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技術 アルギニン含有飲料

出願人 サントリーホールディングス株式会社
発明者 不破喬中尾優希浅野悠松林秀貴
出願日 2015年6月17日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2015-122002
公開日 2017年1月12日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-006014
状態 特許登録済
技術分野 非アルコール性飲料 食品の着色及び栄養改善
主要キーワード アンモニアトラップ 微生物定量法 アルコール測定 反応槽温度 カラム管 検査指 ガスボリューム 遊離アルギニン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年1月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

高濃度アルギニンを含有した飲料において、アルギニンが有する生臭い風味を低減する新たな方法、及び生臭い風味が低減された飲料の提供。

解決手段

アルギニンを800〜20000mg/L含む飲料において、アルギニンの濃度が800〜6000mg/Lにおいてはテアニンを200mg/L以上の濃度で含有させ、アルギニンの濃度が6000〜20000mg/LにおいてはテアニンをY≧0.0000170X2−0.194X+568(Xはアルギニン濃度、Yはテアニン濃度、単位はいずれもmg/L)を満たす濃度のテアニンを含む、アルギニン含有飲料。テニアンの濃度が370g/L以下であるアルギニン含有飲料。

概要

背景

アルギニンはヒトの体内で合成することができるものの、成長期や、外傷ストレス、または筋肉の損傷などを受けたときなどは、体内での合成が不足しがちになるため、十分な摂取が望まれるアミノ酸である。アルギニンには、疲労回復血管拡張血流改善などの効果があることから、アルギニンを配合した健康飲料が市販されている。

アルギニンの効果を飲料で享受するには、アルギニンを飲料中高濃度に配合することが好ましい。しかし、アルギニンには、特有の生臭い風味があるために、飲料中に高濃度に配合すると、飲料の嗜好性が著しく低下するという問題がある。

特許文献1には、アルギニンを高含有した滋養強壮飲料に対し、柑橘系オイルアルコールとを含有させることにより、アルギニンが有する生臭い風味を抑制したことが記載されている。特許文献1の実施例には、アルコールが5〜7%の滋養強壮アルコール飲料が記載されている。

また、特許文献2には、バリンロイシンイソロイシン、またはアルギニンといった苦味を呈するアミノ酸を含有する飲料に対し、オルニチンを配合することで、アミノ酸の苦味を低減させることが記載されている。

概要

高濃度のアルギニンを含有した飲料において、アルギニンが有する生臭い風味を低減する新たな方法、及び生臭い風味が低減された飲料の提供。アルギニンを800〜20000mg/L含む飲料において、アルギニンの濃度が800〜6000mg/Lにおいてはテアニンを200mg/L以上の濃度で含有させ、アルギニンの濃度が6000〜20000mg/LにおいてはテアニンをY≧0.0000170X2−0.194X+568(Xはアルギニン濃度、Yはテアニン濃度、単位はいずれもmg/L)を満たす濃度のテアニンを含む、アルギニン含有飲料。テニアンの濃度が370g/L以下であるアルギニン含有飲料。

目的

このような制約をできるだけ少なくしつつ、高濃度のアルギニンを含有しながら生臭い風味の抑えられた飲料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

アルギニンを800〜20000mg/L含む飲料であってアルギニンの濃度が800mg/L以上6000mg/L以下においてはテアニンを200mg/L以上含み、アルギニンの濃度が6000mg/Lより高く20000mg/L以下においては以下の式: Y≧0.0000170X2−0.194X+568(ただし、Xはアルギニン濃度(mg/L)、Yはテアニン濃度(mg/L))を満たす濃度のテアニンを含む、アルギニン含有飲料

請求項2

アルギニンの濃度が800mg/L以上6000mg/L以下においてはテアニンを200mg/L以上含み、アルギニンの濃度が6000mg/Lより高く20000mg/L以下においては以下の式: Y≧0.0000178X2−0.176X+621(ただし、Xはアルギニン濃度(mg/L)、Yはテアニン濃度(mg/L))を満たす濃度のテアニンを含む、請求項1に記載の飲料。

請求項3

アルギニンの濃度が800mg/L以上6000mg/L以下においてはテアニンを400mg/L以上含み、アルギニンの濃度が6000mg/Lより高く20000mg/L以下においては以下の式: Y≧0.0000417X2−0.402X+1330(ただし、Xはアルギニン濃度(mg/L)、Yはテアニン濃度(mg/L))を満たす濃度のテアニンを含む、請求項1または2に記載の飲料。

請求項4

テアニンの濃度が370g/L以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。

請求項5

アルギニンの濃度が16000mg/L以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料。

請求項6

アルギニンの濃度が12000mg/L以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料。

請求項7

テアニンを400mg/L以上含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の飲料。

請求項8

テアニンを1000mg/L以上含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の飲料。

請求項9

テアニンを1500mg/L以上含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の飲料。

請求項10

テアニンを2500mg/L以上含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の飲料。

請求項11

テアニンの濃度が10g/L以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の飲料。

請求項12

テアニンの濃度が5g/L以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の飲料。

請求項13

アルギニンを800〜20000mg/L含む飲料におけるアルギニンの生臭い風味を低減させる方法であって、アルギニンの濃度が800mg/L以上6000mg/L以下においてはテアニンを200mg/L以上の濃度で含有させ、アルギニンの濃度が6000mg/Lより高く20000mg/L以下においてはテアニンを以下の式:Y≧0.0000170X2−0.194X+568(ただし、Xはアルギニン濃度(mg/L)、Yはテアニン濃度(mg/L))を満たす濃度で含有させることを含む、上記方法。

請求項14

アルギニンを800〜20000mg/L含む飲料の製造方法であって、アルギニンの濃度が800mg/L以上6000mg/L以下においてはテアニンを200mg/L以上の濃度で含有させ、アルギニンの濃度が6000mg/Lより高く20000mg/L以下においてはテアニンを以下の式: Y≧0.0000170X2−0.194X+568(ただし、Xはアルギニン濃度(mg/L)、Yはテアニン濃度(mg/L))を満たす濃度を含有させることを含む、上記方法。

技術分野

0001

本発明は、アルギニンを含有する飲料に関する。詳細には、高濃度のアルギニンに対し、一定濃度以上のテアニンを配合することにより、アルギニンが有する生臭い風味を低減させた飲料に関する。

背景技術

0002

アルギニンはヒトの体内で合成することができるものの、成長期や、外傷ストレス、または筋肉の損傷などを受けたときなどは、体内での合成が不足しがちになるため、十分な摂取が望まれるアミノ酸である。アルギニンには、疲労回復血管拡張血流改善などの効果があることから、アルギニンを配合した健康飲料が市販されている。

0003

アルギニンの効果を飲料で享受するには、アルギニンを飲料中に高濃度に配合することが好ましい。しかし、アルギニンには、特有の生臭い風味があるために、飲料中に高濃度に配合すると、飲料の嗜好性が著しく低下するという問題がある。

0004

特許文献1には、アルギニンを高含有した滋養強壮飲料に対し、柑橘系オイルアルコールとを含有させることにより、アルギニンが有する生臭い風味を抑制したことが記載されている。特許文献1の実施例には、アルコールが5〜7%の滋養強壮アルコール飲料が記載されている。

0005

また、特許文献2には、バリンロイシンイソロイシン、またはアルギニンといった苦味を呈するアミノ酸を含有する飲料に対し、オルニチンを配合することで、アミノ酸の苦味を低減させることが記載されている。

先行技術

0006

特開2007−116939号公報
国際公開第2004/052125号

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1には、アルギニンの生臭い風味を抑制する方法が記載されているが、飲料に柑橘系オイルを含有させることを必須としており、飲料の味の設計に対して制約がある。また、アルコール飲料を対象とするものであるから、健康を目的として日常的に継続摂取するには向いておらず、また、飲料の消費者が限られ、飲む時間や場所も限られる。このような制約をできるだけ少なくしつつ、高濃度のアルギニンを含有しながら生臭い風味の抑えられた飲料を提供することが好ましい。

0008

また、特許文献2にはオルニチンを用いてアミノ酸の苦味を低減させる方法が開示されているが、アルギニンの生臭い風味の低減に関しては開示されていない。

0009

本発明は、高濃度のアルギニンを含有した飲料において、アルギニンが有する生臭い風味を低減する新たな方法を提供することを目的とし、また、高濃度のアルギニンを含有しながら生臭い風味が低減された飲料を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

高濃度のアルギニンに起因する生臭い風味の低減に関して鋭意検討を行った結果、テアニンに特に優れた効果があることを見出した。本発明は、これに限定されないが、以下の態様を含む。
[1]アルギニンを800〜20000mg/L含む飲料であって
アルギニンの濃度が800mg/L以上6000mg/L以下においてはテアニンを200mg/L以上含み、
アルギニンの濃度が6000mg/Lより高く20000mg/L以下においては以下の式:
Y≧0.0000170X2−0.194X+568
(ただし、Xはアルギニン濃度(mg/L)、Yはテアニン濃度(mg/L))
を満たす濃度のテアニンを含む、アルギニン含有飲料
[2]アルギニンの濃度が800mg/L以上6000mg/L以下においてはテアニンを200mg/L以上含み、
アルギニンの濃度が6000mg/Lより高く20000mg/L以下においては以下の式:
Y≧0.0000178X2−0.176X+621
(ただし、Xはアルギニン濃度(mg/L)、Yはテアニン濃度(mg/L))
を満たす濃度のテアニンを含む、[1]に記載の飲料。
[3]アルギニンの濃度が800mg/L以上6000mg/L以下においてはテアニンを400mg/L以上含み、
アルギニンの濃度が6000mg/Lより高く20000mg/L以下においては以下の式:
Y≧0.0000417X2−0.402X+1330
(ただし、Xはアルギニン濃度(mg/L)、Yはテアニン濃度(mg/L))
を満たす濃度のテアニンを含む、[1]または[2]に記載の飲料。
[4]テアニンの濃度が370g/L以下である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の飲料。
[5]アルギニンの濃度が16000mg/L以下である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の飲料。
[6]アルギニンの濃度が12000mg/L以下である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の飲料。
[7]テアニンを400mg/L以上含む、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の飲料。
[8]テアニンを1000mg/L以上含む、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の飲料。
[9]テアニンを1500mg/L以上含む、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の飲料。
[10]テアニンを2500mg/L以上含む、[1]〜[9]のいずれか1項に記載の飲料。
[11]テアニンの濃度が10g/L以下である、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の飲料。
[12]テアニンの濃度が5g/L以下である、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の飲料。
[13]アルギニンを800〜20000mg/L含む飲料におけるアルギニンの生臭い風味を低減させる方法であって、
アルギニンの濃度が800mg/L以上6000mg/L以下においてはテアニンを200mg/L以上の濃度で含有させ、
アルギニンの濃度が6000mg/Lより高く20000mg/L以下においてはテアニンを以下の式:
Y≧0.0000170X2−0.194X+568
(ただし、Xはアルギニン濃度(mg/L)、Yはテアニン濃度(mg/L))
を満たす濃度で含有させることを含む、上記方法。
[14]アルギニンを800〜20000mg/L含む飲料の製造方法であって、
アルギニンの濃度が800mg/L以上6000mg/L以下においてはテアニンを200mg/L以上の濃度で含有させ、
アルギニンの濃度が6000mg/Lより高く20000mg/L以下においてはテアニンを以下の式:
Y≧0.0000170X2−0.194X+568
(ただし、Xはアルギニン濃度(mg/L)、Yはテアニン濃度(mg/L))
を満たす濃度を含有させることを含む、上記方法。

発明の効果

0011

本発明により、アルギニンを高濃度で含有しながら、アルギニンが有する生臭い風味が低減され、良好な風味を有する飲料を提供することができる。テアニンは、ほとんど無味無臭であるから、飲料の所望の風味設計にほとんど影響を与えることなく、アルギニンの生臭い風味を低減させることができるという利点がある。

図面の簡単な説明

0012

アルギニンの含量が6000mg/Lより多く20000mg/L以下の場合のアルギニン含量テアニン含量との関係を示すグラフである。X軸はアルギニン濃度(mg/L)、Y軸はテアニン濃度(mg/L)を示し、各近似曲線で区切られた領域における官能評価1〜4点は、参考例1に記載の方法で得た官能評価(アルギニンによる生臭さ)の評価点を示す。

0013

本発明の飲料は、800〜20000mg/Lといった高濃度のアルギニンと、テアニンとを含むことを特徴とする。

0014

<アルギニン>
本発明に用いるアルギニンは、化学名としては5−グアニジノ−2−アミノペンタン酸または5−グアニジノ−2−アミノ吉草酸で表されるアミノ酸、またはその塩をいう。L−アルギニン、D−アルギニン、ラセミ体であるDL−アルギニンのいずれを用いてもよい。中でも、L−アルギニンは好ましい。本発明には、遊離アルギニンを用いてもよいし、塩の形態のアルギニンを用いてもよい。塩の形態のアルギニンとしては、飲食用として許容される塩であれば特に限定されず、たとえば塩酸塩硝酸塩硫酸塩、クエン酸塩酢酸塩グルタミン酸塩等が挙げられる。

0015

本発明に用いるアルギニンは、ゼラチン大豆ナッツ類等の天然タンパク質源酸加水分解したものから抽出したものや、アルギニン産生微生物培養物から抽出したものを用いることができ、市販のアルギニンを用いることもできる。本発明において、アルギニンの量というときには、遊離アルギニンに換算した量をいう。

0016

本発明の飲料に配合されるアルギニンの量は800〜20000mg/Lの範囲である。アルギニンの量が、20000mg/Lを超えると、アルギニンの生臭い風味が強くなりすぎ、低減することが難しくなる。アルギニンの量は好ましくは、16000mg/L以下であり、一態様においては、アルギニンの量を12000mg/L以下とすることもできる。また、後述する通り、アルギニンの含量が800〜6000mg/Lの場合、テアニンを200mg/L以上含有させることで、アルギニンの生臭い風味をほとんど感じない程度にまで低減させることができ、また、テアニンを400mg/L以上含有させることでまったく感じない程度にまで低減させることができる。一方、アルギニンの含量が6000mg/Lより多く20000mg/L以下である場合、後述する特定の範囲の量のテアニンを含有させることにより、アルギニンの生臭い風味を、飲用に支障のない程度にまで低減させるか、あるいは、ほとんどまたはまったく感じない程度にまで低減させることができる。

0017

本発明におけるアルギニンの含量は、ニンヒドリン反応に基づく液体クロマトグラフィーやこれを利用したアミノ酸分析計を用いた方法、Streptococcus faecalis RATCC8043を利用した微生物定量法など、公知の方法を適宜用いて測定することができる。たとえば、L−アルギニンについて、アミノ酸分析計を用いて測定する場合は、「食品衛生検査指食品添加物編」(社団法人 日本食品衛生協会)に記載された方法に従って、概略、以下のような方法によって測定することができる。

0018

1.測定条件
カラム充填剤ゲル型強酸性陽イオン交換樹脂平均粒径15.5μm、架橋度10%
カラム管内径9mm、長さ100mm
カラム温度:55℃
移動相クエン酸緩衝液(pH5.28)、0.6mL/分
反応コイル:内径0.5mm、長さ20m
反応槽温度:98℃
ニンヒドリン液の流速:0.3mL/分。

0019

2.測定液の調製
試料液10mLに塩酸を加えてpH2.2に調整した後、クエン酸緩衝液(pH2.2)を加えて100mLとし、測定液とする。

0020

3.定量
測定液及び標準液のそれぞれ500μLずつを液体クロマトグラフ注入し、570nmにおける吸光度として得られた測定液のクロマトグラムと標準液のクロマトグラムとの面積比に基づき、以下の計算式によってL−アルギニン含量を定量する:
アルギニン含量(g/kg)=(2×S×A)/(W×As)
S:標準液中のL−アルギニン塩酸塩の濃度(μg/mL)
A:測定液で得られたクロマトグラムのL−アルギニンのピーク面積
W:試料採取量(g)
As:標準液で得られたクロマトグラムのL−アルギニンのピーク面積。

0021

<テアニン>
本発明の飲料は、アルギニンの含量が800mg/L以上6000mg/L以下の場合、200mg/L以上のテアニンを含む。アルギニンの含量が800〜6000mg/Lである場合、アルギニンの生臭さは飲用に支障が無い程度ではあるが、これに200mg/L以上のテアニンを含有させることにより、アルギニンの生臭い風味をほとんど感じなくなる程度にまで低減させ、嗜好性の高い飲料とすることができる。また、本発明の飲料はアルギニンの含量が6000mg/Lより多く20000mg/L以下の場合、Y≧0.0000170X2−0.194X+568(Xはアルギニン濃度、Yはテアニン濃度、いずれも単位はmg/L)となる濃度のテアニンを含む。アルギニンの含量が6000mg/Lを超える場合、飲用に支障をきたすほどのアルギニンの強い生臭さが感じられるが、ここに上記式を満たす量のテアニンを含有させることにより、アルギニンの強い生臭い風味を、飲用に支障がない程度にまで低減させることができる。

0022

テアニンは、旨味成分として知られ、グルタミン酸−γ−エチルアミドからなる。L体、D体、DL体(ラセミ体)のいずれも使用可能であるが、中でもL体を用いることが好ましい。市販の試薬、純品(テアニン含量98質量%以上の精製品)、粗精製品(テアニン含量50〜98質量%)の他、茶抽出物またはその濃縮物の形態でも用いることができる。本発明の飲料においては、呈味沈殿抑制等の観点から、粗精製品または純品を用いることが好ましく、特に純品を用いることが好ましい。

0023

テアニンはどのような方法によって得られたものでも利用可能である。テアニンの製造方法としては、例えば茶葉からの分離精製法化学的合成法、茶細胞による組織培養法酵素反応を利用する方法等が挙げられる。酵素反応を利用する方法として、グルタミンエチルアミンとの混合物グルタミナーゼを作用させてテアニンを得る方法等があり、「サンテアニン」(太陽化学株式会社)として市販されている。このような酵素反応によって得られるL−テアニンは好ましい。

0024

本発明の飲料に配合されるテアニンの量は、アルギニンが800〜6000mg/Lの範囲ではアルギニンの濃度が増加しても、その生臭さを抑制するために必要なテアニン量は変化しなかった。一方アルギニンが6000mg/Lを超えると、驚くべきことに、アルギニン濃度が増加するにつれて、その生臭さを抑制するために必要なテアニン量が2次関数的に増加すること見出した。口中に含まれたアルギニン溶液から発する生臭さが鼻腔に到達する際の化学的変化および生理的反応によりこのような現象が生じていると考えられるが、本発明はこの理論に拘束されるものではない。

0025

各種アルギニン濃度(X)(単位mg/L)、テアニン濃度の試料を用いて官能評価を行ったところ、800≦X≦6000では飲用に支障が無い程度のアルギニンの生臭さが感じられるが、テアニンを200mg/L以上添加することによりアルギニンの生臭さがほとんど感じられなくなり、400mg/L以上添加することでアルギニンの生臭さが感じられなくなった。

0026

また、X>6000では飲用に支障をきたすほどのアルギニンの生臭さが感じられるが、テアニンを特定の範囲の量で添加することによりアルギニンの強い生臭い風味を抑制することができた。アルギニンの濃度増加に応じて、その生臭さを抑制するのに必要なテアニン量は2次関数的に増加し、飲用に支障が無い程度にアルギニンの生臭さを抑制するのに必要なテアニン量は、テアニン濃度をY(単位mg/L)としたとき、Y≧0.0000170X2−0.194X+568で近似された。また、アルギニンの生臭さをほとんど感じなくなる程度にまで抑制するのに必要なテアニン量(Y)はY≧0.0000178X2−0.176X+621で近似され、生臭さを感じなくなる程度にまで抑制するのに必要なテアニン量はY≧0.0000417X2−0.402X+1330で近似された。

0027

すなわち、テアニンの量は、アルギニンの濃度が800〜6000mg/Lにおいては200mg/L以上であり、好ましくは400mg/L以上である。また、アルギニンの濃度が6000mg/Lより高く20000mg/L以下においてはY≧0.0000170X2−0.194X+568であり(Xはアルギニン濃度、Yはテアニン濃度、いずれも単位はmg/L)、好ましくはY≧0.0000178X2−0.176X+621であり、より好ましくはY≧0.0000417X2−0.402X+1330である。

0028

テアニンは、ほとんど無味無臭であり、飲料の風味設計にほとんど影響を与えることがないから、飲料中に高濃度で配合してもよい。例えば、飲料中にテアニンを400mg/L以上の濃度で配合することは好ましく、1000mg/L以上、1500mg/L以上、さらには2500mg/L以上の濃度で配合してもよい。

0029

テアニンの量の上限は特に限定されないが、溶解度の問題から370g/L以下であればよく、テアニン自体が有するかすかな風味が飲料に影響しにくいという観点からは10g/L以下が好ましく、5g/L以下、4g/L以下、または3g/L以下が好ましい。

0030

飲料中のテアニンの量は、高速液体クロマトグラフィーHPLC)を用いて、例えば、以下の方法で測定することができる。

0031

1.分析機器
アミノ酸分析カラム(Sim−pack Amino Li)、移動相脱気装置(DGU−20A5)、移動相切り替えバルブ(FCL−11AL)、ポンプ(LC−20AB)、アンモニアトラップカラム(Sim−pack ISC−30/S0504(Li))、オートサンプラー(SIL−20AC)、オーブン(CTO−20AC)、蛍光検出器(RF−10A XL)を設置したHPLC(島津製作所社製)を使用する。

0032

試料は、液体クロマトグラフィー用の水で適宜希釈し、オートサンプラーにて10μLを注入する。

0033

2.溶出条件
カラム温度:39℃
移動相A液:7%メチルセルソルブを含有する0.15Nクエン酸リチウム水溶液過塩素酸にてpH2.6に調整)
移動相B液:0.30Nクエン酸リチウム−0.20Mホウ酸水溶液(4M水酸化リチウムにてpH10.0に調整)
移動相C液:0.20M水酸化リチウム水溶液
流速0.6mL/分
グラジエント条件:以下の表1の通り
上記条件におけるL−テアニンの溶出時間は37.9分であった。

0034

0035

3.反応条件
以下の反応液A液及び反応液B液を用い、流速0.3mL/分にて、カラム溶出液混和する。まず、カラム溶出液と反応液A液を内径0.5mm×長さ1000mmの反応コイルで混和し、次いで反応液B液を内径0.5mm×長さ20000mmの反応コイルで混和する。
反応液A液:0.0005%次亜塩素酸ナトリウムを含有する炭酸ホウ酸緩衝液(pH10.0に調整)
反応液B液:0.08%オルトフタルアルデヒド、1.40%エタノール、0.04%ポリオキシエチレンラウリルエーテル、及び0.10%N−アセチルシステインを含有する炭酸−ホウ酸緩衝液(pH10.0に調整)。

0036

4.検出条件
蛍光検出器:励起波長350nm、検出波長450nm
5.定量
L−テアニン標準品(東京化成工業)を上記条件で分析することにより検量線を作成し、検量線を用いて試料中のテアニンを定量する。

0037

<飲料>
本発明の飲料には、アルギニンとテアニンに加えて、飲料に一般に用いられる種々の添加物を使用することができる。そのような添加物の例としては、甘味料酸味料保存料色素類、酸化防止剤等が挙げられる。また、目的に応じて、果汁コーヒー抽出物茶葉抽出物乳成分等の食品成分を添加してもよい。

0038

本発明の飲料の形態としては、果実飲料茶飲料コーヒー飲料乳性飲料炭酸飲料機能性飲料、エナジードリンク等が例示でき、これらに限定されないが、炭酸ガスを含有させると生臭い風味がさらに緩和される傾向があるので好ましい。炭酸ガスを含有させる場合、ガスの圧力は、特に限定されないが、20℃において、0.7〜5.0kg/cm2程度が好ましく、1.0〜3.0kg/cm2程度がより好ましい。飲料中の炭酸ガスの圧力は、市販のガスボリューム測定装置等を用いて測定することができる。

0039

本発明の飲料は、微量のアルコール(エタノール)を含むものであってもよい。この場合、アルコールの量は、好ましくは0.01v/v%以上1v/v%未満であり、好ましくは0.05〜0.5v/v%である。飲料中のアルコールの量は、蒸留密度比重)法、ガスクロマトグラフ法等公知のいずれの方法を用いてもよく、市販のアルコール測定キットアルコール測定装置を用いて測定することもできる。

0040

本発明の飲料は、容器詰めとすることができる。容器の形態は何ら制限されず、ビン、またはペットボトル等の密封容器を用いることができる。

0041

<高濃度のアルギニンを含有する飲料の生臭い風味を低減させる方法>
本発明は、別の観点からは、800〜20000mg/Lといった高濃度のアルギニンを含有する飲料におけるアルギニンの生臭さを、テアニンを配合することにより低減させる方法でもある。具体的には、アルギニンを800mg/L以上6000mg/L以下で含む場合には、飲料中にテアニンを200mg/L以上配合し、アルギニンを6000mg/Lより多く20000mg/L以下で含む場合には、飲料中にテアニンをY≧0.0000170X2−0.194X+568(Xはアルギニン濃度、Yはテアニン濃度、単位はいずれもmg/L)となるように配合する。

0042

また、本発明は、800〜20000mg/Lといった高濃度のアルギニンを含む飲料の製造方法でもある。具体的には、アルギニンが800mg/L以上6000mg/L以下の範囲の場合には、テアニンを200mg/L以上配合することを含み、アルギニンが6000mg/Lより多く20000mg/L以下の範囲の場合には、テアニンをY≧0.0000170X2−0.194X+568(Xはアルギニン濃度、Yはテアニン濃度、単位はいずれもmg/L)となるように配合することを含む。テアニンは、ほとんど無味無臭であるため、飲料の所望の風味設計にほとんど影響を与えることなく、アルギニンの生臭みを低減させることができるという利点がある。アルギニンとテアニンの量は、上記の範囲内で調整することができ、好ましい範囲も上記した通りである。

0043

以下、実施例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

0044

<参考例>
アルギニンの生臭い風味の評価
表2に示す濃度で水にアルギニン(味の素ヘルシサプライ製L−アルギニン)を加え、スターラー撹拌して溶解し、飲料を調製した。これらの飲料を、訓練された専門パネラー2名による官能評価に供した。評価項目は生臭い風味について、1:生臭くて飲用に支障を感じる、2:飲用に支障はないが生臭さを感じる、3:生臭い風味をほとんど感じない、4:生臭い風味を感じない、として評価した。評価点1の場合、生臭い風味から、飲用に適さない。評価結果を表2に示す。

0045

0046

表2から分かるように、800mg/L以上のアルギニンを含有する場合、生臭い風味が感じられることがわかる。

0047

<実施例1>
テアニンによる生臭い風味の低減効果
以下の表3〜5に示す各アルギニン濃度に対してテアニン濃度を変化させた飲料を参考例と同様にして作成し、官能評価を行った。各アルギニン濃度で官能評価の評価点4を示す最低限のテアニン濃度を示したものが表3、評価点3を示す最低限のテアニン濃度を示したものが表4、評価点2を示す最低限のテアニン濃度を示したものが表5である。なお、表5の各アルギニン濃度におけるテアニン濃度未満では生臭い風味が感じられ、飲用には適さなかった。

0048

0049

0050

0051

これらの結果から、800mg/L以上6000mg/L以下のアルギニンを含有する飲料に対しては、200mg/L以上のテアニンを配合することにより、アルギニンの有する生臭い風味を飲用に適する評価点3以上にまで低減させることができることがわかる。具体的には、アルギニンの濃度が800〜6000mg/Lであれば、200mg/L以上のテアニンの添加により、生臭い風味がほとんど感じられなくなり(評価点3)、400mg/L以上のテアニンの添加により、生臭い風味が感じられなくなる(評価点4)ことがわかる。この場合、テアニンの濃度の上限は、特に限定されず、溶解度の観点から370g/L以下であればよく、また、10g/L以下、5g/L以下、4g/L以下、または3g/L以下であってもよい。

0052

また、アルギニンの濃度が6000mg/Lを超える飲料に対しては、後述する通り、アルギニンの濃度増加に対してテアニン濃度を2次関数的に増加させることによって、アルギニンの有する生臭い風味を飲用に適する評価点2以上にまで低減させることができることがわかる。

0053

具体的には、表3〜5の飲料の官能評価結果のうち、アルギニンの濃度が6000mg/L以上のものをX軸をアルギニン濃度(mg/L)、Y軸をテアニン濃度(mg/L)としてプロットし、官能評価4点、3点、2点についてそれぞれ2次関数による近似曲線を求めたところ、以下の式が得られた。

0054

官能評価4点の下限値に対する近似曲線:
Y=0.0000417X2−0.402X+1330 (R2=0.9997)
官能評価3点の下限値に対する近似曲線:
Y=0.0000178X2−0.176X+621 (R2=0.9960)
官能評価2点の下限値に対する近似曲線:
Y=0.0000170X2−0.194X+568 (R2=0.9889)
各近似曲線を示すグラフを図1に示す。Y<0.0000170X2−0.194X+568となる場合、アルギニンの生臭さが強く、飲用に支障をきたすほどである(評価点1)。一方、Y≧0.0000170X2−0.194X+568となる場合、アルギニンの生臭さが飲用に支障がない程度にまで抑制され(評価点2以上)、Y≧0.0000178X2−0.176X+621となる場合、アルギニンの生臭さがほとんど感じられなくなる程度にまで低減され(評価点3以上)、Y≧0.0000417X2−0.402X+1330となる場合、アルギニンの生臭さが感じられなくなる程度にまで低減される(評価点4以上)。なお、アルギニンの濃度が20000mg/Lを超えると、テアニンの濃度を上記式を満たす範囲にまで増加させても、アルギニンの強い生臭い風味を抑制させることは困難であった。

0055

例えば、官能評価4点の下限値を示す近似式から、アルギニン濃度18000mg/Lにおける下限値を算出するとテアニン濃度は7600mg/Lとなる。この濃度となるように実際に試料を調製して官能評価を行ったところ、近似式の通り、アルギニンの生臭さはまったく気にならなかった(評価点4)。

実施例

0056

また、例えば、表3及び4の結果からは、アルギニンの濃度が12000mg/Lと非常に高い場合であっても、テアニンの濃度を1000mg/L以上とすると、アルギニンの生臭い風味はほとんど感じられなくなり(評価点3)、テアニンの濃度を2500mg/L以上とするとアルギニンの生臭い風味が感じられなくなる(評価点4)ことがわかる。

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