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技術 天然の抗菌成分および抗真菌成分を有するプロセスチーズならびに製造方法

出願人 クラフト・フーズ・グループ・ブランズ・エルエルシー
発明者 クリスティーンディーマーカス−ジョンソンアマールエヌチンワラジョンエルリーブ
出願日 2014年12月9日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-535151
公開日 2016年12月22日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2016-539642
状態 特許登録済
技術分野 乳製品 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 ペプチド又は蛋白質 微生物、その培養処理
主要キーワード チーズブロック 液状乳製品 出発液 最終プロセス 重複位置 中間加熱 スライス状 検証試験
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題・解決手段

プロセスチーズ組成物およびプロセスチーズ組成物の製造方法を提供する。プロセスチーズ組成物は、ナチュラルチーズ乳製品材料天然抗菌成分および抗真菌成分を含む。一態様において、天然の抗菌成分はナイシンを含み、抗真菌成分はナイアシンを含む。天然の抗菌成分および抗真菌成分の組み合わせは、天然の抗菌成分および抗真菌成分の含有量が低い場合にも、顕著に長い貯蔵寿命を提供する。

概要

背景

スライスした形状および棒状で広く市販されているプロセスチーズは、販売高の多いチーズ製品の1つである。プロセスチーズ製品は、特に子供に人気がある。プロセスチーズは従来、例えば、チェダーチーズコルビーチーズ、スイスチーズ、ブリックチーズ、ミュスターチーズ、パスタフィラータチーズ洗浄したカード、および粒状カードチーズが提案されるが、この他にもいくつかの種類のある、乳脂肪含有ナチュラルチーズの1種類以上を加熱し、粉砕し、および/または混合することにより調製される。次いで、得られたチーズを、チーズの殺菌に十分な高い温度で、無脂肪乾燥乳および乳清固形分等の他の乳製品ならびにリン酸二ナトリウム等の乳化塩と混合し、シート状、スライス状、または他の所望の形状に成形することのできる、均質ポンプ輸送可能な流体チーズ材料を製造する。

プロセスチーズ等の食品貯蔵寿命延長し、および/または、そのような食品の微生物学的定性を増大させることが、しばしば望まれる。食品が安定している時間を増大させることによって、製造者は、腐敗した食品による在庫損失を軽減することができる。包装保存料、および/または特定の貯蔵パラメータ(例えば、冷蔵)の使用等の従来の方法が、腐敗を食い止めるために使用されてきた。

特に、リステリア菌およびボツリヌス菌は、場合によっては、生乳、チーズ(特に柔らかく熟成させた品種)、アイスクリーム生野菜発酵生肉ソーセージ、生および調理済み鶏肉、生肉(全ての種類)、ならびに生および燻製した等の食品で懸念される。場合によってはわずか3℃の温度でも成長するこれら病原菌能力により、冷蔵した食品中での増殖が可能となる。

さらに、プロセスチーズ等の食品の貯蔵寿命を向上させることが望まれる一方で、天然成分含有量を増やした食品を提供することへの要望が増加している。これに関して、天然成分のみを含む食品を提供するか、またはそうでなければ人工的な材料を除去することが望ましい場合がある。例えば、プロセスチーズでは、食品の安全性および貯蔵寿命を改善するために、ソルビン酸等の保存料を利用することが多い。プロセスチーズの特性を維持し、および/または、改善しつつも、天然の保存料および/または抗菌物質を組み込むことが望ましい場合がある。

概要

プロセスチーズ組成物およびプロセスチーズ組成物の製造方法を提供する。プロセスチーズ組成物は、ナチュラルチーズ、乳製品材料、天然の抗菌成分および抗真菌成分を含む。一態様において、天然の抗菌成分はナイシンを含み、抗真菌成分はナイアシンを含む。天然の抗菌成分および抗真菌成分の組み合わせは、天然の抗菌成分および抗真菌成分の含有量が低い場合にも、顕著に長い貯蔵寿命を提供する。

目的

さらに、プロセスチーズ等の食品の貯蔵寿命を向上させることが望まれる一方で、天然成分の含有量を増やした食品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

天然抗菌成分および抗真菌成分を含むプロセスチーズであって、約10〜約90%のナチュラルチーズまたはナチュラルチーズ混合物と、1種以上の乳化剤と。約8〜約25%のたんぱく質と、約10〜約30%の脂肪と、86°F(30℃)で約9日間にわたり、前記たんぱく質量および脂肪量のプロセスチーズに対してマウスを用いた毒素バイオアッセイにより判定された、ボツリヌス菌による毒素形成を防止するのに有効な量のナイシンと、約0.5〜約6ppmのナタマイシンとを含むことを特徴とするプロセスチーズ。

請求項2

約2〜約6ppmのナタマイシンを含む、請求項1に記載のプロセスチーズ。

請求項3

約2〜約5ppmのナタマイシンを含む、請求項1に記載のプロセスチーズ。

請求項4

前記ナイシンは、発酵乳成分の形態で前記プロセスチーズに含まれる、請求項1に記載のプロセスチーズ。

請求項5

前記プロセスチーズは、約1〜約100ppmのナイシンを含む、請求項1に記載のプロセスチーズ。

請求項6

前記プロセスチーズは、約1〜約20%の発酵乳成分を含む、請求項1に記載のプロセスチーズ。

請求項7

前記発酵乳成分は、ATCCPTA−120552のラクトコッカスラクティス株識別特徴のすべてを有している、単離されたラクトコッカス・ラクティス株の発酵により提供される、請求項4に記載のプロセスチーズ。

請求項8

菌株ATCCPTA−120552の発酵は、3倍〜5倍に濃縮した乳製品培地内で、約25〜約35℃の温度および約5〜約6のpHで、約15〜約48時間にわたり行われる、請求項7に記載のプロセスチーズ。

請求項9

前記プロセスチーズは、ソルビン酸ソルビン酸カリウム亜硝酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される人工保存料を含まない、請求項1に記載のプロセスチーズ。

請求項10

前記ナイシンはナイシンAである、請求項1に記載のプロセスチーズ。

請求項11

天然の抗菌成分および抗真菌成分を含むプロセスチーズを製造する方法であって、ラクトコッカス・ラクティス株で液体乳培地を発酵させてナイシンを含む培養乳成分を作るステップと、1種以上の乳化剤と一緒にナタマイシンおよび前記培養乳成分をナチュラルチーズまたはナチュラルチーズ混合物に添加して、約8〜約25%のたんぱく質と約10〜約20%の脂肪を有するプロセスチーズを作るステップとを含み、前記プロセスチーズは、約0.5〜約6ppmのナタマイシンと、86°F(30℃)で約9日間にわたり、前記たんぱく質量および脂肪量のプロセスチーズに対してマウスを用いた毒素バイオアッセイにより判定された、ボツリヌス菌による毒素形成を防止するのに有効な量のナイシンを含むことを特徴とする方法。

請求項12

前記プロセスチーズは、約2〜約6ppmのナタマイシンを含む、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記プロセスチーズは、約2〜約5ppmのナタマイシンを含む、請求項11に記載の方法。

請求項14

前記プロセスチーズは、約1〜約100ppmのナイシンを含む、請求項11に記載の方法。

請求項15

前記発酵乳成分は、約1〜約100ppmのナイシンを含む、請求項11に記載の方法。

請求項16

前記プロセスチーズは、約1〜約20%の発酵乳成分を含む、請求項11に記載の方法。

請求項17

前記プロセスチーズは、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、亜硝酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される人工保存料を含まない、請求項11に記載の方法。

請求項18

前記ナイシンはナイシンAである、請求項11に記載の方法。

技術分野

0001

本出願は、一般にプロセスチーズ組成物および製造方法に関し、特に、天然抗菌成分および抗真菌成分を含有するプロセスチーズ組成物に関する。

背景技術

0002

スライスした形状および棒状で広く市販されているプロセスチーズは、販売高の多いチーズ製品の1つである。プロセスチーズ製品は、特に子供に人気がある。プロセスチーズは従来、例えば、チェダーチーズコルビーチーズ、スイスチーズ、ブリックチーズ、ミュスターチーズ、パスタフィラータチーズ洗浄したカード、および粒状カードチーズが提案されるが、この他にもいくつかの種類のある、乳脂肪含有ナチュラルチーズの1種類以上を加熱し、粉砕し、および/または混合することにより調製される。次いで、得られたチーズを、チーズの殺菌に十分な高い温度で、無脂肪乾燥乳および乳清固形分等の他の乳製品ならびにリン酸二ナトリウム等の乳化塩と混合し、シート状、スライス状、または他の所望の形状に成形することのできる、均質ポンプ輸送可能な流体チーズ材料を製造する。

0003

プロセスチーズ等の食品貯蔵寿命延長し、および/または、そのような食品の微生物学的定性を増大させることが、しばしば望まれる。食品が安定している時間を増大させることによって、製造者は、腐敗した食品による在庫損失を軽減することができる。包装保存料、および/または特定の貯蔵パラメータ(例えば、冷蔵)の使用等の従来の方法が、腐敗を食い止めるために使用されてきた。

0004

特に、リステリア菌およびボツリヌス菌は、場合によっては、生乳、チーズ(特に柔らかく熟成させた品種)、アイスクリーム生野菜発酵生肉ソーセージ、生および調理済み鶏肉、生肉(全ての種類)、ならびに生および燻製した等の食品で懸念される。場合によってはわずか3℃の温度でも成長するこれら病原菌能力により、冷蔵した食品中での増殖が可能となる。

0005

さらに、プロセスチーズ等の食品の貯蔵寿命を向上させることが望まれる一方で、天然成分含有量を増やした食品を提供することへの要望が増加している。これに関して、天然成分のみを含む食品を提供するか、またはそうでなければ人工的な材料を除去することが望ましい場合がある。例えば、プロセスチーズでは、食品の安全性および貯蔵寿命を改善するために、ソルビン酸等の保存料を利用することが多い。プロセスチーズの特性を維持し、および/または、改善しつつも、天然の保存料および/または抗菌物質を組み込むことが望ましい場合がある。

0006

天然の抗菌成分および抗真菌成分を含むプロセスチーズを提供する。1つの試みにおいて、天然の抗菌剤ナイシンである。いくつかの試みにおいて、ナイシンはナイシンAを含む。他の試みにおいて、天然の抗真菌剤ナタマイシンである。ナイシンおよびナタマイシンを含むプロセスチーズは、ナイシンとナタマイシンの含有が少量であるにもかかわらずカビおよびグラム陽性菌の増殖を阻害するので、貯蔵寿命が顕著に長くなることが予想外にも判明している。ナタマイシンは分解しやすいことが知られているので、こうした少量のナイシンおよびナタマイシンがプロセスチーズ製品の貯蔵寿命を延ばすために効果的であることは特に驚くべきことである。

0007

いくつかの試みにおいて、プロセスチーズは、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム亜硝酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される人工保存料を含まない。本明細書において、「含有しない」、「含まない」、または「実質的に含まない」のとの語句は、約0.5%未満、他の試みでは約0.1%未満、場合によっては約0.05%未満、および、他の場合には皆無であることを意味する。

0008

いくつかの試みにおいて、プロセスチーズは、プロセスチーズを約86°F(30℃)で保存した場合に少なくとも約9日間にわたりボツリヌス菌による毒素形成を阻止するのに有効な量の天然の抗菌剤を含む。また、プロセスチーズは、45°F(7.2℃)での貯蔵の間、少なくとも約1ヶ月間、別の態様では少なくとも2ヶ月間、別の態様では少なくとも3ヶ月間、別の態様では少なくとも4ヶ月間、別の態様では少なくとも5ヶ月間、別の態様では少なくとも6ヶ月間、さらに別の態様では少なくとも7ヶ月間にわたり、リステリアモノサイトゲネスの増殖を1logを超えて防止するのに有効な量で、天然の抗菌剤を含む。いくつかの態様において、ナイシンはナイシンAである。

0009

プロセスチーズの製造中に添加されるナタマイシンの量は、加熱工程中にナタマイシンの一部が分解されることを念頭において選択されるべきである。したがって、プロセスチーズに当初添加されるナタマイシンの量は、例えば1ヶ月、2ヶ月、または3ヶ月保存時に製品中に残存しているものよりも著しく高くなり得る。一般に、製品中へのナタマイシンの保持を最適化する加工条件を選択することが望ましい。また、プロセスチーズを製造する過程における加熱工程の後に、HPLCで検出して、約0.1〜約15ppmのナタマイシン、他の試みでは約0.5〜約10ppmのナタマイシン、他の試みでは約0.5〜約8ppmのナタマイシン、他の試みでは約0.5〜約6ppmのナタマイシン、他の試みでは約2〜約6ppmのナタマイシン、他の試みでは約2〜約5ppmのナタマイシン、および他の試みでは約2〜約4ppmのナタマイシンを保持するプロセスチーズ製品を提供するのに有効である初期ナタマイシン濃度を選択することが望ましいことが分かった。一態様では、ナタマイシンの量は、製品の包装の72時間以内のように、加熱工程の終了から72時間以内に測定することができる。これは加熱工程後の残存量であるので、プロセスチーズの製造中にナタマイシンの少なくとも一部が分解された後にも所望の量が残存するように、より多くの量のナタマイシンを最初に包含することが必要となる場合がある。

0010

いくつかの試みにおいて、プロセスチーズは、約1〜約10℃で保存された場合に、少なくとも約3ヶ月、別の態様では少なくとも約4ヶ月、別の態様では少なくとも約5ヶ月、別の態様では少なくとも約6ヶ月、およびさらに別の態様では少なくとも約7ヶ月にわたり、カビの成長を防止するのに有効な量の天然の抗真菌剤を含む。プロセスチーズ製品中のナタマイシンの有効性は、プロセスチーズの試料に、90cfu/gまたは500cfu/g等の既知量のカビ胞子接種し、40〜45°F(4.4〜7.2℃)での保存中の目視可能なカビの成長に関して試料を検査する、カビ検証研究を行うことにより、測定される。

0011

いくつかの試みにおいて、プロセスチーズのナイシンを、プロセスチーズ中に約1〜約20%で提供することができる培養乳成分の形でプロセスチーズに含むことができる。また、培養乳成分中のナイシンは、液体乳培地中での単一菌株の発酵から得ることもできる。菌株は、ラクトコッカスラクティスのナイシン生産株等の、任意のナイシン生産菌株とすることができる。本開示に使用するのに好適なラクトコッカス・ラクティス株は、ATCCPTA−120552のラクトコッカス・ラクティス株の識別特徴のすべてを有している。

0012

この試みの一態様において、プロセスチーズは、約10〜約90%のナチュラルチーズまたはナチュラルチーズ混合物と、1種以上の任意選択乳化剤と。約8〜約25%のたんぱく質と、約10〜約30%の脂肪を含む。

0013

また、天然の抗菌成分および抗真菌成分を含むプロセスチーズを製造する方法が提供される。この方法は、ラクトコッカス・ラクティス株で液体乳培地を発酵させてナイシンを含む培養乳成分を作り、1種以上の乳化剤と一緒にナタマイシンおよび培養乳成分を単一のナチュラルチーズまたはナチュラルチーズの混合物に添加して約8〜約25%のたんぱく質と約10〜約20%の脂肪を有するプロセスチーズを作ることを含む。プロセスチーズは、約0.5〜約6ppmのナタマイシンと、86°F(30℃)で約9日間にわたり、かかるたんぱく質量および脂肪量のプロセスチーズに対してマウスを用いた毒素バイオアッセイにより判定された、ボツリヌス菌による毒素形成を防止するのに有効な量のナイシンを含む。

0014

この方法は、2倍〜5倍に濃縮された乳製品培地中で、温度約25〜約35℃、およびpH約5〜約6にて、約15〜約48時間にわたり行われる、ラクトコッカス・ラクティス株ATCCPTA−120552の発酵を含むことができる。いくつかの試みでは、濃縮した液状乳製品培地は、全固形分が約5〜約36%、たんぱく質が約1〜約14%、脂肪が約0〜約16%の濃縮乳である。

0015

他の試みにおいては、この方法は、プロセスチーズが、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、亜硝酸塩、およびそれらの混合物からなる群より選択される人工保存料を含まないようにするのに有効である。

0016

いくつかの試みにおいて、この方法の培養乳成分は、ナイシンAと、配列番号9〜19からなる群から選択される配列と有意な相同性を有するナイシン生成遺伝子クラスタのうちの少なくとも1つの遺伝子を有する細菌株を含む。

図面の簡単な説明

0017

濃縮された乳製品液から製造された例示的な培養乳成分の製造を示す工程系統図である。
代替的な工程系統図である。
粉末状乳成分から製造された例示的な発酵乳製品成分の生産の第2の形態を示す工程系統図である。
ナイシンおよびナタマイシンを含むプロセスチーズのカビ検証試験の結果を示す表である。
ナイシン産生株ファージ型分析の結果を示す図である。
種々のラクトコッカス・ラクティス株のリボプリンター分析の結果を含む。
種々の乳酸菌EPS関連遺伝子を比較した図である。
ナイシンAのアミノ酸配列を示す。

0018

本出願は、全体として、特に天然の抗菌成分および抗真菌成分を含むプロセスチーズに関するものである。天然の抗菌剤(ナイシン等)と抗真菌剤(ナタマイシン等のポリエン化合物等)との両方を含む、本明細書において提供されるプロセスチーズは、人工保存料および/または他の種類の従来の天然の抗菌剤を除いては同一の配合であるプロセスチーズに比べて、大幅に向上した抗菌性を有する。本明細書に記載のプロセスチーズにおける天然の抗菌成分および抗真菌成分の組み合わせは、両成分が極めて少量の場合にも、ボツリヌス菌等のグラム陽性菌およびカビの増殖の抑制に効果的であることが予想外にも発見された。一態様において、天然の抗菌成分および天然の抗真菌成分は、チーズの製造中にプロセスチーズに組み込まれており、局所適用としては含まれない。

0019

以下で詳細に述べるように、プロセスチーズ中の高濃度のたんぱく質および脂肪は、水分が低いことと相まって、市販形態のナイシンおよび他の天然の抗菌剤による阻害から種々の病原体を保護および/または遮断する傾向のあるチーズマトリクスを提供すると考えられていたので、従来の抗菌剤は、高濃度のたんぱく質および脂肪を有するプロセスチーズにはあまり効果的でない傾向があった。ナイシンおよびナタマイシンを含むプロセスチーズは、ナイシンおよびナタマイシンの含量が低いにもかかわらず、カビおよびグラム陽性菌の増殖の抑制により、顕著に長い貯蔵寿命を有することが予想外にも分かった。ナタマイシンは分解しやすいことが知られているので、このような少量のナイシンおよびナタマイシンがプロセスチーズ製品の貯蔵寿命を延ばすために効果的であることは、特に驚くべきことである。

0020

本明細書において、「天然の抗菌」および「天然の抗真菌」なる用語は、発酵工程の間に細菌培養物等の生物によって生産される、それぞれの抗菌活性および抗真菌活性を有する成分を指す。1種以上の異なる天然の抗菌成分および抗真菌成分をプロセスチーズに含むことができる。一形態において、プロセスチーズは、十分な量の天然の抗菌成分および抗真菌成分を含んでいるので、プロセスチーズは、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム等の人工保存料を含んでない、または、これらが全く存在しない。本明細書において、「を含まない」、「全く存在しない」、「実質的に存在しない」なる語句は、約0.5%未満、他の試みでは約0.1%未満、場合によっては約0.05%未満、および、他の場合には無であることを意味する。

0021

いくつかの試みでは、プロセスチーズは、プロセスチーズを約86°F(30℃)で保存した場合に少なくとも約9日間にわたりボツリヌス菌からの毒素形成を防止するのに有効な量の天然の抗菌剤を含む。また、プロセスチーズは、約45°F(7.2℃)での貯蔵の間に、少なくとも約1ヶ月、他の態様では少なくとも約2ヶ月、他の態様では少なくとも約3ヶ月、他の態様では少なくとも約4ヶ月、他の態様では少なくとも約5ヶ月、他の態様では約6ヶ月、および、さらに他の態様では少なくとも約7ヶ月にわたり、リステリア・モノサイトゲネスの増殖を1log超で防止するのに有効な量の天然の抗菌剤を含む。

0022

好ましい天然の抗真菌剤は、ナタマイシン等のポリエン抗真菌剤を含み、好ましい天然の抗菌剤は、例えばナイシンを含む。1つの試みでは、プロセスチーズは、約0.1〜約100ppmの天然の抗菌剤を、他の試みでは約0.1〜約20ppmの天然の抗菌剤を、他の試みでは約1〜約15ppmの天然の抗菌剤を、他の試みでは約1〜約10ppmの天然の抗菌剤を、他の試みでは約1〜約5ppmの天然の抗菌剤を、他の試みでは約3〜約5ppmの天然の抗菌剤を、および、さらに他の試みでは約3〜約4ppmの天然の抗菌剤を含む。いくつかの試みでは、プロセスチーズは、約0.1〜約100ppmのナイシンを、他の試みでは約0.1〜約20ppmのナイシンを、他の試みでは約1〜約15ppmのナイシンを、他の試みでは約1〜約10ppmの天ナイシンを、他の試みでは約1〜約5ppmのナイシンを、他の試みでは約3〜約5ppmのナイシンを、および、さらに他の試みでは約3〜約4ppmのナイシンを含む。さらに他の試みでは、ナイシンはナイシンAを含む。

0023

別の態様では、本明細書に記載されプロセスチーズは、約0.1〜約15ppmの天然の抗真菌剤を、他の試みでは約0.5〜約10ppmの天然の抗真菌剤を、他の試みでは約0.5〜約8ppmの天然の抗真菌剤を、他の試みでは約0.5〜約6ppmの天然の抗真菌剤を、他の試みでは約2〜約4ppmの天然の抗真菌剤を、および、さらに他の試みでは約2〜約4ppmの天然の抗真菌剤を含む。いくつかの態様では、天然の抗真菌剤はナタマイシンである。

0024

プロセスチーズの製造中に添加されるナタマイシンの量は、ナタマイシンの一部が加熱工程中に分解されることを念頭において選択されるべきである。したがって、最初にプロセスチーズに添加されるナタマイシンの量は、例えば1ヶ月、2ヶ月、または3ヶ月保存時に製品中に残っているものよりも顕著に高くなり得る。一般に、製品中のナタマイシンの保持を適正化する製造条件を選択することが望ましい。また、プロセスチーズを製造する方法における加熱工程の後に、HPLCで測定して約0.1〜約15ppmのナタマイシンを、他の試みでは約0.5〜約10ppmのナタマイシンを、他の試みでは約0.5〜約8ppmのナタマイシンを、他の試みでは約0.5〜約6ppmのナタマイシンを、他の試みでは約2〜約6ppmのナタマイシンを、他の試みでは約2〜約5ppmのナタマイシンを、および、他の試みでは約2〜約4ppmのナタマイシンを保持するプロセスチーズ製品を提供するのに有効である初期ナタマイシン濃度を選択することも望ましいことが分かった。一態様において、ナタマイシンの量は、製品の包装から72時間以内等の、加熱工程の完了から72時間以内に測定することができる。これは、加熱工程の後に残留している量であるので、ナタマイシンの少なくとも一部がプロセスチーズの製造中に分解した後にも、前記の量が残留するように、大量のナタマイシンを最初に含むことが必要である場合がある。

0025

いくつかの試みでは、プロセスチーズは、約1〜約10℃で貯蔵した場合に、少なくとも約3ヶ月、他の態様では少なくとも4ヶ月、他の態様では少なくとも5ヶ月、他の態様では少なくとも6ヶ月、および、さらに他の態様では少なくとも7ヶ月にわたりカビの成長を防止するのに有効な量の天然の抗真菌剤を含む。プロセスチーズ製品中のナタマイシンの有効性は、プロセスチーズの試料に、90cfu/gまたは500cfu/g等の公知の量のカビ胞子を接種し、40〜45°F(4.4〜7.2℃)での貯蔵中の可視的なカビの成長を調べるというカビ検証試験を行うことより、測定される。

0026

一形態において、天然の抗真菌剤は、ピマリシンとして知られるナタマイシンも含む。ナタマイシンは、ストレプトマイセスナタレンシス、または、ナタマイシンを産生するように遺伝子組み換えされた他の生物を用いた発酵により産生することができる。所望であれば、ダニスコ(Danisco)社のNATAMAX(商標SF(87%粉末ナタマイシン)等の市販のナタマイシン源を使用することができる。所望であれば、例えば、(特定のストレプトマイセス種によって産生される)ポリリシン等の他の天然の抗真菌剤も含むことができる。

0027

一形態において、天然の抗菌成分は、天然の抗菌成分、および/または、適当な発酵条件の下で天然の抗菌剤を産生することができる培養物を含む、発酵乳成分または濃縮された発酵乳成分を介して、プロセスチーズに組み込まれる。本明細書において、「発酵乳成分」または「濃縮された発酵乳成分」なる用語は、いくつかの試みでは濃縮、および、発酵抗菌成分を含まないと具体的に特定されていない限りは、ナイシン等の抗菌性ペプチドを産生するのに有効な条件下で、選択された抗菌剤産生培養物での発酵を受けた発酵乳基質またはその誘導体を一般に指す。

0028

天然の抗菌成分は、乳酸菌の抗菌剤産生株を用いて発酵することにより産生することができる。本明細書において、「乳酸菌」なる用語は、一般に、炭水化物発酵の主要代謝産物として乳酸を生成するグラム陽性細菌を意味する。乳酸菌は、例えば、乳酸連鎖球菌、または、代替的な試みにおいて、ブレビバクテリア系の抗菌剤産生株である。

0029

いくつかの態様において、天然の抗菌成分は、抗菌性ペプチドである。例えば、抗菌性ペプチドは、ナイシンと、いくつかの試みにおいて、ナイシンAを含むことができる。ナイシンは、34個のアミノ酸残基を有する阻害性多環式ペプチドである。ナイシンは、異常アミノ酸であるランチオニンメチルランチオニン、デヒドロアラニン、およびデヒドロアミノ酪酸を含む。これらのアミノ酸は翻訳後修飾によって合成される。これらの反応では、リボソーム合成された57−merを最終的なペプチドに変換する。不飽和アミノ酸セリンおよびトレオニン由来である。

0030

ナイシンは、乳を含む天然基質上でナイシン産生細菌を培養することによって得ることができる。ナイシンは、グラム陽性腐敗菌および病原菌を抑制することにより、安全で使用可能な寿命を延長するために、食品に含まれている。高度に選択的な活性ゆえに、ナイシンは、グラム陰性の細菌、酵母およびカビの単離のための微生物学的培地における選択剤として使用することができる。ナイシンを含む2つの市販の抗菌剤は、Nisaplin(登録商標)およびNovasin(商標)であり、両者ともにデンマークのDaniso A/Sから発売されている。典型的には、Nisaplinは約3.0重量%未満のナイシンを含み、残部はNaCl、たんぱく質、炭水化物および水分からなる。本明細書においてナイシン成分に言及した場合、この成分は、ナイシンのみならず、担体、塩、たんぱく質、炭水化物、および発酵工程から得られる代謝産物等の他の材料を含むことができる。

0031

一態様において、抗菌成分はナイシンAを含む。ナイシンAは、約3,351.5ダルトン分子量および配列番号1のアミノ酸配列を有する。また、他の天然の抗菌剤は、本明細書に記載のプロセスチーズ製品にも利用され得ることを理解すべきである。例えば、ナイシンZ、ナイシンQ、ナイシンF、およびナイシンFを含む他の形態のナイシンを含むことができる。また、クラスIバクテリオシン、クラスIIバクテリオシン、クラスIIIバクテリオシン、およびクラスIVバクテリオシン等の他のバクテリオシンを含むことができる。

0032

さらに、天然の抗菌剤を産生する細菌株を提供することができる。かかる菌株は、例えば、ラクトコッカス・ラクティスまたはブレビバクテリウムリネンのナイシン産生株等の、例えば、乳酸菌の抗菌剤産生菌株を含む。
プロセスチーズ

0033

1つの試みでは、プロセスチーズは、ナチュラルチーズまたはナチュラルチーズの混合物と、水分(例えば、水または限外濾過乳の形)と、任意選択の付加的な乳たんぱく質源(乳たんぱく質濃縮物、乳清、乳清たんぱく質濃縮物、限外ろ過乳等)を一緒に配合することによって製造することができる。また、ナタマイシン等の天然の抗真菌をこの時点で添加することもできる。塩化ナトリウム呈味のために添加することができる。他の任意成分をテクスチャ、呈味、栄養、および/またはコス属性を改善するために添加することができる。これらには、乳清由来の成分(例えば、乳清タンパク濃縮物)、脱脂粉乳乳タンパク濃縮物無水乳脂肪、ゴムデンプンゼラチン等が含まれるが、これらに限定されない。成分を一緒に配合し、調理器具(例えば、レイダウンクッカー)に移し、低温殺菌の温度に加熱する。いくつかの態様では、いくつかの試みでは培養乳成分の形態であるナイシンを調理器具に添加する。配合工程後に存在する任意の微生物によって、貯蔵中にナイシンが少なくとも部分的に消費され、その有効性が減少し得るので、ナイシンを調理器具に、かつ、加熱工程の前ではなく添加することが望ましい場合がある。任意選択的に、せん断を加熱中または加熱後に適用し、実質的に均質な塊を形成することができる。次いで、生成物は、スライスまたはローフ形状等の適当なまたは所望の形に包装される。

0034

蒸気を調理器具に注入し、加熱からの凝集蒸気を混合し、および/または直接水を添加する等の任意の方法により、水分を配合物に添加することができるが、これらに限定されない。無論、水分は、様々な成分(例えばナチュラルチーズからの水分)を介して系に入ることもある。最終チーズ製品の全体的な水分は、最終製品にどのようにして水分が導入されたに関わらず、全ての水分を含む。培養された乳成分はナイシンを含むため、有利には、プロセスチーズの水管理が改善される。この目的のため、ナイシンおよび他のテクスチャ改良成分を別々に添加する必要がないので、培養乳成分の原料を介してプロセスチーズに添加される水がより少なくなる傾向がある。

0035

乳清たんぱく質とは、乳を凝固させ、ろ過した後に残留する液体である乳清から単離することができる球状たんぱく質の集合を指す。乳清たんぱく質は、典型的には、βラクトグロブリン、αラクトアルブミン、および血清アルブミンたんぱく質の混合物である。一実施形態において、乳清タンパク濃縮物(WPC)を、乳清タンパク源として使用してもよい。WPCは、従来の濃縮技術によって、乳清から生じるものである。また、乳清たんぱく質源は、ラクトースビタミンミネラル、および脂肪を含むことができる。

0036

業者に知られているように、チーズ製品の所望の結果に応じて、様々な量で原料をプロセスチーズ中に使用することができる。例えば、減塩チーズ製品に対して、チーズメーカーは、チーズ混合物に塩を少量含め、または全く含めないことができる。また、プロセスチーズは、培養乳成分の形態および組成ならびにプロセスチーズの所望の形態に応じて、ある範囲の量の培養乳成分を含むこともできる。

0037

例えば、一形態において、プロセスチーズは、約10〜約90%のナチュラルチーズを含むことができる。他の形態によれば、プロセスチーズは、約30〜約60%のナチュラルチーズを含むことができる。本明細書で使用するナチュラルチーズとは、レンネット(またはレンネット代用物)と酸性化の組み合わせを使用して、乳または他の液状乳製品を凝固させることにより作られる未殺菌のチーズを意味する。本明細書に記載のプロセスチーズに用いられるナチュラルチーズは、作りたてとすることも、または熟成させることもできる。

0038

さらに他の形態では、本明細書のプロセスチーズは、約35〜約55%のナチュラルチーズを含むことができる。本明細書において、ナチュラルチーズとは、一般に、凝乳と、レンネット、レンネット代用品、酸性化、およびそれらの組み合わせのうちの1つとから得られた未殺菌のチーズからもたらされたチーズを意味する。

0039

また、プロセスチーズは、特定の用途の必要に応じて、さまざまな供給源からの多数の他の乳原料を含むこともできる。例えば、一形態において、プロセスチーズは、約0〜約50%(他の試みでは、約10〜約25%)の乳タンパク濃縮物と、約0〜約25%(他の試みでは、約1〜約10%)の乳清タンパク濃縮物、、約0〜約30%(他の試みでは、約1〜約10%)の乳清、約0〜約30%(他の試みでは、約1〜約15%)の乳脂肪/クリーム等を含むことができる。また、プロセスチーズは、クエン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム等の乳化剤を、約0〜約5%(他の試みでは、約1%〜約3%)の量で含むことができる。また、プロセスチーズは、塩、香料強化剤着色剤等を含み、所望の色、風味等を提供することができる、また、プロセスチーズは、所望の最終製品に提供するために、添加水および/または原料からの水分を含むことができる。例えば、ビタミンおよび他のミネラルを、必要に応じて添加し、プロセスチーズに対して約0〜約3%のビタミンAビタミンD、および/または、カルシウム粉末リン酸三カルシウム等)を強化することができる。他の用途において、必要に応じて塩を添加することができる。いくつかの試みにおいて、約0〜約5%の塩を添加することができる。

0040

伝統的な防腐剤の代わりに、プロセスチーズは、ナタマイシンおよびナイシンまたはナイシンを含む培養乳成分を含むことができる。一態様において、ナイシンを含む培養乳成分を、本明細書に記載の方法によって製造することができる。一形態では、プロセスチーズは、約1〜約20%の培養乳成分を含むことができる。他の形態では、プロセスチーズは、約4〜約10%の培養乳成分を含む。いくつかの試みでは、本開示の培養乳成分は、ナイシン含量に対するナイシン当量ナイシン活性比)に比べて非常に高い総抗菌活性を提供する。例えば、いくつかの試みにおいて、本明細書に記載の培養乳成分の量を用いた培養乳成分およびプロセスチーズは、約0.3以下のナイシン活性比を示す。

0041

なお、天然の抗菌成分および天然の抗真菌成分を、人工防腐剤の代替として使用することができることに留意されたい。プロセスチーズが本明細書の培養乳成分を含む場合には、チーズは、ソルビン酸、亜硝酸塩等の従来の保存料を実質的に含まなくすることができる。1つの試みでは、実質的に含まないとは、一般的に、約0.5%未満を、他の試みでは約0.1%未満を、さらに他の試みでは全く存在しないことを意味する。

0042

天然の抗菌成分および/または天然の抗真菌成分は、全体的なプロセスチーズ組成物中の他の成分を、少なくとも部分的に補完し、または置換するために使用することができる。例えば、培養乳成分の形態に応じて、培養乳成分の量は、乳脂肪、カゼイン、乳清等の、組成物中の他の乳製品材料の一部を補完または置換するために使用することができる。換言すれば、他の乳製品原料の割合は、培養乳成分の使用の結果として変更することができる。

0043

一形態では、プロセスチーズは、約40%のナチュラルチーズ、35%の他の乳製品原料、約8%の培養乳成分、約12%の水、および、残部としての塩、香料、着色剤、ビタミン、ミネラル等を含む。プロセスチーズは、一般に、加熱中、またはチーズ配合工程中に、培養乳成分を添加すると理解されるように製造することができる。一形態において、本明細書に記載のチーズ製品は、チーズディップ、チーズスプレッドチーズブロックスライスチーズ細切りチーズ等のいずれであってもよい。いくつかの試みでは、本開示のプロセスチーズの様々な形態は、約10〜約90%のナチュラルチーズ、約0〜約50%の乳タンパク濃縮物、約0〜約30%の乳脂肪またはクリーム、約40〜約60%の水、約1〜約20%の培養乳成分、約0〜約30%の乳清、および約0〜約25%の乳清タンパク濃縮物を、上述した種々の任意選択の香料、塩、および乳化剤と組み合わせて含むことができる。

0044

他の形態では、プロセスチーズは、約10〜約30%の総脂肪(他の試みでは約20〜約30%の脂肪)、約8〜約25%の総たんぱく質(他の試みでは約15〜約25%の総たんぱく質)、および約40〜約60%の総水分(他の試みでは約40〜約50%の水分)を含む。

0045

理論によって限定されることは望まないが、本明細書に記載のプロセスチーズの高たんぱく質、高脂肪、および、いくつかの場合には、低い水分レベルにより提供されるチーズマトリックスは、ナタマイシンを保護し、および/または封入する傾向があるので、ナタマイシンがプロセスチーズ加熱工程をよりよく耐え抜く。プロセスチーズに含まれるナタマイシンをこのように低量にしつつも、依然としてカビの繁殖なしに顕著に長い貯蔵寿命を提供することができたのは、驚くべきことであり、予想外であった。

0046

また、理論によって限定されることは望まないが、培養乳成分は、加熱工程中のナタマイシンを保護する役割を果たすことができるものと現在では考えられる。ナタマイシンと、本明細書に記載の方法によって提供される培養乳成分との両方を用いて調製したプロセスチーズ製品は、製品の貯蔵中にHPLCにより測定されるナタマイシンの量が変化することに留意されたい。例えば、ナタマイシンの検出可能な量は、貯蔵2および3ヶ月では増加し、その後、4ヶ月では減少することが分かった。チーズマトリクスは貯蔵中に経時的に変化し、ナタマイシンを2および3ヶ月で放出するので、ナタマイシンが製品中に存在するカビと接触し、これを不活性化することができると現在では考えられている。その後、カビによってナタマイシンが消費されるので、ナタマイシンの含有量は4ヶ月目に減少する。2ヶ月および3ヶ月の間にナタマイシンの検出可能な含有量が増加するのは、ナタマイシンは経時的に分解するものと予想されていたので、非常に驚くべきことであった。ナイシンおよびナタマイシンが、クリームチーズ製品等の他のチーズ製品に含まれる場合には、この効果は観察されなかった。したがって、本明細書に記載の発酵乳成分がプロセスチーズ製品に含まれる場合に提供される、プロセスチーズ製品の固有のたんぱく質および脂肪マトリックスは、驚くべきことに、所望の微生物安定性および貯蔵安定性を依然として提供しつつも、含まれるべきナイシンおよびナタマイシンの量をこのように低くすることを可能とすると、現在では考えられている。

0047

また、本開示の培養乳成分で作られたプロセスチーズは、約10〜約30%の脂肪と約8〜25%のタンパクを有するプロセスチーズ製品等の、高タンパク高脂肪製品における抗菌特性を改善する。従来の市販形態のナイシンは、液状培地または培養液中のボツリヌス菌を阻害すると一般的に考えられていたが、かかる従来の形態のナイシンが、プロセスチーズ等の高たんぱく質高脂肪食品系に用いられた場合には、ナイシンは、ボツリヌス菌および他の病原菌の阻害効果が低かった。理論によって限定されることを望まないが、本明細書に記載のプロセスチーズの高タンパク、高脂肪、および、いくつかの場合には、低い水分含量は、ボツリヌス菌および他の病原菌を保護し、および/または封入する傾向があるため、従来のナイシンおよび従来の天然の抗菌物質の効果を低くしていた。本明細書の抗菌培養物から得られたナイシン、特に、菌株329は、高脂肪高たんぱく質プロセスチーズ中において、全体として下記の実施例1に示すような他の形態のナイシンに比べて、ボツリヌス菌、および、リステリア菌等の他の食品媒介病原菌を阻害するのにはるかに有効であることが意外にも発見された。いくつかの試みでは、プロセスチーズ中の培養乳成分は、本明細書に記載の高タンパク高脂肪のプロセスチーズにおいて、マウスを用いた従来の毒素バイオアッセイにより測定されるボツリヌス菌からの毒素形成を、約86°F(30℃)で少なくとも約9〜約10日にわたり防止するのに有効な量のナイシンを提供する。1つの試みでは、生物毒素アッセイは、下記から入手可能なHaim M. Solomonらの細菌学的分析マニュアル、第17章、ボツリヌス菌、2001年1月にしたがって行うことができる。
http:/ / www.fda.gov/Food/FoodScienceResearch/LaboratoryMethods/ucm070879.htm
参照によりその全体を本明細書に援用する。

0048

ナタマイシンおよび発酵乳成分は、高タンパク高脂肪プロセスチーズにおけるカビ、ボツリヌス菌および他の病原体の阻害に有効であるだけでなく、発酵乳成分は、かかる阻害効果を、従来可能であると判明していたものよりも低い活性レベルおよび/または低い用量レベルで達成する。

0049

他の試みにおいて、本明細書の培養乳成分の液体形態、または、本明細書に記載の方法で作られた培養乳成分の液状形態は、最終プロセスチーズ中のナイシン活性を高いレベルに維持するが、これは、従来の市販形態のナイシンをプロセスチーズに使用した場合には達成できなかった。1つの試みによれば、本明細書に記載の発酵乳成分および本明細書に記載の方法で作られた発酵乳成分は、プロセスチーズに組み入れる前の成分の活性に比べて、約50〜約90%、他の試みでは、約60〜約75%の活性を保持するのに有効である。

0050

いくつかの試みでは、培養乳成分は、発酵の前または後に限外濾過した液状乳を用いて作られる。これらの試みでは、培養乳成分は、ラクトースおよび他の乳製品ミネラルの水準が低下している。例えば、いくつかの試みにおいて、培養乳成分および培養乳成分を利用するプロセスチーズは、約0.1%未満のラクトースと、酸として約15%未満の乳酸を有することができる。また、他の試みでは、培養乳成分および培養乳成分を利用するプロセスチーズは、約600mg/100g未満のカルシウムを有することができる。

0051

プロセスチーズに使用するための抗菌成分の産生
一形態において、本明細書に記載されプロセスチーズ製品に含有するための培養乳成分は、抗菌剤産生培養物で発酵させた乳基質を含む。いくつかの試みでは、乳製品基質は、乳等の液状乳製品、または、2〜5倍に濃縮された乳基質等の濃縮された液状乳製品もしくは乳基質である。一態様では、抗菌剤産生培養物はナイシン産生培養物である。1つの特定の形態では、培養物により産生するナイシンは、ナイシンAである。

0052

ここで、効果的な培養乳濃縮物とプロセスチーズを製造する方法についてより詳細に説明する。最初に図1を参照し、工程図10は、抗菌剤(ナイシンA等)を産生するのに有効な培養乳製品材料または培養乳濃縮物を製造する1つの方法を例示しており、その製品はプロセスチーズに使用するのに有効である。この例示的な工程10において、全乳の如き液状乳製品等の液状乳出発材料14を用いることができる。他の試みでは、出発液状乳は、乳タンパク濃縮物および/または乳清材料とすることができる。出発材料14は、全固形が約5〜約35%で、脂肪が約0〜約16%で、たんぱく質が約1〜約14%で、水分が約64〜約95%とすることができる。他の形態では、出発材料14は、全固形が約26〜約30%で、脂肪が約10〜約15%で、たんぱく質が約8〜約12%で、水分が約70〜約70%である、3.5倍に濃縮した全乳とすることができる。

0053

別の試みでは、出発材料14は、液状乳製品の限外濾過から得られた濃縮液状乳である。濃縮された出発材料は、全固形分で規定して、約2倍〜約5倍の濃度、他の試みでは約2倍〜約4倍、さらに他の試みでは約3倍〜約3.5倍の液状乳製品に濃縮することができる。すなわち、3倍濃度は、出発液状乳製品に対して全固形分の水準が3倍であり、5倍濃度は、出発液状乳製品に対して全固形分の水準が約5倍である。1つの試みにおいて、限外濾過膜を用いて、適当に濃縮された出発材料を達成することができる。1つの適切な膜は、約5〜約20KDの分子量カットオフを有する。また、特定の用途の必要に応じて、精密濾過ナノ濾過、および逆浸透等の他の濃縮方法を用いることもできる。

0054

以下でさらに説明するように、本開示の2倍〜5倍の乳等の濃縮乳中での発酵は、典型的には、従来の抗菌性発酵物および発酵では問題が生ずる。本開示の生成物および方法において使用される菌株329は、濃縮液状乳製品中での発酵を可能にし、同時に、ナイシンの形成を許容する。濃縮乳を、本開示のプロセスチーズ成分の発酵および最終的な製造に利用することにより、得られるプロセスチーズ中の水分含量がより良好に制御される。いくつかの試みでは、これによって、プロセスチーズの製造工程における全体的な水分負荷が軽減し、場合によっては、プロセスチーズ成分系列が単純となる。

0055

液状乳製品または濃縮液状乳成分のいずれかである出発材料14は、次いで殺菌16された後、1つ以上の発酵槽18に入る。低温殺菌は、約150〜約190°F(65.6〜87.8℃)で約20〜約40秒とすることができ、殺菌された主発材料の出口温度が約80〜約90°F(26.7〜32.2℃)となる。ラクトコッカス・ラクティス株329等の抗菌剤を産生する培養物20を、水酸化ナトリウム(例えば、5.5N希水酸化ナトリウム)等の塩基溶液22と一緒に発酵槽18に添加する。一形態では、約2×106〜約2×108CFU/mlの抗菌剤産生培養物20を発酵槽に添加する。一実施形態では、培養物20は、培養物を解凍した形態である。1つの試みでは、発酵温度は、約25〜約35℃(いくつかの試みでは約28〜約32℃、他の試みでは約30℃)に維持され、発酵槽内でのpHは約5〜約6(他の試みでは、約5.4〜約5.8、さらに他の試みでは約5.4〜約5.6)である。また、培養物が、選択された条件下で所望の水準のナイシンを産生することができる場合には、他の温度およびpHを用いることもできる。例えば、1つの試みにおいて、pHは約5〜約7の範囲であり、温度は約20〜約40℃の範囲である。組成物を種々の期間にわたって発酵させて、組成物に異なる風味特性を付与することができる。例えば、ある試みにおいて、組成物を約18〜約22時間にわたり発酵させる。他の形態では、発酵を、約15〜約48時間の範囲にわたって行うことができる。

0056

次に、組成物は、任意選択のせん断装置24に送られ、形成されている可能性のある小さな/柔らかいカードをせん断する。ある試みでは、せん断装置は、ロータステータミキサー(Dispax等)または他のロータせん断装置とすることができる。この工程は、他の処理条件およびこの処理で利用される材料の特性に応じて、任意選択とすることができる。次いで、組成物は、最終的に任意選択の熱処理工程26に供される。一形態において、組成物は、約150〜約160°F(65.6〜71.1℃)で概ね約60〜約100秒間にわたり熱処理26される。他の形態では、組成物を熱処理して、cfu/mlを約1000cfu/ml未満に低減する。得られた組成物12は、ナイシンおよび/またはナイシン産生物質を含む培養乳成分または培養乳濃縮物である。少なくともいくつかの試みにおいて、これらの2つの成分を、329株等の同じ出発細菌株から、同じ発酵条件下で生成することが有利である。組成物は、約6〜約40%の全固形分を有する液体の形態とすることができる。一形態では、この液体は、全固形分が約20〜約30%であり、いくつかの試みでは全固形分が約28.5%である。

0057

図1Aに示す代替の方法200において、まず水和した粉末および/または液状乳202を、高温短時間殺菌HTST)または超高温殺菌(UHT)工程で加熱204することができる。次に、加熱された液体を、前述の方法に関連して説明したのと同様の材料、培養物、および条件で発酵206させる。発酵後、材料を、任意選択でせん断208し、その後に濃縮210することができる。この試みでは、濃縮を、膜濾過蒸発、または遠心分離とすることができる。濃縮後、得られた濃縮物を、例えば、HTSTまたはUHTを用いて、任意選択で再加熱212することができる。

0058

培養乳成分を調製するための他の工程100を図2に示す。図2の工程100は、粉末乳タンパク濃縮物および粉末乳清等の粉末状の出発材料112を利用する。この試みでは、約3〜約10%の粉末乳タンパク濃縮物、約2〜約6%の粉末乳清、および約75〜約95%の水をタンクまたは発酵槽中で配合し、発酵培地を形成する。粉末を、発酵槽118に添加する前に混合114し、加水することができる。これらの主発材料を、その後、発酵槽118中で、約2×106CFU/ml〜約2×108CFU/mlの量のラクトコッカス・ラクティス株329等の抗菌剤産生培養物120と混和し、図1に関して説明したと同じ方法で発酵させる。また、図1の方法と同様に、処理水と、希水酸化ナトリウム等の塩基も、タンク123から発酵槽118に添加することができる。発酵の後、組成物を、任意選択で、必要に応じて加熱または冷却し、次いで、最終的な培養乳成分112に調製することができる。いくつかの試みでは、工程には、特定の用途の必要に応じで、様々な中間加熱および冷却112を含むことができる。この点では、組成物112を、濃縮液の形態で使用するための1つまたは複数の保持タンク130または他の貯蔵場所に置くことができる。貯蔵タンク温度保持は、約30〜約50°F(−1.1〜10℃)とすることができる。一実施形態(液体形態等)において、培養乳成分は、約6〜約11%の全固形分、別の形態では約20%の全固形分を有することができる。さらに、培養乳成分を、噴霧器140等で噴霧乾燥することができる。1つの試みでは、噴霧器は、乾燥温度が約160〜約180度(約71.1〜約82.2℃)であり、かつ、圧力降下が約15〜約25psi(約0.10MPa〜約0.17MPa)とすることができる。

0059

培養乳成分は、種々の形態を取り得る。例えば、図1および2に示すように、培養乳成分は、液状とすることができる。また、培養乳成分は、図2に示すような噴霧乾燥等による、粉末の形態をとることができる。さらに、培養乳成分は、蒸発、濾過等によって得られた成分等の濃縮形態であってもよい。図1または2の方法で得られた生成物は、特定の用途に応じて、液体とし、または噴霧乾燥することができる。図2は噴霧乾燥の例示的な工程を示しており、これらの工程を図1の方法と共に使用することができることが理解されるであろう。培養された乳成分をさらに濃縮、噴霧乾燥等により処理する場合、このさらなる処理は、実質的にナイシンに影響を与えないやり方で完了されることが理解されるであろう。

0060

図1および2の方法によって産生された培養乳成分を、その後、プロセスチーズに使用し、および/または、プロセスチーズを製造するために用いることができる。

0061

本明細書において、長期活性単位(AU)は、抗菌剤が組み込まれた培養乳成分およびプロセスチーズ中の天然の抗菌剤の生物学的活性を説明するために用いることができる。また、生物学的活性は、国際単位(IU)で表すこともでき、AUとIUは交換可能に使用することができる。いくつかの試みでは、本開示の培養乳成分およびそれを用いて調製したプロセスチーズは、約40〜約400IU/g、他の用途では約50〜約200IU/gのナイシン活性を有することができる。

0062

一形態では、培養乳成分はナイシン成分を含み、および/または、発酵培地の重量の約30〜約90ppmの範囲内のナイシン成分を産生することができる培養物を含む。

0063

天然の抗菌剤は、乳製品基質に適当な発酵条件下で抗菌剤産生細菌を培養することにより提供することができる。乳製品基質は、例えば、乳、クリーム、乳清または他の乳製品含有粉末もしくは液体を含むことができる。また、乳製品基質は、デキストロースコーンシロップ、または細菌の成長のための他の栄養素を補充した他の炭水化物を、炭酸カルシウム等の酸中和剤とともに、または酸中和剤なしに、含むことができる。

0064

いくつかの形態において、乳は、生乳の形態であってもよく、または、少なくとも約2倍に濃縮された乳製品、他の態様では最大約5倍に濃縮した乳製品等の濃縮乳製品の形態であってもよい。典型的には、乳基質は、約3%超のラクトースおよび窒素源を含むであろう。基質は、水和粉末から製造され、または、脱脂乳、2%乳、全乳等の新鮮な液状乳製品由来とすることができる。1つの試みでは、出発乳製品基質は、全固形分が約5〜約36%で、たんぱく質含量が約1〜約14%で、脂肪含量が約0〜約16%で、水分含量が約64〜約95%である濃縮乳を含む。

0065

培養乳成分をプロセスチーズの製造に用いる場合、プロセスチーズ製品への投入前に培養乳成分から水分を除去することに関連するコストの増大を低減するために、乳製品基質中の水分を低水準に維持することが望ましいことが分かっている。さらに、培養乳成分の特定の成分が不安定であってもよく、水分除去工程の間に分解し、または損傷を受けてもよい。しかし、特定の用途のために望ましい場合は、培養された抗菌剤を含む培養乳成分は、液体および/または粉末等の様々な形態をとることができる。

0066

少なくともいくつかの試みでは、本明細書で用いるナイシンA産生培養物は、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス株329である。2013年8月21日に、菌株329は、10801ユニバーシティブルバード、マナッサスバージニア州20110のアメリカン・タイプ・カルチャーコレクション(ATCC)に寄託され、受託番号PTA−120552を与えられた。寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約の規定に従って行われた。また、菌株329は、2013年8月22日に出願された米国特許出願第13/973660号に詳細に記載されており、その全体を参照により本明細書に援用する。

0067

ラクトコッカス・ラクティス株329は、乳酸菌の他のナイシン産生株と比較して、独特の遺伝子およびファージプロファイルを有することが分かっている。有利なことに、菌株329は、約2〜約5倍の乳を含む濃縮乳製品基質中で生育することができることが分かった。このように高度に濃縮された乳基質中で生育可能な培養物は少ないことが分かっている。例えば、この培養物は、約10時間で少なくとも約109CFU/gまで成長するのに有効であり、約2倍〜約5倍に濃縮された発酵培地中であっても、約18時間で約2000IU/グラムを超えるナイシンAを産生する。菌株329は、以下でより詳細に説明するように、多重座配列タイピング(MLST)、ファージタイピングおよびリボタイピングを用いて特徴付けられた。

0068

多重座配列タイピング(MLST)

0069

ナイシン産生株でもある、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスIL1403(taxid:272623)の公的に入手可能な遺伝情報は、IL1403と菌株329の比較における遺伝子マーカーとして使用される7つのハウスキーピング遺伝子の選択のためのテンプレートとして用いられる。選択された遺伝子は、下記の表1に詳述されるように、染色体上の遺伝子座のある範囲に広がる。7種の遺伝子のそれぞれを増幅し、配列決定した。次いで、この配列を基準として、IL1403を用いて整列および比較を行った。各配列の多様性が評価され、これは個々の対立遺伝子を表す。

0070

0071

ファージタイピング

0072

スポットプレートを用いて、高力価のファージストックのファージプロファイリングを行った。ファージを同定した。ファージタイピングの結果を図4に示す。

0073

リボタイピング

0074

本明細書において、「リボタイピング」は、16Sおよび23SのrRNAをコードする遺伝子の全部または一部を含むゲノムDNA制限断片フィンガープリントを指す。制限酵素としてEcoRIを利用した従来のリボタイピング技術を行った。結果を図5に示す。リボタイピングにより、ラクトコッカス・ラクティス株329は、ナイシン生産株でもある、公的に利用可能なラクトコッカス・ラクティス株ATCC寄託番号11454と実質的に異なることが確認された。

0075

DNA配列解析

0076

図6に示すように、ラクトコッカス・ラクティス株329は、エキソポリサッカライドおよびナイシンクラスタ遺伝子の特有の組み合わせを有することがわかった。ラクトコッカス・ラクティス株329は、下記の表2のナイシンクラスタ遺伝子配列を含み、図7のアミノ酸配列(配列番号1)を有するナイシンを生成する。

0077

0078

少なくとも、図1の方法を参照しつつ本明細書で説明した発酵条件下で、ラクトコッカス・ラクティス株329は、57アミノ酸長のナイシンA前駆体ペプチド(ナイシンA前駆体は、配列番号20のアミノ酸配列を有する)に比べて高い水準の34アミノ酸長のナイシンAを産生する。ナイシンAは、ナイシン前駆体の翻訳後修飾によって生成される。少なくともいくつかの試みでは、ラクトコッカス・ラクティス株329は、ナイシンAを、ナイシンA前駆体に対する比として、少なくとも約9:1で、他の態様では少なくとも約9.5:0.5で、生成する。対照的に、DaniscoのNisaplin(登録商標)は、約83%のナイシンAと、17%のナイシンA前駆体を含む。

0079

上述したナイシンを生成するのに効果的な発酵条件と同じ発酵条件下で、ラクトコッカス・ラクティス株329は、例えば、図1の方法を参照して本明細書で説明した発酵条件下等で、エキソポリサッカライドを産生する。ラクトコッカス・ラクティス株329は、下記の表3のEPSクラスタ遺伝子を含む。

0080

0081

少なくともいくつかの試みにおいて、本明細書に記載される方法に有用な抗菌剤産生細菌株は、図1を参照して説明した発酵条件下で約2000IU/g以上のナイシンAとエキソポリサッカライドの両方を産生することができる。

0082

本明細書に提供される配列情報は、誤って識別されたヌクレオチドの包含が必須であるかのように、狭義に解釈されるべきではない。当業者は、本明細書中に開示される配列を用いて、細菌株から完全な遺伝子を単離し、さらに遺伝子を配列解析に供し、配列決定エラーを識別することができる。

0083

本明細書において、「相同性」および「同一性」なる用語は互換的に使用される。2つの配列のパーセント同一性または相同性を求めるために、配列を最適な比較目的のために整列させることができる。次いで、ヌクレオチドまたはアミノ酸を、2つの配列の、対応するヌクレオチドまたはアミノ酸の位置で比較する。例えば、第1の配列中のヌクレオチドまたはアミノ酸は、同一ヌクレオチドまたはアミノ酸が第2の配列の対応する位置に配置される場合には、第2の配列のヌクレオチドまたはアミノ酸と同一であると考えられる。パーセント同一性は、同一の位置の数を、位置(すなわち、重複位置)の総数で除し、100を乗じて求めることにより、計算される。

0084

機能性核酸等価物もまた本開示において考慮される。例えば、機能性核酸等価物は、コードされたポリペプチド生物学的機能を変化させないサイレント突然変異または他の突然変異を含む。

0085

一形態において、本明細書に記載の方法に有用な抗菌剤生産細菌株は、配列番号9−19および21−33に対して有意な相同性を有する1つ以上の遺伝子を有しており、ナイシンを産生することができる。本明細書において、「有意な相同性」との用語は、少なくとも70%の相同性、他の態様では少なくとも75%の相同性、他の態様では少なくとも80%の相同性、他の態様では少なくとも85%の相同性、他の態様では少なくとも90%の相同性、他の態様では少なくとも95%の相同性、さらに他の態様では少なくとも99%の相同性、および、さらに他の態様では完全に相同であることを意味する。

0086

いくつかの試みでは、本明細書に記載される方法に有用な抗菌物質産生細菌株は、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも2つの遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも3つの遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも4つの遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも5つの遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも6つの遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも7つの遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも8つの遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも9つの遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも10個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも11個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも12個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも13個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも14個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも15個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも16個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも17個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも18個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも19個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも20個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも21個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも22個の遺伝子、他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも23個の遺伝子、さらに他の態様では、配列番号9〜19および21〜33からなる群から選択される配列に有意な相同性の少なくとも24個の遺伝子を有する。

0087

組成物、方法、および本明細書において説明する方法によって製造された組成物の利点および実施形態を、以下の実施例によってさらに説明する。しかし、特定の条件、処理順、材料、およびこれらの実施例に記載の量、ならびに他の条件および詳細は、過度にこの方法を限定するものと解釈されるべきではない。特に断らない限り、本開示内のすべての百分率および比率重量基準である。

0088

以下の実施例は、上述した培養乳成分を用いて調製したプロセスチーズスライスと、培養乳成分を用いず、その代わりに、保存料としてソルビン酸を使用した対照試料の性能を示す。試料は、一般に、様々な量の保存料および/または培養乳成分(示されている場合)、香料、着色料、ビタミン、ミネラル等を含み、水分が約46%、脂肪が約23%、塩が約1.2%、たんぱく質が約18%であるプロセスチーズスライスとして調製した。

0089

実施例1

0090

ナタマイシン(DaniscoのNatamaxSF)を、7ppmおよび15ppmの濃度でプロセスチーズに(加熱工程の前に)組み入れた。その後、プロセスチーズをカビ検証試験に供した。プロセスチーズに、(カビの一般的な種類を代表する)フォーマ属ゲオトリクム属クラドスポリウム属、およびペニシリウム属のカビ混合物(液体培地中胞子)を、19グラムスライス当たり90胞子で接種した。スライスしたチーズの上に混合物を広げることにより、試料に接種する。対照品には接種しなかった。ナタマイシンを含むプロセスチーズは、貯蔵寿命が顕著に延長され、防カビ剤の入っていない対照品よりも少なくとも6ヶ月長くなった。驚くべきことに、45°F(7.2℃)で保存した場合に、ナタマイシンを含有するチーズは、製品中の検出可能なナタマイシン濃度が6ヶ月で0.62ppm(7ppm試料の場合)および4.89 ppmの(15ppm試料の場合)にまで低下したにもかかわらず、貯蔵寿命を6ヶ月を超えて延長するのに有効であることが分かった。ナタマイシンの検出可能なレベルは、HPLCにより測定された。

0091

実施例2

0092

ナタマイシン(DaniscoのNatamaxSF)を、0ppm、10ppm、および15 ppmの濃度でプロセスチーズに(加熱工程の前に)組み入れた。各用量の4つの試料を調製した。ナイシンを含有する培養乳成分は、プロセスチーズの全重量を基準にして8%で、全ての製品に組み込まれた。プロセスチーズの製造3日後に測定をしたところ、ナタマイシン10ppmおよび15ppmで出発した試料は、平均で、それぞれ2.8 ppmおよび4.9 ppmのナタマイシンを有していた。

0093

これらの製品に、実施例1のカビ混合物をチーズスライスの表面に適用し、包装を開いたままにすることにより、500cfu/gまたは9500cfu/スライスでカビ混合物を接種した。プロセスチーズ(カビ混合物を接種していない)の他の包装を、意図的に穿孔して包装に穴を開け、実世界の状況を模した。スライス当たり9500胞子を接種したもの(「非漏洩品」)および穿孔した包装実験(「漏洩品」)の結果を図3に示す。 これらの試料は、500cfu/gまたはスライス当たり9500胞子で接種した場合に、非常に大きな9500胞子/スライスの接種水準ですら、対照品のほぼ2倍の貯蔵寿命を示した。

0094

実施例3

0095

約4.8ppmのナタマイシン(DaniscoのNatamaxSF)を含有するプロセスチーズのスライスを製造した。45°F(7.2℃)で貯蔵した場合に、5ヶ月の貯蔵寿命において、スライスには目に見えるカビは存在しなかったが、ナタマイシンを含まない対照品は、3ヶ月で目に見えるカビが発生した。

0096

実施例4

0097

ナタマイシン(DaniscoのNatamaxSF)を15ppmでプロセスチーズに(加熱工程の前に)に組み入れた。ナイシンを含有する培養乳成分を、プロセスチーズの全重量を基準として8%で全ての製品に組み入れた。プロセスチーズの試料に、100cfu/gおよび500dfu/gで接種した。下記の表4に示すように、ナタマイシンの検出可能なレベルは、45°F(7.2℃)での製品の貯蔵中に変化することが分かった。ナタマイシンの検出可能な水準は、HPLCにより測定された。

0098

0099

約3ヵ月の時点で、検出可能なナタマイシンの水準はピークを示し、、平均で6.8であった。このことは、プロセスチーズ製品が3ヶ月の時点で店舗で販売可能なままであるので、商業的観点からは有利である。

実施例

0100

前述の説明および添付の図面に記載の事項は、単なる例示であり、限定ではない。特定の実施形態を示し、説明してきたが、変更および修正が、出願人の寄与する広い態様から逸脱することなくなされ得ることは、当業者には明らかであろう。求められる保護の実際の範囲は、従来技術に基づいて適切な観点で見た場合に、以下の特許請求の範囲で定義されることが意図される。

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