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技術 グラフェンで覆われた電極を含む電気化学セル

出願人 オハイオ・ユニバーシティ
発明者 ジェラルディン・ジー・ボット
出願日 2014年10月27日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2016-526181
公開日 2016年12月22日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2016-540118
状態 特許登録済
技術分野 化合物または非金属の製造のための電極 非金属・化合物の電解製造;そのための装置
主要キーワード 白金ホイル ホイル表面 ホイル電極 酸性電解質溶液 電解漕 アノードピーク ニッケルホイル 腐食性媒体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月22日)のものです。
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図面 (16)

課題・解決手段

電気化学セル10が提供され、電気化学セル10は、第1の電極13と、第2の電極15と、第1の電極13および第2の電極15と電気分解に関係して連通した電解質媒体17と、電気化学反応を受けることができる化学物質と、第1および第2の電極と電気分解に関係して連通する電圧源19と、を含む。第1の電極13は、活性触媒材料25の層、および活性触媒材料25の層を少なくとも部分的に覆うグラフェンコーティング27を含む。グラフェンコートされた電極を作成する方法および使用する方法がさらに提供される。

概要

背景

電極は、例えば、センサー用途、燃料電池用途、電気分解槽用途、電気合成用途、電池用途、および加水分解プロセスを非制限的に含む、多くの用途およびプロセスにおいて使用される。しかしながら、多くの電極は、触媒の表面ブロック並びに活性触媒表面への化学種の移動によって、働きを妨げられる。理想的には、触媒表面における反応物高濃度であることが、同時に起こる生成物の迅速な除去と共に望ましい。さらに、腐食は、多くの用途において生じる他の共通する問題である。したがって、改良された電極が必要である。

概要

電気化学セル10が提供され、電気化学セル10は、第1の電極13と、第2の電極15と、第1の電極13および第2の電極15と電気分解に関係して連通した電解質媒体17と、電気化学反応を受けることができる化学物質と、第1および第2の電極と電気分解に関係して連通する電圧源19と、を含む。第1の電極13は、活性触媒材料25の層、および活性触媒材料25の層を少なくとも部分的に覆うグラフェンコーティング27を含む。グラフェンコートされた電極を作成する方法および使用する方法がさらに提供される。

目的

本発明は、予期できない効率およびロバストネスを有し、腐食にもより耐性を有する電極を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

活性触媒材料の層、および活性触媒材料の層を少なくとも部分的に覆うグラフェンコーティングを含む、第1の電極と、導電体を含む、第2の電極と、第1の電極および第2の電極と電気分解に関係して連通する電解質媒体と、電気化学反応を受けることができる化学物質と、第1の電極および第2の電極と電気分解に関係して連通する電圧源と、を含む、電気化学セル

請求項2

第1の電極が、白金メッシュ白金ホイル、金メッシュ、金ホイルタンタルメッシュ、タンタルホイル、白金スポンジイリジウムスポンジ導電性金属一体化された炭素支持体、Niホイル、Tiホイル、グラファイト炭素繊維カーボンペーパーガラス状炭素カーボンナノファイバ、およびカーボンナノチューブからなる群から選択される支持材料をさらに含む、請求項0に記載の電気化学セル。

請求項3

支持材料がNiホイルである、請求項2に記載の電気化学セル。

請求項4

活性触媒材料が、白金、イリジウム、ロジウムルビジウムルテニウムレニウムパラジウム、金、銀、ニッケル、鉄、コバルト、銅、亜鉛クロム、タンタル、ガリウムカドミウムインジウムタリウムすず、鉛、ビスマス、銀、水銀、ニオブバナジウムマンガンアルミニウムヒ素セレンアンチモンチタンタングステンラネー金属炭素鋼ステンレス鋼、グラファイト、およびそれらの混合物、およびそれらの合金からなる群から選択される物質を含む、請求項0に記載の電気化学セル。

請求項5

活性触媒材料がニッケルを含む、請求項0に記載の電気化学セル。

請求項6

グラフェンコーティングが、電解炭の化学気相蒸着によって調製されたグラフェン膜を含む、請求項1に記載の電気化学セル。

請求項7

グラフェンコーティングが、厚みにして1層から約5層のグラフェンである、請求項0に記載の電気化学セル。

請求項8

請求項0の電気化学セルの第1の電極を作製する方法であって、グラフェンコーティングを調製する段階と、活性触媒材料の少なくとも一部をグラフェンコーティングで覆う段階と、を含む方法。

請求項9

グラフェンコーティングを調製する段階が、電解炭を、還元ガス流の流れの存在下で、グラファイトを形成するのに有効な温度に加熱する段階であって、還元ガス流が銅基材の表面上にグラフェンを堆積する、加熱段階と、銅基材を溶解する段階と、を含む、請求項8に記載の方法。

請求項10

グラフェンコーティングで覆う前に、活性触媒材料の表面が摩耗される、請求項8に記載の方法。

請求項11

請求項1に記載の電気化学セルで電気化学反応を実施する方法であって、電解質媒体の存在下で第1の電極を化学物質に接触させる段階と、第1の電極と第2の電極との間に電気化学反応を実施するのに有効な電圧差を与える段階と、を含む方法。

請求項12

電解質媒体が、0.1M未満の濃度の水酸化物を含む、請求項11に記載の方法。

請求項13

電解質媒体が、約0.1Mから約5Mの濃度の水酸化物を含む、請求項1に記載の方法。

請求項14

電解質媒体が、水酸化物塩炭酸塩重炭酸塩、またはそれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の方法。

請求項15

電解質媒体が、炭酸塩を含む、請求項11に記載の方法。

請求項16

電解質媒体が、pH中性バッファ溶液を含む、請求項11に記載の方法。

請求項17

化学物質が、アルコール尿素アンモニア、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。

請求項18

尿素の電解加水分解によってアンモニアを製造する方法であって、電解漕に電圧差を与える段階を含み、電解漕は、活性触媒材料の層、および活性触媒材料の層を少なくとも部分的に覆うグラフェンコーティングを含む、第1の電極と、導電体を含む、第2の電極と、第1の電極および第2の電極と電気分解に関係して連通する電解質媒体と、尿素と、第1の電極および第2の電極と電気分解に関係して連通する電圧源とを含み、第1の電極および第2の電極にわたって電圧差が与えられ、前記電圧差は尿素を電解加水分解してアンモニアの生成を生じさせるのに十分なものである、方法。

請求項19

電解質媒体が、炭酸塩を含み、約10から約7の範囲のpHを有する、請求項18に記載の方法。

請求項20

活性触媒材料の層と、活性触媒材料の層の少なくとも一部を覆うグラフェンコーティングと、を含む電極。

請求項21

グラフェンコーティングが、電解炭を、還元ガス流の流れの存在下で、グラフェンを形成するのに有効な温度に加熱する段階であって、還元ガス流が基材の表面上にグラフェンを堆積する、加熱段階を含む工程によって調製される、請求項20に記載の電極。

請求項22

基材が、活性触媒材料の層を含む、請求項21に記載の電極。

請求項23

基材が銅を含み、工程が、銅基材を溶解する段階、およびグラフェンコーティングを活性触媒材料の上に移動する段階をさらに含む、請求項21に記載の電極。

請求項24

活性触媒材料が、白金、イリジウム、ロジウム、ルビジウム、ルテニウム、レニウム、パラジウム、金、銀、ニッケル、鉄、コバルト、銅、亜鉛、クロム、タンタル、ガリウム、カドミウム、インジウム、タリウム、すず、鉛、ビスマス、銀、水銀、ニオブ、バナジウム、マンガン、アルミニウム、ヒ素、セレン、アンチモン、チタン、タングステン、ラネー金属、炭素鋼、ステンレス鋼、グラファイト、およびそれらの混合物、およびそれらの合金からなる群から選択される物質を含む、請求項20に記載の電極。

請求項25

活性触媒材料が、ニッケル、マンガン、コバルト、または亜鉛、またはそれらの組み合わせを含む、請求項20に記載の電極。

請求項26

活性触媒材料が、金属オキシ水酸化物を含む、請求項20に記載の電極。

技術分野

0001

本発明は、米国国防総省アーミー・コンストラクションエンジニアリングリサーチラボラトリーにより与えられた助成金第W9132T−09−1−0001号の下で政府支援で行われた。政府は本発明に対して一定の権利を有する。

0002

本願は、その全体が参照によってここに組み込まれる、2013年10月25日に出願された米国出願第61/895,639号の利益を主張する。

0003

本発明は、電気化学プロセス用の電気化学セルに関し、より詳細には、グラフェンコーティングを有する電極に関する。

背景技術

0004

電極は、例えば、センサー用途、燃料電池用途、電気分解槽用途、電気合成用途、電池用途、および加水分解プロセスを非制限的に含む、多くの用途およびプロセスにおいて使用される。しかしながら、多くの電極は、触媒の表面ブロック並びに活性触媒表面への化学種の移動によって、働きを妨げられる。理想的には、触媒表面における反応物高濃度であることが、同時に起こる生成物の迅速な除去と共に望ましい。さらに、腐食は、多くの用途において生じる他の共通する問題である。したがって、改良された電極が必要である。

先行技術

0005

米国特許第7,485,211号明細書
米国特許第7,803,264号明細書
米国特許第8,029,759号明細書
米国特許第8,216,437号明細書
米国特許第8,216,956号明細書
米国特許第8,221,610号明細書
米国特許第8,303,781号明細書
米国特許第8,388,920号明細書
米国特許第8,486,256号明細書
米国特許第8,562,929号明細書
米国特許出願公開第2013/0037424号明細書
米国特許出願公開第2012/0325682号明細書
米国特許出願公開第2012/0024719号明細書
米国特許出願公開第2011/0315605号明細書
米国特許出願公開第2011/0302909号明細書
米国特許出願公開第2011/0243823号明細書
米国特許出願公開第2010/0252422号明細書
米国特許出願公開第2010/0247420号明細書
米国特許出願公開第2010/0032320号明細書
米国特許出願公開第2009/0145750号明細書
米国特許出願公開第2009/0127094号明細書
米国特許出願公開第2009/0095636号明細書
米国特許出願公開第2009/0081500号明細書
米国特許出願公開第2009/0050489号明細書
米国特許出願公開第2008/0318097号明細書
米国特許出願公開第2008/0314755号明細書
米国特許出願公開第2005/0211569号明細書
国際公開第2013/154997号
米国特許第7,736,475号明細書

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、予期できない効率およびロバストネスを有し、腐食にもより耐性を有する電極を提供するために、グラフェンコーティングが活性触媒材料に適用され得ることの実現を前提とする。より詳細には、本発明は、活性触媒材料に配置されたグラフェンコーティングが、間接または触媒再生(EC’)メカニズム型反応の電気化学的速度において有意の増加を生じさせること、中程度のアルカリpH環境下においてさえ腐食耐性を改良することの実現を前提とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一実施形態によれば、電気化学セルが提供され、セルは、活性触媒材料の層および活性触媒材料の層を少なくとも部分的に覆うグラフェンコーティングを含む第1の電極と、導電体を含む第2の電極と、第1の電極および第2の電極と電気分解に関係して連通している電解質媒体と、電気化学反応を受けることができる化学物質と、及び第1および第2の電極と電気分解に関係して連通している電圧源と、を含む。

0008

本発明の他の実施形態によれば、電気化学セルの第1の電極を作製する方法が提供される。この方法は、グラフェンコーティングを調製する段階、および活性触媒材料の少なくとも一部をグラフェンコーティングで覆う段階を含む。グラフェンコーティングは、電解炭(electrolyzed coal)を、還元ガス流の流れの存在下で、グラファイトを形成するのに有効な温度に加熱することによって調製されてよく、ここで還元ガス流は銅基材の表面上にグラフェンを堆積し、その後銅基材は溶解される。

0009

本発明の他の実施形態によれば、尿素の電解加水分解によってアンモニアを製造する方法が提供される。この方法は、電解漕電圧差を与える段階を含み、電解漕は、活性触媒材料の層および活性触媒材料の層を少なくとも部分的に覆うグラフェンコーティングを含む第1の電極と、導電体を含む第2の電極と、第1の電極および第2の電極と電気分解に関係して連通する電解質媒体と、尿素と、第1および第2の電極と電気分解に関係して連通する電圧源と、を含む。電圧差は、第1の電極および第2の電極にわたって与えられ、尿素を電解加水分解してアンモニアの生成を生じさせるのに十分なものである。

0010

さらに他の実施形態によれば、活性触媒材料の層および活性触媒材料の層を少なくとも部分的に覆うグラフェンコーティングを含む電極が提供される。

0011

本発明の目的および利点が、以下の詳細な説明および実施例に照らしてさらに理解されるだろう。

0012

本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面が、本発明の実施形態を説明し、上述の本発明の概要および以下の詳細な説明と共に、本発明を説明する役割を果たす。

図面の簡単な説明

0013

本発明の実施形態による、グラフェンで覆われた電極を示す、簡素化された電気化学セルの図示である。
本発明の他の実施形態による、コーティング材料の断面を示す、図1に示されたグラフェンコーティングされた電極の円部分1Aの拡大図である。
本発明の実施形態による、グラフェンでコーティングされた電極を作製するのに適するグラフェン膜成長するための例示的な装置の図示である。
本発明の実施形態による、図2に示される装置を使用するグラフェン合成手順を概略的に示す。
1Mおよび5MのKOH溶液中で得られたNi−Gr電極およびNiディスク電極ボルタモグラムを示す。
Ni−Gr電極およびNiディスク電極を用いる、様々なKOH濃度でのアノードのNiOOHピークに関連する電荷の変化を示す。
2MのKOHおよび5MのKOH溶液中で得られたNi−Gr電極およびベアNiディスク電極のボルタモグラムの比較を示す。
0.1Mおよび1MのK2CO3中で得られたNi−Gr電極およびNiディスク電極のサイクリックボルタモグラムを示す。
1Mおよび0.5MのK2CO3溶液中のNiディスク電極およびNi−Gr電極上で得られたボルタモグラムを示す。
5MのKOH中に0.5Mのメタノールを含む溶液中のNiディスク電極およびNi−Gr電極上で得られたボルタモグラムを示す。
2MのKOH中に0.5Mのメタノールを含む溶液中のNiディスク電極およびNi−Gr電極上で得られたボルタモグラムを示す。
(1)グラフェンコートガラス電極(ニッケルなし)、(2)グラフェンコートニッケルめっきガラス電極、および(3)ニッケルめっきガラス電極(グラフェンなし)、を用いた、5MのKOH溶液中でのサイクリックボルタンメトリーの結果の比較を示す。
(1)グラフェンコートガラス電極(ニッケルなし)、(2)ニッケルめっきガラス電極(グラフェンなし)、および(3)グラフェンコートニッケルめっきガラス電極、を用いた、0.5Mの尿素および5MのKOH溶液中でのサイクリックボルタンメトリーの結果の比較を示す。
(1)5MのKOH中のニッケルめっきガラス電極、(2)5MのKOH中のグラフェンコート、ニッケルめっきガラス電極、(3)5MのKOHおよび0.5Mの尿素中のニッケルめっきガラス電極、および(4)5MのKOHおよび0.5Mの尿素中のグラフェンコートニッケルめっきガラス電極、を用いて収集された定電位データの比較を示す。
(1)グラフェンコートニッケルめっきガラス電極、および(2)ニッケルめっきガラス電極を比較する、電気化学インピーダンス分光法の結果を示す。

0014

別途前後関係から明確に規定される場合を除き、以下の詳細な説明および請求項に示される任意の値の範囲は、記載された範囲内で、各々の端点の値、並びに各整数またはその端数部分を含む。さらに、近似を示す表現が、それが関係する基本的な機能に変化をもたらすことなく変わり得る任意の定量的な表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約」および「実質的に」などの1つまたは複数の用語によって修飾される値は、特定される正確な値に限定され得ない。例として、「約0.1nmから約50nm」という範囲は、例えば0.1nm、0.2nm、0.5nm、3nm、3.14nm、49.999nm、50nmなどを含み、0.1nmよりも若干小さい値および50nmよりも若干大きい値を含み得る。

0015

本発明の一実施形態によれば、かつ図1を参照すれば、電気化学セル10が提供され、電気化学セル10は、第1の電極13と、第2の電極15と、第1の電極13および第2の電極15と電気分解に関係して連通した電解質媒体17と、電気化学反応を受けることができる化学物質と、第1および第2の電極と電気分解に関係して連通する電圧源19と、を含む。第1の電極13および第2の電極15は、セパレータ18によって物理的に分離され得る。図1に示されるバッチタイプの配置において、電解質媒体17は、質量移動を容易にするために撹拌されてよい。上記セル10が、連続フロー式のセル構成、半連続式のセル構成、および電解質媒体17の再循環を伴うセル構成に容易に適用可能であることが当業者には容易に理解されるだろう。

0016

本発明の実施形態によれば、かつ図1Aに示されるように、第1の電極13は、活性触媒材料25の層、および活性触媒材料の層を少なくとも部分的に覆うグラフェンコーティング27を含む。活性触媒材料25は、特に制限されず、幅広い用途および方法において使用され得る。例えば、活性触媒材料25としては、非制限的に、例えばアルコールアミン、アンモニア、および尿素など、有機材料酸化するのに適する触媒が挙げられる。例示的な活性触媒材料25およびそれら各々の用途は、米国特許第7,485,211号明細書、米国特許第7,803,264号明細書、米国特許第8,029,759号明細書、米国特許第8,216,437号明細書、米国特許第8,216,956号明細書、米国特許第8,221,610号明細書、米国特許第8,303,781号明細書、米国特許第8,388,920号明細書、米国特許第8,486,256号明細書、および米国特許第8,562,929号明細書、および米国特許出願公開第2013/0037424号明細書、米国特許出願公開第2012/0325682号明細書、米国特許出願公開第2012/0024719号明細書、米国特許出願公開第2011/0315605号明細書、米国特許出願公開第2011/0302909号明細書、米国特許出願公開第2011/0243823号明細書、米国特許出願公開第2010/0252422号明細書、米国特許出願公開第2010/0247420号明細書、米国特許出願公開第2010/0032320号明細書、米国特許出願公開第2009/0145750号明細書、米国特許出願公開第2009/0127094号明細書、米国特許出願公開第2009/0095636号明細書、米国特許出願公開第2009/0081500号明細書、米国特許出願公開第2009/0050489号明細書、米国特許出願公開第2008/0318097号明細書、米国特許出願公開第2008/0314755号明細書、および米国特許出願公開第2005/0211569号明細書、に記載されるものを含み、これらの各々はその全体が参照によってここに組み込まれる。活性触媒材料25としては、非制限的に、白金イリジウムロジウムルビジウムルテニウムレニウムパラジウム、金、銀、ニッケル、鉄、コバルト、銅、亜鉛クロムタンタルガリウムカドミウムインジウムタリウムすず、鉛、ビスマス、銀、水銀、ニオブバナジウムマンガンアルミニウムヒ素セレンアンチモンチタンタングステンラネー金属炭素鋼ステンレス鋼、グラファイト、およびそれらの混合物、およびそれらの合金が挙げられる。一実施形態において、活性触媒材料25は、ニッケルおよび/またはニッケルオキシ水酸化物を含む。他の実施形態において、活性触媒材料25は、ニッケル、マンガン、コバルト、または亜鉛、またはそれらの組み合わせを含む。他の実施形態において、活性触媒材料25は、金属オキシ水酸化物を含む。

0017

第1の電極13は、活性触媒材料25が堆積された支持材料(図示しない)をさらに含んでよい。支持材料は、それ自身が導電性であってよく、または導電性部品一体化されてよい。活性触媒材料の支持材料は特に限定されず、例えば非制限的にホイルメッシュスポンジ、およびビーズを含む多くの知られた支持体から選ばれてよい。例えば、支持材料としては、非制限的に、白金メッシュ、白金ホイル、金メッシュ、金ホイル、タンタルメッシュ、タンタルホイルなどの貴金属のメッシュおよびホイル、並びに白金またはインジウムスポンジ導電性金属と一体化された炭素支持体ニッケルホイル、チタンホイル、グラファイト、炭素繊維カーボンペーパーガラス状炭素カーボンナノファイバ、およびカーボンナノチューブが挙げられる。これらの列記された特定の支持材料に加えて、他の適切な支持体が当業者には認識されるだろう。

0018

本発明の実施形態によれば、活性触媒材料25は、支持材料表面の少なくとも一部を覆うように支持材料上に堆積されてよい。活性触媒材料25は、例えば、非制限的に、電着化学気相蒸着CVD)、原子層堆積エレクトロスプレー無電解析出、またはこれらの組み合わせなど、通常使用される方法によって支持材料表面上に少なくとも部分的に堆積されてよい。支持材料自身が、完全に活性触媒材料から作られてよいことが理解されるだろう。したがって、支持材料上の活性触媒材料25の層は、たとえ別個の工程により活性触媒材料25が支持材料上に明確に堆積されなかった場合であっても、例えばニッケルディスクなどの単一構造での具現化を含むことができる。

0019

第1の電極13の構造は、任意の特定の形状または形態に特に限定されない。例えば、第1の電極13は、ホイル、ワイヤゲージビード、またはこれらの組み合わせとして形成されてよい。

0020

活性触媒材料25の層上のグラフェンコーティング27は、標準的な方法を用いて形成されてよい。例えば、グラフェン層は、どちらもその全体が参照によってここに組み込まれる国際公開第2013/154997号および米国仮出願第61/621,625号に記載される方法に従って、銅基板上で調製され、銅基板から運ばれ、次いで活性触媒材料25に取り付けられてよい。一実施形態において、グラフェン膜が、銅基材上への電解炭の化学気相蒸着によって成長されてよい。炭および木炭亜炭、またはグラファイトなどの他の炭系生成物の電気分解が、その開示が参照によって組み込まれる米国特許第7,736,475号明細書にさらに記載される。

0021

グラフェンコーティング27は、活性触媒材料25を保護し、作動媒体中の1つまたは複数の構成成分により引き起こされる活性触媒材料25の劣化を抑制するために、有効な厚みで存在してよい。例えば、ある活性触媒材料は酸性媒体または塩基性媒体反応性である場合があるが、グラフェン層27は、酸性媒体、腐食性媒体、または中性媒体中の活性触媒材料25に対して化学的定性および物理的安定性を与え得る。

0022

一実施形態によれば、グラフェンコーティング27はグラフェンの1層分の厚みであってよい。他の実施形態において、グラフェンコーティング27は、複数のグラフェン層で構成されてよい。例えば、グラフェンコーティング27は、1、2、3、4、または5、またはそれ以上のグラフェン層を含んでよい。したがって、グラフェンコーティング27は1層から約5層のグラフェンで構成されてよい。或いは、グラフェンコーティングは、約3層から約5層のグラフェンで構成されてよい。結果的に、本明細書で使用される「数層のグラフェンシート」は、約2層から約5層のグラフェンで構成され得る。したがって、グラフェンコーティングは、例えば、約0.1nmから約50nm、または約0.2nmから約25nm、または約1nmから約10nm、または約2nmから約5nmの厚みを有し得る。

0023

一実施形態において、グラフェンコーティング27は、活性触媒材料に一酸化炭素吸着することを抑制するのに有効な量で存在する。例えば、一実施形態において、少なくとも部分的に堆積されたニッケルを含む活性触媒材料を有し、かつ活性触媒材料を少なくとも部分的に覆うグラフェン層を有するガラス状炭素基材を含む電極は、一酸化炭素を吸着しない。活性触媒材料25をグラフェンコーティング27でコーティングすることによって触媒が不活性化するだろうという予測にもかかわらず、前述の内容に従って作製された電極は、予期できない、有意の性能向上、並びに腐食耐性を示した。

0024

導電体を含む第2の電極15は、特に限定されず、従来技術で知られている電極から選択されてよい。例えば、第2の電極15は、非制限的に、白金、パラジウム、炭素、レニウム、ニッケル、ラネーニッケル、イリジウム、バナジウム、コバルト、鉄、ルテニウム、モリブデン、またはこれらの組み合わせを含み得る。本発明のシステムが使用される特定の用途のパラメータの観点から適切な第2の電極を選択することは、当業者の理解の範囲内である。一実施形態において、第2の電極15は、上述のように、活性触媒材料および/またはグラフェンコーティングを含んでもよい。

0025

電解質媒体17は、水性または非水性および酸性塩基性、またはpH中性であることができる。一実施形態において、電解質媒体17は、有機溶媒またはイオン性液体を含む。他の実施形態において、電解質媒体17は、水性の塩基性電解質溶液である。例えば、水性の塩基性電解質溶液は、水酸化物塩(例えば、KOH、NaOH)、炭酸塩(例えば、K2CO3、Na2CO3)、重炭酸塩(例えば、KHCO3、NaHCO3)、またはこれらの組み合わせを含み得る。

0026

電解質媒体17は、0.1M未満の水酸化物濃度を有してよい。例えば、電解質媒体17のpHは、約10から約7の範囲であってよい。或いは、電解質媒体17は、約0.1Mから約5Mの水酸化物濃度を有してよい。他の実施形態において、電解質媒体17は、水性のpH中性電解質溶液である。さらに他の実施形態において、電解質媒体17は、水性の酸性電解質溶液である。

0027

他の実施形態によれば、電解質媒体17は、固体ポリマー電解質などのゲルを含む。適切なゲルとして、非制限的に、ポリアクリル酸を含有するもの、ポリアクリレートを含有するもの、ポリメタクリレートを含有するもの、ポリアクリルアミドを含有するもの、および同様のポリマーを含有するもの、および同様のコポリマーを含有するもの、が挙げられる。

0028

電解質ゲルは、任意の適切な方法を用いて調製されてよい。1つの方法は、ポリマーを形成する段階、次いでポリマー中に水酸化物塩、炭酸塩、または重炭酸塩の電解質を注入してポリマー混合物を形成する段階を含む。他の方法において、モノマーは、水酸化物塩、炭酸塩、または重炭酸塩の電解質の存在下で重合されてよい。

0029

セパレータ18は、第1の電極および第2の電極を区分する。セパレータは、電解質媒体17に化学的に耐性を有する材料から作製されるべきである。テフロン登録商標)およびポリプロピレンなど、多くのポリマーがセパレータの作製に適する。セパレータは、単純なバッチ型の配置には必要とされないが、連続フロー電気化学セルまたは燃料電池に関しては有利な場合がある。セパレータは、例えば、イオン交換膜固体電解質、または上述の電解質ゲルを含んでよい。セパレータは、気体または液体に対して、透過性半透過性、または不透過性であってよい。

0030

電気化学反応を受けることができる化学物質は特に限定されない。例えば、化学物質は、非制限的に、メタノール、エタノールなどのアルコール、尿素、アンモニア、水、またはリグニンであってよい。一実施形態によれば、化学物質は尿素を含む。1つの都合よい尿素源は、欧州において通常AdBlue(登録商標)として知られ、ISO22241として標準化された、ディーゼル排気液(DEF)である。DEFは、32.5%の高純度尿素(AUS32)および67.5%の脱イオン水で作られた尿素水溶液である。

0031

電圧源19は、例えば、電池、燃料電池、グリッドからの電力などの任意の使用可能なソース、および太陽電池または風力タービン発電機などの再生可能エネルギー源、であってよい。電圧源19は、第1の電極13および第2の電極15と電気分解に関係して連通しており、基材上での所望の電気化学反応に作用するのに十分な電圧差を提供する。

0032

本発明の一実施形態によれば、上述の第1の電極を作製する方法が提供される。本方法は、グラフェンコーティングを調製する段階と、グラフェンコーティングで活性触媒材料を少なくとも部分的に覆う段階とを含む。上述のように、グラフェンコーティングは、例えば、基材上でのCVD、およびその後の基材の溶解を介して調製されてよい。例えば、グラフェン膜が銅ホイル上でCVDによって成長されてよく、その後銅ホイルが、例えば、マーブル試薬または硫酸中で溶解される。代替的な実施形態において、グラフェンコーティングは、活性触媒材料の上に直接成長されることもできる。

0033

図2を参照すると、グラフェン層を製造するのに適する装置60が図示される。ここに示されるように、装置60は、還元ガス源62、石英管64、および真空ポンプ66を含む。還元ガス源62は、還元ガス、並びにアルゴンなどの不活性キャリアを含む。還元ガスは、石英管64に導入され、石英管64は管用炉68で加熱されてよく、次いで真空ポンプ66によって与えられる低減された圧力の下で石英管64を通って移送される。石英管64は、電解炭生成物の層で覆われた、銅ホイルなどの第1の基材70、およびグラフェン層が製造される第2の基材74を含む。ナノ構造グラフェン合成を支持するための第2の基材74は、銅ホイル、シリコンウェハ、または反応条件に耐え得る任意の他の材料であってよい。

0034

グラフェンを製造するために、第1の基材70および第2の基材74が、管用炉68の加熱領域76内部に挿入される。次いで、高温において第1の基材70の上に還元ガスおよびキャリアガスの混合物を流すことによって、第2の基材74上にグラフェンが形成される。

0035

高温が、グラフェンの製造を容易にする。約400℃などの低い温度において、グラフェンではない炭素膜が製造される。したがって、少なくとも490℃以上、約1100℃までの、高い温度を使用することが好ましい。700℃から1000℃などの高温が使用されることができ、典型的には800℃から1000℃が使用されるだろう。これらの温度は、還元ガスの存在下でグラファイトの形成を引き起こす。還元ガス流の流れが、コーティングされていない基材74上にグラフェンを堆積させる。

0036

グラフェン層を調製するために使用される例示的な熱プログラム図3に示される。領域Aにおいて、石英管64は、約100mtorrに排気され、約100sccmの水素パージされる。領域Bにおいて、石英管64の加熱領域76は、約40分にわたって約1050℃へと昇温される。領域Cにおいて、銅であってよい第2の基材74は、約15分間加熱領域76内でアニールされる。領域Dにおいて、第1の基材70は加熱領域76内部に移動され、グラフェン合成が開始する。所定の長さの時間(例えば、約30分)の第2の基材74上でのグラフェン層の合成の後、第2の基材74は、加熱領域76から移動され、領域Eに示されるように、装置60は室温に冷却され得る。

0037

次いで、グラフェン層は、適切な試薬溶液中で第2の基材材料を溶解することによって第2の基材74から取り去られてよい。例えば、銅は塩酸など強酸中で溶解する。したがって、グラフェン層を有する銅ホイルは、マーブル試薬を用いて溶解されてよく、それによって第2の基材74からグラフェン層を取り去り、グラフェンの自由層を与える。適切な洗浄の後、グラフェンの自由層は、活性触媒材料25に貼り付けられてよく、または活性触媒材料25上に運ばれてよく、第1の電極13にグラフェンコーティング27を提供する。

0038

活性触媒材料25をグラフェンコーティング27でコーティングする段階は、水に浮かぶグラフェン膜を含むベッセル中に活性触媒材料25を浸漬することによって実施され得る。ベッセルの外に活性触媒材料25を持ち上げる際、グラフェン膜は活性触媒材料25に付着する。本発明の一実施形態において、活性触媒材料25は、グラフェンコーティング27と活性触媒材料25との間の付着を促進するために、グラフェン膜でコーティングする前に、例えばサンドブラスターによって、粗面化されてよい。

0039

本発明の他の実施形態によれば、上述の電気化学セルで電気化学反応を実施する方法が提供される。この方法は、電解質の存在下で第1の電極および第2の電極を化学物質に接触する段階と、第1の電極と第2の電極との間に電気化学反応を実施するのに有効な電圧差を与える段階とを含む。上述のように、化学物質は特に限定されない。一実施形態において、化学物質はアルコールであってよい。他の実施形態において、化学物質は尿素であり、これは電解加水分解を受けてアンモニアを生成する。

0040

本発明は、以下の実施例を参照してさらに理解されるだろう。

0041

化学薬品および試薬:使用された化学薬品および供給品は、FISHER SCIENTIFICから供給される、高純度(>99.90%)かつ分析グレードのものであった。検討の間、超純水(ALFAESARHPLCグレード)が使用された。

0042

グラフェン膜の合成:その全体が参照によってここに組み込まれる「Raw Coal Derived Large Area and Transparent Graphene Films」、2ECS Solid State Letters M45−M47(2013)においてVijapurらによって示された、ワイオダック亜歴青炭を用いた従来のCVD法を用いて、グラフェン膜が合成された。図2は、装置60を示し、図3は、グラフェンが銅ホイル上で成長される本発明の一実施形態による、グラフェン合成手順の概略図を示す。簡単に言えば、電解炭を有する石英ボートおよび銅支持体を有する石英ボートを含むグラフェン合成システムは、100mtorr(ミリトル)に排気され、次いで100sccmの水素でパージされた。電解炭を有する石英ボートは、600sccmのアルゴンおよび100sccmの水素のフローで、40分にわたって1050℃への温度上昇(furnace ramp)を用いてグラフェン合成システムの加熱領域において加熱された。1050℃という温度が30分保たれ、その間銅支持体上のグラフェン成長が生じた。グラフェンでコーティングされた銅支持体は、炉から取り出され、同時にアルゴン−水素の流れは保持され、それによってグラフェンでコーティングされた銅支持体を冷却し、迅速な冷却の下で、3時間にわたって完全に室温に冷却した。

0043

銅基材は硫酸またはマーブル試薬中で溶解され、試薬中に浮遊するグラフェン膜が残った。清浄顕微鏡用ガラススライドが、フィルムを試薬から脱イオン水へと移動するために使用された。膜は、脱イオン水へとさらに2回以上移動され、任意の汚染物質を取り除き、グラフェン膜の表面を清浄にした。このように調製されたグラフェンは、3層から5層の厚みを有し、電極、支持材料、および/または活性触媒材料を含む任意の表面上に移動されることができる。

0044

ニッケルおよびベアニッケルディスク型作用電極の調製:電気化学測定が、回転するニッケルディスク(Niディスク、0.2cm2、ALFAAESAR,99.98%)上で実施され、多層グラフェンが作用電極としてニッケルディスク上に移動された(Ni−Gr)。Niディスクの表面は、60psiにおける乾燥条件下でのサンドブラスター(Crystal Mark サンドブラスター、27.5ミクロン酸化アルミニウム粉末)と、その後の、水およびアセトンが1:1の比である溶液中での10分間の超音波処理(40kHzでのZenith超音波バス)と、を用いて粗面化された。このように調製されたベアNiディスク電極が超純水で洗い流され、テフロン(登録商標)シャフト上に載せられ、露出された表面積が0.0706cm2であった。ベアNiディスクが、電気化学分析のための制御電極として使用された。

0045

ベアNiディスク電極を用いる電気化学測定の後、Niディスクは脱イオン水およびアセトンで全体が洗い流され、アルゴン流で乾燥された。次いで、Niディスクを備えたテフロン(登録商標)シャフトは、浮いているグラフェン膜を含む、脱イオン水が満たされたペトリ皿に浸漬された。グラフェン膜は、テフロン(登録商標)シャフト上に取り付けられたNiディスク上に直接移動された。電極は、70℃で1時間、オーブン中でさらに乾燥された。このように調製されたNi−Gr電極は、さらに電気化学測定において使用された。

0046

ニッケルめっきされたガラス電極の調製:他の一連実験において、ニッケルめっきされたガラス電極が使用された。簡単に言えば、ニッケルは、300秒の間にわたってガラス状炭素基材の上に0.5mg/cm2のニッケルを載せるために、Ag/AgCl参照電極に対して−0.8ボルトで、45℃において、ワット浴(280g/L NiSO4・6H2O、40g/L NiCl2・6H2O、および30g/L H3BO4)を用いて、ガラス状炭素基材上に堆積され、これによってニッケルめっきガラス電極が提供された。ニッケルめっきガラス電極は、Ni−Grディスクのコーティングと同様の方法を用いてグラフェンでコーティングされ、グラフェンでコーティングされたニッケルめっきガラス電極が提供された。

0047

電気化学試験:電気化学試験は、Solartron1281マルチプレクサポテンショスタットを用いて、従来の三電極セル中で実施された。セルの構成は、作用電極として、ベアNiディスク、Ni−Grディスク、ニッケルめっきガラス電極、またはグラフェンコートニッケルめっきガラス電極、Ptホイル(2×2cm2、シグマアルドリッチ、厚さ0.05mm、99.99%)対向電極、および各実験において使用される電解質溶液で満たされたルギン管内に支持されたHg/HgO参照電極からなる。第10の安定状態ボルタモグラム、長時間続く周期的状態報告された。

0048

尿素の電気分解およびメタノールの酸化にベアNiディスクおよびNi−Grディスクを用いた結果:図4Aは、1Mおよび5MのKOH溶液中で得られたNi−Gr電極およびNiディスク電極のボルタモグラムを示す。Ni−Gr電極およびNiディスク電極の双方に関して5M KOH溶液中で集められたボルタモグラムは、各々、順方向の走査および逆方向の走査におけるアノードのおよびカソードのピークを説明する。同様の挙動が、1MのKOH溶液に関しても認められる。以下の反応の通り、アノードのピークは、Ni(OH)2からNiOOHへの酸化に起因し、それに対してカソードのピークは、NiOOHからNi(OH)2への還元に起因する。

0049

0050

1M KOH溶液および5M KOH溶液中でNi−Gr電極を用いて得られたボルタモグラムは、ベアNiディスク電極と比較したとき、NiOOHピークの傾きにおいて負のシフトを示す。どのような理論によっても拘束されることを意図しないが、負のシフトは、グラフェン表面に対するOH−イオンの強い親和性に基づく、電極−電解質界面での局所的なpH増加に起因するものであると考えられる。また、1M KOH溶液および5M KOH溶液の双方に関して、Ni−Gr電極に関するアノードピーク電流は、ベアNi電極のものと比較して高い。NiOOHの形成はpHに依存する工程であり、それ故電極−電解質界面での局所的なpHの増加は、NiOOH化学種形成の増加につながるだろう。CVDにより成長された数層のグラフェンシートは、Ni表面へのOH−イオンの選択的通過を可能にするナノ孔を有し、電極−電解質界面におけるイオン伝導性の増加をもたらすと考えられる。次に、電気二重層(EDL)の拡散層の厚みが、界面におけるOH−イオンの高蓄積に起因して減少する。また、NiOOH形成の開始電位は、ベアNi電極と比較してNi−Gr電極において、より負の値に減少し、電極−電解質界面でのpH増加を間接的に実証する。

0051

様々な濃度のKOH溶液に対するアノードNiOOHピークに関連する電荷の変化が、図4Bに報告される。NiOOH電荷は、各NiOOHピークの下方の面積を積分することによって計算される。Ni−Gr電極は、ベアNiディスク電極に対してNiOOH電荷において平均55%の増加を示し、これはグラファイト層がベアNiディスク電極上に載せられたときのNiOOH化学種の過剰な形成を示唆している。

0052

2M KOH溶液および5M KOH溶液中で各々得られたNi−Gr電極およびNiディスク電極のボルタモグラムが、図4Cにおいて比較される。2M KOH溶液中でNi−Gr電極上で得られたNiOOHに関するアノードピーク電流(ipa)は、5M KOH溶液中のベアNiディスク電極のものと比較して高い。Ni−Gr電極は、ベアNiディスク電極に対して、NiOOH形成に関するアノード電荷において37%の増加を示す。この結果は、たとえKOHが低濃度であっても(2M KOH)、Ni−Gr電極がNi(OH)2をNiOOHに効率良く酸化することを示唆する。

0053

グラフェン層がOH−イオンを吸着する能力をさらに評価するために、かつEDL中の拡散層にさらに改良を加えるために、KOHと比較して弱いアルカリ性であるK2CO3電解質中で同様の実験が実施された。0.1Mおよび1MのK2CO3中で得られたNi−Gr電極およびNiディスク電極のサイクリックボルタモグラムが、図5Aに示される。Ni−Gr上のNiOOH形成反応の開始電位は、0.1Mおよび1MのK2CO3溶液双方に関して、ベアNiディスク電極のものと比較してより負である。また、Ni−Gr電極に関するアノードピーク(NiOOH形成)の下での電荷は、ベアNiディスク電極のものと比較して高い。どのような理論によっても拘束されることを意図しないが、得られたボルタモグラムは、グラフェン層が、NiOOH形成の増大をもたらす電極−電解質界面における局所的なpH変化の増加の主な原因であることを示唆すると考えられる。既に議論したように、グラフェンシートのナノ孔がOH−イオンの選択的通過の主要因であり、これがEDLにおける局所的pH変化の増加につながると考えられる。

0054

図5Bは、各々1Mおよび0.5MのK2CO3溶液においてNiディスク電極およびNi−Gr電極上で得られたボルタモグラムを示す。ボルタモグラムは、0.5MのK2CO3でのNi−Gr電極が、1MのK2CO3におけるベアNiディスク電極に匹敵するNiOOH形成を与えることを示唆する。

0055

同様の電気化学分析が、アルカリ媒体中でのNiディスク電極およびNi−Gr電極上のメタノールの酸化に関して実施された。結果は、図6Aおよび6Bにおいて示される。サイクリックボルタモグラム(図6A)は、Ni−Gr電極が、5M KOH溶液中の0.5Mのメタノールの酸化に対して高い電気触媒活性を示すことを表す。図6Bは、ベアNiディスク電極(60mA)と比較して、2MのKOH溶液中の0.5Mのメタノールの電気化学酸化に関して、Ni−Gr電極がより高いピーク電流(111mA)を示すことを示唆する。結果的に、メタノールの酸化は、Ni上にグラフェンを含む電極の存在下で、低いpHで行うことが好ましい。

0056

尿素の電気分解にニッケルめっきガラス電極およびグラフェンコートニッケルめっきガラス電極を使用した結果:図7は、(1)グラフェンコートガラス電極(ニッケルなし)、(2)グラフェンコートニッケルめっきガラス電極、および(3)ニッケルめっきガラス電極(グラフェンなし)、を用いた、5MのKOH溶液中でのサイクリックボルタモグラムの結果の比較を示す。1対のレドックス電流ピークが観察され、これはNi(II)とNi(III)との間の可逆的な変換に対応する。以下の反応の通り、アノードピークは、Ni(OH)2からNiOOHの酸化に起因し、一方でカソードピークはNiOOHからNi(OH)2への還元に起因する。

0057

0058

グラフェンコートニッケルめっきガラス電極に関する曲線(電荷)の下方の面積が大きいことは、触媒の活性形態である、NiOOHの再生成が多いことに対応する。

0059

図8は、(1)グラフェンコートガラス電極(ニッケルなし)、(2)ニッケルめっきガラス電極(グラフェンなし)、および(3)グラフェンコートニッケルめっきガラス電極、を用いた、0.5Mの尿素および5MのKOH溶液中でのサイクリックボルタモグラムの結果の比較を示す。KOH溶液に尿素が存在していたとき、カソードにおいて開始する強い酸化電流0.45Vが、純粋なニッケルめっきガラス電極およびグラフェンコートニッケルめっきガラス電極の双方に関して観察された。尿素の酸化は、Ni2+からNi3+への遷移と同様の電位で開始し、これはNi3+が尿素の電解酸化を触媒するための活性形態であることを示す。グラフェン単独では、尿素の電解酸化に対して活性ではない。0.5Vにおいて、Hg/HgOで、グラフェンコートニッケルめっき電極で観察された電流密度は、同じ電位における純粋なニッケルめっきガラス電極の電流密度の少なくとも2倍である。ニッケル上のグラフェンの存在は、尿素の酸化電流を強め、純粋なニッケルめっきガラス電極に固有の約0.7Vの表面ブロックピークは減少した。

0060

図9は、(1)5MのKOH中のニッケルめっきガラス電極、(2)5MのKOH中のグラフェンコート、ニッケルめっきガラス電極、(3)5MのKOHおよび0.5Mの尿素中のニッケルめっきガラス電極、および(4)5MのKOHおよび0.5Mの尿素中のグラフェンコートニッケルめっきガラス電極、を用いて収集された定電位データの比較を示す。グラフェンコートニッケルめっきガラス電極(4)は、相対的に安定な、より高い電流密度を示し、安定で活性な電気触媒であることを示す。グラフェンコートニッケルめっき電極(4)を使用するとき、電流密度は、グラフェンを用いないニッケルめっきガラス電極(3)を用いたときと比較して2倍を超え、これは尿素の電気触媒酸化が改善されたことを示す。

0061

図10は、(1)グラフェンコートニッケルめっきガラス電極、および(2)ニッケルめっきガラス電極を比較する、電気化学インピーダンス分光法の結果を示す。どのような理論にも拘束されることを意図しないが、グラフェンコートニッケルめっきガラス電極(1)による電気化学的性能の改善は、グラフェン膜の、尿素酸化の電子移動を促進することができる、大きな活性表面積からもたらされ、これはニッケルとグラフェンシートとの相乗的な寄与を伴うと考えられる。また、グラフェンが、OH−(アルカリ性の化学物質の場合、局所的pHを増大する)およびH+(酸性の化学物質の場合、局所的pHを減少する)の拡散を強める拡散制御層として働くとも考えられる。これは活性触媒の形成を増加させ、その後の化学反応を強める。電子は、活性触媒と連結されたグラフェン層を通って流れ、化学反応を強めると推測される。さらに、活性触媒の表面上の表面ブロックが、グラフェンによって生じる拡散制御層により妨げられると考えられる。例えば、尿素の電気分解において、グラフェンは、NiOOHからCO2を分離すると考えられ、表面ブロックを防ぐ。

0062

アンモニア製造の間の耐腐食性の例:
0.5MのK2CO3が存在するディーゼル排気液(DEF、32.5%の高純度尿素(AUS32)および67.5%の脱イオン水)100mlが作られ、100mlのビーカーに移された。溶液の体積を一定に保つために、蒸発による損失を補うためにDEFが周期的に加えられた。グラフェンコートニッケル電極は、以下のように作製された。2cm×2cmのグラフェンは、実験においてカソードおよびアノードの双方に使用される、サンドブラスターで処理されたNiホイル表面上に移された。Niホイル電極のグラフェンで覆われない部分は、テープマスクされた。尿素からアンモニアへの電解加水分解実験の間、溶液は80℃に保たれ、溶液のpHが時間に対して測定された。1.55Vのセル電圧が、カソードおよびアノードに与えられ、電位が2秒毎に切り替えられた。40分毎に、0.5mLの溶液のサンプルが取り出され、100mlに希釈され、アンモニアおよびニッケルに関して分析された。アンモニアの濃度は、アンモニアイオン選択性電極を用いて測定された。ビーカーから蒸発したアンモニアは、物質収支において考慮されない。Niの濃度は、原子吸光分光法(AAS)を用いて測定された。4時間の実験の後、ビーカーが熱源から取り出され、室温に冷却され、その後pHの値が測定された。4時間の電気分解実験が、3日の間、各々の日に実施された。比較実験では、サンドブラスター表面処理が施されていない、グラフェンコートNiホイル電極、およびコーティングされていないニッケルホイル電極が用いられた。

0063

3日間の実験の過程にわたって、反応溶液のpHは約12から約10に減少した。サンドブラスター処理されていないグラフェンコートNiホイル電極に関して、比較的低いpH条件の下で、ニッケル触媒付随する腐食と共にある程度の剥離が観察された。サンドブラスター処理されたグラフェンコートNiホイル電極は、3日間の実験にわたってその一体性を保持し、グラフェンコーティングは腐食に対する保護を提供した。同様に、ニッケル濃度測定値は、剥離された電極において生じた約4倍のニッケル溶解を示した。

0064

意外なことに、ニッケルホイル電極(70℃における、1MのK2CO3を有するDEF)を用いる尿素からアンモニアへの実験と比較して、グラフェンコートニッケルホイル電極(80℃における、0.5MのK2CO3を有するDEF)は、尿素からアンモニアへの、有意に高い転換比率を示し、例えば、第1の時間において、電解質中のアンモニアの濃度は、ニッケルホイル電極と比較して、グラフェンコートニッケル電極において約3倍高かった。

実施例

0065

本発明は、その1つまたは複数の実施形態の記述によって説明され、同時に実施形態はかなり詳細に記載されているが、実施形態は、添付の請求項の範囲をそのような詳細な事項にまで制限することを、またはどのようにも限定することを意図していない。例えば、グラフェンコート活性触媒材料が、センサー、燃料電池、電解漕、電池、キャパシタ、加水分解など、多くの他の用途において使用され得る。さらなる利点および変更が、当業者には容易に理解されるだろう。したがって、そのより広範な態様における発明は、ここに示されかつ記載された特定の詳細、代表的な製品および方法、および説明的な実施例に限定されない。したがって、以下の請求項に包含される全般的な発明の概念の範囲から逸脱することなく、そのような詳細からの変更がなされ得る。

0066

10電気化学セル
13 第1の電極
15 第2の電極
17電解質媒体
18セパレータ
19電圧源
25活性触媒材料
27グラフェンコーティング
60 装置
62還元ガス源
64石英管
66真空ポンプ
68管用炉
70 第1の基材
74 第2の基材
76 加熱領域

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