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技術 分散電源の単独運転検出装置

出願人 日新電機株式会社
発明者 宇田怜史
出願日 2015年6月10日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2015-117197
公開日 2017年1月5日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2017-005859
状態 特許登録済
技術分野 交流の給配電 インバータ装置
主要キーワード 初期位相設定 所定時間過去 変化率演算器 移動平均演算 瞬時低下 クオリティファクタ 正弦波関数 周波数設定器
関連する未来課題
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図面 (20)

課題

単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とを両立させることができる単独運転検出装置を提供する。

解決手段

この単独運転検出装置10aは、インバータ6を制御して、それから、配電系統2の基本波と同じ周波数3相基本波電流に、当該基本波の非整数倍次数mの次数間高調波電流Im を単相重畳させて出力させる機能を有している制御装置30aと、連系線22上の測定点24における非整数倍次数mの次数間高調波電圧Vm を測定して、当該電圧Vm の変化から分散電源8が単独運転になったことを検出する単独運転監視装置32とを備えている。かつ制御装置30aは、測定点24を流れる次数間高調波電流Im の大きさの、所定時間前の値からの変化率を算出して、インバータ6から出力する次数間高調波電流Im を、前記算出した変化率に反比例させて増大させる次数間高調波電流補正回路72を有している。

概要

背景

配電系統には、例えば、太陽電池蓄電池等の直流電力を出力する電源と当該直流電力を交流電力に変換して出力するインバータとを有する発電設備が接続されることが盛んになってきた。このような発電設備は、分散電源と呼ばれる。

分散電源を配電系統に接続して運転(これを連系運転と呼ぶ)している場合に、系統事故等によって電力会社の変電所遮断器開放されて上位系統からの電力供給が停止したとき、分散電源が運転(即ち単独運転)を続けていると、上位系統からの電力供給が停止したにもかかわらず配電線電圧印加され続けることになるので、感電事故等が発生する恐れがある。そこで、第1ステップとして、このような上位系統からの電力供給の停止、即ち分散電源の単独運転を確実に検出する必要がある。更に第2ステップとして、当該分散電源を配電系統から切り離す解列する)必要がある。この出願は、この第1ステップの装置に関する。

分散電源の単独運転を検出する従来の単独運転検出装置を有する分散電源保有設備が配電系統に接続された構成のシステムの一例を図1に示す。

配電系統2に連系線22を介して分散電源保有設備36が接続されている。分散電源保有設備36は、直流電力を出力する電源4と当該直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ6とを有する分散電源8を備えている。直流電力を出力する電源4は、例えば、太陽電池、蓄電池、その他の電池等である。交流電源とそれからの交流電力を直流電力に変換するコンバータとを有しているものでも良い。

インバータ6の出力部は、この例では、LCフィルタ14、絶縁変圧器16、電磁接触器18、遮断器20および連系線22を経由して配電系統2に接続されている。但しこのような構成に限られるものではない(後述する本発明の実施形態においても同様)。

インバータ6に制御信号CSを供給してインバータ6を制御(例えばPWM制御)する制御装置30が設けられている。インバータ6の入力側の直流電圧Vdcは電圧検出器9を介して、出力側交流電流Iacは計器用変流器12を介して、連系線22の測定点24における電圧Vs は計器用変圧器26を介して、制御装置30にそれぞれ取り込まれる。この交流電流Iacも、測定点24を流れる後述する電流Is と同様に、基本波電流I1 に次数間高調波電流Im が重畳されたものである。

制御装置30は、前記インバータ6を制御して、インバータ6から、配電系統2の基本波(例えば60Hzまたは50Hz)と同じ周波数3相の基本波電流I1 に、当該基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数m(例えば2.25次〜2.75次)の次数間高調波電流Im を単相で重畳させて出力させる機能を有している。即ち、連系線22に次数間高調波電流Im を単相注入する電流注入機能を有している。

従って、連系線22の測定点24を流れる電流Is は、基本波電流I1 に次数間高調波電流Im を重畳させたものである。また、このような電流が流れることによって発生する電圧、即ち測定点24における電圧Vs は、基本波電圧V1 に次数間高調波電圧Vm を重畳させたものである。

分散電源8が単独運転になったことを検出する単独運転検出装置10は、この例では、上記のような機能を有する制御装置30および単独運転監視装置32を備えている。

なお、図1中のインバータ6付近から遮断器20付近までの破線で囲んだ要素を含む装置34は、通常、パワーコンディショナ略称PCS)と呼ばれている。後述する本発明の実施形態においても同様である。

制御装置30の構成の一例を図2に示す。この例では、簡単に言えば、3相/2相変換器38の出力部から2相/3相変換器60の入力部までの間を2相で扱っている。

この制御装置30は、基本波電流I1 の指令値I1 ′を上記測定点における電圧Vs の波形を用いて作り出す。即ち、3相の上記電圧Vs を3相/2相変換器38によって2相の電圧に変換し、その基本波電圧V1 から電圧位相演算器40によって位相情報を算出し、それを基本波電流指令値発生器44に与える。また、直流電圧一定制御器42において上記直流電圧Vdcが一定になる情報を算出し、それを基本波電流指令値発生器44に与える。基本波電流指令値発生器44は、上記情報に基づいて、インバータ6から出力する基本波電流I1 の指令値I1 ′を発生させる。

一方、次数間高調波電流指令値発生器46によって、インバータ6から出力する上記次数間高調波電流Im の指令値Im ′を発生させ、上記両指令値I1 ′、Im ′を加算器48で加算する。

加算器48からの信号は、増幅器52によってフィードフォワード係数jωLを掛け電圧信号に変換する一方、減算器50によって上記直流電流Iacを減算した後に増幅器54によってフィードバック係数Kp を掛けて電圧信号に変換し、両電圧信号を加算器56によって加算すると共に加算器58によって、上記3相/2相変換器38からの2相に変換した電圧を加算した後、2相/3相変換器60によって3相に変換して上記制御信号CSが形成され、それがインバータ6に与えられる。

制御装置30は、上記のような構成によって、インバータ6を、それから出力する基本波電流I1 が指令値I1 ′どおりになるように制御する。即ち、配電系統2側のインピーダンスが変化しても、一定の基本波電流I1 が出力されるように制御する。

単独運転監視装置32は、上記測定点24における電圧Vs に含まれている上記非整数倍次数mの次数間高調波電圧Vm を測定して、当該次数間高調波電圧Vm の変化から、分散電源8が単独運転になったことを検出してそれを表す単独運転検出信号S1 を出力する。例えば、次数間高調波電圧Vm またはその変化率を所定の判定値と比較して、次数間高調波電圧Vm またはその変化率が当該判定値を超えると単独運転検出信号S1 を出力する。その後は、例えば、当該単独運転検出信号S1 に基づいて、インバータ6をゲートブロックして出力を止め、かつ電磁接触器18を開放する等して、分散電源8を配電系統2から切り離せば良い。

なお、上記のように連系線に次数間高調波電流を注入して、連系線上の測定点における次数間高調波電圧の変化から、分散電源の単独運転を検出する方式の単独運転検出装置の一例が、特許文献1に記載されている。

概要

単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とを両立させることができる単独運転検出装置を提供する。 この単独運転検出装置10aは、インバータ6を制御して、それから、配電系統2の基本波と同じ周波数の3相の基本波電流に、当該基本波の非整数倍次数mの次数間高調波電流Im を単相で重畳させて出力させる機能を有している制御装置30aと、連系線22上の測定点24における非整数倍次数mの次数間高調波電圧Vm を測定して、当該電圧Vm の変化から分散電源8が単独運転になったことを検出する単独運転監視装置32とを備えている。かつ制御装置30aは、測定点24を流れる次数間高調波電流Im の大きさの、所定時間前の値からの変化率を算出して、インバータ6から出力する次数間高調波電流Im を、前記算出した変化率に反比例させて増大させる次数間高調波電流補正回路72を有している。

目的

この発明は、上記のような点を改善して、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とを両立させることができる単独運転検出装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

直流電力を出力する電源と当該直流電力を交流電力に変換して出力するインバータとを有する分散電源を備えている分散電源保有設備配電系統に接続された構成のシステムに適用されて、前記分散電源が単独運転になったことを検出する単独運転検出装置であって、前記インバータを制御して、前記インバータから、前記配電系統の基本波と同じ周波数3相基本波電流に、当該基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数次数間高調波電流単相重畳させて出力させる機能を有している制御装置と、前記分散電源保有設備と前記配電系統との連系線上の測定点における前記非整数倍次数の次数間高調波電圧を測定して、当該次数間高調波電圧の変化から、前記分散電源が単独運転になったことを検出する単独運転監視装置とを備えており、かつ前記制御装置は、前記連系線上の測定点を流れる前記次数間高調波電流の大きさの、所定時間前の値からの変化率を算出して、前記インバータから出力する前記次数間高調波電流を、前記算出した変化率に反比例させて増大させる次数間高調波電流補正回路を有している、ことを特徴とする分散電源の単独運転検出装置。

請求項2

前記次数間高調波電流補正回路は、前記連系線上の測定点を流れる電流から、前記配電系統の基本波およびその整数倍高調波を除去した電流を出力するコムフィルタと、前記コムフィルタから出力される前記電流の瞬時値を用いて、当該電流の瞬時逆相電流振幅演算して出力する瞬時逆相演算器と、前記瞬時逆相演算器からの前記瞬時逆相電流の振幅の、所定時間前からの変化率を演算して出力する変化率演算器と、前記変化率演算器からの前記変化率の逆数である補正ゲインを演算して出力する補正ゲイン演算器と、前記インバータに前記次数間高調波電流を出力させるために与える次数間高調波電流の指令値を、前記補正ゲイン演算器からの前記補正ゲインで増大させる指令値補正器とを有している請求項1記載の分散電源の単独運転検出装置。

請求項3

前記次数間高調波電流補正回路は、前記補正ゲイン演算器からの前記補正ゲインの変化率を、定常時の値を1に保ちつつ拡大して出力する補正ゲイン拡大器を更に有しており、前記指令値補正器は、前記インバータに与える前記次数間高調波電流の指令値を、前記補正ゲイン拡大器からの拡大させた補正ゲインで増大させるものである請求項2記載の分散電源の単独運転検出装置。

技術分野

0001

この発明は、直流電力を出力する電源と当該直流電力を交流電力に変換して出力するインバータとを有する分散電源を備えている分散電源保有設備配電系統に接続された構成のシステム(これは分散電源連系システムと呼ぶこともできる。以下同様)に適用されて、前記分散電源が単独運転になったことを検出する単独運転検出装置に関する。

背景技術

0002

配電系統には、例えば、太陽電池蓄電池等の直流電力を出力する電源と当該直流電力を交流電力に変換して出力するインバータとを有する発電設備が接続されることが盛んになってきた。このような発電設備は、分散電源と呼ばれる。

0003

分散電源を配電系統に接続して運転(これを連系運転と呼ぶ)している場合に、系統事故等によって電力会社の変電所遮断器開放されて上位系統からの電力供給が停止したとき、分散電源が運転(即ち単独運転)を続けていると、上位系統からの電力供給が停止したにもかかわらず配電線電圧印加され続けることになるので、感電事故等が発生する恐れがある。そこで、第1ステップとして、このような上位系統からの電力供給の停止、即ち分散電源の単独運転を確実に検出する必要がある。更に第2ステップとして、当該分散電源を配電系統から切り離す解列する)必要がある。この出願は、この第1ステップの装置に関する。

0004

分散電源の単独運転を検出する従来の単独運転検出装置を有する分散電源保有設備が配電系統に接続された構成のシステムの一例を図1に示す。

0005

配電系統2に連系線22を介して分散電源保有設備36が接続されている。分散電源保有設備36は、直流電力を出力する電源4と当該直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ6とを有する分散電源8を備えている。直流電力を出力する電源4は、例えば、太陽電池、蓄電池、その他の電池等である。交流電源とそれからの交流電力を直流電力に変換するコンバータとを有しているものでも良い。

0006

インバータ6の出力部は、この例では、LCフィルタ14、絶縁変圧器16、電磁接触器18、遮断器20および連系線22を経由して配電系統2に接続されている。但しこのような構成に限られるものではない(後述する本発明の実施形態においても同様)。

0007

インバータ6に制御信号CSを供給してインバータ6を制御(例えばPWM制御)する制御装置30が設けられている。インバータ6の入力側の直流電圧Vdcは電圧検出器9を介して、出力側交流電流Iacは計器用変流器12を介して、連系線22の測定点24における電圧Vs は計器用変圧器26を介して、制御装置30にそれぞれ取り込まれる。この交流電流Iacも、測定点24を流れる後述する電流Is と同様に、基本波電流I1 に次数間高調波電流Im が重畳されたものである。

0008

制御装置30は、前記インバータ6を制御して、インバータ6から、配電系統2の基本波(例えば60Hzまたは50Hz)と同じ周波数3相の基本波電流I1 に、当該基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数m(例えば2.25次〜2.75次)の次数間高調波電流Im を単相で重畳させて出力させる機能を有している。即ち、連系線22に次数間高調波電流Im を単相注入する電流注入機能を有している。

0009

従って、連系線22の測定点24を流れる電流Is は、基本波電流I1 に次数間高調波電流Im を重畳させたものである。また、このような電流が流れることによって発生する電圧、即ち測定点24における電圧Vs は、基本波電圧V1 に次数間高調波電圧Vm を重畳させたものである。

0010

分散電源8が単独運転になったことを検出する単独運転検出装置10は、この例では、上記のような機能を有する制御装置30および単独運転監視装置32を備えている。

0011

なお、図1中のインバータ6付近から遮断器20付近までの破線で囲んだ要素を含む装置34は、通常、パワーコンディショナ略称PCS)と呼ばれている。後述する本発明の実施形態においても同様である。

0012

制御装置30の構成の一例を図2に示す。この例では、簡単に言えば、3相/2相変換器38の出力部から2相/3相変換器60の入力部までの間を2相で扱っている。

0013

この制御装置30は、基本波電流I1 の指令値I1 ′を上記測定点における電圧Vs の波形を用いて作り出す。即ち、3相の上記電圧Vs を3相/2相変換器38によって2相の電圧に変換し、その基本波電圧V1 から電圧位相演算器40によって位相情報を算出し、それを基本波電流指令値発生器44に与える。また、直流電圧一定制御器42において上記直流電圧Vdcが一定になる情報を算出し、それを基本波電流指令値発生器44に与える。基本波電流指令値発生器44は、上記情報に基づいて、インバータ6から出力する基本波電流I1 の指令値I1 ′を発生させる。

0014

一方、次数間高調波電流指令値発生器46によって、インバータ6から出力する上記次数間高調波電流Im の指令値Im ′を発生させ、上記両指令値I1 ′、Im ′を加算器48で加算する。

0015

加算器48からの信号は、増幅器52によってフィードフォワード係数jωLを掛け電圧信号に変換する一方、減算器50によって上記直流電流Iacを減算した後に増幅器54によってフィードバック係数Kp を掛けて電圧信号に変換し、両電圧信号を加算器56によって加算すると共に加算器58によって、上記3相/2相変換器38からの2相に変換した電圧を加算した後、2相/3相変換器60によって3相に変換して上記制御信号CSが形成され、それがインバータ6に与えられる。

0016

制御装置30は、上記のような構成によって、インバータ6を、それから出力する基本波電流I1 が指令値I1 ′どおりになるように制御する。即ち、配電系統2側のインピーダンスが変化しても、一定の基本波電流I1 が出力されるように制御する。

0017

単独運転監視装置32は、上記測定点24における電圧Vs に含まれている上記非整数倍次数mの次数間高調波電圧Vm を測定して、当該次数間高調波電圧Vm の変化から、分散電源8が単独運転になったことを検出してそれを表す単独運転検出信号S1 を出力する。例えば、次数間高調波電圧Vm またはその変化率を所定の判定値と比較して、次数間高調波電圧Vm またはその変化率が当該判定値を超えると単独運転検出信号S1 を出力する。その後は、例えば、当該単独運転検出信号S1 に基づいて、インバータ6をゲートブロックして出力を止め、かつ電磁接触器18を開放する等して、分散電源8を配電系統2から切り離せば良い。

0018

なお、上記のように連系線に次数間高調波電流を注入して、連系線上の測定点における次数間高調波電圧の変化から、分散電源の単独運転を検出する方式の単独運転検出装置の一例が、特許文献1に記載されている。

先行技術

0019

特開2000−287362号公報

発明が解決しようとする課題

0020

上述した従来の単独運転検出装置10の場合、配電系統2内の遮断器(図示省略。図11中の遮断器154参照)が開放されて単独運転が発生すると、測定点24から見た配電系統2側のインピーダンスが増大するので、測定点24における電圧Vs に含まれている次数間高調波電圧Vm も増大するけれども、同時に連系線22に流れる電流Is に含まれている次数間高調波電流Im が減少するので、次数間高調波電圧Vm は上記インピーダンスの増大ほどには大きくならず、単独運転発生時の次数間高調波電圧Vm の変化が小さいという課題がある。

0021

これを詳述すると、上述したように制御装置30は通常、配電系統2側のインピーダンスが変化してもインバータ6から出力する基本波電流I1 が一定の値を保つように動作する(これは定電流制御と呼ばれる)。そのための制御要素として、増幅器54で設定するフィードバック係数Kp が大きく寄与しており、その値は通常、分散電源8の本来の出力である基本波電流I1 に主眼をおいて設定される。

0022

一方、次数間高調波電流Im は基本波の非整数倍次数m(例えば2.25次〜2.75次)であるため、次数間高調波電流の指令値Im ′も基本波電流の指令値I1 ′よりも高調波の波形となる。仮に次数間高調波電流Im の制御に対応させるために、フィードバック係数Kp を大きくしてフィードバックの制御量を大きくしようとすると、分散電源8の本来の出力である基本波電流I1 にとってはフィードバック量が大きくなり過ぎて基本波電流I1 が不安定になるため、そのようにフィードバック係数Kp を大きくすることはできない。

0023

そのために通常は、上記のように基本波電流I1 に主眼をおいてフィードバック係数Kp を設定しており、次数間高調波電流Im にとってはフィードバック係数Kp が小さくフィードバック量が少ないので、単独運転が発生して測定点24から見た配電系統2側のインピーダンスが増大すると、次数間高調波電流Im は一定を保つことができず減少する。次数間高調波電流Im が減少すると、当該次数間高調波電流Im によって発生する次数間高調波電圧Vm も減少するので、上記のように、次数間高調波電圧Vm は上記インピーダンスの増大ほどには大きくならず、単独運転発生時の次数間高調波電圧Vm の変化は小さい(後述する図14図18およびその説明も参照)。

0024

単独運転発生時の次数間高調波電圧Vm の変化が小さいと、単独運転監視装置32における単独運転の検出が難しくなる。即ち、単独運転監視装置32における判定値を小さくして検出感度を上げると、系統電圧瞬時低下系統周波数の変動のような系統擾乱発生時に誤検出(即ち、単独運転でないのに単独運転と判定する不要検出)の可能性が高くなる。逆に単独運転監視装置32における判定値を大きくして検出感度を下げると、今度は単独運転の確実な検出が困難になる。従って、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とを両立させることが難しい。

0025

そこでこの発明は、上記のような点を改善して、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とを両立させることができる単独運転検出装置を提供することを主たる目的としている。

課題を解決するための手段

0026

この発明に係る単独運転検出装置は、直流電力を出力する電源と当該直流電力を交流電力に変換して出力するインバータとを有する分散電源を備えている分散電源保有設備が配電系統に接続された構成のシステムに適用されて、前記分散電源が単独運転になったことを検出する単独運転検出装置であって、前記インバータを制御して、前記インバータから、前記配電系統の基本波と同じ周波数の3相の基本波電流に、当該基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数の次数間高調波電流を単相で重畳させて出力させる機能を有している制御装置と、前記分散電源保有設備と前記配電系統との連系線上の測定点における前記非整数倍次数の次数間高調波電圧を測定して、当該次数間高調波電圧の変化から、前記分散電源が単独運転になったことを検出する単独運転監視装置とを備えており、かつ前記制御装置は、前記連系線上の測定点を流れる前記次数間高調波電流の大きさの、所定時間前の値からの変化率を算出して、前記インバータから出力する前記次数間高調波電流を、前記算出した変化率に反比例させて増大させる次数間高調波電流補正回路を有している、ことを特徴としている。

0027

この単独運転検出装置によれば、単独運転が発生すると、測定点から見た配電系統側のインピーダンスが増大して、測定点を流れる次数間高調波電流が減少するけれども、制御装置内の次数間高調波電流補正回路は、上記次数間高調波電流の変化率を算出して、インバータから出力する次数間高調波電流を、上記算出した変化率に反比例させて増大させるので、測定点を流れる次数間高調波電流の減少が小さく抑えられる。その結果、単独運転発生時の測定点における次数間高調波電圧の変化が大きくなるので、単独運転監視装置における判定値の選定が容易になる。その結果、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とを両立させることができる。

0028

前記次数間高調波電流補正回路は、前記連系線上の測定点を流れる電流から、前記配電系統の基本波およびその整数倍の高調波を除去した電流を出力するコムフィルタと、前記コムフィルタから出力される前記電流の瞬時値を用いて、当該電流の瞬時逆相電流振幅演算して出力する瞬時逆相演算器と、前記瞬時逆相演算器からの前記瞬時逆相電流の振幅の、所定時間前からの変化率を演算して出力する変化率演算器と、前記変化率演算器からの前記変化率の逆数である補正ゲインを演算して出力する補正ゲイン演算器と、前記インバータに前記次数間高調波電流を出力させるために与える次数間高調波電流の指令値を、前記補正ゲイン演算器からの前記補正ゲインで増大させる指令値補正器とを有していても良い。

0029

前記次数間高調波電流補正回路は、前記補正ゲイン演算器からの前記補正ゲインの変化率を、定常時の値を1に保ちつつ拡大して出力する補正ゲイン拡大器を更に有しており、前記指令値補正器は、前記インバータに与える前記次数間高調波電流の指令値を、前記補正ゲイン拡大器からの拡大させた補正ゲインで増大させるものである、という構成を採用しても良い。

発明の効果

0030

請求項1に記載の発明によれば、単独運転が発生すると、測定点から見た配電系統側のインピーダンスが増大して、測定点を流れる次数間高調波電流が減少するけれども、制御装置内の次数間高調波電流補正回路は、上記次数間高調波電流の変化を算出して、インバータから出力する次数間高調波電流を、上記算出した変化率に反比例させて増大させるので、測定点を流れる次数間高調波電流の減少が小さく抑えられる。その結果、単独運転発生時の測定点における次数間高調波電圧の変化が大きくなるので、単独運転監視装置における判定値の選定が容易になる。その結果、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とを両立させることができる。

0031

請求項2に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、次数間高調波電流補正回路は、瞬時逆相演算器およびその前処理としてのコムフィルタ等を有していて、次数間高調波電流の変化率を、瞬時逆相電流の振幅の変化率として検出することによって、離散フーリエ変換器等を用いる場合に比べて高速で検出することができるので、単独運転発生時にインバータから出力される次数間高調波電流の減少をより速やかに抑制することができる。その結果、単独運転発生時の測定点における次数間高調波電圧の変化がより大きくなるので、単独運転監視装置における判定値の選定がより容易になる。その結果、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とをより確実に両立させることができる。

0032

請求項3に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、拡大させた補正ゲインを用いることによって、単独運転発生時にインバータから出力される次数間高調波電流の減少をより確実に抑制することができる。その結果、単独運転発生時の測定点における次数間高調波電圧の変化がより一層大きくなるので、単独運転監視装置における判定値の選定がより一層容易になる。その結果、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とをより確実に両立させることができる。

図面の簡単な説明

0033

従来の単独運転検出装置を有する分散電源保有設備が配電系統に接続された構成のシステムの一例を示す単線接続図である。
図1中の制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
本発明の実施形態に係る単独運転検出装置を有する分散電源保有設備が配電系統に接続された構成のシステムの一例を示す単線接続図である。
図3中の単独運転監視装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3中の制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5中の補正ゲイン演算回路の構成の一例を示すブロック図である。
図5中の次数間高調波電流指令値発生器の構成の一例を示すブロック図である。
図6中のコムフィルタの構成の一例を示すブロック図およびその特性の一例を示す図である。
図6中の瞬時逆相演算器の構成の一例を示すブロック図である。
単独運転発生時の図6中の瞬時逆相電流の振幅の変化率およびその逆数である補正ゲインの変化の一例を示す概略図である。
単独運転発生時のシミュレーションに用いた系統モデルを示す単線接続図である。
単独運転発生時の図6中の瞬時逆相電流の振幅の変化率dIn およびその逆数である補正ゲインG1 をシミュレーションした結果の一例を示す図である。
図6中の瞬時逆相電流に代えて、単独運転発生時の瞬時正相電流の振幅の変化率dIp およびその逆数である補正ゲインG1 をシミュレーションした結果の一例を示す図である。
従来の単独運転検出装置を有する場合に、単独運転発生時をシミュレーションしたときの測定点における次数間高調波電流および次数間高調波電圧の変化の一例を示す図である。
本発明の第1の実施形態の単独運転検出装置を有する場合に、単独運転発生時をシミュレーションしたときの測定点における次数間高調波電流および次数間高調波電圧の変化の一例を示す図である。
図5中の補正ゲイン演算回路の構成の他の例を示すブロック図である。
図16中の拡大させた補正ゲインG4 を説明するための概略図である。
従来の単独運転検出装置を有する場合に、インピーダンス変化の生じにくい条件において単独運転発生時をシミュレーションしたときの測定点における次数間高調波電流および次数間高調波電圧の変化の一例を示す図である。
本発明の第1の実施形態の単独運転検出装置を有する場合に、インピーダンス変化の生じにくい条件において単独運転発生時をシミュレーションしたときの測定点における次数間高調波電流および次数間高調波電圧の変化の一例を示す図である。
本発明の第2の実施形態の単独運転検出装置を有する場合に、インピーダンス変化の生じにくい条件において単独運転発生時をシミュレーションしたときの測定点における次数間高調波電流および次数間高調波電圧の変化の一例を示す図である。

実施例

0034

(1)単独運転検出装置の第1の実施形態
図3に、本発明の実施形態に係る単独運転検出装置を有する分散電源保有設備が配電系統に接続された構成のシステムの一例を示す。図1図2に示した従来例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては当該従来例との相違点を主に説明する。

0035

この実施形態の単独運転検出装置10aは、前述した従来の制御装置30に対応する制御装置30aと、前述した単独運転監視装置32とを有している。この制御装置30aには、計器用変流器28を介して、連系線22上の測定点24を流れる電流Is が取り込まれる。この電流Is は、前述したように、基本波電流I1 に次数間高調波電流Im が重畳されたものである。

0036

制御装置30aは、連系線22上の測定点24を流れる次数間高調波電流Im の大きさの、所定時間前の値からの変化率を算出して、インバータ6から出力する次数間高調波電流Im を、前記算出した変化率に反比例させて増大させる次数間高調波電流補正回路72を有している。これを以下に詳述する。

0037

それに先立って、単独運転監視装置32の構成の一例を図4を参照して説明する。この単独運転監視装置32は、上記測定点24における電圧Vs に含まれている上記次数間高調波電圧Vm の変化率dVm を判定する場合の例であり、離散フーリエ変換器62、絶対値演算器64、移動平均演算器66、変化率演算器68および比較器70を備えている。

0038

離散フーリエ変換器62は、上記電圧Vs から、離散フーリエ変換によって、上記次数間高調波電圧Vm を抽出して出力する。

0039

絶対値演算器64は、離散フーリエ変換器62から与えられる次数間高調波電圧Vm の絶対値|Vm |を演算して出力する。

0040

移動平均演算器66は、絶対値演算器64から与えられる絶対値|Vm |について、現在より所定時間過去における所定時間の移動平均値Vmav を演算して出力する。例えば現在より1秒過去における1秒間の移動平均値Vmav を算出する。

0041

変化率演算器68は、上記絶対値|Vm |の変化率dVm を、次式に従って演算して出力する。即ち、変化率dVm は、この例では、Vmav に対する|Vm |の比率である。

0042

[数1]
dVm =|Vm |/Vmav

0043

比較器70は、変化率演算器68から与えられる変化率dVm を所定の判定値J1 と比較して、前者dVm が後者J1 を超えたときに、前記分散電源8が単独運転になったことを表す単独運転検出信号S1 を出力する。

0044

但し、単独運転監視装置32は、次数間高調波電圧Vm の変化率dVm を判定する代わりに、例えば前記特許文献1にも記載されているように、次数間高調波電圧Vm の大きさが所定の判定値を超えたときに、単独運転検出信号S1 を出力するという構成を採用しても良い。

0045

また、上記単独運転検出信号S1 をそのまま単独運転監視装置32から出力しても良いけれども、当該信号S1 が所定時間(例えば20m秒程度)継続していることを判定した後に出力するようにしても良い。そのようにすると、単独運転発生以外の何らかの原因による電圧Vs 等の瞬時の変動による誤検出を防止することが容易になる。

0046

制御装置30aは、この実施形態では図5に示すように、図2に示したものに比べて、3相/2相変換器74および補正ゲイン演算回路76を更に有しており、かつ次数間高調波電流指令値発生器46a内に指令値補正器124〜126(図7参照)を設けており、これらがこの実施形態では、上述した次数間高調波電流補正回路72を構成している。これらを以下に詳述する。

0047

3相/2相変換器74は、上記連系線22の測定点24を流れる3相の電流Is (即ち、Isu、Isv、Isw)を、次式に従って直交変換して、2相のα成分電流Isαおよびβ成分電流Isβに変換する。前述したように、次数間高調波電流の指令値Im ′等は2相で扱っているので、それに対応させるためである。

0048

[数2]
Isα=√(2/3){Isu−(1/2)Isv−(1/2)Isw}
Isβ=√(2/3){(√3/2)Isv−(√3/2)Isw}

0049

ちなみに、前述した2相/3相変換器60は、次式に従って2相から3相への変換を行って、3相の制御信号CS(即ちCSu 、CSv、CSw )を出力する。Vαは加算器58から2相/3相変換器60に与えられるα成分電圧、Vβはβ成分電圧である。

0050

[数3]
CSu =√(2/3)・Vα
CSv=√(2/3){−(1/2)・Vα+(√3/2)・Vβ}
CSw =√(2/3){−(1/2)・Vα−(√3/2)・Vβ}

0051

補正ゲイン演算回路76の構成の一例を図6に示す。この補正ゲイン演算回路76は、コムフィルタ78、80、瞬時逆相演算器82、ローパスフィルタ84、変化率演算器86および補正ゲイン演算器94を備えている。

0052

コムフィルタ78、80は、それぞれ、上記直交変換して得られたα成分電流Isα、β成分電流Isβから、配電系統2の基本波およびその整数倍の高調波を除去した電流を出力する。

0053

コムフィルタ78、80の構成および特性の一例を図8に示す。コムフィルタ78、80は、それぞれ、遅延器130で1サイクル前の基本波を算出し、それを減算器132によって現在値から減算し、増幅器134でゲインを1/2にして出力する。これによって、図8(B)に示すように、配電系統2の基本波およびその整数倍の高調波を除去することができる。測定点を流れる電流Is に含まれている次数間高調波電流Im は、その次数が前述したように配電系統2の基本波の1倍よりも大きい非整数倍次数mであるので、コムフィルタ78、80で除去されずに通過する。

0054

上記非整数倍次数(換言すれば帯小数次数)mは、単独運転の検出精度を高めるためには、例えば、連系する配電系統2の電圧が7kV以下の高圧の場合は、1<m<2.75(但しm≠2)の範囲内が好ましく、配電系統2の電圧が7kVを超える特別高圧の場合は、1<m<3.6(但しm≠2、m≠3)の範囲内が好ましいことが実験によって確かめられている。この実施形態では、一例として2.25次〜2.75次の範囲内を用いている。

0055

再び図6を参照して、瞬時逆相演算器82は、コムフィルタ78、80から出力される電流Isα、Isβの瞬時値を用いて、次式に従って、当該電流の瞬時逆相電流の振幅|In |を演算して出力する。ここで、Inαは瞬時逆相電流のα成分、Inα′はその90度前の成分、Inβは瞬時逆相電流のβ成分、Inβ′はその90度前の成分である。

0056

[数4]
Inα=(1/2)(Isα+Isβ′)
Inβ=(1/2)(Isβ−Isα′)
|In |=√(Inα2 +Inβ2

0057

交流電流の逆相成分(または正相成分)は、通常は、実効値を用いて対称座標法に従って算出されるのであるが、ここではそうせずに、上記の電流の瞬時値を用いて、対称座標法を近似的に定義して、上記式に従って瞬時逆相電流(具体的にはそのα成分およびβ成分)および瞬時逆相電流の振幅|In |を算出する。瞬時逆相電流は、上記のように瞬時値を用いて算出するので、実効値を用いる場合よりも高速で算出することができる。これについては、後で更に詳しく説明する。

0058

瞬時逆相演算器82の構成の一例を図9に示す。上記β成分電流Isβを遅延器138で90度遅延させてβ成分電流Isβ′を算出し、それを加算器140でα成分電流Isαに加算し、増幅器144でゲインを1/2にして、瞬時逆相電流のα成分Inαを算出して座標変換器148に供給する。これが上記数4中の第1行目の演算である。かつ、上記α成分電流Isαを遅延器136で90度遅延させてα成分電流Isα′を算出し、それを減算器142でβ成分電流Isβから減算し、増幅器146でゲインを1/2にして、瞬時逆相電流のβ成分Inβを算出して座標変換器148に供給する。これが上記数4中の第2行目の演算である。

0059

座標変換器148は、上記数4中の第3行目の演算を行って、瞬時逆相電流の振幅|In |を演算して出力する。この振幅|In |は、上記測定点24を流れる電流Is に含まれている上記次数間高調波電流Im の大きさ(振幅)を表している。これを以下で更に説明する。

0060

即ち、この実施形態のように、連系線22に非整数倍次数mの次数間高調波電流Im を単相注入すると、単相注入は不平衡な注入であるため、次の非特許文献1にも記載されているように(特に945−946頁参照)、当該次数間高調波電流Im を、測定点24を流れる当該非整数倍次数mの正相電流または逆相電流として算出することができる。その内で、この実施形態では逆相電流を扱っている。その理由は後で詳しく説明する。

0061

非特許文献1:山本文雄、外3名、「分散電源の単独運転検出装置の開発−次数間高調波注入方式−」、電気設備学会誌、社団法人電気設備学会、平成16年12月10日、第24巻、第12号、頁943(57)−952(66)

0062

上記次数間高調波電流Im は、その次数が上記のような系統基本波の非整数倍次数mであるため、配電系統2には自然には殆ど存在せず、従って、測定点24を流れる電流Is (この例ではそれを3相/2相変換器74で上記α成分電流Isαおよびβ成分電流Isβに変換した電流)を上記コムフィルタ78、80を通すことによって、瞬時逆相演算器82には、自設備で注入した上記非整数倍次数mのα成分電流Isαおよびβ成分電流Isβのみが供給され、そこで上記瞬時逆相電流の振幅|In |が算出される。従って、この振幅|In |は、上記測定点24を流れる電流Is に含まれている上記次数間高調波電流Im の大きさ(振幅)を表している。

0063

再び図6を参照して、ローパスフィルタ84は、上記算出した振幅|In |から直流成分等のノイズを除去するためのものであり、それを設けるのが好ましいけれども、必須のものではない。ローパスフィルタ84の時定数は100m秒程度以下のものが好ましい。上記処理によって、上記振幅|In |を100m秒程度以下の高速で算出することができる。

0064

変化率演算器86は、瞬時逆相演算器82から出力されてローパスフィルタ84を通過した上記瞬時逆相電流の振幅|In |の、所定時間前からの変化率dIn を演算して出力する。この変化率dIn の演算には、この例のように、移動平均を用いるのが好ましい。

0065

より具体的には、変化率演算器86は、この例では、ローパスフィルタ84からの上記振幅|In |を遅延器88によって所定時間(例えば1秒程度)遅延し、移動平均演算器90によってその所定時間(例えば0.5秒間程度)の移動平均Inav を算出し、更に除算器92で次式に従って上記変化率dIn を算出する。

0066

[数5]
dIn =|In |/Inav

0067

遅延器88で所定時間遅延することによって、単独運転発生時の変化率dIn を大きくすることができる。この変化率dIn は、上記と同様の理由から、測定点24を流れる電流Is に含まれている上記次数間高調波電流Im の大きさの変化率を表している。

0068

補正ゲイン演算器94は、変化率演算器86からの変化率dIn の逆数である補正ゲインG1 を演算して出力する。より具体的には、補正ゲイン演算器94は、この例では、定数1.0を発生させる定数設定器96と、次式に従って補正ゲインG1 を演算して出力する除算器98とを有している。

0069

[数6]
G1 =1/dIn

0070

単独運転発生時の図6中の瞬時逆相電流の振幅の変化率dIn およびその逆数である補正ゲインG1 の変化の概略例を図10に示す。図10(A)に示すように、常時は上記振幅|In |に変化は殆どないのでその変化率dIn はほぼ1であり、単独運転が発生すると前述したように連系線22を流れる電流Is 中に含まれている次数間高調波電流Im が減少するので、上記変化率dIn は1より小さくなり、やがて1/N(Nは1.0より大きい数)付近に落ち着く。図10(B)に示すように、補正ゲインG1 はこの変化率dIn の逆で変化する。即ち、変化率dIn の変化を打ち消すように変化する。

0071

上記補正ゲイン演算回路76(より具体的にはその補正ゲイン演算器94)からの上記補正ゲインG1 は、図5に示すように次数間高調波電流指令値発生器46aに与えられる。次数間高調波電流指令値発生器46aは、上記インバータ6に次数間高調波電流Im を出力させるために与える上記次数間高調波電流の指令値Im ′を、上記補正ゲイン演算器94からの補正ゲインG1 で増大させる指令値補正器(図7中の指令値補正器124〜126参照)を有している。この次数間高調波電流指令値発生器46aの構成の一例を図7に示す。

0072

インバータ6から出力する上記非整数倍次数mの次数間高調波電流Im の周波数fm を周波数設定器100で設定し、それを位相生成回路102の増幅器103で数7に従って角周波数ωm に変換し、それを積算器104で数8に従って離散時間系で角度θm に変換する。nはデータ番号である。

0073

[数7]
ωm =2πfm

0074

[数8]
θm =Σωm [n]

0075

更に、剰余演算器105で、角度θm を2πで割ったときの余りを算出して、角度θm を0〜2πの範囲にする。

0076

初期位相設定器112〜114で、次数間高調波電流Im のu、v、w相の初期位相θmu、θmv、θmwを設定し、それらを加算器108〜110で上記角度θm に加算する。例えば、この実施形態ではuv相への単相注入であるので、θmu=0、θmv=πに設定する。なお、図7の例では、注入相を任意に選べるように、w相回路もu、v相回路と同様に設けて3相回路として、注入相以外のw相回路の出力は0にしている。注入相を固定(例えばuv相に固定)するのであれば、それ以外の相(例えばw相)の回路を設けなくても良く、その相(w相)は0信号を3相/2相変換器128に与えれば良い。以下の説明においても同様である。

0077

各加算器108〜110からの信号を用いて、正弦波関数発生器116〜118で非整数倍次数mの正弦波信号を発生させ、増幅器120〜122で次式に従ってその振幅を設定して、u、v、w相の次数間高調波電流Imu、Imv、Imwを発生させる。但し、w相回路の出力が0であるのは上記のとおりであり、この例では次数間高調波電流Imuが上記次数間高調波電流の指令値Im ′、次数間高調波電流Imvが同指令値−Im ′である。

0078

[数9]
Imu=Gmu・sin(θm +θmu)
Imv=Gmv・sin(θm +θmv)
Imw=Gmw・sin(θm +θmw)

0079

上記周波数設定器100から増幅器120〜122までは、次数間高調波電流の指令値Im ′の発生回路と呼ぶこともできる。

0080

指令値補正器124〜126は、この例では乗算器であり、これらで上記次数間高調波電流の指令値Im ′(具体的には上記次数間高調波電流Imv、Imw)に上記補正ゲインG1 を掛けて、即ち指令値Im ′を補正ゲインG1 で増大させて、3相/2相変換器128に与える。但し、w相の指令値補正器126を設けなくても良いのは前述のとおりである。

0081

3相/2相変換器128は、上記3相/2相変換器74の場合と同様に、3相の入力を前記数2と同様の式に従って2相に直交変換して、補正後の次数間高調波電流の指令値Im ′のα成分Imαおよびβ成分Imβに変換して出力し、これらを図5に示す加算器48(これも前述したように2相分ある)に与える。図5中における加算器48以降は図2の場合と同様であり、これによって、インバータ6から出力する次数間高調波電流Im を上記補正ゲインG1 で増大させることができる。

0082

以上のようにこの単独運転検出装置10aによれば、単独運転が発生すると、測定点24から見た配電系統2側のインピーダンスが増大して、測定点24を流れる次数間高調波電流Im が減少するけれども、制御装置30a内の次数間高調波電流補正回路72は、上記次数間高調波電流Im の変化率(具体的にはこの実施形態では、次数間高調波電流Im の変化率を表す瞬時逆相電流の変化率dIn )を算出して、インバータ6から出力する次数間高調波電流Im を、上記算出した変化率に反比例させて増大させる(具体的にはこの実施形態では、上記変化率dIn の逆数である補正ゲインG1 で増大させる)ので、測定点24を流れる次数間高調波電流Im の減少が小さく抑えられる。その結果、単独運転発生時の測定点24における次数間高調波電圧Vm の変化が大きくなるので、単独運転監視装置32における判定値J1 の選定が容易になる。

0083

即ち、判定値J1 をあまり小さくせずに済むので、系統電圧の瞬時低下や系統周波数の変動のような系統擾乱発生時に誤検出(即ち、単独運転でないのに単独運転と判定する不要検出)が起こるのを防止することができる。しかも、単独運転発生時は次数間高調波電圧Vm の変化が大きくなって上記判定値J1 を確実に超えるので、単独運転を確実に検出することができる。また、増幅器54で設定するフィードバック係数Kp については、従来技術の課題の所で説明したけれども、この単独運転検出装置10aでは当該フィードバック係数Kp はこれまでと同様に分散電源8の本来の出力である基本波電流I1 に主眼をおいて設定すれば良いので、基本波電流I1 の制御が不安定になるのを防止することができる。

0084

以上の結果、この単独運転検出装置10aによれば、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とを両立させることができる。

0085

更にこの実施形態では、次数間高調波電流補正回路72は、瞬時逆相演算器82およびその前処理としてのコムフィルタ78、80等を有していて、次数間高調波電流Im の変化率を、瞬時逆相電流の振幅の変化率dIn として検出することによって、離散フーリエ変換器等を用いる場合に比べて高速で検出することができるので、単独運転発生時にインバータ6から出力される次数間高調波電流Im の減少をより速やかに抑制することができる。その結果、単独運転発生時の測定点24における次数間高調波電圧Vm の変化がより大きくなるので、単独運転監視装置32における判定値J1 の選定がより容易になる。その結果、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とをより確実に両立させることができる。

0086

これをより詳しく説明すると、上記のような非整数倍次数mの次数間高調波電流Im の抽出には、従来から離散フーリエ変換器がよく用いられているけれども、離散フーリエ変換器を用いる場合は、サンプル数を多くして(例えば系統基本波の30周期ぶん程度)周波数分解能を高める必要があるので、次数間高調波電流Im の抽出が遅くなる。そうなると、次数間高調波電流Im の変化を検出してインバータ6から出力する次数間高調波電流Im を増大させる動作が遅くなり、単独運転発生時の測定点24における次数間高調波電圧Vm の変化を大きくする動作も遅くなり、ひいては単独運転監視装置32における単独運転検出が遅くなる。これに対して、この実施形態では瞬時値を用いて瞬時逆相電流の振幅を演算するので、高速演算が可能であり、従って上記の次数間高調波電流Im 等の変化の検出が遅くなるという課題発生を防止することができる。

0087

また、次数間高調波電流Im の逆相成分の算出に、実効値を用いる通常の対称座標法を用いると、実効値の算出に系統基本波の1サイクル以上の測定を必要とするので、この場合も、離散フーリエ変換器を用いる場合ほどではないとしても、演算が遅くなり、上記と同様の課題が生じる。これに対して、この実施形態では瞬時値を用いて瞬時逆相電流の振幅を演算するので、高速演算が可能であり、従って上記の次数間高調波電流Im 等の変化の検出が遅くなるという課題発生を防止することができる。

0088

また、上述したように、非整数倍次数mの次数間高調波電流Im を単相注入した場合、当該次数間高調波電流Im を、測定点24を流れる非整数倍次数mの正相電流または逆相電流として算出することができるけれども、正相電流よりもこの実施形態のように逆相電流を扱うのが好ましい。具体的には瞬時逆相電流を扱うのが好ましい。瞬時値を扱うことの利点は上述したとおりである。瞬時正相電流を扱うよりも、瞬時逆相電流を扱う方が好ましいこと等を、以下のシミュレーション結果を用いて説明する。

0089

(2)シミュレーションの例
シミュレーションには、図11に示す系統モデルを用いた。これは、図3に示したシステムの配電系統2をより具体化したものである。即ち、上位系統156に変電所の遮断器154を介して高圧配電線152が接続されており、それに変圧器150および連系線22を介して前述した分散電源保有設備36が接続されている。高圧配電線152には、変圧器160および負荷162を有する高圧需要家設備158が接続されている。そしてここでは、標準高圧系統を想定して、シミュレーションの条件は次のとおりとした。

0090

上位系統156:60Hz系、3相6.6kV、インピーダンスj8%(10MVAベース
高圧配電線152:インピーダンス30+j40%(10MVAベース)、亘長5km相当
変圧器150、160:3相6.6kV/210V、110kVA、インピーダンス(%Z)2.5%(自己容量ベース)、リアクタンス(X)/抵抗(R)比=1.11
分散電源8(太陽光発電):容量100kW
高圧需要家負荷162:抵抗負荷100kW、モータ負荷30kVar、力率改善コンデンサ30kVar(クオリティファクタQf=0.3)
単独運転発生時のインピーダンス変化:20倍
注入する次数間高調波電流Im :次数m=2.73次、定格電流の2%をインバータ6から出力

0091

上記系統モデルにおいて、分散電源8と需要家負荷162とが同容量でバランスしている状態で、変電所の遮断器154が開放されて分散電源8の単独運転が発生した時のシミュレーション結果を図12図15に示す。

0092

まず、図12図13について説明する。遮断器154が開放されて単独運転が発生した時、分散電源8の出力に対して需要家負荷162とのQバランス(無効電力のバランス)が僅かでも違うと、パワーコンディショナ34は出力周波数を上下させることによって無効電力のバランスを取ろうとするために、遮断器154から下流側の単独運転系統における基本波電圧V1 の周波数が変化する。この周波数変化(上下)の方向は需要家負荷162を構成するL、Cの優劣に依存しており、周波数変化の大きさはQバランスの崩れ方に依存している。

0093

分散電源8からの基本波電流I1 は、先に図2(および図5)を参照して説明したように、基本波電圧V1 の位相情報に基づいて作成した指令値I1 ′に従って出力されるので、上記のように基本波電圧V1 の周波数が変化すると基本波電流I1 の周波数も変化する。この周波数変化は、基本波電流I1 のものであるから、対称成分で見れば正相分の変化として表れ、逆相分では発生しない。

0094

従って、単独運転発生時の図6中の瞬時逆相電流の振幅の変化率dIn およびその逆数である補正ゲインG1 は、上記基本波電流I1 の周波数変化の影響を受けないので、図12に示すように、先に図10を参照して説明したものと同様に正しく変化している。従って、前述した作用効果を奏して、単独運転発生時にインバータ6から出力する次数間高調波電流Im の大きさをうまく補正することができる。

0095

一方、仮に図6に示した補正ゲイン演算回路76において、瞬時逆相電流に代えて、瞬時正相電流を扱い、瞬時逆相電流の変化率dIn の代わりに瞬時正相電流の振幅の変化率dIp を算出し、その逆数を補正ゲインG1 とした場合、上記基本波電流I1 の周波数変化に伴う正相分の変動の影響を受けるので、図13に示すように、単独運転発生時の次数間高調波電流の変化率および補正ゲインを正しく算出することはできない。即ち、図13(A)に示すように、単独運転発生時に、本来は配電系統2側のインピーダンスが増加しているので次数間高調波電流は減るのであるが、それとは反対に瞬時正相電流の変化率dIp が増加しており、その結果、図13(B)に示すように補正ゲインG1 が減少している。これは、本当は次数間高調波電流Im を増やさなければならない状況であるのにそれを減らすという逆方向の動作である。しかもこの瞬時正相電流の変化率dIp およびその逆数の補正ゲインG1 の変動の仕方は、前述したQバランスの崩れ方によって様々に変化するので、これらを用いても、単独運転発生時にインバータ6から出力する次数間高調波電流Im の大きさをうまく補正することはできない。

0096

以上の理由から、瞬時正相電流を扱うよりも、この実施形態のように瞬時逆相電流を扱う方が好ましい。

0097

次に、図14図15について説明する。シミュレーションの条件は前述したとおりである。なお、上記図中には、参考までに、次数間高調波電圧Vm の変化を当該電圧Vm の大きさで判定する場合の判定値J2 の一例を記入している。但しこれに限られるものではない。後述する他の図においても同様である。

0098

図14は、図1図2を参照して説明した従来の単独運転検出装置10を有する場合に、単独運転発生時をシミュレーションしたときの測定点24における次数間高調波電流Im および次数間高調波電圧Vm の変化の一例を示す図である。変電所の遮断器154が開放されて単独運転が発生すると、系統インピーダンスの増大に伴って次数間高調波電流Im が1/3程度に減少しており、それの影響で、次数間高調波電圧Vm の変化は、本来のインピーダンス変化(これは前記シミュレーション条件に示すように20倍)より遥かに小さく、6〜7倍程度に制限されている。系統条件によっては、次数間高調波電圧Vm の変化はこれよりも小さくなる場合もある(例えば図18およびその説明参照)。従って、前述したように、単独運転発生時にのみ次数間高調波電圧Vm が判定値J2 を確実に超えるような判定値J2 の選定が難しくなり、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とを両立させることが難しくなる。

0099

図15は、図3図10を参照して説明した本発明の第1の実施形態の単独運転検出装置10aを有する場合に、単独運転発生時をシミュレーションしたときの測定点24における次数間高調波電流Im および次数間高調波電圧Vm の変化の一例を示す図である。変電所の遮断器154が開放されて単独運転が発生すると、系統インピーダンスの増大に伴って次数間高調波電流Im が減少するけれども2/3程度に留められており、それによって次数間高調波電圧Vm の変化は12倍程度まで増大している。従って、前述したように、単独運転発生時にのみ次数間高調波電圧Vm が判定値J2 を確実に超えるような判定値J2 の選定が容易になり、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とを両立させることができる。

0100

(3)単独運転検出装置の第2の実施形態
次に、単独運転検出装置10aの第2の実施形態を、先の第1の実施形態との相違点を主に説明する。

0101

この実施形態では、上記制御装置30a内の次数間高調波電流補正回路72は、より具体的にはそれを構成する補正ゲイン演算回路76は、図16に示す例のように、上記補正ゲイン演算器94からの上記補正ゲインG1 の変化率を、定常時の値を1に保ちつつ拡大して補正ゲインG4 として出力する補正ゲイン拡大器164を更に有している。

0102

そして、上記補正ゲインG1 の代わりとして、拡大させた上記補正ゲインG4 を、図7に示す次数間高調波電流指令値発生器46a内の指令値補正器124〜126に与えて、インバータ6に与える次数間高調波電流の指令値Im ′を、補正ゲイン拡大器164からの拡大させた補正ゲインG4 で増大させるようにしている。

0103

補正ゲイン拡大器164は、この例では、上記補正ゲイン演算器94からの補正ゲインG1 をゲインG2 で増幅する増幅器166と、定数(G2 −1.0)を設定する定数設定器170と、増幅器166の出力から定数設定器170の出力を減算して次式で表される補正ゲインG4 を出力する減算器168とを有している。

0104

[数10]
G4 =G2 ・G1 −(G2 −1)

0105

上記補正ゲインG4 を用いる理由を図17を参照して説明する。図17(A)中の補正ゲインG1 は、図10(B)に示した補正ゲインG1 と同じものである。この補正ゲインG1 の変化率を拡大するために、それに単純にゲインG2 を掛けると、図17(A)に示す補正ゲインG3 (=G2 ・G1 )となり、定常時の値が1でなくG2 になってしまう。これに対して、上記補正ゲインG4 にすると、図17(B)に示すように、定常時の値を1に保ちつつ、補正ゲインG4 の変化率を拡大することができる。補正ゲインG4 の定常時の値を1に保つと、定常時にインバータ6から出力する次数間高調波電流Im の大きさを変えずに済み、ひいては定常時の測定点24における次数間高調波電圧Vm の大きさを変えずに済むので、単独運転監視装置32における判定値J1 (またはJ2 )も変えずに済み、単独運転監視装置32における次数間高調波電圧Vm の変化の検出が容易になる。

0106

しかも、拡大させた補正ゲインG4 を用いることによって、単独運転発生時にインバータ6から出力される次数間高調波電流Im の減少をより確実に抑制することができる。その結果、単独運転発生時の測定点24における次数間高調波電圧Vm の変化がより一層大きくなるので、単独運転監視装置32における判定値の選定がより一層容易になる。その結果、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とをより確実に両立させることができる。

0107

(2)シミュレーションの他の例
上記第2の実施形態のように拡大させた補正ゲインG4 を用いる場合の効果を、以下のシミュレーション結果を用いて説明する。この場合も図11に示した系統モデルを用いた。シミュレーション条件は、単独運転発生時にインピーダンス変化の生じにくい次の条件とした。

0108

上位系統156:60Hz系、3相6.6kV、インピーダンスj8%(10MVAベース)
高圧配電線152:インピーダンス180+j240%(10MVAベース)、亘長30km相当
変圧器150:3相6.6kV/210V、110kVA、インピーダンス(%Z)7.5%(自己容量ベース)、リアクタンス(X)/抵抗(R)比=1.11
変圧器160:3相6.6kV/210V、120kVA、インピーダンス(%Z)7.5%(自己容量ベース)、リアクタンス(X)/抵抗(R)比=1.11
分散電源8(太陽光発電):容量100kW
高圧需要家負荷162:抵抗負荷100kW、モータ負荷60kVar、力率改善コンデンサ60kVar(クオリティファクタQf=0.6)
単独運転発生時のインピーダンス変化:2.3倍
注入する次数間高調波電流Im :次数m=2.73次、定格電流の2%をインバータ6から出力

0109

上記系統モデルにおいて、分散電源8と需要家負荷162とが同容量でバランスしている状態で、変電所の遮断器154が開放されて分散電源8の単独運転が発生した時のシミュレーション結果を図18図20に示す。

0110

図18は、前述した従来の単独運転検出装置10を有している場合であり、単独運転時に次数間高調波電流Im は1/2程度に減少しており、その影響で、次数間高調波電圧Vm の変化は、本来のインピーダンス変化(これは前記シミュレーション条件に示すように2.3倍)に比べて小さく、2倍未満に制限されている。従って、単独運転発生時にのみ次数間高調波電圧Vm が判定値J2 を確実に超えるような判定値J2 の選定が非常に難しい。

0111

図19は、前述した第1の実施形態の単独運転検出装置10aを有している場合であり、単独運転時の次数間高調波電流Im の減少が抑制されており、それに伴って、次数間高調波電圧Vm の変化も2倍近くまで大きくなっている。従って、判定値J2 の選定が容易になる。

0112

図20は、上記第2の実施形態の単独運転検出装置10aを有している場合であり、単独運転時の次数間高調波電流Im は、ごく短時間減少するもののすぐに回復して、ほぼ一定の大きさで出力できている。その結果、次数間高調波電圧Vm の変化は、本来のインピーダンスの変化(2.3倍)と同程度に大きくなっている。従って、単独運転発生時にインピーダンス変化が生じにくい系統においても、単独運転発生時にのみ次数間高調波電圧Vm が判定値J2 を確実に超えるような判定値J2 の選定がより容易になり、単独運転の確実な検出と、系統擾乱発生時の誤検出の防止とをより確実に両立させることができる。

0113

2配電系統
4直流電力を出力する電源
6インバータ
8分散電源
10、10a単独運転検出装置
22連系線
24測定点
30、30a制御装置
32単独運転監視装置
36分散電源保有設備
46、46a次数間高調波電流指令値発生器
72 次数間高調波電流補正回路
76補正ゲイン演算回路
78、80コムフィルタ
82 瞬時逆相演算器
86変化率演算器
94 補正ゲイン演算器
124〜126 指令値補正器
164 補正ゲイン拡大器
m非整数倍次数
Im 次数間高調波電流
Vm次数間高調波電圧
dIn 瞬時逆相電流の振幅の変化率
G1 、G4 補正ゲイン

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