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技術 素材用パン及びその製造方法

出願人 敷島製パン株式会社
発明者 奥谷紘平山田大樹吉野信次井上俊逸伊勢木智行
出願日 2015年6月18日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2015-122791
公開日 2017年1月12日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2017-006021
状態 拒絶査定
技術分野 植物の育種及び培養による繁殖 ベイカリー製品及びその製造方法
主要キーワード ミキシング条件 中間生地 稀釈倍率 オープンサンド 恒温庫 混捏物 体積計 高塩分食
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年1月12日)のものです。
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課題

食塩含有量が0もしくは少ないものであっても、ソフトであり、もっちりさを有し、良好な食感を備える素材パンをおよびその製造方法を提供する。

解決手段

本発明の素材用パンは、グルテニンサブユニット遺伝子型グルテン網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持ち、Wxy−B1が欠損した小麦品種小麦製粉したベース小麦粉と、ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉とを用いて製造した素材用パンである。そして、素材用パンは、ベース小麦粉と穀物粉を合わせた全穀物粉量の30〜90重量%が、ベース小麦粉であり、さらに、食塩含有量が、0〜1重量%となっている。

概要

背景

ナトリウムは、細胞液バランスを維持し、神経および筋肉の機能に寄与することにより、人体において重要な役割を果たしている。しかし、塩化ナトリウム食塩)の過剰摂取は、血圧および心臓血管の健康に悪影響を与えることがある。健康維持のためには、1日当たりの食塩摂取量をより低減することが勧められている。例えば、日本人食事摂取基準(2015 年版)(平成26年厚生労働省)に基づいて、2015年4月1日より厚生労働省は日本人のナトリウム(食塩相当量)の食事摂取目標量男性9.0g/日未満、女性7.5g/日未満から男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満に変更した。食塩摂取量を減らす動きは広がっており、食塩摂取量を減らす為の食品として無塩、低塩、減塩食品があるが、これらの食品への表示については、栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)の第8条、第9条、第10条により定められている。また、透析を行っている腎不全患者のように、食塩摂取量に大きな制限がある者も多い。

食塩は、食品産業において広く使用されている代表的調味料であり、多くの加工食品製品に添加されている。特に、パンでは、食塩の添加は、パンの呈味性生地形成性において、必須と考えられている。
減塩(低塩)もしくは無塩のパンとしては、例えば、特開2014−33646(特許文献1)が提案されている。

概要

食塩含有量が0もしくは少ないものであっても、ソフトであり、もっちりさを有し、良好な食感を備える素材用パンをおよびその製造方法を提供する。 本発明の素材用パンは、グルテニンサブユニット遺伝子型グルテン網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持ち、Wxy−B1が欠損した小麦品種小麦製粉したベース小麦粉と、ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉とを用いて製造した素材用パンである。そして、素材用パンは、ベース小麦粉と穀物粉を合わせた全穀物粉量の30〜90重量%が、ベース小麦粉であり、さらに、食塩含有量が、0〜1重量%となっている。なし

目的

本発明は、食塩含有量が0もしくは少ないものであっても、十分にソフトであり、もっちりさを有し、良好な食感を備える素材用パンをおよびその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

グルテニンサブユニット遺伝子型が少なくともグルテン網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持ち、さらに、Wxy−B1が欠損した小麦品種小麦製粉したベース小麦粉と、前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉とを用いて製造した素材パンであって、前記素材用パンは、前記ベース小麦粉と前記穀物粉を合わせた全穀物粉量の30〜90重量%が前記ベース小麦粉であり、さらに、食塩含有量が、0〜1重量%であり、無塩、低塩もしくは減塩であることを特徴とする素材用パン。

請求項2

前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる小麦、小麦以外の穀物または塊茎類から製粉された炭水化物が70%以上の穀物粉である請求項1に記載の素材用パン。

請求項3

前記素材用パンは、食塩含有量が、0〜0.5重量%である請求項1または2に記載の素材用パン。

請求項4

前記素材用パンは、食塩含有量が、実質的に0重量%である請求項1または2に記載の素材用パン。

請求項5

前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、Glu-B3abを持たない穀物を製粉したものである請求項1ないし4のいずれかに記載の素材用パン。

請求項6

前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、Glu-D1dを持たない穀物粉である請求項1ないし5のいずれかに記載の素材用パン。

請求項7

前記素材用パンに使用されるすべての小麦粉は、Wxy−B1が欠損した小麦品種の小麦を製粉した小麦粉である請求項1ないし6のいずれかに記載の素材用パン。

請求項8

前記素材用パンは、醸造酢を含有している請求項1ないし7のいずれかに記載の素材用パン。

請求項9

前記素材用パンは、中種法により製造されたパンであり、かつ前記中種に前記ベース小麦粉は、中種における全穀物粉量の30重量%以上が前記ベース小麦粉である請求項1ないし8のいずれかに記載の素材用パン。

請求項10

前記ベース小麦粉は、グルテニンサブユニットの遺伝子型のGlu-B3abを備える小麦品種の小麦を製粉したものである請求項1ないし9のいずれかに記載の素材用パン。

請求項11

前記素材用パンは、全穀物粉由来タンパク質含有量が、11.5%以上である請求項1ないし10のいずれかに記載の素材用パン。

請求項12

グルテニンサブユニットの遺伝子型が少なくともグルテンの網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持ち、さらに、Wxy−B1が欠損した小麦品種の小麦を製粉したベース小麦粉30〜90重量部と、前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉70〜10重量部と、所定量の水と、前記ベース小麦粉と前記全穀物粉の合計重量に対して、0〜1.25重量%となる食塩とを混合した中間生地を作成する中間生地作成工程と、最終パン生地全量の30重量%以上となるように添加した前記中間生地と、所定量の最終パン生地作成用穀物粉と、前記最終パン生地作成用穀物粉の重量に対して、0〜1.25重量%となる食塩と、水を少なくとも用いて最終パン生地を作成する最終パン生地作成工程とを有することを特徴とする素材用パンの製造方法。

請求項13

最終パン生地作成工程における前記最終パン生地作成用穀物粉は、前記ベース小麦粉を0〜90重量部、前記穀物粉を100〜10重量部配合したものである請求項12に記載の素材用パンの製造方法。

請求項14

前記最終パン生地は、食塩含有量が、0〜0.5重量%である請求項12または13に記載の素材用パンの製造方法。

請求項15

前記最終パン生地は、食塩含有量が、実質的に0重量%である請求項12または13に記載の素材用パンの製造方法。

請求項16

前記最終パン生地作成工程において、醸造酢を添加するものである請求項12ないし15のいずれかに記載の素材用パンの製造方法。

請求項17

前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる小麦、小麦以外の穀物または塊茎類から製粉された炭水化物が70%以上の穀物粉である請求項12ないし16のいずれかに記載の素材用パンの製造方法。

請求項18

前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、Glu-B3abを持たない穀物を製粉したものである請求項12ないし17のいずれかに記載の素材用パンの製造方法。

請求項19

前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、Glu-D1dを持たない穀物粉である請求項12ないし18のいずれかに記載の素材用パンの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、無塩もしくは低塩(減塩)の素材パンおよびその製造方法に関する。

背景技術

0002

ナトリウムは、細胞液バランスを維持し、神経および筋肉の機能に寄与することにより、人体において重要な役割を果たしている。しかし、塩化ナトリウム食塩)の過剰摂取は、血圧および心臓血管の健康に悪影響を与えることがある。健康維持のためには、1日当たりの食塩摂取量をより低減することが勧められている。例えば、日本人食事摂取基準(2015 年版)(平成26年厚生労働省)に基づいて、2015年4月1日より厚生労働省は日本人のナトリウム(食塩相当量)の食事摂取目標量男性9.0g/日未満、女性7.5g/日未満から男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満に変更した。食塩摂取量を減らす動きは広がっており、食塩摂取量を減らす為の食品として無塩、低塩、減塩食品があるが、これらの食品への表示については、栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)の第8条、第9条、第10条により定められている。また、透析を行っている腎不全患者のように、食塩摂取量に大きな制限がある者も多い。

0003

食塩は、食品産業において広く使用されている代表的調味料であり、多くの加工食品製品に添加されている。特に、パンでは、食塩の添加は、パンの呈味性生地形成性において、必須と考えられている。
減塩(低塩)もしくは無塩のパンとしては、例えば、特開2014−33646(特許文献1)が提案されている。

先行技術

0004

特開2014−33646

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1には、Bacillus stearothermophilus由来プロテアーゼが、グルテンフリーである米粉由来の生地に添加することにより、製造したパンの焼き色が良く、ふんわりとしており、柔らかく、さらに老化を遅くすることができる。さらに、食塩を添加することなく、該パンを製造することができるものが開示されている。

0006

しかし、特許文献1のものは、米粉パンであり、いわゆる小麦を用いたパンとは、食感呈味などにおいて異なる。小麦粉を用いたパンとして、減塩(低塩)もしくは無塩のものが求められている。しかし、製パンにおける食塩の役割は大きく、風味の付与、貯蔵性の向上、そして生地物性の改良などに寄与する。特に、食塩を添加せずに製パンした場合、生地物性に起因する問題は多く、生地が粘着性増し、締まりがなくダレやすい生地になり、成形時の形も整いにくくなる。また、ガス保持力も低下するため、焼成時の伸びも悪化し、製品ボリュームが出にくくなるなど、生地物性が製パンに及ぼす影響は大きい。さらに、最終的なパンについても、もっちりさがなくパサツキやすい等の品質面での影響も大きい。

0007

現在、食塩の代替品として食品添加物グルコン酸ナトリウム塩化カリウムなど)を使用し、生地物性を改良する方法も用いられている。しかし、食品添加物扱いであるため、消費者に不安感を抱かせる、グルコン酸ナトリウムは食塩の4分の1程度のナトリウムが含まれるため、いわゆる「無塩」表記に不適、塩化カリウムはナトリウムの体外への排泄を促進し、血圧を下げる効果があるが、独特苦味腎機能の低下した人への悪影響がある、などの問題があり、広く活用されていない。

0008

そこで、本発明者が、鋭意検討したところ、パン製造に用いる小麦粉として特定のものを用いることにより、食品添加物を使用することなく、無塩、低塩、減塩状態においても、生地物性を改良できることを知見し、かつ、無塩、低塩、減塩のパンであっても、そのまま生で食するのではなく、素材パンとすることにより、呈味性を克服できることを知見した。

0009

本発明は、食塩含有量が0もしくは少ないものであっても、十分にソフトであり、もっちりさを有し、良好な食感を備える素材用パンをおよびその製造方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するものは以下のものである。
(1)グルテニンサブユニット遺伝子型が少なくともグルテン網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持ち、さらに、Wxy−B1が欠損した小麦品種の小麦を製粉したベース小麦粉と、前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉とを用いて製造した素材用パンであって、
前記素材用パンは、前記ベース小麦粉と前記穀物粉を合わせた全穀物粉量の30〜90重量%が前記ベース小麦粉であり、さらに、食塩含有量が、0〜1重量%であり、無塩、低塩もしくは減塩である素材用パン。

0011

(2) 前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる小麦、小麦以外の穀物または塊茎類から製粉された炭水化物が70%以上の穀物粉である上記(1)に記載の素材用パン。
(3) 前記素材用パンは、食塩含有量が、0〜0.5重量%である上記(1)または(2)に記載の素材用パン。
(4)前記素材用パンは、食塩含有量が、実質的に0重量%である上記(1)または(2)に記載の素材用パン。
(5) 前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、Glu-B3abを持たない穀物を製粉したものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の素材用パン。
(6) 前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、Glu-D1dを持たない穀物粉である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の素材用パン。
(7) 前記素材用パンに使用されるすべての小麦粉は、Wxy−B1が欠損した小麦品種の小麦を製粉した小麦粉である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の素材用パン。
(8) 前記素材用パンは、醸造酢を含有している上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の素材用パン。
(9) 前記素材用パンは、中種法により製造されたパンであり、かつ前記中種に前記ベース小麦粉は、中種における全穀物粉量の30重量%以上が前記ベース小麦粉である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の素材用パン。
(10) 前記ベース小麦粉は、グルテニンサブユニットの遺伝子型のGlu-B3abを備える小麦品種の小麦を製粉したものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の素材用パン。
(11) 前記素材用パンは、全穀物粉由来のタンパク質含有量が、11.5%以上である上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の素材用パン。

0012

また、上記課題を解決するものは以下のものである。
(12)グルテニンサブユニットの遺伝子型が少なくともグルテンの網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持ち、さらに、Wxy−B1が欠損した小麦品種の小麦を製粉したベース小麦粉30〜90重量部と、前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉70〜10重量部と、所定量の水と、前記ベース小麦粉と前記全穀物粉の合計重量に対して、0〜1.25重量%となる食塩とを混合した中間生地を作成する中間生地作成工程と、最終パン生地全量の30重量%以上となるように添加した前記中間生地と、所定量の最終パン生地作成用穀物粉と、前記最終パン生地作成用穀物粉の重量に対して、0〜1.25重量%となる食塩と、水を少なくとも用いて最終パン生地を作成する最終パン生地作成工程とを有する素材用パンの製造方法。

0013

(13) 最終パン生地作成工程における前記最終パン生地作成用穀物粉は、前記ベース小麦粉を0〜90重量部、前記穀物粉を100〜10重量部配合したものである上記(12)に記載の素材用パンの製造方法。
(14) 前記最終パン生地は、食塩含有量が、0〜0.5重量%である上記(12)または(13)に記載の素材用パンの製造方法。
(15) 前記最終パン生地は、食塩含有量が、実質的に0重量%である上記(12)または(13)に記載の素材用パンの製造方法。
(16) 前記最終パン生地作成工程において、醸造酢を添加するものである上記(12)ないし(15)のいずれかに記載の素材用パンの製造方法。
(17) 前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる小麦、小麦以外の穀物または塊茎類から製粉された炭水化物が70%以上の穀物粉である上記(12)ないし(16)のいずれかに記載の素材用パンの製造方法。
(18) 前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、Glu-B3abを持たない穀物を製粉したものである上記(12)ないし(17)のいずれかに記載の素材用パンの製造方法。
(19) 前記ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉は、Glu-D1dを持たない穀物粉である上記(12)ないし(18)のいずれかに記載の素材用パンの製造方法。

発明の効果

0014

本発明の素材用パンは、グルテニンサブユニットの遺伝子型が少なくともグルテンの網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持ち、さらに、Wxy−B1が欠損した小麦品種の小麦を製粉したベース小麦粉と、ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉とを用いて製造した素材用パンである。そして、素材用パンは、ベース小麦粉と穀物粉を合わせた全穀物粉量の30〜90重量%が、ベース小麦粉であり、さらに、食塩含有量が、0〜1重量%であり、無塩、低塩もしくは減塩のものとなっている。
特に、この素材用パンは、ベース小麦粉と穀物粉を合わせた全穀物粉量の30〜90重量%が、ベース小麦粉であるので、食塩含有量が、0〜1重量%の無塩、低塩もしくは減塩パンであっても、十分にソフトであり、もっちりさを有し、良好な食感を備えている。

0015

また、本発明の素材用パンの製造方法は、グルテニンサブユニットの遺伝子型が少なくともグルテンの網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持ち、さらに、Wxy−B1が欠損した小麦品種の小麦を製粉したベース小麦粉30〜90重量部と、ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉70〜10重量部と、ベース小麦粉と全穀物粉の合計重量に対して、0〜1.25重量%となる食塩と水を少なくとも混合した中間生地を作成する中間生地作成工程と、最終パン生地全量の30重量%以上となるように添加した中間生地と、所定量の最終パン生地作成用穀物粉と、最終パン生地作成用穀物粉の重量に対して、0〜1.25重量%となる食塩と、水を少なくとも用いて最終パン生地を作成する最終パン生地作成工程とを有する。
このため、上述した無塩、低塩もしくは減塩の素材用パンを容易かつ確実に製造することができる。

0016

本発明の素材用パンは、グルテニンサブユニットの遺伝子型が少なくともグルテンの網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持ち、さらに、Wxy−B1が欠損した小麦品種の小麦を製粉したベース小麦粉と、ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉とを用いて製造した素材用パンである。そして、素材用パンは、ベース小麦粉と穀物粉を合わせた全穀物粉量の30〜90重量%が、ベース小麦粉であり、さらに、食塩含有量が、0〜1重量%であり、無塩、低塩もしくは減塩のものとなっている。

0017

本発明の素材用パンは、そのまま生食することは可能である。しかし、食塩含有量が、0〜1重量%であり、無塩、低塩もしくは減塩のものとなっているため、呈味性という点では、通常の食塩含有量(穀物粉に対する重量では2重量%程度、焼成されたパンに対する重量では1.6重量%程度)のものより、良好ではない。

0018

しかし、生のままサンドイッチホットドッグなど食材を挟むもしくは載せるなどすること、食材を挟むまたは載せた状態にて加熱し、ホットサンドオープンサンドとすること、トースト後にバター等を塗布すること、生のままジャムクリーム等を塗布することにより、無塩、低塩もしくは減塩であることをほとんど認識することなく食することができる。また、高塩分食品であると思われているバターであっても、1.4〜1.8%程度である。1枚のトーストに使うバター量は、通常8g程度であり、塩分量は、0.12g程度である。通常の食パン6枚切りの1枚あたりの重量は、60gであり、塩分量は、0.8g程度であり、バターの塩分量は、パンの塩分量より十分に低い。同様に、食材パンに使用する具材塗り物などを選択することにより、本発明の素材用パンを用いることにより、トータル的に塩分量の少ない調理パンを作成することができる。

0019

そして、本発明の素材用パンでは、ベース小麦粉として、グルテニンサブユニットの遺伝子型が少なくともグルテンの網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持った小麦品種の小麦を製粉したものが用いられている。いわゆる、超強力といわれる小麦品種がこれに該当する。特に、小麦品種としては、Glu-D1d、Glu-B3abを持ち、かつ、Wxy−B1が欠損したゆめちからが好適に使用できる。このゆめちからは、グルテニンサブユニットの遺伝子型として、さらに、Glu-D3b、Glu-A1a、Glu-B1b、Glu-A3fを持っている。また、ベース小麦粉は、タンパク質含有量が12.0%以上であることが好ましい。

0020

そして、本発明の素材用パンでは、上記のベース小麦粉を100%用いるのではなく、ベース小麦粉と他の穀物粉を合わせた全穀物粉量の30〜90重量%が、ベース小麦粉となるように用いている。これにより、無塩、低塩もしくは減塩であっても、十分にソフトであり、かつ、もっちりさを有するものとなっている。

0021

そして、本発明の素材用パンでは、上記ベース小麦粉とともに、ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉が用いられている。この穀物粉としては、ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる小麦、同様に、ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる小麦以外の穀物または塊茎類から製粉されものが用いられる。そして、使用される穀物粉は、炭水化物が70%以上の穀物粉であることが好ましい。また、ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉、特に、小麦粉としては、グルテン形成に関わる遺伝子のうち少なくともGlu-B3abを持たない穀物の粉が使用される。

0022

さらに、穀物粉、特に、小麦粉としては、Glu-B3b、Glu-B3g、Glu-B3abのいずれも持たないものを用いることが好ましい。また、穀物粉としては、Glu-D1dを持たないものを用いてもよい。また、穀物粉、特に小麦粉としては、ベース小麦粉と同様に、Wxy−B1が欠損したものを用いることが好ましい。言い換えれば、素材用パンに使用されるすべての小麦粉は、Wxy−B1が欠損した小麦品種の小麦を製粉した小麦粉であることが好ましい。

0023

そして、素材用パンは、ベース小麦粉と穀物粉を合わせた全穀物粉量の30〜90重量%が、ベース小麦粉となっている。特に、全穀物粉量の40〜80重量%がベース小麦粉であることが好ましい。また、穀物粉としては、その全量の30%以上が、小麦粉であることが好ましい。特に、80%以上が、小麦粉であることが好ましい。
そして、素材用パンの食塩含有量が、0〜1重量%であり、特に、0〜0.5重量%であることが好ましい。より、好ましくは、0〜0.3重量%である。特に、好ましくは、実質的に0重量%である。

0024

そして、本発明の素材用パンは、醸造酢を含有していてもよい。醸造酢としては、穀物酢果実酢を用いることができる。穀物酢としては、米酢麦芽酢などがあり、果実酢としては、りんご酢、ぶどう酢等がある。醸造酢を添加する場合において、素材用パンの醸造酢含有量は、「醸造酢の日本農林規格」(制定 昭和54年6月8日農林水産省告示第 801号、最終改正平成20年10月16日農林水産省告示第1506号)第4条に示された酸度測定方法を用いて得られた酸度として、全穀物粉に対して0〜0.25重量%が好ましく、特に0.04〜0.12重量%が好ましい。

0025

さらに、本発明の素材用パンは、中種法により製造されたパンであり、かつ中種にベース小麦粉は、中種における全穀物粉量の30重量%以上がベース小麦粉であることが好ましい。しかし、本発明の素材用パンは、直捏法によるものであってもよい。また、本発明の素材用パンにおいて、素材用パンにおける小麦粉由来のタンパク質含有量が11.5%以上であることが好ましい。言い換えれば、素材用パンは、全穀物粉由来のタンパク質含有量が、11.5%以上であることが好ましい。

0026

次に、本発明の素材用パンの製造方法について説明する。
本発明の素材用パンの製造方法は、中間生地作成工程を有するいわゆる中種法を用いるものである。
本発明の素材用パンの製造方法は、グルテニンサブユニットの遺伝子型が少なくともグルテンの網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持ち、さらに、Wxy−B1が欠損した小麦品種の小麦を製粉したベース小麦粉30〜90重量部と、ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉70〜10重量部と、ベース小麦粉と全穀物粉の合計重量に対して、0〜1.25重量%となる食塩と水を少なくとも混合した中間生地を作成する中間生地作成工程と、最終パン生地全量の30重量%以上となるように添加した中間生地と、所定量の最終パン生地作成用穀物粉と、最終パン生地作成用穀物粉の重量に対して、0〜1.25重量%となる食塩と、水を少なくとも用いて最終パン生地を作成する最終パン生地作成工程とを少なくとも行うものである。

0027

このパンの製造方法では、中間生地作成工程を有し、かつ、この中間生地作成工程において、上述した特定のグルテニンサブユニット遺伝子型を有する小麦品種からなるベース小麦粉を用いているため、製造されるパンは、食塩含有量が、0〜1重量%の無塩、低塩もしくは減塩パンであっても、十分にソフトであり、もっちりさを有し、良好な食感を備えるものとなる。特に、中間生地作成工程において、イーストを添加し、中間生地調整後、発酵を行い、発酵後の中間生地を最終パン生地作成工程において用いるものであることが好ましい。このようにすることにより、製造されるパンは、よりもっちりさを有し、良好な食感を備えるものとなる。

0028

中間生地作成工程について説明する。
中間生地作成工程は、中間生地混捏工程と、中間生地発酵工程を行うことが好ましい。中間生地混捏工程では、グルテニンサブユニットの遺伝子型が少なくともグルテンの網目構造を密にするGlu-D1dを持ち、かつ、網目構造の量を増やすGlu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abの少なくともいずれかを持ち、さらに、Wxy−B1が欠損した小麦品種の小麦を製粉したベース小麦粉30〜90重量部と、ベース小麦粉とグルテニンサブユニットの遺伝子型が異なる穀物粉70〜10重量部と、所定量の水と、ベース小麦粉と全穀物粉の合計重量に対して、0〜1.25重量%となる食塩、所定量のイーストとからなる原料一緒ミキサー投入して、混捏することにより行われる。なお、ベース小麦粉とおよび穀物粉は、上述した通りである。

0029

なお、中間生地作成工程におけるベース小麦粉と穀物粉の配合は、ベース小麦粉が、40〜90重量部であり、穀物粉が、60〜10重量部であることが好ましい。さらには、ベース小麦粉が、60〜90重量部であり、穀物粉が、40〜10重量部であってもよい。また、中間生地作成工程における食塩添加量が、全穀物粉に対して、0〜0.5重量%であることが好ましく、特に、実質的に0重量%であることが好ましい。なお、中間生地材料には、イーストフード酸化剤、生地改良剤等を添加してもよい。中間生地にて使用するベース小麦粉を含む穀物粉量は、製造されるパンのベース小麦粉を含む全穀物粉量のうちの60重量%〜80重量%であることが好ましい。

0030

食塩を添加しない通常の強力粉生地では、生地に適度な弾力がなく安定しないので、短時間のミキシングオーバーミキシングとなり、十分なミキシングを行うことができなかったが、この中間生地作成工程では、食塩を十分量添加した通常強力粉生地と同様に、生地が十分な弾力を持ち、安定したミキシングを行うことができる。
そして、中間生地混捏工程にて形成された混捏物所定条件にて、所定時間発酵することにより、中間生地が作成される。

0031

次に、最終パン生地作成工程について説明する。
最終パン生地作成工程では、最終パン生地混捏工程と、最終パン生地発酵工程が行われる。
最終パン生地混捏工程は、最終パン生地全量の30重量%以上となるように添加した中間生地と、所定量の最終パン生地作成用穀物粉と、最終パン生地作成用穀物粉の重量に対して、0〜1.25重量%となる食塩と、水と、イーストとを少なくとも用いて、それら原料を一緒にミキサーに投入して混合(混捏)することにより行われる。また、上記原料には、醸造酢、イーストフード、酸化剤、生地改良剤、乳化剤、糖類、脱脂粉乳、油脂、乳製品レーズン大豆小豆等の豆由来の製パン資材等から選択された1種類または2種類以上のものを適宜添加してもよい。

0032

そして、最終パン生地作成用穀物粉としては、ベース小麦粉0〜90重量部であり、穀物粉が100〜10重量部配合したものが好ましい。言い換えれば、最終パン生地作成用穀物粉としては、上述したベース小麦粉を用いず、ベース小麦粉ではない小麦粉のみ、さらには、米粉などの穀物粉を添加したものなどであってもよい。また、最終パン生地作成用穀物粉としては、上述した中間生地と同様に、ベース小麦粉を添加するものであってもよい。この場合最終パン生地作成工程におけるベース小麦粉と穀物粉の配合は、ベース小麦粉が、30〜90重量部であり、穀物粉が、70〜10重量部であることが好ましい。さらには、ベース小麦粉が、50〜90重量部であり、穀物粉が、50〜10重量部であってもよい。また、最終パン生地は、食塩含有量が、0〜0.45重量%であることが好ましい。特に、最終パン生地は、食塩含有量が、実質的に0重量%であることが好ましい。そして、上述のように、最終パン生地作成工程において、醸造酢を添加するものであることが好ましい。醸造酢としては、上述した通りである。

0033

最終パン生地発酵工程は、常法の中種法の醗酵条件(時間、温度、湿度)にて行いことができる。ここでは、フロアタイムの間発酵後、生地を分割して丸めを行ない、その後、ベンチタイムをとり、ガス抜きや成形を行なってから最終発酵を行うことが好ましい。
食塩を添加しない通常の強力粉生地は、生地が粘着性を増し、ベタついて作業性が悪化したが、この最終パン生地作成工程では、食塩を十分量添加した通常強力粉生地と同等以上に粘着性を抑制し、作業性は良好であった。また、食塩を添加しない通常の強力粉生地では、生地の弾力、伸展性が悪化し、成形時に生地がダレてしまったり、生地を伸ばしたときにダメージを受けやすいものであった。しかし、上記の最終パン生地作成工程に作成された生地は、生地弾力、伸展性が強化され、ダレにくく、十分な伸展性を有するものであった。

0034

次に、上記のように作成された最終パン生地を焼成する。焼成も常法の条件に行うことができる。
そして、得られた焼成パンは、通常の強力粉と同程度のボリュームを有し、ソフトさ、もっちりさを備え、良好な食感を有していた。また、醸造酢を添加することにより、味と日持ちに関して改善効果が確認された。

0035

次に、実施例について説明する。但し、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例および比較例)
本発明の製造方法を用いて食パン状の素材用パンを製造した例である。製パン実験は、以下の中間生地作成(混捏、発酵)、最終生地作成(混捏、発酵)、焼成工程についてそれぞれ以下の条件で製パン実験を行った。

0036

1)中間生地作成工程
中間生地の調製は、表1ないし表5および下記穀物粉内容に示す配合にて行い、混捏は、以下に示す条件で行った。
中種生地ミキシング条件・捏上温度・中種生地発酵条件
25コート竪型ミキサーを用い、低速で2分、中高速で2分
捏上温度24℃
中間生地発酵27℃、4時間

0037

2)各実施例及び比較例における穀物粉内容は、以下の通りである。
(1)実施例1a,1b,1c
穀物粉内容A:小麦品種ゆめちから(タンパク質含量12.9%)30%+強力粉(タンパク質含量12.4%)70%
ここで使用したゆめちからは、グルテニンサブユニットの遺伝子型として、Glu-D1dとGlu-B3abを持ち、Wxy−B1が欠損するものである。また、ここで使用した強力粉は、グルテニンサブユニットの遺伝子型として、Glu-D1dを持ち、かつ、Glu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abのいずれも持たないものであった。

0038

(2)実施例2a,2b,2c
穀物粉内容B:小麦品種ゆめちから(タンパク質含量12.9%)75%+薄力粉(タンパク質含量4.5%)
ここで使用した薄力粉は、グルテニンサブユニットの遺伝子型として、Glu-D1d、Glu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abのいずれも持たないものであった。

0039

(3)実施例3a,3b,3c
穀物粉内容C:小麦品種ゆめちから(タンパク質含量13.8%)50%+中力粉(タンパク質含量9.4%)
ここで使用した中力粉は、グルテニンサブユニットの遺伝子型として、Glu-D1dは、持たないが、Glu-B3gを持つものであった。

0040

(4)実施例4a,4b,4c
穀物粉内容D:小麦品種ゆめちから(タンパク質含量13.8%)90%+浮き粉(タンパク質含量0.2%)10%
ここで使用した浮き粉は、グルテニンサブユニットの遺伝子型として、Glu-D1d、Glu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abのいずれも持たないものであった。

0041

(5)実施例5a,5b,5c
穀物粉内容C(実施例3a,3b,3cと同じ):小麦品種ゆめちから(タンパク質含量12.9%)50%+中力粉(タンパク質含量9.4%)
そして、この実施例では、酸度が全穀物粉に対して5aおよび5bは0.07重量%,5cは0.05重量%になるよう醸造酢を最終パン生地作成工程で添加した。
ここで使用した中力粉は、グルテニンサブユニットの遺伝子型として、Glu-D1dを持たず、Glu-B3gを持つものであった。

0042

(6)比較例1a,1b,1c、1d(穀物粉内容E)
強力粉(タンパク質含量12.4%)100%(小麦品種ゆめちから0%)
ここで使用した強力粉は、グルテニンサブユニットの遺伝子型として、Glu-D1dを持ち、かつ、Glu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abのいずれも持たないものであった。

0043

(7)比較例2a,2b,2c
穀物粉内容F:小麦品種ゆめちから(タンパク質含量12.9%)20+強力粉(タンパク質含量12.4%)80%
ここで使用した強力粉は、グルテニンサブユニットの遺伝子型として、Glu-D1dを持ち、かつ、Glu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abのいずれも持たないものであった。

0044

(8)比較例3
穀物粉内容G:小麦品種、銀河のちから(タンパク質含量11.4%)30%+強力粉(タンパク質含量12.4%)70%
銀河のちからは、Glu-D1d、Glu-B3g、Wxy−B1を持ち、Glu-B3ab、Glu-A3fのいずれも持たないものであった。また、ここで使用した強力粉は、グルテニンサブユニットの遺伝子型として、Glu-D1dを持ち、かつ、Glu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abのいずれも持たないものであった。

0045

(9)比較例4
穀物粉内容H:小麦品種、ハナマテン(タンパク質含量10.5%)30%+強力粉(タンパク質含量12.4%)70%
ハナマンテンは、Glu-D1d、Glu-B3g、Wxy−B1を持ち、Glu-B3ab、Glu-A3fのいずれも持たないものであった。ここで使用した強力粉は、グルテニンサブユニットの遺伝子型として、Glu-D1dを持ち、かつ、Glu-B3b、Glu-B3gおよびGlu-B3abのいずれも持たないものであった。

0046

1)最終パン生地作成工程
最終生地の調製は表1ないし表5に示す配合で以下に示す条件で調製を行った。
本捏ミキシング条件・捏上温度
25コート竪型ミキサーを用いて、最適ミキシングまでミキシングを行った。
捏上温度27℃
発酵、焼成条件
フロアタイム:30℃、15分
分割、丸め:山形食パン生地量430g
角型食パン生地量230g
上記生地重量になるよう、手分割し丸めた。
ベンチタイム:30℃、18分
成形:モルダーにて棒状に成形し、山形食パンは棒状のままワンローフ型に生地を1つ入れ、角型食パンはU字に折りたたんで3斤型に生地を6つ入れた。
最終発酵:38℃、湿度85%、角型食パンの生地が型下3.0cmになるまで発酵させ焼成型に蓋をし、山形食パンと同時にオーブンに入れた。
2)焼成・冷却工程
焼成:上火 190℃ 下火 210℃ 山形食パン 25分
角型食パン 35分
冷却:室温で90分放冷後、ビニール袋包装し、20℃の恒温庫保管した。

0047

0048

0049

0050

0051

0052

保管した各製品の評価は保管2日後に行った。ボリューム(cc/g)については、ASTEX社製の3次元レーザ体積計VM150を用い体積(cc)を計測し、電子天秤で計測した製品重量(g)で体積を割ることで算出した。製パン時生地評価、内相、製品食感については、熟練したパネリスト5人により評価した。各評価点評価基準は以下の通りであり、評価点の配分は表6に示した。評価点の合計を総評とし3点以上を製品として良好と判断した。
◎:非常に良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
パン中の食塩含有量(重量%)は、以下の式より算出した値の小数点第二位を四捨五入することで得た。
食塩含有量(重量%)=製パン実験に使用した食塩重量(g)/製パン実験に使用した全原料重量(g)×焼成前生地重量(g)/焼成後パン重量(g)×100

0053

0054

上記表1ないし表5に示した製パン時生地評価などの評価結果において、各比較例は標準的な食塩を含有する比較例1dを除いて総評が3点以下となり、生地、製品品質に問題があると判断されたが、特定のグルテニンサブユニットの遺伝子型を持つ小麦品種の小麦粉をベース小麦粉とし、ベース小麦粉と穀物粉を合わせた全穀物粉量の30〜90重量%が、ベース小麦粉とすることにより、塩分含有量が、0〜1重量%の無塩、低塩もしくは減塩パンであっても、全てで総評が3点を上回り、十分にソフトであり、もっちりさを有し、良好な食感を備えることがわかった。特に、実施例1bに関しては比較例1dを上回る評価を得ており、減塩にしても非常に高品質なパンが製造可能であることがわかった。

実施例

0055

なお、醸造酢の添加ない実施例3a,3b,3cと、醸造酢が添加されている実施例5a,5b,5cについて、30℃で3日間保存時における一般生菌数の測定を平板塗布法を用いて行った。具体的には、パン10gを常温になった滅菌済み0.1%ペプトン入り生理食塩水90ml((塩化ナトリウム8.5g+ポリペプトン1.0g)/1000ml生理食塩水)に入れ、よく混合したものを生理食塩水で適宜稀釈を行い、希釈液0.0492mlを滅菌済み標準寒天培地が入ったシャーレ上に塗布し、35℃の恒温器で48時間培養した際にシャーレ上に現れたコロニー数稀釈倍率からパン1g当たりの一般生菌数を求めた。
結果として、実施例3a,3b,3cでは、一般生菌数が10000個以上/1gパンであり、一般生菌数過多により日持ちの判定は×となったが、実施例5a,5b,5cは、200個/1gパンであり日持ちの判定は○であった。よって、醸造酢を添加することにより、日持ちがよくなることがわかり、減塩、無塩による制菌性の低下を補強できることがわかった。

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