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技術 信号処理装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 伊藤聡宏若山俊夫
出願日 2015年6月8日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2015-115989
公開日 2017年1月5日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-003361
状態 特許登録済
技術分野 可変指向性アンテナ、アンテナ配列 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 模擬計算 荷重テーブル 到来数 判定処理回路 運用目的 荷重ベクトル 方位ずれ 方位ベクトル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (18)

課題

負荷が低い演算アダプティブアレー処理を実施することができるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれを防止することができるようにする。

解決手段

荷重データ記憶部23に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部21の判定結果及びフェーズドアレーアンテナビーム方位に対応する荷重データを取得する荷重データ取得部24を設け、DBF処理部25が、荷重データ取得部24により取得された荷重データが示すDBF荷重NULL,1〜wNULL,MをAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタル信号乗算する。

概要

背景

近年、DBF方式を利用する信号処理装置がよく用いられている。
DBF方式は、フェーズドアレーアンテナを構成しているサブアレー毎AD変換器を設けて、複数のサブアレー受信信号デジタル信号に変換し、複数のデジタル信号をデジタル信号処理アレー信号合成を行う方式である。
DBF方式では、アレー信号合成を行うことで、所望信号の利得を高めることができるほか、不要信号の利得を0に近づける処理であるNull形成の処理も可能である。

以下の非特許文献1には、複数のサブアレーの受信信号に応じてNullの形成を行うアダプティブアレー処理が開示されている。アダプティブアレー処理を実施することで、不要波の状態が変化しても、その変化に追従してNullの形成を行うことができる。
このアダプティブアレー処理は、複数のサブアレーの受信信号からDBF方式で用いる荷重ベクトルを計算し、その荷重ベクトルが示す荷重を複数のサブアレーの受信信号に乗算することが実現される。
この荷重ベクトルの計算は、複数のサブアレーの受信信号における相関行列の生成や逆行列演算などによって行われる。

概要

負荷が低い演算でアダプティブアレー処理を実施することができるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれを防止することができるようにする。荷重データ記憶部23に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部21の判定結果及びフェーズドアレーアンテナのビーム方位に対応する荷重データを取得する荷重データ取得部24を設け、DBF処理部25が、荷重データ取得部24により取得された荷重データが示すDBF荷重wNULL,1〜wNULL,MをAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタル信号に乗算する。

目的

この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、負荷が低い演算でアダプティブアレー処理を実施することができるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれを防止することができる信号処理装置を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

1つ以上の素子アンテナからなるサブアレーが複数配置されているフェーズドアレーアンテナと、前記サブアレーの受信信号の中に、既知干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する干渉電波入射有無判定部と、前記干渉電波の入射の有無と前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位との組み合わせ毎に、前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーの受信信号に乗算する荷重を示す荷重データを記憶している荷重データ記憶部と、前記荷重データ記憶部に記憶されている荷重データの中から、前記干渉電波入射有無判定部の判定結果及び前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位に対応する荷重データを取得する荷重データ取得部と、前記荷重データ取得部により取得された荷重データが示す荷重を前記複数のサブアレーの受信信号に乗算するデジタルビームフォーミング処理部とを備えた信号処理装置

請求項2

前記干渉電波入射有無判定部は、前記サブアレーの受信信号の周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出部と、既知の干渉源から放射された干渉電波が前記サブアレーにより受信された場合の前記サブアレーの受信信号の周波数スペクトルを記憶している干渉電波周波数スペクトル記憶部と、前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルと前記干渉電波周波数スペクトル記憶部に記憶されている周波数スペクトルから、前記干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数を算出する評価関数算出部と、前記評価関数算出部により算出された判定用評価関数を用いて、前記干渉電波の入射の有無を判定する判定処理部とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。

請求項3

前記干渉電波入射有無判定部は、既知の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルを記憶している荷重ベクトル記憶部と、前記サブアレーの受信信号と前記荷重ベクトル記憶部に記憶されている荷重ベクトルから、前記干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数を算出する評価関数算出部と、前記評価関数算出部により算出された判定用評価関数を用いて、前記干渉電波の入射の有無を判定する判定処理部とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。

請求項4

前記干渉電波入射有無判定部は、前記サブアレーの受信信号の周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出部と、既知の干渉源から放射された干渉電波が前記サブアレーにより受信された場合の前記サブアレーの受信信号の周波数スペクトルを記憶している干渉電波周波数スペクトル記憶部と、前記周波数スペクトル算出部により算出された周波数スペクトルと前記干渉電波周波数スペクトル記憶部に記憶されている周波数スペクトルから、前記干渉電波の入射の有無を判定するための第1の判定用評価関数を算出する第1の評価関数算出部と、既知の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルを記憶している荷重ベクトル記憶部と、前記サブアレーの受信信号と前記荷重ベクトル記憶部に記憶されている荷重ベクトルから、前記干渉電波の入射の有無を判定するための第2の判定用評価関数を算出する第2の評価関数算出部と、前記第1及び第2の評価関数算出部により算出された第1及び第2の判定用評価関数を用いて、前記干渉電波の入射の有無を判定する判定処理部とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。

請求項5

前記フェーズドアレーアンテナの開口方位を制御する開口方位制御部を備え、前記荷重データ記憶部は、前記干渉電波の入射の有無と前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位と前記フェーズドアレーアンテナの開口方位との組み合わせ毎に、前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーの受信信号に乗算する荷重を示す荷重データを記憶しており、前記荷重データ取得部は、前記荷重データ記憶部に記憶されている荷重データの中から、前記干渉電波入射有無判定部の判定結果、前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位及び前記開口方位制御部により制御された開口方位に対応する荷重データを取得することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。

請求項6

前記フェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーの受信信号を取得し、複数のビーム方位に係る前記複数のサブアレーの受信信号からクラッタマップを生成するクラッタマップ生成部と、前記クラッタマップ生成部により生成されたクラッタマップの電力分布から前記複数のサブアレーの受信信号を模擬し、その模擬した受信信号を用いて、前記荷重データ記憶部に記憶されている荷重データを修正する荷重データ修正部とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。

請求項7

前記DBF処理部によるDBF処理後のデジタル信号を用いて、観測目標測角処理を実施する際に測角スペクトルを生成するレーダ信号処理部と、前記レーダ信号処理部により生成された測角スペクトルである到来信号電力方位分布を取得する方位分布取得部と、前記方位分布取得部により取得された方位分布から前記複数のサブアレーの受信信号を模擬し、その模擬した受信信号を用いて、前記荷重データ記憶部に記憶されている荷重データを修正する荷重データ修正部とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。

請求項8

前記サブアレーの受信信号をデジタル信号に変換する複数のアナログディジタル変換器を備えていることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。

請求項9

前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーが1次元に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。

請求項10

前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーが2次元に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。

請求項11

前記フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーが3次元に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。

技術分野

0001

この発明は、フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレー受信信号をDBF(Digital Beam Forming)方式で合成する信号処理装置に関するものである。

背景技術

0002

近年、DBF方式を利用する信号処理装置がよく用いられている。
DBF方式は、フェーズドアレーアンテナを構成しているサブアレー毎AD変換器を設けて、複数のサブアレーの受信信号をデジタル信号に変換し、複数のデジタル信号をデジタル信号処理アレー信号合成を行う方式である。
DBF方式では、アレー信号合成を行うことで、所望信号の利得を高めることができるほか、不要信号の利得を0に近づける処理であるNull形成の処理も可能である。

0003

以下の非特許文献1には、複数のサブアレーの受信信号に応じてNullの形成を行うアダプティブアレー処理が開示されている。アダプティブアレー処理を実施することで、不要波の状態が変化しても、その変化に追従してNullの形成を行うことができる。
このアダプティブアレー処理は、複数のサブアレーの受信信号からDBF方式で用いる荷重ベクトルを計算し、その荷重ベクトルが示す荷重を複数のサブアレーの受信信号に乗算することが実現される。
この荷重ベクトルの計算は、複数のサブアレーの受信信号における相関行列の生成や逆行列演算などによって行われる。

先行技術

0004

アダプティブアンテナ技術」間信良著 2003年オーム社発行

発明が解決しようとする課題

0005

従来の信号処理装置は以上のように構成されているので、不要波の状態が変化しても、その変化に追従してNullの形成を行うことができる。しかし、複数のサブアレーの受信信号に応じてNullの形成を行うアダプティブアレー処理を実施する際、複数のサブアレーの受信信号からDBF方式で用いる荷重ベクトルを計算する必要があり、この荷重ベクトルの計算を行うには、相関行列の生成や逆行列演算などの負荷が高い演算を行う必要がある課題があった。
また、所望信号の到来方位電力と、不要波の到来方位、到来数や電力の関係によっては、アダプティブアレー処理によって得られるアンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位がずれてしまうことがあるという課題があった。

0006

この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、負荷が低い演算でアダプティブアレー処理を実施することができるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれを防止することができる信号処理装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

この発明に係る信号処理装置は、1つ以上の素子アンテナからなるサブアレーが複数配置されているフェーズドアレーアンテナと、サブアレーの受信信号の中に、既知干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する干渉電波入射有無判定部と、干渉電波の入射の有無とフェーズドアレーアンテナのビーム方位との組み合わせ毎に、フェーズドアレーアンテナを構成している複数のサブアレーの受信信号に乗算する荷重を示す荷重データを記憶している荷重データ記憶部と、荷重データ記憶部に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部の判定結果及びフェーズドアレーアンテナのビーム方位に対応する荷重データを取得する荷重データ取得部とを設け、デジタルビームフォーミング処理部が、荷重データ取得部により取得された荷重データが示す荷重を複数のサブアレーの受信信号に乗算するようにしたものである。

発明の効果

0008

この発明によれば、荷重データ記憶部に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部の判定結果及びフェーズドアレーアンテナのビーム方位に対応する荷重データを取得する荷重データ取得部を設け、デジタルビームフォーミング処理部が、荷重データ取得部により取得された荷重データが示す荷重を複数のサブアレーの受信信号に乗算するように構成したので、負荷が低い演算でアダプティブアレー処理を実施することができるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれを防止することができる効果がある。

図面の簡単な説明

0009

この発明の実施の形態1による信号処理装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態1による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合のハードウェア構成図である。
この発明の実施の形態1による信号処理装置の処理内容を示すフローチャートである。
デジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部21を示す構成図である。
この発明の実施の形態2による信号処理装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態2による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
デジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部60を示す構成図である。
この発明の実施の形態3による信号処理装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態3による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
デジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部80を示す構成図である。
この発明の実施の形態4による信号処理装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態4による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
この発明の実施の形態5による信号処理装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態5による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
この発明の実施の形態6による信号処理装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態6による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。

実施例

0010

以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面にしたがって説明する。

0011

実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による信号処理装置を示す構成図であり、図2はこの発明の実施の形態1による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
この信号処理装置は、レーダ装置として使用されるものを想定しており、この信号処理装置に入射される不要波として、他のレーダ装置、あるいは、電波塔などの既知の固定の電波源から放射される信号と、自身が放射している送信信号建造物や山などに反射された信号であるグランドクラッタとを想定している。
図1の信号処理装置では、信号の受信系統のみを示しているが、この信号処理装置は信号の送信系統実装しており、信号の送信処理も実施する。ただし、この信号処理装置においては、信号の送信処理は必須の処理ではなく、別の信号処理装置が実施するものであってもよい。

0012

図1及び図2において、信号処理装置はアンテナ装置1とデジタル信号処理部2から構成されている。
アンテナ装置1はサブアレー11−1〜11−MとRF部12−1〜12−MとAD変換器13−1〜13−Mから構成されている。Mは1以上の整数である。
サブアレー11−1〜11−Mは少なくとも1つ以上の素子アンテナから構成されており、各々の素子アンテナにより受信された信号の合成信号がサブアレー11−1〜11−Mの受信信号として出力される。
図1の例では、M個のサブアレー11−1〜11−Mが1次元に配置されており、M個のサブアレー11−1〜11−Mがフェーズドアレーアンテナを構成している。
図1では、M個のサブアレー11−1〜11−Mが1次元に配置されている例を示しているが、M個のサブアレー11−1〜11−Mが2次元又は3次元に配置されているものであってもよい。

0013

RF部12−1〜12−Mはサブアレー11−1〜11−Mの受信信号の周波数ベースバンド信号の周波数に変換する。
AD変換器13−1〜13−MはRF部12−1〜12−Mにより周波数が変換された受信信号をデジタル信号に変換して、そのデジタル信号をデジタル信号処理部2に出力するアナログディジタル変換器である。

0014

デジタル信号処理部2は干渉電波入射有無判定部21、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部23、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26から構成されている。
干渉電波入射有無判定部21は例えばCPU(Central Processing Unit)を実装している半導体集積回路ワンチップマイコンなどから構成されている判定処理回路31で実現されるものであり、m番目のAD変換器13−mから出力されたデジタル信号の中に、既知の干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する処理を実施する。
図1では、干渉電波入射有無判定部21が、m番目のAD変換器13−mから出力されたデジタル信号を受ける例を示しているが、AD変換器13−1〜13−Mのうち、いずれかの1つのAD変換器13から出力されたデジタル信号を受けることができればよく、m番目のAD変換器13−mから出力されたデジタル信号を受けるものに限るものではない。

0015

ビーム方位情報受信部22は例えばインターネットやLAN(Local Area Network)などの伝送路に対するインタフェースであるネットワーク機器32で実現されるものであり、例えば、外部装置から伝送路を介してビーム方位を示すビーム方位情報を受信すると、そのビーム方位情報を荷重データ取得部24に出力する処理を実施する。
荷重データ記憶部23は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置33で実現されるものであり、既知の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無と、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位との組み合わせ毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタル信号に乗算する荷重を示す荷重データを記憶している。

0016

荷重データ取得部24は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているデータ取得処理回路34で実現されるものであり、荷重データ記憶部23に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部21の判定結果及びビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位に対応する荷重データを取得する処理を実施する。

0017

DBF処理部(デジタルビームフォーミング処理部)25は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているDBF処理回路35で実現されるものであり、荷重データ取得部24により取得された荷重データが示す荷重をAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタル信号に乗算するDBF処理を実施する。
レーダ信号処理部26は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているレーダ信号処理回路36で実現されるものであり、DBF処理部25によるDBF処理後のデジタル信号を用いて、一般的なレーダ信号処理として、目標検出処理、目標までの距離や測角の処理などを実施する。

0018

図1の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部21、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部23、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
図3はデジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合のハードウェア構成図である。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部23をコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部21、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図4はこの発明の実施の形態1による信号処理装置の処理内容を示すフローチャートである。

0019

図5はデジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部21を示す構成図である。
図5において、周波数スペクトル算出部51はm番目のAD変換器13−mから出力されたデジタル信号をフーリエ変換することで、サブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルを算出する処理を実施する。
干渉電波周波数スペクトル記憶部52は既知の干渉源から放射された干渉電波がサブアレー11−mにより受信された場合のサブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルを記憶している。

0020

評価関数算出部53は周波数スペクトル算出部51により算出された周波数スペクトルと干渉電波周波数スペクトル記憶部52に記憶されている周波数スペクトルから、干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数を算出する処理を実施する。
判定処理部54は評価関数算出部53により算出された判定用評価関数を用いて、干渉電波の入射の有無を判定する処理を実施する。

0021

次に動作について説明する。
この実施の形態1では、既知の干渉源から干渉電波が放射された場合、その干渉電波が放射されてくる方位に、DBF方式でNullを形成することを想定しているが、既知の干渉源がレーダである場合、その干渉源から放射される電波の方位が時々刻々と変動し、その電波が本信号処理装置のフェーズドアレーアンテナに入射されないこともある。
DBF方式でNullを形成する場合、観測目標がNullの形成方位に存在していると、観測目標からの到来信号である所望信号が抑圧されてしまう。そのため、干渉源から放射される電波がフェーズドアレーアンテナに入射されない状況下では、Nullの形成を行わないことが望ましい。

0022

この実施の形態1では、既知のN(Nは1以上の整数)個の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無と、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位との組み合わせ毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタル信号に乗算するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを示す荷重データが事前に計算されており、その組み合わせ毎の荷重データを示すDBF荷重テーブルがデジタル信号処理部2の荷重データ記憶部23に記憶されているものとする(図4のステップST1)。
ここでは、既知の干渉源の個数がN個であるとしているので、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位の切換数がPであるとすれば、N×P個の荷重データが計算されて、N×P個の荷重データがテーブル化される。
DBF荷重テーブルの生成方法は特に問わないが、例えば、以下に示すような方法がある。

0023

(1)1つ目の生成方法
既知の干渉源の設置位置の情報と、グランドクラッタ源の位置を示す地形データとを用いて、サブアレー11−1〜11−Mで受信される信号、即ち、干渉波とグランドクラッタが混在している受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬計算し、その受信信号x1’(t)〜xM’(t)に含まれている干渉波とグランドクラッタが十分に抑圧されるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得が十分に高くて、メインローブの方位が所望の方位と一致するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する。
各々のDBFビーム方位と、各々の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無との全ての組み合わせについて、DBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mの計算を行うことで、DBF荷重テーブルを生成する。

0024

なお、模擬計算した受信信号x1’(t)〜xM’(t)からDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する処理として、既存のアダプティブアレー処理のアルゴリズムを用いることができる。例えば、上記の非特許文献1に記載されているDCMP(Directionally Constrained Minimization of Power)や、以下の非特許文献2に記載されている射影法などを用いることができる。
[非特許文献2]
紀平一成他,“信号部分空間ブラインド抽出によるレーダ用アダプティブアレーアンテナ,”信学論 B, Vol.J88-B,°No.9,pp.1752-1759,2005.

0025

(2)2つ目の生成方法
既知の干渉源から放射された干渉波とグランドクラッタが混在している受信信号x1’(t)〜xM’(t)を実際に受信し、その受信信号x1’(t)〜xM’(t)からDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する。
ただし、干渉波とグランドクラッタが混在している受信信号x1’(t)〜xM’(t)の受信処理は、観測目標がレーダの観測領域に存在しない状況で行う必要がある。
各々のDBFビーム方位と、各々の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無との全ての組み合わせについて、DBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mの計算を行うことで、DBF荷重テーブルを生成する。

0026

1つ目の生成方法と2つ目の生成方法を組み合わせた方法を用いることもできる。
例えば、グランドクラッタのみが受信される状況で受信信号を受信し、また、既知の干渉源の設置位置の情報から受信信号を模擬計算し、双方の受信信号を合成して、その合成信号からDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算するものがある。

0027

本信号処理装置又は別の信号処理装置がレーダ信号を送信すると、観測目標等に反射されたレーダ信号の反射波が、フェーズドアレーアンテナを構成しているサブアレー11−1〜11−Mに受信される(ステップST2)。
また、干渉源から放射される干渉電波が入射されていれば、その干渉電波がレーダ信号の反射波と一緒にサブアレー11−1〜11−Mに受信される(ステップST2)。
サブアレー11−1〜11−Mの受信信号x1(t)〜xM(t)は、下記の式(1)のように表される。



式(1)において、xm(t)はm番目のサブサレー11−mの受信信号を示しており、添字のTは転置を表している。

0028

RF部12−1〜12−Mは、サブアレー11−1〜11−Mの受信信号x1(t)〜xM(t)を受けると、その受信信号x1(t)〜xM(t)の周波数をベースバンド信号の周波数に変換し、周波数変換後の受信信号x1(t)〜xM(t)をAD変換器13−1〜13−Mに出力する。
AD変換器13−1〜13−Mは、RF部12−1〜12−Mから周波数変換後の受信信号x1(t)〜xM(t)を受けると、その受信信号x1(t)〜xM(t)をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号をデジタル信号処理部2に出力する。

0029

デジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部21は、m番目のAD変換器13−mから出力されたデジタルの受信信号xm(t)を受けると、その受信信号xm(t)の中に、既知の干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する。即ち、既知の干渉源から放射された干渉電波がフェーズドアレーアンテナに入射されているか否かを判定する(ステップST3)。
以下、干渉電波入射有無判定部21の判定処理を具体的に説明する。
この実施の形態1では、既知の干渉源の数がN個として、n番目の干渉源から放射された干渉電波がフェーズドアレーアンテナに入射されているか否かの判定処理について説明する。

0030

干渉電波入射有無判定部21の周波数スペクトル算出部51は、m番目のAD変換器13−mからデジタルの受信信号xm(t)を受けると、そのデジタルの受信信号xm(t)をフーリエ変換することで、そのデジタルの受信信号xm(t)の周波数スペクトルXm(f)を算出する。



式(2)において、FT[]はフーリエ変換を表している。

0031

この実施の形態1では、干渉電波周波数スペクトル記憶部52には、n番目の干渉源から放射された干渉電波がサブアレー11−mにより受信された場合のサブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルRn(f)が記憶されているものとする。
周波数スペクトルRn(f)は、干渉源から放射される干渉電波の波形周波数等の情報から数値計算によって生成することが可能である。また、干渉源から放射される干渉電波を受信すれば、その干渉電波の受信信号から生成することも可能である。

0032

評価関数算出部53は、周波数スペクトル算出部51が受信信号xm(t)の周波数スペクトルXm(f)を算出すると、その周波数スペクトルXm(f)と干渉電波周波数スペクトル記憶部52に記憶されている周波数スペクトルRn(f)から、下記の式(3)に示すように、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数gm,n(t)を算出する。



式(3)において、FT−1[]は逆フーリエ変換、添字の*は複素共役を表している。

0033

判定処理部54は、評価関数算出部53が判定用評価関数gm,n(t)を算出すると、その判定用評価関数gm,n(t)の信号強度(あるいは電力)を算出し、下記の式(4)に示すように、判定用評価関数gm,n(t)の信号強度が事前に設定された閾値αn以上であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていると判定する。一方、判定用評価関数gm,n(t)の信号強度が閾値αn未満であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていないと判定する。



式(4)において、E[]は判定用評価関数gm,n(t)の信号強度である。

0034

上記の式(3)及び式(4)を用いた処理は、干渉源が既知の電波源であることを利用して、干渉源から放射される干渉電波に対する整合フィルタを形成しており、その整合フィルタの出力信号の強度あるいは電力で、干渉源から放射される干渉電波の入射の有無を判定する処理となっている。
式(3)及び式(4)を用いた処理は、複素フーリエ変換と複素積和演算程度の計算であり、例えば、高速フーリエ変換であるFFT(Fast Fourier Transform)を利用すれば、高速に処理可能である。従来のアダプティブアレー処理で行われる複数のサブアレーの受信信号における相関行列の生成や逆行列演算などと比較して、演算負荷が小さいものとなっている。
ここでは、整合フィルタを用いて、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定する例を示しているが、例えば、干渉波源から放射された干渉電波の信号帯域を通過するバンドパスフィルタであるBPF(Band Pass Filter)を生成し、そのBPFの出力電力を用いて、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定する簡易な構成であってもよい。

0035

デジタル信号処理部2のビーム方位情報受信部22は、例えば、外部装置から伝送路を介してビーム方位を示すビーム方位情報を受信すると、そのビーム方位情報を荷重データ取得部24に出力する(ステップST4)。
デジタル信号処理部2の荷重データ取得部24は、荷重データ記憶部23に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部21の判定結果及びビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位に対応する荷重データを取得する(ステップST5)。
例えば、干渉電波入射有無判定部21の判定結果が、N個の干渉源から放射された干渉電波のうち、2番目と5番目の干渉源から放射された干渉電波だけが入射されている旨を示しており、また、ビーム方位情報が示すビーム方位がθであれば、荷重データ記憶部23に記憶されている2N×P個の荷重データの中から、2番目と5番目の干渉源から放射された干渉電波が入射(他の干渉源から放射された干渉電波が非入射)で、かつ、ビーム方位θに対応している荷重データを取得する。

0036

デジタル信号処理部2のDBF処理部25は、荷重データ取得部24が荷重データを取得すると、その荷重データが示すDBF荷重wNULL,1〜wNULL,MをAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)、即ち、式(1)によって表される受信信号x(t)に乗算するDBF処理を実施する(ステップST6)。
このDBF処理が実施されることで、下記の式(5)に示すように、不要波が抑圧されたDBF処理後の信号y(t)が生成される。



式(5)において、添字のHは複素共役転置を表している。
なお、実際のDBF処理では、複数の方位に並列処理的にDBMビームを形成することもある。その場合には、各ビーム方位に対応するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを取得することで、並列処理で複数のDBF処理後の信号y(t)を生成することも可能である。
なお、図4においては、既知の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無の判定処理からDBF処理までの一連の処理をセミアダプティブアレー処理と呼んでいる。

0037

レーダ信号処理部26は、DBF処理部25がDBF処理後の信号y(t)を生成すると、DBF処理後の信号y(t)を用いて、一般的なレーダ信号処理として、目標の検出処理、目標までの距離や測角の処理などを実施する(ステップST7)。
このレーダ信号処理の内容は、本装置を用いるレーダ装置自体の運用目的によって異なるものである。
以降、信号処理装置では、ステップST2〜ST7の処理が繰り返し実施される。

0038

以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、荷重データ記憶部23に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部21の判定結果及びビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位に対応する荷重データを取得する荷重データ取得部24を設け、DBF処理部25が、荷重データ取得部24により取得された荷重データが示すDBF荷重wNULL,1〜wNULL,MをAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)に乗算するように構成したので、負荷が低い演算でアダプティブアレー処理を実施することができるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれを防止することができる効果を奏する。
即ち、荷重データ記憶部23に記憶されている荷重データは、受信信号x1(t)〜xM(t)に含まれている干渉波とグランドクラッタが十分に抑圧されるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得が十分に高くて、メインローブの方位が所望の方位と一致するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを事前に計算しているものであるため、所望信号や不要波が変化しても、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれが発生することはない。

0039

実施の形態2.
上記実施の形態1では、干渉電波入射有無判定部21が、サブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルに着目して、干渉電波の入射の有無を判定するものを示したが、既知の干渉源の方位に着目して、干渉電波の入射の有無を判定するようにしてもよい。

0040

図6はこの発明の実施の形態2による信号処理装置を示す構成図であり、図7はこの発明の実施の形態2による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
図6及び図7において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
干渉電波入射有無判定部60は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されている判定処理回路71で実現されるものであり、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタル信号の中に、既知の干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する処理を実施する。

0041

図6の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部60、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部23、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部23を図3に示すコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部60、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。

0042

図8はデジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部60を示す構成図である。
図8において、荷重ベクトル記憶部61はN個の既知の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルw1〜wNを記憶している。
評価関数算出部62はAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)と荷重ベクトル記憶部61に記憶されている荷重ベクトルw1〜wNから、既知の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数f1(t)〜fN(t)を算出する処理を実施する。
判定処理部63は評価関数算出部62により算出された判定用評価関数f1(t)〜fN(t)を用いて、干渉電波の入射の有無を判定する処理を実施する。

0043

次に動作について説明する。
ただし、干渉電波入射有無判定部60以外は、上記実施の形態1と同様であるため、干渉電波入射有無判定部60の処理内容についてのみ説明する。
ここでは、説明の便宜、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無の判定処理について説明する。

0044

干渉電波入射有無判定部60の荷重ベクトル記憶部61には、下記の式(6)に示すようなn番目の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルwnが事前に記憶されている。



式(6)において、d1〜dMはサブアレー11−1〜11−Mの位置ベクトル、λは波長である。
また、unはn番目の干渉源から放射される干渉電波の方位ベクトルであり、n番目の干渉源は既知の電波源であるため、干渉電波の方位ベクトルunも既知である。

0045

評価関数算出部62は、AD変換器13−1〜13−Mからデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)を受けると、即ち、式(1)によって表される受信信号x(t)を受けると、その受信信号x(t)と荷重ベクトル記憶部61に記憶されているn番目の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルwnから、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数fn(t)を算出する。

0046

判定処理部63は、評価関数算出部62が判定用評価関数fn(t)を算出すると、その判定用評価関数fn(t)の信号強度(あるいは電力)を算出し、下記の式(8)に示すように、判定用評価関数fn(t)の信号強度が事前に設定された閾値βn以上であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていると判定する。一方、判定用評価関数fn(t)の信号強度が閾値βn未満であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていないと判定する。



式(8)において、E[]は判定用評価関数fn(t)の信号強度である。

0047

実施の形態3.
上記実施の形態1では、干渉電波入射有無判定部21が、サブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルに着目して、干渉電波の入射の有無を判定し、上記実施の形態2では、干渉電波入射有無判定部60が、既知の干渉源の方位に着目して、干渉電波の入射の有無を判定するものを示したが、周波数スペクトルと干渉源の方位の両方に着目して、干渉電波の入射の有無を判定するようにしてもよい。

0048

図9はこの発明の実施の形態3による信号処理装置を示す構成図であり、図10はこの発明の実施の形態3による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
図9及び図10において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
干渉電波入射有無判定部80は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されている判定処理回路72で実現されるものであり、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)の中に、既知の干渉源から放射された干渉電波が含まれているか否かを判定する処理を実施する。

0049

図9の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部23、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部23を図3に示すコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部24、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。

0050

図11はデジタル信号処理部2の干渉電波入射有無判定部80を示す構成図である。
図11において、図5及び図8と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
判定処理部81は評価関数算出部53により算出された判定用評価関数と評価関数算出部62により算出された判定用評価関数を用いて、干渉電波の入射の有無を判定する処理を実施する。
この実施の形態3では、評価関数算出部53が第1の評価関数算出部を構成し、評価関数算出部62が第2の評価関数算出部を構成している。

0051

次に動作について説明する。
干渉電波入射有無判定部80の周波数スペクトル算出部51は、AD変換器13−1〜13−Mからデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)を受けると、そのデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)をフーリエ変換することで、そのデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)の周波数スペクトルX1(f)〜XM(f)を算出する。
上記実施の形態1では、m番目の受信信号xmの周波数スペクトルXm(f)だけを算出しているが、この実施の形態3では、M個の受信信号x1(t)〜xM(t)の周波数スペクトルX1(f)〜XM(f)を算出している点で相違している。

0052

この実施の形態3では、干渉電波周波数スペクトル記憶部52には、n番目の干渉源から放射された干渉電波がサブアレー11−mにより受信された場合のサブアレー11−mの受信信号の周波数スペクトルRn(f)が記憶されるだけでなく、M個のサブアレー11−1〜11−Mにより受信された場合のサブアレー11−1〜11−Mの受信信号の周波数スペクトルRn(f)が記憶されているものとする。

0053

評価関数算出部53は、周波数スペクトル算出部51が受信信号x1(t)〜xM(t)の周波数スペクトルX1(f)〜XM(f)を算出すると、その周波数スペクトルX1(f)〜XM(f)と干渉電波周波数スペクトル記憶部52に記憶されている周波数スペクトルRn(f)から、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数g1,n(t)〜gM,n(t)を算出する。この判定用評価関数g1,n(t)〜gM,n(t)の算出処理自体は、上記実施の形態1と同様であり、式(3)を用いて算出する。
評価関数算出部53は、M個の判定用評価関数g1,n(t)〜gM,n(t)を算出すると、下記の式(9)に示すように、M個の判定用評価関数g1,n(t)〜gM,n(t)から判定用評価関数gn(t)を算出する。

0054

評価関数算出部62は、AD変換器13−1〜13−Mからデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)を受けると、即ち、式(1)によって表される受信信号x(t)を受けると、上記実施の形態2と同様に、式(7)を用いて、その受信信号x(t)と荷重ベクトル記憶部61に記憶されているn番目の干渉源の方位に対応する荷重ベクトルwnから、n番目の干渉源から放射された干渉電波の入射の有無を判定するための判定用評価関数fn(t)を算出する。

0055

判定処理部81は、評価関数算出部53が判定用評価関数gn(t)を算出し、評価関数算出部62が判定用評価関数fn(t)を算出すると、下記の式(10)に示すように、その判定用評価関数gn(t)と判定用評価関数fn(t)から最終的な判定用評価関数hn(t)を算出する。

0056

判定処理部81は、最終的な判定用評価関数hn(t)を算出すると、その判定用評価関数hn(t)の信号強度(あるいは電力)を算出し、下記の式(11)に示すように、判定用評価関数hn(t)の信号強度が事前に設定された閾値γn以上であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていると判定する。一方、判定用評価関数hn(t)の信号強度が閾値γn未満であれば、n番目の干渉源から放射された干渉電波が入射されていないと判定する。



式(11)において、E[]は判定用評価関数hn(t)の信号強度である。

0057

以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、周波数スペクトルと干渉源の方位の両方に着目して、干渉電波の入射の有無を判定するようにしているので、上記実施の形態1,2よりも、干渉電波の入射の有無の判定精度を高めることができる効果を奏する。

0058

実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、DBF処理部25がDBF荷重wNULL,1〜wNULL,MをAD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)に乗算するDBF処理を実施することで、フェーズドアレーアンテナのビーム方位を電子的に制御するものを示したが、ビーム方位を電子的に制御するものに加えて、フェーズドアレーアンテナのアンテナ開口物理的に制御する機構が実装されているものであってもよい。

0059

図12はこの発明の実施の形態4による信号処理装置を示す構成図であり、図13はこの発明の実施の形態4による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
図12及び図13において、図9及び図10と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
開口方位制御部90はフェーズドアレーアンテナを機械的に駆動するモータなどの駆動機構を備えており、そのフェーズドアレーアンテナの開口方位を制御する。
開口方位制御部90が備える駆動機構としては、例えば、方位角方向に対する1次元の回転機構や、2次元的な駆動機構などが考えられる。

0060

荷重データ記憶部91は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置73で実現されるものであり、既知の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無と、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位と、フェーズドアレーアンテナの開口方位との組み合わせ毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)に乗算する荷重を示す荷重データを記憶している。
荷重データ取得部92は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているデータ取得処理回路74で実現されるものであり、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部80の判定結果、ビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位及び開口方位制御部90により制御された開口方位に対応する荷重データを取得する処理を実施する。

0061

図12の信号処理装置は、図9の信号処理装置に対して、開口方位制御部90、荷重データ記憶部91及び荷重データ取得部92を適用している例を示しているが、図1又は図6の信号処理装置に対して、開口方位制御部90、荷重データ記憶部91及び荷重データ取得部92を適用してもよい。

0062

図12の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部91、荷重データ取得部92、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部91を図3に示すコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部92、DBF処理部25及びレーダ信号処理部26の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。

0063

次に動作について説明する。
開口方位制御部90は、フェーズドアレーアンテナを機械的に駆動するモータなどの駆動機構を備えており、そのフェーズドアレーアンテナの開口方位を制御する。
開口方位制御部90がフェーズドアレーアンテナの開口方位を制御することで、フェーズドアレーアンテナのビーム方位が変化する。
したがって、この実施の形態4では、DBF処理部25によるDBF処理の実施によって、フェーズドアレーアンテナのビーム方位が電子的に変化するとともに、開口方位制御部90によるフェーズドアレーアンテナの開口方位の物理的な制御によって、フェーズドアレーアンテナのビーム方位が変化する。

0064

このため、既知のN個の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無と、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位と、フェーズドアレーアンテナの開口方位との組み合わせ毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)に乗算するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを示す荷重データが事前に計算されており、その組み合わせ毎の荷重データを示すDBF荷重テーブルがデジタル信号処理部2の荷重データ記憶部91に記憶されているものとする。
ここでは、既知の干渉源の個数がN個であるとしているので、DBF処理部25により電子的に切り換えられるビーム方位の切換数がPであり、開口方位制御部90により切り換えられる開口方位の切換数がQであるとすれば、2N×P×Q個の荷重データが計算されて、2N×P×Q個の荷重データがテーブル化される。

0065

デジタル信号処理部2の荷重データ取得部92は、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部80の判定結果、ビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位及び開口方位制御部90により制御された開口方位に対応する荷重データを取得する。
例えば、干渉電波入射有無判定部80の判定結果が、N個の干渉源から放射された干渉電波のうち、3番目の干渉源から放射された干渉電波だけが入射されている旨を示しており、また、ビーム方位情報が示すビーム方位がθであって、開口方位制御部90により制御された開口方位がφであるとすれば、荷重データ記憶部91に記憶されているN×P×Q個の荷重データの中から、3番目の干渉源から放射された干渉電波が入射(他の干渉源から放射された干渉電波が非入射)で、ビーム方位θ及び開口方位φに対応している荷重データを取得する。
その他の処理は、上記実施の形態1〜3と同様であるため詳細な説明を省略する。

0066

以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、荷重データ取得部92が、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データの中から、干渉電波入射有無判定部80の判定結果、ビーム方位情報受信部22から出力されたビーム方位情報が示すビーム方位及び開口方位制御部90により制御された開口方位に対応する荷重データを取得するように構成したので、フェーズドアレーアンテナの開口方位が物理的に制御される場合でも、上記実施の形態1〜3と同様に、負荷が低い演算でアダプティブアレー処理を実施することができるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の低下や方位ずれを防止することができる効果を奏する。

0067

実施の形態5.
上記実施の形態1〜4では、事前に荷重データが荷重データ記憶部23,91に記憶されているものを示したが、荷重データ記憶部23,91に記憶されている荷重データが修正されるようにしてもよい。

0068

図14はこの発明の実施の形態5による信号処理装置を示す構成図であり、図15はこの発明の実施の形態5による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
図14及び図15において、図12及び図13と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
クラッタマップ生成部93は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているマップ生成処理回路75で実現されるものであり、DBF処理部25又は開口方位制御部90によりフェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)を取得し、複数のビーム方位に係る受信信号x1(t)〜xM(t)からクラッタマップを生成する処理を実施する。

0069

荷重データ修正部94は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているデータ修正処理回路76で実現されるものであり、クラッタマップ生成部93により生成されたクラッタマップの電力分布から複数のサブアレーの受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬し、その模擬した受信信号x1’(t)〜xM’(t)を用いて、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正する処理を実施する。

0070

図14の信号処理装置は、図12の信号処理装置に対して、クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94を適用している例を示しているが、図1図6又は図9の信号処理装置に対して、クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94を適用してもよい。

0071

図14の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部91、荷重データ取得部92、DBF処理部25、レーダ信号処理部26、クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部91を図3に示すコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部92、DBF処理部25、レーダ信号処理部26、クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。

0072

次に動作について説明する。
クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94を実装している点以外は、上記実施の形態4と同様であるため、クラッタマップ生成部93及び荷重データ修正部94の処理内容だけを説明する。

0073

クラッタマップ生成部93は、DBF処理部25又は開口方位制御部90によりフェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)を取得し、複数のビーム方位に係る受信信号x1(t)〜xM(t)からクラッタマップを生成する。
複数のビーム方位に係る受信信号x1(t)〜xM(t)からクラッタマップを生成する処理自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
ここでは、クラッタマップ生成部93が、フェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)を取得して、複数のビーム方位に係る受信信号x1(t)〜xM(t)からクラッタマップを生成する例を示しているが、フェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、DBF処理部25によるDBF処理後の信号y(t)を取得して、複数のビーム方位に係るDBF処理後の信号y(t)からクラッタマップを生成するようにしてもよい。
ただし、複数のビーム方位に係るDBF処理後の信号y(t)からクラッタマップを生成する場合、DBF処理によって、アンテナパターンにおけるメインローブの利得が高められていても、Null形成の処理は行われていないものとする。即ち、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正する処理を行う際には、DBF処理部25によってNull形成の処理が行われていないものとする。

0074

荷重データ修正部94は、クラッタマップ生成部93がクラッタマップを生成すると、そのクラッタマップの電力分布から複数のサブアレーの受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬する。
このクラッタマップから、既知の干渉源の設置位置とグランドクラッタ源の位置とが分かるので、既知の干渉源から放射される干渉波とグランドクラッタが混在している受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬計算することができる。
荷重データ修正部94は、受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬計算すると、その受信信号x1’(t)〜xM’(t)に含まれている干渉波とグランドクラッタが十分に抑圧されるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得が十分に高くて、メインローブの方位が所望の方位と一致するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する。
各々のDBFビーム方位と、各々の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無との全ての組み合わせについて、DBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mの計算を行うことで、DBF荷重テーブルを生成する。

0075

荷重データ修正部94は、DBF荷重テーブルを生成すると、そのDBF荷重テーブルを荷重データ記憶部91に上書き保存する。
なお、模擬計算した受信信号x1(t)〜xM(t)からDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する処理として、既存のアダプティブアレー処理のアルゴリズムを用いることができる。例えば、上記の非特許文献1に記載されているDCMPや、上記の非特許文献2に記載されている射影法などを用いることができる。

0076

以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、DBF処理部25又は開口方位制御部90によりフェーズドアレーアンテナのビーム方位が切り換えられる毎に、AD変換器13−1〜13−Mから出力されたデジタルの受信信号x1(t)〜xM(t)を取得し、複数のビーム方位に係る受信信号x1(t)〜xM(t)からクラッタマップを生成するクラッタマップ生成部93を設け、荷重データ修正部94が、クラッタマップ生成部93により生成されたクラッタマップの電力分布から複数のサブアレーの受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬し、その模擬した受信信号x1’(t)〜xM’(t)を用いて、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正するように構成したので、上記実施の形態4よりも、高精度な荷重データを用いて、DFB処理を実施することができる効果を奏する。したがって、更に干渉波とグランドクラッタを抑圧して、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の向上等を図ることができる。

0077

実施の形態6.
上記実施の形態5では、クラッタマップの電力分布から複数のサブアレーの受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬するものを示したが、レーダ信号処理部26により生成された測角スペクトルである到来信号電力の方位分布を取得し、その方位分布から複数のサブアレーの受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬するようにしてもよい。

0078

図16はこの発明の実施の形態6による信号処理装置を示す構成図であり、図17はこの発明の実施の形態6による信号処理装置のデジタル信号処理部2を示すハードウェア構成図である。
図16及び図17において、図12及び図13と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
方位分布取得部95は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されている方位分布取得処理回路77で実現されるものであり、レーダ信号処理部26により観測目標の測角処理が実施される際に生成された測角スペクトルである到来信号電力の方位分布を取得する処理を実施する。
荷重データ修正部96は例えばCPUを実装している半導体集積回路やワンチップマイコンなどから構成されているデータ修正処理回路78で実現されるものであり、方位分布取得部95により取得された到来信号電力の方位分布から複数のサブアレーの受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬し、その模擬した受信信号x1’(t)〜xM’(t)を用いて、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正する処理を実施する。

0079

図16の信号処理装置は、図12の信号処理装置に対して、方位分布取得部95及び荷重データ修正部96を適用している例を示しているが、図1図6又は図9の信号処理装置に対して、方位分布取得部95及び荷重データ修正部96を適用してもよい。

0080

図16の例では、デジタル信号処理部2の構成要素である干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ記憶部91、荷重データ取得部92、DBF処理部25、レーダ信号処理部26、方位分布取得部95及び荷重データ修正部96のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、デジタル信号処理部2がコンピュータで構成されていてもよい。
デジタル信号処理部2がコンピュータで構成される場合、荷重データ記憶部91を図3に示すコンピュータのメモリ41上に構成するとともに、干渉電波入射有無判定部80、ビーム方位情報受信部22、荷重データ取得部92、DBF処理部25、レーダ信号処理部26、方位分布取得部95及び荷重データ修正部96の処理内容を記述しているプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。

0081

次に動作について説明する。
方位分布取得部95及び荷重データ修正部96を実装している点以外は、上記実施の形態4と同様であるため、方位分布取得部95及び荷重データ修正部96の処理内容だけを説明する。

0082

方位分布取得部95は、レーダ信号処理部26により観測目標の測角処理が実施される際に生成された測角スペクトルである到来信号電力の方位分布を取得する。
観測目標の測角処理が実施される際に測角スペクトルが生成されることは、レーダ信号処理において、一般的なことであるため、測角スペクトルの生成処理については詳細な説明を省略する。
測角スペクトルは、各ビーム方位から到来する信号の信号強度や電力を示す方位分布である。
なお、この実施の形態6では、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正する処理を行う際には、DBF処理部25によってNull形成の処理が行われていないものとする。したがって、レーダ信号処理部26では、Null形成の処理が行われていないDBF処理後の信号y(t)を用いて、観測目標の測角処理を実施して測角スペクトルを生成している。

0083

荷重データ修正部96は、方位分布取得部95が測角スペクトルである到来信号電力の方位分布を取得すると、その方位分布から複数のサブアレーの受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬し、その模擬した受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬する。
この到来信号電力の方位分布から、既知の干渉源の設置位置とグランドクラッタ源の位置とが分かるので、既知の干渉源から放射される干渉波とグランドクラッタが混在している受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬計算することができる。
荷重データ修正部96は、受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬計算すると、その受信信号x1’(t)〜xM’(t)に含まれている干渉波とグランドクラッタが十分に抑圧されるとともに、アンテナパターンにおけるメインローブの利得が十分に高くて、メインローブの方位が所望の方位と一致するDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する。
各々のDBFビーム方位と、各々の干渉源から放射される干渉電波の入射の有無との全ての組み合わせについて、DBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mの計算を行うことで、DBF荷重テーブルを生成する。

0084

荷重データ修正部96は、DBF荷重テーブルを生成すると、そのDBF荷重テーブルを荷重データ記憶部91に上書き保存する。
なお、模擬計算した受信信号x1(t)〜xM(t)からDBF荷重wNULL,1〜wNULL,Mを計算する処理として、既存のアダプティブアレー処理のアルゴリズムを用いることができる。例えば、上記の非特許文献1に記載されているDCMPや、上記の非特許文献2に記載されている射影法などを用いることができる。

0085

以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、レーダ信号処理部26により観測目標の測角処理が実施される際に生成された測角スペクトルである到来信号電力の方位分布を取得する方位分布取得部95を設け、荷重データ修正部96が、方位分布取得部95により取得された到来信号電力の方位分布から複数のサブアレーの受信信号x1’(t)〜xM’(t)を模擬し、その模擬した受信信号x1’(t)〜xM’(t)を用いて、荷重データ記憶部91に記憶されている荷重データを修正するように構成したので、上記実施の形態4よりも、高精度な荷重データを用いて、DFB処理を実施することができる効果を奏する。したがって、更に干渉波とグランドクラッタを抑圧して、アンテナパターンにおけるメインローブの利得の向上等を図ることができる。

0086

なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

0087

1アンテナ装置、2デジタル信号処理部、11−1〜11−Mサブアレー、12−1〜12−M RF部、13−1〜13−MAD変換器、21干渉電波入射有無判定部、22ビーム方位情報受信部、23荷重データ記憶部、24 荷重データ取得部、25DBF処理部、26レーダ信号処理部、31判定処理回路、32ネットワーク機器、33記憶装置、34データ取得処理回路、35 DBF処理回路、36 レーダ信号処理回路、41メモリ、42プロセッサ、51周波数スペクトル算出部、52 干渉電波周波数スペクトル記憶部、53評価関数算出部(第1の評価関数算出部)、54判定処理部(第2の評価関数算出部)、60 干渉電波入射有無判定部、61荷重ベクトル記憶部、62 評価関数算出部、63 判定処理部、71,72 判定処理回路、73 記憶装置、74 データ取得処理回路、75マップ生成処理回路、76データ修正処理回路、77方位分布取得処理回路、78 データ修正処理回路、80 干渉電波入射有無判定部、81 判定処理部、90 開口方位制御部、91 荷重データ記憶部、92 荷重データ取得部、93クラッタマップ生成部、94 荷重データ修正部、95 方位分布取得部、96 荷重データ修正部。

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