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課題・解決手段

本発明は、構造が式Iで表される、シクロペプチド化合物新規結晶形、およびその製造方法と使用を公開する。

概要

背景

カファンギン(Micafungin)は、新規エキノカンジン抗真菌薬であり、真菌細胞壁の構成成分であるβ−1,3−D−グルカン合成酵素阻害することによって、真菌細胞の構造を破壊し、溶解させる。ミカファンギンは、様々な感染、特にアスペルギルス菌、カンジダ菌クリプトコッカス菌、ムコール菌、放線菌ヒストプラスマ菌、白癬菌フザリウム菌などによる感染に治療幅広く使用されている。
ミカファンギンナトリウム(Micafungin Sodium、FK463とも呼ばれる)は、薬品Mycamine(マイカミン)の活性薬効成分である。ミカファンギンナトリウムの化学構造は、式Iで表される。



5−[(1S,2S)−2−[(3S,6S,9S,11R,15S,18S,20R,21R,24S,25S,26S)−3−[(R)−2−カルバモイル−1−ヒドロキシエチル]−11,20,21,25−テトラヒドロキシ−15−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−26−メチル−2,5,8,14,17,23−ヘキサオキシ−18−[4−[5−(4−ペンチルオキシフェニルイソオキサゾール−3−イルベンゾイルアミノ]−1,4,7,13,16,22−ヘキサアザトリシクロ[22.3.0.09,13]ヘプタコサン−6−イル]−1,2−ジヒドロキシエチル]−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム。

式I化合物は、ポリペプチド系化合物で、安定性が劣り、運搬または長期保存の時、分解物が生成してその品質と効果に影響することがある。そして、式I化合物は、結晶にさせることが困難で、通常、無定形の状態となっている。
米国特許6,107,458と7,199,248およびWO96/11210では、式I化合物の製造および精製の方法が公開された。中でも、米国特許7,199,248では、ミカファンギンDIPEA(ジイソプロピルエチルアミン)塩をろ過とクロマトグラフィーによって分離・精製した後、さらにアセトン酢酸エチル沈殿させ、無定形の式I化合物を得る。

Atsushi Ohigashiらは、Journal of Synthesit Organic Chemistry(有機合成化学協会誌)2006年第64巻第12期で発表した論文「Process Development of Micafungin , a Novel Lipopeptide Antifungal Agent」において、式I化合物のイオン交換溶離溶液にアセトンと酢酸エチルの混合液を入れて式I化合物を沈殿させ、無定形の式I化合物を得ることができることを紹介している。式I化合物の沈殿物は乾燥前の溶媒含有量が高く(Dry/Wet=0.25)、式I化合物の沈殿物に約75%の溶媒が含まれ、溶媒が有効に除去されるように乾燥時間を長くする必要があるが、乾燥時間を長くすると、式I化合物の分解物が増え、純度が低下する。

上記従来技術で得られる式I化合物はいずれも無定形のものである。無定形の状態における固体物質分子は、結晶状態の固体物質の分子よりも高いエネルギーを持ち、これは分子の規則的で周期的な配列のため、分子間の相互作用のエネルギーを低下させるからである。熱力学原理によって、高エネルギー物質の安定性が悪く、低エネルギーの物質の安定性が良い。通常の場合、化合物の無定形状態の安定性はその結晶よりも低い。

また、沢薬品工業株式会社の特許出願WO03/018615では、式I化合物の新規な結晶形およびその製造方法が公開された。WO03/018615では、無定形の式I化合物を用いて水を含有する単一アルコール系溶液または水を含有するアセトン溶液に溶解させ、酢酸エチル、塩化メチレン、アセトンやアセトニトリルなどの溶媒を入れ、式I化合物B82型針状結晶を得る。当該結晶は、有機溶媒において結晶させて得られ、顕微鏡において形態が針状結晶で、粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて2θ角4.6°、5.5°、9.0°、9.8°、16.9°にピークがある。

藤沢薬品工業株式会社のYAMASHITAらは、生物工学会誌の2005年第83巻で発表された論文「Study of Industrial Manufacturing Methodsfor Micafungin (FK463)」において、FK463は溶媒の最適化およびpHの制御によって針状結晶の獲得に成功したことが記載されているが、具体的な実施様態および結晶のデータがない。同会社の先の出願WO03/018615では、式I化合物のB82型針状結晶が公開されているので、YAMASHITAらが獲得したのもB82型針状結晶であることがわかる。

本発明者は、特許WO03/018615の実施例1の方法に従ってB82型針状結晶の製造を行い、光学顕微鏡で得られた結晶を観察したところ、サイズは約1μmで、微細の針状結晶であった。本発明者は、結晶に対して後のろ過、乾燥などのプロセス工程の操作を行う時、B82型の結晶は基本的に微細な針状形態のため、式I化合物の結晶のろ過が困難で、操作の時間が長いことを見出した。結晶の乾燥前に、式I化合物の溶媒含有量Dry/Wetは約0.25で、結晶は大量の有機溶媒を含んでいた。溶媒含有量を原料薬の要求を充足させるために、乾燥過程乾燥温度を上げることまたは乾燥時間を延ばすことが必要である。しかし、上記の乾燥過程を使用すると、式I化合物の分解物が増え、原料薬の品質および安定性に大きく影響する。

現在公開されているミカファンギンナトリウムの固体の安定性は悪く、低温で保存するか、または大量の賦形剤を添加して冷凍乾燥することによってその安定性を確保するしかなく、ミカファンギンナトリウムの医薬用途の開発が大きく制限されている。安定したミカファンギンナトリウムの固体が見出されば、様々な患者の使用のために、それを様々な剤形、たとえば冷凍乾燥粉末注射剤錠剤カプセルクリーム剤などとすることができる。

そのため、商業的な生産をより良く実現させるために、本分野では、安定性が良く、ろ過がより容易で、乾燥した式I化合物の新規な結晶形が切望されている。

概要

本発明は、構造が式Iで表される、シクロペプチド系化合物の新規な結晶形、およびその製造方法と使用を公開する。

目的

本発明の一つの目的は、3種類の、式I化合物の新規な結晶を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下記2θ角:3.6±0.2°、6.4±0.2°、6.8±0.2°、9.5±0.2°にピークがある、構造が式Iで表される、シクロペプチド化合物結晶A。

請求項2

粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下記2θ角:7.5±0.2°、11.0±0.2°、12.4±0.2°にピークがあることを特徴とする、請求項1に記載のシクロペプチド系化合物の結晶A。

請求項3

粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下記2θ角:13.4±0.2°、20.2±0.2°にピークがあることを特徴とする、請求項2に記載のシクロペプチド系化合物の結晶A。

請求項4

粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下記2θ角:4.4±0.2°、5.2±0.2°、8.5±0.2°、9.6±0.2°にピークがある、構造が式Iで表される、シクロペプチド系化合物の結晶B。

請求項5

粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下記2θ角:7.5±0.2°、8.8±0.2°、16.6±0.2°、13.7±0.2°、22.5±0.2°にピークがあることを特徴とする、請求項4に記載のシクロペプチド系化合物の結晶B。

請求項6

粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下記2θ角:12.6±0.2°、14.9±0.2°、15.6±0.2°、25.1±0.2°にピークがあることを特徴とする、請求項5に記載のシクロペプチド系化合物の結晶B。

請求項7

粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下記2θ角:4.5±0.2°、5.3±0.2°、8.6±0.2°、9.6±0.2°にピークがある、構造が式Iで表される、シクロペプチド系化合物の結晶C。

請求項8

請求項1〜3のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶Aの製造方法であって、(a)式Iで表される化合物を水含有アルコール混合溶液に溶解させる工程と、(b)降温および/または有機溶媒(i)の添加によって、請求項1〜3のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶Aを得る工程と、を含むことを特徴とする、前記製造方法。

請求項9

工程(a)において、前記アルコール系混合溶液が、メタノールイソブタノール、メタノール/イソプロパノール、メタノール/n−プロパノールから選ばれることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。

請求項10

工程(a)において、前記水含有アルコール系混合溶液における、2種類のアルコールの体積比が0.01〜100、好ましくは0.05〜20、より好ましくは0.1〜10であることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。

請求項11

工程(a)において、前記水含有アルコール系混合溶液における、アルコールの合計体積と水の体積比が0.1〜100、好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜7であることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。

請求項12

工程(b)において、前記有機溶媒(i)が、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、酢酸メチル酢酸エチル酢酸n−プロピル酢酸イソプロピルから選ばれることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。

請求項13

工程(b)において、前記降温の温度が−40〜35℃、好ましくは−20〜35℃、より好ましくは−10〜30℃、最も好ましくは−5〜15℃であることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。

請求項14

工程(b)において、前記有機溶媒(i)と工程(a)における水含有アルコール系混合溶液の体積比が0.1〜50、好ましくは0.1〜10、より好ましくは1〜5であることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。

請求項15

請求項4〜6のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶Bの製造方法であって、請求項1〜3のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶Aを水系とともに真空乾燥させ、水分含有量を制御し、請求項4〜6のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶Bを得る工程、を含むことを特徴とする、前記製造方法。

請求項16

前記水系が、水道水、純水、氷水合物またはほかの水蒸気を放出可能な物質から選ばれることを特徴とする、請求項15に記載の製造方法。

請求項17

水分含有量を4%〜22%に制御し、請求項4〜6のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶Bを得ることを特徴とする、請求項15に記載の製造方法。

請求項18

請求項7に記載のシクロペプチド系化合物の結晶Cの製造方法であって、請求項4〜6のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶Bを真空乾燥させ、水分含有量を制御し、請求項7に記載のシクロペプチド系化合物の結晶Cを得る工程、を含むことを特徴とする、前記製造方法。

請求項19

前記水分含有量を4%未満に制御し、請求項7に記載のシクロペプチド系化合物の結晶Cを得ることを特徴とする、請求項18に記載の製造方法。

請求項20

真菌感染治療する薬物の製造に用いられることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶の使用。

請求項21

請求項1〜7のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶と、薬学的に許容される担体とを含むことを特徴とする、医薬組成物

請求項22

請求項21に記載の医薬組成物の製造方法であって、請求項1〜7のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶と、薬学的に許容される担体とを混合し、請求項21に記載の医薬組成物を得る工程、を含むことを特徴とする、前記製造方法。

請求項23

請求項1〜3のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶A、請求項4〜6のいずれかに記載のシクロペプチド系化合物の結晶B、請求項7に記載のシクロペプチド系化合物の結晶Cのうちの一種又は二種以上の混合物を含むことを特徴とする、シクロペプチド系化合物の組成物

請求項24

粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下記2θ角:4.4±0.1°、5.2±0.1°、8.5±0.1°、9.6±0.1°にピークがあることを特徴とする、請求項4に記載のシクロペプチド系化合物の結晶B。

請求項25

粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下記2θ角:7.5±0.1°、8.8±0.1°、16.6±0.1°、13.7±0.1°、22.5±0.1°にピークがあることを特徴とする、請求項24に記載のシクロペプチド系化合物の結晶B。

請求項26

粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下記2θ角:12.6±0.1°、14.9±0.1°、15.6±0.1°、25.1±0.1°にピークがあることを特徴とする、請求項25に記載のシクロペプチド系化合物の結晶B。

技術分野

0001

本発明は、化合物新規結晶形に関し、より具体的には、シクロペプチド系化合物の結晶形およびその製造方法と使用に関する。

背景技術

0002

カファンギン(Micafungin)は、新規なエキノカンジン抗真菌薬であり、真菌細胞壁の構成成分であるβ−1,3−D−グルカン合成酵素阻害することによって、真菌細胞の構造を破壊し、溶解させる。ミカファンギンは、様々な感染、特にアスペルギルス菌、カンジダ菌クリプトコッカス菌、ムコール菌、放線菌ヒストプラスマ菌、白癬菌フザリウム菌などによる感染に治療幅広く使用されている。
ミカファンギンナトリウム(Micafungin Sodium、FK463とも呼ばれる)は、薬品Mycamine(マイカミン)の活性薬効成分である。ミカファンギンナトリウムの化学構造は、式Iで表される。



5−[(1S,2S)−2−[(3S,6S,9S,11R,15S,18S,20R,21R,24S,25S,26S)−3−[(R)−2−カルバモイル−1−ヒドロキシエチル]−11,20,21,25−テトラヒドロキシ−15−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−26−メチル−2,5,8,14,17,23−ヘキサオキシ−18−[4−[5−(4−ペンチルオキシフェニルイソオキサゾール−3−イルベンゾイルアミノ]−1,4,7,13,16,22−ヘキサアザトリシクロ[22.3.0.09,13]ヘプタコサン−6−イル]−1,2−ジヒドロキシエチル]−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム。

0003

式I化合物は、ポリペプチド系化合物で、安定性が劣り、運搬または長期保存の時、分解物が生成してその品質と効果に影響することがある。そして、式I化合物は、結晶にさせることが困難で、通常、無定形の状態となっている。
米国特許6,107,458と7,199,248およびWO96/11210では、式I化合物の製造および精製の方法が公開された。中でも、米国特許7,199,248では、ミカファンギンDIPEA(ジイソプロピルエチルアミン)塩をろ過とクロマトグラフィーによって分離・精製した後、さらにアセトン酢酸エチル沈殿させ、無定形の式I化合物を得る。

0004

Atsushi Ohigashiらは、Journal of Synthesit Organic Chemistry(有機合成化学協会誌)2006年第64巻第12期で発表した論文「Process Development of Micafungin , a Novel Lipopeptide Antifungal Agent」において、式I化合物のイオン交換溶離溶液にアセトンと酢酸エチルの混合液を入れて式I化合物を沈殿させ、無定形の式I化合物を得ることができることを紹介している。式I化合物の沈殿物は乾燥前の溶媒含有量が高く(Dry/Wet=0.25)、式I化合物の沈殿物に約75%の溶媒が含まれ、溶媒が有効に除去されるように乾燥時間を長くする必要があるが、乾燥時間を長くすると、式I化合物の分解物が増え、純度が低下する。

0005

上記従来技術で得られる式I化合物はいずれも無定形のものである。無定形の状態における固体物質分子は、結晶状態の固体物質の分子よりも高いエネルギーを持ち、これは分子の規則的で周期的な配列のため、分子間の相互作用のエネルギーを低下させるからである。熱力学原理によって、高エネルギー物質の安定性が悪く、低エネルギーの物質の安定性が良い。通常の場合、化合物の無定形状態の安定性はその結晶よりも低い。

0006

また、沢薬品工業株式会社の特許出願WO03/018615では、式I化合物の新規な結晶形およびその製造方法が公開された。WO03/018615では、無定形の式I化合物を用いて水を含有する単一アルコール系溶液または水を含有するアセトン溶液に溶解させ、酢酸エチル、塩化メチレン、アセトンやアセトニトリルなどの溶媒を入れ、式I化合物B82型針状結晶を得る。当該結晶は、有機溶媒において結晶させて得られ、顕微鏡において形態が針状結晶で、粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて2θ角4.6°、5.5°、9.0°、9.8°、16.9°にピークがある。

0007

藤沢薬品工業株式会社のYAMASHITAらは、生物工学会誌の2005年第83巻で発表された論文「Study of Industrial Manufacturing Methodsfor Micafungin (FK463)」において、FK463は溶媒の最適化およびpHの制御によって針状結晶の獲得に成功したことが記載されているが、具体的な実施様態および結晶のデータがない。同会社の先の出願WO03/018615では、式I化合物のB82型針状結晶が公開されているので、YAMASHITAらが獲得したのもB82型針状結晶であることがわかる。

0008

本発明者は、特許WO03/018615の実施例1の方法に従ってB82型針状結晶の製造を行い、光学顕微鏡で得られた結晶を観察したところ、サイズは約1μmで、微細の針状結晶であった。本発明者は、結晶に対して後のろ過、乾燥などのプロセス工程の操作を行う時、B82型の結晶は基本的に微細な針状形態のため、式I化合物の結晶のろ過が困難で、操作の時間が長いことを見出した。結晶の乾燥前に、式I化合物の溶媒含有量Dry/Wetは約0.25で、結晶は大量の有機溶媒を含んでいた。溶媒含有量を原料薬の要求を充足させるために、乾燥過程乾燥温度を上げることまたは乾燥時間を延ばすことが必要である。しかし、上記の乾燥過程を使用すると、式I化合物の分解物が増え、原料薬の品質および安定性に大きく影響する。

0009

現在公開されているミカファンギンナトリウムの固体の安定性は悪く、低温で保存するか、または大量の賦形剤を添加して冷凍乾燥することによってその安定性を確保するしかなく、ミカファンギンナトリウムの医薬用途の開発が大きく制限されている。安定したミカファンギンナトリウムの固体が見出されば、様々な患者の使用のために、それを様々な剤形、たとえば冷凍乾燥粉末注射剤錠剤カプセルクリーム剤などとすることができる。

0010

そのため、商業的な生産をより良く実現させるために、本分野では、安定性が良く、ろ過がより容易で、乾燥した式I化合物の新規な結晶形が切望されている。

0011

本発明の一つの目的は、3種類の、式I化合物の新規な結晶を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、前記3種類の新規な結晶の製造方法を提供することである。
本発明のまたもう一つの目的は、前記3種類の新規な結晶の使用を提供することである。

0012

式I化合物の結晶
本発明は、式I化合物の3種類の新規な結晶を提供する。
結晶A
構造が式Iで表され、粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下記2θ角:3.6±0.2°、6.4±0.2°、6.8±0.2°、9.5±0.2°にピークがある、シクロペプチド系化合物の結晶A。
本発明のもう一つの好適な例において、前記結晶AのX線粉末回折(XRPD)スペクトルにおいて、さらに下記2θ角:7.5±0.2°、11.0±0.2°、12.4±0.2°にピークがある。
本発明のもう一つの好適な例において、前記結晶AのX線粉末回折(XRPD)スペクトルにおいて、さらに下記2θ角:13.4±0.2°、20.2±0.2°にピークがある。
本発明のもう一つの好適な例において、前記シクロペプチド系化合物の結晶Aは図1で示されるX線粉末回折(XRPD)スペクトルを有する。

0013

結晶B
構造が式Iで表され、粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下記2θ角:4.4±0.2°、5.2±0.2°、8.5±0.2°、9.6±0.2°にピークがある、シクロペプチド系化合物の結晶B。
本発明のもう一つの好適な例において、前記結晶BのX線粉末回折(XRPD)スペクトルにおいて、さらに下記2θ角:7.5±0.2°、8.8±0.2°、16.6±0.2°、13.7±0.2°、22.5±0.2°にピークがある。
本発明のもう一つの好適な例において、前記結晶BのX線粉末回折(XRPD)スペクトルにおいて、さらに下記2θ角:12.6±0.2°、14.9±0.2°、15.6±0.2°、25.1±0.2°にピークがある。

0014

本発明のもう一つの好適な例において、前記結晶BのX線粉末回折(XRPD)スペクトルにおいて、さらに下記2θ角:4.4±0.1°、5.2±0.1°、8.5±0.1°、9.6±0.1°にピークがある。
本発明のもう一つの好適な例において、前記結晶BのX線粉末回折(XRPD)スペクトルにおいて、さらに下記2θ角:7.5±0.1°、8.8±0.1°、16.6±0.1°、13.7±0.1°、22.5±0.1°にピークがある。
本発明のもう一つの好適な例において、前記結晶BのX線粉末回折(XRPD)スペクトルにおいて、さらに下記2θ角:12.6±0.1°、14.9±0.1°、15.6±0.1°、25.1±0.1°にピークがある。
本発明のもう一つの好適な例において、前記シクロペプチド系化合物の結晶Bは図3で示されるX線粉末回折(XRPD)スペクトルを有する。
本発明のもう一つの好適な例において、前記シクロペプチド系化合物の結晶Bは図4で示されるX線粉末回折(XRPD)スペクトルを有する。
本発明のもう一つの好適な例において、前記シクロペプチド系化合物の結晶Bは図5で示される赤外スペクトルを有する。

0015

結晶C
構造が式Iで表され、粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下記2θ角:4.5±0.2°、5.3±0.2°、8.6±0.2°、9.6±0.2°にピークがある、シクロペプチド系化合物の結晶C。
本発明のもう一つの好適な例において、前記シクロペプチド系化合物の結晶Cは図6で示されるX線粉末回折(XRPD)スペクトルを有する。

0016

WO03/018615で公開されたB82型針状結晶は微細の針状形態で、ろ過が困難で、乾燥しにくく、かつ安定性が悪い。発明者は、安定性がより良く、形態がより優れた式I化合物の新規な結晶を得るために、式I化合物の結晶の溶媒系を研究したところ、単純に二相系、たとえばメタノール/水、エタノール/水、n−プロパノール/水、イソプロパノール/水、イソブタノール/水、n−ブタノール/水、アセトニトリル/水、アセトン/水を利用し、式I化合物の結晶の溶媒とし、降温および/有機溶媒の添加で式I化合物を析出させ、析出した固体はX線粉末回折(XRPD)分析によって全部無定形で安定性が悪いことを見出した。さらなる研究の過程において、上記二相系における水の比率および結晶のpHに対して大量の調整を行い、統計したところ、236の異なる組み合わせの溶媒系があったが、最終的にすべて無定形の産物であったことを見出した。

0017

本発明者は、諦めず、三相系で異なる溶媒の組み合わせを利用して結晶の溶媒系を選択した。長期間の研究を経て、本発明者は、特定の三相の溶媒系において、形態が規則的な柱状結晶が意外にも得られることを見出した。その後、大量の溶媒選択試験を行い、最終的に3種類の安定性がより良く、形態がより優れた式I化合物の結晶A、結晶B、結晶Cを得、かつ製造プロセスを確立した。WO03/018615で公開されたB82型針状結晶と比べ、本発明の結晶Aは柱状で、結晶の顆粒が大きく、ろ過がしやすく、かつ結晶における溶媒が除去しやすく、より重要なのは安定性がB82型の結晶よりも顕著に優れる。結晶BおよびCは結晶Aから有機溶媒を脱去して形成した結晶で、気相クロマトグラフィーで結晶Bおよび結晶Cにおける有機溶媒の残留量ICH−Q3C(ヒト用医薬規制調和国際会議、ICHと略する)の基準を充足し、原料薬における残留溶媒限度に関する要求を充足する。しかし、B82型結晶は濾過して得られる結晶で、有機溶媒の除去などのプロセス工程を経ず、残留溶媒が50%超で、ICH−Q3Cにおける溶媒残留の限度を遥かに超え、原料薬の要求に満足できない。そのため、本発明における結晶Bおよび結晶Cは溶媒・不純物の残留量がB82型結晶よりも遥かに優れる。

0018

式I化合物の結晶の同定と性質
本発明者は式I化合物の結晶の性質をさらに色々な手段と装置で研究した。
「粉末X線回折」は、「X線多晶回折(XRDまたはXRPD)」とも呼ばれ、現在結晶構造(すなわち結晶形)を測定する場合よく使われる試験方法である。粉末X線回折装置を用いて、X線が結晶を透過するとき一連回折スペクトルが生じ、そのスペクトルにおいて回折線およびその強度はそれぞれある構造の原子団で決められるため、結晶の構造が確定できる。結晶の粉末X線回折を測定する方法は、本分野では既知である。例えば、RIGAKU D/max 2550VB/PC型の粉末X線回折装置を使用して、2°/分の走査速度で、銅輻射ターゲットでスペクトルを得る。

0019

本発明の式I化合物の結晶Aは特定の結晶の形態を持ち、粉末X線回折スペクトルにおいて特定の特徴ピークを有する。具体的には、本発明の式I化合物の結晶Aの粉末X線回折スペクトルにおいて下記2θ角:3.6±0.2°、6.4±0.2°、6.8±0.2°、9.5±0.2°に特徴ピークがある。一つの好適な実施態様において、そのスペクトルにおいてさらに下記2θ角:7.5±0.2°、11±0.2°、12.4±0.2°に特徴ピークがある。もう一つの好適な実施態様において、そのスペクトルにおいてさらに下記2θ角:13.4±0.2°、20.2±0.2°に特徴ピークがある。より好ましくは、前記式I化合物の結晶Aは図1と基本的に一致する粉末X線回折(XRPD)スペクトルを有する。

0020

本発明の式I化合物の結晶Bは特定の結晶の形態を持ち、粉末X線回折スペクトルにおいて特定の特徴ピークを有する。具体的には、本発明の式I化合物の結晶Bの粉末X線回折スペクトルにおいて下記2θ角:4.4±0.2°、5.2±0.2°、8.5±0.2°、9.6±0.2°に特徴ピークがある。一つの好適な実施形態において、そのスペクトルにおいてさらに下記2θ角:7.5±0.2°、8.8±0.2°、16.6±0.2°、13.7±0.2°、22.5±0.2°に特徴ピークがある。もう一つの好適な実施形態において、そのスペクトルにおいてさらに下記2θ角:12.6±0.2°、14.9±0.2°、15.6±0.2°、25.1±0.2°に特徴ピークがある。一つの好適な実施形態において、本発明の式I化合物の結晶Bの粉末X線回折スペクトルにおいて下記2θ角:4.4±0.1°、5.2±0.1°、8.5±0.1°、9.6±0.1°に特徴ピークがある。もう一つの好適な実施形態において、そのスペクトルにおいてさらに下記2θ角:7.5±0.1°、8.8±0.1°、16.6±0.1°、13.7±0.1°、22.5±0.1°に特徴ピークがある。もう一つの好適な実施形態において、そのスペクトルにおいてさらに下記2θ角:12.6±0.1°、14.9±0.1°、15.6±0.1°、25.1±0.1°に特徴ピークがある。より好ましくは、前記式I化合物の結晶Bは図3または4と基本的に一致する粉末X線回折(XRPD)スペクトルを有する。

0021

粉末X線回折法による物質の状態の同定は、異なる結晶形の薬物サンプル回折ピーク相対強度面間距離d(または2θ)値を比較することによる。日本薬局方における結晶形の2θ角の偏差に対する規定は、「同種類の化学薬物の異なる結晶形の物質に対し、その2θの許容偏差値は±0.2°未満であるべきである」とある。米国薬局方(USP27、2401-2402頁)にも、「サンプルと参照物回折角は、回折計補正精度の範囲内で一致するべきである(2θ値は再現可能で、±0.10度)」と関連の規定がある。同種類の化合物の2つの結晶に対し、粉末X線回折スペクトルにおいて特徴ピークの差が±0.2°超の場合、異なる特徴ピークとされ、すなわち、2つの結晶は異なる結晶形とされることがわかる。

0022

本発明の式I化合物の結晶Bの粉末X線回折スペクトルにおける2θ反射角でのピークは特別な特徴で、WO03/018615で公開されたB82型結晶の粉末X線回折スペクトルにおける2θ反射角での特徴ピークとは顕著な違いがある。式I化合物の結晶BとB82型の結晶のスペクトルにおける吸収強度と2θ角の比較は以下の通りである。(1)本発明で製造される結晶Bは5.1〜5.2°に中等強度の特徴吸収ピークが存在するが、WO03/018615で公開されたB82型の結晶の粉末X線回折スペクトルにおいて5.5°だけに吸収ピークがあり、この2つの特徴ピークの差は0.3〜0.4°であるが、日本薬局方および米国薬局方の要求に応じ、そして既存の粉末X線回折計の測定の誤差範囲は通常0.1°以内で、多くとも0.2°以下であるため、この2つの特徴ピークの差は装置の誤差によるものでなく、確かに異なる特徴ピークである。(2)本発明で製造される結晶Bは8.4〜8.5°に中等強度の特徴吸収ピークが存在するが、WO03/018615で公開されたB82型の結晶の粉末X線回折スペクトルにおいて9.0°だけに吸収ピークがあり、この2つの特徴ピークの差は0.5〜0.6°であるが、日本薬局方および米国薬局方の要求に応じ、そして既存の粉末X線回折計の測定の誤差範囲は通常0.1°以内で、多くとも0.2°以下であるため、この2つの特徴ピークの差は装置の誤差によるものでなく、確かに異なる特徴ピークである。(3)本発明の結晶Bは4.4°に最強の特徴吸収ピークがあるが、B82型の結晶の最強の特徴吸収ピークは9.8°である。そのため、本発明で製造される式I化合物の結晶BとB82型の結晶の粉末X線回折スペクトルは異なり、2種類の異なる結晶形である。

0023

本発明の式I化合物の結晶Cは特定の結晶の形態を持ち、粉末X線回折スペクトルにおいて特定の特徴ピークを有する。具体的に、本発明の式I化合物の結晶CのX線粉末回折スペクトルにおいて下記2θ角:4.5±0.2°、5.3±0.2°、8.6±0.2°、9.6±0.2°に特徴ピークがある。より好ましくは、前記式I化合物の結晶Cは図6と基本的に一致する粉末X線回折(XRPD)スペクトルを有する。

0024

赤外スペクトル法(IR)で定性的に結晶構造を同定するが、その測定方法は本分野では既知である。例えば、PE Spectrum One Bを使用し、KBr:サンプル=200:1でシートとし、400〜4000cm−1の範囲で走査する。

0025

本発明の式I化合物の結晶Bの赤外スペクトルは、3340.16cm−1、2954.82cm−1、1625.74cm−1、1505.84cm−1、1436.10cm−1、1255.82cm−1、1178.41cm−1、1085.09cm−1、1046.10cm−1、965.79cm−1、838.03cm−1、802.51cm−1、770.45cm−1、752.44cm−1、715.64cm−1、612.14cm−1といった波数に特徴ピークを有する。好ましくは図5と基本的に一致する赤外スペクトルを有する。

0026

本発明の式I化合物の結晶Bの赤外スペクトルにおける特徴ピークは特別な特徴で、式I化合物の結晶Bの赤外スペクトルとWO03/018615で報告されたB82型の結晶の赤外スペクトルは波数1050cm−1〜900cm−1の特徴ピークに顕著な違いがある。
顕微分析技術は、光学顕微鏡で結晶の外形識別することによって結晶形分析の目的を果たす。本発明の式I化合物の結晶Aは光学顕微鏡において柱状結晶であるが、B82型の結晶は微細の針状結晶である。

0027

式I化合物の組成物水分含有量の測定は、本分野で汎用検出方法、たとえばKarl Fischer(KF)で水分含有量を測定する。
高速液体クロマトグラフィー」(HPLC)は、化合物の純度の検出に使用される通常の方法で、液体移動相とし、高圧輸液システムを使用し、異なる極性を有する単一溶媒または異なる比率の混合溶媒緩衝液などの移動相を固定相カラムポンプし、各成分はカラム内で分離された後、検出器に入って検出されることで、試料に対する分析を実現する。本発明において、以下のようなHPLC検出方法で式I化合物の純度を測定し、そしてサンプルの安定性の研究に使用する。

0028

分析カラム:YMC−ODS 250×4.6mm、5μm、
移動相:アセトニトリル:リン酸塩緩衝液(pH 3.0)=45:70、
流速:1 ml/min、
カラム温度:35℃、
希釈液:水のリン酸塩緩衝液、
検出波長:210nm、
仕込み量:10μl。

0029

式I化合物の結晶の製造
本発明は、式Iで表される化合物の結晶の製造方法を提供する。
発明者は、研究過程において結晶の溶媒を選択するだけでなく、結晶の過程におけるpHを変えることによって、pHの式I化合物の結晶に対する影響を研究した。大量の実験によって、pHは式I化合物の結晶の獲得の決定的な要素ではないことが証明された。二相または三相系の溶媒を用いて結晶させると無定形の式I化合物が得られる場合、pHを変えても、得られるのは無定形の固体である。また、三相系の溶媒を用いて結晶させて結晶Aを得た後、式I化合物が安定したままで、pHを変えて結晶させても、結晶Aが得られる。
発明者は、下記の最終的に式I化合物の3種類の新規な結晶を得る製造方法を確立した。

0030

シクロペプチド系化合物の結晶Aの製造方法であって、
(a)式Iで表される化合物を水含有アルコール混合溶液に溶解させる工程と、
(b)降温及び/又は有機溶媒(i)の添加によって、前記シクロペプチド系化合物の結晶Aを得る工程と、
を含む、前記製造方法。

0031

ここで、工程(a)において、前記アルコール系混合溶液は、メタノール/イソブタノール、メタノール/イソプロパノール、メタノール/n−プロパノールから選ばれる。
ここで、工程(a)において、前記水含有アルコール系混合溶液における、2種類のアルコールの体積比は0.01〜100、好ましくは0.05〜20、より好ましくは0.1〜10である。
ここで、工程(a)において、前記水含有アルコール系混合溶液における、アルコールの合計体積と水の体積比は0.1〜100、好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜7である。
ここで、工程(a)において、前記溶解の温度は10〜50℃、好ましくは20〜40℃である。

0032

ここで、工程(a)において、前記溶解液の合計体積に対し、その中の式I化合物の含有量は1〜500mg/ml、好ましくは5〜100mg/ml、より好ましくは10〜50mg/mlである。
ここで、工程(b)において、前記有機溶媒(i)は、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル酢酸イソプロピルから選ばれる。
ここで、工程(b)において、前記の降温の温度は−40〜35℃で、好ましくは−20〜35℃で、より好ましくは−10〜30℃で、最も好ましくは−5〜15℃である。
ここで、工程(b)において、前記有機溶媒(i)と工程(a)における水含有アルコール系混合溶液の体積比は0.1〜50、好ましくは0.1〜10、より好ましくは1〜5である。

0033

シクロペプチド系化合物の結晶Bの製造方法であって、
シクロペプチド系化合物の結晶Aを水系とともに真空乾燥させ、水分含有量を制御し、シクロペプチド系化合物の結晶Bを得る工程、
を含む方法。

0034

ここで、前記水系は、水道水、純水、氷水合物またはほかの水蒸気を放出可能な物質から選ばれる。
ここで、前記シクロペプチド系化合物の結晶Aを水系とともに真空乾燥させるとは、式I化合物の結晶Aを真空乾燥で通常のサンプルを置くところにセットし、かつ式I化合物の結晶Aの周囲に水蒸気を放出可能な物質を入れた開放容器を置くことである。
ここで、前記水分含有量は4%〜22%に制御する。

0035

シクロペプチド系化合物の結晶Cの製造方法であって、
シクロペプチド系化合物の結晶Bを真空乾燥させ、水分含有量を制御し、シクロペプチド系化合物の結晶Cを得る工程、
を含む方法。
ここで、前記水分含有量を4%未満に制御する。
ここで、前記真空乾燥は本分野の通常の方法で、たとえば真空乾燥器で乾燥するが、これに限定されない。

0036

式I化合物の結晶の用途およびその組成物
本発明によって提供される式I化合物の結晶は、そのまま真菌感染を治療する医薬の製造に使用することもできる。式I化合物の結晶と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供することができる。

0037

関連用語
本明細書で用いられる、用語「結晶」とは、分子または原子複合体が特定の配列形式となっている固体である。
本明細書で用いられる、「式I化合物」、「化合物I」及び「式Iで示される化合物」は、いずれも、構造が式Iで表される無定形物または本発明に係る式I化合物の結晶A〜C以外の他の結晶形の物質で、以下の構造式を持つ化合物を指し、入れ替えて使用することができる。



式I化合物は、本分野の通常の方法、例えば特許WO96/11210で報告された当該化合物の製造方法によって得ることができるが、これに限定されない。また、日本藤沢社などから、市販品としても得られるが、これに限定されない。

0038

本明細書で用いられる、用語「薬学的に許容される担体」とは、治療剤投与のための担体であり、各種の賦形剤と希釈剤を含む。この用語は、自身が必要な活性成分ではなく、かつ使用後過度の毒性がない薬剤の担体のことを指す。適切な担体は、当業者に周知である。Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Pub. Co.,N.J. 1991)において、薬学的に許容される賦形剤に関する十分な検討が見つけられる。組成物において、薬学的に許容される担体は液体、例えば水、塩水、グリセリンやエタノールを含んでもよい。さらに、これらの担体には、補助的な物質、例えば崩壊剤湿潤剤乳化剤、pH緩衝物質等が存在してもよい。

0039

本発明の主な利点は以下の通りである。
1. 3種類の形態が規則的で、安定性が優れた式I化合物の結晶形を提供し、運搬と保存が容易で、解決すべき従来技術の技術的問題を、解決した。
2. 式I化合物の結晶形の製造方法を提供し、かつ前記方法は大規模生産に非常に適し、収率が高い。

図面の簡単な説明

0040

図1は、式I化合物の結晶Aの粉末X線回折(XRPD)スペトルを示す。



図2は、式I化合物の結晶Aのろ過前の顕微鏡観察写真を示す。

0041

図3は、式I化合物の結晶Bの粉末X線回折(XRPD)スペトルを示す。

0042

図4は、式I化合物の結晶Bの粉末X線回折(XRPD)スペトルを示す。



図5は、式I化合物の結晶Bの赤外(IR)スペトルを示す。

0043

図6は、式I化合物の結晶Cの粉末X線回折(XRPD)スペトルを示す。



図7は、式I化合物の無定形の粉末X線回折スペトルを示す。
図8は、実施例11で得られた式I化合物の結晶Bの25℃、30日後のHPLC分析グラフを示す。
図9は、比較例1で得られたB82型の結晶の25℃、30日後のHPLC分析グラフを示す。

実施例

0044

以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるだけのものであり、本発明の範囲を制限するものではないと理解される。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常、通常の条件、或いは製造者推奨の条件で行われた。別の説明がない限り、すべての百分率、比率、割合、或いは部は、重量で計算される。

0045

本発明における重量体積百分率の単位は当業者にとって周知であり、例えば100mLの溶液における溶質の重量を指す。
別の定義がない限り、本文に用いられるすべての専門用語と科学用語は、本分野の技術者に知られている意味と同様である。また、記載の内容と類似或いは同等の方法及び材料は、いずれも本発明の方法に用いることができる。ここで記載される好ましい実施方法及び材料は、例示のためだけのものである。

0046

以下の比較例および実施例において、結晶の溶媒残留のGC(気相クロマトグラフィー)測定方法は、中国薬局方2010版二部付録VIIIP第二法によって測定し、使用されたカラムはポリエチレングリコール固定液とするキャピラリーカラムで、開始温度は40℃で、5min維持し、5℃/minで60℃に昇温し、さらに30℃/minで240℃に昇温し、3min維持し、仕込み口の温度は200℃で、検出器の温度は260℃で、ヘッドスペースボトル平衡温度は120℃で、平衡時間は20minであった。

0047

比較例1
B82型の結晶の製造
特許WO03/018615の実施例1の方法に従って製造して針状結晶を得、B82型の結晶であった。
GC(気相クロマトグラフィー)によってB82型の結晶の合計溶媒残留量を測定したところ、72.8%であった(質量百分率)。

0048

実施例1
化合物Iの製造
米国特許7,199,248における方法に従って製造して式I化合物の固体の無定形粉末を得、その粉末X線回折スペクトルを図7に示す。

0049

実施例2
式I化合物の結晶Aの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物1gを25℃で50mlのメタノール/イソブタノール水溶液(イソブタノール:水:メタノール=8:2:1)に溶解させ、ゆっくり8℃に降温し、溶液から結晶が析出し、そして同温度のままで3.5h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり90mlの酢酸エチルを入れ、ろ過前にサンプルを取って15×40倍の顕微鏡で観察し、得られた結晶の写真を図2に示す。ろ過して結晶Aを得、そのXRPDスペトルを図1に示す。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、30.2%であった(質量百分率)。

0050

実施例3
式I化合物の結晶Aの製造
比較例1で製造されたB82型の結晶2.5gを30℃で50mlのメタノール/イソブタノール水溶液(イソブタノール:水:メタノール=1:1:1)に溶解させ、ゆっくり50mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して結晶Aを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、28.4%であった(質量百分率)。

0051

実施例4
式I化合物の結晶Aの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物3gを10℃で600mlのメタノール/イソブタノール水溶液(イソブタノール:水:メタノール=5:1:2)に溶解させ、ゆっくり−20℃に降温し、溶液から結晶が析出し、約12h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ろ過して結晶Aを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、25.1%であった(質量百分率)。

0052

実施例5
式I化合物の結晶Aの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物3gを50℃で120mlのメタノール/イソプロパノール水溶液(イソプロパノール:水:メタノール=1:4:1)に溶解させ、30℃に降温し、溶液から結晶が析出し、30min撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり200mlのイソプロパノールを入れ、ろ過して結晶Aを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、27.1%であった(質量百分率)。

0053

実施例6
式I化合物の結晶Aの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物1gを20℃で20mlのメタノール/イソプロパノール水溶液(イソプロパノール:水:メタノール=10:2:1)に溶解させ、ゆっくり200mlの酢酸n−プロピルを入れ、ろ過して結晶Aを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、26.9%であった(質量百分率)。

0054

実施例7
式I化合物の結晶Aの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物1.0gを18℃で100mlのメタノール/イソプロパノール水溶液(イソプロパノール:水:メタノール=1:2:20)に溶解させ、−5℃に降温し、溶液から結晶が析出し、4h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ろ過して結晶Aを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、33.4%であった(質量百分率)。

0055

実施例8
式I化合物の結晶Aの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物2gを30℃で20mlのメタノール/n−プロパノール水溶液(n−プロパノール:水:メタノール=1:15:10)に溶解させ、15℃に降温し、溶液から結晶が析出し、2h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり100mlの酢酸イソプロピルを入れ、ろ過して結晶Aを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、32.0%であった(質量百分率)。

0056

実施例9
式I化合物の結晶Aの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物4gを24℃で300mlのメタノール/n−プロパノール水溶液(n−プロパノール:水:メタノール=20:2:1)に溶解させ、ゆっくり30mlのイソブタノールを入れ、ろ過して結晶Aを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、35.1%であった(質量百分率)。

0057

実施例10
式I化合物の結晶Aの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物2.7gを40℃で80mlのメタノール/n−プロパノール水溶液(n−プロパノール:水:メタノール=10:3:1)に溶解させ、−10℃に降温し、溶液から結晶が析出し、1h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ろ過して結晶Aを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、30.0%であった(質量百分率)。

0058

実施例11
式I化合物の結晶Bの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物1.5gを20℃で70mlのメタノール/イソブタノール水溶液(イソブタノール:水:メタノール=8:2:1)に溶解させ、ゆっくり0℃に降温し、溶液から結晶が析出し、そして同温度のままで4.5h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり100mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して結晶Aを得た。得られた結晶を真空乾燥器に入れ、乾燥器内の底部に純水を入れた皿を置き、含水量を17.9%に制御し、真空乾燥して結晶Bを得た。そのXRPD、IRスペトルを図3および5に示す。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、0.8%であった(質量百分率)。

0059

実施例12
式I化合物の結晶Bの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物2.3gを35℃で100mlのエタノール/n−プロパノール水溶液(n−プロパノール:水:メタノール=6:2:1)に溶解させ、10℃に降温し、溶液から結晶が析出し、そして同温度のままで3h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり100mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して式I化合物の結晶Aを得た。得られた結晶を真空乾燥器に入れ、乾燥器内の底部に氷水混合物を入れた皿を置き、含水量を22%に制御し、真空乾燥して結晶Bを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、0.6%であった(質量百分率)。

0060

実施例13
式I化合物の結晶Bの製造
実施例2で得られた結晶Aを真空乾燥器に入れ、乾燥器内の底部に水道水を入れた皿を置き、含水量を12.1%に制御し、真空乾燥して結晶Bを得、そのXRPDスペクトルを図4に示す。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、0.7%であった(質量百分率)。

0061

実施例14
式I化合物の結晶Bの製造
実施例6で得られた結晶Aを真空乾燥器に入れ、乾燥器内の底部に砕氷を入れた皿を置き、含水量を4%に制御し、真空乾燥して結晶Bを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、0.8%であった(質量百分率)。

0062

実施例15
式I化合物の結晶Cの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物2gを27℃で100mlのメタノール/イソブタノール水溶液(イソブタノール:水:メタノール=8:2:1)に溶解させ、ゆっくり0℃に降温し、溶液から結晶が析出し、そして同温度のままで4h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり150mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して結晶Aを得た。得られた結晶を真空乾燥器に入れ、乾燥器内の底部に水道水を入れた皿を置き、含水量を17.7%に制御し、真空乾燥して結晶Bを得た。水道水を撤去し、真空乾燥を続け、測定された水分含有量が2.1%となった時点で、式I化合物の結晶Cを得た。そのXRPDスペトルを図6に示す。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、0.5%であった(質量百分率)。

0063

実施例16
式I化合物の結晶Cの製造
実施例1で製造された無定形の式I化合物3.3gを20℃で120mlのメタノール/イソプロパノール水溶液(イソプロパノール:水:メタノール=3:1:3)に溶解させ、5℃に降温し、溶液から結晶が析出し、そして同温度のままで1.5h撹拌を続けて結晶が大量に析出し、ゆっくり200mlの酢酸n−プロピルを入れ、ろ過して式I化合物の結晶Aを得た。得られた結晶を真空乾燥器に入れ、乾燥器内の底部に純水を入れた皿を置き、含水量を7.6%に制御し、真空乾燥して式I化合物の結晶Bを得た。純水を撤去し、真空乾燥を続け、測定された水分含有量が3.7%となった時点で、式I化合物の結晶Cを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、0.5%であった(質量百分率)。

0064

実施例17
式I化合物の結晶Cの製造
実施例13で得られた結晶Bを真空乾燥し、測定された水分含有量が2.9%となった時点で、結晶Cを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、0.4%であった(質量百分率)。

0065

実施例18
式I化合物の結晶Cの製造
実施例14で得られた結晶Bを真空乾燥し、測定された水分含有量が0.8%となった時点で、結晶Cを得た。GC(気相クロマトグラフィー)によって結晶Aの合計溶媒残留量を測定したところ、0.4%であった(質量百分率)。

0066

比較例2
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物0.8gを25℃で5mlのメタノール水溶液(メタノール:水=3:2)に溶解させ、ゆっくり0℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで3h撹拌を続け、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0067

比較例3
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物2.1gを32℃で50mlのエタノール水溶液(エタノール:水=5:1)に溶解させ、10℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで5h撹拌を続け、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0068

比較例4
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物3gを20℃で55mlのn−プロパノール水溶液(n−プロパノール:水=1:1)に溶解させ、0℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで5h撹拌を続け、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0069

比較例5
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物2.5gを45℃で32mlのイソプロパノール水溶液(イソプロパノール:水=2:3)に溶解させ、15℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで1h撹拌を続け、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0070

比較例6
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物1.7gを32℃で90mlのイソブタノール水溶液(イソブタノール:水=4:1)に溶解させ、10℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで2h撹拌を続け、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0071

比較例7
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物1gを28℃で50mlのn−ブタノール水溶液(n−ブタノール:水=9:1)に溶解させ、0℃に降温し、ゆっくり50mlの酢酸メチルを入れ、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0072

比較例8
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物1.2gを17℃で45mlのアセトン水溶液(アセトン:水=4:1)に溶解させ、−5℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで3.5h撹拌を続け、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0073

比較例9
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物5gを25℃で150mlのアセトニトリル水溶液(アセトニトリル:水=3:1)に溶解させ、8℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで2h撹拌を続け、ゆっくり200mlの酢酸イソプロピルを入れ、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0074

比較例10
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物1.7gを30℃で100mlのメタノール/エタノール水溶液(メタノール:エタノール:水=8:2:1)に溶解させ、11℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで6h撹拌を続け、ゆっくり100mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0075

比較例11
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物1.7gを23℃で100mlのプロパノールブタノール水溶液(プロパノール:ブタノール:水=6:5:3)に溶解させ、−5℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで7h撹拌を続け、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0076

比較例12
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物4gを45℃で28mlのメタノール/n−ブタノール水溶液(メタノール:n−ブタノール:水=1:7:2)に溶解させ、11℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで6h撹拌を続け、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0077

比較例13
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物1gを20℃で70mlのエタノール/ブタノール水溶液(エタノール:ブタノール:水=2:2:5)に溶解させ、0℃に降温し、ゆっくり100mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0078

比較例14
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物3gを50℃で20mlのメタノール/アセトニトリル水溶液(メタノール:アセトニトリル:水=4:1:2)に溶解させ、25℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで2h撹拌を続け、ゆっくり70mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0079

比較例15
式I化合物の結晶形に対する異なる溶媒の影響
実施例1で製造された無定形の式I化合物2gを30℃で10mlのメタノール/アセトン水溶液(メタノール:アセトン:水=9:2:2)に溶解させ、5℃に降温し、溶液から固体が析出し、そして同温度のままで4h撹拌を続け、ゆっくり50mlの酢酸エチルを入れ、ろ過して固体の無定形粉末を得た。

0080

実施例19
純度と安定性のテスト
本実施例において、比較例と実施例で得られたサンプルの純度と安定性を比較した。方法は以下の通りである。
それぞれ実施例2、11、15で製造された式I化合物の結晶A〜C、比較例1で得られたB82型の結晶、および実施例1で得られた無定形の固体を取り、密閉で25℃に維持して30日置いた後、サンプルの不純物含有量を分析した。本発明における式I化合物の結晶A〜CとB82型の結晶、無定形の固体の比較結果を下記表に示す。




表におけるデータから、式I化合物の結晶A〜Cの安定性はB82型の結晶よりも顕著に優れ、無定形の固体よりもさらに優れたことがわかる。

0081

実施例20
医薬組成物の製造
製造方法:安定化剤を200mlの水に溶解させ、さらに式I化合物の結晶を入れて溶解させ、pHを調整し、100個の体積10mlの小瓶に入れ、冷凍乾燥して薬物組成物を得た。冷凍乾燥前の組成物のそれぞれの配合比率組成を下記表に示す。

0082

実施例21
医薬組成物の製造
実施例2の方法で得られた式I化合物の結晶A 0.2g、実施例11の方法で得られた式I化合物の結晶B 0.2g、実施例14の方法で得られた式I化合物の結晶C 0.2gを取り、それぞれUS2007249546A1の実施例2の方法で点眼液を製造した。

0083

式I化合物の結晶Aの測定
実施例2で得られた式I化合物の結晶Aを粉末X線回折計で測定し、その粉末X線回折スペクトルにおいて下記2θ角:3.6°、6.4°、6.8°、7.5°、9.4°、10.8°、12.4°、13.6°、20.4°に特徴ピークがあり、粉末X線回折スペクトルを図1に示す。
式I化合物の結晶Aは光学顕微鏡において柱状結晶で、ろ過前の形状を図2に示す。
測定によって実施例3〜10の結晶構造、形状は実施例2の結晶構造、形状と同様であることがわかった。本発明の方法は、再現性が良く、安定した式I化合物の結晶Aを得ることができることがわかる。

0084

式I化合物の結晶Bの測定
実施例11で得られた式I化合物の結晶Bを粉末X線回折計で測定し、その粉末X線回折スペクトルにおいて下記2θ角:4.4°、5.2°、7.5°、8.5°、8.8°、9.6°、12.6°、13.7°、14.9°、15.7°、16.7°、22.5°、25.1°に特徴ピークがあり、粉末X線回折スペクトルを図3に示す。
実施例13で得られた式I化合物の結晶Bを粉末X線回折計で測定し、その粉末X線回折スペクトルにおいて下記2θ角:4.4°、5.1°、7.4°、8.4°、8.7°、9.5°、12.6°、13.6°、14.8°、15.5°、16.6°、22.4°、25.0°に特徴ピークがあり、粉末X線回折スペクトルを図4に示す。

0085

式I化合物の結晶Bの赤外スペクトルは、図5に示すように、以下の波数:3340.16cm−1、2954.82cm−1、2874.54cm−1、2364.47cm−1、2083.34cm−1、1625.74cm−1、1505.84cm−1、1436.10cm−1、1389.34cm−1、1255.82cm−1、1178.41cm−1、1114.04cm−1、1085.09cm−1、1046.10cm−1、965.79cm−1、838.03cm−1、770.45cm−1、752.44cm−1、802.51cm−1、715.64cm−1、612.14cm−1、583.00cm−1、505.24cm−1に特徴ピークがある。

0086

測定によって、実施例12〜14の結晶構造は実施例11の結晶構造と同様であることがわかった。本発明の方法は、再現性が良く、安定した式I化合物の結晶Bを得ることができることがわかる。

0087

式I化合物の結晶Cの測定
実施例15で得られた式I化合物の結晶Cを粉末X線回折計で測定し、その粉末X線回折スペクトルにおいて下記2θ角:4.5°、5.2°、8.5°、9.6°に特徴ピークがあり、粉末X線回折スペクトルを図6に示す。
測定によって実施例16〜18の結晶構造は実施例15の結晶構造と同様であることがわかった。本発明の方法は、再現性が良く、安定した式I化合物の結晶Cを得ることができることがわかる。

0088

以上の説明は本発明の好ましい態様に過ぎず、本発明の実質の技術内容の範囲を限定するものではなく、本発明の実質の技術内容は広義的に出願の請求の範囲に定義され、他の人が完成した技術実体或いは方法は、出願の請求の範囲に定義されたものとまったく同じものであれば、或いは効果が同等の変更であれば、いずれもその請求の範囲に含まれるとみなされる。

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