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技術 C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化方法

出願人 メキシケムフローエセ・ア・デ・セ・ヴェ
発明者 クレア・イー・マクギネスアンドリュー・ポール・シャラット
出願日 2014年10月24日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2016-526003
公開日 2016年11月4日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2016-534080
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード 熱化学的処理 担持液体 上流プロセス 追加金属 操作サイクル ゼロ価金属 気液分離容器 一般常識
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課題・解決手段

本発明は、(a)C3−7(ヒドロ)(ハロフルオロアルケンを含む反応器供給流を用意する工程、及び(b)アルミナを含む触媒と前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを接触させて前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを異性化する工程であって、前記触媒のナトリウム含有量が約800ppm未満である工程を含んでなる、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化方法に関する。

概要

背景

本明細書における情報又は既発表文献の掲載又は考察は、当該情報又は文献が技術水準の一部であるか、又は一般常識であることを認めるものとして必ずしも受け取るべきではない。

多くの(ヒドロ)(ハロフルオロアルケンが、構造異性体又は幾何異性体として存在しうる。シス/トランス異性又はE/Z異性としても知られる幾何異性は、二重結合のまわりの置換基の配置によって異なる。例えば、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze)及び2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234yf)は、互いの構造異性体である。1234zeは、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(Z))及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(E))という2つの幾何異性体としても存在する。

幾何異性体は、典型的には、異なる物理的特性(例えば、沸点)及び/又は化学的特定(例えば、反応性)を有する。これらの異なる特性は、シス異性体では置換基の双極子モーメントが加わる傾向がある一方、トランス異性体では置換基の双極子が互いに相殺される傾向があることに起因する可能性がある。シス/トランス異性体の異なる物理的及び/又は化学的特性の結果として、特定の用途向けには一方の異性体が他方よりも好ましい場合がある。そのため、一方のシス/トランス異性体を他方に変換できることが望ましい場合がある。

幾何異性体として存在する(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンなどのアルケンの製造方法においては、典型的には、シス/トランス異性体の両方が形成されることになる。形成される各シス/トランス異性体の量は、各シス/トランス異性体の動力学的及び熱力学的安定性など数多くの要素によって異なる場合がある。一方の異性体が他方よりも好ましいのであれば、(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの効用によっては、一方のシス/トランス異性体を他方に変換するのが望ましい場合もある。また、(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンなどのアルケンの製造過程で、一方のシス/トランス異性体を他方の(好ましい)シス/トランス異性体に異性化することが望ましい場合がある。

WO2008/008351は、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペンにおけるE異性体に対するZ異性体の比を高めることが可能であると記載している。これは、AlF3又は炭素担持されたSbClwF5−w、TiClxF4−x、SnClyF4−y、及びTaClzF5−zから選択される触媒を用いて可能であるといわれ、ここではwは0〜4であり、xは0〜3であり、yは0〜3であり、zは0〜4である。さらに、WO2008/030443の実施例では、破砕した酸化クロムゲルペレット触媒を用いた1234ze(Z)への1234ze(E)の部分的な異性化が記載されている。

WO2008/125825は、(ヒドロハロ)フルオロアルケンの異性化方法指向するものである。この方法は、非担持ルイス酸を含む触媒、少なくとも1つの追加金属を含むクロミア含有触媒アルミナ担持液体触媒、及びこれらの混合物と(ヒドロハロ)フルオロアルケンを接触させることを含んでなる。

EP−A−1,918,269は、ハロゲン化金属酸化物ルイス酸金属ハロゲン化物ゼロ価金属、及びこれらの組合せからなる群から選択される金属系触媒を用いた1234ze(E)への1234ze(Z)の変換方法に関するものである。

上記の方法でもなお、触媒的な脱ハロゲン化水素にはそれ自体の問題があり、問題の1つはその化学的性質が本来的に触媒を汚損してしまうと考えられていることによるものである。触媒の汚損は、典型的には、(a)できるだけ穏やかな条件を使用すること、及び(b)分圧が高い不飽和化合物への触媒の暴露を制限することの1つ以上によって制御される。

(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの触媒的異性化においては、上記の対策(b)の使用は本来的には非常に限定的である。結果的に、操作サイクル及び触媒寿命は、例えば(ヒドロ)フッ素化の化学的性質と比べて相対的に短いと一般的には考えられている。操作サイクル及び触媒寿命が短いと、より頻繁な触媒の再生又は単純により多くの触媒が必要となり、これらはいずれもコストに影響する。

そのため、活性及び安定性が高い触媒を用いてC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを製造するための経済的な方法が必要である。

概要

本発明は、(a)C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを含む反応器供給流を用意する工程、及び(b)アルミナを含む触媒と前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを接触させて前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを異性化する工程であって、前記触媒のナトリウム含有量が約800ppm未満である工程を含んでなる、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化方法に関する。

目的

本発明は、(a)C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを含む反応器供給物を用意する工程、及び(b)アルミナを含む触媒と前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを接触させて前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを異性化する工程であって、前記触媒のナトリウム含有量が約800ppm未満である工程を含んでなる、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化方法を提供する

効果

実績

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請求項1

(a)C3−7(ヒドロ)(ハロフルオロアルケンを含む反応器供給流を用意する工程、及び(b)アルミナを含む触媒と前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを接触させて前記C3−7ヒドロ(ハロ)フルオロアルケンを異性化する工程であって、前記触媒のナトリウム含有量が約800ppm未満である工程を含んでなる、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化方法

請求項2

前記触媒のナトリウム含有量が、約500ppm未満、所望により150ppm未満である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記触媒が、前記アルミナに担持された金属酸化物を含んでなる、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

前記触媒が、前記触媒の全重量に対してアルミナ担体を少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%含んでなる、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記金属酸化物の金属が、遷移金属、好ましくはCr、Zr、Nb、Ta、V、Mo、Ni、又はCoから選択される遷移金属であり、好ましくは前記金属がZr又はCrである、請求項3又は4に記載の方法。

請求項6

前記触媒が、前記触媒の全重量に対して前記金属酸化物を約40重量%以下、好ましくは約30重量%以下含んでなる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記触媒が、少なくとも1種の追加金属又は前記追加金属の化合物をさらに含んでなる、請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記追加金属が、Zn、Zr、Cr、In、Co、Ni、及びこれらの混合物から選択されるものである、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記触媒が、前記触媒の全重量に対して前記少なくとも1種の追加金属又は前記追加金属の化合物を約20重量%以下、好ましくは約10重量%以下含んでなる、請求項7又は8に記載の方法。

請求項10

前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンが幾何異性体として存在し、前記異性化工程が前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンのE異性体とZ異性体との比に変化をもたらすものである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

約50〜約400℃の温度及び約30bara以下の圧力で実施される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

約120℃〜約360℃の温度で実施される、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンが、少なくとも約5%の変換率で異性化される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンが、C3−6(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケン、好ましくはC3−4(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンが、(ヒドロ)(ハロ)フルオロプロペンである、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記(ヒドロ)(ハロ)フルオロプロペンが、ヒドロフルオロプロペンである、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記ヒドロフルオロプロペンが、テトラフルオロプロペン及びペンタフルオロプロペンから選択されるものである、請求項16に記載の方法。

請求項18

前記テトラフルオロプロペンが、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze)であり、前記方法が、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(Z))をトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(E))に異性化することを含んでなる、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記ペンタフルオロプロペンが、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye)であり、前記方法が、E−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye(E))をZ−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye(Z))へ異性化することを含んでなる、請求項17に記載の方法。

請求項20

前記(ヒドロ)(ハロ)フルオロプロペンが、ヒドロハロフルオロプロペンである、請求項15に記載の方法。

請求項21

前記ヒドロハロフルオロプロペンが、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd)であり、前記方法が、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(Z))をトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(E))に異性化することを含んでなる、請求項20に記載の方法。

請求項22

前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンが、ヒドロハロフルオロブテン、ハロフルオロブテン、又はヒドロフルオロブテンである、請求項14に記載の方法。

請求項23

前記ヒドロフルオロブテンが、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタ−2−エン(1336mzz)であり、前記方法が、シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタ−2−エン(1336mzz(Z))をトランス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタ−2−エン(1336mzz(E))に異性化することを含んでなる、請求項22に記載の方法。

請求項24

C3−7ヒドロ(ハロ)フルオロアルカンを含む反応器供給物脱ハロゲン化水素によってC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを生成する、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの製造方法であって、前記方法が、請求項1〜23のいずれか一項に記載のC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化方法を含んでなる、方法。

請求項25

前記反応器供給物が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)を含み、前記方法が、以下の工程:(a)245faを脱フッ化水素して、1234ze(Z)、1234ze(E)、HF及び、場合により未反応の245faを含む脱ハロゲン化水素流を生成する工程、(b)所望により、前記脱ハロゲン化水素流から前記HFを回収する工程、(c)所望により、前記脱ハロゲン化水素流から1234ze(E)を回収する工程、及び(d)アルミナに担持された金属酸化物を含む触媒と前記脱ハロゲン化水素流を接触させて前記1234ze(Z)を1234ze(E)に異性化する工程であって、前記触媒のナトリウム含有量が約800ppm未満である工程を含んでなる、請求項24に記載の方法。

請求項26

C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化における、アルミナに担持された金属酸化物を含んでなる触媒の使用であって、前記触媒のナトリウム含有量が約800ppm未満である、使用。

請求項27

所望により実施例を参照して、実質的に本明細書に記載された、あらゆる新規な方法。

技術分野

0001

本発明は、(ヒドロ)(ハロフルオロアルケン異性化方法、特に触媒的なC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化に関する。

背景技術

0002

本明細書における情報又は既発表文献の掲載又は考察は、当該情報又は文献が技術水準の一部であるか、又は一般常識であることを認めるものとして必ずしも受け取るべきではない。

0003

多くの(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンが、構造異性体又は幾何異性体として存在しうる。シス/トランス異性又はE/Z異性としても知られる幾何異性は、二重結合のまわりの置換基の配置によって異なる。例えば、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze)及び2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234yf)は、互いの構造異性体である。1234zeは、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(Z))及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(E))という2つの幾何異性体としても存在する。

0004

幾何異性体は、典型的には、異なる物理的特性(例えば、沸点)及び/又は化学的特定(例えば、反応性)を有する。これらの異なる特性は、シス異性体では置換基の双極子モーメントが加わる傾向がある一方、トランス異性体では置換基の双極子が互いに相殺される傾向があることに起因する可能性がある。シス/トランス異性体の異なる物理的及び/又は化学的特性の結果として、特定の用途向けには一方の異性体が他方よりも好ましい場合がある。そのため、一方のシス/トランス異性体を他方に変換できることが望ましい場合がある。

0005

幾何異性体として存在する(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンなどのアルケンの製造方法においては、典型的には、シス/トランス異性体の両方が形成されることになる。形成される各シス/トランス異性体の量は、各シス/トランス異性体の動力学的及び熱力学的安定性など数多くの要素によって異なる場合がある。一方の異性体が他方よりも好ましいのであれば、(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの効用によっては、一方のシス/トランス異性体を他方に変換するのが望ましい場合もある。また、(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンなどのアルケンの製造過程で、一方のシス/トランス異性体を他方の(好ましい)シス/トランス異性体に異性化することが望ましい場合がある。

0006

WO2008/008351は、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペンにおけるE異性体に対するZ異性体の比を高めることが可能であると記載している。これは、AlF3又は炭素担持されたSbClwF5−w、TiClxF4−x、SnClyF4−y、及びTaClzF5−zから選択される触媒を用いて可能であるといわれ、ここではwは0〜4であり、xは0〜3であり、yは0〜3であり、zは0〜4である。さらに、WO2008/030443の実施例では、破砕した酸化クロムゲルペレット触媒を用いた1234ze(Z)への1234ze(E)の部分的な異性化が記載されている。

0007

WO2008/125825は、(ヒドロハロ)フルオロアルケンの異性化方法を指向するものである。この方法は、非担持ルイス酸を含む触媒、少なくとも1つの追加金属を含むクロミア含有触媒アルミナ担持液体触媒、及びこれらの混合物と(ヒドロハロ)フルオロアルケンを接触させることを含んでなる。

0008

EP−A−1,918,269は、ハロゲン化金属酸化物ルイス酸金属ハロゲン化物ゼロ価金属、及びこれらの組合せからなる群から選択される金属系触媒を用いた1234ze(E)への1234ze(Z)の変換方法に関するものである。

0009

上記の方法でもなお、触媒的な脱ハロゲン化水素にはそれ自体の問題があり、問題の1つはその化学的性質が本来的に触媒を汚損してしまうと考えられていることによるものである。触媒の汚損は、典型的には、(a)できるだけ穏やかな条件を使用すること、及び(b)分圧が高い不飽和化合物への触媒の暴露を制限することの1つ以上によって制御される。

0010

(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの触媒的異性化においては、上記の対策(b)の使用は本来的には非常に限定的である。結果的に、操作サイクル及び触媒寿命は、例えば(ヒドロ)フッ素化の化学的性質と比べて相対的に短いと一般的には考えられている。操作サイクル及び触媒寿命が短いと、より頻繁な触媒の再生又は単純により多くの触媒が必要となり、これらはいずれもコストに影響する。

0011

そのため、活性及び安定性が高い触媒を用いてC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを製造するための経済的な方法が必要である。

0012

本発明は、(a)C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを含む反応器供給物を用意する工程、及び(b)アルミナを含む触媒と前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを接触させて前記C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを異性化する工程であって、前記触媒のナトリウム含有量が約800ppm未満である工程を含んでなる、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化方法を提供することにより前述の及び他の欠陥対処するものである。

0013

好ましくは、触媒のナトリウム含有量は500ppm未満であり、より好ましくは400ppm、300ppm、200ppm、又は150ppm未満である。触媒のナトリウム含有量は100、80、60、又は40ppm未満であることが特に好ましい。本発明の方法において使用される触媒は、30、20、又は10ppm未満で含有してもよい。

0014

本発明の低ナトリウムアルミナ系触媒は、追加成分を含んでもよい。好ましい実施形態では、低ナトリウムアルミナ系触媒は、アルミナに担持された金属酸化物を含むものである。

0015

本発明の触媒のナトリウム含有量は、任意の適切で公知の方法によって測定することができる。特に有用な方法としては、原子吸光(AAS)、及び誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−OES)などの発光分光分析(OES)が挙げられる。本明細書における実施例で用いたナトリウム分析は、英国ヨークシャー州のLondon and Scandanavian Metallurgical CompanyによってICP−OESを用いて行われた。

0016

我々は上記で本発明の触媒のナトリウム含有量に言及している。アルミナに担持された金属酸化物を触媒が含む場合、上記で言及したナトリウムの量は、アルミナ担体のナトリウム含有量にも該当しうる。これは、下記により詳細に検討するように、触媒中に存在するナトリウムは全て、触媒の担体を形成するアルミナの製造から典型的に生じるためである。換言すれば、金属酸化物は、(測定可能な)ナトリウムをほとんど又は全く含んでいなくてもよい。

0017

しかしながら、一実施形態では、触媒の金属酸化物には測定可能なナトリウム含有量があってもよい(アルミナ担体中の何らかのナトリウム含有量に代わって、又はより可能性があるのは、それに加えて)。一例としては、例えばクロミアナトリウム塩から作製された場合には、クロミアは典型的には測定可能な量のナトリウムを含む。

0018

理論によって拘束されるものではないが、本発明の触媒のナトリウム含有量が低いと、本発明に関しての異性化反応に必要とされる、触媒中の、例えばアルミナ(担体)中のルイス酸部位利用可能性が増加すると考えられる。

0019

別の実施形態では、本発明で使用される触媒は、他のアルカリ金属を少量及び/又はアルカリ土類金属を少量含有する。「少量」により、我々はナトリウムに関して上で言及した量を含む。

0020

触媒がアルミナに担持された金属酸化物を含む場合、触媒は典型的には触媒の全重量に対してアルミナ担体を少なくとも約50重量%含有する。一態様では、触媒はアルミナ担体を少なくとも約60重量%、好ましくは少なくとも約70重量%、例えば少なくとも約80重量%含有する。

0021

存在する場合には、金属酸化物は典型的には触媒の全重量に対して触媒の約50重量%未満を占める。一実施形態では、触媒は金属酸化物を約40重量%以下、好ましくは約30重量%以下、例えば約20重量%以下含有する。

0022

典型的には、金属酸化物中の金属は、ルイス酸の特徴を有する金属(オキシフッ化物を形成する任意の金属である。例としては、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、La、及びCeから選択される金属である。好ましくは、金属は、Cr、Zr、Nb、Ta、V、Mo、Ni、又はCoなどの遷移金属である。好ましい実施形態では、金属はジルコニウム又はクロムである。

0023

本発明の方法で使用される触媒は、金属酸化物に加えて少なくとも1種の追加金属又はその化合物を含有してもよい。これは、金属促進剤ということもできる。一実施形態では、少なくとも1種の追加金属は、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、La、及びCeから選択される。好ましくは、少なくとも1種の追加金属は、Zn、Zr、Cr、In、Co、及びNiから選択される。

0024

誤解を避けるために記載すると、追加金属(又はその化合物)は、所与の触媒に関する金属酸化物の金属と同じであることはできない。例えば、触媒がアルミナに担持されたクロムの酸化物を含んでなる場合、少なくとも1種の追加金属は、クロム以外の、先行する段落で列挙した金属等の任意の適切な金属でありうる。

0025

好ましい態様では、追加金属の化合物は、追加金属の酸化物、フッ化物、又はオキシフッ化物である。

0026

存在する場合は、本発明の触媒中に存在する追加金属又は追加金属の化合物の全量は、典型的には、触媒の全重量に対して約0.01%〜約25重量%である。追加金属又は追加金属の化合物の好ましい量は、約0.1%〜約20%であり、約0.1%〜約15%であるのが好都合である。いくつかの実施形態では、触媒は、追加金属又は追加金属の化合物を触媒の約0.5重量%〜約10重量%、例えば触媒の約1〜約8重量%、一例としては約1〜約5重量%含有する。

0027

本明細書に記載の追加金属又は追加金属の化合物の量は、元素金属として又は金属の化合物として存在しているかに関わらず、元素金属の量を意味すると理解すべきである。

0028

本明細書において特定する少量のナトリウムを有する触媒が得られるのであれば、任意の適切なアルミナが触媒に使用されてもよい。このようなアルミナは、例えば、BASF又はASMCatalystsLLCから市販されている。このアルミナは、例えば、硝酸アルミニウムなどの適切なアルミニウム塩を有するアンモニア溶液からの沈殿によって製造してもよい。

0029

アルミナに担持された金属酸化物を含む触媒は、市販の低ナトリウムアルミナに金属酸化物と所望により任意の追加金属又はその化合物とを含浸させることにより作製してもよい。これは、触媒製造の技術分野において公知である任意の適切な手段によって、例えば、金属酸化物(及び任意の追加金属又はその化合物)が熱化学的処理で容易に生成されうる適切な前駆金属塩の1種以上をアルミナに含浸させることによって、達成されてもよい。

0030

一例として、クロミアはアルミナへは直接含浸させることはできない。したがって、典型的には、水又は他の適切な溶媒に可溶であるクロム塩が含浸に使用される。適切なクロム塩としては、硝酸クロム(III)、及びCr(H2O)6.Cl3などのヘキサアクアクロム錯体が挙げられる。適切な溶媒中でのクロム塩の含浸に続き、及び使用前に、触媒は、例えば150〜500℃の温度で、空気及び/又は窒素中でか焼される。このような触媒の製造の例は、本明細書の一部として援用するEP−A−366797に記載されている。

0031

或いは、アルミナに担持された金属酸化物を含む触媒は、アンモニア又は水酸化アンモニウムを添加した時の、水などの溶媒における適切なアルミニウム前駆塩の1種以上と金属酸化物(及び任意の追加金属又はその化合物)の適切な前駆金属塩との共沈によって製造されてもよい。得られた析出物の熱化学的処理(例えば、か焼)によって所望の触媒が生じる。

0032

アルミナに担持された金属酸化物を含む触媒の他の製造方法は蒸着によるものである。これは、適切な揮発性を有する金属化合物蒸気と担体を接触させることによって担体を含浸させることを伴う。この接触の際に担体を加熱して蒸気の分解をもたらし、これにより活性金属化合物を担体に含浸させることを可能にすることが望ましい場合がある。適切な揮発性を有する化合物としては、ジメチル亜鉛などのアルキル化合物又はヘキサカルボニルクロムなどのカルボニル錯体が挙げられる。例えば、本明細書の一部として援用する「The design and Preparation of Supported Catalysts」、G.J.K. Acresら、Catalysis、1981年(RSC)を参照されたい。

0033

本発明で使用する触媒の例としては、アルミナ、及びアルミナに担持されたクロミア又はジルコニア、即ちアルミナに担持された酸化クロム又は酸化ジルコニウムが挙げられる。C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルカンと接触させて異性化をもたらす前に、本発明で使用する触媒は、典型的には、フッ素化によって前処理される。このような前処理は当技術分野において公知であり、一般的に、窒素ガス下高温にて触媒を乾燥させ、続いて高温にてHF(所望により窒素で希釈されている)による前フッ素化を伴う。

0034

結果的に、元の触媒(前触媒とも呼ぶ)はアルミナ又は、(低ナトリウム)アルミナに担持された金属酸化物(例えば、クロミア又はジルコニア)であるが、脱ハロゲン化水素の開始時に使用される触媒は、典型的には、部分的に又は完全にフッ素化されたアルミナ或いは、部分的に又は完全にフッ素化されたアルミナ(例えば、アルミナオキシフッ化物又はアルミナフッ化物)に担持された部分的に又は完全にフッ素化された金属酸化物(即ち、金属オキシフッ化物又は金属フッ化物)である。これは、前処理の際に触媒中の酸素原子のうちの少なくともいくつかがフッ素原子によって置き換えられるためである。

0035

本発明で使用する触媒は非晶質であってもよい。これにより、我々は、例えばX線回折によって分析した場合に、触媒が実質的な結晶性の特徴を示さないことを意味する。或いは、触媒は、アルミナ(担体)及び/又は金属酸化物において、何らかの結晶性の特徴を示してもよい。

0036

前処理に供される前には、本発明の触媒は、典型的には、表面積が少なくとも50m2/g、一例としては50〜約350又は400m2/g、好ましくは約70〜約250m2/g、例えば約100〜約200m2/gである。前フッ素化処理は、典型的には、触媒の表面積を低下させる効果がある。前フッ素化処理の後、本発明の触媒は、典型的には、表面積が約10〜約300m2/g、好ましくは約20〜約200m2/g、例えば約50〜150m2/gである。

0037

本発明の触媒は、当技術分野において公知である任意の適切な形状で提供されてもよい。例えば、触媒は、固定床又は流動床での使用に適した大きさのペレット又は顆粒の形状で提供されてもよい。

0038

本発明の触媒は、その粒状化又は所望の形態へ成形する際に触媒の物理的整合性を向上させるために結合剤及び/又は滑沢剤などの添加剤を含有してもよい。使用される場合は、結合剤及び/又は滑沢剤は典型的には触媒の約0.05〜10重量%、例えば約0.1〜約5重量%を占める。適切な結合剤及び/又は潤滑剤の例は黒鉛である。

0039

使用時には、触媒は、約300℃〜約500℃の温度にて空気中で加熱することにより定期的に再生又は再活性化されてもよい。窒素などの不活性ガスとの又はフッ化水素との混合物として空気が使用されてもよく、これは触媒処理工程から高温で出現し、再活性化された触媒を採用するフッ素化工程で直接使用されてもよい。本発明の方法からの使用済み触媒は、典型的には、公知のアルミナ触媒と比べて再生するのが予想外に容易であることが分かった。本発明のクロミアがアルミナに担持された低ナトリウム触媒は、再生するのが特に容易であると考えられる。

0040

典型的には、本発明の方法は、気相又は液相(好ましくは気相)中でC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを低ナトリウムアルミナ系触媒と接触させることを含んでなり、約0〜約400℃、例えば、約50〜約400℃の温度で実施されてもよい。方法は、大気圧、大気圧未満、又は大気圧より高い気圧、好ましくは約30bara以下、例えば約1〜約25baraで行われてもよい。

0041

好ましくは、(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンは、約50〜約360℃、より好ましくは約80〜約320℃、例えば約100〜約300℃の温度にて気相中で低ナトリウムアルミナ担持金属酸化物触媒と接触される。いくつかの実施形態では、好ましい反応温度は、約120℃〜約360℃、例えば約130℃〜約340℃である。好ましくは、方法は約1〜約20baraの圧力で実施される。もちろん、当業者であれば本発明の方法を実施するために好ましい条件(例えば、温度、圧力)は、(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの性質及び採用されている触媒に応じて異なる場合がある(上記の範囲外でさえある)ことを理解するであろう。

0042

C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンと低ナトリウムアルミナ担持金属酸化物触媒との接触時間は、反応器及び触媒容量並びに反応温度及び圧力に応じて大きく異なりうる。典型的には、接触時間は、約0.1秒〜約1000秒、例えば、約1秒〜約800秒の範囲に及ぶ。好ましくは、接触時間は約2〜約500秒である。

0043

本発明の方法は、静的ミキサー撹拌槽型反応器、又は撹拌型気液分離容器などの任意の適切な装置で行うことができる。方法は、バッチ式又は連続的に行われてもよい。バッチ式の方法又は連続的な方法のどちらも、「ワンポット」様式で、或いは2つ以上の別個の反応領域及び/又は反応容器を用いて行ってもよい。好ましくは、本発明の方法は連続法である。もちろん、「連続的な」方法であっても、当業者であれば、例えばメンテナンス及び/又は触媒再生のために、方法を定期的に休止させる必要があることを理解するであろう。

0044

好ましくは、異性化は、HF供給物非存在下で行われる。しかしながら、有機供給物の過度の分解及び/又は触媒のコークス化を防止しかつ/又は遅延させるために、多少のHFを使用することが特定の実施形態では望ましい場合がある。典型的には、HF供給物が利用される場合、本発明の方法におけるHF:有機物モル比は、約0.01:1〜約1:1、好ましくは約0.1:1〜約1:1、さらに好ましくは約0.5:1〜約1:1の範囲に及ぶことになる。

0045

別記されない限り、本明細書では、(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンは、少なくとも1個の水素置換基フッ素置換基及び、所望により、塩素臭素、及びヨウ素から選択される少なくとも1個のハロゲン置換基と置き換えられたアルケンである。換言すれば、(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの定義には次のものが含まれる、
ヒドロフルオロアルケン(即ち、全てではないが少なくとも1個の水素置換基がフッ素置換基と置き換えられたアルケン)、
ハロフルオロアルケン(即ち、全ての水素置換基がフッ素置換基と又は塩素、臭素及びヨウ素から選択されるハロゲン置換基と置き換えられているが、但し置換基の全てが同じではないアルケン)、ならびに
ヒドロハロフルオロアルケン(即ち、全てではないが少なくとも1個の水素置換基がフッ素置換基と、そして塩素、臭素及びヨウ素から選択されるハロゲン置換基と置き換えられたアルケン)。

0046

これに準じて、本明細書では、ヒドロ(ハロ)フルオロアルケンという用語は、全てではないが少なくとも1個の水素置換基がフッ素置換基及び、所望により、塩素、臭素、及びヨウ素から選択されるハロゲン置換基と置き換えられたアルケンである。換言すれば、ヒドロ(ハロ)フルオロアルケンの定義には、上に定義したヒドロフルオロアルケン及びヒドロハロアルケンが含まれる。

0047

誤解を避けるために記載すると、本明細書では、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケン、C3−7ヒドロ(ハロ)フルオロアルケン、C3−7ヒドロフルオロアルケン、C3−7ハロフルオロアルケン、又はC3−7ヒドロハロフルオロアルケンに対する言及はいずれも、炭素原子を3〜7個有する(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケン、ヒドロ(ハロ)フルオロアルケン、ヒドロフルオロアルケン、ハロフルオロアルケン、又はヒドロハロフルオロアルケン、例えば、ヒドロ(ハロ)フルオロプロペンブテンペンテンヘキセン、又はヘプテンに言及するものである。

0048

本発明の方法によるC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化における変換率は、典型的には、少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約75%、例えば、少なくとも約85%又は約95%である(反応器供給流におけるC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの総モル量に対して)。

0049

本発明の方法によって異性化されるC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンは炭素−炭素二重結合を含有し、よって個々の二重結合についてE(entgegen)及びZ(zusammen)幾何異性体として存在しうる。

0050

好ましくは、本発明の方法によって異性化されるC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンは幾何異性体として存在し、本発明の方法は、E異性体とZ異性体との比に変化をもたらすものである。本発明の一態様では、本発明の異性化方法の際の一方の(幾何)異性体から他方への変換の選択率は、少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%である。

0051

好ましい実施形態では、本発明の方法によって異性化されるC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンは、C3−7ヒドロ(ハロ)フルオロアルケン、即ちC3−7ヒドロフルオロアルケン又はC3−7ヒドロハロフルオロアルケンである。

0052

一実施形態では、本発明の方法によって異性化されるC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンは、C3−6(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンである。本発明の方法は、C3−4(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化に特に適したものである。

0053

本発明の一態様では、本発明の方法によって異性化されるC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンは、(ヒドロ)(ハロ)フルオロプロペン、即ちヒドロフルオロプロペン、ハロフルオロプロペン、又はヒドロハロフルオロプロペンである。好ましくは、(ヒドロ)(ハロ)フルオロプロペンは、ヒドロフルオロプロペン又はヒドロハロフルオロプロペンである。

0054

有利には、ヒドロフルオロプロペンは、トリフルオロプロペン、テトラフルオロプロペン、及びペンタフルオロプロペンから選択される。

0055

1,3,3−トリフルオロプロペン(CF2HCH=CHF)は、本発明の方法により異性化できるトリフルオロプロペンの例である。

0056

好ましい実施形態では、ヒドロフルオロプロペンは、テトラフルオロプロペン及びペンタフルオロプロペンから選択される。

0057

1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze)は、本発明の方法により異性化できるテトラフルオロプロペンの例である。本明細書に記載の低ナトリウム触媒は、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(Z))をトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(E))に異性化するのに特に有効である。

0058

1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye)は、本発明の方法により異性化できるペンタフルオロプロペンの例である。本明細書に記載の低ナトリウム触媒は、E−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye(E))をZ−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye(Z))に異性化するのにも驚くほど有効である。

0059

1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd)は、本発明の方法により異性化できるヒドロハロフルオロプロペンの例である。本発明の方法は、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(Z))をトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(E))に異性化するために有効である。

0060

本発明の一態様では、本発明の方法によって異性化されるC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンは、(ヒドロ)(ハロ)フルオロブテン、即ちヒドロフルオロブテン、ハロフルオロブテン、又はヒドロハロフルオロブテンである。好ましくは、(ヒドロ)(ハロ)フルオロブテンは、ヒドロフルオロブテン又はヒドロハロフルオロブテンである。

0061

1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタ−2−エン(1336mzz)は、本発明の方法により異性化できるヒドロフルオロブテンの例である。本発明の方法は、シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタ−2−エン(1336mzz(Z))をトランス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタ−2−エン(1336mzz(E))に異性化するために有効である。

0062

本発明の方法には、広範なプロセス流が反応器供給流として使用されてもよい。請求項に係る異性化に対して悪影響を及ぼすことなく、様々な他の分子又は材料が本発明の方法における供給流の残部を占めうる。一例を挙げると、本発明の方法における供給流は、例えばフッ素化オレフィンを生成するための工業的プラントにおいて存在する場合がある、上流プロセスからの流出液として生じることがあると考えられる。一実施形態では、供給流は、未反応のハロゲン化アルカン(例えば、未反応のフッ素化及び/又は塩素化プロパン)と(ヒドロ)(ハロ)プロペンなどのC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンとを含む生成流を生成する1つ以上の上流反応からの流出液又は少なくとも流出液の一部である。

0063

より具体的であるが非限定的な例としては、1234zeは、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の脱フッ化水素によって製造されてもよい。脱フッ化水素反応生成物流は、典型的には、一定割合の未反応の245faと、シス−1,3,3,3テトラフルオロプロペン(1234ze(Z))及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(E))の混合物とをHFと共に含有する。本発明の一実施形態は、そのような生成物流及び/又は、この若しくは同様の反応生成物流から処理された別の同様の生成物流(例えば、HF及び/又は1234ze(E)の分離による)における、シス形態のフッ素化オレフィン(本例では1234ze(Z))をトランス形態(本例では1234ze(E))に変換することを含む。

0064

従って、本発明は、C3−7ヒドロ(ハロ)フルオロアルカンを含んでなる反応器供給物の脱ハロゲン化水素によるC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの製造方法であって、本明細書に記載のC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化方法をさらに含む方法を提供するものである。

0065

脱ハロゲン化水素反応器供給物が1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)を含む場合、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの製造方法は以下の工程、
(a)245faを脱フッ化水素して、1234ze(Z)、1234ze(E)、HF及び、場合により、未反応の245faを含む脱ハロゲン化水素流を生成する工程、
(b)所望により、前記脱ハロゲン化水素流から前記HFを回収する工程、
(c)所望により、前記脱ハロゲン化水素流から1234ze(E)を回収する工程、及び
(d)アルミナを含む触媒と前記脱ハロゲン化水素流を接触させて前記1234ze(Z)を1234ze(E)に異性化する工程であって、前記触媒のナトリウム含有量が約800ppm未満である工程
を含んでなる。

0066

245faの脱フッ化水素工程(a)並びに任意の回収工程(b)及び(c)に適した触媒、反応条件、分離手法などは、例えば、それぞれ参照により本明細書に援用されるUS6124510、JP11−140002、EP−A−1900716、及び国際出願番号第PCT/GB2013/051129号に記載されている。誤解を避けるために記載すると、工程(d)に適しかつ好ましい触媒、反応条件などは、本発明の異性化方法に関連して本明細書に記載したものである。

0067

本発明の異性化方法の反応器供給流におけるC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの量は、供給流の性質により幅広く、典型的には供給流の約1重量%〜100重量%で変動しうることが上記から明らかであろう。好ましくは、反応器供給流は、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを少なくとも約5重量%、例えば、少なくとも約10重量%又は少なくとも約15重量%含有する。いくつかの実施形態では、反応器供給流は、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを少なくとも約20重量%、30重量%、40重量%、又は50重量%含有する。

0068

本発明は、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンの異性化におけるアルミナを含む触媒の使用であって、前記触媒のナトリウム含有量が約800ppm未満である使用をさらに提供するものである。典型的には、この使用は、C3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを含む反応器供給流を用意すること、及び当該供給物からのC3−7(ヒドロ)(ハロ)フルオロアルケンを触媒と接触させることを含むものである。誤解を避けるために記載すると、本発明の異性化方法に関する本明細書の開示はいずれも、本発明の上述の使用に等しく当てはまるものである。

0069

下記の非限定的な例を参照して本発明をさらに説明する。

0070

例1:アルミナ担持クロミア触媒を用いた1234ze(E)への1234ze(Z)の異性化
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(E))へのシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(Z))の異性化において、高ナトリウム及び低ナトリウムアルミナ担持クロミア触媒を比較した。触媒は、名目上10%のCr2O3でコーティングした低ナトリウム(350ppm)アルミナ(触媒1と呼ぶ)及び名目上10%のCr2O3でコーティングした高ナトリウム(2170ppm)アルミナ(触媒2と呼ぶ)であった。

0071

両方の触媒を250℃で60ml/分の窒素を用いて1時間、続いて1時間360℃で60ml/分の窒素を用いて乾燥させて触媒をか焼した。60ml/分の窒素で希釈したHFの混合物を30ml/分で触媒に300℃で1時間流すことによって触媒をまず前フッ素化した。窒素流を止め、HFを30ml/分で触媒に1時間360℃流した。HFを止め、窒素パージ再開してわずかなHFも除去した。

0072

20ml/分の1234ze(Z)を100℃で各触媒に流し、反応器のオフガスからなる試料ガスクロマトグラフィーによって分析した。実験は二回実施し、結果を下記に示す。

0073

0074

1234ze(E)への1234ze(Z)の異性化には、低ナトリウム触媒は対応する高ナトリウム触媒よりも遥かに活性が高いことが上記から明らかである。

0075

例2:アルミナ担持クロミア触媒を用いた1336mzz(E)への1336mzz(Z)の異性化
例1で使用したものと同じ高ナトリウム及び低ナトリウムアルミナ担持クロミア触媒を、トランス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタ−2−エン(1336mzz(E))へのシス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタ−2−エン(1336mzz(Z))の異性化において比較した。

0076

両方の触媒を200℃で60ml/分の窒素を用いて16時間、続いて1時間360℃で60ml/分のN2を用いて乾燥させて触媒をか焼した。60ml/分の窒素で希釈したHFの混合物を60ml/分で触媒に300℃で1時間流すことによって触媒をまず前フッ素化した。窒素流を止め、HFを60ml/分で触媒に1時間360℃で流した。HFを止め、窒素パージを再開してわずかなHFも除去した。

0077

封管を備えたチューブに1336mzz(Z)を30g加えた。窒素を封管に流し、1336mzz(Z)に吹き込ませた。得られた窒素/有機物流から所定の時間に試料を採取し、流量が算出できた。3ml/分の1336mzz(Z)及び15ml/分の窒素を様々な反応器温度で反応器に流した。反応器オフガスの試料をGCによって分析し、下記の結果が得られた。

0078

0079

0080

1336mzz(E)への1336mzz(Z)の異性化には、低ナトリウム触媒は対応する高ナトリウム触媒よりも遥かに活性が高いことが上記から明らかである。

0081

例3:アルミナ担持クロミア触媒を用いた1233zd(E)への1233zd(Z)の異性化
例1で使用したものと同じ高ナトリウム及び低ナトリウムアルミナ担持クロミア触媒を、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(E))へのシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd(Z))の異性化において比較した。

0082

両方の触媒を200℃で60ml/分の窒素を用いて16時間、続いて1時間360℃で60ml/分のN2を用いて乾燥させて触媒をか焼した。60ml/分の窒素で希釈したHFの混合物を60ml/分で触媒に300℃で1時間流すことによって触媒をまず前フッ素化した。窒素流を止め、HFを60ml/分で触媒に1時間360℃で流した。HFを止め、窒素パージを再開してわずかなHFも除去した。

0083

封管を備えたチューブに1233zd(Z)を30g加えた。窒素を封管に流し、1233zd(Z)に吹き込ませた。得られた窒素/有機物流から所定の時間に試料を採取し、流量が算出できた。4ml/分の1233zd(Z)及び15ml/分の窒素を様々な反応器温度で反応器に流した。反応器のオフガスからなる試料をGCによって分析し、下記の結果が得られた。

0084

0085

0086

1233zd(E)への1233zd(Z)の異性化には、低ナトリウム触媒は対応する高ナトリウム触媒よりも遥かに活性が高いことが上記から明らかである。

0087

例4:アルミナ担持クロミア触媒を用いた1225ye(Z)への1225ye(E)の異性化
例1で使用したものと同じ高ナトリウム及び低ナトリウムアルミナ担持クロミア触媒を、トランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye(Z))へのシス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye(E))の異性化において比較した。

0088

両方の触媒を200℃で60ml/分の窒素を用いて16時間、続いて1時間360℃で60ml/分のN2を用いて乾燥させて触媒をか焼した。60ml/分の窒素で希釈したHFの混合物を60ml/分で触媒に300℃で1時間流すことによって触媒をまず前フッ素化した。窒素流を止め、HFを60ml/分で触媒に1時間360℃で流した。HFを止め、窒素パージを再開してわずかなHFも除去した。

0089

20ml/分の1225ye(E)を各触媒に230℃及び260℃の両方で流し、反応器オフガスの試料をガスクロマトグラフィーによって分析した。下記の結果が得られた。

0090

0091

1225ye(Z)への1225ye(E)の異性化には、低ナトリウム触媒は対応する高ナトリウム触媒よりも遥かに活性が高いことが上記から明らかである。

0092

例5:アルミナ担持ジルコニア触媒を用いた1234ze(E)への1234ze(Z)の異性化
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(E))へのシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(Z))の異性化に低ナトリウムアルミナ担持ジルコニア触媒を使用した。下記で触媒3と呼ぶ触媒は、ジルコニアをコーティング/含浸した低ナトリウムアルミナであった。触媒のナトリウム含有量は353ppmであった。

0093

触媒を250℃で60ml/分の窒素を用いて1時間、続いて1時間360℃で60ml/分のN2を用いて乾燥させて触媒をか焼した。60ml/分の窒素で希釈したHFの混合物を30ml/分で触媒に300℃で1時間流すことによって触媒をまず前フッ素化した。窒素流を止め、HFを30ml/分で触媒に1時間360℃で流した。HFを止め、窒素パージを再開してわずかなHFも除去した。

0094

20ml/分の1234ze(Z)(99.97モル%)を触媒に様々な温度で流し、反応器オフガスの試料をガスクロマトグラフィーによって分析した。結果を下記に示す。

0095

0096

低ナトリウムアルミナ担持ジルコニア触媒は、1234ze(E)へ1234ze(Z)を異性化するのに有効であったことが上記から明らかである。

0097

例6:アルミナ触媒を用いた1234ze(E)への1234ze(Z)の異性化
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(E))へのシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze(Z))の異性化に低ナトリウムアルミナを使用した。アルミナ触媒(下記で触媒4と呼ぶ)はBASFから入手し、76ppm含有していた。

0098

触媒を250℃で60ml/分の窒素を用いて1時間、続いて1時間360℃で60ml/分の窒素を用いて乾燥させて触媒をか焼した。60ml/分の窒素で希釈したHFの混合物を30ml/分で触媒に300℃で1時間流すことによって触媒をまず前フッ素化した。窒素流を止め、HFを30ml/分で触媒に1時間360℃で流した。HFを止め、窒素パージを再開してわずかなHFも除去した。

0099

20ml/分の1234ze(Z)(99.97モル%)を触媒に様々な温度で流し、反応器オフガスの試料をガスクロマトグラフィーによって分析した。結果を下記に示す。

0100

0101

低ナトリウムアルミナ触媒は、1234ze(E)へ1234ze(Z)を異性化するのに有効であったことが上記から明らかである。

0102

本発明は下記請求項により規定されている。

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