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技術 イヌの泌尿生殖器悪性腫瘍を診断する為の染色体評価

出願人 ノースカロライナステートユニヴァーシティブリーン,マシュー
発明者 ブリーン,マシュー
出願日 2014年11月14日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-554527
公開日 2016年12月1日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2016-537031
状態 特許登録済
技術分野 酵素、微生物を含む測定、試験 突然変異または遺伝子工学 微生物・酵素関連装置
主要キーワード 減少情報 特徴重み エネルギ移動 サンプルトレー 代替形式 ウィドマー 独立情報 液滴生成器
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月1日)のものです。
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図面 (7)

課題・解決手段

本発明は、イヌ膀胱癌診断方法を対象とする。

概要

背景

2.1.はじめに
移行上皮癌(TCC)は、尿路上皮癌(UC)とも称されており、イヌにおいて最もよく見られる尿管新生物である。この形式の癌は、腎臓輸尿管膀胱前立腺、及び尿道を含む1つ以上の解剖学的部位局在される場合があり、膀胱において最も多くの症例が見られる[1]。膀胱においては、癌は、膀胱の裏地を形成する移行上皮細胞から成長し、膀胱壁及び筋肉層侵入する。塊が大きくなるにつれ、その結果として、腎臓から膀胱への、或いは膀胱から尿道を通る尿の流れが阻害されることが多くなる。イヌのTCCを病理評価すると、ほとんどが、リンパ節及び他の体内器官肝臓、その他)に広がる可能性のある高グレード腫瘍であることがわかる。

米国獣医師会(American Veterinary Medical Association)の推定によると、米国では毎年420万匹のイヌが癌と診断されている。ペットのイヌの全数におけるTCCの厳密な生涯リスク及び発生数は不明であるが、TCCは、診断される全ての癌の約1〜2%を占めると推定されており、これは、米国で毎年40,000〜80,000匹ものイヌがTCCにかかりうることを意味している。更に、スコティッシュリア、シェトランシープドッグウェストハイランホワイトテリア、ワイアーフォックステリア、及びビーグルを含む幾つかの品種純血種のイヌにおいて、膀胱のTCCにかかるリスクが高まっていることが報告されている。

2.2.イヌのTCCの診断上の問題
イヌのTCCの診断においては、イヌの尿路上皮癌の症状が他の様々な尿管症状と共通であるという大きな問題がある。例えば、イヌにおいて、膀胱感染症膀胱結石膀胱内肥厚成長、及び膀胱の炎症は全て、膀胱癌に起因する症状と同様の症状を引き起こしうる。イヌの尿に対する通常の細胞学的評価は、誤認につながる可能性がある。これは、上述の悪性でない症状が異常な外観の細胞を尿内に脱落させる可能性があり、これが悪性と間違えられる可能性がある為である。放射線写真検査超音波検査などの撮像技術を用いると、尿管内で異常な成長の存在が見つかる可能性があるが、これらは、悪性の場合も悪性でない場合もあり、又、異常な外観の細胞を尿内に存在させる場合もある。現在では、イヌのTCCの確定診断は、病理医が腫瘍の生検試料を評価した後にのみ行われてよい。尿管内で可能性の高い塊の生検試料を採取することは、手術中、膀胱鏡検査中、又は外傷性カテーテル挿入によって行われてよく、これらはそれぞれ介入レベル下がりつつある。しかしながら、可能性の高い腫瘍の塊をかき乱す処置は、いかなるものであれ、悪性上皮細胞を局部上の別の場所に散らばらせることになり、癌を広げることになるおそれがある。この「散らばらせる」可能性は、臨床管理にとっての懸念である。従って、TCCを連想させる症状を示すイヌにおけるTCCの確定診断は、自由採取尿試料の評価から行うのが望ましいであろう。

概要

本発明は、イヌの膀胱癌の診断方法を対象とする。

目的

デジタルPCRは、単一分子ベルでの核酸(DNA、cDNA、又はRNA)増幅を利用し、低コピー数核酸を定量化する、高感度な方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

イヌからの生物試料において泌尿生殖器悪性腫瘍を検出する方法であって、(a)CFA13、CFA19、又はCFA36のコピー数を測定するステップと、(b)CFA13又はCFA36の前記コピー数が正常対照に比べて増加しているか、CFA19の前記コピー数が正常対照に比べて減少している場合に、前記イヌの前記泌尿生殖器悪性腫瘍の可能性が高まっていると判定するステップと、を含む方法。

請求項2

CFA13、CFA19、及びCFA36の前記コピー数は測定される、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記コピー数は、蛍光insituハイブリダイゼーション(FISH)によって測定される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記コピー数は、ポリメラーゼ連鎖反応PCR)によって測定される、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記コピー数は、比較ゲノムハイブリダイゼーションCGH)によって測定される、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記コピー数は、次世代配列決定によって測定される、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記生物試料は尿試料である、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記試料新鮮凍結試料である、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記試料は新鮮試料である、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記試料は、ホルマリンで固定されパラフィン包埋された試料である、請求項1に記載の方法。

請求項11

泌尿生殖器悪性腫瘍の治療の対象となるイヌを選択する方法であって、イヌからの生物試料においてCFA13、CFA19、又はCFA36のコピー数を測定するステップと、CFA13又はCFA36の前記コピー数が正常対照に比べて増加しているか、CFA19の前記コピー数が正常対照に比べて減少している場合に、前記イヌを泌尿生殖器悪性腫瘍の治療の対象として選択するステップと、を含む方法。

請求項12

前記泌尿生殖器悪性腫瘍の治療は、手術放射線療法、又は化学療法である、請求項11に記載の方法。

請求項13

イヌの泌尿生殖器悪性腫瘍を検出する為のキットであって、(a)CFA13、CFA19、又はCFA36を特定して検出できる核酸プローブからなる群から選択される少なくとも1つの試薬と、(b)イヌからの生物試料においてCFA13、CFA19、又はCFA36のコピー数を測定し、CFA13又はCFA36の前記コピー数が正常対照に比べて増加しているか、CFA19の前記コピー数が正常対照に比べて減少している場合に使用される指示と、を備えるキット。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている、2013年11月15日に出願された米国特許仮出願第61/904,659号、マシュー・ブリーン(Matthew Breen)、代理人整理番号NS13005USVの利益を主張するものである。

0002

本発明は、全般的には、改良された、イヌ泌尿生殖器悪性腫瘍診断方法発見に関する。

背景技術

0003

2.1.はじめに
移行上皮癌(TCC)は、尿路上皮癌(UC)とも称されており、イヌにおいて最もよく見られる尿管新生物である。この形式の癌は、腎臓輸尿管膀胱前立腺、及び尿道を含む1つ以上の解剖学的部位局在される場合があり、膀胱において最も多くの症例が見られる[1]。膀胱においては、癌は、膀胱の裏地を形成する移行上皮細胞から成長し、膀胱壁及び筋肉層侵入する。塊が大きくなるにつれ、その結果として、腎臓から膀胱への、或いは膀胱から尿道を通る尿の流れが阻害されることが多くなる。イヌのTCCを病理評価すると、ほとんどが、リンパ節及び他の体内器官肝臓、その他)に広がる可能性のある高グレード腫瘍であることがわかる。

0004

米国獣医師会(American Veterinary Medical Association)の推定によると、米国では毎年420万匹のイヌが癌と診断されている。ペットのイヌの全数におけるTCCの厳密な生涯リスク及び発生数は不明であるが、TCCは、診断される全ての癌の約1〜2%を占めると推定されており、これは、米国で毎年40,000〜80,000匹ものイヌがTCCにかかりうることを意味している。更に、スコティッシュリア、シェトランシープドッグウェストハイランホワイトテリア、ワイアーフォックステリア、及びビーグルを含む幾つかの品種純血種のイヌにおいて、膀胱のTCCにかかるリスクが高まっていることが報告されている。

0005

2.2.イヌのTCCの診断上の問題
イヌのTCCの診断においては、イヌの尿路上皮癌の症状が他の様々な尿管症状と共通であるという大きな問題がある。例えば、イヌにおいて、膀胱感染症膀胱結石膀胱内肥厚成長、及び膀胱の炎症は全て、膀胱癌に起因する症状と同様の症状を引き起こしうる。イヌの尿に対する通常の細胞学的評価は、誤認につながる可能性がある。これは、上述の悪性でない症状が異常な外観の細胞を尿内に脱落させる可能性があり、これが悪性と間違えられる可能性がある為である。放射線写真検査超音波検査などの撮像技術を用いると、尿管内で異常な成長の存在が見つかる可能性があるが、これらは、悪性の場合も悪性でない場合もあり、又、異常な外観の細胞を尿内に存在させる場合もある。現在では、イヌのTCCの確定診断は、病理医が腫瘍の生検試料を評価した後にのみ行われてよい。尿管内で可能性の高い塊の生検試料を採取することは、手術中、膀胱鏡検査中、又は外傷性カテーテル挿入によって行われてよく、これらはそれぞれ介入レベル下がりつつある。しかしながら、可能性の高い腫瘍の塊をかき乱す処置は、いかなるものであれ、悪性上皮細胞を局部上の別の場所に散らばらせることになり、癌を広げることになるおそれがある。この「散らばらせる」可能性は、臨床管理にとっての懸念である。従って、TCCを連想させる症状を示すイヌにおけるTCCの確定診断は、自由採取尿試料の評価から行うのが望ましいであろう。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、背景技術の課題を解決するためのものである。

課題を解決するための手段

0007

特定の非限定的な実施形態では、本発明は、イヌからの生物試料において泌尿生殖器悪性腫瘍を検出する方法を提供し、本方法は、(a)CFA13、CFA19、又はCFA36のコピー数を測定するステップと、(b)CFA13又はCFA36のコピー数が正常対照に比べて増加しているか、CFA19のコピー数が正常対照に比べて減少している場合に、そのイヌの泌尿生殖器悪性腫瘍の可能性が高まっていると判定するステップと、を含む。一実施形態では、CFA13、CFA19、及びCFA36のコピー数は測定される。

0008

コピー数は、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、ポリメラーゼ連鎖反応PCR)、比較ゲノムハイブリダイゼーションCGH)、又は次世代配列決定によって測定されてよい。生物試料は、尿試料、新鮮凍結試料新鮮試料、又はホルマリンで固定されパラフィン包埋された試料であってよい。

0009

本発明は又、泌尿生殖器悪性腫瘍の治療の対象となるイヌを選択する方法を提供し、本方法は、イヌからの生物試料においてCFA13、CFA19、又はCFA36のコピー数を測定するステップと、CFA13又はCFA36のコピー数が正常対照に比べて増加しているか、CFA19のコピー数が正常対照に比べて減少している場合に、そのイヌを泌尿生殖器悪性腫瘍の治療の対象として選択するステップと、を含む。泌尿生殖器悪性腫瘍の治療は、手術、放射線療法、又は化学療法であってよい。

0010

イヌからの試料において泌尿生殖器悪性腫瘍を診断する方法であって、(a)イヌからの試料においてCFA13、CFA19、又はCFA36のコピー数を、CFA13、CFA19、又はCFA36に固有核酸を用いる核酸ハイブリダイゼーションアッセイによって検出するステップと、(b)検出されたレベルを、トレーニングセットからの少なくとも1つの試料と比較するステップであって、サンプルトレーニングセットが、基準試料からのレベルからのデータを含み、比較するステップが、対象からの試料において検出されたレベルと少なくとも1つのトレーニングセットから検出されたレベルとの間の相関を求めることを含む統計アルゴリズムを適用することを含む、上記比較するステップと、(c)対象からの試料において検出されたレベルと、統計アルゴリズムの結果とに基づいて泌尿生殖器悪性腫瘍を診断するステップと、を含む方法。核酸ハイブリダイゼーションアッセイは、FISH分析であってよい。

0011

イヌからの試料において泌尿生殖器悪性腫瘍を診断する方法であって、(a)イヌからの試料においてCFA13、CFA19、又はCFA36のコピー数を、CFA13、CFA19、又はCFA36に固有のプライマープローブを用いるデジタル液滴PCRアッセイによって検出するステップと、(b)検出されたレベルを、トレーニングセットからの少なくとも1つの試料と比較するステップであって、サンプルトレーニングセットが、基準試料からのレベルからのデータを含み、比較するステップが、対象からの試料において検出されたレベルと少なくとも1つのトレーニングセットから検出されたレベルとの間の相関を求めることを含む統計アルゴリズムを適用することを含む、上記比較するステップと、(c)対象からの試料において検出されたレベルと、統計アルゴリズムの結果とに基づいて泌尿生殖器悪性腫瘍を診断するステップと、を含む方法。

0012

更に、本発明は、イヌの泌尿生殖器悪性腫瘍を検出する為のキットを提供し、本キットは、(a)CFA13、CFA19、又はCFA36を特定して検出できる核酸プローブからなる群から選択される少なくとも1つの試薬と、(b)イヌからの生物試料においてCFA13、CFA19、又はCFA36のコピー数を測定し、CFA13又はCFA36のコピー数が正常対照に比べて増加しているか、CFA19のコピー数が正常対照に比べて減少している場合に使用される指示と、を含む。

図面の簡単な説明

0013

31件のイヌTCCの分析に基づく有意なコピー数変化を示す図である。
31件のイヌTCCの分析に基づく有意なコピー数変化を示す図である。
31件のイヌTCCの分析に基づく有意なコピー数変化を示す図である。
イヌ染色体8、13、19、及び36を検出及び定量化するように設計されたプローブを使用する多色FISHハイブリダイゼーションを示す図である。
イヌ染色体8、13、19、及び36を検出及び定量化するように設計されたプローブを使用する多色FISHハイブリダイゼーションを示す図である。パネル(A)は健康なイヌであり、パネル(B)及び(C)はTCCが確定したケースである。
両方のFISHコピー数分析の結果、及びコピー数を測定する為の一代替実施形態であるPCR法を示す図である。

実施例

0014

5.1.定義
「泌尿生殖器悪性腫瘍」は、膀胱の組織又は近隣組織において発生する癌である。泌尿生殖器悪性腫瘍は、本明細書では、移行上皮癌(TCC)を含み、これは尿路上皮癌とも称される。本明細書に記載の方法及び試薬は、扁平上皮癌及び腺癌の検出にも用いられてよい。

0015

「コピー数」は、単一の座であれ、1つ以上の座であれ、ゲノム全体であれ、DNAの一計量法である。「コピー数」が2であることは、イヌにおける「野生型」である(これは、性染色体を除き、2倍性の為である)。イヌにおいて(性染色体を除き)「コピー数」が2以外であることは、野生型からの逸脱である。そのような逸脱は、コピー数の獲得及び増幅、即ち増加と、コピー数の欠失、即ち減少と、更にはコピー数の欠如と、を含む。

0016

「標識された」、「検出可能標識により標識された」、及び「検出可能に標識された」は、本明細書では、エンティティ(例えば、プローブ)が検出可能であることを示す為に、区別なく用いられる。「標識」及び「検出可能標識」は、エンティティを検出可能にする為にエンティティに付けられる部分構造(moiety)を意味し、例えば、プローブを標的配列に結合する際にプローブを検出可能にする為にプローブに付けられる部分構造を意味する。部分構造自体は、検出可能でなくてよいが、更に別の部分構造と反応すると検出可能になる場合がある。「検出可能に標識された」という用語の使用は、そのように標識することを包含するものとする。

0017

検出可能標識は、標識が信号を発生させ、その信号が測定可能であり、その強度が結合されたエンティティの量に比例するように、選択されてよい。核酸などの分子、例えば、プローブを標識及び/又は検出するシステムとして、様々なものがよく知られている。標識された核酸は、分光的光化学的、生化学的、免疫化学的電気的、光学的、化学的、又は他の手段によって直接又は間接的に検出可能標識を混和又は共役させることにより、調製されてよい。好適な検出可能標識として、放射性同位元素蛍光体発色団化学発光剤微小粒子酵素磁気粒子高電子密度粒子質量標識スピン標識ハプテン等がある。本明細書では、蛍光体及び化学発光剤が選択されている。

0018

核酸試料」は、プローブとのハイブリダイゼーションに適した形式の核酸を含む試料を意味する。プローブは、例えば、核、又はそのような核から分離又は精製された核酸を含む試料である。核酸試料は、ゲノムDNAの全体又は一部(例えば、特定の染色体)、mRNAの全体又は一部(例えば、特定の染色体又は遺伝子)、又は選択された配列を含んでよい。FISHなどのin situハイブリダイゼーションの標的として使用するには、凝縮された染色体(例えば、間期中期において存在するもの)が好適である。

0019

「所定のカットオフ」及び「所与のレベル」は、一般に、アッセイ結果を所定のカットオフ/レベルと比較することによって診断/予後/治療の有効性結果を評価する為に使用されるカットオフ値を意味しており、所定のカットオフ/レベルは、既に、様々な臨床パラメータ(例えば、病気重篤度、進行/非進行/改善等)とリンクされているか関連付けられている。

0020

「プローブ」は、本開示の文脈においては、選択的ハイブリダイゼーションを考慮に入れるか推進する条件の下で、標的配列の少なくとも一部分と選択的にハイブリダイズすることが可能なオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドである。プローブは、一般に、DNAのコード鎖又はセンス(+)鎖に対して相補的であってよく、或いは、DNAの非コード鎖又はアンチセンス(−)鎖に対して相補的(「逆相補的」と称されることもある)であってよい。プローブは、長さが著しくばらついてよい。PCRなどの幾つかの用途では、約10から約100ヌクレオチドの長さ、例えば、約15から約75ヌクレオチドの長さ、例えば、約15から約50ヌクレオチドの長さが選択されてよく、染色体プローブの場合は、約50から約1×106ヌクレオチドの長さが選択されてよく、BACプローブの場合は、約5,000から約800,000ヌクレオチドの長さ、或いは、より好ましくは約100,000から約400,000ヌクレオチドの長さが選択されてよい。

0021

本発明は、(1)染色体13、19、又は36と称されるイエイヌ(Canis familairis、CFA)ゲノムのセグメント(以下、CFA13、CFA19、及びCFA36と称される)を検出するプローブとして働くことが可能な核酸の断片を包含する。イヌゲノムは、配列が決定されていて利用可能であり、例えば、NCBI Canis lupus familiarisゲノムデータベース、又はENSEMBLデータベースCanFam3.1(GCA_000002285.2)が利用可能である。又、リンドブラッドトーら(Lindblad−Toh el al.)、2005年、「イエイヌのゲノム配列比較分析、及びハプロタイプ構造(Genome sequence, comparative analysis and haplotype structure of the domestic dog)」、ネイチャー(Nature)、438号(通巻7069号)、p.803−819も参照されたい。

0022

CFA13、19、又は36の変化は、当該技術分野においてよく知られている幾つかの方法によって検出可能であり、それらは、例えば、サザンブロッティングノーザンブロッティングドットブロッティングコロニーハイブリダイゼーションアレイとのハイブリダイゼーション、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)等であり、或いは、(2)CFA13、19、又は36を増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーとして知られている。PCRプライマーは、CFA13、19、又は36の核酸配列に加えて、他の配列、例えば、増幅された核酸の使用を促進する制限酵素劈開部位を含んでよい。PCRについては、以下の文献、即ち、サカイ等(Saiki et al.)、1988年、サイエンス(Science)239号、p.487−491、「PCR技術(エルリッチ版)(PCR Technology, Erlich, ed.)」、ストックトンプレス(Stockton Press)、1989年を参照されたい。後述されるように、PCRは、異常に低レベル又は高レベルのCFA13、19、又は36を検出することに役立ちうる。

0023

ハイブリダイゼーション技術は、当該技術分野においてよく知られており、サムルック, J.(Sambrook, J.)、E. F.フリッチュ(E. F. Fritsch)、T.マニアティス(T. Maniatis)ら(「分子クローニング実習マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」、コールドスプリングハーバーラボラトリ・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(Cold Spring Harbor, N.Y.)、第9章及び第11章、1989年)と、「分子生物学最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」(F.M.オースベル等編(F. M. Ausubel et al., eds.)、ジョン・ウィリーアンドサンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons, Inc.)、セクション2.10及び6.3−6.4、1995年)とによって説明されており、これらの関連部分は参照により本明細書に組み込まれている。フィルタハイブリダイゼーションに対する適度にストリンジェントな条件には、約42℃から約55℃の温度の約50%のホルムアミド、6×SSCでのハイブリダイゼーション、及び約60℃の0.5×SSC、0.1%SDS中での洗浄が含まれる。高度にストリンジェントな条件は、ハイブリダイゼーション条件は上記のとおりであるが、洗浄は約68℃の0.2×SSC、0.1%SDS中で行われるように規定される。ハイブリダイゼーションバッファ内及び洗浄バッファ内で、SSC(1xSSCは0.15MのNaCI及び15mMのクエン酸ナトリウム)の代わりにSSPE(1×SSPEは0.15MのNaCI、10mMのNaH2PO4、及び1.26mMのEDTA、pH7.4)が使用されてよく、ハイブリダイゼーションの完了後に15分にわたって洗浄(オプションで少なくとも2回の洗浄)が行われる。

0024

当然のことながら、洗浄温度及び洗浄塩濃度は、所望の程度のストリンジェンシーを達成する為に必要に応じて調節されてよく、これは、当業者には知られていて後で詳述される(例えば、前掲のサムブルック等(Sambrook et al.)を参照)、ハイブリダイゼーション反応及び二本鎖の安定性を支配する基本原理を適用することにより行われてよい。既知の配列の核酸がハイブリダイズされた場合、ハイブリッド長は、(例えば、GAPを使用して)核酸の配列をアライメントさせ、最適配列相補性の領域を1つ以上同定することによって決定されてよい。長さが50塩基対未満であると予想されるハイブリッドのためのハイブリダイゼーション温度は、そのハイブリッドの融解温度(Tm)より5〜10℃低くなければならないが、このときTmは下記の式によって決定される。長さが18塩基対未満のハイブリッドの場合は、Tm(℃)=2(A+T塩基の数#)+4(G+C塩基の数#)である。長さが18塩基対を超えるハイブリッドの場合は、Tm(℃)=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(G+Cの%)−(600N)である。但し、Nはハイブリッド中の塩基の数であり、[Na+]は、ハイブリダイゼーションバッファ中のナトリウムイオンの濃度である。そのようなハイブリダイズする核酸のそれぞれは、長さが少なくとも15ヌクレオチド(又は少なくとも18ヌクレオチド、又は少なくとも20、又は少なくとも25、又は少なくとも30、又は少なくとも40、又は少なくとも50、又は少なくとも100)である。前掲のサンブルック等(Sambrook et al.)。

0025

5.2.ポリヌクレオチドの増幅及び決定
多くの場合は、当該技術分野においてよく知られている幾つかの核酸増幅手順のいずれかを用いて核酸配列を増幅することが望ましい。具体的には、核酸増幅は、増幅される核酸配列(鋳型)に対して相補的な配列を含む核酸コピー化学合成又は酵素合成である。本発明の方法及びキットは、当業者には知られている核酸の増幅又は検出の方法のいずれかを用いてよく、それらは、例えば、米国特許第5,525,462号(タカラダ等(Takarada et al.))、同第6,114,117号(ヘップ等(Hepp et al.))、同第6,127,120号(グラハム等(Graham et al.))、同第6,344,317号(ウルノビッツ(Urnovitz))、同第6,448,001号(オク(Oku))、同第6,528,632号(カタンザリティ等(Catanzariti et al.))、及び国際公開第WO2005/111209号(ナカジマ等(Nakajima et al.))に記載されており、これらは全て、参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている。

0026

当該技術分野において知られている、試料中のmRNAの定量化の方法として、よく用いられているのは、ノーザンブロッティング及びin situハイブリダイゼーション(パーカー・アンド・バーンズ(Parker and Barnes)、メソッズ・モレキュラーバイオロジー(MethodsMol. Biol.)106号、p.247−83、1999年)、RNアーゼタンパク質アッセイ(ホッド(Hod)、バイオテクニクス(Biotechniques)、13号、p.852−54、1992年)、PCRベースの方法、例えば、逆転写PCR(RT−PCR)(ワイズ等(Weis et al.)、TIG 8号、p.263−64、1992年)、アレイベースの方法(スキーナ等(Schena et al.)、サイエンス(Science)270号、p. 467−70, 1995)などである。代替として、DNA二本鎖、RNA二本鎖、及びDNA−RNAハイブリッド二本鎖、又はDNAタンパク質二本鎖などの特定の二本鎖を認識できる抗体が用いられてよい。配列決定ベースの遺伝子発現分析の代表的な方法として、遺伝子発現連鎖解析(Serial Analysis of Gene Expression)(SAGE)、ビードベースの技術、単一分子蛍光in situハイブリダイゼーション(smFISH)の諸研究、大量並行シグネチャ配列決定(massively parallel signature sequencing)による遺伝子発現分析がある。ベルクレスク等(Velculescu et al.)、1995年、サイエンス(Science)、270号、p.484−487、ストリーフカーク等(Streefkerk et al.)、1976年、Pro Biol Fluid Proc Coll、24号、p.811−814、ソイニ(Soini)、米国特許第5,028,545号、smFISH、リュビモワ等(Lyubimova et al.)2013年、ネイチャープロトコルズ(Nat Protocol)、8巻(9号)、p.1743−1758.

0027

実施形態によっては、核酸は、当業者に知られている方法を用いたPCR増幅によって増幅される。しかしながら、当業者であれば理解されるように、増幅は任意の既知の方法で達成されてよく、例えば、リガーゼ連鎖反応(LCR)、Qβレプリカーゼ増幅、ローリングサークル増幅転写増幅、自律的配列複製、核酸配列ベース増幅(NASBA)などで達成されてよく、これらはそれぞれ、十分な増幅をもたらす。分枝DNA技術が用いられてもよく、これは、特定のメチル化パターンを表す、この技術の配列の存在を定性的に示す為、或いは、試料中のこの特定のゲノム配列の量を定性的に決定する為に用いられてよい。ノルテ(Nolte)は、臨床試料中の核酸配列の直接定量化の為の分枝DNA信号増幅についてレビューしている(ノルテ(Nolte)、1998年、アドバンス・イン・クリニカルケミストリ(Adv. Clin. Chem)、33号、p.201−235).

0028

PCR処理は、当該技術分野においてはよく知られている為、本明細書では詳述しない。PCRの方法及びプロトコルのレビューについては、例えば、イニス等編(Innis et al., eds.)、「PCRプロトコル、方法及び応用のガイド(PCR Protocols, A Guide to Methods and Application)」、アカミック・プレス・インコーポレイテッド(Academic Press, Inc.)、サンディエゴ、カリフォルニア、1990年、米国特許第4,683,202号(ムリス(Mullis))を参照されたい。これらは参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている。PCRの試薬及びプロトコルは、ロシェ・モレキュラー・システムズ(Roche Molecular Systems)のような商用ベンダからも調達可能である。PCRは、耐熱酵素を用いる自動処理として実施可能である。この処理では、反応混合物の温度は、変性領域プライマアニール領域伸長反応領域とが自動的に周期的に繰り返される。この目的に特化された装置が市販されている。

0029

5.3.高スループット、単一分子配列決定、及び直接検出の技術
適切な次世代配列決定技術が広く利用可能である。例えば、454ライフサイエンスプラットフォーム(454 Life Sciences platform)(ロシェ、ブランフォード、CT(Roche, Branford, CT))(マルグリエス等(Margulies et al.)、2005年、ネイチャー(Nature)、437号、p.376−380)、イルミナのゲノムアナライザゴールデンゲートメチル化アッセイ、又はインフィニウムメチル化アッセイ、即ち、インフィニウムヒューマンメチル化27Kビードアレイ又はベラコードゴールデンゲートメチル化アレイ(lllumina's Genome Analyzer, GoldenGate Methylation Assay, or Infinium Methylation Assays, i.e., Infinium HumanMethylation 27K BeadArray or VeraCode GoldenGate methylation array)(イルミナ(Illumina)、サンディエゴ、カリフォルニア、ビブコバ等(Bibkova et al.)、2006年、ゲノムリサーチ(Genome Res)、16号、p.383−393、米国特許第6,306,597号及び同第7,598,035号(マセビクツ(Macevicz))、同第7,232,656号(バラスブラマニアン等(Balasubramanian et al.)))、又はライゲーション、SOLiDシステムによるDNA配列決定(DNA Sequencing by Ligation, SOLiD System(アプライドバイオシステムズ/ライフテクノロジーズ(Applied Biosystems/Life Technologies)、米国特許第6,797,470号、同第7,083,917号、同第7,166,434号、同第7,320,865号、同第7,332,285号、同第7,364,858号、及び同第7,429,453号(バラニー等(Barany et al.))、又はヘリコス純単一分子DNA配列決定技術(Helicos True Single Molecule DNA sequencing technology)(ハリス等(Harris et al.)2008年、サイエンス(Science)、320号、p.106−109、米国特許第7,037,687号、同第7,645,596号(ウィリアムス等(Williams et al.))、同第7,169,560号(ラピドゥス等(Lapidus et al.))、米国特許第7,769,400号(ハリス(Harris)))、パシフィックバイオサイエンスの単一分子、実時間(SMRT)技術、及び配列決定(single molecule, real−time (SMRT ) technology of Pacific Biosciences, and sequencing)(ソニとメラー(Soni and Meller)、2007年、クリニカル・ケミストリ(Clin. Chem.)、53号、p.1996−2001)などが利用可能であり、これらは参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている。これらのシステムは、並列方式高次多重化において試料から分離された多数の核酸分子の配列決定を可能にする(デア(Dear)2003年、ブリーフファンクションゲノムゲノムプロテオーム(Brief Funct. Genomic Proteomic)1巻(4号)、p.397−416、及びマコーガムとデア(McCaughan and Dear)、2010年、ジャーナルオブソロジー(J. Pathol.)、220号、p.297−306)。これらのプラットフォームのそれぞれは、核酸断片クローン拡大された、又は増幅されていない単一分子の配列決定を可能にする。プラットフォームによっては、例えば、(i)(循環ライゲーション及び劈開を含む)色素修飾プローブのライゲーションによる配列決定、(ii)ピロ配列決定、及び(iii)単一分子配列決定が含まれる。

0030

ピロ配列決定は、合成による配列決定に基づく核酸配列決定方法であり、これは、ヌクレオチドの取り込み時に解放されるピロリン酸塩の検出を必要とする。一般に、合成による配列決定は、配列が決定されようとする鎖に対して相補的なDNA鎖を、1度に1ヌクレオチドずつ合成することを含む。対象核酸は、固体支持物に固定され、配列決定プライマーによりハイブリダイズされ、DNAポリメラーゼATPスルフリラーゼルシフェラーゼアピラーゼアデノシン5’ホスホ硫酸、及びルシフェリンにより培養されてよい。ヌクレオチド溶液は、順次追加及び除去される。ヌクレオチドの正しい取り込みによってピロリン酸塩が解放され、このピロリン酸塩は、ATPスルフリラーゼと相互に作用して、アデノシン5’ホスホ硫酸の存在下でATPを生成し、これによってルシフェリン反応が促進され、これによって、配列決定を可能にする化学発光信号が生成される。特定の試薬をピロ配列決定及びメチル化する装置が、キアゲン・インコーポレイテッド(ヴァレンシア、カリフォルニア)から調達可能である。トストグート(Tost and Gut)、2007年、ネイチャープロトコルズ(Nat. Prot.)、2号、p.2265−2275も参照されたい。ピロ配列決定に基づいて当業者が使用可能なシステムの一例が、対象核酸にアダプタ核酸をライゲートし、対象核酸をビードとハイブリダイズするステップと、エマルジョン中で対象核酸中のヌクレオチド配列を増幅するステップと、ピコリットル多層固定支持物を用いてビードをソートするステップと、ピロ配列決定方法(例えば、ナカノ等(Nakano et al.)、2003年、ジャーナルオブバイオテクノロジ(J. Biotech.)、102号、p.117−124)により、増幅されたヌクレオチド配列の配列決定を行うステップと、を一般的に含む。そのようなシステムを使用して、本明細書に記載の処理によって、例えば、本明細書に記載の処理で生成された第1の増幅生成物非相同核酸をライゲートすることによって生成された増幅生成物を指数関数的に増幅することが可能である。

0031

或る単一分子配列決定の実施形態は、合成による配列決定の原理に基づき、ヌクレオチドの取り込みの成功の結果として光子が放出されるメカニズムとして、単一対蛍光共鳴エネルギ移動(単一対FRET)を用いる。放出された光子は、多くの場合、増感又は高感度冷却電荷結合素子と全内部反射顕微鏡検査(TIRM)とを組み合わせて使用することにより検出される。光子が放出されるのは、投入される反応溶液が、配列決定処理の結果として合成された成長する核酸鎖に取り込まれる為の正しいヌクレオチドを含む場合だけである。FRETベースの単一分子の配列決定又は検出においては、長距離双極子相互作用により、エネルギが2つの蛍光色素間を移動する(時にはポリメチンシアニン色素Cy3、Cy5の間を移動する)。ドナーがその固有励起波長励起され、励起状態エネルギがアクセプタ色素まで非放射的に移動し、次にそのアクセプタ色素が励起される。アクセプタ色素は、最終的には、光子の放射的放出により、基底状態に戻る。このエネルギ移動過程で使用される2つの色素は、単一対FRETの「単一対」を表す。Cy3は、ドナー蛍光体として使用されることが多く、第1の標識ヌクレオチドとして取り込まれることが多い。Cy5は、アクセプタ蛍光体として使用されることが多く、第1のCy3標識ヌクレオチドが取り込まれた後に、連続するヌクレオチド添加の為のヌクレオチド標識として使用される。一般に、蛍光体同士が互いに対して10ナノメートル以内にあれば、エネルギ移動が成功する。ベイリー等(Bailey et al.)が最近、蛍光共鳴エネルギ移動(MS−qFRET)により量子ドットを用いてメチル化状態を検出する高感度(15pgメチル化DNA)方法を報告した(ベイリー等(Bailey et al.)、2009年、ゲノムリサーチ(Genome Res.)19巻(8号)、p.1455−1461。これは参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている)。

0032

単一分子配列決定に基づいて使用可能なシステムの一例が、大まかには、プライマーを対象核酸とハイブリダイズして複合体を生成することと、その複合体を固相に関連付けることと、蛍光性分子タグ付けされたヌクレオチドによってプライマーを繰り返し拡張することと、繰り返し毎に蛍光共鳴エネルギ移動信号の画像をキャプチャすることと、を含む(例えば、ブラスラフスキ等(Braslavsky et al.)、米国科学アカデミー紀要(PNAS)、100巻(7号)、p.3960−3964 (2003年)、米国特許第7,297,518号(クエイク等(Quake et al.))。これらは参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている)。そのようなシステムを用いて、本明細書に記載の処理によって生成された増幅生成物を直接配列決定することが行われてよい。実施形態によっては、解放された線形増幅生成物が、例えば、固体支持物、ビード、又はガラススライド上に存在する、固定された捕捉配列に対して相補的な配列を含むプライマーとハイブリダイズされてよい。プライマーと解放された線形増幅生成物の複合体を、固定された捕捉配列とハイブリダイズすることにより、解放された線形増幅生成物は、単一対FRETベースの、合成による配列決定の為に、固体支持物に固定される。プライマーは蛍光性であることが多い為、固定された核酸を有する、スライドの表面の初期基準画像を生成することが可能である。初期基準画像は、真のヌクレオチド取り込みが行われている場所を特定することに有用である。「プライマーのみ」の基準画像において最初に識別されていない、アレイ領域中で検出された蛍光信号は、非固有蛍光であるとして棄却される。プライマーと解放された線形増幅生成物との複合体が固定された後、結合された核酸が並列に配列決定されることが多く、これは、a)1つの蛍光標識ヌクレオチドの存在下でポリメラーゼ拡張を行うステップと、b)適切な顕微鏡検査(例えば、TIRM)により蛍光を検出するステップと、c)蛍光ヌクレオチドを除去するステップと、d)別の蛍光標識ヌクレオチドについてステップa)に戻るステップと、を繰り返すことによって行われる。

0033

この技術は、デジタルPCRにより実施されてよい。デジタルPCRは、カリニナ(Kalinina)とその同僚等によって開発され(カリニナ等(Kalinina et al.)、1997年、核酸リサーチ(Nucleic AcidsRes.)、25号、p.1999−2004) 、ヴォーゲルステインキンツラー(Vogelstein and Kinzler)によって更に開発された(1999年、米国科学アカデミー紀要(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)、96号、p.9236−9241)。デジタルPCRの応用については、カンター等(Cantor et al.)(PCT公開第WO2005/023091A2号(カンター等(Cantor et al.))、及び同第WO2007/092473 A2号(クエイク等(Quake et al.)))によって記載されており、これらは参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている。デジタルPCRは、単一分子レベルでの核酸(DNA、cDNA、又はRNA)増幅を利用し、低コピー数核酸を定量化する、高感度な方法を提供する。フリューダイム・コーポレーション(Fluidigm(登録商標) Corporation)、バイオ・ラッド(BioRad)のデジタルPCR、及びレインダンステクノロジーズ(Raindance technologies)は、いずれも核酸のデジタル分析のシステムを提供する。カーリン−ニューマンG等(Karlin−Neumann G et al.)(2012年)、「バイオ・ラッド(Bio−Rad)のQX100/200(登録商標) Droplet Digital(登録商標) PCRシステムを使用してコピー数の変化をプロービングする(Probing copy number variations using Bio−Rad's QX100/200(登録商標) Droplet Digital(登録商標) PCR system)」、バイオ・ラッド広報(Bio−Rad Bulletin)、6277号、ディドロ等(Diderot et al.)、クリニカル・ケミストリ(Clinical Chemistry)2013年2月、clinchem.2012.193409を参照されたい。

0034

実施形態によっては、ヌクレオチド配列決定は、固相単一ヌクレオチド配列決定の方法及び処理によって行われてよい。固相単一ヌクレオチド配列決定方法は、試料核酸の単一分子が固体支持物の単一分子とハイブリダイズする条件下で、試料核酸と固体支持物とを接触させることを含む。そのような条件は、固体支持物の分子と試料核酸の単一分子とを「マイクロリアクタ」の形で提供することを含んでよい。そのような条件は又、試料核酸分子固体支持物上の固相核酸とハイブリダイズすることが可能な混合物を提供することを含んでよい。本明細書に記載の実施形態において有用な単一ヌクレオチド配列決定方法については、PCT公開第WO2009/091934号(カンター(Cantor))に記載されている。

0035

実施形態によっては、ナノポア配列決定検出方法が、(a)配列決定用核酸(「塩基核酸」、例えば、連鎖プローブ分子)を、配列固有デテクタが塩基核酸のほぼ相補的な副配列と特異的にハイブリダイズする条件下で配列固有デテクタと接触させることと、(b)デテクタからの信号を検出することと、(c)検出された信号に従って塩基核酸の配列を決定することと、を含む。実施形態によっては、塩基核酸がポアを通過する際にデテクタがナノポア構造と干渉すると、塩基核酸とハイブリダイズされたデテクタが塩基核酸から解離され(例えば、順次解離され)、塩基配列から解離されたデテクタが検出される。

0036

デテクタは又、塩基核酸とハイブリダイズしない、ヌクレオチドの1つ以上の領域を含んでもよい。実施形態によっては、デテクタは分子ビーコンである。デテクタは、本明細書に記載のものの中から独立に選択された1つ以上の検出可能標識を含むことが多い。各検出可能標識は、各標識から生成される信号を検出できる任意の都合のよい(例えば、磁気的、電気的、化学的、光学的、その他の)検出処理によって検出されてよい。例えば、CDカメラを使用して、デテクタと連鎖する1つ以上の区別可能な量子ドットからの信号を検出してよい。

0037

RNA−seq、即ち全トランスクリプトームショットガン配列決定を用いて転写の発現レベル又はカウント数を測定することに、次世代配列決定手法が適用されてよい。例えば、モータザヴィ等(Mortazavi et al.)、2008年、ネイチャー・メソッズ(Nat Meth)、5巻(7号)、p.621−627、又はワング等(Wang et al.)、2009年、ネイチャー・レビューズ・ジェネティックス(Nat Rev Genet)、10巻(1号)、p.57−63を参照されたい。

0038

本発明における核酸は、当該技術分野において知られている方法を用いてカウントされてよい。一実施形態では、ナノストリング(NanoString)のn Counterシステムが使用されてよい。ガイス等(Geiss et al.)、2008年、ネイチャー・バイオテクノロジ(Nat Biotech)、26巻(3号)、p.317−325、米国特許第7,473,767号(ディミトロフ(Dimitrov))。代替として、フリューダイム(Fluidigm)のダイナミックアレイシステム(Dynamic Array system)が使用されてよい。ビルネ等(Byrne et al.)、2009年、プロスワン(PLoS ONE)、4号、e7118、ヘルツァー等(Helzer et al.)、2009年、キャンサー・リサーチ(Can Res)、69号、p.7860−7866。レビューに関しては、チャオ等(Zhao et al.)、2011年、サイエンス・チャイナ・ケミストリ(Sci China Chem)、 54巻(8号)、p.1185−1201、並びにオズソラークとミロス(Ozsolak and Milos)、2011年、ネイチャー・レビューズ・ジェネティックス(Nat Rev Genet)、12号、p.87−98も参照されたい。

0039

本発明は、そのようなアッセイにおける検出可能信号の感度を上げる為の、当該技術分野において知られている任意の方法を包含しており、それらは、巡回プローブ技術の使用(バッカオウイ等(Bakkaoui et al.)、1996年、バイオテクニクス(BioTechniques)20号、p.240−8、これは参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている)、及び分枝プローブの使用(ウルデア等(Urdea et al.)、1993年、クリニカル・ケミストリ(Clin. Chem.)39号、p.725−6、これは参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている)を含むが、これらに限定されない。ハイブリダイゼーション複合体は、当該技術分野においてよく知られている手法に従って検出される。

0040

逆転写又は増幅された核酸が修飾核酸であってよい。修飾核酸は、ヌクレオチド類似体を含んでよく、実施形態によっては、検出可能標識及び/又は捕捉剤を含んでよい。検出可能標識の例として、蛍光体、放射性同位元素、測色剤発光剤、化学発光剤、光散乱剤、酵素などがあり、これらに限定されない。捕捉剤の例として、抗体/抗原、抗体/抗体、抗体/抗体断片、抗体/抗体レセプタ、抗体/タンパク質A又はタンパク質G、ハプテン/抗ハプテン、ビオチンアビジン、ビオチン/ストレプトアビジン葉酸/葉酸結合タンパク質ビタミンB12/内因性要因化学反応基/相補的化学反応基(例えば、スルフヒドリルマレイミド、スルフヒドリル/ハロアセチル誘導体アミン/アミン/イソトリオシアネート、アミン/スクシンイミジルエステル、及びアミン/スルホニルハライド)の対から選択される結合対からの作用物があり、これらに限定されない。捕捉剤を有する修飾核酸は、実施形態によっては、固体支持物に固定されてよい。

0041

本明細書に記載の発明は、他の、癌の検出の為の分子技術、例えば、参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている、米国特許広報第2013/0171637号(ギアフィス等(Giafis et al.))などの技術との組み合わせで使用されてよい。

0042

5.4.統計的方法
データは、1対全(即ち、病気対健康)の場合、及び全ペアワイズ(即ち、健康対個々の病気)の場合の両方において、そのバイオマーカ識別能力に関してランク付けされてよい。ランク付けに使用される統計量の1つが、受信者動作特性(ROC)曲線(感度対(1−特異性)のプロット)の下の面積である。複数のデータセットにまたがる信頼性に関してはバイオマーカが評価されるが、独立した試料セット同士は、ROCランク付けの為には結合されない。結果として、各バイオマーカの、関心対象の群を識別する能力に関して、複数の独立した分析が行われ、複数の独立したランク付けが得られる。

0043

当然のことながら、本発明では、他の遺伝子及び/又は診断基準が使用されてよい。例えば、動物の諸特性、標準的な血液ワークアップ画像検査の結果、及び/又は組織学的評価が、任意選択で、本明細書に開示のバイオマーカと組み合わされてよい。

0044

そのような分析方法を用いて、予測モデルを形成し、その後、そのモデルを使用して検査データを分類してよい。例えば、便利で特に効果的な分類方法の1つでは、多変量統計解析モデリングが用いられ、これは、まず、既知のクラスの試料からの(例えば、肺癌の特定のクラス、サブクラス、又はグレードを有しているかいないかがわかっている患者からの)データ(「モデリングデータ」)を使用してモデル(「予測数学モデル」)を形成し、次に、未知の試料(例えば、「検査データ」)を、肺癌の状態に応じて分類する。

0045

例えば、言語学フィンガープリント法化学、及び心理学にわたる多種多様な問題を特徴づける為に、パターン認識(PR)法が広く用いられてきた。本明細書に記載の方法の文脈では、パターン認識は、パラメトリック及びノンパラメトリックの両方の多変量統計を使用して、分光データを分析し、従って、試料を分類し、幾つかの従属変数の値を、観測された測定値の範囲に基づいて予測することである。アプローチは主に2つある。一方の方法群は、「非監視下(unsupervised)」と呼ばれ、これらは、単に、データの複雑さを合理的に減じるものであり、且つ、人間が目で見て解釈できる表示プロットを生成するものである。他方のアプローチは「監視下(supervised)」と呼ばれ、既知のクラス又は結果を有する試料のトレーニングセットが、数学モデルを生成する為に使用され、次に、独立バリデーションデータセットにより評価される。

0046

非監視下のPR方法は、他の独立情報を全く参照せずにデータを分析することに用いられる。非監視下のパターン認識方法の例として、主成分分析PCA)、階層的クラスタ分析(HCA)、非線形マッピングNLM)などがある。

0047

代替として、且つ、自動分類方法を開発する為に、「監視下」アプローチをデータ分析に用いるのが効率的であることがわかった。ここで、各試料の「クラス」を正しく予測する統計モデル構築する為に、バイオマーカ発現データの「トレーニングセット」が使用される。その後、このトレーニングセットを、(検定セット又はバリデーションセットと称される)独立データで検定することにより、コンピュータベースのモデルのロバストネスが判定される。これらのモデルは、「エキスパートシステム」と称されることがあるが、或る範囲の様々な数学手続きに基づいてよい。監視下の方法では、次元を減らしたデータセット(例えば、先頭数個の主成分)を使用してよいが、典型的には、全次元を有する減らされていないデータを使用する。これらの方法は、あらゆるケースにおいて、各クラスを(例えば、肺癌の各クラスをそのバイオマーカ発現プロファイルに関して)特徴づけて区別する多変量境界の定量的な記述を可能にする。又、任意の予測に対して信頼限界を取得することも可能であり、例えば、適合度に対して配置される確率レベルに対して信頼限界を取得することも可能である(例えば、シャラフ(Sharaf)、イルマン(Illman)、コワルスキ(Kowalski)編、(1986年)、ケモメトリックス(Chemometrics)、ニューヨーク、ウィリーを参照)。予測モデルのロバストネスが、クロスバリデーションによりチェックされてもよく、これは、選択された試料を分析から除外することにより、行われてよい。

0048

監視下のパターン認識方法として、例えば、以下のものがある。最短重心法ダブニー(Dabney)、2005年、バイオインフォマテクス(Bioinformatics)、21巻(22号)、p.4148−4154、及びチブシラニ等(Tibshirani el al.)、2002年、米国科学アカデミー紀要(Proc. Natl. Acad. Sci.)、米国、99巻(10号)、p.6576−6572)。クラス分析のソフト独立モデリング(SIMCA)(例えば、ウォルド(Wold)、(1977年)、ケモメトリックス:理論と応用(Chemometrics: theory and application)、52号、p.243−282を参照)。部分最小二乗分析(PLS)(例えば、ウォルド(Wold)、(1966年)、多変量分析(Multivariate analysis)、1号、p.391−420、ジョーレスコーグ(Joreskog)、(1982年)、因果性、構造、予測(Causality, structure, prediction)、1号、p.263−270を参照)。線形判別分析(LDA)(例えば、ニルソン(Nillson)、(1965年)、学習機械(Learning machines)、ニューヨークを参照)。k近傍分析(KNN)(例えば、ブラウンマーチン(Brown and Martin)、1996年、ジャーナル・オブ・ケミカルインフォメーション・アンド・コンピュータ・サイエンス(J Chem Info Computer Sci)、36巻(3号)、p.572−584を参照)。人工ニューラルネットワーク(ANN)(例えば、ワッサーマン(Wasserman)、(1993年)、ニューラルコンピューティングの高度な方法(Advanced methodsin neural computing)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons, Inc)、オハレとジェニングス(O'Hare & Jennings)(編)、(1996年)、分散型人工インテリジェンス基礎(Foundations of distributed artificial intelligence)(9巻)、ウィリー(Wiley)を参照)。確率的ニューラルネットワーク(PNN)(例えば、ビショップナスラバディ(Bishop & Nasrabadi)、(2006年)、パターン認識と機械学習(Pattern recognition and machine learning)(1巻、p.740)、ニューヨーク、シュプリンガー(Springer)、シュペヒト(Specht)、(1990年)、確率的ニューラルネットワーク(Probabilistic neural networks)、ニューラルネットワーク(Neural networks)、3巻(1号)、p.109−118を参照)。ルール抽出RI)(例えば、クインラン(Quinlan)(1986年)、機械学習(Machine learning)、1巻(1号)、p.81−106を参照)。ベイズ法(例えば、ブレットホースト(Bretthorst)、(1990年)、ベイズ確率理論によるパラメータ推定手引(An introduction to parameter estimation using Bayesian probability theory)、最大エントロピーとベイズ法(In Maximum entropy and Bayesian methods)(p.53−79)、シュプリンガー・オランダ(Springer Netherlands)、ブレットホースト、G. L.(Bretthorst, G. L.)(1988年)、ベイズスペクトル分析及びパラメータ推定(Bayesian spectrum analysis and parameter estimation)(48巻)、ニューヨーク、シュプリンガー出版(Springer−Verlag)を参照)。非監視下の階層的クラスタリング(例えば、ヘレロ(Herrero)、2001年、バイオインフォマティクス(Bioinformatics)、17巻(2号)、p.126−136を参照)。一実施形態では、分類器は、ムリン等(Mullins et al.)、2007年、クリニカル・ケミストリ(Clin Chem)、53巻(7号)、p.1273−9に記載された重心ベースの方法であり、これは、その、病気の分類に関する教示について、参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている。

0049

例えば、欠落データアドレス指定転換スケーリング重み付け等により、データを前処理することがしばしば有用である。多変量予測法、例えば、主成分分析(PCA)や部分最小二乗分析(PLS)は、いわゆるスケーリングに敏感な方法である。対象となるデータのタイプについての事前の知識及び経験を用いることにより、多変量モデリングの前のデータの質を、スケーリング及び/又は重み付けによって強化することが可能である。適切なスケーリング及び/又は重み付けにより、データ中に隠れていた重要且つ興味深い変化を明らかにすることが可能であり、それによって、その後の多変量モデリングをより効率的にすることが可能である。スケーリング及び重み付けを行うことにより、対象となるシステムの知識及び経験に基づいて、データを正しいメトリックに配置することが可能であり、それによって、データ中に既に固有に存在していたパターンを明らかにすることが可能である。

0050

可能であれば、データの欠落、例えば、カラム値ギャップは避けられるべきである。しかしながら、必要であれば、そのような欠落データは、例えば、カラム平均値(「平均埋め」)、ランダム値(「ランダム埋め」)、又は主成分分析に基づく値(「主成分埋め」)で置き換えられるか「埋め」られてよい。これらの様々なアプローチのそれぞれは、その後のPR分析に対する作用がそれぞれ異なる。

0051

記述子座標軸の「転換」が有用となる場合がある。そのような転換の例として、正規化及び平均センタリングがある。「正規化」は、試料間のばらつきを除去する為に用いられてよい。様々な正規化アプローチが可能であり、それらは、分析における幾つかのポイントのいずれにおいても大抵は適用可能である。「平均センタリング」は、解釈を簡略化する為に用いられてよい。通常は、各記述子から、全ての試料におけるその記述子の平均値が差し引かれる。このようにして、記述子の平均が原点と一致し、全ての記述子は、ゼロが「中心になる」。「単位分散スケーリング」では、データを同等の分散にスケーリングできる。通常、各記述子の値は1/StDevでスケーリングされ、StDevは、全ての試料に対するその記述子の標準偏差である。「パレートスケーリング」は、或る意味では、平均センタリングと単位分散スケーリングの中間である。パレートスケーリングでは、各記述子の値は1/sqrt(StDev)でスケーリングされ、StDevは、全ての試料に対するその記述子の標準偏差である。このようにして、各記述子の分散は、その初期標準偏差と数値的に同等になる。パレートスケーリングは、例えば、ローデータ、又は平均センタリングされたデータに対して行われてよい。

0052

対数スケーリング」は、データがポジティブスキューを有する場合、且つ/又は、データが(例えば、何桁かにわたる)広範囲に及ぶ場合に、解釈を支援する為に用いられてよい。通常は、各記述子の値が、その値の対数に置き換えられる。「等範囲スケーリング」では、各記述子は、全ての試料にわたるその記述子の範囲で割られる。このように、全ての記述子が同じ範囲、即ち、1という範囲を有する。しかしながら、この方法は、異常値ポイントの存在に敏感である。「自己スケーリング」では、各データベクトルが平均でセンタリングされ、単位分散でスケーリングされる。この手法は、各記述子がその後、同等に重み付けされ、大きな値と小さな値が同等の重みで取り扱われるので、非常に有用である。このことは、非常に低いレベルながら検出可能なレベルで存在する検体にとって重要となる可能性がある。

0053

データをスケーリングする、監視下の方法も幾つか知られている。これらのうちの幾つかは、クラス間の区別を行う、パラメータ(例えば、記述子)の能力の尺度を提供することが可能であり、分離を広げることによって分類を改善する為に用いられてよい。例えば、「分散重み付け」では、単一パラメータ(例えば、記述子)の分散重みが、クラス内分散の合計に対するクラス間分散の比として計算される。大きな値は、この分散がクラス同士の区別を行う能力があることを意味する。例えば、これらの試料が2つのクラス(例えば、トレーニングセット)に入ることがわかっている場合は、各記述子の平均及び分散を検査することが可能である。記述子が非常に異なる平均値と小さい分散を有する場合、この記述子は、クラス同士を分離することに優れていることになる。「特徴重み付け」は、分散重み付けのより一般的な記述であり、各記述子の平均及び標準偏差が計算されるだけでなく、他のよく知られた重み付け因子(例えば、Fisher重み)が使用される。

0054

本明細書に記載の方法の実施及び/又は結果の記録は、これらの方法を実施でき、且つ/又は結果を記録できる任意の装置を使用して行われてよい。使用可能な装置として、例えば、あらゆるタイプのコンピュータを含む電子計算装置が挙げられ、これに限定されない。本明細書に記載の方法がコンピュータにおいて実施及び/又は記録される場合、これらの方法の各ステップを実施するようにコンピュータを構成する為に使用可能なコンピュータプログラムは、そのコンピュータプログラムを収容できる任意のコンピュータ可読媒体に収容されてよい。使用可能なコンピュータ可読媒体として、例えば、ディスケットCD−ROM、DVD、ROM、RAM、並びに他のメモリ及びコンピュータ記憶装置が挙げられ、これらに限定されない。これらの方法の各ステップを実施し、且つ/又は結果を記録するようにコンピュータを構成する為に使用可能なコンピュータプログラムは、電子ネットワークを介して提供されてもよく、例えば、インターネットイントラネット、又は他のネットワークを介して提供されてよい。

0055

測定値と基準値を比較する処理は、問題の弁別遺伝子に関する測定値及び基準値のタイプにふさわしい任意の便利な方法で実施されてよい。「測定」は、定量的又は定性的な測定手法を用いて実施されてよく、測定値と基準値を比較するモードは、採用される測定技術に応じて異なってよい。例えば、発現レベルの測定に定性的測色アッセイが用いられる場合、レベルの比較は、着色反応生成物の強度を視覚的に比較することによって、又は、着色反応生成物の濃度測定又は分光測定のデータを比較することによって(例えば、測定装置から得られた数値データ又はグラフィカルデータ(例えば、棒グラフ)を比較することによって)行われてよい。しかしながら、本発明の方法で使用される測定値としては、定量的な値が最も一般的であると考えられる。他の例では、測定値は定性的である。定性的な測定の場合と同様に、比較は、数値データを検分することによって、又は、データの表現を検分することによって(例えば、棒グラフや折れ線グラフのようなグラフカル表現を検分することによって)行われてよい。

0056

比較処理は、手動(本方法の専門家による目視検分など)で行われてよく、自動で行われてもよい。例えば、アッセイ装置(例えば、化学発光信号を測定する照度計)が、回路と、回路がバイオマーカタンパク質に関する測定値と基準値の比較を行うことを可能にするソフトウェアと、を含んでよい。或いは、独立した装置(例えば、デジタルコンピュータ)が、1つ以上の測定値と1つ以上の基準値との比較に使用されてよい。自動比較装置は、測定されるバイオマーカタンパク質に対する基準値を記憶していてよく、或いは、測定値を、同時に測定された基準試料(例えば、対照者からの試料)から得られた基準値と比較してもよい。

0057

当業者であれば明らかなように、反復測定値が取得される場合、基準値と比較される測定値は、反復測定値が考慮された値である。反復測定値は、それらの測定値の平均値又は中央値を「測定値」として使用することにより考慮されてよい。

0058

本発明は又、特定の処置の対象となる動物を識別する方法、又は特定の処置が望ましい動物、又は特定の処置を避けるべき動物を選択する方法を含む。

0059

上述の方法は、参照試験所動物病院病理検査室、大学の獣医学研究室獣医診療所、又は獣医によって実施されてよい。上述の方法は更に、アルゴリズム及び/又は統計分析を含んでよい。

0060

5.5.試料
試料は、尿試料、組織試料血液試料、並びに血液、血漿血清、尿からの無細胞抽出液であってよい。各例において示されている細胞遺伝学的アッセイの場合、細胞は、FISHプローブの為のテンプレートを提供する為に使用される。PCRアッセイの場合、腫瘍DNAは、細胞、又は無細胞血漿/血清/尿から取得されてよい。

0061

5.6.組成物及びキット
本発明は、イヌの泌尿生殖器悪性腫瘍を検出する為の組成物及びキットを提供し、これは、(a)CFA13、CFA19、又はCFA36を特定して検出できる核酸プローブからなる群から選択される少なくとも1つの試薬と、(b)イヌからの生物試料においてCFA13、CFA19、又はCFA36のコピー数を測定し、CFA13又はCFA36のコピー数が正常対照より増加しているか、CFA19のコピー数が正常対照より減少している場合に使用される指示と、を含む。

0062

これらの指示は、イヌから取得された関連細胞の試料中に染色体異常が存在するかどうかを判定することを含む。プローブのうちの少なくとも2つが関連する染色体異常が存在すれば、患者が膀胱癌を有することになる。そのようなキットは更に、遮断薬又は他のプローブ、プローブの検出を促進する各種の標識又は標識薬剤、ハイブリダイゼーション用試薬(例えば、干渉剤)、中期スプレッドなどを含んでよく、或いは、これらによって構成されてよい。

0063

特に定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は全て、本発明が帰属する技術分野における当業者が普通に理解する意味と同じ意味を有する。詞の「a」及び「an」は、本明細書では、冠詞の文法目的語が1つではなく1つ以上(即ち、少なくとも1つ)あることを意味する。例えば、「an element」は1つ以上のelement(要素)を意味する。

0064

本明細書を通して、「含む(comprising)」という語、又は「含む(comprises)」や「含む(comprising)」などのバリエーションは、指定された要素、整数又はステップ、或いは要素、整数、又はステップの群を包含することを意味するものであって、他の要素、整数、又はステップ、或いは要素、整数、又はステップの群を全て排除することを意味するものではないことを理解されたい。本発明は、特許請求の範囲に記載のステップ、要素、及び/又は試薬を適切に「含む(comprise)」か、これらから「構成され(consist of)」るか、これらから「基本的に構成され(consist essentially of)」てよい。

0065

更に、特許請求の範囲は、任意選択の要素を全て排除するように立案されてよいことに注意されたい。従って、本声明は、「ただ単に(solely)」、「ただ単に(only)」などの排他的な術語を、特許請求要素の列挙との関連で使用すること、又は、「否定的な」限定を行うことに対する先行詞として働くことを目的とする。

0066

或る範囲の値が与えられた場合、文脈上明らかに矛盾する場合を除き、その範囲の上限と下限の間にある、下限の単位の10分の1までの各介在値も明確に開示されていることを理解されたい。指定範囲内の任意の指定値又は介在値と、その指定範囲内の他の任意の指定値又は介在値との間のより小さい各範囲も、本発明に包含される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、それぞれ独立に、その範囲に包含されるか排除されてよく、より小さな範囲にいずれかの限界が包含されるか、どの限界も包含されないか、両方の限界が包含される各範囲も、指定範囲内の任意の明確に排除される限界に応じて、本発明に包含される。指定範囲が一方又は両方の限界を包含する場合、それらの包含される限界の一方又は両方を排除する範囲も本発明に包含される。

0067

以下の実施例は、本発明を更に例示的に説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。特に、当然のことながら、本発明は、記載される特定の実施形態、従って、もちろん多様であってよい特定の実施形態には限定されない。又、当然のことながら、本明細書において使用される術語は、特定の実施形態のみを説明する為のものであり、限定を意図されたものではない。これは、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ限定される為である。

0068

6.実施例
6.1.実験データ
TCCを有する未治療のイヌから原発腫瘍の生検試料(n=31)が採取され、ホルマリンで固定されるか急速凍結されてから液体窒素中に保存された。更に、ノースカロライナ州立大学獣医学部において、臨床疾患の形跡がないイヌの死検時に非新生物性膀胱組織が採取された。対照試料獣医病理学者によって評価され、新生物形成の形跡がなく、病理組織学的に「正常」であることが確定された。

0069

6.2.oaCGH
腫瘍からDNAが抽出され、アガロースゲル電気泳動法により、分子量が高いことが確認され、分光光度計の読みが260:230>2及び260:280>1.8であった(ナノドロップ(Nanodrop)のNanodrop−1000)。原発腫瘍の生検試料(検査試料)のそれぞれからDNAが分離され、ゲノムDNA酵素標識キット(Genomic DNA Enzymatic Labeling Kit)(アジレント(Agilent))を使用して蛍光体共役dNTPを取り込むことにより、DNAが標識された(これについては以前に[2]に記載されている)。一方の性に特定した基準DNA試料雑種イヌから生成され、10匹の健康なオスと10匹の健康なメスからの等モル量のDNAがプールされ、これらは同様に、ただし異なる蛍光体共役dNTPで標識された。蛍光標識された検査試料及び基準試料が、オリゴヌクレオチドアレイcCGH (oaCGH)アレイを特徴とするCanine G3 Sureprint 180,000(アジレント(Agilent)、AMADID 025522) と、65℃、20rpmで40時間にわたってハイブリダイズされた(これについては以前に[3]に記載されている)。アレイは、高分解能マイクロアレイスキャナ(アジレント(Agilent)、G2505C)を使用して3μmでスキャンされ、特徴抽出(Feature Extraction)(v10.9)ソフトウェアを使用してデータが抽出された。スキャンデータデータ品質の評価が、アジレント(Agilent)の特徴抽出ソフトウェア(v10.5)(アジレント・テクノロジーズ(Agilent Technologies))の「品質測定(Quality Metrics)」レポートによって行われた。コピー数呼び出しを行う為に、隠れマルコフモデル(HMM)ベースのアプローチであるFASST2セグメンテーションアルゴリズムが用いられた。FASST2アルゴリズムは、他の一般的な、コピー数推定の為のHMM方法と異なり、各プローブにおけるコピー数状態を推定しようとするのではなく、多数の状態を用いて、モザイクイベントなどのより大きな可能性をカバーする。その後、これらの状態値を使用して、対数比閾値に基づく呼び出しが行われる。セグメンテーションの有意性閾値は5×10上−6に設定されたが、これには又、セグメント当たり最低3個のプローブが必要であり、セグメントをブレークする前の隣接プローブ間の最大プローブ間隔を1Mbにする必要があった。1つのコピーの増加、及び1つのコピーの減少の対数比閾値は、それぞれ+0.201及び−0.234に設定された。

0070

FASST2セグメンテーションアルゴリズムによって「呼び出された」DNAコピー数異常の比較が、TCCが確定されたケースのコホート(n=31)と臨床的に健康な試料(n>100)との間で行われた。Nexus DNA Copy Number Discovery (V7)を使用して、CGH結果が分析され、ゲノムDNAが分離された細胞集団中の頻発する異常が識別された。異常は、その細胞集団中のゲノムセグメントの平均DNAコピー数の形で検出可能である。CGHによって識別された、TCC中のDNAコピー数変化が最高度に頻発する染色体に対して、その後、TCCが確定されたイヌ患者の尿試料から取得された個々の細胞、並びに、臨床的に健康であって悪性腫瘍の形跡がなかったイヌから取得された個々の細胞におけるコピー数状態の評価が行われた。

0071

6.3.結果
31件の原発イヌTCCの各ケースから採取された生検試料から抽出されたDNAのゲノム全体のoaCGHデータから、イヌゲノム全体にわたるコピー数異常が明らかになり、これらを組み合わせて使用することにより、TCCの発現符合する異常の存在を検出する為のアッセイを開発することが可能になった(図1)。

0072

図1。31件のイヌのTCCにおける有意なDNAコピー数変化の頻度である。図1A)DNAコピー数変化の分布及び頻度を示すゲノム全体の浸透度プロットである(26kb分解能)。x軸は、38個の常染色体X染色体とに分割された、イエイヌのゲノムを示す。y軸は、31件のうちの、使用されたoaCGHプラットフォームによって検出された、ゲノム間隔のそれぞれにおいてコピー数異常を示した比率を示す(最小間隔は約26kb)。0%より上にある暗灰色のバーは、セグメント化された各領域における、DNAコピー数の増加を示した件数パーセンテージを示し、0%より下にある明灰色のバーは、セグメント化された各領域における、DNAコピー数の減少を示した件数のパーセンテージを示す。多数の染色体全体及び染色体セグメントが評価済みコホートにおいて或る程度のコピー数異常を示しているのは明らかである。これらの領域のいずれかを使用して、泌尿生殖器悪性腫瘍の疑いがある患者における異常細胞の存在を検出することが可能である。異常の頻度が最も高かったもの(件数の75%超)には、CFA13及び36におけるDNAコピー数の増加と、CFA19におけるDNAコピー数の減少とが含まれる。コピー数変化が頻発する第2の層(頻度が件数の33%超であって、太い黒の横線で表される層)は、CFA2、5、6、10、12、26、27、28、及びXの領域におけるコピー数の減少、並びにCFA2、4、5、6、7、10、14、17、20、23、24、30、31、35、38、及びXの領域におけるコピー数の増加として明らかである。異常が最も頻発する3つ(13における増加、19における減少、並びに36における増加)については、(使用された特定のoaCGHによって検出された)約1Mbの間隔を示す異常の頻度のピーク例が、CFA13、19、及び36において灰色の縦線で示されている。更に、灰色の縦線で二分されているCFA8の領域は、TCCの31件の全てにおいて検出可能な有意のコピー数変化がなかったゲノム領域を表す。図1B)従来のイヌ核型の細胞遺伝学的表意記号で示された浸透度データであり、これは、DNAコピー数の増加(染色体の右側のヒストグラム)及び減少(各染色体の左側のヒストグラム)が起こりそうな染色体及び染色体領域代替表現を与えるものである。図1C)CFA8、13、19、及び38の長さ方向のDNAコピー数変化の頻度を示す個々の染色体の浸透度プロットである。パネルAに示されたものと同じ灰色の縦線が、個々の染色体のそれぞれに対して維持されて、各染色体の選択された領域、即ち、CFA13、19、及び38に関して異常の頻度が最も高い領域、及びCFA8に関して31件のいずれにおいてもコピー数変化が検出されなかった領域を表している。CFA13、19、及び36に関して示された(log2比のFASST2分析によって示された)異常の頻度の1Mbサイズのピーク例がchr13:35〜36Mb、chr19:25〜26Mb、及びchr36:23〜24Mbを中心としており、log2比データのFASST2分析によって評価された場合にコピー数ニュートラルであったCFA8の領域が、canfam2の位置を使用してchr8:7〜8Mbに位置していた。

0073

イヌ染色体(CFA)13の増加、CFA19の欠失、及びCFA36の増加によって表される、最高頻度の異数性を有する3つの染色体について、評価済み試料におけるこれらの変化の頻度を表1に示す。イヌからの100件超の非新生物性試料の分析では、この試料セットの場合のCFA13、CFA19、及びCFA36のそれぞれの検出可能なコピー数変化は示されなかった。従って、これらのデータは、これら3つの染色体のうちの1つ以上の検出及び列挙に基づいて異常細胞の存在を特定する手段を与える。

0074

表1。症状があるものと対照とにおけるイヌ染色体13、19、及び31の分類別(ニュートラル、減少、又は増加)コピー数状態の頻度。これは、イヌTCCが確定された31件及び非腫瘍性セルの100件超の生検から分離されたDNA試料の分析によって決定される。これらの染色体の3つ全ての期待されるコピー数はn=2(ニュートラル)であり、これは、健康なイヌの細胞の分析によって明らかである。CFA13、19、及び36に関して検出されるコピー数変化は一方向性であり、CFA13及び36は、コピー数が増えた形で存在し、CFA19は、コピー数が減った形で存在した。



表2は、31件の試料に関する追加データを示す。
表2。イヌTCCの31件における36及び19のコピー数の増加及び19のコピー数の減少の頻度の組み合わせ。



これらのデータは以下を示す。
TCCの100%は、3つの異常のうちの1つ以上を有する。
TCCの93.55%は、3つの異常のうちの2つ以上を有する。
TCCの67.74%は、3つの異常を全て有する。

0075

6.4.統計分析
非新生物性であることが病理学的に確認された組織(対照)からの数百個のDNA試料を分析すると、CFA13、CFA19、及びCFA36のいずれもコピー数異常を呈していないことが示された。そこで、少なくとも100個の全面的に陰性である対照の存在に基づいて、3つの領域のそれぞれについて、感受性、特異性、正しく分類された比率(%)、及びAUC値(95%の信頼区間)が計算された。

0076

イヌTCCにおけるイヌ染色体13、19、及び36の異数性に関して表1に与えられた頻度を用いて、3つの異常のそれぞれについて、関連付け及び潜在的予測性能の程度が計算された。

0077

幾つかの統計量が計算された。

0078

第1に、相対リスクRR)が計算された。計算された通り、CFA13の増加、及び/又はCFA36の増加、及び/又はCFA19の減少があるイヌが(TCCの疑いがあるケースからの膀胱腫瘍生検試料又は尿試料において)検出可能な新生物性細胞を示す全リスクを、イヌが新生物性細胞を持たない全リスクと比較したものとして解釈されてよい。相対リスク(RR)は、単純に、2つの事象の間の確率又は関係である。例えば、相対リスクが10であることは、その試料を採取された患者が尿管新生物/TCCを有する可能性が10倍高いことを意味する。

0079

第2に、オッズ比(OR)が計算された。計算された通り、このオッズ比は、評価済み染色体に異数性があるイヌが悪性腫瘍/TCCを示すオッズを、評価済み染色体に異数性があるイヌが悪性腫瘍/TCCを有しないオッズと比較したものとして解釈されてよい。ORでは、(RRの場合のように)純パーセンテージを用いる代わりにオッズの比を用いる。ORは、「オッズ」を、その口語的定義(即ち、チャンス)ではなく、その統計的定義で明確に示しており、これは、或る事象の確率を、或る事象が起こらない確率で割ったものである。

0080

第3に、感受性及び特異性が計算されて、偽陽性及び偽陰性の可能性が判定された。感受性は、そのようであると正しく識別された実際の陽性の比率(この場合は、TCCが正しく識別されて確定されたケースのパーセンテージ)を測定する。特異性は、正しく識別された陰性の比率を測定し、この場合は、TCCを抱えていないイヌであることが正しく識別されて確定されたパーセンテージを測定する。

0081

第4に、全体誤分類率が計算された。この測定は、このマーカによって誤分類されたイヌのパーセンテージを示す。検査全体の精度は、単純に、1−誤分類率ということになる。

0082

更に、領域ごとのこれらの測定のそれぞれについて、95%信頼区間が計算された。

0083

これらの統計的発見及びその解釈を、3つの領域のそれぞれについて以下に個別に列挙した。

0084

表3.セグメント1:染色体13の増加

0085

表4.セグメント2:染色体19の減少

0086

表5.セグメント3:染色体36の増加

0087

3つのケースの全てにおいて、100超の「健康な」イヌのどれからも、染色体13、19、及び36の異数性が試料中に見つからなかった為、それらの領域のそれぞれに異数性があれば、これは、生検/尿試料を採取されたイヌが新生物性細胞/TCCを示したという高レベルの特異性(現在のデータセットの99%超)があることになる。更に、イヌの生理の観点からは、何らかの異常細胞があれば、それは膀胱管由来又は泌尿生殖器管由来である可能性が高く、従って、異常癌が泌尿生殖器由来ではない可能性は非常に小さい。提示されたデータを検討することにより、これらの異常の組み合わせが、イヌTCCから抽出された細胞から予想されるものと一致することを推定することが可能である。

0088

6.5.組み合わせ分析
(最大で3つ全ての領域を一緒に使用して、3つ全ての領域の増加情報及び減少情報が含まれた状態で)多変量モデルの潜在的予測能力を評価する為に、J48アルゴリズムを使用して決定木モデルが構築された。クロスバリデーションの有無にかかわらず、最良の木には変数が1つだけ含まれていて、それは、CFA13のコピー数増加であった。これが最良のモデルであり、更なる変数を追加してもモデルは改善されず、弱体化することもなかった。

0089

更に、尿管からの細胞が上述の3つの異常のうちの2つ以上を示す場合、新生物の存在を示す感受性及び特異性は極端に高くなる(評価済みデータセットに基づいて99%超)。

0090

2つの最も高頻度な異数性、即ち、CFA13の増加/CFA36の増加が検出されると、ORが422.230になり、RRが33.817になり誤分類が0になる。信頼区間は全て未定義である。

0091

上述のデータは、以下の発見の為のベースを与える。

0092

CFA13のコピー数増加、CFA19のコピー数減少、及びCFA36のコピー数増加として定義される3つの主な異常のうちの1つ以上が検出されると、オス又はメスのイヌの泌尿生殖器管から採取された細胞試料の全体においてであれ一部においてであれ、試料が疑わしい塊の生検試料か尿かにかかわらず、これは、異常細胞の存在を示していることになり、この場合、そのような細胞は新生物として示される可能性があり、又、泌尿生殖器管の移行上皮癌から抽出された可能性があるとして示される。

0093

CFA13、及び/又はCFA19、及び/又はCFA36のコピー数状態を、部分的であれ全体的であれ、検出及び定量化できる方法であれば、いかなる方法でも、本発明を可能にする為に用いることができる。そのようなアプローチとして以下のものがあってよく、これらに限定されない。

0094

(1)イヌ患者試料から採取された中期標本に対する従来式の細胞遺伝学的評価。

0095

(2)蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)。これにより、イヌ患者から採取された細胞が患者の塊試料又は尿試料の細胞であれば、それらの細胞に、CFA13、及び/又は19、及び/又は36の一部又は全てを表す1つ以上のプローブを接触させる。そのようなプローブは、限定ではないが、検出及び定量化される染色体の長さ方向の全体又は一部を表すものであり(例えば、全体的又は部分的染色体ペイントプローブ)、「遺伝子座特異」として分類されるプローブであり、これらは評価対象染色体の特定領域と結合するものであり、その領域の検出及び定量化に好適であると判定されたものである。1つの遺伝子座プローブは、一本鎖又は二本鎖の核酸の1つ以上の1つ以上の断片を含んでよく、これらは、バクテリオファージホストのバクテリア(例えば、BAC、PAC、ファージコスミドプラスミドなど)として伝搬されたクローン化断片の形式であったり、ゲノム配列内でレポートされる特定の配列のPCR増幅によって生成される形式であったりする。これらのケースでは、プローブは、当業者には広く知られている手続きにより、ハプテンにより標識され、好適な色原体又は蛍光体のポストハイブリダイゼーションにより検出されてよく、或いは、プローブは、それら自体がハイブリダイゼーションの前に蛍光体によって標識されてよく、これは、プローブがハイブリダイゼーションと当業者には広く知られている好適な洗浄ステージの直後のハイブリダイゼーション箇所をレポートできるようにする為である。代替形式として、プローブは、多数の一本鎖又は二本鎖の核酸配列の集合体(例えば、長さが様々であってよいオリゴヌクレオチド)を含んでよく、この場合、配列は、検出及び列挙される領域を表す利用可能な核酸配列に基づいて設計され、これらは蛍光体により標識されてよい。限定ではなく例として、そのようなプローブは、図1において、評価されたTCCケースのコホートにおける異常の頻度のピークを表す灰色の縦線で規定される領域を検出するように設計されてよく、これにより、これらの厳密な場所のいずれかが、更なるケースが評価されるにつれて移動しうることが認識される。

0096

(3)患者試料から分離されたDNAを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)。試料内の核酸から取得された相対コピー数及び絶対コピー数には増幅ベースの方法が広く用いられており、それらは、例えば、従来式PCR、定量的PCR(qPCR)、又は液滴デジタルPCR(ddPCR)である。例えば、qPCR又はddPCRアッセイの設計の場合、評価済みTCC試料に基づく単位複製配列絶対濃度を測定する為には、CFA13、19、及び36にある配列の増幅が必要になり、任意選択で、各異常のピークを表す領域でのそれらの増幅が必要になる。例えば、図1A及び図1Cの灰色の縦線は、(log2比のFASST2分析によって示された)CFA13、19、及び36の異常のピーク例と、CFA8のうちの、log2比データのFASST2分析によって評価されてコピー数ニュートラルであった領域と、を示す選択された約1Mbの間隔を表す。上述の塩基位置のそれぞれは、コピー数事象の境界から抽出され、且つ、canfam2(UCSCゲノムブラウザ)から抽出され、ENSEMBLE及びUSCSにおいて公開されている現行版のイヌゲノムアセンブリ(CanFam3)内に再配置されてよい。従って、CFA8のこの小さな領域内の(ただし、これに限定されない)核配列を使用して、qPCR及びddPCRの使用時にTCCにおいてニュートラルコピー数状態を達成することが可能であり、ここから、コピー数異常に関して評価された領域について単位複製配列の相対濃度(従って、コピー数)を推定することが可能であり、この例では、限定ではないが、CFA13、19、及び36上に記された定義済み塩基対位置について推定することが可能である。

0097

(4)比較ゲノムハイブリダイゼーション。「検査」試料のコピー数を示すことが可能な任意のアレイフォーマットが使用されてよい。或る範囲の固体表面に固定された核酸を使用する多くの方法が、当業者には広く知られている。

0098

(5)次世代配列決定方法は、正常であることがわかっている領域のアバンダンスに基づいて、標的領域のアバンダンスが予想より大きいか小さいかを判定することが可能である。

0099

実施例1

0100

上述のアプローチの1つが実際にはどのように行われうるかの例を示す為に、4色の細胞遺伝学的アッセイが開発された。これには、これらの染色体のそれぞれとハイブリダイズするように設計された、イヌのバクテリア人工染色体(BAC)のクローンが使用された。イヌから採取された細胞の蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)によってイヌの染色体13、19、及び36を検出及び定量化する手段を提供する為に、イヌBACクローン(表5)が、CHORI−82イヌライブラリから選択された。評価済みの31件のTCC生検試料の全てにおいてコピー数ニュートラルであることが観測されたイヌ染色体8の一領域を表す為に、第4のFISHプローブが開発された。

0101

表6。TCCが確定している患者試料から抽出された個別細胞の多色FISH分析で用いられる、CFA8、CFA13、CFA19、及びCFA36のコピー数を検出及び定量化する手段を提供する為に使用された、CHORI−82イヌBACライブラリからの4つのイヌBACクローンの識別情報。4つのBACは全て、以前にインハウスで細胞遺伝学的に検証され、レポートされたセット[4]から選択されている。

0102

健康なイヌとTCCの診断が確定しているイヌから得られた自由採取尿試料から分離された細胞に対して4色FISHが実施された。DNAは、4つのスペクトル的に分解可能な蛍光色素共役dNTPの1つを取り込む為に、表6で識別されたBACクローンから調製されて標識された(これらの蛍光色素共役dNTPはそれぞれが標準プロトコルを使用しており、これらについては本願発明者らが以前に公開している。例えば、[4、5])。4つのプローブは混合され、健康なイヌと癌を有するイヌから採取された尿から分離された細胞とハイブリダイズされた(これに使用されたプロトコルは当該技術分野において広く使用されており、これらについては本願発明者らが以前に公開している。例えば、[4、5])。ゲノム全体に拡散した反復成分を表す、標識されていないイヌDNAが含まれており、これは、4つのBACプローブ中に反復成分があっても、それがイヌゲノム内のそれらの原発特異位置以外のゲノム箇所とハイブリダイズすることを抑制する為である。金色、赤色、緑色、及びCy5(遠赤色)に見える光を表す波長に対する狭帯域通過蛍光フィルタを有する多色FISHワークステーション機器冷却CCDカメラとを使用して画像が取得された。細胞核がDAPIで対比染色された。各色平面白黒で画像化されてから、平面ごとに検出された蛍光信号が疑似着色されて、各フィルタを通過した波長に対応する色が再現された(Cy5信号は遠赤色の為、ピンクで表された)。

0103

図2は、非新生物性細胞の染色体と接触した4つのプローブ全てのハイブリダイゼーション特性を示しており、これによれば、適用されている条件(当該技術分野における標準的な条件)の下で、4つのプローブのそれぞれが、相同染色体の適切な対の指定された物理位置局在化された、イヌゲノムの固有且つ特異な領域の2つのコピーを検出する。

0104

図2。イヌ染色体8、13、19、及び36を検出及び定量化するように設計された蛍光in situハイブリダイゼーションプローブの多色ハイブリダイゼーション。
イヌ泌尿生殖器癌/TCCの場合、イヌ染色体(CFA)13及び36は、コピー数が増加することになり(n>2)、CFA19は、コピー数が減少することになる(n<2)。同じ細胞において、CFA8はコピー数が平衡する(n=2)。この例では、イヌBACクローンは、パネルCのMb位置でCFA8、13、19、及び36を表すように選択された。4つのBACクローンからのDNAは、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)分析で使用されるように標識されており、この為には、別々のハイブリダイゼーション箇所として検出することを可能にする、4つのスペクトル的に分解可能な蛍光体の取り込みが、CFA8=金色、CFA13=赤色、CFA19=緑色、CFA36=ピンク(グレイスケールとして表示)のように行われた。図2Aは、健康なイヌから採取された細胞からのイヌ中期標本にハイブリダイズされた4つのFISHプローブを示しており、ここでは、イヌ染色体は、DAPIで対比染色された結果として青色である。図2Bは、パネルAと同じ画像であるが、DAPIバンディンググレースケールで見せるように処理されている。図2A及び図2Bは、各プローブがゲノムの2つの領域とのみハイブリダイズし、各箇所が染色体8、13、19、及び36の同族体を表すことを示している。図2Cは、パネルBの同族体の各対の一方を拡大し、且つ適切な方向に向けて示すことにより、ハイブリダイゼーション信号の染色体位置を示している。各染色体の横に示されているのは、染色体番号と、選択されたプローブが結合する、その染色体上での厳密な物理位置(単位はMb)である。

0105

図3は、同じ4つのプローブが、健康なイヌの尿試料から抽出された非新生物性細胞にハイブリダイズされた場合と、移行上皮癌が確定したイヌから得られた自由採取尿から抽出された細胞にハイブリダイズされた場合の、典型的なハイブリダイゼーションパターンを示す。健康な細胞では、4つのプローブ全てのコピー数がn=2である。TCCを有するイヌから取得された細胞の例を表す為に示された2つの細胞において、CFA8を表すプローブのコピー数はn=2であるが、CFA19を表すプローブのコピー数はn=1であり、CFA13及びCFA19を表すプローブのコピー数は両方ともn>2である。

0106

図3。多色(5平面)FISH分析を用いて、A)健康なイヌ、並びに、B及びC)膀胱の移行上皮癌の診断が確定した2匹のイヌの尿試料から抽出されたDAPI(青の対比染色)(グレースケールで表示)細胞のCFA8(金色)、13(赤色)、19(緑色)及び36(ピンク)を表すプローブを検出及び定量化する実施例。Ai/Bi/Ciでは5色平面画像が示されており、Aii/Bii/Ciiでは、各ハイブリダイゼーション箇所が対応色の矢印で示された同じ5色平面が示されている。

0107

パネルA/Aiでは、明らかに4つのプローブ全てが2つの別個のコピー(n=2)として存在しており、これは、「健康/コピー数平衡」状態を示している。B/Bi及びC/Ciでは、両方の細胞が平衡コピー数のCFA8プローブ(n=2)を予想どおり有している一方、各細胞は、CFA8(緑色)を表すプローブの1つのコピーと、CFA13(赤色)及びCFA36(ピンク)を表すプローブの複数のコピーと、を有しているだけである(グレースケールで表示)。CFA13(赤色)及びCFA36(ピンク)を表すプローブのハイブリダイゼーション箇所の幾つかのサイズが大きい場合、これは、そのハイブリダイゼーション箇所における縦列重複を示しており、その為、実際に目に見える数のハイブリダイゼーション箇所にわたって細胞当たりの厳密なコピー数を算定することは不可能である。従って、細胞B及びCでは、CFA13を表すプローブのコピー数はそれぞれn>5及びn>4であり、又、細胞B及びCでは、CFA36を表すプローブのコピー数はそれぞれn>7及びn>6であると言える。これら2つの細胞は、両方とも、3つの標的領域の全てにおいて異数性を有する。

0108

上記で示された実施例は、イヌ細胞中の標的染色体の検出及び評価に好適な「キット」を表す為に用いられてよい。TCCと診断されたイヌの尿生殖器管から落ち細胞中の3つの標的染色体の異数性の頻度を評価するために、本願発明者らは、10件の尿試料のそれぞれにおいて最大30個の細胞を評価した。10件の試料の全てにわたる、3つの標的領域のそれぞれにおける、細胞のコピー平均数が異常である細胞の頻度と、異常の頻度の数値範囲と、を表6に示す。これらのデータは、評価された試料の中で、3つの領域のうちの少なくとも1つについて異常である細胞の最小数が23%であったことを示している。

0109

表7。TCCの診断が確定したイヌの尿サンプルから抽出された細胞集団においてCFA13、CFA19、及びCFA36のコピー数異常を示した細胞の比率の一覧。

0110

更に、評価された10件のうちの8件において、100%の細胞が3つの標的異常のうちの1つ以上を有していて、残りの2件では、93%と87%の細胞がそれらの標的異常のうちの1つ以上を有していた。これらのデータは、診断FISHベースのアッセイを実施することにより、泌尿生殖器管から尿中に落ちた細胞の列挙に基づいて、上述の3つの染色体の検出及び定量化を実施して、TCCを高度に示唆する異常細胞の存在を確定させることが可能であることの十分な証拠を与える。

0111

実施例2

0112

本発明が定量的PCRアッセイの形式でどのように用いられうるかを例示する為に、本発明も、液滴デジタルPCR(ddPCR)アッセイの形式で実施するように縮小した。CFA13、19、及び36のコピー数異常のピークは、図1において灰色の縦線で示されるように規定された。これは、chrl3:35〜36MbにおけるCFA13、chrl9:25〜26MbにおけるCFA19、及びchr36:23〜24MbにおけるCFA36の約1Mb領域を、canfam2を使用して表している。更に、イヌTCC中のコピー数不変のゲノムの領域を表す為に、chr8:7〜8Mbに位置するCFA8のコピー数ニュートラルの領域が含まれた。

0113

CFA13、19、及び36についての範囲が確定された3つの異常領域と、CFA8についての「ニュートラル」領域と、のそれぞれにおけるイヌゲノムのDNA配列が評価され、DNAコピー数分析での使用に好適な4つのTaqMan(登録商標) MGBアッセイを設計する為に使用された。この4つのアッセイのそれぞれの詳細を、表8に示す。この例では、BioRad QX100液滴デジタルPCRシステムを使用し、CFA8に位置するコピー数ニュートラルアッセイのコピー数を基準として、(CFA13、19、及び36に位置する)3つの標的アッセイのコピー数を測定した。

0114

表8。イヌTCCの各ケースにおけるCFA13、19、及び36の特定領域のコピー数を検出及び定量化する為に開発された4対アッセイで使用される各PCRプライマー及びTaqManプローブのDNA配列(canfam2から)及びゲノム位置。コピー数アッセイのそれぞれについて、3つの検査アッセイのうちの1つが基準アッセイと混合され、PCRがデュプレックス反応として起こる。示されたアッセイは、使用するPCRサイクル条件が同じであれば性能が同じであるように開発された。プローブ、プライマー、及び単位複製配列は、SEQIDの1番から20番である。

0115

0116

各TaqManアッセイは、100〜110bpの単位複製配列を与えるように設計され、それぞれが同じ熱サイクル条件で増幅された。実施例1として示されたFISH分析の為の材料を与える為に使用されたものと同じ尿試料からDNAが分離されており、従って、FISH及びddPCRによって生成されたデータは、同じケースからのものであった。「基準」アッセイ(CFA8)はHEXと標識され、3つの「検査」アッセイ(CFA13、19、及び36)は、それぞれがFAMと標識された。各コピー数評価は、基準アッセイと、3つの検査アッセイのうちの1つと、を含む、1つのチューブウェル内の一対のTaqManアッセイとして処理された。デュプレックス/ペア化反応ごとに、反応成分(即ち、試料DNA、PCRマスターミックス順方向プライマー及び逆方向プライマー、CFA8の基準領域に対する、HEXと標識されたTaqManプローブ、及びCFA13又は19又は36のいずれかの検査領域に対する、FAMと標識されたTaqManプローブ)が混合されて1つのチューブ/ウェルにされた。QX100液滴生成器を使用して、各試料が最大20,000個の1ナノリットルサイズの液滴に分割された。当業者にはよく知られているプロトコルを用いた、各液滴内での試薬の熱サイクルの後、各試料からの液滴がQX100液滴読取器内単一ファイル流し込まれ、検査単位複製配列及び基準単位複製配列のそれぞれに対する正液滴及び負液滴の数が検知された。単位複製配列/PCR正液滴及び単位複製配列/PCR負液滴がカウントされて、デジタル形式での絶対定量化が行われた。3つの検査アッセイのそれぞれの濃度/マイクロリットルが、同じチューブ/ウェル内の基準アッセイの濃度/マイクロリットルに対して正規化されると、DNA試料中の「検査」領域の平均コピー数が算定された。3つのペア化アッセイの全てに関するデータが図4に示されており、これによれば、ddPCRは、異常領域のコピー数状態を正確に検出及び定量化することが可能であり、これによって、異常DNA試料を識別する為のFISHベースの評価に対して代替手段が提供される。

0117

図4。TCCを有するイヌの尿試料から抽出されたDNA試料中のイヌゲノムの異常領域の平均DNAコピー数を、ddPCRを用いて算定する実施例。差し込まれたFISH画像は、図3のパネルBで示されたものと同じ細胞であり、CFA8、13、19、及び36の対する単一遺伝子座プローブのコピー数は、n=2、n=>5、n=1、及びn=>7と記録された。そのTCC患者からの30個の細胞が分析されたら、各プローブの平均コピー数は一定のままであった。3つの異常領域のddPCRデータが、図の本体部に示されている。各領域についてのチャートは、3つのデータ点が示されており、それらは、標的配列/単位複製配列(即ち、CFA13又は19又は36)の濃度、基準配列/単位複製配列(即ち、CFA8)の濃度、並びに、基準配列/単位複製配列(CFA8)の濃度に対する正規化によって得られた標的配列/単位複製配列の導出された平均コピー数(矢印)である。実施例1で報告されたFISHアプローチを用いた30個の個別細胞の評価による、4つの領域(CFA8、13、19、及び36)のそれぞれについての平均コピー数の一覧が表に示されている。「基準」領域(CFA8)を基準とする、「検査」領域(CFA13、19、及び36)についての平均DNAコピー数。16,000個の1nlの液滴PCR反応の評価の結果も示されている。

0118

ddPCRから抽出された、CFA13、CFA19、及びCFA36の領域の平均コピー数は、n=6.19、n=1.07、及びn=27.1であった。CFA19の領域の平均コピー数の値(n=1.07)は、30個の個別細胞の分析によって得られる平均値(n=1.02)に匹敵する。CFA13及びCFA36については、FISHデータは、平均コピー数がそれぞれn>5及びn>7であったことを示しており、一方、これら2つの領域についてのddPCRデータは、平均コピー数n=6.19及びn=27.1をそれぞれ示している。これらのデータは、ddPCRベースのアッセイを使用して、標的領域のコピー数を正確に検出及び定量化することによって、追加コピーが縦列重複されてFISHでは分解不能になった領域の列挙に関して、FISH分析に付加価値を与えることのベースをサポートする。
7.参考文献
1.ムトサエルス, A.J.、W.R.ウィドマー、D.W.クナップ等(Mutsaers, A.J., W.R. Widmer, and D.W. Knapp)、イヌの移行上皮癌(Canine transitional cell carcinoma)、ジャーナル・オブ・ヴェテリナリ・インターナル・メディシン(J Vet Intern Med)、2003年、17巻(2号)、p.136〜44。
2.トーマス, R.等(Thomas, R., et al.)、150件のイヌ非ホジキンリンパ腫において頻発するDNAコピー数異常の「ゲノム記録」による、腫瘍関連異数性の改良(Refining tumor−associated aneuploidy through 'genomic recoding' of recurrent DNA copy number aberrations in 150 canine non−Hodgkin lymphomas)、白血病リンパ腫(Leukemia & lymphoma)、2011年、52巻(7号)、p.1321〜35。
3.サイザー, E.L.等(Seiser, E.L., et al.)、株間読む:広く使用されている5つのイヌリンパ腫細胞株分子特性化(Reading between the lines: molecular characterization of five widely used canine lymphoid tumour cell lines)、ヴェテリナリ・アンド・コンパラティブ・オンコロジ−(Veterinary and comparative oncology)、2011年。
4.トーマス, R.等(Thomas, R., et al.)、ゲノムアセンブリが組み込まれたイヌ1Mb BACマイクロアレイ:イヌ癌研究及び比較ゲノム分析の為の細胞遺伝学的リソース(A genome assembly−integrated dog 1 Mb BAC microarray: a cytogenetic resource for canine cancer studies and comparative genomic analysis)、サイトジェネティック・ゲノム・リサーチ(Cytogenet Genome Res)、2008年、122巻(2号)、p.110〜21。
5.ブリーン, M.等(Breen, M., et al.)、イヌゲノムの組み込み4249マーカFISH/RHマップ(An integrated 4249 marker FISH/RH map of the canine genome)、BMCノミクス(BMC Genomics)、2004年、5巻(1号)、p.65。

0119

本発明は、その詳細説明との組み合わせで説明されたが、上述の説明は例示を意図しており、本発明の範囲の限定を意図するものではないことを理解されたい。本発明の他の態様、利点、及び修正は、以下に示される特許請求の範囲に包含される。本明細書で言及される全ての発行物、特許、及び特許出願は、あたかも個々の発行物又は特許出願のそれぞれが、参照によって組み込まれるものとして具体的且つ個別に示されているように、参照によって本明細書に組み込まれている。

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