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技術 無線通信装置および無線通信方法

出願人 日本電信電話株式会社国立大学法人茨城大学
発明者 増野淳阿部順一杉山隆利梅比良正弘武田茂樹
出願日 2015年6月9日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2015-116599
公開日 2017年1月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-005452
状態 特許登録済
技術分野 交流方式デジタル伝送 時分割方式以外の多重化通信方式
主要キーワード ヌル周波数 DCオフセット誤差 上端周波数 下端周波数 理想フィルタ 周波数要素 スカート特性 ヌルポイント
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図面 (19)

課題

狭帯域フィルタヒルベルト変換を用いることなくディジタルSSB信号を生成する。

解決手段

0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号を生成するディジタル変調器と、ディジタル変調器の出力であるMポイントの変調信号を離散フーリエ変換するDFT手段と、DFT手段の出力であるMポイントの変調信号のうち、上側または下側のM/2+1ポイントの出力をとりだし信号配置を行うマッピング手段と、マッピング手段の出力を入力してN≧M/2+1であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行うIDFT手段と、サイクリックプレフィックスが付加されたIDFT手段の出力の実部虚部の信号をそれぞれD/A変換した2つの出力を直交変調処理してディジタルSSB信号を出力する直交変調器とを備える。

概要

背景

SSB変調アナログAM変調で得られる信号の周波数帯域を1/2にする手段として知られており、近年、ディジタル変調信号帯域をさらに狭帯域化する手段として、ディジタルSSB変調の検討が行われている(非特許文献1、2)。

SSB信号を生成する方法としては、急峻な特性を持つ帯域通過フィルタを用いる方法と、ヒルベルト変換を用いる方法が知られている。

帯域通過フィルタを用いる方法では、ディジタル変調器で生成した変調信号のうち、帯域通過フィルタで上側波帯(USB:Upper Side Band )、または下側波帯(LSB:Lower Side Band )を取り出す必要がある。しかし、高速ディジタル通信利用可能な広い通過帯域を持ち、かつ急峻なスカート特性を持つ帯域通過理想フィルタアナログ回路で実現することは極めて困難である。また、これをディジタル信号処理で実現する場合でも、タップ数の極めて大きなFIRフィルタが必要になりハードウェア規模が問題となる。

これに対し、アナログSSB変調にも用いられているヒルベルト変換を用いる方法では、ヒルベルト変換器直交変調器を用いる。

図16は、ヒルベルト変換器を用いた従来の送信装置の構成例を示す。図16において、101は入力データに対して0とπの2相振幅変調を行う変調器、102はヒルベルト変換器、103は直交変調器であり、変調器101の出力をs(t) 、ヒルベルト変換器102の出力をs(t) とすると、直交変調器103の出力u(t) は次式で与えられる。

ただし、fcはキャリア周波数であり、s(t) は実数である必要があるため、位相は0かπの2相のディジタル変調となるが、振幅多値としてもよい。

図17は、DSB信号s(f) とSSB信号u(f) の電力スペクトルの関係を示す。
図17において、SSB信号u(f) の電力スペクトルの周波数帯域は、DSB信号s(f) の電力スペクトルの周波数帯域の1/2にすることができる。これは、アナログSSB変調と同じ原理であり、図16で示した構成によるディジタルSSB変調の無線送信装置を実現する場合、ヒルベルト変換器102が必要となる。多値変調信号のディジタルSSB信号においても伝送特性劣化の小さい、理想に近いヒルベルト変換器を実現するには、極めてタップ数の大きなFIRフィルタが必要になることが報告されている(非特許文献2)。

一方、近年の移動無線通信システムにおいては、高速伝送を行う場合に厳しい周波数選択性フェージングにおいても良好な特性が得られ、かつDFT拡散を行うことによりPAPR(Peak to Average Power Ratio :ピーク対平均電力比)を小さくすることのできる、DFT spreading OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重方式)方式が、携帯端末の送信に用いられている(非特許文献3)。これは、シングルキャリア変調方式の一種であり、ベースバンド信号離散フーリエ変換(DFT)することにより周波数領域の信号に変換し、周波数領域でポイント数の大きな逆離散フーリエ変換(IDFT)の入力にマッピングし、逆離散フーリエ変換により時間領域のシングルキャリア変調信号に変換した後、サイクリックプレフィックスを付加して変調信号とする。

このDFTspreading OFDMをベースとして、ベースバンド信号を離散フーリエ変換(DFT)して周波数領域の信号に変換し、周波数領域において、上側波帯(USB)、または下側波帯(LSB)の信号を取り出してSSB化を行い、その後、周波数変換を行うために、十分大きなポイント数の逆離散フーリエ変換(IDFT)に入力して、逆離散フーリエ変換により時間領域の信号に変換した後、サイクリックプレフィックスを付加し、その後、D/A変換を行うことでディジタルSSB信号を得る方法が提案されている(非特許文献4)。

図18は、DFTspreading OFDMをベースとした従来の送信装置の構成例を示す。
図18において、111は入力データに対して0とπの2相で多値の振幅変調を行うディジタル変調器、112はMポイントの変調信号の離散フーリエ変換(DFT)を行うDFT手段、113はDFT出力からM/2+1ポイントを選択するマッピング手段、114はNポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)を行うIDFT手段、115はサイクリックプレフィックス付加手段、116はD/A変換器である。DFT手段112のMポイントのDFT出力は、周波数領域におけるDSB(両側波帯)信号であるので、これよりSSB信号を生成するため、マッピング手段113によって上側波帯(USB)または下側波帯(LSB)のM/2+1ポイントの信号を取り出し、M/2+1より十分大きいNポイントのIDFT手段114に入力する。ここで、M,Nを2のべき乗とした場合はFFTIFFTのアルゴリズムを利用することができ、演算量を大幅に削減することができる。

M/2+1ポイントの信号はNポイントのIDFT手段114の入力において、キャリア周波数の位置の上に上側波帯のM/2+1ポイントの信号を入力し、それ以外の周波数での振幅を0とした場合は、上側波帯のディジタルSSB信号を得る。一方、キャリア周波数の位置の下に下側波帯のM/2+1ポイントの信号を入力し、それ以外の周波数での振幅を0とした場合は、下側波帯のディジタルSSB信号を得る。このIDFT手段114の出力信号は、ロールオフ率0のロールオフフィルタ帯域制限された時間領域のシングルキャリア変調信号に相当するディジタル変調信号のSSB信号であり、この信号に対して、サイクリックプレフィックス付加手段115によりサイクリックプレフィックスを付加する。このサイクリックプレフィックスは、受信側において、マルチパスフェージング環境において通信を行う場合に問題となる符号間干渉の影響を軽減するために付加される。

ここで、0とπの2相で多値の振幅変調を行う変調信号の場合、IDFT手段304の出力は実数になるため、出力のうち実部の信号のみを用いて、D/A変換器306でD/A変換することで、ディジタルSSB信号を得る。

概要

狭帯域フィルタやヒルベルト変換を用いることなくディジタルSSB信号を生成する。0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号を生成するディジタル変調器と、ディジタル変調器の出力であるMポイントの変調信号を離散フーリエ変換するDFT手段と、DFT手段の出力であるMポイントの変調信号のうち、上側または下側のM/2+1ポイントの出力をとりだし信号配置を行うマッピング手段と、マッピング手段の出力を入力してN≧M/2+1であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行うIDFT手段と、サイクリックプレフィックスが付加されたIDFT手段の出力の実部と虚部の信号をそれぞれD/A変換した2つの出力を直交変調処理してディジタルSSB信号を出力する直交変調器とを備える。

目的

本発明は、前述の通りディジタルSSB信号の送受信を行う無線通信装置実装における問題を解決し、狭帯域フィルタやヒルベルト変換を用いることなくディジタルSSB信号を生成し、送受信を行うことができる無線通信装置および無線通信方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

M(Mは偶数ポイント変調信号離散フーリエ変換DFT)し、これをNポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)してディジタルSSB信号を生成する無線通信装置において、0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号を生成するディジタル変調器と、前記ディジタル変調器の出力であるMポイントの変調信号を離散フーリエ変換するDFT手段と、前記DFT手段の出力であるMポイントの変調信号のうち、上側または下側のM/2+1ポイントの出力をとりだし信号配置を行うマッピング手段と、前記マッピング手段の出力を入力してN≧M/2+1であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行うIDFT手段と、前記IDFT手段の出力に対してサイクリックプレフィックスを付加するサイクリックプレフィックス付加手段と、前記サイクリックプレフィックスが付加された前記IDFT手段の出力の実部虚部の信号をそれぞれアナログ信号に変換する2つのD/A変換器と、前記D/A変換器の2つの出力を直交変調処理して前記ディジタルSSB信号を出力する直交変調器とを備えたことを特徴とする無線通信装置。

請求項2

請求項1記載の無線通信装置において、前記マッピング手段は、前記Mポイントの変調信号から上側または下側のM/2+1ポイントの出力をとりだし、M/2+1ポイントの信号を2分割して直流成分を中心として上と下に配置し、直流成分には0を挿入する構成であり、前記IDFT手段は、前記マッピング手段の出力を入力としてN≧M/2+2であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行う構成であることを特徴とする無線通信装置。

請求項3

請求項1に記載の無線通信装置において、受信側での周波数同期のためのパイロット信号を生成するパイロットサブキャリア生成手段を備え、前記マッピング手段は、前記Mポイントの変調信号から上側または下側のM/2+1ポイントの出力をとりだし、M/2+1ポイントの信号を2分割して直流成分を中心として上と下に配置し、直流成分には0を挿入し、前記パイロットサブキャリア生成手段により生成される1以上のパイロット信号を配置する構成であり、前記IDFT手段は、前記マッピング手段の出力を入力としてN≧M/2+2であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行う構成であることを特徴とする無線通信装置。

請求項4

M(Mは偶数)ポイントの変調信号を離散フーリエ変換(DFT)し、これをNポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)してディジタルSSB信号を生成する無線通信装置において、0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号を生成するディジタル変調器と、前記ディジタル変調器の出力であるMポイントの変調信号を離散フーリエ変換するDFT手段と、前記DFT手段の出力であるMポイントの変調信号のうち、LSB側とUSB側に各々少なくとも1つ以上のポイントを選択し、かつ、LSB側とUSB側で抽出されるポイントの中心周波数からの周波数オフセット位置が異なり、かつ、LSB側抽出スペクトラム下端周波数とUSB側抽出スペクトラムの上端周波数で囲まれた周波数帯域の中心の周波数に対応するポイントを除くM/2+1ポイントの出力を抽出して信号配置を行うマッピング手段と、前記マッピング手段の出力を入力してN≧M/2+1であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行うIDFT手段と、前記IDFT手段の出力に対してサイクリックプレフィックスを付加するサイクリックプレフィックス付加手段と、前記サイクリックプレフィックスが付加された前記IDFT手段の出力の実部と虚部の信号をそれぞれアナログ信号に変換する2つのD/A変換器と、前記D/A変換器の2つの出力を直交変調処理して前記ディジタルSSB信号を出力する直交変調器とを備えたことを特徴とする無線通信装置。

請求項5

請求項4に記載の無線通信装置において、前記マッピング手段は、一のユーザの送信信号に形成されたヌル周波数帯域に、他のユーザの送信信号を周波数多重するマッピングを行う構成であることを特徴とする無線通信装置。

請求項6

請求項5に記載の無線通信装置において、受信側での周波数同期のためのパイロット信号を生成するパイロットサブキャリア生成手段を備え、前記マッピング手段は、複数のユーザの送信信号の周波数多重時に生じたシステム帯域内のヌルポイント上に、前記パイロットサブキャリア生成手段により生成される1以上のパイロット信号を配置する構成であり、前記IDFT手段は、前記マッピング手段の出力を入力としてNポイントの逆離散フーリエ変換を行う構成であることを特徴とする無線通信装置。

請求項7

請求項5または請求項6に記載の無線通信装置において、前記マッピング手段は、複数のユーザの送信信号の周波数多重時に生じたシステム帯域内のヌルポイントのうちいずれか1ポイントが、Nポイントの逆離散フーリエ変換の直流成分となるマッピングを行う構成であることを特徴とする無線通信装置。

請求項8

請求項1〜7の無線通信装置により生成されたSSB信号を受信信号とし、受信信号より同相成分と直交成分を取り出す直交復調器と、該直交復調器の2つの出力をディジタル信号に変換する2つのA/D変換器と、該A/D変換器の出力からサイクリックプレフィックス部分を除去するサイクリックプレフィックス除去手段とを有し、該サイクリックプレフィックス除去手段の出力である2系列のNポイントの入力信号復調する無線通信装置において、前記サイクリックプレフィックス除去手段の出力をNポイントの離散フーリエ変換(DFT)するDFT変換手段と、前記DFT変換手段の出力からヌルが挿入された直流成分を除去してM/2+1ポイントの信号に変換し、周波数領域で等化する等化手段と、前記等化手段の出力であるM/2+1ポイントの信号の虚部の符号を反転してM/2−1ポイントの複素共役の信号を生成し、前記のM/2+1ポイントの信号とM/2−1ポイントの複素共役の信号からMポイントのDSB信号を再生する信号変換手段と、前記MポイントのDSB信号を逆離散フーリエ変換するIDFT手段とを備えたことを特徴とする無線通信装置。

請求項9

M(Mは偶数)ポイントの変調信号を離散フーリエ変換(DFT)し、これをNポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)してディジタルSSB信号を生成する無線通信方法において、ディジタル変調器で0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号を生成し、前記ディジタル変調器の出力をDFT手段に入力してMポイントの変調信号を離散フーリエ変換し、前記DFT手段の出力をマッピング手段に入力してMポイントの変調信号のうち、上側または下側のM/2+1ポイントの出力をとりだし信号配置を行い、前記マッピング手段の出力をIDFT手段に入力してN≧M/2+1であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行い、前記IDFT手段の出力に対してサイクリックプレフィックスを付加し、前記サイクリックプレフィックスが付加された前記IDFT手段の出力の実部と虚部の信号をそれぞれD/A変換し、前記D/A変換された信号を直交変調器で直交変調処理して前記ディジタルSSB信号を出力することを特徴とする無線通信方法。

請求項10

M(Mは偶数)ポイントの変調信号を離散フーリエ変換(DFT)し、これをNポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)してディジタルSSB信号を生成する無線通信方法において、ディジタル変調器で0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号を生成し、前記ディジタル変調器の出力をDFT手段に入力してMポイントの変調信号を離散フーリエ変換し、前記DFT手段の出力をマッピング手段に入力してMポイントの変調信号のうち、LSB側とUSB側に各々少なくとも1つ以上のポイントを選択し、かつ、LSB側とUSB側で抽出されるポイントの中心周波数からの周波数オフセット位置が異なり、かつ、LSB側抽出スペクトラムの下端周波数とUSB側抽出スペクトラムの上端周波数で囲まれた周波数帯域の中心の周波数に対応するポイントを除くM/2+1ポイントの出力を抽出して信号配置を行い、前記マッピング手段の出力をIDFT手段に入力してN≧M/2+1であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行い、前記IDFT手段の出力に対してサイクリックプレフィックスを付加し、前記サイクリックプレフィックスが付加された前記IDFT手段の出力の実部と虚部の信号をそれぞれD/A変換し、前記D/A変換された信号を直交変調器で直交変調処理して前記ディジタルSSB信号を出力することを特徴とする無線通信方法。

請求項11

請求項9または請求項10に記載の無線通信方法により生成されたSSB信号を受信信号とし、受信信号より同相成分と直交成分を取り出す直交復調処理を行い、その2つの出力をディジタル信号に変換してサイクリックプレフィックス部分を除去してNポイントの入力信号を復調する無線通信方法において、前記サイクリックプレフィックス部分を除去した信号をDFT手段に入力し、Nポイントの離散フーリエ変換を行い、前記DFT手段の出力を等化手段に入力し、ヌルが挿入された直流成分を除去してM/2+1ポイントの信号に変換して周波数領域で等化し、前記等化手段の出力を信号変換手段に入力し、前記M/2+1ポイントの信号の虚部の符号を反転してM/2−1ポイントの複素共役の信号を生成し、前記M/2+1ポイントの信号とM/2−1ポイントの複素共役の信号からMポイントのDSB信号を再生し、前記MポイントのDSB信号をIDFT手段に入力し、逆離散フーリエ変換して復調信号を出力することを特徴とする無線通信方法。

技術分野

0001

本発明は、0とπの位相および複数の振幅レベルを持つ変調信号から、その周波数帯域を1/2にするディジタルSSB(Single Side Band)信号を生成し、送受信を行う無線通信装置および無線通信方法に関する。

背景技術

0002

SSB変調アナログAM変調で得られる信号の周波数帯域を1/2にする手段として知られており、近年、ディジタル変調信号帯域をさらに狭帯域化する手段として、ディジタルSSB変調の検討が行われている(非特許文献1、2)。

0003

SSB信号を生成する方法としては、急峻な特性を持つ帯域通過フィルタを用いる方法と、ヒルベルト変換を用いる方法が知られている。

0004

帯域通過フィルタを用いる方法では、ディジタル変調器で生成した変調信号のうち、帯域通過フィルタで上側波帯(USB:Upper Side Band )、または下側波帯(LSB:Lower Side Band )を取り出す必要がある。しかし、高速ディジタル通信利用可能な広い通過帯域を持ち、かつ急峻なスカート特性を持つ帯域通過理想フィルタアナログ回路で実現することは極めて困難である。また、これをディジタル信号処理で実現する場合でも、タップ数の極めて大きなFIRフィルタが必要になりハードウェア規模が問題となる。

0005

これに対し、アナログSSB変調にも用いられているヒルベルト変換を用いる方法では、ヒルベルト変換器直交変調器を用いる。

0006

図16は、ヒルベルト変換器を用いた従来の送信装置の構成例を示す。図16において、101は入力データに対して0とπの2相振幅変調を行う変調器、102はヒルベルト変換器、103は直交変調器であり、変調器101の出力をs(t) 、ヒルベルト変換器102の出力をs(t) とすると、直交変調器103の出力u(t) は次式で与えられる。

0007

ただし、fcはキャリア周波数であり、s(t) は実数である必要があるため、位相は0かπの2相のディジタル変調となるが、振幅多値としてもよい。

0008

図17は、DSB信号s(f) とSSB信号u(f) の電力スペクトルの関係を示す。
図17において、SSB信号u(f) の電力スペクトルの周波数帯域は、DSB信号s(f) の電力スペクトルの周波数帯域の1/2にすることができる。これは、アナログSSB変調と同じ原理であり、図16で示した構成によるディジタルSSB変調の無線送信装置を実現する場合、ヒルベルト変換器102が必要となる。多値変調信号のディジタルSSB信号においても伝送特性劣化の小さい、理想に近いヒルベルト変換器を実現するには、極めてタップ数の大きなFIRフィルタが必要になることが報告されている(非特許文献2)。

0009

一方、近年の移動無線通信システムにおいては、高速伝送を行う場合に厳しい周波数選択性フェージングにおいても良好な特性が得られ、かつDFT拡散を行うことによりPAPR(Peak to Average Power Ratio :ピーク対平均電力比)を小さくすることのできる、DFT spreading OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重方式)方式が、携帯端末の送信に用いられている(非特許文献3)。これは、シングルキャリア変調方式の一種であり、ベースバンド信号離散フーリエ変換(DFT)することにより周波数領域の信号に変換し、周波数領域でポイント数の大きな逆離散フーリエ変換(IDFT)の入力にマッピングし、逆離散フーリエ変換により時間領域のシングルキャリア変調信号に変換した後、サイクリックプレフィックスを付加して変調信号とする。

0010

このDFTspreading OFDMをベースとして、ベースバンド信号を離散フーリエ変換(DFT)して周波数領域の信号に変換し、周波数領域において、上側波帯(USB)、または下側波帯(LSB)の信号を取り出してSSB化を行い、その後、周波数変換を行うために、十分大きなポイント数の逆離散フーリエ変換(IDFT)に入力して、逆離散フーリエ変換により時間領域の信号に変換した後、サイクリックプレフィックスを付加し、その後、D/A変換を行うことでディジタルSSB信号を得る方法が提案されている(非特許文献4)。

0011

図18は、DFTspreading OFDMをベースとした従来の送信装置の構成例を示す。
図18において、111は入力データに対して0とπの2相で多値の振幅変調を行うディジタル変調器、112はMポイントの変調信号の離散フーリエ変換(DFT)を行うDFT手段、113はDFT出力からM/2+1ポイントを選択するマッピング手段、114はNポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)を行うIDFT手段、115はサイクリックプレフィックス付加手段、116はD/A変換器である。DFT手段112のMポイントのDFT出力は、周波数領域におけるDSB(両側波帯)信号であるので、これよりSSB信号を生成するため、マッピング手段113によって上側波帯(USB)または下側波帯(LSB)のM/2+1ポイントの信号を取り出し、M/2+1より十分大きいNポイントのIDFT手段114に入力する。ここで、M,Nを2のべき乗とした場合はFFTIFFTのアルゴリズムを利用することができ、演算量を大幅に削減することができる。

0012

M/2+1ポイントの信号はNポイントのIDFT手段114の入力において、キャリア周波数の位置の上に上側波帯のM/2+1ポイントの信号を入力し、それ以外の周波数での振幅を0とした場合は、上側波帯のディジタルSSB信号を得る。一方、キャリア周波数の位置の下に下側波帯のM/2+1ポイントの信号を入力し、それ以外の周波数での振幅を0とした場合は、下側波帯のディジタルSSB信号を得る。このIDFT手段114の出力信号は、ロールオフ率0のロールオフフィルタ帯域制限された時間領域のシングルキャリア変調信号に相当するディジタル変調信号のSSB信号であり、この信号に対して、サイクリックプレフィックス付加手段115によりサイクリックプレフィックスを付加する。このサイクリックプレフィックスは、受信側において、マルチパスフェージング環境において通信を行う場合に問題となる符号間干渉の影響を軽減するために付加される。

0013

ここで、0とπの2相で多値の振幅変調を行う変調信号の場合、IDFT手段304の出力は実数になるため、出力のうち実部の信号のみを用いて、D/A変換器306でD/A変換することで、ディジタルSSB信号を得る。

先行技術

0014

Gen-ichiro Oh ta, Mitsuru Uesugi, Takuro Sato, Hideyuki Tominaga,“Study of OrthogonalSSB Modulation Method,”IEICETransactions on Fundamentals, Vol.E87-A, No.10 Oct. 2004.
S.A. Mujtaba, “A novel scheme for transmitting QPSKas a single sideband signal, ”Proc.IEEE Globecom, 1988, vol.1, pp.592-597, Nov. 1998.
H. G. Myung, J. Lim, and D. J. Goodman, “Single CarrierFDMAfor Uplink Wireless Transmission, ”IEEE Vehicular Technology Mag., vol.1, no.3, pp.30-38, Sep. 2006.
阿保航平・ヴォタンハイ・アムナートブンカジャイ・安達文幸,“周波数選択性チャネルにおけるASK変調を用いたディジタルSSB伝送の一検討,”信学技報, vol.114, no.295, RCS2014-200, pp.19-24, 2014年11月.

発明が解決しようとする課題

0015

図18に示す構成において、通信に利用する周波数に変換するためにはNを十分大きくする必要があるため、IDFT手段304のハードウェア規模が増大するとともに、IDFT手段304には高速動作が求められることになり、特に高速伝送を行う場合においては実装が困難になる問題点がある。この問題を解決するには、アナログSSB変調にも用いられている、ヒルベルト変換器と直交変調器を用いる方法があるが、前述の通り、ヒルベルト変換器の実現方法が課題となる。

0016

本発明は、前述の通りディジタルSSB信号の送受信を行う無線通信装置の実装における問題を解決し、狭帯域フィルタやヒルベルト変換を用いることなくディジタルSSB信号を生成し、送受信を行うことができる無線通信装置および無線通信方法を提供することを目的とする。

0017

また、本発明においてディジタルSSB信号の送受信を行う場合、D/A変換器と直交変調器、A/D変換器と直交復調器の間のDCオフセット誤差、ならびに送受信装置間周波数誤差により伝送特性が劣化するが、これらの原因による伝送特性の劣化が発生しない手段を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0018

第1の発明は、M(Mは偶数)ポイントの変調信号を離散フーリエ変換(DFT)し、これをNポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)してディジタルSSB信号を生成する無線通信装置において、0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号を生成するディジタル変調器と、ディジタル変調器の出力であるMポイントの変調信号を離散フーリエ変換するDFT手段と、DFT手段の出力であるMポイントの変調信号のうち、上側または下側のM/2+1ポイントの出力をとりだし信号配置を行うマッピング手段と、マッピング手段の出力を入力してN≧M/2+1であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行うIDFT手段と、IDFT手段の出力に対してサイクリックプレフィックスを付加するサイクリックプレフィックス付加手段と、サイクリックプレフィックスが付加されたIDFT手段の出力の実部と虚部の信号をそれぞれアナログ信号に変換する2つのD/A変換器と、D/A変換器の2つの出力を直交変調処理してディジタルSSB信号を出力する直交変調器とを備える。

0019

第1の発明の無線通信装置において、マッピング手段は、Mポイントの変調信号から上側または下側のM/2+1ポイントの出力をとりだし、M/2+1ポイントの信号を2分割して直流成分を中心として上と下に配置し、直流成分には0を挿入する構成であり、IDFT手段は、マッピング手段の出力を入力としてN≧M/2+2であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行う構成である。

0020

第1の発明の無線通信装置において、受信側での周波数同期のためのパイロット信号を生成するパイロットサブキャリア生成手段を備え、マッピング手段は、Mポイントの変調信号から上側または下側のM/2+1ポイントの出力をとりだし、M/2+1ポイントの信号を2分割して直流成分を中心として上と下に配置し、直流成分には0を挿入し、パイロットサブキャリア生成手段により生成される1以上のパイロット信号を配置する構成であり、IDFT手段は、マッピング手段の出力を入力としてN≧M/2+2であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行う構成である。

0021

第2の発明は、M(Mは偶数)ポイントの変調信号を離散フーリエ変換(DFT)し、これをNポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)してディジタルSSB信号を生成する無線通信装置において、0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号を生成するディジタル変調器と、ディジタル変調器の出力であるMポイントの変調信号を離散フーリエ変換するDFT手段と、DFT手段の出力であるMポイントの変調信号のうち、LSB側とUSB側に各々少なくとも1つ以上のポイントを選択し、かつ、LSB側とUSB側で抽出されるポイントの中心周波数からの周波数オフセット位置が異なり、かつ、LSB側抽出スペクトラム下端周波数とUSB側抽出スペクトラムの上端周波数で囲まれた周波数帯域の中心の周波数に対応するポイントを除くM/2+1ポイントの出力を抽出して信号配置を行うマッピング手段と、マッピング手段の出力を入力してN≧M/2+1であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行うIDFT手段と、IDFT手段の出力に対してサイクリックプレフィックスを付加するサイクリックプレフィックス付加手段と、サイクリックプレフィックスが付加されたIDFT手段の出力の実部と虚部の信号をそれぞれアナログ信号に変換する2つのD/A変換器と、D/A変換器の2つの出力を直交変調処理してディジタルSSB信号を出力する直交変調器とを備える。

0022

第2の発明の無線通信装置において、マッピング手段は、一のユーザの送信信号に形成されたヌル周波数帯域に、他のユーザの送信信号を周波数多重するマッピングを行う構成である。

0023

第2の発明の無線通信装置において、受信側での周波数同期のためのパイロット信号を生成するパイロットサブキャリア生成手段を備え、マッピング手段は、複数のユーザの送信信号の周波数多重時に生じたシステム帯域内のヌルポイント上に、パイロットサブキャリア生成手段により生成される1以上のパイロット信号を配置する構成であり、IDFT手段は、マッピング手段の出力を入力としてNポイントの逆離散フーリエ変換を行う構成である。

0024

第2の発明の無線通信装置において、マッピング手段は、複数のユーザの送信信号の周波数多重時に生じたシステム帯域内のヌルポイントのうちいずれか1ポイントが、Nポイントの逆離散フーリエ変換の直流成分となるマッピングを行う構成である。

0025

第3の発明は、第1または第2の発明の無線通信装置により生成されたSSB信号を受信信号とし、受信信号より同相成分と直交成分を取り出す直交復調器と、該直交復調器の2つの出力をディジタル信号に変換する2つのA/D変換器と、該A/D変換器の出力からサイクリックプレフィックス部分を除去するサイクリックプレフィックス除去手段とを有し、該サイクリックプレフィックス除去手段の出力である2系列のNポイントの入力信号復調する無線通信装置において、サイクリックプレフィックス除去手段の出力をNポイントの離散フーリエ変換(DFT)するDFT変換手段と、DFT変換手段の出力からヌルが挿入された直流成分を除去してM/2+1ポイントの信号に変換し、周波数領域で等化する等化手段と、等化手段の出力であるM/2+1ポイントの信号の虚部の符号を反転してM/2−1ポイントの複素共役の信号を生成し、のM/2+1ポイントの信号とM/2−1ポイントの複素共役の信号からMポイントのDSB信号を再生する信号変換手段と、MポイントのDSB信号を逆離散フーリエ変換するIDFT手段とを備える。

0026

第4の発明は、M(Mは偶数)ポイントの変調信号を離散フーリエ変換(DFT)し、これをNポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)してディジタルSSB信号を生成する無線通信方法において、ディジタル変調器で0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号を生成し、ディジタル変調器の出力をDFT手段に入力してMポイントの変調信号を離散フーリエ変換し、DFT手段の出力をマッピング手段に入力してMポイントの変調信号のうち、上側または下側のM/2+1ポイントの出力をとりだし信号配置を行い、マッピング手段の出力をIDFT手段に入力してN≧M/2+1であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行い、IDFT手段の出力に対してサイクリックプレフィックスを付加し、サイクリックプレフィックスが付加されたIDFT手段の出力の実部と虚部の信号をそれぞれD/A変換し、D/A変換された信号を直交変調器で直交変調処理してディジタルSSB信号を出力する。

0027

第5の発明は、M(Mは偶数)ポイントの変調信号を離散フーリエ変換(DFT)し、これをNポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)してディジタルSSB信号を生成する無線通信方法において、ディジタル変調器で0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号を生成し、ディジタル変調器の出力をDFT手段に入力してMポイントの変調信号を離散フーリエ変換し、DFT手段の出力をマッピング手段に入力してMポイントの変調信号のうち、LSB側とUSB側に各々少なくとも1つ以上のポイントを選択し、かつ、LSB側とUSB側で抽出されるポイントの中心周波数からの周波数オフセット位置が異なり、かつ、LSB側抽出スペクトラムの下端周波数とUSB側抽出スペクトラムの上端周波数で囲まれた周波数帯域の中心の周波数に対応するポイントを除くM/2+1ポイントの出力を抽出して信号配置を行い、マッピング手段の出力をIDFT手段に入力してN≧M/2+1であるNポイントの逆離散フーリエ変換を行い、IDFT手段の出力に対してサイクリックプレフィックスを付加し、サイクリックプレフィックスが付加されたIDFT手段の出力の実部と虚部の信号をそれぞれD/A変換し、D/A変換された信号を直交変調器で直交変調処理してディジタルSSB信号を出力する。

0028

第6の発明は、第4または第5の発明の無線通信方法により生成されたSSB信号を受信信号とし、受信信号より同相成分と直交成分を取り出す直交復調処理を行い、その2つの出力をディジタル信号に変換してサイクリックプレフィックス部分を除去してNポイントの入力信号を復調する無線通信方法において、サイクリックプレフィックス部分を除去した信号をDFT手段に入力し、Nポイントの離散フーリエ変換を行い、DFT手段の出力を等化手段に入力し、ヌルが挿入された直流成分を除去してM/2+1ポイントの信号に変換して周波数領域で等化し、等化手段の出力を信号変換手段に入力し、M/2+1ポイントの信号の虚部の符号を反転してM/2−1ポイントの複素共役の信号を生成し、M/2+1ポイントの信号とM/2−1ポイントの複素共役の信号からMポイントのDSB信号を再生し、MポイントのDSB信号をIDFT手段に入力し、逆離散フーリエ変換して復調信号を出力する。

発明の効果

0029

本発明の無線通信装置および無線通信方法は、ディジタルSSB信号の送受信を行う無線通信装置の実装におけるハードウェア規模の削減が可能で、実装上のDCオフセット誤差による特性劣化がなく、さらに、ディジタルSSB信号の復調において問題となる自動周波数制御を容易に行うことができる。その結果、ハードウェア規模が小さく、実装が容易で経済的な携帯端末を提供することができる。

図面の簡単な説明

0030

本発明の無線通信装置における実施例1の送信装置の構成例を示す図である。
実施例1のマッピング手段13のマッピング例を示す図である。
実施例1におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す図である。
実施例2のマッピング手段13のマッピング例を示す図である。
実施例2におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す図である。
本発明の無線通信装置における実施例3の送信装置の構成例を示す図である。
実施例3におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す図である。
実施例4のマッピング手段13のマッピング例を示す図である。
実施例4におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す図である。
PAPR特性を示す図である。
実施例5におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す図である。
実施例6におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す図である。
実施例7におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す図である。
本発明の無線通信装置における実施例8の受信装置の構成例を示す図である。
実施例8の信号変換手段26の信号変換例を示す図である。
ヒルベルト変換器を用いた従来の送信装置の構成例を示す図である。
DSB信号s(f) とSSB信号u(f) の電力スペクトルの関係を示す図である。
DFTspreading OFDMをベースとした従来の送信装置の構成例を示す図である。

実施例

0031

(実施例1)
図1は、本発明の無線通信装置における実施例1の送信装置の構成例を示す。
図1において、実施例1の送信装置は、入力データをもとに0とπの位相および複数の振幅レベルを持つ変調信号を生成するディジタル変調器11、ディジタル変調器11から出力される変調信号を入力として離散フーリエ変換(DFT)を行うM(Mは偶数)ポイントのDFT手段12、DFT手段12から出力される周波数領域におけるMポイントの信号からM/2+1ポイントの信号を選択してマッピングするマッピング手段13、マッピング手段13から出力されるM/2+1ポイントの信号を入力としてN(N≧M/2+1)ポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)を行うIDFT手段14、IDFT手段14から出力されるディジタル信号に対してサイクリックプレフィックスを付加するサイクリックプレフィックス付加手段15、サイクリックプレフィックス付加手段15から出力されるディジタル信号の実部と虚部の信号をそれぞれアナログ信号に変換するD/A変換器16−1,16−2、D/A変換器16−1,16−2の出力からディジタルSSB信号を生成する直交変調器17により構成される。

0032

ここで、ディジタル変調器11の出力はDSB(両側波帯)信号であり、送信装置から送信されたSSB信号から受信側でDSB信号を復元するために、周波数の正と負で、DFT出力が複素共役となっている必要がある。このため、変調信号は実数でなければならないことから、ディジタル変調器11は0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号を生成する変調器でなくてはならない。

0033

以下、本発明の無線通信装置における実施例1の送信装置の動作について詳細に説明する。ディジタル変調器11のMポイントの出力をsm (m=0〜M−1)とすると、DFT手段12のMポイントの出力tn (n=0〜N−1)は、次式で与えられる。

0034

ここで、tn は周波数領域の信号であり、n=0は周波数が0、すなわち直流の成分、n=1〜M/2−1は周波数が正、n=M/2〜M−1は周波数が負の成分となり、sm が0とπの位相状態または複数の振幅レベルを持つ変調信号あるいはそれらの組み合わせからなる変調信号、すなわち実数であれば、tn とtM-n は1≦n≦M/2−1の範囲で複素共役となる。なお、t0 とtM/2 は実数となる。マッピング手段13では、DFT手段12の出力であるMポイントの信号からM/2+1ポイントの信号を取り出し、このM/2+1ポイントの信号はNポイントのIDFT手段14に入力され、時間領域の信号に変換される。

0035

図2は、実施例1のマッピング手段13のマッピング例を示す。ここでは、USB(上側波帯)のディジタルSSB信号を生成するマッピング例として、MポイントのDFT手段12の出力とNポイントのIDFT手段14の入力の一例を示す。

0036

図2において、マッピング手段13によりDFT手段12の出力であるMポイントの信号tn からM/2+1ポイントの信号を選択して、NポイントのIDFT手段14に入力するが、n=0〜M/2を選択した場合はUSB(上側波帯)、n=M/2〜(M−1)とn=0を選択した場合はLSB(下側波帯)のSSB信号となる。M/2+1ポイントの信号は、図2に示すように2分割してIDFT手段14に入力されるが、それ以外の入力には0(Null)が入力される。したがって、N≧M/2+1である必要があり、M,Nが2のべき乗であれば高速フーリエ変換のアルゴリズムを適用できるため、演算量を大幅に削減することができる。

0037

上記の信号選択により、IDFT手段14のNポイントの入力信号un (n=0〜N−1)は次式となる。

0038

このようにIDFT手段14に入力することで、基底帯域におけるディジタルSSB信号を生成することができる。IDFT手段14の出力u(kT)(k=0〜N−1)は次式で与えられる。ただし、Tはサンプリング周期である。

0039

u(kT)は、基底帯域における帯域が約半分の(M/2+1)/MとなったディジタルSSB信号である。図1の構成例のように、サイクリックプレフィックス付加手段15によりIDFT手段14の出力u(kT)(k=0〜N−1)に対しサイクリックプレフィックスが付加され、その出力であるディジタル信号の実部Re[u(kT)] と虚部Im[u(kT)] の信号は、それぞれD/A変換器16−1,16−2によりアナログ信号uI (t) とuQ (t) に変換され、直交変調器17に入力して次式で与えられるディジタルSSB信号u(t) を得る。

0040

図3は、実施例1におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す。ここでは、送信装置で生成されるディジタルSSB信号u(t) のスペクトルU(f) と、もとのDSB信号のスペクトルS(f) の関係を示す。

0041

マッピング手段13において、DFT手段12の出力であるMポイントの信号からM/2+1ポイントの信号を取り出し、IDFT手段14におけるNポイントの入力信号un (n=0〜N−1)を式(3) のように配置することで、図3に示すようなディジタルSSB信号を得る。これにより、ディジタルSSB信号の電力スペクトルU(f) の周波数帯域は、DSB信号の電力スペクトルS(f) の周波数帯域の約1/2にすることができる。この場合のキャリア周波数はfc であり、従来のヒルベルト変換器を用いたSSB変調器により生成されるSSB信号のU(f) とDSB信号の電力スペクトルS(f) との関係を説明した図17とは、SSB信号とキャリア周波数fc の位置関係が異なる。ただし、従来のディジタルSSB変調器のような大きなタップ数のFIRフィルタによるヒルベルト変換器を用いることなく、DFTとIDFTによる演算処理のみでディジタルSSB信号を得ることが可能となる。

0042

なお、以上の実施例1の送信装置の説明では、DFT手段12の出力のMポイントの信号から、マッピング手段13によりM/2+1ポイントの信号を取り出し、図2のようにM/4+1ポイントとM/4ポイントに分割する例を示した。ただし、M/2+1ポイントの信号の分割方法としては、M/4+2ポイントとM/4−1ポイント、あるいはM/4ポイントとM/4+1ポイントのようにしてもよく、いずれの場合もキャリア周波数の上側と下側のスペクトルの幅が異なるSSB信号が生成されることになる。

0043

(実施例2)
本発明の無線通信装置における実施例2の送信装置は、図1に示す構成において、マッピング手段13におけるマッピング処理のみが異なる。

0044

図4は、実施例2のマッピング手段13のマッピング例を示す。ここでは、USB(上側波帯)のディジタルSSB信号を生成するマッピング例として、MポイントのDFT手段12の出力とNポイントのIDFT手段14の入力の一例を示す。

0045

図4において、マッピング手段13によりDFT手段12の出力であるMポイントの信号tn からM/2+1ポイントの信号を選択して、NポイントのIDFT手段14に入力するが、実施例1の送信装置と同様に、n=0〜M/2を選択した場合はUSB(上側波帯)、n=M/2〜(M−1)とn=0を選択した場合はLSB(下側波帯)のSSB信号となる。ここで、M/2+1ポイントの信号は、図4に示すように2分割してIDFT手段14に入力されるが、それ以外の入力には0(Null)が入力される。IDFT手段14へのNポイントの入力信号un (n=0〜N−1)は、実施例2においては、基底帯域においてキャリア周波数fc に相当するu0 をヌル、すなわち0として次式で与えられる。

0046

実施例2では、式(6) よりわかるように、u0 =0とするためにN≧M/2+2である必要があり、M,Nが2のべき乗であれば高速フーリエ変換のアルゴリズムを適用できるため、演算量を削減することができる。DFT手段12の出力であるMポイントの変調信号から、マッピング手段13により上側または下側のM/2+1ポイントの出力を取り出し、M/2+1ポイントの信号をM/4+1とM/4ポイントの出力に2分割し、直流成分を中心として上と下に配置してN≧M/2+2であるNポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)を行うIDFT手段14に入力し、さらに直流成分には0を挿入することで、IDFT手段14の出力は直流成分を含まないSSB信号となる。

0047

このように本実施例によれば、直流成分を含まないSSB信号を生成できるため、D/A変換器16−1,16−2の出力と、直交変調器17の入力との間でDCオフセットが生じても、周波数が0の成分、すなわち直流成分の振幅は常時0となる。すなわち、直流成分を含まないSSB信号を生成できることから、受信側の復調における誤り率特性の劣化は発生せず、伝送特性の劣化を防止することができる。

0048

図5は、実施例2におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す。ここでは、送信装置で生成されるディジタルSSB信号u(t) のスペクトルU(f) と、もとのDSB信号のスペクトルS(f) の関係を示す。

0049

マッピング手段13において、DFT手段12の出力であるMポイントの信号からM/2+1ポイントの信号を取り出し、IDFT手段14におけるNポイントの入力信号un (n=0〜N−1)を式(6) のように配置することで、図5に示すようなディジタルSSB信号を得る。これにより、ディジタルSSB信号の電力スペクトルU(f) の周波数帯域は、DSB信号の電力スペクトルS(f) の周波数帯域の約1/2にすることができる。キャリア周波数はfc であり、図17に示した従来のヒルベルト変換器を用いたSSB変調器により生成されるSSB信号のU(f) とDSB信号の電力スペクトルS(f) のキャリア周波数fc の位置関係が異なる。ただし、実施例2の送信装置では、DC成分を含まないSSB信号を生成できることから、D/A変換器と直交変調器との間でDCオフセットが生じても受信側の復調における誤り率特性の劣化は発生せず、伝送特性の劣化を防止可能で、かつ、従来のディジタルSSB変調器のような大きなタップ数のFIRフィルタによるヒルベルト変換器を用いることなく、DFTとIDFTによる演算処理のみでディジタルSSB信号を得ることが可能となる。

0050

(実施例3)
図6は、本発明の無線通信装置における実施例3の送信装置の構成例を示す。
図6において、実施例3の送信装置は、図1に示す実施例1の送信装置にパイロットサブキャリア生成手段18を加えた構成である。

0051

マッピング手段13は、DFT手段12のMポイントの出力からM/2+1ポイントの信号と、パイロットサブキャリア生成手段18からのパイロット信号とを選択し、マッピングしてN(N≧M/2+2)ポイントのIDFT手段14に入力する。このとき、周波数領域においては、1つ以上のパイロットサブキャリアを挿入することができるため、受信側では、このパイロットサブキャリアを用いて容易に周波数同期を行うことができ、周波数誤差による伝送特性の劣化の少ない伝送が可能となる。

0052

図7は、実施例3におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す。ここでは、送信装置で生成されるディジタルSSB信号u(t) のスペクトルU(f) と、もとのDSB信号のスペクトルS(f) の関係を示す。

0053

マッピング手段13において、DFT手段12のMポイントの出力からM/2+1ポイントの信号とパイロットサブキャリア生成手段18からのパイロット信号とを選択し、マッピングしてN(N≧M/2+2)ポイントのIDFT手段14に入力することで、図7に示すようなディジタルSSB信号を得る。これにより、ディジタルSSB信号の電力スペクトルU(f) の周波数帯域は、DSB信号の電力スペクトルS(f) の周波数帯域の約1/2にすることができる。キャリア周波数はfc であり、図17に示した従来のヒルベルト変換器を用いたSSB変調器により生成されるSSB信号のU(f) とDSB信号の電力スペクトルS(f) のキャリア周波数fc の位置関係が異なる。さらに、実施例3の送信装置では、パイロットサブキャリアを周波数領域で多重できるため、受信側では、このパイロット信号を用いて容易に周波数同期を行うことができ、周波数誤差による伝送特性の劣化の少ない伝送が可能で、従来のディジタルSSB変調器のような大きなタップ数のFIRフィルタによるヒルベルト変換器を用いることなく、DFTとIDFT、ならびにマッピング処理による演算処理のみでディジタルSSB信号を得ることが可能となる。

0054

(実施例4)
本発明の無線通信装置における実施例4の送信装置は、図1に示す構成において、マッピング手段13におけるマッピング処理のみが異なる。

0055

図8は、実施例4のマッピング手段13のマッピング例を示す。ここでは、USB(上側波帯)のディジタルSSB信号を生成するマッピング例として、MポイントのDFT手段12の出力とNポイントのIDFT手段14の入力の一例を示す。

0056

図9は、実施例4におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す。ここでは、送信装置で生成されるディジタルSSB信号u(t) のスペクトルU(f) と、もとのDSB信号のスペクトルS(f) の関係を示す。ただし、図9(4) は、図8のNポイントのIDFT手段14の入力に対応する。

0057

図8および図9において、マッピング手段13によりDFT手段12の出力であるMポイントの信号tn からM/2+1ポイントの信号を選択して、NポイントのIDFT手段14に入力するが、実施例4では、周波数要素がLSB側とUSB側に跨がるように選択され、かつ中心周波数Fc (基底帯域であればゼロ)を中心として、LSB側とUSB側で抽出される周波数オフセット位置が異なることが特徴である。ただし、抽出された周波数成分のうち、LSB側スペクトラムの下端周波数とUSB側のスペクトラムの上端周波数で囲まれた周波数帯域の中心周波数Fc'については周波数要素を抽出しないように配慮する。

0058

ここで、DFTポイント間の周波数間隔をΔf とすると、DSB信号の周波数スペクトラムS(f) は、次のように書き表される。

0059

また、実施例4において伝送される信号スペクトラムU'(f)は、次のように書き表される。

0060

抽出したM/2+1ポイントのスペクトルは図9(2) のようになる。ただし、KはMより小さい正の整数である。変調信号が実信号である場合、DSB信号のLSB側の周波数成分と、USB側の周波数成分は中心周波数Fc (基底帯域であればゼロ)を中心として互いに共役複素の関係となるため、式(8) に表されるように抽出された信号は、実施例1等で伝送されるSSB信号と同様の伝送情報を有することが分かる。したがって、実施例4で実際に伝送されたM/2+1ポイントの信号の虚部の符号を反転して、対となるLSB側またはUSB側の帯域にコピーし受信した場合、SSB伝送方式と等価となることは自明である。

0061

また、抽出された周波数成分のうちLSB側スペクトラムの下端周波数とUSB側のスペクトラムの上端周波数で囲まれた周波数帯域を伝送信号として伝送するため、伝送信号の中心周波数Fc'は図9(3) の位置となる。実施例1と同様にその中心周波数Fc'の周波数成分U'(Fc') は、図9(4) に示すように送信装置のNポイントIFFTブロックのDC成分に合致するが、式(9) の通り、U'(Fc') =0となるよう抽出することで、DC成分はヌル、すなわち情報伝送を行わないことから、受信装置で前述のDCオフセットによる影響を受けることはない。

0062

実施例1および実施例2と比較すると伝送信号の占有帯域幅総計は同一である一方で、DC成分付近にヌルの周波数要素を挟むことからシステム帯域幅としては拡大されるため、周波数フェージング環境下では実施例1および実施例2のSSB信号よりも高い周波数ダイバーシチ効果が期待できる。また、実施例4は、実施例2の手法と同様DCオフセットの影響を回避できるが、実施例2が元のシングルキャリア信号の周波数要素の相対位置関係を一部崩すのに対し、本実施例は元のシングルキャリア信号の周波数要素の相対位置関係を維持するため、PAPRを低く抑えられるメリットがある。図10は、PAPRの特性を示しており、DCオフセットの影響を回避することで、SSB信号よりもPAPRは劣化するものの、実施例2よりも実施例4の方がPAPRが低く抑えられていることが分かる。

0063

なお、図9や式(8) では、LSB側に1つの連続スペクトラムがあり、USB側に1つの連続スペクトラムがある例を記載しているが、前記の抽出条件さえ守られていれば、例えばLSB側、USB側にそれぞれ複数個離散スペクトラムがあってもよいし、あるいはLSB側に1つの連続スペクトラム、USB側に2つの離散スペクトラムがあってもよい。

0064

(実施例5)
図11は、実施例5におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す。
実施例5は、実施例4のマッピング手段13のマッピング例を前提としている。あるユーザの送信信号に形成されたヌル周波数帯域に、別のユーザの送信信号の送信信号を周波数多重することで、実施例4よりもシステム帯域内の周波数利用効率を向上することができる。図11の例では、MポイントDFTを有する2ユーザにおいて実施例4を実現するときに、図11(1) に示すユーザ1の送信装置は、LSB側にM/4ポイント、USB側にM/4+1ポイントの周波数要素(連続したスペクトラム)を持ち、図11(2) に示すユーザ2の送信装置は、LSB側にM/4−1ポイント、USB側にM/4+2ポイントの周波数要素(連続したスペクトラム)を持つよう設計する。

0065

ここで、ユーザ1の送信装置は、LSB側スペクトラムとUSB側スペクトラムの間にM/4ポイントのヌルポイントを有し、ユーザ2の送信装置は、LSB側スペクトラムとUSB側スペクトラムの間にM/4+1ポイントのヌルポイントを有する。これにより、ユーザ2のLSB側スペクトラムの上端周波数に対応するポイントが、ユーザ1のUSB側スペクトラムの下端周波数に対応するポイントと隣接するように、ユーザ1またはユーザ2、あるいはユーザ1およびユーザ2の中心周波数を適宜設定することで、図11(3) に示すように、互いの送信信号を干渉させることなく周波数多重させることができる。このとき、システム帯域はM+3のDFTポイント相当となり、ユーザ1,2がM+1ポイントの信号を伝送することを考慮すると、占有帯域幅はM+2ポイントであるため、Mが大きければ周波数利用率はほぼ1となり、実施例4よりも大幅に改善される。

0066

ユーザ1とユーザ2の受信装置は、各々の所望の伝送信号の中心周波数を中心とするNポイントIFFT処理を実施することで、実施例5の前提となっている実施例4の特徴により、自信号の中心周波数はヌルとなっているため、自信号の中心周波数に他ユーザ信号が周波数多重されていたとしても受信時にそれを無視することができるため、実施例2および実施例4と同様、DCオフセットの影響を回避することができる。
なお、実施例5では、MポイントのDFTポイントを有する2ユーザの周波数多重の事例を示したが、同様に、自信号と他ユーザ信号が干渉しないように、3以上のユーザの周波数多重や、異なるDFTポイントを有する複数ユーザの周波数多重をしてもよい。

0067

(実施例6)
図12は、実施例6におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す。
実施例6は、実施例5のマッピング手段13のマッピング例を前提としている。実施例5において複数ユーザを周波数多重する場合、SSB信号と等価な周波数成分はDSB信号のDC成分を含むM/2+1という奇数ポイントで構成されることを理由として、既に図11に示したように、システム帯域内に少なくとも1ポイント以上のヌルポイントが発生してしまう。このポイントはデータ伝送に何ら寄与しないため、実施例6では、実施例3と同様に、ヌルポイント上に共通パイロット信号またはユーザ固有のパイロット信号をマッピングすることで周波数同期を容易にする。実施例3との違いは、実施例4に記載した通り、元々のシングルキャリア信号の周波数成分の周波数位置関係を維持できるため、PAPRを抑えることができる点である。

0068

(実施例7)
図13は、実施例7におけるディジタルSSB信号のスペクトル配置例を示す。
実施例7は、実施例5のマッピング手段13のマッピング例を前提としている。実施例7では、実施例5と同様に複数ユーザを周波数多重する場合を考える。すなわち、MポイントDFTを有する2ユーザの実施例5を実現するときに、図13(1) に示すユーザ1の送信装置は、LSB側にM/4ポイント、USB側にM/4+1ポイントの周波数要素(連続したスペクトラム)を持ち、図13(2) に示すユーザ2の送信装置は、LSB側にM/4−1ポイント、USB側にM/4+2ポイントの周波数要素(連続したスペクトラム)を持つよう設計する。

0069

SSB信号と等価な周波数成分は、DSB信号のDC成分を含むM/2+1という奇数ポイントで構成されることを理由として、図13(3) に示されるように、システム帯域内に少なくとも1ポイント以上のヌルポイントが発生してしまう。実施例7では、図13(4) に示すように、ヌルポイントがNポイントIFFTのDC成分となるようマッピングを行う。実施例5との違いは、実施例5ではDCオフセットの影響を回避するためには、各ユーザの所望信号の受信のために各ユーザ伝送信号の中心周波数に対応したNポイントFFTがユーザ数分必要であるのに対し、実施例7ではDC成分を全ユーザで共通化できるため、NポイントFFTは1つでよく、すなわちセルラアップリンクにおける基地局での一括受信などに適する点である。

0070

なお、前記周波数多重時に生じるシステム帯域内のヌルポイントが2ポイント以上である場合、実施例7は実施例6と併用することも可能である。

0071

(実施例8)
図14は、本発明の無線通信装置における実施例8の受信装置の構成例を示す。
図14において、受信装置は、直交復調器21、A/D変換器22−1,22−2、サイクリックプレフィックス除去手段23、NポイントのDFT手段24、等化手段25、ディジタルSSB信号からディジタルDSB信号に変換する信号変換手段26、MポイントのIDFT手段27により構成される。

0072

実施例1〜7の送信装置により生成されたSSB信号を受信信号とし、受信信号は直交復調器21により基底帯域の信号の同相成分と直交成分を取り出し、2つのA/D変換器22−1,22−2により当該の同相成分と直交成分の信号をディジタル信号に変換し、サイクリックプリフィックス除去手段23によりA/D変換器22−1,22−2の出力からサイクリックプレフィックスを除去し、Nポイントの受信SSB信号を得る。このNポイントの受信SSB信号に対して、DFT変換手段24によりNポイントの離散フーリエ変換(DFT)を行い、DFT変換手段24の出力に対して等化手段25により周波数領域等化を行う。信号変換手段26は、等化手段25の出力に対して、送信側で直流成分に挿入されたヌルならびにパイロット信号を除去し、図1のマッピング手段13と逆の手順でM/2+1ポイントの信号に変換した後、M/2+1ポイントの信号の虚部の符号を反転してM/2−1ポイントの複素共役の信号を生成し、M/2+1ポイントの信号とM/2−1ポイントの複素共役の信号からMポイントのDSB信号を再生する。IDFT手段27は、このMポイントのDSB信号に対して逆離散フーリエ変換を行うことで信号を復調する。

0073

ここで、送信側で直流成分に挿入されたヌルは除去されるため、受信側では直交復調器21とA/D変換器22−1,22−2との間のDCオフセットの影響を受けず、DCオフセットによる誤り率特性の劣化が少ない伝送が可能となる。また、信号変換手段26において、送信側で挿入されたパイロット信号を取り出すことが可能となるため、受信側では、このパイロット信号を用いて容易に周波数同期を行うことができ、周波数誤差による伝送特性の劣化の少ない伝送が可能となる。

0074

図15は、実施例8の信号変換手段26の信号変換例を示す。ここでは、実施例2の送信装置に対応する実施例8の受信装置において、USB(上側波帯)のディジタルSSB信号を受信する場合において、NポイントのDFT手段24の出力とMポイントのIDFT手段27の入力の関係の例を示す。

0075

この例では、パイロット信号は挿入されておらず、直流成分にのみヌルが挿入されている。DFT手段24の出力であるNポイントの信号に対して、等化手段25により等化を行った後、信号変換手段26により送信側で直流成分に挿入されたヌルならびにパイロット信号を除去してM/2+1ポイントの信号に変換する。さらに、M/2+1ポイントの信号の虚部の符号を反転してM/2−1ポイントの複素共役の信号を生成し、M/2+1ポイントの信号とM/2−1ポイントの複素共役の信号からMポイントの両側波帯信号に変換できる。

0076

以下、具体例を用いて説明する。DFT手段24の出力であるNポイントの信号un (n=0〜N−1)は、実施例2の送信装置に対応する実施例8の受信装置では、基底帯域においてキャリア周波数fc に相当するu0 をヌル、すなわち0として式(10)で与えられる。式(10)は、式(6) と同一である。

0077

式(10)において、M/2+1ポイントの信号un (n=1〜M/4,n=N−M/4〜N)を取り出す。

0078

これはSSB信号であり、t0 、tM/2 は実数、tn (n=1〜M/2−1)は複素数となる。この複素共役をtn*(n=1〜M/2−1)とすると、再生されたDSB信号は次式で与えられる。

0079

このMポイントのDSB信号を逆離散フーリエ変換すると、式(2) で示したようにsm とtn はフーリエ変換対であることから、送信信号であるsm (m=0〜M−1)を得ることができる。

0080

11ディジタル変調器
12 MポイントのDFT手段
13マッピング手段
14 NポイントのIDFT手段
15サイクリックプレフィックス付加手段
16 D/A変換器
17直交変調器
18パイロットサブキャリア生成手段
21直交復調器
22 A/D変換器
23 サイクリックプレフィックス除去手段
24 NポイントのDFT手段
25等化手段
26信号変換手段
27 MポイントのIDFT手段
101変調器
102ヒルベルト変換器
103 直交変調器
111 ディジタル変調器
112 MポイントのDFT手段
113 マッピング手段
114 NポイントのIDFT手段
115 サイクリックプレフィックス付加手段
116 D/A変換器

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