発した冷媒は蒸発能力制御弁11、内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて冷却され、除湿された空気は放熱器4を通過すること無く吹出口29から車室内に吹き出されるので、これにより車室内の冷房が行われることになる。この冷房モードにおいては、コントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度Teに基づいて圧縮機2の回転数を制御する。

0067

そして、コントローラ32は、外気温度や目標吹出温度に応じて上記各運転モードを選択し、切り換えていくものである。

0068

(6)除湿暖房モードでの室外膨張弁6及び蒸発能力制御弁11の制御
次に、図4図6を参照しながらコントローラ32による除湿暖房モードでの室外膨張弁6及び蒸発能力制御弁11の制御について説明する。前述した除湿暖房モードでは、コントローラ32は、室外膨張弁6の制御の基礎する指標として吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器温度Teを採用し、指標の実際の検出値である吸熱器温度Teとその目標値である目標吸熱器温度TEOとを比較して、その大小関係から室外膨張弁6の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に一定の値変化させる簡易制御を実行する。

0069

この場合、コントローラ32はこの除湿暖房モードでは、図4の遷移図に示すように、室外膨張弁6の弁開度制御によるノーマルモードと、蒸発能力制御弁11の弁開度制御による吸熱器蒸発能力制御モードとを切り換えて実行する。

0070

(6−1)除湿暖房モードのノーマルモード
先ず、除湿暖房モードでのノーマルモードについて説明する。除湿暖房モードでのノーマルモードでは、コントローラ32は蒸発能力制御弁11の弁開度を前述した開度大(OFF)に設定する。そして、コントローラ32は吸熱器温度Teと目標吸熱器温度TEOを比較し、実施例では目標吸熱器温度TEOより吸熱器温度Teが低い場合、室外膨張弁6の弁開度を制御範囲の上限値(大口径)とし、目標吸熱器温度TEOより吸熱器温度Teが高い場合は制御範囲の下限値(小口径)とする。

0071

但し、実際には制御ハンチングを防止若しくは抑制するために、図5に示すように目標吸熱器温度TEOの上下に所定のヒステリシス値1及び2を設定して制御する。具体的には、吸熱器温度Teが降下して目標吸熱器温度TEO−ヒステリシス値2より低くなり、その状態が所定時間t1(例えば6秒等)継続した場合(目標吸熱器温度TEOより吸熱器温度Teが低い場合に相当する)、室外膨張弁6の弁開度を拡大する方向に一定の値(一定のパルス数)変化させて弁開度を制御範囲の上限値(大口径)とする。

0072

これにより、冷媒配管13Iを経て室外熱交換器7に流入する冷媒が増え、冷媒配管13Fを経て吸熱器9に至る冷媒が減るので、吸熱器9で蒸発する冷媒量が減少し、吸熱器9の温度は上昇していく。その後、吸熱器温度Teが上昇して目標吸熱器温度TEO+ヒステリシス値1以上に上昇し、その状態が所定時間t1継続した場合(目標吸熱器温度TEOより吸熱器温度Teが高い場合に相当する)、室外膨張弁6の弁開度を縮小する方向に前述した一定の値(一定のパルス数)変化させて弁開度を制御範囲の下限値(小口径)とする。

0073

これにより、冷媒配管13Iを経て室外熱交換器7に流入する冷媒が減り、冷媒配管13Fを経て吸熱器9に至る冷媒が増えるので、吸熱器9で蒸発する冷媒量が増大し、吸熱器9の温度は降下に転ずるようになる。以後、ノーマルモードではこれを繰り返し、吸熱器温度Teを目標吸熱器温度TEO(実際には目標吸熱器温度TEOの上下ヒステリシス値1、2の範囲である目標吸熱器温度TEO近傍の温度)に制御する。

0074

(6−2)除湿暖房モードの吸熱器蒸発能力制御モード
ここで、例えば室外膨張弁6の弁開度が上限値(大口径)となっているにも拘わらず、吸熱器温度Teが目標吸熱器温度TEOより低い状態が所定時間t2(例えば10秒等)継続した場合、コントローラ32はノーマルモードから吸熱器蒸発能力制御モードに移行する。図6はこの吸熱器蒸発能力制御モードのタイミングチャートである。コントローラ32はこの吸熱器蒸発能力制御モードでは、先ず蒸発能力制御弁11の弁開度を前述した開度小(ON)に切り換える。これにより、吸熱器9に流通する冷媒量が減少するので、吸熱器温度Teは上昇していくようになる。

0075

そして、吸熱器温度Teが目標吸熱器温度TEOより高い(TEO+ヒステリシス値1よりは低い)蒸発能力制御弁11の所定のOFF点(ESTVOFF点)以上に上昇した場合、コントローラ32は蒸発能力制御弁11の弁開度を開度大(OFF)に切り換える。これにより、吸熱器9に流通する冷媒量が増大するので、吸熱器温度Teは降下していく。そして、吸熱器温度Teが目標吸熱器温度TEOより低い(TEO−ヒステリシス値2よりは高い)蒸発能力制御弁11の所定のON点(ESTVON点)より低くなった場合、コントローラ32は蒸発能力制御弁11の弁開度を再び開度小(ON)に切り換える。

0076

以後、吸熱器蒸発能力制御モードではこれを繰り返し、吸熱器温度Teを目標吸熱器温度TEO(実際には目標吸熱器温度TEOの上下のESTVON点とESTVOFF点の間の範囲である目標吸熱器温度TEO付近の温度)に制御する。そして、蒸発能力制御弁11の弁開度が開度大(OFF)となっているにも拘わらず、吸熱器温度Teが前述したESTVOFF点以上である状態が所定時間t2継続した場合、コントローラ32は吸熱器蒸発能力制御モードからノーマルモードに復帰する(室外膨張弁6の弁開度は大口径)とする。

0077

このように、除湿暖房モードではコントローラ32が指標として吸熱器温度Teを採用し、ノーマルモードではこの吸熱器温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEOより、実際に検出された吸熱器温度Teが低い場合、室外膨張弁6の弁開度を拡大する方向に一定の値変化させて制御上の上限値(大口径)とし、目標吸熱器温度TEOより吸熱器温度Teが高い場合、室外膨張弁6の弁開度を縮小する方向に一定の値変化させて制御上の下限値(小口径)とするようにしたので、車両用空気調和装置1の制御性を確保しながら、暖房モードのような細かい弁開度の制御を回避し、室外膨張弁6の温度上昇や耐久性低下などの不都合を回避することができるようになる。また、制御ロジックも著しく簡素化可能となるため、不具合の発生も抑制される。

0078

また、コントローラ32は室外膨張弁6の弁開度が制御範囲の上限値となっていても吸熱器温度Teが目標吸熱器温度TEOより低い状態が所定時間継続した場合、蒸発能力制御弁11の弁開度の調整による吸熱器蒸発能力制御モードを実行するようにしたので、室外膨張弁6の弁開度制御では吸熱器温度Teを上げられない場合にも、蒸発能力制御弁11によって吸熱器温度Teを目標吸熱器温度TEO(近傍)に近づけることができるようになる。

0079

尚、上記実施例ではコントローラ32が目標吸熱器温度TEOより吸熱器温度Teが低い場合、室外膨張弁6の弁開度を制御範囲の上限値とし、目標吸熱器温度TEOより吸熱器温度Teが高い場合、室外膨張弁6の弁開度を制御範囲の下限値とするようにした。これにより制御ロジックをより一層簡素化することができるようになるものであるが、目標吸熱器温度TEOと吸熱器温度Teとを比較して、それらの大小関係から室外膨張弁6の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に制御範囲内で段階的に一定値ずつ変化させるようにしてもよい。そのようにすれば、制御性の低下をできるだけ抑制することが可能となる。

0080

(7)除湿冷房モードでの圧縮機2と室外膨張弁6の制御
次に、図7図10を参照しながらコントローラ32による除湿冷房モードでの圧縮機2及び室外膨張弁6の制御について説明する。図7は前述した冷房モードと除湿冷房モード(後述するノーマルモード)用の圧縮機2の目標回転数(圧縮機目標回転数)TGNCcを決定するコントローラ32の制御ブロック図である。コントローラ32の図7のF/F操作量演算部71は外気温度Tamと、ブロワ電圧BLVと、吸熱器9の温度の目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機目標回転数のF/F操作量TGNCcffを演算する。

0081

また、F/B操作量演算部72は目標吸熱器温度TEOと吸熱器温度Teに基づいて圧縮機目標回転数のF/B操作量TGNCcfbを演算(実施例ではPI制御)する。そして、F/F操作量演算部71が演算したF/F操作量TGNCcffとF/B操作量演算部72が演算したF/B操作量TGNCcfbは加算器73で加算され、リミット設定部74で制御上限値と制御下限値のリミットが付けられた後、圧縮機目標回転数TGNCcとして決定される。冷房モードと除湿冷房モードのノーマルモードにおいては、コントローラ32はこの圧縮機目標回転数TGNCcに基づいて圧縮機2の回転数を制御する。

0082

更に、除湿冷房モードでは、コントローラ32は、室外膨張弁6の制御の基礎する指標として放熱器圧力センサ47が検出する放熱器圧力Pciを採用し、指標の実際の検出値である放熱器圧力Pciとその目標値である目標放熱器圧力PCOとを比較して、その大小関係から室外膨張弁6の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に一定の値変化させる簡易制御を実行する。

0083

この場合、コントローラ32はこの除湿冷房モードでは、図8のタイミングチャートに示す室外膨張弁6の弁開度制御によるノーマルモードと、図9図10に示す圧縮機2の回転数による放熱器温度優先制御モードとを切り換えて実行する。

0084

(7−1)除湿冷房モードのノーマルモード
先ず、除湿冷房モードでのノーマルモードについて説明する。除湿冷房モードでのノーマルモードでは、コントローラ32は前述したように圧縮機2の回転数を制御する(図7)。一方、コントローラ32は放熱器圧力Pciと目標放熱器圧力PCOを比較し、実施例では目標放熱器圧力PCOより放熱器圧力Pciが低い場合、室外膨張弁6の弁開度を縮小する方向に一定の値PLS1(一定のパルス数、例えば15等)変化させ、目標放熱器圧力PCOより放熱器圧力Pciが高い場合は室外膨張弁6の弁開度を拡大する方向に一定の値PLS1変化させる。

0085

但し、実際には制御ハンチングを防止若しくは抑制するために、図8に示すように目標放熱器圧力PCOの上下に所定のヒステリシス値3、4を設定して制御する。具体的には、放熱器圧力Pciが上昇して目標放熱器圧力PCO+ヒステリシス値3より高くなり、その状態が所定時間t3(例えば5秒等)継続した場合(目標放熱器圧力PCOより放熱器圧力Pciが高い場合に相当する)、室外膨張弁6の弁開度を拡大する方向に一定の値PLS1変化させて弁開度を拡大する。

0086

これにより、冷媒配管13Iを経て室外熱交換器7に冷媒は流入し易くなるので、放熱器圧力Pciは低下に転ずるが、そこから更に所定時間t3継続して放熱器圧力Pciが目標放熱器圧力PCO+ヒステリシス値3より依然高くなっている場合、室外膨張弁6の弁開度を拡大する方向に一定の値PLS1変化させて弁開度を更に拡大する。このような段階的な弁開度の拡大により放熱器圧力Pciが低下していって、目標放熱器圧力PCO+ヒステリシス値3以下に下がれば、コントローラ32はそのときの弁開度を維持する。

0087

その後、放熱器圧力Pciが低下していって目標放熱器圧力PCO−ヒステリシス値4より低くなり、その状態が所定時間t3継続した場合(目標放熱器圧力PCOより放熱器圧力Pciが低い場合に相当する)、室外膨張弁6の弁開度を縮小する方向に前述した一定の値PLS1変化させて弁開度を縮小する。

0088

これにより、冷媒配管13Iを経て室外熱交換器7に冷媒は流入し難くなるので、放熱器圧力Pciは上昇に転ずるようになる。以後、このような段階的な弁開度の拡大と縮小を室外膨張弁6の制御範囲の上限値と下限値の間(制御範囲内)で繰り返し、放熱器圧力Pciを目標放熱器圧力PCO(実際には目標放熱器圧力PCOの上下ヒステリシス値3、4の範囲である目標放熱器圧力PCO近傍の圧力)に制御する。

0089

(7−2)除湿冷房モードの放熱器温度優先制御モード
ここで、このような段階的な弁開度の制御で、例えば室外膨張弁6の弁開度が制御範囲の下限値まで縮小されているにも拘わらず、放熱器圧力Pciが目標放熱器圧力PCO−ヒステリシス値4より低い状態が所定時間t4(例えば10秒等)継続した場合、コントローラ32はノーマルモードから放熱器温度優先制御モードに移行する。この放熱器温度優先制御モードでは、コントローラ32は目標吸熱器温度TEOを下げることで圧縮機2の回転数を上げ、圧縮機2の能力を増大させて高圧圧力を上昇させ、放熱器圧力Pciを目標放熱器圧力PCOに向けて上昇させる。

0090

図9は除湿冷房モードにおけるノーマルモードと放熱器温度優先制御モードの間のモード切換制御を示している。コントローラ32は除湿冷房モードのノーマルモード(吸熱器温度を優先するモードと云える)を実行しているときに、室外膨張弁6の弁開度が前述の如く制御範囲の下限値より低くなっている状態が所定時間t4以上継続した場合、放熱器温度優先制御モードに移行する。

0091

図10はこの放熱器温度優先制御モードにおけるコントローラ32の制御ブロック図の一例を示している。即ち、図10の75は基本目標吸熱器温度TEO0のデータテーブルであり、これは外気温度Tamに対応して予め設定されている。尚、この基本目標吸熱器温度TEO0は当該外気温度の環境で必要な湿度を得るための吸熱器温度である。前述したノーマルモードではこのデータテーブル75に基づいて目標吸熱器温度TEOが決定されるが、この放熱器温度優先制御モードでは、コントローラ32は放熱器目標圧力PCOと放熱器圧力Pciとの差の積分値に基づいて補正を加える。

0092

即ち、放熱器目標圧力PCOと放熱器圧力センサ47から得られる放熱器圧力Pciは減算器76に入力され、その偏差eが増幅器77で増幅されて演算器78に入力される。演算器78では所定の積分周期と積分時間で吸熱器温度補正値積分演算が行われ、加算器79で前回値と加算された吸熱器温度補正値の積分値TEOPCOが算出される。そして、リミット設定部81で制御上限値と制御下限値のリミットが付けられた後、吸熱器温度補正値TEOPCとして決定される。

0093

この吸熱器温度補正値TEOPCが減算器82にて基本目標吸熱器温度TEO0から減算され、目標吸熱器温度TEOとして決定される。従って、ノーマルモードのときよりも、吸熱器温度補正値TEOPCの分、目標吸熱器温度TEOが下げられ、それにより圧縮機2の圧縮機目標回転数TGNCcが引き上げられることになり、圧縮機2の回転数が上がり、圧縮機2の能力が増大して高圧圧力が上昇し、放熱器圧力Pciが上昇して必要な放熱器圧力Pciを得ることができるようになる。

0094

尚、リミット設定部81では吸熱器9に着霜しない範囲に吸熱器温度補正値TEOPCが制限される。他方、この放熱器温度優先制御モードにおいて、前述した吸熱器温度補正値TEOPCがとなった状態が所定時間t5以上継続した場合、コントローラ32は放熱器温度優先制御モードからノーマルモードに復帰する。

0095

このように、除湿冷房モードではコントローラ32が指標として放熱器圧力Pciを採用し、この放熱器圧力Pciの目標値である目標放熱器圧力PCOより、実際に検出された放熱器圧力Pciが低い場合、室外膨張弁6の弁開度を縮小する方向に一定の値変化させ、目標放熱器圧力PCOより放熱器圧力Pciが高い場合、室外膨張弁6の弁開度を拡大する方向に一定の値変化させるようにしたので、同様に車両用空気調和装置1の制御性を確保しながら、暖房モードのような細かい弁開度の制御を回避し、室外膨張弁6の温度上昇や耐久性低下などの不都合を回避することができるようになる。また、制御ロジックも著しく簡素化可能となるため、不具合の発生も抑制される。

0096

また、コントローラ32は目標放熱器圧力PCOと放熱器圧力Pciとを比較し、それらの大小関係から室外膨張弁6の弁開度を拡大する方向、若しくは、縮小する方向に制御範囲内で段階的に変化させるので、制御性の低下をできるだけ抑制することが可能となる。

0097

更に、コントローラ32は室外膨張弁6の弁開度が制御範囲の下限値となっていても放熱器圧力Pciが目標放熱器圧力PCOより低い状態が所定時間継続した場合、圧縮機2の能力を増大させる放熱器温度優先制御モードを実行するので、室外膨張弁6では放熱器圧力Pciを上げられない場合にも、放熱器温度優先制御モードによって圧縮機2の能力を増大させて放熱器圧力Pciを上昇させ、目標放熱器圧力PCO(若しくはその近傍)に近づけることができるようになる。

0098

尚、前述したように室外膨張弁6の制御ハンチングを抑制するようにヒステリシス値や所定時間(動作待機時間)がコントローラ32に設定されるものであるが、このようなヒステリシス値や動作待機時間、及び、室外膨張弁6の動作幅は当該室外膨張弁6のコイルの異常発熱を抑制し、且つ、制御性を阻害しない範囲で決定するものとする。それにより、制御性を確保しながら室外膨張弁6の異常発熱を確実に回避できるようになる。

0099

更に、上記実施例では暖房モード、除湿暖房モード、内部サイクルモード、除湿冷房モード、冷房モードの各運転モードを切り換えて実行する車両用空気調和装置1について本発明を適用したが、それに限らず、除湿暖房と除湿冷房を区別せず、暖房モードと除湿モード(除湿暖房若しくは除湿冷房の流れ)を実行するものに適用してもよい。更にまた、上記実施例で説明した冷媒回路の構成や各数値はそれに限定されるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。

0100

1車両用空気調和装置
2圧縮機
3空気流通路
4放熱器
6室外膨張弁
7室外熱交換器
8室内膨張弁
9吸熱器
32コントローラ(制御手段)
47 放熱器圧力センサ
48 吸熱器温度センサ
R 冷媒回路

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