図面 (/)

技術 真皮黒皮症を治療する方法及び装置

出願人 ザジェネラルホスピタルコーポレイション
発明者 アンダーソンリチャードロックスマンスタインディーターチャンヘンリヒンリーズオヴィンセント
出願日 2014年8月11日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2016-533490
公開日 2016年12月1日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-537133
状態 特許登録済
技術分野 放射線治療装置
主要キーワード 照射焦点 平均走査速度 光学ゲル 時間的分離 幅広ビーム 能動的冷却 冷却導管 照射プロファイル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月1日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (15)

課題

真皮黒皮症外見を改善するための例示的な方法及び機器を提供する。

解決手段

これは、例えば、約600nmと850nmの間の波長を有する電磁放射を、約150ミクロンと約400ミクロンの間の深さの色素沈着真皮組織の領域内に、約0.5と0.9の間の大きい開口数を有するレンズ機構を用いて合焦させて行うことができる。合焦された放射の例示的な局所滞留時間は数ミリ秒未満とすることができ、焦点領域内にもたらされる局所フルエンスは約50J/cm2と500J/cm2の間にすることができる。焦点領域は、真皮組織の中を数cm/sのオーダの速度で走査することができる。そのようなパラメータは、真皮内の色素沈着細胞による、それらを破壊するのに十分なエネルギー吸収をもたらすと同時に上層組織及び非色素沈着真皮組織の損傷を防ぐことができる。

概要

背景

黒皮症は、多くの場合顔領域に染みだらけの高色素沈着を生じる原因不明皮膚疾患である。この状態は、男性より女性に起ることが多い。黒皮症の明確な原因はよく分かっていないが、黒皮症の色素沈着した外見は、妊娠日光暴露などの特定の状態、経口避妊薬などの特定の投薬ホルモンレベル、遺伝的体質などによって悪化する可能性がある。

黒皮症の例示的な症状には、黒ずんだ不規則な形状の斑点又はがあり、普通これらは上部、上唇、及び前額部に見出される。これらの斑点は、時間の経過とともに次第に広がることが多い。黒皮症は、何らかの他の症状を引き起すことはなく、表面的な変色以上の他の有害な影響を有することもないように思われる。

典型的には、皮膚の表皮領域(即ち皮膚表面又はその近傍)に存在する多くの色素沈着構造体とは異なり、真皮(又は深い)黒皮症は、下層の真皮の部分又は領域におけるメラニン及びメラノファージ(例えば、過度に色素沈着した細胞を含む)の広範囲の存在によって特徴付けられることが多い。従って、真皮黒皮症の治療(例えば、黒ずんだ色素沈着領域の外見の淡色化)は、皮膚内により深く位置するそれら色素沈着細胞及び構造体に接近して作用するのにより大きな困難さがあるために、とくに挑戦的であり得る。従って、従来の皮膚復活治療、例えば、フェイシャルピールレーザ又は化学薬品)、皮膚剥離外用薬など、主に上層表皮に作用する治療は、真皮黒皮症の治療には有効ではない可能性がある。

特定の波長の光即ち光エネルギーの適用が色素沈着細胞によって強く吸収され、それによりそれらを損傷することができることが観測されている。しかし、光エネルギーを用いる真皮黒皮症の有効な治療は、幾つかの障害を導入する。例えば、真皮内の色素沈着細胞を、それらを破壊又は損傷するために、一部の色素沈着を解除又は破壊して色素沈着の外見を緩和することができる適切な波長(単数又は複数)の十分な光エネルギーで標的にする必要がある。しかし、そのようなエネルギーは、例えば表皮及び上部真皮などの上層の皮膚組織内の色素(例えば、発色団)によって吸収される可能性がある。この表面近くの吸収は、皮膚の外側部分の過度の損傷、及びより深い真皮内の色素沈着細胞に作用するには不十分なエネルギー送達をもたらす可能性がある。

皮膚上の健常組織によって分離された小さい離散的な位置に光エネルギーを適用して治癒を促進することを含むフラクショナルアプローチが開発されている。しかし、そのようなフラクショナルアプローチは、真皮内の多くの色素沈着細胞を打ち損なう可能性があり、そのようなより深い細胞の効果的な標的化は、やはり近傍の健常組織の過度な損傷をもたらす可能性がある。

概要

真皮黒皮症の外見を改善するための例示的な方法及び機器を提供する。これは、例えば、約600nmと850nmの間の波長を有する電磁放射を、約150ミクロンと約400ミクロンの間の深さの色素沈着真皮組織の領域内に、約0.5と0.9の間の大きい開口数を有するレンズ機構を用いて合焦させて行うことができる。合焦された放射の例示的な局所滞留時間は数ミリ秒未満とすることができ、焦点領域内にもたらされる局所フルエンスは約50J/cm2と500J/cm2の間にすることができる。焦点領域は、真皮組織の中を数cm/sのオーダの速度で走査することができる。そのようなパラメータは、真皮内の色素沈着細胞による、それらを破壊するのに十分なエネルギー吸収をもたらすと同時に上層の組織及び非色素沈着真皮組織の損傷を防ぐことができる。

目的

従って、真皮内の色素沈着細胞を効果的に標的にし、健常皮膚組織に過剰な損傷を引き起すこと又はその他望ましくない副作用を生じることなく、黒皮症の外見を緩和することができる方法及び装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

皮膚組織真皮層内の少なくとも1つの色素沈着領域に選択的に影響を及ぼすための装置であって、少なくとも1つの電磁放射を放出するように構成された放射機構と、前記装置の少なくとも一部分が前記皮膚組織の表面に接触するか又はその上に配置されるとき、前記少なくとも1つの電磁放射を前記真皮層内の少なくとも1つの焦点領域内に誘導し合焦させるように構成された光学機構と、を備え、前記少なくとも1つの電磁放射は、約600nmと850nmの間の波長を有し、前記光学機構は、約0.5と0.9の間の開口数を有し、前記放射機構及び前記光学機構は、前記少なくとも1つの焦点領域内における前記少なくとも1つの電磁放射のフルエンスを約10J/cm2と1000J/cm2の間にするように構成される、装置。

請求項2

前記少なくとも1つの電磁放射の前記波長は、約625nmと約800nmの間である、請求項1記載の装置。

請求項3

前記少なくとも1つの焦点領域の深さは、前記皮膚表面の下約120ミクロンと約400ミクロンの間である、請求項1記載の装置。

請求項4

前記少なくとも1つの焦点領域の幅は、約200ミクロン未満である、請求項1記載の装置。

請求項5

前記少なくとも1つの焦点領域の幅は、約50ミクロン未満である、請求項1記載の装置。

請求項6

前記放射機構は、少なくとも1つのレーザダイオードを備える、請求項1記載の装置。

請求項7

前記放射機構は、前記放射機構によって放出された前記少なくとも1つの電磁放射を前記光学機構上に誘導するように構成された導波路又は光ファイバのうちの少なくとも1つを備える、請求項1記載の装置。

請求項8

前記少なくとも1つの焦点領域内における前記少なくとも1つの電磁放射の前記フルエンスは、約50J/cm2と500J/cm2の間である、請求項1記載の装置。

請求項9

前記光学機構は、集束レンズ機構を備え、前記集束レンズ機構は、対物レンズ凸レンズ円柱レンズ、又は平凸レンズのうちの少なくとも1つを備える、請求項1記載の装置。

請求項10

前記集束レンズ機構は、複数のレンズを備える、請求項9記載の装置。

請求項11

前記レンズの各々の幅は、約1mmと3mmの間である、請求項10記載の装置。

請求項12

前記レンズのうちの少なくとも2つは、異なる焦点距離を有する、請求項10記載の装置。

請求項13

前記レンズのうちの少なくとも2つは、異なる開口数を有する、請求項10記載の装置。

請求項14

前記レンズのうちの少なくとも2つは、異なる幅を有する、請求項10記載の装置。

請求項15

前記集束レンズ機構の下面は、前記皮膚の前記表面上に配置されるように構成され構築される、請求項9記載の装置。

請求項16

前記放射機構と通信するように設けられたセンサ機構をさらに備え、前記センサ機構は、前記皮膚組織の前記表面上の前記装置の平行移動速度を検出し、前記検出された速度に基づいて前記少なくとも1つの電磁放射の少なくとも1つの特性に影響を及ぼすための信号をもたらすように構成される、請求項1記載の装置。

請求項17

前記放射機構又は前記光学機構のうちの少なくとも1つは、前記焦点領域内に供給される前記少なくとも1つの放射を、前記真皮層内の特定の位置に約2ミリ秒未満の継続時間の間誘導するように構成される、請求項1記載の装置。

請求項18

前記放射機構又は前記光学機構のうちの少なくとも1つは、前記装置が前記皮膚組織の前記表面に対して静止した状態に保持されるとき、前記焦点領域内に供給される前記少なくとも1つの放射を前記真皮層内の複数の位置に移動させるように構成される、請求項1記載の装置。

請求項19

真皮黒皮症外見を改善する美容方法であって、少なくとも1つの電磁放射を皮膚組織の真皮内の複数の位置に合焦させ適用するステップを含み、前記少なくとも1つの電磁放射の波長は、約600nmと850nmの間であり、前記少なくとも1つの電磁放射の焦点領域の幅は、約200ミクロン未満であり、前記少なくとも1つの電磁放射は、約0.5と0.9の間の開口数を有するレンズ機構を用いて合焦され、前記位置の各々に適用される前記少なくとも1つの放射のフルエンスは、約50J/cm2と1000J/cm2の間であり、前記少なくとも1つの放射によって前記位置の各々に適用される局所照射時間は、約2ミリ秒未満である、方法。

請求項20

前記位置の深さは、前記皮膚組織の表面の下約120ミクロンと400ミクロンの間である、請求項19記載の方法。

請求項21

前記少なくとも1つの電磁放射の前記波長は、約625nmと約800nmの間である、請求項19記載の方法。

請求項22

前記焦点領域の幅は、約100ミクロン未満である、請求項19記載の方法。

請求項23

前記焦点領域の幅は、約50ミクロン未満である、請求項19記載の方法。

請求項24

前記少なくとも1つの電磁放射は、少なくとも1つのレーザダイオードによって供給される、請求項19記載の方法。

請求項25

前記レンズ機構は、対物レンズ、凸レンズ、円柱レンズ、又は平凸レンズのうちの少なくとも1つを備える、請求項19記載の方法。

請求項26

前記集束レンズ機構は、複数のレンズを備える、請求項19記載の方法。

請求項27

前記レンズのうちの少なくとも2つは、異なる焦点距離、異なる開口数、及び異なる幅のうちの少なくとも1つを有する、請求項26記載の方法。

請求項28

前記皮膚組織の表面に対して前記レンズ機構を平行移動させるステップをさらに含む、請求項19記載の方法。

請求項29

前記皮膚組織の前記表面に対する前記レンズ機構の平行移動速度を検出するステップ、及び前記検出された速度に基づいて前記少なくとも1つの電磁放射の少なくとも1つの特性を変化させるステップをさらに含む、請求項28記載の方法。

請求項30

皮膚組織の真皮内の色素沈着細胞を選択的に損傷する美容方法であって、少なくとも1つの電磁放射を、前記色素沈着細胞を含む前記皮膚組織の特定の体積の内部に、それらを照射するべく合焦させるステップを含み、前記少なくとも1つの電磁放射は、約600nmと850nmの間の波長を有し、前記少なくとも1つの電磁放射の焦点領域の幅は、約200ミクロン未満であり、照射の継続時間は、約2ミリ秒未満であり、前記色素沈着細胞の近傍の非色素沈着細胞は損傷を受けず、それにより前記皮膚組織の前記真皮内の色素沈着細胞を選択的に損傷する、方法。

請求項31

前記少なくとも1つの合焦される放射の収束角は、約40度より大きい、請求項30記載の方法。

請求項32

前記少なくとも1つの電磁放射の前記特定の体積内のフルエンスは、約50J/cm2と1000J/cm2の間である、請求項30記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、引用によりその開示が全体として本明細書に組み入れられる2013年8月9日出願の米国特許仮出願第61/864,238号に関連し、その優先権を主張するものである。

0002

開示分野
本開示の例示的な実施形態は、色素沈着組織治療に関し、より具体的には、真皮黒皮症を治療する方法及び装置に関する。

背景技術

0003

黒皮症は、多くの場合顔領域に染みだらけの高色素沈着を生じる原因不明皮膚疾患である。この状態は、男性より女性に起ることが多い。黒皮症の明確な原因はよく分かっていないが、黒皮症の色素沈着した外見は、妊娠日光暴露などの特定の状態、経口避妊薬などの特定の投薬ホルモンレベル、遺伝的体質などによって悪化する可能性がある。

0004

黒皮症の例示的な症状には、黒ずんだ不規則な形状の斑点又はがあり、普通これらは上部、上唇、及び前額部に見出される。これらの斑点は、時間の経過とともに次第に広がることが多い。黒皮症は、何らかの他の症状を引き起すことはなく、表面的な変色以上の他の有害な影響を有することもないように思われる。

0005

典型的には、皮膚の表皮領域(即ち皮膚表面又はその近傍)に存在する多くの色素沈着構造体とは異なり、真皮(又は深い)黒皮症は、下層の真皮の部分又は領域におけるメラニン及びメラノファージ(例えば、過度に色素沈着した細胞を含む)の広範囲の存在によって特徴付けられることが多い。従って、真皮黒皮症の治療(例えば、黒ずんだ色素沈着領域の外見の淡色化)は、皮膚内により深く位置するそれら色素沈着細胞及び構造体に接近して作用するのにより大きな困難さがあるために、とくに挑戦的であり得る。従って、従来の皮膚復活治療、例えば、フェイシャルピールレーザ又は化学薬品)、皮膚剥離外用薬など、主に上層表皮に作用する治療は、真皮黒皮症の治療には有効ではない可能性がある。

0006

特定の波長の光即ち光エネルギーの適用が色素沈着細胞によって強く吸収され、それによりそれらを損傷することができることが観測されている。しかし、光エネルギーを用いる真皮黒皮症の有効な治療は、幾つかの障害を導入する。例えば、真皮内の色素沈着細胞を、それらを破壊又は損傷するために、一部の色素沈着を解除又は破壊して色素沈着の外見を緩和することができる適切な波長(単数又は複数)の十分な光エネルギーで標的にする必要がある。しかし、そのようなエネルギーは、例えば表皮及び上部真皮などの上層の皮膚組織内の色素(例えば、発色団)によって吸収される可能性がある。この表面近くの吸収は、皮膚の外側部分の過度の損傷、及びより深い真皮内の色素沈着細胞に作用するには不十分なエネルギー送達をもたらす可能性がある。

0007

皮膚上の健常組織によって分離された小さい離散的な位置に光エネルギーを適用して治癒を促進することを含むフラクショナルアプローチが開発されている。しかし、そのようなフラクショナルアプローチは、真皮内の多くの色素沈着細胞を打ち損なう可能性があり、そのようなより深い細胞の効果的な標的化は、やはり近傍の健常組織の過度な損傷をもたらす可能性がある。

発明が解決しようとする課題

0008

従って、真皮内の色素沈着細胞を効果的に標的にし、健常皮膚組織に過剰な損傷を引き起すこと又はその他望ましくない副作用を生じることなく、黒皮症の外見を緩和することができる方法及び装置を提供することが望ましいであろう。

課題を解決するための手段

0009

真皮黒皮症及び真皮内の他の色素沈着異常を治療して、例えば、真皮黒皮症の黒ずんだ色素沈着の外見を淡色化するための方法及び装置の例示的な実施形態を提供することができる。方法及び装置の例示的な実施形態は、適切な波長を有する高収束性電磁放射EMR:electromagnetic radiation)、例えば光エネルギー、を真皮内の色素沈着領域に合焦させることによって、真皮内の色素沈着構造体による選択的なエネルギー吸収及びそれに対する熱損傷を促進することができる。この例示的な処置は、色素沈着領域の加熱及び/又は熱損傷をもたらすことができ、それにより色素を破壊して皮膚の外見を淡色化すると同時に、周囲の非色素沈着組織及び上層の組織に対する望ましくない熱損傷を防止する。

0010

本開示の例示的な実施形態により、EMRを放出するように構成された放射放出体機構、並びにEMRを治療する皮膚に誘導し、それを真皮内の焦点領域に合焦させるように構成された光学機構を含むことができる装置を提供することができる。EMRに対して実質的に光透過性の、治療する皮膚の表面に接触するように構成されたプレートを装置の一部分の上に設けることができる。このようなプレートは、柔らかい皮膚組織を固定して、皮膚表面の下方の焦点領域の深さの良好な制御を容易にすることができる。プレートの下面は概ね平面にすることができ、或はオプションとして僅かに凸面又は凹面にすることができる。本装置は、これらの構成要素を収容して使用中の装置の操作を容易にすることができるハウジング又はハンドピースをさらに含むことができる。

0011

EMR放出体は、外部光源からのEMRを誘導するように構成された導波路又は光ファイバ、及びEMR光源、例えば、1つ又はそれ以上のダイオードレーザファイバレーザなどを含むことができる。放出体機構がEMRの光源を含む場合、放出体機構は、オプションとして、EMR光源(単数又は複数)を冷却して光源(単数又は複数)の過熱を防ぐように構成された冷却機構を含むことができる。例えば、EMR光源をオン及びオフにすること、EMR光源の出力を制御し又は変えることなどを含む放出体機構の動作の制御のために、制御機構を備えることができる。

0012

EMRは、好ましくは約600nmより長い、例えば、約625nmと約850nmの間、又は約650nmと約750nmの間の波長を有することができる。より短い波長(例えば、約600nm未満)は、皮膚組織内で著しく散乱される可能性があり、従って真皮層の部分まで十分なフルエンス及び合焦で達するには不十分な侵入深度を有する。そのようなより短い波長はまた、非常に高いメラニン吸光度を有する可能性があり、上層の表皮領域内にメラニンによる大きいEMR吸収を生じて表面領域に望ましくない熱損傷を生じる可能性がある。そのようなより短い波長はまた、血管内に存在し得る競合色素であるヘモグロビンによるより高い吸光度を有する可能性がある。ヘモグロビンによる著しいEMR吸収は、その血管に望ましくない熱損傷を引き起す可能性がある。メラニンによるEMRの吸光度は、一般に波長が長くなるにつれて減少し、約850nmより長い波長は、色素沈着構造体の局所加熱及び破壊を引き起すのに十分には真皮メラニンによって吸収されない可能性がある。

0013

例示的な装置は、高収束性ビームのEMRを合焦させるように構成された光学機構を含むことができる。例えば、光学機構は、約0.5又はそれ以上、例えば、約0.5と0.9の間の開口数(NA:numerical aperture)を有する集束又は収束レンズ機構を含むことができる。それに対応して大きい収束角のEMRは、レンズの焦点領域(真皮内に配置することができる)内に高フルエンス及び強度をもたらし、焦点領域の上方の上層組織内にはより低いフルエンスをもたらすことができる。そのような焦点幾何学的配置は、色素沈着真皮領域の上方の上層組織内の望ましくない加熱及び熱損傷を軽減するのに役立てることができる。例示的な光学機構は、放出機構からのEMRを集束レンズ機構上に誘導するように構成されたコリメーティングレンズ機構をさらに含むことができる。

0014

例示的な光学機構は、EMRを、約200μm(ミクロン)未満、例えば、100μm未満、さらには約50μm未満、例えば、10μm程にも小さい幅又はスポットサイズを有する焦点領域に合焦させるように構成することができる。そのようなスポットサイズは、焦点領域内にEMRの高フルエンス又は強度をもたらすのに十分に小さいこと(真皮内色素沈着構造体を効果的に照射するため)と、適当な治療時間内での皮膚組織の大きい領域/体積の照射を容易にするのに十分に大きいこととの間のバランスとして選択することができる。

0015

例示的な光学機構はまた、EMRの焦点領域を、皮膚表面の下、約120μmと400μmの間、例えば、約150μmと300μmの間の深さの真皮組織内の位置に誘導するように構成することができる。そのような例示的な深さ範囲は、真皮黒皮症を示す皮膚の色素沈着領域の典型的な観測される深さに対応し得る。この焦点深度は、皮膚表面に接触するように構成された装置の下面と焦点領域の位置との間の距離に対応し得る。

0016

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、EMR放出体機構及び/又は光学機構の構成要素の位置及び/又は配向は、EMRの経路を変えることができるように、互いに対して制御可能又は調整可能にすることができる。EMRの経路のそのような変化は、真皮内の焦点領域の深さ、幅、及び/又は位置の対応する変化をもたらすことができ、装置を皮膚に対して平行移動させるときに、より大きい体積の皮膚組織の治療を容易にすることができる。これらの構成要素のそのような相対移動はまた、装置が皮膚に対して静止した状態に保持されるときに、例えば、装置全体を移動させずに皮膚のより大きい領域を治療するために、皮膚組織内での焦点領域の移動を容易にすることができる。

0017

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、例示的な集束レンズ機構は、複数のマイクロレンズ、例えば、凸レンズ平凸レンズなどを含むことができる。各々のマイクロレンズは、大きいNA(例えば、約0.5と0.9の間)を有することができる。マイクロレンズは、配列、例えば、正方形又は六角形配列に設けて、真皮組織内に同じパターンの複数の焦点領域を生成することができる。マイクロレンズの幅は小さく、例えば、約1mmと3mmの間の幅にすることができる。特定の実施形態においては、これより僅かに広いか又は狭いマイクロレンズ300を備えることもできる。本開示のさらに別の例示的な実施形態において、マイクロレンズは、円柱レンズ、例えば、凸円柱レンズ又は平凸円柱レンズを含むことができる。そのような円柱マイクロレンズの幅は小さく、例えば、約1mmと3mmの間の幅にすることができる。円柱マイクロレンズの長さは、例えば、約5mmと5cmの間にすることができる。

0018

例示的な放射放出体機構及び/又は例示的な光学機構は、EMRの単一の広いビームをそれらマイクロレンズ又はそれらの一部分の配列全体の上に誘導して真皮内に複数の焦点領域を同時に生成するように構成することができる。さらに別の例示的な実施形態において、放射放出体機構及び/又は光学機構は、EMRの複数のより小さいビームをマイクロレンズの個々の一つの上に誘導するように構成することができる。そのような複数のビームは、例えば、複数のEMR光源(レーザダイオードなど)、ビームスプリッタ、又は複数の導波路を用いることにより、或は単一ビームを個々のマイクロレンズの上に走査することによって、もたらすことができる。円柱マイクロレンズが備えられる場合、1つ又はそれ以上のEMRのビームをその円柱レンズにわたり、例えば、その円柱レンズの長手軸に平行な方向に走査することができる。

0019

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、例示的な円柱又は球面マイクロレンズは、互いに異なるNA値、異なるサイズ又は半径、及び/又は異なる有効焦点距離のものとすることができる。マイクロレンズの幾何学的構造及び光学的特性のそのようなばらつきは、真皮のより大きい体積の照射を促進することができる。

0020

皮膚表面と接触するように構成されたプレートは、オプションとして集束レンズ機構の一部として設けることができ、例えば、平凸レンズ又は複数のそのようなマイクロレンズの下面として形成することができる。プレートは、オプションとして、例えば、使用前の予備冷却により、又は能動的冷却機構(例えば、ペルチェ素子伝導性冷気導管など)によって冷却することができる。そのような冷却は、表皮及び真皮上部を望ましくない熱損傷から保護する助けとなり得る。オプションとして光学ゲルなど(例えば、グリセロール又は類似の物質)をプレートと皮膚表面の間に供給してプレートと皮膚の間の光学指数不整合を軽減し、それによりEMRの皮膚内への透過を高めることができる。

0021

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、例示的な装置は、装置と皮膚の接触及び/又は使用中の皮膚表面の上の装置の速度を検出するように構成された1つ又はそれ以上のセンサを含むことができる。そのような例示的なセンサは、EMR放出体又は光源の制御機構と結合することができ、例えば、装置の平行移動速度に基づいて放出体機構によって放出される出力を変えること、装置が皮膚表面に対して静止状態にあるか又は皮膚から離れるときにEMRの光源(単数又は複数)をオフにすることなどにより、EMRの特性を変えることができる信号を発生するように適合させることができる。そのようなセンサ及び制御機構は、皮膚に対する過剰な照射及び望ましくない熱損傷を防ぐことによって装置の安全性を高めることができる。

0022

真皮中の特定の位置の照射時間(滞留時間)を短時間、例えば、約1〜2ミリ秒又はそれ以下に制限することが好ましい可能性がある。そのような短い滞留時間は、例えば、EMRの離散的パルスを供給するように放射放出体機構を構成することによって達成することができる。そのようなEMRパルスの間の例示的な間隔は、例えば、約50ミリ秒のオーダ又はそれ以上にして、装置が皮膚の上を平行移動するときに連続するパルスによって照射される真皮の領域の間の空間的分離をもたらすことができる。短い滞留時間はまた、使用中、皮膚の上で装置を、焦点領域が数ミリ秒を超えて真皮内の特定の位置に留まらないように、例えば、約1cm/s又はそれ以上の速度で平行移動させることによって達成することができる。さらに別の実施形態において、より長い局所滞留時間を避けるために、オプションのセンサをも用いて装置により放出されるEMRを制御することができる。

0023

例示的な放出体機構の出力は、各々の焦点領域内に、約650nmの波長を有するEMRに対して約10乃至1000J/cm2、例えば、約50乃至500J/cm2の局所フルエンスをもたらすように選択することができる。焦点領域内の推定されるフルエンスは、通常の式を用いて、スポットサイズ、局所滞留時間、及び全ビーム出力に関連付けることができる。より大きい又はより小さい局所フルエンス値はまた、それぞれ、より速い若しくはより遅い走査速度及び/又はより短い若しくはより長い滞留時間を使用するときに、用いることができる。フルエンスは、より短い波長(メラニンによってより容易に吸収される)に対して多少小さくすることができ、メラニンによるEMR吸収がより弱いより長い波長に対してより大きくすることができる。

0024

本開示のさらに別の実施形態において、真皮黒皮症を治療する方法であって、EMRの少なくとも1つのビームを真皮内の少なくとも1つの焦点領域に合焦して、非色素沈着組織及び上層組織に対する望ましくない加熱及び損傷を防ぎながら、真皮内の色素沈着細胞又は構造体による選択的な吸収を引き起すことを含む方法を提供することができる。使用するEMR波長、合焦特性(例えば、NA値、焦点深度、スポットサイズ)、走査速度及び/又はパルスEMR特性、EMRビーム出力、焦点領域(単数又は複数)内のフルエンスなどを、本明細書で説明する様々な実施形態によって提供することができる。

0025

本開示のこれら及び他の目的、特徴及び利点は、本開示の例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明を、添付の図面及び特許請求の範囲と併せて読むことによって明白となるであろう。

0026

本開示のさらに別の目的、特徴及び利点が、本開示の例示的な実施形態の例証的実施形態、結果及び/又は特徴を示す添付の図面に関連して記述される以下の詳細な説明から明白となるであろう。

図面の簡単な説明

0027

色素沈着真皮組織内に合焦される1つ又はそれ以上の放射の説明の側面図である。
メラニンの例示的な吸光度スペクトルグラフである。
酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンの例示的な吸光度スペクトルのグラフである。
本開示の例示的な実施形態による例示的な装置のダイアグラムの側断面図である。
本開示の特定の例示的な実施形態によって使用することができるマイクロレンズの配置の略側面図である。
図3Aに示すマイクロレンズの第1の例示的な配置の略上面図である。
図3Aに示すマイクロレンズの第2の例示的な配置の略上面図である。
本開示の特定の例示的な実施形態によって使用することができる円柱マイクロレンズの例示的な配置の略上面図である。
図3Dに示す円柱マイクロレンズの例示的な配置の略斜視図である。
本開示のさらに別の例示的な実施形態によって使用することができるマイクロレンズのさらに別の例示的な配置の略側面図である。
本開示のさらに別の例示的な実施形態によるさらに別の例示的な装置の略側断面図である。
真皮黒皮症の影響を模擬するための、メラニン溶液入れ墨された豚皮膚の例示的な生検画像である。
真皮黒皮症の影響を模擬するための、メラニン溶液で入れ墨された豚皮膚の一領域の例示的な表面画像である。
本開示の例示的な実施形態による、合焦された電磁放射で照射された後の、図6Aに示す豚皮膚の入れ墨された領域の例示的な表面画像である。

0028

図面全体にわたり、同じ参照数字及び文字が、特に別に指定されない限り、例証される実施形態の類似の特徴的構造部、要素、構成要素又は部分を示すのに用いられる。従って、類似の特徴的構造部を同じ参照数字で記述することができ、これは当業者に対して、特に別に明示的に指定されない限り、異なる実施形態の間で特徴的構造部の交換を行うことができることを示すものである。さらに、次に図面を参照しながら本開示を詳細に説明することになるが、これは例証的な実施形態に関連して行うもので、図面に示した特定の実施形態によって限定されるものではない。説明した実施形態に対して、添付の特許請求の範囲によって定められる本開示の真の範囲及び主旨から逸脱せずに、変更及び修正を加えることができることが意図されている。

0029

本開示の特定の例示的実施形態により、真皮(又は深い)黒皮症を治療するための機器及び方法を提供することができる。例えば、1つ又はそれ以上の特定の波長の電磁放射(EMR)、例えば、光エネルギーなど、を真皮内に合焦させることができ、その際、EMRはオプションとしてパルス化及び/又は走査して、放射が真皮内の色素沈着細胞によって選択的に吸収されるようにすることができる。そのようなエネルギーの吸収、並びに合焦幾何学及び走査パラメータが、周囲の非色素沈着細胞及び上層表皮に対する損傷を軽減又は防止しながら、多くの色素沈着細胞を選択的に損傷又は破壊することができる。

0030

皮膚組織の断面の例示的な略側面図を図1に示す。皮膚組織は、皮膚表面100、及び上部表皮層110、即ち表皮を含み、これは、例えば、顔領域においては約60乃至120μm厚であり得る。真皮は、身体の他の部分においては僅かにより厚い可能性がある。下層の真皮層120、即ち真皮は、表皮110の下から、より深い皮下脂肪層(図示せず)まで延びる。深い又は真皮黒皮症を示す皮膚は、色素沈着細胞の集団、又は過剰量のメラニンを含む領域130を含み得る。

0031

本開示の例示的な実施形態において、電磁放射(EMR)150(例えば、光エネルギー)は、真皮120内に配置することができる1つ又はそれ以上の焦点領域160内に合焦させることができる。EMR150は、メラニンが吸収できる1つ又はそれ以上の適切な波長で供給することができる。EMRの波長(単数又は複数)は真皮120内の色素沈着領域130による選択的吸収を高めるように選択することができる。

0032

例えば、メラニンの例示的な吸収スペクトルのグラフを図1Bのグラフに示す。メラニンによるEMRの吸収は、約350nmの波長でピーク値に達し、次いで波長の増加と共に減少することが観察される。メラニンによるEMRの吸収は、メラニン含有領域130の加熱及び/又は破壊を促進するが、非常に高いメラニン吸光度が表皮110内の色素による高い吸収を生じ、真皮120内へのEMRの侵入を減らす可能性がある。図1Bに示すように、約500nm未満のEMR波長におけるメラニンの吸収は比較的高いので、約500nm未満の波長は、真皮120内に十分に侵入してその中の色素沈着領域130を加熱及び損傷又は破壊するためには適さないであろう。そのような短波長における高吸収は、表皮110及び真皮120の上(表面)部分に対して望ましくない損傷をもたらす可能性があり、比較的少量の吸収されなかったEMRが組織を通過して真皮120のより深い部分に達する。

0033

皮膚組織内で観察される別の重要な色素はヘモグロビンであり、これは血管内に存在する。ヘモグロビンは、酸素化HbO2)又は脱酸素化(Hb)の状態で存在することができ、ヘモグロビンの各々の形態は、僅かに異なるEMR吸収特性を示し得る。例えば、Hb及びHbO2の両方の例示的な吸収スペクトルを図1Cのグラフに示す。これらのスペクトルは、約600nm未満のEMR波長におけるHb及びHbO2の両方の高い吸収係数、及びより長波長において著しく減少する吸光度を示す。皮膚組織内に誘導されたEMRのへモグロビン(Hb及び/又はHbO2)による強い吸収は、ヘモグロビン含有血管の加熱を生じ、これらの血管構造体に望ましくない損傷をもたらし、メラニンによって吸収可能なEMRを少なくする可能性がある。

0034

従って、本開示の特定の例示的な実施形態においては、600nmを超える、例えば、約625nm又はそれ以上の波長を有するEMRを使用することが好ましい可能性がある。そのような波長は、EMRが真皮120内に侵入してその中の色素沈着領域130を標的にすることができるように、例えば、ヘモグロビンによる競合吸収を減らすことにより、及びさらに表皮メラニンによるEMRの過剰吸収(上述の)を防ぐことによって真皮内のEMR吸収の選択性を高くすることができる。

0035

例えば、波長がより長いEMRは、皮膚組織の不均一構造によってより簡単に散乱される傾向がある。そのような散乱は、組織に向けられたEMRの有効侵入深さを減らす可能性があり、さらにまた、本明細書で説明する小さい焦点領域160内へのEMRビーム150の合焦を妨げる可能性がある。さらに、図1Bのグラフに示すように、メラニンの吸光度は波長の増加と共に減少し続ける。従って、約750nm又は850nmより短い波長を有するEMRは、組織内で良好に合焦されて真皮120内部に十分な局所強度を生成するとともに、真皮メラニンによって、色素沈着領域130を破壊及び/又は損傷するのに十分に吸収される。

0036

本開示の例示的な実施形態により、約600nmと約850nmの間、例えば、大部分が可視光領域に入る約625nmと約800nmの間の1つ又はそれ以上の波長を有するEMRを供給又は使用することが可能である。ある特定の実施形態において、波長は約650nmと750nmの間とすることができる。本開示のさらに別の例示的な実施形態においては、約600nm未満又は約850nm超の波長を使用することができるが、そのような波長を有するEMRには、真皮内のメラニンによる十分な量の吸収及び吸収の選択性を達成するために、本明細書で説明する十分な合焦及び/又は適切な出力及びフルエンスを与えることができる。

0037

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、図2のダイアグラムに概略的に示す装置200を、EMR150、例えば、光エネルギーを用いて皮膚内の真皮黒皮症を治療するために提供することができる。例えば、装置200は、放射放出体機構210と、放射放出体機構210と治療する標的組織との間に設けることができる光学機構と、を含むことができる。例えば、光学機構は、第1のレンズ機構220及び第2のレンズ機構230を含むことができる。これらの例示的な構成要素は、オプションとして、ハンドピース250又は他のハウジング若しくは筐体内に備えることができる。本装置200は、治療する皮膚組織の表面100と接触するように構成された下面を有するプレート240をさらに含むことができる。装置200の動作を制御するための、例えば、放出体機構210を活性化及び/又はオフにし、装置200の特定の動作パラメータを制御又は調整するなどのためのアクチュエータ機構260を備えることができる。放射放出体機構210のための電源(図示せず)を備えることができる。例えば、電源は、ハンドピース250内に備えられたバッテリ、放出体機構210と外部電源(例えば、電気コンセントなど)の間に備えられた電気コード又は他の導電接続部などを含むことができる。

0038

放射放出体機構210は、EMR150を発生及び/又は放出し、それを光学機構220に向けて又はその上に、例えば第1のレンズ機構220の上に誘導するように構成された、例えば、1つ又はそれ以上のレーザダイオード、光ファイバ、導波路、又は、他の構成要素を含むことができる。本開示の特定の例示的な実施形態において、放射放出体機構210は、約600nmと850nmの間、例えば、約650nmと750nmの間の1つ又はそれ以上の波長を有する光放射150を放出する1つ又はそれ以上のレーザダイオードを含むことができる。

0039

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、放射放出体機構210は、1つ又はそれ以上の導波路(例えば光ファイバ)(図示せず)の遠位端を含むことができ、この場合、導波路は、外部光源(図示せず)からのEMR150を第1のレンズ機構220に向けて又はその上に誘導するように構成するか又は適合させることができる。そのような例示的な外部EMR光源は、EMR150を、約600nmと850nmの間、例えば、約650nmと750nmの間の1つ又はそれ以上の波長を有する放射放出体機構210に供給又は誘導するように構成することができる。

0040

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、電磁放射(EMR)150(例えば、光エネルギー)は、図1A及び図2に概略的に示すように、真皮120内に配置することができる1つ又はそれ以上の焦点領域160内に合焦させることができる。例示的な光学機構は、EMR150の1つ又はそれ以上の高収束性ビームを供給するように構成することができ、その場合、各々のそのようなビームは装置200の下部から放出することができ、装置200の下面、例えば、プレート240の下面の下の特定の距離に位置するより狭い焦点領域160に収束させることができる。EMR150のそのような収束は、焦点領域160内に高い局所フルエンス及び強度を生成することができると同時に上層の組織(例えば、表皮110及び真皮120の上部)をより低いフルエンスで照射する。
本開示の1つの付加的な例示的実施形態において、第1のレンズ機構220は、放出体機構210からのEMR150を第2のレンズ機構230に向けて又はその上に誘導するように適合させ及び/又は構成することができる。第1のレンズ機構220は、例えば、1つ又はそれ以上のレンズ、反射体、部分的に又は完全に銀メッキされたミラープリズム、及び/又はビームスプリッタを含むことができる。例えば、第1のレンズ機構220は、放出体機構210から放出されたEMR150を、図2に示すように、第2のレンズ機構230の上に向けて平行化又は位置調整するように構成することができる。第1のレンズ機構220は、例えば、対物レンズなどを含むことができる。

0041

第2のレンズ機構230は、第1のレンズ機構220からEMR150を受け取り、これを、図1に示すように、真皮120内の1つ又はそれ以上の焦点区域160内に誘導するように構成し及び/又は適合させることができる。例えば、第1のレンズ機構220をコリメーティングレンズとすることができ、第2のレンズ機構230は、例えば、図2に示すような単一の対物レンズ、1つ又はそれ以上の平凸レンズ又は円柱レンズなど、を含む集束レンズとして機能することができる。1つ又はそれ以上の焦点領域160を生成するように構成することができる光学機構の様々な例示的実施形態を以下でより詳しく説明する。

0042

例えば、図2の例示的な説明図に示すように、EMR150の高収束性ビームは、プレート240を通過する際(例えば、装置200が皮膚を照射するためにその上に配置されるときに皮膚組織の表面100に入る際)に、比較的「広がる」。EMR150の幾何学的、時間的、及び出力特性は、本明細書で説明するように、皮膚表面100及びその近傍におけるEMR150のフルエンス及び強度が表面組織に対する望ましくない加熱及び損傷を防ぐのに十分に低くなるように、選択することができる。次に、EMR150は、焦点領域160内又はそれに近接する色素沈着領域130によるEMR150の有意な吸収を促進するように、焦点区域160内の十分な強度及びフルエンスに合焦させることができる。このようにして、本発明の例示的な実施形態は、上層の組織及び周囲の非色素沈着組織内に望ましくない損傷を生じることなく、真皮120内の色素沈着領域130を標的にしてそれらを選択的に加熱し、破壊又は損傷することができる。

0043

約70〜80度の例示的なビーム収束角図1A及び図2に示すが、この近似的な値は単に例示的なものである。一般に、収束角は約40度又はそれ以上、例えば、約90度又はそれ以上ともすることができる。そのような小さくない収束角は、EMR150の焦点領域160における大きい局所強度及びフルエンスを生じることができる一方で、上層の(及び下層の)組織の中の対応するフルエンスはビーム収束/発散のためにより低くなり得る。他の収束角も可能であり、本開示の範囲に入ることを理解されたい。

0044

従って、第2のレンズ機構230の有効開口数(NA)は、大きく、例えば、約0.5より大きく、例えば、約0.5と0.9の間であることが好ましい。開口数NAは一般に光学において、NA=nsinθのように定義され、ここでnはレンズがその中で作用する媒体屈折率であり、θはビームの収束又は発散角の2分の1である。EMR150は、約1の屈折率を有する周囲空気を通してレンズに入る。従って、約0.5と0.9の間のNA値に対応して、焦点領域160に向かうEMRのビームの例示的な収束半角θは約30度と65度の間にすることができる。従って、全収束角の例示的な範囲は約60度と130度の間にすることができる。

0045

有効NAのより大きい値は、より大きい収束角、及び、それに対応する、組織表面100と焦点領域160の間の局所ビーム強度及びフルエンスのより大きい差をもたらすことができる。従って、より大きいNA値は、上層の組織に対して色素沈着領域130よりも弱い照射レベルをもたらすことによってより大きい「安全域」をもたらし、それにより上層の組織内に熱損傷を生じる可能性を減らすことができる。しかし、より大きいNA値は、入射EMRビームの面積に比べて焦点領域160のサイズを小さくすることができ、それにより、真皮120内の色素沈着組織の比較的小さい治療体積を照射することができる。そのようなより小さい治療体積は、大きい面積の皮膚を適当な時間内で治療する効率を低下させる可能性がある。それゆえに、約0.5と0.9の間の例示的なNA値が安全因子治療効率の間の妥当折衷をもたらすことができるが、特定の実施形態においては僅かにより大きい又はより小さいNA値を用いることができる(例えば、ビーム出力、走査速度などの他のシステムパラメータを適切に調整することによって)。

0046

焦点領域160の幅(例えば、「スポットサイズ」)は小さく、例えば、約200μm未満、例えば100μm未満にすることができる。一般に、焦点領域は、EMR150が最大強度で存在する体積領域として定義することができる。例えば、焦点領域160は、EMR150の組織内での散乱、光学素子(例えば、レンズ及び/又は反射体)の収差又は非理想性、EMR150の入射光線の経路のばらつきなどの因子のために、理想的なスポットとして存在することはできない。さらに、焦点領域160は、図1A及び図2に概略的に示すように、組織内の深さの小さい範囲にわたって広がる可能性がある。一般に、装置200に対する焦点領域のサイズ及び位置は、光学機構(例えば、第1及び第2のレンズ機構220、230)の特性及び構成、放出機構210によって与えられるEMR150の特性、及び、治療する皮膚組織の光学的特性、に基づいて決定又は選択することができる。

0047

特定の例示的な実施形態において、焦点領域160の幅は、50μm未満、例えば、10μm程度にも小さくすることができる。例えば、スポットサイズの理論的下限は、1.22λ/NAで近似することができ、ここでλは電磁放射の波長であり、NAはレンズの開口数である。約650nmの波長及び0.5のNAに対して、理論的な最小スポットサイズは約1.6ミクロンとなる。実際のスポットサイズ(又は焦点領域160の幅)は、焦点区域160内にEMR150の高フルエンス又は強度をもたらすのに十分に小さいこと(色素沈着細胞130を損傷するために)と、皮膚組織の十分に大きい体積を短時間で照射するのに十分に大きいこととの間のバランスとして選択することができる。また、より大きい焦点スポットサイズは、所与のNA値に対して、焦点領域と上層の組織との間のフルエンスの差を小さくし、それにより上層の組織に対する望ましくない加熱及び/又は損傷の可能性を大きくする可能性がある。

0048

集束レンズ機構230の特定の例示的なNA値に対して、表面におけるビーム半径を、焦点深度と、集束レンズによってもたらされる収束半角の正接との積として見積ることができる。一例として、0.5のNA値は約30度の収束半角に対応し、その正接は0.577となる。200ミクロンの例示的な焦点深度に対して、皮膚表面100における収束性EMRビームの半径は約115ミクロン(0.577×200)となるので、表面における全ビーム幅は約230ミクロンとなる。特定のビームエネルギーに対して、局所フルエンスはビームの局所断面積反比例する。従って、20ミクロンのスポットサイズ(焦点領域の幅)に対して、焦点領域におけるフルエンスの皮膚表面におけるフルエンスに対する比は約(230/20)2、即ち約130:1となる。実際のフルエンス比は、皮膚表面と焦点領域の間での一部のEMRエネルギーの吸収により、多少小さくなり得る。それでもなお、この例示的な計算は、高NAを有する集束レンズを用いるときに生成することができる、皮膚の表面領域における比較的低いフルエンス(焦点領域におけるフルエンスと比べて)を示す。

0049

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、本明細書でより詳しく説明するように、複数のそのような焦点領域160を例示的な装置によって同時に生成することができ、及び/又は焦点領域(単数又は複数)160を、真皮120の色素沈着細胞130を含む部分全域にわたり走査又は横断して、真皮120の大きい体積を妥当な時間内で照射することができる。

0050

特定の例示的な実施形態において、皮膚表面100の下方の焦点領域160の深さは、約120μmと400μmの間、例えば、約150μmと300μmの間にすることができる。この例示的な深さの範囲は、真皮黒皮症を示す皮膚内の色素沈着領域130の観察される深さに概ね対応させることができる。焦点深度は、プレート240が皮膚表面100の上に置かれるときに下層の組織を平らにすることができるので、装置200の下接触面(例えば、プレート240の下面)からEMR150の焦点領域160までの(and)距離に対応させることができる。従って、皮膚内の焦点領域160の深さは、ハウジング250内の光学機構の構成に基づいて選択又は制御することができる。

0051

本開示の様々な例示的実施形態において、EMR150は、第1のレンズ機構220と第2のレンズ機構230との間で、平行化し(例えば、EMRビーム内光線が互いに概ね平行である)、収束させ、又は発散させることができる。さらに別の例示的な実施形態において、放射放出体機構210及び/又は光学機構の構成要素(例えば、第1のレンズ機構220及び/又は第2のレンズ機構230)を、EMR150の経路を変えることができるように制御可能又は調整可能にすることができる。EMR150の経路のそのような例示的な変化は、装置が皮膚に対して静止した状態に保持されるとき、真皮120内の焦点領域160の深さ、幅、及び/又は位置の対応する変化をもたらすことができる。

0052

例えば、EMR150の位置及び/又は角度は、第2のレンズ機構230内のレンズの光軸に対してシフトすることができる。代替的に又は付加的に、光学機構に入る又はその中のEMR150の収束又は発散を変えることができる。EMRの幾何学的配置及び/又は経路のそのような変化は、焦点領域(単数又は複数)160の深さ及び/又は横方向位置の変化をもたらすことができる。このように、治療する皮膚の範囲の上に装置200を静止状態に保持しながら、真皮120のより大きい体積を照射することができる。焦点領域特性のそのような例示的な変化は、色素沈着細胞又は欠陥130を含む真皮120内の複数の深さ範囲及び/又は位置の治療を容易にすることができる。

0053

EMR150の幾何学的配置及び/又は経路の例示的な調整及び/又は変更は、例えば、1つ又はそれ以上の平行移動台、可動ミラー、ビームスプリッタ及び/又はプリズムなどを用いて達成することができ、これらは放射放出体機構210、第1のレンズ機構220、及び/又は第2のレンズ機構230と結合することができる。さらに、焦点領域160の位置のこれらの例示的な変化はまた、治療する皮膚の範囲の上の装置200の平行移動と組み合せて、真皮120のより大きい体積を照射し、それにより存在し得る色素沈着細胞130をより多く標的にすることができる。

0054

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、第2のレンズ機構230は、図3Aに示す例示的な構成の略側面図に与えられるように、複数のマイクロレンズ300を含むことができる。例えば、マイクロレンズ300は任意の通常の型の収束レンズ、例えば、凸レンズ、又は図3Aに示すような平凸レンズを含むことができる。マイクロレンズ300は、図3Aに示すように、下層の真皮120の中の複数の焦点領域160内にEMR150を合焦させるように構成することができる。

0055

各々のマイクロレンズは、EMR150が皮膚表面100又はその近傍の比較的広い範囲(比較的低い強度又は局所フルエンスを有する)から真皮120内の焦点領域160内の狭い幅(より高い強度又は局所フルエンスを有する)に収束するように、大きいNA(例えば、約0.5と0.9の間)を有することができる。そのような光学特性は、焦点領域160内に、放射150を吸収する色素沈着細胞を損傷するのに十分な強度のEMR150を与えることができると同時に、色素沈着細胞130を含む真皮120の体積から離れた高フルエンス又は強度の範囲又は体積が生じるのを防ぎ、上層の皮膚組織、下層の皮膚組織、及び/又は隣接する非色素沈着皮膚組織を損傷する可能性を減らすことができる。

0056

マイクロレンズ300は、図3Bの例示的な当該配置の上面図に示すような、概ね正方形又は長方形の配列で備えることができる。本開示のさらに別の例示的な実施形態により、マイクロレンズ300は、図3Cに示すように六角形配列で備えることができる。さらに別の例示的な実施形態において、マイクロレンズ300の他の例示的なパターン及び/又は形を備えることができる。マイクロレンズ300の幅は小さく、例えば、約1mmと3mmの間の幅にすることができる。特定の例示的な実施形態においては、これよりも僅かに広い又は狭い例示的なマイクロレンズ300を備えることもできる。

0057

本開示の付加的な例示的実施形態において、放射放出体機構210及び/又は第1のレンズ機構220は、EMR150の単一幅広ビーム(例えば、図2に示すような)をマイクロレンズ300の配列全体又はその大部分の上に誘導するように構成することができる。そのような例示的な構成は、真皮120内に複数の焦点領域160を同時に生成することができる。さらに別の例示的な実施形態において、放射放出体機構210及び/又は第1のレンズ機構220は、EMR150の複数のより狭いビームを、個々のマイクロレンズ300の上に誘導するように構成することができる。さらに別の例示的な実施形態により、放射放出体機構210及び/又は第1のレンズ機構220は、EMR150の1つ又はそれ以上のより狭いビームを、マイクロレンズ300の配列の一部分の上、例えば、単一のマイクロレンズ又は複数のマイクロレンズ300の上に誘導するように構成することができ、そしてこのより狭いビーム(単数又は複数)をマイクロレンズ300の配列にわたって走査することができ、その結果、真皮120内に複数の焦点領域160を逐次的に又は非同時的に生成することができる。

0058

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、マイクロレンズ300は、例えば、図3Dの例示的な上面図及び図3Eの例示的な斜視図に示すように、円柱レンズ、例えば、凸円柱レンズ又は平凸円柱レンズを含むことができる。本明細書で用いる文脈において、「円柱」は、必ずしもレンズの丸められた表面が円形であることを必要とせず、特定の実施形態においては楕円形又は他の滑らかな非円形プロファイルを有することができる。そのような円柱レンズはレンズの長手軸に垂直な任意の断面において同一のプロファイルを有することができる。

0059

円柱マイクロレンズ300の幅は小さく、例えば、約1mmと3mmの間の幅にすることができる。円柱マイクロレンズ300の長さは、約5mmと5cmの間、例えば、約5mmと約2cmの間にすることができる。この幅及び長さは、放射放出体機構210によって放出される全出力、マイクロレンズ300の配列の全体のサイズなどの因子に基づいて選択することができる。特定の例示的な実施形態においては、僅かにより短い若しくはより長い及び/又は僅かにより狭い若しくはより広い円柱マイクロレンズ300を備えることができる。

0060

本開示の特定の例示的な実施形態において、マイクロレンズ300の例示的な配列のいずれかを、図3Eに示すように、プレート240の上に備える(又はその一部分として形成する)ことができる。そのような構成は、皮膚表面100近傍でのマイクロレンズ300の配置を容易にし、さらに、例えば、使用中にプレート240が皮膚表面100と接触するとき、真皮120内の焦点領域160のより正確な深さを助長することができる。

0061

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、放射放出体機構210及び/又は第1のレンズ機構220は、EMR150の単一幅広ビーム(例えば、図2に示すような)を円柱マイクロレンズ300の配列全体又はその大部分の上に誘導するように構成することができる。そのような例示的な構成は、真皮120内に、一方向に長く(例えば、円柱マイクロレンズ300の長手軸に沿って)、円柱マイクロレンズ300の長手軸に直交する方向に短い(例えば、約200μm未満の幅、約100μm未満の幅、約50μm未満の幅、又は約10μm程の狭い幅)複数の焦点領域160を同時に発生及び/又は生成することができる。そのような「線状に合焦された」EMR150は、例えば、例示的な装置200が治療する皮膚の範囲にわたって、例えば、円柱マイクロレンズ300の長手軸に概ね直交する方向に(又はオプションとして他のいずれかの角度で)走査されるとき、真皮120のより大きい体積をより効率的に照射するために使用することができる。

0062

本開示のさらに付加的な例示的実施形態により、放射放出体機構210及び/又は第1のレンズ機構220は、EMR150の1つ又はそれ以上のより狭いビームを1つ又はそれ以上の円柱マイクロレンズ300の上に誘導するように構成することができる。例えば、EMR150を、1つ又はそれ以上の円柱マイクロレンズ300の上、例えば、図3Dに示すような細長い領域320の上に誘導することができる。放射放出体機構210及び/又は第1のレンズ機構220は、照射領域320を、円柱マイクロレンズ300にわたり(例えば、光学機構内の1つ又はそれ以上の可動ミラー、プリズム、導波路などを用いて)、例えば、図3D及び図3Eに示す矢印で示される長手方向に沿って、走査する又は横断させる(又はその方向に沿って往復する)ようにさらに構成することができ、その結果、走査中に真皮120内に複数の細長い焦点領域160が漸次生成される。EMR150のそのような走査は、真皮120内に引き延ばされた線の形状を有する照射焦点領域160を生成することができる。装置200はまた、治療する皮膚の領域の上を横方向に、例えば、円柱マイクロレンズ300の長手軸に非平行な方向に横切ることができ、その結果、照射中に細長い焦点領域160が真皮120内を移動し、より大きい体積の組織を照射することができる。例えば、本明細書で説明するように、そのような横方向の横断は約5mm/secと5cm/secの間にすることができる。円柱の軸に沿ったEMRビームの走査速度はより大きく、例えば、約10cm/secより大きくして、そのようなより大きい体積の組織のより均一な照射をもたらすことができる。円柱レンズ軸に沿ったEMR150の走査速度、皮膚の上の装置200の横断速度、EMR放出体機構210の出力、及び焦点領域160の幅は、細長い焦点領域160によって真皮120の部分の中に生成される、本明細書で説明する例示的なフルエンス範囲内の、局所フルエンスをもたらすように選択することができる。

0063

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、円柱又は球面マイクロレンズ300の幾つかは、例えば図3Fの例示的な略図に示すように、異なるNA値、異なるサイズ又は半径、及び/又は異なる有効焦点距離を有することができる。マイクロレンズ300の、皮膚表面100の下の異なる焦点深度は、例えば、約120μmと400μmの間、例えば、約150μmと300μmの間にすることができる。焦点距離のそのような例示的な変化は、焦点領域160を異なる深さに生成することができ、それにより、治療する皮膚の範囲の上で例示的な装置200を平行移動させるとき、より大きい体積の真皮120の照射をもたらすことができるので、存在し得る色素沈着細胞130をより多く標的にすることができる(例えば、真皮120内のより浅い色素沈着細胞130及びより深い色素沈着細胞130の両方を照射する)。

0064

窓又はプレート240は、もしあれば、治療する皮膚の範囲の表面100と接触するように構成及び/又は構築することができる。窓240の下面は概ね平面にすることができ、又は、さらに別の実施形態においては凸面又は凹面にすることができる。窓240は、装置200の動作中にある特定の利益をもたらすことができる。例えば、窓240は皮膚表面100に対する第1及び第2の光学機構220、230の正確な位置調整を容易にすることができ、それにより、皮膚内の焦点領域(単数又は複数)160の深さ(単数又は複数)の正確な制御、選択及び/又は変化を容易にすることができる。

0065

窓240はさらに、装置200で照射されている間、柔らかい皮膚組織を固定することができ、それにより、照射プロファイルの制御を容易にし、さらに均一性を助長することができる。窓240によって皮膚表面100に及ぼされる圧力はまた、照射する皮膚組織の体積を平衡させる(又はそこから血液の一部を除去する)ことができ、それにより局所的に存在する色素沈着構造体(例えば、ヘモグロビンを含む血液が充満した血管)の量が減らされる。そのような平衡化は、血管の望ましくない損傷の危険性を減らしながら、色素沈着細胞130によるEMR150の吸収の選択性向上を促進することができる。

0066

本開示の例示的な実施形態において、窓240は、例えば、装置200を使用する前に窓240を予備冷却することにより、又は通常の冷却機構(例えば、ペリチェ素子、伝導性冷却導管、など)を用いる能動冷却によって、冷却することができる。そのような冷却は、色素沈着細胞130が照射及び/又は損傷される間、表皮110及び/又は真皮120の上部の望ましくない損傷からの保護を容易にすることができる。

0067

本開示の特定の例示的な実施形態により、窓240は、第2のレンズ機構230の一部として備えることができる。例えば、第2のレンズ機構230は、図3A及び図3Dに示すような単一の平凸レンズ又は複数の平凸レンズを含むことができる。そのようなレンズは、窓240に貼るか又はその一部分として形成することができる。そのようなレンズの下(平)面は、本明細書で説明する窓240の利益、例えば、焦点領域160の深さを制御するための皮膚表面100に対する第2のレンズ機構230の正確な位置調整、をもたらすことができる。

0068

アクチュエータ機構260は、放射放出体機構210及び/又は放射放出体機構210に放射を供給する外部EMR光源を、EMR150による皮膚の範囲の照射を制御することができるように、作動させ及び/又は制御するように構成することができる。放射放出体機構210及び/又は例示的装置200は、治療する皮膚に向けられるEMR150の特性を制御及び/又は調整するように構成することができる通常の制御機構(図示せず)をさらに含むことができる。

0069

例えば、装置200は、使用中、装置200と皮膚表面100との接触及び/又は皮膚表面100の上の使用中の装置200の速度又は変位を検出するように構成された1つ又はそれ以上のセンサ(図示せず)を含むことができる。そのような例示的なセンサは、例えば、装置200の平行移動速度に基づいて放射放出体機構210によって放出される出力を変えること、装置200が皮膚表面100に対して静止しているときにEMR150の光源(単数又は複数)をオフにすることなどによって、EMR150の特性を変化させることができる信号を生成することができる。そのようなセンサ及び制御機構は、例えば、治療する皮膚に対する過剰な照射及び望ましくない損傷を防ぐための安全機能として備えることができ、当技術分野では一般に知られている。そのような通常の検知及び/又は制御機構のさらに別の変化物を本開示の実施形態において使用することができる。

0070

一般に、真皮内の特定の位置を、例えば、メラニン又は他の色素による光エネルギーの吸収による局所的蓄熱を防ぐために、短時間の間だけ焦点領域160に曝すことが好ましい可能性がある。長い局所照射時間(又は「滞留時間」)は、熱が安全に周囲の組織に拡散できるよりも速く且つより大きな程度に熱を発生する可能性があり、これが非色素沈着組織に対する望ましくない損傷をもたらす可能性がある。従って、真皮120内の色素沈着構造部130の狭い範囲の短時間の強い照射が色素を破壊して黒皮症の外見を緩和すると同時に、周囲の非色素沈着組織に対する過剰な熱発生及び熱損傷を防ぐ。例えば、色素沈着細胞又は構造体の典型的なサイズは、約10ミクロンのオーダである可能性があり、局所熱緩和時間は約0.1乃至約1〜2ミリ秒のオーダであり得る。色素沈着構造体130を加熱及び損傷するのに十分な照射強度でのより長い局所滞留時間は、熱が安全に散逸することができるよりも速く熱を局所的に蓄積する可能性がある。

0071

特定の焦点領域位置における照射時間(滞留時間)を制限することは、様々な方法で達成することができる。例示的な一実施形態において放射放出体機構210は、EMR150の離散的パルスを焦点領域160内に供給するように構成することができる。そのようなEMRのパルスの間の間隔は、焦点領域の位置が数mm/sの比較的遅い速度で皮膚組織内を動く場合にも、例えば、約50ミリ秒のオーダ又はそれ以上とすることができる。これらの例示的なパラメータは、連続するパルスによって照射される焦点領域160の間に、焦点領域160自体の幅より大きい可能性がある、例えば約50乃至100ミクロンの距離を生じることができる。従って、そのような一般的パラメータが、連続して照射される焦点領域160の空間的及び時間的分離を容易にすることができ、その結果、局所熱緩和を生じることができ、過剰な熱の蓄積を防ぐことができる。スポットサイズ、パルス継続時間、及び/又は全パルスエネルギーを、本明細書で説明する原理及び指針に基づき、簡単な計算を用いて、十分に短い滞留時間(例えば、約1〜2ms未満)を維持しながら色素沈着構造体130に影響を及ぼすのに十分なフルエンスを焦点領域160内に供給するように、選択することができる。

0072

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、合焦された放射150を、真皮黒皮症に冒された皮膚の領域にわたって走査することができ、その結果、焦点領域(単数又は複数)160が多数の色素沈着細胞130を照射し損傷することができる。そのような走査は、本明細書で説明するいずれかの実施形態によって行うことができる。走査は手で、例えば、治療する皮膚の範囲の上でハンドピースを平行移動させる従来の方法を用いて行うことができる。代替的に、装置200を、オプションとして、治療する皮膚の範囲の上で装置(又はその特定の構成要素)を自動的に移動させるように構成することができる平行移動機構に結合することができる。そのような自動平行移動は、皮膚の上の事前設定パターンとして、又はランダム若しくは半ランダム経路としてもたらすことができる。さらに別の実施形態において、1つ又はそれ以上の光学構成要素(例えば、第1及び/又は第2のレンズ機構220、230)及び/又は放射放出体機構をハウジング250内で平行移動させることができ、その結果、ハウジング250を皮膚に対して単一の位置に保持しながら、焦点領域(単数又は複数)160を組織内で平行移動させることができる。

0073

平均走査速度(又はその速度の範囲)は、本明細書で説明する一般的な例示的指針に基づいて決定することができる。例えば、特定のスポットサイズ(主として光学機構の特性によって決めることができる)に対して、局所滞留(照射)時間は、スポットサイズ/幅を平行移動速度で割った商として見積ることができる。ここで、そのような滞留時間は、非色素沈着組織の局所蓄熱及び望ましくない熱損傷を防ぐために、約1〜2ミリ秒未満であることが好ましいことに留意されたい。従って、最小走査速度は焦点領域160の幅を1ミリ秒で割った商として見積ることができる。例えば、10ミクロン(0.01mm)のスポットサイズは0.01mm/0.001秒、即ち約10mm/sec(1cm/sec)の最小走査速度に対応することになる。走査速度は、線状に合焦されるビーム(例えば、EMRビームを円柱レンズ上に誘導することによって生成される)に対して、例えば、焦線の幅が焦点領域の幅に対応し、走査速度が焦線に垂直方向である場合、又は他の走査構成に対して、同様に見積ることができる。

0074

放射放出体機構210の出力は、例えば、EMR波長、焦点領域160(単数又は複数)の数、サイズ、及び/又は深さ、第1及び第2のレンズ機構220、230の光学特性及び幾何学的配置などを含む幾つかの因子に基づいて選択することができる。この出力は、焦点領域160内のフルエンスが、短い露光時間の間にEMR150を吸収する色素沈着細胞130に損傷を与えるのに十分に高く、他方、他の深さ(例えば、表皮110内)におけるフルエンスが、そこでの望ましくない損傷を最小にするか又は防ぐのに十分に低くなるように選択することができる。

0075

幾つかの実験的観察に基づいて、約650nmの波長を有するEMR150に対して、焦点領域160内の、メラニン含有構造体(例えば、色素沈着細胞)に影響を及ぼすのに十分であり得る局所フルエンスは、約10乃至1000J/cm2、例えば、約50乃至500J/cm2とすることができる。この有効局所フルエンスの範囲は、より長波長におけるメラニンの吸収率の減少に基づいて、EMR150の波長の増加と共に僅かに増加する(及び波長の減少と共に減少する)ことができる。さらに別の例示的な実施形態において、より速い又はより遅い走査速度を用いると、より大きい又はより小さい局所フルエンス値を供給することもできる。より短い又はより長い滞留時間を用いると、それぞれ、より大きい又はより小さい局所フルエンス値を供給することもできる。そのような実施形態において、局所滞留時間を約1〜2ミリ秒未満に留めることができることが好ましい。

0076

本明細書で説明する例示的なフルエンス値及び滞留時間は、真皮内の特定の位置に対する単一パルス照射、又はその特定位置を通して走査される焦点領域の単一横断、に対応するものであることを理解することができる。例えば、真皮120内の特定の位置を、異なる時間においてその位置を通る1つより多くの焦点領域160を走査することによって照射し、それによりその位置により高いフルエンスをもたらすことができる。しかし、局所熱蓄積は、同じ位置の連続する照射の間に数ミリ秒より大きい時間間隔を与えることによって防ぐことができる。

0077

放射放出体機構210の、単一焦点スポット160上に誘導される全出力は、それゆえに、焦点スポットのサイズ及び走査速度に基づいて見積り及び/又は決定することができる。フルエンスF(例えば、J/cm2単位における)は、EMR出力Pに滞留時間τ掛け、さらに焦点スポット面積Aで割った商として計算することができ(即ち、F=Pτ/A)、ここで滞留時間τは、焦点スポット幅Dを走査速度vで割った商として見積ることができる(即ち、τ=D/v)。例示的な計算として、約650nmの波長を有するEMR150、約20ミクロンの焦点スポット幅、及び約1cm/sの走査速度に対して、焦点領域内の約10乃至1000J/cm2のレベルの局所フルエンスを達成するための単一EMR光源(例えば、レーザダイオード)の出力Pは、約15mWと1500mWの間である。

0078

治療する皮膚の範囲の上を手で平行移動させるハンドピースの典型的な走査速度は、例えば、約5mm/secから約5cm/secまでのオーダとすることができる。そのような速度は、約1乃至10秒で5cm(約2インチ)の距離を横切ることに対応する。従って、本明細書で説明するように、真皮の部分を照射するために皮膚の上を手で平行移動させるハンドピースに対して、装置200の出力及び焦点の幾何学的配置は、真皮内の照射位置に、本明細書で説明する一般的な範囲内のフルエンスをもたらすように選択することができる。

0079

そのような例示的な出力計算は、1つの焦点領域内に合焦されるレーザダイオードの全出力に基づくことができる。EMRの単一光源からの出力が複数の焦点領域上に合焦される場合(例えば、光スプリッタ又は複数のマイクロレンズ上に誘導される広幅ビームを使用するとき)、EMR光源の出力を焦点スポット160の数だけ倍増して、各焦点領域160内に同じ局所フルエンスを達成することができる。EMR150は、連続波(CW:continuous wave)として、又はオプションとして複数のパルスとして供給することができる。代替的に、複数のEMR光源(例えば、レーザダイオードなど)を備えて、上記のように見積られる各EMR光源の適切な出力レベルにより、複数の照射焦点領域160を同時に生成することができる。特定の実施形態において、1つ又はそれ以上のEMRビームを集束レンズ機構230上で走査する場合、EMR光源の出力は、レンズ特性、走査速度などに基づいて、焦点領域160によって照射される真皮の位置に、本明細書で説明する一般的範囲内のフルエンス及び滞留時間をもたらすように選択することができる。

0080

本開示の特定の例示的な実施形態において、放射放出体機構210は、複数のEMR放出体(例えば、レーザダイオード又は導波路端部)を含むことができる。そのような放出体は、それらが概ね1つ又はそれ以上の直線に沿って位置するように線形配列において備えることができる。さらに別の例示的実施形態において、放出体は、二次元パターンに配置することができ、これは、第1のレンズ機構220上に誘導されるEMR150のさらに別のパターンをもたらすことができる。上述のように、各放出体の出力は、焦点スポットサイズ及び走査速度に基づく所定の計算を用いて、各焦点区域160内に本明細書で説明する好ましい範囲内の局所フルエンスを生成するように選択することができる。

0081

本開示の特定の例示的な実施形態によるさらに別の例示的な装置400の略図を図4に示す。例示的な装置400は、図2に示す装置200に概ね類似させることができ、装置200にも備えることができる幾つかのさらに別の特徴部分、例えば、EMR光源又はレンズケージの冷却機構を示す。例示的な装置200の、マイクロレンズ300の配列、ハウジング250などを含むがこれらに限定されない例示的な特徴部分もまた、例示的な装置400と共に用いることができる。

0082

装置400は、光学レンズ420、430を囲む筐体又はハウジングとして設けることができるレンズケージ410を含む。窓240は、レンズケージ410の一方の端部に備えることができる。特定の実施形態においては、非球面集束レンズ420を用いて、例えば、顕微鏡の対物レンズよりも大きな前面作動距離をもたらすことができる。集束レンズ420の前面と標的組織の間の距離は、窓240がまたレンズ420を組織と直接接触することから保護することができるように、本明細書で説明する大きいNA値に対して約1cm未満とすることができる。非球面集束レンズ420のNAは、例えば、窓240を越える焦点深度を変化させるために、オプションとして選択可能とすることができる。

0083

例示的な装置400は、レンズケージ410に結合されたレーザダイオード(LD:laser diode)取付け機構440をさらに含み、これは、可視及び/又はNIR領域のエネルギーを放射するように選択することができる1つ又はそれ以上のレーザダイオード450を収容することができる。レーザダイオード(単数又は複数)450のドライバ460を備えることができ、レーザダイオード450は、動作中、適用されるDCバイアス電流によって閾値の僅か上に保持することができ、これは、ダイオード(単数又は複数)450のパルス活性化における迅速な立ち上がり時間を容易にすることができる。パルス特性は、パルス発生器機構470、例えば、選択可能なパルス幅(例えば、30ns及びそれ以上)及びパルス間隔を有する単一パルス又はパルス列を生成するようにレーザダイオード(単数又は複数)450を制御するように構成することができるプログラム可能関数発生器、によって制御することができる。

0084

LD取付け機構440はまた、レーザダイオード取付け機構440に結合又は連結された熱電冷却器(TEC:thermoelectic cooler)機構を含むことができ、これは、使用中にレーザダイオード(単数又は複数)450が過熱するのを防ぐように制御する(例えば、TECコントローラ480により)ことができる。装置400(並びに図2に示す装置200)は、様々な向きに、例えば、垂直に、水平になどで使用することができ、窓240は、組織表面に対して光学系を正確に配置し、それにより組織内のビームの焦点深度の制御を容易にするためのいずれかの角度で設けられて組織に押し付けられる。

0085

図2に示す例示的な装置200及び図4に示す例示的な装置400は、例示的な構成の説明図であり、類似の構成要素の様々な組合せ及び/又は構成を用いる他の実施形態を用いることもできる。例えば、異なる数及び/又は型の光学機構220、230及び/又は放出体機構210を用いて、真皮120内に、本明細書で説明する照射特性及び焦点領域160をもたらすことができる。例えば、特定の実施形態において、装置200は、手持ちカミソリに類似した形状因子に定め、放射放出体機構210は1つ又はそれ以上のダイオードとして備えられ、光学機構220、230はカミソリの「頭部」に備えられ、及び電源(例えば、1つ又はそれ以上の通常のアルカリ電池など)はハンドル内に備えられるようにすることができる。本開示のさらに別の実施形態においては他の形状因子を使用することもできる。類似の構造部、組合せ及び/又は変形物を装置400に備えることができる。

0086

放射放出体機構210の例示的な特性、例えば、EMR150の波長(単数又は複数)、EMR150の出力又は強度、光学機構220、230のサイズ及び開口数、第1の光学機構220(存在する場合)の走査速度又は速さ、及び/又は治療する皮膚の範囲の上の装置200の標的走査速度(又はその範囲)などは、装置200の動作中、色素沈着細胞の上にEMR150の適切なフルエンス、強度/及び又は滞留時間をもたらすように選択することができる。それらパラメータの例示的な値及び/又は範囲、並びにそれらの値を必要に応じて見積るのに用いることができる特定の基本的手法について、本明細書でより詳しく説明する。例えば、それらの例示的なパラメータは、色素沈着細胞130に損傷を与えるのに十分な局所フルエンスを色素沈着細胞130に与え、皮膚の色素沈着外見を緩和し、同時に表皮110及び真皮120の非色素沈着体積に対する望ましくない損傷を防ぐように選択することができる。

0087

例示的な有効滞留時間は、通常の技法を使用し、色素沈着細胞130の約10μmの近似的幅並びに焦点領域160の局所幅(例えば、焦点の直径又は幅)及び速度に基づいて見積ることができる。焦点領域160の速度は、第1のレンズ機構220及び/又は放射放出体機構210(存在する場合)によって与えられるEMR150の走査速度、光学機構220、230の光学的形状、及び治療する皮膚の範囲の上の装置200の走査速度に基づいて見積ることができる。

0088

装置200、400の1つ又はそれ以上の例示的なパラメータは、ひとたび他のパラメータが分かれば、本明細書で説明する色素沈着細胞130の安全であるが有効な照射をもたらすように選択及び/又は調整することができる。例えば、レンズ機構220、230又はレンズ420、430(及び、もしあればEMRビームの内部走査速度)の既知の形状(例えば、スポットサイズ又は焦線幅、及びNA)を有する例示的な装置200、400、及びEMR150の特定の波長を与えることができる。次に、EMR光源(単数又は複数)の出力を、治療する範囲の上の装置200の走査速度の目標範囲に基づいて選択することができる。例えば、例示的な装置200、400を、約1乃至5cm/sの速度で皮膚の範囲の上を横断させることができ、この速度は、通常のカミソリをシェービング中に皮膚の上を横断させる速度に近似的に一致する。これらの例示的なパラメータ及び治療範囲の上を通過させる回数を用いて、焦点領域(単数又は複数)160の局所速度及び滞留時間を見積ることができ、放射放出体機構210の出力は、焦点領域160内に本明細書で説明する有効局所フルエンスをもたらすように、選択又は調整することができる。そのような計算は型通りのものであり、当業者であれば行うことができる。

0089

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、真皮黒皮症の色素沈着外見を緩和する方法を提供することができる。この例示的な方法は、本明細書で説明するように電磁放射150を真皮120内の複数の焦点領域160上に、光学機構を用いて誘導し及び合焦させるステップを含み、それにより、EMR150が色素沈着領域130によって選択的に吸収されてそれらを熱損傷又は破壊し、同時に非色素沈着領域及び上層の組織(例えば、表皮110)に対する望ましくない熱損傷を防ぐようにすることができる。

0090

EMR150は、約600nmより長い、例えば、約600nmと850nmの間、又は625nmと800nmの間、又は約650nmと750nmの間の波長を有することができる。真皮内の焦点領域の幅、は約200ミクロン未満、例えば、約100ミクロン未満、又は約50ミクロン未満にすることができる。スポットサイズは、数ミクロンの理論的下限より大きくすることができる。

0091

EMR150は、1つ又はそれ以上のレンズ機構220、230を含むことができる光学機構を用いて合焦させることができる。例えば、約0.5と0.9の間の高いNAを有する集束レンズ機構230を用いて、EMR150を焦点領域160上に合焦させることができる。そのようなNA値は、真皮120内の焦点領域160内に高フルエンスを生成すると同時に上層の組織に望ましくない損傷を生じる可能性のある大きいフルエンスを避けるのを容易にする。そのような合焦は、例えば、単一の集束レンズ230(凸対物レンズ又は平凸レンズなど)、マイクロレンズ300の配列として備えられた複数の当該レンズ、1つ又はそれ以上の凸若しくは平凸円柱レンズなどを用いて達成することができる。EMR150を集束レンズ機構230上に誘導し、オプションとして、1つ又はそれ以上の集束レンズ機構230にわたって走査又はパルス照射して、真皮120内の複数の焦点領域160を同時に又は逐次的に照射することができる。

0092

本開示のさらに別の例示的な実施形態において、光学ゲル又は類似物(例えば、グリセロール又は類似物質)を窓240と皮膚表面100の間に、皮膚表面100への局所塗布として供給することができる。そのようなゲルは、窓240と皮膚の間の光学指数の不整合を軽減することができ、装置200から真皮120内へのEMR150の透過率を高めることができる。ゲルはまた、例示的な装置200と皮膚表面100の間の摩擦を減らし、それにより、治療する皮膚の範囲の上での装置200のより滑らかな平行移動を容易にすることができる。

0093

真皮120内の特定の位置を、焦点領域により2ミリ秒未満の照射(滞留)時間で照射して、例えば、EMR150を吸収する組織の局所熱緩和を促進し、過剰熱の局所蓄積を防ぐことができる。そのような短い滞留時間は、例えば、治療する皮膚の範囲の上で合焦EMR150をもたらす装置を走査することにより、EMR光源をパルス化することにより、及び/又は、EMR光源或は放出体210及び/又は光学機構の構成要素を移動させて真皮120内の焦点領域(単数又は複数)160の位置を時間とともに変えることによって、もたらすことができる。

0094

焦点領域160内の局所フルエンスは、約650nmの波長を有するEMR150に対して、例えば、約10乃至1000J/cm2、例えば、約50乃至500J/cm2とすることができる。この有効局所フルエンスの範囲は、より長波長におけるメラニンの吸収率の減少に基づいて、EMR150の波長の増加とともに僅かに増加する(及び波長の減少とともに減少する)ことができる。そのようなフルエンスは、光学機構の焦点特性(例えば、焦点スポットサイズ)、真皮120内の焦点領域160の平行移動速度、適用されるEMR150のパルス継続時間などに関連させることができる。皮膚の表面100は、オプションとして冷やし、表皮及び/又は上部真皮内の望ましくない熱損傷をさらに防ぐことができる。

0095

本明細書で説明する例示的な方法並びに装置及び関連するパラメータは、一般に、色素沈着細胞130の上の焦点領域160の1回の通過に基づくものとすることができる。複数回の通過に基づいて同じ熱損傷効果を達成するのに必要なフルエンスは、通過の回数nの概ね4乗根に比例して変化する。例えば、特定のフルエンスにおける色素沈着細胞130の上の焦点領域160の1回の通過は、特定のフルエンスの半分を有する焦点領域160による16回の通過と同じ効果を有する。1回の通過は複数回の通過よりも効率的であり得るが、例示的な装置200、400は、特定の回数の通過がなされた後に有効フルエンスをもたらすように構成することができる。複数回の通過は、表皮に対する望ましくない損傷を防ぐためのより大きな安全域をもたらすと同時に色素沈着細胞130を損傷させることができ、例えば、治療範囲の上の装置200の有効平行移動速度の範囲を、複数回の通過に対して、1回だけの通過がなされる場合に比べてより大きくすることができる。真皮120内の特定の位置を通る焦点領域(単数又は複数)160の通過の回数は、例えば、もしあれば第2のレンズ機構230の上のEMR150の内部走査速度、装置200全体の1回の通過の間に所与の位置を通過することができる焦点領域160の数(例えば、もしあればマイクロレンズ300の数、サイズ、及び機構の関数)、並びに、装置200を治療する範囲の上を平行移動させる回数、によって決めることができる。

0096

本明細書で説明した例示的な装置200、400の他の例示的な特徴及び/又は機能はまた、真皮黒皮症を治療するための例示的な開示された方法とともに使用することができる。

0097

例示的なスポット合焦レーザ機器及びモデルシステムを使用する動物実験を、光放射を用いて深部黒皮症を治療することの有効性試験するために用いた。実験は、以下で説明するように雌のヨークシャについて行った。

0098

初めに、メラニンベースインクを用いて真皮に入れ墨をすることにより、深部黒皮症状態を模擬した。インクは、50:50の生理食塩水/グリセロール溶液内に合成メラニンを20mg/mLの濃度で混合することによって調製した。次に、得られた懸濁液を撹拌した後に標準的な入れ墨彫り器を用いて被検動物の1cm×1cmの試験部位内に注入した。次に、入れ墨部位を1週間の間定着させてメラノファージに真皮内のメラニン顆粒貪食させた。表皮内に残ったメラニンは、この期間の間に自然の身体過程によって概ね除去された。

0099

ここで説明した定着させた入れ墨部位からの例示的な生検画像を図5に示す。この組織のサンプルを、存在するあらゆるメラニンをより良好に撮像するために、フォンタナマッソン染色によって染色した。図5の真皮層内の明らかなダークスポットが、深部/真皮黒皮症を有する患者内に観察されるものと概ね類似するように見える。同様に染色した非入れ墨部位から取った生検サンプルにはこのようなダークスポットは見られなかった。従って、ここで説明した入れ墨プロセスは、真皮黒皮症の有用な生体モデルを提供すると思われる。

0100

約658nmの波長を有する光エネルギーを放出するように構成され、x−y走査台の上に取付けられた200mW連続波(CW)ダイオードレーザを含む例示的な黒皮症治療システムを、本明細書で説明した本開示の例示的な実施形態に基づいて構築した。スキャナは、15mm/sまでの走査速度が可能であった。レーザビームを、0.62の開口数(NA)を有する2つのレンズを用いて平行化し、約200μmの深さに合焦させた。

0101

上記のようにメラニンインクで入れ墨した試験部位、及びその輪郭を描くために入れ墨された境界のみを有する対照部位の両方を、合焦させたレーザビームを異なる速度で10個の平行線で部位を横切るように走査することによって処理した。対照部位を、実行された種々異なる走査条件下で非色素沈着皮膚内に生じ得る何らかの可能性のある損傷を評価するために走査した。

0102

例示的な入れ墨試験部位を図6Aに示す。この画像は、入れ墨を1週間の間定着させた後、レーザ装置で走査する直前の試験部位を示す。試験部位を、レーザで、200mWのCW出力を用いて1〜3mm/secの速度で走査した。レーザで走査した2週間後の同じ試験部位を図6Bに示す。入れ墨された範囲の一部分のみを合焦させた光エネルギーで照射しても、瘢痕化又は痂皮形成の形跡がない外見の顕著な淡色化が存在する。これらの結果は、深部/真皮黒皮症の高色素沈着外見を緩和するための、本明細書で説明した例示的な方法及び機器の一般的な有効性を示す。

実施例

0103

上述のことは、本開示の原理を単に例証するものである。本明細書の教示を考慮すれば、説明した実施形態に対する様々な修正物及び変更物が当業者には明白となるであろう。従って、当業者であれば、本明細書では明示的に説明しなかったが、本開示の原理を具体化し、それゆえに本開示の主旨及び範囲に入る、多くの技術を考案することができることを認識されたい。本明細書で引用された全ての特許及び公開物は、引用によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ