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技術 工作物にスタッドを溶接するためのフェルール

出願人 ネルソンスタッドウェルディング,インコーポレイテッド
発明者 クラーク・ビー・チャンプニー
出願日 2014年8月26日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2016-539017
公開日 2016年9月23日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2016-529109
状態 特許登録済
技術分野 アーク溶接一般
主要キーワード 同軸開口 外コーナー 円錐状内壁 サポート脚 円筒形内壁 内コーナ 円筒状内壁 溶接組織
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明はフェルールを使用して工作物スタッド溶接する方法を提供する。スタッド溶接作業中、スタッドはフェルールの穴に適切に芯出しされ、スタッド作業中に形成される溶融溶接金属はフェルールの穴に閉じ込められ、溶接中に形成されるガスは穴の上部を通してフェルールの外に排気される。本発明はさらに、本体の上面の近傍の内壁から内方に延び、少なくとも1つの溝を規定する少なくとも1つのリブを有する本体を有するフェルールを提供する。溶接作業中、少なくとも1つのリブはフェルール内にスタッドを芯出しするように構成され、少なくとも1つの溝は、溶接作業中に形成されるガスがフェルールから外に排気するように構成されている。

概要

背景

フェルールは長い間、溶接作業で使用されてきた。例えば、米国特許第2,268,416号は、「溶接組織」と題し、1941年12月30日にネルソン発行された。‘416特許は、溶接作業で使用される以前から知られたフェルールの一つを開示している。’416特許のフェルール(18)は、該フェルール(18)のネック部にスタッド(11)をぴったりと受け入れる。フェルール(18)へのスタッド(11)の嵌合は、スタッド(11)がフェルール(18)内に芯出しされることを保証し、工作物へのスタッド(11)の最終溶接が適切に位置決めされる(すなわち、工作物に対して望まれない角度では設けられない)ことを保証する。スタッド(11)の端は、フェルール(18)の座ぐり(counterbore)(19)に配置される。フェルール(18)は平坦な作業面(例えば、スタッドが溶接される工作物と接触するフェルールの面)を有する。スタッド(11)の端を囲む座ぐり(19)部は、スタッド(11)が軸方向水平位置で溶接されるとき、大量の溶融材料アークギャップから落ちるのを防止する。また、スタッド(11)の溶融端が工作物のアーククレーターに押し込まれるとき、工作物の面と接触しているフェルール(18)は、座ぐり(19)の径への溶融金属半径方向スパッタリングを制限する囲い込み(enclosure)を形成する。このため、大部分の金属はスタッド(11)の接合部の近傍に閉じ込められ、この結果最大強度の溶接が得られる。

米国特許第2,416,204号は、「電気スタッド溶接用ベント成形フェルール」と題し、1947年2月18日にネルソンに発行された。‘204特許は、‘416特許に教示されたフェルールへの改良を提供した。‘204特許のフェルール(4)もまた、フェルール(4)のネック部にスタッド(2)をぴったりと受け入れる。スタッド(2)の端は、これもまたフェルール(4)の座ぐり(7)に設けられる。フェルール(4)は、スタッド端を間近に包囲する空間にフラックス、溶融金属、及びホットガスを閉じ込める手段として設けられているが、ホットガスの閉じ込めは溶接部の近傍に接近することができず、閉じ込めは完全ではないことに気が付いた。‘204特許の改良は、フェルール(4)の平坦な作業面に、該作業面を半径方向に横切って延び、その回りに均等に配置される通路又は凹部(18)を設けることであった。通路又は凹部(18)は、ホットガスを一方又は他方から場当たり的に吹き出したり飛び散らせ(‘416特許のフェルール(18)で生じるかもしれないが)、結果として良好な溶接に必要な金属の均一で完全な溶融を乱すような方法の代わりに、溶接時に形成されるホットガスを通路(18)を通して逃がす機能を有する。結合の強度は、溶接部を包囲するチャンバ内の圧力を開放し均一にする排気の効果により向上する。

米国特許第2,493,283号は、「溶接用フェルール」と題し、1950年1月3日にエバンズに発行された。‘283特許は、作業面(10)にベントを有しないフェルールを教示したが、セラミックフェルールの壁(12)を貫通して設けられた穴又は通路(14)を介して加熱ガスを排気させている。‘283特許は、排気を設けることが好ましいが、このような形態は滑らかな隅肉(fillet)が望まれるときにむらのある隅肉を生じるので、排気がフェルールの縁で生じないことが好ましいことを教示している。しかし、‘283特許のフェルールは、溶接部位近接する連続壁を有しないフェルールを提供し、また‘283特許のフェルールは製造するのが非常に困難である。粉末粘土プレスする工具は、ベント通路を形成するピンを有する必要があり、加圧ダイは多くの部品を有する必要があり、ピンはプレス操作中に進退させる必要があり、粘土形成ダイは上部と下部に分離される必要がある。フェルールの壁を貫通するベントを形成するピンはさらに、粘土の圧縮を妨げる。

米国特許第2,788,435号は、「フェルール」と題し、1954年12月6日にマラスに発行された。‘435特許は、矩形のスタッド(14)を溶接するための歯(21)を備えるフェルール(13)を示す。歯(21)は溶接アーク存在中に形成されるガスの十分な排気を提供する。

米国特許第3,004,139号は、「電気アーク溶接のための溶接スタッド及びフェルール構造」と題し、1961年10月10日にダッシュに発行された。‘139特許は、‘283特許と同じで、フェルールの作業面に通路又は凹部を有するという欠点があることを教示している。さらに詳しくは、‘139特許は、これらの通路又は凹部はガスの排気を可能にするが、過剰な溶接金属の望まれない流出もまた可能にする。過剰な溶接金属の流出は溶融金属の飛び散りという形で生じ、人に危険であるだけでなく、溶接金属の浪費である。過剰の金属はフェルールが工作物から上昇することを引き起こし、溶融金属をフェルールの下方から漏出させ、(溶接金属を閉じ込めるという)フェルールの目的を無効にする。このような過剰な溶接金属の漏出は不満足な溶接を引き起こす。例えば、図1と2は、フェルールの作業面の排気手段による不満足な溶接を示し、図1は、溶接玉(welding berries)50として当業者に知られているものを形成する溶接作業を示し、図2は、くも脚(spider legs)55として当業者に知られているものを形成する溶接作業を示す(両者は除去する必要がある)。

‘139特許の解決手段は、‘283特許と同様に、フェルール(30)の作業面(31)からベントを除去し、その代わりにネック部にフェルール(30)の穴を有することである(すなわち、開口(33)はスタッド(11)の径より大きな径を有する)。このため、フェルール(30)の開口(33)はガスの放出を可能するが、溶接金属のすべては実際にはフェルール(30)のチャンバに閉じ込められる。しかし、‘139特許のフェルール(30)は、フェルール(30)に対するスタッド(11)の適切な芯出しと、そこに含まれる溶融溶接金属の溜まりを保証する能力犠牲にしている。

米国特許第3,021,418号は、「スタッド溶接フェルール」と題し、1962年2月13日にバン・デン・ブリンクらに発行された。‘418特許は、端面にベントがないスタッド溶接用のセラミックフェルールの使用を提供している。フェルール(6)はスタッド(3)と協働して使用され、スタッドには、環状フェルール本体に嵌合する面の周りバリ(burrs)(5)が形成されるように、長手溝(4)が形成されている。フェルール(6)の穴の内径とスタッド(3)の外径との間にバリ(5)によって形成される溝と空間が、溶接中の加熱ガスの排気のための通路を提供する。しかし、‘418特許は、スタッド溶接過程で必要とされるフェルール(6)でのスタッド(3)の前後移動を可能にするよりも、フェルール(6)とスタッド(3)の間の締りばめ(interference fit)が一方又は他方に対する角度により生じることを記載している。

米国特許第3,182,173号は、「アーク溶接用溶接スタッド及びフェルールの構造」と題し、1965年5月4日にダッシュに発行された。‘173特許は、フェルールにおけるさらなる排気の特徴を提供している。例えば、‘173特許は、フェルールチャンバ(24)の円筒壁(19)(例えば、ネックの下方に設けられたフェルール(18)の部分)がガスの排出を可能にする補助ベントを備えてもよいことを教示している。代案として、又は結合して、下部フェルールチャンバ(24)の円筒壁(19)は、上部自由開口(22’)を通してガスの排出を可能する内部垂直溝(25)を備えていてもよい。‘173特許に図示された各実施形態では、フェルール(18)の上部(21)(例えば、ネック部)は、スタッド(10)の脚部(11)より実質的に大きい同軸開口(22)を備え、これによりスタッド(10)の脚部(11)は自由に又はゆっくりと開口(22)を通ることができ、ガスはフェルールチャンバ(24)から容易に出ることができる。したがって、‘139特許のフェルール(30)のように、‘178特許のフェルール(18)は、フェルール(18)の穴又はチャンバに対するスタッド(10)の適正な芯出しを保証する能力を犠牲にしている。

米国特許第3,291,438号は、「溶接フェルール」と題し、1966年12月13日にローガンに発行された。‘438特許は、下縁に複数のサポート脚(26)を有するセラミック溶接フェルール(10)の使用を示し、当該サポート脚はフェルール(10)の内側壁(32)から外側壁(33)まで延びる第1壁(30)と第2壁(31)を有する。サポート脚(26)は下部穴部(16)を貫通するスロット又は開口(36)を規定している。面を通るベントに加えて、フェルール(10)は、複数の上部穴(15)の壁に周方向に配置されたベント又はV形ノッチ(23)を有し、当該ベント又はV形ノッチは上部穴(15)の全長の軸方向に延びている。したがって、‘438特許は、フェルール(10)のネックにある複数の溝(23)と協働してフェルール(10)の面に複数のベント(36)の使用を要求している。

米国特許第4,117,297号は、「スタッド溶接用フェルール」と題し、1978年9月26日にショーレに発行された。‘297特許は、接触面の一部の周りにベント用のノッチを有し、接触面の残りの部分にベントがない様々なセラミックフェルールを示している。接触面の一部にベントがないことは、垂直面に溶接するときに重力により溶接アークを不安定にし、縁、長い部品、及びグランド接続又はケーブルの位置により磁気アークブロー(magnetic arc blow)を生じさせる目的を有する。‘297特許のフェルールは、アークブローの方向と反対のベント又は小さな穴を塞いで配置することができる。‘297特許の図4−6は、スタッドをフェルールの上部通路(150,168,186)に芯出しするリブ又は突起(154,172,190)を示す。フェルールのネックに形成される空間は、フェルールの面の一部からベントをある程度除去するためのものと信じられている。

他のフェルールもまた当業者に知られているが、異なるタイプの溶接作業に使用されている。

概要

本発明はフェルールを使用して工作物にスタッドを溶接する方法を提供する。スタッド溶接作業中、スタッドはフェルールの穴に適切に芯出しされ、スタッド作業中に形成される溶融溶接金属はフェルールの穴に閉じ込められ、溶接中に形成されるガスは穴の上部を通してフェルールの外に排気される。本発明はさらに、本体の上面の近傍の内壁から内方に延び、少なくとも1つの溝を規定する少なくとも1つのリブを有する本体を有するフェルールを提供する。溶接作業中、少なくとも1つのリブはフェルール内にスタッドを芯出しするように構成され、少なくとも1つの溝は、溶接作業中に形成されるガスがフェルールから外に排気するように構成されている。

目的

‘139特許の解決手段は、‘283特許と同様に、フェルール(30)の作業面(31)からベントを除去し、その代わりにネック部にフェルール(30)の穴を有することである

効果

実績

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請求項1

上面、下面、及び前記上面から前記下面まで貫通して延びる穴を有する本体であって、前記穴は前記本体の内壁を規定し、前記下面はスタッド溶接される工作物の面と面一に適合するように構成されている本体と、前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延び、少なくとも1つの溝を規定する少なくとも1つのリブと、からなるフェルールにおいて、溶接作業中に、前記少なくとも1つのリブは、前記フェルール内のスタッドを芯出しするように構成され、前記少なくとも1つの溝は、溶接作業中に形成されるガスを前記フェルールの外に排気させるように構成されているフェルール。

請求項2

前記穴は円形断面を有する請求項1に記載のフェルール。

請求項3

4つのリブが前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延び、前記4つのリブは4つの溝を形成する請求項2に記載のフェルール。

請求項4

前記穴は矩形断面を有する請求項1に記載のフェルール。

請求項5

前記穴は正方形断面を有する請求項4に記載のフェルール。

請求項6

6つのリブが前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延び、前記6つのリブは6つの溝を形成する請求項4に記載のフェルール。

請求項7

前記少なくとも1つのリブは前記上面から前記下面まで下方に延びている請求項1に記載のフェルール。

請求項8

前記穴は段付穴であって、前記段付穴は前記上面に近い径より大きい前記下面に近い径を有する請求項1に記載のフェルール。

請求項9

前記本体は上ネック部と下ベース部とを有し、前記少なくとも1つのリブと前記少なくとも1つの溝は前記上ネック部に設けられている請求項1に記載のフェルール。

請求項10

複数のリブが前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延び、前記複数のリブは同数の溝を規定する請求項1に記載のフェルール。

請求項11

各リブは隣接するリブから離れて等間隔に配置されている請求項10に記載のフェルール。

請求項12

各リブは下端を有し、前記下端は前記下面に対して傾斜した面に設けられている請求項10に記載のフェルール。

請求項13

前記リブは前記下面に最も近くに配置された下端を有し、前記穴の外形の少なくとも半分の回りに延びている請求項12に記載のフェルール。

請求項14

前記下面は凸状である請求項1に記載のフェルール。

請求項15

前記下面は凹状である請求項1に記載のフェルール。

請求項16

前記下面は凹状の角である請求項1に記載のフェルール。

請求項17

前記下面は凸状の角である請求項1に記載のフェルール。

請求項18

前記穴は前記下面に垂直でない請求項1に記載のフェルール。

請求項19

工作物にスタッドを溶接する方法であって、a)ねじ無し端部と端を有するスタッドを準備し、b)前記スタッドの前記端が溶接される面を有する工作物を準備し、c)上面、下面、及び前記上面から前記下面まで貫通して延びる穴を有する本体であって、前記穴は前記本体の内壁を規定する本体を有し、さらに前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延び、少なくとも1つの溝を規定する少なくとも1つのリブを有するフェルールを準備し、d)前記スタッドの前記ねじ無し端部を前記フェルールの前記穴に位置決めし、前記フェルールの前記少なくとも1つのリブが、前記スタッドが前記フェルール内に芯出しされることを保証し、e)前記フェルールの下面を前記工作物の前記面に対して面一に適合するように位置決めし、f)前記スタッドの前記端を前記工作物の前記面に溶接し、スタッド溶接作業中に、溶融溶接金属が前記フェルールの前記穴に閉じ込められ、溶接中に形成されるガスが前記少なくとも1つの溝を通して前記フェルールから排気される、ステップからなる方法。

請求項20

工作物にスタッドを溶接する方法であって、a)端を有するスタッドを準備し、b)前記スタッドの前記端が溶接される面を有する工作物を準備し、c)上面を規定する上ネック部と下面を規定する下ベース部とを有する本体を有し、前記上面から前記下面まで前記本体を貫通して延びる穴を有するフェルールを準備し、d)前記スタッドを前記フェルールの前記穴に芯出しし、e)前記フェルールの下面を前記工作物の前記面に対して面一に適合するように位置決めし、f)前記スタッドの前記端を前記工作物の前記面に溶接し、スタッド溶接作業中に、溶融溶接金属が前記フェルールの前記穴に閉じ込められ、溶接中に形成されるガスが前記上ネック部を通して前記フェルールから排気される、ステップからなる方法。

請求項21

前記スタッドはねじ無し端部を有し、前記フェルールの前記穴は前記本体の内壁を形成し、前記フェルールは前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延びる少なくとも1つのリブを有し、前記少なくとも1つのリブは少なくとも1つの溝を規定し、前記スタッドの前記ねじ無し端部は前記フェルールの前記穴に位置決めし、溶接中に形成される前記ガスは前記少なくとも1つの溝を通して前記フェルールから排気される請求項20に記載の方法。

請求項22

前記スタッドはねじ有り端部を有し、前記スタッドの前記ねじ有り端部は前記フェルールの前記穴に位置決めし、溶接中に形成される前記ガスは前記スタッドの前記ねじ有り端部のねじ間を通して前記フェルールから排気される請求項20に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は溶接作業で使用されるフェルールに関する。さらに詳しくは、本発明はスタッド溶接作業で使用されるフェルールに関する。フェルールはネックを有し、当該ネックは溶接されるスタッドを芯出しするとともに、溶接作業中加熱ガス排気(venting)を可能にし、これにより省エネルギーと熱節減をもたらすように構成されている。

背景技術

0002

フェルールは長い間、溶接作業で使用されてきた。例えば、米国特許第2,268,416号は、「溶接組織」と題し、1941年12月30日にネルソン発行された。‘416特許は、溶接作業で使用される以前から知られたフェルールの一つを開示している。’416特許のフェルール(18)は、該フェルール(18)のネック部にスタッド(11)をぴったりと受け入れる。フェルール(18)へのスタッド(11)の嵌合は、スタッド(11)がフェルール(18)内に芯出しされることを保証し、工作物へのスタッド(11)の最終溶接が適切に位置決めされる(すなわち、工作物に対して望まれない角度では設けられない)ことを保証する。スタッド(11)の端は、フェルール(18)の座ぐり(counterbore)(19)に配置される。フェルール(18)は平坦な作業面(例えば、スタッドが溶接される工作物と接触するフェルールの面)を有する。スタッド(11)の端を囲む座ぐり(19)部は、スタッド(11)が軸方向水平位置で溶接されるとき、大量の溶融材料アークギャップから落ちるのを防止する。また、スタッド(11)の溶融端が工作物のアーククレーターに押し込まれるとき、工作物の面と接触しているフェルール(18)は、座ぐり(19)の径への溶融金属半径方向スパッタリングを制限する囲い込み(enclosure)を形成する。このため、大部分の金属はスタッド(11)の接合部の近傍に閉じ込められ、この結果最大強度の溶接が得られる。

0003

米国特許第2,416,204号は、「電気スタッド溶接用ベント成形フェルール」と題し、1947年2月18日にネルソンに発行された。‘204特許は、‘416特許に教示されたフェルールへの改良を提供した。‘204特許のフェルール(4)もまた、フェルール(4)のネック部にスタッド(2)をぴったりと受け入れる。スタッド(2)の端は、これもまたフェルール(4)の座ぐり(7)に設けられる。フェルール(4)は、スタッド端を間近に包囲する空間にフラックス、溶融金属、及びホットガスを閉じ込める手段として設けられているが、ホットガスの閉じ込めは溶接部の近傍に接近することができず、閉じ込めは完全ではないことに気が付いた。‘204特許の改良は、フェルール(4)の平坦な作業面に、該作業面を半径方向に横切って延び、その回りに均等に配置される通路又は凹部(18)を設けることであった。通路又は凹部(18)は、ホットガスを一方又は他方から場当たり的に吹き出したり飛び散らせ(‘416特許のフェルール(18)で生じるかもしれないが)、結果として良好な溶接に必要な金属の均一で完全な溶融を乱すような方法の代わりに、溶接時に形成されるホットガスを通路(18)を通して逃がす機能を有する。結合の強度は、溶接部を包囲するチャンバ内の圧力を開放し均一にする排気の効果により向上する。

0004

米国特許第2,493,283号は、「溶接用フェルール」と題し、1950年1月3日にエバンズに発行された。‘283特許は、作業面(10)にベントを有しないフェルールを教示したが、セラミックフェルールの壁(12)を貫通して設けられた穴又は通路(14)を介して加熱ガスを排気させている。‘283特許は、排気を設けることが好ましいが、このような形態は滑らかな隅肉(fillet)が望まれるときにむらのある隅肉を生じるので、排気がフェルールの縁で生じないことが好ましいことを教示している。しかし、‘283特許のフェルールは、溶接部位近接する連続壁を有しないフェルールを提供し、また‘283特許のフェルールは製造するのが非常に困難である。粉末粘土プレスする工具は、ベント通路を形成するピンを有する必要があり、加圧ダイは多くの部品を有する必要があり、ピンはプレス操作中に進退させる必要があり、粘土形成ダイは上部と下部に分離される必要がある。フェルールの壁を貫通するベントを形成するピンはさらに、粘土の圧縮を妨げる。

0005

米国特許第2,788,435号は、「フェルール」と題し、1954年12月6日にマラスに発行された。‘435特許は、矩形のスタッド(14)を溶接するための歯(21)を備えるフェルール(13)を示す。歯(21)は溶接アーク存在中に形成されるガスの十分な排気を提供する。

0006

米国特許第3,004,139号は、「電気アーク溶接のための溶接スタッド及びフェルール構造」と題し、1961年10月10日にダッシュに発行された。‘139特許は、‘283特許と同じで、フェルールの作業面に通路又は凹部を有するという欠点があることを教示している。さらに詳しくは、‘139特許は、これらの通路又は凹部はガスの排気を可能にするが、過剰な溶接金属の望まれない流出もまた可能にする。過剰な溶接金属の流出は溶融金属の飛び散りという形で生じ、人に危険であるだけでなく、溶接金属の浪費である。過剰の金属はフェルールが工作物から上昇することを引き起こし、溶融金属をフェルールの下方から漏出させ、(溶接金属を閉じ込めるという)フェルールの目的を無効にする。このような過剰な溶接金属の漏出は不満足な溶接を引き起こす。例えば、図1と2は、フェルールの作業面の排気手段による不満足な溶接を示し、図1は、溶接玉(welding berries)50として当業者に知られているものを形成する溶接作業を示し、図2は、くも脚(spider legs)55として当業者に知られているものを形成する溶接作業を示す(両者は除去する必要がある)。

0007

‘139特許の解決手段は、‘283特許と同様に、フェルール(30)の作業面(31)からベントを除去し、その代わりにネック部にフェルール(30)の穴を有することである(すなわち、開口(33)はスタッド(11)の径より大きな径を有する)。このため、フェルール(30)の開口(33)はガスの放出を可能するが、溶接金属のすべては実際にはフェルール(30)のチャンバに閉じ込められる。しかし、‘139特許のフェルール(30)は、フェルール(30)に対するスタッド(11)の適切な芯出しと、そこに含まれる溶融溶接金属の溜まりを保証する能力犠牲にしている。

0008

米国特許第3,021,418号は、「スタッド溶接フェルール」と題し、1962年2月13日にバン・デン・ブリンクらに発行された。‘418特許は、端面にベントがないスタッド溶接用のセラミックフェルールの使用を提供している。フェルール(6)はスタッド(3)と協働して使用され、スタッドには、環状フェルール本体に嵌合する面の周りバリ(burrs)(5)が形成されるように、長手溝(4)が形成されている。フェルール(6)の穴の内径とスタッド(3)の外径との間にバリ(5)によって形成される溝と空間が、溶接中の加熱ガスの排気のための通路を提供する。しかし、‘418特許は、スタッド溶接過程で必要とされるフェルール(6)でのスタッド(3)の前後移動を可能にするよりも、フェルール(6)とスタッド(3)の間の締りばめ(interference fit)が一方又は他方に対する角度により生じることを記載している。

0009

米国特許第3,182,173号は、「アーク溶接用溶接スタッド及びフェルールの構造」と題し、1965年5月4日にダッシュに発行された。‘173特許は、フェルールにおけるさらなる排気の特徴を提供している。例えば、‘173特許は、フェルールチャンバ(24)の円筒壁(19)(例えば、ネックの下方に設けられたフェルール(18)の部分)がガスの排出を可能にする補助ベントを備えてもよいことを教示している。代案として、又は結合して、下部フェルールチャンバ(24)の円筒壁(19)は、上部自由開口(22’)を通してガスの排出を可能する内部垂直溝(25)を備えていてもよい。‘173特許に図示された各実施形態では、フェルール(18)の上部(21)(例えば、ネック部)は、スタッド(10)の脚部(11)より実質的に大きい同軸開口(22)を備え、これによりスタッド(10)の脚部(11)は自由に又はゆっくりと開口(22)を通ることができ、ガスはフェルールチャンバ(24)から容易に出ることができる。したがって、‘139特許のフェルール(30)のように、‘178特許のフェルール(18)は、フェルール(18)の穴又はチャンバに対するスタッド(10)の適正な芯出しを保証する能力を犠牲にしている。

0010

米国特許第3,291,438号は、「溶接フェルール」と題し、1966年12月13日にローガンに発行された。‘438特許は、下縁に複数のサポート脚(26)を有するセラミック溶接フェルール(10)の使用を示し、当該サポート脚はフェルール(10)の内側壁(32)から外側壁(33)まで延びる第1壁(30)と第2壁(31)を有する。サポート脚(26)は下部穴部(16)を貫通するスロット又は開口(36)を規定している。面を通るベントに加えて、フェルール(10)は、複数の上部穴(15)の壁に周方向に配置されたベント又はV形ノッチ(23)を有し、当該ベント又はV形ノッチは上部穴(15)の全長の軸方向に延びている。したがって、‘438特許は、フェルール(10)のネックにある複数の溝(23)と協働してフェルール(10)の面に複数のベント(36)の使用を要求している。

0011

米国特許第4,117,297号は、「スタッド溶接用フェルール」と題し、1978年9月26日にショーレに発行された。‘297特許は、接触面の一部の周りにベント用のノッチを有し、接触面の残りの部分にベントがない様々なセラミックフェルールを示している。接触面の一部にベントがないことは、垂直面に溶接するときに重力により溶接アークを不安定にし、縁、長い部品、及びグランド接続又はケーブルの位置により磁気アークブロー(magnetic arc blow)を生じさせる目的を有する。‘297特許のフェルールは、アークブローの方向と反対のベント又は小さな穴を塞いで配置することができる。‘297特許の図4−6は、スタッドをフェルールの上部通路(150,168,186)に芯出しするリブ又は突起(154,172,190)を示す。フェルールのネックに形成される空間は、フェルールの面の一部からベントをある程度除去するためのものと信じられている。

0012

他のフェルールもまた当業者に知られているが、異なるタイプの溶接作業に使用されている。

先行技術

0013

米国特許第2,268,416号明細書
米国特許第2,416,204号明細書
米国特許第2,493,283号明細書
米国特許第2,788,435号明細書
米国特許第3,004,139号明細書
米国特許第3,021,418号明細書
米国特許第3,182,173号明細書
米国特許第3,291,438号明細書
米国特許第4,117,297号明細書

発明が解決しようとする課題

0014

これまで当業者に知られているフェルールの問題は、以下の各点を適切に可能にするフェルールがなかったことである。(1)フェルールの特定の径のチャンバに溶接金属の閉じ込め;(2)溶接作業中の膨張する加熱ガスの排気;(3)フェルールに対するスタッドの芯出し;(4)バリ(weld flash)の金属がスタッドが溶接される母材と出会うノッチの排除;(5)溶接中に溶融溶接金属の排出の防止。したがって、最近特許されたフェルールデザイン(‘297特許に記載)が35年以上前のものであり、フェルール技術の改良がなかったため、従来知られた全てのフェルールの欠点及び欠陥を克服するフェルールに対する要求がある。本願に開示されたフェルールの組み合わせはこのようなフェルールを提供する。

課題を解決するための手段

0015

本発明の好ましい実施形態は、
上面、下面、及び前記上面から前記下面まで貫通して延びる穴を有する本体であって、前記穴は前記本体の内壁を規定し、前記下面はスタッドが溶接される工作物の面と面一に適合するように構成されている本体と、
前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延び、少なくとも1つの溝を規定する少なくとも1つのリブと、からなるフェルールにおいて、
溶接作業中に、前記少なくとも1つのリブは、前記フェルール内のスタッドを芯出しするように構成され、前記少なくとも1つの溝は、溶接作業中に形成されるガスを前記フェルールの外に排気させるように構成されている。

0016

好ましい実施形態では、前記穴は円形断面を有し、4つのリブが前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延び、前記4つのリブは4つの溝を形成する。他の好ましい実施形態では、前記穴は矩形断面を有し、正方形断面でもよく、6つのリブが前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延び、前記6つのリブは6つの溝を形成する。

0017

好ましい実施形態では、前記少なくとも1つのリブは前記上面から前記下面まで下方に延びている。

0018

好ましい実施形態では、前記穴は段付穴であって、前記段付穴は前記上面に近い径より大きい前記下面に近い径を有する。

0019

好ましい実施形態では、前記本体は上ネック部と下ベース部とを有し、前記少なくとも1つのリブと前記少なくとも1つの溝は前記上ネック部に設けられている。

0020

好ましい実施形態では、複数のリブが前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延び、前記複数のリブは同数の溝を規定する。

0021

好ましい実施形態では、各リブは隣接するリブから離れて等間隔に配置されている。

0022

好ましい実施形態では、各リブは下端を有し、前記下端は前記下面に対して傾斜した面に設けられている。好ましい実施形態では、前記リブは前記下面に最も近くに配置された下端を有し、前記穴の外形の少なくとも半分の回りに延びている。

0023

好ましい実施形態では、前記下面は凸状、凹状、凸状の角、凹状の角である。

0024

好ましい実施形態では、前記穴は前記下面に垂直でない。

0025

本発明の好ましい実施形態は、工作物にスタッドを溶接する方法を提供している。前記方法は、a)ねじ無し端部と端を有するスタッドを準備し、b)前記スタッドの前記端が溶接される面を有する工作物を準備し、c)上面、下面、及び前記上面から前記下面まで貫通して延びる穴を有する本体であって、前記穴は前記本体の内壁を規定する本体を有し、さらに前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延び、少なくとも1つの溝を規定する少なくとも1つのリブを有するフェルールを準備し、d)前記スタッドの前記ねじ無し端部を前記フェルールの前記穴に位置決めし、前記フェルールの前記少なくとも1つのリブが、前記スタッドが前記フェルール内に芯出しされることを保証し、e)前記フェルールの下面を前記工作物の前記面に対して面一に適合するように位置決めし、f)前記スタッドの前記端を前記工作物の前記面に溶接し、スタッド溶接作業中に、溶融溶接金属が前記フェルールの前記穴に閉じ込められ、溶接中に形成されるガスが前記少なくとも1つの溝を通して前記フェルールから排気される、ステップからなる。

0026

本発明の好ましい実施形態は、工作物にスタッドを溶接する方法を提供している。前記方法は、a)端を有するスタッドを準備し、b)前記スタッドの前記端が溶接される面を有する工作物を準備し、c)上面を規定する上ネック部と下面を規定する下ベース部とを有する本体を有し、前記上面から前記下面まで前記本体を貫通して延びる穴を有するフェルールを準備し、d)前記スタッドを前記フェルールの前記穴に芯出しし、e)前記フェルールの下面を前記工作物の前記面に対して面一に適合するように位置決めし、f)前記スタッドの前記端を前記工作物の前記面に溶接し、スタッド溶接作業中に、溶融溶接金属が前記フェルールの前記穴に閉じ込められ、溶接中に形成されるガスが前記上ネック部を通して前記フェルールから排気される、ステップからなる。

0027

前記方法の好ましい実施形態では、前記スタッドはねじ無し端部を有し、前記フェルールの前記穴は前記本体の内壁を形成し、前記フェルールは前記上面に近い前記本体の前記内壁から内方に延びる少なくとも1つのリブを有し、前記少なくとも1つのリブは少なくとも1つの溝を規定し、前記スタッドの前記ねじ無し端部は前記フェルールの前記穴に位置決めし、溶接中に形成される前記ガスは前記少なくとも1つの溝を通して前記フェルールから排気される。

0028

前記方法の好ましい実施形態では、前記スタッドはねじ有り端部を有し、前記スタッドの前記ねじ有り端部は前記フェルールの前記穴に位置決めし、溶接中に形成される前記ガスは前記スタッドの前記ねじ有り端部のねじ間を通して前記フェルールから排気される。

0029

本発明の構成及び作用の組織及び態様は、本発明のさらなる目的及び効果とともに、添付図面と関連してなされる以下の説明を参照することで理解される。添付図面では同一符号は同一要素を示す。

図面の簡単な説明

0030

従来のフェルールを使用する溶接作業の図であり、側壁を通して排気を可能にし、その結果溶接バリとして当業者に知られているものが形成され、当該溶接バリは望ましくないものであり、除去する必要がある。
従来のフェルールを使用する溶接作業の図であり、側壁を通して排気を可能にし、その結果クモ脚として当業者に知られているものが形成され、当該クモ脚は望ましくないものであり、除去する必要がある。
本発明の第1実施形態のフェルールの底面図である。
図3のフェルールの4−4線断面図である。
図3,4のフェルールを使用するネック排気溶接作業の断面図である。
図3,4のフェルールを使用するネック排気溶接作業の断面図である。
図3,4のフェルールを使用するネック排気溶接作業の断面図である。
図3,4のフェルールを使用するネック排気溶接作業の断面図である。
図3のフェルールの修正の断面図であり、フェルールは湾曲した(ほぼ凹状の)作業面を有する。
図3のフェルールの修正の断面図であり、図9に示す修正と類似しているが、フェルールは一対の角のある作業面を有する。
図3のフェルールの修正の断面図であり、フェルールは湾曲した(ほぼ凸状の)作業面を有する。
図3のフェルールの修正の断面図であり、図10に示す修正と類似しているが、フェルールは一対の角のある作業面を有する。
図3のフェルールの修正の断面図であり、フェルールは円筒形内壁の穴を有し、穴はフェルールの作業面に対して垂直でない角度で設けられている。
本発明の第2実施形態のフェルールの底面図である。
図12のフェルールの13−13線断面図である。
本発明の第3実施形態のフェルールの底面図である。
図14のフェルールの15−15線断面図である。
図14のフェルールの上面図である。
本発明の第4実施形態のフェルールの底面図である。
図17のフェルールの18−18線断面図である。
本発明の第5実施形態のフェルールの底面図である。
図19のフェルールの20−20線断面図である。
本発明の第6実施形態のフェルールの底面図である。
図21のフェルールの22−22線断面図である。
図21と22のフェルールを用いたネック排気溶接作業で使用される完全ねじスタッドの断面図である。

実施例

0031

以下の詳細な説明は本発明の一例を示すものであって、特許請求の範囲を限定するものではない。この説明は、特許請求の範囲に記載の発明を当業者が製造し使用できるように明確であり、特許請求の範囲に記載の発明のいくつかの実施例、適用例、変形例、代案、及び使用を記載し、特許請求の範囲に記載の発明を実施する最良の形態であると現在において信じられるものを含む。さらに、特許請求の範囲に記載の発明は、その適用において、以下の説明に記載され又は図面に記載された要素の構成及び配置の詳細に限定されるものではないことは理解されるべきである。特許請求の範囲に記載の発明は他の実施形態も可能であり、種々の方法で実施又は実行することができる。また、ここで使用される表現及び用語は説明目的であり、限定するものとみなしてはならないことは理解されるべきである。

0032

本発明の第1実施形態のフェルール100は、標準のスタッド溶接作業での使用に提供される。フェルール100は好ましくはセラミック材料で形成されるが、代案として如何なる他の適切な材料で形成されてもよい。フェルール100の好ましい実施形態は図3−8に示されている。図3と4に最も良く示すように、フェルール100は本体101を有し、該本体は下ベース部102と上ネック部104を有し、これらの各々は外側面106,108を有する。外側面106は外側面108の径より大きい径を有し、外側面106,108の間に肩110が規定されている。外側面106又は外側面108のいずれかと肩110との接続は、平坦であることが好ましいが、所望により湾曲していてもよいし、傾斜していてもよい。

0033

下ベース部102は平坦な作業面112を有する。平坦な作業面112は、溶接作業中に工作物180の平面185に対して面一に配置されるように構成されている。上ネック部104は平坦面114を有している。平坦面114と外側面108との接続は望まれるなら湾曲していてもよい。

0034

フェルール100は、平坦な作業面112から平坦面114まで下ベース部102と上ネック部104を貫通して延びる穴116を含む。穴116はフェルール100の円筒状内壁118を規定している。穴116は、一般に真直穴として言及される。円筒状内壁118は好ましくは穴116の一定の内径ID−Bを規定している。

0035

好ましい実施形態では、フェルール100は、等間隔に配置された複数のリブ120を含み、該リブは円筒状内壁118から半径方向内方所定距離延びて、リブ120の内径ID−Rを規定している。各リブ120は、好ましくは、平坦面114から下ベース部102に向かって下方に延びている。リブ120は、ネック部104とベース部102が接続する位置の上まで下方に延びるように示されているが、リブ102は、代案として、ネック部104とベース部102が接続する位置まで、又はネック部104とベース部102が接続する位置の下まで延ばすことができることは理解されるべきである。リブ120の存在は、隣接するリブ120の間に設けられる溝122を提供する。図3は、フェルール100の最も好ましい実施形態を示し、該フェルールは4つのリブ120と4つの対応する溝122を有する。

0036

溶接作業中、図5−8に示すように、ねじ無し端部152を有するスタッド150がフェルール100と関連して使用される。リブ120の内径ID−Rは、好ましくは、スタッド150のねじ無し端部152の外径OD−Sと実質的に同一又は僅かに大きいように構成される。したがって、スタッド150がフェルール100内に配置されるとき、リブ120は、全溶接作業を通してフェルール100に対してスタッド150の適切な位置決めを保証する(これによりスタッド150の工作物180への適正な溶接を保証する)一方、スタッド溶接作業中に必要なようにスタッド150がフェルール100内で前後又は上下に移動するのに必要な自由度を許容する方法で、スタッド150をフェルール100に対して適所に芯出しするように作動する。フェルール100は、好ましくは、1/2インチ以下の外径OD−Sを有するねじ無し端部152を有するスタッド150と関連して使用される。

0037

工作物180に溶接されるスタッド150のねじ無し端部152は、フェルール100の下ベース部102の真直穴116内に位置決めされ、これにより空洞(cavity)又は溶接チャンバ(weld chamber)154がリブ120の下であって、スタッド150のねじ無し端部152とフェルール100の円筒状内壁118の間に形成される。フェルール100の下ベース部102の平坦な作業面112と円筒状内壁118のいずれもベント、凹部又は通路を備えていないので、溶融溶接金属は全て溶接チャンバ154に閉じ込められる。しかし、溶接作業中に形成されるガスは、リブ120、スタッド150のねじ無し端部152、及び円筒状内壁118の間に設けられる溝又はベント122を通して、依然として溶接チャンバ154から排出又は排気することを許容される。フェルール100は、例えば図1と2に示すような従来のフェルールを使用することで形成される溶接部に比べて、図8に示すように、クリーンな溶接部190を一貫して形成することができる。

0038

フェルール100を使用する溶接方法は、図5−8に示されている。図5では、ガン170、スタッド150、フェルール100、及び工作物180が全て適正に配置されている。図6では、ガン170が起動され、スタッド150が持ち上げられ、アークが形成される。図7では、アーク放電期間が完了し、スタッド150がアークの形成により工作物180に形成される溶融金属溜まり(molten pool of metal)182に押し込まれる。図8では、ガン170が溶接されたスタッド150から引き抜かれ、フェルール100が除去される。

0039

フェルール100は好ましくは複数のリブ120と溝122を有するが、ある状況では、フェルール100は単一のリブ120と該単一のリブ120の両端の間に設けられる単一の溝122とを備えていてもよいことは理解されるべきである。このようなフェルール100は、単一の溝122がその中でスタッド150の移動を防止するのに十分小さく、単一のリブ120によりスタッド150の適正な芯出しを保証するが、単一の溝122を通してガスの排気を可能にする限り、使用することができる。

0040

フェルール100は、図9−11に示すように、それに僅かな修正を行ってもよい。図9は、平坦な作業面112を有しないフェルール100aを示し、該フェルールは丸棒パイプの外面のような平坦でない工作物で使用されるように構成されている。図9Aは、凹状コーナー作業面と称する修正された凹状の作業面112a’を有するフェルール100a’を示し、該フェルールは工作物の90度外コーナーに溶接するのに使用されるように構成されている。図10は、平坦な作業面112を有しないが、湾曲した(ほぼ凸状の)作業面112bを有するフェルール100bを示し、該フェルールはパイプの内面アングルの角(corner)の隅肉のような平坦でない工作物で使用するように構成されている。図10Aは、凸状コーナー作業面と称する修正された凸状の作業面112b’を有するフェルール100b’を示し、該フェルールは、工作物の90度内コーナーに溶接するのに使用されるように構成されている。図11は、平坦な作業面112を有するフェルール100cを示すが、該フェルールは平坦な作業面112に対して(フェルール100のように)非直角で設けられる穴116cの円筒内壁118cを備える。

0041

本発明の第2実施形態のフェルール200は、標準のスタッド溶接作業で使用するのに設けられている。フェルール200は、好ましくはセラミック材料で形成されるが、代案として他の任意の適切な材料で形成することができる。フェルール200の好ましい実施形態が図12と13に示されている。図12と13に最も良く示すように、フェルール200は、下ベース部202と上ネック204を有する本体201を有し、これら各々はそれぞれ外側面206,208を有する。外側面206は外側面208の径より大きい径を有し、外側面206,208の間に肩210が規定されている。外側面208は傾斜するように示されているが、所望により湾曲していてもよいし、真直であってもよい。外側面206又は外側面208のいずれかと肩210との接続は、平坦であることが好ましいが、所望により湾曲していてもよいし、傾斜していてもよい。

0042

下ベース部202は平坦な作業面212を有する。平坦な作業面212は、溶接作業中に工作物180の平面185に対して面一に配置されるように構成されている。上ネック部204は平坦面214を有している。平坦面214と外側面208との接続は望まれるなら湾曲していてもよい。

0043

フェルール200は、平坦な作業面212から平坦面214まで下ベース部202と上ネック部204を貫通して延びる穴216を含む。穴216は、フェルール200の第1円筒状内壁218aと、フェルール200の円錐状内壁218bと、フェルール200の第2円筒状内壁218cとを規定している。穴216は、一般に段付穴として言及される。第1円筒状内壁218aは好ましくは穴216の一定の内径ID−B1を規定し、第2円筒状内壁218cは好ましくは穴216の一定の内径ID−B2を規定し、ここでID−B1はIDB2より大きい。第1円筒状内壁218bと第2円筒状内壁218cとの間の接続は、好ましくは型210の下方に設けられる。

0044

好ましい実施形態では、フェルール200は、等間隔に配置された複数のリブ220を含み、該リブは第2円筒状内壁218cから半径方向内方に所定距離延びて、リブ220の内径ID−Rを規定している。各リブ220は、好ましくは、平坦面214から下ベース部202に向かって下方に延びている。リブ220は、ネック部204とベース部202が接続する位置の上まで下方に延びるように示されているが、リブ202は、代案として、ネック部204とベース部202が接続する位置まで、又はネック部204とベース部202が接続する位置の下まで延ばすことができることは理解されるべきである。しかし、リブ220は、好ましくは平坦な作業面212までずっと延びていなくてもよいし、また円錐状内壁218b又は第1円筒状内壁218aまで延びていなくてもよい。望まれるなら、リブ220の上端は平坦面214の下方に設けることもできる。リブ220の存在は、隣接するリブ220の間に設けられる溝222を提供する。図13は、フェルール200の最も好ましい実施形態を示し、該フェルールは4つのリブ220と4つの対応する溝222を有する。

0045

溶接作業中(図示されていないが、フェルール100に関連して図5−8に示す溶接作業と同等であることは理解される)、スタッド(不図示)がフェルール200と関連して使用される。リブ220の内径ID−Rは、好ましくは、スタッドの外径と実質的に同一又は僅かに大きいように構成される。したがって、スタッドがフェルール200内に配置されるとき、リブ220は、全溶接作業を通してフェルール200に対してスタッドの適切な位置決めを保証する(これによりスタッドの工作物(不図示)への適正な溶接を保証する)一方、スタッド溶接作業中に必要なようにスタッドがフェルール200内で前後に移動するのに必要な自由度を許容する方法で、スタッドをフェルール200に対して適所に芯出しするように作動する。フェルール200は、好ましくは、1/2インチ以下の外径を有するスタッドと関連して使用される。

0046

工作物に溶接されるスタッドのねじ無し端部は、フェルール200の下ベース部202の段付穴216内に位置決めされ、これにより空洞又は溶接チャンバ(不図示)がリブ220の下であって、スタッドとフェルール200の内壁218a、218b、218cの間に形成される。フェルール200の下ベース部202の平坦な作業面212と内壁218a、218b、218cのいずれもベント、凹部又は通路を備えていないので、溶融溶接金属は全て溶接チャンバに閉じ込められる。しかし、溶接作業中に形成されるガスは、リブ220、スタッド、及び第2円筒状内壁218cの間に設けられる溝又はベント222を通して、依然として溶接チャンバから排出又は排気することを許容される。フェルール200は、例えば図1と2に示すような従来のフェルールを使用することで形成される溶接部に比べて、クリーンな溶接部を一貫して形成することができる。

0047

フェルール200は、上に述べたように、フェルール100の修正に類似した方法で修正することができることは理解される。

0048

本発明の第3実施形態のフェルール300は、指向性の排気が要求される立向きスタッド溶接作業で使用するのに設けられている。フェルール300は、好ましくはセラミック材料で形成されるが、代案として他の任意の適切な材料で形成することができる。フェルール300の好ましい実施形態が図14−16に示されている。フェルール300は、下ベース部302と上ネック304を有する本体301を有し、これら各々はそれぞれ外側面306,308を有する。外側面306は外側面308の径より大きい径を有し、外側面306,308の間に肩310が規定されている。外側面306又は外側面308のいずれかと肩310との接続は、平坦であることが好ましいが、所望により湾曲していてもよいし、傾斜していてもよい。フェルール300が立向き溶接(すなわち側壁への溶接)で使用されることから、肩310はフェルール300の周回りに連続して設けられていないが、むしろ上ネック部304の外側面308の一部は、図17に示すように、フェルール300の方向付けキー(orientation key)340を規定するように、下ベース部302の外側面306から真直に上方に延びるように設けられている。

0049

下ベース部302は平坦な作業面312を有する。平坦な作業面312は、溶接作業中に工作物(不図示)(好ましくは側壁等)の平面390に対して面一に配置されるように構成されている。上ネック部304は平坦面314を有している。平坦面314と外側面308との接続は望まれるなら湾曲していてもよい。

0050

フェルール300は、平坦な作業面312から平坦面314まで下ベース部302と上ネック部304を貫通して延びる穴316を含む。穴316は、フェルール300の円筒状内壁318を規定している。穴316は、一般に真直穴として言及される。円筒状内壁318は好ましくは穴316の一定の内径ID−Bを規定する。

0051

好ましい実施形態では、フェルール300は、複数のリブ320を含み、該リブは第2円筒状内壁318から半径方向内方に所定距離延びて、リブ320の内径ID−Rを規定している。各リブ320は、好ましくは、平坦面314から下ベース部302に向かって下方に延びている。リブ320は、ネック部304とベース部302が接続する位置の下まで下方に延びるように示されているが、リブ302は、代案として、ネック部304とベース部302が接続する位置まで、又はネック部304とベース部302が接続する位置の上まで延ばすことができることは理解されるべきである。しかし、リブ320は、好ましくは平坦な作業面312までずっと延びていなくてもよい。望まれるなら、リブ320の上端は平坦面314の下方に設けることもできる。リブ320の存在は、隣接するリブ320の間に設けられる溝322を提供する。図14は、フェルール300の最も好ましい実施形態を示し、該フェルールは3つのリブ320と3つの対応する溝322を有する。

0052

フェルール100,200のリブ120,220と異なり、リブ320は、全て同じサイズではなく、互いに等間隔に配置されていない。むしろ、1つのリブ320aは、C形形状を有し、穴116の周りに約100度延びている。他の2つのリブ320bは、図14に示すように、リブ320aの端から互いに等間隔に配置されている。これにより、3つの溝322が設けられ、該全ての溝はフェルール300の一方の側に設けられている。この形態は、ここでさらに詳細に説明するように、立向き溶接中に指向性のある排気を可能にする。また、フェルール100,200のリブ120,220と異なり、フェルール300のリブ320は、傾斜/角度のある下端を有し、図15に示すように、リブ320aの端がリブ320bの端の下方に配置されている。

0053

溶接作業中(図示されていないが、フェルール100に関連して図5−8に示す溶接作業と同等であることは理解される)、スタッド(不図示)がフェルール300と関連して使用される。リブ320の内径ID−Rは、好ましくは、スタッドのねじ無し端部の外径と実質的に同一又は僅かに大きいように構成される。したがって、スタッドがフェルール300内に配置されるとき、リブ320は、全溶接作業を通してフェルール300に対してスタッドの適切な位置決めを保証する(これによりスタッドの工作物(不図示)への適正な溶接を保証する)一方、スタッド溶接作業に必要なようにスタッドがフェルール300内で前後に移動するのを許容する方法で、スタッドをフェルール300に対して適所に芯出しするように作動する。フェルール200は、好ましくは、1/2インチ以下の外径を有するスタッドと関連して使用される。

0054

側壁のような工作物に立向きで溶接されるスタッドのねじ無し端部は、フェルール300の下ベース部302の真直穴316内に位置決めされ、これにより空洞又は溶接チャンバ(不図示)がリブ320の隣であって、スタッドとフェルール300の円筒状内壁318の間に形成される。フェルール300の下ベース部302の平坦な作業面312と円筒状内壁318のいずれもベント、凹部又は通路を備えていないので、溶融溶接金属は全て溶接チャンバに閉じ込められる。しかし、溶接作業中に形成されるガスは、リブ320、スタッド、及び円筒状内壁318の間に設けられる溝又はベント322を通して、依然として溶接チャンバから排出又は排気することを許容される。フェルール300は、例えば図1と2に示すような従来のフェルールを使用することで形成される溶接部に比べて、クリーンな溶接部を一貫して形成することができる。

0055

フェルール300は好ましくは立向き溶接と関連して使用されるので、フェルール300は指向性のキー340を備え、該指向性のキー340は作業時に常にフェルール300の上端に位置している。この位置にある指向性のキー340により、溶接チャンバは、リブ320a、320bの傾斜端により、下端に上端より小さな容積を有する。溝322は、フェルール300の上端に指向性のキー340に近接して設けられ、溶接作業中に形成される溶接バリ/溶融金属がフェルール300の外に出ないことを保証し、また溶接作業中に形成されるガスが溶接チャンバから排気されることを保証している。

0056

フェルール300は、上に述べたように、フェルール100の修正に類似した方法で修正することができることは理解される。

0057

本発明の第4実施形態のフェルール400は、標準の四角スタッド溶接作業で使用するのに設けられている。フェルール400は、好ましくはセラミック材料で形成されるが、代案として他の任意の適切な材料で形成することができる。フェルール400の好ましい実施形態が図17と18に示されている。フェルール400は、下ベース部402と上ネック404を有する本体401を有し、これら各々はそれぞれ外側面406,408を有する。外側面406は外側面408の径より大きい径を有し、外側面406,408の間に肩410が規定されている。外側面406又は外側面408のいずれかと肩410との接続は、平坦であることが好ましいが、所望により湾曲していてもよい。

0058

下ベース部402は平坦な作業面412を有する。平坦な作業面412は、溶接作業中に工作物(不図示)(好ましくは側壁等)の平面に対して面一に配置されるように構成されている。上ネック部404は平坦面414を有している。平坦面414と外側面408との接続は望まれるなら湾曲していてもよい。

0059

フェルール400は、平坦な作業面412から平坦面414まで下ベース部402と上ネック部404を貫通して延びる穴416を含む。穴416は、正方形断面を有し、フェルール400の内壁418を規定し、該内壁は4つの内壁418a,428b,418c,418dにより規定され、壁418aと418cが互いに対向し、壁418bと418dが互いに対向している。壁418aから壁418cまでの直線距離は、壁418bから壁418dまでの直線距離と同一であり、穴416の直線距離ID−Bを規定する。

0060

好ましい実施形態では、フェルール400は、複数の間隔のあいたリブ420を含み、該リブは内壁418から内方に所定距離延びている。壁418a,418cは好ましくは当該壁から内方に延びる2つのリブ420を有し、壁418b,418dは好ましくは当該壁から内方に延びる単一のリブ420を有する。対向するリブ420からの直線距離は同一で、リブ420の直線距離ID−Rを規定している。各リブ420は、好ましくは、平坦面414から下ベース部402に向かって下方に延びている。リブ420は、ネック部404とベース部402が接続する位置の上まで下方に延びるように示されているが、リブ402は、代案として、ネック部404とベース部402が接続する位置まで、又はネック部404とベース部402が接続する位置の下まで延ばすことができることは理解されるべきである。しかし、リブ420は、好ましくは平坦な作業面412までずっと延びていなくてもよい。望まれるなら、リブ420の上端は平坦面414の下方に設けることもできる。リブ420の存在は、隣接するリブ420の間に設けられる溝422を提供する。図17は、フェルール400の最も好ましい実施形態を示し、該フェルールは6つのリブ420と6つの対応する溝422を有する。

0061

溶接作業中(不図示)、ねじ無し端部を有する正方形のスタッド(不図示)がフェルール400と関連して使用される。リブ420の直線距離ID−Rは、好ましくは、スタッドのねじ無し端部の外周と実質的に同一又は僅かに大きいように構成される。したがって、正方形のスタッドがフェルール400内に配置されるとき、リブ420は、全溶接作業を通してフェルール400に対して正方形のスタッドの適切な位置決めを保証する(これによりスタッドの工作物(不図示)への適正な溶接を保証する)一方、スタッド溶接作業に必要なように正方形のスタッドがフェルール400内で前後に移動するのを許容する方法で、正方形のスタッドをフェルール400に対して適所に芯出しするように作動する。

0062

工作物に溶接される正方形のスタッドのねじ無し端部は、フェルール400の下ベース部402の真直な正方形の穴416内に位置決めされ、これにより空洞又は溶接チャンバ(不図示)がリブ420の下方であって、正方形のスタッドのねじ無し端部とフェルール400の内壁418の間に形成される。フェルール400の下ベース部402の平坦な作業面412と内壁418のいずれもベント、凹部又は通路を備えていないので、溶融溶接金属は全て溶接チャンバに閉じ込められる。しかし、溶接作業中に形成されるガスは、リブ420、正方形のスタッドのねじ無し端部、及び内壁418の間に設けられる溝又はベント422を通して、依然として溶接チャンバから排出又は排気することを許容される。フェルール400は、例えば図1と2に示すような従来のフェルールを使用することで形成される溶接部に比べて、クリーンな溶接部を一貫して形成することができる。

0063

フェルール400は、上に述べたように、フェルール100の修正に類似した方法で修正することができることは理解される。

0064

本発明の第5実施形態のフェルール400は、標準の矩形スタッド溶接作業で使用するのに設けられている。フェルール500は、好ましくはセラミック材料で形成されるが、代案として他の任意の適切な材料で形成することができる。フェルール500の好ましい実施形態が図19と20に示されている。フェルール500は、下ベース部502と上ネック504を有する本体501を有し、これら各々はそれぞれ外側面506,508を有する。外側面506は外側面508の外周より大きい外周を有し、外側面506,508の間に肩510が規定されている。外側面506又は外側面508のいずれかと肩510との接続は、平坦であることが好ましいが、所望により湾曲していてもよい。

0065

下ベース部502は平坦な作業面512を有する。平坦な作業面512は、溶接作業中に工作物(不図示)(好ましくは側壁等)の平面に対して面一に配置されるように構成されている。上ネック部504は平坦面514を有している。平坦面514と外側面508との接続は望まれるなら湾曲していてもよい。

0066

フェルール500は、平坦な作業面512から平坦面514まで下ベース部502と上ネック部504を貫通して延びる穴516を含む。穴516は、矩形の断面を有し、フェルール500の内壁518を規定し、該内壁は4つの内壁518a,528b,518c,518dにより規定され、壁518aと518cが互いに対向し、壁518bと518dが互いに対向している。壁518aと518cは、壁518bと518dの長さより大きい長さを有している。これにより、壁518aから壁518cまでの直線距離は、壁518bから壁518dまでの直線距離と同一であり、穴516の第1と第2の内壁直線距離ID−B1とID−B2を規定する。

0067

好ましい実施形態では、フェルール500は、複数の間隔のあいたリブ520を含み、該リブは内壁518から内方に所定距離延びている。長いほうの壁518a,518cは好ましくは当該壁から内方に延びる2つのリブ520を有し、短いほうの壁518b,518dは好ましくは当該壁から内方に延びる単一のリブ520を有する。長いほうの壁518a,518c上の対向するリブ520からの直線距離は、短いほうの壁518b,518d上の対向するリブ520からの直線距離より小さく、リブ520の第1と第2の直線距離ID−R1とID−R2を規定している。各リブ520は、好ましくは、平坦面514から下ベース部502に向かって下方に延びている。リブ520は、ネック部504とベース部502が接続する位置の上まで下方に延びるように示されているが、リブ502は、代案として、ネック部504とベース部502が接続する位置まで、又はネック部504とベース部502が接続する位置の下まで延ばすことができることは理解されるべきである。しかし、リブ520は、好ましくは平坦な作業面512までずっと延びていなくてもよい。望まれるなら、リブ520の上端は平坦面514の下方に設けることもできる。リブ520の存在は、隣接するリブ520の間に設けられる溝522を提供する。図19は、フェルール500の最も好ましい実施形態を示し、該フェルールは6つのリブ520と6つの対応する溝522を有する。

0068

溶接作業中(不図示)、ねじ無し端部を有する矩形のスタッド(不図示)がフェルール500と関連して使用される。リブ520の第1と第2の直線距離ID−R1とID−R2は、好ましくは、矩形のスタッドのねじ無し端部の外周と実質的に同一又は僅かに大きいように構成される。したがって、矩形のスタッドがフェルール500内に配置されるとき、リブ520は、全溶接作業を通してフェルール500に対して矩形のスタッドの適切な位置決めを保証する(これによりスタッドの工作物(不図示)への適正な溶接を保証する)一方、スタッド溶接作業に必要なように矩形のスタッドがフェルール400内で前後に移動するのに必要な自由度を許容する方法で、矩形のスタッドをフェルール500に対して適所に芯出しするように作動する。

0069

工作物に溶接される矩形のスタッドのねじ無し端部は、フェルール500の下ベース部502の真直な矩形の穴416内に位置決めされ、これにより空洞又は溶接チャンバ(不図示)がリブ520の下方であって、矩形のスタッドのねじ無し端部とフェルール500の内壁518の間に形成される。フェルール500の下ベース部502の平坦な作業面512と内壁518のいずれもベント、凹部又は通路を備えていないので、溶融溶接金属は全て溶接チャンバに閉じ込められる。しかし、溶接作業中に形成されるガスは、リブ520、矩形のスタッドのねじ無し端部、及び内壁518の間に設けられる溝又はベント522を通して、依然として溶接チャンバから排出又は排気することを許容される。フェルール500は、例えば図1と2に示すような従来のフェルールを使用することで形成される溶接部に比べて、クリーンな溶接部を一貫して形成することができる。

0070

フェルール500は、上に述べたように、フェルール100の修正に類似した方法で修正することができることは理解される。

0071

フェルール技術における改良が35年以上の間行われなかったことにより、スタッド溶接作業に使用される従来の面排気(face vented)のフェルールに対する不満が積もっていた。したがって、フェルール100,200,300,400,500は、従来の面排気のフェルールに対して多大な効果を提供する。

0072

フェルールの壁を通って行く作業面排気(workface vent)を排除した結果、バリ(weld flash)の形成に対する以下の改良と利点を有する。フェルール100,200,300,400,500は面にベントを有しないので、本発明のフェルールは、溶接部の周りの不規則鋸歯の溶接金属を排除し、ベントから延びる溶接玉(図1)及びクモ脚(図2)も排除し、過剰な溶接金属を機械的に除去する必要性がなく、相手部品が溶接バリ(weld flash)に密着するのを保証する。本発明のフェルールの中実でベントが無い壁は、面ベントフェルールよりも魅力的な溶接外観を有するスタッド溶接を提供する。溶接バリの径は、フェルールの溶接チャンバ空間の径により正確に制御される径を有する滑らかな面である。溶接金属の一貫した(consistent)径及び形状は、溶接される相手部品の穴との一貫した嵌合を保証し、溶接部を覆うのに必要な座ぐり穴(counterbore holes)の径を減少する。フェルールチャンバの中実で途切れのない壁により、本発明のフェルールを使用して行われる溶接は、溶融溶接金属の母材すなわち工作物への滑らかな融合をもたらす。この母材と融合した溶接バリの優れた周縁溶け込みは、応力亀裂開始部位を排除し、溶接部の軸方向及び横方向の繰り返し疲労負荷寿命を向上する。本発明のフェルールにセラミック材料を押し込むのに使用される工具を製造するのに必要な機械加工コストが単純化され、従来の面ベントフェルールを形成するのに使用される工具を製造するのに必要なコストよりも安価になる。本発明のネック排気のサーマルフェルール(thermal ferrule)を製造する工具の寿命は、セラミック置換(displacement)及び摩耗(abrasion)が少ないことにより、面排気フェルールの工具の寿命を超えて大きく伸びる。

0073

さらに、改良された溶接外観と本発明のフェルールの寸法制御により、スタッド溶接を行うエネルギーコストが低減する。エネルギーの低減により、フェルールの溶接チャンバに中実の壁を有することになる。フェルールの壁を貫通するベントの排除により、スタッド溶接中の溶接熱及び溶融溶接金属の損失が防止される。従来のフェルールは、60度や70度のベント開口を有するベントが設けられていた。より大きなさらに開口する90度のベントを有するフェルールは、60度のベントを有するフェルールを使用して適切に溶接するよりも、高温溶接環境を必要とすることが観察され知られている。本発明のネック排気のサーマルフェルールの使用により、面排気のフェルールよりも、溶接アークをより良く遮断することができる。面ベントからの損失がなく溶接エネルギーが集中する結果、エネルギーが節約され、溶接のコストが低減し、溶融の領域が増加する。本発明のネック排気サーマルフェルールを用いると、溶接品質、強度及び信頼性を低下することなく、10から15%のエネルギー低減がなされた。

0074

フェルール100,200,300,400,500は全て、穴116,216,316,416,516のネック部104,204,304,404,504に規定された溝122,222,322,422,522を通るガスの排気を提供する。換言すれば、ネック排気がフェルール100,200,300,400,500により許容される。フェルール100,200,300,400,500は、このネック排気を可能にするが、穴116,216,316,416,516のネック部104,204,304,404,504に設けられたリブ120,222,320,420,520の使用により、スタッド150のねじ無し端部152を適切に芯出しすることができるという追加の特徴を有する。

0075

これまで十分に気が付かず、実現できなかった排気の利点を理解すると、何十年もの間フェルールの技術が発展しなかった以上、本発明はネック排気方法に関連するさらなる利点を提供する。さらに具体的には、現在、フェルールを使用するスタッド溶接は、フェルールの穴に配置されるように構成されたねじ無し端部を有するスタッドに限定され、スタッドのねじ部はフェルールの穴の外側に設けられている。しかしながら、ネック排気の利点を理解することで、本発明はさらに、図21−23を参照して以下に説明するように、完全ねじスタッドに関連したネック排気を含む。

0076

図21と22に示すように、従来のフェルール600が設けられている。フェルール600は、上に述べたように芯出し及び排気の目的で穴616のネック部604にリブを設ける新規な特徴を含まないことを除き、フェルール200と基本的に同一である。

0077

図23に示すように、完全ねじ付きスタッド650が設けられている。スタッド650は、大ねじ径と小ねじ径を規定するねじ654を有し、大ねじ径は小ねじ径より大きい。

0078

溶接作業において、完全ねじ付きスタッド650は、他のフェルール100,200,300,400,500に関して上に記載したものと同様に、フェルール600の穴616内に配置される。しかし、フェルール600は、他のフェルールでは排気及びスタッドの芯出しを可能にするのに使用されているリブを備えていない。この場合、大ねじ径は、
第2円筒状内壁618cの一定の内径ID−B2にほぼ等しいか僅かに小さい。したがって、スタッド650の芯出しはスタッド650の大ねじ径によって提供される。さらに、スタッド650のねじ654の形状により、スタッド650のねじ654は、第2円筒状内壁618cとスタッド650の小ねじ径との間の全ての空間を占めていない。スタッド650とフェルール600の間の空間は、スタッド溶接作業中のガスのネック排気を可能にするのに十分な面積を有し、この利益は前記載した通りである。

0079

フェルール100,200,300,400,500,600は全て、肩110,210,310,410,510,610により互いに分離された下ベース部102,202,302,402,502,602と上ネック部104,204,304,404,504,604を有するように記載され図示されているが、この代わり、肩110,210,310,410,510,610がフェルール100,200,300,400,500,600に設けられないように、上ネック部104,204,304,404,504,604が下ベース部102,202,302,402,502,602と連続させることができることは理解される。したがって、上部を言及するときの「ネック」の用語の使用は、減少した径/外形/周の部分を示すが、本願では、「ネック」の用語はこの限定された事項に構成されるべきでなく、むしろ、フェルールの「ネック」の用語は正にフェルールの上部と考えるべきであることは理解されるべきである。

0080

以上から分かるように、本発明のフェルールは多くの変形/修正が可能であるが、これらは従来のフェルールを超える望ましい効果を提供する。さらに、リブ及び溝の用語の使用は、如何なるようにも限定して考えるべきでなく、本発明のフェルールを説明するのに使用される代表的な用語にすぎないことは理解されるべきである。

0081

本発明の好ましい実施形態が示され、記載されているが、当業者は本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明を種々修正してもよいことが想定されている。ここに記載され請求された本発明の種々の方法は、必ずしも、ここに記載され請求されたのと同じ方法で行うステップを有する必要はないことは理解されるべきである。

0082

100,200,300,400,500,600…フェルール
101,201,301,401,501…本体
102,202,302,402,502,602…下ベース部
104,204,304,404,504,604…上ネック部
110,210,310,410,510,610…肩
112,212,312,412,512…作業面
114,214,314,414,514…平坦面
116,216,316,416,516,616…穴
118,218,318,418,518,618…内壁
120,220,320,420,520…リブ
122,222,322,422,522…溝
150,650…スタッド
152…ねじ無し端部

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