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技術 ポリマーマトリクスとナノ粒子を含む複合材料、その製造方法及び使用

出願人 コエルクス・エッセ・エッレ・エッレ
発明者 シャー・メンディロン・シェールー・ジンパオロ・ディ・トラーパニファー・ウーマッシモ・モルビデリ
出願日 2013年9月16日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2016-543321
公開日 2016年10月13日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2016-532162
状態 特許登録済
技術分野 レンズ以外の光学要素 光学要素・レンズ 高分子組成物
主要キーワード 外側ガラス層 不規則分布 非自立性 クラスタ表 最終距離 白色可視光 内部シェル 衝撃吸収剤
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課題・解決手段

コアシェルナノ粒子を含むポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料(PMNC)。ここで、コアは、ポリマーマトリクスとは異なる材料からなり、また、少なくともシェルの一部は、前記ポリマーマトリクス形成用のモノマーまたはポリマーと同一であるか、ポリマーマトリクスと相容性のモノマーあるいはポリマーから形成される。ナノ粒子のコアは、マトリクスに使用されるポリマーの屈折率とは異なる屈折率を有し、また少なくともマトリクスは光を吸収しない透明な材料からなる。

概要

背景

ナノ粒子あるいはコロイド粒子(便宜上、本明細書ではこれらすべてをナノ粒子と呼ぶ)は、特定の性質を有するポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料(polymer matrix/nanoparticle composite, PMNC)を生産するために、ポリマーマトリクス中にフィラー(一般に機能性フィラー)として使用することができる。

PMNCの適用例としては、例えば:
WO 2009/156348およびWO 2009/156347は、非常に厳格必要条件を設定した無機ナノ粒子分散物を含む透明なポリマーマトリクスから得られた光拡散部材を開示する。
Ul7,033,524は、任意に更なる材料を取り込むための空孔を有するアニールされたコアシェル・ナノ粒子から得られる複合材に関し、特に導電性フィルムを提供するためのシェルを有し、アニールされたポリピロール粒子に関する。

これらPMNCは、光学オプトエレクトロニクス磁気光学機械的な増強などの、様々な分野に潜在的な適用性を有する。これらの応用のほとんどにおいて、主要且つ重大な要求は、ポリマーマトリクス中に一様且つ不規則にナノ粒子を分散させなければならないということである。これは、文献によれば、大規模生産工業だけでなく実験室規模実験においても非常に困難であることが示されている。それは、ナノ粒子がポリマーマトリクス中への混合中に常に凝集する傾向があるからである。

概要

コア・シェル・ナノ粒子を含むポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料(PMNC)。ここで、コアは、ポリマーマトリクスとは異なる材料からなり、また、少なくともシェルの一部は、前記ポリマーマトリクス形成用のモノマーまたはポリマーと同一であるか、ポリマーマトリクスと相容性のモノマーあるいはポリマーから形成される。ナノ粒子のコアは、マトリクスに使用されるポリマーの屈折率とは異なる屈折率を有し、また少なくともマトリクスは光を吸収しない透明な材料からなる。 なし

目的

Ul7,033,524は、任意に更なる材料を取り込むための空孔を有するアニールされたコア・シェル・ナノ粒子から得られる複合材に関し、特に導電性フィルムを提供する

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請求項1

ポリマーマトリクス及びこれに含まれる複数のナノ粒子からなり、前記ポリマー・マトリクスを構成するポリマー材料はそれ自体は透明で光を吸収しない材料からなるポリマーマトリクスナノ粒子複合材料(PMNC)系であって、前記ナノ粒子はポリマー・マトリクスとは異なる材料からなり且つマトリクスのポリマーの屈折率とは異なる屈折率を有することにより、前記系あるいは前記系を含む製品を透過する光の少なくとも一部を散乱させる作用を有するコアを含むコア—シェルナノ粒子であり、且つ前記コア—シェルナノ粒子のシェルの少なくとも一部は前記ポリマー・マトリクスを与えるものと同じモノマー又はポリマー、あるいは前記ポリマー・マトリクスと相容性を有するモノマー又はポリマーから得られていること、を特徴とするポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系。

請求項2

少なくとも透過光の一部の前記散乱は、レイリー及びまたはレイリー様散乱である請求項1に記載のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系。

請求項3

前記コアの材料はポリマーおよび無機化合物より選択される請求項1または2に記載のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系。

請求項4

前記コアの材料は光を非吸収性の一以上の材料からなる請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系。

請求項5

前記コア、シェルおよびマトリクスの少なくとも一が架橋されている請求項1〜4のいずれかに記載のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系。

請求項6

架橋された第1のシェル及びその外側に少なくとも第2のシェルを有し、その少なくとも第2のシェルが、前記ポリマー・マトリクスを与えるものと同じモノマー又はポリマー、あるいは前記ポリマー・マトリクスと相容性を有するモノマー又はポリマーから得られており、非架橋である請求項5に記載のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系。

請求項7

前記コアが、架橋ポリスチレンからなり、前記マトリクス及び前記シェルがポリメタクリル酸メチルPMMA)からなる請求項1〜6のいずれかに記載のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系。

請求項8

前記コアが、無機材料からなり、好ましくは金属酸化物、最も好ましくはTiO2、SiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、Al2O3、Sb2SnO5、Bi2O3及びCeO2から選ばれた金属酸化物、からなる請求項1〜6のいずれかに記載のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系。

請求項9

二つのナノ粒子間の最小距離が10nm以上である請求項1〜8のいずれかに記載のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系。

請求項10

パネル、箔またはフィルム形状表面積1m2で区画される容積部分に存在するナノ粒子数Nが、下式で定義されたNminに対し、N≧Nmin, 好ましくは2Nmin≦N≦13Nmin、より好ましくは3Nminから10Nminの範囲、最も好ましくは大略6Nminである請求項1〜9のいずれかに記載のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系:

請求項11

以下の工程a)〜d)を含む、複数のナノ粒子をポリマー・マトリクスに分散させてなり、前記ポリマー・マトリクスを構成するポリマー材料はそれ自体は透明で光を吸収しない材料からなるポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料(PMNC)系の製造方法であって、a)材料(B)のナノ粒子を調製する工程、b)前記ナノ粒子にモノマーまたはポリマー(A)から得られる1以上のシェルを形成し、ここでナノ粒子のコア材料(B)はポリマー・マトリクスを与えるモノマー又はポリマーとは異なる材料からなり且つマトリクスのポリマーの屈折率とは異なる屈折率を有し、これによりコア・シェル・ナノ粒子を与える工程、c)前記コア・シェル・ナノ粒子を前記マトリクスを与えるモノマーまたはポリマーに分散させ、ここで前記マトリクスのモノマーまたはポリマーは前記シェルのモノマーまたはポリマー(A)と同じまたはこれと相容性を有し、これによりナノ粒子の重合前のマトリクスへの分散物を得る工程、d)マトリクスを重合する工程、および必要に応じてマトリクスを架橋する工程、得られたポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系は、その系あるいはその系を含む製品を透過する光の少なくとも一部を散乱させる作用を有するポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系の製造方法。

請求項12

前記ポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系は、その系あるいはその系を含む製品を透過する光の少なくとも一部のレイリーまたはレイリー様散乱を起こす請求項11に記載の方法。

請求項13

前記マトリクスは、ポリマー樹脂および少なくとも溶媒を含む塗料であり、塗料層から溶媒が揮散された後に前記ポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系が散乱作用を有する請求項11または12に記載の方法。

請求項14

前記ナノ粒子のコアおよび/またはシェルを架橋する工程を含む請求項11〜13のいずれかに記載の方法。

請求項15

ポリマーからなるコアを有するナノ粒子を調製する工程、必要に応じて前記コアのポリマーを架橋する工程、ポリマーからなる第1のシェルを形成し架橋する工程、および得られたコア・シェルナノ粒子に非架橋ポリマーからなる追加のシェルを形成する工程を含む請求項14に記載の方法。

請求項16

無機ナノ粒子あるいは無機ナノ粒子のクラスタからなるコアを調製する工程を含む請求項11〜15のいずれかに記載の方法。

請求項17

無機ナノ粒子のクラスタ及びモノマーからなるコアを調製し、前記モノマーを重合し、好ましくは架橋して、無機ナノ粒子およびポリマーからなるコアを形成し、好ましくはポリマーを架橋する、工程を含む請求項11〜16のいずれかに記載の方法。

請求項18

前記ナノ粒子のコアを、エマルジョン重合により調製する請求項11〜17のいずれかに記載の方法。

請求項19

前記シェルを与えるモノマーまたはポリマー(A)から、前記コア材料(B)を含まないナノ粒子を形成し、このコアなしナノ粒子を所定量のコアを有するナノ粒子と混合する工程を更に含み、前記コアなしナノ粒子をマトリクス原料として使用する請求項11〜18のいずれかに記載の方法。

請求項20

マトリクス材料中のナノ粒子分散液超音波処理あるいは剪断力印加を行う工程を更に含む請求項11〜19のいずれかに記載の方法。

請求項21

請求項11〜20のいずれかの方法により得られたコア・シェルナノ粒子。

請求項22

請求項1〜10のいずれかに開示されたコア・シェルナノ粒子。

請求項23

コア、架橋シェル層および架橋シェル層の外側の非架橋の第2シェル層を有する請求項21又は22に記載のコア・シェルナノ粒子。

請求項24

前記コアが1以上の無機ナノ粒子からなる請求項21〜23のいずれかに記載のコア・シェルナノ粒子。

請求項25

前記コアが無機ナノ粒子およびポリマー、好ましくは架橋ポリマー、からなる請求項21〜23のいずれかに記載のコア・シェルナノ粒子。

請求項26

乾燥状態にある請求項21〜25のいずれかに記載のコア・シェルナノ粒子。

請求項27

請求項1〜10のいずれかに記載のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系を含む光拡散体

請求項28

以下の特徴を有するコア・シェルナノ粒子のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系の製造のための使用:前記コア・シェルナノ粒子は、コア、架橋ポリマーからなる第1のシェル層および前記第1のシェル層の外側に位置する第2のシェル層を少なくとも有し、第2のシェル層は少なくとも前記ポリマーマトリクスの形成するポリマー材料と同じか、これと相容性を有するポリマーからなり、非架橋である。

請求項29

前記ポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料系は、光拡散体の一部をなす請求項28の使用。

技術分野

0001

本発明は、ポリマーマトリクスナノ粒子からなる複合材料、前記材料の製造方法および前記材料の用途に関する。特に、本発明の複合材料は、ポリマー均質且つ不規則分散物または/および無機のナノ粒子を含むポリマーマトリクスからなり、ナノ粒子はコアシェル型で、ポリマーまたは/および無機のコアおよび好ましくはポリマーからなる1以上のシェルを有する。

背景技術

0002

ナノ粒子あるいはコロイド粒子(便宜上、本明細書ではこれらすべてをナノ粒子と呼ぶ)は、特定の性質を有するポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料(polymer matrix/nanoparticle composite, PMNC)を生産するために、ポリマーマトリクス中にフィラー(一般に機能性フィラー)として使用することができる。

0003

PMNCの適用例としては、例えば:
WO 2009/156348およびWO 2009/156347は、非常に厳格必要条件を設定した無機のナノ粒子分散物を含む透明なポリマーマトリクスから得られた光拡散部材を開示する。
Ul7,033,524は、任意に更なる材料を取り込むための空孔を有するアニールされたコア・シェル・ナノ粒子から得られる複合材に関し、特に導電性フィルムを提供するためのシェルを有し、アニールされたポリピロール粒子に関する。

0004

これらPMNCは、光学オプトエレクトロニクス磁気光学機械的な増強などの、様々な分野に潜在的な適用性を有する。これらの応用のほとんどにおいて、主要且つ重大な要求は、ポリマーマトリクス中に一様且つ不規則にナノ粒子を分散させなければならないということである。これは、文献によれば、大規模生産工業だけでなく実験室規模実験においても非常に困難であることが示されている。それは、ナノ粒子がポリマーマトリクス中への混合中に常に凝集する傾向があるからである。

先行技術

0005

WO 2009/156348
WO 2009/156347
US7,033,524

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の一つの目的は、上記の問題を解決し、ポリマーマトリクスにナノ粒子が一様に分配されたナノ複合材を製造する方法を提供することにある。
「一様な分布」の語は、ナノ粒子がポリマーマトリクス内に均質的に分配されること、つまり系内を横断して事実上一定の平均密度で分配されること、0.1mm3を超える容積、たとえば1mm3を超える容積、に亘って前記平均密度が測定されること、を意味する。

0007

本発明の更なる目的は、ナノ粒子の不規則分布を与えることである。ここで「不規則分布」の語は、ナノ粒子の凝集(aggregation)が無いか、あるいは最少であることを意味し、「凝集」の語は詰まったナノ粒子のクラスタ集団、cluster)が上記0.1mm3以上よりはるかに小さくなること、例えばナノ粒子のクラスタが数百、数十あるいは数個のみに過ぎない場合を意味する。

0008

凝集は、特にPMNC中のナノ粒子の光学的応用において、重要な問題である。事実、クラスタの寸法を視覚的に分解する観察者能力とは別に、いくつかのナノ粒子の接触により形成されるクラスタは、その寸法が一次ナノ粒子の寸法より本質的に大きい新しい粒子として作用し、それにより劇的に発生する光学的干渉効果は、最終複合材料の散乱特性を変化させる。注目すべきこととして、前記変化は、ごく少数のクラスタの存在によってさえ問題となり得る。それは、前記クラスタの寸法の増大に伴い散乱効果は劇的に増大する(例えば、それは、レイリーの法則によれば寸法の6乗で増大する)からである。

0009

結果として、本発明の目的の一つは、いくつかのナノ粒子が互いに接しているクラスタの形成を回避することである。より詳細には、任意の近接する2つのナノ粒子表面間の最小の距離として、ナノ粒子寸法の0.2倍以上、好ましくは0.5倍以上、最も好ましくは0.7倍以上、を確保することを意図する。コアとシェル構造を有するナノ粒子の場合には、ナノ粒子の寸法をコア寸法(つまり大きさ)として測定する。本発明によれば、クレームされた系においては、ナノ粒子間の間隔は、10nm以上、好ましくは30nm以上、より好ましくは50nm以上とされる。先行技術の方法および系によっては、この結果を達成することができなかった。

0010

本発明の更なる目的は、ナノ粒子ができるだけ接近して互いに配置される複合材料中の領域の形成に際しては、隣接するナノ粒子間の距離が最小値、好ましくは上述した10nmより大きいだけでなく、前記したナノ粒子の寸法の倍数としての最小値、例えば0.2〜0.7倍の範囲以上、で不規則(random)に変化する。実際、ナノ粒子距離における上記した不規則さは、他のナノ粒子からの散乱の寄与のコヒーレンス消失させ、さらに、光学的干渉効果の発現を妨げるのにさらに寄与し得る。換言すれば、本発明の目的の1つは、ナノ粒子表面間の最小の距離と、クラスタが存在する状態で、隣接するナノ粒子の間の実際の距離が前記最小値を超える不規則分布に従うという事実と、の双方を保証することにある。

0011

「一様且つおよび不規則な分布」という表現は、上記複数の定義の組合せを意味し、それによってポリマーマトリクス内にナノ粒子群が、凝集することなく、またそれぞれの位置の相関性なく、統計的に無秩序に分配されること、を意味する。

0012

本発明の更なる目的は、白色可視光を少なくとも2つの色成分(その一は青成分に富み、他の一は青成分が低い)に光学的に分割し得る光拡散部材の製造に適したポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料を提供することである。本発明の拡散体は、前記WO 2009/156348に開示された拡散体と同じ機能を果たすに違いない。

0013

これらの目的は、請求項1の複合材料(系)を提供する本発明によって達成される。

0014

その材料(系)は、ナノ粒子を含むポリマーマトリクスからなる。マトリクスの製造のために使用され高分子材料は、それ自体は透明かつ光を吸収しない材料である。つまり、ナノ粒子を含まないポリマーマトリクスは透明で、光を吸収しない。ナノ粒子はコア・シェル・ナノ粒子である。ナノ粒子のコアは、ポリマーマトリクスとは異なり且つマトリクスの屈折率とは異なる屈折率を有する材料からなり、前記系あるいは前記系を含む製品を通過した光の少なくとも一部を散乱させる。好ましくは、コアは光を吸収しない1以上の材料からなる。しかしながら、ある態様においては、光を吸収する材料からなるコアを使用することは可能である。好ましい態様では、コア材料架橋されたものであり得るポリマー、無機材料、好ましくは金属酸化膜(TiO2)、SiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、Al2O3、Sb2SnO5、Bi2O3、CeO2、あるいはこれらの組合せ、から選ばれる。

0015

少なくともナノ粒子のシェルの一部は、前記ポリマーマトリクスの製造のために使用されるものと同じ材料、例えばモノマーまたはポリマー、あるいは前記マトリクスと相容性を有するモノマーまたはポリマー、から得られる。シェルのポリマーは架橋されていてもよい。
上記のポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料は、透過光線の少なくとも一部のレイリー散乱あるいはレイリー類似の散乱を与える。

0016

本発明において、「複合材料(系)」(composite system)の語は、最終PMNC製品および個別の出発原料(マトリクス・ポリマーおよびそこに分散するナノ粒子)の両方を定義(また保護)するために使用している。

0017

「相容性を有する」(compatible)の語は、マトリクスが重合される前にモノマーあるいはポリマーがマトリクスにおいて完全に分散されるか溶解される、ことを意味する。好ましくは、シェルあるいはその少なくとも一部はマトリクスと同じタイプのポリマーからなり、例えばシェルとマトリクスの両方用にPMMA(ポリメタクリル酸メチル)を用いることができる。これにより、重合あるいはさらに架橋前のマトリクスのシェルの溶解あるいはナノ粒子の分散が良好となる。

0018

マトリクスの製造のために使用される高分子材料は、吸収性でなく透明である。つまりナノ粒子を含まない最終マトリクスは、光の透過が本質的に規則的で、スペクトル可視領域に対して高い透過性を有する材料からなる。同じことが、シェルに使用される材料にも当てはまる

0019

マトリクスはどんな形でもあり得、また上記目的に使用することができ、上記の非吸収性で透明という上述の特性有するあらゆる材料からなることができる。マトリクスの態様の例としては、例えばPMMAあるいは他のポリマーからなるパネルフィルムあるいは塗装(すなわち塗料が塗られ、溶剤蒸発した後、基板状に残る層)などがある。

0020

ナノ粒子の寸法は、例えば、WO 2009/156348に開示されるタイプのレイリー散乱を提供することができるほど十分に小さく;ナノ粒子のコアの平均寸法は、例えば10〜240ナノメーターの範囲にある。

0021

複合材料系が少なくともその一部において、ASTME2884−09aに定義されるヘイズ生む場合に、レイリー様拡散体と呼ばれる。このヘイズは、スペクトル間隔600〜650nmに比べて、スペクトル間隔400〜450nmの入射光においては、1.5倍以上、好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上大きい。この性質は、複合材料に入射するビームの少なくとも1方向について確認されている。これは、複合材料系の一部、系が塊状固体の場合にはその薄片、あるいは例えば液体コーティングあるいは塗料である場合の薄層についてである。

0022

実際、厚いサンプル(例えば厚肉塗膜)の場合には、多重散乱により、入射光の長波長成分に比べて短波長成分優先的に散乱する特性が妨げられ得る。多重散乱が起きない充分に薄い材料層が使用されるときにレイリー様散乱が顕著に起こる。

0023

本明細書においては、特別に異なる意義で定義しない限り、用語は、ASTME2884−09aおよび(ASTM E2884−09aと矛盾しない限り)ASTM D1746−09; ASTM D1003−07; ISO 13468−2:1999(E)を参照して解釈される。

0024

ナノ粒子のコアは線状重合体架橋重合体、あるいは無機の材料であり得る。典型的な態様では、コアは架橋重合体からなり;いずれにせよ、上述したように、コア材料は、光を吸収しない透明材料からなる前記マトリクスのポリマーの屈折率とは異なる屈折率を有する。

0025

本発明のナノ粒子は、実質的にコアを包囲する少なくとも1のシェルを有し、これは「犠牲のシェル」(sacrificial shell)として働き且つマトリクス材料中のナノ粒子を分散させるのに好適な材料(通常はポリマー)からなる。この目的には、シェルは線形の(つまり、架橋されない)ポリマーであり得る。

0026

好ましい態様では、ナノ粒子は、架橋された第1のシェルおよび少なくとも第1のシェルの外側に架橋されない第2のシェルを有する。第2のシェルは、通常、ナノ粒子製造の第2段階で得られる。少なくとも前記第2のシェルは、マトリクス重合および/または架橋前にマトリクス中のナノ粒子の不規則および一様な分散を増強するように、前記ポリマーマトリクスの製造のために使用されるのと同じモノマーまたはポリマー、あるいはポリマーマトリクスの製造のために使用されるポリマーと相容性を有するモノマーまたはポリマーから得られる。

0027

本発明によるポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料(PMNC)の好適な態様では、コアは架橋されたポリスチレン、第1のシェルは架橋したポリメタクリル酸メチル(PMMA)、マトリクスならびに第2のシェルはポリメタクリル酸メチル(PMMA)、からなる。

0028

単一層あるいは多重そうであるシェルの寸法は、最終複合材料中の2つの隣接するコアの外表面間に要求される最小の距離に依存する。例えば、要求される表面間の距離がlである場合、第1のシェルの厚さはl/2である。事実、ナノ粒子間の最小の距離によって要求されるよりは、シェルがより薄い態様が可能である。しかし、それでも、例えば、かなり希薄なPMNCの場合には、前記シェルは、統計的にナノ粒子間の分離を維持し、かつ凝集を防ぐように作用する。

0029

好適なコア・ナノ粒子材料としては、ポリカーボネートポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリ(スチレン-アクリロニトリル)、ポリテトラフルオロエチレン変性ポリテトラフルオロエチレン樹脂ポリ塩化ビニルポリフッ化ビニリデンおよび無機の材料がある。好適な無機材料は、TiO2、SiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、Al2O3、Sb2SnO5、Bi2O3、CeO2、あるいはこれらの組み合わせ、等の金属酸化物から選ばれる。好ましい金属酸化物としてTiO2がある。

0030

シェルとマトリクスに好適な材料は、熱可塑性熱硬化性及び光硬化性樹脂類から選ばれる光学的透明性に優れた樹脂である。好適な樹脂としては、特に、アクリル樹脂(例えばPMMA)、エポキシ樹脂ポリエチレン・あるいはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリ化プロラクトン;ポリスチレン樹脂(例えばポリスチレン);PTFEおよび類似のフッ素フッ素化樹脂およびフルオレン樹脂;ポリアミド樹脂(例えばナイロン);ポリイミド樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリフェニレンエーテル;ポリビニルアルコール樹脂;酢酸ビニル樹脂;ポリエーテルスルホン;非晶質ポリオレフィン;ポリアリーレート;液晶ポリマー、がある。

0031

ある態様では、複合材料は、剛性自立するパネル(つまり任意の2つの側から水平に保持された時に実質的に曲がらないパネル)として形成される。例えば、前記複合材料は、厚さが長さの0.5−5%の範囲である平行六面体として形成される(ここで、厚さと長さは、パネルのそれぞれ最小および最大側寸法として定義される)。前記剛性のパネルの典型的な長さの範囲は0.5〜3mである。マトリクスの線状重合体の好ましい分子量は、450,000〜2,000,000g/molの範囲にある。

0032

更なる態様においては、複合材料は、箔(ここでは剛性ではあるが非自立性のパネル、すなわち剛性のパネルと同様に非可撓性である(すなわち、小さい屈曲角、たとえば180°、で曲げられた場合、破壊される)が、水平に保持されたときに形状を維持しない)と定義される)に形成される。例えば、箔複合材料は、長さの0.005倍の厚さを持ち得る。剛性のパネルと同様に、箔は、高分子量ポリマーからなるマトリクスの特性を有する。

0033

本発明の更に別の態様によれば、複合材料は、可撓性のフィルム(ここでは非剛性のシート(すなわち、小さい屈曲角、たとえば180°、で曲げられた場合に、壊れないシート)として定義される)に形成される。例えば、柔軟なフィルムの複合材料は、10ミクロンから1mm、好ましくは50ミクロンから0.5mm、の範囲の厚さを有し得る。さらに、それは、希望の可撓性を達成するために、可塑剤および/または衝撃吸収剤を含むことができ、および/または複数の異なるモノマーから調製されたコポリマーからなるものでもよい。

0034

好ましい態様では、複合材料系は、空太陽光拡散体(sky−sun diffuser)、つまり入射白色光を、青みがかったおよび黄色みがかった透過光成分に分離する拡散体、に形成される。より一般に、前記複合材料系は、入射する白色光の数%(例えば5%)以上がレイリー様式で散乱されることを保証するために十分である単位面積当たりナノ粒子を含み得る。例えば、複合材料は、厚さとは独立に、あるナノ粒子面積密度(つまり単位m2あたりのナノ粒子数)を有する剛性のパネルまたは箔、あるいは柔軟なフィルムとして形成され得る。換言すれば、複合材料は、パネル、箔あるいはフィルムの1m2の面積区画される容積部分に存在するナノ粒子数Nが、N≧Nmin, 例えば2Nmin≦N≦13Nmin、好ましくはNは3Nminから10Nminの範囲であり、より好ましくは大略6Nminであることを特徴とするパネル、箔あるいはフィルムとして形成される。ここで、Nminは次式で定まる:

0035

0036

別の異なる態様においては、複合材料は塗料、すなわち樹脂および添加物溶媒、例えば有機溶媒または水性溶媒、中への分散物として形成される。典型的な事例では、塗料複合材料は、乾燥後の厚さ範囲が1−50ミクロンである塗料層において、ナノ粒子濃度(つまり単位体積当たりのナノ粒子の数)Nが、条件N≧Nmin(例えば2Nmin≦N≦13Nmin、好ましくは3Nmin≦N≦10Nmin、最も好ましくはNは大略6Nmin)を満たすことで特徴づけられる。この系における典型的な埋め込みマトリクスは、フィルムの場合にはPET、PVC、EVA等のポリマーであり、フィルムの場合には同様に、アクリル樹脂、ビニル樹脂ポリウレタン等のポリマーである。

0037

いくつかの態様において、特に、表面積が厚さよりもはるかに大きくなる、パネル、箔あるいはフィルム、等の系として形成される場合には、系が表面に亘って可視的に一様なレイリー様散乱を示すという要件は、0.25mm2より大なる領域において測定される平均面積密度が、表面全体について一定となること、に換言される。この特徴は、ナノ粒子体密度試料全体を通じて一定であることを要求するものでないこと、が注目される。これは、観察者が、総合的な効果のみを知覚するものであり、表面に垂直な方向のナノ粒子体積密度の揺らぎあるいは変化は知覚しないからである。

0038

更なる態様においては、複合材料は、複雑形状の長尺物として形成される。つまり、その形状が平行六面体と異なり、最小包楕円体が、f=(a−b)/a(ここで、aは準長軸、bは準短軸)で定義される平滑化係数がf>0.5であり、長尺物の異なる部分が、空が日没または日の出の際に作用するように、異なる色に光散乱を起こすに適しているような長尺物形状である。

0039

別の態様においては、2個の外側ガラス層により、ポリマーマトリクス中にナノ粒子を分散させたフィルム状の中心層を挟持させたサンドイッチ型の空太陽光拡散体が形成され、これは機械的強度にかかわる安全ガラスとして、また光学的特性に関してレイリー様拡散体として機能する新規なパネルあるいは窓材を与える。

0040

さらに、上記サンドイッチ型の空太陽光拡散体は、接着剤の2層を含んでもよく、これらは複合材料からなる内層と、外側層とを、光学的および/または機械的に調和させる、すなわち多重反射を防ぎ、内部相外部層との異なる熱膨張を補うのに必要な弾力を提供する、作用を有する。好適な接着剤はEVA(エチレン酢酸ビニル)およびPVB(ポリビニルブチラール)である。

0041

本発明の別の目的は、塗装された空太陽光拡散体を含む構造体(つまりガラス、ポリカーボネート等の透明パネルを、上記の複合材料塗料によって被覆した構造体)である。

0042

サンドイッチ型および塗装型の空太陽拡散体の双方は、ともに、例えば露出した複合材料パネルあるいは箔に比べて、優れた難燃特性が与えられるという重要な利点を提供する。それは、複合材料自体でなく外部基板の特性によって実質的に定まる。
本発明のさらなる目的は請求項11に従うポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料(PMNC)の製造方法である。

0043

好ましくは、ナノ粒子のコアは、架橋されたものであり得るポリマー(例えばポリマーB)からなる。コア・ナノ粒子の好ましい調製方法は、水性溶媒中のエマルジョン重合である。

0044

一般に、まず、ナノ粒子のタイプおよびポリマーマトリクスのタイプを選択する。その後、方法の第1工程は、コア・シェル・ナノ粒子を調製することであり、ここでコアとシェルとは、それぞれ選ばれたナノ粒子およびポリマーマトリクスである。コア・シェル・ナノ粒子はそれぞれ唯一のコアを含む。また、シェルの厚さは、PMNCの中の粒子間の距離の最小必要量に依存する。上で言及したように、コアに必要な最小の表面間距離がlである場合、シェル厚さはl/2(つまり0.5l)である。

0045

コア・ナノ粒子のシェルを作るための既知の異なる技術(物理的なコーティングあるいは吸着等)を、いずれも使用することができる。コア・ナノ粒子の好ましい調製方法は、水性溶媒中のエマルジョン重合を経由するものである。エマルジョン重合は、同一の反応器を、まずコア・ナノ粒子の調製に使用し、次に、それにシェル(1層あるいは2層)を与えるために最初に使用することが可能なので、好まれる。

0046

一般に、出発ナノ粒子は、既知のエマルジョン重合による既知の方法で得られた要求された寸法を有する架橋したポリマー、例えばポリスチレン他、でありえる。

0047

層シェルを調製するための、第1のシェル層のための供給時間は、一般に2〜10時間であり; 第1のシェル層のための架橋剤の量は1〜10重量(w/w)%である。第2のシェル用の供給時間は2〜10時間であり;第2のシェル層は好ましくは架橋剤を含まず、マトリクス材料、モノマーおよび/またはポリマーに溶解するものとする。

0048

遊離ラジカルエマルジョン重合用の既知の開始剤を任意に適用することができる。第1のシェル用の開始剤の量は全モノマーの0.1%から0.5%である。また、開始剤の一部を最初に注入し、残部はモノマーと一緒に連続的に供給することもできる。第2のシェル用の開始剤の量は全モノマーの0.1%から0.5%であり、開始剤の一部は最初に注入し、また、残部はモノマーと一緒に連続的に供給することもできる。
得られたコア・シェル・ナノ粒子は、例えば乾燥により、製造系の水性媒体から分離される。

0049

エマルジョン重合後に得られたナノ粒子には、好適な後処理が任意に行われ、得られたコア・シェル・ナノ粒子は、ポリマーマトリクス/ナノ粒子材料の製造に使用できる。フィルムが必要な場合は、直接乾燥及び溶融が行われる。別報として、ナノ粒子は凝結して乾燥される。乾燥したナノ粒子は、最終マトリクスの主体をなす、モノマーおよび/またはポリマー等の材料に分散され、続いて既知の方法で重合される。あるいは、得られたナノ粒子は、ポリマーを含むマトリクス中に分散することができる。本発明のこの態様の一例は複数のナノ粒子を含む塗料あるいはインクである。本発明のナノ粒子を含む塗料あるいはインクによって代表される複合材料では、マトリクスは、通常、そのような製品に存在する樹脂、添加物および溶媒により形成され、そこに本発明のナノ粒子が加えられている。結果として得られる生成物は、「予備的な材料系」である、つまり、塗料やインクは、金属等の容器の中にあるときは通常要求される散乱効果を生じないが、透明基材に塗布されて塗料あるいはインク層を形成すると直ちに散乱効果を発現する。

0050

一般に、最終生産物中のナノ粒子の濃度は、0.001〜20重量%の範囲にある。最終複合材料の要求およびナノ粒子の性質に従って、一般に、少なくとも部分的に無機質のコアを有するナノ粒子に要求される量は、ポリマーからなるコア・ナノ粒子に必要な量よりはるかに少ない。

0051

好ましい態様では、本発明のコア・シェル・ナノ粒子のコアは、無機ナノ粒子の寸法にもよるが、単一の無機ナノ粒子、無機ナノ粒子のクラスタあるいは無機ナノ粒子とポリマーのクラスタのいずれかからなる。無機のナノ粒子とポリマーのクラスタからなるコアの場合には、好ましくは、ポリマーが架橋されて無機のナノ粒子と共に「統合された」(integral)コアを形成することが好ましい、またコア全体の寸法は上述した通りである。

0052

好ましい態様では、無機のナノ粒子は、上述したような金属酸化物であり、好ましい例としてはTiO2がある。高い屈折率を有するTiO2成分は効率的な光散乱に寄与する。コアポリマーの一部により無機の粒子を覆い、TiO2粒子の周囲に架橋重合体からなる第1のシェルを与える。この態様では、このコアに使用されたポリマーはコアの外周を拡張させ、架橋された第1のシェルを与える。

0053

好ましくは、線状重合体からなる外側シェルは、有機溶媒と複合材料の相容性および再分散性の増大に寄与する。製法およびPMNC系に関して上述したコア・シェル・ナノ粒子は、したがって本発明の一目的であり、特にコア・シェル・ナノ粒子は、架橋コア、第1の架橋内部シェル、および架橋シェルの外側に線状重合体、すなわち非架橋ポリマー、からなる第2の外部シェルを有する。

0054

本発明の好ましい態様は、ナノ粒子のコア材料がマトリクス材料の屈折率とは異なる屈折率を持っており、ナノ粒子のコアの寸法が、例えば、特許出願WO 2009/156348に記載されるようなレイリー様散乱、すなわち入射光の長波長成分に比べて短波長成分を優先的に拡散する散乱作用、を起こすのに十分に小さいポリマーマトリクス/ナノ粒子複合材料(PMNC)系である。ナノ粒子のコアの典型的な平均寸法は、10〜240ナノメーター、好ましくは30〜150ナノメーター、より好ましくは50〜100ナノメーター、である。
これらのPMNC系は、驚くべきことに、上記特許出願で言及された色分離を可能とする優れた光拡散体であることが判明した。
本発明は、先行技術に対するいくつかの利点を備えている。
選択されたポリマーのシェルを与えることにより、マトリクス中へのコア・ナノ粒子の一様且つ不規則な分散を著しく促進することが可能である。

0055

相容性を有する架橋シェルを与えることによって、最終マトリクス中においても正確な距離だけ離れたコアを維持することが可能であり、これは、例えば2つの隣接したコアの間の最終距離がlでなければならない場合に、特に要求された厚さl/2を有する架橋重合体からなる第1の層を有することにより保証される。マトリクスに使用されるポリマーと同一の非架橋ポリマーからなる付加的な第2の層は、コアおよび架橋された第1のシェルのキャリアーとして働く。マトリクスが当初は液体の時に、「犠牲のシェル」は、マトリクスのモノマーに溶け、したがってその中にナノ粒子を「輸送し」、かつ最終のPMNC製品中のナノ粒子の優れた分散を保証する。

0056

本発明を、以下の実施例及び説明により、さらに開示する。
[例1]PTFEコア・ナノ粒子の調製
温度調節用還流冷却器マグネチックスターラ−(200〜300rpm)、窒素導入口およびウォータージャケットを備えたガラス製反応器中で重合を行った。その概要を表1に示す。特に、反応器への最初の仕込み分については、窒素パージし、加熱下に溶存酸素を除去し、次いで開始剤溶液の一部を添加した。その後、モノマー混合物および残る開始剤溶解を、それぞれのポンプによって所定期間(例えば3.5時間)にわたって、反応器に供給した。

0057

反応器温度は重合中、80±2℃で維持した。モノマー供給の終了時に、反応系を1時間85℃で維持してモノマー転換を完了した。その後、系を、40℃に冷却し、pHは7に調節した。重合中に形成されたどんな可能な凝固剤をも除去するために、最終ラテックスは目開き25ミクロンのフィルタでろ過した。

0058

0059

[例2]ポリスチレン・コア・ナノ粒子の調製
65nm(動的光散乱によって測定された直径)のナノ粒子寸法を有するポリスチレン・ラテックスを、シード・エマルジョン重合に使用した。
ポリスチレン・ラテックス1650g、水800g、SDS(界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム)6gおよびKPS(過硫酸カリウム、開始剤)1.6gを、機械的撹拌下で反応器に仕込んだ。その後、MMA285gと架橋剤15gとの混合物(架橋剤DTTA(ジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート)5重量%)を、80°Cで3時間以内に反応器に徐々に加えた。系をさらに2.5時間80℃で維持して、第1のシェルを完成した。

0060

その後、MMA300gおよびKPS1.4gを、80℃で2時間かけて追加供給した。混合物を、さらに1時間加熱して反応を終了し、室温まで冷却した。ナノ粒子の平均粒径は90nmであり、狭い分布であって、固形分は約28重量%であった。重合後、ラテックスをイオン交換樹脂と混合し、2時間撹拌して、界面活性剤を除去した。

0061

[例3]コア・シェル・ナノ粒子の無機コアの調製
次の工程を実施した。
1.比較的低温の下の有機溶媒中でTiO2粒子の合成。
典型的なプロセスでは、前駆体TiCl4をエタノール滴加する。発熱を完全に除去した後、混合物を予熱したベンジルアルコール注入する。系を、撹拌・加熱下に8時間以上維持する。加水分解の終了後、エーテルを添加してナノ結晶化TiO2粒子を完全に析出させ、遠心分離し、更にエタノール中で再分散させる。

0062

2.TiO2の疎水性化
エタノール中でTiO2一次粒子ナノ・クラスタを形成する。有機溶媒と相容性とするために、シランカップリング剤を添加し、クラスタ表面に化学的に付着させる。過剰なシランを遠心分離により除き、処理済みナノ・クラスタをコア・シェル・ナノ粒子の調製に用いる。

0063

3.コア−二重シェル構造体の調製
変性済のTiO2ナノクラスタを、モノマー(例えばメタクリル酸メチルまたはスチレン)と架橋剤(例えばジ-トリメチロールプロパン・テトラアクリレートまたはジビニルベンゼン)との混合物でよく分散させる。分散液を、撹拌及び窒素供給下に、立体界面活性剤の水溶液滴下し、超音波処理または機械的な分離の補助のもとに、均一混合物を形成させる。窒素パージおよび機械的撹拌後、そして、開始剤(過硫酸カリウム)の水溶液を導入して、N2バブリングおよび撹拌を維持しながら、第1のエマルジョン重合を行う。

0064

第1層の重合および架橋後、ナノ粒子の外表面に第2の線状シェルを形成する。この第2の線状シェルの形成のためには、モノマーを低い速度で供給し、かつ対応する量の開始剤を架橋剤なしに供給する。第2の重合プロセスの完了後、本発明のコア・シェル粒子凍結により水性相から得られる。

0065

本発明によって得られたナノ粒子の後処理に関しては、主として二つの方法がある;すなわち直接乾燥及び溶融によるフィルムの製造、ならびに凝析および乾燥ならびにモノマー中への再分散によるPMNC系の調製である。

0066

[手法A]直接乾燥および融解
PMNCがフィルム形状で必要な場合には、ポリマー・ラテックスからフィルムを作るための典型的な技術を使用することができる。特に、得られたコア・シェル・ナノ粒子ラテックスは、直接乾燥して水を除き、次いで温度をシェルを構成するポリマーのTg(ガラス転移温度)以上に上昇することにより、フィルム状のPMNCが形成される。

0067

[手法B]粉末成形
この手法は2つの工程を含む。:
工程1:コア・シェル粒子の凝析
凝析または凝集法により、分散媒からコア・シェル・ナノ粒子を分離する。凝析法により、数十〜数百ミクロン更には数ミリメートルの寸法を有するコア・シェル・ナノ粒子のクラスタあるいは凝集体を形成し、これによりろ過、浮選沈降分離、遠心分離など標準手法のいずれかによって分散媒から容易に分離される。

0068

コアシェル構造の利点により、乾燥クラスタ、凝集体あるいは粉体内において、ナノ粒子間の最小の距離がシェルの設計された厚さにより維持される。クラスタ内のナノ粒子の一様且つ不規則な分布を保証するために、剪断力印加下での凝析法により、不規則に分配された粒子を有するコンパクトなクラスタを形成することが好ましい。特に、3つのタイプの凝析法が好ましい:

0069

a)適切な量の電解質を加え且つ機械的に撹拌されたタンク中でのラテックスの凝析
電解質は任意の塩類塩基あるいは酸から選ぶことができる。電解質の使用は、粒子中の静電気の反発的相互作用を部分的にあるいは完全に除去して、凝析を容易とするため、に要求される。

0070

b)電解質を利用しない、強度の剪断流れ中でのラテックスの凝析
この場合、強度の剪断流れによって生成されるエネルギーは、粒子がその凝集につながる相互作用障壁を克服できるように、十分に高いものでなければならない。このような高エネルギーを発生させることの可能な典型的な方法としては、例えば公開文献(Wu H, Zaccone A, Tsoutsoura A, Lattuada M, Morbidelli M.「電解質を加えない微小チャンネルにおける電荷安定化コロイドの強度の剪断流れにより誘起されたゲル化方法」、Langmuir. 2009;25:4715−23)に示されるような、ラテックスを強制的に微小チャンネルを.通過させる方法がある。

0071

さらに、生成されたシェルの厚さによってのみでは満たすことができないPMNC中のナノ粒子濃度が特に必要となる場合には、シェル(すなわちポリマーマトリクスと同じ材料からなる)と同じ材料の、しかしナノ粒子コアのない粒子を、同じエマルジョン重合技術により製造する。得られたナノ粒子コアを含まない粒子のラテックスと、ナノ粒子コアを含む粒子のラテックスとを、ナノ粒子濃度の要求に応じた適切な量比で混合する。得られたラテックス混合物を、上述の手法により凝析して、乾燥粉末を得る。

0072

c)凍結凝析
上記例2のラテックスを−18℃の冷凍庫に格納した。ラテックスを解凍した後に、混合物を遠心分離機にかけ、湿った固体粉末を、回収して、乾燥した。

0073

工程2:複合材料の調製
このように得られたナノ粒子粉末をその後、必要なマトリクス複合材料の調製に使用する。ナノ粒子が分配され、かつシェルの存在によってナノ粒子コア間の最低条件距離が保証されている乾燥粉末を得た後には、標準的なさまざまな技術により、PMNCを希望する異なる形態で容易に生産することができる。

0074

好ましい手法は、バルク重合であり、ナノ粒子粉末は量され、架橋前のマトリクスのモノマー溶解される。ナノ粒子は、1層又は好ましくは2層のシェルの存在に保証されて、一様に分散される。この際、適切な撹拌および/または超音波のエネルギーを使用することが有利である。

0075

例えば、凍結乾燥の後に得られた上記例2のナノ粒子粉末を秤量し、MMA中に溶解した。透明な分散液を、2時間超音波で処理してナノ粒子をMMA中によく分散させた。標準的なバルク重合技術により、モノマーをポリマーマトリクスに転換し、そこにナノ粒子が一様に分配されることにより、要求されたPMNCが得られた。

0076

他の技術として、射出成形反応射出成形圧縮成形トランスファ成形、押し出し造形法回転成形ブロー成形カレンダー加工ナイフ・コーティングなどが使用されてもよい。様々な処理を受けることができる出発原料を持つこの可能性は、本発明の重要な利点のうちの1つである。

実施例

0077

別の態様では、ポリマーを有しあるいは有さずに要求された屈折率を備えたコアおよび非架橋シェルを有するナノ粒子は、マトリクス中に分散され、必要な一様分散に達するまで超音波で処理される。その後、マトリクスは、重合され、必要に応じて架橋される。

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