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技術 クロム金属粉末

出願人 プランゼーエスエー
発明者 オサリバン、ミヒァエルシグル、ローレンツ
出願日 2014年8月19日 (7年1ヶ月経過) 出願番号 2016-537046
公開日 2016年10月13日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2016-532010
状態 特許登録済
技術分野 粉末冶金 金属質粉又はその懸濁液の製造
主要キーワード 金属純度 容積分析 モリブデン坩堝 最終輪郭 X線解析 金属スポンジ 薄肉領域 表面拡大
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年10月13日)のものです。
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図面 (11)

課題・解決手段

本発明は、550MPaの圧縮圧において、ENO ISO 14577−1による4GPa以下のナノハードネス及び/又はASTMB 312−09に従って測定した7MPa以上のグリーンストレングスを有することを特徴とする、少なくとも90質量%のクロム含有量を有する金属粉末に関する。

概要

背景

酸化クロムからのクロム金属粉末大規模工業的生産は、現在、アルミニウムテルミット法粉末形態、図1を参照。)又は電解法(粉末形態、図2を参照)によってのみ実施されている。しかしながら、このようにして生産された粉末は、圧縮挙動及び焼結挙動に劣る。更に、Cr(VI)化合物を使用する結果、電解法は、環境に有害である。ますます厳しさを増している環境規制により、この方法は、一層、ほとんど経済的ではなく、環境的に正当化できない。
既に述べた方法に加えて、水素及び/又は炭素を使用する酸化クロムの還元も、また、開示されている(例えば、非特許文献1、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5を参照。)
しかしながら、特に、既知の粉末のグリーンストレングスが著しく低くその硬度が著しく高いので、既知の方法を用いて、要求の厳しい粉末冶金法、例えば、薄肉部品又はより複雑な形状を有する部品の製造、に適したクロム金属粉末を製造することは、現在までのところ、できていない。

概要

本発明は、550MPaの圧縮圧において、ENO ISO 14577−1による4GPa以下のナノハードネス及び/又はASTMB 312−09に従って測定した7MPa以上のグリーンストレングスを有することを特徴とする、少なくとも90質量%のクロム含有量を有する金属粉末に関する。

目的

本発明は、粉末冶金法、特に圧縮及び焼結工程、において良好に取り扱うことが可能で、少なくとも90質量%のクロム含有量を有する金属粉末を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

ENOISO14577−1によるナノハードネスHIT0.005/5/1/5が4GPa以下であることを特徴とする、少なくとも90質量%のクロム含有量を有する金属粉末

請求項2

ASTMB312−09に従って550MPaの圧縮圧で測定したグリーンストレングスが7MPa以上であることを特徴とする、少なくとも90質量%のクロム含有量を有する金属粉末。

請求項3

ASTMB312−09に従って550MPaの圧縮圧で測定したグリーンストレングスが7MPa以上であることを特徴とする、請求項1に記載の金属粉末。

請求項4

ENOISO14577−1によるナノハードネスHIT0.005/5/1/5が4GPa以下であることを特徴とする請求項2に記載の金属粉末。

請求項5

ASTMB312−09に従って550MPaの圧縮圧で測定したグリーンストレングスが15MPa以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属粉末。

請求項6

金属粉末が99.0質量%以上の金属純度を有するクロム粉末であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属粉末。

請求項7

金属粉末が合金化粉末又は複合粉末であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属粉末。

請求項8

金属粉末が顆粒化されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属粉末。

請求項9

金属粉末が、好ましくは表面拡大操作なしに、0.05m2/g以上のBET表面積を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属粉末。

請求項10

金属粉末が、550MPaの圧縮圧において、理論密度の80%以上の圧縮密度を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の金属粉末。

請求項11

酸化クロム及び水酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を、水素及び炭化水素の少なくとも一時的な作用下に、所望により固体炭素源を混合して、還元することにより、請求項1〜10のいずれかに記載の金属粉末を製造する方法。

請求項12

酸化クロム及び水酸化クロムからなる群から選ばれる化合物が、所望により固体炭素源を添加して、1,100℃≦TR≦1,550℃を満たす温度TRに加熱され、所望によりこの温度に保持され、ここで、少なくとも加熱操作中、炭化水素分圧が少なくとも一時的に5〜500ミリバールであることを特徴とする請求項11に記載の方法。

請求項13

水素及び炭化水素の作用が少なくとも800〜1,050℃の温度範囲において生じることを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。

請求項14

少なくとも800〜1,050℃の温度範囲において炭化水素分圧が5〜500ミリバールであることを特徴とする請求項13に記載の方法。

請求項15

800〜1,050℃の温度範囲における加熱時間及び保持時間の合計が少なくとも45分であることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

全圧が0.95〜2バールであることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項17

酸化クロム及び水酸化クロムからなる群から選ばれる化合物が、H2−CH4ガス混合物の少なくとも一時的な作用下に、還元されることを特徴とする請求項11〜16のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

H2/CH4容積比が1〜200、好ましくは1.5〜20である請求項17に記載の方法。

請求項19

カーボンブラック活性炭黒鉛炭素放出化合物及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの成分である固体炭素源が添加されることを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載の方法。

請求項20

酸化クロム又は水酸化クロム中の酸素モルあたり、0.75〜1.25モルの間、好ましくは0.90〜1.05モルの間、の炭素が使用されることを特徴とする請求項19に記載の方法。

請求項21

酸化クロム及び水酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が、水素及び炭化水素の作用下に少なくとも部分的に反応して、Cr3C2、Cr7C3及びCr23C6からなる群から選ばれる炭化クロムを生成することを特徴とする請求項11〜20のいずれか1項に記載の方法。

請求項22

炭化クロムが酸化クロム及び水酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、少なくとも部分的に反応して、クロムを形成することを特徴とする請求項21に記載の方法。

請求項23

炭化水素がCH4であることを特徴とする請求項11〜22のいずれか1項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、少なくとも90質量%のクロム含有量を有する金属粉末及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

酸化クロムからのクロム金属粉末大規模工業的生産は、現在、アルミニウムテルミット法粉末形態図1を参照。)又は電解法(粉末形態、図2を参照)によってのみ実施されている。しかしながら、このようにして生産された粉末は、圧縮挙動及び焼結挙動に劣る。更に、Cr(VI)化合物を使用する結果、電解法は、環境に有害である。ますます厳しさを増している環境規制により、この方法は、一層、ほとんど経済的ではなく、環境的に正当化できない。
既に述べた方法に加えて、水素及び/又は炭素を使用する酸化クロムの還元も、また、開示されている(例えば、非特許文献1、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5を参照。)
しかしながら、特に、既知の粉末のグリーンストレングスが著しく低くその硬度が著しく高いので、既知の方法を用いて、要求の厳しい粉末冶金法、例えば、薄肉部品又はより複雑な形状を有する部品の製造、に適したクロム金属粉末を製造することは、現在までのところ、できていない。

0003

英国特許出願公開第512,502号明細書
特開昭54−13408号公報
特開平7−216474号公報
特許第3934686号公報
特開平6−81052号公報

先行技術

0004

アーサーヘンリーサリー「よりレアメタルクロム-の冶金バターワースサイエンティフィックパブリケーションズ(1954年発行)[“Metallurgy of the Rarer Metals−Chromium”;Arthur Henry Sully;Butterworths Scientific Publications(1954)]

発明が解決しようとする課題

0005

そこで、本発明は、粉末冶金法、特に圧縮及び焼結工程、において良好に取り扱うことが可能で、少なくとも90質量%のクロム含有量を有する金属粉末を提供することを目的とする。特に、簡単な方法で粉末冶金による複雑な形状の部品及び/又は薄肉の部品の製造に用いることができる金属粉末を製造する。更に、この金属粉末は、高い金属純度、特に、電解法により得られる金属粉末と匹敵する又はこれより優れる金属純度、で製造することができるものである。更に、本発明の目的は、そのような金属粉末の大規模工業的で、対費用効果に優れ、そして環境に優しい製造に適した方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

この目的は、ENO ISO 14577−1(2002年版、バーコビッチ圧子及びオリバー及びファーによる解析法を用いた。)に従って測定したナノハードネスHIT 0.005/5/1/5が4GPa以下であることを特徴とする、少なくとも90質量%のクロム含有量を有する金属粉末により、達成される。

0007

この場合、硬度値は、好適には、更なる後処理、例えばアニール、に曝されない金属粉末に関連する。ナノハードネスHIT 0.005/5/1/5は、好ましくは3.7GPa以下であり、特に好ましくは3.4GPa以下である。非常に要求が厳しい場合、例えば非常に薄肉の部品については、3.1GPa以下のナノハードネスHIT 0.005/5/1/5が役に立つ。非常に純粋なクロム粉末の場合には、1.4GPa以下のナノハードネスHIT 0.005/5/1/5が満たされる。この場合、ナノハードネスは、純粋なクロム相で測定される。純粋なクロム相が存在しない場合、ナノハードネスは、クロムが最も豊富な相(最も高いクロム含有量を有する相)で測定される。従って、本発明の金属粉末は、従来技術による金属粉末のナノハードネスに比較して顕著に低いナノハードネスを有する。本発明の粉末は、後工程の研削なしに製造されるので、BET値が好ましくは0.05m2/g以上の表面積を有する非常に微細な粒の粉末の場合には、特徴的なナノハードネスが達成される。
この出願の範囲において、BET値による表面積の規定は、規格(ISO 9277:1995、測定範囲:0.01〜300m2/g、装置:Gemini II 2370、加熱温度:130℃、加熱時間:2時間、吸着剤窒素、5点決定法に依る容積分析)に従ったBET測定に関連する。
本発明の目的は、更に、ASTMB 312−09に従って550MPaの圧縮圧で測定したグリーンストレングスが7MPa以上、好ましくは10MPa以上、更に好ましくは15MPa以上、特に好ましくは20MPa以上であることを特徴とする、少なくとも90質量%のクロム含有量を有する金属粉末により達成される。比較的高いBET表面積を有する非常に純粋な粗粒のクロム粉末の場合、550MPaの圧縮圧において約50MPaまでのグリーンストレングスを有する金属粉末が得られる。この場合、ASTM B 312−09は、圧縮添加剤としてワックスが使用されているか否かは規定していない。本発明に依れば、圧縮添加剤として、ワックス、具体的には、0.6質量%のアミドワックス、即ち、リコワックス(登録商標ミクロパウダーPM(LICOWAX Micropowder PM)(クラリアント(Clariant)社製,製品番号107075、CAS−No.00110−30−5)が使用される。
更に、グリーンストレングスは、好ましくは、以下の値を有する:圧縮圧450MPaにおいて、8MPa以上、好ましくは13MPa以上;圧縮圧300MPaにおいて、6MPa以上、好ましくは11MPa以上;圧縮圧250MPaにおいて、4MPa以上、好ましくは6MPa以上;圧縮圧150MPaにおいて、2MPa以上、好ましくは2.5MPa以上。圧縮圧450、300及び250MPaにおいて、それぞれ、18.5、13.0及び7.5MPa以上のグリーンストレングスを達成することができる。

0008

本発明による金属粉末は、粉末冶金法により、簡単な方法で、例えば圧縮及び焼結により、加工することができる。特に本発明の金属粉末を用いれば、薄肉領域、複雑な形状乃至は比較的不利な圧縮比を有する部品を、粉末冶金により、簡単に、優れた対費用効果で製造することが可能になる。

0009

ナノハードネス及びグリーンストレングスに関する特性は、クロム含有量が90質量%以上のときに達成することができる。従って、その他の金属の含有量は10質量%を超えることはない。この場合、その他の金属は、有利には、クロム相から分離して存在する。更に、その他の金属は、金属形態又は非金属形態で、好ましくは固相接着により、添加することができる。そのような粉末は、複合粉末と呼ばれる。その他の金属の一部分(好ましくは5質量%未満)は、クロム中に溶解し、クロム混合結晶を形成することができる。このような粉末は、合金化粉末と呼ばれる。このとき、金属粉末は、純粋なクロム相及び/又はクロム混合結晶相を含有する。例えば、La2O3(5質量%まで)又はCu(10質量%まで)を合金成分として挙げることができる。ここで、La2O3の場合はLa(OH)3が、銅の場合はCuOが、Cr2O3と混合され、還元に供される。しかしながら、勿論、他の金属又は非金属も用い得る。

0010

好ましくは、金属粉末は、550MPaにおいて7MPa以上、好ましくは10MPa以上、更に好ましくは15MPa以上、特に好ましくは20MPa以上のグリーンストレングスと共に、4GPa以下、好ましくは3.7GPa以下、更に好ましくは3.4GPa以下、特に好ましくは3.1GPa以下のナノハードネスHIT 0.005/5/1/5を有する。

0011

更に、本発明の金属粉末は、好ましくは、スポンジ状の粒子形状/モルフォロジー(粒子形状/モルフォロジーの分類に関しては、ランドール M.ジャーマン(Randall M.German)、パウダーメタラジサイエンス(Powder Metallurgy Science);MPIF;Princeton,1994,第二版,63頁を参照。)を有する。これは、グリーンストレングスに好ましい効果を与える。

0012

スポンジ状粒子形状/モルフォロジーと低い硬度との結合により、比較的高い圧縮密度、就中、所与密度における非常に高いグリーンストレングス、が可能になる。

0013

好ましい実施態様においては、金属粉末は、表面拡大操作なしに、0.05m2/g以上のBET法に依る表面積を有することが規定されている。BET法に依る表面積は、好ましくは0.07m2/g以上である。BET法に依れば0.25m2/g以上の表面積を達成し得る。表面拡大操作なしにとは、この文脈において、「製造されたままの」を意味し、当業者に、金属粉末がその方法によって直接得られたものであり、研削操作に供されていないことを知らせる。そのような研削操作は、金属粉末のモルフォロジーにおいて認識することができる。というのは、研削操作中に、未研削の粉末には見られない平滑な破断面が形成されるからである。本発明に依れば、好ましくは、解砕(Deagglomeration)のみが起きる。

0014

一実施態様に依れば、本発明の金属粉末は、99.0質量%以上、好ましくは99.5質量%以上、更に好ましくは99.9質量%以上、特に好ましくは99.99質量%以上の金属純度、即ち、他の金属に対するクロム含有量を有する。金属純度は、この場合、非金属成分、例えば、酸素、炭素、窒素及び水素、を考慮しない金属粉末の純度と理解されるべきである。

0015

本発明の金属粉末の酸素含有量は、好ましくは、クロム1gあたり1,500μg以下、更に好ましくはクロム1gあたり1,000μg以下である。特に好ましい実施態様では、酸素含有量はクロム1gあたり500μg以下である。達成可能な炭素含有量は、非常に低く抑えることができ、好ましくはクロム1gあたり150μg以下、更に好ましくはクロム1gあたり150μg以下である。特に好ましい実施態様では、炭素含有量はクロム1gあたり50μg以下である。

0016

一実施態様において、金属粉末は、顆粒化されていてもよい。顆粒化は、典型的な方法、好ましくはスプレー顆粒化又は凝塊(Agglomeration)(この点に関して、ランドール M.ジャーマン(Randall M.German)、パウダーメタラジーサイエンス(Powder Metallurgy Science);MPIF;Princeton,1994,第二版,183〜184頁を参照。))、により行なうことができる。顆粒とは、この場合、例えば結合剤又は焼結ネック形成により、お互いに結合した、個々の粉末粒子合一と理解すべきである。

0017

一実施態様において、金属粉末は、2.0g/cm3以下の嵩密度を有する。嵩密度は、好ましくは0.1〜2g/cm3、更に好ましくは、0.5〜1.5g/cm3である。比較的高い嵩密度が、達成可能な粒子サイズ又はBET表面積(好ましくは0.05m2/g以上)について達成し得るので、粉末は、圧縮操作中、良好な充填挙動を示す。

0018

更に、金属粉末は、550MPaの圧縮圧において、好ましくは、理論密度の80%以上の圧縮密度を有する。従って、高い焼結損失なしに、最終輪郭にぴったり合った部品を製造することができる。

0019

本発明の金属粉末は、酸化クロム及び水酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を、所望により混合する固体炭素源と共に、少なくとも一時的に水素又は炭化水素を作用させることにより、還元することにより製造することができる。酸化クロム又は水酸化クロムとして、好ましくは、粉末形状のCr(III)化合物、例えば、Cr2O3、CrOOH、Cr(OH)3、又は酸化クロムと水酸化クロムの混合物が考慮される。好ましいクロム源は、CrO3である。最終製品の純度を高くするために、使用されるCr2O3は、少なくとも顔料品質を有することが好ましい。

0020

所望により固体炭素源を混合した、酸化クロム及び水酸化クロムからなる群から選ばれる化合物は、好ましくは、1,100℃≦TR≦1,550℃を満足する温度TRに加熱され、所望によりこの温度に保持される。1,100℃未満の又は1,550℃を超える温度では、粉末特性が低下し、或いは、方法の対費用効果が低下する。反応は、温度TRを約1,200〜1,450℃の範囲から選択した場合に、工業的目的のために特に良好に進行する。

0021

本発明における温度範囲がより低い場合は、有利な90%の還元の程度TRに至るのに非常に長い保持時間が必要となるが、本発明における温度範囲がより高い場合は、保持時間を非常に短く設定することができるか又は全く省略することができる。還元の程度は、還元されないクロム化合物における全酸素存在量に対する、時間tまでに酸素に分解した酸化クロム又は水酸化クロムの物質量の、比として定義される。

0022

実施例に基づいて、当業者は、簡単な方法で、彼の炉(連続炉バッチ炉、最大可能炉温等)のための最適の温度及び時間の組合せを決定することができる。反応は、好ましくは、反応時間の30%以上、特に好ましくは50%以上に亘って、基本的に温度TRで一定に(等温に)保たれる。

0023

炭化水素の存在により、本発明による特性を有する粉末が、化学輸送法によって確実に形成される。反応の全圧は、有利には、0.95〜2バールである。2バールより高い圧力は、方法の対費用効果に不利な影響をもたらす。0.95バールより低い圧力は、結果として生じる炭化水素分圧に不利な影響をもたらし、これが、次に、ガス相を経由する輸送プロセスに非常に不利な影響を与え、本発明による粉末特性(例えば、硬度、グリーンストレングス、比表面積)の設定に大きく影響する。更に、0.95バール未満の圧力は、プロセスコストに不利な影響を与える。

0024

実施例は、炭化水素分圧が簡単なやり方で設定される方法を開示する。炭化水素は、好ましくはCH4として提供される。好ましくは、少なくとも加熱操作の間、炭化水素分圧は、少なくとも一時的に5〜500ミリバールである。5ミリバール未満の炭化水素分圧は、粉末特性、特にグリーンストレングス、に不利な影響を与える。500ミリバールを超える炭化水素分圧は、還元された粉末の炭素含有量が高くなる結果を招く。残余ガス雰囲気は、この場合、好ましくは水素である。水素及び炭化水素の活動は、好適には、少なくとも、800℃〜1,050℃の温度範囲で起きる。この温度範囲において、炭化水素分圧は、好ましくは5〜500ミリバールである。出発物質から形成される反応混合物は、この場合、好ましくは少なくとも45分間、更に好ましくは60分間、この温度範囲にとどまる。この時間には、加熱操作及び他のあらゆる等温保持段階が含まれる。本発明のこの方法条件により、好ましくはTR未満の温度で、酸化クロム及び水酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が、水素及び炭化水素の作用により、少なくとも部分的に反応して炭化クロム転換することが、確実になる。好ましい炭化クロムは、Cr3C2、Cr7C3及びCr23C6である。炭化水素分圧によって生じる炭化クロムの部分的形成は、次に、粉末特性に好ましい効果をもたらす。更に、本発明による方法条件によって、炭化クロムが、反応混合物中に存在し及び/又は混合されている酸化クロム及び/又は水酸化クロムと反応することが確実となり、クロムを形成する。この際、TRでは、このプロセスが支配的となる。

0025

炭化水素は、反応系にガス状で、好ましくは固体炭素源を混合することなく、添加してもよい。好ましくは、この場合、酸化クロム及び水酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が、H2-CH4ガス混合物の一時的作用により還元される。好適には、H2/CH4容積比は、1〜200の範囲、更に好ましくは1.5〜20の範囲に選定される。H2−CH4ガス混合物の作用は、この場合、好ましくは、TRへの加熱段階の間に少なくとも一時的に起こり、このとき、粉末形状の形成に対する影響は、特に850〜1,000℃の温度範囲で非常に良好なものとなる。温度が約1,200℃に達すると、プロセスは、好適には、好ましくは−40℃未満の露点を有する純粋な水素雰囲気切り換えられる。TRが1,200℃未満のとき、純粋な水素雰囲気への切り換えは、好ましくは、TRに到達したときに起きる。TRにおける等温段階及び室温への冷却は、有利には、水素雰囲気で起きる。特に冷却の間は、再酸化(Rueckoxidation)を避けるために、露点が−40℃未満の水素を使用するのが有利である。

0026

1つの実施態様において、固体炭素源は、酸化クロム及び/又は水酸化クロムと混合される。この場合、クロム化合物中の酸素1モルあたり、0.75〜1.25モルの間、より好ましくは0.90〜1.05モルの間の炭素を使用するのが好ましい。ここで、これは、クロム化合物との反応に利用し得る炭素量を意味する。特に好ましい態様では、炭素に対する酸素の比率は、化学量論量より僅かに低く、0.98である。固体炭素源は、好ましくは、カーボンブラック活性炭黒鉛、炭素放出化合物、又はこれらの混合物の群から選ばれる。炭素放出化合物の例として、炭化クロム、例えば、Cr3C2、Cr7C3及びCr23C6を挙げることができる。粉末混合物水素含有雰囲気においてTRまで加熱される。このとき、H2圧は、少なくとも800℃〜1,050℃の温度範囲において、5〜500ミリバールのCH4分圧が生じるように設定するのが好ましい。有利には、TRにおける等温段階及び室温への冷却が、水素雰囲気下で再び起きる。これらのプロセス段階の間、水素の存在は不要である。これらのプロセス段階の間及び冷却段階の間、水素は、再酸化を防ぐ。冷却段階の間、露点が−40℃未満の水素雰囲気を用いるのが有利である。

0027

本発明の更なる利点及び詳細を、以下、実施例及び図に基づいて説明する。

図面の簡単な説明

0028

図1は、アルミニウムテルミット法により酸化クロムから得られたクロム金属粉末のSEM写真である。
図2は、電解法により酸化クロムから得られたクロム金属粉末のSEM写真である。
図3は、顔料グレードのCr2O3のSEM写真である。
図4は、本発明の方法によって得られる金属粉末のSEM写真である。
図5aは、本発明の方法によって得られる金属粉末のSEM写真である。
図5bは、本発明の方法によって得られる金属粉末のSEM写真である。
図6は、本発明の粉末(CP−181)のグリーンストレングスをアルミニウムテルミット法によって生産されるクロム粉末(Cr−標準)と対比して示す図である。
図7は、本発明の粉末の相対圧縮密度を、異なる純度(重量%)及び粉末粒子径を有する、アルミニウムテルミット法によって生産されるクロム粉末(A−Cr)及び電解法によって生産されるクロム粉末(E−Cr)と対比して示す図である。
図8は、本発明に従って、Cr2O3を種々の温度で酸化クロムをクロムに還元する時間曲線を示す。
図9は、本発明の種々のクロム粉末の比表面積を示す。

0029

(実施例1)
レーザー回折法で測定した中心粒径d50が0.9μmの顔料品質(粉末モルフォロジーについては、図3を参照せよ。)のCr2O3(ランクセス社、バイオキシドCGN−R(Lanxess Bayoxide CGN−R)500gを、H2(75容量%)−CH4(75容量%)混合物(流速150L/時間、圧力約1バール)中、80分間で800℃に加熱した。続く工程で、反応混合物を徐々に1,200℃に加熱した。このとき、反応混合物は、800℃〜1,200℃の温度範囲に、325分間、留まった。次いで、反応混合物を20分間でTR(TR=1,400℃)に加熱した。1,400℃での保持時間は180分であった。1,200℃からTRへの加熱及びTRでの保持は、−40℃未満の露点を有する乾燥水素の供給下に実施した。ここで、水素の圧力は、約1バールである。−40℃未満の露点を有する水素下に、炉を冷却した。金属スポンジが得られたが、このものは、非常に容易に粉末にできた。このようにして得られたクロム金属粉末を図4に示す。還元度は99%を超え、炭素含有量は80μg/gであり、酸素含有量は1,020μg/gであった。X線解析により、体心立方格子構造(BCC)のクロム金属ピークのみが示された。BET法(ISO 9277:1995による。測定範囲:0.01〜300m2/g、装置:Gemini II 2370、加熱温度:130℃、加熱時間:2時間、吸着剤:窒素、5点決定法に依る容積分析)で比表面積を測定したところ、0.14m2/gであった。嵩密度は、1.2g/m3であった。EN ISO 14577−1に従ってナノハードネスHIT 0.005/5/1/5を測定したところ、3GPaであった。グリーンストレングスは、ASTMB 312−09に従って測定した。圧縮添加物として、0.6質量%のリコワックスミクロパウダーPM(LICOWAX Micropowder PM)(クラリアント(Clariant)社製,製品番号107075、CAS−No.00110−30−5)を使用した。550MPa、450MPa、300MPa、250MPa及び150MPaの圧縮圧において、グリーンストレングスは、それぞれ、23.8MPa、18.1MPa、8.5MPa、7.2MPa及び3.0MPaであった。

0030

(実施例2)
レーザー回折法で測定した中心粒径d50が0.9μmの顔料品質のCr2O3(ランクセス社、バイオキシドCGN−R(Lanxess Bayoxide CGN−R)を非晶質カーボンブラックカンカーブ(Cancarb)社、サーマックスウルトラピュア(Thermax ultra−pure) N908)とよく混合した。このようにして得られた混合物の炭素含有量は、Cr2O3中の酸素1モルに対して0.99モルであった。この混合物12,500gを80分間で800℃に加熱した。次いで、125分で1,050℃に加熱した。加熱は、水素下に行なった。ここで、水素圧は、800℃〜1,050℃の温度範囲において、質量分析により測定したCH4分圧が15ミリバールを上回るように設定した。このとき、全圧は、1.1バールであった。この後、反応混合物を20分間でTR(TR=1,200℃)に加熱した。1,200℃での保持時間は540分であった。1,000℃からTRへの加熱及びTRでの保持は、−40℃未満の露点を有する乾燥水素の供給下に実施した。ここで、水素の圧力は、約1バールである。炉の冷却も、また、−40℃未満の露点を有する水素下に行なった。金属スポンジが得られたが、このものは、非常に容易に粉末に解砕できた。このようにして製造されたクロム金属粉末を図5a及び5bに示した。炭素含有量及び酸素含有量を表1に示した。X線解析により、体心立方格子構造(BCC)のクロム金属のピークのみが示された。グリーンストレングスは、ASTMB 312−09に従って測定した。圧縮添加物として、0.6質量%のリコワックスミクロパウダーPM(LICOWAX Micropowder PM)(クラリアント(Clariant)社製,製品番号107075、CAS−No.00110−30−5)を使用した。550MPa、450MPa、300MPa、250MPa及び150MPaの圧縮圧を掛けた。図6は、測定されたグリーンストレングス値を、アルミニウムテルミット法によって生産されたクロム粉末(Cr−標準)を用いて圧縮された試料と対比して示す。本発明の粉末(CP181)は、5倍以上高いグリーンストレングスを示す。更に、この粉末バッチを(0.6質量%のリコワックス ミクロパウダー PM(LICOWAX Micropowder PM)圧縮添加剤と共に)種々の圧力で圧縮して丸薬状試料とした。図7に、相対圧縮密度を圧縮圧の関数として、種々の粒径を有する標準クロム金属粉末(E−Cr:電解法によるもの。A−Cr:アルミニウムテルミット法によるもの)と対比して、示した。

0031

次に、比表面積をBET法(ISO 9277:1995による。測定範囲:0.01〜300m2/g、装置:Gemini II 2370、加熱温度:130℃、加熱時間:2時間、吸着剤:窒素、5点決定法に依る容積分析)で測定し、ナノハードネスHIT 0.005/5/1/5をEN ISO 14577−1に従って測定した。これらの特性を表1にまとめ、電解法で得られたクロム粉末の特性と比較した。本発明の粉末の顕著に低いナノハードネスは、注目に値する。BET比表面積から計算した粒径は、8.3μmであった。

0032

電解法により生産されたものと対比した本発明のクロム粉末の特性

実施例

0033

(実施例3)
実施例2による試料の各20gをモリブデン坩堝中において、80分で800℃に、次いで、125分で1,050℃に加熱した。加熱は、水素下に行なった。ここで、水素圧は、800℃〜1,050℃の温度範囲において、質量分析により測定したCH4分圧が15ミリバールを上回るように設定した。このとき、全圧は、1.1バールであった。次いで、反応混合物をTRまで10K/分の加熱速度で加熱した。TRとしては、1,150℃、1,250℃、1,300℃、1,350℃、1,400℃、1,450℃及び1,480℃を採用した。TRでの保持時間は、30分、60分、90分、120分及び180分であった。1,000℃からTRへの加熱及びTRでの保持は、−40℃未満の露点を有する乾燥水素の供給下に実施した。ここで、水素の圧力は、約1バールである。炉の冷却も、また、−40℃未満の露点を有する水素下に行なった。還元度合は、明細書に記述したように実施した。図8から明らかなように、1,400℃、1,450℃及び1,480℃において、95%を超える有利な還元度合を、30分の保持時間で、既に顕著に上回っている。このために、1,350℃では約80分を要し、1,300℃では160分を要した。このために、1,250℃及び1,150℃では、それぞれ、260分及び350分を要した(外挿値)。SEM研究により、このようにして生産された粉末は、非常に高いBET表面積とともに、スポンジ状のモルフォロジーを有する(図9を参照。)。

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