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技術 癌の診断および処置のための組成物および方法

出願人 オンコメッドファーマシューティカルズインコーポレイテッド
発明者 ガーニーオースティンホイティモシーサテャルサンジーブアクセルロッドフミコ
出願日 2016年8月25日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2016-164264
公開日 2017年1月5日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-002076
状態 拒絶査定
技術分野 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 突然変異または遺伝子工学 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 ペプチド又は蛋白質 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 微生物による化合物の製造
主要キーワード 危険表 ネスト状 切り詰める 時間展開 整列位置 入れ子型 一般クラス 外部成分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

充実性腫瘍診断および処置のための癌幹細胞マーカーに対する抗体の提供。

解決手段

ヒトDLL4エピトープであるヒトDLL4N末端領域、およびヒトDLL4DSLの組み合わせによって形成されるヒトDLL4の細胞外ドメインに特異的に結合し、かつ、癌幹細胞を含む腫瘍の増殖に影響を与える単離抗体。また、抗体をコードするポリヌクレオチド発現ベクター宿主細胞形質転換し、抗体を発現させ、培養培地から抗体を精製する抗体の製造方法。更に、該抗体による癌の診断方法、及び癌を処置する方法。

概要

背景

背景
癌は、先進諸国の主要な死因の一つであって、米国だけでも毎年100万人以上が癌と診察され、500,000人が死亡する。通算して、3人に2人以上が一生のうちになんらかの形の癌を発病するであろうと推測される。200種を上回る様々な種類の癌が存在し、それらのうちの四つ、すなわち乳房結腸直腸、および前立腺の癌が全ての新患の半分以上を占める(Jemal et al., 2003, Cancer J. Clin. 53:5-26)。

乳癌は、女性において最も一般的な癌であり、女性のうち推定12%が一生のうちに発病するリスクを有する。死亡率は、早期検出および処置の改善により減少したが、未だ乳癌は中年女性の主要な死因であり、また転移性乳癌は、依然として不治の病である。症状に関しては、ほとんどの転移性乳癌患者は一つまたは二つの臓器系にしか罹患していないが、疾患が進行するとともに、通常複数の部位が侵されるようになる。転移病巣の最も一般的な部位は、皮膚および胸壁軟組織における、ならびに腋窩および鎖骨上領域における、局所領域的再発である。遠隔転移の最も一般的な部位は骨(遠隔転移の30〜40%)であり、続いて肺と肝臓である。また、新しく乳癌と診断された女性のわずか約1〜5%しか診断時には遠隔転移を有さないが、局所的疾患を有する患者の約50%が、結局5年以内に転移によって再発する。現在、遠隔転移が起こってからの生存期間中央値は、約3年である。

乳癌を診断し病期分類をする現行の手法には、腫瘍の大きさ、リンパ節中の腫瘍の存在、および遠隔転移の存在に基づく、腫瘍−リンパ節−転移(TNM)システムが含まれる(American Joint Committee on Cancer:AJCC Cancer Staging Manual. Philadelphia, Pa.: Lippincott-Raven Publishers, 5th ed., 1997, pp 171-180; Harris, J R: "Staging of breast carcinoma" in Harris, J. R., Hellman, S., Henderson, I. C., Kinne D. W. (eds.): Breast Diseases, Philadelphia, Lippincott, 1991)。これらのパラメーター予後診断を与え、適切な治療を選択するために用いられる。腫瘍の形態的外観を評価することもできるが、同様の組織病理学的外観を有する腫瘍が有意な臨床的多様性を示す場合があるので、この方法には深刻な限界がある。最後に、細胞表面マーカー分析を用いて、ある種の腫瘍の種類をサブクラスに分けることができる。例えば、乳癌の予後診断および処置において考慮される一つの因子は、エストロゲン受容体(ER)の存在であり、ER陽性乳癌は通常はタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬などのホルモン療法剤に、ER陰性の腫瘍よりも容易に応答する。これらの分析は有用ではあるが乳腺腫瘍の臨床的挙動を部分的に予測できるだけであり、乳癌には、現在の診断機器によって検出できず、また現在の療法によって処置できない多くの表現型多様性が存在する。

前立腺癌は、先進諸国の男性において最も一般的な癌であって、米国における全ての癌の新患の推定33%を占め、2番目に多い死因である(Jemal et al., 2003, CA Cancer J. Clin. 53:5-26)。前立腺特異抗原(PSA)血液検査の導入以来、前立腺癌の早期発見により劇的に生存率が改善され;診断時に局所的および局部的な段階の前立腺癌を有する患者の5年生存率は、100%に近づいている。それでも50%を上回る患者が、局所的に進行した疾患あるいは転移性の疾患を最終的に発病する(Muthuramalingam et al.,2004, Clin. Oncol. 16:505-16)。

現在、根治的前立腺摘除および放射線療法が、大多数の局所的な前立腺腫瘍に対する治癒的処置が提供されている。しかし、進行した症例の場合には、治療の選択肢は極めて限定される。転移性疾患については、単独の、または抗アンドロゲン剤と組み合わせた黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニストを用いるアンドロゲン除去標準的処置である。しかし、最大限アンドロゲン遮断をした場合でも疾患はほとんど必ず進行して、大多数がアンドロゲン非依存性疾患を発症する。現在のところ、ホルモン無反応性前立腺癌のための一様に容認された処置は存在せず、一般に化学療法的治療法が用いられる(Muthuramalingam et al., 2004, Clin. Oncol. 16:505-16; Trojan et al., 2005, Anticancer Res. 25:551-61)。

結腸直腸癌は、3番目に一般的な癌であり、世界中の癌による死因中で4番目に多い(Weitz et al., 2005, Lancet 365:153-65)。全結腸直腸癌の約5〜10%が遺伝性であって、その主要な形の一つが、家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)であり、これは、罹患者の約80%が大腸腺腫性ポリポーシス(APC)遺伝子に生殖細胞系列突然変異を含む常染色体優性疾患である。結腸直腸癌は、周辺への成長により局所的に、および、リンパ性血行性腹膜横断性、および神経周囲への伝播により他の場所へ侵入する。リンパ外の併発の最も一般的な部位は肝臓であり、最も頻繁に冒される腹腔外の器官は肺である。他の血行性伝播部位には、骨、腎臓副腎および脳が含まれる。

結腸直腸癌用の現在の病期分類システムは、腫瘍の腸壁浸透の程度、およびリンパ節併発の存在または非存在に基づく。この病期分類システムは、三つの主なデュークス分類によって定義される:デュークスA疾患は、結腸または直腸粘膜下組織層に限定され;デュークスB疾患は、固有筋層を通過して侵入して、結腸または直腸壁に入り込む可能性のある腫瘍を有し;およびデュークスC疾患は、任意の程度の腸壁侵入があり、局地的リンパ節転移を有する。初期段階の結腸直腸癌には外科切除術が極めて有効であって、デュークスA患者では95%の治癒率を与えるが、デュークスB患者では治癒率は75%に減少し、デュークスC疾患で陽性リンパ節が存在すると、60%の5年以内再発可能性が予測される。デュークスC患者の外科手術後化学療法コースによる治療は再発率を40%〜50%に低下させ、これはこれらの患者に対する現在の標準ケアである。

肺癌は世界的に最も一般的な癌であり、米国では3番目に多く診断される癌であって、最も多い癌死の原因である(Spiro et al., 2002, Am. J. Respir. Crit. Care Med. 166: 1166-96; Jemal et al., 2003, CA Cancer J. Clin. 53:5-26)。喫煙が、全ての肺癌のうち推定87%の原因と考えられ、このことにより、肺癌は、最も効果的に予防可能な疾患となっている。肺癌は小細胞肺癌(SCLC)および非小細胞肺癌(NSCLC)の二つの主要なタイプに分類され、これらがすべての肺癌の90%以上を占める。SCLCは、症例の15〜20%を占め、大きな中枢気道起源を持つこと、および細胞質をほとんど有さない小細胞シートという組織学組成によって特徴づけられる。SCLCはNSCLCより悪性であり、急速に成長し、早期に高頻度で転移する。NSCLCはすべての症例の80〜85%を占め、組織学に基づいてさらに三つの主なサブタイプである腺癌扁平上皮癌(類表皮癌)および大細胞未分化癌に分類される。

肺癌は、典型的にはその進行の後期に症状を現わし、したがって生存中央値は診断後わずか6〜12ヶ月であり、全体としての5年生存率はわずか5〜10%に過ぎない。手術は治癒の最良の機会であるが、肺癌患者のごく一部しか手術適格ではなく、大多数は化学療法および放射線療法に頼っている。その治療の時期および用量の程度を操作する試みがなされてはいるが、生存率は、過去15年にわたってほとんど増加していない(Spiro et al., 2002, Am. J. Respir. Crit. Care Med. 166: 1166-96)。

これらの四つの癌は、他の多くの癌もそうであるが、異質細胞集団から成る充実性腫瘍として存在する。例えば乳癌は、癌細胞ならびに間充織(間質)細胞、炎症細胞および内皮細胞を含む正常細胞の混合物である。いくつかの癌のモデルが、この異質性の存在について異なる説明を与える。一つのモデルである癌の古典的モデルは、表現型が異なる癌細胞集団のすべてが、増殖して新しい腫瘍を生む能力を有すると考えられている。古典的モデルでは、腫瘍細胞の異質性は、環境要因に、ならびに腫瘍形成性細胞の様々な集団をもたらす癌細胞内で進行中の突然変異に起因する。このモデルは、すべての腫瘍細胞の集団がある程度の腫瘍形成能力を有するという発想に基づく(Pandis et al., 1998, Genes, Chromosomes & Cancer 12:122-129; Kuukasjrvi et al., 1997, Cancer Res. 57:1597-1604; Bonsing et al., 1993, Cancer 71:382-391; Bonsing et al., 2000, Genes Chromosomes & Cancer 82: 173-183; Beerman H et al., 1991, Cytometry 12:147-54; Aubele M & Werner M, 1999, Analyt. Cell. Path. 19:53; Shen L et al., 2000, Cancer Res. 60:3884)。

充実性腫瘍細胞に観察される異質性についての別のモデルは、腫瘍発生に対する幹細胞の影響から導出される。このモデルによれば、癌は、正常組織の発生および維持を制御する機構の調節異常に起因する(Beachy et al., 2004, Nature 432:324)。正常動物の発生中、大部分またはすべての組織の細胞は、幹細胞と呼ばれる正常な前駆体から導出される(Morrison et al., 1997, Cell 88:287-98; Morrison et al., 1997, Curr. Opin. Immunol. 9:216-21; Morrison et al., 1995, Annu. Rev. Cell. Dev. Biol. 11:35-71)。幹細胞は、(1) 高い増殖能を有し;(2) 非対称細胞分裂をして、増殖および/または発生能力の低下した一つまたは複数の種類の子孫を産生することができ;かつ(3)自己複製または自己維持のための対称細胞分裂が可能な、細胞である。幹細胞の分化による成人の細胞再生の最もよく研究されている例は造血系であって、発生上未熟な前駆体(造血幹細胞および始原細胞)が、分子シグナルに応答して、様々な血液細胞型およびリンパ球細胞型を形成する。腸、乳管系および皮膚の細胞を含む他の細胞は、絶えず各組織中の少数の幹細胞から補充され、最近の研究は、脳を含む大部分の他の成人組織もまた幹細胞を包含することを示唆する。「充実性腫瘍幹細胞」(あるいは充実性腫瘍由来の「癌幹細胞」)由来の腫瘍が、その後対称および非対称の細胞分裂の両方の繰り返しを通じて、無秩序に発生する。この幹細胞モデルでは、充実性腫瘍は、別々の限定された(恐らくまれでさえある)細胞のサブセットを含み、それは広汎に増殖しかつさらなる充実性腫瘍幹細胞(自己複製)ならびに充実性腫瘍の大多数である腫瘍形成能力を欠く腫瘍細胞の両者を効率的に生じるという点で、正常「幹細胞」の特性を共有する。実際、長命幹細胞集団内の突然変異が癌幹細胞の形成を開始させる可能性があり、それは腫瘍の増殖および維持の基礎となっており、その存在が現在の治療的アプローチの失敗の原因である。

癌の幹細胞的性質は、最初に血液癌、即ち急性骨髄性白血病(AML)で明らかにされた(Lapidot et al., 1994, Nature 77:645-8)。より最近になって、悪性のヒト乳腺腫瘍および結腸腫瘍が、同様に、免疫不全マウスにおける腫瘍形成能力に富む癌幹細胞の小さな別個の集団を含むことが実証された。乳腺腫瘍におけるESA+、CD44+、CD24-/low、Lin-細胞集団は、分画されていない腫瘍細胞と比較して、腫瘍形成性細胞が50倍豊富なことが判明した(Al-Hajj et al., 2003, Proc. Nat'l Acad. Sci. 100:3983-8)。同様に、直腸結腸腫瘍におけるESA+、CD44+の亜集団腫瘍原性細胞を特有の形で含むことが分かり、このプロファイルにCD166を加えることで、結腸癌幹細胞(CoCSC)をさらに濃縮することができた(Dalerba et al. 2007 Proc Nat'l Acad Sci 104:10158-63)。腫瘍形成性癌細胞予測的に単離することができれば、これらの細胞の腫瘍形成能の基礎となる重要な生物学的経路の研究が可能になり、したがって癌患者のためのより良い診断分析および治療法の開発が約束される。本発明の方向性は、この目的を目指している。

概要

充実性腫瘍の診断および処置のための癌幹細胞マーカーに対する抗体の提供。ヒトDLL4エピトープであるヒトDLL4N末端領域、およびヒトDLL4DSLの組み合わせによって形成されるヒトDLL4の細胞外ドメインに特異的に結合し、かつ、癌幹細胞を含む腫瘍の増殖に影響を与える単離抗体。また、抗体をコードするポリヌクレオチド発現ベクター宿主細胞形質転換し、抗体を発現させ、培養培地から抗体を精製する抗体の製造方法。更に、該抗体による癌の診断方法、及び癌を処置する方法。なし

目的

本発明は腫瘍学の分野に関し、癌を診断し処置するための新規組成物および方法を提供する

効果

実績

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請求項1

ヒトDLL4N末端領域(SEQID NO: 27)内のアミノ酸を含むヒトDLL4エピトープに特異的に結合する単離抗体であって、癌幹細胞を含む腫瘍の増殖に影響を与える抗体。

請求項2

ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4N末端領域(SEQID NO: 27)およびヒトDLL4 DSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成される、請求項1記載の単離抗体。

請求項3

ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 DSL (SEQID NO: 26)内のアミノ酸をさらに含む、請求項1記載の単離抗体。

請求項4

ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4N末端領域のアミノ酸番号66〜73 (QAVVSPGP)を含む、請求項2記載の単離抗体。

請求項5

ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4N末端領域のアミノ酸V68、V69、およびP71を含む、請求項4記載の単離抗体。

請求項6

ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4N末端領域のアミノ酸番号139〜146 (LISKIAIQ)を含む、請求項2記載の単離抗体。

請求項7

ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4N末端領域のアミノ酸K142およびA144を含む、請求項6記載の単離抗体。

請求項8

ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4N末端領域のアミノ酸番号66〜73 (QAVVSPGP)および139〜146 (LISKIAIQ)を含む、請求項2記載の単離抗体。

請求項9

ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4N末端領域のアミノ酸V68、V69、P71、K142、およびK144を含む、請求項8記載の単離抗体。

請求項10

影響が腫瘍体積の低減である、前記請求項のいずれか一項記載の単離抗体。

請求項11

モノクローナル抗体である、請求項1〜9のいずれか一項記載の抗体。

請求項12

キメラ抗体である、請求項1〜9のいずれか一項記載の抗体。

請求項13

ヒト化抗体である、請求項1〜9のいずれか一項記載の抗体。

請求項14

ヒト抗体である、請求項1〜9のいずれか一項記載の抗体。

請求項15

IgG抗体である、請求項13記載のヒト化抗体。

請求項16

IgGがIgG2である、請求項15記載のヒト化抗体。

請求項17

抗体断片である、請求項13記載のヒト化抗体。

請求項18

抗体断片がFab断片である、請求項17記載のヒト化抗体。

請求項19

(i)CDRアミノ酸配列CDR1 (SEQID NO: 1)、CDR2 (SEQ ID NO: 2、SEQ ID NO: 3、またはSEQ ID NO: 4)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 5)を含む、重鎖可変領域; ならびに(ii) CDRアミノ酸配列CDR1 (SEQ ID NO: 9)、CDR2 (SEQ ID NO: 10)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 11)を含む、軽鎖可変領域を含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の単離抗体。

請求項20

2007年9月28日付でATCC寄託されかつATCC寄託番号__を持つハイブリドーマにより産生される、請求項19記載の単離抗体。

請求項21

2007年9月28日付でATCCに寄託されかつATCC寄託番号__を持つハイブリドーマにより産生される抗体と、ヒトDLL4への特異的結合について競合する抗体。

請求項22

ヒトDLL4N末端領域(SEQID NO: 27)内のアミノ酸を含むヒトDLL4エピトープに特異的に結合するヒト化抗体であって、(i)非ヒト抗原決定領域とヒト重鎖可変フレームワーク領域とを含む重鎖可変領域ならびに(ii) 非ヒト抗原決定領域とヒト軽鎖可変フレームワーク領域とを含む軽鎖可変領域を含む、抗体。

請求項23

ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4N末端領域(SEQID NO: 27)およびヒトDLL4 DSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成される、請求項22記載のヒト化抗体。

請求項24

ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 DSL (SEQID NO: 26)内のアミノ酸をさらに含む、請求項22記載のヒト化抗体。

請求項25

ヒト重鎖可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が置換されている、請求項23記載のヒト化抗体。

請求項26

少なくとも1つの置換が、非ヒト抗原決定領域を含む抗体中の対応する位置を占める残基の置換である、請求項25記載のヒト化抗体。

請求項27

ヒト重鎖可変フレームワーク領域中の5つまたは6つの残基が置換されている、請求項25記載のヒト化抗体。

請求項28

Kabat番号付与ステムに基づき、ヒト可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの置換が、16H、20H、27H、28H、38H、および48Hからなる群より選択される位置にある、請求項25記載のヒト化抗体。

請求項29

Kabat番号付与システムに基づき、ヒト可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの置換が、20H、28H、38H、48H、および69Hからなる群より選択される位置にある、請求項25記載のヒト化抗体。

請求項30

Kabat番号付与システムに基づき、位置16H、20H、27H、28H、38H、および48Hが置換されている、請求項27記載のヒト化抗体。

請求項31

Kabat番号付与システムに基づき、位置20H、28H、38H、48H、および69Hが置換されている、請求項27記載のヒト化抗体。

請求項32

重鎖非ヒト抗原決定領域が、CDRアミノ酸配列CDR1 (SEQID NO: 1)、CDR2 (SEQ ID NO: 2、SEQ ID NO: 3、またはSEQ ID NO: 4)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 5)を含む、請求項22〜31のいずれか一項記載のヒト化抗体。

請求項33

ヒト軽鎖可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が置換されている、請求項22〜31のいずれか一項記載のヒト化抗体。

請求項34

少なくとも1つの置換が、非ヒト抗原決定領域を含む抗体中の対応する位置を占める残基の置換である、請求項33記載のヒト化抗体。

請求項35

ヒト軽鎖可変フレームワーク領域中の2つの残基が置換されている、請求項33記載のヒト化抗体。

請求項36

Kabat番号付与システムに基づき、ヒト可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が、22Lおよび36Lからなる群より選択される位置にある、請求項33記載のヒト化抗体。

請求項37

Kabat番号付与システムに基づき、位置22Lおよび36Lが置換されている、請求項35記載のヒト化抗体。

請求項38

軽鎖非ヒト抗原決定領域がCDR1 (SEQID NO: 9)、CDR2 (SEQ ID NO: 10)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 11)を含む、請求項33〜37のいずれか一項記載のヒト化抗体。

請求項39

重鎖可変領域がSEQID NO: 6、SEQ ID NO: 7、またはSEQ ID NO: 8を含む、請求項22記載のヒト化抗体。

請求項40

軽鎖可変領域がSEQID NO: 12を含む、請求項22記載のヒト化抗体。

請求項41

重鎖可変領域がSEQID NO: 6、SEQ ID NO: 7、またはSEQ ID NO: 8を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO: 12を含む、請求項22記載のヒト化抗体。

請求項42

ヒトDLL4N末端領域(SEQID NO: 27)内のアミノ酸を含むヒトDLL4エピトープに特異的に結合する単離抗体であって、Notch受容体とDLL4との結合を阻害する抗体。

請求項43

ATCCに寄託したプラスミド(ATCC寄託番号PTA-8427またはPTA-8425)によりコードされる抗体と、ヒトDLL4への特異的結合について競合する、抗体。

請求項44

ATCC番号PTA-8427またはPTA-8425で寄託されたプラスミドによりコードされるヒト化抗体。

請求項45

(i) 前記請求項のいずれか一項記載の抗体; および(ii)薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物

請求項46

請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体をコードする、単離ポリヌクレオチドベクター

請求項47

請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドベクターを含む、宿主細胞

請求項48

癌の処置で用いるための、請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体。

請求項49

癌を処置するための医薬の製造における、請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体の使用。

請求項50

第2の治療剤と組み合わせた治療上有効量の抗体を患者投与する段階を含む、請求項49記載の使用。

請求項51

抗体および第2の治療剤が同時にまたは連続的に投与される、請求項50記載の使用。

請求項52

第2の治療剤が化学療法剤である、請求項50記載の使用。

請求項53

化学療法剤がフルオロウラシルまたはイリノテカンである、請求項52記載の使用。

請求項54

第2の治療剤が第2の治療抗体である、請求項50記載の使用。

請求項55

第2の治療抗体が抗EGF受容体抗体または抗VEGF抗体である、請求項54記載の使用。

請求項56

第2の治療剤が放射線療法である、請求項50記載の使用。

請求項57

患者試料を請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体と接触させる段階、および患者試料におけるDLL4発現局在性に基づき癌を診断する段階を含む、癌を診断する方法。

請求項58

(i) 抗体をコードする一つまたは複数のポリヌクレオチド発現ベクターで宿主細胞を形質転換する段階;(ii) 抗体の発現を可能にする条件の下で宿主細胞を培養する段階; および(iii) 抗体を培養培地から精製する段階を含む、請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体を製造する方法。

請求項59

請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体を発現する、形質転換細胞株

請求項60

2007年9月28日付でATCCに寄託されかつATCC寄託番号__を持つ抗体21M18を分泌するハイブリドーマ。

請求項61

21M18 H9L2 (ATCC寄託番号PTA-8427)または21M18 H7L2 (ATCC寄託番号PTA-8425)をコードする、プラスミド。

請求項62

ATCC番号PTA-8427またはPTA-8425で寄託されたプラスミドをトランスフェクトした細胞を培養することにより、抗体21M18 H9L2または抗体21M18 H7L2を作製する方法。

請求項63

容器およびその中に含有されている組成物を含むキットであって、組成物が、請求項1〜44のいずれか一項記載の抗体を含み、かつ、該組成物を用いて癌を処置できることを示す添付文書をさらに含む、キット。

技術分野

0001

発明の説明
分野
本発明は腫瘍学の分野に関し、癌を診断処置するための新規組成物および方法を提供する。本発明は、充実性腫瘍の診断および処置のための癌幹細胞マーカーに対する抗体を提供する。

背景技術

0002

背景
癌は、先進諸国の主要な死因の一つであって、米国だけでも毎年100万人以上が癌と診察され、500,000人が死亡する。通算して、3人に2人以上が一生のうちになんらかの形の癌を発病するであろうと推測される。200種を上回る様々な種類の癌が存在し、それらのうちの四つ、すなわち乳房結腸直腸、および前立腺の癌が全ての新患の半分以上を占める(Jemal et al., 2003, Cancer J. Clin. 53:5-26)。

0003

乳癌は、女性において最も一般的な癌であり、女性のうち推定12%が一生のうちに発病するリスクを有する。死亡率は、早期検出および処置の改善により減少したが、未だ乳癌は中年女性の主要な死因であり、また転移性乳癌は、依然として不治の病である。症状に関しては、ほとんどの転移性乳癌患者は一つまたは二つの臓器系にしか罹患していないが、疾患が進行するとともに、通常複数の部位が侵されるようになる。転移病巣の最も一般的な部位は、皮膚および胸壁軟組織における、ならびに腋窩および鎖骨上領域における、局所領域的再発である。遠隔転移の最も一般的な部位は骨(遠隔転移の30〜40%)であり、続いて肺と肝臓である。また、新しく乳癌と診断された女性のわずか約1〜5%しか診断時には遠隔転移を有さないが、局所的疾患を有する患者の約50%が、結局5年以内に転移によって再発する。現在、遠隔転移が起こってからの生存期間中央値は、約3年である。

0004

乳癌を診断し病期分類をする現行の手法には、腫瘍の大きさ、リンパ節中の腫瘍の存在、および遠隔転移の存在に基づく、腫瘍−リンパ節−転移(TNM)システムが含まれる(American Joint Committee on Cancer:AJCC Cancer Staging Manual. Philadelphia, Pa.: Lippincott-Raven Publishers, 5th ed., 1997, pp 171-180; Harris, J R: "Staging of breast carcinoma" in Harris, J. R., Hellman, S., Henderson, I. C., Kinne D. W. (eds.): Breast Diseases, Philadelphia, Lippincott, 1991)。これらのパラメーター予後診断を与え、適切な治療を選択するために用いられる。腫瘍の形態的外観を評価することもできるが、同様の組織病理学的外観を有する腫瘍が有意な臨床的多様性を示す場合があるので、この方法には深刻な限界がある。最後に、細胞表面マーカー分析を用いて、ある種の腫瘍の種類をサブクラスに分けることができる。例えば、乳癌の予後診断および処置において考慮される一つの因子は、エストロゲン受容体(ER)の存在であり、ER陽性乳癌は通常はタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬などのホルモン療法剤に、ER陰性の腫瘍よりも容易に応答する。これらの分析は有用ではあるが乳腺腫瘍の臨床的挙動を部分的に予測できるだけであり、乳癌には、現在の診断機器によって検出できず、また現在の療法によって処置できない多くの表現型多様性が存在する。

0005

前立腺癌は、先進諸国の男性において最も一般的な癌であって、米国における全ての癌の新患の推定33%を占め、2番目に多い死因である(Jemal et al., 2003, CA Cancer J. Clin. 53:5-26)。前立腺特異抗原(PSA)血液検査の導入以来、前立腺癌の早期発見により劇的に生存率が改善され;診断時に局所的および局部的な段階の前立腺癌を有する患者の5年生存率は、100%に近づいている。それでも50%を上回る患者が、局所的に進行した疾患あるいは転移性の疾患を最終的に発病する(Muthuramalingam et al.,2004, Clin. Oncol. 16:505-16)。

0006

現在、根治的前立腺摘除および放射線療法が、大多数の局所的な前立腺腫瘍に対する治癒的処置が提供されている。しかし、進行した症例の場合には、治療の選択肢は極めて限定される。転移性疾患については、単独の、または抗アンドロゲン剤と組み合わせた黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニストを用いるアンドロゲン除去標準的処置である。しかし、最大限アンドロゲン遮断をした場合でも疾患はほとんど必ず進行して、大多数がアンドロゲン非依存性疾患を発症する。現在のところ、ホルモン無反応性前立腺癌のための一様に容認された処置は存在せず、一般に化学療法的治療法が用いられる(Muthuramalingam et al., 2004, Clin. Oncol. 16:505-16; Trojan et al., 2005, Anticancer Res. 25:551-61)。

0007

結腸直腸癌は、3番目に一般的な癌であり、世界中の癌による死因中で4番目に多い(Weitz et al., 2005, Lancet 365:153-65)。全結腸直腸癌の約5〜10%が遺伝性であって、その主要な形の一つが、家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)であり、これは、罹患者の約80%が大腸腺腫性ポリポーシス(APC)遺伝子に生殖細胞系列突然変異を含む常染色体優性疾患である。結腸直腸癌は、周辺への成長により局所的に、および、リンパ性血行性腹膜横断性、および神経周囲への伝播により他の場所へ侵入する。リンパ外の併発の最も一般的な部位は肝臓であり、最も頻繁に冒される腹腔外の器官は肺である。他の血行性伝播部位には、骨、腎臓副腎および脳が含まれる。

0008

結腸直腸癌用の現在の病期分類システムは、腫瘍の腸壁浸透の程度、およびリンパ節併発の存在または非存在に基づく。この病期分類システムは、三つの主なデュークス分類によって定義される:デュークスA疾患は、結腸または直腸粘膜下組織層に限定され;デュークスB疾患は、固有筋層を通過して侵入して、結腸または直腸壁に入り込む可能性のある腫瘍を有し;およびデュークスC疾患は、任意の程度の腸壁侵入があり、局地的リンパ節転移を有する。初期段階の結腸直腸癌には外科切除術が極めて有効であって、デュークスA患者では95%の治癒率を与えるが、デュークスB患者では治癒率は75%に減少し、デュークスC疾患で陽性リンパ節が存在すると、60%の5年以内再発可能性が予測される。デュークスC患者の外科手術後化学療法コースによる治療は再発率を40%〜50%に低下させ、これはこれらの患者に対する現在の標準ケアである。

0009

肺癌は世界的に最も一般的な癌であり、米国では3番目に多く診断される癌であって、最も多い癌死の原因である(Spiro et al., 2002, Am. J. Respir. Crit. Care Med. 166: 1166-96; Jemal et al., 2003, CA Cancer J. Clin. 53:5-26)。喫煙が、全ての肺癌のうち推定87%の原因と考えられ、このことにより、肺癌は、最も効果的に予防可能な疾患となっている。肺癌は小細胞肺癌(SCLC)および非小細胞肺癌(NSCLC)の二つの主要なタイプに分類され、これらがすべての肺癌の90%以上を占める。SCLCは、症例の15〜20%を占め、大きな中枢気道起源を持つこと、および細胞質をほとんど有さない小細胞シートという組織学組成によって特徴づけられる。SCLCはNSCLCより悪性であり、急速に成長し、早期に高頻度で転移する。NSCLCはすべての症例の80〜85%を占め、組織学に基づいてさらに三つの主なサブタイプである腺癌扁平上皮癌(類表皮癌)および大細胞未分化癌に分類される。

0010

肺癌は、典型的にはその進行の後期に症状を現わし、したがって生存中央値は診断後わずか6〜12ヶ月であり、全体としての5年生存率はわずか5〜10%に過ぎない。手術は治癒の最良の機会であるが、肺癌患者のごく一部しか手術適格ではなく、大多数は化学療法および放射線療法に頼っている。その治療の時期および用量の程度を操作する試みがなされてはいるが、生存率は、過去15年にわたってほとんど増加していない(Spiro et al., 2002, Am. J. Respir. Crit. Care Med. 166: 1166-96)。

0011

これらの四つの癌は、他の多くの癌もそうであるが、異質細胞集団から成る充実性腫瘍として存在する。例えば乳癌は、癌細胞ならびに間充織(間質)細胞、炎症細胞および内皮細胞を含む正常細胞の混合物である。いくつかの癌のモデルが、この異質性の存在について異なる説明を与える。一つのモデルである癌の古典的モデルは、表現型が異なる癌細胞集団のすべてが、増殖して新しい腫瘍を生む能力を有すると考えられている。古典的モデルでは、腫瘍細胞の異質性は、環境要因に、ならびに腫瘍形成性細胞の様々な集団をもたらす癌細胞内で進行中の突然変異に起因する。このモデルは、すべての腫瘍細胞の集団がある程度の腫瘍形成能力を有するという発想に基づく(Pandis et al., 1998, Genes, Chromosomes & Cancer 12:122-129; Kuukasjrvi et al., 1997, Cancer Res. 57:1597-1604; Bonsing et al., 1993, Cancer 71:382-391; Bonsing et al., 2000, Genes Chromosomes & Cancer 82: 173-183; Beerman H et al., 1991, Cytometry 12:147-54; Aubele M & Werner M, 1999, Analyt. Cell. Path. 19:53; Shen L et al., 2000, Cancer Res. 60:3884)。

0012

充実性腫瘍細胞に観察される異質性についての別のモデルは、腫瘍発生に対する幹細胞の影響から導出される。このモデルによれば、癌は、正常組織の発生および維持を制御する機構の調節異常に起因する(Beachy et al., 2004, Nature 432:324)。正常動物の発生中、大部分またはすべての組織の細胞は、幹細胞と呼ばれる正常な前駆体から導出される(Morrison et al., 1997, Cell 88:287-98; Morrison et al., 1997, Curr. Opin. Immunol. 9:216-21; Morrison et al., 1995, Annu. Rev. Cell. Dev. Biol. 11:35-71)。幹細胞は、(1) 高い増殖能を有し;(2) 非対称細胞分裂をして、増殖および/または発生能力の低下した一つまたは複数の種類の子孫を産生することができ;かつ(3)自己複製または自己維持のための対称細胞分裂が可能な、細胞である。幹細胞の分化による成人の細胞再生の最もよく研究されている例は造血系であって、発生上未熟な前駆体(造血幹細胞および始原細胞)が、分子シグナルに応答して、様々な血液細胞型およびリンパ球細胞型を形成する。腸、乳管系および皮膚の細胞を含む他の細胞は、絶えず各組織中の少数の幹細胞から補充され、最近の研究は、脳を含む大部分の他の成人組織もまた幹細胞を包含することを示唆する。「充実性腫瘍幹細胞」(あるいは充実性腫瘍由来の「癌幹細胞」)由来の腫瘍が、その後対称および非対称の細胞分裂の両方の繰り返しを通じて、無秩序に発生する。この幹細胞モデルでは、充実性腫瘍は、別々の限定された(恐らくまれでさえある)細胞のサブセットを含み、それは広汎に増殖しかつさらなる充実性腫瘍幹細胞(自己複製)ならびに充実性腫瘍の大多数である腫瘍形成能力を欠く腫瘍細胞の両者を効率的に生じるという点で、正常「幹細胞」の特性を共有する。実際、長命幹細胞集団内の突然変異が癌幹細胞の形成を開始させる可能性があり、それは腫瘍の増殖および維持の基礎となっており、その存在が現在の治療的アプローチの失敗の原因である。

0013

癌の幹細胞的性質は、最初に血液癌、即ち急性骨髄性白血病(AML)で明らかにされた(Lapidot et al., 1994, Nature 77:645-8)。より最近になって、悪性のヒト乳腺腫瘍および結腸腫瘍が、同様に、免疫不全マウスにおける腫瘍形成能力に富む癌幹細胞の小さな別個の集団を含むことが実証された。乳腺腫瘍におけるESA+、CD44+、CD24-/low、Lin-細胞集団は、分画されていない腫瘍細胞と比較して、腫瘍形成性細胞が50倍豊富なことが判明した(Al-Hajj et al., 2003, Proc. Nat'l Acad. Sci. 100:3983-8)。同様に、直腸結腸腫瘍におけるESA+、CD44+の亜集団腫瘍原性細胞を特有の形で含むことが分かり、このプロファイルにCD166を加えることで、結腸癌幹細胞(CoCSC)をさらに濃縮することができた(Dalerba et al. 2007 Proc Nat'l Acad Sci 104:10158-63)。腫瘍形成性癌細胞予測的に単離することができれば、これらの細胞の腫瘍形成能の基礎となる重要な生物学的経路の研究が可能になり、したがって癌患者のためのより良い診断分析および治療法の開発が約束される。本発明の方向性は、この目的を目指している。

0014

概要
ヒトDLL4N末端領域(SEQID NO: 27)およびヒトDSLドメイン(SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成されるヒトデルタリガンド4 (DLL4)エピトープに特異的に結合する抗体が提供され、該抗体は腫瘍増殖に影響を与える。同様に、本開示の抗体および薬学的に許容される媒体を含む薬学的組成物を提供する。さらに、本開示のDLL4抗体の治療上有効量を投与する段階を含む、癌を処置する方法を提供する。
[請求項101]
ヒトDLL4 N末端領域(SEQ ID NO: 27)内のアミノ酸を含むヒトDLL4エピトープに特異的に結合する単離抗体であって、癌幹細胞を含む腫瘍の増殖に影響を与える抗体。
[請求項102]
ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 N末端領域(SEQ ID NO: 27)およびヒトDLL4 DSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成される、請求項101記載の単離抗体。
[請求項103]
ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 DSL (SEQ ID NO: 26)内のアミノ酸をさらに含む、請求項101記載の単離抗体。
[請求項104]
ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 N末端領域のアミノ酸番号66〜73 (QAVVSPGP)を含む、請求項102記載の単離抗体。
[請求項105]
ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 N末端領域のアミノ酸V68、V69、およびP71を含む、請求項104記載の単離抗体。
[請求項106]
ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 N末端領域のアミノ酸番号139〜146 (LISKIAIQ)を含む、請求項102記載の単離抗体。
[請求項107]
ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 N末端領域のアミノ酸K142およびA144を含む、請求項106記載の単離抗体。
[請求項108]
ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 N末端領域のアミノ酸番号66〜73 (QAVVSPGP)および139〜146 (LISKIAIQ)を含む、請求項102記載の単離抗体。
[請求項109]
ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 N末端領域のアミノ酸V68、V69、P71、K142、およびK144を含む、請求項108記載の単離抗体。
[請求項110]
影響が腫瘍体積の低減である、前記請求項のいずれか一項記載の単離抗体。
[請求項111]
モノクローナル抗体である、請求項101〜109のいずれか一項記載の抗体。
[請求項112]
キメラ抗体である、請求項101〜109のいずれか一項記載の抗体。
[請求項113]
ヒト化抗体である、請求項101〜109のいずれか一項記載の抗体。
[請求項114]
ヒト抗体である、請求項101〜109のいずれか一項記載の抗体。
[請求項115]
IgG抗体である、請求項113記載のヒト化抗体。
[請求項116]
IgGがIgG2である、請求項115記載のヒト化抗体。
[請求項117]
抗体断片である、請求項113記載のヒト化抗体。
[請求項118]
抗体断片がFab断片である、請求項117記載のヒト化抗体。
[請求項119]
(i)CDRアミノ酸配列CDR1 (SEQ ID NO: 1)、CDR2 (SEQ ID NO: 2、SEQ ID NO: 3、またはSEQ ID NO: 4)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 5)を含む、重鎖可変領域; ならびに
(ii) CDRアミノ酸配列CDR1 (SEQ ID NO: 9)、CDR2 (SEQ ID NO: 10)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 11)を含む、軽鎖可変領域
を含む、請求項101〜109のいずれか一項記載の単離抗体。
[請求項120]
2007年9月28日付でATCC寄託されかつATCC寄託番号__を持つハイブリドーマにより産生される、請求項119記載の単離抗体。
[請求項121]
2007年9月28日付でATCCに寄託されかつATCC寄託番号__を持つハイブリドーマにより産生される抗体と、ヒトDLL4への特異的結合について競合する抗体。
[請求項122]
ヒトDLL4 N末端領域(SEQ ID NO: 27)内のアミノ酸を含むヒトDLL4エピトープに特異的に結合するヒト化抗体であって、(i)非ヒト抗原決定領域とヒト重鎖可変フレームワーク領域とを含む重鎖可変領域ならびに(ii) 非ヒト抗原決定領域とヒト軽鎖可変フレームワーク領域とを含む軽鎖可変領域を含む、抗体。
[請求項123]
ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 N末端領域(SEQ ID NO: 27)およびヒトDLL4 DSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成される、請求項122記載のヒト化抗体。
[請求項124]
ヒトDLL4エピトープがヒトDLL4 DSL (SEQ ID NO: 26)内のアミノ酸をさらに含む、請求項122記載のヒト化抗体。
[請求項125]
ヒト重鎖可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が置換されている、請求項123記載のヒト化抗体。
[請求項126]
少なくとも1つの置換が、非ヒト抗原決定領域を含む抗体中の対応する位置を占める残基の置換である、請求項125記載のヒト化抗体。
[請求項127]
ヒト重鎖可変フレームワーク領域中の5つまたは6つの残基が置換されている、請求項125記載のヒト化抗体。
[請求項128]
Kabat番号付与システムに基づき、ヒト可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの置換が、16H、20H、27H、28H、38H、および48Hからなる群より選択される位置にある、請求項125記載のヒト化抗体。
[請求項129]
Kabat番号付与システムに基づき、ヒト可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの置換が、20H、28H、38H、48H、および69Hからなる群より選択される位置にある、請求項125記載のヒト化抗体。
[請求項130]
Kabat番号付与システムに基づき、位置16H、20H、27H、28H、38H、および48Hが置換されている、請求項127記載のヒト化抗体。
[請求項131]
Kabat番号付与システムに基づき、位置20H、28H、38H、48H、および69Hが置換されている、請求項127記載のヒト化抗体。
[請求項132]
重鎖非ヒト抗原決定領域が、CDRアミノ酸配列CDR1 (SEQ ID NO: 1)、CDR2 (SEQ ID NO: 2、SEQ ID NO: 3、またはSEQ ID NO: 4)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 5)を含む、請求項122〜131のいずれか一項記載のヒト化抗体。
[請求項133]
ヒト軽鎖可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が置換されている、請求項122〜131のいずれか一項記載のヒト化抗体。
[請求項134]
少なくとも1つの置換が、非ヒト抗原決定領域を含む抗体中の対応する位置を占める残基の置換である、請求項133記載のヒト化抗体。
[請求項135]
ヒト軽鎖可変フレームワーク領域中の2つの残基が置換されている、請求項133記載のヒト化抗体。
[請求項136]
Kabat番号付与システムに基づき、ヒト可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が、22Lおよび36Lからなる群より選択される位置にある、請求項133記載のヒト化抗体。
[請求項137]
Kabat番号付与システムに基づき、位置22Lおよび36Lが置換されている、請求項135記載のヒト化抗体。
[請求項138]
軽鎖非ヒト抗原決定領域がCDR1 (SEQ ID NO: 9)、CDR2 (SEQ ID NO: 10)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 11)を含む、請求項133〜137のいずれか一項記載のヒト化抗体。
[請求項139]
重鎖可変領域がSEQ ID NO: 6、SEQ ID NO: 7、またはSEQ ID NO: 8を含む、請求項122記載のヒト化抗体。
[請求項140]
軽鎖可変領域がSEQ ID NO: 12を含む、請求項122記載のヒト化抗体。
[請求項141]
重鎖可変領域がSEQ ID NO: 6、SEQ ID NO: 7、またはSEQ ID NO: 8を含み、かつ軽鎖可変領域がSEQ ID NO: 12を含む、請求項122記載のヒト化抗体。
[請求項142]
ヒトDLL4 N末端領域(SEQ ID NO: 27)内のアミノ酸を含むヒトDLL4エピトープに特異的に結合する単離抗体であって、Notch受容体とDLL4との結合を阻害する抗体。
[請求項143]
ATCCに寄託したプラスミド(ATCC寄託番号PTA-8427またはPTA-8425)によりコードされる抗体と、ヒトDLL4への特異的結合について競合する、抗体。
[請求項144]
ATCC番号PTA-8427またはPTA-8425で寄託されたプラスミドによりコードされるヒト化抗体。
[請求項145]
(i) 前記請求項のいずれか一項記載の抗体; および
(ii) 薬学的に許容される担体
を含む、薬学的組成物。
[請求項146]
請求項101〜144のいずれか一項記載の抗体をコードする、単離ポリヌクレオチドベクター
[請求項147]
請求項101〜144のいずれか一項記載の抗体をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドベクターを含む、宿主細胞
[請求項148]
癌の処置で用いるための、請求項101〜144のいずれか一項記載の抗体。
[請求項149]
癌を処置するための医薬の製造における、請求項101〜144のいずれか一項記載の抗体の使用。
[請求項150]
第2の治療剤と組み合わせた治療上有効量の抗体を患者に投与する段階を含む、請求項149記載の使用。
[請求項151]
抗体および第2の治療剤が同時にまたは連続的に投与される、請求項150記載の使用。
[請求項152]
第2の治療剤が化学療法剤である、請求項150記載の使用。
[請求項153]
化学療法剤がフルオロウラシルまたはイリノテカンである、請求項152記載の使用。
[請求項154]
第2の治療剤が第2の治療抗体である、請求項150記載の使用。
[請求項155]
第2の治療抗体が抗EGF受容体抗体または抗VEGF抗体である、請求項154記載の使用。
[請求項156]
第2の治療剤が放射線療法である、請求項150記載の使用。
[請求項157]
患者試料を請求項101〜144のいずれか一項記載の抗体と接触させる段階、および患者試料におけるDLL4発現局在性に基づき癌を診断する段階を含む、癌を診断する方法。
[請求項158]
(i) 抗体をコードする一つまたは複数のポリヌクレオチド発現ベクターで宿主細胞を形質転換する段階;
(ii) 抗体の発現を可能にする条件の下で宿主細胞を培養する段階; および
(iii) 抗体を培養培地から精製する段階
を含む、請求項101〜144のいずれか一項記載の抗体を製造する方法。
[請求項159]
請求項101〜144のいずれか一項記載の抗体を発現する、形質転換細胞株
[請求項160]
2007年9月28日付でATCCに寄託されかつATCC寄託番号__を持つ抗体21M18を分泌するハイブリドーマ。
[請求項161]
21M18 H9L2 (ATCC寄託番号PTA-8427)または21M18 H7L2 (ATCC寄託番号PTA-8425)をコードする、プラスミド。
[請求項162]
ATCC番号PTA-8427またはPTA-8425で寄託されたプラスミドをトランスフェクトした細胞を培養することにより、抗体21M18 H9L2または抗体21M18 H7L2を作製する方法。
[請求項163]
容器およびその中に含有されている組成物を含むキットであって、組成物が、請求項101〜144のいずれか一項記載の抗体を含み、かつ、該組成物を用いて癌を処置できることを示す添付文書をさらに含む、キット。

0015

本発明のさらなる目的および長所は、一部は以下の明細書に記載され、その他は明細書より明らかであるかまたは本発明の実施により教示されうる。本発明の目的および長所は、特に添付の特許請求の範囲に詳細に示された要素および組合せを用いて、実現され到達される。先述した一般的な記載および以下の詳細な記載は共に、例示および説明のためだけのものであって、請求される本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。本明細書に組み入れられ、その一部を構成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を例示し、明細書と共に、本発明の原理を説明する役目を果たす。明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形の「a」「an」および「the」は、文脈中で特にそうでないと明記しない限り、複数形を含むものとする。

図面の簡単な説明

0016

天然の細胞表面DLL4タンパク質と抗DLL4 21M18抗体との特異的結合。完全長のDLL4およびGFPを同時トランスフェクトしたHEK 293細胞を抗DLL4抗体とともにインキュベートし、FACSにより選別した。DLL4抗体結合とGFP発現との間の直線関係から明らかなように、抗DLL4抗体21M14および21M18は、DLL4発現細胞との特異的結合を示す。
DLL4抗体はヒトDLL4とNotch受容体との相互作用を遮断する。A) DLL4を発現するHEK 293細胞を、DLL4または対照の抗体の存在下でNotch-Fcまたは対照Fcタンパク質とともにインキュベートした。高い蛍光強度は、対照抗体(線2)および21M12抗DLL4抗体(線5)の存在下においてNotchおよびDLL4の結合が存在することを示す。低い蛍光強度は、Notchの非存在下において(線1) NotchおよびDLL4の相互作用が存在しないこと、ならびに抗DLL4抗体21M18 (線3)および21M14 (線4)の存在下においてNotchおよびDLL4の相互作用が妨害されることを示す。B) Notch 1を発現するHEK 293細胞を、ヒトまたはマウスのいずれかのDLL4-Fcとともにインキュベートした。結合を蛍光標識抗Fcによって検出し、FACSによって解析した。高い蛍光強度はDLL4とNotchI発現細胞との間の結合を示す。21M18は、Notch受容体とヒトDLL4 (灰四角形)との結合を遮断するがマウスDLL4 (黒円形)との結合を遮断しない。
抗DLL4抗体のエピトープマッピング。 ヒトDLL4の細胞外ドメインネスト状欠失を有する融合タンパク質を、21M14および21M18抗DLL4抗体とともにELISAアッセイにおいてインキュベートした。アミノ酸番号1〜154を含有する融合タンパク質の存在下では、バックグラウンドを超える結合が検出されなかった(aa 1〜96、黒色点のついた白色バー; aa 1〜154、白色点のついた黒色バー)。対照的に、DLL4のアミノ酸番号1〜217(DSLドメインを含む)を含有する全ての融合タンパク質と抗DLL4抗体との間では、結合が検出された(aa 1〜217、横縞バー; aa 1〜251、斜バー; aa 1〜283、斜線バー; aa 1〜323、白色点のついた灰色バー)。
抗DLL4抗体のエピトープマッピング。ウエスタンブロットはヒトDLL4 (h-DLL4)C末端欠失タンパク質およびマウス-ヒトDLL4キメラ融合タンパク質の発現を示す(抗hFc; 上)。DLL4融合タンパク質はドメイン1〜6の1つまたは複数を含み、ここでCに図示されているようにドメイン1および2はN末端アミノ酸1〜154であり; ドメイン3はアミノ酸番号155〜217由来のDSLドメインであり; ならびにドメイン4、5、および6はそれぞれEGFドメインである。21M18抗体はアミノ酸番号1〜217 (hDLL4dom1-3)の存在下においてのみh-DLL4タンパク質を認識する。ヒトタンパク質とは対照的に、マウスDLL4 (m-DLL4)のアミノ酸番号1〜217 (dom1-3)を含む融合タンパク質は、21M18 (m-DLL4 dom1-3: h-DLL4dom4-6)によって認識されない。しかし、マウスdom3の存在下において、h-DLL4のアミノ酸番号1〜154 (dom1-2)を含む融合タンパク質は、21M18 (h-DLL4 dom1-2:mDLL4dom3-6)によって認識される。
抗DLL4抗体のエピトープマッピング。 図3Bの結合データの模式図を示す。DLL4のドメイン構造を、上部にDLL4融合タンパク質を記載して示し、左側にヒトタンパク質を薄灰色で表し、マウスタンパク質を暗灰色で表して概略的に示す。各DLL4断片との21M18の結合を「+」vs「-」によって示す。
抗DLL4抗体のエピトープマッピング。 選択の位置でヒト残基に代えて対応するマウス残基の置換を含有するDLL4タンパク質断片との21M18の結合のELISA解析。21M18は、アミノ酸番号68、69、および71での置換(バリン、バリン、およびプロリン交換)またはアミノ酸番号142および144での置換(リジンおよびアラニンの交換)を有するDLL4タンパク質断片との結合の低下を示す。
抗DLL4抗体のエピトープマッピング。 DSLドメイン内の選択した位置でヒト残基に代えて対応するマウス残基の置換を含有するDLL4タンパク質断片との抗体21M18および21M21の結合のELISA解析。抗体21M21は、アミノ酸番号161および162でのアミノ酸置換(スレオニンおよびセリンの交換)を含有するヒトDLL4タンパク質断片との結合の低下を示す。21M21はシグナル伝達アッセイにおいてDLL4の機能を損なわないので(図6参照)、このことは、DSL領域に結合する全ての抗体がDLL4の機能を損なうわけではないことを示す。
重鎖可変領域の配列アライメント。A) 親のマウス21M18抗体配列(m-21M18-Vh、上)、ヒト発現フレームワーク配列(h-EST-フレームワーク、中央)、およびヒト化21M18重鎖可変領域配列(21M18-H7、下)を示してあり、保存アミノ酸残基黒色陰影を付してある。3つのCDRに印が付けてあり、ヒト化21M18抗体において親マウス配列が保持されていることを示す。CDR2の中のKabat位置52aのシステイン残基が、21M18 H7および21M18 H9においてDll4との特異的結合を失わずに、それぞれ、セリンおよびバリン残基に変えられた。4Aに示されるフレームワーク領域内の置換に1〜6の番号が付してあり、Vh鎖における対応のKabatの位置は16、20、27、28、38、48である。B) 親のマウス21M18抗体配列(m-21M18-Vh、上)、ヒト生殖系列Vh配列(h-生殖系列-Vh、中央)、およびヒト化21M18重鎖可変領域配列(21M18-H2、下)を示してあり、保存アミノ酸残基に黒色の陰影を付してある。3つのCDRに印が付けてあり、ヒト化21M18抗体において親マウス配列が保持されていることを示す。CDR2の中のKabat位置52aのシステイン残基が、21M18 H7および21M18 H9においてDll4との特異的結合を失わずに、それぞれ、セリンおよびバリン残基に変えられた。全重鎖変異体の可変フレームワーク領域内の5つの保持マウス残基に、その対応するKabatの位置20、28、38、48、および69で1〜5の番号が付してある。
軽鎖可変領域の配列アライメント。親のマウス21M18抗体配列(m-21M18-Vk、上)、ヒト生殖系列配列(h-生殖系列Vk、下)、およびヒト化21M18軽鎖可変領域配列(21M18-L2、中央)を示してあり、保存アミノ酸残基に黒色の陰影を付してある。3つのCDRに印が付けてあり、ヒト化21M18抗体において親マウス配列が保持されていることを示す。可変フレームワーク領域内の2つの保持マウス残基に、その対応するKabatの位置22および36で1〜2の番号が付してある。
DLL4抗体はNotchシグナル伝達を遮断する。Hes1-Lucレポーターベクターおよびウミシイタケルシフェラーゼレポーターベクターを同時トランスフェクトしたHeLa細胞を、抗DLL4抗体の存在下または非存在下においてDLL4-Fcタンパク質とともにインキュベートした。ルシフェラーゼベルの減少は21M14および21M18抗体によるDLL4 Notch経路活性化の喪失を示す。
DLL4抗体は結腸腫瘍においてNotch標的遺伝子の発現を調節する。A) 抗DLL4 21M18抗体またはPBS(対照)で処置したC8結腸腫瘍を単離し、HES1およびATOH-1の発現を定量的RT-PCRによって判定した。対照処置細胞と比較した相対的遺伝子発現(y軸)は、抗DLL4抗体による処置がHES1の発現を減少させ、ATOH-1の発現を増加させたことを示す。B) マウス系統枯渇OMP-C11結腸腫瘍細胞コロニーにおけるHES1 vs ATOH1の相対的発現比(y軸)を示す。DLL4を過剰発現する3T3細胞で重層したC11コロニー(3T3+DLL4)は、3T3細胞で重層した結腸細胞(3T3)または細胞重層に曝されていない結腸細胞(対照)と比べてHES1/ATOH1発現比の増大を示した。このHES1/ATOH1発現比の増大は、10 μg/mLの21M18抗体(21M18)または5 μMのセクレターゼ阻害剤DBZ (5 μM GSI)とのインキュベーションによって取り除かれた。
DLL4抗体は腫瘍の増殖を低減する。NOD/SCIDマウスに解離UM-C4細胞を注射し、抗DLL4 21M18抗体(n=5)またはPBS (n=10)で処置した。21M18抗体による処置(菱形)は23日目に始まる腫瘍増殖を低減し、PBS注射による対照(黒四角形)と比べて48日目までに最大54%の低減を認めた。
DLL4抗体による処置はインビボ増殖性腫瘍細胞の数を低減する。抗DLL4 21M18抗体または対照Abで処置したC8結腸腫瘍を単離した。Ki67に対する抗体による免疫細胞化学は、対照と比べて21M18処置腫瘍において増殖性細胞数の低減を示した。
フルオロウラシル(5-FU)と組み合わせたDLL4抗体による処置は腫瘍増殖を低減する。NOD/SCIDマウスに解離UM-C4細胞を注射し、5-FUの存在下または非存在下において抗DLL4抗体またはPBSで処置した。A) 5-FU (円形、破線)と組み合わせた21M18抗体による処置は、5-FU (三角形実線)または21M18抗体(菱形、点線)のいずれかのみによる処置よりもずっと大きく、およびPBS注射による対照(四角形、実線)よりもずっと大きく腫瘍細胞の注射後46日の腫瘍増殖を低減した。mm3単位の腫瘍体積をy軸に示す。B)動物個体の46日目の腫瘍測定値プロット。各ドット動物一匹を表す。21M18抗体または5-FUそれぞれによる処置は、対照と比べて腫瘍サイズ(mm3)を低減した。さらに、21M18抗体と5-FUとの併用処置相加効果を及ぼし、腫瘍サイズを対照のサイズの1/5に低減した。
抗EGFR抗体と組み合わせたDLL4抗体による処置は腫瘍増殖を低減する。NOD/SCIDマウスに解離UM-C4細胞を注射し、抗EGFR抗体の存在下または非存在下において抗DLL4抗体またはPBSで処置した。動物個体の46日目の腫瘍測定値のプロットを示す。各ドットは動物一匹を表す。21M18抗体または抗EGFR抗体それぞれによる処置は、対照と比べて腫瘍サイズ(mm3)を低減した。さらに、21M18抗体と抗EGFR抗体との併用処置は相加効果を及ぼし、腫瘍サイズを対照のサイズの1/5未満に低減した。
抗DLL4 mAb 21M18およびイリノテカンは相乗的に作用して結腸腫瘍の増殖を阻害する。NOD/SCIDマウスに解離C8細胞を注射し、イリノテカンの存在下または非存在下において抗DLL4抗体または対照抗体で処置した。A) マウス21M18抗体(円形)またはイリノテカン(三角形)のみによる処置はそれぞれ、対照の処置動物(黒四角形)と比べて腫瘍体積(y軸 mm3)を低減した。しかしながら、21M18とイリノテカンとの併用処置(逆三角形)は相乗効果を及ぼし、細胞注射後55日までにわたって腫瘍増殖を完全になくした。B) イリノテカン(irtcn)と組み合わせたヒト化21M18 (h21M18)による処置(円形)は、イリノテカン(三角形)と組み合わせた対照抗体(黒四角形)または対照抗体と比べて、マウス21M18 (m21M18) (三角形)と同様の有効性を有する。
抗DLL4 21M18とイリノテカンの併用処置は結腸腫瘍の再増殖を予防する。NOD/SCIDマウスに解離C8細胞を注射し、イリノテカンまたは抗DLL4 21M18抗体と組み合わせたイリノテカンで処置した(1群あたりn=10)。A) イリノテカンのみによる処置は結腸腫瘍の増殖を遅延させたが、2匹を除く全ての処置動物において56日目(* 矢印)の処置中止後に増殖が継続した。B) 対照的に、イリノテカンと抗DLL4 21M18抗体の併用による処置は、全10匹の処置動物において処置の間および56日目の処置中止後5週間までの間のどちらにおいても、結腸腫瘍の増殖をなくした。各線は動物個体の増殖曲線を表す。
抗DLL4 21M18とイリノテカンの併用処置は単独治療処置よりも効果的に樹立結腸腫瘍の増殖を阻害する。NOD/SCIDマウスに解離C8細胞を注射し、イリノテカンの存在下または非存在下において抗DLL4抗体または対照抗体で処置した。21M18抗体(菱形)またはイリノテカン(三角形)のみによる処置はそれぞれ、対照の処置動物(黒四角形)と比べて腫瘍体積(y軸 mm3)を低減した。しかしながら、21M18+イリノテカンの併用処置(逆三角形)は、21M18またはイリノテカンのいずれかの処置のみよりも効果的に腫瘍増殖を阻害した。
抗DLL4抗体により処置した腫瘍は腫瘍原性細胞数の減少を示す。免疫無防備状態のマウス(1群あたりn = 10)に、対照抗体、イリノテカン+対照抗体、DLL4 21M18抗体のみ、またはDLL4 21M18抗体とイリノテカンの組合せ(併用)のいずれかで処置しておいた図14に示す実験由来の腫瘍細胞の減少投与量を注射した。 81日目の腫瘍獲得率の結果。各処置群に対して注射したヒト腫瘍細胞の数(900、300、100、および50個)と比較した腫瘍体積(mm3)をグラフで示した。左端の対照処置腫瘍細胞(黒丸形)、左から二番目の抗DLL4 21M18抗体処置腫瘍細胞(白四角形)、右から二番目のイリノテカン処置腫瘍細胞(黒三角形)、および右端の併用処置腫瘍細胞(白丸形)の各細胞用量について、腫瘍細胞用量のそれぞれで注射した動物10匹に対し検出可能な腫瘍を有する動物の数を腫瘍体積のグラフの下方に記録してある。
抗DLL4抗体により処置した腫瘍は腫瘍原性細胞数の減少を示す。免疫無防備状態のマウス(1群あたりn = 10)に、対照抗体、イリノテカン+対照抗体、DLL4 21M18抗体のみ、またはDLL4 21M18抗体とイリノテカンの組合せ(併用)のいずれかで処置しておいた図14に示す実験由来の腫瘍細胞の減少投与量を注射した。 81日目の幹細胞頻度を計算した。抗DLL4処置(左から二番目)、イリノテカン単独処置(右から二番目)、および併用処置(右端)の腫瘍細胞と比べて対照処置(左端)の腫瘍細胞に由来する癌幹細胞の割合(y軸)を95%信頼区間とともにプロットしてある。抗DLL4処置群は、対照群に対して統計的に有意な違いを有し(*)、併用群は、対照群に対しても(*)イリノテカン単独群に対しても(**)有意差がある。
抗DLL4 21M18とイリノテカンの併用処置は、腫瘍再発を遅延する。免疫無防備状態のマウスに解離C8細胞を注射し、およそ150 mm3の樹立腫瘍をイリノテカン(45 mg/kg、週2回投薬した)と抗DLL4 21M18抗体または対照抗体のいずれかとの併用で32日間処置し、その後にイリノテカン処置を中止した。対照抗体または21M18のいずれかによる処置を継続した。腫瘍体積(y軸)による腫瘍の再発は、対照(円形)と比べて21M18処置動物(三角形)において遅延された。
抗DLL4 21M18とイリノテカンの併用処置は腫瘍再発を遅延する。図16に示した実験由来の動物個体を示す。イリノテカン処置の終了後47日目の時点で各動物の全腫瘍体積(y軸)を示す。
抗DLL4 21M18と抗VEGFの併用は腫瘍の増殖を低減する。C17腫瘍細胞を移植し、2日後に対照抗体(黒四角形、実線)、21M18 (三角形、破線)、抗VEGF (菱形、実線)、または両抗体の併用(円形、点線)のいずれかで処置を開始した。各抗体を10 mg/kgで投薬し、週2回投与し、1群あたりの動物は10匹であった。21M18も抗VEGFもともに腫瘍の増殖を低減し、この併用はいずれか単一の抗体よりも有効であった。

0017

態様の説明
「抗体」という用語は、タンパク質、ポリペプチドペプチド炭水化物ポリヌクレオチド、脂質、または上記の組合せなどの標的を、免疫グロブリン分子可変領域内の少なくとも一つの抗原認識部位によって認識しかつ特異的に結合する免疫グロブリン分子を意味するために用いられる。ある態様では、本発明の抗体には、癌幹細胞マーカータンパク質に特異的に結合し、かつ、例えばリガンド結合、受容体の二量体化、癌幹細胞マーカータンパク質の発現、および/または癌幹細胞マーカータンパク質の下流のシグナル伝達を妨害するアンタゴニスト抗体が含まれる。ある態様では、開示された抗体には、癌幹細胞マーカータンパク質に特異的に結合し、かつ、例えばリガンド結合、受容体の二量体化、および/または癌幹細胞マーカータンパク質によるシグナル伝達を促進するアゴニスト抗体が含まれる。ある態様では、開示された抗体は、癌幹細胞マーカータンパク質の生物活性を妨害も促進もしないが、例えば免疫系による抗体内在化および/または認識によって、腫瘍成長を阻害する。本明細書で用いられる「抗体」という用語は、抗体が所望の生物活性を示す限り、無傷の(intact)ポリクローナル抗体、無傷のモノクローナル抗体、抗体断片(Fab、Fab'、F(ab')2、およびFv断片など)、一本鎖Fv(scFv)突然変異体、少なくとも二つの無傷の抗体から生成された二重特異性抗体などの多重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原決定部分を含む融合タンパク質、および抗原認識部位を含む任意の他の修飾された免疫グロブリン分子を包含する。抗体は、それぞれα、δ、ε、γおよびμと呼ばれるその重鎖定常ドメイン同一性に基づいて、五つの主要なクラスの免疫グロブリンIgAIgDIgE、IgG、およびIgM、またはそのサブクラス(アイソタイプ)(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)のいずれかであり得る。異なるクラスの免疫グロブリンは、異なる周知のサブユニット構造および三次元構造を有する。抗体は、であっても、または毒素放射性同位元素などの他の分子に結合していてもよい。

0018

本明細書で用いられる「抗体断片」という用語は、無傷の抗体の一部を指し、かつ無傷の抗体の抗原決定可変領域を指す。抗体断片の例には、Fab、Fab'、F(ab')2、およびFv断片、直鎖状抗体、一本鎖抗体、ならびに抗体断片から形成される多重特異性抗体が、非限定的に含まれる。

0019

「Fv抗体」とは、一本の重鎖可変ドメインと一本の軽鎖可変ドメイン非共有結合性二量体を形成している二本鎖として、あるいは、二本の鎖が同様の二量体構造会合するように、一本の重鎖可変ドメインと一本の軽鎖可変ドメインが柔軟なペプチドリンカーによって共有結合している一本鎖(scFv)として、完全な抗原認識部位および抗原結合部位を含む、最小の抗体断片を指す。この構成では、各可変ドメイン相補性決定領域(CDR)が相互作用して、Fv二量体の抗原結合特異性を規定する。あるいは、一般的に親和性はより低いが、単一の可変ドメイン(あるいはFvの半分)を用いて抗原を認識および結合することができる。

0020

本明細書で用いられる「モノクローナル抗体」とは、単一の抗原決定基、即ちエピトープの極めて特異的な認識および結合に関与する、均一な抗体集団を指す。これは、異なる抗原決定基を対象とした異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体とは対照的である。「モノクローナル抗体」という用語は、無傷でありかつ全長であるモノクローナル抗体、ならびに抗体断片(Fab、Fab'、F(ab')2、Fvなど)、一本鎖(scFv)突然変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、および抗原認識部位を含む任意の他の修飾免疫グロブリン分子を包含する。さらに、「モノクローナル抗体」とは、ハイブリドーマ、ファージ選択、組換え体発現、およびトランスジェニック動物による手法を非限定的に含む、多様な手法によって作製される抗体を指す。

0021

本明細書で用いられる「ヒト化抗体」という用語は、最小の非ヒト配列を含む、特異的な免疫グロブリン鎖キメラ免疫グロブリン、またはそれらの断片である非ヒト(例えば、マウス)抗体の形を指す。典型的には、ヒト化抗体とは、抗体鎖の可変領域の抗原決定領域(または超可変領域)内の相補性決定領域(CDR)由来の残基が、所望の特異性、親和性、および能力を有する非ヒト種(例えばマウス、ラットウサギハムスター)のCDR由来の残基により置き換えられている、ヒト免疫グロブリンである。いくつかの例では、ヒト免疫グロブリンの可変鎖フレームワーク領域(FR)由来の残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種由来の抗体中の対応する残基で置き換えられる。ヒト化抗体を、可変フレームワーク領域中および/または置き換えられた非ヒト残基の中の別の残基の置換によってさらに修飾して、抗体の特異性、親和性、および/または能力を、改良し、最適化することができる。一般にヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリンに対応するすべてまたは実質的にすべてのCDR領域を含む、少なくとも一つ、典型的には二つまたは三つまたは四つの可変ドメインの実質的にすべてを含みうる。しかし一方で、すべてまたは実質的にすべてのFR領域は、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFR領域である。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域またはドメイン(Fc)の少なくとも一部、通常はヒト免疫グロブリンの少なくとも一部を含むことができる。米国特許第5,225,539号に、ヒト化抗体を産生するために用いられる方法の例が述べられている。

0022

本明細書で用いられる「ヒト抗体」という用語は、ヒトによって産生された抗体、または当技術分野で公知の任意の技術を用いて作製された、ヒトによって産生された抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体を意味する。ヒト抗体のこの定義は、無傷または全長の抗体、その断片、ならびに/または、例えばマウスの軽鎖およびヒトの重鎖ポリペプチドを含む抗体などの少なくとも一つのヒト重鎖および/もしくは軽鎖ポリペプチドを含む抗体を含む。

0023

ハイブリッド抗体」とは、得られる四量体が二つの異なるエピトープまたは二つの異なる抗原を認識および結合することができるように、異なる抗原決定領域を有する抗体由来の重鎖と軽鎖の対が組み合わされている免疫グロブリン分子である。

0024

「キメラ抗体」という用語は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が二つまたはそれ以上の種に由来する抗体を指す。典型的には、軽鎖および重鎖両方の可変領域は、所望の特異性、親和性、および能力を有する一つの哺乳動物種(例えばマウス、ラット、ウサギなど)由来の抗体の可変領域に対応し、一方、定常領域は、別の種(通常ヒト)に由来する抗体中の配列と相同であり、上記の種において免疫応答を誘発することを回避する。

0025

「エピトープ」または「抗原決定基」という用語は、本明細書において互換的に用いられ、かつ、特定の抗体により認識されて特異的に結合することができる抗原の部分を指す。抗原がポリペプチドである場合、エピトープは、連続したアミノ酸、およびタンパク質の三次元的折り畳みによって近接して並べられた非連続アミノ酸の両方から形成することができる。連続するアミノ酸から形成されているエピトープは、タンパク質が変性した場合にも典型的には維持されるが、三次元的折畳みによって形成されたエピトープは、タンパク質が変性すると典型的には失われる。エピトープは、独特空間配置中に典型的には少なくとも3アミノ酸、より通常は少なくとも5または8〜10アミノ酸を含む。

0026

抗体間の競合は、共通の抗原との参照抗体の特異的結合を被験免疫グロブリンが阻害するアッセイ法によって判定される。多くのタイプの競合的結合アッセイ法、例えば、固相直接的または間接放射免疫アッセイ法(RIA)、固相直接的または間接的酵素免疫アッセイ法(EIA)、サンドイッチ競合アッセイ法(Stahli et al., Methodsin Enzymology 9:242-253 (1983)参照); 固相直接的ビオチン-アビジンEIA法(Kirkland et al., J. Immunol. 137:3614-3619 (1986)参照); 固相直接的標識アッセイ法、固相直接的標識サンドイッチアッセイ法(Harlow and Lane,「Antibodies, A Laboratory Manual」, Cold Spring Harbor Press (1988)参照); I-125標識を用いる固相直接標識RIA法(Morel et al., Molec. Immunol. 25(1):7-15 (1988)参照); 固相直接ビオチン-アビジンEIA法(Cheung et al., Virology 176:546-552 (1990)); および直接標識RIA法(Moldenhauer et al., Scand. J. Immunol. 32:77-82 (1990))が公知である。典型的には、このようなアッセイ法では、固体表面に結合された精製抗原またはこれらのいずれかを持つ細胞、非標識被験免疫グロブリン、および標識参照免疫グロブリンの使用が必要になる。競合的阻害は、被験免疫グロブリンの存在下で固体表面または細胞に結合された標識の量を判定することによって測定される。通常、被験免疫グロブリンは過剰に存在する。競合アッセイによって同定される抗体(競合抗体)には、参照抗体と同一のエピトープに結合する抗体、および、参照抗体が結合するエピトープに対して、立体障害が生じるのに十分な近さにある隣接エピトープに結合する抗体などがある。通常、競合抗体が過剰に存在すると、共通抗原との参照抗体の特異的結合が少なくとも50%または75%阻害される。

0027

抗体が「選択的に結合する」または「特異的に結合する」とは、抗体がエピトープに対し無関係なタンパク質を含む他の物質とよりも、より頻繁に、より急速に、より長期間、より高い親和性で、または上記のいくつかの組合せで、反応または結合することを意味する。「選択的に結合する」または「特異的に結合する」とは、例えば抗体が、少なくとも約0.1mM、しかしより通常は少なくとも約1μMのKDでタンパク質に結合することを意味する。場合によっては、「選択的に結合する」または「特異的に結合する」とは、抗体が、ある場合は少なくとも約0.1μM以上のKDで、別の場合には少なくとも約0.01μM以上のKDでタンパク質に結合することを意味する。異なる種における相同タンパク質間の配列同一性のために、特異的結合は、二種以上の種における癌幹細胞マーカータンパク質を認識する抗体を含み得る。

0028

本明細書において、「非特異的結合」および「バックグラウンド結合」という用語は、抗体とタンパク質とのまたはペプチドとの相互作用について用いられる場合、特定の構造の存在に依存しない相互作用(即ち、抗体がエピトープなどの特定の構造ではなくタンパク質全般に結合している)を指す。

0029

「単離された」または「精製された」という用語は、その天然状態で通常はそれに付随する成分を実質的にまたは本質的に含まない物質を指す。純度および均一性は、典型的にはポリアクリルアミドゲル電気泳動法または高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技術を用いて決定される。調製物中に存在する主な種である本開示のタンパク質(例えば抗体)または核酸は、実質的に精製されている。詳細には、単離された核酸は、本来その遺伝子に隣接し、かつその遺伝子によってコードされるタンパク質以外のタンパク質をコードする、オープンリーディングフレームから分離されている。単離された抗体は、他の非免疫グロブリンタンパク質から、および異なる抗原結合特異性を有する他の免疫グロブリンタンパク質から分離されている。これはまた、核酸またはタンパク質がいくつかの態様では少なくとも80%純粋であり、いくつかの態様では少なくとも85%純粋であり、いくつかの態様では少なくとも90%純粋であり、いくつかの態様では少なくとも95%純粋であり、そしていくつかの態様では少なくとも99%純粋であることを意味しうる。

0030

本明細書で用いる「癌」および「癌性」という用語は、ある細胞集団が無秩序な細胞増殖により特徴付けられる哺乳動物生理的症状を指すかまたは説明する。癌の例には、癌腫リンパ腫芽細胞腫肉腫、および白血病が、非限定的に含まれる。そのような癌のより詳細な例には、扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌、肺の扁平上皮癌、腹膜の癌、肝細胞癌胃腸癌、膵臓癌膠芽腫子宮頸癌卵巣癌ヘパトーマ、膀胱癌肝臓癌、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌または子宮癌唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、外陰部癌、甲状腺癌肝癌、および様々な型の頭頸部癌が含まれる。

0031

増殖性障害」および「増殖性疾患」という用語は、癌などの異常な細胞増殖に関連した障害を指す。

0032

本明細書で使用する「腫瘍」および「新生物」とは、過度細胞成長または増殖に起因する、前癌病変を含む良性(非癌性)病変または悪性(癌性)病変の任意の組織塊を指す。

0033

本明細書で使用する「転移」とは、癌が、新しい位置で同様の癌性病変の発生を伴って、身体の発生部位から他の領域へと拡張または移行するプロセスを指す。「転移性の」または「転移する」細胞とは、近傍の細胞との付着性接触を失い、疾患の原発部位から血流またはリンパ液によって移動して、近傍の身体構造へと侵入する細胞である。

0034

「癌幹細胞」、「腫瘍幹細胞」、または「充実性腫瘍幹細胞」という用語は、本明細書で互換的に用いられ、かつ、(1) 高い増殖能を有し;(2) 非対称細胞分裂を行い、増殖能力または発生能力の低下した一つまたは複数種類の分化した後代細胞を産生することができ;かつ(3)自己複製または自己維持のための対称細胞分裂を行うことができる、充実性腫瘍由来の細胞集団を指す。「癌幹細胞」、「腫瘍幹細胞」、または「充実性腫瘍幹細胞」のこれらの特性によって、免疫無防備状態のマウスへの累代移植の際に、これらの癌幹細胞は、腫瘍を形成できない大多数の腫瘍細胞と比較して触診可能な腫瘍を形成できる。癌幹細胞は、無秩序な様式で分化と自己複製を起こし、突然変異が生じるにつれて経時的に変化することができる異常細胞型を含む腫瘍を形成する。充実性腫瘍幹細胞は、米国特許第6,004,528号によって提供される「癌幹細胞系(cancer stem line)」とは異なる。上記特許では、「癌幹細胞系」を、それ自体は殆ど突然変異を有さないが、細胞環境に生じる腫瘍形成性変化の結果として非対称細胞分裂ではなく対称細胞分裂を行う、ゆっくりと増殖する前駆細胞型であると定義している。したがってこの「癌幹細胞系」仮説は、高度に突然変異され急速に増殖している腫瘍細胞が主に異常な環境の結果として生じ、この異常な環境が、比較的正常な幹細胞を蓄積させてその後突然変異を起こし、これらを腫瘍細胞にすることを提唱している。米国特許第6,004,528号は、そのようなモデルを用いて癌の診断を促進できると提唱している。充実性腫瘍幹細胞モデルは、「癌幹細胞系」モデルと根本的に異なり、かつ結果として「癌幹細胞系」モデルでは与えられない有用性を示す。第1に、充実性腫瘍幹細胞は、「突然変異を免れて」はいない。米国特許第6,004,528号によって記載された「突然変異を免れた癌幹細胞系」は前癌病変と考えることができるが、一方、充実性腫瘍幹細胞は、前癌段階から後期段階癌まで腫瘍形成の原因となる突然変異をそれら自身が含みうる、癌細胞である。即ち、充実性腫瘍幹細胞(「癌幹細胞」)は、米国特許第6,004,528号の「癌幹細胞系」とは区別される高度に突然変異された細胞に含まれうる。第2に、癌をもたらす遺伝子突然変異は、環境的なものだけではなく、大部分は充実性腫瘍幹細胞内の内因性のものであり得る。充実性腫瘍幹細胞モデルは、単離された充実性腫瘍幹細胞が移植時にさらなる腫瘍を生じうることを予測しており(これにより転移が説明される)、その一方で「癌幹細胞系」モデルは、腫瘍形成性であるその異常な環境のため、移植された「癌幹細胞系」細胞が新しい腫瘍を生じさせることができないことを予測すると考えられる。確かに、解離され、表現型によって分離されたヒト充実性腫瘍幹細胞をマウスに(通常の腫瘍環境とは大きく異なる環境中へ)移植して、そこでも新しい腫瘍を形成しつづける能力は、本発明を「癌幹細胞系」モデルから区別するものである。第3に、充実性腫瘍幹細胞は、対称的分裂および非対称的分裂の両方を行う可能性が高く、したがって対称細胞分裂は絶対的な特性ではない。第4に、充実性腫瘍幹細胞は、多くの変数に依存して、急速にまたはゆっくりと分裂することができ、したがって遅い増殖速度は決定的な特性ではない。

0035

「癌細胞」、「腫瘍細胞」という用語、およびその文法上の等価物は、腫瘍細胞集団の大部分を含む非腫瘍形成性細胞および腫瘍形成性幹細胞(癌幹細胞)の両方を含む、腫瘍または前癌病変に由来する細胞の全集団を指す。

0036

本明細書で用いる「腫瘍形成性」とは、充実性腫瘍幹細胞が腫瘍を形成することを可能にする、自己複製(さらなる腫瘍形成性癌幹細胞を生ずる)および、他の全ての腫瘍細胞を産生するための増殖(分化しかつしたがって非腫瘍形成性である腫瘍細胞を生ずる)という特性を含む、充実性腫瘍幹細胞の機能的な特徴を指す。

0037

本明細書に用いる「幹細胞癌マーカー」、「癌幹細胞マーカー」、「腫瘍幹細胞マーカー」、または「充実性腫瘍幹細胞マーカー」という用語は、単独でまたは他の遺伝子と組み合わせたその発現レベルが、非腫瘍形成性細胞と比較して腫瘍形成性癌細胞の存在と相関関係にある、一つもしくは複数の遺伝子、または該遺伝子により発現されるタンパク質、ポリペプチド、あるいはペプチドを指す。この相関関係は、遺伝子の増加したまたは減少した発現(例えば、遺伝子によってコードされるmRNAまたはペプチドの増加したまたは減少したレベル)のどちらとも関連しうる。

0038

本明細書に用いる「生検」または「生検組織」という用語は、試料癌性組織を含むかどうかを判定する目的で被験体から取り出された組織または流体の試料を指す。いくつかの態様では、被験体が癌を有する疑いがあるため生検組織または流体を得て、次に該生検組織または流体を、癌の有無について検査する。

0039

本明細書で用いられる「被験体」という用語は、特定の処置のレシピエントとなるべき、ヒト、非ヒト霊長類齧歯類などを非限定的に含む任意の動物(例えば哺乳動物)を指す。典型的には、ヒト被験体に関して、本明細書では「被験体」と「患者」という用語を互換的に用いる。

0040

「薬学的に許容される」とは、ヒトを含む動物への使用が、連邦政府または州政府の監督官庁によって承認されたかまたは承認可能なこと、あるいは米国薬局方または他の一般に認められた薬局方に記載されていることを指す。

0041

「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容され、かつ親化合物の望ましい薬理活性を有する化合物の塩を指す。

0042

「薬学的に許容される賦形剤、担体、またはアジュバント」とは、本開示の抗体の少なくとも一つと共に被験体に投与することができ、かつ該抗体の薬理活性を破壊せず、かつ治療量の化合物を送達するのに十分な用量で投与したときに無毒である、賦形剤、担体またはアジュバントを指す。

0043

「薬学的に許容されるビヒクル」とは、本開示の抗体の少なくとも一つと共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤または担体を指す。

0044

プロドラッグ」とは、治療上有効な化合物を産生するためには身体内での変換を必要とする、治療上有効な化合物の誘導体を指す。治療上有効な親化合物へと変換されるまで、プロドラッグは薬理学的に不活性であり得る。

0045

「治療的有効量」という用語は、被験体または哺乳動物の疾患または障害を「処置する」のに有効な、抗体、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、有機低分子、または他の薬物の量を指す。癌の場合には、治療的有効量の薬物は、癌細胞の数を減少させること;腫瘍の大きさを縮小すること;例えば、軟組織および骨の中への癌の拡散を含む、辺縁の器官への癌細胞浸潤を阻害または停止させること;腫瘍転移を阻害および停止させること;腫瘍成長を阻害および停止させること;癌に関連した一つまたは複数の症状をある程度軽減させること;罹患率と死亡率を低下させること;生活の質を改善すること;あるいは、そのような効果の組合せが可能である。薬物が既存の癌細胞の増殖を防止しかつ/またはこれを死滅させるという点で、薬物を、細胞増殖抑制性および/または細胞障害性であると言うことができる。

0046

本明細書に用いる「診断の提供」または「診断情報」とは、患者が疾患もしくは症状を有するかどうか判断する際に、および/あるいは、疾患または症状を表現型のカテゴリーに分類する際に、あるいは疾患または症状の予後または処置(処置全般または任意の特定の処置のいずれか)に対する予想される応答に関する重要な任意のカテゴリーに分類する際に有用な、例えば癌幹細胞の存在を含む、任意の情報を指す。同様に、診断とは、被験体が症状(例えば腫瘍)を有する可能性があるかどうかの情報、被験体の腫瘍が癌幹細胞を含むかどうかの情報、例えばリスクの高い腫瘍もしくはリスクの低い腫瘍のような腫瘍の性質もしくは分類に関する情報、予後に関する情報、および/または適切な処置を選択するのに有用な情報を非限定的に含む、任意の型の診断情報を提供することを指す。処置の選択には、特定の化学療法剤または手術もしくは放射線などの他の処置様式の選択、あるいは療法を保留するか提供するかに関する選択が含まれ得る。

0047

本明細書に用いる「予後の提供」、「予後情報」、または「予測情報」という用語は、例えば被験体の腫瘍における癌幹細胞の存在を含む、被験体の将来の健康(例えば予期される罹患率または死亡率、癌に罹る可能性、および転移のリスク)に対する(例えば本発明の診断法によって決定されるような)癌の存在の影響に関する情報を提供することを指す。

0048

「処置する」または「処置」または「処置すること」または「軽減する」または「軽減すること」などの用語は、1)診断された病理的症状または障害を治癒し、遅らせ、その症状を減少させ、かつ/またはその進行を停止させる治療的方策、および 2) 標的とする病理的症状または障害の発生を防止しかつ/または遅延させる予防的または防止的方策の両方を指す。したがって、処置を必要とする人々には、既に障害を有する人々;障害を有しやすい人々;および障害が防止されるべき人々が含まれる。患者が下記の一つまたは複数を示せば、本発明の方法による被験体の「処置」は成功である:癌細胞の数の減少またはその完全な非存在;腫瘍サイズの縮小;例えば軟組織および骨の中への癌の拡散を含む、辺縁器官への癌細胞浸潤の阻害または非存在;腫瘍転移の阻害または非存在;腫瘍成長の阻害または非存在; 特定の癌に関連する一つまたは複数の症状の軽減;罹患率および死亡率の低下;生活の質の改善;あるいは、効果のいくつかの組合せ。

0049

本明細書に用いられる「ポリヌクレオチド」または「核酸」という用語は、リン酸ジエステル結合によって連結された多数のヌクレオチド単位(リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチド、または関連する構造変種)から構成されるポリマーを指し、DNAまたはRNAを非限定的に含む。この用語は、4アセチルシトシン、8-ヒドロキシ-N6-メチルアデノシンアジリジニルシトシン、プソイドイソシトシン、5(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル5-フルオロウラシル、5ブロモウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル2チオウラシル、5カルボキシメチルアミノメチルウラシルジヒドロウラシルイノシン、N6イソペンテニルアデニン、1メチルアデニン、1-メチルプソイドウラシル、1メチルグアニン、1メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2メチルアデニン、2メチルグアニン、3-メチルシトシン、5メチルシトシン、N6メチルアデニン、7メチルグアニン、5メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル2チオウラシル、ベータDマンノシルキューシン、5'メトキシカルボニルメチルウラシル、5メトキシウラシル、2メチルチオN6イソペンテニルアデニン、ウラシル5オキシ酢酸メチルエステル、5オキシ酢酸ウラシル、オキシブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2チオシトシン、5-メチル-2チオウラシル、2-チオウラシル、4チオウラシル、5-メチルウラシル、N-ウラシル5オキシ酢酸メチルエステル、5オキシ酢酸ウラシル、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、および2,6ジアミノプリンを含むが、これらに限定されない、DNAおよびRNAの公知の塩基アナログのいずれかを含む配列を包含する。

0050

ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」という語句は、プローブが、典型的には核酸の複合混合物中でその標的の部分配列にはハイブリダイズするが他の配列にはハイブリダイズしないような条件を指す。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、環境によっても異なるであろう。より長い配列はより高温で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに関する広範なガイドは、Tijssen, Techniques in Biochemistry and Molecular Biology-Hybridization with Nucleic Probes,「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays」(1993)の中に見出される。一般に、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度、pHでの特定配列の熱融点(Tm)よりも約5〜10℃低くなるように選択される。このTmは、標的に相補的なプローブの50%が、平衡状態標的配列にハイブリダイズする(標的配列が過剰に存在する場合、Tmで、プローブの50%が平衡状態である)(規定のイオン強度、pH、および核酸濃度の下での)温度である。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドなどの脱安定化剤の添加によって達成することもできる。選択的または特異的なハイブリダイゼーションの場合、正のシグナルは少なくともバックグラウンドの2倍、好ましくは、バックグラウンドのハイブリダイゼーションの10倍である。例となるストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下でありうる: 50%ホルムアミド、5×SSC、および1% SDS中にて42℃でインキュベートし、または5×SSC、1% SDS中にて65℃でインキュベートして、65℃の0.2×SSCおよび0.1% SDS中にて洗浄する。

0051

「遺伝子」という用語は、ポリペプチド、前駆体、またはRNA (例えばrRNAtRNA)の産生に必要なコード配列を含む核酸(例えばDNA)配列を指す。ポリペプチドは、全長または断片の配列の望ましい活性または機能特性(例えば酵素活性、リガンド結合、シグナル伝達、免疫原性など)を保持する限り、全長のコード配列またはコード配列の任意の部分によってコードされることができる。この用語はまた、構造遺伝子のコード領域、ならびに5'端および3'端の両方においてコード領域に隣接して位置する配列であって、遺伝子が全長のmRNAの長さに対応するように、いずれかの端において約1kbまたはそれ以上の距離に及ぶものを包含する。コード領域の5'に位置しかつmRNA上に存在する配列は、5'非翻訳配列と呼ばれる。コード領域の3'即ち下流に位置しかつmRNA上に存在する配列は、3'非翻訳配列と呼ばれる。「遺伝子」という用語は、遺伝子のcDNA形態およびゲノム形態の両方を包含する。遺伝子のゲノム形態またはクローンは、「イントロン」または「介在領域」または「介在配列」と名付けられた非コード配列によって中断されたコード領域を含む。イントロンは核RNA(hnRNA)へ転写される遺伝子のセグメントであり;イントロンは、エンハンサーなどの調節エレメントを含むことができる。イントロンは、核転写産物または一次転写産物から除去され、即ち「切り出され」;したがって、イントロンはメッセンジャーRNA(mRNA)転写産物中には存在しない。mRNAは翻訳中に機能して、合成途中のポリペプチド中のアミノ酸の配列即ち順序を指定する。イントロンを含むことに加えて、遺伝子のゲノム形態は、さらにRNA転写産物上に存在する配列の5'および3'端の両方に位置する配列を含み得る。これらの配列は、「隣接」配列または「隣接」領域と呼ばれる(これらの隣接配列は、mRNA転写産物上に存在する非翻訳配列の5'または3'に位置する)。5'隣接領域は、遺伝子の転写を制御するかまたはそれに影響を及ぼすプロモーターおよびエンハンサーなどの調節配列を含むことができる。3'隣接領域は、転写の終結、転写後の切断およびポリアデニル化を指示する配列を含むことができる。

0052

「組換え体」という用語は、細胞、核酸、タンパク質またはベクターに関して用いられる場合、異種の核酸もしくはタンパク質の導入によって、天然の核酸もしくはタンパク質の改変によって、細胞、核酸、タンパク質もしくはベクターが修飾されていること、または、細胞がそのように修飾された細胞に由来することを示す。したがって、例えば組換え細胞は、天然(非組換え)型の細胞中には見出されない遺伝子を発現し、または、過剰発現するかそうでなければ異常発現する、例えば、非天然断片もしくはスプライスバリアントとして発現する、天然の遺伝子を発現する。本明細書では、「組換え核酸」という用語は一般に、例えばポリメラーゼおよびエンドヌクレアーゼを用いる核酸の操作によって、本来はインビトロで形成される、天然には通常見出されない形式の核酸を意味する。このような様式で、異なる配列の機能的な連結が達成される。したがって、通常結合されないDNA分子ライゲーションによりインビトロで形成された、単離された直鎖状の核酸分子または発現ベクターはどちらも、本発明の目的のためには組換え体であるとみなされる。一旦組換え核酸が作製されて宿主の細胞または生物体に導入されると、これは非組換え的に、即ち、インビトロ操作ではなく宿主細胞のインビボの細胞機構を用いて複製することが、理解される。しかし、そのような核酸は、一旦組換え的に産生されると、その後非組換え的に複製されるとしても、本発明の目的に関しては依然として組換え体であるとみなされる。同様に、「組換えタンパク質」とは、組換え技術を用いて、すなわち上に記載したような組換え核酸の発現を通じて作製されたタンパク質である。

0053

本明細書で用いる「異種遺伝子」という用語は、その天然環境には存在しない遺伝子を指す。例えば、異種遺伝子は、ある種から別の種へ導入された遺伝子を含む。異種遺伝子はまた、何らかの方法で改変された(例えば、突然変異された、複数コピーで添加された、非天然調節配列へ連結されたなど)、生物体にとっては天然である遺伝子を含む。異種遺伝子配列が、染色体中で該遺伝子配列との結合を天然には認められないDNA配列に典型的には結合しているか、または天然には認められない染色体部分(例えば通常は遺伝子が発現されない遺伝子座で発現した遺伝子)と結合しているという点で、異種遺伝子は内因性遺伝子と区別される。

0054

本明細書で用いる「ベクター」という用語は、DNAセグメントを一つの細胞から別の細胞へと移動させる核酸分子について用いられる。「媒体」という用語は、「ベクター」と互換的に用いられることがある。ベクターは、プラスミド、バクテリオファージ、あるいは植物または動物ウイルスに由来することが多い。

0055

「ライゲーション」とは、二つの二重鎖核酸断片間にリン酸ジエステル結合を形成するプロセスを指す。別段の定めのない限り、公知の緩衝液および条件を用いて、ほぼ等モル量のライゲーションされるべきDNA断片0.5ugにつき10単位のT4DNAリガーゼ(「リガーゼ」)により、ライゲーションを遂行することができる。核酸のライゲーションは、二つのタンパク質をインフレームで互いに連結させて、単一タンパク質、即ち融合タンパク質を生成する役割を果たすことができる。

0056

本明細書で用いる「遺伝子発現」という用語は、遺伝子中にコードされた遺伝情報を、遺伝子の「転写」を通じて(例えば、RNAポリメラーゼ酵素作用により)、RNA (例えば、mRNA、rRNA、tRNAまたはsnRNA)へ変換するプロセス、および、タンパク質をコードする遺伝子については、mRNAの「翻訳」を通じてタンパク質へ変換するプロセスを指す。遺伝子発現を、プロセス中の多くの段階で調節することができる。「アップレギュレーション」または「活性化」とは、遺伝子発現産物(例えばRNAまたはタンパク質)の産生を増加させる調節を指し、一方で「ダウンレギュレーション」または「抑制」とは、産生を減少させる調節を指す。アップレギュレーションまたはダウンレギュレーションに関係する分子(例えば転写因子)は、それぞれ「アクチベーター」および「リプレッサー」と呼ばれることが多い。

0057

「ポリペプチド」、「ペプチド」、「タンパク質」および「タンパク質断片」という用語は本明細書で互換的に用いられ、アミノ酸残基のポリマーを指す。この用語は、天然アミノ酸ポリマーおよび非天然アミノ酸ポリマーはもとより、一つまたは複数のアミノ酸残基が、対応する天然アミノ酸の人工的な化学的模倣体である、アミノ酸ポリマーにも適用される。

0058

「アミノ酸」という用語は、天然および合成のアミノ酸、ならびに天然アミノ酸と同様に機能するアミノ酸アナログおよびアミノ酸模倣体を指す。天然アミノ酸とは、遺伝暗号によってコードされたアミノ酸、ならびに後で修飾されたアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、およびO-ホスホセリンである。アミノ酸アナログは、例えば水素カルボキシル基アミノ基、およびR基に結合したα炭素のような、天然アミノ酸と同じ基礎的化学構造を有する化合物、例えばホモセリンノルロイシンメチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを指す。そのようなアナログは、修飾されたR基(例えばノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有することができるが、天然アミノ酸と同じ基礎的化学構造を保持する。アミノ酸模倣体とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが天然アミノ酸と同様に機能する化学化合物を指す。

0059

保存的修飾変異体」は、アミノ酸および核酸配列の両方に適用される。「アミノ酸変異体」はアミノ酸配列を指す。特定の核酸配列について、保存的修飾変異体とは、同一のまたは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を指し、あるいは、核酸がアミノ酸配列をコードしない場合には、本質的に同一の配列または関連した(例えば、本来隣接している)配列を指す。遺伝暗号の縮退のために、多数の機能的に同一の核酸が大部分のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCAGCC、GCGおよびGCUはすべて、アミノ酸のアラニンをコードする。したがって、コドンがアラニンを指定するすべての位置で、コードされるポリペプチドを改変することなく、該コドンを前述の対応する別のコドンに改変することができる。そのような核酸変異は「サイレントな変異」であり、これは、保存的に修飾された変異の一種である。本明細書においてあるポリペプチドをコードする全ての核酸配列は、該核酸のサイレントな変異も記載している。特定の文脈において、核酸中の各コドン(通常はメチオニンのただ一つのコドンであるAUGおよび通常はトリプトファンのただ一つのコドンであるTGGを除く)を修飾して機能的に同一の分子を得ることができることを、当業者は認識するであろう。従って、ポリペプチドをコードする核酸のサイレントな変異は、発現産物については、記載される配列中に潜在しているが、実際のプローブ配列ではそうではない。アミノ酸配列については、改変が化学的に類似のアミノ酸によるアミノ酸置換をもたらす場合を含め、コード配列中の単一アミノ酸または数パーセントのアミノ酸を改変するか、追加するか、または欠失させる、核酸、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の配列への個々の置換、欠失または追加が「保存的に修飾された変異体」であることを、当業者は認識するであろう。機能的に類似のアミノ酸を提供する保存的置換表が、当技術分野において周知である。そのような保存的修飾変異体は、本発明の多型変異体異種間ホモログ、および対立遺伝子に含まれるものであって、それらを除外するものではない。典型的には、保存的置換には以下のものが含まれる:1) アラニン(A)、グリシン(G);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リジン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);7)セリン(S)、スレオニン(T);および8)システイン(C)、メチオニン(M) (例えば Creighton, Proteins (1984)を参照のこと)。

0060

本明細書に用いる「エピトープタグを付けた」という用語は、「エピトープタグ」に融合された癌幹細胞マーカータンパク質、あるいはそのドメイン配列またはその一部を含むキメラポリペプチドを指す。エピトープタグポリペプチドは、抗体による認識用のエピトープを提供するためには十分なアミノ酸残基を含むが、それでも癌幹細胞マーカータンパク質の活性を邪魔しない程度に十分に短い。適当なエピトープタグは、一般に少なくとも6アミノ酸残基、通常約8〜約50アミノ酸残基、そして時には約10〜約20アミノ酸残基を有する。一般に使用されるエピトープタグには、Fc、HA、His、およびFLAGタグが含まれる。

0061

本発明は、癌を研究、診断、特徴付け、および処置するための組成物および方法を提供する。具体的には、本発明は、固形腫瘍幹細胞マーカーに対する抗体、ならびにヒト患者において腫瘍増殖を阻害するためにおよび癌を処置するためにこれらの抗体を使用する方法を提供する。ある態様において、本発明の抗体は、癌幹細胞マーカータンパク質に特異的に結合し、かつ、例えば、リガンドの結合、受容体の二量体化、癌幹細胞マーカータンパク質の発現、および/または癌幹細胞マーカータンパク質のシグナル伝達を妨害するアンタゴニスト抗体を含む。ある態様において、開示する抗体は、癌幹細胞マーカータンパク質に特異的に結合し、かつ例えば、リガンドの結合、受容体の二量体化、および/または癌幹細胞マーカータンパク質によるシグナル伝達を促進するアゴニスト抗体を含む。ある態様において、開示する抗体は、癌幹細胞マーカータンパク質の生物活性を妨害または促進しないが、例えば、内部移行および/または免疫系による認識によって腫瘍増殖を阻害する。ある態様において、本抗体は二つ以上の固形腫瘍幹細胞マーカータンパク質を特異的に認識する。

0062

ヒトDLL4N末端領域(SEQID NO: 27)およびヒトDSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成されるヒトDLL4エピトープに特異的に結合する単離抗体を提供するが、該抗体は腫瘍の増殖に影響を与える。ある態様において、抗体はモノクローナル抗体である。ある態様において、抗体はキメラ抗体である。ある態様において、抗体はヒト化抗体である。ある態様において、抗体はヒト抗体である。本開示の抗体および薬学的に許容される媒体を含む薬学的組成物を、さらに提供する。

0063

本開示の抗体または薬学的組成物の治療上有効量を投与する段階を含む、癌を処置する方法を、さらに提供する。ある態様では、抗体は細胞障害性部分に結合される。ある態様では、本方法は、さらに併用療法を行うために適切な、少なくとも一つの追加の治療剤を投与する工程を含む。ある態様では、腫瘍細胞は、乳腺腫瘍、結腸直腸腫瘍肺腫瘍、前立腺腫瘍、膵臓腫瘍、および頭頸部腫瘍より選択される。

0064

充実性腫瘍は、それらが生ずる組織と同様に、異種の細胞の集団から成る。これらの細胞の大多数が腫瘍形成能を欠くことが、充実性腫瘍の発生および維持もまた、増殖しかつ、さらなる腫瘍幹細胞(自己複製)および腫瘍形成能を欠くより分化した腫瘍細胞の大多数(即ち非腫瘍形成性癌細胞)の両方を効率的に生じる能力を有する幹細胞小集団(即ち腫瘍形成性癌細胞)に依存していることを示唆した。癌幹細胞の概念は、造血幹細胞(HSC)の発見の直後にまず導入され、急性骨髄性白血病(AML)において実験的に確立された(Park et al., 1971, J. Natl. Cancer Inst. 46:411-22; Lapidot et al., 1994, Nature 367:645-8; Bonnet & Dick, 1997, Nat. Med. 3:730-7; Hope et al., 2004, Nat. Immunol. 5:738-43)。充実性腫瘍由来の幹細胞は、より最近になって、その細胞表面受容体発現の独特なパターンならびに培養中および異種移植片動物モデル中での自己複製および増殖特性の評価に基づいて、単離された。分画されていない腫瘍細胞と比較して50倍を上回る腫瘍形成能を有するESA+CD44+CD24-/low系列集団が発見された(Al-Hajj et al., 2003, Proc. Nat'l. Acad. Sci. 100:3983-8)。大量の非腫瘍形成性腫瘍細胞から腫瘍形成性癌幹細胞を単離できる能力が、マイクロアレイ分析を用いた、癌幹細胞マーカーである、非腫瘍形成性腫瘍細胞または正常な乳房上皮と比較して癌幹細胞中で差示的発現を有する遺伝子の同定につながった。本発明は、これらの同定された癌幹細胞マーカーの知識を利用して、癌を診断し、処置を行う。

0065

本発明の癌幹細胞マーカーはヒトDLL4、つまりNotch受容体リガンドに関する。Notchシグナル伝達経路パターン形成、後胚期の組織維持および幹細胞生物学に関するいくつかの重要な制御因子のうちの一つである。より具体的には、Notchシグナル伝達は、隣接細胞運命(adjacentcell)間の側方抑制過程に関与し、非対称細胞分裂中の細胞運命決定に重要な役割を果たす。未制御のNotchシグナル伝達は多数のヒト癌に関連しており、ここでこれは腫瘍細胞の発生的運命を変化させて、未分化増殖状態で維持することができる (Brennan and Brown, 2003, Breast Cancer Res. 5:69)。したがって、幹細胞集団による正常な発達および組織修復を制御する恒常性維持機構奪うことにより、発癌は進行しうる(Beachy et al., 2004, Nature 432:324)。

0066

Notch受容体はショウジョウバエ(Drosophila)変異体において最初に同定された。ショウジョウバエNotchのハプロ不全によって末端(wing margin)にV字の切り込みが起こるが、機能喪失によって、表皮細胞の運命が神経組織へと切り替わる胚致死的な「神経原性」の表現型が生じる(Moohr, 1919, Genet. 4:252; Poulson, 1937, PNAS 23:133; Poulson, 1940, J. Exp. Zool. 83:271)。Notch受容体は、大きな細胞外ドメイン内に多数の上皮増殖因子(EGF)様タンデムリピートおよびシステインリッチなNotch/LIN-12リピートを含有する1回膜貫通型受容体である(Wharton et al., 1985, Cell 43:567; Kidd et al., 1986, Mol. Cell Biol. 6:3094; reviewed in Artavanis et al., 1999, Science 284:770)。四つの哺乳類Notchタンパク質が同定されており(NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、およびNOTCH4)、これらの受容体における突然変異は、以下に詳述するようにいくつかの癌を含むヒト病変および発達異常を必ず引き起こす(Gridley, 1997, Mol. Cell Neurosci. 9:103; Joutel & Tournier-Lasserve, 1998, Semin. Cell Dev. Biol. 9:619-25)。

0067

Notch受容体はDelta, Serrated, Lag-2 (DSL)ファミリーの1回膜貫通型リガンドによって活性化される。哺乳類における公知のNotchリガンドデルタ様1 (Dll1)、デルタ様3 (Dll3)、デルタ様4 (Dll4)、Jagged 1、およびJagged 2は、細胞外ドメイン内のDSLドメインおよびEGF様タンデムリピートによって特徴付けられる。Notch受容体の細胞外ドメインは、典型的には隣接細胞上の、そのリガンドの細胞外ドメインと相互作用し、Notchの2回のタンパク質分解的切断、つまりADAMプロテアーゼによって媒介される細胞外切断およびガンマセクレターゼによって媒介される膜貫通ドメイン内での切断を引き起こす。この後者の切断によってNotch細胞内ドメイン(NICD)が生ずる。次いでNICDが核に入り、そこで主要な下流エフェクタとして転写因子のCBF1/Suppressor of Hairless [Su(H)]/Lag-2 (CSL)ファミリーを活性化し、Hairy and Enhancer of Split [E(spl)]ファミリーの核塩基性ヘリックスループ・ヘリックス転写因子の転写を増大する(Artavanis et al., 1999, Science 284:770; Brennan and Brown, 2003, Breast Cancer Res. 5:69; Iso et al., 2003, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 23:543)。ショウジョウバエにおいて同定された細胞質タンパク質Deltexが関与する別の細胞内経路も哺乳類において存在する可能性があり(Martinez et al., 2002, Curr. Opin. Genet. Dev. 12:524-33)、このDeltex依存的経路はWnt標的遺伝子の発現を抑制するように作用しうる(Brennan et al., 1999, Curr. Biol. 9:707-710; Lawrence et al., 2001, Curr. Biol. 11:375-85)。

0068

造血幹細胞(HSC)は、最もよく理解されている体内の幹細胞であり、Notchシグナル伝達は、それらの正常な維持および白血病性形質転換の両方に関係している(Kopper & Hajdu, 2004, Pathol. Oncol. Res. 10:69-73)。HSCは、成人の骨髄内の間質間隙に存在する僅かな数の細胞である。これらの細胞は、独自の遺伝子発現プロファイル、ならびにより分化した始原細胞を継続的に生みだして造血システム全体を再構成する能力の両方によって、特徴づけられる。HSCおよび前駆細胞におけるNotch1シグナル伝達の構成的活性化により、インビトロにおいておよび長期再構築アッセイにおいてリンパ球細胞と骨髄性細胞の両方を生じる不死化細胞株が樹立され(Varnum-Finney et al., 2000, Nat. Med. 6: 1278-81)、Jagged 1の存在はHSCに富むヒト骨髄細胞集団の生着を高める(Karanu et al., 2000, J. Exp. Med. 192:1365-72)。つい最近、Notchシグナル伝達がインビボのHSCにおいて実証され、HSC分化の阻害に関与することが明らかにされた。さらに、Notchシグナル伝達はWntを介したHSCの自己再生に必要であるように思われる(Duncan et al., 2005, Nat. Immunol. 6:314)。

0069

Notchシグナル伝達経路は同様に、神経幹細胞の維持において中心的な役割を果たし、その正常な維持にも脳腫瘍にも関与している(Kopper & Hajdu, 2004, Pathol. Oncol. Res. 10:69-73; Purow et al., 2005, Cancer Res. 65:2353-63; Hallahan et al., 2004, Cancer Res. 64:7794-800)。神経幹細胞は発達の間に哺乳類神経系において全てのニューロンおよびグリア細胞をもたらし、つい最近では、成体脳において同定された(Gage, 2000, Science 287:1433-8)。Notch1、Notch標的遺伝子Hes1、3、および5、ならびにNotchシグナル伝達経路の制御因子プレセニリン1 (PS1)の欠損マウスは、胚性神経幹細胞数の減少を示す。さらに、PS1ヘテロ接合体マウスの脳において成体神経幹細胞が減少する(Nakamura et al., 2000, J. Neurosci. 20:283-93; Hitoshi et al., 2002, Genes Dev. 16:846-58)。神経幹細胞の減少はニューロンへのその未成熟な分化から生じているようであり(Hatakeyama et al., 2004, Dev. 131 :5539-50)、Notchシグナル伝達が神経幹細胞の分化および自己再生を調節することを示唆している。

0070

異常なNotchシグナル伝達はいくつかのヒト癌に関与している。ヒトでのNOTCH1遺伝子は、一部のT細胞性急性リンパ芽球性白血病でNotch経路の活性化をもたらす転座遺伝子座として最初に同定された(Ellisen et al., 1991, Cell 66:649-61)。マウスモデルにおけるT細胞でのNotch1シグナル伝達の構成的活性化は同様にT細胞リンパ腫を生じ、このことは、その原因としての役割を示唆するものである(Robey et al., 1996, Cell 87:483-92; Pear et al., 1996, J. Exp. Med. 183:2283-91; Yan et al., 2001, Blood 98:3793-9; Bellavia et al., 2000,EMBO J. 19:3337-48)。最近、異常なNOTCH1シグナル伝達をもたらすNOTCH1の点突然変異、挿入、および欠失が、小児と成人の両方のT細胞性急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫において高い頻度で存在していることが見出されている(Pear & Aster, 2004, Curr. Opin. Hematol. 11:416-33)。

0071

乳腺腫瘍においてNotch1およびNotch4の両遺伝子座にマウス乳癌ウイルスが頻繁に挿入されており、得られた活性化Notchタンパク質断片が、Notchシグナル伝達を乳癌に最初に結び付けるものであった(Gallahan & Callahan, 1987, J. Virol 61:66-74; Brennan & Brown, 2003, Breast Cancer Res. 5:69; Politi et al., 2004, Semin. Cancer Biol. 14:341-7)。トランスジェニックマウスにおけるさらなる研究から、正常な乳腺発達の間の管分岐におけるNotchの役割が確認されており、乳房上皮細胞でのNotch4の構成的活性化型上皮分化を阻害し、腫瘍形成を引き起こす(Jhappan et al., 1992, Genes & Dev. 6:345-5; Gallahan et al., 1996, Cancer Res. 56:1775-85; Smith et al., 1995, Cell Growth Differ. 6:563-77; Soriano et al., 2000, Int. J. Cancer 86:652-9; Uyttendaele et al., 1998, Dev. Biol 196:204-17; Politi et al., 2004, Semin. Cancer Biol. 14:341-7)。現在、ヒト乳癌におけるNotchの役割に関する根拠は、乳癌におけるNotch受容体の発現および臨床転帰とのその相関関係に限定されている(Weijzen et al., 2002, Nat. Med. 8:979-86; Parr et al., 2004, Int. J. Mol. Med. 14:779-86)。さらに、Notch経路の過剰発現が子宮頸癌(Zagouras et al., 1995, PNAS 92:6414-8)、腎細胞癌(Rae et al., 2000, Int. J. Cancer 88:726-32)、頭頸部扁平上皮癌(Leethanakul et al., 2000, Oncogene 19:3220-4)、子宮内膜癌(Suzuki et al., 2000, Int. J. Oncol. 17:1131-9)、および神経芽細胞腫(van Limpt et al., 2000, Med. Pediatr. Oncol. 35:554-8)において認められており、いくつかの新生物の発生におけるNotchの潜在的な役割を示している。興味深いことに、Notchシグナル伝達は結腸のApc変異体新生細胞未分化状態の維持に関与している可能性がある(van Es & Clevers, 2005, TrendsMol. Med. 11:496-502)。

0072

Notch経路は同様に、増殖、移動、平滑筋分化、血管形成、および動脈-静脈分化を含む血管発生の複数の局面に関与している(Iso et al., 2003, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 23:543)。例えば、Notch-1/4およびJagged-1でのホモ接合性ヌル突然変異ならびにDll4のヘテロ接合性の喪失は動脈の発生および卵黄嚢血管形成における深刻な、しかし可変的な欠陥を引き起こす。さらに、Dll1欠損およびNotch-2低形質マウス胚は、血管構造の発生不良から生じる可能性が高い出血を示す(Gale et al., 2004, PNAS, 101:15949-54; Krebs et al., 2000, Genes Dev. 14:1343-52; Xue et al., 1999, Hum. Mel Genet. 8:723-30; Hrabe de Angelis et al., 1997, Nature 386:717-21; McCright et al., 2001, Dev. 128:491-502)。ヒトの場合、JAGGED1における突然変異は、血管障害を含む発達障害であるアラジール症候群と関係しており、NOTCH3における突然変異は、血管恒常性に欠陥のある遺伝性血管性認知症(CADASIL)に関与している(Joutel et al., 1996, Nature 383:707-10)。

0073

DLL4が正常乳房上皮と比べて癌幹細胞において発現されていることが同定され、非腫瘍形成性癌細胞の大部分だけでなく固形腫瘍の形成および再発に関与する腫瘍形成性細胞の除去のためにもNotch経路が標的となることが示唆された。さらに、腫瘍の形成および維持における血管形成の重要な役割のため、DLL4に対する抗体によりNotch経路を標的化することで、血管形成を効果的に阻害し、癌から栄養素を奪い、その除去に寄与することもできる。

0074

このように本発明は、その発現を分析することにより、癌に関連した疾患を診断またはモニターすることができるような、癌幹細胞マーカーを提供する。いくつかの態様では、癌幹細胞マーカーの発現は、例えば癌幹細胞マーカーをコードするmRNAなどのポリヌクレオチド発現によって、決定される。ポリヌクレオチドは、当業者に周知の多数の任意の手段により、検出および定量することができる。いくつかの態様では、癌幹細胞マーカーをコードするmRNAは、例えば患者の生検からの組織分画のインサイチューハイブリダイゼーションによって検出される。いくつかの態様では、RNAを組織から単離し、例えばノーザンブロット、定量的RT-PCR、またはマイクロアレイによって検出する。例えば、全RNAを組織試料から抽出し、特異的にハイブリダイズして癌幹細胞マーカーを増幅するプライマーを用いて、癌幹細胞マーカーポリヌクレオチドの発現を、RT-PCRを用いて検出することができる。

0075

ある態様では、癌幹細胞マーカーの発現を、対応するポリペプチドの検出により、決定することができる。当業者に周知の多くの任意の手段により、ポリペプチドを検出し定量することができる。いくつかの態様では、例えば電気泳動キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィー(TLC)のような分析的生化学的方法を用いて、癌幹細胞マーカーポリペプチドを検出する。単離したポリペプチドを、標準技術によって配列決定することもできる。いくつかの態様では、癌幹細胞マーカータンパク質を、タンパク質に対して作製された抗体により、例えば、組織片への免疫蛍光法または免疫組織化学を用いて検出する。または、癌幹細胞マーカーに対する抗体により、例えば、ELISA、FACS、ウエスタンブロット、免疫沈降法またはタンパク質マイクロアレイを用いて、発現を検出することができる。例えば、癌幹細胞を患者の生検から単離し、FACSを用いて、癌幹細胞マーカータンパク質の発現を、蛍光標識抗体により検出することができる。別の方法では、インビボにおいて、標識抗体を用いて癌幹細胞マーカーを発現する細胞を典型的な画像システム中で検出することができる。例えば、常磁性同位体で標識された抗体を、磁気共鳴イメージング(MRI)に用いることができる。

0076

本発明のいくつかの態様では、診断用分析は、例えば免疫組織化学、インサイチューハイブリダイゼーションまたはRT-PCRを用いて、腫瘍細胞中の癌幹細胞マーカーの発現の有無を決定することを含む。他の態様では、診断用分析は、例えば定量的RT-PCRを用いて癌幹細胞マーカーの発現レベルを決定することを含む。いくつかの態様では、診断用分析は、例えば正常な上皮などの対照組織と比較して、癌幹細胞マーカーの発現レベルを決定することをさらに含む。

0077

癌幹細胞マーカー発現の検出を用いて、次に予後診断を提供し、治療法を選択することができる。予後診断は、癌幹細胞マーカーが表示できる任意の公知の危険表現に基づくことができる。さらに、癌幹細胞マーカーの検出を用いて、例えば検出された癌幹細胞マーカータンパク質に対する抗体による処置を含む、適切な治療法を選択することができる。ある態様では、抗体は、Notch受容体リガンドDLL4のような癌幹細胞マーカータンパク質の細胞外ドメインへ特異的に結合する。

0078

本発明の文脈においては、適切な抗体は、例えば以下の効果の一つまたは複数を有しうる作用物質である:癌幹細胞マーカーの発現の妨害;例えば癌幹細胞マーカーと、そのリガンド、受容体または共受容体との間の相互作用を立体的に阻害することによる、癌幹細胞シグナル伝達経路活性化の妨害; 例えばリガンドとして働くかまたは内在的なリガンドの結合を促進することによる、癌幹細胞シグナル伝達経路の活性化;あるいは、癌幹細胞マーカーへの結合および、腫瘍細胞増殖の阻害。

0079

ある態様では、癌幹細胞マーカーに対する抗体は、細胞外で作用して、癌幹細胞マーカータンパク質の機能を調節する。いくつかの態様では、癌幹細胞マーカーに対する抗体の細胞外の結合は、例えば、癌幹細胞マーカーの内因性の活性化(例えばキナーゼ活性)を阻害することにより、および/または、例えば、癌幹細胞マーカーの、リガンドとの、受容体との、共受容体との、または細胞間マトリックスとの相互作用を立体的に阻害することにより、癌幹細胞マーカータンパク質のシグナル伝達を阻害することができる。いくつかの態様では、癌幹細胞マーカーに対する抗体の細胞外の結合は、例えば、癌幹細胞マーカータンパク質の内在化、または癌幹細胞マーカーの細胞表面輸送の減少などによって、癌幹細胞マーカーの細胞表面発現をダウンレギュレーションすることができる。いくつかの態様では、癌幹細胞マーカーに対する抗体の細胞外の結合は例えば、おとりのリガンドとして働いて、またはリガンド結合を増加させて、癌幹細胞マーカータンパク質のシグナル伝達を促進することができる。

0080

ある態様では、癌幹細胞マーカーに対する抗体は、癌幹細胞マーカータンパク質に結合して、以下の効果の一つまたは複数を有する:腫瘍細胞の増殖を阻害する、腫瘍細胞の細胞死を引き起こす、腫瘍形成性の低い細胞型へと腫瘍細胞が分化するのを促進するまたは腫瘍細胞の転移を妨げる。ある態様では、癌幹細胞マーカーに対する抗体は、結合されている毒素、化学療法剤、放射性同位元素、または他のそのような薬剤により細胞死を引き起こす。例えば、癌幹細胞マーカーに対する抗体は毒素に結合されており、それがタンパク質内在化により、癌幹細胞マーカーを発現している腫瘍細胞中で活性化される。

0081

ある態様では、癌幹細胞マーカーに対する抗体は、癌幹細胞マーカータンパク質を発現している細胞の細胞死を、抗体依存性細胞性細胞障害性(ADCC)によって媒介する。ADCCは、抗体のFc部分を認識するエフェクター細胞による細胞溶解を伴う。例えば多くのリンパ球単球組織マクロファージ顆粒球、および好酸球は、Fc受容体を有しており、細胞溶解を媒介することができる(Dillman, 1994, J. Clin. Oncol. 12:1497)。

0082

ある態様では、癌幹細胞マーカーに対する抗体は、補体依存性細胞障害性(CDC)を活性化することによって、癌幹細胞マーカータンパク質を発現している細胞の細胞死を引き起こす。CDCは、血清補体の抗体Fc部分への結合、およびそれに続く補体タンパク質カスケードの活性化を伴い、細胞膜損傷および最終的な細胞死に帰着する。抗体の生物活性は、抗体分子不変領域、即ちFc領域によって大部分が決定されることが知られている(Uananue and Benacerraf, Textbook of Immunology, 2nd Edition, Williams & Wilkins, p. 218 (1984))。異なるクラスおよびサブクラスの抗体はこの点で異なる。同じサブクラスのしかし異なる種からの抗体も同様である。ヒト抗体のうち、IgMは、最も効率的に補体と結合するクラスの抗体であり、IgG1、IgG3およびIgG2がこれに続く。しかしIgG4は、補体カスケードの活性化が全くできないようである(Dillman, 1994, J. Clin. Oncol. 12:1497; Jefferis et al., 1998, Immunol. Rev. 163:59-76)。本発明により、所望の生物活性を有するクラスの抗体が調製される。

0083

癌幹細胞に対する任意の特定の抗体が補体活性化および/またはADCCによる標的細胞溶解を媒介する能力を分析することができる。関心対象の細胞を、インビトロで成長させて標識する;抗体を、抗原抗体複合体によって活性化される血清補体または免疫細胞一緒に、細胞培養液に加える。標的細胞の細胞溶解は、例えば溶解された細胞からの標識の放出によって検出される。実際、患者自身の血清を補体および/または免疫細胞の供給源として用いて、抗体をスクリーニングすることができる。インビトロの試験で補体を活性化することができるまたはADCCを媒介できる抗体を、次にその特定の患者で治療に用いることができる。

0084

ある態様では、癌幹細胞マーカーに対する抗体は、血管形成を阻害する細胞死を引き起すことができる。血管形成は、既存の血管から新しい血管が形成されるプロセスであり、例えば胚発生創傷治癒の間の、および排卵に応答した、正常な成長に必要な基本的プロセスである。1〜2mm2を上回る充実性腫瘍の成長もまた、栄養源および酸素を供給するために血管形成を必要とし、それがなければ腫瘍細胞は死滅する。ある態様では、癌幹細胞マーカーに対する抗体は、例えば内皮細胞、平滑筋細胞を含む、癌幹細胞マーカーを発現する血管細胞または血管の構築に必要な細胞間マトリックス成分を標的とする。ある態様では、癌幹細胞マーカーに対する抗体は、血管細胞の補充、構築、維持、または生存に必要な成長因子シグナル伝達を阻害する。

0085

癌幹細胞マーカーに対する抗体は、本明細書に記載される診断および治療方法での用途が見出される。ある態様では、例えば患者の組織生検、胸水または血液試料などの生体試料中の癌幹細胞マーカータンパク質の発現を検出するために、本発明の抗体を用いる。組織生検を切片にし、例えば免疫蛍光法または免疫組織化学を用いて、タンパク質を検出することができる。さらに試料から個々の細胞を単離し、次に固定したまたは生きた細胞で、FACS分析によってタンパク質発現を検出することができる。ある態様では、抗体をタンパク質アレイ上で用いて、癌幹細胞マーカーの発現を、例えば腫瘍細胞上で、細胞溶解物中で、または他のタンパク質試料中で検出することができる。ある態様では、インビトロの細胞ベース分析法、インビボの動物モデルなどにおいて抗体を腫瘍細胞と接触させることにより、本発明の抗体を用いて腫瘍細胞の成長を阻害する。ある態様では、癌幹細胞マーカーに対して治療的有効量の抗体を投与することによって、抗体を用いて患者の癌を処置する。

0086

本発明の抗体は、当技術分野で公知の任意の従来手段により調製することができる。例えば、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、血清アルブミンなどに任意で結合され、滅菌食塩水希釈され、アジュバント(例えば、完全または不完全フロイントアジュバント)と組み合わせて安定した乳剤に形成された、関連の抗原(精製されたペプチド断片、全長の組換えタンパク質、融合タンパク質など)の複数回の皮下または腹腔内注射によって、動物(例えばウサギ、ラット、マウス、ロバなど)を免疫することにより、ポリクローナル抗体を調製することができる。次に、そのように免疫された動物の血液、腹水などからポリクローナル抗体を回収する。集めた血液を凝結させ、血清をデカントし、遠心分離によって透明にして、抗体価を分析する。ポリクローナル抗体を血清または腹水から、アフィニティークロマトグラフィーイオン交換クロマトグラフィーゲル電気泳動透析などを含む当技術分野の標準的方法によって精製することができる。

0087

モノクローナル抗体を、Kohler and Milstein (1975) Nature 256:495によって記載されたハイブリドーマ法を用いて調製することができる。ハイブリドーマ法を用いて、マウス、ハムスターまたは他の適当な宿主動物を、上述のように免疫し、免疫に用いた抗原に特異的に結合する抗体のリンパ球による産生を誘発させる。リンパ球はまた、インビトロで免疫することもできる。免疫化に続いてリンパ球を単離し、例えば、ポリエチレングリコールを用いて適当なミエローマ細胞系と融合させてハイブリドーマ細胞を形成させ、それらを次に、融合していないリンパ球およびミエローマ細胞から分離して、選択することができる。免疫沈降、免疫ブロッティング、またはインビトロの結合分析(例えばラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着分析(ELISA))によって決定される、選択された抗原に特異的に指向されたモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを、次に標準的方法(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic Press, 1986)を用いるインビトロの培養で、またはインビボで動物中の腹水癌として、増殖させることができる。次に、モノクローナル抗体を、ポリクローナル抗体について上述したように、培養培地または腹水から精製することができる。

0088

または、モノクローナル抗体を、米国特許第4,816,567号に記載されている組換えDNA法を用いて作製することができる。モノクローナル抗体をコードするポリヌクレオチドを、成熟B細胞またはハイブリドーマ細胞から、抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子を特異的に増幅するオリゴヌクレオチドプライマーを用いるRT-PCRなどによって単離し、それらの配列を従来の手続きを用いて決定する。単離された重鎖および軽鎖をコードするポリヌクレオチドを、次に、適当な発現ベクター中へクローニングし、それを、さもなくば免疫グロブリンタンパク質を産生することのない大腸菌(E. coli)細胞、サルのCOS細胞チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはミエローマ細胞などの宿主細胞へトランスフェクションすれば、宿主細胞はモノクローナル抗体を産生する。さらに、所望の種の組換えモノクローナル抗体またはその断片を、所望の種のCDRを発現するファージディスプレイライブラリーから、記載されたように(McCafferty et al., 1990, Nature, 348:552-554; Clackson et al, 1991, Nature, 352:624-628; およびMarks et al., 1991, J. Mol. Biol., 222:581-597)単離することができる。

0089

モノクローナル抗体をコードするポリヌクレオチドを、組換えDNA技術を用いる多数の異なる手法で修飾して、別の抗体を生成することができる。いくつかの態様では、例えばマウスモノクローナル抗体の軽鎖および重鎖の定常領域を、1)キメラ抗体を生成するために、例えばヒト抗体の定常領域と、あるいは 2)融合抗体を生成するために非免疫グロブリンポリペプチドと、置換することができる。いくつかの態様では、定常領域を切り詰めるかまたは除去して、モノクローナル抗体の所望の抗体断片を生成する。可変領域の部位特異的または高密度突然変異生成を用いて、モノクローナル抗体の特異性、親和性などを最適化することができる。

0090

本発明のいくつかの態様では、癌幹細胞マーカーに対するモノクローナル抗体は、ヒト化抗体である。ヒト化抗体は、非ヒト(例えばマウス)抗体からの最小の配列を可変領域内に含む抗体である。そのような抗体を治療的に用いて、ヒト被験体に投与したときの抗原性およびHAMA (ヒト抗マウス抗体)応答を低下させる。実際には、ヒト化抗体は、典型的には非ヒト配列が最小であるか存在しないヒト抗体である。ヒト抗体は、ヒトによって産生された抗体、またはヒトによって産生された抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。

0091

当技術分野で公知の様々な技術を用いて、ヒト化抗体を産生することができる。(Jones et al., 1986, Nature, 321:522-525; Riechmann et al., 1988, Nature, 332:323-327; Verhoeyen et al., 1988, Science, 239:1534-1536)の方法に従って、ヒト抗体のCDRを、所望の特異性、親和性、および能力を有する非ヒト抗体(例えばマウス、ラット、ウサギ、ハムスターなど)のCDRと置換することにより、抗体をヒト化することができる。可変ヒトフレームワーク領域中および/または置き換えられた非ヒト残基内のさらなる残基の置換によって、ヒト化抗体をさらに修飾し、抗体特異性、親和性、および/または能力を改善し、最適化することができる。

0092

ヒト化抗体を作製する際に使用されるヒト重鎖および/または軽鎖可変ドメインの選択は、抗原性を低減するのに重要でありうる。「最良適合」法によれば、げっ歯類抗体の可変ドメインの配列を、公知のヒト可変ドメインアミノ酸配列のライブラリ全体に対してスクリーニングする。したがって、ある態様において、CDRを入手したげっ歯類抗体のアミノ酸配列に対して最も高い相同性を有するヒトアミノ酸配列を、ヒト化抗体のヒトフレームワーク領域(FR)として使用する(Sims et al., 1993, J. Immunol, 151 : 2296; Chothia et al., 1987, J. Mol. Biol., 196:901)。別の方法では、軽鎖または重鎖の特定の部分群の全ヒト抗体の共通配列に由来する特定のFRを使用し、かつこれをいくつかの異なるヒト化抗体のために使用することができる(Carter et al., 1992, PNAS, 89;4285; Presta et al., 1993, J. Immunol., 151:2623)。ある態様において、方法の組み合わせを使ってヒト可変FRを選抜し、ヒト化抗体の作製に用いる。

0093

ヒト化される抗体(例えば、げっ歯類)は抗原に対する高い親和性および他の好ましい生物学的特性を保持していなければならないことが、さらに理解されよう。この目標を達成するため、ヒト化されるげっ歯類抗体由来の親配列および種々の候補ヒト化配列の解析の過程によって、ヒト化抗体を調製することができる。三次元免疫グロブリンモデルが利用可能であり、かつ当業者によく知られている。コンピュータプログラムを用いて、選択した候補抗体配列の予想される三次元立体構造を例示および表示することができる。そのようなモデルを用いることで、残基の、ヒト化される抗体の機能における可能性の高い役割の解析、すなわち、候補抗体がその抗原に結合する能力に影響を与える残基の解析が可能になる。このようにして、所望の抗体特性が達成されるように、FR残基を親抗体から選択して受容ヒト化抗体に結合させることができる。一般に、抗原決定領域のCDR(すなわち超可変領域)中の残基は、抗原結合用のヒト化抗体において親抗体(例えば、所望の抗原結合特性を有するげっ歯類抗体)から保持されている。ある態様において、可変FR内の少なくとも1つのさらなる残基がヒト化抗体において親抗体から保持されている。ある態様において、可変FR内の最大6つのさらなる残基がヒト化抗体において親抗体から保持されている。

0094

免疫グロブリンの成熟重鎖および成熟軽鎖の可変領域由来のアミノ酸は、それぞれHxおよびLxと表され、ここでxは、Kabatのスキーム(Sequences of Proteins of Immunological Interest, U.S. Department of Health and Human Services, 1987, 1991)にしたがってアミノ酸の位置を指定する番号である。Kabatは各部分群の抗体に対する多くのアミノ酸配列を列挙し、共通配列を作製するために該部分群における各残基位置に最も一般的に存在するアミノ酸を列挙している。Kabatは、列挙した配列中の各アミノ酸に残基番号割り当てるための方法を使用し、残基番号を割り当てるための方法は該分野において標準となっている。保存アミノ酸を参照してKabatにおける共通配列の1つと問題の抗体とを整列することによって、Kabatのスキームをその概論に含まれていない他の抗体にも拡張することができる。Kabat番号付与システムを用いることで、異なる抗体における等価な位置のアミノ酸が容易に同定される。例えば、ヒト抗体のL50位のアミノ酸は、マウス抗体アミノ酸位L50と同等の位置を占める。さらに、例えば同一性の割合を判定するため、一方の抗体配列中の各アミノ酸がもう一方の配列中の同じKabat数を有するアミノ酸と整列するようにKabat番号付与システムを用いることにより、任意の二つの抗体配列を一意的に整列させることができる。整列後、対象抗体領域(例えば、重鎖または軽鎖の成熟可変領域全体)を参照抗体の同一領域と比較する場合には、対象抗体領域と参照抗体領域との間の%配列同一性とは、対象抗体領域と参照抗体領域の両方において同じアミノ酸が占める位置の数をこの二つの領域の整列位置総数ギャップカウントしない)で割り、100を乗じて割合に変換したものである。

0095

以下の実施例1では、本開示の癌幹細胞マーカーである、ヒトDLL4に特異的に結合する例示的なヒト化抗DLL4抗体(2007年5月10日付で寄託した21M18 H9L2,ATCC寄託番号PTA-8427および21M18 H7L2, ATCC寄託番号PTA-8425; (American Type Culture Collection (ATCC) 10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209 USA))の産生について説明する。ある態様において、ヒト化抗体は、マウスモノクローナル抗体21M18に由来する非ヒト抗原決定領域を含む。具体的には、ある態様において、親げっ歯類抗体由来の重鎖CDR、つまりCDR1 (SEQID NO: 1)、CDR2 (Kabat位置52aで異なるSEQ ID NO: 2; SEQ ID NO: 3; もしくはSEQ ID NO: 4)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 5)の1つまたは複数がヒト化21M18抗体において保持される。ある態様において、親げっ歯類抗体由来の軽鎖CDR、つまりCDR1 (SEQ ID NO: 9)、CDR2 (SEQ ID NO: 10)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 11)の1つまたは複数がヒト化21M18抗体において保持される。ある態様において、ヒト化抗体は、重鎖または軽鎖のいずれかのヒト可変領域中に少なくとも1つのFR置換をさらに含む。

0096

ある態様において、本発明は、ヒトDLL4N末端領域(SEQID NO: 27)およびヒトDSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成されるヒトDLL4エピトープに特異的に結合するヒト化抗体を提供し、該抗体は腫瘍の増殖に影響を与える。ある態様において、ヒト化抗体は無傷のIgG抗体である。ある態様において、ヒト化抗体は無傷のIgG2抗体である。ある態様において、ヒト化抗体は抗体断片である。ある態様において、ヒト化抗体はFab断片である。

0097

ある態様において、本発明のヒト化抗体は、非ヒト抗原決定領域およびヒト可変フレームワーク領域を含んだ重鎖可変(VH)領域を含む。ある態様において、非ヒト抗原決定領域はげ歯類起源の相補性決定領域(CDR)を含む。ある態様において、非ヒト抗原決定領域はマウス抗体由来のCDRを含む。ある態様において、げっ歯類CDRはモノクローナル抗体21M18に由来し、ここで21M18はSEQID NO: 6と称する重鎖可変領域を含む。ある態様において、ヒト化抗体は、(a) CDR1 (SEQ ID NO: 1)、CDR2 (SEQ ID NO: 2; SEQ ID NO: 3; もしくはSEQ ID NO: 4)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 5)または(b) SEQ ID NO: 6、SEQ ID NO: 7もしくはSEQ ID NO: 8のアミノ酸配列を含んだVH領域を含む。

0098

ある態様において、ヒト重鎖可変フレームワーク領域は発現ヒト配列を含む。ある態様において、ヒト可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が置換される。ある態様において、Kabat番号付与システムに基づき、ヒト重鎖可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が、残基番号16、20、27、28、38、および48からなる群より選択される位置にある。ある態様において、Kabat番号付与システムに基づき、残基番号16、20、27、28、38、および48の位置が置換される。ある態様において、ヒト可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が、非ヒト抗原決定領域を含む抗体中の対応する位置を占める残基と置換される。

0099

ある態様において、ヒト重鎖可変フレームワーク領域はIGH(V)1-18を含む。ある態様において、ヒト可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が置換される。ある態様において、Kabat番号付与システムに基づき、ヒト重鎖可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が、残基番号20H、28H、38H、48H、および69Hからなる群より選択される位置にある。ある態様において、Kabat番号付与システムに基づき、残基番号20H、28H、38H、48H、および69Hの位置が置換される。ある態様において、ヒト可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が、非ヒト抗原決定領域を含む抗体中の対応する位置を占める残基と置換される。

0100

ある態様において、本発明のヒト化抗体は、非ヒト抗原決定領域およびヒト可変フレームワーク領域を含んだ軽鎖可変(VL)領域を含む。ある態様において、非ヒト抗原決定領域はげっ歯類起源のCDRを含む。ある態様において、非ヒト抗原決定領域はマウス抗体由来のCDRを含む。ある態様において、CDRはモノクローナル抗体21M18に由来し、ここで21M18はSEQID NO: 12と称するVL領域を含む。ある態様において、VL領域は、(a) CDR1 (SEQ ID NO: 9)、CDR2 (SEQ ID NO: 10)、およびCDR3 (SEQ ID NO: 11)または(b) SEQ ID NO: 12のアミノ酸配列を含む。

0101

ある態様において、ヒト軽鎖可変フレームワーク領域はIGK(V)4-1を含む。ある態様において、ヒト軽鎖可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が置換される。ある態様において、Kabat番号付与システムに基づき、ヒト可変フレームワーク領域中の少なくとも1つの残基が、位置22Lおよび36Lからなる群より選択される位置にある。ある態様において、Kabat番号付与システムに基づき、位置22Lおよび36Lの位置が置換される。ある態様において、ヒト可変フレームワーク領域由来の少なくとも1つの残基が、非ヒト抗原決定領域を含む抗体中の対応する位置を占める残基と置換される。

0102

ある態様において、本発明の抗体は、ヒトDLL4への特異的結合について抗体21M18と競合する抗体であり、ここで21M18抗体は(a) SEQID NO: 6、SEQ ID NO: 7またはSEQ ID NO: 8と称する可変領域を有する重鎖および(b) SEQ ID NO: 12と称する可変領域を有する軽鎖を含む。ある態様において、抗体はヒト化抗体またはヒト抗体である。

0103

ある態様において、ヒトDLL4N末端領域(SEQID NO: 27)およびヒトDSLドメイン(SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成されるヒトDLL4エピトープに特異的に結合するヒト化抗体は、SEQ ID NO: 6、SEQ ID NO: 7、またはSEQ ID NO: 8に対し少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域およびSEQ ID NO: 12に対し少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様において、重鎖可変領域はSEQ ID NO: 6、SEQ ID NO: 7、またはSEQ ID NO: 8に対し少なくとも95%の配列同一性を有し、かつ軽鎖可変領域はSEQ ID NO: 12に対し少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの態様において、重鎖可変領域はSEQ ID NO: 6、SEQ ID NO: 7、またはSEQ ID NO: 8に対し少なくとも99%の配列同一性を有し、かつ軽鎖可変領域はSEQ ID NO: 12に対し少なくとも99%の配列同一性を有する。

0104

ある態様において、本発明は、ヒトDLL4N末端領域(SEQID NO: 27)およびヒトDSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成されるヒトDLL4エピトープに特異的に結合するヒト化抗体をコードする単離ポリヌクレオチド分子を提供し、該抗体は、CDR1 (SEQ ID NO: 1); CDR2 (SEQ ID NO: 2、SEQ ID NO: 3もしくはSEQ ID NO: 4); およびCDR3 (SEQ ID NO: 5)をコードする非ヒト抗原決定領域ならびにIGH(V)1-18をコードするヒト可変フレームワーク領域を含んだVH領域を含む。ある態様において、本発明は、ヒトDLL4 N末端領域(SEQ ID NO: 27)およびヒトDSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成されるヒトDLL4エピトープに特異的に結合するヒト化抗体をコードする単離ポリヌクレオチド分子を提供し、該ポリヌクレオチド分子は、(a) SEQ ID NO: 6、SEQ ID NO: 7、またはSEQ ID NO: 8のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド分子および(b)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の下で(a)によるポリヌクレオチド分子の相補体にハイブリダイズするポリヌクレオチド分子からなる群より選択される。ある態様において、本発明は、ヒトDLL4 N末端領域(SEQ ID NO: 27)およびヒトDSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成されるヒトDLL4エピトープに特異的に結合するヒト化抗体をコードする単離ポリヌクレオチド分子を提供し、該ポリヌクレオチド分子は、(a) SEQ ID NO: 13、SEQ ID NO: 14、またはSEQ ID NO: 15および(b) ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の下で(a)によるポリヌクレオチド分子の相補体にハイブリダイズするポリヌクレオチド分子からなる群より選択される。

0105

ある態様において、本発明は、ヒトDLL4N末端領域(SEQID NO: 27)およびヒトDSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成されるヒトDLL4エピトープに特異的に結合するヒト化抗体をコードする単離ポリヌクレオチド分子を提供し、該抗体は、CDR1 (SEQ ID NO: 9); CDR2 (SEQ ID NO: 10); およびCDR3 (SEQ ID NO: 11)をコードする非ヒト抗原決定領域ならびにIGK(V)4-1を含むヒト可変フレームワーク領域を含んだVL領域を含む。ある態様において、本発明は、ヒトDLL4 N末端領域(SEQ ID NO: 27)およびヒトDSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成されるヒトDLL4エピトープに特異的に結合するヒト化抗体をコードする単離ポリヌクレオチド分子を提供し、該ポリヌクレオチド分子は、(a) SEQ ID NO: 12のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド分子および(b)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の下で(a)によるポリヌクレオチド分子の相補体にハイブリダイズするポリヌクレオチド分子からなる群より選択される。ある態様において、本発明は、ヒトDLL4 N末端領域(SEQ ID NO: 27)およびヒトDSL (SEQ ID NO: 26)の組み合わせによって形成されるヒトDLL4エピトープに特異的に結合するヒト化抗体をコードする単離ポリヌクレオチド分子を提供し、該ポリヌクレオチド分子は、(a) SEQ ID NO: 16および(b) ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の下で(a)によるポリヌクレオチド分子の相補体にハイブリダイズするポリヌクレオチド分子からなる群より選択される。

0106

ある態様において、本発明の単離ポリヌクレオチド分子を含む発現ベクターが提供される。ある態様において、本発明の単離ポリヌクレオチド分子を含む発現ベクターを含んだ宿主細胞が提供される。

0107

ある態様において、本発明は、本開示のヒト化抗体の治療上有効量を患者に投与する段階を含む、患者における癌を処置する方法を提供する。ある態様において、癌は乳癌、結腸直腸癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、または頭頸部癌を含む。

0108

ある態様において、本発明は、容器およびその中に含有されている組成物を含むキットを提供し、該組成物は、本開示のヒト化抗体を含み、かつ、この組成物を用いて癌を処置できることを示す添付文書をさらに含む。

0109

さらに、完全(fully)ヒト抗体を、当技術分野で公知の様々な技術を用いて直接調製することができる。標的抗原に向けられた抗体を産生する、インビトロで免疫された、または免疫された個人から単離された、不死化ヒトBリンパ球を生成することができる(Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p.77 (1985); Boemer et al., 1991, J. Immunol., 147 (1):86-95; および米国特許第5,750,373号を参照のこと)。さらに、ヒト抗体を、ヒト抗体を発現するファージライブラリーから選択することができる(Vaughan et al., 1996, Nat. Biotech., 14:309-314; Sheets et al., 1998, Proc. Nat'l. Acad. Sci., 95: 6157-6162; Hoogenboom and Winter, 1991, J. Mol Biol., 227:381; Marks et al., 1991, J. Mol. Biol., 222:581)。免疫されると、内在的免疫グロブリン産生が存在しない状態でヒト抗体の完全なレパートリーを産生することができる、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む遺伝子組換えマウス中で、ヒト抗体を作製することもまた可能である。この手法は、米国特許第5,545,807;5,545,806;5,569,825;5,625,126;5,633,425;および5,661,016号に記載されている。

0110

本発明はまた、特異的に癌幹細胞マーカーを認識する二重特異性抗体を包含する。二重特異性抗体は、少なくとも二つの異なるエピトープを特異的に認識し、結合することができる抗体である。異なるエピトープは、同じ分子内(例えば同じ癌幹細胞マーカーポリペプチド)に存在しても良いし、あるいは異なる分子の上に存在して、例えば抗体は、癌幹細胞マーカー、ならびに、例えば、1)T細胞受容体(例えばCD3)またはFc受容体(例えばCD64、CD32、もしくはCD16)などの、白血球上のエフェクター分子、あるいは 2) 詳細に下に記載する細胞障害性作用物質の両方を特異的に認識し結合することができる。二重特異性抗体は、無傷の抗体または抗体断片でよい。

0111

例示的な二重特異性抗体は二つの異なるエピトープに結合することができ、その内の少なくとも一つは本発明のポリペプチドに由来する。または、免疫グロブリン分子の抗抗原アームを、T細胞受容体分子(例えばCD2、CD3、CD28またはB7)、またはIgGへのFc受容体などの、白血球上の引き金分子に結合するアームと組み合わせて、細胞の防衛機構を特定の抗原を発現する細胞へ集中させるようにすることができる。さらに二重特異性抗体を用いて、細胞障害性作用物質を、特定の抗原を発現する細胞に指向させることもできる。これらの抗体は、抗原を結合するアーム、およびEOTUBE、DPTA、DOTAまたはTETAなどの、細胞障害性作用物質または放射性核種キレート剤を結合するアームを所持する。二重特異性抗体を作製するための技術は、当技術分野において一般的なものである(Millstein et al., 1983, Nature 305:537-539; Brennan et al., 1985, Science 229:81; Suresh et al, 1986, Methodsin Enzymol. 121:120; Traunecker et al., 1991,EMBO J. 10:3655-3659; Shalaby et al., 1992, J. Exp. Med. 175:217-225; Kostelny et al., 1992, J. Immunol. 148:1547-1553; Gruber et al., 1994, J. Immunol. 152:5368; および米国特許第5,731,168号)。2以上の価数を有する抗体もまた意図する。例えば、三重特異性抗体を調製することができる(Tutt et al., J. Immunol. 147:60 (1991))。

0112

ある態様では、例えば腫瘍浸透性を増大させるための抗体断片が提供される。抗体断片の産生のための様々な技術が公知である。従来から、これらの断片は、無傷の抗体のタンパク質消化によって導出されている(例えば、Morimoto et al., 1993, Journal of Biochemical and Biophysical Methods24:107-117; Brennan et al., 1985, Science, 229:81)。ある態様では、抗体断片は組換えによって産生される。Fab、Fv、およびscFv抗体断片を、すべて大腸菌または他の宿主細胞で発現させ、分泌させることができ、したがって、これらの断片の大量産生が可能である。そのような抗体断片を、上に議論した抗体ファージライブラリーから単離することもできる。抗体断片はまた、例えば米国特許第5,641,870号に記載されているように直鎖状抗体であってもよく、またそれは単一特異性、もしくは二重特異性であってよい。抗体断片産生のための他の技術は、当業者には明白であろう。

0113

本発明によれば、本技術を、本発明のポリペプチドに特異的な一本鎖抗体の産生に適合させることができる(米国特許第4,946,778号参照)。さらに、本方法を、Fab発現ライブラリー(Huse, et al., Science 246:1275-1281 (1989))の構築に適合させて、Notch受容体リガンドDLL4またはその誘導体、断片、もしくはホモログに対して所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速かつ有効な同定を可能にすることができる。本発明のポリペプチドに対するイディオタイプを含む抗体断片を、(a)抗体分子のペプシン消化によって産生されるF(ab')2断片;(b) F(ab')2断片のジスルフィド架橋還元することによって生成されるFab断片;(c) 抗体分子のパパインおよび還元剤による処理によって生成されるFab断片、および(d) Fv断片を非限定的に含む、当技術分野の技術によって産生することができる。

0114

特に抗体断片の場合には、その血清半減期を増大させるために抗体を修飾することがさらに望ましい可能性がある。これは例えば、抗体断片中の適当な領域の突然変異による、抗体断片中へのサルベージ受容体結合エピトープの組み込みにより、あるいは、ペプチドタグにエピトープを組み入れて、それを次に抗体断片のいずれかの端にまたは中間に(例えばDNAまたはペプチド合成によって)融合することにより、行うことができる。

0115

ヘテロ結合抗体もまた、本発明の範囲内である。ヘテロ結合抗体は、共有結合した二つの抗体から成る。そのような抗体は、例えば免疫細胞が望ましくない細胞を標的とするように提唱された(米国特許第4,676,980号)。架橋剤を必要とする方法を含む、合成タンパク質化学で公知の方法を用いて、抗体を、インビトロで調製することができると考えられる。例えば、ジスルフィド交換反応を用いて、またはチオエテール結合を形成させて、免疫毒素を構築することができる。この目的に適している試薬の例には、イミノチオラートおよびメチル-4-メルカプトブチルイミダートが含まれる。

0116

本発明の目的のためには、修飾抗体が、抗体とヒトDLL4のポリペプチドとの会合を提供する任意の型の可変領域を含むことができることが認識されよう。この点で、可変領域は、液性応答の開始および所望の腫瘍に関連する抗原に対する免疫グロブリンの生成を誘起することができる、任意の型の哺乳動物からなるかまたは由来するものであってよい。このように、修飾抗体の可変領域は、例えばヒト、マウス、非ヒト霊長類(例えばカニクイザルマカクなど)またはオオカミ起源であり得る。いくつかの態様では、修飾された免疫グロブリンの可変および定常領域の両方がヒト由来である。他の態様では、適合性を有する抗体(通常非ヒト供給源に由来する)の可変領域を操作するかまたは特異的に調整して、結合特性を改善するかまたは分子の免疫原性を減少させることができる。この点に関して、移入されたアミノ酸配列を含めることにより、本発明に役立つ可変領域をヒト化するかまたはそうでなければ改変することができる。

0117

重鎖および軽鎖の両方の可変ドメインを、一つまたは複数のCDRの少なくとも一部の置き換えによって、また必要な場合には、部分的なフレームワーク領域の置き換えおよび配列変更によって改変する。CDRは、フレームワーク領域が由来する抗体と同じクラスまたはさらに同じサブクラスの抗体に由来してもよいが、CDRが異なるクラスの抗体、好ましくは異なる種からの抗体に由来することが想定される。一つの可変ドメインの抗原結合能を別の可変ドメインに移すためには、CDRの全てを、供与側の可変領域からの完全なCDRで置き換えることは必要でない可能性がある。むしろ、抗原結合部位の活性を維持するのに必要な残基を移すことのみが必要な可能性がある。米国特許第5,585,089号、第5,693,761号および第5,693,762号で述べられた説明を考慮すれば、型通りの実験作業を行なって、または試行錯誤によって、減少した免疫原性を有する機能的な抗体を得ることは、十分に当業者の能力内のことであろう。

0118

可変領域の改変にかかわらず、本発明の修飾抗体が、天然または未改変の定常領域を含むほぼ同じ免疫原性の抗体と比較した場合に、腫瘍局在化の増大または血清半減期の減少などの望ましい生化学的特性を提供するように、抗体または、一つもしくは複数の定常領域ドメインの少なくとも何分の一かが除去されたかさもなくば改変されたその免疫反応性断片を含むことを、当業者は認識するであろう。いくつかの態様では、修飾抗体の定常領域は、ヒト定常領域を含む。本発明に適合する定常領域の修飾は、一つまたは複数のドメインにおける一つまたは複数のアミノ酸の追加、欠失、または置換を含む。即ち、本明細書に開示される修飾抗体は、三つの重鎖定常ドメイン(CH1、CH2またはCH3)の一つまたは複数の、および/または軽鎖定常部(CL)の、改変または修飾を含んでよい。本発明のいくつかの態様では、一つまたは複数のドメインが部分的にまたは完全に欠失された、修飾定常領域を意図する。いくつかの態様では、修飾抗体は、CH2ドメイン全体が除かれたドメイン欠失構築物または変異体(ΔCH2構築物)を含む。いくつかの態様では、除去される定常領域ドメインは、短いアミノ酸スペーサー(例えば10残基の)と置換され、それは通常は定常領域(この場合は存在しない)によって与えられる分子的柔軟性のいくらかを提供する。

0119

それらの形状の他に、定常領域がいくつかのエフェクター機能を媒介することが当技術分野において公知である。例えば、抗体への補体C1成分の結合は、補体系を活性化する。補体の活性化は、細胞病原体オプソニン化および溶解に重要である。補体の活性化はまた炎症反応刺激し、自己免疫過敏症に関係し得る。さらに、抗体は、Fc領域を介して細胞に結合し、この時抗体Fc領域上のFc受容体結合部位が、細胞上のFc受容体(FcR)へ結合している。IgG(γ受容体)、IgE(η受容体)、IgA(α受容体)およびIgM(μ受容体)を含む、種々のクラスの抗体に特異的な多数のFc受容体が存在する。細胞表面上のFc受容体への抗体の結合は、抗体に覆われた粒子飲込みおよび破壊、免疫複合体の除去、抗体に覆われた標的細胞の溶解(抗体依存性細胞媒介細胞障害性、またはADCCと呼ばれる)、炎症伝達因子の放出、胎盤通過および免疫グロブリン産生の制御を含む、キラー細胞による多くの重要で多様な生体応答を引き起こす。様々なFc受容体および受容体部位がある程度研究されてきたが、それらの位置、構造、および機能に関して、依然として多くで未知である。

0120

本発明の範囲を限定するわけではないが、本明細書に記載するように修飾された定常領域を含む抗体は改変されたエフェクター機能を提供し、それが次に、投与された抗体の生物学的プロファイルに影響を与えると考えられる。例えば、定常領域ドメインの欠失または不活性化(点突然変異または他の手段による)は、循環している修飾抗体のFc受容体への結合を減少させ、そのために腫瘍への局在化を増大させる可能性がある。他の場合では、本発明に適合した定常領域の修飾は、補体結合を調節し、したがって血清半減期および結合された細胞毒素の非特異的結合を減少させると考えられる。定常領域のさらに他の修飾を用いて、ジスルフィド結合またはオリゴ糖部分を除去することができ、これによって、増大した抗原特異性または抗体柔軟性により、局在化を促進することができる。同様に、本発明による定常領域の修飾を、完全に当業者の範囲内の周知の生化学的技術または遺伝子操作技術を用いて容易に行うことができる。

0121

修飾抗体を操作して、CH3ドメインをそれぞれの修飾抗体のヒンジ領域へ直接融合させることができることに留意されたい。他の構築物では、ヒンジ領域と修飾されたCH2および/またはCH3ドメインの間にペプチドスペーサーを与えることが望ましい。例えば、CH2ドメインが欠失され、残りのCH3ドメイン(修飾されたまたは未修飾の)がヒンジ領域に5〜20個のアミノ酸スペーサーで連結された、適合性を有する構築物を発現することができる。そのようなスペーサーを付加することにより、例えば定常ドメインの調節エレメントを、遊離状態アクセス可能に保つこと、またはヒンジ領域が柔軟なままであることを保証してもよい。しかし、アミノ酸スペーサーは、ある場合には免疫原性を有することが判明しており、構築物に対する望ましくない免疫応答を誘発する場合があることが認識されるべきである。従って、構築物に加える任意のスペーサーは、比較的非免疫原性でなければならず、あるいは修飾抗体の望ましい生化学特質が維持される場合は全体を除くことさえしなければならない。

0122

定常領域ドメイン全体の欠失の他に、部分的欠失または少数のもしくは単一のアミノ酸の置換によっても、本発明の抗体を提供することができることが認識されよう。例えば、CH2ドメインの選択された区域の単一のアミノ酸の突然変異が、実質的にFc結合を減少させ、それによって腫瘍の局在化を増大させるのに十分である可能性がある。同様に、一つまたは複数の定常領域ドメインの、調節されるべきエフェクター機能(例えば補体CLQ結合)を制御する部分を単に欠失させることが望ましい可能性がある。定常領域のそのような部分的欠失は、当該定常領域ドメインに関連する他の望ましい機能をそのままにしておく一方で、抗体の選択された特性(血清半減期)を改善する可能性がある。さらに、上に示唆されるように、開示された抗体の定常領域は、一つまたは複数のアミノ酸の突然変異または置換によって修飾され、その結果生ずる構築物のプロファイルを向上させる可能性がある。この点で、修飾抗体の構成および免疫原プロファイルを実質的に維持する一方で、保存された結合部位(例えばFc結合活性)によって提供される活性を妨害することが可能でありうる。ある態様は、定常領域へ一つまたは複数のアミノ酸を追加して、エフェクター機能のような望ましい特性を増強することまたはより多くの細胞毒素もしくは炭水化物接着を提供することを含む。そのような態様では、選択された定常領域ドメインに由来する特異的配列を、挿入するかまたは複製することが望ましい可能性がある。

0123

本発明はまた、本明細書に述べるキメラ抗体、ヒト化抗体、およびヒト抗体、またはそれらの抗体断片に実質的に相同の変異体および等価物に関する。これらは、例えば、保存的置換突然変異、即ち一つまたは複数のアミノ酸の類似のアミノ酸による置換を含むことができる。例えば、保存的置換とは、例えば一つの酸性アミノ酸を別の酸性アミノ酸と、一つの塩基性アミノ酸を別の塩基性アミノ酸と、または一つの中性アミノ酸を別の中性アミノ酸と置換するなどの、あるアミノ酸を同じ一般クラスの別のアミノ酸と置換することを指す。保存的アミノ酸置換によって何が意図されるかは、当技術分野において周知である。

0124

本発明はまた、細胞障害剤に結合された抗体を含む免疫結合体に関する。細胞障害剤には、化学療法剤、成長阻害剤、毒素(例えば、細菌、真菌、植物、または動物由来の酵素活性を有する毒素、あるいはそれらの断片)、放射性同位体(即ち、放射性結合体)などが含まれる。そのような免疫結合体の生成に有用な化学療法剤には、例えば、メトトレキセートアドリアマイシンドキソルビシンメルファランマイトマイシンCクロラムブシルダウノルビシンまたは他のインターカレート剤が含まれる。酵素活性を有する毒素およびそれらの用いることができる断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素非結合活性断片エキソトキシンA鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、α-サルシンシナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンシンタンパク質、アメリカヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPIIおよびPAP-S)、ニガウリ(Momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチンサボンソウ(Sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニンミトゲリン(mitogellin)、リストクトシン、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)およびトリコテシン(tricothecenes)が含まれる。いくつかの態様では、抗体を、多くの周知のキレート化剤のいずれかを用いて、あるいは直接標識して、90Y、125I、131I、123I、111In、105Rh、153Sm、67Cu、67Ga、166Ho、177Lu、186Reおよび188Reなどの放射性同位元素に結合させることができる。他の態様では、開示された組成物は、薬剤、プロドラッグ、またはインターフェロンなどのリンホカインに結合された抗体を含むことができる。抗体と細胞障害剤の結合体を、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステル二官能基誘導体(ジメチルアジプイミダートHCLなどの)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベラートなどの)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなどの)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなどの)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミンなどの)、ジイソシアネート(トリレン2,6-ジイソシアネートなどの)、およびビス活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンなどの)などの、様々な二官能基性タンパク質カップリング剤を用いて、作製する。抗体と一つまたは複数の小分子毒素(例えばカリケアマイシンマイタンシノイド(maytansinoids)、トリコテン(trichothene)、およびCC1065など、およびこれらの毒素の毒素活性を有する誘導体)との接合体もまた、用いることができる。いくつかの態様では、修飾抗体は、他の免疫的に活性を有するリガンド(例えば抗体またはその断片)と複合体を形成することができ、その結果生じる分子は、新生細胞およびT細胞などのエフェクター細胞の両方へ結合する。

0125

有用な量を得る方法にかかわらず、本発明の抗体を、多数の結合形(すなわち免疫結合体)または非結合形の中の任意の一つの形で用いることができる。または、本発明の抗体を非結合形即ち「裸の」形で用いて、補体依存性細胞障害性(CDC)および抗体依存性細胞性細胞障害性(ADCC)を含む被験体の自然の防御機構を利用して、悪性細胞を除去することができる。どの結合または非結合修飾抗体を用いるかという選択は、癌の種類および病期補助療法(例えば化学療法または外部放射線)、および患者の症状に依存する。当業者が本明細書の教示を考慮して、容易にそのような選択をすることができることが認識されよう。

0126

当技術分野で公知の任意の方法により、本発明の抗体の免疫特異的結合を分析することができる。用いることができる免疫分析には、BIAcore分析、FACS分析、免疫蛍光法、免疫細胞化学、ウエスタンブロット、放射免疫定量法、ELISA、「サンドイッチ」免疫分析、免疫沈降分析、沈降反応ゲル内拡散沈降反応、免疫拡散分析、凝集反応分析、補体結合分析、免疫放射定量分析蛍光免疫分析、およびプロテインA免疫分析などの技術を用いる、競合的および非競合的分析システムが非限定的に含まれる。そのような分析は、当技術分野において決まったものであり、周知である(例えば、Ausubel et al, eds, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol.1, John Wiley & Sons, Inc., New York を参照のこと;その全体は参照により本明細書に組み入れられる)。

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