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技術 指標導出装置、ウェアラブル機器及び携帯機器

出願人 ローム株式会社国立大学法人東京大学
発明者 西山秀樹小林匡百田淳清家将文深代千之
出願日 2015年6月5日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2015-114839
公開日 2017年1月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-000240
状態 特許登録済
技術分野 生体の呼吸・聴力・形態・血液特性等の測定
主要キーワード 所定運動 軸加速度信号 導出装置 直前期間 消費エネルギ量 ウェアラブル機器 直前タイミング 活動対象
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

身体活動の質の評価が可能な装置を提案する。

解決手段

の前に加速度センサを含んだ装置を配置した状態で被験者STS(sit-to-stand)動作を行う。検出加速度三軸成分から成る加速度ベクトルの大きさの信号より加速度最大値データを取得し、加速度最大値データと被験者の筋肉量又は体脂肪量を用いて、人体筋力に関する筋力指標導出する。一方、加速度検出結果から身体活動の活動量を導出する機能を備え、所定の活動対象期間中の活動量(ACT)と、活動対象期間の始期及び終期における筋力指標(PA、PB)とに基づき、活動量に対する筋力指標の変化に応じた活動効率指標を求める。

概要

背景

被験者身体活動における活動量計測する技術が様々に提案されている(例えば下記特許文献1参照)。

また、被験者の体力を推し量るための動作の一つとして、椅子立ち上がり動作とも呼ばれるSTS(sit-to-stand)動作がある。STS動作は、相対的に低い支持基底面から相対的に高い位置に被験者の体重心を移動させる動作である。下記非特許文献1では、STS動作における及びの力のモーメント関係性がまとめられており、どのような立ち方のSTS動作であっても、健常者の尻と膝の力のモーメントの和は一定値(1.53N・m/kg)であって、その和と踵の力のモーメントとの間には殆ど相関がないことが報告されている。また、STS動作において尻と膝の力のモーメントの和が上記一定値に満たない場合、立ち上がるまでの能力に何らかの問題があると考えられ、寝たきり防止やリハビリ指南のためにも、適切な運動療法が必要であることも報告されている。尚、非特許文献1に記載の方法では、被験者の尻及び膝の夫々に蛍光塗料塗り、STS動作において蛍光塗料が塗られた各部位の動き高感度カメラを用いて観測し、運動方程式を用いて力のモーメントを導出している。

また、下記特許文献2には、三軸加速度センサを備え、歩数及び消費カロリー等を計測可能なコイン型ユニット及びウェアラブル機器が開示されている。

概要

身体活動の質の評価が可能な装置を提案する。の前に加速度センサを含んだ装置を配置した状態で被験者はSTS(sit-to-stand)動作を行う。検出加速度三軸成分から成る加速度ベクトルの大きさの信号より加速度最大値データを取得し、加速度最大値データと被験者の筋肉量又は体脂肪量を用いて、人体筋力に関する筋力指標を導出する。一方、加速度検出結果から身体活動の活動量を導出する機能を備え、所定の活動対象期間中の活動量(ACT)と、活動対象期間の始期及び終期における筋力指標(PA、PB)とに基づき、活動量に対する筋力指標の変化に応じた活動効率指標を求める。

目的

本発明は、身体活動による体力変化の評価を可能とする指標導出装置、ウェアラブル機器及び携帯機器を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

加速度を検出する加速度センサを有して人体活動量導出可能な指標導出装置であって、前記加速度センサの検出結果に基づき人体の筋力に関する筋力指標を導出する筋力指標導出部と、所定の活動対象期間中の前記活動量に対する前記筋力指標の変化に応じた別指標を導出する別指標導出部と、を備えたことを特徴とする指標導出装置。

請求項2

前記別指標導出部は、前記活動対象期間中の前記加速度センサの検出結果に基づいて導出された前記活動量と、前記活動対象期間の開始タイミングを基準とした第1時期での前記加速度センサの検出結果に基づいて導出された前記筋力指標と、前記活動対象期間の終了タイミングを基準とした第2時期での前記加速度センサの検出結果に基づいて導出された前記筋力指標とに基づき、前記別指標を導出することを特徴とする請求項1に記載の指標導出装置。

請求項3

前記筋力指標導出部は、前記人体が所定運動を行う評価期間中における前記加速度センサの検出結果に基づいた加速度信号に基づき、前記筋力指標を導出することを特徴とする請求項1又は2に記載の指標導出装置。

請求項4

前記筋力指標導出部は、前記加速度信号に含まれる加速度最大値データを用いて、前記筋力指標を導出することを特徴とする請求項3に記載の指標導出装置。

請求項5

前記筋力指標導出部は、前記加速度最大値データと前記人体の体重と前記人体の体脂肪率を用いて、又は、前記加速度最大値データと前記人体の体重と前記人体の体脂肪量を用いて、前記筋力指標を導出することを特徴とする請求項4に記載の指標導出装置。

請求項6

前記筋力指標導出部は、前記加速度最大値データと前記人体の体重と前記人体の筋肉率を用いて、又は、前記加速度最大値データと前記人体の筋肉量を用いて、前記筋力指標を導出することを特徴とする請求項4に記載の指標導出装置。

請求項7

前記筋力指標導出部は、前記所定運動における前記人体の単位筋肉量あたりの加速度最大値を、前記筋力指標として導出することを特徴とする請求項5又は6に記載の指標導出装置。

請求項8

前記加速度センサによる検出加速度は、前記人体の運動による加速度成分重力による加速度成分とを含み、前記筋力指標導出部は、前記加速度最大値データから前記重力による加速度成分を除去した値を用いて、前記筋力指標を導出することを特徴とする請求項4〜7の何れかに記載の指標導出装置。

請求項9

前記加速度センサは、前記加速度を互いに直交する三軸方向の夫々において検出し、前記筋力指標の導出に用いる前記加速度信号は、前記三軸方向の加速度にて形成される加速度ベクトルの大きさを示すことを特徴とする請求項3〜8の何れかに記載の指標導出装置。

請求項10

前記所定運動は、前記人体が立ち上がる運動を含むことを特徴とする請求項3〜9の何れかに記載の指標導出装置。

請求項11

気圧を検出する気圧センサを更に備え、前記活動量は、前記加速度センサの検出結果と前記気圧センサの検出結果に基づいて導出されることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の指標導出装置。

請求項12

前記加速度センサを含むセンサ部と、前記活動量を導出するとともに前記筋力指標導出部及び前記別指標導出部を構成する演算処理部と、無線通信を実現する無線処理部とが実装された基板と、前記基板を収容する筐体と、を備えたことを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の指標導出装置。

請求項13

請求項1〜12の何れかに記載の指標導出装置を備えたことを特徴とするウェアラブル機器

請求項14

請求項1〜12に何れかに記載の指標導出装置を備えたことを特徴とする携帯機器

技術分野

0001

本発明は、指標導出装置ウェアラブル機器及び携帯機器に関する。

背景技術

0002

被験者身体活動における活動量計測する技術が様々に提案されている(例えば下記特許文献1参照)。

0003

また、被験者の体力を推し量るための動作の一つとして、椅子立ち上がり動作とも呼ばれるSTS(sit-to-stand)動作がある。STS動作は、相対的に低い支持基底面から相対的に高い位置に被験者の体重心を移動させる動作である。下記非特許文献1では、STS動作における及びの力のモーメント関係性がまとめられており、どのような立ち方のSTS動作であっても、健常者の尻と膝の力のモーメントの和は一定値(1.53N・m/kg)であって、その和と踵の力のモーメントとの間には殆ど相関がないことが報告されている。また、STS動作において尻と膝の力のモーメントの和が上記一定値に満たない場合、立ち上がるまでの能力に何らかの問題があると考えられ、寝たきり防止やリハビリ指南のためにも、適切な運動療法が必要であることも報告されている。尚、非特許文献1に記載の方法では、被験者の尻及び膝の夫々に蛍光塗料塗り、STS動作において蛍光塗料が塗られた各部位の動き高感度カメラを用いて観測し、運動方程式を用いて力のモーメントを導出している。

0004

また、下記特許文献2には、三軸加速度センサを備え、歩数及び消費カロリー等を計測可能なコイン型ユニット及びウェアラブル機器が開示されている。

0005

特開2013−172757号公報

先行技術

0006

Shinsuke Yoshioka、他3名、“Computation of kinematics and the minimum peak joint moments of sit-to-stand movements”、BioMedical Engineering OnLine、2007年、6:26、p.1−14、(”http://www.biomedical-engineering-online.com/content/6/1/26”から当該論文を取得可能)
Misfit Wearables、“Misfit Shine”、[online]、[平成27年5月18日検索]、インターネット<URL:http://misfit.com/products/shine?locale=ja>

発明が解決しようとする課題

0007

身体活動における活動量を計測する技術が様々に提案されているものの、或る活動量の身体活動によって体力(筋力など)がどの程度向上したのか等、いわば身体活動の質をも評価可能な装置は未だ提案されていない。

0008

そこで本発明は、身体活動による体力変化の評価を可能とする指標導出装置、ウェアラブル機器及び携帯機器を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明に係る指標導出装置は、加速度を検出する加速度センサを有して人体の活動量を導出可能な指標導出装置であって、前記加速度センサの検出結果に基づき人体の筋力に関する筋力指標を導出する筋力指標導出部と、所定の活動対象期間中の前記活動量に対する前記筋力指標の変化に応じた別指標を導出する別指標導出部と、を備えたことを特徴とする。

0010

具体的には例えば、前記別指標導出部は前記活動対象期間中の前記加速度センサの検出結果に基づいて導出された前記活動量と、前記活動対象期間の開始タイミングを基準とした第1時期での前記加速度センサの検出結果に基づいて導出された前記筋力指標と、前記活動対象期間の終了タイミングを基準とした第2時期での前記加速度センサの検出結果に基づいて導出された前記筋力指標とに基づき、前記別指標を導出すると良い。

0011

また例えば、前記筋力指標導出部は、前記人体が所定運動を行う評価期間中における前記加速度センサの検出結果に基づいた加速度信号に基づき、前記筋力指標を導出することができる。

0012

この際例えば、前記筋力指標導出部は、前記加速度信号に含まれる加速度最大値データを用いて、前記筋力指標を導出して良い。

0013

より具体的には例えば、前記筋力指標導出部は、前記加速度最大値データと前記人体の体重と前記人体の体脂肪率を用いて、又は、前記加速度最大値データと前記人体の体重と前記人体の体脂肪量を用いて、前記筋力指標を導出すると良い。

0014

或いは例えば、前記筋力指標導出部は、前記加速度最大値データと前記人体の体重と前記人体の筋肉率を用いて、又は、前記加速度最大値データと前記人体の筋肉量を用いて、前記筋力指標を導出しても良い。

0015

そして例えば、前記筋力指標導出部は、前記所定運動における前記人体の単位筋肉量あたりの加速度最大値を、前記筋力指標として導出しても良い。

0016

また例えば、前記加速度センサによる検出加速度は、前記人体の運動による加速度成分重力による加速度成分とを含み、前記筋力指標導出部は、前記加速度最大値データから前記重力による加速度成分を除去した値を用いて、前記筋力指標を導出しても良い。

0017

また例えば、前記加速度センサは、前記加速度を互いに直交する三軸方向の夫々において検出し、前記筋力指標の導出に用いる前記加速度信号は、前記三軸方向の加速度にて形成される加速度ベクトルの大きさを示していても良い。

0018

また例えば、前記所定運動は、前記人体が立ち上がる運動を含むと良い。

0019

また例えば、気圧を検出する気圧センサを指標導出装置に更に設けても良く、前記活動量は、前記加速度センサの検出結果と前記気圧センサの検出結果に基づいて導出されても良い。

0020

また例えば、前記加速度センサを含むセンサ部と、前記活動量を導出するとともに前記筋力指標導出部及び前記別指標導出部を構成する演算処理部と、無線通信を実現する無線処理部とが実装された基板と、前記基板を収容する筐体と、を指標導出装置に設けると良い。

0021

そして、前記指標導出装置を備えたウェアラブル機器を構成することができる。

0022

また、前記指標導出装置を備えた携帯機器を構成することもできる。

発明の効果

0023

本発明によれば、身体活動による体力変化の評価を可能とする指標導出装置、ウェアラブル機器及び携帯機器を提供することが可能となる。

図面の簡単な説明

0024

本発明の第1実施形態に係るセンサユニット測定装置外観斜視図である。
センサユニットの構成図を示す図である。
センサユニットにおける部品群ブロック図である。
センサユニットと端末装置とを示す図である。
センサユニットにおけるセンサ部のブロック図である。
加速度センサでの3軸とセンサユニットとの関係を示す図である。
本発明の第2実施形態に係る測定装置の構成を示す図である。
図7の測定装置が被験者に装着される様子を示した図である。
図7の測定装置における加速度センサでの3軸と検出された加速度ベクトルを示す図である。
評価用運動を経て被験者が直立している様子を示す図である。
評価用運動の説明図である。
加速度センサの検出結果に基づく加速度絶対値信号の波形図である。
図12の加速度絶対値信号に対してフィルタリング処理を施して得られる信号の波形図である。
原信号フィルタリング信号との関係を示す図である。
複数の被験者に対して導出された指標(P1)の分布年齢横軸にとって示した図である。
複数の被験者に対して導出された指標(P2)の分布を年齢を横軸にとって示した図である。
測定装置の使用例の具体的な流れを示す図である。
クラス分け処理を説明するための図である。
本発明の第3実施形態に係る活動量導出処理フローチャートである。
本発明の第3実施形態に係る活動効率指標の導出方法を説明するための図である。
本発明の第4実施形態に係るウェアラブル機器の外観図である。

実施例

0025

以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。

0026

<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサユニットSUの外観斜視図である。図2は、センサユニットSUにおける筐体3内の構成を示す模式図である。センサユニットSUは、部品群1、基板2及び筐体3を備える。基板2上に部品群1を構成する各電子部品が実装される。部品群1が実装された基板2は、所定形状を有する樹脂又は金属にて形成された筐体3内に収容及び固定される。筐体3は厚みが比較的薄い円筒形状を有しており、結果、センサユニットSUはメダル形状を有しているため、センサユニットSUをセンサメダルと呼ぶこともできる。筐体3の外形形状は厳密に円筒形状である必要は無く、例えば、円筒の底面に相当する部分が湾曲していても良い。更に、筐体3の外形形状は円筒形状以外でも良く、例えば直方体形状を有していても良い。

0027

図3は、部品群1の構成ブロック図である。部品群1には、センサ部10、マイクロコンピュータ20(以下、マイコン20と称する)、メモリ30、計時部40及び無線処理部50が含まれる。マイコン20を半導体集積回路にて形成することができる。また、マイコン20、メモリ30、計時部40及び無線処理部50を1つの半導体集積回路にて形成するようにしても良い。センサ部10、マイコン20、メモリ30、計時部40及び無線処理部50を構成する部品以外にも、様々な部品を基板2に実装することができ、また筐体3内に収めておくことができる。特に図示しないが例えば、センサ部10、マイコン20、メモリ30、計時部40及び無線処理部50を駆動させるための電源電圧をそれらに供給する電源回路が基板2に実装され、また、当該電源回路に電力を供給する電池リチウムイオン電池等)が筐体3内に収められていて良い。

0028

センサ部10は、所定の物理量などを検出するセンサを含み、その検出結果を示す信号がセンサ部10からマイコン20に出力される。演算処理部を構成するマイコン20は、センサ部10からの信号に基づいて所定の演算を行う他(演算内容については後述)、センサユニットSUの動作を統括的に制御する。メモリ30は、マイコン20が取り扱う任意の情報を記憶する。計時部40は、現時点年度、日付及び時刻を計測及び認知する機能と任意のタイミングからの経過時間を計測する機能を有する。センサユニットSUによる測定等によって取得した任意の情報をメモリ30に記憶させることができ、その記憶が行われる際、その取得が行われた年度、日時及び時刻を示す時刻情報対応付けて該情報がメモリ30に記憶される。時刻情報は計時部40により生成される。無線処理部50は、センサユニットSUとは異なる任意の外部装置との間で任意の情報を無線により送受信する。

0029

図4を参照し、ここでは、外部装置として端末装置TMを想定する。端末装置TMは、例えば、情報端末携帯電話機パーソナルコンピュータである。所謂スマートホンは、情報端末、携帯電話機又はパーソナルコンピュータに属する。端末装置TMにも無線処理部50と同等の無線処理部が設けられており、センサユニットSUの無線処理部50と端末装置TMの無線処理部を用いて、センサユニットSU及び端末装置TM間における任意の情報の双方向無線通信が実現される。

0030

図5に、センサ部10のブロック図を示す。センサ部10は、加速度センサ11、気圧センサ12及び方位センサ13を備える。

0031

加速度センサ11は、三軸加速度センサであって、加速度センサ11(従って筐体3又はセンサユニットSU)が動かされるよって生じるX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の加速度を個別に検出し、検出した各軸の加速度を表す加速度信号を出力する。加速度センサ11から出力される加速度信号は、X軸方向の加速度を表すX軸加速度信号、Y軸方向の加速度を表すY軸加速度信号、及び、Z軸方向の加速度を表すZ軸加速度信号にて構成される。図6に示す如く、X軸、Y軸及びZ軸は互いに直交している。ここでは、筐体3の外形形状としての円筒の軸がZ軸と一致しているものとし、該円筒の中心にてX軸、Y軸及びZ軸が互いに直交していると考える。

0032

気圧センサ12は、センサユニットSUの存在位置における大気の気圧を検出し、検出した気圧を表す気圧信号を出力する。高度と気圧との間には一定の関係があるため、マイコン20は、気圧信号に基づいて高度を求めることができる。ここにおける高度とは、海抜0m(メートル)の地上から見た、センサユニットSUの存在位置における高度を指す。

0033

方位センサ13は、センサユニットSUが向いている方位を検出し、検出した方位を表す方位信号を出力する。X軸、Y軸、Z軸に平行な方向における地磁気を個別に検出できる三軸地磁気センサにて、方位センサ13を形成できる。ここで、センサユニットSUが向いている方位とは、センサユニットSUの第1底面の中心から第2底面の中心に向かう向きの方位を指すものとする。第1底面とは、筐体3の外形形状としての円筒の底面の内、予め定められた一方の底面を指し、第2底面は他方の底面を指す。マイコン20は、方位センサ13からの方位信号に基づき、センサユニットSUが向いている方位を示す方位情報を生成及び取得する。

0034

<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態並びに後述の第3及び第4実施形態は第1実施形態を基礎とする実施形態であり、第2実施形態において特に述べない事項に関しては、矛盾の無い限り、第1実施形態の記載が第2〜第4実施形態にも適用される。第2実施形態において、第1及び第2実施形態間で矛盾する事項については第2実施形態の記載が優先される(後述の第3及び第4実施形態についても同様)。また、矛盾無き限り、第1〜第4実施形態の内、任意の2以上の実施形態を組み合わせて実施することも可能である。

0035

第2実施形態では、センサユニットSUを含む測定装置を用いた被験者の筋肉強度等の測定方法を説明する(筋肉強度の意義については後述される)。筋肉強度等が測定される人体を被験者と呼んでいるが、被験者はセンサユニットSUのユーザに相当するものである。非特許文献1の方法では最低2箇所の観測点が必要であったが、センサユニットSUでは1つの加速度センサのみを用いて筋肉強度等の評価が可能となる。非特許文献1の方法における2箇所(尻と膝)での観測に相当する観測を、1つの加速度センサで実現するためには、尻及び膝の力のモーメントの和と相関がある部位での加速度観測が適切であると考えられ、その部位としては、の前が最適又は好適である。また、下半身だけの力だけで思いきり立ち上がることがSTS動作では重要である。故に、加速度センサを被験者の手や胸に装着(例えば密着)させ、両手を胸の前で交差させた状態にて思いきり立ち上がる動作での加速度観測が最適又は好適である。

0036

このような動作を利用して筋肉強度等の測定を行う測定装置の構成を説明する。図7(a)は、本実施形態に係る測定装置の外観側面図である。図7(b)は、測定装置における筐体3内の構成を示す模式図である。測定装置は、部品群1、基板2、筐体3を有するセンサユニットSUと、装着バンド4を備える。

0037

筐体3には、おおむね輪の形状を有した装着バンド4が取り付けられている。装着バンド4は、例えば、ゴム、樹脂若しくは金属又はそれらの組み合わせにより形成される。装着バンド4は、センサユニットSU(即ち部品群1及び基板2を内包した筐体3)を、被験者である人体に装着及び固定させるために設けられる。ここでは説明の具体化のため、図8に示す如く、センサユニットSUが、腕時計又はリストバンドのように、装着バンド4を用いて被験者の手首部分に巻きつけられるものとする。これにより、筐体3の一面(円筒形状の底面の一方)が被験者の手首に密着及び固定せしめられる。但し、装着バンド4を用いることなく、筐体3の一面が被験者の胸の皮膚に直接接するように筐体3を胸に密着固定させても良い。

0038

筐体3は被験者に密着及び固定されている一方で加速度センサ11は筐体3内の所定位置に固定されているため、加速度センサ11にて検出される加速度は、被験者の運動(動き)による加速度を含む。加速度センサ11によって検出されるX軸、Y軸及びZ軸方向の加速度を各軸成分としたベクトル量を定義することができ、従って、加速度センサ11は加速度をベクトル量として検出していると考えることができる。加速度センサ11によって検出されたベクトル量としての加速度を加速度ベクトルと呼ぶ。図9ベクトルVECは、X軸、Y軸及びZ軸方向の加速度にて形成される加速度ベクトルを表している。つまり、加速度ベクトルのX軸、Y軸、Z軸成分は、夫々、加速度センサ11によって検出されたX軸方向の加速度、Y軸方向の加速度、Z軸方向の加速度である。

0039

マイコン20は、加速度センサ11によって検出された加速度(以下、検出加速度と称することがある)に基づいて被験者の筋肉強度等を推定及び導出することができる。

0040

被験者の筋肉強度等を推定及び導出するための方法について説明する。センサユニットSU(従って測定装置)は、被験者が所定の評価用運動を行っている期間を含む所定の評価期間中の検出加速度に基づき、被験者の筋肉強度等を推定及び導出することができる。

0041

評価用運動は、所定面である椅子の座面に座っている状態から立ち上がって直立するSTS動作である。椅子の座面の高さは所定の高さであって良い。但し、被験者が椅子の座面に座っているときに、被験者の両足の裏のつま先及び踵が地面に接しているべきである。例えば、椅子の座面は、被験者の身長の20%〜30%の高さを有する。評価用運動において、被験者は両手を胸の前にて交差させた状態で全力で椅子の座面から立ち上がる。図10は、立ち上がった直後の被験者の正面模式図である。図11は、評価期間中における被験者の簡素な側面模式図である。

0042

本実施形態では、筐体3の一面(円筒形状の底面の一方)が被験者の手首に密着及び固定せしめられる。故に、両手を胸の前にて交差させた状態では、加速度センサ11が被験者の概ね胸の前で固定配置される。筐体3が被験者の胸に直接接触するように固定配置された状態で評価用運動を行うようにしても良い。つまり、評価用運動では、加速度センサ11を収容した筐体3(又は加速センサ11そのもの)を被験者の手又は胸に装着(例えば密着)した状態で、被験者が椅子の座面から全力で立ち上がる。

0043

STS動作における加速度変化の方向は主として鉛直方向であり、鉛直方向における加速度変化内容に被験者の筋力を反映した情報が含まれる。但し、被験者に対する筐体3の装着の仕方に依存して、加速度センサ11におけるX軸、Y軸及びZ軸方向と鉛直方向との関係は様々に変化しうる可能性が高い。そこで、センサユニットSUでは、X軸、Y軸、Z軸方向の加速度の夫々を個別に評価するのではなく、加速度ベクトルの大きさを評価するようにする。加速度ベクトルの大きさを加速度絶対値と呼び、加速度絶対値を信号値として持つ信号を加速度絶対値信号と呼ぶ。本実施形態において、特に記述無き限り、加速度絶対値とは、評価期間中の加速度絶対値であると解され、加速度絶対値信号とは、評価期間中の加速度絶対値を信号値として持つ信号であると解される。

0044

図12に、或る被験者が評価用運動を行ったときの加速度絶対値信号510の波形(換言すれば、加速度絶対値の信号波形)を示す。図12グラフにおいて、横軸は時間を表し、縦軸は加速度絶対値を表している(後述の図13のグラフにおいても同様)。信号510に対応する被験者はいわゆる健常者に相当し、一般に、健常者のSTS動作においては、椅子から尻が離れる部分と直立停止の直前部分において加速度絶対値に大きな変化が現れる。図12において、信号511が現れる期間は椅子から尻が離れる期間に相当し、その後の信号512が現れる期間は直立停止の直前期間に相当する。また、信号511が現れる期間より前の、加速度絶対値が概ね9.8[m/s2]となっている期間は、被験者が椅子から立ち上がる前の期間(例えば被験者が椅子に座って静止している期間)である。加速度センサ11は重力による加速度を検出可能なセンサとして構成されており、結果、被験者が椅子から立ち上がる前の期間(例えば被験者が椅子に座って静止している期間)では、重力加速度のみが加速度センサ11にて検出されることになる。

0045

尚、本実施形態では、加速度センサ11のサンプリング周波数(即ち、加速度を周期的に検出する際の検出周期逆数)を200Hz(ヘルツ)とした。加速度センサ11のサンプリング周波数を200Hz以外にすることも勿論可能であるが、その場合には、サンプリング周波数に応じて後述のフィルタリング処理の適正化を図ると良い。

0046

一般に、加速度センサ11は外乱ノイズに敏感であり、たとえ筐体3を胸や手にしっかりと固定したとしても、衣服擦れやさらには皮膚の動きにも過敏に反応する。これを考慮し、センサユニットSUでは、加速度センサ11の検出加速度そのものを表す加速度絶対値信号に対しフィルタリング処理を適用する。このフィルタリング処理は、加速度絶対値信号における比較的低い周波数の信号成分を減衰させ、加速度絶対値信号における比較的高い周波数の信号成分を通過させるローパスフィルタ処理である。本実施形態では、4次のバタワースローパスデジタルフィルタによるローパスフィルタ処理をフィルタリング処理として用い、当該ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を5Hzに設定した。

0047

フィルタリング処理前の加速度絶対値信号である図12の加速度絶対値信号510に対しフィルタリング処理を施して得られる信号、即ち、フィルタリング処理後の加速度絶対値信号520の波形を、図13に示す。以下では、記述の簡略化及び明確化のため、図14に示す如く、加速度絶対値信号510のようなフィルタリング処理前の加速度絶対値信号を原信号と呼び、加速度絶対値信号520のようなフィルタリング処理後の加速度絶対値信号をフィルタリング信号と呼ぶ。原信号又はフィルタリング信号の信号値は、加速度絶対値である。

0048

評価期間中においてフィルタリング信号の信号値である加速度絶対値は、概ね一定値(9.8[m/s2])に保たれる期間を経て増加し被験者の尻が椅子から離れるタイミング付近にて第1の極値をとり、その後、減少して上記一定値に到達し、更に減少して被験者の直立停止の直前タイミング付近にて第2の極値をとり、その後、増加して上記一定値に到達する。

0049

第1の極値は、評価期間中におけるフィルタリング信号の最大信号値であり、これを加速度最大値データと呼ぶ。図13の例において、加速度最大値データは約14.3[m/s2]である。第2の極値は、評価期間中におけるフィルタリング信号の最小信号値であり、これを加速度最小値データと呼ぶ。図13の例において、加速度最小値データは約5.0[m/s2]である。尚、フィルタリング信号において、信号値が第1の極値を取るタイミングと信号値が第2の極値を取るタイミングとの時間差をΔtにて表す(Δtの利用法については後述)。

0050

加速度センサ11による検出加速度は、静的成分と慣性成分を含んでいる。静的成分は、重力による加速度成分と、被験者の運動とは別の外力による加速度成分とを含む。ここでは、センサユニットSUを地球上で用いることを想定し、重力による加速度成分の大きさを9.8[m/s2]とみなす。重力加速度が働く方向は、当然、鉛直方向である。慣性成分は被験者の動きによる加速度成分であり、STS動作において必要な成分は慣性成分である。通常のSTS動作においては外力ゼロ且つ重力一定であると考えられるので、慣性成分は、検出加速度から重力による加速度成分を差し引いたものであると考えて良い。

0051

マイコン20は、原信号にフィルタリング処理を施すことでフィルタリング信号を生成するフィルタ部(不図示)を有し、評価期間中の原信号に基づくフィルタリング信号に基づいて、被験者の筋力等に関する様々な指標を導出する。尚、上記フィルタ部を、マイコン20に設けるのではなく、加速度センサ11とマイコン20との間に挿入するようにしても良い。

0052

[指標P1の導出]
フィルタリング信号に基づいて導出される指標には指標P1が含まれていて良い。指標P1は、例えば、
P1=(加速度最大値データ−重力加速度)/(体重×筋肉率)、即ち、
P1=(ACCMAX−9.8)/(WEIGHT×MSPER) …(1A)
にて表される。ACCMAXは[m/s2]を単位とする加速度最大値データであり、WEIGHTは被験者の体重を表し、MSPERは被験者の筋肉率を表す。被験者の筋肉率は、被験者の体重を占める被験者の筋肉量の割合を指すため、指標P1は、
P1=(加速度最大値データ−重力加速度)/筋肉量、
とも表現できる。即ち、式(1A)を下記式(1B)に書き直すこともできる。
P1=(ACCMAX−9.8)/MSAMT…(1B)
MSAMTは被験者の筋肉量(即ち被験者の体に含まれる筋肉の重さ)を表す。

0053

マイコン20は、式(1A)又は式(1B)を用いて指標P1を導出して良い。式(1A)又は式(1B)を用いて指標P1を導出する際、被験者の体重WEIGHTと筋肉率MSPER、又は、被験者の筋肉量MSAMTは、予めマイコン20に与えられているものとする。

0054

しかしながら、一般に筋肉率又は筋肉量を正確に知ることは容易ではない。そこで、
人体が“筋肉”と“脂肪”と“骨及び内臓”から形成されると考えると共に“骨及び内臓”は被験者の体格差に関係なく一定であると仮定すると、筋肉率又は筋肉量の代わりに、比較的容易に測定及び取得しやすい体脂肪率又は体脂肪量を用いて指標P1を導出することができる。

0055

つまり例えば、マイコン20は、式(2A)又は式(2B)を用いて指標P1を導出しても良い。
P1=(ACCMAX−9.8)/WEIGHT×(1−BFPER) …(2A)
P1=(ACCMAX−9.8)/(WEIGHT−BFAMT) …(2B)
BFPERは被験者の体脂肪率を表す。BFAMTは被験者の体脂肪量(即ち被験者の体に含まれる脂肪の重さ)を表す。式(2A)及び式(2B)では、簡単化のため、“骨及び内臓”の重さを無視していることになる。式(2A)又は式(2B)を用いて指標P1を導出する際、被験者の体重WEIGHTと体脂肪率BFPER、又は、被験者の体重WEIGHTと体脂肪量BFAMTは、予めマイコン20に与えられているものとする。

0056

或いは例えば、マイコン20は、式(2C)又は式(2D)を用いて指標P1を導出しても良い。
P1=(ACCMAX−9.8)/WEIGHT×(1−BFPER−KA1) …(2C)
P1=(ACCMAX−9.8)/(WEIGHT−BFAMT−KA2) …(2D)

0057

KA1は、被験者の体に含まれる“骨及び内臓”の重さの、被験者の体重に対する比率を表すものとして予め設定された値である。KA2は、被験者の体に含まれる“骨及び内臓”の重さを表すものとして予め設定された値である。式(2C)又は式(2D)を用いて指標P1を導出する際にも、被験者の体重WEIGHTと体脂肪率BFPER、又は、被験者の体重WEIGHTと体脂肪量BFAMTは、予めマイコン20に与えられているものとする。

0058

式(1A)、(1B)、(2A)〜(2D)の各右辺における分母は、被験者の筋肉量そのもの、又は、被験者の筋肉量の近似値を表す。故に、指標P1は、評価用運動としてのSTS動作における、被験者の単位筋肉量あたりの加速度最大値を表しており、これを筋肉強度と呼ぶ。筋肉強度は被験者の筋力に依存するため、筋肉強度は被験者の筋力に関する指標(筋力指標)と言える。筋力は、持続的に作動する筋肉の力と瞬間的に作動する筋肉の力(即ち瞬発力)とに大別されるが、加速度の検出結果に基づく筋力は後者に属すると考えられる。

0059

指標P1は、筋肉量の大小ではなく、筋肉の使用効率を表しているとも言える。つまり、指標P1が高い方が、筋肉を効率よく使いこなせていると考えることができ、故に、指標P1が高い方が、筋肉強度が優秀であると考えることができる。例えば、筋肉質見える人であっても、指標P1が低ければ筋肉を効率良く使いこなせていない可能性があると言える。また例えば式(2A)等を用いて指標P1を導出することを考えた場合、体重の比較的重い人や体脂肪率の比較的低い人は、そうでない人と比べて高い指標P1を達成しにくくなる。この場合、指標P1に関して、体重の比較的重い人や体脂肪率の比較的低い人が優秀な成績をおさめるためには、そうでない人と比べて、より大きな加速度最大値を達成しなければならない(即ち、より素早く立ち上がらなければならない)。

0060

図15に、指標P1に関する実験結果データを示す。当該実験では、複数の被験者に評価用運動を行わせ、各被験者について上述の方法により指標P1を導出した。但し、指標P1の導出の際、式(2A)を用いた。図15では、各被験者の年齢を横軸にとり、導出された指標P1を縦軸にとっている。複数の被験者には男性8人と女性6人が含まれ、複数の被験者の年齢は30台から70歳台まで広く分布している。図15において、黒塗りの四角形は男性に対応し、白抜きの円は女性に対応している(後述の図16においても同様)。当該実験により、所定年齢(例えば30際)以上では、被験者の年齢が増大するにつれて指標P1が低下してゆく傾向にあることが分かる。この傾向は、年齢が増大するにつれて筋力が衰えがちになるという実態に即していると考えられ、このことからも、指標P1が被験者の筋力の状態を表す指標として適切なものであることが伺える。

0061

図15において、直線540は、当該実験における各年齢での指標P1の平均値を表しており、式「y=ax+b」にて表される。この式において、yは指標P1の値を表し、xは被験者の年齢を表し、a及びbは直線540を特徴付け係数である。より多くの被験者に対して上記実験を行って直線540を求めるようにすれば、係数a及びbの値をより実態に即したものとすることができる。ここでは、yがxの一次関数であると考えたが、yがxの高次関数(二次以上の関数)であると考えるようにしても良い。

0062

[指標P2の導出]
フィルタリング信号に基づいて導出される指標には指標P2が含まれていて良い。指標P2は、例えば、
P2=(加速度最大値データ−重力加速度)/(体重×体脂肪率)、即ち、
P2=(ACCMAX−9.8)/(WEIGHT×BFPER) …(3A)
にて表される。ACCMAXは[m/s2]を単位とする加速度最大値データであり、被験者の体脂肪率BFPERは、被験者の体重WEIGHTを占める被験者の体脂肪量の割合を指すため、指標P2は、
P2=(加速度最大値データ−重力加速度)/体脂肪量、
とも表現できる。即ち、式(3A)を式(3B)に書き直すこともできる。
P2=(ACCMAX−9.8)/BFAMT…(3B)

0063

マイコン20は、式(3A)又は式(3B)を用いて指標P2を導出して良い。式(3A)又は式(3B)を用いて指標P2を導出する際、被験者の体重WEIGHTと体脂肪率BFPER、又は、被験者の体脂肪量BFAMTは、予めマイコン20に与えられているものとする。

0064

指標P2は、評価用運動としてのSTS動作における、被験者の単位体脂肪量あたりの加速度最大値を表している。一般に、やせ形筋肉質の人がそうでない人よりも高い指標P2を達成し易くなるため、指標P2を肥満傾向を示すデータとして用いることができる。

0065

図15に対応する上記実験で得られた加速度最大値データを用い、複数の被験者について導出した指標P2を図16に示す。図16では、各被験者の年齢を横軸にとり、導出された指標P2を縦軸にとっている。指標P1に対する同様の考え方を指標P2にも適用し、複数の被験者に対して求めた指標P2から、年齢と指標P2との関係式を導出することが可能である。

0066

[指標P3の導出]
フィルタリング信号に基づいて導出される指標には指標P3が含まれていて良い。指標P3は、評価期間中におけるフィルタリング信号の波形形状に基づき導出される。例えば、指標P3は、下記(4A)、(4B)又は(4C)によって算出される。
P3=kB1(ACCMAX−9.8)−kB2・Δt …(4A)
P3=kB1(ACCMAX−9.8)/Δt …(4B)
P3=kB1/Δt …(4C)

0067

kB1及びkB2は予め定められた正の係数である。Δtの意義は図13を参照して上述した通りである。被験者の筋力(瞬発力)が強くより素早く立ち上がるほど、加速度最大値データACCMAXが大きくなり、また時間Δtも短くなると考えられる。故に、指標P1と同様、指標P3も被験者の筋力に依存するため被験者の筋力に関する指標(筋力指標)と言える。

0068

[実験データ収集処理について]
センサユニットSUを用いて、以下の実験データ収集処理を行うことができる。実験データ収集処理は、例えば、センサユニットSUが製品として消費者一般消費者介護又は医療従事者など)に使用される前のセンサユニットSUの設計又は製造段階において実行される。実験データ収集処理は、単位実験の繰り返しから成る。単位実験では、或る年齢の一人の被験者に評価用運動を行わせ、その被験者について上述の方法により指標P1〜P3を導出する。このような単位実験を、様々な年齢を持つ多数の被験者に対して実行する。

0069

互いに分離した第1〜第n年齢層を定義する。nは2以上の整数であり、任意の整数iに関し、第(i+1)年齢層に属する年齢は第i年齢層に属する年齢よりも高いものとする。

0070

第i年齢層に属する複数の被験者について導出された複数の指標P1の平均値、分散の正の平方根を、夫々、AVEP1[i]、σP1[i]にて表す。
第i年齢層に属する複数の被験者について導出された複数の指標P2の平均値、分散の正の平方根を、夫々、AVEP2[i]、σP2[i]にて表す。
第i年齢層に属する複数の被験者について導出された複数の指標P3の平均値、分散の正の平方根を、夫々、AVEP3[i]、σP3[i]にて表す。

0071

実験データ収集処理では、多数の被験者に対する単位実験の結果から、AVEP1[1]〜AVEP1[n]、σP1[1]〜σP1[n]、AVEP2[1]〜AVEP2[n]、σP2[1]〜σP2[n]、AVEP3[1]〜AVEP3[n]及びσP3[1]〜σP3[n]から成るクラス分け用データ群が導出される。尚、クラス分け用データ群を導出するための演算は、センサユニットSUと異なる任意の演算装置(不図示)にて行われても良い。

0072

尚、男性についてのクラス分け用データ群と女性についてのクラス分け用データ群を別々に導出することもできるが、以下では、説明の簡略化上、特に記述なき限り、被験者は男性であるものとし且つクラス分け用データ群は男性についてのクラス分け用データ群を指すものとする。

0073

[測定装置の具体的な利用例]
図17を参照し、クラス分け用データ群の利用方法の説明を含む、センサユニットSUの使用例の具体的な流れを説明する。図17のステップS11〜S15の動作は、クラス分け用データ群が取得された後に実行される。

0074

まず、ステップS11において、被験者及びセンサユニットSUの状態を測定準備状態とする。測定準備状態では、被験者が所定の椅子に座っており、センサユニットSUの筐体3の一面が被験者の手首(又は胸)に密着及び固定される。

0075

次に、ステップS12において、被験者又は他の人物が、スタンバイ操作をセンサユニットSUに入力する。センサユニットSUは、スタンバイ操作の入力有無を検出することができる。スタンバイ操作は、例えば、筐体3に設けられた不図示の操作ボタンを押す操作である。この場合、センサユニットSUは、操作ボタンの押下の有無を監視していれば良い。操作ボタンはタッチパネル上のボタンでも良い。或いは例えば、スタンバイ操作は、センサユニットSUに無線接続された端末装置TM(図4参照)に対する所定操作の入力を指す。この場合、所定操作の入力を受けた外部機器TMが、その旨をセンサユニットSUに伝達することでスタンバイ操作の入力が検知される。

0076

スタンバイ操作の入力後又は入力前に、被験者は両手を胸の前にて交差させた状態にする。スタンバイ操作の入力後、速やかに、ステップS13にて被験者は上述の評価用運動を行う。マイコン20は、スタンバイ操作の入力タイミングを評価期間の開始タイミングとみなせば良い。評価期間の長さは所定時間(例えば10秒)であっても良い。この場合、マイコン20は、スタンバイ操作の入力タイミングから所定時間が経過したタイミングを評価期間の終了タイミングとみなす。或いは例えば、フィルタリング信号における加速度最小値データが観測された時点で評価期間を終了させても良い。

0077

評価期間の終了後、ステップS14において、マイコン20は、評価期間中の加速度センサ11の検出結果に基づき上述の指標P1〜P3の全部又は一部を導出する。その後のステップS15において、マイコン20は、ステップS14にて導出した指標とクラス分け用データ群とに基づくクラス分け処理を行う。ここでは、マイコン20又はメモリ30が内包する不揮発性メモリ(不図示)にクラス分け用データ群が予め格納されていると考えてクラス分け処理を説明する。

0078

例えば、被験者の年齢が第i年齢層に属する場合を考える(iは1以上n以下の何れかの整数)。被験者の年齢が第i年齢層に属するという情報は予めセンサユニットSUに与えられる。

0079

この場合において例えば、図18に示す如く、ステップS14にて導出した指標P1についてのクラス分け処理では、指標P1を、
“P1<AVEP1[i]−2・σP1[i]”
成立時には第1クラスに分類し、
“AVEP1[i]−2・σP1[i]≦P1≦AVEP1[i]−σP1[i]”
の成立時には第2クラスに分類し、
“AVEP1[i]−σP1[i]<P1<AVEP1[i]+σP1[i]”
の成立時には第3クラスに分類し、
“AVEP1[i]+σP1[i]≦P1≦AVEP1[i]+2・σP1[i]”
の成立時には第4クラスに分類し、
“AVEP1[i]+2・σP1[i]<P1”
の成立時には第5クラスに分類する。
年齢層ごとの値(AVEP1[i]−2・σP1[i])、値(AVEP1[i]−σP1[i])、値(AVEP1[i]+σP1[i])及び値(AVEP1[i]+2・σP1[i])は、指標P1についてのクラス分け処理における所定の基準値として機能する。

0080

同様に例えば、ステップS14にて導出した指標P2についてのクラス分け処理では、指標P2を、
“P2<AVEP2[i]−2・σP2[i]”
の成立時には第1クラスに分類し、
“AVEP2[i]−2・σP2[i]≦P2≦AVEP2[i]−σP2[i]”
の成立時には第2クラスに分類し、
“AVEP2[i]−σP2[i]<P2<AVEP2[i]+σP2[i]”
の成立時には第3クラスに分類し、
“AVEP2[i]+σP2[i]≦P2≦AVEP2[i]+2・σP2[i]”
の成立時には第4クラスに分類し、
“AVEP2[i]+2・σP2[i]<P2”
の成立時には第5クラスに分類する。
年齢層ごとの値(AVEP2[i]−2・σP2[i])、値(AVEP2[i]−σP2[i])、値(AVEP2[i]+σP2[i])及び値(AVEP2[i]+2・σP2[i])は、指標P2についてのクラス分け処理における所定の基準値として機能する。

0081

同様に例えば、ステップS14にて導出した指標P3についてのクラス分け処理では、指標P3を、
“P3<AVEP3[i]−2・σP3[i]”
の成立時には第1クラスに分類し、
“AVEP3[i]−2・σP3[i]≦P3≦AVEP3[i]−σP3[i]”
の成立時には第2クラスに分類し、
“AVEP3[i]−σP3[i]<P3<AVEP3[i]+σP3[i]”
の成立時には第3クラスに分類し、
“AVEP3[i]+σP3[i]≦P3≦AVEP3[i]+2・σP3[i]”
の成立時には第4クラスに分類し、
“AVEP3[i]+2・σP3[i]<P3”
の成立時には第5クラスに分類する。
年齢層ごとの値(AVEP3[i]−2・σP3[i])、値(AVEP3[i]−σP3[i])、値(AVEP3[i]+σP3[i])及び値(AVEP3[i]+2・σP3[i])は、指標P3についてのクラス分け処理における所定の基準値として機能する。

0082

ステップS14における導出内容及びステップS15の分類結果を含むセンサユニットSUが認識可能な任意の情報は、センサユニットSUから端末装置TMに無線送信されても良く、液晶ディスプレイパネル等から成る表示画面に表示されて良い。ここにおける表示画面は、センサユニットSUの筐体3に設置されうる表示画面であっても良いし、端末装置TMに設けられた表示画面であっても良い。表示画面の表示内容の制御は、センサユニットSU又は端末装置TM内に設けられた表示制御部(不図示)により実現される。

0083

例えば、指標P1が第3クラスに分類されたとき、筋肉強度が標準的であることが表示画面に表示される。指標P1が第4クラスに分類されたとき、筋肉強度が標準よりも優れていることが表示画面に表示され、指標P1が第5クラスに分類されたとき、筋肉強度が第4クラスよりも更に優れていることが表示画面に表示される。指標P1が第2クラスに分類されたとき、筋肉強度が標準よりも劣っていることが表示画面に表示され、指標P1が第1クラスに分類されたとき、筋肉強度が第2クラスよりも更に劣っていることが表示画面に表示される。また、指標P1が第1又は第2クラスに分類されたとき、適切な運動療法の実施を推奨する文面等が表示画面に表示されても良い。指標P2又はP3についても同様にして、表示画面の表示内容制御が行われる。また、上述の方法では5段階によるクラス分けが行われているが、クラス分けの段階数は5以外でも良い。

0084

尚、上述の動作例では、フィルタリング処理、ステップS14での指標の導出及びステップS15でのクラス分け処理を全てセンサユニットSUにて行うことを想定しているが、それらの内の全部又は一部を、端末装置TMにて行うようにしても良い。この場合、マイコン20の全部又は一部が端末装置TM側に存在すると考えれば良い。クラス分け処理が端末装置TM側で行われる場合、端末装置TMに対してクラス分け用データ群が予め与えられる。

0085

本実施形態によれば、加速度センサの検出データを用いるという簡素な構成にて筋肉強度等の測定が可能となる。簡素な構成は装置の小型化及び低廉化に寄与する。また、被験者(ユーザ)側から見れば、椅子から立ち上がるようなに日常動作にて簡単に筋肉強度等の測定が可能となるため、日常的に自分の筋力を可視化することが容易となる。結果、運動不足の検知やQOL(quality of life)の向上、寝たきりにならないための適正な運動量の目安等を容易に被験者に示すことができ、ひいては、健康年齢の向上やそれに伴う医療費削減効果などが期待される。

0086

尚、重力による加速度を検出しない加速度センサが加速度センサ11として使用されても良く、この場合には、上述の各式における“(ACCMAX−9.8)”は“ACCMAX”に置き換えられる。また、この場合には、第1の極値も第2の極値も極大値をとることになるが、上述と同様、第1の極値が加速度最大値データとして取り扱われる。

0087

また、評価用運動を行う際、加速度センサ11は被験者の運動による加速度を検出できる所定位置に配置され、該所定位置として被験者の胸の前を提案したが、該所定位置は被験者の胸の前に限定されない。例えば、該所定位置は、被験者のみぞおち又はの前であっても良い。

0088

<<第3実施形態>>
本発明の第3実施形態を説明する。

0089

マイコン20は、活動量を測定及び導出する活動量導出部を備えている。活動量とは、ユーザ(換言すれば被験者)である人体の活動量である。ユーザのあらゆる身体活動についての加速度をより正確に取得するために、センサユニットSUはユーザの身体に可能な限り密着していることが好ましい。

0090

活動量は、センサユニットSUによって演算及び取得される、ユーザの身体活動の量を示す指標であって、例えば、身体活動強度に身体活動の実施時間を乗じた値である身体活動量(単位:エクササイズ)であって良い。身体活動強度は、人の身体活動の強さを安静時の何倍に相当するかで表す数値であって、その単位はMETs(Metabolic Equivalents)である。活動量として、身体活動量に応じた他の量が求められも良く、例えば、活動消費エネルギ量(単位:kcal)が求められても良い。活動消費エネルギ量は、身体活動量とユーザの体重(単位:kg)との積に1.05を乗じることで求められる。

0091

尚、ユーザの生体情報は、端末装置TMに設けられたユーザインターフェース(不図示)を介して端末装置TMに与えられて端末装置TMに保持されると共に無線通信によってセンサユニットSUに伝達されてメモリ30に記憶される。或いは、ユーザの生体情報は、センサユニットSUに設けられうるユーザインターフェース(不図示)を介して予めセンサユニットSUに与えられることでメモリ30に記憶されても良い。ユーザの生体情報は、ユーザの性別、年齢、体重、身長、体脂肪率、体脂肪量、筋肉率及び筋肉量などを含んでいて良い。マイコン20は、ユーザの生体情報を用いて、ユーザの活動量及び上記指標P1〜P3を導出できる。

0092

加速度信号に基づく活動量の導出方法として様々な方法が提案されており、マイコン20は公知の任意の活動量導出方法(例えば、特開2014−226161号公報、特開2015−8806号公報に記載の方法)を利用できるが、以下に簡単な一例を述べる。

0093

図19は、マイコン20により実行される活動量導出処理のフローチャートである。活動量導出処理では、まずステップS51において、加速度信号に基づき身体活動種別が判定される。例えば、センサユニットSUを装着したユーザが、静止している状況と、歩いている状況と、走っている状況とで加速度信号が互いに異なる(例えば加速度ベクトルの大きさの変化の振幅及び周期が互いに異なる)。メモリ30には、それらの状況を互いに区別するための閾値データを記憶しており、マイコン20は、加速度信号(例えば加速度ベクトルの大きさの変化の振幅及び周期)と閾値データに基づいて、ユーザの身体活動種別が第1〜第3種別の何れかであるのかを判定する。第1種別は、ユーザが静止していることを示す。第2種別は、ユーザが歩行していることを示す。第3種別は、ユーザが走っていることを示す。

0094

ユーザの身体活動種別が判定されると、ステップS52において、マイコン20は、判定された身体活動種別と勾配に基づき身体活動強度を特定する。勾配とは、ユーザが歩いているとき又は走っているときにおける路面又は階段等の勾配を指す。

0095

例えば、マイコン20は、ユーザが10歩分、歩く又は走るたびに、気圧信号に基づいて高度を検出する高度検出処理を実行し、前回の高度検出処理による検出高度と今回の高度検出処理による検出高度とに基づいて勾配を次々更新算出する。尚、ここまで特に述べてはいなかったが、マイコン20は加速度信号に基づく公知の方法によりユーザの歩数を計測する歩数計機能を有する。ステップS52では、最新の勾配を用いて身体活動強度が特定される。メモリ30には、身体活動種別及び勾配を身体活動強度に変換するためのテーブルが記憶されており、該テーブルを用いて身体活動強度が特定される。

0096

尚、勾配の算出に必要なユーザの歩幅は、例えば予めセンサユニットSUに与えられている。歩数計機能による計測歩数と、歩幅と、高度検出処理による検出高度とを用いれば、勾配を特定可能である。ユーザが歩いていると判断されるときに用いられる歩幅と、ユーザが走っていると判断されているときに用いられる歩幅とを別々に用意しておくと良い。予めセンサユニットSUに与えられたユーザの身長から上記歩幅を推定するようにしても良い。

0097

ステップS52に続くステップS53において、マイコン20は、ステップS52にて特定された身体活動強度に基づいて単位時間当たりの活動量を算出する。例えば、身体活動量(単位:エクササイズ)を算出する際には、身体活動強度に単位時間を乗じるだけで良い。また例えば、活動消費エネルギ量(単位:kcal)を算出する場合には、身体活動強度と単位時間とユーザの体重(単位:kg)と1.05の積を求めれば良い。

0098

マイコン20は、ステップS51〜S53から成る単位処理を単位時間ごとに実行する
ことで、単位時間ごとの活動量を次々と算出する。

0099

マイコン20は、単位時間ごとに求めた活動量を累積加算することで、複数の単位時間分の長さを持つ任意の期間での活動量を求めることができる。任意の期間中における活動量をメモリ30に記憶させておくことができると共に、活動量時系列データをメモリ30に記憶させておくことができる。活動量時系列データは、単位時間ごとに次々に求められた活動量を時系列に並べたものである。

0100

尚、メモリ30は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリによって構成されるのが好適である。揮発性メモリはマイコン20による処理等のための各種データを一時的に記憶でき、不揮発性メモリは長期保存すべきデータの記憶に使用される。例えば、過去に行った身体活動に関する情報(活動量を含む)についての日時ごとの記憶、過去に導出された上記指標P1〜P3の記憶、上記生体情報の記憶、各種プログラムの記憶などが不揮発性メモリにて行われる。

0101

上述の説明では、加速度の検出結果だけでなく気圧の検出結果をも用いて活動量を導出しているが、加速度の検出結果のみを用いて活動量を導出するようにしても良い。この場合、センサユニットSUから気圧センサ12を割愛可能であり、判定された身体活動種別のみに依存して身体活動強度が特定されることになる。

0102

また、X軸、Y軸、Z軸を回転軸としたセンサユニットSUの回転の角速度を個別に検出可能な角速度センサ(不図示)をセンサ部10に設けておいても良い。この場合、マイコン20は、加速度の検出結果に加え、又は、加速度及び気圧の検出結果に加え、角速度の検出結果をも用いて活動量を導出するようにしても良い。角速度の利用により、上半身をひねる動作などの身体活動をも正確に認識することが可能となり、活動量をより精度良く測定及び導出することが可能となる。

0103

[活動効率指標について]
マイコン20は、上述のように導出された活動量と、第2実施形態の方法により導出された筋力に関する指標(指標P1又はP3であって、以下、筋力指標と呼ぶ)とを用いて、活動量及び筋力指標とは異なる指標である活動効率指標を導出できる。活動効率指標は、活動量が筋力指標に与えた影響を示す指標であり、いわば身体活動の質を表すと考えることができる。

0104

図20を参照して活動効率指標の導出方法を説明する。マイコン20にて求められた活動量であって且つ所定の活動対象期間における活動量をACTにて表す。活動量ACTは活動対象期間中のセンサ検出結果に基づいて導出される。センサ検出結果は、少なくとも加速度センサ11の検出結果を含み、更に、気圧センサ12及び/又は角速度センサ(不図示)の検出結果を含みうる。

0105

活動対象期間の開始タイミングを基準とした第1時期において第2実施形態で述べた方法により測定及び導出された筋力指標の値をVAにて表す。活動対象期間の終了タイミングを基準とした第2時期において第2実施形態で述べた方法により測定及び導出された筋力指標の値をVBにて表す。上述したように、筋力指標の測定には評価用運動を行うための有限の時間(即ち評価期間分の時間)が必要となるため、上記第1時期及び第2時期の夫々は所定の時間幅を持った時期であると解される。第1時期は筋力指標値VAの測定及び導出のための評価期間であると考えることができ、第2時期は筋力指標値VBの測定及び導出のための評価期間であると考えることができる。マイコン20は、第1時期としての評価期間中の加速度信号(加速度絶対値信号)に基づき筋力指標値VAを導出し、第2時期としての評価期間中の加速度信号(加速度絶対値信号)に基づき筋力指標値VBを導出する。

0106

第1時期は、活動対象期間の開始タイミングを基準にして定まる時期であり、通常は活動対象期間の前の時期である。

0107

例えば、活動対象期間の開始タイミングの所定時間(例えば24時間)前から該開始タイミングまでの期間(以下期間610という;図20参照)中に測定及び導出された筋力指標値があるとき、その筋力指標値が筋力指標値VAとして取り扱われると共に筋力指標値VAを測定及び導出するための評価期間が第1時期となる。期間610中に測定及び導出された筋力指標値が複数あるとき、その複数の筋力指標値の内、時間的に最も後に測定及び導出されたものが筋力指標値VAとして取り扱われる。

0108

期間610中に測定及び導出された筋力指標値がないが、活動対象期間の開始タイミングから該開始タイミングよりも所定時間(例えば24時間)だけ後のタイミングまでの期間(以下期間612という;図20参照)中に測定及び導出された筋力指標値があるとき、その筋力指標値が筋力指標値VAとして取り扱われると共に筋力指標値VAを測定及び導出するための評価期間が第1時期となる。期間610中に測定及び導出された筋力指標値がなく、期間612中に測定及び導出された筋力指標値が複数あるとき、その複数の筋力指標値の内、時間的に最も先に測定及び導出されたものが筋力指標値VAとして取り扱われる。

0109

上述の方法と一部重複するが、活動対象期間の開始タイミングから見て時間的に最も近い時期にて測定及び導出された筋力指標値を筋力指標値VAとして取り扱うようにしても良い。

0110

第2時期は、活動対象期間の終了タイミングを基準にして定まる時期であり、通常は活動対象期間の後の時期である。当然、第2時期は第1時期よりも後の時期である。

0111

例えば、活動対象期間の終了タイミングから該終了タイミングよりも所定時間(例えば24時間)だけ後のタイミングまでの期間(以下期間620という;図20参照)中に測定及び導出された筋力指標値があるとき、その筋力指標値が筋力指標値VBとして取り扱われると共に筋力指標値VBを測定及び導出するための評価期間が第2時期となる。期間620中に測定及び導出された筋力指標値が複数あるとき、その複数の筋力指標値の内、時間的に最も先に測定及び導出されたものが筋力指標値VBとして取り扱われる。

0112

期間620中に測定及び導出された筋力指標値がないが、活動対象期間の終了タイミングの所定時間(例えば24時間)前から該終了タイミングまでの期間(以下期間622という;図20参照)中に測定及び導出された筋力指標値があるとき、その筋力指標値が筋力指標値VBとして取り扱われると共に筋力指標値VBを測定及び導出するための評価期間が第2時期となる。期間622中に測定及び導出された筋力指標値が複数あるとき、その複数の筋力指標値の内、時間的に最も後に測定及び導出されたものが筋力指標値VBとして取り扱われる。

0113

上述の方法と一部重複するが、活動対象期間の終了タイミングから見て時間的に最も近い時期にて測定及び導出された筋力指標値を筋力指標値VBとして取り扱うようにしても良い。

0114

活動対象期間に対する活動効率指標の値をQLにて表すと、QLは、筋力指標値VA及びVBと活動対象期間中の活動量ACTに基づき、下記式(5)により求められる。
QL=(VB−VA)/ACT …(5)

0115

式(5)から分かるように活動効率指標は、活動対象期間中の単位活動量に対する筋力指標値の変化量を表している。つまり例えば、筋力指標値の増大を目標にして活動対象期間中に所定の身体活動(ウォーキング等)を行ったと考えた場合、活動効率指標QLが比較的大きければ該身体活動の目標に対する効率は比較的高いと言え、活動効率指標QLが比較的小さければ該身体活動の目標に対する効率は比較的低いと言える。より具体的には例えば、“ACT=10”にて“VB−VA=1”を達成できた身体活動と、“ACT=20”にて“VB−VA=1”を達成できた身体活動とを比較した場合、前者の身体活動の方が後者の身体活動よりも2倍効率が高いと言える。

0116

尚、活動効率指標が“活動対象期間中の単位活動量に対する筋力指標値の変化量”を精度良く表すようにするべく、期間610、612、620又は622(図20参照)の長さは、活動対象期間の長さよりも十分に短いことが好ましく、活動対象期間の長さの所定倍以下とされる(これを満たす筋力指標値VA又はVBが無い場合、活動効率指標の導出を不可としても良い)。ここにおける所定倍は、1未満の正の値を持ち、例えば数10分の1〜数100分の1である。

0117

ユーザは、ユーザインターフェースへの操作を介して活動対象期間の開始及び終了タイミングを自由に設定できて良い。ここにおけるユーザインターフェースは、端末装置TMに設けられたものであっても良いし、センサユニットSUに設けられていても良い。

0118

マイコン20にて導出された又はメモリ30に記憶された情報を含む、センサユニットSUが認識する任意の情報(例えば、指標P1〜P3、活動量、活動量時系列データ、活動効率指標及び方位情報を含み、以下、ユニット取得情報と呼ぶ)を無線処理部50を介して端末装置TMに転送でき、端末装置TMは、ユニット取得情報を端末装置TMに設けられた表示画面に表示することができる。尚、センサユニットSUに表示画面を設けることも可能であっても良く、その場合には、任意のユニット取得情報がセンサユニットSUの表示画面に表示され得る。

0119

<<第4実施形態>>
本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態では、センサユニットSUを利用した応用技術又は変形技術などを説明する。第4実施形態で述べる技術は第1〜第3実施形態で述べた技術と組み合わせて実施される。

0120

センサユニットSUは簡素な構成を有するが故に小型にて形成でき、また特にメダル型の形状を有しているため、センサユニットSUを様々な形態のウェアラブル機器に適合させることができる。つまり、センサユニットSUを備えた任意のウェアラブル機器を構成することができる。センサユニットSUを用いてウェアラブル機器を構成すれば、センサユニットSUを人体の多様な位置に容易に取り付け可能である。ウェアラブル機器は、センサユニットSUを被験者としての人体に装着させるための装着部を備えていると良い。第2実施形態で挙げた測定装置(図7(a)等参照)もウェアラブル機器の一種であり、装着バンド4が装着部に相当する。装着部は、装着バンド4に限らず、センサユニットSUを被験者としての人体に装着させるものであれば任意である。

0121

人体への装着は、人体に対する直接の装着であっても良い。この場合、人体への装着によって、人体の形成組織(典型的には皮膚)に対するセンサユニットSUの直接接触がもたらされる。或いは、人体への装着は、人体に対する間接的な装着であっても良い。間接的な装着では、人体の着衣又は人体の腰部に巻いているベルト等にセンサユニットSUが取り付けられることで着衣又はベルト等を介してセンサユニットSUが人体に装着され、人体の形成組織(典型的には皮膚)に対するセンサユニットSUの直接接触は生じない。

0122

図21(a)〜(d)に、センサユニットSUを有して構成されるウェアラブル機器の例であるウェアラブル機器WD1〜WD4の外観図を示す。
ウェアラブル機器WD1は、第2実施形態で挙げた測定装置(図7(a)等参照)と同様、腕時計型のウェアラブル機器であり、センサユニットSUと、センサユニットSUに結合され且つセンサユニットSUをユーザの手首部分に装着させるための装着バンドと、を備える。ウェアラブル機器WD1は、センサユニットSUの計時部40を利用して得られる現在時刻を表示する表示画面を有していても良い(ウェアラブル機器WD2〜WD4でも同様であって良い)。
ウェアラブル機器WD2は、リストバンド型のウェアラブル機器であり、センサユニットSUと、センサユニットSUに結合され且つセンサユニットSUをユーザの手首部分に装着させるための輪形状の装着バンドと、を備える。
ウェアラブル機器WD3は、ネックレス型のウェアラブル機器であり、センサユニットSUと、センサユニットSUに結合され且つセンサユニットSUをユーザの首から釣りさげるための輪形状のリング部と、を備える。ユーザがウェアラブル機器WD3を装着したとき、ネックレスのペンダントトップの位置にセンサユニットSUが位置することになる。
ウェアラブル機器WD4は、バッチ型のウェアラブル機器であり、センサユニットSUと、センサユニットSUに結合され且つセンサユニットSUをユーザの着衣又はユーザの腰部に巻いているベルト等に取り付けるためのクリップ部と、を備える。

0123

また、上述したように、センサユニットSUは方位情報を取得可能に形成されている。方位情報は特にウェアラブル機器との親和性が良好であると考えられ、方位情報と歩数情報(歩数計機能による計測歩数)とを組み合わせれば、ウェアラブル機器を装着したユーザがどの方位にどれだけ移動したかを判断することが可能となる。例えば、見守り対象者にセンサユニットSUを備えたウェアラブル機器を装着させ、見守り対象者がどの方位にどれだけ移動したかを示す情報をセンサユニットSUから端末装置TMに伝達するようにすれば、見守り支援が実現される。更に将来的には、GPS(Global Positioning System)による位置補足が難しい屋内でのナビゲーション機能を端末装置TMに付加することで、見守り支援がより増強される。

0124

また、マイコン20にて演算、導出されると上述した情報の内、全ての情報又は任意の一部の情報は、端末装置TM側で演算、導出されても良い。つまり、マイコン20の機能の全部又は一部を、端末装置TMに設けられたマイクロコンピュータにて実現するようにしても良い。

0125

また、センサユニットSUそのもの又はセンサユニットSUの構成要素の一部(例えば部品群1)を、携帯機器に搭載するようにしても良い。携帯機器は、情報端末、携帯電話機、パーソナルコンピュータなどである。所謂スマートホンは、情報端末、携帯電話機又はパーソナルコンピュータに属する。この場合において、指標P1〜P3を導出する際には、例えば、携帯機器が胸の前で固定されるように携帯機器を手のひらにて持った状態で評価用運動を行えば良い。上述の端末装置TMは携帯機器の一種であり、ウェアラブル機器も携帯機器の一種であると考えることができる。携帯機器は、任意の情報を表示可能な表示画面、インターネット網などのネットワーク網を介して他の情報機器通信可能な通信部、音を出力可能スピーカ等から成る音声出力部、相手側機器との通話を実現するための通話部などを備える。携帯機器の傾き等を検出するために加速度センサが既に携帯機器に設けられていることもあるが、その場合、携帯機器の傾き等を検出するための加速度センサを加速度センサ11として兼用しても良い。そして、携帯機器に設けられたマイクロコンピュータにマイコン20が実現すべき処理を実行させれば良い。

0126

このように、センサユニットSUは、活動量測定機能に加えて筋力測定機能(筋力指標を導出する機能)を有しているため、歩く・走るなどの身体活動のライフロギング(活動量の履歴管理)を行うことができると共に人の動作から筋力状態を推し量ることができ、結果、人の健康状態の管理にセンサユニットSUを役立てることができる。つまり、非特許文献1の方法などを用いる場合と比べて手軽に筋力に関する指標を測定することが可能となり、筋力を定量化することで運動不足や老化による筋力劣化の可視化が進み、筋力の衰えに起因する怪我の予防や寝たきりの防止、未病対策、リハビリの意識付けなど、より高いレベルでの健康管理が可能となる。

0127

更に、センサユニットSUは活動効率指標を導出する機能を有しているため、行った身体活動の効率の良し悪しを評価することができる。効率が悪かったのであれば今後の身体活動の行い方を見直すといったことが可能となる。

0128

<<本発明の考察>>
上述の実施形態にて具現化された発明について考察する。

0129

本発明の一側面に係る指標導出装置は、加速度を検出する加速度センサ(11)を有して人体の活動量を導出可能な指標導出装置(SU)であって、前記加速度センサの検出結果に基づき人体の筋力に関する筋力指標(例えばP1又はP3)を導出する筋力指標導出部(20)と、所定の活動対象期間中の前記活動量に対する前記筋力指標の変化に応じた別指標を導出する別指標導出部(20)と、を備えたことを特徴とする。

0130

これにより、活動量と筋力指標との関係を別指標として導出することができ、例えば、行った身体活動の効率の良し悪しを評価することが可能となる。効率が悪かったのであれば今後の身体活動の行い方を見直すといったことが可能となる。つまり、従来装置では知ることのできなかった、身体活動の質を容易に知ることが可能となる。

0131

尚、上述の実施形態において、マイコン20は、活動量を導出する活動量導出部、筋力指標を導出する筋力指標導出部、及び、別指標としての活動効率指標を導出する別指標導出部(活動効率指標導出部)を有していると言える。

0132

本発明に係る対象装置(指標導出装置、ウェアラブル機器又は携帯機器)を、集積回路等のハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。対象装置にて実現される機能の全部又は一部である任意の特定の機能をプログラムとして記述して、該プログラムを対象装置に搭載可能なフラッシュメモリに保存しておいても良い。そして、該プログラムをプログラム実行装置(例えば、対象装置に搭載可能なマイクロコンピュータ)上で実行することによって、その特定の機能を実現するようにしてもよい。上記プログラムは任意の記録媒体に記憶及び固定されうる。上記プログラムを記憶及び固定する記録媒体は対象装置と異なる機器サーバ機器等)に搭載又は接続されても良い。

0133

SUセンサユニット
TM端末装置
1部品群
2基板
3筐体
10センサ部
11加速度センサ
12気圧センサ
13方位センサ
20マイクロコンピュータ
30メモリ
40 計時部
50無線処理部

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