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技術 ヘッドアップディスプレイ装置

出願人 日本精機株式会社
発明者 本間一樹秦誠舛屋勇希
出願日 2015年6月8日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-115601
公開日 2017年1月5日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-003684
状態 特許登録済
技術分野 液晶6(駆動) 液晶4(光学部材との組合せ) 液晶1(応用、原理) 計器板 その他の光学系・装置、色の干渉・色の制御
主要キーワード 温度センサ値 各閾値データ 照度取得 視点範囲 特定対象物 透過反射部材 撮像パターン アイボックス
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

表示を極力維持しつつ、外光入射による表示器の不具合を回避することを可能とする。

解決手段

ヘッドアップディスプレイ装置100において、制御部31は、温度取得部が取得した表示器11の周囲温度に基づいて液晶パネル11aの温度値推定し、前記照度取得部が取得した外光SLの照度から外光SLによる温度上昇値を推定し、推定した液晶パネル11aの温度値に前記温度上昇値を加算して液晶パネル11aの予測温度値を算出し、前記予測温度値が第1の閾値以上であると判断した場合に光源11bの輝度を低下させる第1の処理を実行し、さらに、前記予測温度値が前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上であると判断した場合にアクチュエータ14を制御し、外光SLが表示器11に照射されるのを回避する第2の処理を実行する。

概要

背景

従来より、車両の運転者運転中に視線をほとんど動かさずに車両情報(速度、走行距離等)を認識できるようにするため、ウインドシールドなどの前方に車両情報を表示させるヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display;HUD)装置が提案されている。HUD装置は、例えば透過型液晶パネルを有する表示器を備え、表示器が出射する表示画像を表す表示光をウインドシールドなどの透過反射部に投影することで風景と重ねて表示画像の虚像を運転者に視認させる。このようなHUD装置では、外光(主に、太陽光)が表示器に入射することで、液晶パネルの温度が上昇し、液晶パネル内の液晶黒化現象が生じて表示不能となり、表示器に不具合が生じる場合があった。また近年、HUD装置は、車両前方の風景の特定対象物前方車両白線など)に重ねて虚像を表示させる、いわゆる拡張現実(Augmented Reality;AR)表示を実現するべく、広画角化及び遠方表示化が進んでおり、一方でHUD装置の体積を抑制する必要もあることから光学倍率(表示/表示器)が高くなっており、外光が表示器に集光しやすく外光による液晶パネルの温度上昇リスクが大きくなっている。

このような問題に対し、例えば、引用文献1には、外光のうちHUD装置の光学系を構成する透過反射部材を透過した特定の波長帯域の光の強度を検出し、強度が所定の閾値を超えた場合に、バックライトの光の輝度を低下させるか、バックライトを消灯させる方法が開示されている。また、引用文献2には、所定領域からの外光の明るさを検出し、外光の明るさを検出した照度データ所定値以上になったときに、表示光を投影部材(透過反射部)に投影する反射ミラーを外光が表示器に反射されない角度位置に回動させる方法が開示されている。

概要

表示を極力維持しつつ、外光の入射による表示器の不具合を回避することを可能とする。ヘッドアップディスプレイ装置100において、制御部31は、温度取得部が取得した表示器11の周囲温度に基づいて液晶パネル11aの温度値推定し、前記照度取得部が取得した外光SLの照度から外光SLによる温度上昇値を推定し、推定した液晶パネル11aの温度値に前記温度上昇値を加算して液晶パネル11aの予測温度値を算出し、前記予測温度値が第1の閾値以上であると判断した場合に光源11bの輝度を低下させる第1の処理を実行し、さらに、前記予測温度値が前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上であると判断した場合にアクチュエータ14を制御し、外光SLが表示器11に照射されるのを回避する第2の処理を実行する。

目的

本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、表示を極力維持しつつ、外光の入射による表示器の不具合を回避することが可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

液晶パネルと前記液晶パネルに背後から照明光照射する光源とを有し、前記照明光によって前記液晶パネルに表示画像透過表示し、前記液晶パネルから前記表示画像を示す表示光出射する表示器と、前記表示光を視認者の前方に配置される透過反射部に向けて反射する反射部材と、前記表示器を駆動制御する制御部と、を備えるヘッドアップディスプレイ装置であって、前記表示器の周囲温度を取得する温度取得部と、外光照度を取得する照度取得部と、前記表示器への前記外光の照射を回避する外光照射回避部と、をさらに備え、前記制御部は、前記温度取得部が取得した前記周囲温度に基づいて前記液晶パネルの温度値推定し、前記照度取得部が取得した前記外光の照度から前記外光による温度上昇値を推定し、推定した前記液晶パネルの温度値に前記温度上昇値を加算して前記液晶パネルの予測温度値を算出し、前記予測温度値が第1の閾値以上であると判断した場合に前記光源の輝度を低下させる第1の処理を実行し、さらに、前記予測温度値が前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上であると判断した場合に前記外光照射回避部を制御し、前記外光が前記表示器に照射されるのを回避する第2の処理を実行する、ことを特徴とする、ヘッドアップディスプレイ装置。

請求項2

前記液晶パネルの表示領域は、前記表示画像が常に表示されない第1の領域を含み、前記表示領域のうち少なくとも前記第1の領域を撮像する撮像部と、前記液晶パネルに異常が発生していない前記第1の領域を示す基準画像を記憶する記憶部と、をさらに備え、前記制御部は、前記撮像部が撮像した前記第1の領域を示す撮像画像と、前記記憶部に記憶される前記基準画像とを比較し、前記撮像画像と前記基準画像との明度差が第3の閾値以上であると判断される場合に、前記第2の処理を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。

請求項3

前記制御部は、前記第2の処理を実行した後に、前記撮像画像と前記基準画像との明度差が前記第3の閾値未満であると判断される場合に前記外光照射回避部を制御し、前記表示器への前記外光の照射を回避しない第3の処理を実行する、ことを特徴とする請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。

請求項4

前記制御部は、前記照度取得部が取得した前記外光の照度が第4の閾値以上であると判断した場合に、前記第3の処理の実行を遅延する、ことを特徴とする請求項3に記載のヘッドアップディスプレイ装置。

請求項5

前記外光照射回避部として前記反射部材の角度を調整する角度調整部を備え、前記制御部は、前記第2の処理において、前記角度調整部を制御し、前記反射部材を前記外光が前記表示器に向かうように反射されない角度に調整する、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。

請求項6

前記外光照射回避部として遮光部材の位置を調整する位置調整部を備え、前記制御部は、前記第2の処理において、前記遮光部材を前記表示器に向かう前記外光を遮る位置に調整する、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。

技術分野

0001

本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置に関するものである。

背景技術

0002

従来より、車両の運転者運転中に視線をほとんど動かさずに車両情報(速度、走行距離等)を認識できるようにするため、ウインドシールドなどの前方に車両情報を表示させるヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display;HUD)装置が提案されている。HUD装置は、例えば透過型液晶パネルを有する表示器を備え、表示器が出射する表示画像を表す表示光をウインドシールドなどの透過反射部に投影することで風景と重ねて表示画像の虚像を運転者に視認させる。このようなHUD装置では、外光(主に、太陽光)が表示器に入射することで、液晶パネルの温度が上昇し、液晶パネル内の液晶黒化現象が生じて表示不能となり、表示器に不具合が生じる場合があった。また近年、HUD装置は、車両前方の風景の特定対象物前方車両白線など)に重ねて虚像を表示させる、いわゆる拡張現実(Augmented Reality;AR)表示を実現するべく、広画角化及び遠方表示化が進んでおり、一方でHUD装置の体積を抑制する必要もあることから光学倍率(表示/表示器)が高くなっており、外光が表示器に集光しやすく外光による液晶パネルの温度上昇リスクが大きくなっている。

0003

このような問題に対し、例えば、引用文献1には、外光のうちHUD装置の光学系を構成する透過反射部材を透過した特定の波長帯域の光の強度を検出し、強度が所定の閾値を超えた場合に、バックライトの光の輝度を低下させるか、バックライトを消灯させる方法が開示されている。また、引用文献2には、所定領域からの外光の明るさを検出し、外光の明るさを検出した照度データ所定値以上になったときに、表示光を投影部材(透過反射部)に投影する反射ミラーを外光が表示器に反射されない角度位置に回動させる方法が開示されている。

先行技術

0004

特開2013−228442号公報
特開2005−331624号公報

発明が解決しようとする課題

0005

引用文献1、2に開示される方法は、いずれも外光の照度が所定の閾値以上となった場合に、液晶パネルの温度上昇を抑制する処理を実行するものである。しかしながら、液晶パネルの温度は外光の他にも光源からの照明光などの影響を受けるため、閾値に一定の余裕を設ける必要があった。すなわち、実際には液晶パネルの温度が液晶に黒化現象が生じる等の温度に達していない場合にも、液晶パネルの温度上昇を抑制する処理が実行されることがあった。引用文献1、2に開示される液晶パネルの温度上昇を抑制する処理はいずれも表示の視認性が低下する、あるいは表示されなくなるものであるため、表示を極力維持するという点で更なる改善の余地があった。

0006

本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、表示を極力維持しつつ、外光の入射による表示器の不具合を回避することが可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明のヘッドアップディスプレイ装置は、前記課題を解決するため、液晶パネルと前記液晶パネルに背後から照明光を照射する光源とを有し、前記照明光によって前記液晶パネルに表示画像を透過表示し、前記液晶パネルから前記表示画像を示す表示光を出射する表示器と、
前記表示光を視認者の前方に配置される透過反射部に向けて反射する反射部材と、
前記表示器を駆動制御する制御部と、を備えるヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記表示器の周囲温度を取得する温度取得部と、
外光の照度を取得する照度取得部と、
前記表示器への前記外光の照射を回避する外光照射回避部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記温度取得部が取得した前記周囲温度に基づいて前記液晶パネルの温度値推定し、前記照度取得部が取得した前記外光の照度から前記外光による温度上昇値を推定し、推定した前記液晶パネルの温度値に前記温度上昇値を加算して前記液晶パネルの予測温度値を算出し、前記予測温度値が第1の閾値以上であると判断した場合に前記光源の輝度を低下させる第1の処理を実行し、さらに、前記予測温度値が前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上であると判断した場合に前記外光照射回避部を制御し、前記外光が前記表示器に照射されるのを回避する第2の処理を実行する、ことを特徴とする。

発明の効果

0008

本発明によれば、表示を極力維持しつつ、外光の入射による表示器の不具合を回避することが可能となる。

図面の簡単な説明

0009

本発明の実施形態におけるヘッドアップディスプレイ装置の概略的な構成を示す図である。
上実施形態の液晶パネルを示す図である。
同上実施形態の不具合回避処理フロー図である。
同上実施形態における凹面鏡角度調整の様子を示す図である。

実施例

0010

以下、添付図面に基づいて、本発明のヘッドアップディスプレイ(以下、HUDと記載)装置の一実施形態について説明する。

0011

図1は、本実施形態におけるHUD装置100の概略的な構成を示す図である。図1に示すように、HUD装置100は、例えば自動車に搭載されるものであり、表示器11と、平面鏡12と、凹面鏡13(反射部材の一例)と、アクチュエータ14(外光照射回避部、角度調整部の一例)と、筐体15と、温度センサ21と、照度センサ22と、撮像部23と、制御部31と、から構成されている。HUD装置100は、表示器11が表示領域DPに表示した表示画像Mを表す表示光Lを、平面鏡12と凹面鏡13とで反射させ、HUD装置100が搭載される車両1のウインドシールド(透過反射部の一例)1aに照射することで、ユーザに虚像Vを視認させることができる。なお、アイボックス2は、ユーザが虚像Vを視認可能な視点範囲を示している。HUD装置100がこのように表示する内容は、例えば、車速などの各種車両情報、経路を指示するナビゲーション情報等である。

0012

表示器11は、例えば透過型であり、TFT(Thin Film Transistor)型の液晶パネル11aと、例えばLED(Light Emitting Diode)からなり液晶パネル11aに照明光BLを出射する光源11bと、を備える液晶表示器であり、照明光BLによって液晶パネル11aの表示領域DPに表示画像Mを透過表示する。HUD装置100は、通常、表示器11の表示領域DPの全体をリレー光学系(平面鏡12,凹面鏡13)により反射することで、ユーザの前景に表示領域DPに対応した仮想的な表示面を生成する。表示器11が表示領域DPに表示画像Mを表示することで、仮想的な表示面上に表示画像Mに基づく虚像Vが表示される。

0013

平面鏡12は、例えば合成樹脂材料からなる基材の表面に、蒸着等の手段により反射膜を形成したものであり、表示器11が出射した表示画像Mの表示光Lを、凹面鏡13に向けて反射させるものである。

0014

凹面鏡13は、例えば合成樹脂材料からなる基材の表面に、蒸着等の手段により反射膜を形成したものであり、平面鏡12で反射した表示光Lをさらに反射させ、ウインドシールド1aに向けて出射する。なお、凹面鏡13は、拡大鏡としての機能を有し、表示器11に表示された表示画像Mを拡大してウインドシールド1a側へ反射する。すなわち、ユーザが視認する虚像Vは、表示器11の表示領域DPに表示された表示画像Mが拡大された像である。

0015

アクチュエータ14は、モータ(図示しない)と、モータの動力を凹面鏡13に伝達する歯車などの動力伝達部材(図示しない)と、これらモータと動力伝達部材及び凹面鏡13を支持する支持基体と、を備え、凹面鏡13を回転軸線AX周りに回転させるものである。アクチュエータ14は、凹面鏡13を回転軸線AX周りに回転させるための動力を発生させるものであり、例えばステッピングモータからなる。アクチュエータ14は、後述する制御部31の制御の下で凹面鏡13を回転軸線AX周りに回転させる。アクチュエータ14は、凹面鏡13を回転させることで凹面鏡13の角度を調整し、アイボックス2の位置を調整したり、後述するように外光SLが凹面鏡13によって表示器11に向かうように反射されない角度に調整したりすることが可能である。

0016

筐体15は、例えば黒色遮光性合成樹脂から形成される上ケース151と、下ケース152とから構成され、これら上ケース151と下ケース152を係合することで、平面鏡12、凹面鏡13、アクチュエータ14、温度センサ21、及び、撮像部23を内部に収納し、外部に表示器11、制御部31が実装された制御基板、及び照度センサ22が取り付けられる。
上ケース151は、ウインドシールド1aに対向する部分に、表示光Lを通過させる開口部151aを有し、この開口部151aは、透光性カバー151bに覆われている。また、上ケース151は、開口部151aの平面鏡12に近接する箇所に遮光壁151cを有し、開口部151a(透光性カバー151b)から入射する外光SLが平面鏡12側または表示器11側へ進行することを防止する。また、上ケース151の開口部151a近傍には、照度センサ22が取り付けられている。
下ケース152は、筐体15の内部に収納する平面鏡12、凹面鏡13、アクチュエータ14、温度センサ21、撮像部23及び外部に取り付ける表示器11、制御基板を係合する係合部(図示しない)をそれぞれ有し、各部材をそれぞれ位置決め固定する。また、下ケース152は、表示器11が表示する表示画像Mが平面鏡12に臨むように開口した表示口152aを有する。筐体15内は、表示光Lが通過する光路が設けられているが、これらの光路は、HUD装置100のサイズを小さく抑えるため、および筐体15内に侵入してくる外光SLの量を抑えるために、極力小さくすることが望ましい。

0017

温度センサ21は、筐体15の内部に配置され、表示器11の周囲温度として筐体15内の温度を測定し、温度情報を制御部31に送信するものである。

0018

照度センサ22は、筐体15の上ケース151の開口部151a近傍に配置され、筐体15に照射される外光SLの照度を測定し、照度情報を制御部31に送信するものである。

0019

撮像部23は、カメラなどからなり、液晶パネル11aの表示領域DPのうち少なくとも第1の領域DP1を常時撮像し、その撮像パターン撮像画像)を制御部31に送信する。図2に示すように、液晶パネル11aの表示領域DPは、表示画像Mが常時表示されない第1の領域DP1を有する。本実施形態においては、第1の領域DP1は、常に黒表示の状態であるものとする。撮像部23は、その撮像範囲231が第1の領域DP1を含むように設置される。本実施形態では、撮像部23の撮像範囲231は第1の領域DP1と略一致しており、第1の領域DP1が常時撮像される。

0020

図1の制御部31は、CPU(Central Processing Unit)とROM(Read Only Memory)等の記憶部31aとを含むマイコングラフィックディスプレイコントローラーGDC)、インターフェース等から構成され、制御基板に実装される。制御部31は、車両ECU(Electronic Control Unit)やナビゲーション装置等の外部装置(図示しない)からCAN(Controller Area Network)等のバス(図示しない)を介して伝送される車速やエンジン回転数等の車両情報やナビゲーション情報などの各種情報を取得し、これに応じて表示器11の液晶パネル11aの透過不透過を制御し、また、光源11bの発光を制御して、表示画像Mを透過表示する。また、制御部31は、温度センサ21、照度センサ22、及び撮像部23と接続され、後述する温度センサ値照度センサ値、撮像パターン(撮像画像)を取得し、これに応じて表示器11の光源11bの発光を制御し、及び、アクチュエータ14を制御して、温度上昇による表示器11の不具合を回避する『不具合回避処理』を実行する。すなわち、制御部31は、本発明の温度取得部及び照度取得部としての機能を有する。なお、HUD装置100が実行する『不具合回避処理』については後で詳述する。記憶部31aは、制御部31が各種演算を実行するためのプログラム、温度センサ値、照度センサ値から液晶パネル11aの温度値、温度上昇値を算出するための各種データテーブル、基準パターン基準画像)、各閾値データなどを格納する。

0021

以上が、本実施形態におけるHUD装置100の構成である。次に、図3を用いて、本実施形態におけるHUD装置100が実行する『不具合回避処理』について説明する。

0022

図3は、本実施形態における『不具合回避処理』のフロー図である。『不具合回避処理』は、車両1のイグニッションスイッチオンされる等によって、制御部31に電源投入されることで開始される。

0023

まず、図3のステップS1において、制御部31は、温度センサ21から筐体15内の温度情報(以下、温度センサ値Ts)を入力(取得)し、温度センサ値Tsから液晶パネル11aの温度値Tpを推定する。具体的には、制御部31は、予め記憶部31aに記憶されたデータテーブルを参照して、温度センサ値Tsに対応した液晶パネル11aの温度値Tpを読み出す。このように、液晶パネル11aの周囲温度である温度センサ値Tsから液晶パネル11aの温度値Tpを推定するようにしたのは、温度センサを直接液パネル11aの表面に設置すると表示に影響を与えるためである。なお、温度センサ値Tsは、所定周期毎に入力する複数の温度センサ値Tsを平均化処理したものであってもよい。また、筐体15内の温度と液晶パネル11aの温度を同様とみなして、温度センサ値Tsをそのまま液晶パネル11aの温度値Tpとしてもよい。

0024

次にステップS2において、制御部31は、照度センサ22から筐体15に向けられた外光SLの照度情報(以下、照度センサ値Ls)を入力(取得)し、照度センサ値Lsから外光SLによる温度上昇値Tupを推定する。具体的には、制御部31は、予め記憶部31aに記憶されたデータテーブルを参照して、照度センサ値Lsに対応した温度上昇値Tupを読み出す。なお、照度センサ値Lsは、所定周期毎に入力する複数の照度センサ値Lsを平均化処理したものであってもよい。

0025

次にステップS3において、制御部31は、ステップS1で推定した液晶パネル11aの温度値TpにステップS2で推定した外光SLによる温度上昇値Tupを加算して、温度上昇後の液晶パネル11aの予測温度値Tfを算出する。

0026

次にステップS4において、制御部31は、ステップS3で算出した液晶パネル11aの予測温度値Tfと予め記憶部31aに記憶される第1の閾値X1とを比較する。第1の閾値X1は、例えば液晶パネル11aの液晶に黒化現象が生じる温度に対してある程度低い温度値が設定される。液晶パネル11aの予測温度値Tfが第1の閾値X1以上であると判定した場合(ステップS4でYes)、制御部31はステップS5に移行する。液晶パネル11aの予測温度値Tfが第1の閾値X1未満であると判定した場合(ステップS4でNo)、制御部31はステップS14に移行する。

0027

ステップS5において、制御部31は、表示器11の光源11bの現在の輝度を記憶部31aに記憶し、その後光源11bの輝度を低下させる第1の処理を実行する。具体的には、例えば光源11bの輝度を最小輝度とする。光源11bからの照明光BLも液晶パネル11aの温度を上昇させる要因であるため、光源11bの輝度を低下することで液晶パネル11aの温度上昇が抑制される。一方で、虚像Vの輝度が低下するため、虚像Vの視認性が低下する。なお、ステップS5実行による光源11bの輝度は最小輝度に限定されるものではなく、任意に調整可能であってもよい。

0028

次にステップS6において、制御部31は、ステップS3で算出した液晶パネル11aの予測温度値Tfと予め記憶部31aに記憶される第2の閾値X2とを比較する。第2の閾値X2は第1の閾値X1よりも大きい温度値に設定される。液晶パネル11aの予測温度値Tfが第2の閾値X2以上であると判定した場合(ステップS6でYes)、制御部31はステップS7に移行する。液晶パネル11aの予測温度値Tfが第1の閾値X2未満であると判定した場合(ステップS6でNo)、制御部31はステップS15に移行する。

0029

ステップS7において、制御部31は、撮像部23から表示領域DPの第1の領域DP1を撮像した撮像パターンを取得し、また、予め記憶部31aに記憶される基準パターンを読み出す。ここで、基準パターンとは、液晶パネル11aに黒化現象などの異常が生じていない場合の第1の領域DPを示す撮像パターンであって、例えばHUD装置100の製造時に撮像部23が第1の領域DPを撮像した画像パターンを基準パターンとして記憶部31aに予め記憶しておく。

0030

次にステップS8において、制御部31は、公知の画像解析などによってステップS7で取得した撮像パターンの明度を取得し、撮像パターンの明度と読み出した基準パターンの明度との明度差が予め記憶部31aに記憶される第3の閾値X3以上であるかを判定する。液晶パネル11aの液晶に実際に黒化現象が生じると、黒化現象が生じた個所では黒化現象が生じていない通常時よりも光の透過率が低下し、撮像パターンの明度が低くなる(暗くなる)。したがって、撮像パターンと基準パターンとの明度差が予め記憶部31aに記憶される第3の閾値X3以上であると判定される場合(ステップS8でYes)、液晶パネル11aの第1の領域DP1に実際に黒化現象が生じていると推定されるため、制御部31は、ステップS9に移行する。また、撮像パターンと基準パターンとの明度差が第3の閾値X3未満であると判定される場合(ステップS8でNo)、液晶パネル11aの第1の領域DP1に実際には黒化現象が生じていないと推定されるため、制御部31は、ステップS10に移行する。なお、第3の閾値X3は、液晶の黒化現象を精度良く判定するべく、例えば光源11bが最大輝度である場合の第1の領域DP1の明度と光源11bが最小輝度である場合の第1の領域DP1の明度との差よりも大きい値が設定される。また、液晶パネル11aは中央部で温度が上昇しやすく、液晶の黒化現象も中央部から発生して周辺部に向かって拡大する傾向にあるため、第1の領域DP1は表示領域DPの中央に設けられることが望ましい。

0031

ステップS9において、制御部31は、凹面鏡13の現在の角度を記憶部31aに記憶し、その後、アクチュエータ14を制御し、外光SLが表示器11に照射されるのを回避する第2の処理を実行する。具体的には、制御部31は、アクチュエータ14を制御し、図4に示すように、凹面鏡13を外光SLが凹面鏡13によって平面鏡12を介して表示器11(液晶パネル11a)に向かうように反射されない角度(以下、非表示角度という)に調整する処理を実行する。これにより、外光SLが液晶パネル11aに照射されなくなるため、液晶パネル11aの温度が下降すると考えられる。液晶の黒化現象は、短時間であれば液晶パネル11aの温度低下とともに改善される。一方で、凹面鏡13が前記非表示角度である場合は、凹面鏡13が表示光Lをウインドシールド1aに向けて反射しなくなるため、虚像Vを表示することができなくなる(非表示状態となる)。制御部31は、ステップS9を実行した後は、ステップS7に戻って新たに撮像パターンを取得し、撮像パターンと基準パターンとの明度の比較を行う。

0032

ステップS10において、制御部31は、凹面鏡13の角度が前記非表示角度であるか否かを判定する。凹面鏡13の角度が前記非表示角度である場合(ステップS10でYes)、制御部31は、ステップS11に移行する。凹面鏡13の角度が前記非表示角度でない場合(ステップS10でNo)、制御部31は、ステップS15に移行する。

0033

ステップS11において、制御部31は、照度センサ22から照度センサ値Lsを入力する。次にステップS12において、制御部31は、照度センサ値Lsと予め記憶部31aに記憶される第4の閾値X4とを比較する。第4の閾値X4は、例えば液晶パネル11aの温度をすぐに上昇させる程度に大きな照度値が設定される。照度センサ値Lsが第4の閾値X4未満であると判定される場合(ステップS12でYes)、制御部31はステップS13に移行する。照度センサ値Lsが第4の閾値X4以上であると判定される場合(ステップS12でNo)、制御部31は再度ステップS11及びS12を実行し、ステップS13への移行を遅延させる。これにより、凹面鏡13の角度が頻繁に前記非表示角度に変更され、虚像Vの表示、非表示が頻繁に切り替えられることを防止することができる。

0034

ステップS13において、制御部31は、アクチュエータ14を制御し、表示器11への外光SLの照射を回避しない第3の処理を実行する。具体的には、制御部31は、アクチュエータ14を制御し、凹面鏡13をステップS9で記憶された、表示光Lをウインドシールド1aに向けて反射し虚像Vを表示可能な角度(以下、表示角度という)に調整する処理を実行する。ステップS13を実行した後、制御部31は、ステップS15に移行する。

0035

ステップS14において、制御部31は、光源11bの輝度をユーザが虚像Vを良好に視認可能な輝度(以下、通常輝度という)に制御する。なお、前記通常輝度は、記憶部31に予め記憶される初期値、あるいは、ステップS5において記憶される低下前輝度値である。また、前記通常輝度は外光SLの照度に応じて適宜変更されてもよい。ステップS14を実行した後、制御部31は、ステップS15に移行する。

0036

ステップS15において、制御部31は、表示器11に所定の表示画像Mを表示する。

0037

制御部31は、以上の処理を車両1のイグニッションスイッチがオフされるなどにより電源が遮断されるまで繰り返し実行する。電源が遮断される際、制御部31は、アクチュエータ14を制御し、凹面鏡13を前記非表示角度に調整することが望ましい。車両1の停止時に外光SLが表示器11に照射されて不具合が生じることを防止するためである。以上の処理により、HUD装置100は、外光SLによる温度上昇を踏まえた液晶パネル11aの予測温度値Tfが上昇すると、まず、前記第1の処理によって光源11bの輝度を低下させて虚像Vの表示を維持しつつ、液晶パネル11aの温度上昇を抑制する。そして、液晶パネル11aの予測温度値Tfがさらに上昇すると、撮像パターンから実際に液晶パネル11aに黒化現象が生じていると判定した上で前記第2の処理によって表示器11への外光SLの照射を回避して液晶パネル11aの温度上昇をより抑制する。そして、前記第2の処理後に液晶パネル11aの黒化現象が改善したと判定されると、表示器11への外光SLの照射回避を解除し、再び虚像Vを表示させる。

0038

以上のように、本実施形態におけるHUD装置100は、液晶パネル11aと液晶パネル11aに背後から照明光BLを照射する光源11bとを有し、照明光BLによって液晶パネル11aに表示画像Mを透過表示し、液晶パネル11aから表示画像Mを示す表示光Lを出射する表示器11と、表示光Lを視認者(ユーザ)の前方に配置されるウインドシールド1aに向けて反射する凹面鏡13と、表示器11を駆動制御する制御部31と、を備えるヘッドアップディスプレイ装置であって、表示器11の周囲温度(温度センサ値Ts)を取得する温度取得部(制御部31)と、外光SLの照度(照度センサ値Ls)を取得する照度取得部(制御部31)と、表示器11への外光SLの照射を回避する外光照射回避部(アクチュエータ14)をさらに備え、制御部31は、前記温度取得部が取得した前記周囲温度に基づいて液晶パネル11aの温度値Tpを推定し、前記照度取得部が取得した外光SLの照度から外光SLによる温度上昇値Tupを推定し、推定した液晶パネル11aの温度値Tpに温度上昇値Tupを加算して液晶パネル11aの予測温度値Tfを算出し、予測温度値Tfが第1の閾値X1以上であると判断した場合に光源11aの輝度を低下させる第1の処理を実行し、さらに、予測温度値Tfが第1の閾値X1よりも大きい第2の閾値X2以上であると判断した場合に前記外光照射回避部を制御し、外光SLが表示器11に照射されるのを回避する第2の処理を実行する。また、前記外光照射回避部として凹面鏡13の角度を調整するアクチュエータ14を備え、制御部31は、前記第2の処理としてアクチュエータ14を制御し、凹面鏡13を外光SLが表示器11に向かうように反射されない角度に調整する。

0039

これにより、HUD装置100は、表示器11の周囲温度と外光SLの照度とから液晶パネル11aの予測温度値Tfを得ることで外光SLの照度のみによる判断よりも精度良く実際の液晶パネル11aの状況を把握でき、また、虚像Vが非表示状態となる前記第2の処理に先立って表示が維持される前記第1の処理を実行することから、虚像Vの表示を極力維持しつつ、外光SLの入射による表示器11の不具合を回避することができる。

0040

また、HUD装置100において、液晶パネル11の表示領域DPは、表示画像Mが常に表示されない第1の領域DP1を含み、表示領域DPのうち少なくとも第1の領域DP1を撮像する撮像部23と、液晶パネル11aに異常が発生していない第1の領域DP1を示す基準画像(基準パターン)を記憶する記憶部31aと、をさらに備え、制御部31は、撮像部23が撮像した第1の領域DP1を示す撮像画像(撮像パターン)と、記憶部31aに記憶される前記基準画像とを比較し、前記撮像画像と前記基準画像との明度差が第3の閾値X3以上であると判断される場合に、前記第2の処理を実行する。
これによれば、液晶パネル11aにおける液晶の黒化現象の発生をより精度良く判定でき、虚像Vの表示を極力維持することができる。

0041

また、HUD装置100において、制御部31は、前記第2の処理を実行した後に、前記撮像画像と前記基準画像との明度差が第3の閾値X3未満であると判断される場合に前記外光照射回避部を制御し、表示器11への外光SLの照射を回避しない第3の処理を実行する。
これによれば、液晶パネル11aにおける黒化現象の改善を精度良く判定でき、虚像Vの表示を適切なタイミングで再開することができる。

0042

また、HUD装置100において、制御部31は、前記照度取得部が取得した外光SLの照度が第4の閾値X4以上であると判断した場合に、前記第3の処理の実行を遅延する。
これによれば、虚像Vの表示、非表示の切り替えが頻繁に繰り返されることを防止することができ、表示の視認性を向上することができる。

0043

なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更(構成要素の削除を含む)が可能であることは勿論である。本実施形態においては、外光照射回避部として凹面鏡13の角度を調整するアクチュエータ14を備えたが、本発明の外光照射回避部として遮光性のシャッタ遮光部材)の位置を移動や伸長などによって制御するアクチュエータ(位置調整部)を備えてもよい。この場合、制御部31は、第2の処理として、シャッタを表示器11に向かう外光SLを遮る位置(例えば表示器11から筐体15の開口部15aに到る表示光Lの光路上)に調整する処理を実行する。また、制御部31は、第3の処理として、シャッタを表示器11に向かう外光SLを遮らない位置に調整する処理を実行する。また、本実施形態においては、アクチュエータ14は反射部材として凹面鏡13の角度を調整したが、平面鏡12の角度を調整するものであってもよい。

0044

本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置に好適である。

0045

1 車両
1aウインドシールド(透過反射部)
2アイボックス
11表示器
11a液晶パネル
11b光源
12平面鏡
13凹面鏡(反射部材)
14アクチュエータ(外光照射回避部、角度調整部)
15筐体
21温度センサ
22照度センサ
23撮像部
31 制御部
31a 記憶部
100ヘッドアップディスプレイ装置
DP表示領域
DP1 第1の領域
BL照明光
L表示光
M表示画像
V 虚像

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