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技術 撓み継手およびこれを用いた減速装置

出願人 株式会社ミューラボ国立大学法人福島大学
発明者 伏見雅英関実高橋隆行
出願日 2015年6月12日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2015-119277
公開日 2017年1月5日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-003053
状態 未査定
技術分野 減速機2 継手
主要キーワード 一軸体 弾性ディスク スリット式 クラウンギア 銀ロウ付け 疲労限度 各板バネ ベーナイト
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性が高く、かつ、小型化にも適した、撓み継手およびこれを用いた減速装置を提供する。

解決手段

撓み継手は、軸方向D1に並んだ複数の軸体1と、複数の軸体1のうち、隣接する一対の軸体1同士を機械的にかつ弾性的に接合させるバネ構造2とを具備する。バネ構造2は、ラウンドエッジ加工された複数枚板バネ21を備え、複数枚の板バネ21のそれぞれが、隣接する一対の軸体1に対して面接合された構造である。この撓み継手を、減速装置の出力部に用いる。

概要

背景

回転を伝達する回転伝達機構において、入力側部材から出力側部材に回転を伝達する継手として、撓み継手が用いられる。

撓み継手は、可撓性の部分を備え、この部分が撓むことによって、入力側部材と出力側部材の間で生じる偏心偏角が吸収される。

撓み継手には、多様な方式(ディスク式、スリット式ベローズ式等)が存在するが、高トルクの回転を伝達するためには、剛性を確保しやすいディスク式の撓み継手が好適に用いられる。

ディスク式の撓み継手は、たとえば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された撓み継手では、ゴムを用いて円盤状に成形された第二要素を、多数のボルト部材を用いて、第1継手部材と第2継手部材にそれぞれ固定している。

概要

高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性が高く、かつ、小型化にも適した、撓み継手およびこれを用いた減速装置を提供する。撓み継手は、軸方向D1に並んだ複数の軸体1と、複数の軸体1のうち、隣接する一対の軸体1同士を機械的にかつ弾性的に接合させるバネ構造2とを具備する。バネ構造2は、ラウンドエッジ加工された複数枚板バネ21を備え、複数枚の板バネ21のそれぞれが、隣接する一対の軸体1に対して面接合された構造である。この撓み継手を、減速装置の出力部に用いる。

目的

本発明が解決しようとする課題は、高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性が高く、かつ、小型化にも適した、撓み継手およびこれを用いた減速装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一方向に並んだ複数の軸体と、前記複数の軸体のうち、隣接する一対の軸体同士を機械的にかつ弾性的に接合させるバネ構造と、を具備し、前記バネ構造は、エッジ部分が丸くなるようにラウンドエッジ加工された複数枚板バネを備え、前記複数枚の板バネのそれぞれが、前記隣接する一対の軸体に対して面接合された構造であることを特徴とする撓み継手

請求項2

前記バネ構造は、前記複数枚の板バネのそれぞれが、前記隣接する一対の軸体に対してロウ付けされた構造であることを特徴とする請求項1に記載の撓み継手。

請求項3

前記バネ構造は、前記複数枚の板バネのそれぞれが、前記隣接する一対の軸体に対して拡散接合された構造であることを特徴とする請求項1に記載の撓み継手。

請求項4

前記複数枚の板バネのそれぞれが、高強度鋼で形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の撓み継手。

請求項5

外部から回転が入力される入力部と、前記入力部に入力された回転を減速させて伝達する減速機構と、前記減速機構で伝達された回転を出力する出力部と、を具備し、前記出力部は、請求項1〜4のいずれか一項に記載された撓み継手を含むことを特徴とする減速装置

請求項6

前記減速機構は、固定クラウンギアと、前記固定クラウンギアとの歯数差が1でありかつ前記固定クラウンギアに噛み合いながら歳差運動を行う可動クラウンギアとを備え、前記出力部は、前記可動クラウンギアの歳差運動に伴って前記撓み継手が弾性変形するように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の減速装置。

技術分野

0001

本発明は、撓み継手およびこれを用いた減速装置に関する。

背景技術

0002

回転を伝達する回転伝達機構において、入力側部材から出力側部材に回転を伝達する継手として、撓み継手が用いられる。

0003

撓み継手は、可撓性の部分を備え、この部分が撓むことによって、入力側部材と出力側部材の間で生じる偏心偏角が吸収される。

0004

撓み継手には、多様な方式(ディスク式、スリット式ベローズ式等)が存在するが、高トルクの回転を伝達するためには、剛性を確保しやすいディスク式の撓み継手が好適に用いられる。

0005

ディスク式の撓み継手は、たとえば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された撓み継手では、ゴムを用いて円盤状に成形された第二要素を、多数のボルト部材を用いて、第1継手部材と第2継手部材にそれぞれ固定している。

先行技術

0006

特開2014−206239号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上記したディスク式の撓み継手は、高トルクの回転を伝達しやすいという利点がある反面、繰り返し応力に対する耐性を向上させづらいという問題や、小型化(小径化)に適さないという問題がある。

0008

そのため、従来のディスク式の撓み継手は、入力側部材が高速揺動する構造の回転伝達機構(減速装置等)や、非常に小型の回転伝達機構には、適用しにくい場合があった。

0009

本発明が解決しようとする課題は、高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性が高く、かつ、小型化にも適した、撓み継手およびこれを用いた減速装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る形態の撓み継手は、一方向に並んだ複数の軸体と、前記複数の軸体のうち、隣接する一対の軸体同士を機械的にかつ弾性的に接合させるバネ構造と、を具備する。

0011

前記バネ構造は、エッジ部分が丸くなるようにラウンドエッジ加工された複数枚板バネを備え、前記複数枚の板バネのそれぞれが、前記隣接する一対の軸体に対して面接合された構造である。

0012

また、本発明に係る減速装置は、外部から回転が入力される入力部と、前記入力部に入力された回転を減速させて伝達する減速機構と、前記減速機構で伝達された回転を出力する出力部とを具備する。前記出力部は、前記撓み継手を含む。

発明の効果

0013

本発明は、高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性が高く、かつ、小型化にも適した、撓み継手およびこれを用いた減速装置を提供することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0014

実施形態1の撓み継手を示す側面図である。
図2Aは、実施形態1の撓み継手が備える第一軸体の側面図であり、図2Bは、実施形態1の撓み継手が備える第一軸体の正面図であり、図2Cは、実施形態1の撓み継手が備える第一軸体の下面図である。
実施形態1の撓み継手が備える第一軸体の斜視図である。
図4Aは、実施形態1の撓み継手が備える第二軸体の側面図であり、図4Bは、図4AのI−I線断面図であり、図4Cは、実施形態1の撓み継手が備える第二軸体の正面図であり、図4Dは、実施形態1の撓み継手が備える第二軸体の下面図である。
実施形態1の撓み継手が備える第二軸体の斜視図である。
図6Aは、実施形態1の撓み継手が備える第三軸体の側面図であり、図6Bは、図6AのII−II線断面図であり、図6Cは、実施形態1の撓み継手が備える第三軸体の正面図であり、図6Dは、実施形態1の撓み継手が備える第三軸体の下面図である。
実施形態1の撓み継手が備える第三軸体の斜視図である。
図8Aは、実施形態1の撓み継手が備える板バネの正面図であり、図8Bは、図8AのIII−III線断面図である。
板バネのラウンドエッジ加工された部分の変形例を示す要部断面図である。
図10Aは、板バネの変形例を示す正面図であり、図10Bは、板バネの他の変形例を示す正面図である。
実施形態2の撓み継手を示す側面図である。
図12Aは、実施形態1の撓み継手を用いて構成されたクラウンギア減速装置を示す側面図であり、図12Bは、図12AのIV−IV線断面図である。

実施例

0015

図1には、実施形態1の撓み継手の全体を示している。

0016

本実施形態の撓み継手は、所定の軸方向D1に沿って並んだ複数(本実施形態では三つ)の軸体1と、軸方向D1において隣接する一対の軸体1同士を接合させるバネ構造2とを備える。

0017

本実施形態のバネ構造2は、隣接する一対の軸体1の互いの対向面に、爪状の凸部11を複数設け、一方の軸体1に設けた複数の凸部11と、他方の軸体1に設けた複数の凸部11とを、周方向に沿って配置された複数枚の板バネ21(図8A、図8B参照)を介して、結合させた構造である。複数枚の板バネ21は、全体として環状に配置される。

0018

複数枚の板バネ21はそれぞれ、一方の軸体1に形成された少なくとも一つの凸部11と、他方の軸体1に形成された少なくとも一つの凸部11に対して、ロウ付けによって面接合される。

0019

各板バネ21の凸部11に対する面接合は、凸部11に形成されたスリット12に対して板バネ21の一部を挿入し、スリット12内で、板バネ21の一部と凸部11をロウ付けすることによって行われる。

0020

各凸部11には、少なくとも一つの挿入穴13がさらに形成されている。挿入穴13は、棒状のロウ材を、外部から挿入することのできる穴であり、スリット12に連通するように形成されている。

0021

隣接する一対の軸体1は、上記のように面接合(ロウ付け)された複数枚の板バネ21を介して、機械的にかつ弾性的に結合される。

0022

以下、本実施形態の撓み継手について、さらに具体的に説明する。

0023

図1では、軸方向D1の矢印の向く側(図中の左側)が、出力側である。軸方向D1の矢印の向く側とは逆側(図中の右側)が、入力側である。

0024

本実施形態において、複数の軸体1は、最も入力側に位置する第一軸体1aと、第一軸体1aに対してこれの出力側に隣接する第二軸体1bと、第二軸体1bに対してこれの出力側に隣接する第三軸体1cとで、構成される。

0025

第一軸体1a、第二軸体1bおよび第三軸体1cは、いずれも軸方向D1に視たときに略リング状外形を備える(図3図5図7等参照)。

0026

バネ構造2は、第一軸体1aと第二軸体1bを接合させる第一バネ構造2aと、第二軸体1bと第三軸体1cを接合させる第二バネ構造2bとで、構成される。

0027

まず、第一バネ構造2aについて説明する。

0028

第一バネ構造2aは、第一軸体1aの出力側を向く面(第二軸体1bに対向する面)から突出させた一対の凸部11と、第二軸体1bの入力側を向く面(第一軸体1aに対向する面)から突出させた一対の凸部11との間で、二枚の板バネ21をロウ付けした構造である。

0029

以下においては、第一軸体1aから突出させた凸部11を「第一凸部11a」と称する。第一凸部11aに設けたスリット12を「第一スリット12a」と称し、第一凸部11aに設けた挿入穴13を「第一挿入穴13a」と称する。

0030

同様に、第二軸体1bから突出させた凸部11を「第二凸部11b」と称し、第二凸部11bに設けたスリット12を「第二スリット12b」と称し、第二凸部11bに設けた挿入穴13を「第二挿入穴13b」と称する。

0031

図2Bや図3に示すように、第一軸体1aに形成される一対の第一凸部11aは、周方向(中心軸まわり)に180°だけ互いにずれて位置する。

0032

第一スリット12aは、各第一凸部11aに、一対一で形成される。

0033

第一スリット12aは、第一凸部11aの外周面径方向外側を向く面)の一部を、径方向内側にむけて凹ませた形状である。第一スリット12aは、径方向外側にむけて開口するとともに、周方向の両側にむけて開口する。

0034

第一挿入穴13aは、各第一凸部11aに、一対一で形成される。

0035

第一挿入穴13aは、第一凸部11aの外周面の一部を、径方向内側にむけて凹ませた形状である。第一挿入穴13aは、円柱状(棒状)のロウ材が圧入され得るように、断面円形状で形成されている。第一挿入穴13aは底を有し、深さ方向の全域または略全域において、第一スリット12aと連通する。

0036

図4Bや図5に示すように、第二軸体1bから入力側に突出する扇形の一対の第二凸部11bは、周方向に180°だけ互いにずれて位置する。周方向において、この第二凸部11bと第一凸部11aは、周方向に90°ずれながら交互に位置する。

0037

第二スリット12bは、各第二凸部11bに一対形成される。

0038

一対の第二スリット12bは、第二凸部11bの周方向をむく両側面の一部を、それぞれ凹ませた形状である。一方の第二スリット12bは、周方向の一側にむけて開口するとともに、径方向の両側にむけて開口する。他方の第二スリット12bは、周方向の他側にむけて開口するとともに、径方向の両側にむけて開口する。

0039

第二挿入穴13bは、各第二凸部11bに一対形成される。

0040

一対の第二挿入穴13bは、それぞれ第二凸部11bを径方向に沿って貫通した形状である。各第二挿入穴13bは、円柱状のロウ材が圧入され得るように、断面円形状で形成されている。各第二挿入穴13bは、深さ方向の全域または略全域において、第二スリット12bと一対一に連通する。

0041

図8Aに示すように、各板バネ21は、マルエージング鋼等の高強度鋼を用いて「く」字状に成型された弾性部材である。各板バネ21は、「く」字状の外形を有する主体部211と、主体部211の両端に形成された接合部212とを備える。

0042

本実施形態の板バネ21は、主体部211の中央部分に、さらに別の接合部212を備える。各接合部212は、他の部分よりも幅広である。言い換えると、本実施形態の「く」字状の板バネ21においては、両端の接合部212と中央部分の接合部212との間が、それぞれ長板状の板バネとなっている。

0043

各板バネ21は、エッジ部分215が丸くなるようにラウンドエッジ加工されている(図8B参照)。ラウンドエッジ加工は、板バネ21のうち少なくとも主体部211(板バネ21のうち各接合部212を除いた部分)のエッジ部分215に対して、施される。各板バネ21は、ラウンドエッジ加工を施されることで、疲労限度が向上する。

0044

ラウンドエッジ加工は、たとえばバレル研磨で行われる。各板バネ21は、ダンベル状(長板状)の二枚の板材を「く」字状に接合させたような、シンプルな形状である。そのため、各板バネ21の外周側のエッジ部分215(215a)に対してバレル研磨の砥石が当たるのは勿論のこと、内周側のエッジ部分215(215b)に対しても、バレル研磨の砥石が問題なく当たる。これに対して、たとえばリング状の板バネに対してバレル研磨を行おうとすれば、板バネの内周側に砥石が当たりにくく、板バネのサイズが小さいときには特にラウンドエッジ加工が困難である。

0045

第一バネ構造2aにおいては、第一軸体1aと第二軸体1bが、下記の構成で結合される。

0046

第一軸体1aが備える各第一挿入穴13aには、銀等を用いて棒状に成形されたロウ材が、圧入される。同様に、第二軸体1bが備える各第二挿入穴13bに、銀等を用いて棒状に成型されたロウ材が、圧入される。

0047

このようにロウ材が圧入された状態で、各板バネ21の両端の接合部212が、第二軸体1bが備える二箇所の第二スリット12bに対して、一対一で挿入される。

0048

前記二箇所の第二スリット12bは、入力側に突出した一対の第二凸部11bのうち一方の第二凸部11bに設けた一箇所の第二スリット12bと、他方の第二凸部11bに設けた一箇所の第二スリット12bである。前記二箇所の第二スリット12bは、同一方向にむいて開口する。

0049

各板バネ21の中央部分に位置する接合部212は、第一軸体1aが備える一箇所の第一スリット12aに、挿入される。

0050

上記のように挿入された各板バネ21は、その両端部が第二軸体1bに保持され、その中央部分が第一軸体1aに保持される。この状態で、全体を所定時間加熱し、さらに時効硬化処理を施すことにより、各板バネ21は、第一軸体1aに対して一箇所で面接合され、第二軸体1bに対して二箇所で面接合される。

0051

各板バネ21が第一軸体1aに面接合されることは、つまり、各板バネ21が中央に有する接合部212が、表裏の全面に亘って第一軸体1aにロウ付けされることである。

0052

各板バネ21が第二軸体1bに面接合されることは、つまり、各板バネ21が両端に有する接合部212が、表裏の全面に亘って第二軸体1bにロウ付けされることである。

0053

次に、第二バネ構造2bについて説明する。

0054

第二バネ構造2bは、第二軸体1bの出力側を向く面(第三軸体1cに対向する面)から突出させた一対の第二凸部11bと、第三軸体1cの入力側を向く面(第二軸体1bに対向する面)から突出させた一対の凸部11(以下「第三凸部11c」と称する。)との間で、二枚の板バネ21をロウ付けした構造である。

0055

第二軸体1bから出力側に突出する第二凸部11bは、出力側の第二スリット12bと、出力側の第二挿入穴13bとを備える。

0056

図4Cや図5に示すように、第二軸体1bから出力側に突出する長方形状の一対の第二凸部11bは、周方向に180°だけ互いにずれて位置する。出力側の一対の第二凸部11bは、入力側の一対の第二凸部11bに対して、表裏の位置にある。

0057

出力側の第二スリット12bは、出力側の各第二凸部11bに、一対一で形成される。出力側の第二スリット12bは、出力側の第二凸部11bの外周面の一部を、径方向内側にむけて凹ませた形状である。出力側の第二スリット12bは、径方向外側にむけて開口するとともに、周方向の両側にむけて開口する。

0058

出力側の第二挿入穴13bは、出力側の第二凸部11bに、一対一で形成される。

0059

出力側の第二挿入穴13bは、出力側の第二凸部11bの外周面の一部を、径方向内側にむけて凹ませた形状である。出力側の第二挿入穴13bは、円柱状のロウ材が圧入され得るように、断面円形状で形成されている。出力側の第二挿入穴13bは底を有し、深さ方向の全域または略全域において、出力側の第二スリット12bと連通する。

0060

図6Bや図7に示すように、第三軸体1cに形成される一対の扇形の第三凸部11cは、周方向に180°だけ互いにずれて位置する。周方向において、この第三凸部11cと出力側の第二凸部11bとは、周方向に90°ずれながら交互に位置する。

0061

第三スリット12cは、各第三凸部11cに一対形成される。

0062

一対の第三スリット12cは、第三凸部11cの周方向をむく両側面の一部を、それぞれ凹ませた形状である。一方の第三スリット12cは、周方向の一側にむけて開口するとともに、径方向の両側にむけて開口する。他方の第三スリット12cは、周方向の他側にむけて開口するとともに、径方向の両側にむけて開口する。

0063

第三挿入穴13cは、各第三凸部11cに一対形成される。

0064

一対の第三挿入穴13cは、それぞれ第三凸部11cを径方向に沿って貫通した形状である。各第三挿入穴13cは、円柱状のロウ材が圧入され得るように、断面円形状で形成されている。各第三挿入穴13cは、深さ方向の全域または略全域において、第三スリット12cと一対一に連通する。

0065

第二バネ構造2bにおいては、第二軸体1bと第三軸体1cが、下記の構成で結合される。

0066

第二軸体1bが備える出力側の第二挿入穴13bと、第三軸体1cが備える第三挿入穴13cには、それぞれ銀等から成る棒状のロウ材が、圧入される。

0067

この状態で、各板バネ21の両端の接合部212が、第三軸体1cが備える二箇所の第三スリット12cに対して、一対一で挿入される。各板バネ21の中央部分に位置する接合部212は、第二軸体1bが出力側に備える一箇所の第二スリット12bに、挿入される。

0068

上記のように挿入された各板バネ21は、その両端部が第三軸体1cに保持され、その中央部分が第二軸体1bに保持される。この状態で、全体を所定時間加熱し、さらに時効硬化処理を施すことにより、各板バネ21は、第二軸体1bに対して一箇所で面接合され、第三軸体1cに対して二箇所で面接合される。

0069

各板バネ21が第二軸体1bに面接合されることは、つまり、各板バネ21が中央に有する接合部212が、表裏の全面に亘って第二軸体1bにロウ付けされることである。各板バネ21が第三軸体1cに面接合されることは、つまり、各板バネ21が両端に有する接合部212が、表裏の全面に亘って第三軸体1cにロウ付けされることである。

0070

上記した第一バネ構造2aと第二バネ構造2bによって、第一軸体1aと第二軸体1bと第三軸体1cが一連に結合される。

0071

第一バネ構造2aと第二バネ構造2bは、共通の工程で形成される。

0072

具体的には、第一軸体1aと第二軸体1bと第三軸体1cをこの順に積み重ねたうえで、複数枚の板バネ21を、それぞれ外側から挿入して所定箇所にセットする。この状態で、たとえば水素炉内において、820〜870℃の範囲内の温度で所定時間(10〜20分程度)加熱することで、マルエージング鋼の溶体化処理とロウ付けを同時に行い、さらに480〜510℃の範囲内の温度に所定時間(1時間程度)保持することで、マルエージング鋼に時効硬化処理を施す。

0073

これにより、ラウンドエッジ加工された2枚の板バネ21が、第一軸体1aと第二軸体1bに対して面接合(銀ロウ付け)され、かつ、ラウンドエッジ加工された他の2枚の板バネ21が、第二軸体1bと第三軸体1cに対して面接合(銀ロウ付け)される。

0074

上記のように構成された本実施形態の撓み継手は、剛性が確保されやすいという利点があり、スリット式やベローズ式といった他の方式の撓み継手と比較しても、高トルクの回転を伝達することが可能である。

0075

加えて、本実施形態の撓み継手では、ラウンドエッジ加工によって疲労限度を向上させた各板バネ21を、第一軸体1a、第二軸体1bや第三軸体1cに対して、強固に面接合(銀ロウ付け)させているので、繰り返し応力に対する耐性が高い。

0076

加えて、本実施形態の撓み継手では、各板バネ21のサイズが小さくてもラウンドエッジ加工によって疲労限度を向上させやすいことや、各板バネ21のサイズが小さくても第一軸体1a、第二軸体1bや第三軸体1cに対して強固に面接合させやすいことや、製造作業がシンプルであることから、撓み継手の小型化(小径化)にも大きく寄与する。

0077

本実施形態の撓み継手によれば、たとえば径が3〜25mmの範囲内に収まるまでの小型化が可能である。撓み継手は、径が3〜10mmの範囲内に収まるまで小型化されたものや、径が3〜8mmの範囲内に収まるまで小型化されたものが、さらに好ましい。

0078

以上のように、本実施形態の撓み継手は、高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性が高く、さらに小型化にも適した構造である。そのため、本実施形態の撓み継手は、後述するように、入力側部材が高速で揺動する構造の回転伝達機構(減速装置等)にも、好適に用いることができる。

0079

特に、本実施形態の撓み継手は、マルエージング鋼の各板バネ21を銀ロウ付けする構成であるから、炉内での820〜870℃の加熱によって、硬化処理の前処理である溶体化処理と、ロウ付けを、同時に行うことができる。

0080

マルエージング鋼の溶体化処理は、820〜870℃の範囲内で数分〜30分間加熱する処理である。銀ロウ付けのためは、780〜900℃の範囲内で10〜20分間加熱すればよいことから、上述したように、820〜870℃の範囲内で10〜20分間加熱すれば、マルエージング鋼の溶体化処理とロウ付けが、同時に行われる。

0081

また、マルエージング鋼の時効硬化処理は、480〜510℃の範囲内で行う。この温度範囲は、銀ロウ付けが行われる温度範囲よりも十分に小さな範囲内であるから、時効硬化によって、接合後の銀ロウに影響が及ぶこともない。

0082

なお、ロウ付けの材料として銀以外に、銅等の他の材料を用いることも可能である。板バネ21を形成する高強度鋼としてマルエージング鋼以外に、ダイス鋼ベーナイト鋼等の炭素鋼ベース鋼材オーステナイト系ステンレス鋼、17−7PHステンレス鋼、エルジロイ等を用いることも可能である。

0083

ロウ付けの材料として銅を用い、板バネ21を形成する高強度鋼としてダイス鋼を用いた場合には、銅の融点とダイス鋼の焼き入れ温度が共に1100℃程度であることから、ロウ付けと焼き入れを同時に行うことができるという利点がある。

0084

以下、さらに多様な変形例について述べる。

0085

図9には、板バネ21に施すラウンドエッジ加工の変形例を示している。この変形例では、板バネ21の厚みをtとしたときに、エッジ部分215の角の曲率半径R=t/4となるように、ラウンドエッジ加工を施している。曲率半径Rは、t/2〜t/4の範囲内であることが好ましい。

0086

板バネ21の形状や数についても、上述した実施形態に限定されない。たとえば図10Aに示すように、板バネ21が円弧状(半円弧状)であってもよい。また、図10Bに示すように、板バネ21が、いわゆるダンベル状(長板の両端を他の部分よりも幅広に設けた形状)であってもよい。

0087

また、上述した実施形態においては、複数枚の板バネ21を介して結合させる軸体1の数が三つであるが、軸体1の数もこれに限定されない。つまり、複数枚の板バネ21を介して互いに結合される軸体1の数が二つでもよいし、四つ以上でもよい。

0088

軸体1が二つである場合には、入力側に位置する軸体1と、出力側に位置する軸体1とが、複数枚の板バネ21をロウ付けする同様の構造で結合される。軸体1の数が四つ以上である場合も、隣接する軸体1同士が、複数枚の板バネ21をロウ付けする同様の構造で結合される。

0089

以上の各変形例でも、高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性が高く、さらに小型化にも適した構造となる。

0090

次に、実施形態2の撓み継手について説明する。

0091

図11には、実施形態2の撓み継手の全体を示している。本実施形態の撓み継手は、実施形態1の撓み継手と同様に、所定の軸方向D1に沿って並んだ複数(三つ)の軸体1と、軸方向D1において隣接する一対の軸体1同士を接合させるバネ構造2とを備える。

0092

実施形態1と異なる点は、複数枚の板バネ21の面接合を、ロウ付けによって行うのではなく、拡散接合によって行う点にある。以下においては、実施形態1と異なる点についてのみ詳述し、同様の構成については詳しい説明を省略する。

0093

本実施形態においては、所定の雰囲気中で、実施形態1と同様の各板バネ21に設けた接合部212と、軸体1に設けた凸部11とを面接触させ、この状態で加圧および加熱を行うことによって、部材間原子拡散を利用した拡散接合を行う。各板バネ21は、拡散接合によって軸体1に対して強固に面接合されるため、繰り返し応力に対する耐性が高く、小型化も容易である。

0094

加えて、本実施形態の撓み継手においては、実施形態1のようにロウ材を溶かすことなく、部材同士が重なり合った状態で面接合(拡散接合)が完了するので、部材間の位置決めを高精度で確保したまま接合が完了するという利点がある。

0095

次に、実施形態1の撓み継手を用いて構成した減速装置について、説明する。

0096

図12A、図12Bには、実施形態1の撓み継手を用いて構成した減速装置の一例を示している。この減速装置は、入力部5、減速機構6および出力部7を、円筒形状のケーシング8に収容した構造のクラウンギア減速装置である。

0097

入力部5は、外部から回転が入力される部分であり、モータ等で中心軸まわりに回転駆動される入力軸51と、入力軸51と一体に回転駆動されるプレスロータ52とを備える。

0098

減速機構6は、入力部5(入力軸51)に入力された回転を減速させて伝達する機構であり、ケーシング8に対して移動不能に設置される固定クラウンギア61と、これに噛み合う可動クラウンギア62とを備える。可動クラウンギア62は、プレスロータ52によって固定クラウンギア61に押し付けられ、固定クラウンギア61に対して、一方向に僅かに傾いた姿勢で噛み合う。

0099

可動クラウンギア62は、固定クラウンギア61との歯数差が1である。入力部5(プレスロータ52)が回転すると、可動クラウンギア62は、固定クラウンギア61に対して、自身の傾倒中心線を挟んで互いに離れた二箇所で噛み合いながら、所定の歳差運動首振り運動)を行う。

0100

出力部7は、減速機構6で減速して伝達された回転を出力する部分である。この出力部7が、実施形態1の撓み継手で構成された撓み継手71と、撓み継手71の出力側に連結される出力軸72とを含む。撓み継手71は、可動クラウンギア62の歳差運動に伴って、複数枚の板バネ21で構成されたバネ構造2(第一バネ構造2a、第二バネ構造2b)を弾性変形させながら、中心軸まわりの回転成分を出力軸72に伝達する。

0101

図12A、図12Bに示す減速装置は、撓み継手71(実施形態1の撓み継手)を用いて出力部7が形成されているため、高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性も高い。しかも、撓み継手71の小型化も容易であるから、減速装置全体の小型化(小径化)にも寄与する。

0102

減速装置が備える撓み継手71として、実施形態2の撓み継手を用いることも可能である。

0103

また、図12A、図12Bに示す減速装置は、歯数差1の固定クラウンギア61と可動クラウンギア62を噛み合わせるクラウンギア減速装置であるが、他の構造の減速装置において、実施形態1,2の撓み継手を用いることも可能である。

0104

以上、添付図面に基づいて説明したように、実施形態1,2の撓み継手は、一方向(軸方向D1)に並んだ複数の軸体1と、複数の軸体1のうち、隣接する一対の軸体1同士(第一軸体1aと第二軸体1b、第二軸体1bと第三軸体1c)を機械的にかつ弾性的に接合させるバネ構造2(第一バネ構造2a、第二バネ構造2b)とを具備する。

0105

バネ構造2は、エッジ部分215が丸くなるようにラウンドエッジ加工された複数枚の板バネ21を備え、複数枚の板バネ21のそれぞれが、隣接する一対の軸体1に対して面接合された構造である。

0106

各板バネ21は、ラウンドエッジ加工によって疲労限度が高められたものであり、このようにして高い疲労限度を獲得した各板バネ21が、面接合によって軸体1に対して強固に接合される。そのため、実施形態1,2の撓み継手は、高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性も高い。

0107

加えて、軸体1同士を複数枚の板バネ21で結合させる構造(言い換えれば、軸体1同士を結合させる弾性ディスクを、複数に分割したような構造)なので、板バネ21単体の形状はシンプルでよい。板バネ21がシンプルな形状(「く」字状、ダンベル状、円弧状等)であると、板バネ21のサイズが非常に小さい場合でも、バレル研磨等で、板バネ21の全域に亘って万遍なくラウンドエッジ加工を施すことができ、撓み継手の小型化にも寄与する。

0108

さらに、実施形態1の撓み継手が備えるバネ構造2は、複数枚の板バネ21のそれぞれが、隣接する一対の軸体1に対してロウ付けされた構造である。

0109

そのため、実施形態1の撓み継手においては、ロウ付けによって、各板バネ21を軸体1に対して小面積で強固に面接合させることができる。実施形態1の撓み継手は、高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性が高く(信頼性が高く)、小型化にも適した撓み継手である。

0110

実施形態2の撓み継手が備えるバネ構造2は、複数枚の板バネ21のそれぞれが、隣接する一対の軸体1に対して拡散接合された構造である。

0111

そのため、実施形態2の撓み継手においては、拡散接合によって、各板バネ21を軸体1に対して小面積で強固に面接合させることができ、この際に、高精度の位置決めを確保することが容易である。実施形態2の撓み継手は、高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性が高く(信頼性が高く)、小型化にも適した撓み継手である。

0112

さらに、実施形態1,2の撓み継手においては、複数枚の板バネ21のそれぞれが、高強度鋼で形成されている。

0113

そのため、実施形態1,2の撓み継手では、可撓性を高めるために各板バネ21を薄く形成した場合であっても、高トルクの回転を伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性もさらに高めることができる。

0114

実施形態1,2の撓み継手を用いた減速装置は、外部から回転が入力される入力部5と、入力部5に入力された回転を減速させて伝達する減速機構6と、減速機構6で伝達された回転を出力する出力部7とを具備する。出力部7が、実施形態1,2の撓み継手で構成された撓み継手71を含む。

0115

そのため、上記減速装置は、高トルクの回転を減速させて伝達することができ、繰り返し応力に対する耐性が高く、かつ、小型化にも適した減速装置である。

0116

さらに、上記減速装置において、減速機構6は、固定クラウンギア61と、固定クラウンギア61との歯数差が1でありかつ固定クラウンギア61に噛み合いながら歳差運動を行う可動クラウンギア62とを備える。出力部7は、可動クラウンギア62の歳差運動に伴って撓み継手71が弾性変形するように構成されている。

0117

そのため、上記減速装置によれば、出力部7に含まれる撓み継手71を、大きな範囲で繰り返し撓ませながら、減速された回転を出力することができる。特に、クラウンギア減速装置に用いられる撓み継手71には、高トルクの回転を伝達したい要求や、繰り返し応力に対する耐性を高めたい要求や、可撓性を高めたい要求があり、さらには小型化を図りたい要求がある。そのため、実施形態1,2の撓み継手は、クラウンギア減速機において好適に用いられる。

0118

以上、実施形態について説明したが、撓み継手やこれを用いた減速装置は、前記した各実施形態に限定されず、実施形態において適宜の設計変更を行うことや、各実施形態の構成を適宜組み合わせて適用することが可能である。

0119

1軸体
2バネ構造
21板バネ
215エッジ部分
5 入力部
6減速機構
61固定クラウンギア
62可動クラウンギア
7 出力部
71 撓み継手

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