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技術 即時的に濡れるポリマー繊維シート

出願人 アムテックリサーチインターナショナルエルエルシー
発明者 チートン‐ローアラーマシューアランウォーレンジェームズエマニュエルリチャードダブリューペカラ
出願日 2014年8月11日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2016-533497
公開日 2016年10月13日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2016-532017
状態 拒絶査定
技術分野 積層体(2) 不織物 合成繊維
主要キーワード 打ち抜き具 肉薄領域 濡れ性能 二構成要素 開口エリア ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム 連通細孔 印加圧
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

ポリマー繊維シートは、「濡れ」状態と「乾燥」状態の両方で高多孔率と良好な張力性質を示す。繊維改質剤ポリマー押出プロセス繊維形成プロセスに組み込んで、水性溶液により即時に濡れる高多孔性ポリマー繊維シートを生産する。繊維改質剤は(1)ポリマー押出物メルト粘度を低減し、処理時に微細繊維の形成を可能にする可塑剤、および、(2)個別のポリマー繊維および該ポリマー繊維から形成される多孔性繊維シートの、即時的な、および、持続的な濡れ性を促進する表面改質剤のいずれか一方、または、両方として機能する。ポリマー繊維シートは洗浄乾燥サイクルを繰り返した後でも濡れ性を持続する。結果として得られる繊維シート高密度化およびエンボス加工して望ましい厚さおよび多孔率を与えながら、同時に、望ましいパターンの付いた縦リブも繊維シートに形成することが可能である。

概要

背景

鉛蓄電池には通常、2つの設計方式がある。制御弁式組み換え(制御弁式鉛(VRLA))セル浸水セルである。両方式とも正極と負極を備え、これは多孔性電池セパレータにより互いに分離される。多孔性セパレータ電極物理的に接触するのを防ぎ、電解質が存在するための空間を提供する。該セパレータは、硫酸電解質に対し抵抗力があり、硫酸に容易に濡れ、十分に多孔性で電解質がセパレータ材の細孔に存在でき、それによってイオン電流が隣り合う正極板と負極板の間を低抵抗で流れることができるようにする物質で形成される。

ごく最近、EFB(enhanced flooded battery)が、「スタートストップ車両用途または「マイクロハイブリッド」車両用途における高サイクリング要件を満たすために開発された。この用途においては、エンジンを、車両を(例えば交通信号機で)ストップさせる間停止し、その後リスタートする。「スタート−ストップ」車両設計の利点は、それが二酸化炭素排出の削減と全体の燃費向上につながることである。「スタート−ストップ」車両での主な課題は、電池は、停止時に全ての電気的機能の供給を続ける一方、必要時にエンジンをリスタートさせるのに十分な電流を供給可能でなければならないということである。この場合電池は、従来の浸水鉛電池の設計に比べ、サイクリングおよび充電能力に関し、より高い性能を発揮しなければならない。

「スタート−ストップ」用途の場合、制御弁式鉛(VRLA)電池は同分野において良好なサイクル性を示したが、相対的に高コストであり、他の懸念もある。

鉛蓄電池用セパレータは、技術開発に従って異なる物質で形成されてきた。木材、紙、ゴムPVC、繊維ガラス、およびシリカ充填ポリエチレンでできたシートがすべて有効であることが徐々に分かってきた。現在、シリカ充填ポリエチレンセパレータ自動車SLI(starting-lighting-ignition)電池で使用され、AGM(absorptive glass mat)セパレータはVRLA電池で使用される。後者のセパレータでは、ガラス繊維の径と分布多孔率などのセパレータ性質を決定し、多孔率は概して、電池製造プロセス中、圧縮前および電解質充填前では90%以上である。場合によっては、合成ポリマー繊維を、機械的特性(例えば、圧縮復元率)を改善するためにガラスマットに混合するが、この物質を電池製造業者生産プロセスに望ましい割合で統合するのは依然として困難である。

このように、即時に濡れ、「スタート−ストップ」用途で使用される鉛蓄電池のライフサイクルを通して使用することが可能な、機械的に頑強で、耐酸性で、高多孔率な繊維マットに対する必要性が引き続き存在している。

浸水鉛電池に使用されるシリカ充填ポリエチレンセパレータについて、従来の製造プロセスには押出、抽出ステップに続き、乾燥、切り込み、巻きステップが含まれる。沈殿シリカは典型的に、ポリエチレン、プロセスオイル、および種々の少量成分と組み合わさってセパレータ混合物を形成し、高温シートダイから押し出されてオイル充填シートを形成する。オイル充填シートはカレンダー加工にかけ望ましい厚さおよび輪郭にし、プロセスオイルの大部分は抽出する。シートは乾燥して微多孔ポリオレフィンセパレータを形成し、特定の電池設計に適した幅に切り込みを入れる。この製造プロセスの間、プロセスオイルの抽出および抽出溶媒の乾燥は律速段階である。生産ライン生産量は、如何に速くプロセスオイルを除去するか、および、如何に素早く溶媒を乾燥するか、に左右され、両者ともセパレータ製品の厚さに左右される。トリクロロエチレン(TCE)およびヘキサンが通常、プロセスオイル用抽出溶媒として使用されるが、これは、衛生、安全性および効率的な復元率に関し課題がある。

このように、有害な、および/または、可燃性の溶媒を使用することなく製造される浸水鉛型電池セパレータの必要性も引き続き存在している。セパレータは例えば、良好な濡れ性、高多孔率、小さい細孔径低電気抵抗、高穿刺強度、および良好な酸化抵抗などの浸水鉛電池に関する望ましい性質を示すべきである。

概要

ポリマー繊維シートは、「濡れ」状態と「乾燥」状態の両方で高多孔率と良好な張力性質を示す。繊維改質剤ポリマー押出プロセス繊維形成プロセスに組み込んで、水性溶液により即時に濡れる高多孔性ポリマー繊維シートを生産する。繊維改質剤は(1)ポリマー押出物メルト粘度を低減し、処理時に微細繊維の形成を可能にする可塑剤、および、(2)個別のポリマー繊維および該ポリマー繊維から形成される多孔性繊維シートの、即時的な、および、持続的な濡れ性を促進する表面改質剤のいずれか一方、または、両方として機能する。ポリマー繊維シートは洗浄乾燥サイクルを繰り返した後でも濡れ性を持続する。結果として得られる繊維シート高密度化およびエンボス加工して望ましい厚さおよび多孔率を与えながら、同時に、望ましいパターンの付いた縦リブも繊維シートに形成することが可能である。

目的

多孔性セパレータは電極が物理的に接触するのを防ぎ、電解質が存在するための空間を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

水性溶液により即時的濡れる高多孔率ポリマー繊維シートであって、ポリマー繊維の三次元マトリックス、ここで該マトリックスは厚さおよび該厚さに連通する連結細孔を有する、と、前記マトリックスのポリマー繊維に留まり、前記高多孔率ポリマー繊維シートに即時的な、および、持続的な濡れ性を提供する、前記マトリックス全体に分布した繊維改質剤と、を備えることを特徴とする、高多孔率ポリマー繊維シート。

請求項2

前記ポリマー繊維はメルト粘度を有する熱可塑性樹脂から形成され、前記繊維改質剤は、ポリマー繊維形成時に前記熱可塑性樹脂のメルト粘度を低減する可塑剤と、前記高多孔率ポリマー繊維シートの即時的な、および、持続的な濡れ性を促進する表面改質剤との両方として機能する、請求項1に記載のポリマー繊維シート。

請求項3

前記繊維改質剤が、ジブトキシエトキシエチルアジペートトリエチレングリコール2−エチルヘキサノアート、トリエチレングリコールジベンゾアートジアルキルジエーテルグルタラート、および、ポリエチレングリコールエステル族の化合物で主に構成される一群より選択される、請求項2に記載のポリマー繊維シート。

請求項4

前記繊維改質剤が、ポリエチレングリコールエステル族の化合物である、請求項2に記載のポリマー繊維シート。

請求項5

ポリエチレングリコールエステル族のポリマーが、ポリエチレングリコール−600ジウラレートまたはポリエチレングリコール−400ジ−2−エチルヘキサノアートである、請求項4に記載のポリマー繊維シート。

請求項6

前記ポリマー繊維はメルト粘度を有する熱可塑性樹脂から形成され、前記繊維改質剤は可塑剤と表面改質剤の混合物であり、前記可塑剤はポリマー繊維形成時に前記熱可塑性樹脂のメルト粘度を低減し、前記表面改質剤は前記高多孔率ポリマー繊維シートの即時的な、および、持続的な濡れ性を促進する、請求項1に記載のポリマー繊維シート。

請求項7

前記可塑剤が、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、ラウリル酸n−ヘキシルセバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、及びアゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)で主に構成される一群より選択される、請求項6に記載のポリマー繊維シート。

請求項8

前記表面改質剤が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、および、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムで主に構成される一群より選択される、請求項6に記載のポリマー繊維シート。

請求項9

前記ポリマー繊維が硫酸中で安定である、請求項1に記載のポリマー繊維シート。

請求項10

硫酸中で安定である前記ポリマー繊維に、ポリエステルポリスチレンポリオレフィン、またはポリアクリラートが含まれる、請求項9に記載のポリマー繊維シート。

請求項11

ポリマー繊維の前記マトリックスは、表面を有し、さらに、シリカ充填ポリエチレンセパレータを備え、該シリカ充填ポリエチレンセパレータはポリマー繊維の前記マトリックスの表面に結合し、シリカ充填セパレータ−ポリマー繊維シート複合体を形成する、請求項1に記載のポリマー繊維シート。

請求項12

前記シリカ充填ポリエチレンセパレータは、表面を有し、該表面には間隔のあいたリブが形成され、ポリマー繊維の前記マトリックスの表面に適合している、請求項11に記載のポリマー繊維シート。

請求項13

ポリマー繊維の前記マトリックスは、前記マトリックスの一つ以上の表面に非平面トポグラフィーを有する、請求項1に記載のポリマー繊維シート。

請求項14

前記非平面トポグラフィーは、前記ポリマー繊維シートのエンボス加工カレンダー加工、または、高密度化によって形成されたパターン特徴付けられている、請求項13に記載のポリマー繊維シート。

請求項15

前記非平面トポグラフィーは、押出によって形成された、間隔のあいたリブのパターンで特徴付けられている、請求項13に記載のポリマー繊維シート。

請求項16

前記非平面トポグラフィーは、前記マトリックスの一つ以上の表面に置かれたパターンによって特徴づけられている、請求項13に記載のポリマー繊維シート。

請求項17

ポリマー繊維の第1三次元マトリックスおよび前記第1マトリックス全体に分布した第1繊維改質剤を含み、前記第1マトリックスは厚さおよび該第1マトリックスの厚さに連通する連結細孔を有し、前記第1繊維改質剤は前記第1マトリックスのポリマー繊維に留まる、第1高多孔率ポリマー繊維シート層と、ポリマー繊維の第2三次元マトリックスおよび前記第2マトリックス全体に分布した第2繊維改質剤を含み、前記第2マトリックスは厚さおよび該第2マトリックスの厚さに連通する連結細孔を有し、前記第2繊維改質剤は前記第2マトリックスのポリマー繊維に留まる、第2高多孔率ポリマー繊維シート層と、を備え、前記第1繊維改質剤および前記第2繊維改質剤はそれぞれの第1ポリマー繊維シート層および第2ポリマー繊維シート層に付与され、それにより、多層複合体ポリマー繊維シートに水性溶液による即時的な、および、持続的な濡れ性を付与することを特徴とする、高多孔率多層複合ポリマー繊維シート。

請求項18

前記第1マトリックスおよび第2マトリックスそれぞれのポリマー繊維が硫酸中で安定である、請求項17に記載の多層複合ポリマー繊維シート。

請求項19

前記第1マトリックスのポリマー繊維と前記第2マトリックスのポリマー繊維とが異なるポリマーから形成されている、請求項18に記載の多層複合ポリマー繊維シート。

請求項20

前記第1マトリックスのポリマー繊維と前記第2マトリックスのポリマー繊維とが、異なる繊維径同一ポリマーから形成されている、請求項17に記載の多層複合ポリマー繊維シート。

請求項21

ポリマーと繊維改質剤の混合物を加工して、厚さと該厚さに連通する連通細孔を有する三次元マトリックスの形をしたポリマー繊維シートであって、前記繊維改質剤が前記マトリックス全体に分布して該マトリックスのポリマー繊維に留まっているポリマー繊維シートを得て、それにより、水性溶液による即時的な、および、持続的な濡れ性を示す高多孔率ポリマー繊維シートを形成するステップを備えることを特徴とする、水性溶液により即時的に濡れる高多孔率ポリマー繊維シートの製造方法。

請求項22

さらに、前記ポリマー繊維シートを加工して、該ポリマー繊維シートに望ましい物理的特性を付与するステップを備える、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記望ましい物理的特性は、前記ポリマー繊維シートの厚さおよび多孔率の一方または両方である、請求項22に記載の方法。

請求項24

前記ポリマー繊維シートに望ましい物理的特性付与するための前記ポリマー繊維シートの加工に、カレンダー加工が含まれる、請求項22に記載の方法。

請求項25

ポリマー繊維シートを生産するためのポリマーと繊維改質剤の混合物の加工に、該混合物を押し出して溶融した押出物を形成し、該溶融した押出物をダイを通じて押し出し、前記ポリマー繊維を形成することを含む、請求項21に記載の方法。

請求項26

前記繊維改質剤が可塑剤と表面改質剤との両方として機能し、溶融した状態で前記ポリマーと混合される、請求項25に記載の方法。

請求項27

前記繊維改質剤が可塑剤と表面改質剤との両方として機能し、前記ポリマーに導入されて、前記混合物の加工前に前記混合物を形成する、請求項25に記載の方法。

請求項28

ポリマー繊維シートを生産するためのポリマーと繊維改質剤の混合物の加工に、エレクトロスピニングメルト繊維スピニング溶液スピニング、エレクトロブローフォーススピニング、または、冷気細化によるメルトスピニングが含まれる、請求項21に記載の方法。

請求項29

ポリマー繊維シートを生産するためのポリマーと繊維改質剤の混合物の加工に、フォーススピニングが含まれる、請求項21に記載の方法。

技術分野

0001

〔関連出願〕
本願は、2013年8月9日に出願された米国特許出願第61/864,317号明細書の利益を主張するものである。

0002

著作権表示
(C)2014 Amtek Research InternationalLLC.本特許明細書の開示内容の一部は、著作権保護の対象となる内容を含む。著作権者は、特許商標の特許ファイルまたは記録にあるように何人が特許明細書または特許の開示を複製することに対し、意義を唱えるものではないが、それ以外については37 CFR §1.71(d)に従って全ての著作権留保する。

0003

本開示は、水性溶液で即時に濡れ高多孔性ポリマー繊維シート生産する際に行われる押出および繊維形成加工における、好適には可塑剤および表面改質剤として機能する繊維改質剤統合に関する。シートの濡れ性は複数の洗浄および乾燥ステップの後でも持続する。結果として得られるシートは、生産し、または、さらに高密度化およびエンボス加工してシートの表面にリブパターンを形成した後、鉛電池に使用することが可能である。

背景技術

0004

鉛蓄電池には通常、2つの設計方式がある。制御弁式組み換え(制御弁式鉛(VRLA))セル浸水セルである。両方式とも正極と負極を備え、これは多孔性電池セパレータにより互いに分離される。多孔性セパレータ電極物理的に接触するのを防ぎ、電解質が存在するための空間を提供する。該セパレータは、硫酸電解質に対し抵抗力があり、硫酸に容易に濡れ、十分に多孔性で電解質がセパレータ材の細孔に存在でき、それによってイオン電流が隣り合う正極板と負極板の間を低抵抗で流れることができるようにする物質で形成される。

0005

ごく最近、EFB(enhanced flooded battery)が、「スタートストップ車両用途または「マイクロハイブリッド」車両用途における高サイクリング要件を満たすために開発された。この用途においては、エンジンを、車両を(例えば交通信号機で)ストップさせる間停止し、その後リスタートする。「スタート−ストップ」車両設計の利点は、それが二酸化炭素排出の削減と全体の燃費向上につながることである。「スタート−ストップ」車両での主な課題は、電池は、停止時に全ての電気的機能の供給を続ける一方、必要時にエンジンをリスタートさせるのに十分な電流を供給可能でなければならないということである。この場合電池は、従来の浸水鉛電池の設計に比べ、サイクリングおよび充電能力に関し、より高い性能を発揮しなければならない。

0006

「スタート−ストップ」用途の場合、制御弁式鉛(VRLA)電池は同分野において良好なサイクル性を示したが、相対的に高コストであり、他の懸念もある。

0007

鉛蓄電池用セパレータは、技術開発に従って異なる物質で形成されてきた。木材、紙、ゴムPVC、繊維ガラス、およびシリカ充填ポリエチレンでできたシートがすべて有効であることが徐々に分かってきた。現在、シリカ充填ポリエチレンセパレータ自動車SLI(starting-lighting-ignition)電池で使用され、AGM(absorptive glass mat)セパレータはVRLA電池で使用される。後者のセパレータでは、ガラス繊維の径と分布多孔率などのセパレータ性質を決定し、多孔率は概して、電池製造プロセス中、圧縮前および電解質充填前では90%以上である。場合によっては、合成ポリマー繊維を、機械的特性(例えば、圧縮復元率)を改善するためにガラスマットに混合するが、この物質を電池製造業者生産プロセスに望ましい割合で統合するのは依然として困難である。

0008

このように、即時に濡れ、「スタート−ストップ」用途で使用される鉛蓄電池のライフサイクルを通して使用することが可能な、機械的に頑強で、耐酸性で、高多孔率な繊維マットに対する必要性が引き続き存在している。

0009

浸水鉛電池に使用されるシリカ充填ポリエチレンセパレータについて、従来の製造プロセスには押出、抽出ステップに続き、乾燥、切り込み、巻きステップが含まれる。沈殿シリカは典型的に、ポリエチレン、プロセスオイル、および種々の少量成分と組み合わさってセパレータ混合物を形成し、高温シートダイから押し出されてオイル充填シートを形成する。オイル充填シートはカレンダー加工にかけ望ましい厚さおよび輪郭にし、プロセスオイルの大部分は抽出する。シートは乾燥して微多孔ポリオレフィンセパレータを形成し、特定の電池設計に適した幅に切り込みを入れる。この製造プロセスの間、プロセスオイルの抽出および抽出溶媒の乾燥は律速段階である。生産ラインの生産量は、如何に速くプロセスオイルを除去するか、および、如何に素早く溶媒を乾燥するか、に左右され、両者ともセパレータ製品の厚さに左右される。トリクロロエチレン(TCE)およびヘキサンが通常、プロセスオイル用抽出溶媒として使用されるが、これは、衛生、安全性および効率的な復元率に関し課題がある。

0010

このように、有害な、および/または、可燃性の溶媒を使用することなく製造される浸水鉛型電池セパレータの必要性も引き続き存在している。セパレータは例えば、良好な濡れ性、高多孔率、小さい細孔径低電気抵抗、高穿刺強度、および良好な酸化抵抗などの浸水鉛電池に関する望ましい性質を示すべきである。

発明が解決しようとする課題

0011

ポリマー繊維シートは、「濡れ」状態と「乾燥」状態の両方で高多孔率と良好な張力性質を示す。繊維改質剤をポリマー押出プロセスと繊維形成プロセスに組み込んで、水性溶液により即時に濡れる高多孔性ポリマー繊維シートを生産する。繊維改質剤は2つの主な目的または機能を果たす。繊維改質剤は(1)ポリマー押出物メルト粘度を低減し、加工時に微細繊維の形成を可能にする可塑剤、および、(2)個別のポリマー繊維および該ポリマー繊維から形成される多孔性繊維シートの、即時的な、および、持続的な濡れ性を促進する表面改質剤のいずれか一方、または、両方として機能する。繊維改質剤は、述べた機能のうち少なくとも一つを達成することが可能な、個別の化学化合物オリゴマー、ポリマー、またはその混合物とすることが可能である。繊維改質剤は押出時の熱劣化に対し安定性と抵抗力がある。ポリマー繊維シートは洗浄・乾燥サイクルを繰り返した後でも濡れ性を持続する。結果として得られる繊維シートは高密度化およびエンボス加工して望ましい厚さおよび多孔率を与えながら、同時に、望ましいパターンの付いたリブも繊維シートに形成することが可能である。

0012

ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレンポリアクリラート、または、他の硫酸安定ポリマー等のポリマー向け可塑剤として機能することが可能な好適な繊維改質剤には、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、ラウリル酸n−ヘキシルセバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、および、アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)が含まれる。

0013

ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、または、他の硫酸安定ポリマー用の表面改質剤として機能することが可能な好適な繊維改質剤には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム(Solvay、BX-78)、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(Cytec、Aerosol OS)、および、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(Cytec、Aerosol OT-B)が含まれる。

0014

最も好適な繊維改質剤は、可塑剤および表面改質剤の両方として機能することができ、これには、ジブトキシエトキシエチルアジペートトリエチレングリコール2−エチルヘキサノアート、トリエチレングリコールジベンゾアート、Plasthall 7050(ジアルキルジエーテルグルタラード、Hallstar Company)、Plasthall 7071(ポリエチレングリコールエステル、Hallstar Company)、Uniplex 810(ポリエチレングリコール−600ジウラレート、Unitex Chemical Corporation)、TegMeR(登録商標)809(ポリエチレングリコール−400ジ−2−ヘエチルヘキサノアート、Hallstar Company)、TegMeR(登録商標)810(ポリエチレングリコールエステル、Hallstar Company)および、TegMeR(登録商標)812(ポリエチレングリコールエステル、Hallstar Company)が含まれる。

0015

追加の態様および利点は、好適な実施形態についての以下の詳細な説明で明らかになろう。これは付随する図面に関連して進める。

図面の簡単な説明

0016

ニートポリブチレンテレフタラート(PBT)繊維シートの走査型電子顕微鏡写真である。
高密度化前後に測定したPBT繊維シートの多孔率を示すグラフである。
PBT繊維シートおよび2つの商用グレードの吸収性ガラスマットについて、圧縮後復元率を比較した結果を示すグラフである。
カレンダー加工にかけた、縦リブ付きPBT繊維の写真である。
MA-80I界面活性剤(左側)、および、TegMeR(登録商標)809表面改質剤(右側)を塗布した高密度化PET繊維シートの濡れ挙動を示す、横に並べた写真である。
TegMeR(登録商標)809可塑剤を使用して異なる固有粘度を有するPET樹脂で調製したポリマー繊維シートの、繊維径分布を示す一組の曲線である。
ニートPET(SEM(a))、および、TegMeR(登録商標)809可塑剤(SEM(b)、(c)および(d))を用いてタイプの異なるPET樹脂より調製した、メルトブローポリマー繊維シートの4枚一組の走査型電子顕微鏡写真である。
異なるPET樹脂で生産したポリマー繊維シートの多孔率を集計したグラフである。
異なるPET樹脂で生産したポリマー繊維シートの2分ウィッキング高さを集計したグラフである。
異なるPET樹脂で生産したポリマー繊維シートの室温浸電気抵抗を集計したグラフである。
異なるPET樹脂で生産したポリマー繊維シートの比較復元率を集計したグラフである。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム表面改質剤とTegMeR(登録商標)809繊維改質剤とで製作したポリマー繊維シートの、4枚一組の走査型電子顕微鏡写真である。
図12に示すPET繊維シートの多孔率を示すグラフである。
図12に示すPET繊維シートの2分ウィッキング高さを示すグラフである。
図12に示すPET繊維シートの電気抵抗を示すグラフである。
AGMおよびPET繊維シートに圧縮圧力印加したことに対する厚さの変化を示すグラフである。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム表面改質剤とTegMeR(登録商標)809繊維改質剤とで製造したポリマー繊維シートの乾燥状態における圧縮後復元率を、AGMと比較して示すグラフである。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム表面改質剤とTegMeR(登録商標)809繊維改質剤とで製造したポリマー繊維シートの濡れ状態における圧縮後復元率を、AGMと比較して示すグラフである。
硫酸中のリブ付きPET繊維シートの電気抵抗を示すグラフである。
3枚のリブ付きPET繊維シートの細孔径分布を表す一組の曲線を示すグラフである。
高密度化PET繊維シートとリブ付きPET繊維シートの細孔径分布を示すグラフである。
高密度化PET繊維シート(SEM(a))およびリブ付きメルトPET繊維シート(SEM(b))の、2枚一組の走査型電子顕微鏡写真である。
既存のRhinoHide(登録商標)セパレータ−ガラス繊維マット積層体顕微鏡写真(a))およびRhinoHide(登録商標)セパレータ−PET繊維シート複合体(顕微鏡写真(b))の、2つの準主要リブ間境界面を示す2枚一組の光学顕微鏡写真である。
図23のRhinoHide(登録商標)セパレータ−PET繊維シート複合体(顕微鏡写真(b))からとったPETシートの走査型電子顕微鏡写真である。
図23(顕微鏡写真(b))に関し、RhinoHide(登録商標)セパレータ−PET繊維シート複合体およびその構成要素の、水接触可能多孔率を示すグラフである。
図23の顕微鏡写真(a)および(b)について、RhinoHide(登録商標)セパレータ−ガラス繊維マット積層体およびRhinoHide(登録商標)セパレータ−PET繊維シート複合体の沸騰電気抵抗を示すグラフである。

0017

開示するポリマー繊維シートは、ポリマー繊維の三次元マトリックスであって厚さを有し、そこに連結細孔が連通する。ポリマー繊維シートは、高多孔率(50%〜80%超)と、制御細孔径分布と、即時的な、および、持続的な濡れ性の両方を提供する、ポリマー繊維マトリックスに分布した改質剤とによって特徴づけられる。非平面トポグラフィーを、ポリマー繊維の三次元マトリックスの表面の片側または両側に付与することが可能である。これは、好適には、ポリマー繊維シートをエンボス加工、カレンダー加工、または高密度化することでパターンを形成することにより行う。典型的な実施例は、繊維シートに形成したリブの望ましいパターンである。

0018

ポリマー繊維形成に関する以下の記載は、メルトブロー繊維シートの生産に関して提示されるものである。当業者は、開示のポリマー繊維はメルトブロー法以外の、例えば、エレクトロスピニング法メルトスピニング法ならびに溶液スピニング法等の繊維スピニング法、エレクトロブロー法フォーススピニング法、および、冷気細化によるメルトスピニング法(つまり、冷温/室温で圧縮した空気をラバールノズルに通してメルトブローすること)を用いて製造することが可能であると理解しよう。

0019

メルトブローポリマー繊維シートは伝統的に、低固有粘度または高メルトフローインデックスを有する熱可塑性ポリマーから生産される。該ポリマーの大半は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、および、場合によってはポリエステルである。二構成要素メルトブロー繊維シートはまた、芯構成で製造される。芯は通常、溶融温度の高いポリマー(例えばPET)からなり、鞘は溶融温度が著しく低いポリマー(例えばPP)からなる。

0020

メルトブロー繊維シートを製造する際、ポリマーは押出機において溶融する。メルトポンプは、溶融した押出物メルトブローダイに計量しながら供給する。メルトブローダイはメルトブロー技術の中核であり、典型的には、直径の小さい多数のオリフィスで構成され、ポリマー溶融体がその中を移動し、2つある加熱プロセス空気の流路エアーナイフで囲まれる。高速度の加熱空気がオリフィスから出る際ポリマー溶融体を細化し、直径の小さい繊維の流れを発生させる。繊維はシートとして収集ベルトの上に置き、ロール状に巻き取る。好適な実施形態では、メルトブロー繊維シートは、硫酸に対し化学的に安定性のある、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステルおよびポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂をメルトブローすることにより形成する。

0021

微細繊維径のメルトブロー繊維の生産には、製法空気温度および流量を増加することと組み合わせて、押出物溶融粘度を低減する必要がある。これは、固有粘度が低く/メルトフローインデックスが高いポリマーを選択することで行われてきた。あるいは、低メルト粘度は、押出機およびダイをポリマーの融点より著しく高い温度で操作することによっても達成可能である。この手法はポリマーの熱劣化を早めるリスクをもたらす。ポリエチレンテレフタラート(PET)等のポリマーは加水分解劣化に弱いが、該PETにとって、高い操作温度はより大きい懸念となる。固有粘度の高いポリマーについて低メルト粘度を実現する別の方法では、押出プロセス時に酸化剤を意図的に添加する必要がある。酸化種はポリマーの分子鎖長を短くし、それによってメルト粘度を低下させる。しかしながら、該処置は繊維の機械的強度に悪影響を及ぼすことになる。

0022

好適な実施形態において、可塑剤として機能する繊維改質剤はメルトブロープロセスで使用して押出物のメルト粘度を低減し、固有粘度の高いポリマーを使用してメルトブロー繊維を生産することを可能にする。粘度低減に加え、可塑剤はまた、ポリマーのガラス転移温度を低下させ、より低い処理温度を可能にする。適切な可塑剤は、供給ゾーン、または、可塑剤とポリマーとを均一に混合するさらに下流で押出機に供給し、微細メルトブロー繊維を生産するのに適切な低粘度ポリマーメルトを作り出すことが可能である。あるいは、可塑剤は、その後に使用または処理するペレットまたは顆粒の生産時にポリマーに導入することが可能である。繊維はシートとして収集ベルトの上に置き、該繊維シートはさらにカレンダー加工にかけて、必要に応じて望ましい厚さまたは多孔率にすることが可能である。

0023

望ましい可塑剤は、押出およびメルトブロープロセス全体を通じ、操作温度で熱的に安定性があり、好適には比較的低濃度で使用し、硫酸に溶けず、鉛電池の化学現象に悪影響を与えない。開示するポリマー繊維シートの製造に使用するのに好適な可塑剤は、PET、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリラート、または、他の硫酸安定ポリマー等のポリマー向け可塑剤として機能することが可能な、繊維改質剤の一群に属するものである。該可塑剤には、フタル酸n−ジブチル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、ラウリル酸n−ヘキシル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、および、アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)がある。

0024

従来のメルトブローポリマー繊維シートは、ポリマーが疎水性であるか、または、低親水性を示すことから、鉛電池用途に使用することは不可能である。繊維シートを濡れ性にする一つの手法は、シリカ等の親水性無機充填剤を繊維に組み込むことである。シリカは、押出機の供給ゾーンでポリマーと混合することが可能である。問題に対処する別の手法は、第2プロセスで界面活性剤を繊維シートに適用することである。このプロセスにおいて界面活性剤は、界面活性剤溶液槽でシートに浸漬塗布する、界面活性剤溶液を繊維シートにスプレーする、または、高親水性ポリマーを繊維シートに移植することにより適用することが可能である。

0025

一方、第2プロセスを必要とせずに十分な濡れ性を繊維に付与することは可能である。PET、PBT、PPS、または他の硫酸安定ポリマー用の表面改質剤として機能することが可能な好適な繊維改質剤には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、および、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムが含まれる。

0026

押出時に用いる高温(200℃〜350℃)で、熱的に、および、化学的に安定性のある表面改質剤が好適である。固形表面改質剤はまた、使用するポリマーの溶融温度以下の溶融温度を有する。表面改質剤はまた、該表面改質剤が容易に除去される、または、洗い落とされることが不可能であるようにポリマー繊維マトリックスに「留ま」り、それによって水または硫酸等の水性溶液による濡れ性を持続させることが望ましい。最終的に、ポリマー繊維シートの百分率多孔率および細孔径分布を制御することが、電池用途における低電気イオン性)抵抗の実現に寄与する。好適なイオン性表面改質剤はドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムであり、これは205℃の融点を有し、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)の押出および繊維形成に適合する。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の、長アルキル側鎖を有する界面活性剤を含む表面改質剤は、該界面活性剤がポリマー繊維マトリックスに「留ま」るように押出プロセス時に多数のポリマーと相互作用し、容易に洗い落されることが不可能になるとされている。

0027

最も好適な繊維改質剤は、可塑剤と表面改質剤の両方として機能することが可能なものであり、メルトブロープロセス時に対象ポリマーに添加してポリマー繊維シートに即時的な濡れ特性を与えるものである。この繊維改質剤は、供給ゾーン、または、細化して繊維にする前のポリマーと該繊維改質剤とを均一に混合する下流で導入することが可能である。あるいは、この繊維改質剤は、その後に使用または処理するポリマーペレットまたは顆粒の生産時に、ポリマーに導入することが可能である。繊維はシートとして収集ベルトの上に置き、繊維シートはさらにカレンダー加工にかけて、必要に応じて望ましい厚さまたは多孔率にすることが可能である。

0028

最も好適な繊維改質剤は、押出およびメルトブローを通じ安定性があり、好適には比較的低濃度で使用し、硫酸に溶けず、鉛電池の化学現象に悪影響を与えない。最も好適な繊維改質剤には、アジピン酸ジブトキシエトキシエチル、トリエチレングリコール2−エチルヘキサノアート、トリエチレングリコールジベンゾアート、グルタル酸ジアルキルジエーテル、ポリエチレングリコール−600ジウラレート、ポリエチレングリコール−400ジ−2−ヘキサノン酸エチル、および、ポリエチレングリコールエステル族の化合物がある。

0029

最も好適な繊維改質剤が対象ポリマーと高く適合すると、確実に繊維改質剤はポリマー繊維全体に均一に分布し(つまり、相分離しない)、一様に濡れ性を有する繊維シートとなる。加えて、表面改質剤として機能する繊維改質剤は、ポリマーと強く相互作用し、ポリマー繊維マトリックスに「留ま」る。従って、結果として得られる繊維シートは耐久濡れ特性を示し、水で洗浄し、水を乾燥させるサイクルを多数回繰り返した後でも濡れ性を持続する。

0030

好適な実施形態において、繊維改質剤はメルトブロープロセス時に対象ポリマーと結合する。混合物はメルトブローダイを通じて押し出し、細化して繊維にし、シートとして収集ベルトの上に置く。結果として得られる繊維シートはさらにカレンダー加工にかけて、必要に応じて望ましい厚さまたは多孔率にすることが可能である。

0031

別の好適な実施形態では、表面パターンポリマーシートにエンボス加工する。例えば、縦リブをメルトブロー繊維シートにつける。縦リブは、一組のニップロールの間で細化繊維を同時に収集および圧縮することにより形成する。ニップロールは溝付きパターン入りロールおよび平滑ロールを備え、両方とも加熱して高温にすることができる。さらに、ニップロールは真空ロールとしても機能し、繊維の収集を補助するように穿孔することが可能である。縦リブは第2プロセスで形成することが可能で、ここでポリマー繊維シートは、溝付きパターン入りロールおよび平滑ロールを備えた加熱ニップロールを通過する。どちらの場合も、縦リブ付き繊維シートは、望ましい厚さと多孔率を実現するように圧縮する。

0032

ポリマー繊維シートはまた、2つの平滑ロールの間でカレンダー加工にかけ望ましい厚さおよび多孔率にし、続いて、表面パターン、例えばリブを付加することが可能である。一例としては、ポリプロピレンとオイルの混合物を、平坦な、カレンダー加工にかけたポリマーシートの表面にリブとして押し出す

0033

二層複合体は、2つのメルトブローダイを単一生産ライン内で連続して、間隔を隔てて離隔することにより、単一プロセスで製造することが可能である。一方のメルトブローダイにあるオリフィスの直径は、もう一方のダイにあるオリフィスの直径より小さくすることが可能である。押出機は押出物を2つの計量メルトポンプに供給し、次に、押出物を2つのメルトブローダイに、個別にスピードを制御することにより異なる2つの流量で供給する。2つのダイのオリフィス径と、ダイへの押出物流量が異なることにより、それぞれ独自の繊維径分布を有する2つの別々の繊維の流れを生産することができる。生産ラインの第1メルトブローダイ下流より収集した繊維シートは穿孔したコンベアを通って第2メルトブローダイに運び、そこで繊維シートの第2層を置く。結果として生じる二層複合体はその後カレンダー加工にかけ望ましい性質を実現する。

0034

メルトブロー複合体繊維シートはまた、二層以上で生産することも可能であり、各層は異なるポリマーで、別個繊維直径を有することが可能である。ポリププレン−ポリエチレンテレフタラート(PET)二層複合体が一例である。加えて、同一複合体において、一つの層は疎水性とする一方、もう一つの層は親水性とすることが可能である。それに続くカレンダー加工により、複合体は、厚さ、密度、多孔率および細孔径分布など、望ましい物理的性質となるように調整する。

0035

(実施例1)
ポリマー繊維シートの8つのサンプルをBiax-FiberFilm(Greenville、WI)のパイロットラインにおいて、単軸押出機(American Kuhne;直径1インチ(2.54cm); 24:1 長さ:直径)を使用して表1に示す条件の下で製造した。Biax-FiberFilm Corporation(Greenville、WI)により製造されたメルトブローダイをメルトブロー工程で使用した。ダイは幅15インチ(38cm)で4列のオリフィスを有し、各オリフィスは直径0.009インチ(0.23mm)であるように構築されている。ポリブチレンテレフタラートペレット(PBT2008;Celanese)を、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Solvay-Rhodacal DS-10)を用いる場合と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Solvay-Rhodacal DS-10)を用いない場合の両方で別々に繊維シートに変換した。ペレットで使用したDS-10の投入濃度は10重量%であった。この実施例において、DS-10繊維改質剤は表面改質剤として機能する。

0036

図1は、5.0kV加速電圧のFEISirion XL30 SEMで撮ったニートPBT繊維シートの走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。全体として、繊維直径は0.7μmと7μmの間であった。

0037

表1に示す8つのサンプルのうち6つは、2ロールカレンダー加工を使用して高温でさらに高密度化した。

0038

表1.DS-10表面改質剤がある場合と、DS-10表面改質剤がない場合の、PBT繊維シートを生産するために用いたプロセス条件

0039

図2に示すように、サンプルの多孔率を高密度化前と高密度化後の両方で測定した。表面改質剤を含む繊維シートは、ニートポリマーで製作した繊維シートの多孔率よりも低い多孔率であったが、前者のシートのみ水または電池酸で濡れた。

0040

ポリマー繊維シートの圧縮後復元率を2つの商用グレード(Hollingsworth & Vose CompanyおよびShida Separator Co, Ltd.)の吸収性ガラスマット(AGM)の復元率と比較した。Instron万能テスターをこのテストでは使用した。20kPa、50kPaおよび20kPaの負荷を連続的にサンプルに適用し、その後、1回目と2回目の20kPa負荷の間での、厚さの相対的変化を算出した。鉛電池の製造には93%の最小復元率が必要である。図3に示すように、AGMサンプルと比較して、高密度化したPBT繊維シートは圧縮後復元率を計るこのテストにおいて、特に良好に性能を発揮した。

0041

ポリマー繊維シートの濡れ特性の耐久度を水中で繰り返し洗浄することにより評価した。2インチ×3インチ(50mm×75mm)のクーポンを、10%のDS-10を含有する高密度化した繊維シートサンプルより切り出した(表2中のロール#051613-9)。該クーポンを室温で、1時間連続して攪拌しながら、3000ccの脱イオン化水を入れたビーカーの中で洗浄した。洗浄後、クーポンを吸収乾燥し、その後、70℃の対流式オーブンで30分間乾燥し水分を除去した。濡れ性テストは、繊維シートの表面に水滴を置くことにより実行した。洗浄/乾燥サイクルを3回繰り返した。下記の表2はポリマー繊維シートが持続的な濡れ性を示すこと、つまり、水中で洗浄し水を乾燥させることを繰り返した後、即時的な濡れ性を持続することを示す。

0042

表2.DS-10表面改質剤を用いて生産したポリマー繊維マットの持続的な濡れ挙動

0043

(実施例2)
ポリマー繊維シートをBiax-FiberFilm(Greenville、WI)のパイロットラインにおいて、単軸押出機(American Kuhne;直径1インチ(2.54cm); 24:1 長さ:直径)を使用して表3に示す条件の下で製造した。Biax-FiberFilm Corporation(Greenville、WI)により製造されたメルトブローダイをメルトブロープロセスで使用した。ダイは幅15インチ(38cm)で4列のオリフィスを有し、各オリフィスは直径0.009インチ(0.23mm)であるように構築されている。ポリブチレンテレフタラートペレット(PBT2008;Celanese)をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Solvay-Rhodacal DS-10)を用いて厚さ1.3mmの繊維シートに変換した。ペレットで使用したDS-10の投入濃度は5重量%であった。この実施例において、DS-10繊維改質剤は表面改質剤として機能する。

0044

表3:Biax-FiberFilmのメルトブローパイロットラインにおいて生産したPBT繊維シートサンプル用プロセスパラメータ

0045

結果として得られる繊維シートを、ロールの円周に沿って溝が延びるパターン入りロールと、平滑ロールとを備えた加熱カレンダースタックに通過させた。両ロール表面温度は175℃だった。2つのロールの間の隙間は0.51mmとした。2つのロールは1ft/分(30.5cm/分)のスピードで逆回転させた。このように生産した繊維シートには縦リブがあった。

0046

2つの縦リブの間の領域であるバックウェブの穿刺強度をInstron万能テスターで測定した。テストで使用した穿孔ピンは直径1.9mmで、クロスヘッドスピードは500mm/分だった。得られたNの単位の穿刺力をバックウェブ厚さで除算し、N/mmの単位の正規化穿刺力を得た。サンプルの密度および多孔率をサンプルの寸法および質量より算出した。カレンダー加工にかけた繊維シートの沸騰電気抵抗を、該シートを脱イオン化水で10分間沸騰し、続いて硫酸(比重=1.28)に室温で20分間浸漬した後、測定した(BCIS-03B3)。測定は、Palico低抵抗測定ステム−9100−2モデル(Caltronics Design and Assembly, Inc.)を使用し、80°F(26.7℃)の硫酸(比重=1.28)において行った。得られた抵抗はmΩで表されるが、該抵抗をPalico計器開口エリアにより増大してmΩ−cm2単位の電気抵抗値とした。

0047

図4は写真であり、表4はカレンダー加工にかけた縦リブ付きPBT繊維シートの性質を表す。サンプルは浸水鉛電池での用途に適切な多孔率と共に、非常に高い穿孔強度を示す。

0048

表4.5重量%のDS-10を含む、カレンダー加工にかけたPBT繊維シートの特性

0049

(実施例3)
ポリエチレンテレフタラート(予備乾燥PET7000、Indorama Corporation)樹脂を27mm共回り二軸押出機(ENTEK ManufacturingLLC)に4lb/時(1.8kg/時)の速度で供給した。溶融温度が266℃の押出物をメルトポンプを介してExxon型メルトブローダイに供給した。メルトブローダイは幅6インチ(15.24cm)でダイの先端で一列に並んだ120個のオリフィスで構築されていた。各オリフィスの直径は0.010インチ(0.254mm)だった。ダイにおける空隙は0.080インチ(2mm)とした。310℃で75SCFM流量の加熱プロセス空気によりオリフィスを出ていくポリマーメルトを細化し繊維の流れにした。繊維を穿孔した収集ベルトの上に置き、厚さ約1.8mmの繊維シートを形成した。繊維シートはその後、2ロールカレンダーを使用して1.5mmの厚さまでカレンダー加工にかけた。2ロールルカレンダーの平滑ロールの表面温度は95℃だった。2つの2インチ×3インチ(50mm×75mm)のクーポンを、界面活性剤溶液で浸漬塗布するためにカレンダー加工にかけたポリマー繊維シートから切り出した。カレンダー加工後、カレンダー加工にかけたシートの嵩密度は約0.14g/ccだった。

0050

2つの溶液を、上記の、カレンダー加工にかけたポリマー繊維シートクーポンを浸漬塗布するために調製した。一方の溶液には、固形分80%のナトリウムジヘキシルスルホスクシナート溶液(陰イオン界面活性剤)(MA-80I、Cytec Industries Inc.)3.2gを100ccの脱イオン化水に溶解し、最終溶液が2.5重量%のナトリウムジヘキシルスルホスクシナートを含むようにした。もう一方の溶液には、PEG−400ジ−2−ヘキサノン酸エチル(TegMeR(登録商標)809、Hallstar Company)2.0gを100ccのイソプロピルアルコールに溶解し、最終溶液が2.5重量%のPEG−400ジ−2−ヘキサノン酸エチルを含むようにした。

0051

上記で調製した2インチ×3インチ(50mm×75mm)クーポンのうち一方は、MA-80I界面活性剤溶液で浸漬塗布し、もう一方のクーポンはTegMeR(登録商標)809溶液で浸漬塗布した。浸漬塗布したサンプルは70℃の対流式オーブンで30分間乾燥した。塗布したクーポンはその後、脱イオン化水で洗浄し、続いて乾燥することを繰り返した後、濡れ性を評価した。手順は実施例1に記載した。表5に示すように、MA-80I陰イオン界面活性剤で処理したポリマー繊維シートサンプルは、はじめ濡れ性であった。しかしながら、水で洗浄した後、サンプルは、MA-80I中の有効成分(ナトリウムジヘキシルスルホスクシナート)が水中に抽出されることから濡れ性ではなくなる。MA-80I界面活性剤のジヘキシルスルホスクシナート陰イオンはPET分子と相互作用しないか、または、非常に弱く相互作用するが、水分子とは非常にずっと強く相互作用する。MA-80I界面活性剤を塗布したPET繊維シートサンプルを水に置くと、ジヘキシルスルホスクシナート陰イオンはポリマーマトリックスより分離し、水分子と結合する傾向がある。これは、この相互作用が熱力学的により好適だからである。水で洗浄、乾燥した後のPET繊維シートサンプルにジヘキシルスルホスクシナート陰イオンがないことにより、該PET繊維シートサンプルは濡れ性にはならなかった。一方、TegMeR(登録商標)809で処理したポリマー繊維シートサンプルは水で4回洗浄した後でも即時的な濡れ性持続した。これはPEG−400ジ−2−ヘキサノン酸エチル分子がPET分子と強力に相互作用し、該PET分子に「留ま」る一方、水分子との相互作用は非常に弱いためである。そのため、TegMeR(登録商標)809を塗布した繊維シートサンプルを水に置いた場合、PEG−400ジ−2−ヘキサノン酸エチル分子とPET分子との間の結合は依然として熱力学的に安定性がある。結果として、PEG−400ジ−2−ヘキサノン酸エチル分子は洗浄および乾燥を繰り返した後でもPET繊維シートに残り、ポリマー繊維シートを永久的に濡れ性にする。

0052

図5は、水が、洗浄サイクルを1回経たMA-80I塗布ポリマー繊維シートの表面で「玉になっている」ところを示す。しかしながら、TegMeR(登録商標)809を塗布した繊維シートは水中で4回洗浄した後でも即時的な濡れ性を持続する。

0053

表5.MA-80I界面活性剤およびTegMeR(登録商標)809表面改質剤で処理したPETポリマー繊維シートのぬれ挙動

0054

この塗布実験はTegMeR(登録商標)809がPET繊維に留まり、表面改質剤として機能することが可能であることを示すが、TegMeR(登録商標)809は押出プロセスに組み込んで、第2処理を必要としない即時的濡れ性繊維シートを形成することがより望ましい。

0055

(実施例4)
ポリエチレンテレフタラート(予備乾燥PET7000、Indorama Corporation)樹脂を27mm共回り二軸押出機(ENTEK ManufacturingLLC)に4lb/時(1.8kg/時)の速度で供給した。PEG−400ジ−2−ヘキサノン酸エチル(TegMeR(登録商標)809、Hallstar Company)をPET樹脂に、媒体流可変スピード蠕動チュービングポンプ(Control Company)を介して押出機の供給ゾーンで添加した。押出物のTegMeR(登録商標)809の濃度は0重量%と5重量%の両方で検出した。274℃の溶融温度を持つ押出物をExxon型メルトブローダイにメルトポンプを介して供給した。メルトブローダイは幅6インチ(15.24cm)で、ダイの先端で一列に並んだ120個のオリフィスで構築されていた。各オリフィスの直径は0.010インチ(0.254mm)とした。ダイの空隙は0.080インチ(2mm)とした。加熱プロセス空気によりオリフィスを出ていくポリマーメルトを細化し繊維の流れにした。繊維を収集ベルトの上に置き、厚さ約1.8mmの繊維シートを形成した。それに続く実験では、PET7000をPET7200およびPET7800(Indorama Corporation)に置き換える一方、TegMeR(登録商標)809の濃度は同じ5重量%のままにした。3つのPET樹脂グレードの固有粘度は表6に示す。実験用プロセスパラメータは表7に示す。

0056

表6.メルトブロー繊維シートを調製するために使用した異なる固有粘度を有するPET樹脂

0057

表7.実施例4のメルトブローポリマー繊維シートを生産するのに用いたプロセス条件

0058

本実施例において、TegMeR(登録商標)809繊維改質剤は、可塑剤と表面改質剤の両方として機能する。

0059

小径繊維を得るには、ポリマー樹脂は望ましい処理温度で低押出物メルト粘度および低メルト圧を示す必要がある。表6および7に示すように、PET7000の固有粘度は最も低いが、単独で使用する場合、そのメルト圧は40バールとまだかなり高い(サンプルMBF140129.01)。押出物メルト圧は、より高い固有粘度グレード(ニートPET7200およびPET7800)を使用する場合、さらに高くなると予測される。5重量%のTegMeR(登録商標)809を同じPET7000樹脂に添加すると、サンプルMBF131213.03で見られるように、わずかに高い押出物処理量および低溶融温度でメルト圧は半分低減し13バールになる。これはTegMeR(登録商標)809繊維改質剤がPETに対し非常に効果的な可塑剤であることを示す。予測されるように、メルト圧は、可塑剤の濃度を同一に保った状態でPET7000、PET7200、PET7800の順で累増する。これは、PET7200およびPET7800の固有粘度がより高いためである。

0060

図6から明らかなように、押出物メルト圧を下げることで小繊維径を実現することが可能である。繊維径は1250倍の倍率で撮った走査型電子顕微鏡写真から測定した。各繊維サンプルでの測定回数は13〜25の間で変動する。データは、5重量%のTegMeR(登録商標)809をPET7000樹脂に添加することにより、繊維の平均直径は、ニートPET7000サンプルの7.1μmと比較し4.9μmまで削減されることを示唆する。PET7200とPET7800の固有粘度は高いため、TegMeR(登録商標)809を5重量%投入することはPET7000+5重量%TegMeR(登録商標)809という配合で得られる値近くまでメルト圧を低減するには不十分であり、より大きい繊維径となった。それでも、その繊維直径はニートPET7000サンプルの直径よりずっと小さい。4つのメルトブローサンプルにおける繊維径の差はまた、図7に示す走査型電子顕微鏡写真に基づいても確認することが可能である。

0061

繊維シートサンプルはその後、2ロールカレンダーを使用して1.5mmの厚さまでカレンダー加工にかけた。該2ロールカレンダーの平滑ロールの表面温度は、TegMeR(登録商標)809を含有しないサンプルの場合94℃であり、TegMeR(登録商標)809を含有する場合84℃である。カレンダー加工にかけたポリマー繊維シートは次の特性決定で使用した。

0062

ポリマー繊維シートのウィッキング性能は室温でサンプルストライプ(幅19mm×長さ200mm)を硫酸溶液(比重=1.28)に浸すことで評価した。各サンプルについて硫酸のウィッキング高さを2分後に測定した。室温浸漬電気抵抗は、サンプルを水で煮沸せずに測定した。電気測定方法は実施例2に記載した。圧縮後復元率のテスト方法は実施例1に記載した。

0063

図8、9、10および11は異なるPET樹脂で生産したポリマー繊維シートの多孔率、2分ウィッキング高さ、室温浸漬電気抵抗および圧縮復元率を集計したものである。ニートPET7000サンプルは水で濡れなかったため、このサンプルは特性決定には含めなかった。図10の電気抵抗およびシート厚さのデータは、固有の粘度のより高いPETで生産したサンプルはイオン電流に対してより高い抵抗力を有することを示唆する。

0064

(実施例5)
ポリエチレンテレフタラート(予備乾燥PET7000、Indorama Corporation)樹脂を27mm共回り二軸押出機(ENTEK Manufacturing Inc.)に4lb/時(1.8kg/時)の速度で供給した。PEG−400ジ−2−ヘキサノン酸エチル(TegMeR(登録商標)809、Hallstar Company)をPET樹脂に、媒体流可変スピード蠕動チュービングポンプ(Control Company)を介して押出機の供給ゾーンで添加した。押出物におけるTegMeR(登録商標)809の濃度は3重量%、5重量%、および、8重量%と変化させた。もう一つの実験では、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Solvay-Rhodacal DS-10)をPET樹脂に、ロスインウェイト式供給装置を介して押出機の供給ゾーンで添加した。押出物におけるDS-10の濃度は5重量%であった。PETと、TegMeR(登録商標)809またはDS-10から構成された押出物を、メルトポンプを介してExxon型メルトブローダイに供給した。メルトブローダイは幅6インチ(15.24cm)で、ダイの先端で一列に並んだ120個のオリフィスで構築されていた。各オリフィスの直径は0.010インチ(0.254mm)だった。加熱プロセス空気によりオリフィスを出ていくポリマーメルトを細化し繊維の流れにした。繊維を収集ベルトの上に置き、厚さ約1.8mmの繊維シートを形成した。表8は、種々のポリマー繊維シートを生産するのに用いたプロセス条件を集計したものである。

0065

表8.実施例5のメルトブローポリマー繊維シートの生産に用いたプロセス条件

0066

繊維シートはその後、2ロールカレンダーを使用して1.5mmの厚さまでカレンダー加工にかけた。該2ロールカレンダーの平滑ロールの表面温度は84℃だった。カレンダー加工にかけたポリマー繊維シートは続いて下記に示すように特性決定した。

0067

本実施例において、TegMeR(登録商標)809繊維改質剤は可塑剤と表面改質剤の両方として機能する一方、DS-10繊維改質剤は表面改質剤としてのみ機能する。

0068

TegMeR(登録商標)809およびDS-10を用いて生産したメルトブロー繊維マットのサンプルを2インチ×3インチ(50mm×75mm)のクーポンを切り出し、その持続的な濡れ性を評価した。テスト手順は実施例1に記載した。表9に示すように、結果は、TegMeR(登録商標)809およびDS-10は洗浄・乾燥サイクルを繰り返した後PET繊維に留まり続け、それにより繊維シートに持続的な濡れ性が付与されることを示唆する。

0069

表9.水洗浄と乾燥のサイクルを数回繰り返した後の、ポリマー繊維シートの濡れ性能

0070

図12はDS-10およびTegMeR(登録商標)809で生産した4枚の繊維シートの走査型電子顕微鏡写真を示す。4つのサンプルの繊維径分布は表10に示す。4つのサンプルの繊維直径は約0.6μm〜約7μmの範囲にある。DS-10のサンプルの平均繊維径はより小さいようだが、その繊維径分布は、図12の走査型電子顕微鏡写真から分かるように、TegMeR(登録商標)809の繊維径分布よりも広い。

0071

表10.DS-10およびTegMeR(登録商標)809で生産した繊維シートの繊維径分布

0072

繊維シートの多孔率は次のように求めた。
%多孔率=[1−(ρ嵩/ρ骨子)]×100
(ρ嵩はサンプルの質量と直径を基に測定、サンプルのρ骨子はヘリウムピクノメトリーを使用して測定)
結果は図13に示す。86%〜88%の範囲の多孔率が得られた。

0073

表11はDS-10およびTegMeR(登録商標)809を含むPET繊維シートの細孔径データを示す。細孔径データは毛細管流孔度計法を用いて求めた。ここでは、表面張力が15.9ダイン/cmのGalwick(Porous Materials, Inc.)を濡れ液として使用した。0〜15psiを超える圧力範囲での濡れ/乾燥走査をこのテストでは使用した。DS-10を用いたPET繊維シートは、TegMeR(登録商標)809を用いたPET繊維シートに比較し、著しく大きい平均流量細孔直径を有した。

0074

表11.DS-10およびTegMeR(登録商標)809を用いたPET繊維シートの細孔径分布

0075

図14は、ポリマー繊維シートの2分ウィッキング性能を集計したものである。吸収性ガラスマット(AGM)サンプル(BGO12565J蓄電池グレード、公称厚さ1.5mm、Hollingsworth & Vose Company (H&V))も、参考のためテストに含めた。テスト手順は実施例4で概説した。TegMeR(登録商標)809サンプルの2分ウィッキング高さ性能は、参考用のH&V社のAGMのそれと互角である。DS-10サンプルの2分ウィッキング高さは、細孔径がより大きいことからずっと低い。

0076

図15は4つの繊維シートサンプルの室温浸漬電気抵抗を示す。テスト手順は上記の実施例4で概説した。メルトブロー繊維シートサンプルの優れた濡れ性と高多孔率は非常に低い電気抵抗につながる。TegMeR(登録商標)809を用いたサンプルの中で、3%のTegMeR(登録商標)809を用いたサンプル−MBF131213.06−の電気抵抗が最も低いようである。

0077

図16は、乾燥状態と濡れ状態の両方における圧縮挙動について、PET繊維シートとH&V吸収性ガラスマット(AGM)とを比較するものである。圧縮テストはInstron万能テスターで、1mm/分のクロスヘッドスピードで実行した。テスト中、繊維シートサンプルの厚さを、サンプルに対し印加圧応力を増加するに従って記録した。各タイプの繊維シートについて、10KPaで測定した際に直径が3.218mm、厚さが同一だった2つのサンプルを、鋼アーチ打ち抜き具打ち抜いた。サンプルのうち一方は乾燥状態でテストした。もう一方のサンプルは脱イオン化水に1分間浸漬した後、濡れ状態でテストした。図16から明らかなように、同一の圧縮応力下では、乾燥状態のAGMサンプルは濡れ状態にあるAGMサンプルより厚い。厚さの差は、水で湿ったAGMで生じた毛細管力により収縮が起きたことに起因する。一方、PETサンプルの厚さは、同一の圧縮応力下で水で湿っている場合でも比較的不変である。AGMで構築したVRLA電池の場合、AGMは蓄電池が硫酸で満たされるとより薄くなる。結果として、該蓄電池における板群圧は初期値より低減し、電池性能は低下することになる。しかしながらこの問題は、AGMをPET繊維シートに代えると解消される。乾燥状態と濡れ状態でのPET繊維シートの厚さの微小な変化は、硫酸を満たした後、蓄電池の板群圧が持続することを確実にする。図16はまた、圧縮応力が増大するに従って、PET繊維シートの厚さはAGMよりずっと遅い速度で低減することを示す。この特性は、ポリマー繊維シートで製造したVRLA電池が充電放電を繰り返す際、板成長に対するより良好な抑制につながろう。

0078

図17(乾燥状態)および図18(濡れ状態)はPET繊維シートの圧縮後復元率を示す。テスト方法は実施例1にあらかじめ記載した。ポリマー繊維シートは吸収性ガラスマットを比較すると、同等の、またはより良好な圧縮/復元率性能を示す。

0079

(実施例6)
ポリエチレンテレフタラート(予備乾燥PET7000、Indorama Corporation)を27mm共回り二軸押出機(ENTEK ManufacturingLLC)に4lb/時(1.8kg/時)の速度で供給した。PEG−400ジ−2−ヘキサノン酸エチル(TegMeR(登録商標)809、Hallstar Company)をPET樹脂に、媒体流可変スピード蠕動チュービングポンプ(Control Company)を介して押出機の供給ゾーンで添加した。押出物におけるTegMeR(登録商標)809の濃度は8重量%であった。本実施例において、TegMeR(登録商標)809繊維改質剤は可塑剤と表面改質剤の両方として機能する。

0080

溶融温度が274℃の押出物をメルトポンプを介してExxon型メルトブローダイに供給した。メルトブローダイは幅6インチ(15.24cm)でダイの先端で一列に並んだ120個のオリフィスで構築されていた。各オリフィスの直径は0.010インチ(0.254mm)だった。各オリフィスの直径は0.010インチ(0.254mm)とした。ダイの空隙は0.080インチ(2mm)とした。310℃で75SCFM流量の加熱プロセス空気によりオリフィスを出ていくポリマーメルトを細化し繊維の流れにし、それを逆回転する2つのロールの間のニップに通した。上側ニップロールは溝を有し、該溝は望ましいパターン付きで一定の間隔を置いて配置され、ロールの周囲に沿って延びていた。下側ニップロールは平滑ロールであった。加熱細化空気と繊維流がニップロールに熱を与えた。圧力をロールに印加して、ニップに収集される繊維を圧縮し、望ましいパターン付きのリブを結果として得られる繊維シートに付与するようにした。ニップにおける隙間は、繊維シートに異なるバックウェブ厚さ(リブ付き繊維シートの肉薄領域の厚さ)を与えるように調節した。表12は、ニップロールでの圧縮度を違えて調製した、カレンダー加工にかけたリブ付きポリマー繊維シートについて得られたプロセス条件と物理的特性を示す。

0081

表12.ニップロールでの圧縮度合いを違えて調製したリブ付きメルトブローポリマー繊維シートセパレータ

0082

バックウェブ穿刺強度のテスト方法は実施例2に概説した。リブ付き繊維シートサンプルの密度と多孔率をアルキメデス原理を用いて求めた。直径22mmの鋼アーチ打ち抜き具を使用しサンプル盤を打ち抜いた。まず、各サンプル盤の乾燥重量を記録した。サンプルは次に連続真空下で5分間、脱イオン化水で濡らした。その後質量を、該サンプルを水中および空気中に浮かせながらサンプル毎に記録した。サンプルの密度および多孔率を上記3つの重量より導き出した。

0083

表12は、リブ付きポリマー繊維シートにおけるバックウェブおよび全体の厚さを、浸水鉛電池で使用するシリカ充填ポリエチレンセパレータにおけるバックウェブおよび全体の厚さと、同等にすることが可能であることを示す。リブ付きポリマー繊維シートの穿刺抵抗力はまた、従来のシリカ充填ポリエチレン電池セパレータのそれと互角である。加えて、優れた濡れ性能がリブ付き繊維シートに61%もの水接触可能多孔率を与える。さらに、この方法で調製したリブ付き繊維シートの多孔率は、ニップの隙間または押出物処理量を調節することにより都合よく制御することが可能である。

0084

図19は、硫酸(比重=1.28)中にあるリブ付き繊維シートの電気抵抗を示す。テスト方法は実施例2および4に記載した。まず、サンプルを室温で硫酸に20分間浸漬し、続いて電気抵抗測定を行った。それから、サンプルを脱イオン化水で完全に洗浄し、続いて水で10分間煮沸した。これを行って、繊維シート内の細孔が初めて室温で浸漬した際、硫酸で如何に「浸潤」するかを評価した。煮沸サンプルはその後、電気抵抗測定を行う前に硫酸(比重=1.28)に20分間浸漬した。図19は、サンプルの室温浸漬電気抵抗と煮沸電気抵抗の差が統計的に有意ではないことを示す。測定値に見られる差は測定に関連するノイズ由来する。サンプルMBF140204.02は3つのサンプル中、バックウェブの厚さが最も薄いが、調製した際、ニップにおいて最も圧縮された。結果として、多孔率は最も低く、最も高い電気抵抗につながった。サンプルMBF140204.03は多孔率が最も高く、電気抵抗は約60mohm−cm2と最も低くなった。

0085

図20は、水銀圧入ポロシメトリーで測定した3枚のリブ付きポリマー繊維シートの細孔径分布を示す。測定はAutoPoreIV9520自動水銀ポロシメータ(Micromeritics)で実行した。リブ付き繊維シートサンプルの細孔のほぼすべては直径が2μm〜20μmの範囲にある。図20はまた、同じ押出物処理量では、サンプルをニップにおいてより圧縮するほどバックウェブの厚さは低減し、細孔径分布は小さくなることを示す。

0086

図21は、カレンダー加工にかけた平坦な繊維シートの細孔径分布の、カレンダー加工にかけたリブ付き繊維シートの細孔径分布に対する比較を示す。(上記実施例5で生産した)平坦なポリマー繊維シートMBF131213.04は10μm〜100μmの細孔を含む。一方、リブ付き繊維シートは、これはより強くカレンダー加工にかけたが、ずっと小さい細孔量であると共に、より小さい細孔径分布を示す。図22は、2つのサンプルの走査型電子顕微鏡写真を示すが、これは明確に小径細孔への変化を示す。

0087

(実施例7)
標準鉛電池セパレータ(RhinoHide(登録商標)、162 × 1.3 ×0.25、SiO2/PE = 2.6、ENTEK InternationalLLC)を、セパレータの主要リブの上で、アクリル系粘着剤(Hycar(登録商標)261402、Lubrizol)の薄い層を塗布し、乾燥した。RhinoHide(登録商標)セパレータはシリカ充填超高分子量ポリエチレンセパレータである。RhinoHide(登録商標)セパレータを、セパレータの平坦側が下部ロールに接し、リブ側が上部ロールに接するように、2つの逆回転ニップロールの間のニップを通して供給した。

0088

ポリエチレンテレフタラート(予備乾燥PET7000、Indorama Corporation)を27mm共回り二軸押出機(ENTEK ManufacturingLLC)に2.1lb/時(0.95kg/時)の速度で供給した。ポリエチレングリコールとヘキサン酸ジエステル(TegMeR(登録商標)812、Hallstar Company)をPET樹脂に、媒体流可変スピード蠕動チュービングポンプ(Control Company)を介して押出機の供給ゾーンで添加した。押出物におけるTegMer(登録商標)812の濃度は5重量%であった。本実施例において、TegMeR(登録商標)812繊維改質剤は可塑剤と表面改質剤の両方として機能する。

0089

溶融温度が271℃の押出物をメルトポンプを介してExxon型メルトブローダイに供給した。メルトブローダイは幅6インチ(15.24cm)で、ダイの先端で一列に並んだ120個のオリフィスで構築されていた。各オリフィスの直径は0.010インチ(0.254mm)だった。ダイの空隙は0.080インチ(2mm)とした。300℃で50SCFM流量の加熱プロセス空気によりオリフィスを出ていくポリマーメルトを細化し繊維の流れにした。繊維は2つのニップロールのニップにあるRhinoHide(登録商標)セパレータのリブ側に置いた。

0090

ニップの隙間を調節し、PET繊維シートが望ましい多孔率まで高密度化され、同時にセパレータのリブパターンに適合するようにした。ニップにおける圧力と細化空気からの熱により、PET繊維シートとRhinoHide(登録商標)セパレータの間の良好な結合を促進し、一体化したRhinoHide(登録商標)−PET繊維シート複合体を形成した。

0091

図23は(a)従来のRhinoHide(登録商標)セパレータ−ガラス繊維マット積層体および(b)RhinoHide(登録商標)セパレータ−PET繊維シート複合体の、2つの準主要リブ間の境界面を示す光学顕微鏡写真を表す。従来のRhinoHide(登録商標)セパレータ−ガラス繊維マット積層体は、ガラス繊維シート(B5A型、厚さ0.53mm、73g/m2、Owens Corning)をRhinoHide(登録商標)セパレータの接着剤接着した主要リブに接合することで生産し、この場合は、上記RhinoHide(登録商標)セパレータ−PET繊維シート複合体を生産するのに使用したセパレータと同じ型だった。RhinoHide(登録商標)セパレータガラス繊維マット積層体の場合、2つの準主要リブ、つまりRhinoHide(登録商標)セパレータとガラス繊維マットとの間に定義された空きスペースがある。一方、この空きスペースはRhinoHide(登録商標)セパレータ−PET繊維シート複合体では最小に、または、なくなる。これは、PET繊維シートはRhinoHide(登録商標)セパレータの形に非常によく適合するからである。RhinoHide(登録商標)セパレータ−PET繊維シート複合体のこの特性は、浸水鉛電池の酸層化を軽減すると考えられる。

0092

図24は、RhinoHide(登録商標)−PET繊維シート複合体のPET繊維シートの走査型電子顕微鏡写真を示す。該写真はRhinoHide(登録商標)セパレータとの接触面で撮影した。

0093

図25は、RhinoHide(登録商標)−PET繊維シート複合体の、水接触可能多孔率と共に、構成要素であるRhinoHide(登録商標)セパレータとPET繊維シートの多孔率を示す。水接触可能多孔率はアルキメデスの原理を用いて求めた。RhinoHide(登録商標)−PET繊維シート複合体については、長さ5インチ(12.7cm)のサンプルを脱イオン化水で10分間煮沸し、その後、室温の脱イオン化水に交換した。サンプル盤を直径22mmの鋼アーチ打ち抜き具を用いて濡れた複合体から打ち抜いた。水中および空気中に浮かせた各サンプル盤の質量を記録した。盤はその後、110℃の対流式オーブンで10分間乾燥した。室温まで冷却した後、乾燥した各サンプル盤の質量を測定した。各サンプルの多孔率は上記のように測定した質量より導き出した。RhinoHide(登録商標)セパレータとPET繊維シートを注意深く互いに分離し、それから同様のテスト手順を用いてその水接触可能多孔率を求めた。

0094

図26は、RhinoHide(登録商標)−PET繊維シート複合体、複合体のRhinoHide(登録商標)成分、および、従来のRhinoHide(登録商標)セパレータ−ガラス繊維シート積層体の煮沸電気抵抗を示す。煮沸電気抵抗測定のテスト方法は、実施例6に概説した。RhinoHide(登録商標)−PET繊維シート複合体は、PET繊維シート層の追加により単一のRhinoHide(登録商標)セパレータより高い電気抵抗を示した。しかしながら、その電気抵抗は、従来のRhinoHide(登録商標)セパレータ−ガラス繊維シート積層体の電気抵抗と同等である。

実施例

0095

本発明の基本原理から外れることなく上記実施形態の詳細を多々変更できることは当業者にとって明らかであろう。そのため、本発明の範囲は次の請求項によってのみ定められる。

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