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課題・解決手段

本発明は、弱毒化生ウイルス、糖安定剤およびアミノ酸安定剤を含む、室温安定なワクチン乾燥製剤を開示する。本発明はまた、該ワクチンの製造および該ワクチンの投与による動物保護方法も開示する。

概要

背景

弱毒化生ウイルスは、室温で長期間保存されるとき不安定である。それ故にほとんどの弱毒化生ウイルスワクチンは、使用の前に凍結乾燥されかつ冷蔵される。しかしながら該ワクチンの輸送および保存は、ワクチン薬局獣医家畜飼育者畜産農家および最終的にペット飼い主または消費者転嫁されるに違いない多額の費用をもたらす。該費用は、貧困共同体および低開発国においてひどく高いものとなり得る。それ故にWHOは、ヒト用BCGワクチンに対し37℃で28日後に、>20%の最小生存率を要求する[例えば、Jin et al.,Vaccine 29:4848‐4852(2011)を参照されたい]。

伴侶動物イヌネコおよびウマ等)かまたは家畜家禽畜牛およびブタ等)のいずれかに感染し得る多数のウイルスが存在する。例えば、対応するウイルス感染による症状は、軽い風邪のような症状を含み得る一方で、他方ではイヌジステンパーウイルス(CDV)感染の場合のように致死的でもあり得る[例えば、US2010/0196420を参照されたい]。実際のところCDVは、眼系、呼吸器系、消化器系外皮系および神経系に関係し得る多臓器感染症を引き起こす。イヌパルボウイルス(CPV)の死亡率もまた、比較的に高い[例えば、US2009/0010955を参照されたい]。CPVは、イヌ、特に幼いイヌに感染する主な腸管病原菌であり、4ないし5週齢のイヌおよびコイヌにおける急性下痢症発熱および白血球減少症によって特徴づけられる。幼いコイヌでさえも心筋疾患を患い得る。イヌジステンパーウイルスおよびイヌパルボウイルスは、それらからコイヌ/イヌを保護するのに、二つの最も重要なイヌウイルスである。

さらなるイヌウイルスには:上気道疾患および伝染性気管気管支炎の罹病の原因となる呼吸器疾患を引き起こす、伝染力の強いウイルスであるイヌパラインフルエンザ(CPI)ウイルス;感染性肝炎をもたらすイヌアデノウイルス1型;および伝染力が強く重病型の呼吸器疾患を引き起こし得るイヌインフルエンザウイルスCIV)が含まれる。CIVは、80%の罹患率、および重症感染症における5〜8%の死亡率を有する100%の感染を引き起こすことが可能であると報告されている[Crawford et al.,Science 310(5747):482‐485(2005);U.S.7,959,929 B2]。同様に、ネコカリシウイルス(FCV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、ネコ汎白血球減少症ウイルスFPLV)、ネココロナウイルス(FCoV)およびネコ鼻気管炎(FVR)ウイルスを含む、ネコを苦しめる多数のネコウイルスが存在する。

また、畜牛に感染し得る多数のウイルスも存在する。該ウイルスには、ウシウイルス性下痢症ウイルス1型および2型(BVDV1およびBVDV2)、伝染性ウシ鼻気管炎(IBR)ウイルス、パラインフルエンザ3型(PI3)、ウシ呼吸器多核体ウイルス(BRSV)およびウシ呼吸器コロナウイルス(BRCV)が含まれる。さらに、パスツレラムルトシダ(Pasteurella multocida)、マンヘミアヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)、ヒスフィルス・ソムニ(Histophilus somni)およびマイコプラズマボビス(Mycoplasma bovis)を含む、畜牛にも感染し得る多数の細菌が存在する。

同様に、家禽に感染し得る多数のウイルスが存在する。該ウイルスには、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、伝染性喉頭気管炎ILTV)、マレック病ウイルス(MDV)、MDV3としても知られるシチメンチョウヘルペスウイルスHVT)およびトリメタニューモウイルス(aMPV)が含まれる。さらに、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、サルモネラ属菌種(Salmonella ssp.)、大腸菌(Esherichia coli)、マイコプラズマ属菌種(Mycoplasma ssp.)、アビバクテリウム・パラガリナルム(Avibacterium paragallinararum)、エリシペラ属菌種(Erysipelas ssp.)、カンピロバクター属菌種(Campylobacter spp.)、ビブリオ属菌種(Vibrio ssp.)、クロストリジウムパーフリンジェンス(Clostridium perfringens)およびアイメリア属(Eimeria)等の寄生生物を含む、家禽にも感染し得る多数の細菌が存在する。

さらに、ブタに感染し得る多数のウイルスが存在する。該ウイルスには、ブタ繁殖呼吸障害症候群ウイルス(PRRS)、ブタサーコウイルス(PCV)、伝染性胃腸炎ウイルス(TGE)、ブタ仮性狂犬病ウイルス(PPRV)、ブタパルボウイルス(PPV)、ブタインフルエンザウイルス(SIV)、ブタロタウイルス(PRV)およびブタ流行性下痢症ウイルス(PED)が含まれる。さらに、複数の血清型からなるパスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、サルモネラ属菌種(Salmonella ssp.)、複数の線毛型からなる大腸菌(Esherichia coli)、ヘモフィルスパライス(Haemophilus parasuis)、ローソニアイントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)、マイコプラズマ属菌種(Mycoplasma ssp.)、ボルデテラブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、エリシペラス属菌種(Erysipelas ssp.)、カンピロバクター属菌種(Campylobacter spp.)、アクチノバチルスプルニューモニア(Actinobacillus pleuropneumonia)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)およびクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)を含み、ブタにも感染し得る多数の細菌が存在する。

概要

本発明は、弱毒化生ウイルス、糖安定剤およびアミノ酸安定剤を含む、室温安定なワクチンの乾燥製剤を開示する。本発明はまた、該ワクチンの製造および該ワクチンの投与による動物保護方法も開示する。

目的

動物におけるウイルス感染による疾患を予防するための最良の方法が、当該動物にこれらのウイルスに対するワクチンを接種することである

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請求項1

弱毒化生ウイルス、30%ないし80%(w/w)の非還元オリゴ糖、5%ないし40%(w/w)のアミノ酸安定剤、2%ないし20%(w/w)のタンパク質安定剤および6.0ないし8.0のpHを有する緩衝剤を含む、ワクチン乾燥製剤

請求項2

2%ないし25%(w/w)のバルキング安定剤をさらに含み、ならびにここで非還元オリコ糖に対するバルキング安定剤の比が0.05ないし0.40である、請求項1の乾燥製剤。

請求項3

弱毒化生ウイルスがジステンパーウイルスアデノウイルスパラインフルエンザウイルス異種抗原をコードしならびに発現する組換えウイルスベクターおよびそのいずれかの組み合せから成る群より選択される弱毒化生ウイルスである、請求項1または2の乾燥製剤。

請求項4

弱毒化生ウイルスがイヌジステンパーウイルス(CDV),イヌアデノウイルス2型(CAV2)、イヌパラインフルエンザウイルス(CPI)、異種抗原をコードしならびに発現する組換えイヌパラインフルエンザウイルスベクター(rCPI)およびそのいずれかの組み合せから成る群より選択される弱毒化生イヌウイルスである、請求項3の乾燥製剤。

請求項5

イヌパルボウイルス(CPV)および2%ないし5%(w/w)のソルビトールをさらに含む、請求項4の乾燥製剤。

請求項6

パルボウイルス(CPV)および2%ないし5%(w/w)のソルビトールをさらに含む、請求項3の乾燥製剤。

請求項7

非還元オリゴ糖がショ糖トレハロースラフィノースおよびそのいずれかの組み合せから成る群より選択され;ならびにここでpHがpH6.2ないし7.5である、請求項1ないし6の乾燥製剤。

請求項8

バルキング安定剤がマンニトールである、請求項1ないし7の乾燥製剤。

請求項9

アミノ酸安定剤がアルギニンである、請求項1ないし8の乾燥製剤。

請求項10

アミノ酸安定剤がさらにグルタミン酸塩を含む、請求項9の乾燥製剤。

請求項11

0.02%ないし1%(w/w)の、Mg++、Ca++およびZn++から成る群より選択される二価カチオンの塩をさらに含む、請求項1ないし10の乾燥製剤。

請求項12

乾燥される前にワクチンが、それを膜に適用すること、それをビーズの中に凍結すること、それをバイアル中で凍結すること、噴霧乾燥すること、噴霧凍結乾燥することおよびそれを泡に誘発することから成る群より選択されるプロセスによって処理されている、請求項1ないし11の乾燥製剤。

請求項13

タンパク質安定剤がゼラチン、全カゼインタンパク分解性加水分解物およびその組み合せから成る群より選択される、請求項1ないし12の乾燥製剤。

請求項14

非還元オリゴ糖が20%ないし80%(w/w)のショ糖および18%ないし66%(w/w)のトレハロースの組合せであり;バルキング安定剤が5%ないし17%(w/w)のマンニトールであり;アミノ酸安定剤が9%ないし34%(w/w)であり;ここでタンパク質安定剤が2%ないし5%(w/w)のゼラチンおよび2%ないし6%(w/w)の全カゼインのタンパク分解性加水分解物を含み;ならびにここで非還元オリゴ糖に対するバルキング安定剤の比が0.08ないし0.37である、請求項1ないし13の乾燥製剤。

請求項15

非還元オリゴ糖が45%ないし60%(w/w)のショ糖および15%ないし25%(w/w)のトレハロースの組合せであり;バルキング安定剤が5%ないし17%(w/w)のマンニトールであり;アミノ酸安定剤が10%ないし25%(w/w)のアルギニンであり;ここでタンパク質安定剤が1.5%ないし3.5%(w/w)のゼラチンおよび2%ないし4%の全カゼインのタンパク分解性加水分解物を含む、請求項14の乾燥製剤。

請求項16

請求項1ないし15の乾燥製剤を薬剤的許容可能な担体と共に混合して液体ワクチンを形成すること、ならびにそれから該液体ワクチンをイヌに投与することを含む、ジステンパーウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルスおよびパルボウイルスから成る群より選択されるウイルスに対して動物にワクチンを接種する方法。

請求項17

請求項1ないし15の乾燥製剤を薬剤的に許容可能な担体と共に混合して液体ワクチンを形成すること、ならびにそれから該液体ワクチンをイヌに投与することを含む、イヌジステンパーウイルス(CDV)、イヌアデノウイルス2型(CAV2)、イヌパラインフルエンザウイルス(CPI)およびイヌパルボウイルス(CPV)から成る群より選択されるイヌウイルスに対して動物にワクチンを接種する方法。

請求項18

a.治療的有効量の弱毒化生イヌウイルスを8%ないし30%(w/v)の非還元オリゴ糖、1%ないし6%(w/v)のバルキング安定剤、0.1Mないし0.5Mのアミノ酸安定剤、0.9%ないし10%(w/v)のタンパク質安定剤および6.0ないし8.0のpHを有する緩衝剤と組み合せることによってワクチン製剤を調製すること;ここで非還元オリゴ糖に対するバルキング安定剤の比が0.05ないし0.40である;およびb.ステップa.のワクチン製剤を真空下で乾燥し、室温安定な乾燥製剤を作成すること、を含む、室温安定なワクチンの乾燥製剤を作成する方法。

請求項19

前記の調製することには、治療的有効量の弱毒化生イヌウイルスを、5%ないし18%(w/v)のショ糖、および5%ないし18%(w/v)のトレハロースの組み合せである非還元オリゴ糖、2%ないし4%(w/v)のバルキング安定剤、0.1Mないし3Mのアミノ酸安定剤、1.5%ないし6%(w/v)のタンパク質安定剤と組み合わせることを含み;ならびにここで非還元オリゴ糖に対するバルキング安定剤の比が0.08ないし0.37である、請求項18の乾燥製剤を作成する方法。

請求項20

エクトインヒドロキシエクトインまたはその組み合せから成る群より選択される浸透圧調整剤を含有することをさらに含む、請求項18または19の乾燥製剤を作成する方法。

請求項21

弱毒化生イヌイルスがイヌジステンパーウイルス、イヌアデノウイルス2型、イヌパラインフルエンザウイルスおよびそのいずれかの組み合せから成る群より選択される、請求項18ないし20の乾燥製剤を作成する方法。

請求項22

イヌパルボウイルスおよび0.5%ないし5%(w/v)のソルビトールをさらに含む、請求項18ないし21の乾燥製剤を作成する方法。

請求項23

バルキング安定剤がマンニトールである、請求項18ないし22の乾燥製剤を作成する方法。

請求項24

アミノン酸安定剤がアルギニンまたはアルギニンおよびグルタミン酸塩の組み合せである、請求項18ないし23の乾燥製剤を作成する方法。

請求項25

乾燥前にワクチン製剤がそれを膜に適用すること、それをビーズの中に凍結すること、バイアルの中で凍結すること、噴霧乾燥すること、噴霧凍結乾燥することおよびそれを泡に誘発することから成る群より選択される方法によって処理される、請求項18ないし24の乾燥製剤を作成する方法。

請求項26

弱毒化生パルボウイルス、10%ないし80%(w/w)の糖アルコール、10%ないし70%(w/w)のバルキング安定剤、4%ないし50%(w/w)のタンパク質安定剤および6.8ないし8.0のpHを有する緩衝剤を含む、ワクチンの乾燥製剤。

請求項27

弱毒化生パルボウイルスが弱毒化生イヌパルボウイルス(CPV)である、請求項26のワクチンの乾燥製剤。

請求項28

糖アルコールがソルビトール、マンニトール、キシリトールマルチトールおよびその組み合せから成る群より選択され、バルキング安定剤がデキストランマルトデキストリンポリビニルピロリドンヒドロキシエチルデンプングリシン、マンニトールまたはその組み合せから成る群より選択され、タンパク質安定剤がゼラチン、全カゼインのタンパク分解性加水分解物またはその組み合せから成る群より選択される、請求項26または27の乾燥製剤。

請求項29

糖アルコールがソルビトールであり、バルキング安定剤がデキストランおよびグリシンの組み合せであり、タンパク質安定剤がゼラチンおよび全カゼインのタンパク分解性加水分解物の組み合せである、請求項28の乾燥製剤。

請求項30

CPVがCPV‐2、CPV‐2a、CPV‐2b、CPV‐2cおよび異種CPV‐2c/CPV‐2ゲノムを含む組換えCPVから成る群より選択される、請求項26ないし29の乾燥製剤。

請求項31

CPV‐2cがATCC寄託番号PTA‐13492を有する、請求項30の乾燥製剤。

請求項32

エクトイン、ヒドロキシエクトインまたはその組み合せから成る群より選択される浸透圧調整剤をさらに含む、請求項1ないし15および26ないし31の乾燥製剤。

請求項33

請求項26ないし32の乾燥製剤および液体の薬剤的に許容可能な担体と組み合される、請求項1ないし15の乾燥製剤を含むワクチン。

請求項34

請求項1ないし15の乾燥製剤を、請求項26ないし32の乾燥製剤および薬剤的に許容可能な担体と混合して液体ワクチンを形成し、それから該液体ワクチンをイヌに投与することを含み、イヌジステンパーウイルス、イヌアデノウイルス2型、イヌパラインフルエンザウイルス、イヌパルボウイルスおよびそのいずれかの組み合せから成る群より選択されるイヌウイルスに対しイヌにワクチンを接種する方法。

発明の詳細な説明

0001

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2013年9月27日に出願された米国仮出願シリアル番号第61/883,611号の優先権を主張し、その内容は、参照することによりその全体が本明細書において援用される。

技術分野

0002

本発明は、一または複数の弱毒化生ウイルスを含むワクチンの、室温安定な乾燥製剤に関する。本発明はまた、ワクチンの該乾燥製剤の製造、および該ワクチンにより動物被験体にワクチンを接種する方法にも関する。

背景技術

0003

弱毒化生ウイルスは、室温で長期間保存されるとき不安定である。それ故にほとんどの弱毒化生ウイルスワクチンは、使用の前に凍結乾燥されかつ冷蔵される。しかしながら該ワクチンの輸送および保存は、ワクチン薬局獣医家畜飼育者畜産農家および最終的にペット飼い主または消費者転嫁されるに違いない多額の費用をもたらす。該費用は、貧困共同体および低開発国においてひどく高いものとなり得る。それ故にWHOは、ヒト用BCGワクチンに対し37℃で28日後に、>20%の最小生存率を要求する[例えば、Jin et al.,Vaccine 29:4848‐4852(2011)を参照されたい]。

0004

伴侶動物イヌネコおよびウマ等)かまたは家畜家禽畜牛およびブタ等)のいずれかに感染し得る多数のウイルスが存在する。例えば、対応するウイルス感染による症状は、軽い風邪のような症状を含み得る一方で、他方ではイヌジステンパーウイルス(CDV)感染の場合のように致死的でもあり得る[例えば、US2010/0196420を参照されたい]。実際のところCDVは、眼系、呼吸器系、消化器系外皮系および神経系に関係し得る多臓器感染症を引き起こす。イヌパルボウイルス(CPV)の死亡率もまた、比較的に高い[例えば、US2009/0010955を参照されたい]。CPVは、イヌ、特に幼いイヌに感染する主な腸管病原菌であり、4ないし5週齢のイヌおよびコイヌにおける急性下痢症発熱および白血球減少症によって特徴づけられる。幼いコイヌでさえも心筋疾患を患い得る。イヌジステンパーウイルスおよびイヌパルボウイルスは、それらからコイヌ/イヌを保護するのに、二つの最も重要なイヌウイルスである。

0005

さらなるイヌウイルスには:上気道疾患および伝染性気管気管支炎の罹病の原因となる呼吸器疾患を引き起こす、伝染力の強いウイルスであるイヌパラインフルエンザ(CPI)ウイルス;感染性肝炎をもたらすイヌアデノウイルス1型;および伝染力が強く重病型の呼吸器疾患を引き起こし得るイヌインフルエンザウイルスCIV)が含まれる。CIVは、80%の罹患率、および重症感染症における5〜8%の死亡率を有する100%の感染を引き起こすことが可能であると報告されている[Crawford et al.,Science 310(5747):482‐485(2005);U.S.7,959,929 B2]。同様に、ネコカリシウイルス(FCV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、ネコ汎白血球減少症ウイルスFPLV)、ネココロナウイルス(FCoV)およびネコ鼻気管炎(FVR)ウイルスを含む、ネコを苦しめる多数のネコウイルスが存在する。

0006

また、畜牛に感染し得る多数のウイルスも存在する。該ウイルスには、ウシウイルス性下痢症ウイルス1型および2型(BVDV1およびBVDV2)、伝染性ウシ鼻気管炎(IBR)ウイルス、パラインフルエンザ3型(PI3)、ウシ呼吸器多核体ウイルス(BRSV)およびウシ呼吸器コロナウイルス(BRCV)が含まれる。さらに、パスツレラムルトシダ(Pasteurella multocida)、マンヘミアヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)、ヒスフィルス・ソムニ(Histophilus somni)およびマイコプラズマボビス(Mycoplasma bovis)を含む、畜牛にも感染し得る多数の細菌が存在する。

0007

同様に、家禽に感染し得る多数のウイルスが存在する。該ウイルスには、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、伝染性喉頭気管炎ILTV)、マレック病ウイルス(MDV)、MDV3としても知られるシチメンチョウヘルペスウイルスHVT)およびトリメタニューモウイルス(aMPV)が含まれる。さらに、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、サルモネラ属菌種(Salmonella ssp.)、大腸菌(Esherichia coli)、マイコプラズマ属菌種(Mycoplasma ssp.)、アビバクテリウム・パラガリナルム(Avibacterium paragallinararum)、エリシペラ属菌種(Erysipelas ssp.)、カンピロバクター属菌種(Campylobacter spp.)、ビブリオ属菌種(Vibrio ssp.)、クロストリジウムパーフリンジェンス(Clostridium perfringens)およびアイメリア属(Eimeria)等の寄生生物を含む、家禽にも感染し得る多数の細菌が存在する。

0008

さらに、ブタに感染し得る多数のウイルスが存在する。該ウイルスには、ブタ繁殖呼吸障害症候群ウイルス(PRRS)、ブタサーコウイルス(PCV)、伝染性胃腸炎ウイルス(TGE)、ブタ仮性狂犬病ウイルス(PPRV)、ブタパルボウイルス(PPV)、ブタインフルエンザウイルス(SIV)、ブタロタウイルス(PRV)およびブタ流行性下痢症ウイルス(PED)が含まれる。さらに、複数の血清型からなるパスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、サルモネラ属菌種(Salmonella ssp.)、複数の線毛型からなる大腸菌(Esherichia coli)、ヘモフィルスパライス(Haemophilus parasuis)、ローソニアイントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)、マイコプラズマ属菌種(Mycoplasma ssp.)、ボルデテラブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、エリシペラス属菌種(Erysipelas ssp.)、カンピロバクター属菌種(Campylobacter spp.)、アクチノバチルスプルニューモニア(Actinobacillus pleuropneumonia)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)およびクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)を含み、ブタにも感染し得る多数の細菌が存在する。

発明が解決しようとする課題

0009

動物におけるウイルス感染による疾患を予防するための最良の方法が、当該動物にこれらのウイルスに対するワクチンを接種することであることは、現在広く一般に受け入れられている。ほんの一例を挙げると、イヌにおいてイヌジステンパーウイルスワクチンは、対応する疾患の流行を顕著に低減している。同様に伝染性イヌ肝炎は、イヌアデノウイルス2型ワクチン(CAV2)によって極めて制限されている。近縁のCAV1に代わる、ワクチンにおける弱毒化生CAV2の使用は、弱毒化生CAV1を接種されたイヌにおいて認められる間質性腎炎および角膜混濁に関する懸念を払拭する[Taguchi et al.,Can Vet J.52(9):983‐986(2011)]。さらに、多価弱毒化生ウイルスワクチンは、安全に投与され得て、必要とされるワクチン注射の数を限定する。それ故に、イヌジステンパー、イヌ伝染性肝炎、イヌパルボウイルスおよびイヌパラインフルエンザウイルスから保護する、いくつかの市販の弱毒化生イヌウイルス多価ワクチンが存在する。さらに、最新の多価ワクチンは同様にイヌインフルエンザウイルスからもさらに保護する。しかしながら、室温で輸送し得て保存し得る、イヌウイルスワクチン等の弱毒化生ウイルス性ワクチンに対するニーズが強く残されている。

0010

本明細書におけるいかなる参考文献の引用も、該参考文献が本出願に対する「先行技術」として利用できることを認めるものと解釈してはならない。

課題を解決するための手段

0011

現行のワクチンの欠陥を克服するために本発明は、例えばウイルスワクチン等の、生の弱毒化ワクチン新規で安定な乾燥製剤を提供し、該製剤は、その対応する免疫原性組成物と同様に、室温で輸送および/または保存され得る。これらの乾燥製剤は、例えば12か月、18か月またはそれ以上(例えば、1.5ないし3年間)等の長期間、27℃で有効である。

0012

特定の実施形態において、生の弱毒化ワクチンは、鳥類用ワクチンである。このタイプの特定の実施形態において、生の、弱毒化鳥類用ワクチンは生の、弱毒化家禽ウイルスを含む家禽用ワクチンである。このタイプのさらなる特定の実施形態において、生の、弱毒化家禽用ワクチンは、生の、弱毒化トリウイルスを含むニワトリ用ワクチンである。このタイプの別の特定の実施形態において、生の、弱毒化家禽用ワクチンは、生の、弱毒化シチメンチョウウイルスを含むシチメンチョウ用ワクチンである。

0013

特定の実施形態において生の、弱毒化ワクチンは、哺乳動物用ワクチンである。このタイプの特定の実施形態において、生の、弱毒化哺乳動物用ワクチンは、生の、弱毒化ヒトウイルスを含むヒト用ワクチンである。他の該実施形態において生の、弱毒化哺乳動物用ワクチンは、生の、弱毒化ウシウイルスを含むウシ用ワクチンである。さらなる他の実施形態において生の、弱毒化哺乳動物用ワクチンは、生の、弱毒化ブタウイルスを含む豚用ワクチンである。

0014

さらなる他の実施形態において生の、弱毒化哺乳動物用ワクチンは、伴侶動物用ワクチンである。このタイプの特定の実施形態において生の、弱毒化伴侶動物用ワクチンは、犬用ワクチンである。このタイプの他の実施形態において生の、弱毒化伴侶動物用ワクチンは、ネコ用ワクチンである。さらなる他の実施形態において生の、弱毒化伴侶動物用ワクチンは、ウマ用ワクチンである。従って特定の実施形態において、生の弱毒化イヌ用ワクチンは、生の弱毒化イヌウイルスを含む。他の実施形態において、生の弱毒化ネコ用ワクチンは、生の弱毒化ネコウイルスを含む。さらなる他の実施形態において、生の弱毒化ウマ用ワクチンは、生の弱毒化されたウマウイルスを含む。

0015

他の実施形態において生の弱毒化ワクチンは、組換えウイルスを含む。このタイプの特定の実施形態において組換えウイルスは、異種タンパク質をコードする組換えベクターとして用いられる。このタイプのさらなる特定の実施形態において異種タンパク質は、ウイルス性または細菌性抗原である。本発明は、本発明の安定な乾燥製剤を作成する方法をさらに提供する。本発明は、使用の前に本発明のワクチンを安定な乾燥製剤として27℃で、12か月またはそれ以上(例えば、1.5ないし3年)等の長期間保存する方法をさらに提供する。

0016

本発明はまた、本発明の安定な乾燥製剤を動物に投与する方法も提供する。特定の実施形態において安定な乾燥製剤は、投与の前に液体ワクチンへ再構成される。本発明は、本発明の乾燥製剤(例えば、粉末の形態)および/または再構成液体ワクチンを投与することによって動物(すなわちヒト、伴侶動物または家畜動物)における疾患を予防する方法をさらに提供する。特定の実施形態において伴侶動物はイヌである。関連する実施形態において伴侶動物はネコである。さらなる他の実施形態において伴侶動物はウマである。さらなる他の実施形態において家畜動物はウシである。さらなる他の実施形態において家畜動物はブタである。さらなる他の実施形態において家畜動物はニワトリである。さらなる他の実施形態において家畜動物はシチメンチョウである。

0017

従って本発明は、弱毒化生ウイルスを含む、室温安定であるワクチンの乾燥製剤を提供する。特定の実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、糖安定剤を含む。このタイプの関連する実施形態においてワクチンは、15%ないし80%(w/w)の糖安定剤を含む。特定の実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、30%ないし80%(w/w)の糖安定剤を含む。他の特定の実施形態においてワクチンは、40%ないし80%(w/w)の糖安定剤を含む。特定の実施形態においてワクチンは、25%ないし50%(w/w)の糖安定剤を含む。関連する実施形態においてワクチンは、30%ないし70%(w/2)の糖安定剤を含む。より特定の実施形態においてワクチンは、40%ないし60%(w/w)の糖安定剤を含む。

0018

特定の実施形態において糖安定剤は、非還元オリゴ糖である。このタイプの特定の実施形態において非還元オリゴ糖は、ショ糖である。さらなる他の実施形態において非還元オリゴ糖は、トレハロースである。さらなる他の実施形態において非還元オリゴ糖は、ラフィノースである。他の実施形態において糖安定剤は、糖アルコールである。このタイプの特定の実施形態において糖アルコールは、ソルビトールである。他の実施形態において糖アルコールは、キリトールである。さらなる他の実施形態において糖アルコールは、マルチトールである。

0019

別の実施形態において糖安定剤は、実際には二以上の糖安定剤の組み合せである。このタイプの特定の実施形態において糖安定剤は、ショ糖とソルビトールの組み合せである。特定の実施形態において糖安定剤は、ショ糖とトレハロースの組み合せである。さらなる他の実施形態において糖安定剤は、トレハロースとソルビトールの組み合せである。さらなる実施形態において糖安定剤は、ショ糖、トレハロースとソルビトールの組み合せである。

0020

本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、さらに一または複数のバルキング安定剤を含み得る。特定の実施形態においてワクチン中のバルキング安定剤の量は、ワクチンの液剤形で1%ないし6%(w/v)および乾燥製剤で2%ないし25%(w/w)である。特定の実施形態においてバルキング安定剤は、マンニトールである。関連する実施形態においてバルキング安定剤は、グリシンである。特定の実施形態においてバルキング安定剤は、デキストランである。特定の実施形態においてバルキング安定剤は、マルトデキストリンである。特定の実施形態においてバルキング安定剤はブドウ糖である。他の実施形態においてバルキング安定剤は、ポリビニルピロリドンである。さらなる他の実施形態においてバルキング安定剤は、ヒドロキシエチルデンプンである。さらなる他の実施形態においてワクチンは、バルキング安定剤の組み合わせを含む。特定の実施形態においてバルキング安定剤は、以下:デキストラン、マンニトール、グリシン、マルトデキストリン、ポリビニルピロリドンおよびヒドロキシエチルデンプンの二以上を含む。このタイプの特定の実施形態においてバルキング安定剤は、マンニトールおよびグリシンを含む。関連する実施形態においてバルキング安定剤は、デキストランおよびグリシンを含む。さらにこのタイプの他の実施形態においてバルキング安定剤は、マンニトール、デキストランおよびグリシンを含む。

0021

特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、ゼラチンである。他の実施形態においてタンパク質安定剤は、全カゼイン加水分解物である。特定の実施形態において全カゼインの加水分解物は、全カゼインのタンパク分解性加水分解物である。さらなる他の実施形態においてタンパク質安定剤は、ゼラチンと全カゼインのタンパク分解性加水分解物の双方の組み合せである。

0022

本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、pH5.5からpH8.5までのpHをとり得る。特定の実施形態においてpH範囲は、pH6.0からpH8.0である。特定の実施形態においてpH範囲は、pH6.5からpH7.8である。特定の実施形態においてpH範囲は、pH6.8からpH7.5である。他の実施形態においてpH範囲は、pH6.0からpH7.6である。さらなる他の実施形態においてpH範囲は、pH6.0からpH6.8である。さらなる他の特定の実施形態においてpH範囲は、pH7.0からpH7.4である。より特定の実施形態においてpHは、pH7.2である。他のより特定の実施形態においてpHは、pH6.5である。

0023

本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、緩衝剤を含み得る。このタイプの特定の実施形態において緩衝剤は、0.1%ないし2%(w/w)のヒスチジン(乾燥前、2.5ないし50mM)を含む。関連する実施形態において緩衝剤は、0.2%ないし1%(w/w)のヒスチジンを含む。特定の実施形態において緩衝剤は、0.25%ないし0.75%(w/w)のヒスチジンを含む。より特定の実施形態において緩衝剤は、0.5%(w/w)のヒスチジンを含む。

0024

他の実施形態において緩衝剤は、0.1%ないし2%(w/w)のリン酸塩リン酸ナトリウムリン酸カリウムまたはその二つの混合物のいずれか;乾燥前、2.5ないし50mM)を含む。関連する実施形態において緩衝剤は、0.2%ないし1%(w/w)のリン酸塩を含む。特定の実施形態において緩衝剤は、0.25%ないし0.75%(w/w)のリン酸塩を含む。より特定の実施形態において緩衝剤は、0.5%(w/w)のリン酸塩を含む。

0025

さらなる他の実施形態において緩衝剤は、2.5ないし50mM Trisを含み得る。特定の実施形態において緩衝剤は、2.5ないし50mM Trisおよび2.5ないし50mMヒスチジンを含む。より特定の実施形態において緩衝剤は、5ないし20mM Trisおよび5ないし20mMヒスチジンを含む。さらなるより特定の実施形態において緩衝剤は、7.5ないし15mM Trisおよび7.5ないし15mMヒスチジンを含む。

0026

本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤はまた、アミノ酸安定剤も含み得る。特定の実施形態においてアミノ酸安定剤は、アルギニンである。さらなる他の実施形態においてアミノ酸安定剤は、グルタミン酸である。さらなる他の実施形態にいてアミノ酸安定剤は、アスパラギン酸である。さらなる他の実施形態においてアミノ酸安定剤はリジンである。関連する実施形態において本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、二以上のアミノ酸安定剤を含む。このタイプの特定の実施形態においてアミノン酸安定剤は、アルギニンおよびグルタミン酸塩である。

0027

特定の実施形態においてワクチン中のアミノ酸安定剤の濃度は、液体製剤において0.1〜0.4Mである[乾燥製剤において10%〜40%(w/w)]。特定の実施形態においてワクチン中のアミノ酸安定剤の濃度は、液体製剤において0.25〜0.35Mである。より特定の実施形態においてワクチン中のアミノ酸安定剤の濃度は、液体製剤において0.25〜0.35Mである。さらにより特定の実施形態においてアミノ酸安定剤は、液体製剤において0.3Mアルギニンである。

0028

本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤はまた、タンパク質安定剤も含み得る。タンパク質安定剤は、インタクトなタンパク質および/またはタンパク質加水分解物であり得る。特定の実施形態において安定化剤タンパク質は、ゼラチンである。別の実施形態においてタンパク質安定剤は、全カゼインの加水分解物である。特定の実施形態において全カゼインの加水分解物は、全カゼインのタンパク分解性加水分解物である。特定の実施形態において乾燥製剤は、タンパク質安定剤の2%ないし20%(w/w)を含む。他の特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、1%ないし10%(w/w)のゼラチンを含む。さらなる他の特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、1%ないし10%(w/w)の全カゼイン加水分解物を含む。

0029

本発明ワクチンの乾燥製剤はまた、ゼラチンおよび全カゼイン加水分解物の双方を含むタンパク質安定剤を含み得る。このタイプの特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、1%ないし10%(w/w)のゼラチンおよび1%ないし10%(w/w)の全カゼイン加水分解物を含む。より特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、2%ないし5%(w/w)のゼラチンおよび2%ないし6%(w/w)の全カゼイン加水分解物を含む。他の特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、0.4%ないし3.0%のゼラチン(w/w)および0.5%ないし0.3%(w/w)の全カゼイン加水分解物を含む。特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、2.3%(w/w)のゼラチンおよび2.8%(w/w)の全カゼイン加水分解物を含む。他の特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、3.3%(w/w)のゼラチンおよび4.2%(w/w)の全カゼイン加水分解物を含む。

0030

いかなる本発明の乾燥製剤も、さらに0.02%ないし1%(w/w)の二価カチオンの塩を含み得る。特定の実施形態において二価カチオンは、液体剤形において1mM〜5mMおよび乾燥製剤において0.1%〜0.5%(w/w)である。特定の実施形態において二価カチオンは、マグネシウム(Mg++)である。他の実施形態において二価カチオンは、カルシウム(Ca++)である。さらなる他の実施形態において二価カチオンは、亜鉛(Zn++)である。さらなる他の実施形態において二価カチオンは、Mg++、および/またはCa++、および/またはZn++の混合液である。

0031

いかなる本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤も、さらに一または複数の浸透圧調製剤を含み得る。特定の実施形態において浸透圧調整剤は、エクトインである。他の特定の実施形態において浸透圧調整剤は、ヒドロキシエクトインである。さらなる他の実施形態において浸透圧調整剤は、エクトインとヒドロキシエクトインの組み合せである。特定の実施形態において製剤中の浸透圧調整剤のパーセンテージは、0.2%ないし7.5%(w/w)である。より特定の実施形態において製剤中の浸透圧調整剤のパーセンテージは、0.5%ないし5%(w/w)である。さらなるより特定の実施形態において製剤中の浸透圧調整剤のパーセンテージは、1%ないし3%(w/w)である。

0032

本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、弱毒化生ウイルスを含み得る。本発明の一態様において弱毒化生ウイルスは、イヌウイルスである。関連する実施形態において弱毒化生ウイルスは、ネコウイルスである。他の実施形態において弱毒化生ウイルスは、ウマウイルスである。

0033

本発明のさらなるもう一つの態様において弱毒化生ウイルスは、家畜動物ウイルス、例えば、食用動物ウイルスである。一つの該実施形態において弱毒化生ウイルスは、家禽ウイルスである。このタイプの特定の実施形態において家禽ウイルスは、ニワトリウイルスである。このタイプの他の実施形態において家禽ウイルスは、シチメンチョウウイルスである。他の該実施形態において弱毒化生ウイルスは、ウシウイルスである。さらなる他の実施形態において弱毒化生ウイルスは、ブタウイルスである。

0034

特定の実施形態において弱毒化生ウイルスは、ジステンパーウイルス(CDV)である。他の実施形態において弱毒化生ワクチンは、アデノウイルスである。さらなる他の実施形態において弱毒化生ウイルスは、パルボウイルスである。さらなる他の実施形態において弱毒化生ウイルスは、パラインフルエンザウイルス(CPI)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ウイルスは、インフルエンザウイルスである。

0035

本発明のさらなる他の態様において弱毒化生ウイルスは、イヌウイルスである。特定の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌジステンパーウイルス(CDV)である。他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌアデノウイルス2型(CAV2)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌパルボウイルス(CPV)である。このタイプの一つの特定の実施形態において、イヌパルボウイルスは、イヌパルボウイルス2(CPV‐2)である。このタイプの他の特定の実施形態において、イヌパルボウイルスは、イヌパルボウイルス2a(CPV‐2a)である。このタイプのさらなる他の特定の実施形態において、イヌパルボウイルスは、イヌパルボウイルス2b(CPV‐2b)である。このタイプのさらなる他の特定の実施形態において、イヌパルボウイルスは、イヌパルボウイルス2c(CPV‐2c)である。このタイプの特定の実施形態において、CPV‐2cは、ATCC寄託番号PTA‐13492株である。さらなる他の実施形態においてイヌパルボウイルスは、異種CPV‐2c/CPV‐2ゲノム、すなわちカプシドタンパク質をコードする領域がCPV‐2c単離株由来であり、および非構造タンパク質をコードする領域がCPV‐2単離株由来であるゲノムを含むように構築された組換えイヌパルボウイルスである[U.S.2012/0328652 A1を参照されたい。その内容は参照することによりその全体が本明細書において援用され、それにおいてはCPV‐2ゲノム内のカプシドをコードするヌクレオチド配列が、CPV‐2cのカプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列によって置換されており、それによって異種CPV‐2c/CPV‐2ゲノムをもたらしている]。さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌパラインフルエンザウイルス(CPI)である。

0036

本発明はまた、組換えウイルスベクターも含む。特定の実施形態において組換えウイルスベクターは、組換えパラインフルエンザウイルスベクターである。特定の実施形態において組換えパラインフルエンザウイルスベクターは、組換えイヌパラインフルエンザウイルスベクターである。特定の実施形態において組換えパラインフルエンザウイルス(例えば、組換えイヌパラインフルエンザウイルスベクター)は、異種タンパク質をコードし発現する。このタイプの特定の実施形態において異種タンパク質は、非イヌ抗原である。より特定の実施形態において非イヌ抗原は、家禽ウイルス抗原または家禽細菌抗原である。他の実施形態において非イヌ抗原は、ブタウイルス抗原またはブタ細菌抗原である。さらなる他の実施形態において非イヌ抗原は、ウシウイルス抗原またはウシ細菌抗原である。さらなる他の実施形態において非イヌ抗原は、ネコウイルス抗原またはイヌ細菌抗原である。特定の実施形態において組換えパラインフルエンザウイルスは、組換えパラインフルエンザウイルス5である。

0037

さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌコロナウイルスである。さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌニューモウイルスである。さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、伝染性イヌ肝炎ウイルスである。さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌヘルペスウイルスである。さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、狂犬病ウイルスである。さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスはイヌ微少ウイルスである。さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌインフルエンザウイルスである。別の実施形態において弱毒化生ウイルスは、仮性狂犬病ウイルスである。

0038

本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、弱毒化生ネコウイルスを含み得る。特定の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコヘルペスウイルス(FHV)である。他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコカリシウイルス(FCV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコニューモウイルス(FPN)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコパルボウイルス(FPV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化ネコウイルスは、ネコ白血病ウイルス(FeLV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ボルナ病ウイルス(BDV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコインフルエンザウイルスである。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコ汎白血球減少症ウイルス(FPLV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネココロナウイルス(FCoV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコ鼻腔気管炎ウイルス(FVR)である。

0039

さらに本発明は、多価ワクチンであるワクチンの室温安定な乾燥製剤を提供する。特定の実施形態において本発明の多価ワクチンは、弱毒化生ウイルスワクチンのみを含む。該多価ワクチンは、弱毒化生ウイルスのいかなる組み合わせも含み得る。このタイプの特定の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルスおよび弱毒化生イヌパルボウイルスを含む。関連する実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルスおよび弱毒化生イヌアデノウイルス2型を含む。他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、弱毒化生イヌパルボウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、弱毒化生イヌパルボウイルスおよび弱毒化生イヌアデノウイルス2型を含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスおよび弱毒化生イヌアデノウイルス2型を含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、弱毒化生イヌパルボウイルス、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスおよび弱毒化生イヌアデノウイルス2型を含む。特定の実施形態において多価ワクチンは、弱毒生イヌジステンパーウイルス、弱毒化生イヌパルボウイルス、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルス、弱毒化生イヌアデノウイルス2型および弱毒化生イヌコロナウイルスを含む。関連する実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、弱毒化生イヌパルボウイルス、弱毒化生パラインフルエンザウイルス、弱毒化生イヌアデノウイルス2型および弱毒化生ネココロナウイルスを含む。このタイプの特定の実施形態において多価ウイルスは、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、弱毒化生イヌアデノウイルス2型、弱毒化生イヌパルボウイルス、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスおよび弱毒化生イヌインフルエンザウイルスを含む。

0040

他の実施形態において本発明は、弱毒化生アデノウイルス2型および弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む、多価ワクチンの室温安定な乾燥製剤を提供する。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型および弱毒化生イヌパルボウイルスを含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌパルボウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型、弱毒化生イヌパルボウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。このタイプの特定の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型、弱毒化生イヌパルボウイルス、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスおよび弱毒化生イヌインフルエンザウイルスを含む。

0041

他の実施形態において本発明は、弱毒化生イヌアデノウイルス2型および弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む、多価ワクチンの室温安定な乾燥製剤を提供する。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型および弱毒化生イヌパルボウイルスを含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌパルボウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型、弱毒化生イヌパルボウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。このタイプの特定の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型、弱毒化生イヌパルボウイルス、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスおよび弱毒化生イヌインフルエンザウイルスを含む。

0042

前記の実施形態のいずれにおいても弱毒化生イヌウイルスは、組換えウイルスベクターであり得る。特定の実施形態において組換えウイルスベクターは、組換えイヌパラインフルエンザウイルスベクターである。このタイプの特定の実施形態において組換えイヌパラインフルエンザウイルスベクターは、異種抗原をコードし発現する。

0043

他の特定の実施形態においてイヌパルボウイルス(CPV)を含む多価ワクチンの乾燥製剤は、さらに0.5%ないし5%(w/w)のソルビトールを含み得る。

0044

特定の実施形態において、本発明ワクチン(または多価ワクチン中の各ウイルス)の乾燥製剤中の弱毒化生ウイルスの力価は、1×103ないし1×1010である。より特定の実施形態において力価は、1×104ないし1×109である。さらなるより特定の実施形態において力価は、5×104ないし1×108である。

0045

従って本発明は、弱毒化生ウイルス(例えば、イヌウイルス、またはネコウイルス、またはウマウイルス、またはブタウイルス、またはウシウイルス、または家禽ウイルス)、30%ないし80%(w/w)の非還元オリゴ糖、6%ないし40%(w/w)のアミノ酸安定剤、2%ないし20%(w/w)のタンパク質安定剤および6.0ないし8.0のpHを有する緩衝剤を含む、ワクチンの乾燥製剤を提供する。特定の実施形態において乾燥製剤は、27℃で少なくとも18か月間有効である。関連する実施形態において乾燥製剤は、さらに2%ないし25%(w/w)のバルキング安定剤を含む。このタイプの特定の実施形態において、非還元オリゴ糖および/または糖アルコールに対するバルキング安定剤の比は、0.025ないし0.60である。より特定の実施形態において、非還元オリゴ糖および/または糖アルコールに対するバルキング安定剤の比は、0.05ないし0.40である。さらなるより特定の実施形態において、非還元オリゴ糖および/または糖アルコールに対するバルキング安定剤の比は、0.075ないし0.30である。さらなるより特定の実施形態において、非還元オリゴ糖および/または糖アルコールに対するバルキング安定剤の比は、0.1ないし0.25である。

0046

特定の実施形態において、本発明ワクチンの乾燥製剤の非還元オリゴ糖は、ショ糖および/またはトレハロース、および/またはラフィノースを含む。このタイプの特定の実施形態において乾燥製剤のpHは、pH6.0ないし7.6である。本発明の特定の実施形態において、バルキング安定剤はマンニトールである。関連する実施形態においてアミノ酸安定剤は、アルギニンである。このタイプの特定の実施形態においてアミノ酸安定剤は、さらにグルタミン酸塩を含む。

0047

特定の実施形態において本発明ワクチンの乾燥製剤は、非還元オリゴ糖として20%ないし80%(w/w)のショ糖および18%ないし66%(w/w)のトレハロースの組み合せ、バルキング安定剤として5%ないし20%(w/w)のマンニトール、9%ないし34%(w/w)のアミノ酸安定剤、タンパク質安定剤として2%ないし5%(w/w)のゼラチン、および2%ないし6%(w/w)の全カゼインのタンパク分解性加水分解物の組み合せおよびpH6.2ないし7.5の緩衝剤を含む。このタイプの特定の実施形態において、非還元オリゴ糖に対するバルキング安定剤の比は、0.08ないし0.37である。

0048

より特定の実施形態において、非還元オリゴ糖は、45%ないし60%(w/w)のショ糖および15%ないし25%(w/w)のトレハロースの組み合せであり、バルキング安定剤は、5%ないし17%(w/w)のマンニトールであり、アミノ酸安定剤は、10%ないし25%(w/w)のアルギニンであり;タンパク質安定剤は、1.5%ないし3.5%(w/w)のゼラチンおよび2%ないし4%(w/w)の全カゼインのタンパク分解性加水分解物、およびpH6.2ないし7.5の緩衝剤を含む。このタイプの特定の実施形態において、非還元オリゴ糖に対するバルキング剤の比は、0.1ないし0.3である。

0049

特定の実施形態において本発明のイヌ用ワクチンの乾燥製剤は、弱毒化生イヌジステンパーウイルス(CDV)、イヌアデノウイルス2型(CAV2)およびイヌパラインフルエンザウイルス(CPI);ショ糖およびトレハロースの合計量が30%ないし80%(w/w)である、非還元オリゴ糖として15%ないし80%(w/w)のショ糖および15%ないし80%(w/w)のトレハロースの組み合せ;合計非還元オリゴ糖に対する合計バルキング安定剤の比が0.05ないし0.4である、バルキング安定剤として2%ないし25%(w/w)のマンニトール;1%ないし10%(w/w)の全カゼインのタンパク分解性加水分解物と1%ないし10%(w/w)のゼラチンとの組み合せであるタンパク質安定剤;アミノ酸安定剤として6%ないし40%(w/w)のアルギニン;およびpH6.2ないし7.5の緩衝剤を含む。このタイプの特定の実施形態において、乾燥製剤は、以下:(i)0.5%ないし5.0%のエクトイン、(ii)5%ないし15%のグルタミン酸塩、(iii)0.02%ないし1%のMgSO4、および(iv)2%ないし5%のソルビトールを有する弱毒化生イヌパルボウイルス(CPV)、のさらに一または複数、またはすべてを含む。より特定の実施形態において緩衝剤は、pH6.2ないし7.5の0.1%ないし2%のリン酸カリウムまたはリン酸ナトリウムである。

0050

特定の実施形態において本発明のイヌ用ワクチンの乾燥製剤は、CDV、CAV2およびCPI;ショ糖およびトレハロースの合計量が45%ないし79%(w/w)である、非還元オリゴ糖として20%ないし80%(w/w)のショ糖および18%ないし66%(w/w)のトレハロースの組み合せ;合計非還元オリゴ糖に対する合計バルキング安定剤の比が0.08ないし0.37である、バルキング安定剤として5%ないし17%(w/w)のマンニトール;2%ないし6%(w/w)の全カゼインのタンパク分解性加水分解物と2%ないし5%(w/w)のゼラチンとの組み合せであるタンパク質安定剤;9%ないし34%(w/w)のアルギニンであるアミノ酸安定剤、およびpH6.5ないし7.2の緩衝剤、を含む。このタイプの特定の実施形態において、乾燥製剤は、以下:(i)1%ないし3%のエクトイン、(ii)7%ないし12%のグルタミン酸塩、(iii)0.05%ないし0.5%のMgSO4、および(iv)3%ないし4%のソルビトールを有する弱毒化生CPV、のさらに一または複数、またはすべてを含む。より特定の実施形態において緩衝剤は、pH6.5ないし7.2の0.2%ないし1%のリン酸カリウムまたはリン酸ナトリウムである。これらのタイプの特定の実施形態において、ワクチンの乾燥製剤は、27℃で少なくとも18か月間有効である。

0051

別の態様において、本発明は、弱毒化生パルボウイルス、例えばイヌパルボウイルス(CPV)、10%ないし80%(w/w)の糖アルコール、10%ないし70%(w/w)のバルキング安定剤、4%ないし50%(w/w)のタンパク質安定剤、および6.8ないし8.0のpHを有する緩衝剤を含む、ワクチンの乾燥製剤を提供する。このタイプの特定の実施形態において乾燥製剤は、さらに10%ないし50%(w/w)のアミノ酸安定剤を含む。特定の実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、27℃で少なくとも18か月間有効である。

0052

より特定の実施形態において本発明は、弱毒化生パルボウイルス、例えば、CPV,23%ないし49%(w/w)の糖アルコール、16%ないし50%(w/w)のバルキング安定剤、7%ないし36%(w/w)のタンパク質安定剤、および7.0ないし7.4のpHを有する緩衝剤を含む、ワクチンの乾燥製剤を提供する。このタイプのさらなるより特定の実施形態において乾燥製剤は、さらに25%ないし36%(w/w)のアミノ酸安定剤を含む。特定の実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、27℃で少なくとも18か月間有効である。

0053

これらの一価パルボウイルスワクチン、例えば、一価CPVワクチンの乾燥製剤の糖アルコールは、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトールおよびその組み合せであり得て、バルキング安定剤は、デキストラン、マルトデキストリン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルデンプン、グリシンまたはそのいずれかの組み合せであり得る。タンパク質安定剤は、ゼラチン、全カゼイン加水分解物またはその二つの組み合せであり得る。このタイプの特定の実施形態において、全カゼインの加水分解物は、全カゼインのタンパク分解性加水分解物である。特定の実施形態において糖アルコールは、ソルビトールであり、バルキング安定剤は、デキストランおよびグリシンの組み合せであり、ならびにタンパク質安定剤は、ゼラチンおよび全カゼインのタンパク分解性加水分解物の組み合せである。

0054

より特定の実施形態において本発明は、弱毒化生パルボウイルス、例えば、CPV、糖アルコールとして10%ないし80%(w/w)のソルビトール、バルキング安定剤として5%ないし30%(w/w)のグリシンおよび5%ないし40%(w/w)のデキストランの組み合せ、タンパク質安定剤として2%ないし25%(w/w)の全カゼインのタンパク分解性加水分解物と2%ないし25%(w/w)のゼラチンの組み合せ;および6.5ないし7.8のpHを有する緩衝剤を含む、ワクチンの乾燥製剤を提供する。このタイプの特定の実施形態において、アミノ酸安定剤として10%ないし50%(w/w)のアルギニンが含まれる。特定の実施形態において、緩衝剤は、pH6.5ないし7.8の0.2%ないし5%(w/w)のリン酸カリウムまたはリン酸ナトリウムである。特定の実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、27℃で少なくとも18か月間有効である。

0055

さらなるより特定の実施形態において本発明は、弱毒化生パルボウイルス、例えば、CPV、糖アルコールとして23%ないし49%(w/w)のソルビトール、バルキング安定剤として8%ないし17%(w/w)のグリシンおよび8%ないし33%(w/w)のデキストランの組み合せ、タンパク質安定剤として4%ないし18%(w/w)の全カゼインのタンパク分解性加水分解物との3%ないし18%(w/w)のゼラチンの組み合せ;および7.0ないし7.4のpHを有する緩衝剤を含む、乾燥ワクチン製剤を提供する。このタイプの特定の実施形態において、25%ないし36%(w/w)のアルギニンがアミノ酸安定剤として含まれる。特定の実施形態において、緩衝剤は、pH7.0ないし7.4の、0.5%ないし2%(w/w)のリン酸カリウムまたはリン酸ナトリウムである。特定の実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、27℃で少なくとも18か月間有効である。

0056

特定の実施形態においてイヌパルボウイルス(CPV)は、イヌパルボウイルス2(CPV‐2)である。このタイプの他の特定の実施形態においてイヌパルボウイルスは、イヌパルボウイルス2a(CPV‐2a)である。このタイプのさらなる他の特定の実施形態において、イヌパルボウイルスは、イヌパルボウイルス2b(CPV‐2b)である。このタイプのさらなる他の実施形態において、イヌパルボウイルスは、イヌパルボウイルス2c(CPV‐2c)である。このタイプの特定の実施形態においてCPV‐2cは、ATCC寄託番号PTA‐13492株である。さらなる他の実施形態においてイヌパルボウイルスは、異種CPV‐2c/CPV‐2ゲノム、すなわちカプシドタンパク質をコードする領域がCPV‐2c単離株由来であり、および非構造タンパク質をコードする領域がCPV‐2単離株由来である該ゲノム、を含むように構築された組換えイヌパルボウイルスである[U.S.2012/0328652 A1を参照されたい。その内容は参照することによりその全体が本明細書において援用され、それにおいてはCPV‐2ゲノム内のカプシドをコードするヌクレオチド配列は、CPV‐2cのカプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列によって置換されており、それによって異種CPV‐2c/CPV‐2ゲノムをもたらしている]。

0057

本発明の弱毒化生ワクチンの、室温安定な乾燥製剤を作成するためのプロセスの一部として、対応する液体ワクチン製剤を膜に適用し、および/またはビーズの中に凍結し、および/またはバイアル等の容器に凍結し、および/または噴霧乾燥し、および/または噴霧凍結乾燥し、および/または泡への誘発し、および/または遅延放出性インプラントに設置し得る。

0058

本発明は、本発明の再構成ワクチンを動物に投与することを含む、感染(例えば、ネコウイルスまたはイヌウイルスによる感染)に起因する臨床疾患に対する動物の保護を促進する方法をさらに提供する。特定の実施形態において投与は、粘膜に実施される。他の実施形態において投与は、非経口的に実施される。さらなる他の実施形態において投与は、皮内に実施される。さらなる他の実施形態において投与は、経皮的に実施される。より特定の実施形態において、本発明のワクチンは、動物の皮下に投与される。他の特定の実施形態において、本発明のワクチンは、動物に筋肉内に投与される。本発明はまた、一次ワクチンおよび/またはブースターワクチンの使用も含む。

0059

特定の実施形態において弱毒化生ウイルスの治療的有効量(therapeutically effective amount)は、弱毒化生イヌウイルスの治療的有効量である。このタイプの特定の実施形態において弱毒化生イヌウイルスの治療的有効量は、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、および/または弱毒化生アデノウイルス2型、および/または弱毒化生イヌパルボウイルス、および/または弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスの治療的有効量を含む。

0060

特定の実施形態において動物の被験体はイヌであり、ならびに方法は、弱毒化生ウイルスを含む、本発明の再構成した室温安定なワクチンをイヌに投与することを含む。特定の実施形態において室温安定なワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、弱毒化生イヌアデノウイルス2型および弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。このタイプの特定の実施形態において室温安定なワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、弱毒化生イヌアデノウイルス2型、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルス、および弱毒化生イヌインフルエンザウイルスまたは弱毒化生イヌパルボウイルスまたは代わりに、弱毒化生イヌインフルエンザウイルスおよび弱毒化生イヌパルボウイルスの双方を含む。

0061

それ故に本発明は、本明細書で提供される乾燥製剤の一または複数のいずれか、および薬剤的許容可能な担体からなる再構成されたワクチンをさらに提供する。特定の実施形態において本発明は、別々になった一価のCPVワクチンの乾燥製剤と三価のCDV、CAV2およびCPIワクチンの乾燥製剤との組み合せ、および薬剤的に許容可能な担体から作成される多価ワクチンを提供する。

0062

あらゆる本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤を製造する、および/または室温(例えば、22〜27℃)に保存する方法もまた提供される。特定の実施形態において該方法は、治療的有効量の弱毒化生ネコまたはイヌウイルスを8%ないし30%(w/v)の非還元オリゴ糖、0.1Mないし0.5Mのアミノン酸安定剤、0.9%ないし10%(w/v)のタンパク質安定剤、および6.0ないし8.0のpHを有する緩衝剤と組み合わせることによってワクチン製剤を調製することを含む。一般的に次に、必ずしもではないがワクチン製剤は、凍結され、それから真空下で乾燥され、室温安定な乾燥製剤を作成する。凍結乾燥器内部の温度は、水分の除去を加速させるためにこのプロセスの間に上昇され得る。好ましくは、ワクチンの乾燥製剤は、27℃で保存されるとき少なくとも18か月間有効である。

0063

このタイプの特定の実施形態においてワクチン製剤は、さらに1%ないし6%(w/v)のバルキング安定剤を含む。このタイプのより特定の実施形態において非還元オリゴ糖に対するバルキング安定剤の比は、0.05ないし0.40である。特定の実施形態において0.5%ないし5%(w/v)のソルビトールもまた含まれる。特定の実施形態においてバルキング安定剤は、マンニトールである。特定の実施形態においてアミノ酸安定剤は、アルギニンである。他の実施形態おいてアミノ酸安定剤は、グルタミン酸塩である。さらなる他の実施形態においてアミノ酸安定剤は、アルギニンとグルタミン酸塩の組み合せである。

0064

本発明ワクチンのあらゆる室温安定な乾燥製剤を作成する方法は、乾燥前に液体ワクチン製剤を膜に適用し、および/またはそれをビーズの中に凍結し、および/またはそれをバイアル中に凍結し、および/または噴霧乾燥し、および/または噴霧凍結乾燥し、および/またはそれを泡への誘発することを含み得る。

0065

室温安定なワクチンを作成する方法の特定の実施形態において該方法は、治療的有効量の弱毒化生ウイルスを、5%ないし18%(w/v)のショ糖、および5%ないし18%(w/v)のトレハロース、2%ないし4%(w/v)のブルキング安定剤、0.1Mないし0.3Mアミノ酸安定剤、および1.5%ないし6%(w/v)のタンパク質安定剤の組み合せである非還元オリゴ糖と組み合わせることを含む。より特定の実施形態において非還元オリゴ糖に対するバルキング安定剤の比は、0.08ないし0.37である。特定の実施形態において弱毒化生ウイルスは、弱毒化生イヌウイルスである。関連する実施形態において弱毒化生ウイルスは、弱毒化生ネコウイルスである。

0066

本発明のこれらのおよび他の態様は、以下の詳細な説明を参照することによりいっそう良く理解されるであろう。

実施例

0067

本発明は、乾燥製剤として室温で保存し得て、12、または18、または24カ月またはそれ以上の間、安全で有効であり得る、安全で有効な弱毒化生ウイルスワクチンおよび/または免疫原性組成物を提供する。それ故に本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤の一つの主な優位性は、乾燥製剤が保存冷蔵庫または冷凍庫の必要性を除去することである。これは、保存費用、特に遠隔地における保存費用を顕著に低減し、さらに保存冷蔵庫または冷凍庫が故障した後に、ワクチンが安全で有効であるかどうかを推測する必要性を除去する。

0068

さらに驚いたことに、本発明の生ウイルスワクチンの室温安定な乾燥製剤は、いかなる種類(type)の弱毒化生ウイルスをも含み得る。従って、本発明の生ワクチンの室温安定な製剤は、エンベロープウイルスおよび非エンベロープウイルスの双方を含み得る。さらに本発明の生ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、一本鎖RNAゲノム、一本鎖DNAゲノムまたは二本鎖DNAゲノムを有する弱毒化生ウイルスを含み得る。本発明の一態様において本発明の生ウイルスワクチンは、弱毒化生イヌウイルスおよび/またはネコウイルスを含む。本発明は、さらに多価ワクチンである室温安定なワクチンを提供する。そのうえ本発明の室温安定なワクチンは、さらに死滅ウイルスおよび/または死菌(例えば、バクテリン)および/またはバクテリンのサブフラクション、および/またはウイルスまたは細菌のサブユニット(例えば、タンパク質抗原)を含み得る。

0069

さらに本発明の室温安定な生ウイルス製剤は、組換えベクター、例えば単独で、および/または他の該組換えウイルスベクターと共に、および/または弱毒化生ウイルスと共におよび/または死菌および/または死滅ウイルス、例えば、死滅イヌウイルスとの組み合わせである組換えウイルスベクター(組換えバキュロウイルスを含む)等を含み得る。該組換えウイルスベクターは、さらに一または複数の異種ウイルス抗原または細菌抗原をコードし得る。該組換えベクターの特定の例は、組換えパラインフルエンザウイルス、例えば、イヌパラインフルエンザウイルスである。一つの組換えパラインフルエンザベクターは、最近、Liらにより記載された、組換えパラインフルエンザウイルス5である[J.of Virology 87(10)5985‐5993(2013);参照することにより本明細書においてその全体が援用される]。該組換えウイルスベクター、例えば、組換えパラインフルエンザウイルス5または組換えイヌパラインフルエンザウイルスベクターは、イヌウイルス、および/またはネコウイルス、および/またはウマウイルス、およびまたはヒトウイルス、および/またはシミアンウイルス、および/またはウシウイルス、および/またはヒツジウイルス、および/またはブタウイルス、および/または家禽ウイルス(例えば、ニワトリウイルス)由来の異種抗原をコードし得る。特定の実施形態において本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、ニワトリに感染する一または複数のニワトリウイルスおよび/または細菌由来の一または複数の抗原をコードする、組換えパラインフルエンザウイルス(例えば、組換えパラインフルエンザウイルス5または組換えイヌパラインフルエンザウイルス)を含む。

0070

本発明の別の実施形態において、本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、畜牛に感染する弱毒化生ウシウイルスおよび/または細菌を含み得る。特定の実施形態において室温安定なワクチンは、弱毒化生BVDV1、弱毒化生BVDV2および弱毒化生IBRウイルスを含む。他の実施形態において室温安定なワクチンは、弱毒化生BVDV1、弱毒化生BVDV2、弱毒化生PI3ウイルスおよび弱毒化生BRSVを含む。さらなる他の実施形態において室温安定なワクチンは、弱毒化生BVDV1、弱毒化生BVDV2、弱毒化生PI3ウイルス、弱毒化生IBRウイルスおよび弱毒化生BRSVを含む。さらなる他の実施形態において、室温安定なワクチンは、弱毒化生BVDV1、弱毒化生BVDV2、弱毒化生PI3ウイルス、弱毒化生IBRウイルス、弱毒化生BRSVおよび弱毒化生BRCVを含む。いかなる本発明の室温安定なワクチンはまた、投与前に一または複数の弱毒化抗原または死菌抗原、例えばパスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)、ヒストフィルス・ソムニ(Histophilus somni)およびマイコプラズマ・ボビス(Mycoplasma bovid)等と組み合わせ得る。一つの該実施形態は、弱毒化生パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、弱毒化生マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)および弱毒化生ヒストフィルス・ソムニ(Histophilus somni)と共に、弱毒化生BVDV1、弱毒化生BVDV2、弱毒化生PI3ウイルス、弱毒化生IBRウイルスおよび弱毒化生BRSV(プラスまたはマイナス弱毒化生BRCV)を含む室温安定なワクチンである。特定の実施形態において本発明は、弱毒化生ウシウイルスを含む本発明の室温安定なワクチンを、ウシに投与することを含む方法を提供する。

0071

本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、あるいは家禽に感染する弱毒化生家禽ウイルスおよび/または細菌を含み得る。特定の実施形態において弱毒化生家禽ウイルスは、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)である。他の実施形態において弱毒化生家禽ウイルスは、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)である。さらなる実施形態において弱毒化生家禽ウイルスは、ニューカッスル病ウイルス(NDV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生家禽ウイルスは、伝染性喉頭気管炎(ILTV)である。さらなる他の実施形態において弱毒生家禽ウイルスは、トリメタニューモウイルス(aMPV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生家禽ウイルスは、マレック病ウイルス(MDV)である。さらなる他の実施形態において生家禽ウイルスは、シチメンチョウヘルペスウイルス(HVT)である。[HVTはニワトリにおいて病原性ではない]。

0072

生家禽ウイルスはまた、組換えベクターでもあり得る。これは、特にHVTおよび二つの他のMDV、すなわちMDV1およびMDV2に当てはまる。ニューカッスル病ウイルスまたは伝染性喉頭気管炎由来の抗原をコードする組換えHVTベクターは、既に市販されている。ごく最近、NDVおよびILTVの双方由来のまたはNDVおよびIBDVの双方由来の抗原をコードする、二つのユニークな組換えHVTベクターが記載された[U.S.2013/0101619 A1およびWO2013057235 A1のそれぞれを参照されたい。その双方の内容は参照することにより本明細書においてその全体が援用される]。本発明の室温安定なワクチンは、これらの組換え家禽ウイルスベクターのいずれをも、単独かまたは本明細書に記載のいずれかの組み合せで含み得る。さらに、一または複数の生家禽ウイルスワクチンを含む本発明の室温安定なワクチンのいずれも、さらに死滅ウイルスおよび/または死菌および/またはバクテリンのサブフラクション、または弱毒化または非弱毒化の生アイメリア(Eimeria)等の寄生生物でさえ含み得る。特定の実施形態において本発明は、弱毒化生家禽ウイルスを含む本発明の室温安定なワクチンを家禽、例えば、ニワトリに投与することを含む方法を提供する。

0073

さらなる他の態様において本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、弱毒化生ブタウイルスを含み得る。特定の実施形態において弱毒化生ブタウイルスは、伝染性胃腸炎ウイルス(TGE)である。他の実施形態において弱毒化生ブタウイルスは、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRS)である。さらなる実施形態において弱毒化生ブタウイルスは、ブタ流行性下痢症ウイルス(PED)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ブタウイルスは、ブタインフルエンザウイルス(SIV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ブタウイルスは、ブタロタウイルス(PRV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ブタウイルスは、ブタパルボウイルス(PPV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ブタウイルスは、ブタ仮性狂犬病ウイルス(PPRV)である。さらなる他の弱毒化生ブタウイルスは、ブタサーコウイルス(PCV)である。

0074

本発明の多価ワクチンは、いかなる組み合わせのブタウイルスも含み得る。特定の実施形態において本発明の多価ワクチンは、死滅ブタウイルスおよび弱毒化生ブタウイルスの双方を含む。このタイプの特定の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生伝染性胃腸炎ウイルス(TGE)および弱毒化生ブタパルボウイルス(PPV)と共に、死滅ブタインフルエンザウイルスSIV、死滅またはサブユニットブタサーコウイルス(PCV)を含む[バキュロウイルス発現PCV抗原を含む。US8,008,001を参照されたい。その内容は参照することにより本明細書において援用される]。関連する実施形態において多価ワクチンは、死滅ブタサーコウイルス抗原(PCV)、複数の血清型の死滅ブタインフルエンザウイルス(SIV)、および弱毒化生伝染性胃腸炎ウイルス(TGE)と共に死滅したおよび弱毒化生ロタウイルス(PRV)を含む。特定の実施形態において本発明は、弱毒化生ブタウイルスを含む、本発明の室温安定なワクチンをブタに投与することを含む。関連する実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生および/または不活化および/またはサブユニットブタサーコウイルス抗原(PCV)、弱毒化生および/または不活化および/またはサブユニット繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRS)抗原、および/または弱毒化生および/または不活化またはサブユニットブタ流行性下痢症ウイルス(PED)抗原を含む。

0075

本発明の室温安定な弱毒化生ブタウイルスワクチンは、さらに死滅ウイルスおよび/または死菌(例えば、バクテリン)および/またはバクテリンのサブフラクションを含み得る。このタイプの特定の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生伝染性胃腸炎ウイルス(TGE)および弱毒化生ブタパルボウイルス(PPV)と共に、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)不活化トキソイド、以下:K99、K88,987PまたはF41の血清型のいずれかの大腸菌(E.coli)細菌から抽出された線毛抗原を含む。関連する実施形態において多価ブタワクチンは、弱毒化生および/または不活化ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRS)および/または弱毒化生または不活化ブタ流行性下痢症(PED)ウイルスと共に、死滅またはサブユニットブタサーコウイルス抗原(PCV)、死滅マイコプラズマ・ハイオニューモニエ(Mycoplasma hyopneumonia)(M.hyo)、不活化または弱毒化生ローソニア・イントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)バクテリンを含む。

0076

本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、少なくとも一つの糖安定剤、少なくとも一つのタンパク質安定剤、およびワクチンの液体製剤をpH5.5ないし8.5のpHに維持するための少なくとも一つの緩衝剤を含む。少なくとも一つのバルキング安定剤もまた、添加され得る。本発明の室温安定なワクチンは、それ故に乾燥製剤として保存され得る。該乾燥製剤は、ビーズ、例えば、以前記載された方法[例えば、WO 2010/125084;US 2012/0049412 A1;およびUS 2014/0017318を参照されたい。そのすべての内容は、参照することにより本明細書においてその全体が援用される]によって作成される溶媒(lyosphere)および/またはスフリオン(sphereon)として知られる球体等中での凍結乾燥、またはケーキとして、例えば、バイアル内で、または固体マトリックス、例えば、膜またはフィルター上での乾燥、または代わりに粉末としての乾燥、または噴霧乾燥、または噴霧凍結乾燥、または泡への誘発、を含む方法によって調製され得る。

0077

一価または多価ワクチンの免疫原性活性フラクションは、一または複数のウイルスおよび/または細菌を含み得る。従って、本発明の室温安定なワクチンは、保存のために凍結乾燥(または代わりに液体容量を低減)され得て、それから例えば、投与前または投与時に液体担体中で、例えば、ワクチングレードの水または他の希釈剤等の薬剤的に許容可能な担体と共に再構成され得る。特定の実施形態において希釈剤は、一または複数の他のウイルスおよび/または細菌抗原を含む。あるいは、本発明の室温安定なワクチンは、固形物として注入され得て、例えば、固形物が紛体であるとき注入器は、PowderJect(登録商標)等の無針粉末噴射器である。

0078

説明の便宜上のための単数形の用語の使用は、決してそのように制限されることを意図するものではない。従って、例えば、「糖安定剤」(a “sugar stabilizer”)との言及には、特に定めのない限り一または複数の該糖安定剤への言及が含まれる。複数形の用語の使用もまた、特に定めのない限り制限されることを意図するものではない。

0079

同様に、本明細書において酸またはその対応する塩基のどちらかとして言及され得る化合物は、特に定めのない限り該化合物のいずれかを意味することを意図する。それ故に、用語グルタミン酸(glutamic acid)の使用は、グルタミン酸塩(glutamate)を含むことを意味し、逆もまた同様である。

0080

本明細書で用いる場合、「ワクチン」とは、動物への投与に際して、野生型微生物による感染に起因する臨床疾患からの保護において最小限でも促進するために十分に強い、すなわち臨床疾患の予防を促進するために、および/または臨床疾患を予防、回復または治癒するために十分に強い免疫応答誘導する、動物(特定の実施形態においてヒトを含む)への適用に適した組成物である。別段の指示が明確にない限り、用語ワクチンの使用は、多価ワクチンを含む。

0081

本明細書で用いる場合、「有効な(efficacious)」ワクチンとは、ワクチンが管理される、例えば、米国における動物ワクチンの管理は米国農務省(USDA)によって統治される、司法権のためのその抗原に対する法的規制適合するために、所定の抗原に対する十分な力価を保持する。

0082

本発明で使用する場合、「多価ワクチン」とは、二以上の異なる抗原を含むワクチンである。このタイプの特定の実施形態において多価ワクチンは、二以上の異なる病原体に対する受容者の免疫系を刺激する。

0083

本明細書で用いる場合、ワクチンの「室温安定な」乾燥製剤とは、27℃で保存されるとき少なくとも1年間有効である、ワクチン(多価ワクチンを含む)の乾燥製剤である。特定の実施形態においてワクチンの室温安定な乾燥製剤は、27℃で保存されるとき少なくとも1.5年間有効である。より特定の実施形態においてワクチンの室温安定な乾燥製剤は、27℃で保存されるとき少なくとも2年間有効である。さらなるより特定の実施形態においてワクチンの室温安定な乾燥製剤は、27℃で保存されるとき少なくとも2.5ないし3年間有効である。

0084

本明細書で用いる場合、ワクチンの「乾燥製剤」は、溶液中で処方されたワクチンの液体を除去することによって調製される。液体の除去は、例えば、蒸発によって、例えば、固体基質への液体ワクチンの適用および液体の蒸発等によって、および/または昇華によって、例えば凍結乾燥(lyiophilization(freeze‐drying))等によって達成され得る。本発明のワクチンは、一般的に0.5%ないし10.0%(w/w)の残留水分量(RMC)を含む乾燥製剤として保存される。乾燥製剤は、投与前に薬剤的に許容可能な担体中で再構成され得る。特定の実施形態において本発明のワクチンは、0.5%ないし5%(w/w)の残留水分量を含む乾燥製剤として保存される。より特定の実施形態において本発明のワクチンは、0.5%ないし3%(w/w)の残留水分量を含む乾燥製剤として保存される。

0085

本発明のワクチンは乾燥製剤として保存されるので、本発明の「ワクチン」はまた、乾燥製剤として保存される一または複数の抗原を含む製剤も表す。上記の通りこれらの乾燥製剤は、投与前のいつかに薬剤的に許容可能な担体と組み合せられ得る。多価ワクチンのための抗原は、同一の乾燥製剤または別々の乾燥製剤中で保存され得る。従って一定の多価ワクチンについて個々のワクチン抗原は、単一の乾燥製剤として別々に保存され、その後投与前に薬剤的に許容可能な担体と共に組み合せられ、多価ワクチンを形成する。あるいは多価ワクチン抗原は、単一の乾燥製剤として組み合せられ保存され得て、その後投与前に薬剤的に許容可能な担体、および一または複数の別々の乾燥製剤中に保存された、一または複数の他のワクチン抗原と共に混合され得る。

0086

本明細書で用いる場合、用語「担体」とは、化合物がそれと共に投与される希釈剤、アジュバント賦形剤またはビヒクルを表す。

0087

本明細書で用いる場合、用語「薬剤的に許容可能な」は、修飾される名詞医薬製品での使用に適していることを意味するために、形容詞として使用される。例えば、それが医薬ワクチン中の賦形剤を記載するために使用される場合、それは、該賦形剤を組成物の他の成分と適合しており、所定の受容者、例えば、薬剤的に許容可能な担体に対し不都合なほどには有害でないと特徴付ける。薬剤的に許容可能な担体は、滅菌液体、例えば、水および/または油であり、石油、動物、植物または合成起源のそれらを含み、例えば、ピーナッツ油大豆油鉱物油ゴマ油およびその他であり得る。水または水溶液生理食塩水およびブドウ糖水溶液およびグリセリン溶液が、担体として特に注射剤用に用いられ得る。特定の実施形態において薬剤的に許容可能な担体は、アジュバントでありおよび/またはアジュバントを含有する。一定の実施形態において薬剤的に許容可能な担体は、投与前に本発明のワクチンの乾燥製剤と組み合わせ得る、一または複数のワクチン抗原をさらに含み得る。

0088

本明細書で用いる場合、「アジュバント」とは、最終的にはより良好な免疫応答、すなわち抗原に対する統合された身体的応答をもたらす、免疫学的事象カスケードを促進しまたは増幅することのできる物質である。アジュバントは、一般的に免疫応答が発生するために必要とされないが、該応答を促進しまたは増幅する。

0089

本明細書で用いる場合、用語「保護する(protect)」、「保護している(protecting)」、「に対する保護を提供する(provide protection to)」、「に対する保護を提供している(providing protection to」および「保護における促進(aidsin the protection)」は、いかなる感染症状からの完全な保護を必要としない。例えば「保護における促進」とは、攻撃感染後に潜在的な感染の症状が少なくとも低減され、および/または症状を引き起こす一または複数の潜在的な細胞的、生理学的または生化学的な原因または機構が低減されおよび/または除去されるように、保護が十分であることを意味し得る。この文脈において使用される場合、「低減される(reduced)」とは、分子的な感染状態を含むが生理学的な感染状態は含まない、感染状態に関して意味することを理解されたい。

0090

本明細書で用いる場合、用語「治療的有効量(therapeutically effective amount)」とは、単回投与で提供されるときおよび/または一または複数の引き続くブースター投与を伴う初回投与として意図され提供されるとき、該抗原がそれに対して保護するように投与される、病原体に対する保護を提供するためにおよび/または病原体からの保護において促進するために十分である、所定抗原、例えば弱毒化生ウイルス等の量である。

0091

本明細書で用いる場合、「全身投与」とは、身体の循環器系心血管系およびリンパ系を含む)への投与であり、それ故に特定部位、例えば、消化管(例えば、経口または直腸内投与による)および呼吸器系(例えば、鼻腔内投与による)等よりは全体としての身体に影響する。全身投与は、例えば、筋肉組織内(筋肉内)、真皮内(皮内、経皮または上皮)、皮膚下(皮下)、粘膜の下(粘膜下)、静脈の中(静脈内)等への投与によって実施され得る。「非経口投与」には、皮下注射、粘膜下注射、静脈内注射筋肉内注射皮内注射および注入が含まれる。

0092

本明細書で用いる場合、用語「家畜」および「家畜動物(livestock animal)」には、畜牛、ブタおよび家禽が含まれる。本明細書で用いる場合、用語「ウシ(bovine)」および「畜牛(cattle)」は、特に断りのない限り同じ意味で使われる。同様に、用語「ブタ(“porcine”,“swine” and “pig”)」も、特に断りのない限り同じ意味で使われる。本明細書で用いる場合、用語「トリ(avian)」および「大型のトリ(fowl)」は、双方の用語とも家禽(poultry)を含むことを意図しながら同じ意味で使用される。本明細書で用いる場合、用語「家禽(poultry)」には、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒルガチョウウズラおよびキジが含まれ得る。

0093

本明細書で用いる場合、用語「伴侶動物(companion animal)」には、イヌ、ネコおよびウマが含まれる。

0094

本明細書で用いる場合、用語「ネコ(feline)」は、ネコ科のいずれかのメンバーを表す。この科のメンバーには、野生動物園および飼育メンバー、例えば、ネコ亜科のいずれかのメンバー、例えば、ネコ、ライオントラピューマジャガーヒョウ、ユキヒョウ、クロヒョウ、北米マウンテンライオン、チータ、オオヤマネコボブキャットカラカルまたはそのいずれかの交雑種等が含まれる。ネコ(cat)にはまた、飼いネコ、純血種および/または交雑種の伴侶ネコ、キャットショー用ネコ、実験室用ネコ、クローン化ネコおよびヤマネコまたは野ネコも含まれる。

0095

本明細書で用いる場合、用語「イヌ(canine)」には、特に断りのない限りすべての飼いイヌ、カニス・ルプス・ファミリアリス(Canis lupus familiaris)またはカニス・ファミリアリス(Canis familiaaris)が含まれる。

0096

イヌパルボウイルス「CPV」は、1978年に最初に単離され、イヌパルボ微少ウイルス(CMVまたはCPV‐1)と区別するためにCPV‐2と命名された。CPV‐2の最初の単離の約一年後に、遺伝的変異株CPV‐2aが同定された。1980年代半ばに、第二の遺伝的変異株CPV‐2bが同定された。CPV‐2aおよびCPV‐2bは、直ぐにCPV‐2に完全に取って代った。今日ではCPV‐2aは、もはや米国において検出されない[Parrish and Kawaoka,Annu Rev.Microbiol.,59:553‐586(2005)]。この科の第四番目のCPV変異株、CPV‐2cは、2000年に最初に記載された[U.S. 8,227,593;US. 8,258,274;Hong et al.,J.Vet.Diagn.Invest.(5):535‐9(2007)を参照されたい]。その双方の内容が参照することにより本明細書においてその全体が援用される、2012年12月19日に出願された米国仮出願61/739,067および2013年3月16日に出願された61/778,751は、特許手続上の微生物の寄託国際承認に関するブタペスト条約の要件を満たす条件下で、2013年1月24日にアメリカ培養細胞系統保存機関ATCC)(10801 University Boulevard,Manassas,Va.20110‐2209,U.S.A)に寄託された、特定の弱毒化CPV‐2c単離株(ATCC寄託番号PTA‐13492)を記載する。さらに、異種CPV‐2c/CPV‐2ゲノム、すなわちカプシドタンパク質をコードする領域がCPV‐2c単離株由来であり、ならびに非構造タンパク質をコードする領域がCPV‐2単離株由来である該異種ゲノムを含む、組換えイヌパルボウイルスが構築された[WO2011107534(A1);US 20120328652;WO2012007589(A1)その内容は参照することによりその全体が本明細書において援用され、それにおいてCPV‐2ゲノム内のカプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、CPV‐2cのカプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列により置換されていて、それによって異種CPV‐2c/CPV‐2ゲノムがもたらされる]。本明細書で用いる場合、「イヌパルボウイルス」を含む本発明のワクチンは、異種CPV‐2c/CPV‐2ゲノムを含む最近構築された組換えイヌパルボウイルスを含む、一または複数のこれらのCPV基準株/変異株/単離株を含み得る。

0097

本明細書で用いる場合、「非還元オリゴ糖」とは、グリコシド結合により結合した二ないし十個の単糖残基からなる炭水化物であり、塩基性水性溶媒中でアルデヒド基を含むいかなる化合物をも生じない。本発明の非還元オリゴ糖の例には、ショ糖、トレハロースおよびラフィノースが含まれる。

0098

本発明で用いる場合、「糖安定剤」は、非還元オリゴ糖(例えば、上記を参照されたい)または「糖アルコール」/ポリオール(例えば、ソルビトール、マンニトール、アラビトールイノシトール、マンニトール)である。

0099

本明細書で用いる場合、「バルキング安定剤」は、高温、すなわち25℃〜30℃またはそれ以上においてワクチンの安定化を促進する化合物である。該バルキング安定剤の例は、マンニトール、グリシン、デキストラン、マルトデキストリン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルデンプン、ポリエチレングリコール(400ダルトンないし20キロダルトンの範囲の分子量を有するPEG)、またはそのいずれかの組み合せである。特定の実施例において「バルキング安定剤」は、マンニトールである。

0100

本明細書で用いる場合、特に反対の明確な断りがない限り、固体添加剤、例えば非還元オリゴ糖またはタンパク質安定剤等のワクチン中のパーセント(%)は、重量/重量(w/w)および/または1%溶液が固体1g/ワクチン容量100mlであることに基づく、重量/容量(w/v)として与えられ得る。

0101

本明細書で用いる場合、特に反対の明確な断りがない限り、液体添加剤、例えばエタノール等のワクチン中のパーセント(%)は、1%溶液が液体添加剤1ml/ワクチン容量100ml(v/v)であることに基づく。

0102

本明細書で記述する場合、所定の製剤中の二つの剤の比、例えば、非還元オリゴ糖および/または糖アルコールに対するバルキング安定剤の比は、同一の単位、例えば(w/w)を有する剤に基づく。

0103

本明細書で用いる場合、「アミノ酸安定剤」は、荷電アミノ酸、すなわちアルギニン、リジン、グルタミン酸およびアスパラギン酸である。

0104

本明細書で用いる場合、「タンパク質安定剤」は、インタクトなタンパク質および/またはタンパク質加水分解物であり得る。特定の実施形態において本発明の「タンパク質安定剤」は、加水分解されたカゼインかまたはゼラチン等のコラーゲンコラーゲン誘導体である。本発明の室温安定なワクチンにおいて使用され得る全カゼイン加水分解物は、例えば、酸加水分解物または酵素加水分解物を含む、いくつかの方法によって得られ得る。該加水分解物は、カゼインにもともと含まれていた全アミノ酸を、混合されたアミノ酸およびペプチドの形態で含有する。本発明の室温安定なワクチンにおいて使用され得る一つの全カゼイン膵液加水分解物は、MP BiomedicalsによりCASEIN HYDROLYSATE ENZYMATIC(登録商標)として販売されている。同等の製品が、Sigma‐AldrichによりNZ‐AMINE(登録商標)、NZ‐AMINE(登録商標)A、NZ‐AMINE(登録商標)AS、NZ‐AMINE(登録商標)BおよびTryptoneという名で販売されている。

0105

本発明の室温安定なワクチンは、理想的にはpH5.5ないしpH8.5のpHで変動するので、本発明の室温安定なワクチンは緩衝化する薬剤、すなわち緩衝剤を含む。本発明の室温安定なワクチンにおける使用のための緩衝剤には、制限されるものではないが:ヒスチジン、リン酸カリウムおよび/またはリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムまたはピロリン酸カリウムイミダゾール、Tris、Tris‐ヒスチジン、BIS‐Trisおよびグッド緩衝剤:BIS‐TrisプロパンBTP)、PIPES、ACES、MOPS、MOPSO、BES、TES、トリシングリシルグリシンおよびHEPESが含まれる。緩衝剤は、いずれかの適した対イオンの使用により所望のpHに調整され得る。

0106

本明細書で用いる場合、本発明ワクチンの乾燥製剤における緩衝剤のpHが与えられるとき、当該pHは、ワクチンを乾燥製剤とするためにワクチンからすべての液体を本質的に除去(すなわち乾燥)する前の、緩衝液を含むワクチン製剤のpHである。本明細書で用いる場合、特に反対の明確な断りがない限り与えられるpH値は、25℃で定量/測定されたpH値である。

0107

多価ワクチン:本発明は、本明細書で詳述する通りヒト、家畜または伴侶動物ウイルスを含む、室温安定な多価ワクチンを提供する。本発明の室温安定なイヌ用多価ワクチンの例には、制限されるものではないが:次の弱毒化生ウイルスまたは組換えベクター:イヌジステンパーウイルス、イヌアデノウイルス2型、イヌパルボウイルス、イヌパラインフルエンザウイルス、イヌインフルエンザウイルス、イヌニューモウイルス、イヌコロナウイルス、イヌヘルペスウイルス、イヌ伝染性肝炎ウイルス、イヌ微少ウイルス、狂犬病ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、組換えウイルスベクター、例えば、イヌ病原菌および/またはネコ病原菌由来の異種抗原をコードし発現する、組換えイヌまたはネコウイルスベクター、の二以上が含まれる。

0108

さらに、本発明の室温安定なイヌ用ワクチンは、投与前に例えば、ボルデテラ・ブロンキセプティカ(Bordetella bronchiseptica)、マイコプラズマ属菌種(Mycoplasma species)、エールリヒア・カニス(Ehrlichia canis)、アナプラズマ属菌種(Anaplasma species)、レプトスピラ・カニコーラ(Leptospira canicola)、レプトスピラ・グリポテフォーサ(Leptospira grippotyphosa)、レプトスピラ・ハルジョ(Leptospira haradjo)、レプトスピラ・イクテロヘモラジア(Leptospira icterohaemorrhagiae)、レプトスピラ・ポモナ(Leptospira pomona)、レプトスピラ・インテロガンス(Leptospira interrogans)、レプトスピラ・オータムナリス(Leptospira autmnalis)またはレプトスピラ・ブラスラバ(Leptospira Bratislava);または死滅イヌインフルエンザウイルスまたは死滅イヌコロナウイルス等の一または複数の弱毒化または死滅抗原をさらに含み、および/またはその後組み合せられ得る。

0109

本発明は、組換えウイルスベクター、例えば、ヒト病原菌、および/またはサル病原菌、および/またはウシ病原菌、および/またはヒツジ病原菌、および/またはブタ病原菌、および/または家禽病原菌(例えば、ニワトリウイルス)から得られた異種抗原をコードする、組換えイヌパラインフルエンザウイルスベクター等を含む、室温安定な多価ワクチンをさらに提供する。

0110

同様に、本発明の室温安定なネコ用多価ワクチンは、以下の弱毒化生ネコウイルス:ネコヘルペスウイルス、ネコカリシウイルス、ネコニューモウイルス、ネコパルボウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ボルナ病ウイルス、ネコインフルエンザウイルスおよびトリインフルエンザの二以上を含み得る。室温安定な該ワクチンは、投与前に弱毒化または死滅クラミドフィラ・フェリス(Chlamydophila felis)および/またはバルトネラ属菌種(Bartonella spp.)(例えば、B.ヘンセラ(B.henselae))、をさらに含みおよび/またはその後組み合せられ得る。

0111

本発明の室温安定なワクチンおよび多価ワクチンは、乾燥製剤として保存されるので、従って個々の抗原は、薬剤的に許容可能な担体と混合し動物の受容者に投与する前に、別々にかまたはいずれかの組み合わせで包装され保存され得る。一つの該実施例において、イヌジステンパーウイルス抗原、イヌパラインフルエンザウイルスおよびイヌアデノウイルス2型抗原を含む多価ワクチンが、単一の乾燥製剤中に保存され、ならびにイヌパルボウイルス抗原が第二の乾燥製剤中に保存される。イヌの受容者に投与する前に、二つの乾燥製剤は担体と組み合され、イヌジステンパーウイルス、イヌパラインフルエンザウイルス、イヌアデノウイルス2型およびイヌパルボウイルス多価ワクチンを形成する。

0112

ワクチン投与:担体と混合された後に本発明の室温安定なワクチンは、いずれかの慣用法、例えば全身投与によって、または非経口的投与、制限されるものではないが例えば、皮下または筋肉内投与等によって投与され得る。担体と混合された後に本発明の室温安定なワクチンはまた、粘膜投与によって、例えば粘膜内、経口、気管内、直腸内投与および/または点眼等によっても投与され得る。あるいはワクチンは、皮膚パッチ乱切または局所投与により投与され得る。本発明の室温安定なワクチンはまた、受容者の飲料水および/または食物により投与されうると考えられる。該ワクチンは、さらにおやつまたは玩具の形態で投与され得ると考えられる。

0113

本発明のワクチン(多価ワクチンを含む)はまた、併用療法、すなわちワクチン自体に加えて一または複数のさらなる活性薬剤、治療等を施用することを含む該治療法の一部として投与され得る。その場合には、「治療的有効」量を構成するワクチン量は、ワクチンが単独で投与されればおおよそ「治療的有効」量を構成するだろうワクチン量であり得ることを認識されたい。他の治療法には、当該分野で既知の治療法、例えば鎮痛剤解熱剤去痰薬抗炎症剤抗ヒスタミン剤および/または液体の投与等が含まれ得る。

0114

免疫原性のレベルは、当該分野において周知の攻撃感染用量漸増法の技術によって定量し得る。該技術は、典型的には多数の動物被験体に種々の投与量のワクチンで接種すること、それから病原性ウイルスにより動物被験体を攻撃感染し、最小保護用量を定量することを含む。

0115

好ましい投与計画に影響する要因には、例えば、被験体の種または品種(例えば、イヌまたはネコの種、品種)、年齢、体重、性別食餌活動性の大きさ、および健康状態投与経路;使用される特定のワクチンの効能、安全性および免疫持続特性;送達系が使用されるかどうか;およびワクチンが薬剤および/またはワクチンとの組み合わせの一部として投与されるかどうか、が含まれ得る。従って特定の動物に対して実際に用いられる用量は変動し得て、従って上記の典型的な用量から逸脱し得る。該用量調整を決定することは、一般的に慣用法を使用するワクチン開発の分野の当業者の技術の範囲内である。

0116

同様に、該服用量が投与され得る容量は、典型的には0.1mL(典型的には皮内または経皮適用にとって)および5.0mLの間である。投与量の典型的な範囲は、0.2および2.0mLの間であり、筋肉内または皮下投与に対しては1.0および2.0mLの間である。

0117

ワクチンは、動物受容者に単回または代わりに数日、数週、数カ月または数年にわたり二回以上投与され得る。いくつかの実施形態においてワクチンは、少なくとも二回投与される。特定の該実施形態において、例えばワクチンは、初回投与の少なくとも2週間後に投与される二回目の投与(例えば、ブースター)により、二回投与される。特定の実施形態においてワクチンは、初回投与の長くても8週間後に投与される二回目の投与により、二回投与される。他の実施形態において二回目の投与は、初回投与の1週間後から2年後、初回投与の1.週間後から8週間後または初回投与の2週間後から4週間後に投与される。他の実施形態において二回目の投与は、初回投与の3週間後に投与される。

0118

上記の実施形態において初回およびその後の投与は、量および/または形態等において変動し得る。しかしながら多くの場合、投与は量および形態において同じである。単一の用量だけが投与されるとき、その用量単独におけるワクチン量は、一般的に該ワクチンの治療的有効量を含む。しかしながら二以上の用量が投与されるとき、これらの用量における総ワクチン量が治療的有効量を構成し得る。さらにワクチンが最初に投与され、その後ブースターが投与され得る。ワクチンのあとの投与はまた、ブースターが投与されたかどうかにかかわらず、年一回(1年)または二年に一回(2年)を基準としても行われ得る。

0119

本発明は、本発明の代表的な例として提供される、以下の非限定的な実施例を参照することによってより良く理解され得る。以下の実施例は、本発明の実施形態をより完全に説明するために示される。それらは、しかしながら本発明の広い範囲を限定するものと解釈されてはならない。

0120

実施例
材料および方法
材料:最小限、ACSグレード(アメリカ化学規格適合)のショ糖およびソルビトールを、Fisher Scientificから購入する。98%以上の純度を有する分子生物学グレードのL‐アルギニン塩酸塩、L‐メチオニン、L‐ヒスチジン、マンニトール、硫酸マグネシウム、エクトイン、ヒドロキシエクトイン、グリシンおよび食塩を、Sigmaから購入する。純度>95%の平均分子量70,000を有するデキストランを、Sigmaから購入する。分子生物学グレードの1.OM Tris(pH8.0)およびEDTA(pH8.0)溶液を、Sigmaから購入する。ブルーム250のゼラチンの20%溶液およびNZ Amine AS溶液を、最も入手可能な販売供給業者から調製した。

0121

原液(stock solution)調製:以下の溶液:80%のショ糖、70%のソルビトール、1.0M L‐アルギニン(pH7.2)、5%のL‐メチオニンおよび5mM硫酸デキストラン溶液を調製し、0.2μmの濾過によって滅菌した。6.5ないし9.5の間の力価を有する原体抗原CDV、CAV2、CPVおよびCPIを、混合する直前解凍するように−80℃で凍結した。

0122

ワクチンの混合、充填および乾燥:ウイルス抗原および安定剤を、製剤表に掲載する通り、各成分の最終濃度になるまで混合する。溶液を目標容量とするために、脱イオン水を使用する。ワクチン混合液中の全成分を撹拌プレート上で少なくとも10分間、撹拌により徹底的に混合する。バイアル中で乾燥されるワクチンについて、混合液をバイアル当たり0.5mLで2.2ccのガラス製バイアルに分注し、それから表4に示す通り展開される乾燥サイクルを使用して凍結乾燥器で凍結乾燥する。ビーズ(例えば、溶媒圏(lyosphere)/スフェリオン(sphereon))中で乾燥されるワクチンについて、混合液を一滴当たり100μLで超低温ステンレス製の型に分注し、凍結した球状のビーズを得た。凍結したビーズをトレイに移し、表5に示すように最適乾燥サイクルを使用して、凍結乾燥器で凍結乾燥した。膜上で乾燥されるワクチンについて、ワクチン混合液を膜上に分注し、それから膜を100ないし1000ミリトールに制御された真空により、25℃で約16時間チャンバー内で乾燥する。

0123

加速温度およびリアルタイムにおける安定性試験
45℃および37℃での加速安定性試験を、種々の製剤をスクリーニングするために使用する。望む場合には、優れた製剤を27℃での長期間のリアルタイム試験においてモニターする。示した時点において各製剤から3試料回収し、各抗原の力価を組織培養に基づく滴定試験法によって測定し、50%組織培養感染量(TCID50)としておよび/または50%蛍光抗体感染用量(FAID50)として報告する。

0124

分析方法
CPI効力:ウイルス試料の希釈液を、イヌ(DK)細胞に接種する。4〜6日後に、単層細胞を固定し、蛍光標識CPI抗血清で染色し、ウイルス力価スピアマンカーバー法によって計算する[Cunningham,C.H.A Laboratory Guide in Virology(ウイルス学実験ガイド),7th edition(第7版),Burgess Publishing Co.,Minneapolis(ミネアポリス),MN(ミネソタ州).(1973);Kaplan,M.M. and Koprowski,H.,Laboratory Tchniques in Rabies(狂犬病実験技術),Word Health Organization(世界保健機関),Switzerland(スイス),(1973)]。

0125

CDV効力:ウイルス試料の希釈液を、ベロ細胞に接種した。5〜7日後に単層細胞を細胞変性効果について観察し、上記引用の通りスピアマン‐カーバー法によってウイルス力価を計算する。

0126

CAV2効力:ウイルス試料の希釈液を、DK細胞に接種した。7日後に単層細胞を細胞変性効果について観察し、上記引用の通りスピアマン‐カーバー法によってウイルス力価を計算する。

0127

CPV効力:ウイルス試料の希釈液を、DK細胞に接種した。3日後に単層細胞を蛍光標識CPV抗血清により染色し、上記の通りスピアマン‐カーバー法によってウイルス力価を計算する。

0128

乾燥ワクチンの水分および熱分析:バイアル中またはビーズ中の凍結乾燥ワクチンの水分を、伝統的な真空オーブン重量法またはカールフィッシャー法を使用して定量した。[凍結乾燥試料残留水分含量(RMC)は、0.5%から3%(w/w)まで変動することが見出だされた。]凍結乾燥ビーズまたはバイアル中のケーキのガラス転移温度を、示差走査熱量測定DSC)装置で定量した。特に断りのない限りRMCは、凍結乾燥製剤中のパーセント(w/w)として示す。

0129

実施例1
安定剤の調製
各製剤の最終乾燥ワクチン中の各成分の最終目標濃度(w/w)を、表1aおよび2aに示す。各製剤のワクチン混合液中の各成分の最終濃度を、表1bおよび2bに示す。プラスチックトレイ中でビーズ(例えば、溶媒圏(lyosphere)/スフェリオン(sphereon))として乾燥されるワクチンについて、ワクチンの各用量は、100μLまたは250μLである。ガラス製バイアル中でケーキとして乾燥されるワクチンについて、用量は250μL、または500μLまたは1000μLである。表1aおよび2aに示す乾燥ワクチン中の安定剤について、すべての濃度単位は、総投与ワクチン重量がmgである以外は、重量分の重量(w/w)である。表1bおよび2bに示すワクチン混合液中の安定剤について:糖およびタンパク質に対する濃度は、容量分の重量(w/v)のパーセンテージであり、アミノ酸、カチオンおよび緩衝剤に対する濃度は、モル濃度(M)またはミリモル濃度(mM)であり、エクトインおよびヒドロキシエクトインに対する濃度は、容量分の重量(w/v)である。表1bおよび2bに示す全ての濃度は、ウイルス抗原を含むワクチン混合液における最終濃度である。製剤SP33およびSP34中のL‐アルギニンは、それぞれリン酸塩または酢酸塩である。他のすべてのL‐アルギニン製剤は塩化物塩である。pHは、ウイルス抗原を含むワクチン混合液の最終pHである。製剤中のすべての緩衝剤は、10mMの最終濃度を有する。KPO4は、リン酸一カリウムおよびリン酸二カリウムを含み、7.2の目標pHを有する、リン酸緩衝剤である。表1bおよび2bに記載された安定剤を適量の水と徹底的に混合し、それからウイルス抗原を添加し、ワクチン混合液を分注し、次の、ワクチン混合液を分注し、凍結し、およびビーズかまたはバイアルの中で凍結乾燥する前に、徹底的に混合する。

0130

実施例2
37℃および45℃試験と27℃安定性相関関係
高温での加速安定性試験を、種々の安定剤をスクリーニングするために使用する。これらの試験において、45℃および37℃の高温を加速安定性試験のために使用する。リアルタイムの長期安定性試験を27℃で実施する。種々の安定剤または製剤をスクリーニングするために、45℃および37℃での加速安定性試験を使用し得るかどうかを検討するために、各ウイルスに対する45℃、37℃および27℃での少なくとも三つの製剤の安定特性を比較した(表3)。各時点におけるウイルス力価ならびに力価喪失の全体的な傾向に基づいて、種々の製剤における相対的なウイルス安定性をランク付けする。異なる温度における同一の製剤に対して、同様のランク付けを使用する。表3に示す通り、すべての3の温度の間で、加速およびリアルタイム安定性試験の間には緊密な相関関係がある。45℃、37℃および27℃での相対的な安定性成績は、種々の製剤中の四つのすべてのウイルスに対して常に一貫性がある。ほとんどの製剤についてランク付けは、三つのすべての温度の間で一貫性がある。従ってデータは、45℃および37℃が、特に群中の最良および最悪の製剤を区別するための、信頼できる製剤スクリーニング加速法であり得ることを示す。45℃および37℃の高温において非常に類似する安定特性を有するいくつかの製剤について、どの製剤が27℃(リアルタイム)においてより良好な安定性を与えるか、を推定することはそれ程容易ではない。DHPPi(CDV、CAV2、CPVおよびCPI)のための製剤スクリーニングにおいて、種々の安定剤および賦形剤をスクリーニングし優れた製剤を同定するために、45℃および37℃での加速安定性試験を使用する。それから望むならば、27℃での長期リアルタイム安定性試験により優れた製剤を確認し得る。

0131

実施例3
種々の製剤中のウイルスのための乾燥プロセス
安定剤およびウイルス抗原を徹底的に混合した後、ワクチン混合液のガラス転移温度(Tg)プライム示差走査型熱量計(Perkin Elmer)により測定した。表1および2中のすべての製剤は、−40℃より高いTgプライムを有する。これらの結果に基づき、それぞれ凍結ワクチンビーズおよびバイアル中の液体を乾燥するために、表4および5の乾燥サイクルを使用する。

0132

乾燥ヒ゛ース゛中でワクチンを調製するために、最初に、予備冷却したステンレスプレート(−110℃ないし−130℃)中のウェルにワクチン混合液を滴下することによって、ビーズ当たり100μLの凍結ワクチンビーズを調製する。凍結ビーズをトレイに収集し、凍結乾燥器で乾燥するまで−80℃に保存した。ワクチンビーズの凍結乾燥の直前に、凍結乾燥器のを−20℃に予備冷却し、トレイ中のワクチンビーズを素早く棚上に積載する。表4に示す乾燥サイクルによる凍結乾燥後、乾燥アルゴンまたは乾燥窒素ガスを使用して真空を解除する。ビーズの乾燥トレイを、乾燥アルゴンまたは窒素によりホイルパウチ密閉する。

0133

ワクチンをバイアル中のケーキとして調製するために、ワクチン混合液をバイアル当たり250μLで2.2ccのガラス製バイアルの中に分注した。それから充填されたバイアルに栓をし、凍結乾燥器中の4℃に予備冷却された棚に移した。表5の乾燥サイクルを使用して、バイアル中のワクチンを凍結乾燥した。凍結乾燥後、真空を解除し、バイアルを乾燥アルゴンまたは窒素ガスにより充填した。それからバイアルをゴム栓により完全に密閉し、その後けん縮機によりさらに蓋をした。

0134

実施例4
凍結乾燥CDV、CAV2、CPIおよびCPVの安定性結果
ビーズ中で乾燥されたウイルスについて、抗原を含む凍結乾燥ビーズを乾燥窒素相対湿度(RH)<1.0%]によりグローブボックスの中で容器の中へ包装し、その後異なる温度において安定性を試験する。バイアル中においてケーキとして乾燥された試料について、密封されたバイアルを保存箱に入れ、その後、異なる温度においてインキュベータ—中において安定性を試験する。異なる時点において、試料をインキュベーターから回収し、各ワクチンの効力を細胞培養に基づく滴定法を使用して滴定する。

0135

各時点において、同一の製剤の少なくとも三個のバイアルを回収し、効果試験のためにバイアル当たり1mLのPBSにより再構成した。ウイルスの効力を、細胞培養に基づくTCID50および/またはFAID50法を使用して定量した。製剤のスクリーニングを、種々の試験において段階的に実施する。各試験は、他の試験と比較するために、少なくとも一のベースラインとなる製剤を含む。各試験内において、種々の製剤を一または複数の「+」で点数化し、それから複数時点における相対的な安定性データに基づいてランク付けした。+の数が多いほど、試料中の特定の試験ウイルスの相対的な安定性は良好である。

0136

ほとんどのSPxx製剤について、ビーズ(例えば、溶媒圏(lyosphere)/スフェリオン(sphereon))の物理的安定性は、長期間保存の間のビーズまたはケーキの外観における変化がなく許容可能であり、それ故に物理的安定性のランク付けは掲載しない。SPCPVxx製剤について、物理的安定性は製剤中の成分に依存して変化した。乾燥ワクチンの物理的安定性を、Tgによっておよび物理的外観を肉眼的点検することによってランク付けした。

0137

表6は、種々の製剤中の27℃での四つのウイルスの安定性、およびそれらの27℃での推定シェルフライフを示す。これらの試験において、CDV、CPI、CAV2およびCPVに対する目標抗原のインプットの力価[Log10(TCID50)]は、それぞれ7.0、7.0、4.0および5.0であった。各抗原についての失効時における最小力価を、CDV、CPI、CAV2およびCPVそれぞれに対して4.7、5.0、3.3および4.5に設定した。種々の製剤におけるDHPPiについての推定シェルフライフを、安定性試験の間の複数の時点における力価変化の傾向から計算する。CPIについての推定シェルフライフは、失効時における最小力価である5.0に基づいており、CPIに対する抗原のインプットは0.5log以上である。他の試験において、表6に掲載した製剤と比較して、数個の優れた製剤が45℃および37℃での改善された安定性を示した。これらの優れた製剤を、27℃での長期間のリアルタイム安定性試験によって再試験し得る。表6に示すデータは、現在のワクチン製造仕様を使用して、SP10製剤がCDV、CAV2およびCPIについて最小限27℃で18か月またはそれ以上のシェルフライフを提供し得ることを示している(CPI抗原のインプットは0.5log以上)。

0138

表7は、45℃加速安定性試験を使用して同定された数個の優れた製剤を示す。CDV、CAV2、CPIおよびCPVウイルスをこれらの製剤に混合し、それからビーズ中で凍結乾燥する。ビーズを乾燥窒素によりバイアル中に密閉し、それから45℃で安定性試験にかけた。同様に安定性のランク付けは、時間経過に沿う各時点における力価および力価変化の速度に基づいている。表7に示す通り製剤SP43およびSP44は、SP10よりもCDVおよびCPIに対して顕著に良好な安定性を提供する。SP10における安定性と比較してSP44におけるCDVおよびCPIの双方に対して、1、2および4週目において3.2倍(half−log)以上の改善が存在する。同様にSP44はまた、CAV2に対してSP10よりも顕著に良好な安定性を提供する。SP44についての45℃での加速試験から得られるデータをSP10についての27℃で得られる当該データと比較するとき、SP10と比較しての製剤SP44についての安定性の改善は、27℃で24か月またはそれ以上のシェルフライフを有する安定なCDV、CAV2およびCPIワクチン(DHPiワクチン)をもたらすと推定し得る。

0139

ウイルス安定性に及ぼす安定剤または賦形剤の効果を、CDV、CPI、CAV2およびCPVの製剤スクリーニングの間に徹底的に評価した。いくつかのスクリーニング例を、表8〜13に掲載する。

0140

ウイルス安定性に及ぼす緩衝剤およびpHの効果を、表8に示す。表8に記載の試験においてワクチンを、バイアル中でケーキとして凍結乾燥した。表の通りすべて四個のウイルスを製剤中に混合し、ガラス製バイアルに充填し、それから表5に示す乾燥サイクルを使用する方法に記載された通り凍結乾燥器内で凍結乾燥した。掲載する緩衝剤[リン酸カリウム緩衝剤(KPO4)、ヒスチジン、ビス‐trisプロパン緩衝剤(BTP)およびMOPS(3‐(N‐モルホリノプロパンスルホン酸)]およびpHにおける差異を除いて、本試験におけるすべての製剤は、4%のマンニトール、5%のショ糖、0.8%のゼラチン、1.0%のNZアミンおよび2mM MgSO4を含む。本試験におけるすべての製剤はまた、表に掲載する最終pHを有する10mM緩衝剤も含む。各ウイルスについての45℃および37℃での安定性のデータを、製剤をランク付けするために使用する。

0141

表8に提供するデータは、CDV、CPIおよびCAV2が中性またはより高いpHでよりもより低いpH(6.5)においてより良好な安定性を有し、一方でCPVが中性ないしより高いpH(7.6)においてより良好な安定性を有することを示す。CDVおよびCPIは、試験した他の二個の緩衝剤よりもKPO4またはヒスチジンにおいてより安定であるが、一方でCAV2およびCPVの安定性は、使用される緩衝剤にさほど依存しないように思われる。

0142

ワクチンの安定性に及ぼす糖濃度および糖の組み合せの効果を、表9aおよび9bに示す通り検討した。糖濃度を表9aに掲載し、45℃および37℃でのこれらの製剤中のウイルスの安定性を表9bに掲載する。本試験においてすべての製剤は、同一のウイルス原体抗原のインプットを有し、これらの製剤中のウイルスはビーズの中で凍結乾燥された。相対的な安定性のランク付けは、種々の製剤における各ウイルスに対する45℃および37℃の双方における、ならびに複数の時点における安定性のデータに基づく。表9aおよび9bのデータは、CDV、CPIおよびCAV2の安定性が、糖濃度への強い依存性を有し、4〜30%の範囲において糖の濃度が高いほどウイルスの安定性が良好であることを示唆する。データはまた、ショ糖およびトレハロースの組み合せ(Suc+TrH)がショ糖またはトレハロース単独よりも良好に作用するように思われることも示唆する。

0143

ウイルスの安定性に及ぼすL‐アルギニン濃度の効果もまた検討した(表10)。製剤SP02B、SP26およびSP27は、L‐アルギニン塩酸塩の濃度のみによって異なる。[いくつかのデータ点についてデータは、分析無効のために入手できない(n/a)]。45℃および37℃で得られたデータに基づくと、CDV、CPIおよびCAV2の安定性は、アルギニン濃度に依存し、アルギニン濃度が高いほどより安定であると思われる(表10)。

0144

種々のアルキ゛ニン塩またはグルタミン酸と組み合わせたアルギニンの濃度の効果を、更に検討した(表11aおよび11b)。表11aは、各製剤中のアルギニンの濃度および塩、およびグルタミン酸濃度および乾燥ワクチンの対応するTgの開始点を示す。すべての製剤は、前述のアルギニンおよびグルタミン酸における差異を除けば同一である。L‐アルギニンを種々の酸によりpH7.2に調整して、種々のアルギニン塩を作成した。開始点Tgは、製剤中の凍結乾燥ワクチンビーズのガラス転移温度の開始点である。開始点Tgは、示差走査熱量計によって定量し、少なくとも3回の反復の平均である。表11aに掲載される製剤の45℃および37℃での安定性を、表11bに示す。相対的な安定性もまたランク付けし、表11bに掲載する。表11aおよび11bに示す通り、異なるL‐アルギニン塩は、異なる安定性への効果を有し得る。製剤SP33中のアルギニンリン酸は、かなり高いTgをもたらすにもかかわらず、すべて3個のウイルスの安定性は、他のアルギニン塩と比較して減少した。製剤SP35における0.15M一塩基性グルタミン酸ナトリウムと0.15Mアルギニン塩化物との組み合わせは、SP10に見出される安定性と比較してすべて3個のウイルスの安定性をわずかに改善した。

0145

エクトインおよびヒドロキシエクトインは、好塩性微生物に見出される天然化合物である。双方とも、浸透圧調整剤として作用することによって、保護物質として役立つ相溶性溶質であり、それ故に塩および温度ストレスへの耐性を与えて、微生物が極端浸透圧ストレスを生き抜くことを助ける。エクトインもヒドロキシエクトインも、多くの他の生物製剤と同様に、強力なタンパク質の安定剤であることが明らかにされている。そこでCDV、CPIおよびCAV2の安定性に及ぼすそれらの安定化効果を試験した。製剤SP39およびSP40は、さらにそれらがそれぞれエクトインまたはヒドロキシエクトインを含む以外はSP10と同一である(表13)。三つの保存温度での安定性データを、それらの安定化効果を評価するために使用した。これらの3個のウイルス画分を含むワクチン混合液を、同じ乾燥サイクルを使用してビーズ中で凍結乾燥した。

0146

安定性のランク付けは、3温度(45℃、37℃および27℃)の安全性データに基づく。表13における安定性データおよび安定性ランク付けは、エクトインおよびヒドロキシエクトインの双方が、37℃および27℃でのCDVおよびCPIの安定性を改善しうるが、45℃での安定化効果はそれほど顕著でないことを示す。CAV2に及ぼすエクトインおよびヒドロキシエクトインの安定化効果は、その低い劣化曲線のために判別し難い。

0147

実施例5
凍結乾燥CPVの安定性結果
種々の製剤中における一価CPVの安定性もまた評価した。CPVを生存に適した室温安定な製剤、例えば、SPCPV‐02およびSPCPV‐03中で他の三個のイヌウイルスと共に含むことができて、製剤はCPVに対し27℃で約18か月のシェルフライフを提供し得るにもかかわらず、試験した四個の異なるイヌウイルスの中でCPVは、その最適な室温安定性に関し最も異なる。

0148

それ故にCPVは、CDV、CPIまたはCAV2とは違って糖への異なる嗜好性を有し、例えば、還元等よりもソルビトール等の糖アルコールにより一層安定である。しかしながらソルビトールの存在下でさえも、凍結乾燥ビーズまたはケーキの物理的安定性は、しばしば保存中に乾燥ビーズ収縮または崩壊をもたらし得る。それ故に、乾燥CPV製剤の効力の安定性および物理的安定性の双方を、製剤スクリーニングの間モニターした。特に一価CPVワクチン製剤のスクリーニングは、ウイルスの効力安定性を乾燥製品の物理的安定性と釣り合わせるワクチン製品を達成するための、モデル試験であることが判明した。

0149

表14は、五個の異なる製剤における45℃、37℃および27℃でのCPVの安定性データを示す。一価CPVをこれらの製剤中に混合し、次に100uLサイズのビーズとして凍結乾燥する。本試験におけるすべての製剤は、緩衝剤としてpH7.2の10mM KPO4、およびバルキング安定剤として2%のデキストラン70kおよび2%のグリシンを含んだ。各製剤のソルビトール濃度(w/v)を表に示す。すべての製剤はまた、安定化タンパク質「GN」(ゼラチンおよびNZ‐Amine)も含んだ。1×GNは:0.8%のゼラチンおよび1.0%のNZ Amineであり;一方、2.5×GNは:2.5%のゼラチンおよび2.5%のNZ Amineである。効力安定性のランク付けは、45℃、37℃および27℃でのウイルス力価の変化に基づく。物理的安定性のランク付けは、ガラス転移温度(Tg)および凍結乾燥後および安定性試験の間の凍結乾燥ビーズの物理的構造の外観に基づく。より高いTgおよびビーズの物理的構造を維持するより強い傾向は、物理的安定性における好成績をもたらす。

0150

表14における安定性データは、より高い濃度のソルビトールがCPVの効力安定性に役立つが、ワクチンの物理的安定性を減ずること;一方でより高いタンパク質濃度が理的安定性に有益であることを示す。さらにL‐アルギニンの混入は、CPVの安定性になんら負の効果を有さなかった。

0151

デキストランおよび異なる濃度のソルビトールの効果を、表15に要約した試験においてさらに評価した。表15のすべての製剤は、2%のグリシン、2.5%のゼラチン、2.5%のNZ AmineおよびpH7.2の10mM KPO4を含む。さらにすべての製剤は、ソルビトールおよびデキストラン70kを含む。一価のCPVをこれらの製剤に混合し、次に100uLサイズのビーズとして凍結乾燥する。これらの製剤の効力安定性および物理的安定性を、表15の試験の通り同様にランク付けする。表15のデータは、より高い濃度のデキストラン70kが凍結乾燥CPVビーズの物理的安定性に有益であるが、効力安定性を6%で損なうことを示す。その一方で、より高いソルビトール濃度は、効力安定性に有益であるが、ビーズの構造を維持するためには中濃度のデキストラン70kが必要である。本試験のデータは、ソルビトールおよびデキストラン70kの最適な組み合わせが、高い効力および高い物理的安定性の双方を有する最適な凍結乾燥CPVワクチンのために必要であることを示唆する。

0152

実施例6
ウイルス安定性に及ぼす異なる乾燥方式の効果
異なる方式で乾燥されたワクチンが異なる安定特性を有するかどうかを検討するために、同一の製剤中のウイルスをバイアル中のケーキとしてかまたはトレイ中のビーズとして乾燥し、それからそれらの安定性を比較した。表16は、SP02Bのビーズ中およびFDIV‐03のケーキ中のCDV、CAV2およびCPIの安定性試験結果を示す。(実際上は、SP02BおよびFDIV‐03は同一の製剤である)。表16から分かるように、バイアル中のCDV、CPIおよびCAV2の安定性は、ビーズにおいて観察されるそれと同等(またはわずかにより良好)であった。本試験におけるデータは、ビーズにおいて確認された最適製剤がまた、バイアル中でケーキとして乾燥されるウイルスワクチンのためにも使用され得ることを示唆する。

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