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技術 中心核ミオパシーを治療するためのダイナミン2阻害剤

出願人 ユニヴェルシテ・ドゥ・ストラスブールセントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィークアンスティトゥート・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシャルシュ・メディカル・(インセルム)
発明者 ジョスリン・ラポルテベリンダ・カウリングヒチェム・タスファウ
出願日 2014年10月20日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2016-524149
公開日 2016年12月28日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-540732
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 酵素・酵素の調製 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 非環式または炭素環式化合物含有医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 平均値測定 高負荷試験 画像センター 絶対最大 通常設計 スプリングクリップ 的乱れ 加速回転
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図面 (20)

課題・解決手段

本開示は、中心核ミオパシー治療における使用のためのダイナミン2阻害剤に関する。本開示は、ダイナミン2阻害剤を含有する医薬組成物、及び中心核ミオパシーの治療を目的としたその使用にも関する。また、本開示は、中心核ミオパシーの治療で有用な分子識別又はスクリーニングする方法も扱う。

概要

背景

中心核ミオパシー(CNM)は、筋力低下により特徴づけられ、また線維萎縮I型線維の優位性、及び核の中心部局在化亢進により組織学的に確認された先天性ミオパシーの群であるが、但し筋再生後続する場合を除く。CNMについて3つの主要な形態が特徴づけられている:ホスホイノシチドホスファターゼミオチューブラリン(MTM1)に生じた突然変異に起因するX連鎖CNM(XLCNMは筋細管ミオパシーとも呼ばれる、OMIM 310400)(Laporte, J.ら、Nature Genetics、1996、13(2):175〜82頁)、メンブレンリモデリングタンパク質であるアンフィファイシン2(BIN1)に生じた突然変異により引き起こされた常染色体劣性CNM(ARCNM、OMIM 255200)(Nicot, A.S.ら、Nature Genetics、2007. 39(9):1134〜9頁)、及びダイナミン2(DNM2)に生じた突然変異(Bitoun, M.ら、Nature Genetics、2005. 37(11):1207〜9頁)に起因する、又はその他の遺伝子、例えばBIN1等に生じた突然変異(Bohmら、Brain. 2014年9月25日. pii: awu272. [出版前のEpub])に起因する常染色体優性CNM(ADCNM、OMIM 160150)。その他の遺伝子は、CNM様ミオパシー:リアノジン受容体をコードするRYR1、タイチンをコードするTTN、CCDC78(OMIM 614807)、及びホスホイノシチドホスファターゼMTMR14(hJUMPYと呼ばれる; OMIM 160150)と関連する。関係する遺伝子間の遺伝的関連性は不明であり、強力な治療アプローチを欠いている。

X連鎖中心核ミオパシーは、筋細管ミオパシーとも呼ばれ、CNMの最も一般的で重度の形態であり、新生児期発症し、多くの場合生後1年以内に死亡する(Jungbluth, H.ら、Orphanet J Rare Dis、2008年. 3:26頁)。現在のところ、この障害に対して利用可能な治癒法もなければ、有効な治療法もない。MTM1では、今日までに、200を超える異なる突然変異が、約450の家系報告されており、そのほとんどは、顕著なタンパク質の低下を引き起こす。これまでにMtm1ノックアウト又はノックインマウスが特徴づけられており、これらのマウスは、古典的な組織学的特徴を有するCNM表現型再現し、そのような特徴として、オルガネラ位置の異常、核の誤局在化、及び対応する筋肉強度低下と関連した筋萎縮が挙げられる。異常な興奮収縮連関(excitation-contraction coupling)と関連したトライアド構造の欠陥が、異なる形態のCNMを有するいくつかの動物モデル及び患者で検出され、すべてのCNM形態において共通する欠陥として識別される(Defects in amphiphysin 2(BIN1)and triadsin several forms of centronuclear myopathies、Toussaint A.ら、Acta Neuropathol. 2011年2月;121(2):253〜66頁)。これはトライアドの筋小胞体成分のホスホイノシチド濃度を制御する際のMTM1の役割について提示された案と整合する。

ダイナミンは、大型のGTPaseタンパク質であり、メンブレン輸送及びエンドサイトーシス、並びにアクチン細胞骨格構築において重要な役割を演ずる。ダイナミンタンパク質は、N-末端GTPaseドメイン中間ドメイン、PHドメイン(ホスホイノシチド結合性)、GED(GTPaseエフェクタードメイン)、及びタンパク質-タンパク質相互作用に関するPRD(プロリン富むドメイン)を含む。3種のヒトダイナミン;ダイナミン1、ニューロン内でもっぱら発現される、主として脳及び睾丸内に存在するダイナミン3、及び普遍的に発現するダイナミン2(DNM2)が識別されている。様々な異型接合性のDNM2突然変異が、組織特異的疾患:骨格筋に影響を及ぼす常染色体優性中心核ミオパシー、及び常染色体優性シャルコー・マリー・トゥース(CMTDIB、OMIM 606482)末梢神経障害において識別されている。

最近の生化学試験より、CNMの原因となるいくつかのDNM2突然変異は、ダイナミンオリゴマー定性及びGTPase活性を増加させることが示唆された。これは、マウスにおける最も一般的なCNM-DNM2患者突然変異(p.R465W)のノックイン又は過剰発現により、in vivoで補われたが、これは、成体マウスにおいてCNM様の特徴を誘発し、本疾患はハプロ不全に起因しないことが示唆された。野生型(WT)DNM2の過剰発現も、程度は低いものの筋肉乱れを引き起こした。

国際特許出願公開第2013/0065558号では、miR-133aがDNM2発現に対して、調節的な役割を演ずることが記載されている。DNM2の突然変異はCNMにおいて生ずるので、miR-133ファミリーメンバー作動薬は、中心核ミオパシーの治療に有益となるはずであると言われている。しかし、miR-133は、非常に多くの標的を有する(miRNAの標的予測及び機能的な注釈に関するオンラインデータベース、例えばhttp://mirdb.org/miRDB/等を参照されたい。そこでは、miRDB内のhsa-miR-133aについて226個の予測された標的が提示されているが、そのいずれもDNM2に該当せず、同じタイプの結果は、その他のオンラインデータベースから得られる)。miR-133は非常に多くの標的を有し、従って選択的ではないので、その効果は芳しくないおそれがある。更に、miR133の送達によるCNMの改善について、これまでに報告されていない。

概要

本開示は、中心核ミオパシーの治療における使用のためのダイナミン2阻害剤に関する。本開示は、ダイナミン2阻害剤を含有する医薬組成物、及び中心核ミオパシーの治療を目的としたその使用にも関する。また、本開示は、中心核ミオパシーの治療で有用な分子を識別又はスクリーニングする方法も扱う。

目的

本開示は、ダイナミン2阻害剤を含有する医薬組成物、及び中心核ミオパシーの治療を目的とした

効果

実績

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請求項1

中心核ミオパシー治療における使用のためのダイナミン2阻害剤であって、ダイナミン2に向けられた抗体、ダイナミン2の発現を特異的に妨害する核酸分子、及びダイナミン2の活性、発現又は機能を阻害する小分子からなる群より選択される、ダイナミン2阻害剤。

請求項2

前記小分子が、3-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸(3,4-ジヒドロキシベンジリデン)ヒドラジド、3-ヒドロキシ-N'-[(2,4,5-トリヒドロキシフェニル)メチリデン]ナフタレン-2-カルボヒドラジドテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、4-クロロ-2-((2-(3-ニトロフェニル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-カルボニル)-アミノ)-安息香酸、2-シアノ-N-オクチル-3-[1-(3-ジメチルアミノプロピル)-1H-インドール-3-イル]アクリルアミド、3-(2,4-ジクロロ-5-メトキシフェニル)-2-スルファニルキナゾリン-4(3H)-オン、N,N'-(プロパン-1,3-ジイル)ビス(7,8-ジヒドロキシ-2-イミノ-2H-クロメン-3-カルボキサミド)、N,N'-(エタン-1,2-ジイル)ビス(7,8-ジヒドロキシ-2-イミノ-2H-クロメン-3-カルボキサミド)、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、アミノ酸配列がQVPSRPNRAPのダイナミン阻害ペプチド、3-ヒドロキシ-N'-[(2,4,5-トリヒドロキシフェニル)メチリデン]ナフタレン-2-カルボヒドラジド、及び4-(N,N-ジメチル-N-オクタデシル-N-エチル)-4-アザ-10-オキサトリシクロ-[5.2.1]デカン-3,5-ジオンブロミドからなる群より選択される、請求項1に記載の使用のためのダイナミン2阻害剤。

請求項3

中心核ミオパシーが、X連鎖CNM、常染色体劣性CNM、及び常染色体優性CNMからなる群より選択される、請求項1又は2に記載の使用のためのダイナミン2阻害剤。

請求項4

中心核ミオパシーが、X連鎖CNM又は常染色体劣性CNMである、請求項1又は2に記載の使用のためのダイナミン2阻害剤。

請求項5

中心核ミオパシーが、BIN1突然変異に起因する中心核ミオパシーである、請求項1又は2に記載の使用のためのダイナミン2阻害剤。

請求項6

ダイナミン2に向けられた抗体、又はダイナミン2の発現を特異的に妨害する核酸分子からなる群より選択される、請求項1、3、4、及び5のいずれか一項に記載の使用のためのダイナミン2阻害剤。

請求項7

ダイナミン2の発現を特異的に妨害するRNAi、アンチセンス核酸、又はリボザイム、好ましくはsiRNA又はshRNAである、請求項1、3、4、5、及び6のいずれか一項に記載の使用のためのダイナミン2阻害剤。

請求項8

ダイナミン2プレ-mRNA内で、エクソン-スキッピングを誘発するアンチセンスヌクレオチドである、請求項1、3〜7のいずれか一項に記載の使用のためのダイナミン2阻害剤。

請求項9

DNM2のエクソン2又はエクソン8スキッピングを特異的に誘発するように設計され、好ましくは、下記の配列:下記の配列:配列番号26:GTCACCCGGAGGCCTCTCATTCTGCAGCTCを含むU7-Ex2(DNM2のエクソン2の標的スキッピング)、下記の配列:配列番号27: ACACACTAGAGTTGTCTGGTGGAGCCCGCATCAを含むU7-Ex8(DNM2のエクソン8の標的スキッピング)のうちの1つを含むか又はそれからなるアンチセンスヌクレオチドである、請求項8に記載の使用のためのダイナミン2阻害剤。

請求項10

配列番号2〜25からなる群より選択される配列を含むか又はそれからなるダイナミン2を特異的に妨害する核酸分子である、請求項1、3〜7のいずれか一項に記載の使用のためのダイナミン2阻害剤。

請求項11

DNM2遺伝子を標的とし、ゲノム編集療法を用いてヌクレアーゼ送達するように工学的に操作されたDNA、mRNA、又はヌクレアーゼである、請求項1、3〜6のいずれか一項に記載の使用のためのダイナミン2阻害剤。

請求項12

ダイナミン2の発現を低減する、又はダイナミン2の活性、発現若しくは機能を正常レベルに等しい、又は好ましくは正常レベルよりも低いレベルに低減するのに十分な量で投与される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用のためのダイナミン2阻害剤。

請求項13

中心核ミオパシー、好ましくはXLCNMの治療で有用な分子を識別又はスクリーニングする方法であって、a.候補化合物を提供又は取得する工程と、b.前記候補化合物が、ダイナミン2の活性、機能及び/又は発現を阻害するか判定する工程と、c.前記候補化合物が、ダイナミン2の活性/発現/機能を阻害する場合には、それを選択する工程とを含む、方法。

請求項14

選択された分子を、中心核ミオパシーの非ヒト動物モデル又はその一部分に、in vitroで投与する工程、及びミオパシー発症又は進行に対する効果を分析する工程を更に含む、請求項13に記載の方法。

請求項15

中心核ミオパシーの治療における使用のためのダイナミン2阻害剤及び薬学的に許容される担体/添加剤を含む医薬組成物

請求項16

ダイナミン2阻害剤が、請求項1から11のいずれか一項で定義される通りである、請求項15に記載の医薬組成物。

技術分野

0001

本開示は、中心核ミオパシー治療における使用のためのダイナミン2阻害剤に関する。本開示は、ダイナミン2阻害剤を含有する医薬組成物、及び中心核ミオパシーの治療を目的としたその使用にも関する。

背景技術

0002

中心核ミオパシー(CNM)は、筋力低下により特徴づけられ、また線維萎縮I型線維の優位性、及び核の中心部局在化亢進により組織学的に確認された先天性ミオパシーの群であるが、但し筋再生後続する場合を除く。CNMについて3つの主要な形態が特徴づけられている:ホスホイノシチドホスファターゼミオチューブラリン(MTM1)に生じた突然変異に起因するX連鎖CNM(XLCNMは筋細管ミオパシーとも呼ばれる、OMIM 310400)(Laporte, J.ら、Nature Genetics、1996、13(2):175〜82頁)、メンブレンリモデリングタンパク質であるアンフィファイシン2(BIN1)に生じた突然変異により引き起こされた常染色体劣性CNM(ARCNM、OMIM 255200)(Nicot, A.S.ら、Nature Genetics、2007. 39(9):1134〜9頁)、及びダイナミン2(DNM2)に生じた突然変異(Bitoun, M.ら、Nature Genetics、2005. 37(11):1207〜9頁)に起因する、又はその他の遺伝子、例えばBIN1等に生じた突然変異(Bohmら、Brain. 2014年9月25日. pii: awu272. [出版前のEpub])に起因する常染色体優性CNM(ADCNM、OMIM 160150)。その他の遺伝子は、CNM様ミオパシー:リアノジン受容体をコードするRYR1、タイチンをコードするTTN、CCDC78(OMIM 614807)、及びホスホイノシチドホスファターゼMTMR14(hJUMPYと呼ばれる; OMIM 160150)と関連する。関係する遺伝子間の遺伝的関連性は不明であり、強力な治療アプローチを欠いている。

0003

X連鎖中心核ミオパシーは、筋細管ミオパシーとも呼ばれ、CNMの最も一般的で重度の形態であり、新生児期発症し、多くの場合生後1年以内に死亡する(Jungbluth, H.ら、Orphanet J Rare Dis、2008年. 3:26頁)。現在のところ、この障害に対して利用可能な治癒法もなければ、有効な治療法もない。MTM1では、今日までに、200を超える異なる突然変異が、約450の家系報告されており、そのほとんどは、顕著なタンパク質の低下を引き起こす。これまでにMtm1ノックアウト又はノックインマウスが特徴づけられており、これらのマウスは、古典的な組織学的特徴を有するCNM表現型再現し、そのような特徴として、オルガネラ位置の異常、核の誤局在化、及び対応する筋肉強度低下と関連した筋萎縮が挙げられる。異常な興奮収縮連関(excitation-contraction coupling)と関連したトライアド構造の欠陥が、異なる形態のCNMを有するいくつかの動物モデル及び患者で検出され、すべてのCNM形態において共通する欠陥として識別される(Defects in amphiphysin 2(BIN1)and triadsin several forms of centronuclear myopathies、Toussaint A.ら、Acta Neuropathol. 2011年2月;121(2):253〜66頁)。これはトライアドの筋小胞体成分のホスホイノシチド濃度を制御する際のMTM1の役割について提示された案と整合する。

0004

ダイナミンは、大型のGTPaseタンパク質であり、メンブレン輸送及びエンドサイトーシス、並びにアクチン細胞骨格構築において重要な役割を演ずる。ダイナミンタンパク質は、N-末端GTPaseドメイン中間ドメイン、PHドメイン(ホスホイノシチド結合性)、GED(GTPaseエフェクタードメイン)、及びタンパク質-タンパク質相互作用に関するPRD(プロリン富むドメイン)を含む。3種のヒトダイナミン;ダイナミン1、ニューロン内でもっぱら発現される、主として脳及び睾丸内に存在するダイナミン3、及び普遍的に発現するダイナミン2(DNM2)が識別されている。様々な異型接合性のDNM2突然変異が、組織特異的疾患:骨格筋に影響を及ぼす常染色体優性中心核ミオパシー、及び常染色体優性シャルコー・マリー・トゥース(CMTDIB、OMIM 606482)末梢神経障害において識別されている。

0005

最近の生化学試験より、CNMの原因となるいくつかのDNM2突然変異は、ダイナミンオリゴマー定性及びGTPase活性を増加させることが示唆された。これは、マウスにおける最も一般的なCNM-DNM2患者突然変異(p.R465W)のノックイン又は過剰発現により、in vivoで補われたが、これは、成体マウスにおいてCNM様の特徴を誘発し、本疾患はハプロ不全に起因しないことが示唆された。野生型(WT)DNM2の過剰発現も、程度は低いものの筋肉乱れを引き起こした。

0006

国際特許出願公開第2013/0065558号では、miR-133aがDNM2発現に対して、調節的な役割を演ずることが記載されている。DNM2の突然変異はCNMにおいて生ずるので、miR-133ファミリーメンバー作動薬は、中心核ミオパシーの治療に有益となるはずであると言われている。しかし、miR-133は、非常に多くの標的を有する(miRNAの標的予測及び機能的な注釈に関するオンラインデータベース、例えばhttp://mirdb.org/miRDB/等を参照されたい。そこでは、miRDB内のhsa-miR-133aについて226個の予測された標的が提示されているが、そのいずれもDNM2に該当せず、同じタイプの結果は、その他のオンラインデータベースから得られる)。miR-133は非常に多くの標的を有し、従って選択的ではないので、その効果は芳しくないおそれがある。更に、miR133の送達によるCNMの改善について、これまでに報告されていない。

0007

国際特許出願公開第2013/0065558号
国際公開第99/32619号

先行技術

0008

Laporte, J.ら、Nature Genetics、1996年、13(2):175〜82頁
Nicot, A.S.ら、Nature Genetics、2007年、 39(9):1134〜9頁
Bitoun, M.ら、Nature Genetics、2005年、 37(11):1207〜9頁
Bohmら、Brain. 2014年9月25日. pii: awu272.
Jungbluth, H.ら、Orphanet J Rare Dis、2008年. 3:26頁
Defects in amphiphysin 2(BIN1)and triadsin several forms of centronuclear myopathies、Toussaint A.ら、Acta Neuropathol. 2011年2月;121(2):253〜66頁
Macia E.ら、Dynasore, a cell-permeable inhibitor of dynamin: Developmental cell 10、839〜850頁, 2006年6月
McCluskeyら、Traffic, 2013年
McGeachieら、ACS Chem Biol, 2013年
Wangら、J Biol Chem 2010年
Kenniston及びLemmon、Embo J、2010年
Bernstein、Caudyら、2001 Nature、2001年1月18日;409(6818):363〜6頁
Zamore、Tuschlら、Cell. 2000年3月31日;101(1):25〜33頁
Elbashir、Lendeckelら、Genes Dev. 2001年1月15日;15(2):188〜200頁
Elbashir、Martinezら、EMBO J. 2001年12月3日;20(23):6877〜88頁
Z. Wangら、Pharm Res(2011)28:2983〜2995頁
Reducing dynamin 2 expression rescues X-linked centronuclear myopathy、CowlingBS、Chevremont T、Prokic I、Kretz C、Ferry A、Coirault C、Koutsopoulos O、Laugel V、Romero NB、Laporte J.、J Clin Invest. 2014年3月3日;124(3):1350〜63頁。doi:10.1172/JCI71206. Epub 2014年2月24日
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発明が解決しようとする課題

0009

従って、しかるべき中心核ミオパシー治療法、特に新規でより有効な治療薬に対する、多大なニーズが存在する。

課題を解決するための手段

0010

中心核ミオパシーの有望な療法に関する研究により、本発明者らは、DNM2を下方制御すれば、XLCNM表現型の進行を防止、停止し得る、及び逆転させる可能性のあることを発見した。更に、MTM1は、筋肉の組織化及び筋力において、DNM2に対する負の調節因子として作用することが識別された。一方、DNM2は、重要な細胞プロセスの重要なメカエンザイム(mechanoenzyme)であり、DNM2が低下すれば、それはXLCNM及びその他の中心核ミオパシーにとって極めて有用となり、従って新規の潜在的治療アプローチを代表する。本明細書に提示する研究では、DNM2の下方制御は、中心核ミオパシーに強力な治療的影響を与えることが実証される。

0011

第1の態様では、本発明は、中心核ミオパシーの治療で用いるためのダイナミン2阻害剤と関係する。特別な実施形態では、中心核ミオパシーは、X連鎖CNM(XLCNM)、常染色体劣性CNM(ARCNM)、及び常染色体優性CNM(ADCNM)からなる群より選択される。好ましい実施形態では、中心核ミオパシーはXLCNM又はARCNMである。

0012

また、本発明は、中心核ミオパシーの治療における使用のためのダイナミン2阻害剤及び薬学的に許容される担体/添加剤を含む医薬組成物にも関係する。

0013

本発明は、中心核ミオパシーの治療法と更に関係し、同法は、治療上有効な量のダイナミン2阻害剤をかかる治療を必要とする対象に投与する工程を含む。

0014

最後に、本発明は、中心核ミオパシーを治療するための医薬組成物の調製を目的とするダイナミン2阻害剤の使用と関係する。

0015

ダイナミン2阻害剤はダイナミン2に向けられた抗体、ダイナミン2の発現を特異的に妨害する核酸分子、及びダイナミン2の活性、発現又は機能を阻害する小分子からなる群より選択されるのが好ましい。好ましい実施形態では、ダイナミン2阻害剤は、ダイナミン2の発現を特異的に妨害する核酸分子からなる群より選択される。特別な実施形態では、ダイナミン2阻害剤は、ダイナミン2の発現を特異的に妨害するRNAi、アンチセンス核酸、又はリボザイムである。

0016

より具体的な実施形態では、ダイナミン2阻害剤は、siRNA、shRNA、又はアンチセンスsnRNAである。

0017

本発明の更なる目的は、中心核ミオパシーの治療で有用な化合物スクリーニング又は識別する方法であって、
a)候補化合物を提供又は取得する工程と、
b)前記候補化合物が、ダイナミン2の活性/発現を阻害するか判定する工程と、
c)前記候補化合物が、ダイナミン2の活性/発現を阻害する場合には、それを選択する工程と
を含む、方法に関する。

0018

中心核ミオパシーの治療に適する分子をスクリーニング又は識別する方法は、選択された分子を、中心核ミオパシーの非ヒト動物モデル又はその一部分(組織又は細胞)に、in vivo又はin vitroで投与する工程、及びミオパシーの発症又は進行に対する効果を分析する工程を任意選択的に更に含む。

0019

本発明のこれら及びその他の目的、並びに実施形態は、本発明を詳細に説明した後に、より明白となる。

図面の簡単な説明

0020

XLCNM内のDNM2レベルを示す図である。(A)DNM2、MTM1、及びGAPDHローディング対照に関するXLCNM患者筋肉溶解物の代表的WB、m=月齢。(B)デンシトメトリーにより決定されGAPDHローディング対照に標準化したDNM2タンパク質発現相対レベル、総n=3〜5名の患者。(C)5週齢のWT及びMtm1-/yマウスから得た前脛骨筋(TA)、及び横隔膜(E)骨格筋溶解物を、DNM2及びGAPDH(ローディング対照)についてイムノブロットした。TA(D)及び横隔膜(F)について、DNM2タンパク質の相対濃度を、DNM2免疫反応性ポリペプチドのデンシトメトリーにより決定し、GAPDHローディングに標準化した。DNM2発現量をWT対照溶解物と比較し、その差異をX倍として表し、ここでマウスはn=4匹であった。(G)横隔膜の筋肉断面をHE染色した。スケールバー100mm。すべてのグラフは、平均値±s.e.m.を表す(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。
DNM2発現量が低下すると、Mtm1-/yマウスの寿命が大幅に回復することを示す図である。(A)すべてのマウスの寿命を、マウスの生存率(%)として表す。WT群、Dnm2+/-、及びMtm1-/yDnm2+/-内のすべてのマウスは、12月齢まで生存した。最高齢のマウスは、2に達した。(B)すべてのマウスの全体重を表す。Mtm1-/yマウスのみ、体重の有意な低下を示す。(C)DNM2タンパク質の相対濃度を、DNM2-免疫反応性ポリペプチドのデンシトメトリーにより決定し、GAPDHローディングに標準化した。DNM2レベルをWT対照溶解物と比較し、その差異をX倍として表す。発現量を、横隔膜(DIA)(C)、腓腹筋(GAS)(D)、前脛骨筋(TA)(E)、及びヒラメ筋(SOL)(F)について、8、16週齢、及び6月齢のマウスにおいて決定し、ここでマウスはn=2〜8匹であった。mRNAレベルをqRT-PCR解析により定量化し、DNM2レベルをGAPDHローディング対照と比較して表す(G)。グラフは、3つの独立した実験を表す。GAS(H)、TA(I)、及びSOL(J)の筋肉質量(n=5〜13匹のマウス)。すべてのグラフは、平均値±s.e.m.を表す(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)(w=週齢、m=月齢)。
CNMの組織学的特徴は、DNM2発現量が減少したMtm1-/yマウスで、大幅に回復することを示す図である。8週齢(A)又は16週齢(C)のマウスに由来するTAの横断面を、ヘマトキシリン及びエオシン(HE)(上段)、又はコハク酸デヒドロゲナーゼ(SDH)(下段)で染色し、光学顕微鏡で観察した。スケールバー300mm;高倍率のスケールバー25mm。(B)筋肉の横断面を、透過型電子顕微鏡で観察した。矢印は核周辺のメンブレン蓄積を示す。スケールバー0.5mm。8週齢(D)及び16週齢(E)のTA筋に由来する筋肉の横断面を線維面積について分析した。線維サイズを500mm2間隔でグループ化し、そして群毎に、総線維のパーセンテージとして表す(n=5〜7匹のマウス)。(F)内核(internal nuclei)又は中心核(central nuclei)を有する線維の頻度スコア化した(n=5匹のマウス)。内核を、筋細胞膜下の核でなく、中心核でもないものとして定義する。16週齢のMtm1-/yマウスでは、通常この週齢前に死亡するので、同マウスについて画像及び統計量を測定しなかった。(NAの表示は、該当するものが無いことを示す)。すべてのグラフは、平均値±s.e.m.を表す(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。
DNM2発現量が減少したMtm1-/yマウスの筋肉強度及び持久力が改善したことを示す図である。(A)ストリング試験を、3〜8週齢にわたり、毎週マウスに対して実施した。落下は、20秒とみなした。(B)TA筋の絶対最大力を、8週齢及び16週齢のマウスについて測定した。(C)TA筋の比最大力は、筋肉質量と関連する絶対最大力を表す。(D)TAの筋肉疲労性を、(B)で生成した最大筋力の50%に達するのに要する時間として測定した。筋肉疲労は、8週齢のMtm1-/yマウスでは、極度の筋力低下により測定不能であった。Mtm1-/yマウスは、16週齢前に通常死亡し、従って当該週齢において測定は行われなかった(NA)。すべてのグラフは、平均値±s.e.m.を表す(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)(1群当たり、n=最低5匹のマウス)。
DNM2発現量が減少したMtm1-/yマウスでは筋肉超微細構造が改善することを示す図である。8週齢(A)及び16週齢(B)のマウスに由来するTA筋を、透過型電子顕微鏡により画像化した。スケールバー0.5mm(A)又は1mm(B)。
8週齢マウス由来のTA筋内のトライアドの局在化を示す図である。(A)横方向及び縦方向の筋肉断面を、RyR1で染色し、又はRyR1(緑色)及びa-アクチニン(赤色)抗体で共染色し、そして共焦点顕微鏡により画像化した。スケールバー20mm(横方向)又は5mm(縦方向の画像)。(B)8週齢マウス由来のTA筋肉を、透過型電子顕微鏡(TEM)により画像化した。矢印は、正常に局在化しているトライアドを指し示し、高倍率挿入図に示す。スケールバー200nm、高倍率スケールバー100nm。(C)(B)に由来する8週齢TA筋内において可視化された、1サルコメア当たりのトライアドの割合(%)。グラフは、平均値±s.e.mを表す(*p<0.05)。(D)筋肉の横断面を、カベオリン3で染色し、共焦点顕微鏡により画像化した。スケールバー50mm。
DNM2発現量が減少したMtm1-/yマウスの長期表現型を示す図である。(A)12月齢のWT(左側)及びMtm1-/y Dnm2+/-(右側)マウス。(B)後肢間の分離角度を示すフットプリント試験。生データ画像を図S7に示す。(C)四肢グリップ試験(4 paw grip test)。(D)加速モードで実施したロータロッド試験(5分内に4〜40rpm)。マウスが落下した時間を記録した。マウス1匹につき、1日当たり3回のトライアルを記録した。(E)ハンギング試験では、マウスを、最長60秒間、ケージ蓋懸架する必要がある。マウス1匹につき、3回のトライアルを実施した。(F)6月齢のマウスについて休息呼吸測定を行うために、プレチスモグラフ試験を実施した。吸気時間、呼出時間弛緩時間、及び呼吸頻度を示す;すべてのその他の測定を図S8に示す。(G)横隔膜最大筋力を、6月齢マウスに由来する横隔膜ストリップについて測定した。単攣縮及び強縮(100Hz)下での力-収縮頻度の関係、及び比最大力を示す。(H)横隔膜筋の縦断面を、HEで染色し、光学顕微鏡により画像化した。スケールバー100mm。すべてのグラフは、平均値±s.e.m.を表す(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。n=最低5匹のマウス。
骨格筋内DNM2量の減少のみが、Mtm1-/yマウスの寿命及び病理学を改善させることを示す図である。(A)すべてのマウスの寿命を、生存率(%)として表す。筋肉内のDNM2量が減少したMtm1-/yマウスを、Mtm1-/y Dnm2skm+/-として表す。(B)マウスの体重。(C)腓腹筋(GAS)、前脛骨筋(TA)、及びヒラメ筋(SOL)を切除した直後に、筋肉を量した。グラフは、筋肉質量を総体重に占める割合(%)として表す(n=5〜12匹のマウス)。(D)16週齢マウスに由来するTAの横断面を、HE(上段)又はSDH(下段)で染色した。スケールバー100mm。(E)16週齢のTA筋に由来する横断面を、線維面積について分析した。線維サイズを500mm2間隔でグループ化し、そして群毎に、総線維のパーセンテージとして表す(n=4〜7匹のマウス)。(F)内核又は中心核を有する線維の頻度を、TA筋について計測した(n=4〜7匹のマウス)。(G)DNM2タンパク質の相対濃度を、DNM2免疫反応性ポリペプチドのデンシトメトリーにより決定し、GAPDHローディングに標準化した。DNM2レベルをWT対照溶解物と比較し、その差異をX倍で表す(n=4〜7匹のマウス)。すべてのグラフは、平均値+s.e.m.を表す(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。
症状の発現後に骨格筋内のDNM2量が減少すると、Mtm1-/yマウスの寿命及び病理学が改善することを示す図である。(A)すべてのマウスの寿命を、生存率(%)として表す。筋肉内のDNM2量が減少したMtm1-/yマウスを、Mtm1-/y Dnm2(i)skm+/-として表す。(B)マウスの体重。(C)腓腹筋(GAS)、前脛骨筋(TA)、及びヒラメ筋(SOL)を切除した直後に、筋肉を秤量した。グラフは、筋肉質量を、総体重に占める割合(%)として表す(n=5〜12匹のマウス)。(D)16週齢マウスに由来するTAの横断面を、HE(上段)又はSDH(下段)で染色した。スケールバー100mm。(E)16週齢のTA筋肉に由来する横断面を、線維面積について分析した。線維サイズを500mm2間隔でグループ化し、そして群毎に、総線維のパーセンテージとして表す(n=4〜7匹のマウス)。(F)内核又は中心核を有する線維の頻度を計測した(n=4〜7匹のマウス)。(G)DNM2タンパク質の相対濃度を、DNM2免疫反応性ポリペプチドのデンシトメトリーにより決定し、GAPDHローディングに標準化した。DNM2レベルをWT対照溶解物と比較し、その差異をX倍として表す(n=5〜7匹のマウス)。すべてのグラフは、平均値+s.e.m.を表す(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。
マウスDnm2を標的破断すると、Dnm2異型接合マウスが生み出されることを示す図である。マウスにおいて標的対象となるDnm2のエクソン8周辺のゲノム領域。エクソン8の欠損は、アウトオブフレーム転写物をもたらすと予測される。
Dnm2異型接合マウスの生化学及び表現型に関する特徴付けを示す図である。(A)Dnm2異型接合(Dnm2+/-)及び野生型(WT)マウスの尿素カルシウム、及び総コレステロール濃度に関する血液分析。(B)WT及びDnm2+/-マウスを対象とした心電計(ECG)測定。X軸の値は、試験毎に下記の測定値を表す;RR(2つのR波間の間隔、m秒として測定); HR=心拍数(m秒); PR(P-R波の間隔、m秒); QT(Q-T波の間隔、bpm); QTcBZ(QT補正値、msCorr)。(C)全体重。(D)全身成分のdexaスキャン。貧脂肪組織(lean tissue)及び脂肪の量を、総身体成分に占める割合(%)として示す。(E)WT及びDnm2+/-マウスについて実施した筋電図検査から得られた単一神経伝達速度(Single nerve conduction velocity)(SNCV)。(F)TA筋の総質量。TA筋の絶対最大力(G)及び比最大力(H)。(I)TA筋疲労測定、疲労は、最大力の50%に達するまでの時間、秒(S)として表す。分析の対象とされたすべてのマウスは、10〜15週齢のオスのマウスであった(1群当たりn=8〜12匹)。すべてのグラフは、平均値±s.e.mを表し、また評価対象パラメーターのいずれも、WT及びDnm2+/-マウス間で有意に異ならなかった。
TA筋内のダイナミン2、ミオチューブラリン、及びα-アクチニンの局在化を示す図である。8週齢マウスに由来する筋肉縦断面を、DNM2-R2680(緑色)及び -アクチニン(赤色)抗体で共染色し(A)、又はMTM1-R2827抗体で染色し(B)、そして共焦点顕微鏡により画像化した。スケールバー5μm。
ダイナミン2の発現量が減少したMtm1-/yマウスの骨格筋において、萎縮が回復することを示す図である。EDL(A)、足底筋(B)、GAS(C)、TA(D)、SOL(E)、心臓(F)、及び肝臓(G)の質量を、総体重に占める割合(%)として報告する(n=5〜15匹のマウス)。すべてのグラフは、平均値±s.e.m.を表す。(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)(w=週齢、m=月齢)。(H)8週齢マウスに由来するGAS(H)又はSOL(I)の横断面を、HE(上段)又はSDH(下段)で染色した。スケールバー100μm。
年齢が異なる様々な筋肉内のタンパク質発現レベルを示す図である。8週齢(A、D、G、J)、16週齢(B、E、H)、及び6月齢(C、F、I、K)の腓腹筋(GAS)(A〜C)、前脛骨筋(TA)(D〜F)、ヒラメ筋(G〜I)、及び横隔膜筋(J、K)から得た溶解物を、DNM2及びGAPDH(ローディング対照)についてイムノブロットした。記載する場合、溶解物は、MTM1についてもブロットした。ダブレットが存在する場合、下方のバンドがMTM1を表す。この試験に関連しない中間的レーンをバツ印で示す(G、I、J)。
デスミンの局在化、及びトライアド構造の組織化は、ダイナミン2の発現量が減少した8週齢Mtm1-/yマウスに由来するTA筋において回復した。8週齢マウスに由来する筋肉横断面を、デスミン抗体(A)又はDHPRα抗体(B)で染色し、共焦点顕微鏡により画像化した。両者共に、スケールバー50μm(上段)、及び20μm(下段)。Mtm1-/yにおいて、デスミンがサイトゾル内に蓄積するが、ほとんどのMtm1-/yDnm2+/-線維において回復することに留意されたい。
6月齢及び12月齢のマウスに由来するフットプリントパターンを示す図である。後肢間で測定された角度を表すために、最適近似直線を描く。特にMtm1-/y Dnm2+/-は、WTマウス及びDnm2+/-マウスと比較して、足を外側に向けながら歩行する。分析対象データを図7Bに示す。(B)前肢グリップ試験(前足)を1ヶ月に1回実施した(1群当たりn=最低5匹のマウス)。グラフは、平均値±s.e.m.を表す。群間有意差を認めない。
ダイナミン2の発現量が減少した6月齢のMtm1-/yマウスに関するプレチスモグラフの結果を示す図である。プレチスモグラフ試験を、休息時マウスについて、休息時呼吸パターンを評価するために実施した。すべてのグラフは、平均値±s.e.m.を表す。群間で有意差を認めない。
骨格筋において、ダイナミン2の異型接合性の欠損が生じるだけで、Mtm1-/yマウスの病理学が改善することを示す図である。(A)16週齢マウスに由来するTAの横断面を、HE又はSDHで染色した。スケールバー300μm。16週齢のGAS筋肉(B)及びSOL筋肉(C)に由来する横断面を、線維面積について分析した。線維サイズを500μm2間隔でグループ化し、群毎に、総線維のパーセンテージとして表す(n=3〜6匹のマウス)。(D)内核又は中心核を有する線維の頻度を計測した(n=3〜6匹のマウス)。示した腓腹筋(GAS)(E)、前脛骨筋(TA)(F)、ヒラメ筋(SOL)(G)の画像は、同一のウェスタンブロットに由来し、また16週齢マウスに由来する横隔膜筋(H)溶解物を、DNM2、MTM1及びGAPDH(ローディング対照)について、イムノブロットした。すべてのグラフは、平均値+s.e.m.を表す(*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。
Mtm1-/y Dnm2skm+/-マウスにおけるタンパク質発現レベルを示す図である。16週齢マウスに由来する腓腹筋(GAS)(A)、前脛骨(TA)(B)、及び横隔膜(C)の各骨格筋溶解物を、DNM2、MTM1、及びGAPDH(ローディング対照)についてイムノブロットした。
Bin1-/-マウスは、周産期に死亡するが、一方、Bin1-/- Dnm2+/-マウスは生存し、体重も増加する。- A.グラム表示の体重は、Bin1-/- Dnm2+/-マウスが34グラムに達することを示している。- B. 10週齢の野生型マウスとBin1-/-Dnm2+/-マウスは区別不能である。
Bin1-/-Dnm2+/-マウスは、野生型(WTマウス)と比較して、臨床分析において成績上の欠陥を示さない。(A〜F)若年(2〜6月齢)及び老年(12〜17月齢)のBin1-/- Dnm2+/-マウスを分析した。(G〜H)比最大力(筋肉質量と比較した絶対最大力)及び半弛緩時間(half relaxation time)は、Bin1-/- Dnm2+/-マウス及び野生型(WT)マウスの両方の年齢で類似し、正常な筋力及び疲労に対する抵抗性裏付ける。
Bin1-/-Dnm2+/-マウスは、野生型(WTマウス)と比較して、臨床分析において成績上の欠陥を示さない。(A〜F)若年(2〜6月齢)及び老年(12〜17月齢)のBin1-/- Dnm2+/-マウスを分析した。(G〜H)比最大力(筋肉質量と比較した絶対最大力)及び半弛緩時間(half relaxation time)は、Bin1-/- Dnm2+/-マウス及び野生型(WT)マウスの両方の年齢で類似し、正常な筋力及び疲労に対する抵抗性を裏付ける。
Bin1-/-Dnm2+/-マウスは、対照に近い組織学を示す。Bin1-/-Dnm2+/-マウスは、形状及びサイズ(HE:ヘマトキシリン-エオシン染色)が正常で、酸化染色(SDH)も正常な筋線維を示す。このマウスは、より中心に偏在化した核を示す傾向を有するが、再生過剰の兆候を有さない。
線維サイズ(A)及び核の位置(B)を示す図である。Bin1-/-Dnm2+/-マウスは、類似した線維サイズを示すが、但しすべての線維径の平均値を比較したとき、線維は、有意ではないが小さめとなる傾向を若干有する(左側)。Bin1-/-Dnm2+/-マウスの核は、より中心に偏在化する(右側)。
ダイナミン2のmRNAエクソン及びダイナミン2タンパク質ドメインを示す図である: a)shRNAの標的となるように選択されたダイナミン2のmRNA領域(上)、中心核ミオパシーを引き起こすDNM2内の優性突然変異(下)。b)GTPaseドメイン、中間部(MID)、プレクストリン相同(PH)ドメイン、GTPaseエフェクタードメイン(GED)、及びプロリンに富むドメイン(PRD)。
shDnm2-トランスフェクトHEK細胞におけるダイナミン2タンパク質の発現を示す図である。a)hDNM2(ヒトDNM2をコードするプラスミド)及びDNM2 mRNAを標的とするshRNAで同時トランスフェクトしたHEK(ヒト胚腎臓)細胞のウェスタンブロット。b)デンシトメトリー分析より、shRNA N°B、C、F、I、及びJは、hDNM2を標的とし、またその発現を有効に減少させたことが明らかである。
shDnm2-トランスフェクトC2C12細胞におけるダイナミン2 mRNAの発現を示す図である。shRNA-トランスフェクトC2C12(マウス筋芽細胞)内でDnm2 mRNAレベルを評価した。選択したshRNAは、Dnm2 mRNAを約50%まで効果的に減少させた。
AAV-注射WT(野生型)TA(前脛骨)筋におけるダイナミン2タンパク質の発現を示す図である。a)shDnm2 N°C又はスクランブル配列を発現するAAVを注射したWT TAのウェスタンブロット。b)デンシトメトリー分析より、shRNA N°Cは、Dnm2をin vivoで標的とすること、及びAAV-スクランブル化を注射したWTと比較して、その発現を約60%に減少させることが明らかである。
AAV筋肉内注射から5週間後のMtm1-/y KO TAの質量、及びDnm2タンパク質の発現を示す図である。a)shDnm2 N°CをコードするAAVを筋肉内注射すると、AAV-スクランブル化を注射したTAと比較して、筋肉の質量は増加することを示す。b)shDnm2 N°C又はスクランブル化配列を発現するAAVを注射したMtm1-/y KO腓腹筋のウェスタンブロット。
AAV筋肉内注射から5週間後に、H&E(ヘマトキシリンとエオシン)で染色したMtm1-/y KO腓腹筋の横断面を示す図である。shDnm2 N°CをコードするAAVの筋肉内注射(右側)では、AAV-スクランブル化配列を注射したMtm1-/y KO腓腹筋(左側)と比較して、筋肉組織学の改善、及びMtm1-/y KO腓腹筋内の線維サイズの増加を示す。
AAVを注射したMtm1-/y KO腓腹筋横断面における線維サイズ分布、線維サイズの平均値、及び核位置の定量を示す図である。a)線維サイズ分布より、AAV-shDnm2 N°Cを注射したMtm1-/y KO腓腹筋は、AAV-スクランブル化を注射したMtm1-/y KO腓腹筋と比較して、それより大型の線維を呈したことは明らかである。b)線維サイズの平均値測定より、AAV-shDnm2を注射したMtm1-/y KO腓腹筋は、AAV-スクランブル化を注射したMtm1-/y KO腓腹筋と比較して、それより大型の線維(サイズは約2倍に増加する)を示すことが実証される。c)AAV-shDnm2 N°Cを注射したMtm1-/y KO腓腹筋では、AAV-スクランブル化を注射したMtm1-/y KO腓腹筋と比較して、筋線維内に認められる核の位置の異常性は低い。線維が>800本のものを、(a)及び(b)について測定した。サンプル毎に、線維1000本を、(c)について計測した。

0021

別段の規定がない限り、本明細書で用いられるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当業者により一般的に理解される意味と同一の意味を有する。

0022

ダイナミン2は、DNM2遺伝子(遺伝子ID 1785)によりコードされる。より正確には、DNM2遺伝子は、第19染色体(GRCh37/hg19リリース)上の塩基対10,919,884〜塩基対10,942,586、又はNC_000019.10ロケーション(GRCh38/hg19)上の10,718,053〜10,831,910塩基対に位置する。ダイナミン2遺伝子又は遺伝子産物は、これらに限定されないが、CMTDI1、CMTDIB、DI-CMTB、DYN2、DYN2_HUMAN、ダイナミンII、DYNIIなどの別の名称でも知られている。

0023

ダイナミン2阻害剤
本明細書で用いる場合、用語「ダイナミン2阻害剤」は、ダイナミン2の発現を特異的に減少させることが可能、又はダイナミン2の活性若しくは機能を阻害することが可能なあらゆる分子を意味する。好ましくは、かかるダイナミン2阻害剤は、直接阻害剤であり、これは、阻害剤がダイナミン2タンパク質、又は前記ダイナミン2若しくはその一部分をコードする核酸と直接相互作用することを意味する。本発明によるダイナミン2阻害剤は、ダイナミン2の機能的な活性を、in vivo及び/又はin vitroで阻害する又は低下させる能力を有する。阻害剤は、ダイナミン2の機能的な活性を、少なくとも約30%、好ましくは少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70、75、又は80%、なおも好ましくは85、90、又は95%阻害し得る。特に、阻害剤は、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約30%、好ましくは少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約70、75、又は80%、なおも好ましくは85、90、又は95%、ダイナミン2の発現を阻害し得る。

0024

本発明のダイナミン2阻害剤は、ダイナミン2の活性又は機能を遮断する及び/又は阻害することにより作用し得る。これは、例えばダイナミン2の酵素活性を阻害することにより達成され得る。ダイナミン2の機能的又は酵素的活性は、公知の方法に基づき、例えば、クラスリン媒介型エンドサイトーシスにおけるダイナミン2のGTPase活性又は機能を試験することにより、当業者は容易に評価可能である(Macia E.ら、Dynasore, a cell-permeable inhibitor of dynamin: Developmental cell 10、839〜850頁, 2006年6月)。GTPase活性又は脂質結合、細胞内局在化、クラスリン媒介型エンドサイトーシス、シナプス小胞エンドサイトーシスの阻害剤の場合、McCluskeyら、Traffic、2013; McGeachieら、ACS Chem Biol, 2013年に記載されている方法を使用することができる。ダイナミン2 GTPase活性、オリゴマー化、脂質結合の場合、Wangら、J Biol Chem 2010年;又はKenniston及びLemmon、Embo J、2010年、に記載されている方法を使用することができる。

0025

本発明のダイナミン2阻害剤は、ダイナミン2の発現(転写スプライシング、転写物成熟、又は翻訳を含む)を遮断及び/又は阻害することによっても作用し得る。ダイナミン2の発現の減少又は阻害は、例えば、ウェスタンブロット解析法(図1に示す方法等)、若しくは例えば、抗ダイナミン2抗体を利用するELISAを用いて、ダイナミン2タンパク質濃度を評価する工程、及び/又は例えば、定量的PCR等の利用可能な任意の技法を用いる、ダイナミン2に関するmRNAレベルを評価する工程(図2に示す方法等)を含むがこれらに限定されない、当業者にとって公知の任意の手段により評価され得る。

0026

ダイナミン2阻害剤は、ダイナミン2に向けられた抗体、ダイナミン2の発現を特異的に妨害する核酸分子、及びダイナミン2の酵素活性を阻害する(すなわち、GTPase活性阻害)、発現を阻害する(プロモーター、スプライシング、又は翻訳の阻害等による)、又は機能を阻害する(オリゴマー化、活性化、脂質結合、又はパートナー結合の阻害等)、小分子からなる群より選択されるのが好ましい。

0027

特別な実施形態によれば、ダイナミン2阻害剤は、ダイナミン2に向けられた抗体、又はダイナミン2の発現を特異的に妨害する核酸分子(又はヌクレオチド)からなる群より選択される。好ましい実施形態では、ダイナミン2阻害剤は、ダイナミン2の発現を特異的に妨害する核酸分子からなる群より選択される。本発明によれば、ダイナミン2の発現を特異的に妨害する核酸分子は、通常非天然の核酸である。特別な実施形態では、ダイナミン2阻害剤は、ダイナミン2の発現を特異的に妨害するRNAi、アンチセンス核酸、又はリボザイムである。特別な実施形態では、ダイナミン2阻害剤は、siRNA又はshRNAである。

0028

本発明では、核酸は、ダイナミン2をコードする遺伝子又は転写物に特異的にハイブリダイズする能力を有する。「特異的にハイブリダイズする」とは、厳密な条件においてハイブリダイズすることが意図される。特に、厳密な条件とは、塩濃度有機溶媒、例えばホルムアミドの濃度、温度、及び当技術分野において周知のその他の条件により定義され得る。代表的な厳密なハイブリダイゼーション条件には、30℃を超える、好ましくは35℃を超える、より好ましくは42℃を上回る温度、及び/又は約500mM未満、好ましくは200mM未満の塩分が含まれる。但し、本発明による核酸は、特異的にハイブリダイズするのに、標的配列と100%の相補性を必要とはしないと理解される。特に、少なくとも約90%に等しい相補性を有する核酸は、特異的にハイブリダイズする能力を有する。好ましくは、本発明による核酸と標的配列との間の相補性は、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%に等しい。

0029

用語「相補的」又は「相補性」とは、別のポリヌクレオチド分子と塩基対を形成するポリヌクレオチドの能力を意味する。塩基対は、水素結合により、逆平行のポリヌクレオチドストランド内のヌクレオチドユニット間で一般的に形成される。相補的なポリヌクレオチドストランドは、Watson-Crick様式(例えば、AとT、AとU、CとG)内、又は二本鎖の形成を可能にするその他の任意の様式で塩基対を形成し得る。当業者は認識しているように、DNAではなくRNAを用いた場合、アデノシンに対して相補的であると考えられる塩基は、チミンではなくウラシルである。しかし、本発明の文脈においてUと表記される場合、別途記載がなければ、Tに代わる能力を示唆する。完全な相補性又は100パーセントの相補性とは、1つのポリヌクレオチドストランドの各ヌクレオチドユニットが、第2のポリヌクレオチドストランドのヌクレオチドユニットに結合可能であるという状況を意味する。完全ではない相補性とは、2つのストランドのすべてではなく、一部のヌクレオチドユニットが、相互に結合可能であるという状況を意味する。例えば、2つの20マーにおいて、各ストランド上の2つの塩基対のみが、相互に結合可能な場合、ポリヌクレオチドストランドは、10パーセントの相補性を示す。同様に、各ストランド上の18個の塩基対が、相互に結合可能である場合には、ポリヌクレオチドストランドは90パーセントの相補性を示す。

0030

本明細書で用いる場合、用語「iRNA」、「RNAi」、又は「干渉RNA」とは、標的対象となるタンパク質の発現を下方制御する能力を有するあらゆるRNAを意味する。これには、小型の干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、一本鎖RNA(ssRNA)、及びショートヘアピンRNA(shRNA)分子が含まれる。RNA干渉とは、転写後レベルにおいて、dsRNAが、標的遺伝子の発現を特異的に抑制する、という現象を指す。通常の条件では、RNA干渉は、数千の長さの塩基対からなる二本鎖RNA分子(dsRNA)により開始される。In vivoでは、細胞に導入されたdsRNAは、siRNAと呼ばれる短いdsRNA分子の混合物に切断される。当該切断を触媒する酵素、Dicerは、RNaseIIIドメインを含有するエンド-RNaseである(Bernstein、Caudyら、2001 Nature、2001年1月18日;409(6818):363〜6頁)。哺乳動物細胞では、Dicerにより生み出されるsiRNAは、長さ21〜23 bpで、19又は20個のヌクレオチド二本鎖配列、2-ヌクレオチド3'オーバーハング、及び5'-トリホスフェート末端部を有する(Zamore、Tuschlら、Cell. 2000年3月31日;101(1):25〜33頁; Elbashir、Lendeckelら、Genes Dev. 2001年1月15日;15(2):188〜200頁; Elbashir、Martinezら、EMBO J. 2001年12月3日;20(23):6877〜88頁)。本発明によれば、iRNAsはmicroRNAを含まない。

0031

いくつかの特許及び特許出願、例えば国際公開第99/32619号は、一般論として、遺伝子発現阻害を目的とするsiRNA分子の使用について記載している。siRNA及びshRNAによるRNA干渉療法も、Z. Wangら、Pharm Res(2011)28:2983〜2995頁によるレビューに詳記されている。

0032

siRNA又はshRNAは、翻訳開始コドン(translation initiator codon)の下流19〜50ヌクレオチドの領域に対して通常設計され、一方、5'UTR(非翻訳領域)及び3'UTRは通常回避される。選択したsiRNA又はshRNA標的配列は、所望の遺伝子のみが標的対象とされることを保証するために、ESTデータベースと対比するBLASTサーチの対象とされるべきである。様々な製品が、siRNA又はshRNAの調製及び使用を支援するために市販されている。

0033

好ましい実施形態では、RNAi分子は、長さが少なくとも約10〜40個のヌクレオチド、好ましくは約15〜30塩基のヌクレオチドからなるsiRNAである。

0034

siRNA又はshRNAは、天然RNA、合成RNA、又は組換え成型RNA、並びに1つ若しくは複数のヌクレオチドの付加、欠損、置換、及び/又は改変により、天然のRNAと異なる改変型RNAを含み得る。かかる改変は、siRNAがヌクレアーゼ消化に抵抗性となるような修飾を含め、例えば分子の末端部又はsiRNAの1つ若しくは複数の内部ヌクレオチド等への非ヌクレオチド物質の付加を含み得る。

0035

いくつかのダイナミン2阻害性核酸は、市販されている。例えば、これらに限定されないが、Abnova-Novus Biologicals社のダイナミン2 RNAi、参照番号: H00001785-R05-H00001785-R08; Santa Cruz Biotechnology社のダイナミンII siRNA(h)、参照番号: sc-35236、ダイナミンII(h)-PR、参照番号: sc-35236-PR、ダイナミンII shRNAプラスミド(h)、参照番号: sc-35236-SH、ダイナミンII shRNA(h)レンチウイルス粒子、参照番号: sc-35236-Vを挙げることができる 。

0036

特別な実施形態では、ダイナミン2を特異的に妨害する核酸分子は、ダイナミン2の完全長筋肉ヒトcDNA配列の少なくとも一部分を特異的に妨害する核酸である(配列番号1、12bを追加した転写物変異体1(NM_001005360.2)(エクソン10a、13ter)に示す通り)。本実施形態によれば、またより具体的には、RNAi分子は、少なくとも長さ約10〜40ヌクレオチドからなるsiRNA又はshRNA、好ましくは約15〜30塩基のヌクレオチドからなるiRNAである。特別な実施形態では、siRNA又はshRNAは、ダイナミン2mRNAの少なくとも1つのエクソン、より具体的には、ダイナミン2 mRNAのエクソン1、4、5、12b、13、15、17、及び21のうちの少なくとも1つを標的とする。

0037

特別な実施形態では、ダイナミン2を特異的に妨害する核酸分子は、以下の配列からなる群より選択される配列を含むか又はそれからなる:
- 配列番号2のiRNA配列: 5'- AAGGACATGATCCTGCAGTTCAT- 3'(又は下記のshRNA配列N°C)、
- 配列番号3のiRNA配列: 5'- AAGAGGCTACATTGGCGTGGTGA- 3'
- 配列番号4のiRNA配列: 5'- AGGTGGACACTCTGGAGCTCTCC - 3'、
- 配列番号5のiRNA配列: 5'- AAGAAGTACATGCTGCCTCTGGA - 3'、
- 配列番号6のiRNA配列: 5'-AACGTCTACAAGGACCTGCGGCA- 3'、
- 配列番号7のiRNA配列: 5'-AGGAGAACACCTTCTCCATGGAC - 3'、
- 配列番号8のiRNA配列: 5'- AACTGTTACTATACTGAGCAG - 3'、
- 配列番号9のiRNA配列: 5'- TGCCAACTGTTACTATACT - 3'、
- 配列番号10のiRNA配列: 5' - GAAGAGCTGATCCCGCTGG -3'
- 配列番号11のiRNA配列: 5' - GCACGCAGCTGAACAAGAA -3'
- 配列番号12のiRNA配列: 5' -GGACTTACGACGGGAGATC-3'
- 配列番号13のiRNA配列: 5' -GGATATTGAGGGCAAGAAG-3'
- 配列番号14のiRNA配列: 5'-GGACCAGGCAGAAAACGAG-3'
- shRNA 15のiRNA配列: 5' - GCGAATCGTCACCACTTAC-3'

0038

0039

アンチセンス核酸も、ダイナミン2の発現を下方制御するのに利用可能である。アンチセンス核酸は、ダイナミン2をコードするセンス核酸の全部又は一部に対して相補的、例えば二本鎖cDNA分子コーディングストランドに相補的又はmRNA配列に相補的であり得るが、また、これは標的mRNAの翻訳を妨害すると考えられる。本発明で用いられるアンチセンス核酸は、ダイナミン2の発現を特異的に妨害する。

0040

一実施形態によれば、アンチセンス核酸は、ダイナミン2をコードする標的mRNAに相補的なRNA分子である。

0041

別の実施形態によれば、アンチセンスヌクレオチドとは、DNAであるか又はRNAであるかを問わず、一本鎖核酸配列を意味し、ダイナミン2をコードするプレ-mRNAの一部に対して相補的である。特に、本発明のアンチセンスヌクレオチドは、ダイナミン2プレ-mRNA内のスプライスアクセプター(SA)部位、及び/若しくはエクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、及び/若しくは分岐点、並びに/又はプレ-mRNAスプライシングを調節し得る任意の配列を遮断するように設計される、すなわち、SA、ESE、分岐点配列を含むダイナミン2プレ-mRNA、又はプレ-mRNAスプライシングを調節し得る任意の配列の一部分に対して相補的なように設計される。より具体的には、アンチセンスヌクレオチドは、ダイナミン2プレ-mRNA内で、エクソンスキッピングを誘発するのに用いられ、これにより、得られたmRNA内で、未成熟終止コドンを含有するトランケーションされたcDNAを生成するフレームシフトを引き起こす。従って、この戦略は、DNM2タンパク質の濃度低下を可能にする。特別な実施形態では、アンチセンスヌクレオチドは、ダイナミン2プレ-mRNA内でエクソンスキッピングを誘発するのに用いられる。例えば、導入されるアンチセンスヌクレオチドは、エクソン2又はエクソン8のスキッピングを特異的に誘発するように設計される。特別な実施形態では、本発明のアンチセンスヌクレオチドは、ヒトDNM2 mRNA内に、未成熟終止コドンの組み入れを誘発することができる。エクソン2又はエクソン8のスキッピングは、ダイナミン2タンパク質の欠損を引き起こすことが判明した(「Reducing dynamin 2 expression rescues X-linked centronuclear myopathy」、CowlingBS、Chevremont T、Prokic I、Kretz C、Ferry A、Coirault C、Koutsopoulos O、Laugel V、Romero NB、Laporte J.、J Clin Invest. 2014年3月3日;124(3):1350〜63頁。doi:10.1172/JCI71206. Epub 2014年2月24日;及びTinelli E、Pereira JA、Suter U. Hum Mol Genet. 2013年11月1日;22(21):4417〜29頁。doi:10.1093/hmg/ddt292. Epub 2013年6月27日に記載の通り)。

0042

特別な実施形態では、アンチセンスヌクレオチドは、DNM2エクソン2又はエクソン8のスキッピングを特異的に誘発するように設計され、また下記の配列:
下記の配列:配列番号26:GTCACCCGGAGGCCTCTCATTCTGCAGCTCを含むU7-Ex2(アンチセンスU7 snRNAを含むDNM2エクソン2の標的スキッピング):
下記の配列:配列番号27: ACACACTAGAGTTGTCTGGTGGAGCCCGCATCAを含むU7-Ex8(アンチセンスU7 snRNAを含むDNM2エクソン8の標的スキッピング):
の1つを含むか又はそれからなる。

0043

アンチセンス核酸は、例えば長さ約5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50ヌクレオチドであり得る。特に、アンチセンスRNA分子は、通常長さ15〜50ヌクレオチドである。本発明で用いられるアンチセンス核酸は、化学合成法、及び当技術分野において公知の手順を利用する酵素ライゲーション反応を用いて構築可能である。特に、アンチセンスRNAは、化学的に合成可能、直鎖状テンプレート(例えば、PCR産物)又は環状のテンプレート(例えば、ウイルス又は非ウイルスベクター)からin vitro転写により生成可能、又はウイルス又は非ウイルスベクターからのin vivo転写により生成可能である。アンチセンス核酸は、安定性、ヌクレアーゼ抵抗性、標的特異性が増強され、また生理学的特性が改善するように修飾を受け得る。例えば、アンチセンス核酸は、修飾されたヌクレオチド又は/及びアンチセンス核酸とセンス核酸との間で形成される二本鎖の物理的安定性を高めるように設計された骨格を含み得る。

0044

本発明の文脈において、「リボザイム」は、リボヌクレアーゼ活性を有する触媒性のRNA分子であり、mRNA等の一本鎖の核酸を切断する能力を有し、当該mRNAに対して相補的な領域を有する。従って、リボザイムは、mRNA転写物を触媒的に切断するのに利用可能であり、これによりmRNAによりコードされるタンパク質の翻訳を阻害する。機能性のダイナミン2に対して特異的なリボザイム分子は、当技術分野にとって一般的に公知の方法により設計、生成、及び投与可能である(例えば、Fanning and Symonds(2006)RNA Towards Medicine(Handbook of Experimental Pharmacology)、Springer編、289〜303頁を参照)。

0045

ゲノム編集も、本発明に基づくツールとして利用可能である。ゲノム編集は、遺伝子工学一種であり、人為的に工学的に操作されたヌクレアーゼ又は「分子はさみ」を用いて、DNAが挿入、置換、又はゲノムから除去される。ヌクレアーゼは、ゲノム内の所望の場所において、特異的二本鎖切断(DSB)を形成し、細胞の内因性機構を利用して、相同的組換え(HR)及び非相同末端結合(NHEJ)の本来のプロセスにより誘発された切断を修復する。現在のところ、工学的に操作されたヌクレアーゼについて4つのファミリーが用いられる:ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、CRISPR/Casシステム(より具体的にはP. Maliらが、Nature Methods、10巻10号、2013年10月に記載するような、Cas9システム)、又は工学的に操作されたメガヌクレアーゼの工学的に再構成されたホーミングエンドヌクレアーゼ。前記ヌクレアーゼは、DNA又はmRNAとして細胞に送達可能であり、かかるDNA又はmRNAは、本発明に基づきDNM2遺伝子を標的とするように工学的に操作される。一実施形態によれば、ダイナミン2阻害剤は、DNM2遺伝子を標的とし、ゲノム編集療法を用いてヌクレアーゼを送達するように工学的に操作されたDNA若しくはmRNAである、又はゲノム編集療法を用いてDNM2を標的とするように工学的に操作されたヌクレアーゼである。

0046

本発明に基づき用いられる、上記で定義したヌクレオチドは、DNA前駆体、又はこれをコードする分子の形態で投与され得る。

0047

In vivoで用いる場合、本発明のヌクレオチドは、リン酸塩骨格の修飾等の化学修飾(例えば、ホスホロチオエート結合)により、安定化し得る。本発明のヌクレオチドは、遊離した(の)形態で投与可能、若しくは安定性を高める、及び/若しくは例えばリポソームを標的とする送達システムの利用により投与可能、又はその他の媒体、例えばヒドロゲルシクロデキストリン生分解性ナノカプセル生体付着性ミクロスフェア、若しくはタンパク質性ベクター等に組み込み可能、又はカチオン性ペプチドと併用可能である。また、本発明のヌクレオチドは、生物模倣型の細胞貫通ペプチドに連結させることも可能である。本発明のヌクレオチドは、その前駆体又はこれをコードするDNAの形態でも投与可能である。ヌクレオチドの化学的に安定化したバージョンには、「モルホリノ類」(ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー- PMO)、2'-O-メチルオリゴマー、AcHN-(RXRRBR)2XBペプチド-タグ化PMO(R、アルギニン、X、6-アミノヘキサン酸、及びB、(登録商標)-アラニン)(PPMO)、トリシクロ-DNA、又は小型の核(sn)RNAも含まれる。この効果に利用可能であるヌクレオチドの後者の形態は、U1、U2、U4、U4atac、U5、U7、U11、及びU12(又はその他のUsnRNP)、好ましくはU7snRNA (配列番号26及び27にて上記識別した通り)を含む小核RNA分子であり、特にレンチウイルス、レトロウイルス、又はアデノ関連ウイルスに基づく、但しこれらに限定されないウイルス移送法と併用される。これらすべての技法は、当技術分野において周知されている。

0048

本発明のダイナミン2の発現を特異的に妨害する核酸分子は、in vivoにおいて単独で又はベクターと関連して送達可能である。広義には、「ベクター」とは、ヌクレオチドを細胞、好ましくはDNM2を発現する細胞に移動させるのを促進する能力を有するあらゆる媒体である。好ましくは、ベクターは、ベクターが存在しないときに生じる分解の程度と比較して、それよりも分解を低減した状態で、ヌクレオチドを細胞に輸送する。一般的に、本発明で有用なベクターとして、プラスミド、ファージミド、ウイルス、及び本発明のヌクレオチドの挿入又は組み込みにより操作されたウイルス源又は細菌源に由来するその他の媒体が挙げられるが、但しこれらに限定されない。ウイルスベクターは、好ましい種類のベクターであり、下記のウイルスに由来する核酸配列が挙げられるが、但しこれらに限定されない:HIV-1等のレンチウイルス、モロニーマウス白血病ウイルス等のレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス;SV40-型ウイルス; HSV-1等のヘルペスウイルス、及びワクシニアウイルス。本明細書では扱わないが、当技術分野において公知のその他のベクターも容易に利用可能である。臨床用途について確認されており、ヌクレオチドを送達するのに利用可能であるベクターの中でも、レンチウイルス、レトロウイルス、及びアデノ関連ウイルス(AAV)は、エクソンスキッピング戦略に関してより多くの可能性を示す。

0049

本明細書で用いる場合、用語「抗体」は、あらゆる免疫結合剤(immunologic binding agent)、例えばIgGIgMIgAIgD、及びIgE、及びヒト化抗体、又はキメラ抗体等を幅広く指すように意図されている。特定の実施形態では、IgG及び/又はIgMは、生理学的状況において最も一般的な抗体であり、またその製造は最も容易なので、これらが好ましい。用語「抗体」は、抗原結合領域を有するあらゆる抗体様分子を指すのに用いられ、抗体フラグメント、例えばFab'、Fab、F(ab')2、単一ドメイン抗体(DAB)、Fv、scFv(単鎖Fv)等を含む。様々な抗体ベース構築物及びフラグメントを調製及び利用する技法は、当技術分野において十分に周知されている。抗体を調製し、また特徴づける手段も、当技術分野において十分に周知である(例えば、Harlow, E.及びLane, D.(1988)Antibodies: A Laboratory Manual編, Cold Spring Harbor Laboratoryを参照)。

0050

ヒト化」抗体は、1つ又は複数のヒト免疫グロブリン定常及び可変フレームワーク領域が、動物免疫グロブリンの結合領域、例えばCDRと融合した抗体である。本発明で検討対象となる「ヒト化」抗体は、ヒト定常及び/又は可変領域ドメイン、二重特異性抗体、組換え及び工学的に操作された抗体、及びそのフラグメントを担持するマウス、ラット、又はその他の種に由来するキメラ抗体である。かかるヒト化抗体は、結合領域の起源である非ヒト抗体の結合特異性は維持されるが、非ヒト抗体に対する免疫反応は回避されるように設計される。

0051

「キメラ抗体」とは、(a)抗原結合部位(可変領域)が、異なる又は改変されたクラス、エフェクター機能、及び/若しくは種の定常領域、又はキメラ抗体に新規特性を付与する完全に異なる分子、例えば酵素、毒素ホルモン増殖因子、薬物等と結合するように、定常領域又はその一部分が改変、置換、又は交換されている抗体分子;或いは(b)可変領域又はその一部分が、改変され、異なる又は改変された抗原特異性を有する可変領域と置換、又は交換されている抗体分子である。

0052

ダイナミン2に向けられた抗体は市販されており、例えばNovus Biologicals社:カタログ番号:ダイナミン2抗体NB300-617、ダイナミン2抗体NBP2-16244、ダイナミン2抗体(6C9)H00001785-M01、Santa Cruz Biothechnology社:カタログ番号: sc-81150、sc-6400、sc-166525、sc-166669、sc-166526、BD-Biosciences社:抗-DNM2(マウスab、610264)、又はIGBMC-Illkirch社:抗-DNM2: R2679、R2680、R2865、R2866、R2640、又はR2641より販売又は製造されている抗体等が挙げられる。

0053

別の特別な実施形態では、ダイナミン2阻害剤は、ダイナミン2の酵素活性又は機能を阻害する小分子である。

0054

本明細書で用いる場合、用語「ダイナミン2の活性、発現又は機能を阻害する小分子」とは、小分子を意味し、ダイナミン2の活性、発現又は機能を阻害する又は低減する能力を有する、通常1000ダルトン未満の有機化合物又は無機化合物であり得る。この小分子は、任意の既知の生物(動物、植物、細菌、菌類、及びウイルスを含むがこれらに限定されない)、又は合成分子のライブラリに由来し得る。ダイナミン2の活性、発現又は機能を阻害する小分子は、本書に記載する方法を用いて識別され得る。

0055

ダイナミン阻害剤は、Harper CBら、TrendsCell Biol. 2013年2月;23(2):90〜101頁. Review.に記載されている。特別な実施形態では、かかる分子は、下記からなる群より選択される:
-ダイナソール(Dynasore)(ダイナミン1及びダイナミン2の非競合的細胞透過性セミカルバゾン化合物阻害剤-CAS番号304448-55-3)、その化学名は、3-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸(3,4-ジヒドロキシベンジリデン)ヒドラジドであり、
-ヒドロキシ-ダイナソール(ダイナミン2の極めて強力な阻害剤(IC50=2.6μM))(ヒドロキシ-ダイナソールは、細胞透過性のヒドロキシル化された、CAS番号1256493-34-1のダイナミン阻害剤ダイナソールの類似体である)、その化学名は、3-ヒドロキシ-N'-[(2,4,5-トリヒドロキシフェニル)メチリデン]ナフタレン-2-カルボヒドラジドであり、
-テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CAS番号1119-97-7)、製品名MiTMAB(商標)(ab120466)としてAbcam社より販売されている(細胞透過性ダイナミン1及びダイナミン2阻害剤(ダイナミンIIを阻害する場合、IC50=8.4μM))。これは、プレクストリン相同性(PH)(脂質結合)ドメインを標的とする。これは、受容体-媒介型でシナプス性の小胞エンドサイトーシスを阻害し(IC50値は2.2μM)、
-フタラジン(Phthaladyn)-23(ダイナミン2GTPase活性を阻害することが報告されている細胞透過性フタルイミド化合物(IC50=63μM))、フタラジン-23の化学名は、4-クロロ-2-((2-(3-ニトロフェニル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-カルボニル)-アミノ)-安息香酸であり、
- ダイノール(Dynole)34-2、これは、ダイナミン阻害剤V(scbt.com)であり、GTPase活性に作用し、GTPに対して非競合的であり、ダイノール34-2の化学名は、2-シアノ-N-オクチル-3-[1-(3-ジメチルアミノプロピル)-1H-インドール-3-イル]アクリルアミドであり、
- M-divi 1(ミトコンドリア分裂阻害剤(mitochondrial division inhibitor)、IC50=10μM)(scbt.com)、M-divi- 1の化学名は、3-(2,4-ジクロロ-5-メトキシフェニル)-2-スルファニルキナゾリン(sulfanylquinazolin)-4(3H)-オンであり、
-イミノジン(Iminodyn)-22/17(scbt.com)(イミノジン22: IC50=390nMは、GTPaseのアロステリック部位に作用し、GTPに関して非競合的拮抗作用を示す)、イミノジン22の化学名は、N,N'-(プロパン-1,3-ジイル)ビス(7,8-ジヒドロキシ-2-イミノ-2H-クロメン-3-カルボキサミド)であり、イミノジン17の化学名は、N,N'-(エタン-1,2-ジイル)ビス(7,8-ジヒドロキシ-2-イミノ-2H-クロメン-3-カルボキサミド)である。
- OcTMAB、すなわちオクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド(abcam.com)、これはPHドメインを標的とし、
- ダイナミン阻害ペプチド(Tocris Biosciences社1774):アミノ酸配列: QVPSRPNRAPを有し、
-ディンゴ(Dyngo)-4a(IC50 -2.5μM)、これは、GTPaseアロステリック部位に作用する、ディンゴ-4aの化学名は、3-ヒドロキシ-N'-[(2,4,5-トリヒドロキシフェニル)メチリデン]ナフタレン-2-カルボヒドラジドであり、
-RTIL-13(IC50 -2.3μM)、これはPHドメインを標的とするノルカンタリジン(norcantharidin)スキャフォールドであり、RTIL-13の化学名は、4-(N,N-ジメチル-N-オクタデシル-N-エチル)-4-アザ-10-オキサトリシクロ-[5.2.1]デカン-3,5-ジオンブロミドである。

0056

ダイナミン2阻害剤の使用
本発明は、上記で定義したようなダイナミン2阻害剤を治療上有効な量、それを必要としている患者に投与することにより、中心核ミオパシーを治療する方法、及び中心核ミオパシー治療におけるかかるダイナミン2阻害剤の使用に関する。また、本発明は、中心核ミオパシーを治療するための医薬組成物の製造におけるダイナミン2阻害剤の使用にも関する。本発明は、中心核ミオパシーの治療における使用のためのダイナミン2阻害剤に関する。

0057

更に、本発明は、特に中心核ミオパシーの治療における使用のためのダイナミン2阻害剤、及び任意選択的に薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。

0058

本発明の特別な実施形態では、治療の対象となる疾患は、X連鎖CNM(XLCNM)、常染色体劣性CNM(ARCNM)、及び常染色体優性CNM(ADCNM)からなる群より選択される。より具体的な好ましい実施形態では、中心核ミオパシーは、XLCNM(筋細管ミオパシーとも呼ばれる)又はARCNMである。別の特定の実施形態では、中心核ミオパシーは、BIN1突然変異に起因する中心核ミオパシーであり、前記病理学は、劣性又は優性の中心核ミオパシーであり得る。

0059

本明細書で用いる場合、用語「治療上有効な量」とは、中心核ミオパシーの治療を構成するのに十分な、患者に投与される治療薬の量であることが意図される。特別な実施形態では、投与される治療上有効な量は、ダイナミン2の発現、活性、又は機能を、正常レベル同等、又は好ましくは正常レベル未満まで低減するのに十分な量である。正常レベルは、中心核ミオパシーを呈さない対象のダイナミン2の発現、活性、又は機能である(例えば、図1に示す通り)。投与されるダイナミン2阻害剤の量は、当業者により周知されている標準手順により決定することができる。適する用量を決定するには、患者の生理学的データ(例えば、年齢、サイズ、及び体重)、投与経路、及び治療の対象となる疾患を考慮し、任意選択的に中心核ミオパシーを呈さない対象と比較しなければならない。当業者は、投与すべきダイナミン2阻害剤の量、又はダイナミン2の発現を特異的に妨害する核酸を含有する又は発現するベクターの量は、望ましくない中心核ミオパシー症状の改善を誘発するのに十分な量であることと認識する。かかる量は、特に選択されたダイナミン2阻害剤、性別、年齢、体重、患者の全身状態等の要因に応じて変化し得るが、状況に応じて決定され得る。当該量は、治療プロトコールのその他の構成要素(例えば、その他の薬剤の投与等)によっても変化し得る。一般的に、ダイナミン2阻害剤が核酸の場合、適する用量は、約1mg/kg〜約100mg/kgの範囲であり、また約2mg/kg/日〜約10mg/kgがより一般的である。ウイルスに基づく核酸送達法が選択される場合には、適する用量は、異なる要因、例えば採用されたウイルス、送達経路(筋肉内、静脈内、動脈内等)に依存し、一般的にウイルス粒子10-9〜10-15個/kgの範囲であり得る。阻害剤が、ダイナミン2の活性、発現又は機能を阻害する小分子の場合には、各単位用量は、例えば体重1kg当たり2〜300mg、特に体重1kg当たり5〜100mgを含み得る。阻害剤が抗体の場合には、各単位用量は、例えば体重1kg当たり0.1〜20mg、特に体重1kg当たり4〜10mgを含み得る。当業者は、かかるパラメーターは、臨床試験期間中に通常は算出されるものと認識する。更に、当業者は、疾患の症状が本明細書に記載される治療法によって完全に緩和され得る一方で、必ずしもそう
である必要はないと認識する。症状が部分的又は間欠的に緩和する場合でも、それは被治療者にとって極めて有益であり得る。更に、患者の治療は、単回事象であり得る、又は患者は、ダイナミン2阻害剤を複数回投与されるが、それは、得られた結果に応じて、数日間隔、数週間間隔、又は数ヶ月間隔、又は数年間隔でさえもあり得る。

0060

本発明の医薬組成物は、当業者により公知の標準医薬実践法に基づき処方化される(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy(第20版)、A. R. Gennaro, Lippincott Williams & Wilkins編、2000、及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technology、J. Swarbrick及びJ. C. Boylan編、1988〜1999頁、Marcel Dekker、New Yorkを参照)。

0061

考え得る医薬組成物には、経口、直腸内、内、粘膜局所的(経皮頬側、及び下を含む)投与、又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、及び皮内を含む)投与に適する医薬組成物が含まれる。これらの処方物では、従来型の添加剤が、当業者により周知の技法に基づき利用可能である。

0062

より具体的には、局所的な治療効果を提供するために、特定の筋肉投与経路が好ましい。特に、筋肉内投与が好ましい。

0063

本発明による医薬組成物は、投与され次第実質的に速やかに、又は任意の事前に決定された時刻若しくは投与後の時刻において、実薬を放出するように処方化され得る。

0064

本発明の文脈において、用語「治療」とは、治癒的対症的、及び予防的治療を意味する。本明細書で用いる場合、用語、疾患の「治療」とは、対象(又は患者)の寿命を延長するように意図したあらゆる作用、例えば疾患進行の治療及び遅延等を意味する。治療は、疾患を根絶して疾患の進行を止める、及び/又は疾患の後退を促進するように設計され得る。また用語、疾患の「治療」とは、筋緊張低下症及び筋無力症等の疾患と関連した症状を低減するように意図されたあらゆる作用も意味する。より具体的には、本発明に基づく治療は、特に筋原線維の組織化、トライアド構造、及び/又は核の位置を含め、筋線維の細胞内組織化を回復させることにより、中心核ミオパシーの表現型又は症状の出現を遅延させる、運動及び/又は筋肉の挙動及び/又は寿命を改善するように意図されている。

0065

治療する対象(又は患者)は、任意の哺乳動物、好ましくはヒトである。好ましくは、対象はヒト患者であり、その年齢又は性別を問わない。新生児幼児小児も含まれる。

0066

ダイナミン2阻害剤のスクリーニング
本発明は、中心核ミオパシー、好ましくはXLCNMの治療で有用な分子を、かかる分子がダイナミン2の発現、活性、及び/又は機能を阻害する能力に基づき、識別又はスクリーニングする方法にも関係する。

0067

特に、本発明は、
a)候補化合物を提供又は取得する工程と;
b)前記候補化合物が、ダイナミン2の活性、機能及び/又は発現を阻害するか判定する工程と
を含むスクリーニング方法であって、
c)前記候補化合物が、前記ダイナミン2の発現、機能、又は活性を阻害する能力を有すれば、前記候補化合物は、それが中心核ミオパシーの治療にとって有用であり得ることが示唆される、方法について説明する。

0068

本方法の枠組み内で試験される候補化合物は、あらゆる分子的性質を有し得るが、同化合物は、例えば化学分子(好ましくは小分子)、抗体、ペプチド、ポリペプチド、アプタマー、siRNA、shRNA、snRNA、センス若しくはアンチセンスオリゴヌクレオチド、又はリボザイムに対応し得る。

0069

前記候補化合物のダイナミン2の発現、活性、又は機能を阻害する能力は、当業者にとって公知のあらゆる方法、例えば上記において識別された方法、又は実施例に記載されている方法等を用いて試験され得る。

0070

中心核ミオパシーの治療に適する分子をスクリーニング又は識別する方法は、任意選択的に、選択された分子を中心核ミオパシーの非ヒト動物モデル又はその一部分(組織又は細胞、例えば筋肉組織又は細胞等)にin vivo又はin vitroで投与する工程、及びミオパシーの発症又は進行に対する効果を分析する工程を更に含み得る。

0071

中心核ミオパシーの非ヒト動物モデルとして、Mtm1エクソン4KOマウス、Mtm1 R69Cノックインマウス、Mtm1タコニック遺伝子トラップ(Mtm1gt/y)、Dnm2ノックインR465Wマウス、Mtm1突然変異ラブラドルトリーバー、Bin1突然変異グレートデーン、又は下記の実施例で用いられるマウスを挙げることができる。

0072

下記の実施例は、説明のために提示され、限定を目的としない。

0073

(実施例1)
材料。用いた一次抗体は下記の通り:マウス抗-DHPRα1(Cav1.1)サブユニット(MA3-920; Affinity Bioreagents社)、α-アクチニン(EA-53、Sigma-Aldrich社)、カベオリン-3(クローン26、BD Biosciences社)、デスミン(Y-20; Santa Cruz Biotechnology社)、及びグリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH、MAB374; Chemicon社)モノクロナール抗体;及びウサギ抗-RYR1(Isabelle Marty、Grenoble Institut des Neurosciences、フランスからの贈呈品)。ウサギ抗-DNM2抗体(R2680及びR2865、Cowling, B.S.ら、2011, Increased expression of wild-type or a centronuclear myopathy mutant of dynamin 2 in skeletal muscle of adult mice leadsto structural defects and muscle weakness, Am J Pathol 178:2224〜2235頁、Increased expression of wild-type or a centronuclear myopathy mutant of dynamin 2 in skeletal muscle of adult mice leads to structural defects and muscle weakness. Am J Pathol 178:2224〜2235頁において特徴づけられる)、及び抗-MTM1(R2827)(Hnia, K.ら、J. 2011. Myotubularin controls desmin intermediate filament architecture and mitochondrial dynamics in human and mouse skeletal muscle. J Clin Invest 121:70〜85頁)は、IGBMC(フランス)にて作製した。Alexa-結合二次抗体は、Invitrogen社から購入した。西ワサビペルオキシダーゼ(HRP)と結合したマウス及びウサギIgGに対する二次抗体は、Jackson ImmunoResearch Laboratories社から購入した。下記の製品を購入した: Hoechst核染色(B2883、Sigma-Aldrich社)、ECL化学発光反応キット(Pierce社)、Lipofectamine(商標)(Life Technologies社)、Tri試薬(Molecular Research Center、Ohio、米国)、SYBR Green 1マスターキット(Roche Diagnostics社)、miScript逆転写キット(Qiagen社)、特異的miScriptプライマーアッセイ(Qiagen社)及びmiScript Sybr greenPCRキット(Qiagen社)。用いた患者対照生体組織AHJ38(1.5ヶ月)、及び39(3.4ヶ月)、MTM1突然変異を有するXLCNM生体組織は、AHJ35(15日)(MTM1- intron 11-10A>GS420_R421insFIG)、及びAHJ36(1m)(MTM1-c.445-49_445-4del)、1(MTM1-p.Leu213Pro)、及び15(MTM1- p.Ileu466dup)、及び患者12129/89(MTM1- p.Val49PhefsX6、未発表)であった。

0074

Dnm2異型接合マウスの作製。標的ベクターを、Dnm2のエクソン8に隣接するLoxP部位を用いて作成し(図10)、次に直鎖状にして、胚性(ES)細胞にエレクトロポレートした。組換えES細胞を、偽妊娠メスに埋め込んだC57BL/6胚盤胞内に注射し、ジャームライントランスミッションを確認した。繁殖させ、分析したマウスは129pas系統であった(CMVプロモーター)。

0075

Mtm1-/y / Dnm2異型接合マウスの作製。Mtm1-/yマウスの構築及び特徴付けは、これまでに記載されている(Buj-Bello, A.ら、2002. The lipid phosphatase myotubularin is essential for skeletal muscle maintenance but not for myogenesis in mice. Proc Natl Acad Sci U S A 99:15060〜15065頁; Al-Qusairi, Lら、2009. T-tubule disorganization and defective excitation-contraction coupling in muscle fibers lacking myotubularin lipid phosphatase. Proc Natl Acad Sci U S A 106:18763〜18768頁)。メスの異型接合Mtm1マウス129pas系統をオスのDnm2異型接合マウスと共に繁殖させて、オスの子孫において4つの考え得る遺伝子型を生成した: Mtm1+/yDnm2+/+(WT); Mtm1+/yDnm2+/-(Dnm2+/-); Mtm1-/yDnm2+/+(Mtm1-/yと呼ぶ);及びMtm1-/yDnm2+/-。分析したマウスは、いずれもオスであった。

0076

Mtm1-/yDnm2skm+/-及びMtm1-/yDnm2(i)skm+/-マウスの作製。ヒト骨格筋α-アクチン(HSA-Cre)C57BL/6及びHSA Cre-ERT2マウスは、IGBMC(フランス)から入手した(Schuler, M.ら、2005. Temporally controlled targeted somatic mutagenesis in skeletal muscles of the mouse. Genesis 41:165〜170頁; Miniou, P.ら、1999. Gene targeting restricted to mouse striated muscle lineage. Nucleic AcidsRes 27:e27)。LoxP配列が導入されたDnm2+/-マウスを、HSA-Creマウス及びHSA Cre-ERT2と共に繁殖させて、それぞれCre-陽性のDnm2skm+/-及びDnm2skm(i)+/-マウスを生み出した。オスのDnm2skm+/-又はDnm2(i)skm+/-マウスを、メスのMtm1+/-マウスと繁殖させた。下記の遺伝子型を有するオスの子孫を分析した;系統1: Mtm1+/yDnm2+/+(WT)、Mtm1-/yDnm2+/+(Mtm1-/y)、Mtm1-/yDnm2skm+/-;及び系統2: Mtm1+/yDnm2+/+(WT)、Mtm1-/yDnm2+/+(Mtm1-/y)、Mtm1-/yDnm2+/-HSA-Cre-ERT2タモキシフェン誘導性(Mtm1-/yDnm2(i)skm+/-)マウス。出生後にDnm2の切り出しを誘発するために、3週齢のマウスに、タモキシフェン1mg(濃度1mg/100μl)を毎日、3日間注射した。すべてのマウスを16週齢で絶命せしめた。分析したマウスは、いずれもオスの、50% 129pas系統(Mtm1-/y)、50% C57BL/6系統(HSAプロモーター)マウスであった。

0077

動物実験。動物を、12:12時間の明光/暗光サイクルで、温度管理された室内(19〜22℃)に収容した。マウスを、1歳になるまで、毎週秤量した。必要な場合には、動物実験法に関する国内及び欧州の法令に基づき、CO2吸入後の頸椎脱臼によりマウスを人道的に殺傷した。筋肉及びその他の組織(TEMで必要な場合には麻酔下でTA筋)を切除し、これを窒素冷却イソペンタン中及び液体窒素中で、組織学アッセイ用及びイムノブロットアッセイ用として、それぞれ凍結した。

0078

Dnm2+/-マウスの表現型分析。10〜15週齢のDnm2異型接合のオス及びメスのマウスについて、EUMODIC表現型分析プログラム(http://www.eumodic.eu/)に基づき、その表現型を分析し、結果を公表した(http://www.europhenome.org/)。オスのマウス(1群当たりn=10)について、本明細書に提示する血液化学、ECG測定、Dexaスキャン、及び筋電図検査は、EUMODIC表現型分析プログラムのパイプライン1及び2の一環として、Institut Clinique de la Souris(ICS、Illkirch、フランス、http://www.ics-mci.fr/)にて実施した。

0079

ストリング、グリップ(2及び4肢)、ハンギング、ロータロッド、及びフットプリント試験。ストリング試験:マウスの前肢をワイヤーに懸架し、後肢がワイヤーまで登上するまで20秒間放置した。マウス1匹当たり3トライアルを、トライアル間で5分間の休憩を設けながら実施した。落下は、20秒とみなした(1群当たりn=最低5匹のマウス)。グリップ強度試験:動力計(Bioseb社、Chaville、フランス)のグリッド上に2前肢又は4肢すべてを配置して実施し、マウスの尾部を反対方向に引っ張った。グリップを失うまでマウスが示した最大強度を記録した。マウス1匹当たり3トライアルを、トライアル間で30秒の休憩を設けながら実施した(2肢の試験、1群当たりn=最低5匹のマウス;4肢試験、1群当たりn=5〜7匹のマウス)。ハンギング試験:マウスをケージ蓋に最長60秒間懸架した。マウスがケージから落下するまでの時間をトライアル毎に記録した。マウス1匹当たり3トライアルを実施した。ロータロッド試験:整合及び全身筋肉強度及び疲労性を、加速回転ロッド試験(accelerated rotating rod test)装置(Panlab社、Barcelona、スペイン)を用いて試験した。マウスを、5分間に4から40rpmまで加速したロッド上に配置した。1日3トライアルを、トライアル間で5分間の休憩を設けながら、1日目(訓練日)、次に4日間実施し、これを記録した。動物を、落下するまで持ちこたえる時間についてスコア化した(秒表示)。3トライアルの平均値を、上記実験毎に計算した(1群当たりn=5〜7のマウス)。フットプリント試験:マウスの後肢を、無毒インクコーティングし、紙を敷いたトンネル(長さ50cm、幅9cm、高さ6cm)を通じて、マウスを歩行させた。次に、ImageJ解析プログラムを用いて、付けられた足跡パターンから、後肢間の角度を測定した。マウス1匹当たり、最低6つの足跡を分析した(1群当たりn=5〜8匹のマウス)。

0080

プレチスモグラフ測定。この試験は、非拘束刺激状態のマウスを対象に、自発的呼吸パターンを測定するのに用い、またICS、Illkirch、フランスにて、全身気圧プレチスモグラフ(barometric plethysmograph)(EMKA Technologies社)を用いて実施した(1群当たりn=3〜5匹のマウス)。

0081

TA筋収縮特性。筋力測定を、これまでの記載に従い、神経及び筋肉刺激応答した筋等長収縮をin situ測定して評価した(Cowling, B.S.ら、2011 Am J Pathol 178:2224〜2235頁; Vignaud, A.ら、2005年、Exp Physiol 90:487〜495頁; Vignaud, A.ら、J Biomed Biotechnol 2010年:724914頁)。神経刺激による結果を示す(1群当たりn=5〜11匹のマウス)。疲労を、生み出された最大力の50%に達するのに要する時間として測定した。収縮測定後、動物を頸椎脱臼により絶命せしめた。次に、TA筋を切除し、秤量して比最大力を求めた。

0082

横隔膜筋収縮特性。これまでの記載に従い(50)、横隔膜等尺性収縮を、横隔膜前縁(costal diaphragm)の腹側部から得た筋肉ストリップについて評価した。要するに、マウス1匹当たり2つの筋肉ストリップをin situで切除した。各筋肉を、Krebs-Henseleit溶液を含有する組織チャンバー内に浸漬した。溶液を95% O2-5% CO2の混合気体バブリングし、27℃、pH 7.4で維持した。筋肉末端部を、スプリングクリップで保持し、そして電磁力トランスジューサに取り付けた。2つの白金電極を筋肉に対して並行に配置し、そして電気刺激を1m秒間送達することにより、横隔膜ストリップに電気刺激を与えた。力-収縮頻度曲線を求めた。絶対最大力は、刺激周波数100Hz、刺激時間(train duration)400m秒のときに実現した。実験終了時に、筋肉比重を1.06と仮定し、最適な筋肉長さ(Lo)に対する筋肉質量の比から各筋肉断面積(mm2表示)を計算した。総等尺ピーク力(isometric peak force)を、断面積に基づき標準化して、総張力をmN.mm-2で得た(1群当たりn=3〜5匹のマウス)。

0083

ウェスタンブロッティング。マウス筋肉を切り刻み、1% NP-40トリス-Clバッファー、pH8の容積に対して10倍の質量を、上にて、3×30秒間ホモジナイズし(Ultra Turraxホモジナイザー)、次に4℃で30分間抽出した。タンパク質濃度を、DCタンパク質アッセイキット(Bio-Rad Laboratories社)を用いて求め、溶解物をSDS-PAGEにより分析し、そしてニトロセルロースメンブレン上でウェスタンブロッティングした。用いた一次抗体は、DNM2-R2680(1:500)、DNM2-R2865(1:500)、MTM1-R2827(1:500)、及びGAPDH(1:10,000)であった;二次抗体は、抗-ウサギHRP又は抗マウスHRP(1:10,000)であった。ウェスタンブロットフィルムをスキャンし、ImageJソフトウェア(Rasband、W.S.、ImageJ、米国国立衛生研究所、Bethesda、Maryland、米国、http://rsb.info.nih.gov/ij/、1997-2009)を用いて、バンド強度を求めた。デンシトメトリー値を、対応する総GAPDH値に対して標準化し、そして列記する対照と比較して、その差異をX倍として表した(1群当たりn=5〜7匹のマウス)。

0084

qRT-PCR解析。Tri試薬(Molecular Research Center、Ohio、米国)を用いて、全RNAを、8週齢の前脛骨筋骨格筋溶解物から抽出し、逆転写し、そしてOligo dTプライマーを用いて増幅した。次にLightcycler 480(Roche Diagnostics社、Meylan、フランス)を使用して、リアルタイム定量的RT-PCRを実施したが、その際DNM2プライマー(フォワードプライマーCCAACAAAGGCATCTCCCCT(配列番号28);リバースプライマーTGGTGAGTAGACCCGAAGGT (配列番号29))及び標準としてGAPDHmRNAと共にSYBR Green 1マスターキット(Roche Diagnostics社)を用いた。結果を対応する総GAPDH値に標準化し、WT同腹子対照と比較して、その差異をX倍として表した(1群当たりn=2〜3匹のマウス、3連での測定)。

0085

骨格筋の組織学及び免疫蛍光分析。マウス骨格筋の縦及び横の低温切片(8μm)を、調製、固定化し、そしてDHPRα1(1:100)、RYR1(1:200)、α-アクチニン(1:1,000)、カベオリン-3(1:1000); DNM2-R2680(1:200)、MTM1-R2827(1:200)、及びデスミン(1:100)に対する抗体で染色した。核を、Hoechst(Sigma-Aldrich社)で10分間共染色して検出した。サンプルを、レーザー走査型共焦点顕微鏡(TCSSP5; Leica Microsystems社、Mannheim、ドイツ)を用いて観察した。風乾した横断面を固定し、ヘマトキシリンとエオシン(HE)、又はコハク酸デヒドロゲナーゼ(SDH)で染色し、そして画像取得を、蛍光モジュールL11600-21(浜松ホトクス株式会社、日本)を備えたスライドスキャナーNanoZoomer 2HT、又はDMRXA2顕微鏡(Leica Microsystems Gmbh)を用いて実施した。FIJI画像解析ソフトウェアを用いて、断面積(CSA)をTAマウス骨格筋から得たHE断面において分析した。1群当たり4〜7匹のマウスから、CSA(μm2)を計算した(マウス1匹当たり>500本の線維)。4〜6匹のマウスから得た>500本の線維について、核が中心に偏在化した又は内部に移行したTA筋肉線維の割合(%)を、ImageJ画像解析ソフトウェア内の細胞カウンタプラグインを用いて計測した。

0086

透過型電子顕微鏡。マウスに、体重1グラム当たり10μlのケタミン(20mg/ml、Virbac社、Carros、フランス)及びキシラジン(0.4%、Rompun、Bayer社、Wuppertal、ドイツ)を腹腔内注射して、これを麻酔した。TA筋生体組織を、0.1Mのカコジレートバッファー(pH7.2)に溶解した2.5%グルタルアルデヒドで固定し、そしてこれまでの記載に従い処理した(Buj-Bello, A.ら、2002、Proc Natl Acad Sci U S A 99:15060〜15065頁; Cowling, B.S.ら、2011、Am J Pathol、178:2224〜2235頁)。筋肉の縦断面においてトライアド構造を識別し、1サルコメア当たりのトライアドの数を定量した。トライアド/サルコメアの比は、これまでの記載に従い、明確に識別されたトライアドの数を、画像中に存在するサルコメアの合計数割り算して計算した(Amoasii, L.ら、2012年、PLoS Genet 8:e1002965)。40〜80個のトライアドを、マウス1匹毎に計測した。

0087

顕微鏡検査及び統計分析。すべての顕微鏡検査を、IGBMC画像センターで実施した。顕微鏡検査用のサンプルすべてをFluorsave試薬(メルク社)に浸漬し、室温で観察した。カラーCCDカメラ(Coolsnap cf colour、Photometrics社)が取り付けられた蛍光顕微鏡(DM4000; Leica Microsystems社)を用いて、光学顕微鏡検査を実施した。共焦点顕微鏡検査を、共焦点レーザー走査型顕微鏡(TCSSP2又はSP5; Leica Microsystems社、Mannheim、ドイツ)を用いて実施した。ImagJ及びFIJI解析ソフトウェアを、画像解析に用いた。統計分析は、別途記載しない限り、独立スチューデントt検定を用いて実施した。p値が<0.05の場合、有意とみなした。

0088

試験承認。動物実験は、施設倫理委員会Com'Eth IGBMC-ICS(2012-128)より承認を受けた。すべてのヒト生体組織は、インフォームドコンセントを取得した後に用いた。

0089

結果
Dnm2異型接合(Dnm2+/-)マウスの作成及び特徴付け。Dnm2の恒常的なノックアウトは、胚形成期間中に早期死亡することがこれまでに明らかになっている(Ferguson, S.M.ら、2009年、Coordinated actions of actin and BAR proteins upstream of dynamin at endocytic clathrin-coated pits. Dev Cell 17:811〜822頁)。Dnm2ノックアウト(Dnm2-/-)マウスは、Dnm2のエクソン8を標的とすることにより作成した(図10)(詳細については方法のセクションを参照)。100匹からは、Dnm2-/-のマウスは全く識別されず、Dnm2-/-は、胎児期に死に至ることが確認された。異型接合(Dnm2+/-)マウスは、メンデル性遺伝の比から期待される通りに識別され、そのようなマウスについて、EUMODIC表現型分析プログラムに基づき更に分析した(更なる詳細については、方法のセクション及びhttp://www.eumodic.eu/ を参照)。基本的な血液化学試験では、尿素(腎臓機能正常の指標)、カルシウム(浸透圧ホメオスタシス)、及び総コレステロール(心血管系疾患不存在の指標)の各濃度について、野生型(WT)と異型接合(Dnm2+/-)マウスの間で差異は認められなかった(図11A)。ECG測定が正常なことから、心臓の電気的活動に変化はないことが示唆された(図11B)。全体的に、WTとDnm2+/-マウスの間で、体重に明白な差異は認められず(図11C)、また貧脂肪組織又は脂肪含有量についても差異は認められなかった(図11D)。基本的な筋肉機能試験を、次に実施した。筋電図試験から、単一の神経伝達速度(SNCV)に差異はないことが判明した(図11E)。前脛骨筋(TA)の筋肉質量は、WTとDnm2+/-マウスの間で類似し(図11F)、またTA筋の絶対最大力若しくは比最大力、又は疲労性に、差異は検出されず(図11G〜I)、全体として、Dnm2+/-マウスは、臨床的及び生理学的にWTマウスと類似し、筋肉機能において検出可能な差異は認められないことが示唆された。

0090

X連鎖中心核ミオパシーにおけるDNM2レベル。XLCNMにおけるDNM2の下方制御について、その治療可能性を調査する前に、DNM2タンパク質濃度を、XLCNM患者由来の筋肉溶解物について、ウェスタンブロット解析によりチェックした(図1A)。試験の対象とされた新生児のXLCNM筋肉生体組織5例に由来するDNM2タンパク質の発現量は、同年齢の対照生体組織と比較して、1.5倍増加していることが識別された(図1B)。XLCNMの動物モデルにおいて、DNM2発現量の増加も認められるか、次に調べた。この試験では、これまでに特徴付けが行われており、またXLCNMを忠実に再現したMtm1-/yマウスを用いた(Buj-Bello, A.ら、2002 Proc Natl Acad Sci U S A 99:15060〜15065頁; Al-Qusairi, L.ら、2009, Proc Natl Acad Sci U S A 106:18763〜18768頁; Amoasii, L.ら、2012,PLoS Genet 8:e1002965)。5週齢のMtm1-/yマウスから得たTA筋肉溶解物は、WT対照同腹子と比較してDNM2レベルに有意な増加を示し(図1C、図D)、DNM2の増加は、XLCNM表現型と関連することが示唆される。DNM2発現量の増加は、横隔膜筋についても認められ(図1E、図F)、またこの筋肉は、組織学的に影響を受けていると思われ、誤局在化した核を含有するより萎縮性の線維が認められる(図1G)。この所見は、Mtm1-/yマウスの死因呼吸器系機能不全であることを示唆する。

0091

DNM2発現量が減少すれば、Mtm1-/yマウスの寿命は大幅に伸びる。Dnm2+/-マウスでは、DNM2を遺伝レベルで50%まで低下させても、検出可能な臨床的又は生理学的な影響は認められない。ダイナミン2の発現量を低下させれば、MTM1突然変異に起因するX連鎖CNMから回復させることが可能か試験するために、Mtm1+/-マウスをDnm2+/-マウスと交配して、Mtm1-/yDnm2+/-のオスの子孫を生み出した。ほとんどのMtm1-/yマウスは、これまでの報告の通り(Buj-Bello, A.ら、2002 Proc Natl Acad Sci U S A 99:15060〜15065頁)1〜3月齢の間に死亡したが、Mtm1-/yDnm2+/-マウスは、すべて少なくとも1年間生存し(図2A)、WTマウスと比較して体重に有意差を認めず(図2B)、DNM2の発現量低下は、Mtm1-/yマウスに認められた早期死亡を救済し得ることを示唆する。絶命させなかったMtm1-/yDnm2+/-マウスは、現在2歳を超えている。Mtm1-/yマウスの約60%がなおも生存していた8週目には、Mtm1-/yDnm2+/-マウスは、一般検査で、WTマウスと区別できなかったが、一方、Mtm1-/yマウスは、運動及び活動に有意な低下を示した。

0092

DNM2タンパク質の発現レベルを調べるために、異なる年齢のいくつかの筋肉から得た溶解物について、ウェスタンブロット解析を実施した。横隔膜筋では、WTマウスと比較して、8週齢(8w)及び6月齢(6m)のいずれにおいても、Dnm2+/-及びMtm1-/yDnm2+/-マウスのにつき、期待通りに、DNM2タンパク質濃度は約50%低下した(図2C)。Mtm1-/yマウスは、8週齢のWTマウスと比較して、横隔膜内でDNM2の増加を示し、5週齢マウスから得られた結果と整合した(図1F)。腓腹筋(図2D)、前脛骨筋(図2E)、及びヒラメ筋(図2F)では、8週齢、16週齢、及び6月齢において、同一の傾向が認められた(図14)。従って、DNM2レベルは、年齢が異なり、筋肉が異なっても、WTマウスと比較して、Mtm1-/yマウスで一様に増加したが、Dnm2+/-及びMtm1-/yDnm2+/-マウスでは一様に低下した。

0093

DNM2タンパク質の発現量の変化は、タンパク質合成の変化に起因するのか、その真否を確認するために、8週齢のTA筋溶解物についてqRT-PCR解析を実施した。Dnm2+/-及びMtm1-/yDnm2+/-の両マウスにおけるmRNADnm2レベルは、WT及びMtm1-/yのマウスと比較して有意に低下し(図2G)、DNM2タンパク質発現量と相関した(図2E)。興味深いことに、WTマウスと比較して、Mtm1-/y筋肉溶解物において、Dnm2mRNA発現量に有意な増加は認められず、Mtm1-/y筋肉におけるDNM2タンパク質の発現量の増加は、転写の増加よりはむしろDNM2の安定化の向上又は分解の低下に起因し得ることが示唆される。

0094

TA筋は、Mtm1-/yマウスにおいて最も影響を受ける筋肉の1つであったので、免疫蛍光解析により、8週齢のマウスから得たTA筋についてMTM1及びDNM2の局在化を調査した。Z線は、α-アクチニン染色により識別されるが、これは比較的乱れのない状態で認められた(図12A)。Mtm1-/y及びMtm1-/yDnm2+/-マウスでは、DNM2はZ線においてα-アクチニンと同時に存在し、比較的乱れのない状態で認められた(図12A)。筋細管は、Mtm1-/y及びMtm1-/yDnm2+/-マウスにおいて、期待通り、わずかにのみ検出可能であった(図12B)。全体として、DNM2の発現量が減少すれば、Mtm1-/yマウスの寿命及び体重は、野生型レベルまで回復する。

0095

Mtm1-/yマウスの筋萎縮は、DNM2発現量を低下させることにより回復する。Mtm1-/yマウスにおけるDNM2発現量の低減効果を更に分析するために、異なる筋肉の質量を測定した。Mtm1-/yマウスについて、収縮の速い腓腹筋を萎縮させたが、1歳まで、分析したMtm1-/yDnm2+/-に萎縮は認められなかった(図2H)。同様に、その他の収縮の速い筋肉のEDL及び足底筋は、Mtm1-/yDnm2+/-マウスでは、WTマウスと比較して、1歳まで萎縮を示さなかった(図13A,図13B)。Mtm1-/yマウスにおいて最も良く特徴づけられるTA筋は、8週齢において、Mtm1-/yDnm2+/-、WT、及びDnm2+/-のマウスと比較して、Mtm1-/yマウスで強い萎縮を示した(図2I)。Mtm1-/yDnm2+/-のTA質量は、この年齢のWTマウスと区別することはできなかった。16週齢では、Mtm1-/yマウスとは異なり、Mtm1-/yDnm2+/-マウスはなおも生存し(図2A)、またWT及びDnm2+/-のマウスと比較して、若干のTA萎縮を示すことから、Mtm1-/yDnm2+/-では、TAの萎縮遅延が示唆される。興味深いことに、収縮の遅いヒラメ筋では、8週齢のMtm1-/yマウスで萎縮が認められたが、Mtm1-/yDnm2+/-のマウスでは、WTマウスと比較して1歳まで萎縮は存在しなかった(図2J)。体重と比較して全筋肉質量を測定したとき、類似した結果が認められた(図13C〜図13E)。Mtm1-/yDnm2+/-とWTマウスの間で、肝臓又は心臓の質量に差異は認められなかった(図13F,図13G)。従って、Mtm1-/yマウスでは、DNM2発現量が減少した後、筋萎縮は、腓腹筋及びヒラメ筋において完全に回復し、またTA筋肉においては大幅に遅延した。

0096

DNM2発現量を低減することにより、CNMの組織学的特徴は、Mtm1-/yマウスで大幅に回復する。CNMは、組織学的には、誤局在化した内核及び筋肉線維発育不全を呈する。2つの主要な時点を分析した: 大部分のMtm1-/yマウスがなおも生存する初期(8週齢(8w))、及び95%のMtm1-/yマウスが死亡する後期(16週齢(16w))。8週齢のとき、Mtm1-/yのTA筋は、特徴的な核の誤局在化(図3A,図F)、線維サイズの低下(図3A,図D)、並びに筋細胞膜下及び中心部の蓄積を伴うSDH染色の異常(図3A)を示した。Mtm1-/yDnm2+/-のTA筋は、腓腹筋及びヒラメ筋(図13H、図I)で認められたのと同様に、WT及びDnm2+/-のマウスと組織学的に類似し、SDH染色でごくわずかの異常な線維が認められた(図3A)。線維の発育不全は回復し、また内核及び中心核は、Mtm1-/yマウスと比較して有意に減少した(図3A,図D,図F)。更に、核周辺のメンブレン蓄積も低下した(図3B)。一部の領域は健常に見えたが、その他の領域は、8週齢のMtm1-/yマウスに類似して筋肉線維発育不全、核の誤局在化、及びSDH染色の異常が認められたので、16週齢までに、Mtm1-/yDnm2+/-マウスに由来するTA筋表現型は混合した(図3C、図3E、図3F)。Mtm1-/yマウスでは破綻することが判明しているMTM1結合パートナーであるデスミンの局在化(Hnia, K.ら、2011、J Clin Invest 121:70〜85頁)について、次に分析を行った。Mtm1-/yマウスは、デスミンの局在化において強い乱れを示したが、これはMtm1-/y Dnm2+/-マウスでは、ほとんど認められず(図15A)、正常なデスミンの局在化は、8週齢のMtm1-/y Dnm2+/-マウスでは回復していることを示唆する。全体的には、これらの結果は、Mtm1-/yマウスに存在する異なる筋肉内のCNM表現型の提示は回復する、又はダイナミン2タンパク質の発現低下により、大幅に遅延することを示唆する。

0097

DNM2発現量が減少すれば、Mtm1-/yマウスの筋肉強度及び成績が改善する。DNM2発現量が減少すれば、組織学的表現型に加えて、Mtm1-/yマウスの機能的表現型も回復するか、その真否を確認するために、様々な試験を実施した。ストリング試験では、マウスが後肢をバー上に持ち上げて保持するように、その前肢で懸架したマウスを必要とする。Mtm1-/yマウスは、数回トライアルしても、ストリングから落下し、8週齢まで当該試験を実施することができなかったが、Mtm1-/yDnm2+/-マウスは、WT及びDnm2+/-のマウスと同様の試験成績を有したことから(図4A)、この年齢において、全身強度が回復したことが示唆される。絶対最大力及び比(筋肉質量と比較)最大力を、8週齢及び16週齢においてTA筋を対象に測定した。8週齢では、Mtm1-/yマウスが示す絶対的及び比最大筋力は、極めて弱かったが、一方、Mtm1-/yDnm2+/-マウスは、WT及びDnm2+/-のマウスと同様の試験成績を有した(図4B、図4C)。16週齢では、Mtm1-/yDnm2+/-マウスのTA筋の最大力は低下し、組織学的データと整合した。更に、8週齢では、疲労性に変更は認められなかったが、16週齢では、TA筋肉は対照よりも速く疲労した(図4D)。特に、組織学的にも、また生理学的にも、16週齢のMtm1-/yDnm2+/-マウスは、8週齢のMtm1-/yマウスよりも良好な成績を有し、本疾患の進行減速、又は16週齢のTA筋において組織学的に認められた混合型の表現型により示唆されるように、全部ではなく一部の筋肉線維の回復が示唆される。全体として、Mtm1-/yDnm2+/-マウスに認められたTA筋の萎縮及び最大筋力低下は、Mtm1-/yマウスと比較して減少し、大幅に遅延する。

0098

Mtm1-/yDnm2+/-マウスにおける筋肉超微細構造の改善。次に、Mtm1-/yDnm2+/-筋肉の超微細構造が回復したか調べた。8週齢及び16週齢のMtm1-/yDnm2+/-マウスから得たTA筋について、透過型電子顕微鏡検査(TEM)を実施した。8週齢Mtm1-/yDnm2+/-のTA形態は、WT及びDnm2+/-のマウスの形態と類似し、Z線及びサルコメアは整列しており、また明らかなミトコンドリア構造的異常を認めないが、一方、Mtm1-/yの筋肉では、ミトコンドリア形状の異常、メンブレン蓄積の異常、及びZ線の誤整列、及び筋原線維幅の変化が認められた(図5A)。注目すべき点として、16週齢のMtm1-/yDnm2+/-マウス由来の筋肉は、不均質であり、一部の領域は健常に見えたが(図5B、左下)、一方、その他の領域は乱れているように見えた(右下)。更に、ミトコンドリアの異常が、16週齢Mtm1-/yDnm2+/-マウスの一部領域で検出可能であったが、8週齢では明白でなかった。これは、本発明者らのこれまでの組織学的及び生理学的結果を裏付け、Mtm1-/yDnm2+/- TA筋のCNM表現型は、異なる時点において、実質的ではあるが部分的に回復することを示唆する。

0099

トライアド構造は、Mtm1-/yDnm2+/-マウスにおいて正常化した。CNM患者とCNM動物モデルとの間で共通する一般的な特徴として、骨格筋内にあるトライアドの構造及び位置の破綻が挙げられる(Toussaint, A.ら、2011. Defects in amphiphysin 2(BIN1)and triadsin several forms of centronuclear myopathies. Acta Neuropathol 121:253〜266頁; Dowling, J.J.ら、2009年、Loss of myotubularin function results in T-tubule disorganization in zebrafish and human myotubular myopathy.PLoS Genet 5:e1000372; Al-Qusairi, L.ら、2009. T-tubule disorganization and defective excitation-contraction coupling in muscle fibers lacking myotubularin lipid phosphatase. Proc Natl Acad Sci U S A 106:18763〜18768頁; Beggsら、2010年、MTM1 mutation associated with X-linked myotubular myopathy in Labrador Retrievers. Proc Natl Acad Sci U S A 107:14697〜14702頁)。Mtm1-/yDnm2+/-マウスにおいて、トライアド構造が影響を受けているか、その真否を確認するために、免疫標識により、トライアドマーカー局在場所を調べた。成熟した筋肉のT-尿細管上に見出される電圧依存性カルシウムチャンネルであるDHPRαは、T-尿細管の局在場所と一致して、WT及びDnm2+/-のマウスのTA筋線維内にある中断構造(punctuate structure)に局在化していた(図15B)。しかし、Mtm1-/y筋肉内では、この特異的染色は失われ、T-尿細管の重度破綻が示唆された。Mtm1-/yDnm2+/-筋肉では、DHPRαは、
WT及びDnm2+/-の筋肉と同様に局在化しており、このようなマウスにおけるT-尿細管構造の回復を示唆する。これは、トライアドの筋小胞体に特異的に局在化しているカルシウムチャンネルであるリアノジン受容体(RyR1)について、筋肉断面を染色することにより確認された。横断像は、Mtm1-/yDnm2+/-マウス由来のほとんどの線維において、RyR1の局在化の回復を示し、ごく一部の線維が、Mtm1-/yマウスで広範に認められたRyR1蓄積を示した(図6A)。縦断像では、トライアドの局在場所と整合して、WT及びDnm2+/-の筋肉において、RyR1染色のダブレットをZ線周辺に認めた(α-アクチニンでマークした)。このMtm1-/y筋肉内染色は、極めて変動性であり、またMtm1-/yDnm2+/-筋肉では部分的に回復した。トライアドを更に分析するために、高倍率TEM画像を、8週齢マウスから取得した。T-尿細管/トライアド構造の極度の破綻が、WT及びDnm2+/-のマウスと比較して、Mtm1-/yマウスに認められたが、一方、適正に配置されたトライアドが、Mtm1-/yDnm2+/-マウスでは明確に目視可能であった(図6B)。トライアドの解析から、WT、Dnm2+/-、又はMtm1-/yDnm2+/-のマウスにおいて、1サルコメア当たりのトライアドの数に差異の無いことを確認したが、一方、Mtm1-/yマウスでは、1サルコメア当たりのトライアド数に減少が認められた(図6C)。従って、トライアドの局在化及び構造は、8週齢Mtm1-/yDnm2+/-マウスにおいて回復した。

0100

カベオリン3は、筋肉の発生及び再生期間中に、T-尿細管に見出されるが、一方、成熟した筋肉では、カベオリン3は、筋細胞膜に主に局在化している(Miniou, P.ら、1999. Gene targeting restricted to mouse striated muscle lineage. Nucleic AcidsRes 27:e27でレビューされている)。カベオリン3の局在化が、Mtm1-/y及びMtm1-/yDnm2+/-のマウスにおいて破壊されているか、その真否を確認するために、筋肉の横断面を、カベオリン3に対する抗体で染色した。WT及びDnm2+/-の筋肉では、筋細胞膜に局在化したカベオリン3が、期待通りに明らかとなったが、Mtm1-/yマウスに由来する多くの線維は、カベオリン3について強い内部染色パターンを示した(図6D)。この表現型は、Mtm1-/yDnm2+/-の筋肉で、概ね回復したが、ごくわずかな線維が、カベオリン3の内部局在を示した。

0101

Mtm1-/y Dnm2+/-マウスの長期生理学的表現型。XLCNMは、患者に極めて重度の筋力低下を引き起こし、またMtm1-/yマウスでは、1〜3ヶ月以内で死に至らしめる;しかし、このようなマウスのダイナミン2発現量を低減することにより、寿命が回復し、8及び16週齢の筋肉強度は大幅に改善した。その後の時点におけるMtm1-/yDnm2+/-マウスの表現型を、筋肉機能の程度が正常な寿命に匹敵するか評価するために測定した。6月齢及び12月齢のMtm1-/yDnm2+/-マウスは、移動可能、及び基本的な課題を実施可能であった。高齢のMtm1-/yDnm2+/-マウスは、WTマウス(図7A)と類似するように見えたが、後肢を外側に向けて歩行するように思われた。これは、後肢をインク内に配置し、そして歩行時の後肢間の角度を測定することにより定量化した(図16A;図7B)。測定した両年齢について結果が類似したことから、この特徴は6〜12月齢において進行しなかった。これらのマウスの全体的な最大脚力を調べるために、グリップ強度試験を、動力計を用いて実施した。2つの前肢のみを測定しとき、最初の12ヶ月間で、WT又はMtm1-/yDnm2+/-の間で差異を認めなかった(図S7B)。4肢を測定したとき、脚力のわずかな低下が、6月齢及び12月齢の両方で、WTマウスと比較して、Mtm1-/yDnm2+/-マウスで認められ(図7C)、Mtm1-/yDnm2+/-マウスの後肢では、WTマウスと比較して、最大筋力の低下を示すことが示唆されたが、進行性ではなかった。全身的な運動調整、強度、及び持久性に関するロータロッド試験を実施したが、6月齢又は12月齢で差異は認められず(図7D)、Mtm1-/yDnm2+/-の全身的な調整及び全体的な強度に、重度の乱れはないことを確認した。ハンギング試験は、マウスをケージ蓋に60秒間懸架する必要のある高負荷試験である。重度に罹患したMtm1-/yマウスは、1ヶ月後にこの試験を実施することができなかった(図7E)。比較すると、高齢のMtm1-/yDnm2+/-は、試験した最後の12月齢まで、その程度はWT及びDnm2+/-のマウスより劣るものの、この試験を実施することができた(図7E)。Mtm1-/yDnm2+/-マウスは、基本的な運動強度試験を12月齢まで瑕疵なく実施できるので、本疾患の表現型は経時的に進行性ではなく、また寿命及び基本的な運動機能は回復するものと結論する。

0102

Mtm1-/yDnm2+/-マウスにおける正常な長期横隔膜機能。Mtm1-/y XLCNMモデルでは、個々の筋肉が受ける影響は異なっていると考えられ、またDNM2の減少による回復も異なることが判明した(図2C〜図2J;図13)。XLCNMは、生命脅かす呼吸不全を引き起こすので、XLCNM患者の寿命に関する主要な観点として、横隔膜機能の継続性が挙げられる(Jungbluth, H., Wallgren-Pettersson, C.、及びLaporte, J. 2008年、Centronuclear(myotubular)myopathy. Orphanet J Rare Dis 3:26)。更に、5週齢のMtm1-/yマウスでは、横隔膜の組織学は、大きく変化した(図1G)。従って、6月齢のMtm1-/yDnm2+/-マウスについて、横隔膜筋の機能を試験した。プレチスモグラフ試験を、休息条件下でマウスの自発的呼吸パターンを測定するのに用いた。Mtm1-/yDnm2+/-マウスは、WT及びDnm2+/-のマウスと同様の試験成績を有し、有意差は検出されなかった(図17及び図7F)。比最大力を、横隔膜筋の単離したストリップについて測定した。力-収縮頻度の関係に有意差は検出されなかったが、比最大力の低下を認めた(図7G)。組織学的には、Mtm1-/yDnm2+/-の横隔膜筋は、WT及びDnm2+/-の横隔膜筋と類似したが、核の位置又は線維症に大きな変化は認められなかった(図7H)。Mtm1-/yDnm2+/-マウスの横隔膜筋は、DNM2タンパク質濃度が、5週齢(図1E,図1F)、及び8週齢(図2C)において上昇したMtm1-/yマウスと比較して、6月齢でも、DNM2タンパク質濃度の低下を維持した(図2C)。全体として、Mtm1-/yDnm2+/-マウスの横隔膜筋は、対照マウスと区別することができず、DNM2が減少すれば、XLCNMの表現型は幅広く改善することを裏付けた。

0103

筋肉特異的なDNM2の減少は、Mtm1-/yマウスの表現型を回復させ、また寿命を改善するのに十分である。本研究では、すべての組織について子宮内DNM2発現量を低減することにより、Mtm1-/yマウスの寿命、及び疾患のほとんどの臨床的及び組織学的特徴を完全に回復させることができた。筋肉表現型の回復が細胞自律的であるか試験するために、ヒト骨格筋α-アクチン(HSA)-Cre及びHSA Cre-ERT2マウスを入手し(Schuler, M.ら、2005. Temporally controlled targeted somatic mutagenesis in skeletal muscles of the mouse. Genesis 41:165-170)、これらのマウスとLoxP配列が導入されたDnm2マウスとの交配により、Dnm2skm+/-(Cre陽性)及びDnm2(i)skm+/-(Cre-ERT2)異型接合マウスを生み出した。これらのマウスを、次に、このようなバックグラウンドにおいて組織固有のDNM2の切り出しを生成するために、Mtm1-/yマウスと交配させた。DNM2発現量が筋肉で低下したとき(Mtm1-/yDnm2skm+/-、9 d.p.c.から活性なHASプロモーター(Miniou, P.ら、1999. Gene targeting restricted to mouse striated muscle lineage. Nucleic AcidsRes 27:e27))、Mtm1-/yDnm2skm+/-マウスの寿命は増加し、75%のマウスが少なくとも16週まで生存し、一方、Mtm1-/yマウスは、Mtm1-/yDnm2+/-マウスから得られた結果(図2A)と整合して、この年齢まで生存するものはなかった(図8A)。4 WT及び4 Mtm1-/y Dnm2skm+/-のマウスのコホートは、その後の長期解析においても継続して生存し、そしてすべてのマウスは、現在9〜12月齢である。対応する体重増加も、Mtm1-/yマウスと比較してMtm1-/yDnm2skm+/-マウスに認められた(図8B)。Mtm1-/yDnm2skm+/-マウスとWTマウスの間で、腓腹筋又はヒラメ筋の質量に差異は認められなかった(図8C)。16週齢のとき、すべてのMtm1-/y同腹子が死亡した際に、Mtm1-/yDnm2skm+/-マウスのTA筋は、筋萎縮を若干示し、WT同腹子と比較して筋肉質量及び線維サイズに減少が認められたが、これは、16週齢Mtm1-/yDnm2+/-マウス由来のTA筋と類似して、中心核及び内核の増加、及び若干のSDH染色異常(図8D〜図8F)と関連した(図2)。これらの変化は、8週齢のMtm1-/yマウスに認められた変化ほど顕著ではなかった。重要なこととして、WTマウスと比較して、腓腹筋及びヒラメ筋では、線維サイズ又は核の位置に有意差は認められず(図18A〜図18D)、筋肉が異なれば、表現型の回復も異なることを示唆する。DNM2タンパク質濃度を、16週齢のときに、異なる筋肉について測定し、WTと比較して、横隔膜内のDNM2発現量に有意な減少を認めたが、測定したその他の筋肉では認めなかった(図8G、図S9E〜図S9H)。より若年の時点において、DNM2は上記筋肉内で増加しているが、そのレベルを比較するためのMtm1-/yマウスは、この年齢では入手不能であった(図2)。横隔膜は、呼吸に必要な極めて重要な筋肉であるので、横隔膜におけるDNM2発現量の減少は、Mtm1-/yDnm2skm+/-マウスの生存率向上において重要と考えられる。Mtm1-/yマウスの横隔膜筋内のDNM2発現量減少は、XLCNMの回復にとって重要と思われる。

0104

出生後、筋肉特異的にDNM2が減少すれば、Mtm1-/yマウスの救済に十分となる。Mtm1-/yマウスを、HSA-CreERT2システムの下でDnm2+/-マウスと交配させ、タモキシフェン注射により誘発された出生後、筋肉内DNM2の切り出しを可能にした(Schuler, M.ら、2005. Temporally controlled targeted somatic mutagenesis in skeletal muscles of the mouse. Genesis 41:165〜170頁)。重要なこととして、筋萎縮様の症状(図2)及び核の中心偏在化が発現した後、マウスが3週齢のときにタモキシフェン注射を実施した(Al-Qusairi, L.ら、2009. Proc Natl Acad Sci U S A 106:18763〜18768頁)。注射したMtm1-/yDnm2(i)skm+/-マウスの70%が、少なくとも16週齢まで生存した(図9A)。Mtm1-/yマウスと比較して、高めの体重を認めたものの、16週齢のとき、体重は、WTマウスと比較して、それよりもなお有意に低かった(図9B)。初期の時点におけるMtm1-/yマウスとは異なり(図2)、16週齢のWTマウスと比較して、腓腹筋、ヒラメ筋、又はTA筋の標準化後の質量に差異を認めなかった(図9C)。Mtm1-/yDnm2(i)skm+/-マウス由来のTA筋について更に分析を行い、中心核及び内核の増加、及びSDH染色異常(図9D、図9F)と関連した線維発育不全を若干示した筋肉(図9D、図9E)が明らかとなり、16週齢Mtm1-/yDnm2+/-由来のTA筋と類似した(図3)。DNM2タンパク質発現量の減少が、WTマウスと比較して、16週齢のMtm1-/yDnm2(i)skm+/-マウスに由来する腓腹筋に認められたが、DNM2タンパク質の発現量増加が、TA筋及び横隔膜筋に認められた(図9G、図S10)。これらの差異は、Creリコンビナーゼをタモキシフェンの媒介により活性化した際に、DNM2の切り出しの効率に相違が生じたことに起因し得る。16週齢における横隔膜内のDNM2発現量増加は、8〜16週齢のMtm1-/yDnm2(i)skm+/-マウスの生存率低下と相関し得る。従って、出生後、Mtm1-/yに罹患したときの年齢において、筋肉内DNM2レベルが減少すれば、Mtm1-/yマウスに認められた寿命及びCNM表現型を改善するのに十分である、と結論付けることができる。

0105

(実施例2)
材料及び方法は、実施例1で用いられたものと同一、又は同等である。

0106

Bin1-/-マウスは、ARCNMに関するマウスモデルであり、出生後、24時間を超えて生存しない。下記のTable 1(表2)は、異なる遺伝子型を有するマウスについて得られた結果を示す。

0107

0108

DNM2を下方制御すれば、ARCNMのマウスモデル(Bin1-/-マウス)の表現型は有意に改善し得る、という説明として、Bin1-/-マウス内のダイナミン2が50%減少すると、早期の死亡を効果的に救済することができ、Bin1-/-Dnm2+/-マウスは、少なくとも12ヶ月間生存できるようになるが(図20)、そのようなマウスは、正常に近い体重(図20)、及び正常な比筋力、疲労に対する抵抗性、及び筋力、及び調整挙動(図21-1、図21-2)を有することが挙げられる。組織学的検査及び定量より、Bin1-/-Dnm2+/-の筋肉では、再生過剰の兆候を呈することなく、少なくとも12月齢まで線維形状及びサイズは正常であり、正常な酸化染色、及び中心核の若干の増加を認める(図22〜図23)ことが明らかである。

0109

従って、DNM2の減少は、マウスのCNM(Mtm1-/yマウスのXLCNM、及びBin1-/-マウスのARCNM)のいくつかの形態を有意に改善し得る。

0110

(実施例3):
材料及び方法
AAVの生成及び精製:
AAV-293細胞系を、CMVプロモーターの制御下にあり、また血清型2末端逆位反復と隣接するインサートを含有するpAAV2インサート、AAV血清型9のrep遺伝子とcap遺伝子を含有するpXR1、及びアデノウイルスヘルパー機能をコードするpHelperで三重にトランスフェクトすることにより、AAV2/9ベクターを作製した。細胞溶解物について、凍結/解凍サイクルを3回実施し、次に50U/mLのBenzonase(Sigma社)で、37℃において30分間処理し、そして遠心分離により清透化した。イオジキサノール勾配超遠心分離と、その後の遠心式フィルター(Amicon Ultra-15 Centrifugal Filter Devices 30K、Millipore社、Bedford)を用いて、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水に対して行われた透析及び濃縮により、ウイルスベクターを精製した。プラスミド標準pAAV-eGFPを用いて、リアルタイムPCRにより、物理的粒子を定量化し、そして力価を、1ミリリットル当たりのウイルスゲノム(vg/mL)として表す。この実験で用いられたrAAV力価は5〜7×1011 vg/mLであった。

0111

マウスの野生型前脛骨筋(T.A)及び腓腹筋のAAV形質導入:
3週齢、オス、野生型、129PASマウスを、5μl/gのケタミン(20mg/mL; Virbac社、Carros、フランス)及びキシラジン(0.4%、Rompun; Bayer社、Wuppertal、ドイツ)をi.p.注射することにより麻酔した。左脚筋肉に25μlのAAV2/9 shDnm2 N°Cを注射し、一方、右脚筋肉には、同量のスクランブル化したAAV2/9を注射した。動物を、12:12時間の明光/暗光サイクルで、温度管理された(19〜22℃)に収容した。動物実験法に関する国内及び欧州の法令に基づき、CO2吸入後の頸椎脱臼により、マウスを絶命せしめた。TA筋及び腓腹筋を、注射後、5週間経過して切除、秤量し、これを組織学用として、窒素冷却イソペンタン中及び液体窒素中で凍結した。

0112

組織学評価:
8μm横断面を、調製、固定化し、そしてH&E(ヘマトキシリン及びエオシン)で染色した。線維サイズを、ソフトウェアFijiを用いてH&E断面から分析した。核が中心に偏在化した又は内部に移行したTA筋肉線維の割合(%)を、Fiji画像解析ソフトウェア内の細胞カウンタープラグインを用いて計測した。線維面積を、Fijiソフトウェアを用いて測定した。サンプル毎に、線維800本を超えるものについて計測及び測定した。

0113

細胞トランスフェクション:
Thermo Fisher Scientific社から購入したlipofectamine 2000を用いて、HEK(ヒト胚腎臓)細胞を、shDnm2をコードするプラスミドと筋肉特異的アイソフォームhDNM2(ヒト(humain)DNM2)をコードするプラスミドで同時トランスフェクトした。Lonza社から購入したAmaxaキットV細胞系Nucleofector(商標)を用いて、C2C12マウス筋芽細胞を、shDnm2をコードするプラスミドでエレクトロポレーションした。

0114

Table 2(表3): DNM2遺伝子に対するshRNAに関する配列及びオフターゲットの可能性。
ダイナミン2mRNAのエクソン12bは下記の配列:
配列番号30:5' ctgttactat actgagcagc tggtgacctg 3'
を有するか、又はコード後のタンパク質配列である配列番号31:(Cys Tyr Tyr Thr Glu Gln Leu Val Thr Cys)に対応する。

0115

標的DNM2配列は、マウスDnm2及びヒトDNM2に対して完全に相同である。80%より高い相同性を有するオフターゲット遺伝子は認められず、オフターゲットの効果的な下方制御は不可能である。

0116

0117

結果(図24〜図30)
- DNM2配列を特異的に標的とするshRNAの例(図24)、及びトランスフェクトされたHEK細胞(図25)、トランスフェクトされたC2C12マウス筋芽細胞(図26)、DNM2を標的とするshRNA(図27; AAGGACATGATCCTGCAGTTCAT:配列C又は配列番号2)を発現するAAVを注射した野生型マウスの前脛骨筋内のダイナミン2レベルを効果的に低減し得る例。

実施例

0118

- DNM2を標的とするshRNA(AAGGACATGATCCTGCAGTTCAT-配列C又は配列番号2)を発現するAAVを前脛骨筋(TA)及び腓腹筋に注射した後、5週間経過したときの、XLCNMに関するMtm1-/yKOマウスモデルにおける表現型改善の例:対照のスクランブル化shRNAの注射と比較して、DNM2を標的とするshRNAは、注射した筋肉の質量(図28)、一般組織学(図29)を改善し、定性的及び定量的評価において線維サイズを増大させ(図29及び図30)、及び核の位置を改善する(図30)。

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