図面 (/)

技術 構造化セルロースパッチ又は要素の製造方法、及びそのような方法を使用して製造されたデバイス

出願人 エーテーハー・チューリッヒ
発明者 トビアスレンデンマンマクシミリアンフィッシャーシモネボタンアルドフェラーリディモスプリカコスベルンハルトヴィンクラーマルティングラポウ
出願日 2014年9月18日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2016-543397
公開日 2016年10月27日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-533244
状態 特許登録済
技術分野 包帯、被覆用品 媒体導出入付与装置 医療用材料 補綴
主要キーワード 共通方向 シリコーンモールド オープンサイド 横方向周期 パターン角度 アクティブ表面 バイオメディカルデバイス 材料表
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年10月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、立体的表面構造を有するセルロース要素(10)の自己組織化製造のための方法であって、第一工程において、一つの面上に、相補的な方法で立体的表面構造化されており、酸素透過性を持つ第一表面(4)を持つモールド(2)が提供され、ここにおいて、セルロース生成細菌を含む液体増培地が提供され、ここで、該モールド(2)は該第一表面(4)を持つ面が液体増殖培地と直接接触するように液体増殖培地の液体空気界面を形成するように配置され、反対の面(3)は空気又は特別に供給された酸素を含む周囲の気体に面し、該要素(10)の厚さが少なくとも0.3mmである連続セルロース層が形成されるまで、該細菌に該第一表面(4)上にセルロースを生産させ、堆積させ、該表面との界面上に、それと相補的な立体的に表面構造化させた表面を発達させ;そして第二工程において、該要素(10)が該モールドから取り外される、前記製造方法に関する。更に本発明は、そのような方法を使用して製造された要素に関し、さまざまな応用に対するそのような要素の使用に関する。

概要

背景

創傷被覆材は、創傷領域サポートするように設計してあり、創傷領域を感染から保護し、ある場合には、細胞増殖に対する好ましい環境を作り出すことによって創傷治癒を積極的に促進する。

創傷に対する応答は、体の組織の損傷として定義され、炎症段階、移動段階、及び再構築段階を含む。炎症段階は、創傷に対する急性期反応であり、その目的は、創傷を素早くシールし、細胞を創傷へと移動させて創傷治癒のプロセスを開始する化学的ファクター生産することである。移動段階の間、細胞は創傷内へと迅速に移動し、治癒組織のベースとなる一時的な細胞外マトリックスを築き始める。再構築段階の間、新規に生成された組織は、永続型へとゆっくり成長する。

標準的な創傷被覆材は、以下の工程によって創傷治癒を促進する:1.創傷の端部を一緒にして機械的に保持し、細胞の移動をより簡単にし、2.創傷を機械的にシールして病原体による汚染を防ぎ、3.最新式の被覆材では、通常は創傷組織水和ゲル曝露させることによって、早期の創傷治癒を積極的に促進する環境を提供する。これらの応用に対し、材料の改良が望ましい。

形成外科分野において、市販のシリコーン注入(例えば、ふくらはぎ、胸回り、二頭筋)はしばしば、異物反応及び瘢痕組織被包化によって失敗する。また、そのような応用に対し、改良された材料/コーティングが望まれる。

美容品分野において、使い捨ての平坦非構造化セルロースマスクが、皮膚水和を向上させ、代謝老廃物を吸収し、栄養剤又は他の化合物を皮膚へ放出するマスクとして近年販売されている(例えば、顔、手、足用)。

概要

本発明は、立体的表面構造を有するセルロース要素(10)の自己組織化製造のための方法であって、第一工程において、一つの面上に、相補的な方法で立体的表面構造化されており、酸素透過性を持つ第一表面(4)を持つモールド(2)が提供され、ここにおいて、セルロース生成細菌を含む液体増培地が提供され、ここで、該モールド(2)は該第一表面(4)を持つ面が液体増殖培地と直接接触するように液体増殖培地の液体空気界面を形成するように配置され、反対の面(3)は空気又は特別に供給された酸素を含む周囲の気体に面し、該要素(10)の厚さが少なくとも0.3mmである連続セルロース層が形成されるまで、該細菌に該第一表面(4)上にセルロースを生産させ、堆積させ、該表面との界面上に、それと相補的な立体的に表面構造化させた表面を発達させ;そして第二工程において、該要素(10)が該モールドから取り外される、前記製造方法に関する。更に本発明は、そのような方法を使用して製造された要素に関し、さまざまな応用に対するそのような要素の使用に関する。

目的

炎症段階は、創傷に対する急性期反応であり、その目的は、創傷を素早くシールし、細胞を創傷へと移動させて創傷治癒のプロセスを開始する化学的ファクターを生産することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

立体的表面構造を有するセルロース要素(10)の自己組織化製造のための方法であって、第一工程において、一つの面上に、相補的な方法で立体的表面構造化されており、酸素透過性を持つ第一表面(4)を持つモールド(2)が提供され、ここにおいてセルロース生成細菌を含む液体増培地が提供され、ここで該モールド(2)は該第一表面(4)を持つ面が液体増殖培地と直接接触するように液体増殖培地の液体空気界面を形成するように配置され、反対の面(3)は空気又は特別に供給された酸素を含む周囲の気体に面し、該要素(10)の厚さが少なくとも0.3mmである連続セルロース層が形成されるまで、該細菌に該第一表面(4)上にセルロースを生産させ、堆積させ、該表面との界面上に、それと相補的な立体的に表面構造化させた表面を発達させ;そして第二工程において、該要素(10)が該モールドから取り外される、前記製造方法。

請求項2

該要素(10)が、0.5〜10mmの範囲の厚みを有する、請求項1に記載の製造方法。

請求項3

該モールド(2)が、少なくとも10−6cm2/sのO2に対する拡散率を有する、請求項1又は2に記載の製造方法。

請求項4

該モールド(2)が、酸素透過性物質、好ましくは酸素透過性ポリマー材料、最も好ましくはシロキサン、好ましくはPDMSで製造され、好ましくは、立体的相補性構造化マスク要素(1)を、適用した液体又は注入した基板材料用のテンプレートとして使用して製造され、好ましくは、ソフトリソグラフィープロセスにおいて、場合によっては該立体的表面(4)に対して架橋結合及び/又は重合工程、更に場合によっては表面処理工程、好ましくは、プラズマ処理工程を伴う、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。

請求項5

該第1表面(4)は、柱、窪みの2次元配列形状、隆起/溝の配列の形状、又は2次元交差構造もしくはハニカムパターン構造の形状の立体的構造を有し、ポジティブ構造の幅、特に該隆起(5)の幅、及び/又はネガ構造の幅、特に該溝(6)の幅は、0.5〜100μmの範囲であり、好ましくは、該隆起(5)の幅は、0.5〜5μmの範囲であり、該溝(6)の幅は、0.5〜5μmの範囲であり、好ましくは両幅ともに本質的に同じである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。

請求項6

該第1表面(4)は、柱又は対応する窪みの2次元配列の形状の立体的構造を有し、該柱は、全てが規則的に丸、好ましくは円形もしくは楕円形、又は多角形、好ましくは規則的な多角形、最も好ましくは三角形四角形五角形、又は六角形の断面を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。

請求項7

柱又は対応する窪みの該2次元配列は、少なくとも1次元の、好ましくは3つの異なる方向で、5〜50μmの範囲、好ましくは7〜15μmの範囲の周期性を有する、請求項6に記載の製造方法。

請求項8

該柱は、2〜20μmの範囲の、好ましくは4〜10μmの範囲の横方向拡張を有し、及び/又は、該柱は、0.2〜5μmの範囲の、好ましくは0.5〜2μmの範囲の高さを有する、請求項5〜7のいずれかに記載の製造方法。

請求項9

該隆起(5)は、少なくとも0.4μmの、好ましくは0.5〜5μmの範囲又は0.5〜2μmの範囲の、より好ましくは1〜2μmの範囲の高さ(h)を有する、請求項5に記載の製造方法。

請求項10

該第2工程において、その立体的表面構造化された第1表面(4)上に該要素(10)を有する該モールド(2)は液体に浸漬され、該要素(10)が該液体中の該第1表面(4)から取り外され、好ましくは剥がされ、該液体は、好ましくはNaOH溶液であり、好ましくは0.5〜2Mの範囲の濃度であり、3次元要素(10)の場合、好ましくはポーチ又はポケットの形状であり、該要素(10)は、該モールド(2)から取り外され、内外がひっくり返され、製造中内側に面している該要素(10)の表面は、使用時に外側に面している、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。

請求項11

該第2工程の後、該要素(10)は熱処理され、好ましくは、それを液体中、好ましくはNaOH溶液中で、室温を越える温度に保つことによって熱処理され、10分以上、好ましくは60分以上、最も好ましくは60℃を越える温度で、熱処理される、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。

請求項12

0.5〜5mmの範囲の厚みを伴う連続層の形状を持つ立体的表面構造化セルロース要素(10)であって、好ましくは、前述の請求項の何れかに記載の方法を使用して生産され又は生産可能であり、0.5〜2μmの範囲の高さを、溝/隆起の立体的構造の場合、0.5〜100μmの範囲で該構造の周期性を、柱の立体的構造の場合、少なくとも1つの方向、好ましくは3つの方向の5〜50μmの範囲、好ましくは7〜15μmの範囲の周期性を持つ立体表面構造を有する、表面構造化セルロース要素(10)。

請求項13

次元パッチの形状を有し、特に、治療パッチの機能を有し、2次元における平担な層として伸長しており、各寸法が1mmより大きく、このましくは2mmより大きく、好ましくは該2次元形状が四角形、円形、矩形、三角形であり、該立体的構造は、好ましくは平行配置された隆起/溝の配列、同心円上に収束する隆起/溝、及び/又は適応的に曲げられて局所的に平行に配置された隆起/溝を含むか又はそれらからなる、請求項9に記載の立体的表面構造化要素。

請求項14

請求項12に記載の立体的表面構造化要素であって、該要素は、支持要素の有無を伴う3次元構造の形状を有し、好ましくはカバーバッグ被覆、ポーチ、又はポケットの形状を有し、その中に埋め込み可能対象物を入れ、特にインプラント可能な医療デバイスを入れ、又はインプラント可能対象物をカバーし、特にインプラント可能デバイスをカバーし、好ましくは該埋め込み可能な対象物は、次のグループ循環器系インプラント物及び/又はデバイス、特にペースメーカ;好ましくは胸部インプラント形状、腱板部インプラント形状、胸筋部インプラント形状、二頭筋部インプラント形状、部インプラント形状、臀部インプラント形状の美容用インプラント物;整形外科的人工装具センサ及び/又は電気的刺激デバイス;排液システム、好ましくはカテーテルポンプ又はチューブシステム眼科的デバイス;聴力デバイス;生物工学的デバイスから選択される、前記立体的表面構造化要素。

請求項15

請求項12又は13に記載の要素の、創傷治癒及び/又は美容応用及び/又は医療用インプラント応用に対するパッチ又は3次元要素として、特にポーチ又はポケットとして、又は、インプラント物又は形成外科構造に対するコーティングとしての使用。

技術分野

0001

本発明は、立体的表面構造化セルロースパッチ又は要素の製造及び、概して、そのような方法を用いて、又はそのような方法で製造された要素を用いて製造された、3Dデバイスを含む、パッチ又は要素のデバイスの分野に関する。

背景技術

0002

創傷被覆材は、創傷領域サポートするように設計してあり、創傷領域を感染から保護し、ある場合には、細胞増殖に対する好ましい環境を作り出すことによって創傷治癒を積極的に促進する。

0003

創傷に対する応答は、体の組織の損傷として定義され、炎症段階、移動段階、及び再構築段階を含む。炎症段階は、創傷に対する急性期反応であり、その目的は、創傷を素早くシールし、細胞を創傷へと移動させて創傷治癒のプロセスを開始する化学的ファクター生産することである。移動段階の間、細胞は創傷内へと迅速に移動し、治癒組織のベースとなる一時的な細胞外マトリックスを築き始める。再構築段階の間、新規に生成された組織は、永続型へとゆっくり成長する。

0004

標準的な創傷被覆材は、以下の工程によって創傷治癒を促進する:1.創傷の端部を一緒にして機械的に保持し、細胞の移動をより簡単にし、2.創傷を機械的にシールして病原体による汚染を防ぎ、3.最新式の被覆材では、通常は創傷組織水和ゲル曝露させることによって、早期の創傷治癒を積極的に促進する環境を提供する。これらの応用に対し、材料の改良が望ましい。

0005

形成外科分野において、市販のシリコーン注入(例えば、ふくらはぎ、胸回り、二頭筋)はしばしば、異物反応及び瘢痕組織被包化によって失敗する。また、そのような応用に対し、改良された材料/コーティングが望まれる。

0006

美容品分野において、使い捨ての平坦非構造化セルロースマスクが、皮膚水和を向上させ、代謝老廃物を吸収し、栄養剤又は他の化合物を皮膚へ放出するマスクとして近年販売されている(例えば、顔、手、足用)。

0007

そのため、本発明の目的は、これらの応用ための材料を製造する新たな方法を提案することであり、特に、立体的な表面構造を持つパッチ又は被覆、より特に、セルロースパッチ又は要素の製造方法、及び概して、そのような方法を用いて、あるいはそのような方法で製造された要素を用いて製造されたデバイス及び3Dデバイスを含むパッチ又は要素などのデバイスを提案することである。

0008

提案された発明における1つの重要な要素は、マイクロ又はナノ構造化された立体的特徴細菌セルロースの表面に転写させるための単純でコスト効果のある手順についての記載である。本プロセスは、最小コスト及び最小の実験室器材で実行可能であり、訓練された人員を必要としない。本プロセスは、十分に自動化可能であり、アセトバクターキシリナム又はグルコノバクター・キシリナム等(限定するものではない)の細菌株によるセルロースの自己組織化活用する。本プロトコルは、図1図式化してある。

0009

自己組織化バイオリソグラフィー(SAB)のプロセスは、ソフトリソグラフィー(SL)から着想を得た単純な技術に基づく。しかしながら、SLにおいては標的エラストマー成形には訓練された人員と様々な手順とが必要であり、時間がかかり細かな手順が必要となるが、SABは完全に、細菌によるセルロース製造の自然なプロセスに基づくものである。SABは、局所的にこのプロセスに介入してセルロース繊維組織化及びポリマー化方向付け、その結果、モールドによって現される表面幾何構造高精細度ネガティブレプリカを生じる。

0010

細菌セルロースの持つ多孔性は、細菌の増殖条件(酸素(部分)圧力、グルコース濃度、細菌株)を調整することによって制御可能であり、又は、既に組織化されたセルロースメッシュについての製造後の化学的処理を用いて修正し得る。しかしながら、我々の知る限り、入手可能で商業的に使用できる製品を導き得る十分な厚みを有した連続セルロースマトリックスの表面にある規則的な立体的配列の転写は未だに達成されていない。

0011

細菌セルロースの応用は数えきれなく、細菌セルロースでできたいくつかの品目が現在、美容又は医療応用市場利用可能となっている。更に、細菌セルロースは、優れた機械的特性を有すること、及び動物へのインプラントにおいて本質的に不活性であることが証明された。インプラント可能な生物医療機器に対するこの材料のFDA認証は、更に、細菌セルロースの貢献する医療応用数を増加させるであろう。提案の発明は、ヒト組織と細菌セルロースとの間の相互作用を制御するための完全に独立した、重要な、物理的なパラメータを追加する。セルロース表面の立体的形状を制御することによって、細胞の接着、増殖、分化、移動、及びアポトーシスの調節又は直接的な誘導が可能となる。したがって、コスト効果のある材料表エンジニアリングは、細菌セルロースを特徴とするバイオメディカルデバイス生体親和性及び有効性を改良する全範囲の新規な特性を提供し得る。

0012

そのため、自己組織化バイオリソグラフィー(SAB)が、予め定義された幾何学的形状を細菌セルロース表面にミクロンスケール及びサブミクロンスケールで導入するための新たなプロトコルとして提案される。本プロトコルは、エラストマーベースのソフトリソグラフィーの原理を適用し、セルロースネットワークの生成に対してコスト効果のあるレプリカ成形をもたらす。特に、酸素透過材料のモールドが、好ましくは酸素透過ポリマー材料のモールドが、そして最も好ましくはシロキサンのモールドが、例えば、(ポリジメチルシロキサンPDMSモールドが、標準ソフトリソグラフィーを介して成形マスク上に生成される。標的の幾何学的形状を特徴とする成形マスクは、熱可塑性ポリマーで製造され、概して(しかしながら限定するものではないが)、標準熱エンボス加工を介して得られる。PDMSモールドは次に、細菌増殖培地を有する界面に配置され、細菌セルロースのポリマー化を促進するガス透過枠組みと成る。SABは、PDMSモールド上表幾何構造のネガティブレプリカの特徴を有し、したがって、初期の成形マスクと等しいセルロースパッチを生成する。表面構造化細菌セルロースパッチは、更なる工程を経ることなく、最終的にPDMSモールドから剥がされる。PDMSモールド及び元の成形マスクは両方とも劣化すること無く数サイクルの間使用できる。SABの手順は、ミクロン及びサブミクロン範囲の表面構造をPDMSモールドから細菌セルロースへと高精細度で移行させ、操作者による更なるアクションを必要としない。まとめると、我々は、細菌セルロースの生化学的特性と界面の表面構造と細胞・材料の相互作用の制御とを結びつける新たな方法を発明した。我々は、改良された生物的被覆、創傷被覆材、及び/又はヒト組織との強化された相互作用を持つ美容品を生産するために、この新たな技術の活用を予見する。

0013

本発明は、より具体的には、次の工程を含む自己組織化バイオリソグラフィー(SAB)プロトコルを提案する:好ましくは、PDMSをプラスチックマスク上段)に成型する標準ソフトリソグラフィーを介してモールド、好ましくはPDMSモールドが生成される。表面の立体的形状の特徴を有するマスクは、熱可塑性ポリマーで製造可能であり、概して(しかしながら限定するものではないが)、標準熱エンボス加工を介して得られる。立体的構造の表面上における増殖培地において、ストランドを生成するセルロースを用いる構造テンプレートをモールドとして用い、モールドを通して酸素を通過させるSABによって、(PDMS)モールドによってもたらされる表面幾何構造のネガティブレプリカを伴う平坦なセルロースパッチが生産される。モールドは、単純に増殖培地との界面に配置され、細菌セルロースのポリマー化を誘発するガス透過枠組みと成る。セルロースパッチは、更なる工程を経ることなく最終的にPDMSモールドから剥がされる。

0014

そのようなものとして、表面構造セルロース構造に対するいくつかの試みが存在した。例えば、既存のセルロース材料を使用して機械的にエンボス加工を施し表面構造を作る提案がなされた。しかしながら、この技術を使用した場合、生成セルロース材料に顕著な密度変化が導かれ、分子レベルでセルロース構造の破壊が導かれ、十分な均質性が得られない。それに加え、この場合には表面構造のみが存在することになる。一方、提案のアプローチでは表面構造だけでなく、自己組織化増殖によって、表面構造と関連するセルロース繊維の特定方向の配向がこの表面構造中に存在することになる。これは、エンボス加工技術によっては成し遂げられない更なる効果である。

0015

構造上においてセルロースを自己組織化させる他のアプローチが試された。しかしながら、全てのケースにおいて、連続的な層が生成されずに格子状構造のみが生成された。更に、これらの構造がテンプレートとセルロースが生成される場所との間の界面上に酸素を存在させずにテンプレート上に成長させられたという事実のため、生成されたセルロース構造は、本質的に極めて薄く、扱うことができない。そのため、これらのアプローチはすべて、実際に商業的に使用され得る製品を導くことがなかった。

0016

更に一般的に述べると、本発明は、立体的表面構造化セルロース要素の自己組織化された製造に対する方法に関する。本方法は、以下の要素を伴う第1工程を含む:
・1つの面上には、相補的な方法で立体的に表面構造化され、酸素を透過する第1表面を伴うモールドが提供される。
・セルロース生成細菌を含む液体増培地が提供される。
・液体増殖培地の液体空気界面を形成するようにモールドが配置され、第1表面を伴うモールドの面は、液体増殖培地に直接接触しており、反対側の面は空気又は特別に供給された酸素を含む周囲の気体に面している。
・該第1表面(4)上に該細菌にセルロースを生産させ、セルロースを堆積させ、要素(10)の厚みが少なくとも0.3mm、好ましくは少なくとも0.4mm、より好ましくは少なくとも0.5mm又は少なくとも0.75mmである連続セルロース層が形成されるまで、該表面との界面上に立体的に該表面と相補的な表面構造化された表面を生成させる。

0017

次の第2工程では、前述のモールドから要素が取り外される。

0018

本発明に係る用語“立体的表面構造化”は、特に以下のように理解すべきである:
その表面にはひとつの立体的形状が供給される。すなわち、表面の少なくとも1つの方向における幾何学的特徴規則的配列である3D表面形状が供給される。幾何学的特徴を持つこの規則的配列は、好ましくは、以下のパラメータによって定義される:
・個々の特徴のサイズ(縦及び横)は、数十nm(10nm又は20nm)から数十ミクロン(10〜20μm)の範囲にわたる。
・特徴の周期性特徴間距離):立体的特徴は、等方的に(特徴間距離は平面内の全方向に対して等しい)、又は異方的に(特徴間距離は、少なくとも1つの方向において平面内の他の方向よりも短いか又は長い)配置されている。
・特徴の方向性−異方的特徴(例えば、棒(形状))は、優先的に1つの方向に向けられる。例えば、主表面にすべて垂直、又は平面に対しては垂直ではないが依然として平面に対して傾いている1つの共通方向ベクトルに沿って、すなわち平面内ではなく、任意の方向に向けられている。
秩序無秩序:立体的特徴の配列を製造する場合(例えば、上述され、以下で更に詳細に述べられるような柱(形状))、結晶配列内の特徴の位置は、理想的なxy位置(完全な結晶構造に対応する)からある許容範囲を伴って定義され得る。許容範囲が増加した場合(例えば、理想的な結晶構造から数%のずれとして)、制御された大きさの無秩序を導入することができる。この秩序/無秩序比率は、細胞の応答に大きなインパクトを与える。

0019

“立体的表面構造化”というこの考えは、したがって、通常の表面粗さ(単純にセルロースを成長させることによって取得される粗さ)とは異なる。通常の表面はランダムであり、規則的な構造ではなく、その粗さは、完全な平坦な形状からの表面のずれとして特徴付けられる。“立体的表面構造化”についてのこの定義において、2つの表面が類似の粗さを有し得るが、異なる立体的特徴又は特徴の配置を示す。

0020

立体的に設計されたセルロース表面と素の粗さを有するセルロースとの間の主要な実用的相違は、第1のケースの場合、表面と相互作用する本質的に全細胞が同じ合理的に設計された立体形状のシグナルを受信し、第2のケースの場合、各細胞(相互作用の特定領域に依存している)が異なる一組のシグナルを受信することである。この理由のため、協調的な細胞応答(創傷治癒又は炎症反応の抑制のために必要とされるもの等)は、立体的に設計された表面を使用することでのみ取得され得る。

0021

得られた構造において重要で予想されなかった特性の1つは、それらの構造が脱水再水和に対して安定であり、したがって形状記憶が存在し、要素が乾燥し(立体的構造化表面が崩壊し)、続いて再度湿った場合(それにより膨張し、立体的構造化表面が再度生成される)、形状が保存されることになるという発見である。このことは、保存を簡単にし、保存期間を延ばし、その構造が崩壊することを抑制する。

0022

医療デバイスとして、表面構造化セルロースは、次の効果を単独で又は組み合わせて得るために使用することができる:
・創傷における閉鎖効率の改善及び時間のスピードアップ
・細胞の誘導、配列、方向付け。
・移動の促進。
細胞接着力の減衰又は促進。
細胞活性化の抑制又は推進
・炎症反応の最小化。
線維化組織堆積の最小化。
・異物反応の最小化。
瘢痕形成の低減。
再生組織の機械的特性の改善。

0023

第1の好ましい実施の形態において、要素は、0.5〜10mm又は15mmまでの範囲の厚みを有する。

0024

好ましくは、モールドは、少なくとも10−6cm2/sという酸素に対する拡散率を有する。

0025

モールドは、2次元又は3次元モールドであり、優先的にはシロキサンで製造されており、好ましくはPDMSであり、好ましくは、立体的に相補的な構造化マスク要素が液体適用又は注入基板材料用のテンプレートとして使用されるように製造され、好ましくは、ソフトリソグラフィープロセスにおいて、場合によっては立体的表面に対して架橋結合及び/又はポリマー化工程、更に場合によっては表面処理工程、好ましくは、プラズマ処理工程を伴う。

0026

他の好ましい実施の形態に係る第1表面は、柱(形状)、窪みの2次元配列形状、隆起/溝の配列の形状、又は2次元交差構造又はハニカムパターン構造の形状の立体的構造を有する。そのようにしてまた、規則的柱状構造、窪みの2次元配列のネガ(陰画)が可能となる。

0027

一般的に、ポジ構造、特に隆起、及び/又はネガ構造、特に溝、の幅は、0.5〜100μmの範囲である。好ましくは、隆起の幅は、0.5〜5μmの範囲であり、溝の幅は、0.5〜5μmの範囲であり、好ましくは両幅ともに本質的に同じである。

0028

更に好ましくは、隆起が少なくとも0.4μmの高さ(h)を有し、好ましくは0.5〜5μmの範囲又は0.5〜2μmの範囲であり、更に好ましくは1〜2μmの範囲である。

0029

一般的に、好ましくは、(本質的に全て同一の)柱形状は、好ましくは、全てが規則的に丸、楕円、又は多角形の断面を有し、好ましくは規則的な多角形、最も好ましくは三角形四角形五角形、又は六角形の断面を有する。

0030

柱形状の2次元配列は、表面内に1次元の周期性を有し、好ましくは、表面平面内の2つ又は3つの異なる方向に5〜50μmの範囲、好ましくは7〜15μmの範囲の周期性を有する。例えば、六角形柱の場合、好ましい配置では、0°、60°、及び120°に食い違った3つの周期性方向が存在する。好ましくは、周期性は、表面内で異なる方向に沿って同一である。

0031

個々の柱形状は、2〜20μmの範囲の、好ましくは4〜10μmの範囲の横方向の拡張を有する。

0032

更に好ましくは、個々の柱形状は0.2〜5μmの範囲の、好ましくは0.5〜2μmの範囲の高さを有する。

0033

好ましくは、六角柱の規則的な2次元配列であり、好ましくは、個々の柱の横方向の拡張の2倍の周期性を有する。

0034

上で詳述した柱の寸法について述べると、好ましくはまた、対応するネガ構造を含み、その構造では、規則的な柱が存在しないが、これらの柱の形状を有する規則的な窪みが存在する。

0035

第2工程において、立体的表面構造化された第1表面上に要素を有するモールドは液体に浸漬され、要素が該液体中の該第1表面から取り外され、好ましくは剥がされる。この場合、該液体は、好ましくはNaOH溶液であり、好ましくは0.5〜2Mの範囲の濃度であり、好ましくは0.5M近傍である。

0036

他の好ましい実施の形態において、第2工程の後、好ましくは、液体中で室温以上の温度を維持することによって、好ましくはNaOH溶液中において、10分以上、好ましくは60分以上、より好ましくは60°C以上で要素は加熱処理される。

0037

本発明は更に、0.5〜5mmの範囲の厚みを有する連続層の形状を有する立体的表面構造化セルロース要素に関し、好ましくは、上で概説したような方法を用いて生産されるものであり、又は生産され得るものであり、0.5〜2μm(マイクロメータ)の範囲の高さを有し、溝/隆起の立体的構造の場合には、0.5〜100μm(マイクロメータ)の範囲で構造の周期性を持つ立体的表面構造を有する。

0038

この立体的表面構造化セルロース要素は、特に治療パッチ応用の場合、パッチであり、このパッチは一般に2次元であり、2次元において平坦な層として広がっており、各寸法は、1mmより大きく、好ましくは2mmより大きく、5〜20cmの大きさとすることができる。そのようなパッチの2D形状は、必要に応じ、例えば四角形、円形、三角形等(図9参照)とすることができる。形状及び立体は、応用のタイプによって最適化され得る。例えば、縦長の創傷に対する治療パッチ応用の場合、パラレルグレーチング使用可能であり、やけど又は円形の創傷に対する場合、コンフォーカルグレーチングが使用可能である。そのため、言い換えると、立体的表面構造は、平行配置された隆起/溝(通常、パッチの一端部に平行)の配列、同心円上に収束する隆起/溝(例えば、円形のパッチの場合、又は楕円形のパッチの場合)の配列、及び/又は適応的に曲げられ局所的に平行配置された隆起/溝(例えば、図9c参照)の配列となり得る。

0039

更に本発明は、そのような要素を創傷治癒及び/又は美容品応用のパッチとして使用する内容に関し、インプラント物又は形成外科構造に対する被覆として使用する内容に関する。

0040

また、インプラント物をカバーするため又はそのようなインプラント物を形成するために、例えばポーチ形状の3D要素として製造されたパッチを使用することができる。

0041

この意味では、本発明はまた、請求項12に係る立体的表面構造化要素に関し、支持要素の有無を伴う3次元構造の形状を有し、好ましくはカバー、バッグ、被覆、ポーチ、又はポケットの形状を有し、その中にインプラント可能な対象物を入れ、又はインプラント可能な対象物をカバーする。好ましくは、そのインプラント可能な対象物は、次のグループから選択される:循環器系デバイス、特にペースメーカ;好ましくは、胸部インプラント形状、腱板部インプラント形状、胸筋部インプラント形状、二頭筋部インプラント形状、尻部インプラント形状、臀部インプラント形状の美容用インプラント物;整形外科的人工装具センサ及び/又は電気刺激デバイス排液システム、好ましくはカテーテルポンプ又はチューブシステム眼科的デバイス;聴力デバイス;生物工学的デバイス。

0042

したがって、そのような3Dコーティング/ポーチ/カバー/ポケット/バッグに対し、以下のような使用が一般的に可能である:
・ペースメーカ
・胸部インプラント
・他の美容用インプラント(例えば、腱板、胸筋、二頭筋、尻部/臀部等)
・例えば、その他のインプラント可能な医療デバイス
・整形外科的人工装具
・循環器系デバイス
・センサ及び電気刺激デバイス
尿失禁脳室腹腔短絡術等用のカテーテルのような排液システムなど
慢性疼痛治療用持続薬液点滴システム等のポンプ及びチューブシステムなど
・眼科的デバイス
・聴力デバイス
ロボット工学等の生物工学的デバイス

0043

一般的に、応用の可能な分野に関しては、次の分野が考えられる:

0044

1)形成外科:
商業用シリコーンインプラント(例えば、胸、ふくらはぎ、尻、胸回り、二頭筋)は、異物反応及び瘢痕組織の被包化によって失敗する。セルロースは、これらの反応の両方を抑制する。これらの埋込物マイクロパターンセルロース中に包んだ場合、人体によるネガティブな反応が抑制されるだけでなく、周辺組織中でポジティブ細胞反応が改良される。マイクロパターンセルロースは、既存の埋込物に対し、それらの失敗率を劇的に低減させることによって市場価値を増加させる。

0045

2)美容品:
最近、美容品において、皮膚の水和の向上、代謝老廃物の吸収の向上、及び皮膚に対する栄養剤又は他の化合物の放出の向上をもたらすマスクなどの使い捨てセルロースマスクが市販されている(例えば、顔、手、及び足)。商業用セルロースマスクは、表面立体形状を特徴とするものではない。マイクロパターンを持つ立体形状は、i)水又は他の液体と接触する表面を増加させることによって、皮膚に対する物質輸送を向上させ、ii)上皮組織上での頂側誘導によって細胞応答を向上させる。SABは、マイクロパターンセルロース美容品マスクを開発するために採用され得る:SABは、美容品マスクの性能を増加させ、最終的に、それらに市場価値を付加する。

0046

3)パッチ及び創傷治癒:
セルロースは、完全に生体適合性な材料であり、損傷組織に接触する材料として理想的である(やけど治療用の人工皮膚糖尿病性潰瘍、一般的な摩擦創傷等の慢性的創傷用の密封包帯など)。マイクロパターンを持つ立体形状は、伸展、増殖、分化、及び方向性移動において、細胞応答を刺激し、特にヒト線維芽細胞(HDF)の細胞応答を刺激し、最終的に、創傷治癒の効率を向上させる。SABは、創傷治療用のマイクロパターンセルロースパッチを製造するために使用され得る。

0047

本発明の更に好ましい実施の形態については、添付の特許請求の範囲中に概説してある。

0048

図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施の形態が以下に記載してあるが、図面は、本発明の好ましい実施の形態を例示する目的で描かれたものであり、それを限定する目的をもって描かれたものではない。

図面の簡単な説明

0049

図1は、自己組織化バイオリソグラフィー(SAB)プロトコルの模式図を示す;PDMSをプラスチックマスク上へ成形する標準ソフトリソグラフィーを介してPDMSモールドが生成される(上段);表面立体形状を特徴とするマスクは、一般に(しかしながら限定するものではないが)、熱可塑性ポリマーで製造され、標準熱エンボス加工を介して取得される;SABは、PDMSモールドによってもたらされる表面幾何構造のネガティブレプリカを有する平坦なパッチを生産する(下段);モールドは、単純に増殖培地との界面に配置され、細菌セルロースのポリマー化を誘発するガス透過枠組みと成る;セルロースパッチは、更なる工程を経ることなく最終的にPDMSモールドから剥がされ得る。
図2は、細菌が生産したセルロース上の表面立体形状を示す;SAB方法によってセルロースパッチ上に生成された格子;溝の深さ0.4μm、それぞれ横方向周期20(A)又は100μm(B)の格子の透過画像;(C)及び(D)パネルA及びBで報告された画像の強度分布
図3は、SAB方法によって細菌のセルロース上に生成された高アスペクト比を有する格子を示す。
図4は、SABにおける垂直特徴サイズの制御を示す;横方向周期10μm及びそれぞれ、溝の深さ0.4(A)又は1μm(B)の格子の透過画像。
図5は、ゼラチンコート細菌セルロース上でのヒト線維芽細胞(HDF)の増殖を示す;細胞核及びアクチン細胞骨格を表すHDFの免疫染色;高密度細胞層がSAB組織化セルロース上で取得され得るとき、平坦なパッチ(A)上に付着して増殖する非分極細胞はほとんど無い;ここでHDFは、立体形状の方向に沿って伸長し、特に10(B)又は20μm(C)の横方向周期を有する格子上に伸長する;100μm(D)の横方向周期を伴う格子上に、減少した配向が得られる;格子の方向は、白色矢印によって示されている。
図6は、セルロースパッチ上のヒト線維芽細胞(HDF)配向の分布を示す:格子の方向を基準とした配向角度;表面立体形状が無い平坦なサンプル(A)、及びSAB方法によってセルロースパッチ上に生成された格子:溝の深さ0.4μm、それぞれ、横方向周期20μm(B)、又は10μm(C);細胞は、平坦なパッチ(A)上でランダムな分布を示す;セルロースパッチがマイクロ格子(B及びC)を伴う表面立体形状の特徴を有するとき、細胞の配向は、より均一となる。
図7は、可能な寸法を有する溝/隆起の進行方向に本質的に垂直な切片を示しており(a)、及びPDMSモールドの溝/隆起の可能な代替形状(b)〜(d)を模式的に示す。
図8は、異なるプラズマ処理に応じてアクティブなPDMSモールド表面上で測定された水の静的接触角を示しており、低電力(10W)プラズマで30、60、90、120、及び150秒処理されたパッチの接触角及びゼラチンコートPDMSの接触角と未処理PDMSモールドの接触角とが比較される。
図9は、治癒/被覆パッチ上の立体的配列の幾何学的形状を示しており、A)では、縦長創傷に対する形状が示されており、B)では、円形創傷に対する形状、C)では、より複雑な創傷に対する形状が提供されている。
図10は、脱水和前(左)及び再水和後(右)の構造化バイオセルロースパッチの垂直方向の特性を示す;上段(A):格子形状のパッチの原子間力顕微鏡写真;下段(B):対応する高さ方向分布
図11は、立体的表面構造化セルロース要素の図式パターンの上面図(上図)を示す。柱は、六角形の断面(六角形充填)を有する。また、上図のラインKに沿った表面に垂直な切片(下図)を示す。
図12は、立体的表面構造化セルロース要素の図式パターンの上面図(上図)を示す。柱は円形断面を有する。及び上図のラインKに沿った表面に垂直な切片(下図)を示す。
図13は、シリコンウエハ上の六角形充填柱構造SEM画像を示す:上面図(左)及び45°斜視図(右)。
図14は、立体構造を有する3DのPDMSモールドの画像を示す。
図15は、3Dモールド生成用バイオリアクタ構成の模式図を示す。
図16は、ペースメーカ上の3Dセルロースポーチ/カバー/ポケットを示す、左:ペースメーカのみ、中央:ポーチのみ、右:ポーチ内のペースメーカ。

発明を実施するための最良の形態

0050

PDMSモールド製造:
PDMSモールドは、混合比1:10のポリジメチルシロキサン(PDMS、ダウコーニング、USA)で製造された。混合されたPDMSは、減圧室内で10分間脱ガス捕捉空気を除去し、2μmの周期、1μmの溝幅、及び0.6μmの溝の深さを伴う平行溝から成るマイクロパターン化された環状オレフィンコポリマー(COC)マスク上に500μmの厚みで注がれた。次に、PDMSに、短時間第2回目の脱ガスを施し、60°Cで4時間硬化させた。硬化されたPDMSモールドを、ピンセットを用いてモールドから分離し、メスを用いて1cm2の正方形形状に切断した。ブランクモールドは、比較目的のため、PDMSを平坦なCOC基板上に注ぐことによって同様に生成した。次に、全パッチを一晩エタノール中に浸漬し、非架橋材料をすべて溶解させた。次に、モールドを酸素プラズマで処理し、表面の親水性を増加させた。最低接触角(20.2±0.5°)を生じるものとして30〜150秒の時間間隔の範囲を試験した後、10Wで120秒のプロセス時間を選択した。図8は、試験について示しており、異なるプラズマ処理に応じて水の静的接触角をアクティブPDMSパッチ表面上で測定し、未処理PDMSパッチの接触角を、30、60、90、120、及び150秒間、低電力(10W)プラズマで処理されたパッチの接触角、及びゼラチンコートPDMSの接触角と比較した。生成されたパッチの剛性を、一軸試験によって測定し、ヤング率が1.53±0.057MPaと計算された。

0051

モールド2は、幅fの溝6と幅eの隆起5とを有する。これは、図7の、特に図7aの中にやや詳細に例示してあり、モールド2上のパターンの進行方向に本質的に垂直な切片が示されている。この場合パターンは、規則的な矩形パターンとなり、幅e及びfが等しくなり、パターン角度α(アルファ)が90°となる。実際のパターンの長さlは、最小の長さを有するべきであり、つまり、パターン期間pは、10μm[マイクロメータ]よりも小さくあるべきであり、パターン長さlは、1mmより大きくあるべきである。通常、この長さlは、図1に例示してあるように、モールド2の全幅と同じ大きさである。隆起は、高さhを有し(又は、溝が深さを有する)、上で概説したように境界の範囲内とすることができる。

0052

パターンの形状は、図7aに例示したように、規則的な矩形形状とする必要はない。隆起はまた、図7bに例示したように、少なくとも部分的に台形形状であってもよく、図7cに例示したように三角形状であってもよく(三角形が隆起の下側で合って、ジグザグ形状になってもよく)、図7dに例示したように丸型端部を伴う矩形でもよい(丸型端部は、図7dに例示したように、隆起の上端角部分としてもよい。しかしながら、また、又は代わりに、溝の底の部分としてもよい)。

0053

図1及び7内に、パターンが本質的に1つの線形方向に沿って伸長するという状況のみが示される。しかしながらまた、もし、セルロース生成細胞が方向9に沿った曲げ構造に沿って誘導されるような場合には、そのような曲げ構造を有することも可能である。上で概説したように、限界を持った長さlは、この状況においては曲げ形状のようなものに沿った長さとして理解され得る。

0054

治癒/被覆パッチ上の立体的配列の可能な幾何学的形状は、図9に例示される。隆起及び溝が交互する縦長配列のように、基本的な幾何学的形状が格子である場合、好ましくは、パッチが適用される場合に異方性の立体形状が創傷に垂直に配列される場合には、基本的な幾何学形状は、縦長の創傷又はやけどに対してのみ有効であろう。

0055

しかしながら、円形の又は複雑な形状の創傷又はやけどと相互作用するために、より複雑な幾何学的形状が実現され得る。これらの幾何学的形状は、巨視的なパターンに対応する一方で、ミクロンスケール又はサブミクロンスケールにおいて立体的特徴は同一又は同様な特徴のサイズ及び周期性を保持するであろう。図9におけるA)縦長創傷、B)円形の創傷、又はC)複雑形状の創傷のケースに対し、視覚的な例が以下に提供される。

0056

モールド上のセルロースパッチの成長:

0057

0058

手順:

0059

0060

得られた溶液を、121°Cで30分間オートクレーブに処する。室温まで冷却した後、50mlのろ過したグルコース溶液蒸留水中50%)を添加する。

0061

バイオリアクタのセットアップ

0062

10cmペトリディッシュの場合。
均質化セルロース(細菌を含む)1mlをとり、殺菌したファルコンチューブ(50ml)内で培地20mlと混合する。
・混合したセルロース及び培地を最終ディッシュへ注ぐ。
液体培地とPDMSモールドとの間に気泡トラップされないように気をつけながら、上にPDMSモールドを置く。気泡は、最終セルロースパッチ中に不均質性を生じ得る。そのため、避けるべきである。
・PDMSパッチは、培地上に浮かぶため、モールドよりも少し大きな容器を使用するほうが便利である。
・バイオリアクタを、注意深くインキュベータ内に配置し、加湿環境湿度70%)中で29℃に維持する。
・細菌を十分な時間増殖させる。インキュベーション時間は、生成セルロースパッチの所望の全厚みに比例する。以下のテーブルは、この相関についての実験的指標を提供する:

0063

0064

これらの値は、全モールドにわたる酸素(部分)圧力の増加による影響を受け得る。

0065

セルロースパッチの収穫
発酵期間の終了時、PDMSモールド及びセルロースパッチをバイオリアクタから取り外す。これらは互いに付着する。
・PDMSモールド及びセルロースパッチは、室温でNaOH(蒸留水中で1M)溶液中に浸漬される。
・セルロースパッチを、溶液中で注意深くPDMSモールドから剥がす。
・PDMSモールドを、溶液から取り出す。
・セルロースパッチを、NaOH溶液中に放置する。
・セルロースパッチが入ったNaOH溶液を、次に80℃のオーブン内で80分保持する(すなわちパッチ全体をNaOH溶液に浸漬する;その前に、細菌及び培地を、セルロースの中及び周辺に捕捉される;この工程が細菌を除去する/洗浄する(又は”アニーリングする”);次の工程でNaOHを水に置換する)。
・NaOH溶液をその後に除去し、蒸留水を加える。
・セルロースパッチを、蒸留純水を用いて1時間に4回洗浄し、残存培地を除去する。
・セルロースパッチ(ハイドロゲルの特徴を有する)をその後、95%エタノール溶液で洗浄し、使用するまでエタノール中で保存する。

0066

この手順は、(可視スペクトル内で)半透明セルロースパッチを生成する。透明性を(入射光の90%まで)改善するために、エタノール中での長期インキュベーション(1週間まで)が使用され得る。

0067

図10は、結果として得られた構造が脱水/再水和に対して安定であることを示す。初期に生産された水和パッチの表面立体構造を測定し、右側に例示した特徴が示された。次に、パッチは乾燥され、続いて、パッチは再び再水和され、パッチの同じ領域の表面構造が測定された。その結果は右側に示されている。乾燥前と同様に、再水和後に同じの深さ及び周期性が確立される。初期に確立された構造における周期性、及び/又は深さ、及び/又は形状に関する劣化又は変化は見られなかった。

0068

図11及び12は、対応するモールド内で実現可能な立体構造を模式的に例示する。セルロース要素中に生成される柱は、モールド表面内の窪みに対応する。図11において、六角形の構造が示されており、規則的な(均一な辺長、完全な対称性)六角形の断面の窪みの規則的な配列は、対応する六角形の柱を最終的にセルロースパッチ内に生じさせることになり、相互に対して60°/120°に食い違う3つの斜行軸に沿ったラインに並んで、2D配列内に配置される。垂直表面の最大傾斜角は、好ましくは、モールド内において、1°より小さい。図12は、窪みの断面が円形であるそれぞれの配置を例示しており、円形の断面柱を持つセルロースパッチをもたらす。

0069

上で指摘したように、柱構造は好ましいが、対応するネガ構造も可能であり、すなわち、窪みの規則的な2次元配列が存在し、全窪みが本質的に同一となる構造も可能である。図13において、表面立体構造として六角形の窪みの規則的配列を有するセルロースパッチを製造するためのモールド構造が示されている。

0070

マウスのパッチに対するインビトロビボ研究:

0071

動物試験は、以下の内容を評価するために、体重25〜35gのマウスのオスC57BL/6Jを用いて実行された(n=18):
1.立体的に設計された表面を有するセルロースパッチの創傷治癒性能。
2.セルロース存在下での炎症プロセス及び血管再生プロセス。

0072

血管再生プロセスを研究するために、改変背方皮脂チャンバ(MDSC)を使用した。簡単に説明すると、チャンバのインプラントとして、2つの対称的なチタンフレームを動物の背方皮脂層上に搭載した。次に、直径15mmの円形領域において、1つの皮膚層を完全に除去し、チタンフレームのうちの1つに組み入れられたガラスカバースリップを用いて残りの層(横紋皮膚筋、皮下組織、及び皮膚から構成される)を被覆した。皮膚移植の前に、回復期間として3日が与えられた。その後、人工的な全層創傷を生成するために、皮膚及び皮下脂肪層の大部分を、チャンバの後方から、直径7mmの円形領域において注意深く除去した。次に、チャンバ後方にある欠損を、細菌セルロース基板で被覆し、他のチタンフレーム中に組み入れられたガラスカバーのスリップで被覆した。表面構造を持つ細菌セルロース基板を、創傷床に対して格子の向きを合わせて配置した。更に、細菌セルロース基板の生体親和性を調査するために、全ての動物に、鼠蹊部の皮膚ポケット内に同一細菌セルロース基板のレプリカを施術した。

0073

総合的結果から、細菌のセルロースパッチ存在下で創傷床における炎症が最小であることが示された。この結果は、同じ動物に全皮膚移植をした場合(対照群として使用)と同程度の低い値であった。

0074

したがって、細菌セルロースは、創傷治療及びインプラント処置に対する理想的な材料であることが確認される。更に、定量的組織学コラーゲン生成分析及び分布の洞察から、立体的に設計されたセルロースを用いて処理された群では(21日後)、すでに高密度の、均質に分布したコラーゲン繊維の層が再確立されたことが明らかになった。したがって、立体的に設計されたセルロースパッチの性能は、同一の非構造化パッチの性能と比べて優れていた。

0075

3D‐立体的に構造化された要素の製造:

0076

3Dセルロース構造は、細菌培養に3Dシリコーンモールドを導入することによって取得される。シリコーンモールドは、表面立体構造に特徴があり、一例が図14に示されている。表面立体構造は、モールドプロセス自体の間に(例えば、PDMSと共に)インプリントされ、又は、(例えば、前述したように、既に構造化された層をPDMS自体を用いて接着することによって)追加層として適用される。シリコーンモールドは、0.5〜2mmの間の厚みを有し、セルロースで被覆される対象物の形状、サイズ、及び寸法を持った内部空洞を有する。シリコーンモールドは、細菌培養物内への配置を容易にするため、その上部に追加の層を備えることができる。

0077

表面立体を持ったシリコーンモールドを、細菌培養内に配置し、以下の操作を行う:
−シリコーンモールドの外部表面を完全に濡らす。
−内部空洞に空気を満たす。

0078

シリコーンモールドの設置は、空気及び培地中の細菌のそれぞれに対し、2つのチャンバからなるバイオリアクタによってサポートされる。空気チャンバ内の酸素循環は、チャンバを開放することによって、又は、例えば、ポンプ又はバルブシステムを備えたガスボトルを用いてその中の酸素フローを制御することによって促進される。

0079

バイオリアクタ構成の模式的な絵が図15に例示してある。

0080

培養時間の後、モールド界面セルロース層が形成される。セルロースポーチ/カバー/ポケットは、その内部表面上に表面立体構造の特徴を持ち、平坦なセルロースパッチに対して前述したように、容易に取り外し、洗浄し、処理し、滅菌し得る。セルロースポケットは、最終的には、その外部表面上に表面立体構造の特徴を付けるために、内外をひっくり返される。標的対象物は、最終的に、セルロースポケット内に挿入される。対象物の封入は、セルロースポケットのオープンサイド縫合することによって最適化され得る。

0081

図16は、ペースメーカ上の3Dセルロースポーチ/カバー/ポケットの一例を示す。

0082

1 COCマスク
2パターンを持つアクティブ表面要素、PDMSモールド
3 2の背面
4 2の前面、立体的表面
5隆起
6 溝
7 隆起の中央鏡
8 溝の中央鏡面
9 パターンの進行方向
10セルロース要素
11酸素チャンバ
12発酵チャンバ
12.1モールド
12.2チューブ
12.3 蓋
12.4フランジ
13酸素透過用の内腔
e 隆起幅
f溝幅
αパターン角度
パターン周期
h パターンの高さ
l 溝/隆起の進行方向に沿ったパターンの長さ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 田中貴金属工業株式会社の「 医療用Au-Pt-Pd合金」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【解決課題】MRI等の磁場環境下での使用が想定される医療用の金属材料であって、好適な磁化率を有すると共に、機械的性質にも優れる医療用の合金材料を提供する。【解決手段】本発明は、Au、Pt、Pd及び不可... 詳細

  • 学校法人自治医科大学の「 内視鏡の視野確保用の粘弾性組成物」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題・解決手段】本発明は、増粘性物質と水とを含有する内視鏡の視野確保用の粘弾性組成物であって、せん断貯蔵弾性率G’が0.7Pa以上である粘弾性組成物、及び当該粘弾性組成物を、内視鏡の手元部から、チャ... 詳細

  • 富士フイルム株式会社の「 マイクロニードルアレイの製造方法」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題・解決手段】針状凹部の先端に薬剤液を確実に充填するマイクロニードルアレイの製造方法を提供する。表面に針状凹部を有するモールドと薬剤液を吐出する薬剤液吐出ノズルとを位置決め調整する位置決め調整工程... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ