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技術 バイオポリマーマトリックスを含むモノリシックイオノゲル、及びその製造方法

出願人 ハチンソンサントルナショナルドゥラルシェルシュシアンティフィクユニヴェルスィテ・ドゥ・ナント
発明者 エイメ-ペロー、ダヴィッドセルクリエール、キャロルルビドー、ジャンブフトヴァ、ネラギヨマール-ラック、オレリージラール、フィリップ-フランク
出願日 2013年7月29日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2016-530566
公開日 2016年9月15日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2016-528342
状態 特許登録済
技術分野 導電材料 高分子物質の処理方法
主要キーワード 連続浴 疎水性イオン液体 固体骨格 シリンジ交換 ホストネットワーク バイオベース エネルギー貯蔵デバイス シラン化剤
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課題・解決手段

本発明は、少なくとも1つのイオン液体のための有機閉じ込めマトリックスを含むモノリシックイオノゲル、及びその製造方法に関する。本発明のイオノゲルは、架橋したポリサッカライドに基づくバイオポリマー閉じ込めマトリックスと、そのマトリックスによって形成されたネットワーク内に閉じ込められたイオン液体とを含む。本発明のポリサッカライドは、シロキサン架橋ブリッジを有し、イオノゲルは、それ自体で自立した固体電解質を構成可能な化学ゲルである。このイオノゲルは、塩基性水溶液中でのシラン化剤によるポリサッカライドのシラン化と、シラン化ポリサッカライドの重縮合とを含む方法を使用して得られる。第一の実施形態では、本方法は、ゾルゲル法によってシラン化され且つ架橋されたポリサッカライドに基づくヒドロゲルの調製と、その後、疎水性の増加を伴う溶媒交換反応とを含む。第二の好適な実施形態では、酸性媒体中でイオン液体を含む第一溶液と、シラン化され且つ非架橋のポリサッカライドを含有する第二溶液とを混合し、混合によってその架橋が起こることを含む。

概要

背景

加水分解及び縮合を含むゾルゲル法によってゲルを製造する方法は、長きにわたり知られてきた。この方法では、分子前駆体(「真」液体と呼ばれる)から出発して、コロイド溶液(「ゾル」と呼ばれる)の形成をもたらし、その後、コロイド粒子の連結(connection)によって、ゲルと呼ばれる連続固体骨格(continuous solid skeleton)の形成をもたらす。

さらに、イオン液体が、カチオンアニオン会合により形成され、周囲温度に近い温度では液体状態である。イオン液体は、注目すべき特徴、例えば、揮発性ゼロ、高イオン伝導性を有し、触媒特徴をも有する。

とりわけ、連続固体骨格を形成する閉じ込めマトリックス(confinement matrix)内にイオン液体を閉じ込める方法が知られており、これにより、イオノゲル(すなわち、イオン伝導性を保持する、イオン液体を閉じ込めたゲル)が得られる。そうして、マトリックスに含有されたイオン液体は、そこから出たり、あるいはそこから蒸発することなく、閉じ込められたままとなる。

このようなイオノゲルは、特に、特許文献WO2005/007746A1に示されている。この文献では、アルコキシシランなどの加水分解基を含むゾルーゲル分子前駆体の重縮合によって、鉱物又は有機鉱物タイプ(すなわち、本質的に無機)の硬直した(rigid)閉じ込めマトリックスを含む、モノリシック状のイオノゲルを形成すること、そのゾル−ゲル分子前駆体はイオン液体と予め混合され、重縮合後にこの閉じ込めマトリックスを形成すること、が教示されている。

特許文献WO2010/092258A1では、多孔質複合電極上にイオノゲルをキャスト(casting)し、同時に、電解液含浸させた複合電極と、鉱物又は有機鉱物でもある硬直したマトリックスを含むセパレータ電解液とを形成することにより、リチウム電池用の複合電極を製造することが教示されている。このイオノゲルは、イオン液体、リチウム塩、及びこれと同じゾル−ゲル前駆体(アルコキシシランなど)を混合することにより得られる。

また、例えば、論文Interaction of Ionic Liquidswith Polysaccharides,8−Synthesis of Cellulose Sulfates Suitable for Polyelectrolyte Complex Formation(Gericke,M.,Liebert,T.,Heinze,T.著、Macromol.Biosci.2009年,9巻,343〜353頁)に示されているように、従来から、ポリサッカライドなどの、バイオポリマー閉じ込めマトリックス(すなわち、バイオマス由来有機ポリマーに基づく、つまり、生物によって産生されるマトリックス)を含むイオノゲルを合成することが求められている。この論文において得られたイオノゲルの主要な問題点は、イオノゲルが硬直した物理ゲルのみからなるという事実にある(硬直した物理ゲルとは、物理的架橋を有するゲルのことであり、物理的架橋とは、例えば温度などの物理的条件に応じ、ストレス下で可逆的に変形可能である弱い結合のことである。)。バイオポリマーマトリックスを含むこれらの既知のイオノゲルの別の問題点は、閉じ込められるイオン液体が親水性でなければならないことである。

概要

本発明は、少なくとも1つのイオン液体のための有機閉じ込めマトリックスを含むモノリシックイオノゲル、及びその製造方法に関する。本発明のイオノゲルは、架橋したポリサッカライドに基づくバイオポリマー閉じ込めマトリックスと、そのマトリックスによって形成されたネットワーク内に閉じ込められたイオン液体とを含む。本発明のポリサッカライドは、シロキサン架橋ブリッジを有し、イオノゲルは、それ自体で自立した固体電解質を構成可能な化学ゲルである。このイオノゲルは、塩基性水溶液中でのシラン化剤によるポリサッカライドのシラン化と、シラン化ポリサッカライドの重縮合とを含む方法を使用して得られる。第一の実施形態では、本方法は、ゾル−ゲル法によってシラン化され且つ架橋されたポリサッカライドに基づくヒドロゲルの調製と、その後、疎水性の増加を伴う溶媒交換反応とを含む。第二の好適な実施形態では、酸性媒体中でイオン液体を含む第一溶液と、シラン化され且つ非架橋のポリサッカライドを含有する第二溶液とを混合し、混合によってその架橋が起こることを含む。

目的

本発明の課題は、特にこれらの欠点を克服する、少なくとも1つのイオン液体のためのバイオポリマー閉じ込めマトリックスを含むイオノゲルを提供する

効果

実績

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請求項1

少なくとも1つの架橋ポリサッカライドに基づくバイオポリマー閉じ込めマトリックスと、前記マトリックスによって形成されたネットワーク内に閉じ込められた少なくとも1つのイオン液体とを含むモノリシックイオノゲルであって、前記少なくとも1つのポリサッカライドは、シロキサン架橋ブリッジ有し、イオノゲルは、それ自体で自立した固体電解質を構成可能な化学ゲルであることを特徴とする、上記モノリシックイオノゲル。

請求項2

前記イオノゲルは、10μm以上の平均厚さ、及び25℃で0.7mS.cm−1以上のイオン伝導度を有することを特徴とする、請求項1に記載のイオノゲル。

請求項3

前記閉じ込めマトリックスは、アルコキシシランなどのシランから誘導されるゾルゲル型の任意の分子前駆体を欠いていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のイオノゲル。

請求項4

前記少なくともポリサッカライドは、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシエチルメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシプロピルオキシメトキシセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される、セルロース系誘導体であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のイオノゲル。

請求項5

前記少なくとも1つのイオン液体が、以下を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のイオノゲル:−カチオンとして、核が、窒素原子を含み、且つイミダゾリウムピリジニウムピロリジニウム及びピペリジニウムから選択され、当該核は、好ましくは、窒素原子上で1から8個の炭素原子を有する1つ又は2つのアルキル基置換され、炭素原子上で1から30個の炭素原子を有する1つ以上のアルキル基と置換され、並びに−アニオンとして、ハロゲン化物ペルフルオロアニオン、ホスホン酸塩ジシアナミド又はホウ酸塩で、前記アニオンは好ましくはビストリフルオロメタンスルホニルイミドである。

請求項6

前記少なくとも1つのイオン液体が疎水性であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のイオノゲル。

請求項7

前記イオノゲルが、シラン化剤を用いて予めシラン化された少なくとも1つのポリサッカライドを含み、シラン化剤が、前記シロキサン架橋ブリッジを形成可能であり、且つ好ましくは以下の群から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のイオノゲル:a)式(I)の化合物であって、Aは、ハロゲン原子、又はエポキシド官能基で任意に置換されたC1−C20のアルキル基を表し、R1、R2及びR3は、それぞれ互いに独立して、直鎖状又は分岐状のC1−C20のアルキル基、又はアルカリ金属を表し、b)式(II)の化合物であって、Aは、ハロゲン原子、又はエポキシド官能基で任意に置換されたC1−C20のアルキル基を表し、Bは、C1−C20のアルキル基を表し、R1、R2及びR3は、それぞれ互いに独立して、直鎖状又は分岐状のC1−C20のアルキル基、又はアルカリ金属を表し、c)式(III)の化合物であって、R1、R2及びR3は、それぞれ互いに独立して、ハロゲン原子、又はエポキシド官能基で任意に置換されたC1−C20のアルキル基を表し、並びにd)ビスグリシドキシプロピルテトラメチルジシラザン

請求項8

前記イオノゲルは、前記シロキサン架橋ブリッジと共有結合を形成する無機ナノファイバー、好ましくは、主に異方性があり且つ多孔質であるシリカナノファイバーを、更に含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のイオノゲル。

請求項9

前記イオノゲルが、25℃で、1.5mS.cm−1と5mS.cm−1の間のイオン伝導度を有することを特徴とする、請求項8に記載のイオノゲル。

請求項10

塩基性水溶液中でシラン化剤を用いた前記少なくとも1つのポリサッカライドのシラン化と、シラン化ポリサッカライドの重縮合とを本質的に含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のイオノゲルの製造方法。

請求項11

ゾル−ゲル経路により、水性媒体中での重縮合により、シラン化され且つ架橋された前記少なくとも1つのポリサッカライドに基づく、ヒドロゲルの調製と、その後、疎水性が増加する溶媒交換される連続反応と、を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法であって、連続反応が以下を含む、上記方法:−親水性のイオン液体、例えば1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルホスホネートに基づく非水性の第一溶媒を用い、ゾル−ゲル経路を介してシラン化され且つ架橋された前記少なくとも1つのポリサッカライドを含有する水性溶媒を交換する、溶媒の最初の交換、−例えばアセトニトリルに基づく親水性のより低い非水性の中間溶媒を用い、前記非水性の第一溶媒を交換する、溶媒の少なくとも1つの中間の交換、及び−前記少なくとも1つの疎水性のイオン液体を用い、前記非水性の中間溶媒を交換する、溶媒の最後の交換。

請求項12

酸性媒体中で前記少なくとも1つのイオン液体を含む第一溶液と、水性塩基性媒体中で前記少なくとも1つのシラン化され且つ非架橋のポリサッカライドを含む第二溶液との直接混合を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法であって、イオン液体媒体中での、前記シロキサンブリッジを介した前記少なくとも1つのポリサッカライドの架橋が、ポリサッカライドの重縮合を介した当該混合によって起こる、上記方法。

請求項13

前記少なくとも1つのポリサッカライドの前記シロキサン架橋ブリッジと共有結合を形成する無機ナノファイバーの添加、好ましくは、主に異方性があり且つ多孔質であるシリカナノファイバーの添加を更に含み、それにより前記イオノゲルが、25℃で、1.5mS.cm−1と5mS.cm−1の間のイオン伝導度を有することを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、少なくとも1つのイオン液体閉じ込めバイオポリマー型の有機マトリックスを含む、モノリシックイオノゲル(すなわち、「バイオベース」のイオノゲル)に関する。また、本発明は、2つの異なるイオノゲルをもたらす2つの実施方法を含む、当該イオノゲルを製造する方法に関する。本発明は、一般に、可撓性がありモノリシックなイオン伝導性ゲル(特に、電池セル光起電力セルなどのエネルギー貯蔵デバイス用)、気体又は液体を分離するための膜、電気透析膜センサー、及びクロマトグラフィー分析における固体相を使用するデバイスに適用されるが、これらは例示であってこれらに限定されるものではない。

背景技術

0002

加水分解及び縮合を含むゾルゲル法によってゲルを製造する方法は、長きにわたり知られてきた。この方法では、分子前駆体(「真」液体と呼ばれる)から出発して、コロイド溶液(「ゾル」と呼ばれる)の形成をもたらし、その後、コロイド粒子の連結(connection)によって、ゲルと呼ばれる連続固体骨格(continuous solid skeleton)の形成をもたらす。

0003

さらに、イオン液体が、カチオンアニオン会合により形成され、周囲温度に近い温度では液体状態である。イオン液体は、注目すべき特徴、例えば、揮発性ゼロ、高イオン伝導性を有し、触媒特徴をも有する。

0004

とりわけ、連続固体骨格を形成する閉じ込めマトリックス(confinement matrix)内にイオン液体を閉じ込める方法が知られており、これにより、イオノゲル(すなわち、イオン伝導性を保持する、イオン液体を閉じ込めたゲル)が得られる。そうして、マトリックスに含有されたイオン液体は、そこから出たり、あるいはそこから蒸発することなく、閉じ込められたままとなる。

0005

このようなイオノゲルは、特に、特許文献WO2005/007746A1に示されている。この文献では、アルコキシシランなどの加水分解基を含むゾルーゲル分子前駆体の重縮合によって、鉱物又は有機鉱物タイプ(すなわち、本質的に無機)の硬直した(rigid)閉じ込めマトリックスを含む、モノリシック状のイオノゲルを形成すること、そのゾル−ゲル分子前駆体はイオン液体と予め混合され、重縮合後にこの閉じ込めマトリックスを形成すること、が教示されている。

0006

特許文献WO2010/092258A1では、多孔質複合電極上にイオノゲルをキャスト(casting)し、同時に、電解液含浸させた複合電極と、鉱物又は有機鉱物でもある硬直したマトリックスを含むセパレータ電解液とを形成することにより、リチウム電池用の複合電極を製造することが教示されている。このイオノゲルは、イオン液体、リチウム塩、及びこれと同じゾル−ゲル前駆体(アルコキシシランなど)を混合することにより得られる。

0007

また、例えば、論文Interaction of Ionic Liquidswith Polysaccharides,8−Synthesis of Cellulose Sulfates Suitable for Polyelectrolyte Complex Formation(Gericke,M.,Liebert,T.,Heinze,T.著、Macromol.Biosci.2009年,9巻,343〜353頁)に示されているように、従来から、ポリサッカライドなどの、バイオポリマー閉じ込めマトリックス(すなわち、バイオマス由来有機ポリマーに基づく、つまり、生物によって産生されるマトリックス)を含むイオノゲルを合成することが求められている。この論文において得られたイオノゲルの主要な問題点は、イオノゲルが硬直した物理ゲルのみからなるという事実にある(硬直した物理ゲルとは、物理的架橋を有するゲルのことであり、物理的架橋とは、例えば温度などの物理的条件に応じ、ストレス下で可逆的に変形可能である弱い結合のことである。)。バイオポリマーマトリックスを含むこれらの既知のイオノゲルの別の問題点は、閉じ込められるイオン液体が親水性でなければならないことである。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の課題は、特にこれらの欠点を克服する、少なくとも1つのイオン液体のためのバイオポリマー閉じ込めマトリックスを含むイオノゲルを提供することである。この課題は、出願人がまさに以下のことを発見したことにより達成される。すなわち、シラン化剤を用いてポリサッカライドの制御された化学的架橋を行い、ポリサッカライドのポリマー鎖の間にSi−O−Siシロキサン架橋ブリッジを形成することにより、驚くべきことに、約200℃の温度であっても安定で、且つ高い性能レベルを有する、可撓性があるモノリシックイオノゲルを得ることが可能になる。

課題を解決するための手段

0009

したがって、本発明のモノリシックイオノゲルは、少なくとも1つの架橋ポリサッカライドに基づくバイオポリマー閉じ込めマトリックスと、前記マトリックスによって形成されたネットワーク内に閉じ込められた少なくとも1つのイオン液体とを含む。このイオンゲルは、前記少なくとも1つのポリサッカライドが、シロキサン架橋ブリッジを有し、イオノゲルは、それ自体で自立した固体電解質(self−supported solid electrolyte by itslef)を構成可能な化学ゲルであることを特徴とする(この自立した特性は、イオノゲルのモノリシックな性質によるものである。)。

0010

本発明によるこの化学ゲル(すなわち、化学的架橋と強い結合により、約200℃の温度であっても長く続く安定性と性能レベルが付与される化学ゲル)は、10μm以上(好ましくは15μmと200μmの間)の平均厚さ、及び25℃で0.7mS.cm−1以上のイオン伝導度を有する自立フィルムから、有利に形成されることに注目されたい。

0011

また、本発明によるイオノゲルは、シロキサンブリッジによって架橋されたホストネットワークを形成し、そのイオノゲルは、手動曲げ試験で検証された高い可撓性を示すことにも注目されたい。

0012

また、上記論文の記載とは反対に、本発明のこのイオノゲル中で使用される、前記の少なくとも1つのイオン液体は、暗黙の区別なく、親水性又は疎水性であってもよいことにも注目されたい。

0013

本発明の別の特徴によれば、前記の閉じ込めマトリックスは、上記特許文献に記載されたイオノゲルとは反対に、アルコキシシランなどのシランから誘導されるゾル−ゲル型の任意の分子前駆体を欠いていてもよい。

0014

ポリサッカライドとして、全ての既知の直鎖状又は分岐状のもの、特に、式−[Cx(H2O)y]n−(一般に、yは、x−1と等しい)に相当するものは、本発明で使用可能である。

0015

好ましくは、前記少なくともポリサッカライドは、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシエチルメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシプロピルオキシメトキシセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される、セルロース系誘導体である。変形例として、セルロース系誘導体以外のポリサッカライドが使用できる。

0016

同様に、例えば、特許文献WO97/05911A1、及び論文Synthesis and General Properties of Silated−Hydroxypropyl Methylcellulose in Prospect of Biomedical Use(Bourges,X.Weiss,P.Daculsi,G.Legeay,G.著、Adv.Colloid Interface Sci.2002年,99巻,215〜228頁)に示されているように、好ましくは、前記少なくとも1つのポリサッカライドは、前記シロキサン架橋ブリッジを形成可能な基を有している。

0017

好ましくは、前記少なくとも1つのイオン液体は、以下を含む:
−カチオンとして、核が、窒素原子を含み、且つイミダゾリウムピリジニウムピロリジニウム及びピペリジニウムから選択され、当該核は、好ましくは、窒素原子上で1から8個の炭素原子を有する1つ又は2つのアルキル基置換され、炭素原子上で1から30個の炭素原子を有する1つ以上のアルキル基と置換され、並びに
−アニオンとして、ハロゲン化物ペルフルオロアニオン、ホスホン酸塩ジシアナミド又はホウ酸塩で、前記アニオンは好ましくはビストリフルオロメタンスルホニルイミドである。

0018

さらにより好ましくは、前記少なくとも1つのイオン液体は、疎水性であるように選択され、例えば、ピロリジニウム核を含むカチオン、及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含む。

0019

本発明の別の一般的な特徴によれば、前記イオノゲルは、シラン化剤を用いて予めシラン化された少なくとも1つのポリサッカライドを含んでもよく、シラン化剤は前記シロキサン架橋ブリッジを形成可能であり、且つ好ましくは以下の群から選択される:
a)式(I)の化合物




であって、Aは、ハロゲン原子、又はエポキシド官能基で任意に置換されたC1−C20のアルキル基を表し、R1、R2及びR3は、それぞれ互いに独立して、直鎖状又は分岐状のC1−C20のアルキル基、又はアルカリ金属を表し、
b)式(II)の化合物




であって、Aは、ハロゲン原子、又はエポキシド官能基で任意に置換されたC1−C20のアルキル基を表し、Bは、C1−C20のアルキル基を表し、R1、R2及びR3は、それぞれ互いに独立して、直鎖状又は分岐状のC1−C20のアルキル基、又はアルカリ金属を表し、
c)式(III)の化合物




であって、R1、R2及びR3は、それぞれ互いに独立して、ハロゲン原子、又はエポキシド官能基で任意に置換されたC1−C20のアルキル基を表し、並びに
d)ビスグリシドキシプロピルテトラメチルジシラザン

0020

さらにより好ましくは、前記シラン化剤は、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、ビスグリシドキシプロピルテトラメチルジシラザン、及びグリシドキシプロピルトリイソプロポキシシランから選択される。

0021

有利には、前記イオノゲルは、前記シロキサン架橋ブリッジと共有結合を形成する無機ナノファイバー、好ましくは、主に異方性があり且つ多孔質であって10に近いアスペクト比を有することのできるシリカナノファイバーを含んでいてもよい。この場合、前記イオノゲルは、25℃で、1.5mS.cm−1と5mS.cm−1の間のイオン伝導度を有利に有することができるナノ複合材料を形成する。

0022

一般に、上記で定義したイオノゲルを製造するための本発明の方法は、塩基性水溶液中でシラン化剤を用いた前記少なくとも1つのポリサッカライドのシラン化と、シラン化ポリサッカライドの重縮合とを本質的に含む。

0023

好ましくは、前記少なくとも1つのイオン液体は疎水性であり、前記シラン化剤は上記で定義したとおりである。

0024

より具体的には、本発明のイオノゲルは、以下の示す2つの実施形態に従って、2つの異なる方法によって製造することができる。

0025

本発明の第一の実施形態によれば、本方法は以下を含む:
−ゾル−ゲル経路(route)を介し、水性媒体中での重縮合により、シラン化され且つ架橋された前記少なくとも1つのポリサッカライドに基づくヒドロゲルの調製(ヒドロゲル中、ポリサッカライドが水を閉じ込めることによって特定される)、次いで
−疎水性が増加する溶媒交換される連続反応

0026

ヒドロゲルは、薄膜の形態で(膜厚可変で、100μm以上であってもよい)、支持体上にキャストし又はコーティングできることに注目されたい(そのようなヒドロゲルは、特に、上記特許文献WO97/05911A1に示されており、当該文献には、重縮合によるシラン化ポリサッカライド型の閉じ込めマトリックスを含むヒドロゲルを形成することが教示されている。

0027

疎水性が増加する溶媒が交換される前記反応は、以下を含んでもよい:
−親水性のイオン液体、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルホスホネートに基づく非水性の第一溶媒を用い、ゾル−ゲル経路を介してシラン化され且つ架橋された前記少なくとも1つのポリサッカライドを含有する水性溶媒を交換する、溶媒の最初の交換、
−例えばアセトニトリルに基づく、親水性のより低い非水性の中間溶媒を用い、前記非水性の第一溶媒を交換する、溶媒の少なくとも1つの中間の交換、及び
−前記少なくとも1つの疎水性のイオン液体を用い、前記非水性の中間溶媒を交換する、溶媒の最後の交換。

0028

本発明の第二の好適な実施形態によれば、前記第一の実施形態と比べて、特に、調製時間が短く、且つ、閉じ込められたイオン液体の質量分率が大きいことを含む利点を有する。本方法は、酸性媒体中で前記少なくとも1つのイオン液体を含む第一溶液と、水性塩基性媒体中でシラン化され且つ非架橋の前記少なくとも1つのポリサッカライドに基づく第二溶液との直接混合を含み、これにより、イオン液体媒体中での、前記シロキサンブリッジを介した前記少なくとも1つのポリサッカライドの架橋が、ポリサッカライドの重縮合を介した当該混合によって起こる。

0029

有利には、これらの2つの実施形態は、前記少なくとも1つのポリサッカライドの前記シロキサン架橋ブリッジと共有結合を形成する無機ナノファイバーの添加、好ましくは、主に異方性があり且つ多孔質であって10に近いアスペクト比を有することのできるシリカナノファイバーの添加を更に含んでもよく、それによりイオノゲルは、25℃で、1.5mS.cm−1と5mS.cm−1の間のイオン伝導度を有する。

0030

本発明の他の特徴、利点及び詳細は、非限定的な例示として与えられる以下の本発明のいくつかの例示的な実施形態の説明を読むことで明らかになるであろう。

実施例

0031

[本発明の第一の実施形態によるイオノゲルの調製例]
(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン(シグマアルドリッチ社製、「GPTMS」と略す)からなるシラン化剤を用いて予めシラン化されたヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel E4Mの名称でColorcon社によって製造され、水中に2%の質量分率で、25℃で4000cPに等しい粘度を有する)を、上記特許文献WO97/05911A1に記載された実験手順に従って、化学的に架橋した。シラン化され且つ架橋されて得られたHPMC生成物は、閉じ込めマトリックスを形成することを意図して、出発ヒドロゲル(H1と称する)を構成する。

0032

出発ヒドロゲルH1(シラン化され、Si−O−Siブリッジによって架橋されたHPMCを2重量%、及び水溶液を98%含有する)に、その調製の間、異方性があり且つ多孔質であって10に近いアスペクト比を有するシリカナノファイバーを、これらのナノファイバーの質量分率が1%と4%に等しい2つの質量分率になるように添加し、2つの他の出発ヒドロゲルH2及びH3をそれぞれ得た。

0033

次いで、各ヒドロゲルH1,H2及びH3に、以下の工程を含む同一の溶媒交換処理を施した:
a)H1,H2及びH3の水溶液を、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルホスホネート(MMIm MePhosと略す)からなる親水性のイオン液体と交換した。H1,H2及びH3を、このイオン液体の2つの連続浴中に、それぞれ24時間浸漬することにより、中間のイオノゲルI1,I2及びI3を得た。
b)大気雰囲気下、50℃で24時間乾燥させた後、このMMIm MePhosイオン液体を、アセトニトリルと交換した。これらの中間のイオノゲルI1,I2及びI3を、ソックスレー装置内に24時間置くことによって交換した。その後、
c)この交換の後、直ちに、得られた試料を、疎水性のイオン液体を含有する2つの連続浴中に24時間置き、その後、大気雰囲気下、50℃で24時有漢乾燥させた。これにより、本発明の3つの最終イオノゲルI1’,I2’及びI3’を得た。

0034

N−プロピル−N−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Pyr13 TFSIと略記する)を、閉じ込められるイオン液体として使用した。

0035

本発明のこれらの疎水性イオノゲルI1’,I2’及びI3’の3つ(0%、1%及び4%のシリカナノファイバーの質量分率をそれぞれ含むヒドロゲルH1,H2及びH3から誘導されたもの)は全て、均質且つ可撓性のある自立構造を有していた(可撓性は、手動曲げ試験によって特徴付けした)。以下の表1は、溶媒交換プロセスの各ステージにおける、イオノゲルI1’,I2’及びI3’をもたらす全てのマトリックス+液体中にある4つの液体(すなわち、水、MMIm MePhos、アセトニトリル、及びPyr13 TFSI)の質量分率と、各イオノゲルI1’,I2’及びI3’と各初期ヒドロゲルH1,H2及びH3の間の全体積減少とを、詳細を示している。

0036

0037

これらの結果は、Si−O−Si架橋ブリッジグラフト(grafting)することによって相互作用するシリカナノファイバーの添加により、体積減少が最小化されることを示している。また、ナノファイバーを欠いたイオノゲルI1’中のPyr13 TFSIの質量分率(69%)は、これらのナノファイバーを含有するイオノゲルI2’及びI3’中のPyr13 TFSIの質量分率未満であり(このPyr13 TFSI分率は、ナノファイバーを最も多く含有するイオノゲルI3’中で最大となる)、それによって、ナノファイバーと、Pyr13 TFSIなどの疎水性イオン液体との良好な親和性を示している。

0038

また、MMIm MePhosのスペクトル、Pyr13 TFSIのスペクトル、並びにイオノゲルI1’,I2’及びI3’の各スペクトルを与える「FTIR」(「フーリエ変換赤外分光」)分析によれば、マトリックスの内部において、後者のイオノゲルI1’,I2’及びI3’が、疎水性イオン液体Pyr13 TFSIを純粋な状態で含有していることを示していた。換言すると、溶媒交換は、イオノゲルI1’,I2’及びI3’をもたらすように完了した。

0039

さらに、イオノゲルI1’,I2’及びI3’、シラン化されたHPMCバイオポリマー、並びに出発(starting)ヒドロゲルH1の、試料の質量損失を温度の関数として測定する熱重量分析(TGA)を行った。これらのTGA分析によれば、シラン化されたHPMCポリマーだけが210℃の温度で劣化したことを示した。一方でこの劣化は、より高い温度(240℃)で、ヒドロゲルH1中の架橋された状態において生じる。水とPyr13 TFSIイオン液体との交換に従って、イオノゲル中においてシラン化され且つ架橋されたHPMCの熱安定性は向上し、260℃まで安定が保持され、一旦閉じ込められたこのイオン液体の(400℃超での)劣化のしきい値が保たれた。

0040

以下の表2は、本発明の3つのイオノゲルI1’,I2’及びI3’について、Pyr13 TFSIイオン液体のイオン伝導度と比較するため、複素インピーダンス測定を用いて20℃で測定したイオン伝導度を示している(50℃で24時間、真空下での乾燥後)。

0041

0042

これらの結果は、シリカナノファイバーを欠いているイオノゲルI1’を特徴付ける0.7mS.cm−1のイオン伝導度が、既知のポリサッカライド系のイオノゲルのイオン伝導度に匹敵するか、あるいはそれよりもさらに高いことを示している。さらに、これらのシリカナノファイバーの添加により、特にこれらのナノファイバーを4%使用して得られた、4.5mS.cm−1のイオン伝導度によって示されるように、この伝導度を大幅に増加させることが可能になる(このイオン伝導度は、20℃より高く90℃に到達する温度であっても、閉じ込められていないイオン液体の場合のイオン伝導度よりも高い)。
[本発明の第二の実施形態によるイオノゲルの調製例]

0043

上記の第一の実施形態と同じヒドロキシプロピルメチルセルロースを、同じ「GPTMS」シラン化剤を用いて化学的にシラン化した。また、この第一の実施形態と同じ液体(Pyr13 TFSI)を、閉じ込められるイオン液体として使用した。

0044

最初に、溶液1及び2を以下のように調製した:
−溶液1:
0から80mgの範囲の様々な量のシリカナノファイバー(第一の実施形態と同じ)を、1mlのアセトニトリル及び1.7mlのギ酸と混合し、次いで、得られた溶液を、超音波浴の中に1時間入れた。その後、0.47gから1gの範囲の様々な量のPyr13 TFSIイオン液体をそこに添加し、一連の種々の溶液1を得た;
−溶液2:
3gのシラン化され且つ非架橋のHPMCポリマーを、97mlのNaOH水溶液(0.2mol.L−1)を含有する密閉フラスコ中に導入し、周囲温度で48時間撹拌することにより、ゲルを形成する単一溶液2を調整した。その後、得られた溶液を、周囲温度で透析した。1回目は、1.9Lの水酸化ナトリウム溶液(0.09mol.L−1)に対して20時間透析し、次いで2回目は、2Lのこの水酸化ナトリウム溶液(0.09mol.L−1)に対して1時間30分透析した。

0045

次いで、各溶液を、シリンジ交換により0.5mlの溶液2と混合した。前記混合は、シラン化されたHPMCを架橋する効果を有する。

0046

このようにして得られた各混合物を、鋳型内にキャストするか、あるいはスライドガラス又はPETのシート(例えば、Mylar(登録商標))などの堆積基板上に200μmの厚さでコーティングするかのいずれかにより、成形した。

0047

1日から3日の範囲の期間、溶媒を蒸発させて、各混合物をゲル化した。

0048

このようにキャスト又はコートして得られたイオノゲルは、そのイオン伝導度が、上記の第一の実施形態を用いて得られた比較的高い伝導度のように、約0.8mS.cm−1から5.0mS.cm−1であった。

0049

鋳型内のイオノゲルキャストの好ましい場合、イオノゲルは、100μmと900μmの間の平均厚さを有した(「Palmer」装置を用いてこの厚さ範囲を測定した)。

0050

薄膜として堆積したイオノゲルの場合、イオノゲルは、10μmと100μmの間の様々な厚さを有した(機械的な形状測定法によってこの厚さ範囲を測定した)。

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