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図面 (10)

課題・解決手段

本出願は、フィルタを通して流体濾過するための方法を提供する。ここで上記流体は、目的の生物学的生成物(例えば、タンパク質性物質)を含む。上記生物学的生成物は、界面活性剤事前処理したフィルタを通して濾過される。本発明によれば、上記方法は、事前処理済み膜フィルタを提供するために、界面活性剤(例えば、界面活性剤溶液)で事前処理した適切な膜フィルタの使用を包含する。本明細書でさらに詳細に記載されるように、上記事前処理済み膜フィルタは、代表的には、上記工程後に乾燥されない。

概要

背景

(発明の背景
タンパク質性物質加工処理する間に、一般に、濾過工程を適用する必要性がある。このような濾過工程は、最終生成物にとって有害である成分を除去することを可能にする。例えば、適切な孔サイズを有するフィルタを選択することによって、遊離の全ウイルス粒子を、ウイルス粒子の大きな凝集物から分離することが可能である。

EP0188104 B1は、フィルタを含む開心術用貯蔵器(cardiotomy reservoir)のようなデバイスを通した血液生成物の濾過を記載する。上記フィルタは、上記デバイスを通る血液の重力流を改善するポリソルベート80で処理されている。しかし、その技術は、血液の濾過に限定されており、ワクチンのためのウイルスタンパク質もしくはビリオンのような治療用タンパク質の精製を開示していない。EP0188104は、大きなタンパク質凝集物を目的のタンパク質から除去するために濾過を使用しない。さらに、EP0188104は、本発明の下では必要でない、使用前にフィルタを乾燥させることを要する。

WO/2011/051235は、インフルエンザワクチン製造において濾過性能を増大させるために、t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(TRITON X−100(登録商標))の添加を記載した。しかし、WO/2011/051235において、Tritonは、ウイルス調製物に添加され、フィルタを事前処理するために使用されていない。さらに、WO/2011/051235においては、スプリットした後および不活性化の前に添加される。本発明の場合には、スプリットする前に洗浄剤で処理したフィルタを使用することが好ましい。

概要

本出願は、フィルタを通して流体を濾過するための方法を提供する。ここで上記流体は、目的の生物学的生成物(例えば、タンパク質性の物質)を含む。上記生物学的生成物は、界面活性剤で事前処理したフィルタを通して濾過される。本発明によれば、上記方法は、事前処理済み膜フィルタを提供するために、界面活性剤(例えば、界面活性剤溶液)で事前処理した適切な膜フィルタの使用を包含する。本明細書でさらに詳細に記載されるように、上記事前処理済み膜フィルタは、代表的には、上記工程後に乾燥されない。

目的

本発明は、大きな凝集した不純物を含む混合物から生物学的生成物(例えば、タンパク質)を精製する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

目的の生物学的生成物から凝集物を除去するための方法であって、該方法は、事前処理膜フィルタを提供するために、界面活性剤で事前処理した膜フィルタを提供する工程;および生物学的生成物を含む濾液を得るために、該生物学的生成物を含む流体を該事前処理膜フィルタを通して濾過する工程;を包含し、ここで該膜フィルタは、該流体中に存在する凝集物を保持するのに十分な孔サイズを有し;そしてここで非事前処理コントロールと比較する場合、該濾液中の該生物学的生成物のより高い回収率が達成される、方法。

請求項2

濾過の間に生物学的生成物の喪失を防止するための方法であって、該方法は、前処置膜フィルタを提供するために、膜フィルタを界面活性剤溶液で事前処理する工程;必要に応じて、該膜フィルタを洗浄する工程;および濾液中の生物学的生成物を回収するために、該生物学的生成物の第1の量を含む流体を、該事前処理膜フィルタを通して濾過する工程、を包含し、ここで該濾液は、該生物学的生成物の第2の量を含む、方法。

請求項3

前記生物学的生成物の前記第2の量が、前記生物学的生成物の前記第1の量の少なくとも75%である、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記生物学的生成物が、タンパク質ウイルス様粒子ウイルス粒子ビリオン、もしくはこれらの任意の組み合わせであるかまたはこれらを含む、いずれかの前記請求項に記載の方法。

請求項5

前記膜フィルタが、疎水性膜フィルタである、いずれかの前記請求項に記載の方法。

請求項6

流体をフィルタに通して濾過するための方法であって、該方法は、(i)卵中もしくは細胞培養物中で増殖させたウイルスを含む流体サンプルを提供する工程;(ii)該流体サンプルを、界面活性剤で処理した疎水性フィルタに通して濾過する工程;(iii)該ウイルスをワクチン製剤へと加工処理する工程、を包含する、方法。

請求項7

前記ウイルスが、インフルエンザウイルスである、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記流体サンプルが、濾過する前に不活性化される、請求項6に記載の方法。

請求項9

前記濾過する工程(ii)の前もしくは後に、前記ウイルスを精製する工程をさらに包含する、請求項6に記載の方法。

請求項10

前記精製する工程が、深層濾過である、請求項8に記載の方法。

請求項11

前記濾過する工程(ii)の前もしくは後に、スプリット剤で前記ウイルスをスプリットする工程をさらに包含する、請求項6に記載の方法。

請求項12

前記界面活性剤が、ポリソルベート80である、いずれかの前記請求項に記載の方法。

請求項13

前記フィルタが、ポリプロピレンを含む、いずれかの前記請求項に記載の方法。

請求項14

前記フィルタの孔サイズが、0.1μm〜10μmの範囲にある、いずれかの前記請求項に記載の方法。

請求項15

前記タンパク質が、インフルエンザ表面タンパク質である、いずれかの前記請求項に記載の方法。

請求項16

前記界面活性剤溶液が、0.01〜10%w/v界面活性剤の範囲の質量濃度を有する、いずれかの前記請求項に記載の方法。

請求項17

前記流体が、いずれかの前記請求項に記載の第2の処理済みフィルタを通してさらに濾過されて、濾液を生じる、いずれかの前記請求項に記載の方法。

請求項18

請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法において使用するための処理済みフィルタ。

請求項19

請求項1〜16のいずれか1項に記載のフィルタを通して流体を濾過するための方法を包含する、免疫原性組成物を生成するための方法。

技術分野

0001

関連出願
国際出願は、2013年10月7日に出願された欧州出願第13187628号に対する優先権を主張し、その内容の全体が参考として本明細書に援用される。
(発明の分野)

0002

本発明は、タンパク質を含む流体濾過するための方法に関する。本発明はまた、上記方法において使用するための処理済フィルタおよび上記方法から生じる濾液に関する。

背景技術

0003

(発明の背景
タンパク質性物質加工処理する間に、一般に、濾過工程を適用する必要性がある。このような濾過工程は、最終生成物にとって有害である成分を除去することを可能にする。例えば、適切な孔サイズを有するフィルタを選択することによって、遊離の全ウイルス粒子を、ウイルス粒子の大きな凝集物から分離することが可能である。

0004

EP0188104 B1は、フィルタを含む開心術用貯蔵器(cardiotomy reservoir)のようなデバイスを通した血液生成物の濾過を記載する。上記フィルタは、上記デバイスを通る血液の重力流を改善するポリソルベート80で処理されている。しかし、その技術は、血液の濾過に限定されており、ワクチンのためのウイルスタンパク質もしくはビリオンのような治療用タンパク質の精製を開示していない。EP0188104は、大きなタンパク質凝集物を目的のタンパク質から除去するために濾過を使用しない。さらに、EP0188104は、本発明の下では必要でない、使用前にフィルタを乾燥させることを要する。

0005

WO/2011/051235は、インフルエンザワクチン製造において濾過性能を増大させるために、t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(TRITON X−100(登録商標))の添加を記載した。しかし、WO/2011/051235において、Tritonは、ウイルス調製物に添加され、フィルタを事前処理するために使用されていない。さらに、WO/2011/051235においては、スプリットした後および不活性化の前に添加される。本発明の場合には、スプリットする前に洗浄剤で処理したフィルタを使用することが好ましい。

先行技術

0006

欧州特許出願公開第0188104号明細書
国際公開第2011/051235号

課題を解決するための手段

0007

(発明の要旨)
ウイルス生成物の製造において、タンパク質性の物質の濾過、生成物の滅菌性および安全性は、重要である。不活性化工程は、感染性物質死滅させるために行われる。一般に、不活性化薬剤(例えば、ホルムアルデヒド)は、タンパク質性の物質の架橋を誘発することによって感染性複製機構を弱め、凝集したタンパク質もまた生成され得る。タンパク質性の物質を含む流体の濾過が著しく非効率であり得ることが、見出された。例えば、所望の生成物の量の実質的な減少は、濾過および精製工程にもかかわらず、および上記タンパク質性の物質の粒子サイズが上記フィルタを容易に通過すると予測されるような場合にすら、観察されてきた。

0008

本発明者らは、目的の生物学的生成物(例えば、タンパク質性の物質)のこのような意図しなかった喪失が、上記タンパク質性の物質を含む流体の濾過の前もしくはその間に、上記フィルタを処理することによって回避され得ることを決定した。特に、界面活性剤での膜フィルタの事前処理が、コントロール、すなわち、他の点では等価な条件下で使用した事前処理しなかった膜フィルタ(これは、他の点では同一)と比較して、目的の生物学的生成物の回収の収量において驚くべき改善を生じ得ることを予測外に発見した。

0009

よって、本発明は、大きな凝集した不純物を含む混合物から生物学的生成物(例えば、タンパク質)を精製する方法を提供する。本発明によれば、上記生物学的生成物は、大きなタンパク質凝集不純物を保持するサイズを有する適切なフィルタ膜を通して濾過される。上記疎水性フィルタは、上記フィルタ膜への上記目的の生物学的生成物の結合を低減する界面活性剤で事前処理される。

0010

本発明によって濾過され得る生物学的生成物としては、抗体、血液製剤、ウイルスタンパク質およびポリサッカリドが挙げられる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、未処理フィルタを通した濾過の後のインフルエンザウイルスの種々の株の%タンパク質喪失を図示する。

0012

図2は、インフルエンザウイルスの種々の株が未処理フィルタを通して濾過される時間に伴う流速の変化を図示する。
図2は、インフルエンザウイルスの種々の株が未処理フィルタを通して濾過される時間に伴う流速の変化を図示する。
図2は、インフルエンザウイルスの種々の株が未処理フィルタを通して濾過される時間に伴う流速の変化を図示する。

0013

図3は、未処理フィルタでの濾過前および濾過後のインフルエンザウイルスの株の粒子サイズ分布を図示する。
図3は、未処理フィルタでの濾過前および濾過後のインフルエンザウイルスの株の粒子サイズ分布を図示する。

0014

図4は、未処理フィルタでの濾過と比較して、本発明に従ってフィルタを処理することによって引き起こされる、回収されたウイルスの収量の増大を図示する。

0015

図5は、リン酸緩衝化生食塩水フラッシュ容積を変化させることで、除去されるポリソルベート80(Tween)の量を図示する。

0016

図6は、ポリソルベート80(Tween)で処理したフィルタと比較して、リン酸緩衝化生理食塩水溶液で処理したフィルタで濾過した場合のウイルスの%喪失を図示する。

0017

(発明の特定の実施形態の説明)
一局面において、本発明は、目的の生物学的生成物を、大きなタンパク質凝集物の不純物から精製するための方法に関する。よって、いくつかの実施形態において、少なくとも1種の目的の生物学的生成物を含むサンプル(例えば、流体)から凝集物を除去するための方法が提供される。

0018

本発明によれば、上記方法は、事前処理済み膜フィルタを提供するために、界面活性剤(例えば、界面活性剤溶液)で事前処理した適切な膜フィルタの使用を包含する。本明細書でさらに詳細に記載されるように、上記事前処理済み膜フィルタは、代表的には、上記工程後に乾燥されない。上記事前処理済み膜フィルタは、濾過工程の前に上記膜フィルタから過剰な(例えば、結合されていない)界面活性剤を除去するために、適切な緩衝液もしくは水で必要に応じて洗浄され得る。いったん事前処理済み膜フィルタが得られ、必要に応じて洗浄されたら、上記事前処理済み膜フィルタは、その後、目的の生物学的生成物を含むサンプル(例えば、流体サンプル)を濾過するために使用される。上記目的の生物学的生成物は、上記事前処理済み膜フィルタを通して濾過され、濾液として集められる。この工程は、上記サンプルから望まない大きな凝集物を除去する。

0019

いくつかの実施形態において、濾過の間に生物学的生成物の喪失を防止するための方法が提供される。製造する間に望まない生成物喪失を低減することは、特に生物生成物にとっては重要な要因である。濾過に関する回収の相対的収量は、濾過工程前にサンプル中に存在する生物学的生成物の初期量と、濾過工程後の濾液中に存在する上記生物学的生成物の最終量とを比較することによって、決定され得る。収量が可能な限り100%に近い、例えば、約100%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%などであることが望ましい。

0020

従って、本発明は、上記濾液中に上記生物学的生成物を回収するために、生物学的生成物の第1の量を含む流体を、上記事前処理済み膜フィルタに通して濾過し、ここで上記濾液は、上記生物学的生成物の第2の量を含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記生物学的生成物の第2の量は、上記生物学的生成物の第1の量の少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%である。

0021

代表的には、本発明の実施形態のうちのいずれかにおいて、適切な膜フィルタは、疎水性膜フィルタを含む。さらに、適切な膜フィルタは、目的の生物学的生成物を濾過すると同時に上記流体サンプル中に存在し得る凝集物を保持するために、孔サイズに基づいて選択される。本明細書において提示されるデータに示されるように、上記濾液中の生物学的生成物の回収の顕著に高い収量は、非事前処理コントロールと比較して、本明細書で記載される方法を使用して達成され得る。

0022

本発明は、1種もしくはそれより多くの生物学的生成物を含む組成物、特に、高純度を要する組成物を加工処理するのに有用である。従って、本発明は、薬学的生成物、栄養補助生成物および/もしくは化粧品の製造に有用である。いくつかの実施形態において、上記生物学的生成物は、タンパク質、ウイルス様粒子、ウイルス粒子、ビリオン、もしくはこれらの任意の組み合わせであるか、またはこれらを含む。

0023

いくつかの実施形態において、上記生物学的生成物は、上記フィルタ膜が洗浄剤で事前処理されており、そして上記事前処理が上記フィルタ膜への上記目的の生物学的生成物の結合を低減することによって、目的の生成物ではない大きなタンパク質凝集不純物を保持する孔サイズを有する疎水性フィルタ膜を通して濾過される。上記方法は、さらなる工程、特に、ヒトもしくは動物患者への投与に適した形態での上記目的の生物学的生成物の製剤化を包含し得る。

0024

好ましい実施形態において、上記目的の生物学的生成物はタンパク質である。大きなタンパク質凝集物は、上記目的の生物学的生成物のサイズ/重量に対して決定される。大きなタンパク質凝集物は、上記目的の生物学的生成物よりサイズおよび/もしくは重量が実質的に大きいと理解される。実質的により大きいとは、そのサイズおよび/もしくは重量が、上記目的の生成物より少なくとも8倍、好ましくは、10倍、15倍、20倍、30倍、50倍大きいことを意味する。タンパク質凝集物のサイズおよび重量は、例えば、ゲル電気泳動によって決定され得る。ウイルスが上記目的の生成物である場合、上記大きな凝集物のサイズは、少なくとも1μm、好ましくは、≧1.5μm;≧2μm;≧3μm;≧4μm;≧5μm;もしくは≧10μmである。ウイルスタンパク質、例えば、HAもしくはNA抗原が、上記目的の生成物である場合、上記大きな凝集物のサイズは、少なくとも0.2μm、好ましくは、≧0.5μm;≧0.8μm;≧1μm;≧2μm;≧3μm;≧4μm;≧5μm;もしくは≧10μmである。上記濾過の生成物が最終(治療用)生成物とはサイズ/重量において異なる場合(例えば、上記濾過された生成物がスプリット、切断、タグ化などによってさらに加工処理されることが理由で)、「目的の生成物」は、濾過工程の生成物を意味し、最終の(加工処理された)生成物を意味しない。

0025

一実施形態において、上記大きなタンパク質凝集物は、共有結合によって、例えば、ホルムアルデヒドによる架橋によって繋がれる。別の実施形態において、上記大きな凝集物は、非共有結合(例えば、イオン性もしくは疎水性結合)によって繋がれる。上記タンパク質凝集物は、非タンパク質成分(例えば、核酸もしくは炭水化物)を含み得る。好ましい実施形態において、上記目的の生物学的生成物は、上記フィルタ材料が本発明によって記載されるとおりに事前処理されなかった場合に、上記フィルタ材料に強く結合する。この結合は、上記目的の生成物の完全性および/もしくは生物学的機能を保持する条件下で不可逆的ですらあり得る。

0026

よって、本発明の一局面は、流体をフィルタに通して濾過するための方法を提供し、ここで上記流体は、ウイルスタンパク質、特に、インフルエンザ抗原を含み、上記方法は、(i)上記フィルタと界面活性剤を含む溶液とを接触させて、処理済みフィルタを生成する工程;および(ii)上記流体を上記処理済みフィルタに通して、濾液を得る工程を包含する。

0027

好ましい実施形態において、工程(i)は、工程(ii)の前に行われる。あるいは、工程(i)および工程(ii)は、以下で記載されるように、同時に行われ得る。

0028

別の局面において、流体をフィルタに通して濾過するための方法が提供され、ここで上記流体は、ウイルスもしくはウイルスタンパク質を含み、上記フィルタは、処理済みフィルタを生成するために、界面活性剤を含むウイルス調製物とは異なる溶液と接触させられており、上記方法は、上記流体を上記処理済みフィルタを通過させて、濾液を得る工程を包含する。生成される濾液は、ワクチン製剤を生成するために、クロマトグラフィー精製深層濾過、および/もしくは滅菌のようなさらなる加工処理に供され得る。

0029

別のアプローチは、もしくは細胞培養から培養されたウイルスタンパク質を調製することである。使用され得る製造技術としては、培養中の卵もしくは細胞培養物中でウイルスを増殖させること、上記ウイルスを含む混合物を清澄にして、デブリを除去すること、上記混合物を化学的にもしくは物理的に不活性化すること、上記不活性化したウイルスを、界面活性剤で処理したフィルタを通して濾過すること、次いで、上記ウイルスをワクチンへとさらに加工処理することが挙げられる。本明細書において提示される知見に基づけば、当業者は、上記処理済みフィルタ上で濾過するためのサンプルを調製することも、またはワクチンへの製剤化のための免疫原性タンパク質を生成するために、本発明の方法を使用して清澄化、不活性化、濾過および/もしくはスプリットされたサンプルを濾過することもできる。

0030

よって、本発明は、流体をフィルタに通して濾過するための方法を提供し、ここで上記流体は、ウイルスタンパク質を含み、上記方法は、卵の中でもしくは細胞培養物中で増殖させたインフルエンザウイルスを含むサンプルを提供する工程;上記ウイルスを不活性化薬剤で不活性化して、不活性化ウイルスを提供する工程;上記不活性化ウイルスを、界面活性剤で処理した疎水性フィルタに通して濾過する工程;上記ウイルスをスプリットし、上記不活性化ウイルスをワクチンへと加工処理する工程を包含する。この実施形態において、上記濾過を、上記大きな凝集物がスプリット効率を下げるので、上記スプリットする工程の前に行うことは、好ましい。

0031

代替の実施形態において、本発明は、流体をフィルタに通して濾過するための方法を提供し、ここで上記流体は、ウイルスタンパク質を含み、上記方法は、(i)卵の中でもしくは細胞培養物中で増殖させたインフルエンザウイルスを含むサンプルを提供する工程;(ii)上記ウイルスをスプリットする工程;(iii)上記スプリットしたウイルスを、界面活性剤で処理した疎水性フィルタに通して濾過する工程;(iv)必要に応じて、上記ウイルスを不活性化する工程;(v)必要に応じて、上記ウイルス抗原をワクチンへと製剤化する工程、を包含する。

0032

代替の実施形態において、本発明は、流体をフィルタに通して濾過するための方法を提供し、ここで上記流体は、ウイルスタンパク質を含み、上記方法は、(i)卵の中でもしくは細胞培養物中で増殖させたインフルエンザウイルスを含むサンプルを提供する工程;(ii)上記ウイルスをスプリットする工程;(iii)上記ウイルスを不活性化する工程;(iv)上記スプリットウイルスを、界面活性剤で処理した疎水性フィルタに通して濾過する工程;(iv)必要に応じて、上記ウイルスタンパク質をワクチンへと製剤化する工程を包含する。

0033

関連する局面において、本発明は、濾過工程の前もしくは後に上記ウイルスを精製する工程をさらに包含する方法を提供する。ウイルス粒子およびタンパク質の精製は、深層濾過のような最適な技術を使用して達成され得、その選択は、当業者に公知であり、出発材料の特性および必要とされる濾液の品質によって左右される。適切な深層濾過としては、タンジェンシャルフロー濾過限外濾過クロスフロー濾過透析濾過などが挙げられる。

0034

別の関連する局面において、本発明の方法は、濾過工程の前に、スプリット剤で上記ウイルスをスプリットする工程をさらに包含する。当該分野で公知の適切なスプリット剤が使用され得る(例えば、β−プロピオラクトン(BPL)もしくはセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB))。

0035

さらに別の局面において、本発明の方法は、上記流体を上記処理済みフィルタを通過させてその濾液を得る前に、上記処理済みフィルタをフラッシュして、結合されていない界面活性剤の少なくとも一部を除去する工程を提供する。

0036

上記流体は、上記フィルタを通してタンパク質を運ぶために適している任意の媒体であり得る。このような適切な流体の例は、水、もしくは水を含む流体である。適切な流体としては、水性緩衝液、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水、クエン酸酢酸、K2HPO4、CHES、ボレート、TAPSビシントリス、トリシン、TAPSO、HEPES、TES、MOPS、PIPES、カコジレート、SSC、MES、もしくはコハク酸が挙げられる。上記流体は、5.0〜8.1の間、およびより代表的には、6.0〜8.0の間、例えば、6.5〜7.5の間、もしくは7.0〜7.8の間のpHを有し得る。

0037

上記流体に存在するタンパク質は、ウイルスタンパク質であり得る。上記タンパク質がインフルエンザウイルスタンパク質、特に、表面糖タンパク質であることは、特に好ましい。

0038

上記流体中のタンパク質は、可溶性のビリオン形態であってもよいし、サブビリオン粒子であってもよい。従って、インフルエンザウイルスタンパク質(例えば、ヘマグルチニン)は、溶液中に存在し得るか、またはインフルエンザビリオンの一部として存在し得る。従って、上記流体は、1種より多くのタンパク質(例えば、ヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼ)を、全ビリオンもしくはサブビリオン形態のいずれかで含み得る。

0039

上記フィルタは、ポリマー疎水性材料を含み得る。特に、上記フィルタは、ポリプロピレンポリビニリデンクロリド、銅アンモニア再生セルロース、ポリビニリデンフルオリドPVDF)、ポリスルホンポリエーテルスルホンナイロンポリエステル、およびPEEKのうちの少なくとも1種を含み得る。上記フィルタは、好ましくは、ポリプロピレンフィルタである。なぜなら本発明は、ポリプロピレンフィルタを用いると特に有効であることが見出されたからである。好ましいフィルタは、複数のポリプロピレン層および0.65ミクロン〜50ミクロンの範囲に及ぶ種々の孔サイズを含むSARTOBIND PP2深層フィルタである。

0040

上記フィルタは、好ましくは、サイズによって分子を選択的に保持する層を形成するために、繊維から織られる。使用され得る代替のフィルタとしては、サイズおよび/もしくは電荷によって溶液中の分子を選択的に保持するゲルもしくは他の樹脂が挙げられる。複数のフィルタが、サンプル特性に依存して、逐次的にもしくは同時に使用され得る。

0041

上記フィルタは、処理済みフィルタを生成するために、界面活性剤を含む溶液と接触させられる。生物学的生成物を濾過する前に、上記フィルタを湿った状態に維持することは好ましい。従って、上記フィルタを使用前に乾燥させないことは好ましい。好ましい実施形態において、精製プロセス内で既に利用されている洗浄剤が使用され、その結果、さらなる下流の加工処理からこれを除去することに関する懸念はあまりない。

0042

上記界面活性剤は、好ましくは、非イオン性界面活性剤である。上記界面活性剤は、好ましくは、親水性界面活性剤である。本発明の好ましい界面活性剤は、少なくとも10、好ましくは少なくとも15、およびより好ましくは少なくとも16のHLB親水性親油性バランス)を有する。上記界面活性剤は、セトマクロゴール1000、セトステアリルアルコールセチルアルコールコカミドDEA、コカミドMEAデシルグルコシド、IGEPAL CA−630、Isoceteth−20、ラウリルグルコシドモノラウリンナローレンジエトキシレート(Narrow range ethoxylate)、Nonidet P−40、ノノキシノール−9、ノノキシノール、NP−40、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテルオクチルグルコシドオレイルアルコールペンタエチレングリコールモノドデシルエーテルポロキサマー、ポロキサマー407、ポリグリセロールポリリシノレートポリソルベートソルビタンモノステアレートソルビタントリステアレートステアリルアルコール、およびTriton X−100から選択され得る。一局面において、選択される界面活性剤は、疎水性相互作用を低減させ、そして上記フィルタに不可逆的に結合するべきであるが、上記タンパク質もしくはその免疫原性をスプリットも破壊もしない。好ましい実施形態において、上記フィルタを処理するために使用される洗浄剤は、スプリット剤として使用されるものとは異なる。

0043

上記界面活性剤がポリソルベートであることは、特に好ましい。可能なポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80である。ポリソルベートの特に好ましい形態は、ポリソルベート80であり、これはTween 80としても公知である。しかし、Tweenと類似の特性を有する、例えば、類似の高HLB値を有する洗浄剤を使用することもまた好ましい。

0044

上記溶液中の界面活性剤の質量濃度は、0.1〜10%w/v 界面活性剤、あるいは0.1〜5%w/v 界面活性剤、あるいは0.1〜2%w/v、もしくは0.01〜1.0%w/v(例えば、0.1%w/v、0.2%w/v、0.3%w/v、0.4%w/v、0.5%w/v、0.6%w/v、0.7%w/v、0.8%w/v、0.9%w/vおよび1.0%w/v)の範囲内にあり得る。界面活性剤濃度は、上記界面活性剤の臨界ミセル濃度を上回る量(例えば、参考として、ポリソルベート80に関しては、0.0016%w/vより高く)を含み得る。好ましくは、上記界面活性剤溶液は、0.6%w/v 界面活性剤の質量濃度を有する。なぜならこの量は、特に有効であることが見出されているからである。

0045

上記フィルタのこの処理は、上記タンパク質を上記フィルタと接触させる前に起こり得る。このようにして、上記タンパク質は、処理済みフィルタと接触するのみであり、上記事前処理の有益な効果は、その濾過された流体の全てで利用される。しかし、上記ポリソルベート80を、上記流体の濾過とともに上記フィルタを通過させることもまた、可能である。この後者のアプローチは依然として、本発明の有益な効果を生じる。

0046

上記タンパク質を含む流体は、得られる濾液を生じるために、上記処理済みフィルタを通過させられる。上記濾液は、本発明に従って処理されていないフィルタを使用する場合に生じる濾液と比較して、目的のタンパク質性の物質のより低い損失によって特徴付けられる。上記処理済みフィルタは、未処理フィルタと比較して、通過画分中の所望の生成物の収量を増大させる。理論によって拘束されることを望まないが、界面活性剤を含む溶液での上記フィルタの処理は、ウイルスタンパク質および選択されたビリオンが濾過プロセスの間に上記フィルタへ結合するのを阻害すると考えられる。この結合は、上記目的のウイルスタンパク質の完全性および抗原性を保持する条件下で、強力で不可逆的ですらあり得る。本発明に従うフィルタの処理がなければ、選択的に上記フィルタを通過し得、よって得られる濾液中に存在し得るタンパク質、特に、ビリオンの量は、有意に減少する。

0047

上記フィルタを処理した後かつ目的の調製物を濾過する前に、結合されていない界面活性剤のうちの少なくとも一部分は、上記フィルタを流体でフラッシュすることによって除去され得る。

0048

フラッシュは、緩衝溶液を使用して達成され得る。上記緩衝溶液は、リン酸緩衝化生理食塩水、クエン酸、酢酸、K2HPO4、CHES、ボレート、TAPS、ビシン、トリス、トリシン、TAPSO、HEPES、TES、MOPS、PIPES、カコジレート、SSC、MES、もしくはコハク酸であり得る。上記緩衝溶液がリン酸緩衝化生理食塩水であることは、好ましい。この工程は、上記界面活性剤のうちの少なくともいくらかを除去するが、本明細書で記載される有利な特性を示す処理済みフィルタを依然として生じる。

0049

処理済みフィルタは、本明細書で記載される界面活性剤を含む溶液が接触したフィルタである。このような処理済みフィルタは、未処理フィルタと比較して、上記処理済みフィルタを通過しない目的のタンパク質性の物質の量の実質的減少を生じる。

0050

本発明で使用されるフィルタの孔サイズは、0.1ミクロン〜10ミクロン(本明細書で使用される場合、ミクロンとはマイクロメートルを指す)の範囲であり得、あるいは1ミクロン〜6ミクロン(例えば、1.0ミクロン、1.5ミクロン、2.0ミクロン、2.5ミクロン、3.0ミクロン、3.5ミクロン、4.0ミクロン、4.5ミクロン、5.0ミクロン、5.5ミクロン、および6.0ミクロン)の範囲であり得る。本発明では、この孔サイズのフィルタを用いると特に有効であることが見出された。

0051

分離能力に関してフィルタの適性を評価する場合、形成し得かつ上記フィルタによって抑えられ得る凝集物のサイズを知ることは、望ましい。特定の局面において、インフルエンザウイルスは、120〜180nmの個々の粒子サイズを有することが公知である。従って、凝集不純物を十分に抑えるが、所望の生成物(例えば、個々の全ウイルス粒子、ヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼタンパク質)の通過を可能にするフィルタを使用することは、好ましい。凝集物から全ウイルスを精製するために、少なくとも1.0ミクロン、2.0ミクロン、3.0ミクロン、4.0ミクロン、5.0ミクロンのフィルタが利用される。

0052

好ましくは、上記フィルタは、本明細書で記載される深層濾過技術において利用される。

0053

上記で留意されるように、本発明では、インフルエンザウイルスタンパク質に特に有効であることが見出された。従って、上記流体中のタンパク質は、インフルエンザ表面タンパク質であり得る。上記インフルエンザ表面タンパク質は、全ウイルスから単離されていてもよいし、全インフルエンザウイルスの一部として、インサイチュで表面タンパク質の形態で存在してもよい。上記インフルエンザウイルスは、インフルエンザAウイルスもしくはインフルエンザBウイルスであり得る。上記インフルエンザウイルスがインフルエンザAウイルスである場合、これはインフルエンザAウイルスHAサブタイプH1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15もしくはH16のいずれを有してもよく、およびインフルエンザAウイルスNAサブタイプN1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8もしくはN9のいずれを有してもよい。上記インフルエンザウイルスがインフルエンザBウイルスである場合、これはB/Victoria/2/87様もしくはB/Yamagata/16/88様の株であり得る。

0054

インフルエンザウイルスは、細胞株を使用して増殖させられ得るが、初代細胞が代替として使用され得る。上記細胞は、代表的には、哺乳動物のものであるが、トリもしくは昆虫の細胞もまた使用され得る。適切な哺乳動物細胞としては、ヒト、ハムスターウシ霊長類およびイヌの細胞が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、上記細胞は、ヒト非腎臓細胞もしくは非ヒト細胞である。種々の細胞が使用され得る(例えば、腎臓細胞、線維芽細胞網膜細胞肺細胞など)。適切なハムスター細胞の例は、名称HK21もしくはHKCCを有する細胞株である。適切なサル細胞は、例えば、アフリカミドリザル細胞(例えば、Vero細胞株におけるような腎臓細胞)である。適切なイヌ細胞は、例えば、CLDKおよびMDCK細胞株におけるような腎臓細胞である。適切なトリ細胞としては、ニワトリ胚性幹細胞由来するEBx細胞株、EB45、EB14、およびEB14−074が挙げられる。

0055

本発明の方法に従って調製されるインフルエンザウイルスは、US1498261に記載されるように、卵の中で培養され得る。基本的には、上記ウイルスを含む尿膜腔液プールされ、上記ウイルスは濃縮され、リン酸緩衝化生理食塩水中のスクロース勾配による遠心分離によって精製される。上記ウイルスは、リン酸緩衝化生理食塩水中での透析によってさらに濃縮され、不活性化される。上記HAおよびNAタンパク質は、CTABとの反応によって上記ウイルスからスプリットされ、次いで、ウイルス残留粒子をタンパク質から分離するために、勾配遠心分離もしくはモレキュラーシーブクロマトグラフィーによって準備される。従って、本発明の一部は、以下の工程が行われるインフルエンザワクチンを調製するためのプロセスである:(1)ウイルスを卵の中で培養する;(2)上記ウイルスを含む尿膜腔液を採取する;(3)上記ウイルスを、濃縮および精製する;(4)上記ウイルスを不活性化する;(5)上記ウイルスを、洗浄剤で事前処理した膜に通して濾過する;(6)上記ウイルスを、CTABでの処理によってスプリットする;(7)目的のウイルスタンパク質を精製する、および(8)必要に応じて、上記ウイルスタンパク質をワクチンへと製剤化する。

0056

US20110243987は、ウイルスタンパク質の適切な調製の詳細な説明を提供する。基本的には、その製造プロセスは、4つの主要な部分に分けられ得る:1)ニワトリ受精卵中でのワーキングシードの増殖、「粗製の一価全ウイルスバルク」を得るために、感染した尿膜腔液の採取およびプール。2)「精製した一価全ウイルスバルク」をもたらす各ウイルス株の精製。3)「精製した一価スプリットウイルスバルク」を生じる、デオキシコール酸ナトリウムでの上記精製済み一価全ウイルスバルクのスプリット。4)デオキシコール酸ナトリウムを用いたインキュベーションおよびホルムアルデヒドを用いたインキュベーションによる2工程における上記精製した一価スプリットウイルスバルクの不活性化、続いて、「精製した一価不活性化スプリットウイルスバルク」もしくは「一価バルク」を得るための限外濾過および滅菌濾過

0057

上記精製した一価全ウイルスバルクの製造は、以下のとおりである:採取した尿膜腔液を、連続中速度遠心分離によって清澄にする。この工程では、尿膜腔液の採取の間に集められる可能性がある大きな粒子(例えば、卵殻の一部)を除去する。吸着工程:この工程は、二塩基性リン酸水素カルシウムゲルへの吸着によって、ウイルス材料沈殿を介した上記尿膜腔液のさらなる清澄化を可能にする。少なくとも8時間から最大36時間までの沈積の後、その上清を除去し、上記インフルエンザウイルスを含む沈積物を、8.7%EDTA二ナトリウム溶液中に再溶解する。濾過:再懸濁したインフルエンザ沈積物を、6μmフィルタ膜に通して濾過して、潜在的な残留ペレットを除去する。

0058

フロースルー超遠心分離:上記インフルエンザウイルスは、線形スクロース勾配中での等密度超遠心分離によってさらに精製(タンパク質およびリン脂質の除去)および濃縮される。上記ウイルス含有画分は、限外濾過によってさらに精製される。上記精製した一価スプリットウイルスバルクの製造は、以下のとおりである:上記インフルエンザウイルスはスプリットされ、1.5%デオキシコール酸ナトリウムを含む線形スクロース勾配を介した遠心分離によってさらに精製される。Tween−80は、上記勾配中0.1%で存在する。

0059

上記精製した最終一価スプリット不活性化ウイルスバルクの調製は、以下のとおりである:上記精製した一価スプリットウイルスバルクを、0.45μmフィルタ膜に対して徐々に落として濾過し、短時間超音波処理し(濾過を容易にするため)、0.2μm膜に通して濾過する。濾過の最後には、上記フィルタは、0.025% Tween−80を含むリン酸緩衝液すすがれる。デオキシコール酸ナトリウム不活性化:得られた溶液は、22±2℃で少なくとも84時間インキュベートされる。第1の不活性化工程の完了後、上記材料は、総タンパク質含有量を500μg/mLという計算された濃度へと低下させるために、リン酸緩衝液で希釈される。

0060

ホルムアルデヒド不活性化:ホルムアルデヒドは、100μg/mLという計算された終濃度になるまで添加される。不活性化は、単回使用の低密度ポリエチレン100Lバッグの中で、20±2℃で少なくとも72時間行う。不活性化されたスプリットウイルス材料は、分子量カットオフ30,000ダルトンである膜を通して限外濾過される。容積を低減させた後、上記容積は、リン酸緩衝液および0.01%Tween−80を含むリン酸緩衝化生理食塩水を添加することによって、限外濾過(透析濾過)の間は一定のままである。限外濾過の間に、ホルムアルデヒド、NaDocおよびスクロースの含有量は低減される。上記材料は15〜25リットルへと濃縮され、最終濾過工程へと直ぐに移される。滅菌濾過:限外濾過後、上記スプリット不活性化材料は、0.2μm膜に対して徐々に落として濾過される。上記最終滅菌濾過は、0.22μm滅菌グレード膜を通す。

0061

本発明は、US20110243987に記載されるプロセスの間の異なる工程に対して適用され得る。本発明の一実施形態は、以下の工程が行われる精製した一価全ウイルスバルクを生成するための方法である:(1)インフルエンザウイルスを卵の中で培養する;(2)その尿膜腔液を採取し清澄にする;(3)上記ウイルスを含む尿膜腔液をプールする;(3)上記ウイルスを、二塩基性リン酸水素カルシウムゲルへの吸着によって沈殿させる;(4)上記ウイルスを再懸濁する;(5)上記ウイルスを、洗浄剤で事前処理した膜に通して濾過する。

0062

別の実施形態は、以下の工程が行われる精製した一価スプリットウイルスバルクの生成である:(1)精製した一価スプリットウイルスバルクをスプリットする(好ましくは、デオキシコール酸ナトリウムで);(2)上記スプリットウイルスを精製する(好ましくは、遠心分離によって);(3)上記精製済みスプリットウイルスを、洗浄剤で事前処理したフィルタ膜に通して濾過する。好ましくは、上記フィルタ膜は、0.45μmフィルタ膜、その後、0.2μm膜である。

0063

本発明の別の実施形態は、以下の工程が行われる、不活性化した精製一価不活性化スプリットウイルスバルクの生成である:(1)精製した一価スプリットウイルスバルクを不活性化する;(2)上記不活性化した精製一価バルクを、洗浄剤で事前処理したフィルタ膜に通して濾過する。好ましい実施形態において、上記不活性化は、デオキシコール酸ナトリウムおよびホルムアルデヒドを用いて行われる。

0064

本発明ではまた、ポリソルベート80およびポリプロピレンフィルタの組み合わせが特に有効であることが見出された。この組み合わせは、上記インフルエンザウイルスおよびサブビリオン粒子を含む流体に特に有効である。

0065

本発明の方法は、濾液を得るために、タンパク質を含む流体を1つより多くのフィルタを通過させることを包含し得る。1つより多くのフィルタが使用される場合、上記フィルタのうちの少なくとも1つが、処理済みフィルタである。好ましくは、上記濾液を生成するために使用されるフィルタのうちの全てが、処理済みフィルタである。例えば、上記流体は、2つの処理済みフィルタを通過させられ得た。上記方法で使用される上記処理済みフィルタの各々は、互いに同じ孔サイズを有し得る。代替的に、上記フィルタのうちの1つ以上が、上記方法において使用される他のフィルタとは異なる孔サイズを有し得る。1つの可能な取り合わせにおいて、上記流体は、濾液を生成するために、5μmの孔サイズを有する処理済みフィルタ、次いで、1.2μmの孔サイズを有する処理済みフィルタを通過させられる。

0066

本発明の方法は、少なくとも1つのさらなる精製工程を含み得る。上記タンパク質が全ウイルスの一部として存在する場合、本発明の方法は、上記ウイルスを不活性化する工程をさらに包含し得る。本発明の方法はまた、さらなる加工処理工程、例えば、上記ウイルスを不活性化する工程の前もしくは後に、少なくとも1つのさらなる精製工程を含み得る。当業者は、タンパク質およびウイルスの精製のために必要とされる最適な加工処理工程を適用し得る。

0067

一局面において、本発明は、本明細書で記載されるとおりに上記流体を濾過する工程およびその濾液から免疫原性組成物を調製する工程を含む、免疫原性組成物を生成するための方法に関する。上記免疫原性組成物は、好ましくは、インフルエンザワクチン、例えば、三価ワクチン、一価ワクチン四価ワクチンもしくは七価ワクチンである。

0068

ワクチン(特に、インフルエンザウイルスに関するもの)は、一般に、生ウイルスもしくは不活性化ウイルスのいずれかに基づく。不活性化ワクチンは、全ビリオン、「スプリット」ビリオン、もしくは精製表面抗原に基づき得る。抗原はまた、ビロソームの形態で提示され得る。本発明は、これらワクチンタイプのいずれを製造するために使用してもよい。不活性化ウイルスが使用される場合、上記ワクチンは、全ビリオン、スプリットビリオン、もしくは精製表面抗原(インフルエンザに関しては、ヘマグルチニンを含み、通常はノイラミニダーゼも含む)を含み得る。

0069

本発明の方法はまた、生ワクチンを生成するために使用され得る。このようなワクチンは、通常、ウイルス含有流体からビリオンを精製することによって調製される。

0070

本発明の別の局面は、本明細書で記載される方法によって生成される濾液を使用して、免疫原性組成物を生成するための方法に関する。

0071

本発明の一局面は、本発明の方法によって生成される濾液に関する。上記濾液は、上記フィルタを容易に通過するはずのである粒子サイズ範囲においては少量のタンパク質喪失を有する点で特徴付けられる。言い換えると、本発明の濾液は、先行技術の濾液と比較した場合に、遙かに低いタンパク質喪失を有する。

0072

上記フィルタ孔サイズに対するそのサイズに起因して、上記フィルタを通過すると予測される上記濾液中に存在するタンパク質の量は、上記フィルタ孔サイズに対するそのサイズに起因して、上記フィルタを通過すると予測される濾過前流体中に存在するタンパク質の量より10%未満だけより少なくてもよい。それは、8%未満だけより少なくてもよく、好ましくは5%未満、4%未満、3%未満、2%未満もしくは1%未満だけより少なくてもよい。

0073

未処理フィルタの濾液に対して、本発明の濾液中のタンパク質の収量の得られる増大は、10%もしくはそれより多く、15%もしくはそれより多く、または好ましくは20%だけより多くもしくはそれより多く、30%だけより多くもしくはそれより多く、40%だけより多くもしくはそれより多く、50%だけより多くもしくはそれより多く、60%だけより多くもしくはそれより多く、70%だけより多くもしくはそれより多く、80%だけより多くもしくはそれより多く、90%だけより多くもしくはそれより多くであり得る。

0074

上記濾液中に存在するタンパク質の量は、当該分野で公知の方法のうちのいずれかを使用して測定され得る。例えば、存在するタンパク質の量は、タンパク質に関するBCAアッセイを使用して測定され得る。上記タンパク質がインフルエンザウイルスの形態である場合、それはまた、インフルエンザウイルスRNAに対して特異的な定量的PCRアッセイによって測定され得る。

0075

他の局面において、本発明は、本発明の方法における使用のための処理済みフィルタに関する。特に本発明は、ワクチン製造における事前処理済みフィルタの使用に関する。上記フィルタは、界面活性剤を含む溶液で処理され、その結果、タンパク質性の物質が上記フィルタに結合する傾向が低減される。上記フィルタは、本明細書中上記で記載されるとおりに処理され得る。上記フィルタは、本明細書中上記で記載されるとおりの組成を有し得る。

0076

本発明は、以下の実施例によってさらに例証され、上記実施例は、限定として解釈されるべきではない。

0077

濾過を、ホルムアルデヒド不活性化全インフルエンザウイルスの精製溶液の選択に際して行った。このような工程は、Tween 80およびセチルトリアンモニウムブロミド(CTAB)界面活性剤の添加によって上記ウイルスを可溶化する前に、任意の大きなウイルス複合体もしくは凝集物を濾過により除外するために、インフルエンザウイルスの加工処理において利用される。

0078

インフルエンザウイルスは多形性の構造を有するが、その平均直径に関する合理的予測は、およそ120nm(0.12ミクロン)である。利用した清澄にする濾過は、2つのポリプロピレンフィルタ()孔サイズ5ミクロンを有する第1のフィルタ、公称孔サイズ1.2ミクロンを有する第2のフィルタを通す二段階プロセスであった。従って、遊離の個々のウイルス粒子は、これらフィルタを容易に通過するはずである一方で、上流の加工処理の間に形成され得る大きな凝集物は、上記フィルタによって抑えられる。任意のこのような凝集物が上記プロセスから除去されることは重要である。なぜならそれらは、その後のウイルススプリット段階の間に効率的に可溶化されないからである。全ての濾過された材料の割合としての大きな凝集物の数は、非常に少ないと推測されるが、インフルエンザウイルス株特異的であり得る。

0079

上記プロセスのこの段階に対して行われる予備的な物質収支決定から、この濾過に供された当初の材料中のタンパク質の代表的にはおよそ30%は、回収されないことが示された。図1は、3種の異なるインフルエンザウイルス株:A/Victoria(2010)、B/FloridaおよびA/Californiaにわたる多くのバッチに関して観察された喪失を示す。

0080

失われたタンパク質は、インフルエンザウイルスRNAに特異的な定量的PCRアッセイを使用して、ウイルスであることを確認した。全てのサンプルを、qPCR分析を開始する前にRNAase酵素で処理して、非ウイルス性RNAの検出を排除した。濾過前材料および濾過後材料のSDS−PAGE分析からも、全ウイルスタンパク質が上記プロセスから除去されていることを確認した。

0081

qPCRによって評価した3種の株に関して、フィルタ詰まりが加工処理の間に観察された。これは、加工処理の過程で流速が徐々に低下することによって示される(図2)。各例において、18リットルの生成物を、濾過系列(train)にわたって設定流速約1.9リットル/分でポンプ輸送した(Sartopure PP2 5ミクロン/1.2ミクロン)。上記フィルタは、上記18リットルのうちの10〜13リットルの間の容積を加工処理した後に詰まった。この時点で、新たなフィルタ系列を使用した。

0082

これらフィルタを通る生成物の顕著な量の喪失およびそれらのその後の詰まりは、予期しなかった。上記生成物をさらに特徴付けるために、濾過前サンプルおよび濾過後サンプルを、CPSDisc Centrifuge粒子サイズ測定手順によって分析した。

0083

B/BrisbaneバッチのCPS粒子サイズ測定プロファイルを、図3に示す。濾過前サンプルおよび濾過後サンプルの両方を分析したところ、サイズ分布プロファイルにおいて差異は観察されなかった。

0084

これら知見は、A/Victoria(2010)インフルエンザウイルス株でも繰り返され;濾過前に検出された有意な量の直径1.2ミクロンより大きな粒子が存在する例はなかった。

0085

上記フィルタを通過することが妨げられる材料は、上記孔サイズより小さかったので、上記材料は上記フィルタマトリクスに結合し得、上記孔を潜在的に覆い隠し得ると結論づけられ得る。B/Brisbaneを清澄にするために使用したフィルタを使用後に取り外し、クーマシーブルー色素でタンパク質を染色し、コントロールと比較した。濃い染色が上記5ミクロンフィルタおよび1.2ミクロンフィルタの両方で認められた。これは、コントロールでは認められなかった。

0086

アセトニトリルヘキサン酢酸エチル、水、クロロホルムおよび生理食塩水を使用して、結合したタンパク質を除去しようと試みた。上記タンパク質(全ウイルス)は不可逆的に結合しており、回収できなかった。

0087

300mlのPBSもしくは300mlの0.6%w/vポリソルベート80のいずれかでフラッシュしたフィルタサンプルを、100mlの濾過前サンプルに10分間浸漬し、取り出し、クーマシーブルーで先のように染色した。これら結果は、上記フィルタ材料へのタンパク質吸着が、生成物を物理的にポンプ輸送して上記フィルタを通過させない場合に急速に起こることを示した。これら結果はまた、タンパク質吸着のレベルが、上記フィルタ表面をポリソルベート80で処理した場合には有意に低減されたことを示す。

0088

精製したインフルエンザウイルスのいくつかのバッチを、各々2つに分け、標準的なポリプロピレンフィルタまたはポリソルベート80で予め調整した(予め湿らせた)もののいずれかで濾過した。タンパク質に関するBCAアッセイによって検出した場合の、ウイルスの回収の増大が、上記調整したフィルタを用いた6つのバッチ全てで認められ、図4に示されるように、改善は、21〜33%の範囲に及んだ。

0089

上記インフルエンザウイルスの改善された濾過特性を達成するために、ポリソルベート80界面活性剤が上記生成物に添加される必要はない。ポリソルベート80を、上記フィルタに結合させることができ、遊離の結合されなかった界面活性剤は、上記生成物をより後の段階で上記フィルタを通過させる前に、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)でフラッシュすることによって除去され得る。上記結合されなかった界面活性剤を除去するために必要とされるフラッシュ容積は、図5に図示される。

0090

さらなる研究で、PBSで湿らせたフィルタもしくはポリソルベート80で湿らせたフィルタのいずれかを使用して起こったウイルスの相対的喪失を比較した。再度、ウイルス回収における顕著な改善が、ポリソルベート80で予め調整することで観察された(図6中のバッチ番号1)。上記ポリソルベート80で予め調整したフィルタを通過するのに成功したウイルス材料を、その後2つに分けた。1部分を、通常のPBSで湿らせたフィルタを通過させた;第2の部分をポリソルベート80で湿らせたフィルタを通過させた。相対的喪失もまた、図6に(バッチ番号2と表示)に示す。無視できる程度の喪失が、上記ポリソルベート80で湿らせたフィルタで検出された一方で、上記PBSで湿らせたフィルタに関しては、上記ウイルスのうちの26%が失われた。従って、ポリソルベート80で湿らせたフィルタを通過することに成功したウイルスの大きな割合は、標準的な未処理フィルタにその後結合することが見出された。

0091

本発明を、具体例を参照することによって記載してきた。しかし、本願は、これら例に限定されるとは見做されるべきでない。本願の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。

0092

上記の個々の節で言及される本発明の種々の特徴および実施形態は、適切な場合、必要な変更を加えて他の節にも適用される。結論として、1つの節で特定された特徴は、適切な場合、他の節で特定された特徴と組み合わせられ得る。

実施例

0093

当業者は、慣用的実験のみを使用して、本明細書で記載される発明の具体的実施形態に対する多くの均等物を認識するかもしくは確認し得る。このような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されると意図される。

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