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技術 虹彩認識により個人を識別および/または認証する方法

出願人 モルフォ
発明者 エミーヌ・クリシュンピエール・ガコンステファーヌ・ジェントリック
出願日 2016年6月9日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-115028
公開日 2017年1月5日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2017-004525
状態 特許登録済
技術分野 特定パターンの照合 生体の呼吸・聴力・形態・血液特性等の測定
主要キーワード 一部区域 同心円環 バイナリ比較 適用区域 隣接区域 マスクコード 汎用関数 対応区域
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

虹彩変位非直線的性質および瞳孔拡張に応じた虹彩の一部区域出現または消失を考慮すると共に、個人に対する特定の学習を必要とすることなく、この動き等方性から利益を得る虹彩認識により、個人を識別または認証する。

解決手段

参照虹彩のバイナリコードを少なくとも1つと関連参照マスクのバイナリコードとを格納するシステムによって実行される方法であって、取得画像の虹彩の少なくとも1つの円環を、取得画像と参照画像間のマッチング距離を最小化するように、参照虹彩のうちの1つの円環と、取得画像虹彩の円環の各々と、参照虹彩の円環との間の距離の合計を計算することにより、決定され格納された参照虹彩コードおよび関連マスクコードから取得する距離とマッチングするステップ106と、最小化されたマッチング距離が所定の閾値を下回る場合、個人を識別および/または認証するステップ108を含む。

概要

背景

個人虹彩参照データベースに格納された虹彩データと比較するには、この個人の虹彩に対し、デジタル的な特徴付けを施す必要がある。そのために通常採用されるプロセスは、Daugmanによる方法(米国特許第5291560号)である。この方法では、図1に説明されるように、分析対象となる眼球の画像をセグメント化されるように規定して、個人の虹彩に相当する画像の部分を分離する。次いで、図2に説明されるように、参照虹彩データと比較する当画像部分に関し、分析対象となる、その虹彩の区域を、幾つかの数の角度方向区域へと切り分けること、および幾つかの数の円環へと半径方向に切り分けることが可能である。

図3aから図3cに説明されるように、撮影条件に応じて不定拡張する中、分析対象の虹彩を参照虹彩と効果的に比較するために、分析対象の虹彩画像固定サイズ矩形画像形式正規化し、それにより、元画像直交座標極座標へと変換することが可能である。この正規化された画像をバイナリコード虹彩コードと呼ばれる)へと変換するために、当画像の様々な区域に対し(例えば、円環と角度方向セクタの交差部に相当する各区域に対し)、ガボールフィルタリングなどのフィルタリングを適用することが可能である。バイナリ値である0または1を、この区域に対するフィルタリングの結果の現れに応じて、各区域に属性付けすることができる。こうしたバイナリコードは、次いでデータベースに格納された1つ以上のバイナリ参照コードと、ビット単位で容易に比較することが可能であり、それにより、虹彩が分析された個人を識別または認証する。このようなバイナリ比較を要約すると、正規化された画像において同一位置にある虹彩区域相互比較であるといえる。正規化された画像の左端および右端は、実際には虹彩の隣接区域に相当し、正規化に続く分析では、そのようなものとして考える必要があることに留意されたい。

こうした正規化を用いると、輝度に応じた虹彩の直線的拡張/収縮を、完全に補償することが可能となり得る。実際には、観察される虹彩の拡張は、直線的とは程遠いものである。虹彩の円環は、瞳孔の拡張に応じ、正規化された画像内の様々な位置で認められる可能性がある。この場合、バイナリコードのビット単位による比較は、要するに、虹彩の同一区域とは事実上対応しない、正規化された画像の区域の相互比較である、ということができる。また、瞳孔拡張時の虹彩の動きは、3次元的にも生じる。虹彩の異なる区域が重なり合うことにより、拡張中、虹彩の円環の幾つかが見えたり消えたりし得る。

拡張に応じた虹彩の動きをより精巧にモデル化するために、Wyattによるモデル(Harry Wyatt、「A minimum wear−and−tear meshwork for the iris」、Vision Research 40(2000)、2167−2176頁)など、複数の複合モデルが提案されている。しかし、これらのモデルは、虹彩の区域が出現または消失することを考慮していない。Clarkによるモデル(A.Clark、S.Kulp、I.Herron、およびA;Ross、「A theoretical model for describing iris dynamics」、Handbook of Iris Recognition、129−150頁、2013年)などは、虹彩の非直線的変化と、虹彩の一部の区域の出現/消失との両方を、考慮したものとなっている。しかしながら、これらのモデルによる虹彩の動きの予測は、ポアソンパラメータ呼称されるパラメータパラメータの関数であって、その値は人物ごとに異なる。したがって、こうしたモデルを用いて虹彩から個人を認識するためには、この個人についてのポアソンパラメータ値を求める、特定の学習を実行することが必要となる。

論文(「Inmaculada Tomeo−Reyes、Arun Ross、Antwan D. Clark、Vinod Chandran」、A Biomechanical Approach to Iris Normalization)において、その著者らは、Clarkのモデルに基づく、虹彩のテクスチャに関する正規化方法体系を提案している。著者らが示すように、この方法体系は、テスト画像を正規化するために、参照画像の瞳孔の拡張率に関する情報を必要とする。この手法が検証シナリオに対して使用可能となり得るのであれば(ここでは参照画像が知られている)、認証シナリオに対しては実行不可能ということになる(ここでは比較すべき参照画像が知られていない)。著者らはやはり、ポアソンパラメータを全ての人々に対し0.49と固定している。

虹彩の拡張に関するこうした複合モデルへの依存性を限定するために、瞳孔の拡張を正規化ステップの間は考慮しないが、バイナリコードの比較ステップの間には考慮するといった、虹彩認識による識別または認証方法が提供されている。2つの虹彩画像を比較する間、このようなモデルは通常、虹彩コードからのこれら2つの画像間における、最も確度の高い虹彩円環の動きを求めようと試みてから、この動きを考慮に入れることにより、虹彩コードからの画像間の距離を計算する。正規化された画像内の虹彩の各区域は、もはや参照画像の対応区域と比較する必要がなく、しかも当画像の最もよく対応する区域と比較することができる。こうした比較は、瞳孔の拡張に応じた虹彩の動きについて、その非直線的性質をよりよく考慮している。また、虹彩の区域の一部が出現または消失することについても、考慮に入れることが可能である。比較されるバイナリコード間の距離を減少させることができ、その結果、認識方法の有効性が向上する。一例として、Uhl&Wild(Andreas Uhl、Peter Wild、「Enhancing Iris Matching Using Levenshtein Distance with Alignment Constraints」、In G.Bebis、R.Boyle、B.parvin、D.Koracin、R.Chung、R.Hammoud、editors、Advances in Visual Computing:6th International Symposium、(ISVC 2010)469−479頁、LNCS、6453、Springer Verlag、2010年)に記載された方法では、分析対象画像のバイナリコードと参照画像のバイナリコードとをビット単位で比較し、これらのコード間不一致の間、これが、一方の画像における虹彩区域の挿入または消失、そうでなければ、これら2つの画像間で移動したビットに対応する虹彩区域間の置き換わりの結果である可能性を考慮に入れる、ということを提案している。各動作は所定のコストを持つので、この方法では、コストが最も低くなる場合について、比較される虹彩コード間の違いを説明するために、置き換わり、消失、および出現に関する動作のセットを決定することを提案している。しかし、このような方法の欠点として、バイナリコードをビット単位で処理すること、ならびに、虹彩の一区域と、その虹彩の同一円環に属するそれ以外の区域とに由来する、動きの相関性を考慮しないことが挙げられる。こうした相関性は、虹彩の動きは等方性を持つことからも重要である。こうしたビット単位の処理は、異なる個人が持つ2つの虹彩画像の比較中、誤検知の可能性を極めて増大させる。

概要

虹彩変位の非直線的性質および瞳孔拡張に応じた虹彩の一部区域の出現または消失を考慮すると共に、個人に対する特定の学習を必要とすることなく、この動きの等方性から利益を得る虹彩認識により、個人を識別または認証する。参照虹彩のバイナリコードを少なくとも1つと関連参照マスクのバイナリコードとを格納するシステムによって実行される方法であって、取得画像の虹彩の少なくとも1つの円環を、取得画像と参照画像間のマッチング距離を最小化するように、参照虹彩のうちの1つの円環と、取得画像虹彩の円環の各々と、参照虹彩の円環との間の距離の合計を計算することにより、決定され格納された参照虹彩コードおよび関連マスクコードから取得する距離とマッチングするステップ106と、最小化されたマッチング距離が所定の閾値を下回る場合、個人を識別および/または認証するステップ108を含む。

目的

効果

実績

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請求項1

個人識別および/または認証するためのシステム(100)によって実行される以下のステップを含む、個人(1)を識別および/または認証するための方法であって、個人を認識および/または認証するための前記システムが、第1の所定数N1個の同心円環へと分割された参照虹彩画像から取得される参照虹彩バイナリコードを少なくとも1つと、瞼、睫毛反射、またはその他のノイズとなる原因が検出されている参照虹彩の領域を識別する関連付けられた参照マスクのバイナリコードとを格納する、ストレージデバイス(3)を備え、前記ステップが、識別および/または認証される個人の眼球の画像を取得するステップ(101)と、虹彩のテクスチャを含む領域を分離し、関連マスクを決定するために、取得した眼球の画像をセグメント化するステップ(102)と、虹彩テクスチャを含む前記領域と前記マスクとを、第2の数N2個の同心円環へと分割するステップ(103)と、直交座標である、虹彩のテクスチャを含む前記領域と前記マスクとを、極座標へと正規化するステップ(104)と、正規化された虹彩のテクスチャを含む前記領域をコード化するN2*P*Fに等しいサイズのバイナリ虹彩コードICと、関連マスクをコード化するN2*P*Fに等しいサイズのマスクのバイナリコードIMとを、第3の所定数F個のガボールフィルタを各円環の第4の所定数P箇所からの位置の各々に適用することによって、決定するステップ(105)と、取得画像の虹彩の少なくとも1つの円環を、取得画像と参照画像間のマッチング距離(HDViterbi)を最小化するように、前記参照虹彩のうちの1つの円環とマッチングするステップ(106)であって、前記マッチング距離は、マッチングされた取得画像虹彩の前記円環の各々と、それに相当する参照虹彩の円環との間の距離(Dist)の合計を計算することにより、決定され格納された参照虹彩コードおよび関連マスクコードから取得されたものである、マッチングするステップ(106)と、前記最小化されたマッチング距離を計算するステップ(107)と、前記最小化されたマッチング距離が所定の閾値を下回る場合、個人を識別および/または認証するステップ(108)とである、方法。

請求項2

マッチングステップ(106)が、ビタビアルゴリズム実装する、請求項1に記載の識別および/または認証方法

請求項3

マッチングステップ(106)が、サイズがN1*N2の比較マトリクスMを計算すること(1061)であって、前記比較マトリクスの各係数M(i,j)が、前記決定されたコードおよび参照虹彩コードならびに関連マスクコードを用いて行われた、格納された参照虹彩のi番目円環と取得画像の虹彩のj番目円環との間の比較の結果をコード化する、計算すること(1061)と、参照虹彩の円環iと取得画像の虹彩の円環jのマッチングの各々についてのコストが、i=1に対し、Cost(i,j)=Prob(i,j)*M(i,j)任意のi>1に対し:Cost(i,j)=Prob(i,j)*M(i,j)+minL=li:lsandk=kmin:kmax(ProbT((i,j),(i−L,j+k))*Cost(i−L,j+k))であり、上式において、li、ls、kmin、kmaxは、li≧1かつ0<j+k≦N2となる、所定の相対的な整数であり、Prob(i,j)は、参照虹彩のi番目円環と、取得画像の虹彩のj番目円環とに関する、所定のマッチング確度であり、ProbT((i,j),(p,q))は、参照虹彩のi番目円環と取得画像の虹彩のj番目円環とに関するマッチングを考慮した、参照虹彩のpth円環および取得画像の虹彩のqth円環に関する所定のマッチング確度である、ビタビトレリス構築すること(1062)と、前記ビタビトレリスにおける経路を決定すること(1063)であって、参照虹彩のM番目円環を、取得画像の虹彩のPath(M)番目円環とマッチングすることであって、Path(M)が、jに関し(Cost(M,j))を最小化する[1;N2]に属する指標であり、Mが、第1の所定数N1以下の整数である、マッチングすることと、指標M’を持つ参照虹彩の少なくとも1つの別の円環を、指標Path(M’)を持つ取得画像の虹彩の円環とマッチングすることであって、指標Path(D)を持つ取得画像の虹彩の円環と既にマッチングされた指標Dを持つ参照虹彩の円環の関数としてM’<Mであり、M’=D−Z(D,Path(D),1)かつPath(M’)=Path(D)+Z(D,Path(D),2)であり、関数Zが、Z(i,j,1)およびZ(i,j,2)がそれぞれ、関数ProbT((i,j),(i−L,j+k))*Cost(i−L,j+k)を最小化する整数L∈[li,ls]およびk∈[kmin,kmax]となるような、R3からRへ定義されたものである、マッチングすることとを含む、決定すること(1063)とを含む、請求項2に記載の識別および/または認証方法。

請求項4

最小化されたマッチング距離の計算(107)が、であり、上式において、Tは、取得画像と参照画像の間の回転に対する、所定の最大許容値であり、サイズがN1x(P*F)またはN2x(P*F)のマトリクスである、IC1、IC2、そしてIM1およびIM2は、それぞれ、参照虹彩のコード、取得画像の虹彩のコード、および関連マスクコードに相当し、であり、である式を用いて実行される、請求項3に記載の識別および/または認証方法。

請求項5

前記比較マトリクスMの各係数M(i,j)が、固定されたtについてのDist(i,j,t)とMask(i,j,t)間の比率の変換LTの結果である、請求項4に記載の識別および/または認証方法。

請求項6

前記同心円環の厚みが可変である、請求項1から5のいずれか一項に記載の識別および/または認証方法。

請求項7

前記同心円環のうち少なくとも2つが重なり合う、請求項1から6のいずれか一項に記載の識別および/または認証方法。

請求項8

確度ProbTおよびProbが、自動学習、または虹彩のテクスチャの歪みモデルを用いて決定される、請求項2から6のいずれか一項に記載の識別および/または認証方法。

請求項9

確度ProbTおよびProbが、瞳孔拡張の程度に応じている、請求項2から7のいずれか一項に記載の識別および/または認証方法。

請求項10

プログラムプロセッサによって実行されるとき、請求項1から9のいずれか一項に記載の個人を識別および/または認証する方法を実行するためのコード命令を含む、コンピュータプログラム製品

請求項11

データ処理デバイス(4)であって、第1の所定数N1個の同心円環へと分割された参照虹彩画像から取得される参照虹彩のバイナリコードを少なくとも1つと、瞼、睫毛、反射、またはその他のノイズとなる原因が検出されている参照虹彩の領域を識別する関連付けられた参照マスクのバイナリコードとを格納する、ストレージデバイス(3)へと接続することが可能であるということ、および、識別および/または認証される個人の取得された眼球の画像を受信するように構成される、通信インタフェース(6)と、虹彩のテクスチャを含む領域を分離し、関連マスクを決定するために、受信した眼球の画像をセグメント化することと、虹彩テクスチャを含む前記領域と前記マスクとを、第2の数N2個の同心円環へと分割することと、直交座標である、虹彩のテクスチャを含む前記領域と前記マスクとを、極座標へと正規化することと、正規化された虹彩のテクスチャを含む前記領域をコード化するN2*P*Fに等しいサイズのバイナリ虹彩コードICと、関連マスクをコード化するN2*P*Fに等しいサイズのマスクのバイナリコードIMとを、第3の所定数F個のガボールフィルタを各円環の第4の所定数P箇所からの位置の各々に適用することによって、決定することと、取得画像の虹彩の少なくとも1つの円環を、取得画像と参照画像間のマッチング距離(HDViterbi)を最小化するように、前記参照虹彩のうちの1つの円環とマッチングすることであって、前記マッチング距離は、マッチングされた取得画像虹彩の前記円環の各々と、それに相当する参照虹彩の円環との間の距離(Dist)の合計を計算することにより、決定され格納された参照虹彩コードおよび関連マスクコードから取得されたものである、マッチングすることと、前記最小化されたマッチング距離を計算することと、前記最小化されたマッチング距離を、所定の閾値と比較することとを行うように構成される、コンピュータ(5)とを備えるということを特徴とする、データ処理デバイス(4)。

請求項12

個人を識別および/または認証するためのシステム(100)であって、第1の所定数N1個の同心円環へと分割された参照虹彩画像から取得される参照虹彩のバイナリコードを少なくとも1つと、瞼、睫毛、反射、またはその他のノイズとなる原因が検出されている参照虹彩の領域を識別する関連付けられた参照マスクのバイナリコードとを格納する、ストレージデバイス(3)と、識別および/または認証される個人の眼球の画像を取得するように構成される、撮像デバイス(2)と、取得画像と参照画像間のマッチング距離(HDViterbi)を最小化し、前記最小化されたマッチング距離が所定の閾値を下回る場合、個人を識別および/または認証するように構成される、請求項11に記載のデータ処理デバイス(4)とを備える、個人を識別および/または認証するためのシステム(100)。

技術分野

0001

本発明は、虹彩認識による改良された生体識別または認証方法に関する。

背景技術

0002

個人虹彩参照データベースに格納された虹彩データと比較するには、この個人の虹彩に対し、デジタル的な特徴付けを施す必要がある。そのために通常採用されるプロセスは、Daugmanによる方法(米国特許第5291560号)である。この方法では、図1に説明されるように、分析対象となる眼球の画像をセグメント化されるように規定して、個人の虹彩に相当する画像の部分を分離する。次いで、図2に説明されるように、参照虹彩データと比較する当画像部分に関し、分析対象となる、その虹彩の区域を、幾つかの数の角度方向区域へと切り分けること、および幾つかの数の円環へと半径方向に切り分けることが可能である。

0003

図3aから図3cに説明されるように、撮影条件に応じて不定拡張する中、分析対象の虹彩を参照虹彩と効果的に比較するために、分析対象の虹彩画像固定サイズ矩形画像形式正規化し、それにより、元画像直交座標極座標へと変換することが可能である。この正規化された画像をバイナリコード虹彩コードと呼ばれる)へと変換するために、当画像の様々な区域に対し(例えば、円環と角度方向セクタの交差部に相当する各区域に対し)、ガボールフィルタリングなどのフィルタリングを適用することが可能である。バイナリ値である0または1を、この区域に対するフィルタリングの結果の現れに応じて、各区域に属性付けすることができる。こうしたバイナリコードは、次いでデータベースに格納された1つ以上のバイナリ参照コードと、ビット単位で容易に比較することが可能であり、それにより、虹彩が分析された個人を識別または認証する。このようなバイナリ比較を要約すると、正規化された画像において同一位置にある虹彩区域相互比較であるといえる。正規化された画像の左端および右端は、実際には虹彩の隣接区域に相当し、正規化に続く分析では、そのようなものとして考える必要があることに留意されたい。

0004

こうした正規化を用いると、輝度に応じた虹彩の直線的拡張/収縮を、完全に補償することが可能となり得る。実際には、観察される虹彩の拡張は、直線的とは程遠いものである。虹彩の円環は、瞳孔の拡張に応じ、正規化された画像内の様々な位置で認められる可能性がある。この場合、バイナリコードのビット単位による比較は、要するに、虹彩の同一区域とは事実上対応しない、正規化された画像の区域の相互比較である、ということができる。また、瞳孔拡張時の虹彩の動きは、3次元的にも生じる。虹彩の異なる区域が重なり合うことにより、拡張中、虹彩の円環の幾つかが見えたり消えたりし得る。

0005

拡張に応じた虹彩の動きをより精巧にモデル化するために、Wyattによるモデル(Harry Wyatt、「A minimum wear−and−tear meshwork for the iris」、Vision Research 40(2000)、2167−2176頁)など、複数の複合モデルが提案されている。しかし、これらのモデルは、虹彩の区域が出現または消失することを考慮していない。Clarkによるモデル(A.Clark、S.Kulp、I.Herron、およびA;Ross、「A theoretical model for describing iris dynamics」、Handbook of Iris Recognition、129−150頁、2013年)などは、虹彩の非直線的変化と、虹彩の一部の区域の出現/消失との両方を、考慮したものとなっている。しかしながら、これらのモデルによる虹彩の動きの予測は、ポアソンパラメータ呼称されるパラメータパラメータの関数であって、その値は人物ごとに異なる。したがって、こうしたモデルを用いて虹彩から個人を認識するためには、この個人についてのポアソンパラメータ値を求める、特定の学習を実行することが必要となる。

0006

論文(「Inmaculada Tomeo−Reyes、Arun Ross、Antwan D. Clark、Vinod Chandran」、A Biomechanical Approach to Iris Normalization)において、その著者らは、Clarkのモデルに基づく、虹彩のテクスチャに関する正規化方法体系を提案している。著者らが示すように、この方法体系は、テスト画像を正規化するために、参照画像の瞳孔の拡張率に関する情報を必要とする。この手法が検証シナリオに対して使用可能となり得るのであれば(ここでは参照画像が知られている)、認証シナリオに対しては実行不可能ということになる(ここでは比較すべき参照画像が知られていない)。著者らはやはり、ポアソンパラメータを全ての人々に対し0.49と固定している。

0007

虹彩の拡張に関するこうした複合モデルへの依存性を限定するために、瞳孔の拡張を正規化ステップの間は考慮しないが、バイナリコードの比較ステップの間には考慮するといった、虹彩認識による識別または認証方法が提供されている。2つの虹彩画像を比較する間、このようなモデルは通常、虹彩コードからのこれら2つの画像間における、最も確度の高い虹彩円環の動きを求めようと試みてから、この動きを考慮に入れることにより、虹彩コードからの画像間の距離を計算する。正規化された画像内の虹彩の各区域は、もはや参照画像の対応区域と比較する必要がなく、しかも当画像の最もよく対応する区域と比較することができる。こうした比較は、瞳孔の拡張に応じた虹彩の動きについて、その非直線的性質をよりよく考慮している。また、虹彩の区域の一部が出現または消失することについても、考慮に入れることが可能である。比較されるバイナリコード間の距離を減少させることができ、その結果、認識方法の有効性が向上する。一例として、Uhl&Wild(Andreas Uhl、Peter Wild、「Enhancing Iris Matching Using Levenshtein Distance with Alignment Constraints」、In G.Bebis、R.Boyle、B.parvin、D.Koracin、R.Chung、R.Hammoud、editors、Advances in Visual Computing:6th International Symposium、(ISVC 2010)469−479頁、LNCS、6453、Springer Verlag、2010年)に記載された方法では、分析対象画像のバイナリコードと参照画像のバイナリコードとをビット単位で比較し、これらのコード間不一致の間、これが、一方の画像における虹彩区域の挿入または消失、そうでなければ、これら2つの画像間で移動したビットに対応する虹彩区域間の置き換わりの結果である可能性を考慮に入れる、ということを提案している。各動作は所定のコストを持つので、この方法では、コストが最も低くなる場合について、比較される虹彩コード間の違いを説明するために、置き換わり、消失、および出現に関する動作のセットを決定することを提案している。しかし、このような方法の欠点として、バイナリコードをビット単位で処理すること、ならびに、虹彩の一区域と、その虹彩の同一円環に属するそれ以外の区域とに由来する、動きの相関性を考慮しないことが挙げられる。こうした相関性は、虹彩の動きは等方性を持つことからも重要である。こうしたビット単位の処理は、異なる個人が持つ2つの虹彩画像の比較中、誤検知の可能性を極めて増大させる。

0008

米国特許第5291560号明細書

先行技術

0009

Harry Wyatt、「A minimum wear−and−tear meshwork for the iris」、Vision Research 40(2000)、2167−2176頁
A.Clark、S.Kulp、I.Herron、およびA;Ross、「A theoretical model for describing iris dynamics」、Handbook of Iris Recognition、129−150頁、2013年
Andreas Uhl、Peter Wild、「Enhancing Iris Matching Using Levenshtein Distance with Alignment Constraints」、In G.Bebis、R.Boyle、B.parvin、D.Koracin、R.Chung、R.Hammoud、editors、Advances in Visual Computing:6th International Symposium、(ISVC 2010)469−479頁、LNCS、6453、Springer Verlag、2010年

発明が解決しようとする課題

0010

したがって、虹彩変位の非直線的性質、および瞳孔拡張に応じた虹彩の一部区域の出現または消失を考慮すると共に、個人に対する特定の学習を必要とすることなく、この動きの等方性から利益を得る、虹彩認識による当個人の効率的識別または認証方法が必要とされている。

課題を解決するための手段

0011

第1の態様によれば、本発明は、個人を識別および/または認証するためのシステムによって実行される以下のステップを含む、個人を識別および/または認証する方法であって、個人を認識および/または認証するための前記システムが、第1の所定数N1個の同心円環へと分割された参照虹彩画像から取得される参照虹彩のバイナリコードを少なくとも1つと、瞼、睫毛反射、またはその他のノイズとなる原因が検出されている参照虹彩の領域を識別する関連付けられた参照マスクのバイナリコードとを格納する、ストレージデバイスを備える方法に関するものである:
− 識別および/または認証される個人の眼球の画像を取得するステップ、
− 虹彩のテクスチャを含む領域を分離し、関連マスクを決定するために、取得した眼球の画像をセグメント化するステップ、
虹彩テクスチャを含む前記領域と前記マスクとを、第2の数N2個の同心円環へと分割するステップ、
−直交座標である、虹彩のテクスチャを含む前記領域と前記マスクとを、極座標へと正規化するステップ
− 正規化された虹彩のテクスチャを含む前記領域をコード化するN2*P*Fに等しいサイズのバイナリ虹彩コードICと、関連マスクをコード化するN2*P*Fに等しいサイズのマスクのバイナリコードIMとを、第3の所定数F個のガボールフィルタを各円環の第4の所定数P箇所からの位置の各々に適用することによって、決定するステップ、
取得画像の虹彩の少なくとも1つの円環を、取得画像と参照画像間のマッチング距離を最小化するように、前記参照虹彩のうちの1つの円環とマッチングするステップであって、前記マッチング距離は、マッチングされた取得画像虹彩の前記円環の各々と、それに相当する参照虹彩の円環との間の距離の合計を計算することにより、決定され格納された参照虹彩コードおよび関連マスクコードから取得されたものである、マッチングするステップ、
− 前記最小化されたマッチング距離を計算するステップ、
− 前記最小化されたマッチング距離が所定の閾値を下回る場合、個人を識別および/または認証するステップ。

0012

マッチングステップは、ビタビアルゴリズム実装することができる。

0013

マッチングステップは、以下を含む:
− サイズがN1*N2の比較マトリクスMを計算することであって、前記比較マトリクスの各係数M(i,j)が、前記決定されたコードおよび参照虹彩コードならびに関連マスクコードを用いて行われた、格納された参照虹彩のi番目円環と取得画像の虹彩のj番目円環との間の比較の結果をコード化する、計算すること、
− 参照虹彩の円環iと取得画像の虹彩の円環jのマッチングの各々についてのコストが、
i=1に対し、Cost(i,j)=Prob(i,j)*M(i,j)
任意のi>1に対し:Cost(i,j)=Prob(i,j)*M(i,j)+minL=li:ls and k=kmin:kmax(ProbT((i,j),(i−L,j+k))*Cost(i−L,j+k))
であり、上式において:
○ li、ls、kmin、kmaxは、li≧1かつ0<j+k≦N2となる、所定の相対的な整数であり、
○ Prob(i,j)は、参照虹彩のi番目円環と、取得画像の虹彩のj番目円環とに関する、所定のマッチング確度であり、
○ ProbT((i,j),(p,q))は、参照虹彩のi番目円環と取得画像の虹彩のj番目円環とに関するマッチングを考慮した、参照虹彩のpth円環および取得画像の虹彩のqth円環に関する所定のマッチング確度である、
ビタビトレリス構築すること。
− 前記ビタビトレリスにおける経路を決定すること。この決定動作は、以下を含む:
○ 参照虹彩のM番目円環を、取得画像の虹彩のPath(M)番目円環とマッチングすることであって、Path(M)が、jに関し(Cost(M,j))を最小化する[1;N2]に属する指標であり、Mが、第1の所定数N1以下の整数である、マッチングすること、
○ 指標M’を持つ参照虹彩の少なくとも1つの別の円環を、指標Path(M’)を持つ取得画像の虹彩の円環とマッチングすることであって、指標Path(D)を持つ取得画像の虹彩の円環と既にマッチングされた指標Dを持つ参照虹彩の円環の関数としてM’<Mであり、M’=D−Z(D,Path(D),1)かつPath(M’)=Path(D)+Z(D,Path(D),2)であり、関数Zが、Z(i,j,1)およびZ(i,j,2)がそれぞれ、関数ProbT((i,j),(i−L,j+k))*Cost(i−L,j+k)を最小化する整数L∈[li,ls]およびk∈[kmin,kmax]となるような、R3からRへ定義されたものである、マッチングすること。

0014

最小化されたマッチング距離の計算は、



という式を用いることにより実行することが可能であり、上式において:
○ Tは、取得画像と参照画像の間の回転に対する、所定の最大許容値であり、
○ サイズがN1x(P*F)またはN2x(P*F)のマトリクスである、IC1、IC2、そしてIM1およびIM2は、それぞれ、参照虹彩のコード、取得画像の虹彩のコード、および関連マスクコードに相当し、



であり、



である。

0015

虹彩変位の非直線的性質、および瞳孔拡張に応じた虹彩の一部区域の出現または消失を考慮すると共に、当個人に対する特定の学習を必要とすることなく、この動きの等方性から利益を得る虹彩認識により、個人を識別または認証することができる。

0016

前記比較マトリクスMの各係数M(i,j)は、固定されたtについてのDist(i,j,t)とMask(i,j,t)間の比率の変換LTの結果とすることができる。

0017

このような変換では、参照虹彩および取得画像の虹彩の各円環同士間の類似度を、障害物やノイズの存在によって乱れた画像の区域を考慮することなしに定量化する。

0018

前記同心円環の厚みは可変である。

0019

このことにより、円環の厚みは、虹彩テクスチャの半径方向の変動性適合される。この変動性は、虹彩部分のある位置ではかなりの半径距離にわたって均一であり、その虹彩の別の部分では急速かつ半径方向に変動し得るものである。

0020

前記同心円環の少なくとも2つが重なり合ってもよい。

0021

2つの画像の円環のマッチングは、円環についての虹彩の出現または消失ではなく、厚みのクラウン部分についての虹彩の出現または消失を考慮する。

0022

確度ProbTおよびProbは、自動学習、または虹彩のテクスチャの歪みモデルを用いて決定することができる。

0023

確度ProbTおよびProbは、瞳孔の拡張度合に応じるとすることができる。

0024

この関数は、取得画像内に認められる瞳孔の拡張に対して適合された関数を使用し、拡張の程度に関係なく定義される汎用関数よりも更に適した関数を生成する。

0025

第2の態様によれば、本発明は、プロセッサによる実行時に、第1の態様による、個人を識別および/または認証する方法を実行するためのコード命令を含む、コンピュータプログラム製品に関するものである。

0026

第3の態様によれば、本発明は、第1の所定数N1個の同心円環へと分割された参照虹彩画像から取得される参照虹彩のバイナリコードを少なくとも1つと、瞼、睫毛、反射、またはその他のノイズとなる原因が検出されている参照虹彩の領域を識別する関連付けられた参照マスクのバイナリコードとを格納する、ストレージデバイスへと接続することが可能であるということ、および、以下を備えることを特徴とする、データ処理デバイスに関するものである:
− 識別および/または認証される個人の取得された眼球の画像を受信するように構成される、通信インタフェース
− 以下の動作を行うように構成されるコンピュータ
○ 虹彩のテクスチャを含む領域を分離し、関連マスクを決定するために、受信した眼球の画像をセグメント化すること、
○虹彩テクスチャを含む前記領域と前記マスクとを、第2の数N2個の同心円環へと分割すること、
○直交座標である、虹彩のテクスチャを含む前記領域と前記マスクとを、極座標へと正規化すること、
○ 正規化された虹彩のテクスチャを含む前記領域をコード化するN2*P*Fに等しいサイズのバイナリ虹彩コードICと、関連マスクをコード化するN2*P*Fに等しいサイズのマスクのバイナリコードIMとを、第3の所定数F個のガボールフィルタを各円環の第4の所定数P箇所からの位置の各々に適用することによって、決定すること、
○取得画像の虹彩の少なくとも1つの円環を、取得画像と参照画像間のマッチング距離(HDViterbi)を最小化するように、前記参照虹彩のうちの1つの円環とマッチングすることであって、前記マッチング距離は、マッチングされた取得画像虹彩の前記円環の各々と、それに相当する参照虹彩の円環との間の距離(Dist)の合計を計算することにより、決定され格納された参照虹彩コードおよび関連マスクコードから取得されたものである、マッチングすること、
○ 前記最小化されたマッチング距離を計算すること、
○ 前記最小化されたマッチング距離を、所定の閾値と比較すること。

0027

第4の態様によれば、本発明は、以下を備える、個人を識別および/または認証するためのシステムに関するものである:
− 第1の所定数N1個の同心円環へと分割された参照虹彩画像から取得される参照虹彩のバイナリコードを少なくとも1つと、瞼、睫毛、反射、またはその他のノイズとなる原因が検出されている参照虹彩の領域を識別する関連付けられた参照マスクのバイナリコードとを格納する、ストレージデバイス、
− 識別および/または認証される個人の眼球の画像を取得するように構成される、撮像デバイス
−取得画像と参照画像間のマッチング距離(HDViterbi)を最小化し、前記最小化されたマッチング距離が所定の閾値を下回る場合、個人を識別および/または認証するように構成される、第3の態様に記載のデータ処理デバイス。

0028

これらのコンピュータプログラム製品、処理デバイス、および個人を識別および/または認証するためのシステムは、第1の態様による方法に関して言及したのと同じ利点を有するものである。

0029

その他の特徴および利点は、実施形態に関する以下の説明から明らかになろう。この説明は、添付図面を参照しつつ行う。

図面の簡単な説明

0030

識別/認証される個人の眼球の画像をセグメント化するステップの実施を示す図である。
虹彩のテクスチャを同心円環および角度方向セクタへと分割するステップの実施を示す図である。
虹彩のテクスチャを含む領域を正規化するステップの実施を示す図である。
虹彩のテクスチャを含む領域を正規化するステップの実施を示す図である。
虹彩のテクスチャを含む領域を正規化するステップの実施を示す図である。
本発明の実施形態による、個人を識別および/または認証するシステムにおけるハードウェア手段を示す概略図である。
本発明の実施形態による、個人を識別および/または認証する方法を示す図である。
瞳孔の拡張度合が異なる個人の眼球の画像を示す図である。
瞳孔の拡張度合が異なる個人の眼球の画像を示す図である。
瞳孔の拡張度合が異なる個人の眼球の画像を示す図である。
図6aおよび図6bで示した、瞳孔が拡張した2つの眼球の画像の比較に対応する比較マトリクスの例を示す図である。
図6aおよび図6cで示した、瞳孔が拡張した2つの眼球の画像の比較に対応する比較マトリクスの例を示す図である。
前記ビタビトレリス内の経路決定の実施を示す図である。

実施例

0031

本発明の実施形態は、個人を識別および/または認証するシステム100によって実装される、ある個人1を識別および/または認証する方法に関するものである(図4に図示)。

0032

このようなシステム100は、個人1を識別または認証するのに用いる生体データの取得専用となる、撮像デバイス2を備えている。このような生体データは、とりわけ、個人1の眼球の画像から成るものとすることができる。撮像デバイス2は、とりわけ、可視領域または赤外線領域において画像をキャプチャする、写真撮影ユニット、即ちカメラから成るものとすることができる。

0033

システム100は更に、ストレージデバイス3を備えている。このようなストレージデバイスは、第1の所定数N1個の同心円環へと分割された参照虹彩画像から取得される、参照虹彩のバイナリコードを少なくとも1つと、瞼、睫毛、反射、またはその他のノイズとなる原因が検出されている参照虹彩の領域を識別する、関連付けられたマスクの参照バイナリコードとを、格納するように構成される。このストレージデバイスは、あらゆるタイプのリードオンリメモリフラッシュメモリなど)、またはハードドライブとすることができる。このストレージデバイスは、このようなバイナリコードを、データベース形式で格納することが可能である。

0034

これらの参照虹彩画像は、システムに記録された個人の虹彩画像であるため、システムで識別や認証することが可能である。これらの参照虹彩画像は、対応する参照虹彩コードを取得するために処理されている。これらの画像に適用された処理は、撮像デバイス2によって取得された認証の対象となる個人の虹彩画像に対して適用される、以下で説明する処理と同一のものである。

0035

システム100はまた、撮像デバイス2によって取得された個人1の虹彩画像を処理して、そこから対応する虹彩コードを演繹し、それを格納された参照虹彩コードと比較するように構成された、データ処理デバイス4を備えている。このような処理は、とりわけ、同心円環の第2の所定数N2へと虹彩を切り分けることを含む。前記処理デバイスは、撮像デバイス2と、ストレージデバイス3とに接続されている。このようなデータ処理デバイスは、コンピュータ5とインタフェース6を備えることができる。このようなコンピュータ5は、例えばx−86型やRISCのプロセッサまたはマイクロプロセッサコントローラまたはマイクロコントローラ、DSP、ASICなどの集積回路またはFPGAなどのプログラマブル回路、これら諸要素の組み合わせ、あるいは以下に記載する方法が持つ計算ステップを実行する、その他任意のコンポーネントの組み合わせから成るものとすることができる。このような通信インタフェース6は、アナログかデジタルかを問わず任意のインタフェースとすることができ、コンピュータ5に、上述したシステム100が持つ他の要素との情報交換を行わせる。このようなインタフェースは、例えば、RS232シリアルインタフェース、USB、Firewire、HDMI登録商標)インタフェース、またはイーサネット(登録商標)もしくはWifiタイプのワイヤードもしくはワイヤレス通信ネットワークインタフェースとすることができる。ある実施形態では、前記処理デバイス、撮像デバイス2、およびストレージデバイス3は、例えば携帯電話や、案件の開始を制御する統合アクセス制御システム内に組み込む場合には、共通のケース内一体化されてもよい。代わりに、これらのデバイスのうち1つ以上を、当該デバイスまたはその他のデバイスからリモートなものとすることもできる。例えば、撮像デバイス2は、コンピュータシステム中央サーバが構成する処理デバイスに通信ネットワークを介して接続された、監視カメラによって構成される。

0036

本発明は、個人の眼球の取得画像における虹彩の円環と、参照虹彩の円環間の最適なマッチングを求めることにより、識別または認証の対象となる個人の虹彩の画像と、参照虹彩の画像との比較を改良することを提案するものである。このようなマッチングでは、瞳孔の拡張に起因する、取得画像と参照画像の間の虹彩の歪みが考慮される。この拡張それ自体は、2つの画像のキャプチャ間の露光量が異なることの帰結であり得る。本方法では、虹彩が歪んでいる間の円環の出現または消失も加味できるように、両虹彩の全ての円環を必ずしもマッチングさせない。

0037

より正確には、こうした最適マッチングは、取得画像と参照画像間の距離(所謂、マッチング距離(HDViterbi))を最小化するように決定される。この距離は、虹彩円環同士間の選択されたマッチングを考慮して、取得画像について求められた虹彩コードと参照虹彩コードとから計算される。ある実施形態では、こうしたマッチングは、ビタビアルゴリズムによって決定される。

0038

識別および/または認証のための本方法は、図5に示すステップに従って実施することが可能である。

0039

取得ステップ101の間、個人1の眼球の画像が、撮像デバイス2によって取得される。この画像は2次元でも3次元でもよく、またカラーでも白黒でもよい。デジタル画像の場合、この画像は様々なフォーマット(bitmap、jpeg、png、raw、など)に従って符号化され得る。白黒画像の場合、この画像は幾つかの数のグレー階調を含み得る。

0040

次いで、データ処理デバイスが、セグメント化ステップ102、分割ステップ103、正規化ステップ104、バイナリコード決定ステップ105、マッチングステップ106、および距離を計算するステップ107を実行する。

0041

セグメント化ステップ102の間、取得した眼球の画像が、虹彩のテクスチャを含む領域を分離するようにセグメント化される。図1では、これは円周間の領域7に当たる。この虹彩領域が、白目部分8および瞳孔9から分離される。このステップの間、瞼、睫毛、反射、またはその他のノイズとなる原因が検出されている虹彩領域を識別する、関連付けられたマスクを決定することもできる。こうしたマスクにより、とりわけ、眼球の画像の取得中に所定の露光量を課すことを意図してのスポットが反射している眼球の領域を識別することが可能となる。

0042

分割ステップ103の間、虹彩テクスチャを含む前記領域および前記マスクは、図2に示すように、N2個の同心円環へと分割することができる。これらの同心円環は、一定の厚さとすることも、異なる厚さとすることもできる。

0043

これらの同心円環が重なり合ってもよい。その場合、2つの画像の円環のマッチングは、円環についての虹彩の出現または消失ではなく、厚みのクラウン部分についての虹彩の出現または消失を考慮する。

0044

正規化ステップ104の間、虹彩のテクスチャを含む領域と、セグメント化ステップ102および分割ステップ103に由来する前記マスクとは、固定サイズの矩形画像形式に正規化され、それにより、元画像の直交座標を極座標へと変換される。このことは、Daugmanが提案する極変換、即ち、I(x(r,θ),y(r,θ))−>I(r,θ)、ただしIが取得した虹彩画像である、という極変換に従った、図3aから図3cに示す通りである。

0045

この正規化された画像において、細分化された虹彩の円環は、ラインを形成する。この正規化された画像をバイナリコード(所謂、虹彩コード)へと変換するために、第3の所定数F個のフィルタによるフィルタリングを、バイナリコードFの決定ステップ105の間、各円環の第4の所定数P箇所からの位置の各々に対して適用することができる。虹彩は、例えばP個の角度方向領域へと、角度を持たせながら細分することが可能であって、このようなフィルタリングは、円環と角度方向セクタの交差部に相当する各区域へと適用することができる。正規化された虹彩画像において、これらの角度方向セクタの各々は、カラムを構成する。このようなフィルタはガボールフィルタとすることができ、その適用区域において、虹彩のテクスチャの輝度変化に特徴付けを施す。よって、バイナリ値である0または1を、この位置でのフィルタリングの結果の現れに応じて、各位置に属性付けすることができる。同様の操作を、取得画像に関連するマスクに対して実行することもできる。したがって、正規化およびフィルタリングされた虹彩テクスチャを含む前記領域をコーディングする、N2*P*Fに等しいサイズのバイナリ虹彩コードICが決定され得る。また、関連付けられたマスクをコーディングする、N2*P*Fに等しいサイズのバイナリマスクコードIMも決定され得る。これらのバイナリコードは、サイズがN2x(P*F)の2つのマトリクスから形成することができ、その各ラインは(正規化された画像などの)円環に相当し、P個のカラムの各グループは虹彩画像の角度方向セクタに相当する。これらのマトリクスの各々が持つライン1は、例えば、瞳孔に最も近い円環に関連付けることができる。ある実施形態では、N1はN2と等しいものであってよく、例えば8とすることができる。一例として、虹彩は、32個の円環と64個の角度方向領域とに細分することができ、各位置に対し適用するフィルタの数を4とすることができる。

0046

その後、マッチングステップ106の間、取得画像の虹彩の少なくとも1つの円環が、取得画像と参照画像間の距離(所謂、マッチング距離(HDViterbi))を最小化するように、前記参照虹彩のうちの1つの円環とマッチングされる。このとき、前記マッチング距離は、マッチングされた取得画像虹彩の前記少なくとも1つの円環の各々と、それに相当する参照虹彩の円環との間の距離(Dist)の合計を計算することにより、決定され格納された参照虹彩コードおよび関連マスクコードから取得されたものとなる。マッチングステップ106は、ビタビアルゴリズムを実装することができる。

0047

より正確には、マッチングステップ106は以下のステップを含む。

0048

初めに、サイズがN1*N2の比較マトリクスMが計算される(1061)。この比較マトリクスは、取得画像の虹彩のN2個の各円環と、それと比較される参照虹彩のN1個の円環との類似度を反映する。前記比較マトリクスの各係数M(i,j)は、前記決定されたコードおよび参照虹彩コードならびに関連マスクコードを用いて行われた、格納された参照虹彩のi番目円環と取得画像の虹彩のj番目円環との間の比較の結果をコード化する。前記比較マトリクスMの各係数M(i,j)は、固定されたtについてのDist(i,j,t)とMask(i,j,t)間の比率の変換LTの結果とすることができ、ここで、






であり、サイズがN1x(P*F)またはN2x(P*F)のマトリクスである、IC1、IC2、そしてIM1およびIM2は、それぞれ、参照虹彩のコード、取得画像の虹彩のコード、および関連マスクコードに相当する。

0049

回転パラメータtは、取得画像と参照画像の間での、瞳孔の中心を通る眼球の対象軸周りの虹彩の回転(例えば、個人の頭部の傾きが異なることによるものなど)を計算に入れている。このようなマトリクスは、考慮される回転パラメータtの各値について(例えば、Tを取得画像と参照画像間の回転に対する所定の最大許容値とした上で、区間[−T;T]における、Fの倍数であるtの全ての値について)、計算することができる。

0050

変換LTの結果は、比較された円環同士間の類似度を表す、グレーの階調に対応させることができる。一例として、この変換では、比較された円環同士間の距離がゼロの場合には255という値を属性付けし、Dist(i,j,t)とMask(i,j,t)間の比率が0.5を下回る場合にはゼロ値を属性付けすることができる。比較する2つの円環が類似しているほど、その比較に関連付けられたグレーの階調は、より白へと近づくことになる。

0051

比較マトリクスの例を2つ、図6d図6eに示す。図6dは、図6a図6bに示した瞳孔が拡張した2つの眼球の画像の比較に対応しており、図6eは、図6aの眼球の画像と、瞳孔の拡張がより顕著な図6cの眼球の画像との比較に対応している。図6dでは、円環間の距離が最小であることを示す最も白い画素は、マトリクスの対角線に沿う形で主に存在している。これは、図6a図6bの虹彩間の歪みが法則的であることの帰結である。よって、取得画像の虹彩の各区域は、参照画像内で同一位置にある参照虹彩の区域と、ほぼ一致している。逆に、図6eの最も白い区域は、画像の対角線上に位置していない。これは、画像6aと画像6cでは、瞳孔拡張が大きく異なることによる。

0052

次に、ビタビトレリスが構築される(1062)。このとき、参照虹彩の円環iと取得画像の虹彩の円環jのマッチングの各々についてのコストは、以下のようになる。

0053

i=1に対し、Cost(i,j)=Prob(i,j)*M(i,j)
任意のi>1に対し:Cost(i,j)=Prob(i,j)*M(i,j)+minL=li:ls and k=kmin:kmax(ProbT((i,j),(i−L,j+k))*Cost(i−L,j+k))
上式において:
○ li、ls、kmin、kmaxは、li≧1かつ0<j+k≦N2となる、所定の相対的な整数である。
○ Prob(i,j)は、参照虹彩のi番目円環と、取得画像の虹彩のj番目円環とに関する、所定のマッチング確度である。
○ ProbT((i,j),(p,q))は、参照虹彩のi番目円環と取得画像の虹彩のj番目円環とに関するマッチングが与えられたときの、参照虹彩のpth円環と取得画像の虹彩のqth円環とに関する所定のマッチング確度であり、関数ProbTは、クロスマッチングに当たる、L=1かつk=1などの非物理的な場合(例えば、取得画像虹彩の円環j+1が参照画像の虹彩の円環i−1とマッチする一方で、取得画像の虹彩の円環jが参照画像の虹彩の円環iとマッチしてしまっている)に相当するLとkの組み合わせについての高オーバーオール値送り返すようにも定義されている。

0054

L=li=ls=1かつ(kmin,kmax)=(0,1)または(1,0)であると好ましい。

0055

2つの円環のマッチング(i,j)に関連付けられたコストは、取得画像内の瞳孔の拡張によって生じた虹彩の歪みに起因して、参照虹彩のi番目円環が取得画像の虹彩のj番目円環の位置へと移動しているということについての、固有の確度Prob(i,j)の関数である。このコストは、M(i,j)により、これらの円環同士間の類似度も反映している。また、このコストは、マッチングにおける全体の首尾一貫性を尊重すると共に、数的訴求性はあるものの物理的な実状には何ら一致しないマッチング(例えば、参照虹彩のi−1th円環が取得画像の虹彩の周辺円環と関連付けられている一方で、参照虹彩のi番目円環と取得画像の虹彩のほぼ中心の円環とのマッチング)を防止するように、参照虹彩の先行する円環に対して設定されたマッチングを計算に入れる。

0056

Prob関数およびProbT関数は、異なる拡張段階で撮影された虹彩の画像に基づいた自動学習によって求めることができる。あるいは、これらの関数は、上で触れたClarkによるモデルなど、虹彩のテクスチャに関する歪みモデルを使用して、解析的に求めることも可能である。関数ProbおよびProbTは、瞳孔の拡張の程度に応じて、テーブル化することができる。

0057

こうしたビタビトレリスは、回転パラメータtの様々な値について計算された比較マトリクスMの各々に対して構築することができる。

0058

次に、前記ビタビトレリスの各々における経路が、以下を行うことによって求められる(1063):
○ 参照虹彩のM番目円環を、取得画像の虹彩のPath(M)番目円環とマッチングさせる。ここで、Path(M)は、jに関し(Cost(M,j))を最小化する[1;N2]に属する指標であり、Mは第1の所定数N1以下の整数である。

0059

即ち、Path(M)=Argminj=1:N2(Cost(M,j))であり、Argmin(xi)は連続した値xiに由来する最小値の指標を送り返す関数である。この参照虹彩の同一円環は、取得画像の虹彩の円環とマッチした虹彩の、最も外側の円環ということになる。

0060

○指標M’を持つ参照虹彩の少なくとも1つの別の円環を、指標Path(M’)を持つ取得画像の虹彩の円環とマッチングさせる。ここで、指標Path(D)を持つ取得画像の虹彩の円環と既にマッチングされた、指標Dを持つ参照虹彩の円環の関数として、M’<Mであり、M’=D−Z(D,Path(D),1)かつPath(M’)=Path(D)+Z(D,Path(D),2)であり、関数Zは、Z(i,j,1)およびZ(i,j,2)がそれぞれ、関数ProbT((i,j),(i−L,j+k))*Cost(i−L,j+k)を最小化する整数L∈[li,ls]およびk∈[kmin,kmax]となるような、R3からRへ定義されたものである。

0061

即ち、(k,L)=Argmin k=kmin:kmax,L=li:ls ProbT((i,j),(i−L,j+k))*Cost(i−L,j+k)である。

0062

li=ls=1であることが好ましく、M’=D−1かつPath(M’)=Path(D)+kが与えられる。ここで、kは、ProbT[(D,Path(D)),(D−1,Path(D)+k)]*Cost(D−1,Path(D)+k)を最小化する。

0063

このマッチングは、i=1またはPath(i)=1となるまで、円環の順序を落としていくことにより、参照虹彩の幾つかの円環に対して、連続的に決定することができる(それぞれ取得画像または参照画像の虹彩のi番目円環は、それぞれ参照虹彩または取得画像の中央円環に相当し、このことは、それぞれ参照画像または取得画像における瞳孔の拡張が、取得画像、それぞれ参照画像の円環1からi−1に相当する全ての円環を消失させているということを意味する)。

0064

このビタビ経路を用いることにより、経路の合計コストを最小化するマッチング、したがって、類似度とマッチング確度であるProb(i,j)およびProbT((i,j),(p,q))とを踏まえた、比較される虹彩の円環同士間の最も確度の高いマッチングに相当するマッチングを決定することができる。

0065

このような経路を図7に示す。この図では、○は取得画像の虹彩および参照虹彩の円環に相当し、それぞれの×は、取得画像の虹彩の前記円環のうちの1つと、参照虹彩の前記円環のうちの1つとのマッチングを表している。

0066

このマッチングによって最小化されるマッチング距離はハミング距離とすることができ、次の式を用いて、計算ステップ107の間に計算される。



上式において、Tは、取得画像と参照画像の間の回転に対する、所定の最大許容値である。

0067

2つの虹彩画像間について得られたマッチング距離は、比較される画像の虹彩間の最も確度の高いマッチングを維持するために、ビタビグラフ内で選択されたビタビ経路を用いて最小化される。

0068

最後に、識別および/または認証ステップ108の間、眼球の画像の取得対象となった個人が、計算ステップ107の間に取得された、最小化されたマッチング距離に応じて識別および/または認証される。この個人は、最小化されたマッチング距離が所定の閾値を下回る場合に識別または認証可能となる。

0069

瞳孔の拡張に応じた虹彩の一部区域の非直線的歪みおよび出現または消失を考慮しながら、かつ当個人のためだけの学習を必要としない、この動きの等方性から利益を得ながら虹彩認識を通じて、虹彩画像の取得対象となった個人が識別または認証され得る。

0070

1個人
2撮像デバイス
3ストレージデバイス
4データ処理デバイス
5コンピュータ
6 通信インタフェース

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