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技術 ガスを放出する感光性の化合物を含有するマイクロカプセルおよびその使用

出願人 フイルメニツヒソシエテアノニム
発明者 アンドレアスヘルマンダミアンベルティエニコラパレアラントラクセル
出願日 2014年5月21日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2016-514403
公開日 2016年10月20日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2016-532539
状態 特許登録済
技術分野 空気の消毒,殺菌または脱臭 脂肪類、香料 マイクロカプセルの製造 化粧料 洗浄性組成物
主要キーワード 分配パラメータ キセノンライト 採取セル ガスクロマトグラフシステム 液体製品中 マイクロカプセルシェル ヘッドスペース濃度 ギ酸セシウム
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重要な関連分野

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図面 (1)

課題・解決手段

本発明は、光にさらすことでガスを発生することができる感光性の化合物を含有する油相、例えば香料を含む水分散性マイクロカプセルに関する。前記ガスは、該マイクロカプセルの膨張または破壊を引き起こすことができ、油相を放出させ、こうして匂いの知覚長期持続性を高める。また、本発明は、前記マイクロカプセルの、香料ならびに賦香性組成物における使用、または延長された芳香分子の放出を提供するために本発明のマイクロカプセルを含む賦香された物品に関する。

概要

背景

概要

本発明は、光にさらすことでガスを発生することができる感光性の化合物を含有する油相、例えば香料を含む水分散性マイクロカプセルに関する。前記ガスは、該マイクロカプセルの膨張または破壊を引き起こすことができ、油相を放出させ、こうして匂いの知覚長期持続性を高める。また、本発明は、前記マイクロカプセルの、香料ならびに賦香性組成物における使用、または延長された芳香分子の放出を提供するために本発明のマイクロカプセルを含む賦香された物品に関する。

目的

本発明のいずれかの実施形態によれば、本発明のマイクロカプセルは、40%未満の、好ましくは20%未満の、最も好ましくは10%未満のシェルコア公称質量比を特徴とすることができ、それにより、本発明は、感光性の化合物の分解から生ずる芳香分子の拡散を可能にする薄く脆いシェルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

a)以下を含むか、好ましくはそれらからなるコアと、−油相、−900nmから300nmの間に含まれる波長の光にさらすことでCO、CO2、N2およびC2〜C4−アルケンからなる群から選択されるガスを発生することができる少なくとも1種の感光性の化合物であってアルキル芳香族ケトン、二芳香族ケトン、N−N=N(トリアゼン)部もしくはカーボネート誘導体を含む感光性の化合物からなる群から選択される化合物、ならびに、−場合により、少なくとも1種の光触媒、b)前記コアを取り囲んでいるシェルであって、界面重合によって、重合により誘発される相分離プロセスによって、またはコアセルベート化によって形成される前記シェルと、を含む非拡散性のコア・シェル型マイクロカプセル

請求項2

請求項1に記載のマイクロカプセルであって、前記感光性の化合物は、式[式中、それぞれのR1は、互いに独立して、水素原子フッ素原子もしくは塩素原子ヒドロキシル基もしくはアミノ基、またはC1〜C2−アルキル基、C1〜C2−アルコキシ基、C1〜C2−ジアルキルアミノ基もしくはCOR2'基を表し、その際、R2'は水素原子またはC1〜C4−アルキル基を表すが、但し、少なくとも2つのR1は、水素原子を表すか、または2つの隣接したR1は、一緒になって、OCH2O基、OCH2CH2O基もしくはC3〜C4−アルカンジイル基を表し、場合により1〜4個のメチル基置換された前記基を表し、かつR2は、プロピルn−ブチルまたはs−ブチル基を表す]のアルキル芳香族ケトンであることを特徴とする、前記マイクロカプセル。

請求項3

請求項1に記載のマイクロカプセルであって、前記感光性の化合物は、式[−CR3R3'COOH基は、2位、3位または4位のいずれかにあり、式中、R3は、水素原子、メチル基またはフェニル基を表し;R3'は、水素原子、またはメチル、CH2OCOCH3もしくはCH2OCOXR’基を表し、その際、R’は、C1〜C12−炭化水素基を表し、Xは、O原子もしくはS原子またはNR基を表し、Rは、水素原子またはC1〜C4−アルキル基を表し、かつそれぞれのR4は、別々に、水素原子を表すか、または両方のR4は、一緒になって酸素原子橋かけを表す]の(3−ベンゾイルフェニル酢酸誘導体または(9−オキソ−9H−キサンテン−2−イル)酢酸誘導体であることを特徴とする、前記マイクロカプセル。

請求項4

請求項1に記載のマイクロカプセルであって、前記感光性の化合物は、式[式中、Xは、O原子もしくはS原子またはNR基を表し、Rは、水素原子またはC1〜C4−アルキル基を表し;R5は、−C1〜C16−炭化水素基であって、場合により1または2個の酸素原子もしくは窒素原子を含む前記C1〜C16−炭化水素基、または−式R5'(X(CO)OR6)nの基(式中、XおよびR6は、以下と同じ意味を有し、R5'は、C2〜C12−炭化水素基であって、場合によりXに直接的に連結されていない1または2個の酸素原子もしくは窒素原子を含む前記C2〜C12−炭化水素基であり、nは、1から4の間に含まれる整数である)を表し;R6は、式C(R3)2Aの基を表し、その際、R3は、水素原子、メチル基もしくはフェニル基を表し、かつAは、式の基であり、それぞれのR7は、互いに独立して、水素原子もしくは臭素原子、またはCH3、OH、OCH3、NH2、N(CH3)2、N(CH2CH3)2もしくはN(CH2COOH)2基を表す]のカーボネート誘導体であることを特徴とする、前記マイクロカプセル。

請求項5

請求項1に記載のマイクロカプセルであって、前記感光性の化合物は、式[式中、それぞれのR9は、互いに独立して、水素原子またはC1〜C10−炭化水素基であって、前記R9が結合される窒素原子に隣接していない酸素原子もしくは窒素原子を有してよい前記C1〜C10−炭化水素基を表すか、または2つのR9は、一緒になって、C4〜C6−アルカンジイル基であって、場合により1つのエーテル基を含み、そのO原子が環の窒素原子に隣接していない前記C4〜C6−アルカンジイル基を表し、かつR8は、式(iii)中に定義されるR7基、カルボン酸基、メチルもしくはエチルカルボキシレート基、塩素原子または式−Y−C6H4−N=N−NR92の基を表し、その際、Yは、O原子もしくはS原子または式(ii)中に定義されるNR基を表すか、またはCO、CH2、HC=CHまたはSO2基を表す]のトリアゼン誘導体であることを特徴とする、前記マイクロカプセル。

請求項6

請求項1から5までのいずれか1項に記載のマイクロカプセルであって、該マイクロカプセル全質量に対して、約10%から約50%までの感光性の化合物を含むことを特徴とする、前記マイクロカプセル。

請求項7

請求項1から6までのいずれか1項に記載のマイクロカプセルであって、該マイクロカプセル全質量に対して、約20%から約96%までの油相を含むことを特徴とする、前記マイクロカプセル。

請求項8

請求項1から7までのいずれか1項に記載のマイクロカプセルであって、該マイクロカプセル全質量に対して、1%から20%までの光触媒を含むことを特徴とする、前記マイクロカプセル。

請求項9

請求項1から8までのいずれか1項に記載のマイクロカプセルであって、前記コアを取り囲んでいるシェルが、アミノプラスト樹脂ポリアミド樹脂ポリエステル樹脂ポリ尿素樹脂もしくはポリウレタン樹脂またはそれらの混合物であることを特徴とする、前記マイクロカプセル。

請求項10

請求項1から9までのいずれか1項に記載のマイクロカプセルであって、前記シェルは、20nmから500nmの間の幅の厚みを有することを特徴とする、前記マイクロカプセル。

請求項11

請求項1から10までのいずれか1項に記載のマイクロカプセルであって、前記油相が、賦香性油を含むことを特徴とする、前記マイクロカプセル。

請求項12

請求項11に定義されるマイクロカプセルの、賦香性成分としての使用。

請求項13

i)賦香性成分として、請求項11に定義される少なくとも1種の本発明のマイクロカプセルと、ii)任意に、遊離香料油と、を含む消費者製品

請求項14

請求項13に記載の賦香性消費者製品であって、前記消費者製品が、香料、ファブリックケア製品ボディケア製品エアケア製品またはホームケア製品であることを特徴とする、前記賦香性消費者製品。

請求項15

請求項13に記載の賦香性消費者製品であって、前記消費者製品が、精製香料、コロンアフターシェーブローション液体もしくは固体洗剤ファブリックフナー、ファブリックリフレッシャー、アイロン水、紙、ブリーチシャンプーカラーリング調製物ヘアスプレーバニシングクリームデオドラントもしくは発汗抑制剤、賦香石けんシャワー用もしくは風呂用ムースオイルもしくはジェル衛生製品エアーフレッシュナー、「すぐ使用できる粉末化エアーフレッシュナー、ワイプ皿洗い用洗剤、または硬質表面用洗剤であることを特徴とする、前記賦香性消費者製品。

技術分野

0001

本発明は、活性化合物長期持続性を高めることができるとともに、光にさらすことでこれらの化合物を放出することができる水分散性マイクロカプセルに関する。本発明は、ガスを放出することで、利益または効果をもたらすことができる少なくとも1種の活性化合物を含有する油相周囲環境に放出することを惹起しうる感光性の化合物のカプセル化と、得られたマイクロカプセルの消費者製品における使用に関連している。

0002

従来技術
香料産業が直面している問題の一つは、発香化合物によってもたらされる嗅覚的な利益が、それらの揮発性、特に「トップノート」の揮発性の結果として比較的素早く失われることにある。また、幾つかの芳香成分は、機能性香料の用途においては不安定になり得、かつ分解または素早い蒸発のため失われうる。これらの問題は、しばしば、送達ステム、例えば香料を含有するカプセルを使用して芳香成分を制御された様式で放出することを通じて取り組まれている。

0003

芳香成分のカプセル化は、前記蒸発の問題を少なくとも部分的に解決するが、多くの種類のマイクロカプセルは、貯蔵の間に芳香成分の一部を、それらのシェルもしくは壁部を通じた拡散を介して、または香料の漏れを引き起こしうる界面活性成分を含む、前記芳香成分が導入される消費者製品の性質の結果として失うことが知られている。

0004

しかしながら、そのようなシステムでの香料の感知のためには、所望の時点で、前記マイクロカプセルを機械的に破壊するか、または該カプセルから外へと香料の自発的な漏れを生じるか、のいずれかを必要とする。一番目の場合には、その嗅覚的な経験は引っ掻きという事象に制限され、その一方で二番目の場合には、前記マイクロカプセルを含有する消費者製品の限られた貯蔵寿命に関連した問題のため、通常は性能の問題に直面する。

0005

従って、上述の問題を解決できるか、または少なくとも軽減できる新たなシステムを作り出すことが望ましく、本発明はそのような解決策を提供している。

0006

本発明によれば、前記芳香成分は、固体のシェルもしくは膜の内側にカプセル化されるか、または更に、該マイクロカプセルの膨張もしくは破壊を引き起こしうる化合物であって、こうして引っ掻きという事象を必要とすることなく、または制御が困難な漏れ現象に頼ることなく、嗅覚的な経験を惹起しうる化合物と一緒マトリックス系の一部である。

0007

同様の問題は、多くの他の有益な剤にも当てはまる

0008

目下、マイクロカプセルの内側でガスを発生することができる感光性(photolabile)の化合物のカプセル化により、所望の効果、すなわち光にさらすことでマイクロカプセルの自発的な膨張または破壊がもたらされることが立証された。カプセルのシェルまたは壁部の光に対する好ましくない透明性がガスの放出に必要な光反応の効率を下げると予想されるであろうことから、この効果は意想外である。

0009

本発明の説明
本発明の1つの対象は、
a)以下を含むか、または、それどころかそれらからなるコアと、
−油相、
− 900nmから300nmの間に含まれる波長の光にさらすことでCO、CO2、N2およびC2〜C4−アルケンからなる群から選択されるガスを発生することができる少なくとも1種の感光性の化合物、ならびに、
− 場合により、少なくとも1種の光触媒
b)前記コアを取り囲んでいるシェルであって、界面重合によって、重合により誘発される相分離プロセスによって、またはコアセルベート化によって形成される前記シェルと、
を含む非拡散性のマイクロカプセルである。

0010

明確にするために、本発明における「マイクロカプセル」または同等の表現とは、該マイクロカプセルが、外側の固体のオリゴマー基礎とするシェルまたは壁部と、該外側シェルによって閉じ込められた内側の連続油相とを含むことを意味する。言い換えると、カプセル化物、例えばコア・シェル系(例えばコアセルベート)またはマトリックス形態を有する系(例えば液滴を含む押出物もしくは多孔質固相)は、本発明の一部であると考えられる。「コア・シェル」という表現とは、油相がシェルによって取り囲まれていることを意味し、その一方で、「マトリックス形態」という表現とは、油相がマトリックス中に分散されていることを意味する。

0011

好ましくは、前記マイクロカプセルは、コア・シェル系である。

0012

明確にするために、本発明の「非拡散性」または同等の表現とは、マイクロカプセルのシェルまたは壁部が、該マイクロカプセルの内側にある油相について透過性でないことを意味する。「透過性でない」という表現とは、光の不在下での油相の放出がシェルについて無視できるか、または知覚できない(すなわち匂い閾値を下回る)ことを意味する。

0013

「油相」という用語とは、本明細書においては、20℃および1気圧液体または溶液であり、かつその周囲環境へと利益もしくは効果をもたらすことができ、特に賦香性成分、フレーバリング成分化粧用成分スキンケア用成分、悪臭中和成分、殺細菌成分、殺真菌成分、医薬品成分もしくは農業化学成分、診断剤、および/または昆虫忌避剤もしくは誘引剤を含む液体または溶液を意味する。

0014

前記油相は、単独化合物または複数の化合物の混合物から構成されていてよく、その際、前記化合物の少なくとも1種は、賦香性成分、フレーバリング成分、化粧用成分、スキンケア用成分、悪臭中和成分、殺細菌成分、殺真菌成分、医薬品成分もしくは農業化学成分、診断剤、および/または昆虫忌避剤もしくは誘引剤として有用なものにする少なくとも1つの特性を有する。

0015

好ましくは、前記油相は、単独化合物または複数の化合物の混合物から構成されていてよく、その際、前記化合物の少なくとも1種は、賦香性成分、フレーバリング成分、化粧用成分、スキンケア用成分、悪臭中和成分、殺細菌成分、殺真菌成分、医薬品成分もしくは農業化学成分、および/または昆虫忌避剤もしくは誘引剤として有用なものにする少なくとも1つの特性を有する。

0016

実践的には、本発明は、該油相の正確な特性とは無関係に、全く同様に行われる。従って、本発明が以下の本明細書中で「賦香性」成分を具体的に参照して更に説明されるとしても、以下の実施形態は他の油に当てはめることもできる(すなわち、表現「賦香性」は、例えば「フレーバリング」、「化粧用」、「スキンケア用」、「悪臭中和」、「殺細菌」、「殺真菌」、「医薬品」、「農業化学」、「診断剤」、「昆虫忌避剤」もしくは「昆虫誘引剤」と置き換えることができる)と理解される。

0017

本発明の具体的な一実施形態によれば、本発明のコア・シェル型マイクロカプセルは、油相が賦香性油、すなわち単独の香料成分または賦香性組成物を含む場合に特に有用である。「賦香性成分」は、香料産業で現在使用される化合物、すなわち快い効果を付与するために賦香性調製物または組成物において有効成分として使用される化合物である。言い換えると、そのような賦香性成分は、香料の技術分野における当業者によって、組成物の匂いを、良い方向にまたは心地よく、かつ有する匂いと同じにならないように付与または改変することができるものと認識されるはずである。明確にするために、賦香性成分の定義は、必ずしも匂いを有さず、匂いを調節できる化合物も含むことを意味している。明確にするために、賦香性成分の定義は、プロパヒューム(pro−perfume)、すなわち分解により賦香性成分を遊離する化合物も含むことを意味している。「賦香性組成物」は、少なくとも2種の賦香性成分を含む化合物の混合物である。

0018

一般用語においては、これらの賦香性成分は、アルコール類ラクトン類アルデヒド類ケトン類エステル類エーテル類エステルニトリル類テルペノイド類窒素系もしくは硫黄複素環式化合物および鉱油のような様々な化学物質クラスに属するものであり、前記賦香性成分は、天然由来または合成由来のものであってよい。そのような賦香性成分の具体的な例は、S.Arctanderによる「香料およびフレーバーの化学(Perfume and Flavor Chemicals)」、著者により発行、モントクレア(米国、ニュージャージー州)、1969またはそのより最新版、または類似の性質の他の論文、ならびに香料分野における豊富な特許文献などの参考書において見出すことができる。それらは、消費者製品を賦香する技術分野、すなわち消費者製品に心地よい匂いを付与する技術分野における当業者に周知である。

0019

特に、そのような賦香性油は、香料において最近使用される溶剤および助剤を含んでもよい。

0020

「香料で最近使用される溶剤」とは、本明細書においては、香料の観点から実際に中立的な材料、すなわち賦香性成分の感覚刺激特性を大きく変更せず、かつ一般的に水と混和性ではない、すなわち水中で10%未満の、またはそれどころか5%未満の可溶性を有する材料を意味している。香料で通常使用される溶剤、例えばジプロピレングリコールジエチルフタレートイソプロピルミリステートベンジルベンゾエート、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノールもしくはエチルシトレートリモネンもしくは他のテルペン類イソパラフィン類、例えばIsopar(登録商標)(供給元:Exxon Chemical)として知られるイソパラフィン類、またはグリコールエーテル類およびグリコールエーテルエステル類、例えばDawanol(登録商標)(供給元:Dow Chemical Company)として知られるグリコールエーテルエステル類などの溶剤は、本発明の目的のために適した溶剤である。

0021

「香料で最近使用される助剤」とは、本明細書においては、追加的に加えられる利益、例えば色、化学的定性等を付与することができる成分を意味する。賦香性基剤中で通常使用される助剤の性質および種類の詳細な説明は、網羅しうるものではないが、前記成分は当業者に周知であると述べる必要がある。

0022

前記油相は、その性質および目的とする嗅覚的効果の強さに応じて様々な量で含まれうる。一般的に、前記マイクロカプセルは、マイクロカプセルの全質量に対して、約1質量%から約99質量%までの油相を含む。好ましくは、前記マイクロカプセルは、約20%から約96%までの油相を含む。

0023

本発明によるマイクロカプセルの成分a)は、光にさらすことでCO、CO2、N2およびC2〜C4−アルケンからなる群から選択されるガスを発生することができる少なくとも1種の感光性の化合物(「感光性の化合物」とも呼ばれる)をも含む。本発明のいずれかの実施形態によれば、前記感光性の化合物は、アルキル芳香族ケトン、二芳香族ケトン、N−N=N(トリアゼン)部またはカーボネート誘導体を含む感光性の化合物からなる群から有利に選択することができる。明確にするために、α−ケト酸、α−ケトエステルおよびアジド化合物は、本出願に含まれない。

0024

前記化合物は、当該技術分野における当業者に周知であり、例えばP.KlanらによるChemical Reviews,2013、第113巻、第119〜191頁などの文献に見出すことができる。

0025

本発明の具体的な一実施形態によれば、前記感光性の化合物は分解することで無臭の残分を生じる。

0026

明確にするために、「無臭の化合物」または同等の表現とは、本発明においては、前記残分が、EPIsuite(4.0)プログラム(EPA(米国環境保護庁)およびSyracuse Research Corporation(SRC),2000)を使用した計算によって得られる2.0Pa未満の蒸気圧を有することを意味する。好ましくは、前記蒸気圧は、1.0Pa未満、0.1Pa未満、または0.01Pa未満でさえあり、言い換えると、前記の相応の残分は賦香性ではない。

0027

特に、CO部を含む感光性の化合物としては、光分解することでC2〜C4−アルケンを遊離するアルキル芳香族ケトンであって、式

0028

[式中、
それぞれのR1は、互いに独立して、水素原子フッ素原子もしくは塩素原子ヒドロキシル基もしくはアミノ基、またはC1〜C2−アルキル基、C1〜C2−アルコキシ基、C1〜C2−ジアルキルアミノ基もしくはCOR2'基を表し、その際、R2'は水素原子またはC1〜C4−アルキル基を表すが、但し、少なくとも2つのR1は、水素原子を表すか、または2つの隣接したR1は、一緒になって、OCH2O基、OCH2CH2O基またはC3〜C4−アルカンジイル基であって、場合により1〜4個のメチル基置換された前記基を表し、かつ
R2は、プロピルn−ブチルまたはs−ブチル基を表す]である前記アルキル芳香族ケトンを挙げることができる。

0029

本発明のいずれかの実施形態によれば、前記式(i)の感光性の化合物は、式中、R1が水素原子またはC1〜C2−アルキル基、C1〜C2−アルコキシ基もしくはCOR2'基を表し、その際、R2'が水素原子またはC1〜C4−アルキル基を表すが、但し、少なくとも3つのR1は、水素原子を表すか、または2つの隣接したR1は、一緒になって、OCH2O基を表し、かつR2は、プロピル、n−ブチルまたはs−ブチル基を表す化合物である。

0030

本発明のいずれかの実施形態によれば、式(i)の好ましい化合物は、ブチロフェノン、4−メトキシブチロフェノン、4−ヒドロキシブチロフェノン、3,4−(メチレンジオキシ)ブチロフェノン、バレロフェノン、2−および4−ヒドロキシバレロフェノンならびにイソバレロフェノンである。更により好ましくは、ブチロフェノンである。

0031

特に、CO部を含む感光性の化合物としては、光分解することでCO2を遊離する(3−ベンゾイルフェニル酢酸誘導体または(9−オキソ−9H−キサンテン−2−イル)酢酸誘導体であって、式

0032

[式中、−CR3R3'COOH基は、2位、3位または4位のいずれかにあり、
式中、R3は、水素原子、メチル基またはフェニル基を表し、
R3'は、水素原子、またはメチル、CH2OCOCH3もしくはCH2OCOXR’基を表し、その際、R’は、C1〜C12−炭化水素基を表し、Xは、O原子もしくはS原子またはNR基を表し、Rは、水素原子またはC1〜C4−アルキル基を表し、
それぞれのR4は、別々に、水素原子を表すか、または両方のR4は、一緒になって酸素原子橋かけを表す]の前記誘導体を挙げることができる。

0033

本発明のいずれかの実施形態によれば、式(ii)の前記感光性の化合物は、式中、−CR3R3'COOH基が、2位、3位または4位のいずれか、好ましくは2位にあり、かつ
R3が、水素原子またはメチル基を表し、
R3'が、水素原子またはメチル、CH2OCOCH3またはCH2OCOXR’基を表し、その際、Xは、O原子またはNR基を表し、かつ
それぞれのR4は、別々に、水素原子を表すか、または両方のR4は、一緒になって酸素原子の橋かけを表す化合物である。

0034

本発明のいずれかの実施形態によれば、式(ii)の好ましい化合物は、2−(3−ベンゾイルフェニル)酢酸、2−(3−ベンゾイルフェニル)プロパン酸、2−、3−もしくは4−(9−オキソ−9H−キサンテン−2−イル)酢酸、2−、3−もしくは4−(9−オキソ−9H−キサンテン−2−イル)プロパン酸および3−アセトキシ−2−メチル−2−(9−オキソ−9H−キサンテン−2−イル)プロパン酸である。

0035

特に、CO部を含む感光性の化合物としては、光分解することでCO2を遊離するカーボネート誘導体であって、式

0036

[式中、
Xは、O原子もしくはS原子またはNR基を表し、Rは、水素原子またはC1〜C4−アルキル基を表し、
R5は、
− C1〜C16−炭化水素基であって、場合により1または2個の酸素原子もしくは窒素原子を含む前記C1〜C16−炭化水素基、または
− 式R5'(X(CO)OR6)nの基(式中、XおよびR6は、以下と同じ意味を有し、R5'は、C2〜C12−炭化水素基であって、場合によりXに直接的に連結されていない1または2個の酸素原子もしくは窒素原子を含む前記C2〜C12−炭化水素基であり、nは、1から4の間に含まれる整数である)
を表し、
R6は、式C(R3)2Aの基を表し、その際、R3は式(ii)に定義される意味を有し、かつAは、式

0037

0038

の基であり、
それぞれのR7は、互いに独立して、水素原子もしくは臭素原子、またはCH3、OH、OCH3、NH2、N(CH3)2、N(CH2CH3)2もしくはN(CH2COOH)2基を表す]の前記カーボネート誘導体を挙げることができる。

0039

本発明のいずれかの実施形態によれば、前記式(iii)の感光性の化合物は、式中、
Xは、O原子またはNR基を表し、
R5は、C1〜C12−炭化水素基であって、場合により1または2個の酸素原子もしくは窒素原子を含む前記C1〜C12−炭化水素基、または式R5'(X(CO)OR6)の基[式中、XおよびR6は、前記と同じ意味を有し、R5'は、C2〜C12−炭化水素基である]を表し、
R6は、2−オキソ−2−(ピレン−1−イル)エチル、(6−ブロモ−7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)メチル、(7−アミノ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)メチル、(7−(ジメチルアミノ)−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)メチル、(7−(ジエチルアミノ)−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)メチル、7−(ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)メチル、(7−メトキシ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)メチル、(6,7−ジメトキシ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)メチル、(6−もしくは7−(ジメチルアミノ)キノリン−2−イル)メチル、(6−もしくは7−(ジエチルアミノ)キノリン−2−イル)メチル、(6−もしくは7−ヒドロキシキノリン−2−イル)メチル、2−オキソ−2−フェニルエチル、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソエチル、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−オキソエチル、2−(2,5−ジメチルフェニル)−2−オキソエチル、2−オキソ−1,2−ジフェニルエチルまたは(9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2−イル)メチル基を表す、化合物である。

0040

本発明のいずれかの実施形態によれば、好ましい式(iii)の化合物は、式中、
Xは、O原子を表し、
R5は、C1〜C10−炭化水素基、または式R5'(O(CO)OR6)nの基[式中、R6は、前記と同じ意味を有し、R5'は、C2〜C8−炭化水素基である]を表し、
R6は、2−オキソ−2−(ピレン−1−イル)エチル、(6−ブロモ−7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)メチル、(7−アミノ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)メチル、(7−(ジメチルアミノ)−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)メチル、(7−(ジエチルアミノ)−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)メチル、(6−もしくは7−(ジメチルアミノ)キノリン−2−イル)メチル、(6−もしくは7−(ジエチルアミノ)キノリン−2−イル)メチル、2−オキソ−2−フェニルエチル、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−オキソエチル、2−(2,5−ジメチルフェニル)−2−オキソエチル、または(9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2−イル)メチル基を表す、化合物である。

0041

本発明のいずれかの実施形態によれば、好ましい式(iii)の化合物は、エチル(2−オキソ−2−(ピレン−1−イル)エチル)カーボネート、(6−(ジメチルアミノ)キノリン−2−イル)メチルエチルカーボネート、エチル(2−オキソ−2−フェニルエチル)カーボネートまたは(9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2−イル)メチルエチルカーボネートである。

0042

特に、N−N=N部を含む感光性の化合物としては、光分解することでN2を遊離するトリアゼン誘導体であって、式

0043

[式中、
それぞれのR9は、互いに独立して、水素原子またはC1〜C10−炭化水素基であって、前記R9が結合される窒素原子に隣接していない酸素原子もしくは窒素原子を有してよい前記C1〜C10−炭化水素基を表すか、または2つのR9は、一緒になって、C4〜C6−アルカンジイル基であって、場合により1つのエーテル基を含み、そのO原子が環の窒素原子に隣接していない前記C4〜C6−アルカンジイル基を表し、
R8は、式(iii)中に定義されるR7基、カルボン酸基、メチルもしくはエチルカルボキシレート基、塩素原子または式−Y−C6H4−N=N−NR92の基を表し、その際、Yは、O原子もしくはS原子または式(ii)中に定義されるNR基を表すか、またはCO、CH2、HC=CHまたはSO2基を表す]の前記トリアゼン誘導体を挙げることができる。

0044

明確にするために、アジド化合物は、式(iv)には含まれない。

0045

本発明のいずれかの実施形態によれば、前記式(iv)の感光性の化合物は、式中、
それぞれのR9は、互いに独立して、C1〜C6−炭化水素基であって、前記R9が結合される窒素原子に隣接していない酸素原子もしくは窒素原子を有してよい前記C1〜C6−炭化水素基を表すか、または2つのR9は、一緒になって、C4〜C5−アルカンジイル基であって、場合により1つのエーテル基を含み、そのO原子が環の窒素原子に隣接していない前記C4〜C5−アルカンジイル基を表し、かつ
R8は、水素原子、メチル基、メトキシ基または式−Y−C6H4−N=N−NR72の基を表し、その際、Yは、O原子もしくは式(i)中に定義されるNR基、またはCO、CH2、HC=CHまたはSO2基を表す化合物である。

0046

本発明のいずれかの実施形態によれば、好ましい式(iv)の化合物は、1,3−ジフェニルトリアザ−1−エン、3−メチル−1−(p−トリル)トリアザ−1−エン、3,3−ジメチル−1−(p−トリル)トリアザ−1−エンまたは3,3−ジメチル−1−フェニルトリアザ−1−エンである。

0047

「炭化水素基」とは、前記基が水素原子および炭素原子からなり、かつ直鎖状分枝鎖状、もしくは環状の、芳香族基、アルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基、例えば直鎖状のアルキル基の形であってよく、または前記の種類の基の混合物の形であってもよく、例えば、特定の基は、一つだけの種類に具体的に制限されることが述べられていない限り、直鎖状のアルキル、分枝鎖状のアルケニル(例えば1つ以上の炭素炭素二重結合を有する)、(多)環式アルキルおよびアリール部を含みうることを意味すると理解される。同様に、本発明の全ての前記実施形態においては、ある基が1種より多くのトポロジーの形(例えば直鎖状、環状、または分枝鎖状)である、および/または飽和もしくは不飽和(例えばアルキル、芳香族、またはアルケニル)であると述べられている場合に、前記説明のように、前記のトポロジーのいずれか1つを有する、または飽和もしくは不飽和の部を含みうる基も意味する。同様に、本発明の全ての前記実施形態においては、ある基が飽和または不飽和(例えばアルキル)の1つの種類の形であると述べられている場合に、前記基は、任意の種類のトポロジー(例えば直鎖状、環状、または分枝鎖状)であってよく、または様々なトポロジーを有する幾つかの部を有することを意味する。

0048

明確にするために、「場合により1または2つの酸素または窒素原子を含む」または同等の表現とは、本発明においては、参照される基が、その構造中に、官能基、例えばアミンエーテルアセタール、エステル、アルデヒド、ケトン、アミドカルボキシレート、またはアルコールを含みうることを意味している。

0049

本発明のいずれかの実施形態によれば、CO、CO2およびC2〜C4−アルケンからなる群から選択されるガスを発生する感光性の化合物が特に適している。特に、式(i)および(iii)の化合物が特に適している。そしてより具体的には、式(i)の化合物が特に適している。

0050

本発明のいずれかの実施形態によれば、前記感光性の化合物は、700nmから320nmの間に、好ましくは600nmから360nmの間に、好ましくは500nmから340nmの間に、更により好ましくは450nmから350nmの間に含まれる波長の光にさらすことでガスを発生する。

0051

本発明のいずれかの実施形態によれば、前記感光性の化合物は、アセトニトリル中8mMの濃度で3.1mW/cm2のUVA光に240分にわたりさらしたときに、8.0×10-5s-1を上回る速度で分解する。

0052

本発明のいずれかの実施形態によれば、前記感光性の化合物は、0.5から6の間に、好ましくは1.5から5の間に、より好ましくは2.5から4.5の間に含まれる計算されたlogPを特徴とする。前記の「計算されたlogP」は、オクタノールと水との間の感光性の化合物の計算された分配パラメータであり、プログラムのEPIsuite(4.0)(EPA(米国環境保護庁)およびSyracuse Research Corporation(SRC),2000)に従って得ることができる。

0053

前記感光性の化合物は、マイクロカプセル中に、目的とする油相の性質および放出速度に応じて様々な量で含まれていてよい。一般的に、前記マイクロカプセルは、マイクロカプセルの全質量に対して、約5質量%から約90質量%までの感光性の化合物を含む。好ましくは、前記マイクロカプセルは、約10%から約50%までの感光性の化合物を、更により好ましくは15%から約30%までの感光性の化合物を含む。

0054

本発明のいずれかの実施形態によれば、ガスを放出する感光性の化合物の幾つかは、同時に、混合物として使用することができ、その全てが同じ種類のガスまたは異なる種類のガスを放出することができる。

0055

光にさらされることで、前記感光性の化合物はガスを発生し、そのガスは非拡散性カプセル(前記定義の通り)中で内圧の増加を引き起こし、こうして前記油相の放出がもたらされると考えられている。内圧の増加は、マイクロカプセルのシェルまたは壁部の膨張または破壊をもたらしうる。前記カプセルのシェルの膨張(膨化)は、該カプセルを外側に向けてよりいっそう拡散性にし、こうしてカプセル化された油相の放出を促進するべきである。該カプセルのシェルの化学構造と、ガス形成の速度とに応じて、前記カプセルのシェルの膨張は、最終的に該カプセルのシェルの完全な破壊をもたらすことがあり、こうして油相を漏出させることができる。この全てのパラメータは、壁部の厚さ、その化学的性質およびカプセル中の感光性の化合物の負荷量ならびに所望の放出速度を考慮して当業者によって容易に最適化することができる。

0056

式(i)〜(iv)の感光性の化合物は市販されているものもあれば、文献に報告されている一般的に知られた方法によって製造することができるものもある。

0057

式(i)の感光性の化合物は、多くの方法によって、例えば相応のベンジルアルコール酸化アリールブロミドアシルアオンとのカップリング(例えばA TakemiyaおよびJ.F.HartwigによるJournal of the American Chemical Society,2006,第128巻、第14800〜14801頁)、ベンゾニトリルとアルキルマグネシウムブロミドとの縮合(例えばH.GilmanおよびJ.EischによるJournal of the American Chemical Society,1957,第79巻、第2150〜2153頁)あるいはアリール誘導体アルカノイルハロゲン化物とのルイス酸の存在下でのフリーデルクラフツ反応によって製造することができる。

0058

式中2つのR4が水素原子を表す式(ii)の感光性の化合物は、メチルベンゾフェノンから、例えばD.C.SchlegelらによってJournal of Medicinal Chemistry,1984,第27巻、第1682〜1690頁において報告された手順のようにして得ることができ、式中2つのR4が一緒になって酸素原子の橋かけを表す式(ii)の感光性の化合物は、例えば2−ヨード安息香酸およびヒドロキシフェニル酢酸から、J.C.Scaianoとその同僚によってOrganic Letters,2006,第8巻、第1057〜1060頁(およびこの刊行物サポート情報)において記載されるようにして得ることができる。

0059

式(iii)の感光性の化合物は、式R5−X−CO−Clの塩化物と式HO−C(R3)2−Aのアルコールとの縮合によって得ることができ、後者のアルコールは、相応のハロゲン誘導体Cl−C(R3)2−AもしくはBr−C(R3)2−Aから、またはその他に相応の1H−イミダゾール−1−カルボキシレートから得ることができる。この種の典型的な反応は、文献において、例えばD.E.Falveyとその同僚によってTetrahedron,1999,第55巻、第12699〜12710頁において、またはP.Klanとその同僚によってPhotochemical and Photobiological Sciences,2005,第4巻、第43〜46頁において報告されている。両方のR3が水素原子である場合に、式HO−CH2−Aのアルコールは、例えばM.PetitらによるOrganic Letters,2002,第14巻、第6366〜6369頁(およびこの刊行物のサポート情報)に記載されるようにして、式H3−C−Aの化合物から、第一のステップで式OHC−Aのアルデヒドを製造し、次いでそれをアルコールへと還元することによって得ることもできる。

0060

式(iv)の感光性の化合物は、例えば式R6−C6H4−NH2の化合物とHN(R7)2誘導体との反応によって、D.H.SiehらによってJournal of the American Chemical Society,1980,第102巻、第3883〜3887頁において報告されるようにして、またはI.ManolovらによってPharmazie,2006,第61巻、第511〜516頁において報告されるようにして製造することができる。

0061

光にさらすことで前記感光性の化合物からガスが発生する効率は、光触媒を介したエネルギー移動によって影響されうるものであり、この光触媒は、光増感光触媒反応または光支援触媒反応などの様々な機構を介して作用しうる。国際純正応用化学連合(IUPAC)によってPure and Applied Chemistry,2006,第79号,第293〜465頁において定義されているように、「光増感」という用語は、「ある分子的存在において、その他の分子的存在、いわゆる「光増感剤」によって放射初期吸収の結果として生ずる光化学的または光物理的な変化」を表し、「光触媒反応」は、「光を吸収して反応相手化学的変換関与する物質(光触媒)の存在下、紫外線可視線、または赤外線の作用下での化学反応またはその開始の速度における変化」を意味する。同様に、「光支援触媒反応」という用語は、同じ出典によって「紫外線、可視線、または赤外線の吸収による触媒の生成を伴う触媒反応」として定義されている。

0062

従って、本発明によるマイクロカプセルの成分a)は、任意に、少なくとも1種の光触媒も含む。適切な光触媒の選択は、ガスを発生する感光性の化合物の構造と、光反応の発生が支持される媒体とに依存する。典型的な例は、文献(例えばM.Wainwrightによる「生体医薬における光増感剤(Photosensitizers in Biomedicine)」,John Wiley&Sons,Chichester,2009、またはG.K.Castello(編集),「光触媒のハンドブック:製造、構造および応用(Handbook of Photocatalysts: Preparation, Structure and Applications)」,Materials Science and Technologies Series,Nova Science Publishers,New York,2010、または同様の種類の論文、ならびに光増感もしくは光触媒反応の分野における豊富な特許文献で難なく見出される。

0063

前記光触媒は、その性質および目的とする油相の放出速度に応じて様々な量で含まれていてよい。一般的に、前記マイクロカプセルは、マイクロカプセルの全質量に対して、約0.01質量%から約50質量%までの光触媒を含む。好ましくは、前記マイクロカプセルは、約1%から約20%までの光触媒を含む。

0064

本発明によるマイクロカプセルの成分b)は、様々な方法によって得ることができる界面シェルである。

0065

本発明のいずれかの実施形態によれば、前記シェルは、アミノプラスト樹脂ポリアミド樹脂ポリエステル樹脂ポリ尿素樹脂、もしくはポリウレタン樹脂、またはそれらの混合物を基礎とする。前記樹脂およびシェルは、当業者に周知である。

0066

本発明のいずれかの実施形態によれば、そのようなシェルは、好ましくは、重合によって誘発される相分離プロセスによって、界面重合によって、コアセルベート化によって、または一緒にして得られる。そのようなプロセスは従来技術に記載されている。そのようなプロセスは、例えばアルデヒド(例えばホルムアルデヒド、2,2−ジメトキシエタナールグリオキサールグリオキシル酸またはグリコールアルデヒド、およびそれらの混合物)と、アミン、すなわちウレアベンゾグアナミングリコールウリルメラミンメチロールメラミンメチル化メチロールメラミン、グアナゾールなど、ならびにそれらの混合物との重縮合によって製造されたアミノ樹脂を基礎としうる。適切なウレアの例は、ジメチロールウレア、メチル化ジメチロールウレア、ウレア−レゾルシノール、およびそれらの混合物である。

0067

アミノ樹脂、すなわちメラミン系樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関連した根本文献の幾つかは、K.DietrichらによってActa Polymerica,1989,第40巻,第243頁、第325頁および第683頁、ならびに1990,第41巻,第91頁において公表されたような文献によって指摘されている。そのような文献は、特許文献に更に詳説されかつ例示された従来技術の方法に従ってそのようなコア・シェル型マイクロカプセルを製造することに影響を及ぼす様々なパラメータを既に記載している。米国特許出願公開第4,396,670号明細書(Wiggins Teape Group Limited)は、その特許文献の該当する初期の例である。それ以来、多くの他の著者および考案者はこの分野で文献を拡充しており、ここで全ての公表された発展を網羅することはできないであろうが、この種類のカプセル化における一般知識は非常に重要である。そのようなマイクロカプセルの適切な使用にも取り組む、より近年の適切な文献は、例えばH.Y.LeeらによってJournal of Microencapsulation,2002,第19巻,第559〜569頁において、国際公開第01/41915号パンフレットにおいて、または更にS.BoneらによってChimia,2011,第65巻,第177〜181頁において指摘されている。

0068

アルデヒドとアミン樹脂またはアミノ樹脂との重縮合は、熱硬化性樹脂(アミノプラスト樹脂)として知られる高架橋樹脂からなるシェルまたは壁部をもたらす。本発明によるマイクロカプセルに適したアルコキシル化ポリアミンは、モノアルコキシル化またはポリアルコキシル化ポリアミンであって、1〜6個のメチレン単位を有するアルコールで部分的にアルキル化されていてよい前記ポリアミンの混合物を包含し、またモノメチロールメラミンもしくはポリメチロールメラミンおよび/またはモノメチロールウレアもしくはポリメチロールウレア予備縮合物、例えば商品名Urac(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)またはLuracoll(登録商標)(供給元:BASF)として市販されるものも包含する。

0069

モノアルキロール化またはポリアルキロール化ポリアミンの混合物からの他の適切なアミノ樹脂は、アルデヒド、例えば2,2−ジメトキシエタナール、グリオキサール、グリオキシル酸またはグリコールアルデヒドおよびそれらの混合物とアミンとの重縮合によって得ることができ、それは国際公開第2011/161618号パンフレットに記載されている。2,2−ジメトキシエタナールとの重縮合からのポリアルキロール化ポリアミンの制限されない例は、ポリ[N−(2,2−ジメトキシ−1−ヒドロキシ)]ポリアミン、モノ−およびジ−[N−(2,2−ジメトキシ)−1−ヒドロキシ)]ウレア、モノ−、ジ−、トリ−および/またはテトラ−[N−(2,2−ジメトキシ)−1−ヒドロキシ)]メラミン、テトラ−[N−(2,2−ジメトキシ)−1−ヒドロキシ)]グリコウリル、またはジ−[N−(2,2−ジメトキシ)−1−ヒドロキシ)]ベンゾグアニジンを含む。グリオキサールとの重縮合からのポリアルキロール化ポリアミンの制限されない例は、ポリ[N−(2−ヒドロキシアセトアルデヒド)]ポリアミン、モノ−およびジ−[N−(2−ヒドロキシアセトアルデヒド)]ウレア、モノ−、ジ−、トリ−および/またはテトラ−[N−(2−ヒドロキシアセトアルデヒド)]メラミン、テトラ−[N−(2−ヒドロキシアセトアルデヒド)]グリコウリル、またはジ−[N−(2−ヒドロキシアセトアルデヒド)]ベンゾグアニジンを含む。グリオキシル酸との重縮合からのポリアルキロール化ポリアミンの制限されない例は、ポリ[N−(2−ヒドロキシ酢酸)]ポリアミン、モノ−およびジ−[N−(2−ヒドロキシ酢酸)]ウレア、モノ−、ジ−、トリ−および/またはテトラ−[N−(2−ヒドロキシ酢酸)]メラミン、テトラ−[N−(2−ヒドロキシ酢酸)]グリコウリル、またはジ−[N−(2−ヒドロキシ酢酸)]ベンゾグアニジンを含む。グリコールアルデヒドとの重縮合からのポリアルキロール化ポリアミンの制限されない例は、ポリ[N−(エタン−1,2−ジオール)]ポリアミン、モノ−およびジ−[N−(エタン−1,2−ジオール)]ウレア、モノ−、ジ−、トリ−および/またはテトラ−[N−(エタン−1,2−ジオール)]メラミン、テトラ−[N−(エタン−1,2−ジオール)]グリコウリル、またはジ−[N−(エタン−1,2−ジオール)]ベンゾグアニジンを含む。

0070

本発明の一実施形態によれば、コア・シェル型カプセルは、界面重合によって得られ、そこで、コアが、アミノ樹脂、ポリアミンもしくはポリオールと少なくとも1種のポリイソシアネートとの反応によって形成される架橋ポリ尿素またはポリウレタンのシェルまたは壁部内にカプセル化される。

0071

ポリ尿素マイクロカプセルシェルまたは壁部は、ポリアミンまたはアミノ樹脂が使用されるときに形成される。特に効果的なポリアミンは、水溶性グアニジン塩および/またはグアニジンおよび/またはアミノ樹脂、例えば前記のポリアミンである。「水溶性グアニジン塩」とは、グアニジンと酸との反応から得られる水に可溶性の塩を意味する。そのような塩の一つの例は、グアニジン炭酸塩である。

0072

ポリオールが架橋剤として使用される場合に、ポリウレタンマイクロカプセルのシェルまたは壁部が形成される。ポリオールとしては、グリセロールが好ましい。

0073

イソシアネートのポリアミンまたはポリオールに対する特定の比率を使用することが有利である。従って、好ましくは、イソシアネート基モル毎に、1〜10モルの、好ましくは2〜5モルのアミンまたはアルコール基が存在する。従って、過剰の架橋剤が添加される。

0074

ポリイソシアネート化合物がアミノ樹脂、例えば前記の相分離プロセスによって得られたアミノ樹脂、ポリアミンまたはポリオールと反応される場合に、あらゆるポリイソシアネートが該反応のために適しているが、少なくとも2つのイソシアネート基または少なくとも3つのイソシアネート基を含むポリイソシアネートが好ましい。低揮発性ポリイソシアネート分子は、その低い毒性のため好ましい。特に、前記ポリイソシアネートは、有利には、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体イソホロンジイソシアネートもしくはキシリレンジイソシアネートの三量体、またはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、あるいはキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの三量体(商品名Takenate(登録商標)として知られる、供給元:Mitsui Chemicals)から選択でき、そのうち、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの三量体およびヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットが更により好ましい。

0075

明確にするために、本発明における表現「分散液」とは、異なる組成連続相中に粒子が分散されている系を意味し、この用語は特に懸濁液またはエマルジョンを含む。

0076

ポリマーの安定剤は、マイクロカプセルを凝集から防ぐために使用でき、それにより、シェルの形成が意図されるモノマー混合物へと重合前に添加される保護コロイドとして作用する。明確にするために、本明細書の文脈においては、表現「安定剤」または同等のものとは、当該技術分野において通常の意味であると、すなわち系を安定化することができ、またはそのために添加され、例えばマイクロカプセルの凝集または凝塊を、例えば消費者製品用途において、またはマイクロカプセルの製造方法の間に防ぐことができ、またはそのために添加される化合物であると理解される。前記安定剤の使用は、当業者に通常の知識である。

0077

本発明の目的のために、前記安定剤は、イオン性もしくは非イオン性界面活性剤、またはコロイド状安定剤であってよい。そのような安定剤の正確な性質は、当業者に周知である。制限されない例としては、以下の安定剤を挙げることができる:非イオン性ポリマー、例えばポリビニルアルコール(Mowiol 18−88、供給元:Fluka)、セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロース、例えばAmbergum(商標)1221(供給元:Aqualon Hercules)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシドとポリエチレンもしくはポリプロピレンオキシドとのコポリマーアルキルアクリレートとN−ビニルピロリドンとのコポリマー;イオン性ポリマー、例えばアクリルアミドアクリル酸アクリル系コポリマー、例えばAlcapsol(登録商標)144(供給元:Ciba)、例えばアクリル酸およびアクリルアミドのモノマー混合物から製造される酸/アクリルアミドコポリマーであって、アクリル酸含量が20〜80%の範囲である前記コポリマー、酸アニオン性界面活性剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、スルホネート基を有するアクリル酸コポリマー(例えばナトリウムポリ(スチレンスルホネート))ならびにビニルエーテルおよび無水マレイン酸のコポリマー。

0078

場合により、前記マイクロカプセルは、カチオン性コポリマー被覆されていてよい。カチオン性ポリマーは、マイクロカプセルによって運ばれる負電荷の部分的もしくは完全な中和を可能にし、または負に荷電したマイクロカプセルを正に荷電したマイクロカプセルへと変換することさえも可能にする。この効果のために、本発明によれば、好ましいカチオン性ポリマーは、カチオン性ポリアクリレートまたはアクリルアミド、例えばSalcare(登録商標)SC60(供給元:BASF)、カチオン性セルロース誘導体、例えば商品名Ucare(登録商標)(供給元:Amerchol)から市販されるセルロース誘導体、および商品名Jaguar(登録商標)(供給元:Rhodia)として市販されている第四級グァーガムを含む。使用できる他のカチオン性化合物は、その全てが複数の第四級アンモニウム基を有するポリクオタニウム化合物、またはポリマー化学種、例えばジアリルジメチルアンモニウムクロリドアクリルアミドポリマー、例えば商品名Merquat(供給元:Nalco)として市販されるものを含む。

0079

本発明のいずれかの実施形態によれば、重合プロセスによりカプセル化されるべき油相が疎水性である場合に(例えばそのオクタノール/水分配係数対数(logP)が1より大きく、好ましくは2より大きい)、その油相は水不混和性相中に含まれ、その後に、2相高剪断混合によって混合されて、水中油型エマルジョンが形成される。このエマルジョンにおいて、重合は前記2相の間の界面で行われる。このように、油滴は、重合プロセスによって形成されるマイクロカプセルシェルによって取り囲まれることとなる。

0080

本発明のいずれかの実施形態によれば、マイクロカプセルの平均寸法は、マイクロカプセル形成の間に系にかけられる混合せん断応力に応じて、1マイクロメートルから100マイクロメートルの間の範囲またはそれより大きくてもよい。その寸法の殆どの適切な範囲および分布の選択は、マイクロカプセルが意図される用途に依存し、当業者によって前記用途に対して制御および調節することができる。一般的には、本発明によるマイクロカプセルの平均寸法は、1マイクロメートルから600マイクロメートルの間の範囲であり、より好ましくは1マイクロメートル〜200マイクロメートルの範囲を含む。

0081

前記の重合によって引き起こされる相分離プロセスおよび界面重合プロセスは、本質的には、感光性の化合物および場合によりカプセル化されるべき光触媒を含有する分散された油相と、連続水相とからなるエマルジョンを、シェルによって取り囲まれたコアからなる固体ビーズの分散液へと変換する。前記シェルの透過性は、架橋の程度および/またはシェルの厚さを含む多くの要因に依存する。当業者は、本発明により必要とされる非拡散性のカプセルを得るために最適な要因および条件を容易に見出すことができる。

0082

本発明のいずれかの実施形態によれば、相分離重縮合または界面重合のいずれかによって得られた本発明によるマイクロカプセルは、10nmから1000nmの間の、好ましくは20nmから500nmの間の、更により好ましくは25nmから350nmの間の幅を有するシェル厚みを有する。一例として、前記カプセルのシェル厚さは、原子力顕微鏡AFM)または走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定することができる。

0083

本発明のいずれかの実施形態によれば、本発明のマイクロカプセルは、40%未満の、好ましくは20%未満の、最も好ましくは10%未満のシェル対コアの公称質量比を特徴とすることができ、それにより、本発明は、感光性の化合物の分解から生ずる芳香分子の拡散を可能にする薄く脆いシェルを提供する。

0084

シェル対コアの公称質量比は、マイクロカプセルの製造のために使用されるアミノ樹脂またはポリアミンもしくはポリオールおよび/またはポリイソシアネートの量(および従ってカプセルのシェル厚さ)に依存し、その量は、送達システムの性能に大きな影響を及ぼす。最大のカプセル安定性と最良放出性能に至るための最適値に到達する必要がある。本発明による具体的な例を更に示す。一例として、シェル対コアの公称質量比は、0.4から0.01の、好ましくは0.3から0.02の、最も好ましくは0.10から0.03の幅を有してよい。

0085

本発明のマイクロカプセルは、一般的に20〜55%の固体含有率を有する水性スラリーの形で提供され、その際、前記「固体含有率」という用語は、該マイクロカプセルの全質量に対するものである。その一方で、そのようなスラリーは、一般的に公知の様式で噴霧乾燥されて、粉末生成物が提供される。

0086

前記スラリーは、配合助剤、例えば安定化し粘度を調節する親水コロイド殺生剤、および場合に応じてホルムアルデヒド捕捉剤を含有しうる。

0087

前記水相は、マイクロカプセルの密度の調節のために、好ましくは、親水性無機粒子、例えばシリカ粒子または酸化チタンを含むことができる。そうすることによって、マイクロカプセルの密度は、それらを導入することが意図される最終製品の密度と同様の値にもたらすことができ、従って該マイクロカプセルは、そのような液体製品中に均一に懸濁および分散されて留まる。このことは、賦香性マイクロカプセルにおいて特に好ましい。それというのも、該賦香性成分の比重は、1g/mlより低いからである。

0088

本発明によるマイクロカプセルは、適用配合物中での貯蔵の間の早期分解に対して油相を保護し、そして対象基材を該消費者製品で処理すると、該対象基材上での前記油相の付着を高める。

0089

本発明のいずれかの実施形態によれば、本発明のマイクロカプセルは、遊離の油相との混合物として、および/または他のマイクロカプセルもしくは他の種類の先行技術の送達技術と混ぜて使用することができる。本発明のマイクロカプセルと組み合わせて使用される他のマイクロカプセルは、拡散性または非拡散性のシェルを有してよい。

0090

更に、本発明のマイクロカプセルは、好ましくは、現代の香料のあらゆる分野において、すなわち精製香料(fine perfumery)または機能性香料の分野において、本発明のマイクロカプセルが添加される消費者製品の匂いを良い方向に付与または改変するために使用することもできる。

0091

従って、本発明のもう一つの対象は、
i)賦香性成分として、前記定義による少なくとも1種の本発明によるマイクロカプセルと、
ii)任意に、香料油と、
を含む賦香性消費者製品によって表される。

0092

そのような消費者製品は、固体製品または液体製品であってよい。特定の一実施形態によれば、液体製品が好ましい。

0093

明確にするために、「消費者製品」とは、一般的に賦香されている消費者製品であって、少なくとも1種の賦香性効果を送達することが見込まれる消費者製品を意味し、言い換えるとそれは賦香された消費者製品である。

0094

明確にするために、「賦香性消費者製品」とは、適用される表面(例えば皮膚、毛髪テキスタイルまたは硬質表面)に少なくとも1種の心地よい賦香性効果を送達すると見積もられる消費者製品を意味すると述べる必要がある。言い換えると、本発明による賦香性消費者製品は、機能性配合物と、任意に所望の消費者製品、例えば洗剤またはエアーフレッシュナーに応じて追加の有益な剤と、本発明によるマイクロカプセルの嗅覚的有効量とを含む賦香された消費者製品である。そのような消費者製品が、カプセル化されていない香料、すなわち遊離形の香料成分を含有してもよいことは言うまでもない。

0095

消費者製品の成分の性質および種類は、本明細書のより詳細な説明を保証するものではなく、それらはいずれにせよ網羅的なものではなく、当業者は、その一般知識に基づき、かつ前記製品の性質および所望の効果に従ってそれらを選択することができる。

0096

本発明によるマイクロカプセルが好ましくは使用できる消費者製品の制限されるものではない例は、香料、コロンもしくはアフターシェーブローションファブリックケア製品、例えば液体もしくは固体洗剤ファブリックフナーもしくはファブリックリフレッシャー、アイロン水、ティッシュペーパーもしくは他の紙もしくはセルロースベース製品、例えばおむつ、およびブリーチもしくはホームケア製品、例えば窓用クリーナーおよび台所用クリーナー;ボディケア製品およびヘアケア製品(例えばシャンプーカラーリング調製物コンディショナーおよびヘアスプレー)、化粧品(例えばクリームボディーデオドラントまたは発汗抑制剤)、またはスキンケア製品(例えば賦香石けんシャワー用もしくは風呂用ムースオイルもしくはジェル、または衛生製品);エアケア製品、例えばエアーフレッシュナーまたは「すぐ使用できる粉末化エアーフレッシュナー;またはホームケア製品、例えばワイプ皿洗い用洗剤もしくは硬質表面用洗剤を含む。

0097

先に論じたように、本発明の組成物は、好ましくは、その賦香性効果などの利益を消費者製品へと至らしめるために使用することができる。前記油相の幾つかの化合物は、フレーバリング特性、化粧用特性、スキンケア特性、悪臭中和特性、殺細菌特性、殺真菌特性医薬品用特性、農業化学用特性、昆虫忌避特性または誘引特性を有してもよいので、本発明のマイクロカプセルは、フレーバリング目的、化粧用目的、スキンケア目的、悪臭中和目的、殺細菌目的、殺真菌目的、医薬品用目的、農業化学用目的、昆虫忌避目的または誘引目的のために用いられる配合物で使用することもできる。それどころか、前記マイクロカプセルは、この目的のために特に適切なものにする幾つかの他の特性を有する。

0098

本発明によるマイクロカプセルを上述の様々な消費者製品中に導入できる割合は、広い範囲内の値の幅を有する。これらの値は、賦香されるべき物品の性質および所望の感覚刺激性の効果ならびに所定の消費者製品における補助成分の性質に依存している。一般的に、前記消費者製品は、消費者製品の全質量に対して、約0.01質量%〜約80質量%の本発明によるマイクロカプセルを含む。好ましくは、前記消費者製品は、約0.01%から約30%までのマイクロカプセルを含む。より好ましくは、前記消費者製品は、約0.1%から約15%までのマイクロカプセルを含む。

0099

本発明のマイクロカプセルを導入できる消費者製品の配合物は、そのような製品に関する豊富な文献中に見出すことができる。これらの配合物は、本明細書のより詳細な説明を保証するものではなく、それらはいずれにせよ網羅的なものではない。そのような消費者製品を配合する当業者は、その一般知識および利用可能な文献に基づいて適切な成分を申し分なく選択することができる。特に、そのような配合物の例は、そのような製品に関する特許および特許出願、例えば国際公開第2008/016684号パンフレット(第10〜14頁)、米国特許出願公開第2007/0202063号明細書(段落[0044]〜[0099])、国際公開第2007/062833号パンフレット(第26〜44頁)、国際公開第2007/062733号パンフレット(第22〜40頁)、国際公開第2005/054422号パンフレット(第4〜9頁)、欧州特許第1741775号明細書、英国特許出願公開第2432843号明細書、英国特許出願公開第2432850号明細書、英国特許出願公開第2432851号明細書または英国特許出願公開第2432852号明細書において見出すことができる。

0100

本発明のもう一つの対象は、表面上に香料成分の特徴的な芳香の効果を強化または延長するための方法であって、前記表面を、優先的に光の存在下に、
a)前記定義の本発明のマイクロカプセルであって、光にさらすことでCO、CO2、N2およびC2〜C4−アルケンからなる群から選択されるガスを発生する少なくとも1種の感光性の化合物を含み、かつ任意に少なくとも1種の光触媒を含む油相を含有する前記マイクロカプセル、ならびに、
b)前記定義の本発明の賦香性組成物であって、前記a)のマイクロカプセルを含む前記賦香性組成物、または
c)前記定義の賦香された消費者製品であって、前記a)のマイクロカプセルを含む前記消費者製品
により、前記油相を放出させることができる条件下で処理することを特徴とする前記方法である。

0101

そのような処理のために適した表面は、特にテキスタイル、硬質表面、毛髪および皮膚である。

図面の簡単な説明

0102

例3で製造された、本発明によるガスを発生することができる1−フェニルブタン−1−オン(ブチロフェノン;供給元:Aldrich)を含有するマイクロカプセルから放出されたRomascone(登録商標)の量(実線)と、比較例3で製造されたブチロフェノンを有さない同等の先行技術のマイクロカプセルから放出されたRomascone(登録商標)の量(点線)との、それらのマイクロカプセルを光にさらした後に動的ヘッドスペース分析によって測定された量の比較。矢印の位置は、UV光照射の開始を示す。

0103

実施例
本発明を以降で以下の例によってより詳細に説明する。その際、略語は、当該技術分野における通常の意味を有し、温度は、摂氏度(℃)で示される。NMRスペクトルデータは、CDCl3(特に記載がない限り)中でBruker社のAMX 400または500スペクトロメーターにおいて1Hについては400MHzもしくは500MHzで、または13Cについては100.6MHzもしくは125.8MHzで記録し、化学変位δは、標準としてのSi(CH3)4に対してppmで示され、結合定数Jは、Hzで表現される(br.=幅広ピーク)。市販の試薬および溶剤を、特に記載がない限り更なる精製を行わずに使用した。反応は、標準的なガラス器具中でN2下で実施した。

0104

幾つかの化合物について具体的な立体配座または立体配置を示しているが、これはこれらの化合物の使用を記載された異性体に制限することを意味するものではない。本発明によれば、全ての考えられる立体配座または立体配置の異性体は、同様の効果を有するものと見込まれる。

0105

例1
光にさらすことでガスを発生することができる感光性の化合物の製造
2−(9−オキソ−9H−キサンテン−2−イル)酢酸の製造
2−ヨード安息香酸(5.00g、20.16ミリモル、供給元:Aldrich)、2−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸(4.30g、28.2ミリモル、供給元:Acros)、Cs2CO3(25g、77.0ミリモル)をジオキサン(100mL)中に入れた混合物を、室温で撹拌した。10分後に、トリス(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミン(0.78g、2.42ミリモル)およびCuCl(0.24g、2.41ミリモル)を添加した。該混合物を還流(100℃)下で20時間にわたり加熱した。室温に冷却した後に、溶剤を減圧下で除去し、そして残りの固体を水性NaOH(0.1M、100mL)中に溶解し、そして濾過した。緑色の濾液分離漏斗に移し、水性HCl(1M、33mL)で酸性化し、そして酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合した有機層を乾燥(Na2SO4)させ、そして減圧下で濃縮することで、7.86gの褐色の固体が得られた。濃硫酸(12mL)を慎重に添加し、そして該混合物を85℃で1時間にわたり加熱した。室温に冷却した後に、該混合物を(70g)上に注いだ。該水溶液を水と一緒に分離漏斗に移し、そして酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合した有機相を乾燥(Na2SO4)させ、そして溶剤を減圧下で除去した。残留物を、トルエン(15mL)およびメタノール(3mL)の混合物中に溶解させ、そして還流(約70℃)で加熱した。室温に冷却した後に、生成物結晶化した。該生成物をトルエン(15mL)中に取り、再加熱して還流させて溶解させ、そして一晩再結晶化させたままにすることで、0.20g(4%)の微細な白色の結晶が得られた。

0106

1H-NMR(500MHz,DMSO-D6): δ 12.56 (br. s, 1 H), 8.20 (dd, J = 8.0, 1.6, 1 H), 8.09 (d, J = 2.3, 1 H), 7.90-7.84 (m, 1 H), 7.78 (dd, J = 8.7, 2.3, 1 H), 7.68-7.63 (m, 1 H), 7.62 (d, J = 8.7, 1 H), 7.51-7.45 (m, 1 H), 3.79 (s, 2 H).
13C-NMR (125.8 MHz, DMSO-D6): δ 175.83 (s), 172.43 (s), 155.49 (s), 154.40 (s), 136.89 (d), 135.39 (d), 131.33 (s), 126.24 (d), 125.91 (d), 124.22 (d), 120.98 (s), 120.68 (s), 118.09 (d), 117.97 (d), 39.56 (t)。

0107

エチル(2−オキソ−2−(ピレン−1−イル)エチル)カーボネートの製造
ギ酸セシウム(8.26g、46.4ミリモル)を純粋なメタノール(50mL)中に45℃で溶解させた。室温に冷却した後に、2−ブロモ−1−(ピレン−1−イル)エタノン(5.00g、15.5ミリモル、供給元:Aldrich)を添加して、そして該混合物を還流下で4時間にわたり加熱した。溶剤を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(50mL)中に45℃で取り、そして焼結ガラスフリットを通じて濾過した。濾液を濃縮し、高真空下で室温において2時間にわたり乾燥させることで、2.24gの2−ヒドロキシ−1−(ピレン−1−イル)エタノンが橙色の固体として得られた。

0108

1H-NMR(500MHz): δ 9.14 (d, J = 9.3, 1 H), 8.17 (d, J = 7.7, 1 H), 8.16 (d, J = 7.7, 1 H), 8.13 (d, J = 9.3, 1 H), 8.10 (d, J = 8.0, 1 H), 8.06 (d, J = 9.0, 1 H), 7.99 (t, J = 7.7, 1 H), 7.95 (d, J = 8.0, 1 H), 7.90 (d, J = 9.0, 1 H), 5.00 (s, 2 H), 3.70 (br. s, 1 H).
13C-NMR (125.8 MHz): δ 200.95 (s), 134.82 (s), 130.80 (s), 130.46 (d), 130.22 (d, 2s), 126.84 (d), 126.76 (d), 126.49 (d), 126.47 (d), 126.21 (s), 125.99 (d), 124.74 (s), 124.41 (d), 123.93 (d), 123.81 (s), 66.88 (t)。

0109

クロギ酸エチル(0.83g、7.68ミリモル)を15分の間で、2−ヒドロキシ−1−(ピレン−1−イル)エタノン(2.0g、7.68ミリモル)、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(DMAP)(1.13g、9.22ミリモル)をジクロロメタン(20mL)中に入れた混合物へと添加した。室温で一晩撹拌した後に、溶剤を蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル/n−ヘプタン1:1)により、2.12g(83%)の黄色の固体が得られた。

0110

1H-NMR(500MHz): δ 8.96 (d, J = 9.3, 1 H), 8.20-8.15 (m, 3 H), 8.14 (d, J = 8.0, 1 H), 8.07 (d, J = 9.0, 1 H), 8.02 (d, J = 8.0, 1 H), 7.99 (t, J = 7.5, 1 H), 7.93 (d, J = 9.0, 1 H), 5.46 (s, 2 H), 4.31 (q, J = 7.2, 2 H), 1.37 (t, J = 7.1, 3 H).
13C-NMR (125.8 MHz): δ 195.55 (s), 155.06 (s), 134.38 (s), 130.85 (s), 130.37 (s), 130.15 (d), 130.00 (s), 129.98 (d), 127.80 (s), 126.87 (d), 126.55 (d), 126.48 (d), 126.34 (d), 125.62 (d), 124.82 (s), 124.42 (d), 123.90 (s), 123.83 (d), 70.03 (t), 64.75 (t), 14.24 (q)。

0111

(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル(2−オキソ−2−(ピレン−1−イル)エチル)カーボネートの製造
(−)−クロロギ酸メンチル(0.84g、3.84ミリモル、供給元:Aldrich)を15分の間で、2−ヒドロキシ−1−(ピレン−1−イル)エタノン(1.0g、3.84ミリモル)、DMAP(0.56g、4.61ミリモル)をジクロロメタン(20mL)中に入れた混合物へと添加した。室温で一晩撹拌した後に、溶剤を蒸発させ、そして残留物を酢酸エチル(50mL)中に取り、脱塩された水道水(3×30mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、そして高真空下で2時間にわたり濃縮および乾燥させることで、1.59gの帯褐色の赤色の固体が得られた。該化合物は依然として不純物を含んでいたため、酢酸エチル(50mL)中で40℃で再溶解させ、水性HCl(10%、3×30mL)で、水(30mL)で、そしてNaHCO3の飽和水溶液(30mL)で洗浄した。有機相を乾燥(Na2SO4)させ、高真空下で2時間にわたり濃縮および乾燥させることで、1.11g(65%)の帯褐色の黄色の固体が得られ、それは依然として幾らかの不純物を含有していた。

0112

1H-NMR(500MHz): δ 8.92 (d, J = 9.3, 1 H), 8.25-8.19 (m, 3 H), 8.19 (d, J = 9.6, 1 H), 8.13 (d, J = 9.0. 1 H), 8.11 (d, J = 8.0, 1 H), 8.03 (t, J = 7.5, 1 H), 8.01 (d, J = 9.0, 1 H), 5.42 (d, J = 3.2, 2 H), 4.57-4.49 (m, 1 H), 2.07-2.00 (m, 1 H), 1.93-1.84 (m, 1 H), 1.70-1.57 (m, 2 H), 1.50-1.35 (m, 2 H), 1.10-0.78 (m, 3 H), 0.85 (d, J = 6.7, 3 H), 0.81 (d, J = 6.7, 3 H), 0.66 (d, J = 7.0, 3 H).
13C-NMR (125.8 MHz): δ 196.50 (s), 154.78 (s), 134.28 (s), 130.93 (s), 130.48 (s), 130.06 (d), 129.95 (s), 129.93 (d), 128.36 (s), 126.96 (d), 126.50 (2d), 126.33 (d), 125.66 (d), 124.93 (s), 124.46 (d), 124.05 (s), 123.82 (d), 79.25 (d), 70.15 (t), 46.95 (d), 40.52 (t), 34.03 (t), 31.36 (d), 26.02 (d), 23.29 (t), 21.88 (q), 20.59 (q), 16.11 (q)。

0113

(6−(ジメチルアミノ)キノリン−2−イル)メチルエチルカーボネートの製造
4−N,N−ジメチルアミノアニリン(10.00g、73.4ミリモル、供給元:AlfaAesar)を、6Mの水性HCl(132mL)中に溶解させた。(E)−2−ブテナール(10.30g、147ミリモル、供給元:Acros)を添加し、そして該混合物を室温で1時間にわたり撹拌した。次いでトルエン(70mL)を添加し、そして反応を一晩加熱還流させた。室温に冷却した後に、有機層を除去した。水層をNaOH(10%、350mL)で処理し、そしてジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。有機相を水(2×100mL)で洗浄し、そしてNaClの飽和水溶液(2×)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、そして減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル)によって、8.44g(62%)のN,N,2−トリメチルキノリン−6−アミンが褐色の固体として得られた。

0114

1H-NMR(500MHz): δ 7.87 (d, J = 9.3, 1 H), 7.83 (d, J = 8.3, 1 H), 7.31 (dd, J = 9.3, 2.9, 1 H), 7.13 (d, J = 8.3, 1 H), 6.76 (d, J = 2.9, 1 H), 3.01 (s, 6 H), 2.66 (s, 3 H).
13C-NMR (125.8 MHz): δ 154.54 (s), 148.12 (s), 141.89 (s), 134.43 (d), 129.10 (d), 127.77 (s), 122.11 (d), 119.30 (d), 105.41 (d), 40.78 (q), 24.92 (q)。

0115

N,N,2−トリメチルキノリン−6−アミン(2.00g、10.7ミリモル)をジオキサン(15mL)中に溶かした溶液を、二酸化セレン(1.55g、14.0ミリモル)をジオキサン(60mL)および水(3.4mL)中に入れた懸濁液に80℃で添加した。該混合物を、80℃で3時間にわたり撹拌したままにした。室温に冷却した後に、生成物をセライト上で濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、そして濾液を減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル/n−ヘプタン1:3)により、0.80g(37%)の6−(ジメチルアミノ)キノリン−2−カルバルデヒドが帯褐色の黄色の固体として得られた。

0116

1H-NMR(500MHz): δ 10.12 (d, J = 1.0, 1 H), 8.03 (d, J = 9.6, 1 H), 7.97 (d, J = 8.3, 1 H), 7.88 (d, J = 8.3, 1 H), 7.39 (dd, J = 9.3, 2.9, 1 H), 6.76 (d, J = 2.9, 1 H), 3.13 (s, 6 H).
13C-NMR (125.8 MHz): δ 193.47 (d), 150.17 (s), 148.85 (s), 141.69 (s), 134.21 (d), 132.22 (s), 131.28 (d), 119.70 (d), 118.09 (d), 103.83 (d), 40.37 (q)。

0117

6−(ジメチルアミノ)キノリン−2−カルバルデヒド(0.70g、3.5ミリモル)をエタノール(35mL)中で溶解させ、そして0℃に冷却した後に、ホウ水素化ナトリウム(0.15g、3.85ミリモル)を添加した。該溶液を室温で1時間にわたり撹拌し、そして反応をTLCによって追跡した。水性HCl(10%、約50滴)を該溶液が橙色に転じるまで滴加した。溶剤を減圧下で除去し、そして残留物をジクロロメタン(40mL)中に取った。該混合物を水(2×30mL)で洗浄し、NaClの飽和水溶液(2×)で洗浄し、そして乾燥(Na2SO4)させた。溶剤を減圧下で除去し、そして生成物を高真空下で乾燥(2時間)させることで、0.69g(98%)の(6−(ジメチルアミノ)キノリン−2−イル)メタノールが橙色の固体として得られた。

0118

1H-NMR(500MHz): δ 7.91 (d, J = 8.4, 1 H), 7.90 (d, J = 9.3, 1 H), 7.33 (dd, J = 9.3, 2.9, 1 H), 7.15 (d, J = 8.7, 1 H), 6.80 (d, J = 2.9, 1 H), 4.84 (s, 2 H), 4.48 (br. s, 1 H), 3.05 (s, 6 H).
13C-NMR (125.8 MHz): δ 154.74 (s), 148.54 (s), 140.70 (s), 135.01 (d), 129.10 (d), 128.99 (s), 119.40 (d), 118.63 (d), 105.33 (d), 64.15 (t), 40.73 (q)。

0119

クロロギ酸エチル(0.27g、2.52ミリモル)を15分の間で、(6−(ジメチルアミノ)キノリン−2−イル)メタノール(0.51g、2.52ミリモル)およびDMAP(0.37g、3.03ミリモル)をジクロロメタン(20mL)中に溶かした溶液に添加した。該混合物を室温で4時間にわたり撹拌した後で、更なるクロロギ酸エチル(0.2mL)を添加した。該混合物は暗色に転じ、そして反応を室温で1時間にわたり撹拌した。溶剤を減圧下で除去することで、暗橙色の固体が得られ、それを酢酸エチル(12mL)および水(2mL)中に取った。該混合物を30分にわたり撹拌した後で、Na2SO4を添加した。濾過後に、該混合物を減圧下で約4mLにまで濃縮し、そしてn−ヘプタン(1mL)を添加した。該溶液のクロマトグラフィー(SiO2、n−ヘプタン/酢酸エチル1:1)によって、0.28g(40%)の帯褐色の黄色の油状物が得られた。

0120

1H-NMR(600MHz): δ 7.96 (d, J = 8.5, 1 H), 7.92 (d, J = 9.2, 1 H), 7.38 (d, J = 8.5, 1 H), 7.36 (dd, J = 9.2, 3.1, 1 H), 6.78 (d, J = 3.1, 1 H), 5.38 (s, 2 H), 4.25 (q, J = 7.2, 2 H), 3.07 (s, 6 H), 1.33 (t, J = 7.1, 3 H).
13C-NMR (151.0 MHz): δ 155.12 (s), 150.99 (s), 148.72 (s), 141.63 (s), 134.93 (d), 129.75 (d), 129.19 (s), 119.79 (d), 119.64 (d), 104.79 (d), 70.68 (t), 64.27 (t), 40.66 (q), 14.29 (q)。

0121

エチル(2−オキソ−2−フェニルエチル)カーボネートの製造
クロロギ酸エチル(8.0g、73.6ミリモル)を、2−ヒドロキシ−1−フェニルエタノン(5.0g、36.8ミリモル、供給元:Acros)をピリジン(50g)中に溶かして激しく撹拌した溶液へと滴加した。該反応を80℃で1時間にわたり加熱し、そして室温で1時間にわたり冷却させた。該混合物を氷および水性H2SO4(25%、200mL)上に注ぎ、ジエチルエーテル(150mL)で抽出し、水性H2SO4(10%、100mL)で洗浄し、NaHCO3の飽和水溶液(2×100mL)で洗浄し、そして水(2×100mL)で洗浄した。有機相を乾燥(Na2SO4)させ、そして減圧(45℃)下で濃縮することで、7.1gの橙黄色の油状物が粗生成物として得られた。カラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル/n−ヘプタン1:3)により、6.82g(89%)の橙黄色の油状物が得られた。

0122

1H-NMR(600MHz): δ 7.94-7.89 (m, 2 H), 7.64-7.59 (m, 1 H), 7.52-7.47 (m, 2 H), 5.35 (s, 2 H), 4.27 (q, J = 7.2, 2 H), 1.35 (t, J = 7.1, 3 H).
13C-NMR (151.0 MHz): δ 191.88 (s), 154.87 (s), 134.02 (d), 128.92 (d), 127.75 (d), 68.51 (t), 64.73 (t), 14.21 (q)。

0123

(9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2−イル)メチルエチルカーボネートの製造
クロロギ酸エチル(0.91g、8.39ミリモル)を15分の間で、2−ヒドロキシメチルアントラキノン(2.00g、8.39ミリモル、供給元:Sigma)およびDMAP(1.23g、10.1ミリモル)をジクロロメタン(20mL)中に入れた混合物へと添加した。室温で一晩撹拌した後に、溶剤を蒸発させることで、褐色のペーストが得られた。カラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル/n−ヘプタン3:7)により、1.15g(44%)の黄色の固体が得られた。

0124

1H-NMR(500MHz): δ 8.32-8.27 (m, 4 H), 7.83-7.77 (m, 3 H), 5.31 (s, 2 H), 4.26 (q, J = 7.2, 2 H), 1.34 (t, J = 7.2, 3 H).
13C-NMR (125.8 MHz): δ 182.75 (s), 182.67 (s), 154.90 (s), 142.06 (s), 134.22 (d), 134.18 (d), 133.68 (s), 133.45 (s), 133.43 (s), 133.22 (s), 132.91 (d), 127.77 (d), 127.29 (d), 127.25 (d), 126.15 (d), 68.09 (t), 64.56 (t), 14.25 (q)。

0125

例2
光にさらすことでガスを発生することができる感光性の化合物の分解
本発明による光にさらすことでガスを発生することができる感光性の化合物(0.08ミリモル)を、それぞれアセトニトリル(10mL)中に溶解させた。この溶液のアリコート(5mL)をPyrex試験管(14mL全量)内に入れ、すり合わせ栓で閉じた。次いで該溶液にキセノンランプ(約45000ルクスのHeraeus SuntestCPS、3.1mW/cm2のUVA光に相当)で30分にわたり照射した。高速液体クロマトグラフィーHPLC)を使用して、照射前後の生成物の分解を定量化した。その測定は、SpectraSystemSCM1000オンライン真空脱ガス装置と、SpectraSystem P4000クオータリポンプと、SpectraSystem AS3000オートサンプラーと、SpectraSystem UV6000LPダイオードアレイ検出器とから構成されるThermo Separation Products機器で実施した。前記分析のために、前記溶液(50μL)をアセトニトリル(950μL)で希釈し、そしてMacherey−Nagel Nucleosil(登録商標)120−5 C4カラム(250×4mm)に注入(10μL)し、そして1mL/分で、50:50から20:80へと(5分の間に)変動する水/アセトニトリル(0.1%のトリフルオロ酢酸を含有する)の勾配をもって溶出させて254nmでUV分析した。測定結果を第1表にまとめる。報告したパーセンテージは、光に30分間さらす前と後の相対HPLCピーク面積に相当する。

0126

第1表:光にさらすことによる、溶液中での感光性の化合物の分解

0127

ブチロフェノンの分解の速度は、HPLCによって前記の条件を使用して測定した。照射前(t0)に、前記溶液の最初のアリコート(50μm)をピペットで取り出し、アセトニトリル(950μL)で希釈し、そして分析した。次いで、前記ランプ電源を入れ、前記溶液の更なるアリコートをピペットで取り出し(1時間の間に10分おきに、次いで更なる3時間の間に20分おきに)、希釈し、そして前記のように分析した。

0128

観察された一次速度定数(kobs)は、時間tで測定された(減少する)ピーク面積(At)の時間t0で測定されたピーク面積(A0)に対する負の自然対数を時間に対してプロットすることによって、等式
At=A0 e(−kobs t) (等式1)
に従って得られた。

0129

線形回帰により、0.985の相関係数(r2)および8.81×10-5s-1の観察された一次速度定数(kobs)で直線が得られた。

0130

前記データは、それらの感光性の化合物が、光にさらした後に分解することを示している。

0131

例3
光にさらすことでガスを発生することができる感光性の化合物を含有し、油相として芳香分子を含有する本発明によるマイクロカプセルAの製造
ビーカーにおいて、ポリイソシアネート(Takenate(登録商標)D−110N、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、供給元Mitsui Chemicals、2.35g)および感光性の1−フェニルブタン−1−オン(ブチロフェノン、供給元:Aldrich、8.76g)を、Romascone(登録商標)(メチル2,2−ジメチル−6−メチレン−1−シクロヘキサンカルボキシレート、供給元:Firmenich SA、4.38g)およびHedione(登録商標)HC(メチル 2−((1S,2R)−3−オキソ−2−ペンチルシクロペンチルアセテート、供給元:Firmenich SA、4.39g)中に溶解させた。油相を、ポリ(ビニルアルコール)(約0.43g、PVOH18−88、供給元:Aldrich)の水中1質量%の溶液(約42mL)に添加した。15000rpmから24000rpmの間での2分にわたるウルトラツラックス(Ultra−Turrax)による撹拌(モデルS25N 10G)によってエマルジョンを製造した。小滴サイズ光学顕微鏡によって制御した。次いで、そのエマルジョンを、室温で250mL反応器中に導入し、そしてアンカーで350rpmで撹拌した。グアナゾール(1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、供給元AlfaAesar、0.43g)を水(約5mL)中に溶かした溶液を、前記エマルジョンへと1時間にわたり滴加した。該反応混合物を、室温から70℃まで1時間の間でpH5で加熱し、次いで70℃で2時間保持し、最後に室温に冷やすことで、白色の分散液が得られた。

0132

比較例3
本発明による感光性の化合物を有さない比較マイクロカプセルA(先行技術によるマイクロカプセル)の製造
ビーカーにおいて、ポリイソシアネート(Takenate(登録商標)D−110N、供給元Mitsui Chemicals、3.52g)およびRomascone(登録商標)(8.77g)を、Hedione(登録商標)HC(8.75g)中に溶解させた。油相を、PVOH 18−88(約0.44g)の水中1質量%の溶液(約42mL)に添加した。15000rpmから24000rpmの間での2分にわたるウルトラ・ツラックス(Ultra−Turrax)による撹拌(モデルS25N 10G)によってエマルジョンを製造した。小滴サイズは光学顕微鏡によって制御した。次いで、そのエマルジョンを、室温で250mL反応器中に導入し、そしてアンカーで350rpmで撹拌した。グアナゾール(0.65g)を水(約5mL)中に溶かした溶液を、前記エマルジョンへと1時間にわたり滴加した。該反応混合物を、室温から70℃まで1時間の間でpH5で加熱し、次いで70℃で2時間保持し、最後に室温に冷やすことで、白色の分散液が得られた。

0133

例4
光にさらした後のマイクロカプセルからの油相の放出
一般的プロトコール
例3および比較例3に記載される通りに得られたマイクロカプセルAおよび比較マイクロカプセルAの分散液を、油相中で同じ濃度の芳香剤を有するように水中で希釈した。これらの分散液のアリコートをスライドガラス上に置き(第2表)、そして暗所で96時間にわたり室温に保った。そのスライドガラスを次いでヘッドスペース採取セル(約500mLの内容量)内に入れ、そして約200mL/分の一定の空気流にさらした。その空気は、活性炭を通じて濾過され、NaClの飽和溶液を通じて吸引することで、約75%の一定湿度が得られた。そのスライドガラスをそれぞれキセノンライト(約45000ルクスのHeraeus SuntestCPS)で照射した。蒸発された揮発物を10分間にわたり清浄なTenax(登録商標)カートリッジ(0.10g)に15分毎に吸着させた。前記カートリッジを、Perkin Elmer社のTurboMatrix ATD加熱脱着器において加熱脱着させ、HP−1キャピラリーカラムを備えたAgilent Technologies社の7890Aガスクロマトグラフシステムに注入し、そして60℃で開始して次に15℃/分で200℃にまで加熱する温度勾配を使用して溶出させた。放出された芳香剤の量を、外部標準較正によって定量化した。種々のサンプルの照射について得られた結果は図1にまとめられている。

0134

第2表:ヘッドスペース分析のためにスライドガラス上に置いた分散液の組成

0135

図1のデータは、本発明による感光性のブチロフェノンを含有するマイクロカプセルA上のヘッドスペースにおいて、同等の先行技術のマイクロカプセルと比較してかなり高い香料油のヘッドスペース濃度が測定されたことを裏付けている。更に、光にさらす前に、本発明のマイクロカプセルAから放出された香料油のヘッドスペース濃度は、先行技術のマイクロカプセルから放出された香料油のヘッドスペース濃度と同様に低かった。光にさらすことで、ガスの形成によりブチロフェノンの分解が開始し、結果として香料油の放出が惹起された(図1中の矢印の前と後の濃度)。このように、ガスを発生する本発明による化合物の存在は、マイクロカプセルを引っ掻くまたは擦ってシェルを機械的に破壊することを必要とせずに、カプセル化された油相の放出を効果的に惹起するのに適している。

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